JP2016069353A - 水中油型組成物、水中油型組成物の製造方法 - Google Patents

水中油型組成物、水中油型組成物の製造方法 Download PDF

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綾 可須水
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Abstract

【課題】コメヌカ油の分散性を向上させた水中油型組成物の提供。
【解決手段】コメヌカ油と共に、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が15以上25以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)及グリセリンを配合した水中油型組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、頭皮マッサージへの使用が好適な水中油型組成物、及びこの組成物の製造方法に関するものである。
皮膚表面を洗浄するためのクレンジングオイルの使用は、広く知られており、油汚れの除去に適している。クレンジングオイルには、油分が多く含まれており、洗い流す際の水との混和性を高めるための成分としてノニオン界面活性剤が一般的に配合される。
特許文献1には、コメヌカ油、ノニオン界面活性剤を含有するが、実質的に水を含有しない頭皮洗浄用組成物が開示されている。この組成物は、乾燥した頭皮に馴染ませて使用するとの内容が同文献に記載されている。
特開2007−302575号公報
コメヌカ油及びノニオン界面活性剤を含有する上記の様な組成物を使用する場合、頭皮が毛髪を含めて乾燥していないときには不備が生じる。すなわち、予め洗浄した毛髪が濡れた状態であると、水との混和性を高めるノニオン界面活性剤を含有しているとしても、毛髪の水分と接触した組成物が増粘傾向となって、組成物のコメヌカ油を頭皮にまで馴染ませ難くい状況となる。クレンジングオイルの油性剤型を水に馴染ませやすい水中油型剤型に変更すれば、上記のコメヌカ油を頭皮に馴染ませ難いといった状況の改善に繋がるが、剤型変更に伴うコメヌカ油の分散性に関する新たな課題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑み、コメヌカ油の分散性を向上させた水中油型組成物の提供を目的とする。
本発明者等が鋭意検討を行った結果、水中油型組成物を製造する際にコメヌカ油と共に配合するノニオン界面活性剤として所定のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合すれば、コメヌカ油の分散性に優れる知見を得た。また、グリセリンの配合により、水中油型組成物におけるコメヌカ油の分散性向上の知見を得た。これらの知見より、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る水中油型組成物は、コメヌカ油、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が15以上25以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)、及びグリセリンが配合されたことを特徴とする。
本発明に係る水中油型組成物は、毛髪が濡れた状態の頭皮に塗布して用いられるものであると良い。本発明に係る組成物は、水中油型の剤型であるから、濡れた毛髪の水分と接触しても、頭皮に行き届かせやすいものとなる。また、頭皮に行き届かせるには、本発明に係る水中油型組成物は、液状であると良い。
本発明に係る水中油型組成物は、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が26以上35以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(II)が配合されたものが良い。この配合により、コメヌカ油の経時的な分散安定性が向上する。
本発明に係る水中油型組成物は、フェノキシエタノールが1.0質量%以下配合されたものが良い。フェノキシエタノールの配合により、防腐効果が期待され、1.0質量%以下の配合量設定により、コメヌカ油の分散性が向上する。
本発明に係るコメヌカ油を分散させた水中油型組成物の製造方法は、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が15以上25以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)及びグリセリンを配合することを特徴とする。
本発明に係る水中油型組成物及び当該組成物の製造方法は、コメヌカ油と共に配合するノニオン界面活性剤として所定のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が選定され、グリセリンが更に配合されたものなので、コメヌカ油の分散性に優れる。
実施例3a〜3cに係る水中油型組成物を観察した図面代用写真である。 実施例4a〜4cに係る水中油型組成物を観察した図面代用写真である。 実施例5a〜5cに係る水中油型組成物を観察した図面代用写真である。 実施例7a〜7cに係る水中油型組成物を観察した図面代用写真である。
本発明の実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態に係る水中油型組成物は、外相である水相中にコメヌカ油が分散した組成物であり、植物油、ノニオン界面活性剤、グリセリンが水と共に配合されたものである。また、実使用上許容されるのであれば、更に公知の化粧品原料が配合されていても良い。
(植物油)
本実施形態の水中油型組成物には、植物油の一種であるコメヌカ油が配合される。本実施形態の水中油型組成物におけるコメヌカ油の配合量は、5質量%以上30質量%以下が良く、8質量%以上25質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましく、12質量%以上16質量%以下が更に好ましい。その配合量が5質量%以上であると、頭皮をマッサージし易く、30質量%以下であると、当該組成物の粘性が低くなって頭皮に塗布し易くなる。
コメヌカ油以外の植物油としては、例えば、ホホバ油、アーモンド油、オリーブ油が挙げられ、ホホバ油を配合した場合、頭皮をマッサージするときの毛髪の指通りが向上する。コメヌカ油以外の植物油の配合量は、例えば、コメヌカ油1質量部に対して0.3質量部以上0.6質量部以下である。
(ノニオン界面活性剤)
本実施形態の水中油型組成物には、コメヌカ油の分散性を高めるノニオン界面活性剤として、下記式(I)で表されるポリオキシエチレンの平均付加モル数が15以上25以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)が配合される。本実施形態の水中油型組成物におけるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)の配合量は、5質量%以上30質量%以下が良く、8質量%以上25質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましく、12質量%以上16質量%以下が更に好ましい。その配合量が5質量%以上であると、コメヌカ油の分散性向上に好適であり、30質量%以下であると、当該組成物の粘性が低くなって頭皮に塗布し易くなる。
[上記式(I)において、平均付加モル数a、b、c、d、e、及びfの総和は15以上25以下であり、18以上23以下が好ましい。]
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)以外のノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)以外のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。
本実施形態の水中油型組成物は、コメヌカ油の経時的な分散性向上のために、下記式(II)で表されるポリオキシエチレンの平均付加モル数が26以上35以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(II)が配合されたものが良い。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(II)の配合量は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)1質量部に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下が良く、0.2質量部以上0.4質量部以下が好ましい。
[上記式(II)において、平均付加モル数l、m、n、o、p、及びqの総和は26以上35以下であり、28以上33以下が好ましい。]
(グリセリン)
本実施形態の水中油型組成物におけるグリセリンの配合量は、10質量%以上30質量%以下が良く、15質量%以上25質量%以下が好ましく、18質量%以上23質量%以下がより好ましい。その配合量が10質量%以上であると、コメヌカ油の分散性向上に好適であり、30質量%以下であると、当該組成物の粘性が低くなって頭皮に塗布し易くなる。
(水)
本実施形態の水中油型組成物における水の配合量は、15質量%以上50質量%以下が良く、25質量%以上45質量%以下が好ましく、30質量%以上40質量%以下がより好ましい。その配合量が15質量%以上であると、当該組成物と水との混和性向上に好適であり、50質量%以下であると、当該組成物の粘性が頭皮をマッサージするために適したものとなる。
(任意原料)
本実施形態の水中油型組成物に配合される任意原料は、クレンジングオイルなどの公知の化粧品原料から適宜に選定される。この化粧品原料は、多価アルコール、糖類、エステル油、炭化水素、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、香料、防腐剤などである。
本実施形態の水中油型組成物にフェノキシエタノールを配合する場合、当該組成物におけるフェノキシエタノールの配合量は、コメヌカ油の分散性を高めるために、1.0質量%以下が良く、0.7質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましい。一方、コメヌカ油の配合量の下限は、特に限定されないが、例えば0.1質量%である。
(粘度)
本実施形態の水中油型組成物の粘度は、5000mPa・s以下が良く、3000mPa・s以下が好ましく、2000mPa・s以下がより好ましく、1000mPa・s以下が更に好ましい。毛髪が濡れた状態での頭皮に塗布し易くするには、液状剤型になる粘度が好適である。ここで、上記の粘度は、HAAKE社製レオメーター「Rheo Stress 6000」を用いて、定常フローカーブモードにて、せん断速度(dγ/dt)18〜90s−1、コーンプレートセンサー(直径35mm、傾斜角2°)、温度25℃の条件で、18dγ/dtのη(mPa・s)の値を採用したものである。
(pH)
本実施形態の水中油型組成物のpHは、肌のpHに近い7.0以下が良く、6.0以下が好ましい。一方、pHの下限は、例えば3.5である。
(製造方法)
公知の水中油型組成物の製造方法を採用すれば、本実施形態の水中油型組成物を製造できる。例えば、植物油、ノニオン界面活性剤、及びグリセリンを50〜90℃程度で混合してから、水を追加して混合することで得られる。
(用途)
本実施形態の水中油型組成物は、例えば、頭皮に塗布して用いられる。この場合の使用方法例としては、洗浄後の毛髪が水で濡れた状態で、本実施形態の水中油型組成物を頭皮に届かせ、頭皮をマッサージする。これにより、頭皮の汚れとなっている油分の除去も行える。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
コメヌカ油、ホホバ油、ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ジイソステアリン酸ポリグリセリル)、グリセリン、フェノキシエタノール、トコフェロール、ラウロイルグルタミン酸ジヘキシルデシル、及び香料を使用して、下記表1〜7に記載の配合濃度で水と配合して、実施例及び比較例の水中油型組成物を製造した。そして、夫々の水中油型組成物の評価を行った。
なお、各表におけるHLB(Hydrophile―Lipophile Balance)に関して、合成HLBは、ノニオン界面活性剤の加重平均したHLBである。
また、各ノニオン界面活性剤のHLBは、次の乳化試験により算出される。すなわち、(1)a質量部のHLBを求めるノニオン界面活性剤と、b質量部のソルビタンモノステアリン酸エステル(日光ケミカル社製「NIKKOL SS −10MV」、HLB値=4.7)を使用し、aとbを様々な比率とした下記組成、調製法で複数の乳化物を得る、(2)一日放置した後のこれら乳化物における油滴の粒径が最小となるaとbの比率に基づき、HLB値を「(10.5−4.7×b/4)4/a」により算出する。
乳化物の組成:
流動パラフィン(油相) 40質量%
乳化剤 a+b=4質量%
水 56質量%
乳化物の調製法:
流動パラフィンを80℃程度に加温して、攪拌しながら80℃以上の水相を加えて乳化する。その後、冷却しながら、攪拌を続けて40℃で放置する。
下記表1には、実施例1a〜1d及び比較例1a〜1bの水中油型組成物において、水と配合した原料及びその配合濃度、製造した夫々の水中油型組成物の評価結果を示す。ここで、表1における「外観」は、水中油型組成物で満たしたガラス製スクリュー管(直径3cmの有底円筒形状)を介して、背面に設けた文字を目視して確認した。そして、評価基準は、以下の通り行った。
○:明確に文字を確認できる。
△:不明確であるが文字を確認できる。
×:文字を確認できない。
―:外観の確認を行っていない。
表1の「外観」の「製造後」において、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)に該当するポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)の有無により、「○」と「×」の評価に分かれたことを確認できる(「合成HLB」が一致する実施例1a及び1cと、比較例1aとの対比においても、評価に差が出ていた。)。このことは、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)の配合によるコメヌカ油の分散性向上を意味する。
また、「外観」の「50℃雰囲気に1ヶ月放置後」において、実施例1b〜1cは、実施例1a及び1dよりも優れた結果であったことを確認できる。このことは、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(II)の配合により、コメヌカ油の経時安定性が向上したことを意味する。
下記表2には、実施例2a〜2bの水中油型組成物において、水と配合した原料及びその配合濃度、製造した夫々の水中油型組成物の評価結果を示す。
表2の「外観」の「50℃雰囲気に1ヶ月放置後」の結果は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(II)の配合により、コメヌカ油の経時安定性が向上したことを意味する。
下記表3には、実施例3a〜3cの水中油型組成物において、水と配合した原料及びその配合濃度、製造した夫々の水中油型組成物の評価結果を示す。
表3に示す実施例3a〜3cの水中油型組成物をスクリュー管に満たし、このスクリュー管の背面にある文字を目視確認した。その確認結果は、図1に示す通りであり、ノニオン界面活性剤の配合量を増やすと、透明性(コメヌカ油の分散性)が高まったことを確認できる。
下記表4には、実施例4a〜4cの水中油型組成物において、水と配合した原料及びその配合濃度、製造した夫々の水中油型組成物の評価結果を示す。
表4に示す実施例4a〜4cの水中油型組成物をスクリュー管に満たし、このスクリュー管の背面にある文字を目視確認した。その確認結果は、図2に示す通りであり、グリセリンの配合量を増やすと、透明性(コメヌカ油の分散性)が高まったことを確認できる。
下記表5には、実施例5a〜5cの水中油型組成物において水と配合した原料及びその配合濃度、製造した夫々の水中油型組成物の評価結果を示す。
表5に示す実施例5a〜5cの水中油型組成物をスクリュー管に満たし、このスクリュー管の背面にある文字を目視確認した。その確認結果は、図3に示す通りであった。
下記表6には、実施例6a〜6cの水中油型組成物において、水と配合した原料及びその配合濃度、製造した夫々の水中油型組成物の評価結果を示す。
表6において「頭皮マッサージのし易さ」及び「洗い流し易さ」の結果は、グリセリンの配合量の増減により影響していた。なお、その結果は、毛髪が濡れた状態の頭皮に水中油型組成物を塗布して確認したものである。
下記表7には、実施例7a〜7cの水中油型組成物において、水と配合した原料及びその配合濃度、製造した夫々の水中油型組成物の評価結果を示す。
表7に示す実施例7a〜7cの水中油型組成物をスクリュー管に満たし、目視確認した。その確認結果は、図4に示す通りであり、フェノキシエタノールの配合量を減らすと、透明性(コメヌカ油の分散性)が高まったことを確認できる。

Claims (6)

  1. コメヌカ油、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が15以上25以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)、及びグリセリンが配合されたことを特徴とする水中油型組成物。
  2. 毛髪が濡れた状態の頭皮に塗布して用いられる請求項1に記載の水中油型組成物。
  3. 液状である請求項2に記載の水中油型組成物。
  4. ポリオキシエチレンの平均付加モル数が26以上35以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(II)が配合された請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型組成物。
  5. フェノキシエタノールが1.0質量%以下配合された請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中油型組成物。
  6. コメヌカ油を分散させた水中油型組成物の製造方法であって、
    ポリオキシエチレンの平均付加モル数が15以上25以下であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(I)及びグリセリンを配合することを特徴とする水中油型組成物の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017114834A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 株式会社ミルボン 毛髪処理剤、及び多剤式毛髪処理剤

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