JP6698582B2 - 光ファイバカッタ - Google Patents

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Description

本開示は、光ファイバカッタに関する。
例えば、光ファイバを切断するにあたり、光ファイバに張力を加えた状態で初期傷をつけ、光ファイバに加えた張力によって初期傷を成長させて劈開によって切断する光ファイバカッタがある(例えば、特許文献1参照)。この光ファイバカッタは、光ファイバに初期傷を付けるための刃具を備えている。この刃具は、例えば、刃具本体と、その先端部に貼付された研磨シートを備える構造となっている。
特開2014−238574号公報
上記特許文献1に記載された光ファイバカッタにおける刃具において、刃具本体に研磨シートが貼付する際に接着剤または両面テープが用いられる。このうち接着剤を用いる場合には、刃具本体(刃体本体)に対して研磨シート(シート部材)を貼付する際に貼着状態にばらつきが生じ、十分な初期傷形成能力が得られ難かった。また、両面テープを用いる場合には、両面テープが軟らかく厚みを有するので、十分な初期傷形成能力が得られ難かった。
本発明の幾つかの実施形態が解決しようとする課題は、刃体における初期傷形成能力を十分に発揮させることができる光ファイバカッタを提供することである。
本発明の幾つかの実施形態に係る光ファイバカッタは、刃体を支持するカッタ支持体を移動させて前記刃体を当接させた光ファイバに初期傷を形成する初期傷形成部材を備え、前記刃体は、刃先部を備える刃体本体を有しており、初期傷形成力を備えるシート部材が前記刃体本体の刃先部に密着している。
上記の構成によれば、刃体においては、刃体本体の刃先部に初期傷形成力を備えるシート部材が密着している。このため、刃体本体の刃先部とシート部材との間に接着剤や両面テープなどの他の部材が介在されていないので、刃体本体の刃先部とシート部材との分離が起こりにくくなる。したがって、刃体における初期傷形成能力を十分に発揮させることができる。
また、前記シート部材は、基材に砥粒が設けられて形成されていてもよい。
上記の構成によれば、光ファイバに初期傷形成能力が高いシート部材とすることができる。
また、前記カッタ支持体には、前記刃体が嵌め込まれた嵌入孔が形成されており、前記シート部材は、前記カッタ支持体に形成された嵌入孔及び前記刃体本体に挟持されて前記刃体本体に密着していてもよい。
上記の構成によれば、シート部材がカッタ支持体に形成された嵌入孔及び刃体本体に挟持されて刃体本体に密着していることにより、刃体本体とシート部材とが密着した状態を安定して維持することができる。
また、前記刃体を前記光ファイバの延在方向に沿った軸周りに回動させて、前記光ファイバにおける初期傷を形成する位置である初期傷形成位置まで前記刃体を移動させる刃体移動部材をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、刃体における一部分の初期傷形成能力が低下した場合でも、光ファイバの切断時における刃体の移動によって刃体における光ファイバとの当接位置が移動する。したがって、光ファイバに初期傷を付ける位置として、刃体における広い範囲を使うことができるので、刃体の使用回数の増加を見込むことができる。
本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタは、刃体を支持するカッタ支持体を移動させて前記刃体を当接させた光ファイバに初期傷を形成する初期傷形成部材を備え、前記刃体は、刃体本体と、前記刃体本体に設けられた初期傷形成端とを有し、前記初期傷形成端は、樹脂に砥粒を含んで形成されている。
上記の構成によれば、刃体においては、刃体本体と、刃体本体に設けられた初期傷形成端とを有する。初期傷形成端は、樹脂に砥粒を含んで形成されているので、初期傷形成端そのものが刃先部を形成する。このため、刃体における初期傷形成能力を十分に発揮させることができる。
また、前記初期傷形成端は、直方体状に形成されていてもよい。
上記の構成によれば、初期傷形成端の摩耗による初期傷形成能力の低下を抑制することができる。
本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタの製造方法は、刃体を支持するカッタ支持体を移動させて前記刃体を当接させた光ファイバに初期傷を形成する初期傷形成部材を備える光ファイバカッタの製造方法であって、前記刃体を成型し、硬化させる型を準備し、樹脂に砥粒を含んでなる、初期傷形成端の材料を前記型に流し入れ、前記初期傷形成端の材料を流し入れた後に、刃体本体の材料を前記型に流し入れる。
上記の構成によれば、刃体本体と初期傷形成端とは、一つの型で一体的に成型することができる。このため、刃体本体と初期傷形成端との間に接着剤や両面テープなどの他の部材が介在されていないので、刃体本体と初期傷形成端との分離が起こりにくくなる。したがって、本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタにおいて、刃体における初期傷形成能力を十分に発揮させることができる。
また、前記砥粒の比重は、前記樹脂より大きい。
上記の構成によれば、刃体の製造時において初期傷形成端145Bの表面に砥粒Dを露出させることができる。
本発明の幾つかの実施形態に係る光ファイバカッタによれば、刃体における初期傷形成能力を十分に発揮させることができる。
本発明の幾つかの実施形態に係る光ファイバカッタの斜視図である。 本発明の幾つかの実施形態に係る光ファイバカッタの分解斜視図である。 本発明の幾つかの実施形態に係る光ファイバカッタの背面図である。 ベース部材の上面図である。 ベース部材の下面図である。 (A)は移動部材を上方から見た斜視図、(B)は移動部材を下方から見た斜視図である。 (A)はロック部材近傍の拡大分解斜視図、(B)はロック部材近傍の側面図である。 刃体の近傍の拡大断面図である。 (A)は、図3のA−A線断面図、(B)は、図3のB−B線断面図である。 光ファイバを切断する工程を簡略化して説明する説明図である。 刃体を圧入する工程を説明する工程図である。 (A)及び(B)は、本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタの刃体145の断面図である。 (A)〜(D)は、本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタの刃体145を製造する工程を説明する工程図である。
次に、本発明の幾つかの実施形態に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の幾つかの実施形態に係る光ファイバカッタの斜視図、図2は、その分解斜視図、図3は、その背面図である。なお、以下の説明では、発明を理解し易くするために、適宜構成部品の一部を省略したり、形状を単純化したり、縮尺を変更したりする等、図示を簡略化していることがある。また、XYZ直交座標系を設定して各構成の位置関係を説明する。また、XYZ直交座標系において、X方向を前後方向、Y方向を左右方向、Z方向を上下方向として説明する。また、+X側を前側、−X側を後側、+Y側を左側、−Y側を右側、+Z側を上側、−Z側を下側として説明する。なお、光ファイバの延出方向は、X軸に沿った方向となる。
図1〜図3に示すように、本発明の幾つかの実施形態に係る光ファイバカッタ1は、ベース部材10と、移動部材20を備えている。移動部材20は、スライダ本体20Aと、スライダ蓋部20Bとを備えている。図2に示すように、スライダ蓋部20Bには、光ファイバ保持部材34が取り付けられている。
また、移動部材20の後方には、初期傷形成部材40が設けられており、初期傷形成部材40には刃体45が取り付けられている。さらに、移動部材20の後端部とベース部材10との間にスプリング50が配設されている。ベース部材10における初期傷形成部材40の後方において、光ファイバ2を保持するファイバホルダ70がベース部材10に載置されている。なお、図2及び図3においては、ファイバホルダ70の図示を省略している。
光ファイバカッタ1におけるベース部材10、移動部材20、初期傷形成部材40、及びファイバホルダ70は、樹脂を主材料として設けられている。特に、ベース部材10や後に説明する刃体45の刃体本体45Aも樹脂で形成されており、筐体や金属製の刃体などを備える光ファイバカッタなどと比較して簡易な光ファイバカッタである。
スライダ蓋部20Bは、図1に仮想線で示すように、光ファイバ2をクランプするクランプ状態と、図1に実線で示すように、光ファイバ2のクランプを解除した非クランプ状態とになることがある。スライダ蓋部20Bがクランプ状態となると、スライダ本体20Aとスライダ蓋部20Bによって光ファイバ2をクランプする。初期傷形成部材40は、図1に仮想線で示すように、初期傷形成部材40に設けられた刃体45が光ファイバ2に初期傷を形成する初期傷形成位置に到達している作用位置と、図1に実線で示すように、作用位置以外の非作用位置に位置することがある。刃体45は、光ファイバ2におけるファイバホルダ70と移動部材20との間に初期傷を形成可能である。
移動部材20は、前進位置と後退位置との間でベース部材10に対して前後方向に移動可能とされている。スライダ蓋部20Bは、移動部材20の左端部に取り付けられており、移動部材20の移動方向に沿った軸周りに回動可能とされている。初期傷形成部材40は、ベース部材10の左端部に取り付けられており、移動部材20の移動方向に沿った軸周りに回動可能とされている。
次に、ベース部材について説明する。図4はベース部材の上面図、図5はベース部材の下面図である。図4及び図5に示すように、ベース部材10は、平面視した形状が全体として略矩形をなすベース部材本体11を備えている。ベース部材本体11における前後方向略中央部には、スライダ搭載部13が形成されている。スライダ搭載部13は、ベース部材本体11を上下方向に貫通する貫通部13Aと、図4に示すように、ベース部材本体11の下面側に形成され、下側から見たときに貫通部13Aよりも一回り大きい凹部13Bと、によって構成されている。また、スライダ搭載部13における後部の内壁の下面側には、スプリング50に反力を付与する反力壁13Cが形成されている。
ベース部材本体11におけるスライダ搭載部13の後方の左側端部には、カッタ支持体支持部14が形成されている。カッタ支持体支持部14は、ベース部材本体11よりも左側に突出した位置において、左右方向に延びる一対のブラケット14A,14Bを備えている。ブラケット14A,14Bの間には、カッタ軸部材14Cが架け渡されている。カッタ軸部材14Cは、左右方向(光ファイバの延在方向)に沿って配置されている。このカッタ軸部材14Cに初期傷形成部材40が回動可能に取り付けられている。
また、ベース部材本体11におけるカッタ支持体支持部14が設けられた位置の右側方には、第1係止部15が形成されている。第1係止部15は、支持板15Aと、支持板15Aの先端に設けられた第1係止爪15B及びロック解除用受側突起15Cと、を備えている。
支持板15Aは、基端部がベース部材本体11から前方へ突出する弾性変形可能な板状体である。図示例の支持板15Aは、ベース部材本体11に一体に形成されている。但し、支持板15Aはベース部材本体11に固定したベース部材本体11とは別体の部材であっても良い。第1係止爪15Bは、支持板15Aの先端における上面に設けられている。第1係止爪15Bは、側面視した形状が略三角形状を成しており、上下方向に沿った後面部と、後面部の前側に形成された傾斜部とを備えて構成されている。
ロック解除用受側突起15Cは、第1係止爪15Bにおける幅方向(左右方向)略中央位置に配置され、上下方向において第1係止爪15Bよりも高い位置まで延在する棒状の部材である。ロック解除用受側突起15Cが上方から押圧されることにより、支持板15Aが、ベース部材本体11に固定された基端部を基点として撓むようにされている。第1係止部15は、ベース部材本体11に設けられており、ファイバホルダ70はベース部材本体11におけるファイバホルダ設置部19に設置されることから、第1係止部15は、ファイバホルダ70に対して相対移動不能とされている。
ベース部材本体11における第1係止部15が形成された位置の右側方には、光ファイバ位置決め部材16が形成されている。図2に示すように、光ファイバ位置決め部材16は、ベース部材本体11に対して上下方向に沿って立設された板状体16Aを備えている。板状体16Aには、V溝16Bが形成されている。光ファイバ2を切断する際には、V溝16Bの底部に光ファイバ2が収められることによって、光ファイバ2が位置決めされる。
光ファイバ位置決め部材16の右側には、カッタ支持体受部18が設けられている。カッタ支持体受部18は、ベース部材本体11の右端部に設けられており、一対の柱状体を備えて構成されている。カッタ支持体受部18によって作動位置に近い位置にある初期傷形成部材40の移動を案内している。
光ファイバ位置決め部材16の後方にはファイバホルダ設置部19が形成されている。ファイバホルダ設置部19は、図1に示す光ファイバ2を保持するファイバホルダ70を設置可能とされた凹部である。ファイバホルダ70は、ファイバホルダ設置部19に設置されることで、ベース部材本体11に対して位置決めされて載置される。
次に、移動部材20のスライダ本体20Aについて説明する。移動部材20のスライダ本体20Aは、ベース部材本体11に形成されたスライダ搭載部13に搭載されている。ベース部材本体11に形成されたスライダ搭載部13における貫通部13Aの前後方向の長さは、スライダ本体20Aの前後方向の長さよりも長い。このため、スライダ本体20Aは、ベース部材本体11の貫通部13Aにおいて、前進位置及び後退位置の間でスライド移動可能とされている。ベース部材10のスライダ搭載部13は、スライダ本体20Aを前後方向にスライド移動自在に案内するガイド部の役割を果たす。移動部材20は、その全体が、ベース部材10に対するスライダ本体20Aの前後方向へのスライド移動に伴いベース部材10に対して前後方向に移動する。
図6(A)は移動部材を上方から見た斜視図、(B)は移動部材を下方から見た斜視図である。移動部材20におけるスライダ本体20Aは、図6にも示すように、平面視した形状が略矩形のスライダ基台21を備えている。スライダ基台21の上面側における左側端部には、クランパ支持部22が形成されている。クランパ支持部22は、スライダ基台21の左端部を切り欠いた凹部22Aと、凹部22Aにおける前壁と後壁をつなぐクランパ軸部材22Bとによって構成されている。クランパ軸部材22Bは、前後方向(光ファイバの延在方向)に沿って配置されている。このクランパ軸部材22Bにスライダ蓋部20Bが回動可能に取り付けられている。
クランパ支持部22の右側方には、光ファイバ載置溝24が形成されている。光ファイバ載置溝24は、スライダ基台21の上面において前後方向に沿って形成された溝である。光ファイバ載置溝24は、切断の対象となる光ファイバ2を載置するための溝であり、断面形状が略V字形状とされている。
光ファイバ載置溝24の右側には、クランパ受部25が形成されている。クランパ受部25は、スライダ基台21の右端部に形成されている。クランパ受部25は、クランパ受凹部と、クランパ受凹部における右外側壁に形成された係止板によって構成されている。係止板は、クランパ受部25における右側の内側面から内側方向に突出して形成された板状の部材である。この係止板によってスライダ蓋部20Bの端部が保持されてスライダ蓋部20Bが固定される。
スライダ基台21の下面側には、図6(B)に示すように、係合部材26A〜26Dが設けられている。係合部材26A〜26Dは、上下方向に延在し弾性を有する支持部と、支持部の下端部に取り付けられた係合部とを備えて構成されており、ベース部材本体11の下面側に形成された凹部13Bと係合する。
係合部材26A〜26Dにおける支持部の上端は、スライダ基台21に一体的に取り付けられている。係合部材26A〜26Dにおける係合部は、支持部から外側方向に向けて突出して形成されており、この突出した部分とベース部材の下面側に形成された凹部13Bとが係合する。移動部材20が移動する際には、スライダ基台21に設けられた係合部材26A〜26Dがベース部材本体11に形成された凹部13Bに沿って移動することにより、移動部材20が前後方向に沿って移動する。
スライダ基台21における後面には、第2係止部27が設けられている。第2係止部27は、支持ブロック27A及び支持ブロック27Aの下面に形成された第2係止爪27Bを備えている。スライダ基台21がベース部材本体11に組み付けられた状態で、支持ブロック27Aの下面は、支持板15Aの上面と略同じ高さ位置に配置される。
支持ブロック27Aは、基端部がスライダ基台21から後方へ突出する前後方向に沿って長いブロック体である。第2係止爪27Bは、支持ブロック27Aの下面に設けられている。第2係止爪27Bは、側面視した形状が略三角形状を成しており、上下方向に沿った前面部と、前面部の後側に形成された傾斜部とを備えて構成されている。
支持ブロック27Aにおける幅方向(左右方向)中央位置には、貫通孔27Cが形成されている。貫通孔27Cは、支持ブロック27Aを上下方向に貫通している。貫通孔27Cは、前後方向に沿って長く形成されており、支持ブロック27Aの下面における貫通孔27Cの左右両側にそれぞれ第2係止爪27Bが設けられている。また、貫通孔27Cには、第1係止部15におけるロック解除用受側突起15Cが下側から挿入されている。ロック解除用受側突起15Cの高さ位置は、支持ブロック27Aの上面の高さ位置と略同じとされている。
図7(A)はロック部材近傍の拡大分解斜視図、(B)はロック部材近傍の側面図である。図7(A)に示すように、第2係止爪27Bは、第1係止爪15Bに対して係止可能となる位置に配置されている。移動部材20が前進位置にあるときには、図7(B)に仮想線で示すように、第2係止爪27Bが第1係止爪15Bよりも前方に配置されており、第1係止爪15Bと第2係止爪27Bとは係止されておらず、移動部材20はロック解除状態となっている。また、移動部材20が後退位置にあるときには、図7(B)に実線で示すように、第2係止爪27Bが第1係止爪15Bよりも後方に配置されており、第1係止爪15Bと第2係止爪27Bとが係止されて、移動部材20はロックされて前方への移動が規制された状態であるロック状態となっている。
第2係止部27の後端部には、ストッパ28が設けられている。ストッパ28は、支持ブロック27Aの後端部において、上方に向けて突出する突起状に形成されている。ストッパ28は、移動部材20が後退位置よりも前方に配置されているときの初期傷形成部材40の回動を規制し、光ファイバ2に対する刃体45の当接を抑制している。ストッパ28は、移動部材20に設けられていることから、移動部材20の移動に伴って移動可能とされている。
図6に示すように、スライダ基台21の後面部における左右方向略中央部には、スプリング収容孔29が形成されている。スプリング収容孔29は、断面円形状の凹部であり、ベース部材10に移動部材20を組み付けたときに、スプリング収容孔29がベース部材10における反力壁13Cと向き合う位置に配置されている。スプリング収容孔29には、スプリング50が収容されている。
図1に示すように、移動部材20は、スライダ本体20Aのほかにスライダ蓋部20Bを備えている。スライダ蓋部20Bは、図1及び図2に示すように、長尺状のクランパ本体31を備えている。クランパ本体31は、クランプ状態で左右方向に沿って配設されている。クランプ状態のクランパ本体31における左端部には、クランパ把持部32が設けられている。クランパ把持部32は、移動部材20におけるクランパ軸部材22Bを把持している。クランパ把持部32がクランパ軸部材22Bを把持することにより、クランパ本体31がスライダ基台21に対してクランパ軸部材22B周りに回動可能とされている。クランパ本体31がクランパ軸部材22B周りに回動することで、スライダ蓋部20Bがクランプ状態と非クランプ状態とに変化する。
クランパ本体31における長手方向略中央位置には、保持部材収容凹部33が形成されており、保持部材収容凹部33には、光ファイバ保持部材34が収容されている。光ファイバ保持部材34は、ケース34Aを備えており、ケース34Aの下面側に保持部材本体34Bが取り付けられている。また、ケース34Aには、押付スプリング34Cが収容されている。
ケース34Aは、係止爪を備えており、クランパ本体31における保持部材収容凹部33の上面側に形成された係止孔に係止爪を係止することにより、光ファイバ保持部材34がクランパ本体31に取り付けられる。保持部材本体34Bは、弾力性を有する部材、例えばゴムによって形成されており、スライダ本体20Aとスライダ蓋部20Bによって光ファイバ2をクランプする際に、光ファイバ2に当接する部材である。押付スプリング34Cは、圧縮スプリングであり、保持部材本体34Bをクランパ本体31の上面から離反する方向に付勢している。
クランプ状態のクランパ本体31における右端部には、クランパ固定部材35が設けられている。クランパ固定部材35は、つまみ部35Aと係止部35Bとを備えて構成されている。つまみ部35Aは、X軸に沿った軸を中心として板状体を折り返した形状をなしており、内側片と外側片との間における折り返し部分が弾性を有している。また、外側片の外側面に係止部35Bが設けられている。
クランパ固定部材35は、スライダ基台21に形成されたクランパ受部25のクランパ受凹部に収容可能とされている。クランパ固定部材35がクランパ受凹部に収容されると、つまみ部35Aの内側片と外側片とが折り返し部の弾力によって離反する。つまみ部35Aの内側片と外側片とが離反すると、クランパ固定部材35の係止部35Bがクランパ受部25の係止板に係止された係止状態となり、スライダ蓋部20Bが固定され、スライダ蓋部20Bは、光ファイバ2をクランプするクランプ状態となる。
また、つまみ部35Aを作業員等がつまむことにより、つまみ部35Aの内側片と外側片とが近接し、クランパ固定部材35の係止部35Bとクランパ受部25の係止板との係止状態が解除される。このとき、つまみ部35Aをつまんだまま引き上げることにより、クランパ本体31が回動して、スライダ蓋部20Bのクランプ状態が解除されてスライダ蓋部20Bは非クランプ状態となる。
図1に示すように、ベース部材本体11におけるスライダ搭載部13の後方には、初期傷形成部材40が取り付けられている。初期傷形成部材40は、図1〜図3に示すように、長尺状のカッタ支持体41を備えている。カッタ支持体41は、作動位置にある状態で左右方向に沿って配設されている。
作動位置のカッタ支持体41における左端部には、カッタ部材把持部42が設けられている。カッタ部材把持部42は、ベース部材本体11に設けられたカッタ支持体支持部14におけるカッタ軸部材14Cを把持している。カッタ部材把持部42がカッタ軸部材14Cを把持することにより、カッタ支持体41がベース部材本体11にしてカッタ軸部材14C周りに回動可能とされている。このため、カッタ支持体41に取り付けられた刃体45は、光ファイバ2の延在方向(前後方向)に交差する方向、例えば直交する面に沿った方向に移動可能とされている。
作動位置のカッタ支持体41の下面41Aには、ロック解除用突起43が設けられている。ロック解除用突起43は、支持ブロック27Aに形成された貫通孔27Cの形状を一回り小さくした形状とされている。移動部材20が後退位置に配置されているときには、ロック解除用突起43が貫通孔27Cに進入可能とされている。また、移動部材20が後退位置よりも前方に配置されているときには、ロック解除用突起43は、ストッパ28と当接して貫通孔27Cには進入不能とされている。
ロック解除用突起43は、支持ブロック27Aの貫通孔27Cに対して上側から進入可能とされている。ロック解除用突起43は、支持ブロック27Aの貫通孔27Cに進入すると、ロック解除用受側突起15Cを上方から押圧し、第1係止爪15Bと第2係止爪27Bによるロック状態を解除する。
図3に示すように、作動位置にあるカッタ支持体41の下面41Aにおけるロック解除用突起43の外側には、刃体保持部44が設けられており、刃体保持部44に刃体45が保持されている。また、刃体保持部44は、その下面側を切り欠いた切欠き部44Aを備えている。カッタ支持体41における刃体保持部44が設けられた位置には、カッタ支持体41及び刃体保持部44を貫通する嵌入孔である刃体挿通孔46が形成されている。刃体挿通孔46は、カッタ支持体41の上面41Bからカッタ支持体41の下面41A側における刃体保持部44に形成された切欠き部44Aに至る範囲を貫通して形成されている。刃体挿通孔46は、カッタ支持体41が作動状態にあるときに、上下方向に対して傾斜する方向に沿って形成されている。
刃体45は、図8に示すように、刃体本体45Aと、シート部材である研磨シート45Bとによって構成されている。刃体本体45Aは樹脂製であり、刃体45の形状を維持している。刃体本体45Aに密着した状態とされている。研磨シート45Bは、一面側が刃体本体45Aに密着した密着面となり、他面側が露出した露出面となっている。
研磨シート45Bは、基材と、基材に混合された砥粒とを備えて構成されており、研磨シート45Bは、初期傷形成力である研磨力を備えている。砥粒は、基材の表面に露出した状態で基材に混入されている。研磨シート45Bにおける露出面には、砥粒が露出した面が配置される。研磨シート45Bの密着面は、砥粒が露出していない面とするのが好適であるが、砥粒が露出した面であってもよい。研磨シート45Bにおいて、基材としては、例えば布、紙等が用いられる。また、砥粒としては、例えばダイヤモンド砥粒・アルミナ系砥粒等のように石英系ガラスの硬度以上の砥粒が用いられる。
刃体本体45Aは、一部が刃体挿通孔46内に配置されるブロック部45Pと、カッタ支持体41が作動位置にある状態でブロック部45Pの下側に配置される刃先部45Qと、刃先部45Qの後方に配置されるテーパ部45Rを備えている。ブロック部45Pは、略直方体形状をなしている。刃先部45Qは、先端が尖った形状をなす先鋭状をなしている。刃先部45Qは、刃体本体45Aにおける最前部に位置している。また、テーパ部45Rは、後方に行くにしたがって高さ位置が上がるテーパ状をなしている。
刃体45は、カッタ支持体41に形成された刃体挿通孔46に圧入されて嵌め込まれている。刃体45と刃体挿通孔46との関係を説明するにあたり、刃体本体45Aにおける刃先部45Qが延在する方向を刃体幅方向、前後方向に沿った方向を刃体厚さ方向、刃体幅方向及び刃体厚さ方向にそれぞれ直交する方向を刃体高さ方向とする。
刃体挿通孔46は、刃体高さ方向の長さが右側と左側とで異なり、左側の長さが右側の長さよりも長くされている。また、刃体45の高さは、刃体挿通孔46における左側の刃体高さ方向の長さよりも短くされている。このため、刃体挿通孔46に圧入された刃体45は、全体的にカッタ支持体41の上面41Bよりも低い位置まで進入している。
刃体保持部44における切欠き部44Aの側方では、図9(A)に示すように、刃体45の先端部は、外部に露出せず刃体挿通孔46の下端部に突き当たって状態で刃体保持部44の内側に収まっている。また、図9(B)に示すように、切欠き部44Aからは、刃体45における刃体本体45Aの刃先部45Qに相当する部分が刃体保持部44の下面側に露出している。
また、刃体挿通孔46における刃体厚さ方向の長さは、刃体45における刃体厚さ方向の長さとほとんど同一か、刃体45における刃体厚さ方向の長さよりもごくわずかに短くされている。さらに言えば、刃体挿通孔46における刃体厚さ方向の長さは、刃体本体45Aの刃体幅方向の長さよりも長いが、刃体45の刃体幅方向の長さよりも短い長さとされている。このため、刃体45を刃体挿通孔46に圧入することにより、刃体本体45Aと刃体挿通孔46によって研磨シート45Bが強固に挟持されている。
また、刃体45を刃体挿通孔46に圧入するにあたり、刃体本体45Aに対して研磨シート45Bが密着させられる。このため、刃体45においては、刃体本体45Aに対して研磨シート45Bが密接した状態が維持される。また、刃体挿通孔46における幅方向の長さは、刃体45における幅方向の長さよりも長くされている。
研磨シート45Bは、上端部が刃体本体45Aと刃体挿通孔46との間に挟まれた高さ位置まで延在しているが、研磨シート45Bが刃体本体45Aの高さ位置よりも高い位置まで延在しているようにしてもよい。この場合、研磨シート45Bが刃体挿通孔46の中でばらつかないように、接着剤などを刃体挿通孔46に流し込むなどして、研磨シート45Bを刃体挿通孔46内で固定するようにしてもよい。
また、図3に示すように、刃体45が嵌め込まれている刃体挿通孔46は、カッタ支持体41の延在方向に対して傾斜する方向に沿って形成されている。刃体45は、刃体挿通孔46に沿って圧入されているため、刃体本体45Aの刃先部45Qは、カッタ支持体41の延在方向に対して傾斜する方向に沿っている。また、カッタ支持体41の延在方向は、初期傷形成部材40が作動位置にあるときに左右方向に沿った方向となる。このため、初期傷形成部材40が作動位置にあるときには、刃体本体45Aは、左右方向に対して傾斜した方向を向いている。
作動位置のカッタ支持体41の右端部近傍における下側面には、嵌合突起47が設けられている。嵌合突起47は、ベース部材本体11に形成されたカッタ支持体受部18における一対の柱状体の離間距離と略同一の幅を有している。嵌合突起47は、初期傷形成部材40が作動位置または作動位置に近い位置にあるときにカッタ支持体受部18に嵌合する。カッタ支持体41に設けられた嵌合突起47と、ベース部材本体11に設けられたカッタ支持体受部18とによって、刃体45が光ファイバ2に当接する際のカッタ支持体41の移動を案内する。また、嵌合突起47がカッタ支持体受部18に嵌合することにより、カッタ支持体41を移動させたときの刃体45の高さ位置が光ファイバ2の高さ位置に規制される。初期傷形成部材40は、刃体45を光ファイバ2の延在方向に沿った軸周りに回動させて、刃体45を初期傷形成位置まで移動させる。また、作動位置のカッタ支持体41の右端部には、把手48が設けられている。
なお、ベース部材10における光ファイバ位置決め部材16の後方であって、初期傷形成位置にある刃体45の下方位置に、図1に仮想線で示す光ファイバ2を載置するファイバ載置台17を設けることもできる。ファイバ載置台17は、ねじ挿通孔17Aに挿通したねじのねじ込みによってベース部材本体11に取り付けることができる。ファイバ載置台17は、ねじの締め付け、取り外しによって、ベース部材本体11に対して脱着できる。
移動部材20におけるスプリング収容孔29に収容されたスプリング50は、圧縮スプリングである。スプリング50の長さは、移動部材20が後退位置にあるときのスプリング収容孔29の奥壁面と、ベース部材本体11に設けられた反力壁13Cとの間の距離よりも長くされている。このため、スプリング50は、後退位置にある移動部材20を前方に付勢している。なお、付勢部材としては、移動部材20を前方から付勢する引張スプリングを用いてもよい。また、光ファイバ2に張力を付与する張力付加部材としては、スプリングに代えて、モータやシリンダなどを用いてもよい。
ファイバホルダ70は、ベース部材本体11におけるファイバホルダ設置部19に設置可能とされている。光ファイバ2を切断する際には、光ファイバ2を延出状態で保持したファイバホルダ70をファイバホルダ設置部19に設置する。
次に、光ファイバカッタ1によって光ファイバ2を切断する手順について説明する。図10は、光ファイバを切断する工程を簡略化して説明する説明図である。光ファイバ2を切断する際には、まず、ベース部材本体11におけるファイバホルダ設置部19に対して、光ファイバ2を延出した状態で保持したファイバホルダ70を載置する。このとき、移動部材20は、前進位置に配置されている。また、スライダ蓋部20Bは非クランプ状態とされ、初期傷形成部材40は非作用位置に配置されている。
次に、図10(A)に示すように、移動部材20を後退位置まで移動させ、ベース部材本体11に設けられた第1係止爪15Bと、スライダ基台21に設けられた第2係止爪27Bとを係止させ、移動部材20の前方への移動を規制する。こうして、移動部材20がロックされる。続いて、非クランプ状態のスライダ蓋部20Bをクランパ軸部材22B周りに回動させて非クランプ状態からクランプ状態として、スライダ蓋部20Bによって光ファイバ2をクランプする。
光ファイバ2をクランプしたら、図10(B)に示すように、非作動位置にある初期傷形成部材40をカッタ軸部材14C周りに回動させて非作動位置から作動位置に移動させる。初期傷形成部材40の回動動作によって初期傷形成部材40を非作動位置から作動位置に移動させる過程において、刃体45が光ファイバ2に到達する前に、カッタ支持体41に設けられたロック解除用突起43が、第1係止部15に設けられたロック解除用受側突起15Cを押圧する。その結果、第1係止部15がロック解除用突起43に押し下げられ、第1係止爪15Bと第2係止爪27Bとの係止状態が解放され、移動部材20に対する前方への移動の規制が解除される。
また、移動部材20におけるスプリング収容孔29には、圧縮スプリングであるスプリング50が収容されており、スプリング50は、ベース部材10における反力壁13Cに反力を得て移動部材20を前方に付勢している。このため、移動部材20には、前方に移動する力が作用するが、移動部材20に設けられたスライダ蓋部20Bが光ファイバ2をクランプしていることから、移動部材20は前方へ移動することなく停止した状態を維持している。このとき、光ファイバ2には、スプリング50の付勢力によって張力を加えた状態となる。
続いて、初期傷形成部材40をさらに回動させると、図10(C)に示すように、初期傷形成部材40における刃体45が光ファイバ2に到達し、刃体45が光ファイバ2に対して初期傷を形成する。張力を加えた状態の光ファイバ2に初期傷が形成されると、光ファイバ2は、初期傷が形成された部分から劈開して切断される。こうして、光ファイバ2の切断作業が終了する。
また、刃体45をカッタ支持体41に取り付けるにあたり、刃体45を刃体挿通孔46に圧入する圧入作業が行われている。この圧入作業を行うことで、刃体45における刃体本体45Aと研磨シート45Bとが密着する。以下、刃体45を刃体挿通孔46に圧入する工程について説明する。図11は、刃体を刃体挿通孔に圧入する工程を示す工程図である。
刃体45を刃体挿通孔46に圧入するにあたっては、図11(A)に示すように、カッタ支持体41の上面41Bに形成された刃体挿通孔46の開口部分に刃体本体45Aを対向させる。このとき、カッタ支持体41の上面41Bに形成された刃体挿通孔46の開口部分を研磨シート45Bで覆った状態としておく。ここでは、研磨シート45Bはカッタ支持体41の上面41Bの上に載置され、刃体挿通孔46には入り込んでいないが、研磨シート45Bの一部を刃体挿通孔46に進入させた状態で、研磨シート45Bによって刃体挿通孔46を覆った状態としてもよい。
次に、図11(B)に示すように、刃体本体45Aを刃体挿通孔46に圧入する。刃体本体45Aが刃体挿通孔46に圧入されと、刃体本体45Aは刃体挿通孔46に進入していく。このとき、刃体本体45Aの進行方向には、研磨シート45Bが配置されているので、刃体本体45Aは、刃先部45Qによって研磨シート45Bを押し込みながら刃体挿通孔46に進入する。
ここで、刃体本体45Aと刃体挿通孔46における刃体幅方向の長さは、刃体挿通孔46における刃体厚さ方向の長さは、刃体本体45Aの刃体幅方向の長さよりも長いが、刃体45の刃体幅方向の長さよりも短い長さとされている。このため、刃体本体45Aと刃体挿通孔46に挟み込まれた研磨シート45Bには、刃体本体45Aの進行方向に相反する方向に摩擦力がかかる。その一方で、研磨シート45Bは、刃体本体45Aの刃先部45Qに押し込まれて刃体本体45Aの進行方向に押込み力がかかる。研磨シート45Bには、摩擦力と押込み力の相反する方向への力がかかることから、刃体本体45Aに対して研磨シート45Bが密着した状態となる。
このまま、研磨シート45Bに対して摩擦力と押込み力がかかったまま刃体本体45Aは刃体挿通孔46に圧入され、ついには図11(C)に示すように、刃体本体45Aに研磨シート45Bが密着した刃体45が刃体保持部44の切欠き部44Aから露出する。刃体45と刃体挿通孔46に研磨シート45Bが挟み込まれた後、研磨シート45Bが刃体保持部44の切欠き部44Aから露出するまでの間、研磨シート45Bには継続して摩擦力と押込み力がかかるので、刃体本体45Aに対して研磨シート45Bを密着させた状態とすることができる。
また、刃体保持部44における切欠き部44Aの側方では、刃体45の先端部が刃体挿通孔46の下端部に突き当たっている。このため、刃体45を圧入して刃体挿通孔46に進入させた際、刃体45の先端部が刃体挿通孔46の下端部に突き当たることで、刃体45に対する圧入が阻止される。したがって、刃体45における刃体本体45Aの刃先部45Qに相当する位置の高さ位置を位置決めすることができる。
このように、上記の光ファイバカッタ1では、刃先部45Qを備える刃体本体45Aに対して、研磨力を備える研磨シート45Bが密着している。このため、刃体本体45Aと研磨シート45Bとの間に接着剤や両面テープなどの他の部材が介在されることなく刃体45が形成されている。したがって、接着剤による貼着状態や両面テープの劣化により、刃体45における初期傷形成能力を十分に発揮させることができる。その結果、刃体の使用回数の増加を見込むことができる。
また、上記の光ファイバカッタ1では、研磨シート45Bは、基材に砥粒が設けられて形成されている。このため、光ファイバ2に研磨力が高い研磨シート45Bをとすることができる。さらには、研磨シート45Bを容易に製造することができる。特に、砥粒には、例えばダイヤモンド砥粒・アルミナ系砥粒等のように石英系ガラスの硬度以上の砥粒が用いられていることにより、研磨シート45Bの研磨力をさらに大きくすることができる。
研磨シート45Bの両面に砥粒が露出させるためには、砥粒を混合させて基材を製造すればよい。特に、基材の厚さを短く、さらには基材の厚さを砥粒の粒径よりも短くして基材を製造すればよい。ここでの砥粒の粒径は、砥粒の中での最少粒径としてもよいし、最大粒径としてもよいし、平均粒径としてもよい。また、一面側に砥粒が露出し、他面側には砥粒が露出しないようにするためには、砥粒を基材に混入させて研磨シートを製造する際に、一面側に砥粒が露出しないようにしてもよいし、基材の両面側に砥粒が露出している場合には、基材の一面側に砥粒を混入していないシートを溶着させるなどしてもよい。
また、研磨シート45Bは、刃体本体45A及び刃体挿通孔46に挟持されて刃体本体45Aに密着している。このため、刃体本体45Aと研磨シート45Bとが密着した状態を安定して維持することができる。研磨シート45Bを刃体本体45A及び刃体挿通孔46に挟持させる際には、研磨シート45Bを刃体挿通孔46の開口部分に配置した状態で刃体挿通孔46の開口部分に刃体本体45Aを圧入すればよい。このように刃体本体45Aを圧入することにより、刃体本体45Aに対して研磨シート45Bが密着した状態を容易に形成することができる。
また、初期傷形成部材40は、光ファイバ2の延在方向に対して直交する方向以外の方向、具体的には、光ファイバ2の延在方向に沿った軸周りに回動する方向に刃体45を移動させて、光ファイバ2に初期傷を付けている。このため、刃体45における一部分の初期傷形成能力が低下した場合でも、光ファイバ2の切断時における刃体45の移動によって刃体45における光ファイバ2との当接位置が移動する。したがって、光ファイバ2に初期傷を付ける位置として、刃体45における広い範囲を使うことができるので、刃体45の使用回数の増加をさらに見込むことができる。
その他、上記した幾つかの実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した幾つかの実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、上記の光ファイバカッタ1では、光ファイバ2に張力を付加した状態で初期傷を付けて光ファイバ2を劈開によって切断させるために刃体45を用いているが、光ファイバ2に初期傷を付けた後、他の手段によって光ファイバ2を切断させるために刃体45を用いてもよい。また、上記の光ファイバカッタ1では、刃体本体45Aの刃先部45Qのほか、テーパ部45R及びブロック部45Pにわたって研磨シート45Bを密着させているが、刃体本体45Aの刃先部45Qに研磨シート45Bが密着していれば、テーパ部45R及びブロック部45Pには研磨シート45Bが密着していないようにしてもよい。
次に、本発明の別の実施形態を図面に基づいて説明する。図12(A)及び図12(B)は、本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタの刃体145の断面図である。上記の実施形態に係る光ファイバカッタ1では、刃体本体の刃先部に初期傷形成力を備えるシート部材が密着していた(図8参照)。本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタの刃体145では、樹脂に砥粒を含んで形成されている初期傷形成端が刃体本体に設けられてもよい。なお、以下の説明において、刃体145以外の光ファイバカッタの構成については、上記の実施形態と同様であるとして同じ符号を用いることがある。
刃体145は、刃体本体145Aと、初期傷形成端145Bとを有する。カッタ支持体41が作動位置にある状態で刃体本体145Aの下側に初期傷形成端145Bが設けられている。つまり、初期傷形成端145Bの先端が刃先部145Xとして形成されている。これにより、初期傷形成端そのものが刃先部を形成するので、刃体における初期傷形成能力を十分に発揮させることができる。
また、初期傷形成端145Bは、樹脂製の基材に砥粒を混合させて形成されている(後述する図13(B)及び図13(C)の砥粒D)。これにより、初期傷形成端145Bの研磨力を大きくすることができる。特に、砥粒には、例えばダイヤモンド砥粒・アルミナ系砥粒等のように石英系ガラスの硬度以上の砥粒が用いられていることにより、初期傷形成端145Bの初期傷形成力をさらに大きくすることができる。
図12(A)に示す刃体145では、先端が尖った形状をなす先鋭状に形成された初期傷形成端145Bが刃体本体145Aに設けられている。さらに、刃先部145Xから初期傷形成端145B及び刃体本体145Aにかけて前後両側にテーパ部145Yが形成されている。テーパ部145Yは、前方(又は後方)に行くにしたがって高さ位置が上がるテーパ状をなしている。但し、テーパ部145Yは、前後両側に形成されるのではなく、上記の実施形態(図8参照)のように片側(後側)に形成されてもよい。また、テーパ部145Yは、初期傷形成端145B及び刃体本体145Aに連続して形成されるのではなく、初期傷形成端145Bのみに形成されてもよい。
また、図12(B)に示す刃体145では、直方体状に形成された初期傷形成端145Bが刃体本体145Aに設けられている。つまり、初期傷形成端145Bの前後方向における幅は、上下方向のどの位置でも略変わらない。光ファイバカッタを使用し続けた際、初期傷形成端145Bは徐々に上方に摩耗していくことになるが、光ファイバに当接する初期傷形成端145B(刃先部145X)の前後方向における幅は略変わらない。これにより、初期傷形成端145Bの摩耗による初期傷形成能力の低下を抑制することができる。また、摩耗により初期傷形成端145Bがなくなった段階で、初期傷形成能力が著しく低下する。このため、作業者は刃体145の交換時期であると知ることが容易になり、刃体145のメンテナンスの管理が容易になる。
図13(A)〜図13(D)は、本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタの刃体145を製造する工程を説明する工程図である。
刃体145を製造するにあたっては、図13(A)に示すように、まずは型150を準備する。型150は、刃先部が形成される部分を鉛直下方にして配置される。なお、図13(A)〜図13(D)においては、刃先部145X周辺を説明するために、型150の上側部分を省略している。
次に、図13(B)に示すように、初期傷形成端145Bの材料となる樹脂を型150に流し入れる。前述したように、初期傷形成端145Bには、研磨力を大きくするために砥粒が含まれることがある。初期傷形成端145Bに砥粒が含まれる場合、図13(B)に示すように、樹脂製の基材に砥粒Dが含まれた材料を型150に流し入れる。
砥粒Dによる初期傷形成力を発揮させるためには、初期傷形成端145Bの表面に砥粒Dが露出している必要がある。型150は、刃先部が形成される部分を鉛直下方にして配置される。したがって、図13(C)に示すように、初期傷形成端145Bの材料を流し入れてから硬化するまでの間に、初期傷形成端145Bの基材(樹脂)に対して比重が大きい砥粒D(例えば、ダイヤモンド)が下方に沈むことで、初期傷形成端145Bの表面に砥粒Dが露出するようになる。
次に、図13(C)に示すように、刃体本体145Aの材料となる樹脂を型150に流し入れる。なお、刃体本体145Aの材料となる樹脂は、初期傷形成端145Bの基材となる樹脂と同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
最後に、図13(D)に示すように、刃体本体145A及び初期傷形成端145Bが十分に硬化してから、刃体145(刃体本体145A及び初期傷形成端145B)を型150から取り外すことになる。
前述の通り、刃体本体145Aと初期傷形成端145Bとは共に樹脂製であり、一つの型で一体的に成型することができる。このため、刃体本体145Aと初期傷形成端145Bとの間に接着剤や両面テープなどの他の部材が介在されていないので、刃体本体145Aと初期傷形成端145Bとの分離が起こりにくくなる。したがって、本発明の別の実施形態に係る光ファイバカッタにおいても、刃体における初期傷形成能力を十分に発揮させることができる。
その他、前述した幾つかの実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した幾つかの実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、上記の刃体145では、刃体本体145Aに初期傷形成端145Bが設けられていたが、刃先部を備える刃体本体に初期傷形成端145Bと同じ材料を塗装してもよい。
1…光ファイバカッタ、2…光ファイバ、10…ベース部材、11…ベース部材本体、13…スライダ搭載部、40…初期傷形成部材、41…カッタ支持体、41A…下面、41B…上面、44…刃体保持部、44A…切欠き部、45…刃体、45A…刃体本体、45B…研磨シート(シート部材)、45P…ブロック部、45Q…刃先部、45R…テーパ部、46…刃体挿通孔(嵌入孔)、50…スプリング、145…刃体、145A…刃体本体、145B…初期傷形成端、145X…刃先部、145Y…テーパ部、150…型、D…砥粒

Claims (3)

  1. 刃体が嵌め込まれた嵌入孔により当該刃体を支持するカッタ支持体を移動させて前記刃体を当接させた光ファイバに初期傷を形成する初期傷形成部材を備え、
    前記刃体は、刃先部を備える刃体本体、初期傷形成力を備えるシート部材と、を有し、
    前記シート部材は、前記カッタ支持体に形成された前記嵌入孔及び前記刃体本体に挟持されて前記刃体本体の刃先部に密着している
    光ファイバカッタ。
  2. 前記シート部材は、基材に砥粒が設けられて形成されている
    請求項1に記載の光ファイバカッタ。
  3. 前記刃体を前記光ファイバの延在方向に沿った軸周りに回動させて、前記光ファイバにおける初期傷を形成する位置である初期傷形成位置まで前記刃体を移動させる刃体移動部材
    をさらに備える請求項1または2に記載の光ファイバカッタ。
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