JP6700038B2 - 毛髪処理剤、及び多剤式毛髪処理剤 - Google Patents
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これに対して、種類の異なるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合や、配合させるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の平均付加モル数の変更等を試みたが、操作性を向上させることは難しく、さらなる検討が必要であった。
また、多剤式毛髪処理剤の第1剤において、グリセリン脂肪酸エステルがさらに配合されている場合には、処理された毛髪の根元の立ち上がりをさらに良好にすることができる。
本実施形態に係る毛髪処理剤は、コメヌカ油、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が5以上45以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン、及びソルビタン脂肪酸エステルが配合されたものである。また、実使用上許容されるのであれば、更に公知の化粧品原料が配合されていてもよい。
本実施形態の毛髪処理剤には、植物油の一種であるコメヌカ油が配合される。このコメヌカ油を毛髪処理剤に配合させることで、毛髪にコンディショニング効果を付与することができる。本実施形態の毛髪処理剤におけるコメヌカ油の配合量は、5質量%以上30質量%以下が良く、8質量%以上25質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましく、12質量%以上16質量%以下が更に好ましい。その配合量が5質量%以上であると、毛髪へツヤを付与する観点から好ましく、30質量%以下であると、毛髪処理剤の粘性を低く抑えることができる。
本実施形態の毛髪処理剤には、コメヌカ油の分散性を高めるために、下記式(I)で表されるポリオキシエチレンの平均付加モル数が5以上45以下(好ましくは8以上35以下)であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が配合される。平均付加モル数が5以上45以下のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合量は、10質量%以上40質量%以下が良く、15質量%以上35質量%以下が好ましく、20質量%以上30質量%以下がより好ましい。その配合量が5質量%以上であると、コメヌカ油の分散性向上に好適であり、40質量%以下であると、毛髪処理剤の粘性を低く抑えることができる。
本実施形態の毛髪処理剤におけるグリセリンの配合量は、10質量%以上30質量%以下が良く、15質量%以上25質量%以下が好ましく、18質量%以上23質量%以下がより好ましい。その配合量が10質量%以上であると、コメヌカ油の分散性向上に好適であると共に毛髪の保湿効果が得られ、30質量%以下であると、毛髪処理剤の粘性を低く抑えることができる。
本実施形態の毛髪処理剤には、毛髪への塗布時(特にハケを用いた塗布時、以下同様)の操作性を良好にするために、ソルビタン脂肪酸エステルが配合される。また、このソルビタン脂肪酸エステルは、後述する多剤式毛髪処理剤の第1剤としての毛髪処理剤に配合された場合には、処理された毛髪の根元の立ち上がりを良好にすることができる。このソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタンモノ脂肪酸エステルが挙げられる。
本実施形態の毛髪処理剤には、水が配合されていてもよい。水を配合させる場合には、その配合量は、15質量%以上50質量%以下が良く、25質量%以上45質量%以下が好ましく、30質量%以上40質量%以下がより好ましい。その配合量が15質量%以上であると、毛髪処理剤の水へのすすぎ落とし易さがより向上するため好適であり、50質量%以下であると、毛髪処理剤の粘性が毛髪の根元への塗布操作に特に適したものとなる。
本実施形態の毛髪処理剤に配合される任意原料は、クレンジングオイルなどの公知の化粧品原料から適宜に選定される。この化粧品原料は、多価アルコール、糖類、エステル油、炭化水素、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、香料、防腐剤などである。
本実施形態の毛髪処理剤の粘度は、7000mPa・s以上13000mPa・s以下がよく、8000mPa・s以上12000mPa・s以下が好ましい。7000mPa・s以上とすることで毛髪処理剤を毛髪の根元に塗布する際に過剰な液だれを抑制することができ、13000mPa・s以下とすることで毛髪処理剤を操作する際の糸引きをより良好に抑制できる。ここで、上記の粘度は、HAAKE社製レオメーター「Rheo Stress 6000」を用いて、定常フローカーブモードにて、せん断速度(dγ/dt)18〜90s−1、コーンプレートセンサー(直径35mm、傾斜角2°)、温度25℃の条件で、36dγ/dtのη(mPa・s)の値を採用したものである。
本実施形態の毛髪処理剤のpHの上限は、例えば7.0である。一方、pHの下限は、例えば3.5である。
毛髪処理剤の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、毛髪処理剤に水を配合させる場合には、コメヌカ油、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が5以上45以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン、及びソルビタン脂肪酸エステルを50〜90℃程度で混合してから、水を追加して混合するようにしてもよい。
本実施形態の毛髪処理剤は、例えば、毛髪に塗布して用いられ、特に毛髪の根元に塗布して用いられる。この場合の使用方法の一例としては、洗浄後の毛髪が水で濡れた状態で、本実施形態の毛髪処理剤を毛髪の根元に塗布することが挙げられる。
また、後述するように、本実施形態の毛髪処理剤は、多剤式毛髪処理剤を構成する複数の剤のうちの1つとして用いられてもよい。
上述した本実施形態の毛髪処理剤は、多剤式毛髪処理剤を構成する複数の剤のうちの1つとして用いることができる。
この場合、多剤式毛髪処理剤は、上述した本実施形態の毛髪処理剤である第1剤と、第1剤が毛髪の根元部分に塗布された後に用いられ、アニオン界面活性剤が配合された第2剤と、を備える。上述の通り、多剤式毛髪処理剤の第1剤にソルビタン脂肪酸エステルを配合させることで、多剤式毛髪処理剤により処理された毛髪の根元の立ち上がりを良好にすることができる。また、上述の通り、多剤式毛髪処理剤の第1剤に、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルまたはピログルタミン酸エステル、流動パラフィン、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムの少なくともいずれかを配合させることで、多剤式毛髪処理剤により処理された毛髪の根元の立ち上がりをさらに良好にすることができる。
なお、多剤式毛髪処理剤は、前処理剤と、各表に記載の毛髪処理剤である第1剤と、アニオン界面活性剤が配合された第2剤と、によって構成した。
加水分解ケラチン1質量%
1,3−ブチレングリコール3質量%
グリセリン2質量%
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)2質量%
フェノキシエタノール0.3質量%
ポリオキシエチレンラノリン0.3質量%
ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム0.2質量%
エタノール0.2質量%
コハク酸ジエトキシエチル0.1質量%
香料0.1質量%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(2E.O.)7質量%
テトラデセンスルホン酸ナトリウム3質量%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(4.5E.O.)3質量%
N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム1質量%
イソステアリン酸アミドプロピルベタイン3質量%
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン2質量%
ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド2質量%
ピログルタミン酸イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)1質量%
塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース0.6質量%
香料0.3質量%
◎ : ハケ塗布の操作性が良いと5人中4〜5人が回答。
○ : ハケ塗布の操作性が良いと5人中3人が回答。
× : ハケ塗布の操作性が悪いと5人中3人以上が回答。
(i)水に濡れた毛髪に、前処理剤を塗布した。
(ii)前処理剤を水で洗い流さずに毛髪の根元部分に毛髪処理剤を塗布し、毛髪の中間から毛先部分にカチオン界面活性剤が配合されたクリームを塗布した。
(iii)適量のお湯を溜めたシャンプーベシンに第2剤を加えて毛髪全体に対してためすすぎを行った。
(iv)水に濡れた毛髪の中間から毛先にカチオン界面活性剤が配合されたトリートメントを塗布した後、水洗を行いタオルドライしてドライヤーで毛髪を乾燥させた。
(v)仕上がり後の毛髪の根元の分け目部分の立ち上がりを目視評価した。
◎◎ : 基準と比較して、5人中5人が根元の分け目部分の立ち上がりが優れると回答。
◎ : 基準と比較して、5人中4人が根元の分け目部分の立ち上がりが優れると回答。
○ : 基準と比較して、5人中3人が根元の分け目部分の立ち上がりが優れると回答。
― : 基準と比較して、5人中3人以上が根元の分け目部分の立ち上がりが基準と同等と回答。
× : 基準と比較して、5人中3人以上が根元の分け目部分の立ち上がりが劣ると回答。
また、上記表1の実施例1a、1b、1cを比較すれば分かるように、グリセリン脂肪酸エステルを配合することで、多剤式毛髪処理剤により処理された毛髪の根元の立ち上がりをさらに良好にすることできることが確認された。
さらに、上記表1の実施例1b、1cを比較すれば分かるように、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを配合することで、多剤式毛髪処理剤により処理された毛髪の根元の立ち上がりをより一層良好にすることできることが確認された。
また、上記表3によれば、ピログルタミン酸エステルが配合されている実施例3cは、ピログルタミン酸エステルが配合されていない実施例3aと比べて、多剤式毛髪処理剤により処理された毛髪の根元の立ち上がりを良好にすることできることが確認された。
また、上記表4によれば、流動パラフィンが配合された実施例4cは、流動パラフィンが配合されていない実施例4a(実施例1c)と比べて、多剤式毛髪処理剤により処理された毛髪の根元の立ち上がりを良好にすることできることが確認された。
Claims (4)
- コメヌカ油、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が5以上45以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン、並びに、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、及びモノオレイン酸ソルビタンから選ばれるソルビタン脂肪酸エステルが配合されたことを特徴とする毛髪処理剤。
- グリセリン脂肪酸エステルがさらに配合された請求項1に記載の毛髪処理剤。
- 請求項1または2に記載の毛髪処理剤である第1剤と、
前記第1剤が毛髪の根元部分に塗布された後に用いられ、アニオン界面活性剤が配合された第2剤と、
を備えた多剤式毛髪処理剤。 - 前記第1剤にポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルがさらに配合された請求項3に記載の多剤式毛髪処理剤。
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