JP6698130B2 - 視聴記録分析装置及び視聴記録分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、視聴記録分析装置及び視聴記録分析方法に関する。
放送された番組を表示するテレビ受像機等のモニタ装置で視聴される番組の視聴情報を収集して分析し、番組の視聴率等の情報を得ることが行われている。
また、特許文献1には、モニタ装置に表示された番組を視聴する視聴者を個人単位で識別することによって、年齢や性別によりグループに分けた視聴者属性ごとに各番組の視聴状況を分析するシステムについて開示されている。
特開2003−163949号公報
特許文献1に記載のシステムでは、モニタ装置で番組を視聴する視聴者の個人情報を特定するための装置(視聴者装置3)を必要とする。そのため、こうした特殊な装置を有さないシステムにおいては、どのような属性の視聴者が視聴していたかを知ることができない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、世帯について記録された視聴ログの各々が当該世帯の構成員の誰が視聴していたかを判定することができる視聴記録分析装置及び視聴記録分析方法を提供することにある。
上記課題は、本発明に係る視聴記録分析装置によれば、所定世帯ごとに記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログと、それぞれの視聴ログに係る視聴を行った世帯構成員の情報とを含む第1視聴記録データを取得する第1視聴記録データ取得部と、前記第1視聴記録データに基づいて、視聴ログと世帯構成員の属性との関係を示す関係データを学習する関係データ学習部と、対象世帯について記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログを含む第2視聴記録データを取得する第2視聴記録データ取得部と、前記関係データと前記第2視聴記録データとに基づいて、前記対象世帯における世帯構成員の属性ごとの存在確率を算出する存在確率算出部と、前記関係データと前記第2視聴記録データと前記存在確率算出部により算出される世帯構成員の属性ごとの存在確率とに基づいて、前記対象世帯を構成する世帯構成員の属性を判定する世帯構成判定部と、視聴チャンネル及び視聴日時に対して、世帯構成員の属性ごとの個人視聴確率の実績値を記憶する実績値記憶部と、前記第2視聴記録データに含まれる視聴ログのそれぞれに対する、前記世帯構成判定部により判定された前記対象世帯を構成するそれぞれの世帯構成員の視聴の有無を判定する視聴判定部と、を有し、前記視聴判定部は、前記第2視聴記録データに含まれる一の視聴ログについて、前記対象世帯を構成する世帯構成員ごとに、当該世帯構成員の属性に関し前記実績値記憶部に記憶される実績値の確率で当該世帯構成員が視聴していたと判定することにより解決される。
上記の視聴記録分析装置によれば、世帯構成が既知の所定世帯の視聴ログに基づいて、視聴ログと世帯構成員との関係を学習できる。これにより、世帯構成が未知の対象世帯の視聴ログから、対象世帯の世帯構成員の情報を得ることができる。すなわち、上記の視聴記録分析装置によれば、世帯について記録された視聴ログから当該世帯の世帯構成員の情報を得ることができる。
そして、上記の視聴記録分析装置によれば、対象世帯について記録された視聴ログの各々について、対象世帯の世帯構成員のうち誰が視聴していたかを判定することができる。
特に、対象世帯の視聴ログから、対象世帯に含まれる可能性が高い構成員の属性を判定することにより、対象世帯の世帯構成を精度良く判定できる。
また、上記課題は、本発明に係る視聴記録分析方法によれば、所定世帯ごとに記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログと、それぞれの視聴ログに係る視聴を行った世帯構成員の情報とを含む第1視聴記録データを取得する第1視聴記録データ取得ステップと、前記第1視聴記録データに基づいて、視聴ログと視聴者の属性との関係を示す関係データを学習する関係データ学習ステップと、対象世帯について記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログを含む第2視聴記録データを取得する第2視聴記録データ取得ステップと、前記関係データと前記第2視聴記録データとに基づいて、前記対象世帯における世帯構成員の属性ごとの存在確率を算出する存在確率算出ステップと、前記関係データと前記第2視聴記録データと前記世帯構成員の属性ごとの存在確率とに基づいて、前記対象世帯の世帯構成を判定する世帯構成判定ステップと、視聴チャンネル及び視聴日時に対して、世帯の構成員の属性ごとの個人視聴確率の実績値を実績値記憶部に記憶するステップと、前記第2視聴記録データに含まれる視聴ログのそれぞれに対する、前記世帯構成判定ステップで判定された前記対象世帯を構成するそれぞれの構成員の視聴の有無を判定する視聴判定ステップと、を有し、前記視聴判定ステップでは、前記第2視聴記録データに含まれる一の視聴ログについて、前記対象世帯を構成する世帯構成員ごとに、当該世帯構成員の属性に関し前記実績値記憶部に記憶される実績値の確率で当該世帯構成員が視聴していたと判定することにより解決される。
こうすることで、世帯構成が既知の所定世帯の視聴ログに基づいて、視聴ログと世帯構成員との関係を学習できる。これにより、世帯構成が未知の対象世帯の視聴ログから、対象世帯の世帯構成員の情報を得ることができる。すなわち、上記の視聴記録分析方法によれば、世帯について記録された視聴ログから当該世帯の世帯構成員の情報を得ることができる。
そして、上記の視聴記録分析方法によれば、対象世帯について記録された視聴ログの各々について、対象世帯の世帯構成員のうち誰が視聴していたかを判定することができる。
特に、対象世帯の視聴ログから、対象世帯に含まれる可能性が高い構成員の属性を判定することにより、対象世帯の世帯構成を精度良く判定できる。
本発明によれば、対象世帯について記録された視聴ログの各々について、対象世帯の世帯構成員のうち誰が視聴していたかを判定することができる。
視聴記録分析システムのシステム構成図である。 (A)は対象世帯の実際の視聴状況を示し、(B)は対象世帯のチャンネルセンサにより測定される視聴ログを示す図である。 (A)は対象世帯の視聴ログを示し、(B)は視聴ログから推定される対象世帯の世帯構成を示す図である。 (A)は対象世帯の視聴ログを示し、(B)は対象世帯を構成する構成員の視聴者属性ごとに分離した視聴ログを示す図である。 視聴記録分析装置の機能ブロック図である。 第1視聴記録データの一例を示す図である。 実績値記憶テーブルの一例を示す図である。 第2視聴記録データの一例を示す図である。 分析済み第2視聴記録データの一例を示す図である。 第1視聴記録データに基づく学習処理のフロー図である。 第2視聴記録データに基づいて対象世帯の構成員を推定する処理のフロー図である。 第2視聴記録データの各視聴ログについて対象世帯の構成員の視聴の有無を判定する処理のフロー図である。
以下、図1乃至図11を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、本実施形態)に係る視聴記録分析装置10を備える視聴記録分析システム1について説明する。
<視聴記録分析システム1のシステム構成>
図1に示されるように、視聴記録分析システム1は、視聴記録分析装置10と、サンプル世帯Sに設けられる個人視聴ログ記録システム6と、対象世帯Tに設けられる世帯視聴ログ記録システム7とを備える。
サンプル世帯Sは、視聴率調査のために所定地域に存在する世帯から無作為に抽出された世帯である。サンプル世帯Sに対しては、世帯の各構成員がテレビ等の受信機で視聴したチャンネルの履歴情報(視聴ログ)が記録可能となっている。すなわち、サンプル世帯Sに対しては、世帯ごとの番組の視聴ログ(世帯視聴ログ)と、世帯に含まれる個人ごとの番組の視聴ログ(個人視聴ログ)との両方が取得可能となっている。
なお、サンプル世帯Sには、複数の世帯が含まれることとするが、以下では説明のためサンプル世帯Sの一世帯である第1サンプル世帯S1を例として説明する。
第1サンプル世帯S1には、世帯の各構成員の個人視聴ログが記録可能な個人視聴ログ記録システム6が設置される。
個人視聴ログ記録システム6は、受信機2S、チャンネルセンサ3S、個人特定器4S及びオンラインメータ5Sを備える。
受信機2Sは、放送される番組(コンテンツ)を受信し、番組を出力(映像の表示と、音声の出力)する装置である。テレビ受像機が上記の受信機2Sの一例に相当し、以下では受信機2Sがテレビ受像機であることとして説明する。なお、放送は、無線又は有線で伝送されることとしてよく、特に限定されない。
チャンネルセンサ3Sは、受信機2Sが電源オン状態であるときに作動し、作動時に選択されているチャンネル(例えばテレビ局)を特定する。具体的には、テレビ番組の音声信号を特定することにより、チャンネルを特定する。そのため、チャンネルセンサ3Sは、信号ケーブルによって受信機2S(テレビ受像機)のデジタル音声出力端子に接続されており、受信機2Sから出力されるデジタル音声信号を取り込むことができる。すなわち、チャンネルセンサ3Sは、受信機2Sのデジタル音声出力端子から出力されるデジタル音声信号から特徴データを抽出する機能、それらのデジタル音声信号の音声信号形式を判定する機能等を備えている。
個人特定器4Sは、チャンネルセンサ3Sと同様、受信機2Sが電源オン状態であるときに作動する。また、個人特定器4Sには、世帯の構成員の各々を特定するためのボタンが設けられている。世帯の構成員は、テレビ視聴を開始するにあたり、個人特定器4Sに設けられたボタン中、自分に割り当てられたボタンを押す。このボタン操作を受け付けることにより、個人特定器4Sは、受信機2Sが電源オン状態である間、世帯中の誰が視聴しているのかを特定する。すなわち、個人特定器4Sは、受信機2Sにより出力されている番組の視聴者を識別することができる。
具体的には、個人特定器4Sは、世帯の構成員のうち、1番に割り当てられた個人(第1ユーザ)が一人で視聴している場合や、1番に割り当てられた個人(第1ユーザ)と2番に割り当てられた個人(第2ユーザ)の二人で視聴している場合等をそれぞれ特定可能である。
なお、本実施形態において個人特定器4Sは、専用の入力装置(具体的にはピープルメータ)によって構成されているが、これに限定されるものではなく、個人特定用のボタンが設けられたリモコンによって構成されてもよい。
オンラインメータ5Sは、チャンネルセンサ3S及び個人特定器4Sの各々の特定結果を取得し、これらの情報を記録したデータを生成する。オンラインメータ5Sは、生成したデータを、電話回線、インターネット等のネットワークNを通じて視聴記録分析装置10に送信する。
オンラインメータ5Sが送信するデータは、チャンネルセンサ3Sによる特定結果、すなわち、第1サンプル世帯S1においてどのテレビ番組をいつどれだけ視聴したのかを示す視聴ログと、第1サンプル世帯S1の世帯構成員の情報とを含む。そして、上記の視聴ログと世帯構成員の情報は、本発明の「第1視聴記録データ」に相当する。
また、オンラインメータ5Sが送信するデータは、どの調査対象者がどのテレビ番組をいつどれだけ視聴したのか(詳細には、調査対象者である世帯の構成員のうちの誰が、どのテレビ局が放送しているテレビ番組の音声信号を受信したか)を示す個人視聴ログを含む。上記の個人視聴ログは、本発明の「個人視聴記録データ」に相当する。
なお、本実施形態において、オンラインメータ5Sは、受信機2Sが電源オン状態である間、一定の時間間隔(例えば、1分間隔)で上記の第1視聴記録データを生成する。したがって、例えば、テレビ番組を視聴していない場合であっても、受信機2Sの電源がオン状態であれば、第1視聴記録データが生成される。
また、オンラインメータ5Sは、生成した1分ごとのログからなる第1視聴記録データ、個人視聴記録データを、ネットワークNを通じて視聴記録分析装置10に向けて逐次送信する。また、オンラインメータ5Sは、所定時間分(例えば1日、1週間)の第1視聴記録データ、個人視聴記録データを蓄積し、蓄積した第1視聴記録データ、個人視聴記録データをまとめて視聴記録分析装置10に向けて送信してもよい。
以上の処理により、視聴記録分析装置10において、第1サンプル世帯S1の第1視聴記録データ、個人視聴記録データが蓄積されることになる。
また、サンプル世帯Sの各世帯についても同様の処理が実行され、これにより、サンプル世帯Sの各世帯の第1視聴記録データ、個人視聴記録データが視聴記録分析装置10に蓄積されることとなる。
対象世帯Tは、視聴率調査のために所定地域に存在する世帯から抽出された世帯である。対象世帯Tは、サンプル世帯Sと同じ地域から抽出されてもよいし、サンプル世帯Sとは違う地域から抽出されてもよい。なお、本実施形態では、説明のため対象世帯Tを一つのみ示しているが、対象世帯Tは複数あってもよい。
対象世帯Tに対しては、世帯の番組の視聴ログのみが記録可能となっている。すなわち、対象世帯Tに対しては、世帯の各構成員の番組の視聴ログについては記録されないこととする。
図1に示されるように、対象世帯Tには、世帯の視聴ログが記録可能な世帯視聴ログ記録システム7が設置される。
世帯視聴ログ記録システム7は、受信機2T、チャンネルセンサ3T、及びオンラインメータ5Tを備える。すなわち、世帯視聴ログ記録システム7は、主に個人特定器4Sを備えていない点で個人視聴ログ記録システム6と相違する。受信機2Sと受信機2T、チャンネルセンサ3Sとチャンネルセンサ3Tの構成及び処理は共通であるため、以下ではオンラインメータ5Tについてのみ説明する。
オンラインメータ5Tは、チャンネルセンサ3Tの特定結果を入手し、これらの情報を記録したデータを生成する。オンラインメータ5Tは、生成したデータを、電話回線、インターネット等のネットワークNを通じて視聴記録分析装置10に送信する。
オンラインメータ5Tが送信するデータは、対象世帯Tにおいてどのテレビ番組がいつどれだけ視聴されたのかを示す世帯視聴ログであり、本発明の「第2視聴記録データ」に相当する。
なお、本実施形態において、オンラインメータ5Tは、受信機2Tが電源オン状態である間、一定の時間間隔(例えば、1分間隔)で第2視聴記録データを生成する。したがって、例えば、テレビ番組を視聴していない場合であっても、受信機2Tの電源がオン状態であれば、第2視聴記録データが生成される。
また、生成された1分ごとの調査データは、ネットワークNを通じてオンラインメータ5から視聴記録分析装置10に向けて逐次送信される。これにより、視聴記録分析装置10において、対象世帯Tの第2視聴記録データが蓄積されることになる。
また、オンラインメータ5Tは、生成した1分ごとのログからなる第2視聴記録データを、ネットワークNを通じて視聴記録分析装置10に向けて逐次送信する。また、オンラインメータ5Tは、所定時間分(例えば1日、1週間)の第2視聴記録データを蓄積し、蓄積した第2視聴記録データをまとめて視聴記録分析装置10に向けて送信してもよい。
また、本実施形態では、対象世帯Tのオンラインメータ5TからネットワークNを通じて第2視聴記録データが視聴記録分析装置10に送信されることとしたがこれに限られない。例えば、対象世帯Tと視聴記録分析装置10とはネットワークで通信可能に接続されていなくともよい。この場合には、対象世帯Tについて蓄積した第2視聴記録データを、他のサーバや記録媒体を通じて視聴記録分析装置10が取得するようにしてもよい。
また、第2視聴記録データとして、デバイスログを利用することもできる。すなわち、ネットワーク(インターネット等)に接続する受信機(テレビジョン装置、ハードディスクレコーダー、セットトップボックス等のデバイス)から収集される視聴ログを第2視聴記録データとして利用することができる。
なお、図1では、説明を簡単とするために1つの対象世帯Tを示したが、対象世帯Tは2以上あってもよいことはもちろんである。
以上の処理により、視聴記録分析装置10において、対象世帯Tの第2視聴記録データが蓄積されることになる。
視聴記録分析装置10は、サンプル世帯Sから得られた第1視聴記録データ及び個人視聴記録データ、並びに対象世帯Tから得られた第2視聴記録データに基づいて分析を行う装置である。
具体的には視聴記録分析装置10は、サンプル世帯Sから得られた第1視聴記録データと、対象世帯Tから得られた第2視聴記録データとに基づいて、世帯構成が不明である対象世帯Tの世帯構成を判定する処理を行う。
さらに、視聴記録分析装置10は、サンプル世帯Sから得られた個人視聴記録データに基づいて、対象世帯Tの第2視聴記録データに含まれる単位時間ごとの視聴ログが、対象世帯Tの世帯構成員のうちいずれにより視聴されたものであるかを判定する。
なお、視聴記録分析装置10により実行される処理の詳細については後述する。以下では、まず視聴記録分析装置10のハードウェア構成の一例について説明する。
図1に示されるように、視聴記録分析装置10は、ハードウェアとしてプロセッサ11、記憶ユニット12及び通信ユニット13を備えるコンピュータである。
プロセッサ11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit)を含み構成され、記憶ユニット12に記憶されるプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行するとともに、視聴記録分析装置10の各部を制御する。
記憶ユニット12は、例えばメモリ、磁気ディスク装置を含み構成され、各種のプログラムやデータを記憶するほか、プロセッサ11のワークメモリとしても機能する。
通信ユニット13は、ネットワークインターフェースカード(NIC)等の通信インターフェースを有し、通信インターフェースを介してネットワークNに接続する。そして、通信ユニット13は、ネットワークNを介してオンラインメータ5S、オンラインメータ5T等のデバイスと通信する。
<視聴記録分析装置10の処理の概要>
次に、図2乃至図4を参照しながら、視聴記録分析装置10による処理の概要について説明する。
<<視聴記録データの取得>>
図2(A)の左側には、対象世帯Tの構成員を示した。図2(A)に示されるように、対象世帯Tには、第1ユーザ(父)、第2ユーザ(母)、第3ユーザ(子(中学生))、第4ユーザ(子(中学生))が含まれることとする。
そして、図2(A)の右側には、対象世帯Tにおける各構成員の視聴状況を示した。図2(A)は、所定チャンネルについての視聴状況を示したものである。
図2(A)に示されるように、第1ユーザは第1ユーザ視聴ログ30の示す時間帯において所定チャンネルを視聴したこととする。また、第2ユーザは、第2ユーザ視聴ログ31a及び第2ユーザ視聴ログ31bの示す時間帯において所定チャンネルを視聴したこととする。また、第3ユーザは、第3ユーザ視聴ログ32a及び第3ユーザ視聴ログ32bの示す時間帯において所定チャンネルを視聴したこととする。そして、第4ユーザは、第4ユーザ視聴ログ33a及び第4ユーザ視聴ログ33bの示す時間帯において所定チャンネルを視聴したこととする。
これに対し、対象世帯Tにおいては、個人特定器4Sが設置されていないため、個人の特定がなされず、チャンネルセンサ3Tによる視聴ログの記録は、図2(B)に示されるようになる。
すなわち、対象世帯Tの世帯視聴ログ記録システム7においては、第1〜第4ユーザのいずれかが視聴している時間帯が世帯視聴ログとして記録されることとなる。
そのため、視聴記録分析装置10は、対象世帯Tの世帯視聴ログ記録システム7から上記の図2(B)に示すような世帯視聴ログからなる第2視聴記録データを取得する。
<<世帯構成の判定>>
図3(A)には、対象世帯Tの第2視聴記録データ(世帯視聴ログ)を示している。そして、視聴記録分析装置10は、図3(B)に示すように、対象世帯Tの第2視聴記録データから対象世帯Tの世帯構成を推定する。
上記の世帯構成の推定処理に先立ち、視聴記録分析装置10は、サンプル世帯Sから取得した第1視聴記録データに基づいて、視聴チャンネル、視聴日時、属性(性別、年代による区分)に基づいて、視聴チャンネル、視聴日時から世帯構成員の属性の存在確率を算出するための数理モデルを学習する。上記の数理モデルは、L1罰則付きロジスティック回帰を用いる。
例えば、視聴記録分析装置10は、属性をC(子供:4〜12才)、T(ティーン:13〜19才)、F1(女性:20〜34才)、F2(女性:35〜49才)、F3(女性:50才以上)、M1(男性:20〜34才)、M2(男性:35〜49才)、M3(男性:50才以上)とし、それぞれに目的変数f(x)〜f(x)を対応させる。ここでxは説明変数(ベクトル)であり、例えばf(x)は、世帯の中にCの属性の世帯構成員が存在する確率を示す目的変数となる。
なお、属性の分類はあくまで一例であり、属性は上記の例に限定されるものではない。
そして、視聴記録分析装置10は、サンプル世帯Sから得た第1視聴記録データに基づいて、上記の目的変数f(x)〜f(x)と説明変数xとの関係を学習する。
そして、視聴記録分析装置10は、第2視聴記録データに基づいて説明変数に値を入力して、目的変数f(x)〜f(x)の各々の値(存在確率)を算出する。そして、視聴記録分析装置10は、目的変数f(x)〜f(x)の各々の値(存在確率)に基づいて、対象世帯Tの構成員の属性を判定する。
具体的には、視聴記録分析装置10は、目的変数f(x)〜f(x)の値のうち、所定値以上である目的変数を抽出し、抽出した目的変数に対応する属性の構成員が対象世帯Tに存在すると判定する。
なお、図3(B)に示した例では、対象世帯Tには、T、F2、M3の属性のユーザが存在すると判定されたものとする。
<<視聴分離>>
次に、視聴記録分析装置10は、第2視聴記録データにおける視聴ログの各々が、対象世帯Tについて判定された構成員のいずれが視聴したものであるかを判定する。
すなわち、視聴記録分析装置10は、図4(A)に示される対象世帯Tの第2視聴記録データに含まれる各々の視聴ログが、T、F2、M3の属性のユーザのうちいずれにより視聴されたものかを判定する。
換言すれば、視聴記録分析装置10は、対象世帯Tの世帯視聴ログから、対象世帯Tの構成員の各々の視聴履歴を示す個人視聴ログを生成する。
対象世帯Tの世帯視聴ログに対して対象世帯Tの各構成員の視聴を判定する処理に先立ち、視聴記録分析装置10は、サンプル世帯Sから取得した第1視聴記録データに基づいて、視聴チャンネル、視聴日時、視聴者属性(性別、年代による区分、同居家族人数)に基づいて、対象の視聴ログが各視聴者属性のユーザにより視聴された確率、すなわち、世帯の視聴がある場合にその世帯内において所定の属性の構成員が視聴していると推測される確率(個人視聴確率)の実績値を得る。
具体的には、視聴記録分析装置10は、対象の視聴ログについて、C、T、F1、F2、F3、M1、M2、M3の各々の個人視聴確率の実績値を、第1視聴記録データに基づいて算出し、記憶ユニット12に記憶する。
次に、視聴記録分析装置10は、対象の視聴ログ(第2視聴記録データに含まれる視聴ログのうち処理対象とする視聴ログを対象の視聴ログ。なお、対象の視聴ログは、第2視聴記録データを構成する任意の視聴ログである。)について、対象世帯Tの第1の構成員の属性について記憶ユニット12に記憶される個人視聴確率の実績値の確率で第1の構成員が対象の視聴ログを視聴していたと判定する。このとき、視聴記録分析装置10は、対象の視聴ログに第1の構成員の属性を関連付けて記憶する。
そして、視聴記録分析装置10は、対象の視聴ログについて、対象世帯Tの構成員ごとに上記の判定処理を実行する。
上記の判定の結果、図4(B)に示した例では、第1視聴ログ41に基づき、第1ユーザ(M3)の視聴に係る第1視聴ログ41a、第2ユーザ(F3)の視聴に係る第1視聴ログ41b、第3又は第4ユーザ(T)の視聴に係る第1視聴ログ41cが生成される。
そして、第2視聴ログ42に基づき、第2ユーザ(F3)の視聴に係る第2視聴ログ42a、第3又は第4ユーザ(T)の視聴に係る第2視聴ログ42bが生成される。
以上のように視聴記録分析装置10によれば、個人視聴者の情報が含まれていない世帯視聴ログから世帯構成を判定し、さらに各視聴ログが世帯構成員のいずれの視聴によるものかを判定することができる。これにより、個人視聴者の情報が含まれていない世帯視聴ログに基づいて、個人視聴ログを得ることができる。
<視聴記録分析装置10の機能>
次に、以上の処理を実現するために視聴記録分析装置10に備えられる機能について、図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、視聴記録分析装置10は、第1視聴記録データ取得部20、関係データ学習部21、第2視聴記録データ取得部22、存在確率算出部23、世帯構成判定部24、実績値記憶部25、及び視聴判定部27を備える。
視聴記録分析装置10に備えられる上記の各部の機能は、記憶ユニット12に記憶されるプログラム(視聴記録分析プログラム)に従ってプロセッサ11が視聴記録分析装置10の各部を動作させることにより実行される。すなわち、上記のプログラムに従ってプロセッサ11が視聴記録分析装置10の各部を動作させることにより、本発明の視聴記録分析方法が実行される。
また、上記のプログラムは、通信ユニット13によりネットワーク2等の通信網を介して視聴記録分析装置10が取得してもよいし、プログラムを記憶した記憶媒体から視聴記録分析装置10が読み込んで取得することとしてもよい。
以下、上記の各部の機能の詳細について説明する。
[第1視聴記録データ取得部20]
第1視聴記録データ取得部20は、所定世帯ごとに記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログと、それぞれの視聴ログに係る視聴を行った世帯構成員の情報とを含む第1視聴記録データを取得する。
なお、第1視聴記録データ取得部20により実行される処理が、第1視聴記録データ取得ステップに相当する。
「所定世帯」とは、個人ごとの視聴ログを記録する対象となる世帯である。例えば、サンプル世帯Sに含まれる各世帯が上記の「所定世帯」に相当する。
「視聴チャンネル」とは、視聴者が視聴したチャンネルである。換言すれば、所定世帯に設置される受信機2Sにおいて視聴されたチャンネルが上記の「視聴チャンネル」に相当する。具体的には、受信機2Sにおいて視聴されたテレビ放送のチャンネル番号が上記の「視聴チャンネル」の一例に相当する。
「視聴日時」とは、視聴者が視聴チャンネルを視聴した日時である。この「視聴日時」は、西暦(又は和暦)による年月日及び時間の情報を含むこととしてよい。また「視聴日時」には更に曜日の情報が含まれることとしてもよい。
「視聴ログ」とは、視聴チャンネルと視聴日時とを対応付けて記録した情報である。例えば「視聴ログ」は所定の単位時間(例えば1分)ごとに記録されることとしてよい。
「世帯構成員」とは、所定世帯を構成する人である。
「視聴ログに係る視聴を行った世帯構成員」とは、視聴ログにより示される視聴日時に視聴チャンネルを視聴した世帯構成員に関する情報である。例えば、世帯構成員の情報とは、世帯構成員の属性としてよい。
ここで、「属性」とは、例えば視聴者の年代又は性別の少なくとも一方に基づく区分の情報である。具体的には、視聴者の年代又は性別により視聴者を区分したC(子供:4〜12才)、T(ティーン:13〜19才)、F1(女性:20〜34才)、F2(女性:35〜49才)、F3(女性:50才以上)、M1(男性:20〜34才)、M2(男性:35〜49才)、M3(男性:50才以上)により表される情報が「視聴者の属性」の一例に相当する。
例えば、サンプル世帯Sにおいては世帯の構成員ごとの属性を予め個人特定器4Sに記録しておくことにより、上記の「世帯構成員の属性」を特定することができる。
また、「属性」は、上記の例に限られるものではなく、年代、性別、職業、年収等の各種要素の少なくとも一つに基づく区分が上記の「属性」に相当し得る。
「第1視聴記録データ」とは、視聴ログと、視聴ログに対応する世帯構成員の情報とを関連付けて記録した情報である。
図6Aには、第1視聴記録データD1の一例を示した。図6Aに示されるように、第1視聴記録データD1には、所定世帯を識別する世帯ID、所定世帯に設置される受信機2Sを識別する受信機ID、受信機2Sにおいて視聴された視聴日時、視聴チャンネル、世帯構成員のうちの視聴者の情報(ここでは世帯構成員の属性により特定)が関連付けて記憶される。
なお、「第1視聴記録データ」には、所定世帯ごとの世帯構成員の情報や、所定世帯ごとの世帯視聴ログを含むこととしてよい。また、所定世帯の世帯構成は、個人視聴ログの世帯構成の属性を集計して得ることとしてもよい。
第1視聴記録データ取得部20は、主に視聴記録分析装置10のプロセッサ11、記憶ユニット12及び通信ユニット13により実現される。
具体的には、プロセッサ11は、通信ユニット13を介して、サンプル世帯Sの各世帯のオンラインメータ5Sから第1視聴記録データを受信し、受信した第1視聴記録データを記憶ユニット12に記憶する。
[関係データ学習部21]
関係データ学習部21は、第1視聴記録データに基づいて、視聴ログと世帯構成員の属性との関係を示す関係データを学習する。
なお、関係データ学習部21により実行される処理が関係データ学習ステップに相当する。
関係データ学習部21は、主に視聴記録分析装置10のプロセッサ11及び記憶ユニット12により実現される。
「関係データ」は、所定期間(例えば1週間)に渡り記録された世帯の視聴ログに基づいて、当該世帯を構成する世帯構成員の存在確率を算出するためのデータを含む。
具体的には、「関係データ」は、回帰分析における説明変数と目的変数との関係を示す式として表される。
より具体的には、世帯構成のC、T、F1、F2、F3、M1、M2、M3のそれぞれの属性に対応した目的変数f(x)〜f(x)が上記の関係データの一例に相当する。ここでxは説明変数(ベクトル)であり、目的変数f(x)〜f(x)はそれぞれ、所定期間に渡り記録された視聴ログに基づいて、C、T、F1、F2、F3、M1、M2、M3のそれぞれの属性の世帯構成員が存在する確率を示す。
なお、関係データ学習部21は、サンプル世帯Sから得た第1視聴記録データに基づいて、上記の目的変数f(x)〜f(x)を学習する。例えば上記の「学習」とは、上記の目的変数f(x)〜f(x)と説明変数xとの関係を表す等式に含まれる係数を算出する処理に相当する。
なお、関係データを構成する説明変数には、チャンネル、時間帯、曜日、番組ジャンル、地域等のうち少なくともいずれかを含むこととしてよい。
[第2視聴記録データ取得部22]
第2視聴記録データ取得部22は、対象世帯について記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログを含む第2視聴記録データを取得する。
なお、第2視聴記録データ取得部22により実行される処理が第2視聴記録データ取得ステップに相当する。
「対象世帯」とは、世帯ごとの視聴ログを記録する対象となる世帯である。換言すれば、「対象世帯」とは世帯ごとの視聴ログを記録する対象とはなるが、個人ごとの視聴ログを記録する対象とはなっていない世帯である。例えば、図1に示す対象世帯Tが上記の「対象世帯」に相当する。
「第2視聴記録データ」とは、対象世帯の所定の単位時間ごとの視聴ログを記録した情報である。すなわち、「第2視聴記録データ」は、対象世帯における視聴チャンネルとその視聴日時とを関連付けて記録したデータである。
図7には、第2視聴記録データD2の一例を示した。図7に示されるように、第2視聴記録データD2には、対象世帯を識別する世帯ID、対象世帯に設置される受信機2Tを識別する受信機ID、受信機2Tにおいて視聴された視聴日時、視聴チャンネルが関連付けて記憶される。
第2視聴記録データ取得部22は、主に視聴記録分析装置10のプロセッサ11、記憶ユニット12及び通信ユニット13により実現される。
具体的には、プロセッサ11は、通信ユニット13を介して、対象世帯Tのオンラインメータ5Tから第2視聴記録データを受信し、受信した第2視聴記録データを記憶ユニット12に記憶する。
[存在確率算出部23]
存在確率算出部23は、関係データと、第2視聴記録データとに基づいて、対象世帯における世帯構成員の属性ごとの存在確率を算出する。
「世帯構成員の属性ごとの存在確率」とは、それぞれの属性(例えばC、T、F1、F2、F3、M1、M2、M3)の人が対象世帯の世帯構成員として含まれる確率である。
具体的には、存在確率算出部23は、第1関係データ(目的変数f(x)〜f(x))に基づいて、上記の「世帯構成員の属性ごとの存在確率」を算出する。
存在確率算出部23は、主に視聴記録分析装置10のプロセッサ11及び記憶ユニット12により実現される。
具体的には、プロセッサ11は、記憶ユニット12に記憶される第2視聴記録データに基づいて説明変数に値を入力し、記憶ユニット12に記憶される目的変数f(x)〜f(x)のそれぞれの値を算出する。そして、プロセッサ11は、目的変数f(x)〜f(x)のそれぞれの値を、C、T、F1、F2、F3、M1、M2、M3のそれぞれの属性が対象世帯の世帯構成員として含まれる確率(存在確率)として得る。
[世帯構成判定部24]
世帯構成判定部24は、関係データと第2視聴記録データとに基づいて、対象世帯を構成する世帯構成員の属性を判定する。
世帯構成判定部24は、存在確率算出部23により算出される世帯構成員の属性ごとの存在確率に基づいて、対象世帯を構成する世帯構成員の属性を判定する。
具体的には、世帯構成判定部24は、世帯構成員の属性ごとの存在確率が、所定値以上である属性を、対象世帯を構成する世帯構成員の属性とする。
なお、世帯構成判定部24により実行される処理が、世帯構成判定ステップに相当する。
「対象世帯を構成する世帯構成員」とは、対象世帯の世帯主及び世帯主と同居している世帯員である。例えば、対象世帯Tの第1〜第4のユーザが上記の「対象世帯を構成する世帯構成員」の一例に相当する。
「世帯構成員の属性」とは、世帯構成員の年代、性別による区分の情報である。例えば、C、T、F1、F2、F3、M1、M2、M3の区分が上記の「構成員の属性」の一例に相当する。もちろん、「世帯構成員の属性」は、年代、性別による区分に限られるものではなく、職業、年収等の情報であってもよい。
世帯構成判定部24は、主に視聴記録分析装置10のプロセッサ11及び記憶ユニット12により実現される。
具体的には、プロセッサ11は、存在確率算出部23により算出された世帯構成員の属性ごとの存在確率が、閾値として設定した所定値(A)以上である属性を抽出する。そして、プロセッサ11は、対象世帯Tの世帯IDに、上記抽出した属性を関連付けて記憶ユニット12に記憶する。
[実績値記憶部25]
実績値記憶部25は、視聴チャンネル及び視聴日時に対して、世帯構成員の属性ごとの個人視聴確率の実績値を記憶する。
「個人視聴確率」とは、所定の番組又は局について世帯の視聴がある場合は、その世帯に属する個人全員が、ある一定の間隔(例えば毎分や毎秒)ごとに所定の番組又は所定の局を視聴していたとみなし(毎分や毎秒ごとの値を算出したうえで、その値をもとに番組に展開して適用する場合も含む。)、性別や年齢、家族構成、世帯の中での続柄等の属性ごとに、例えば、実際に測定した個人視聴率をそのみなし個人視聴率で除法する等して比率を算出し、その比率を、世帯の視聴がある場合にその世帯内において所定の属性の個人が視聴していると推測される確率である。
本実施形態では、世帯視聴率及び個人視聴率の両方を測定しているサンプル世帯Sにおける第1視聴記録データに基づいて、実際に測定した個人視聴率と算出したみなし個人視聴率との関係性から、個人視聴確率の実績値を算出する。そして、視聴記録分析装置10は、視聴ログごとの世帯構成員の属性のそれぞれの個人視聴確率の実績値を実績値記憶部25に記憶する。
なお、個人視聴確率とは、換言すると、ある特定の曜日の特定の時間帯に特定の局で放送されているある番組について、この家族構成のこの属性の人は、この確率で視聴しているだろうと予測する予測値である。
ここで、個人視聴確率を算出する方法の一例を示す。
まず、抽出したサンプル世帯Sの世帯視聴データと世帯構成データとを照合して、世帯視聴がある世帯については、その世帯内の構成員全員がその番組又は局を視聴していたとみなし、みなし個人視聴データを作成する。
次に、上記により作成したサンプル世帯Sの全世帯分のみなし個人視聴データを集計し、みなし個人視聴率を算出する。また、サンプル世帯Sの全世帯分の個人視聴データを集計し、実際の個人視聴率を算出する。
上記を経て、サンプル世帯Sにおける実際の個人視聴率とみなし個人視聴率が揃ったところで、次に、項目の組み合わせパターンごとに1時間ごとの実際の個人視聴率をみなし個人視聴率で除算して、1時間ごとの個人視聴確率を算出する。
同様に、項目の組み合わせパターンごとに1分ごとの実際の個人視聴率をみなし個人視聴率で除算して、1分ごとの個人視聴確率を算出する。
そして、1時間ごとの個人視聴確率と1分ごとの個人視聴確率との差分を、チャンネル、番組ジャンル、性別・年齢、世帯構成等のパターンごとに平均化して最終的な個人視聴確率を算出することができる。
図6Bには、実績値記憶部25に記憶される実績値記憶テーブルDaの一例を示した。図6Bに示されるように、実績値記憶テーブルDaには、所定期間の視聴ログ(視聴日時、チャンネル)に対して、世帯構成員の属性とその個人視聴確率の実績値を関連付けて記憶される。
実績値記憶部25は、主に視聴記録分析装置10のプロセッサ11及び記憶ユニット12により実現される。
具体的には、プロセッサ11は、記憶ユニット12に記憶される第1視聴記録データに基づいて視聴ログごとに、世帯構成員の属性のそれぞれの個人視聴確率の実績値を算出し、実績値記憶テーブルDaに記憶する。
[視聴判定部27]
視聴判定部27は、第2視聴記録データに含まれる視聴ログのそれぞれに対する、世帯構成判定部24により判定された対象世帯Tを構成するそれぞれの構成員の視聴の有無を判定する。
ここで、視聴判定部27は、第2視聴記録データに含まれる対象の視聴ログ(一の視聴ログ)について、対象世帯Tを構成する世帯構成員ごとに、当該世帯構成員の属性に関し実績値記憶部25に記憶される実績値の確率で対象の視聴ログを当該世帯構成員が視聴していたと判定する。
そして、視聴判定部27は、対象の視聴ログを視聴していたと判定した対象世帯Tの構成員の属性を、上記の対象の視聴ログに関連付けて記憶する。
なお、視聴判定部27による処理が視聴判定ステップに相当する。
視聴判定部27は、主に視聴記録分析装置10のプロセッサ11及び記憶ユニット12により実現される。
具体的には、プロセッサ11は、上記の処理により第2視聴記録データに含まれるそれぞれの視聴ログに対して対象世帯Tの世帯構成員のうち視聴していた世帯構成員を決定する。そして、プロセッサ11は、上記決定した世帯構成員の属性を視聴ログに関連付けて記憶ユニット12に記憶する。
例えばプロセッサ11は、上記の処理の結果として、図8に示される分析済み第2視聴記録データD3を生成する。分析済み第2視聴記録データD3は、第2視聴記録データD2に対して、「世帯構成」と「視聴者の情報(世帯構成員の属性により特定)」の項目を付加したものである。
なお、「世帯構成」の情報は、世帯構成判定部24の処理結果に基づいて設定される。
また、「視聴者」の情報は、視聴判定部27の処理結果に基づいて設定される。
<視聴記録分析装置10による処理の流れ>
次に、図9乃至図11を参照しながら、視聴記録分析装置10により実行される処理の流れについて説明する。
図9には、第1視聴記録データに基づく学習処理のフロー図を示した。
図9に示されるように、視聴記録分析装置10は、サンプル世帯Sの各々に設置されたオンラインメータ5Sから第1視聴記録データを取得する(S101)。このS101の処理は、第1視聴記録データ取得部20により実行されるものである。
次に、視聴記録分析装置10は、第1視聴記録データに基づいて、第1〜第Nの属性の世帯構成員の存在確率を示す目的変数f(x)〜f(x)を学習する(S102)。なお、上記のNは1以上の整数であり、世帯構成員の属性の数に対応する。具体的には、属性がC(第1属性)、T(第2属性)、F1(第3属性)、F2(第4属性)、F3(第5属性)、M1(第6属性)、M2(第7属性)、M3(第8属性)の8つである場合には、上記のNは8となる。
S102の処理は、関係データ学習部21により実行されるものである。
また、視聴記録分析装置10は、第1視聴記録データに基づいて、視聴ログごとの、第1〜第Nの属性の世帯構成員により視聴された確率(個人視聴確率)の実績値を記録し(S103)、処理を終了する。
なお、S103で記録する実績値は、第1視聴記録データに基づいて視聴記録分析装置10が生成してもよいし、他の装置により予め生成されたデータを視聴記録分析装置10が取得してもよい。
また、以上の処理は、定期的なタイミングにより実行されてもよいし、指定に応じて適宜実行されてもよい。
図10には、第2視聴記録データに基づいて対象世帯の構成員を推定する処理のフロー図を示した。
図10に示されるように、視聴記録分析装置10は、対象世帯Tに設置されたオンラインメータ5Tから第2視聴記録データを取得する(S201)。このS201の処理は、第2視聴記録データ取得部22により実行されるものである。
次に、視聴記録分析装置10は、変数iを1に初期化し(S202)、以下の処理を実行する。
まず、視聴記録分析装置10は、第2視聴記録データに基づいて、第i属性の世帯構成員の存在確率を示すf(x)を算出する(S203)。
そして、f(x)が所定値(A)以上である場合には(S204:Yes)、視聴記録分析装置10は、第i属性の世帯構成員の存在フラグFLに真(T)を設定する(S205)。FLは、真(T)又は偽(F)のいずれかの値を取る真偽値である。
一方で、f(x)が所定値(A)以上でない場合には(S204:No)、視聴記録分析装置10は、第i属性の世帯構成員の存在フラグFLに偽(F)を設定する(S206)。
次に、変数iがNに達していない場合には(S207:No)、視聴記録分析装置10は、変数iに1を加算して(S208)、S203に戻り、処理を継続する。
一方で、変数iがNに達している場合には(S207:Yes)、視聴記録分析装置10は、処理を終了する。
ここで、対象世帯Tの世帯構成員の属性は、FL〜FLのうち値が「真(T)」である属性として特定される。すなわち、対象世帯Tには、FL〜FLのうち値が「真(T)」である属性の世帯構成員が存在するものと推定される。そして、上記特定された世帯構成員の情報が、分析済み第2視聴記録データD3の「世帯構成」の欄に入力される。
図11には、第2視聴記録データの各視聴ログが対象世帯Tのどの世帯構成員により視聴されたかを判定する処理のフロー図を示した。図11に示す処理は、図10に示す処理の後に実行されることとする。
また、以下に説明する例では、視聴記録分析装置10は、第2視聴記録データの視聴ログL〜Lに視聴者属性を付与することとする。なお、上記のMは1以上の整数であり、第2視聴記録データのログ数に相当する。
図11に示されるように、視聴記録分析装置10は、視聴記録分析装置10は、対象世帯Tに設置されたオンラインメータ5Tから第2視聴記録データを取得する(S301)。なお、S301の処理は、既に第2視聴記録データを取得している場合には省略可能である。
次に、視聴記録分析装置10は、変数jを1に初期化し(S302)、以下の処理を実行する。
まず、視聴記録分析装置10は、視聴ログLを選択する(S303)。
次に、視聴記録分析装置10は、変数iを1に初期化し(S304)、以下の処理を実行する。
まず、視聴記録分析装置10は、第i属性の世帯構成員の存在フラグFLの値がT(真)である場合には(S305:Yes)、S306に進む。
S306では、視聴記録分析装置10は、視聴ログLについて第i属性の世帯構成員が視聴した確率(個人視聴確率)の実績値Pijを実績値記憶部25から取得する(S306)。
そして、視聴記録分析装置10は、視聴ログLは、実績値Pijの確率で第i属性の世帯構成員が視聴したものであると判定する(S307)。具体的には、視聴記録分析装置10は、分析済み第2視聴記録データD3の「視聴者」の欄に第i属性の世帯構成員の情報を書き込む。
視聴記録分析装置10は、S307を実行した後にS308に進む。また、S305において存在フラグFLの値がT(真)でない場合(S305:No)には、視聴記録分析装置10は、S307を実行せずに、S308に進む。
S308において、変数iがNに達していない場合には(S308:No)、視聴記録分析装置10は、変数iに1を加算して(S309)、S305に戻り、それ以降の処理を実行する。
一方で、変数iがNに達している場合には(S308:Yes)、視聴記録分析装置10はS310に進む。
S310では、変数jがMに達していない場合には(S310:No)、視聴記録分析装置10は、変数jに1を加算して(S311)、S303に戻り、それ以降の処理を実行する。
一方で、変数jがMに達している場合には(S310:Yes)、処理を終了する。
以上の処理により、第2視聴記録データを分割した視聴ログL〜Lのそれぞれに対して対象世帯Tの世帯構成員のうち誰が視聴していたかを判定することができる。これにより、対象世帯Tの世帯視聴ログから、対象世帯Tの世帯構成員のそれぞれの個人視聴ログを得ることができる。
また、視聴記録分析装置10は、複数の対象世帯Tに対して、図11に示すフローをそれぞれ実行することとしてよい。そして、視聴記録分析装置10は、視聴者属性の各々について、単位時間ごとの視聴率情報を算出することとしてよい。
<まとめ>
以上説明した本実施形態に係る視聴記録分析装置10、視聴記録分析装置10により実行される視聴記録分析方法、及び視聴記録分析装置10を機能させるための視聴記録分析プログラムの主な特徴は以下の通りである。
[1]本実施形態に係る視聴記録分析装置10は、所定世帯ごとに記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログと、それぞれの視聴ログに係る視聴を行った世帯構成員の情報とを含む第1視聴記録データを取得する第1視聴記録データ取得部20と、第1視聴記録データに基づいて、視聴ログと世帯構成員の属性との関係を示す関係データを学習する関係データ学習部21と、対象世帯について記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログを含む第2視聴記録データを取得する第2視聴記録データ取得部22と、関係データと第2視聴記録データとに基づいて、対象世帯における世帯構成員の属性ごとの存在確率を算出する存在確率算出部23と、関係データと第2視聴記録データと存在確率算出部23により算出される世帯構成員の属性ごとの存在確率とに基づいて、対象世帯を構成する世帯構成員の属性を判定する世帯構成判定部24と、視聴チャンネル及び視聴日時に対して、世帯構成員の属性ごとの個人視聴確率の実績値を記憶する実績値記憶部25と、第2視聴記録データに含まれる視聴ログのそれぞれに対する、世帯構成判定部24により判定された対象世帯を構成するそれぞれの世帯構成員の視聴の有無を判定する視聴判定部27と、を有する。視聴判定部27は、第2視聴記録データに含まれる一の視聴ログについて、対象世帯を構成する世帯構成員ごとに、当該世帯構成員の属性に関し実績値記憶部25に記憶される実績値の確率で当該世帯構成員が視聴していたと判定する。
上記の視聴記録分析装置10によれば、世帯構成が既知の所定世帯の視聴ログに基づいて、視聴ログと世帯構成員との関係を学習できる。これにより、世帯構成が未知の対象世帯の視聴ログから、対象世帯の世帯構成員の情報を得ることができる。すなわち、上記の視聴記録分析装置10によれば、世帯について記録された視聴ログから当該世帯の世帯構成員の情報を得ることができる。
そして、上記の視聴記録分析装置10によれば、対象世帯について記録された視聴ログの各々について、対象世帯の世帯構成員のうち誰が視聴していたかを判定することができる。
特に、対象世帯の視聴ログから、対象世帯に含まれる可能性が高い構成員の属性を判定することにより、対象世帯の世帯構成を精度良く判定できる。
[2]また、本実施形態に係る視聴記録分析方法は、所定世帯ごとに記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログと、それぞれの視聴ログに係る視聴を行った世帯構成員の情報とを含む第1視聴記録データを取得する第1視聴記録データ取得ステップと、第1視聴記録データに基づいて、視聴ログと視聴者の属性との関係を示す関係データを学習する関係データ学習ステップと、対象世帯について記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログを含む第2視聴記録データを取得する第2視聴記録データ取得ステップと、関係データと第2視聴記録データとに基づいて、対象世帯における世帯構成員の属性ごとの存在確率を算出する存在確率算出ステップと、関係データと第2視聴記録データと世帯構成員の属性ごとの存在確率とに基づいて、対象世帯の世帯構成を判定する世帯構成判定ステップと、視聴チャンネル及び視聴日時に対して、世帯の構成員の属性ごとの個人視聴確率の実績値を実績値記憶部25に記憶するステップと、第2視聴記録データに含まれる視聴ログのそれぞれに対する、世帯構成判定ステップで判定された対象世帯を構成するそれぞれの構成員の視聴の有無を判定する視聴判定ステップと、を有する。視聴判定ステップでは、視聴記録分析装置10は、第2視聴記録データに含まれる一の視聴ログについて、対象世帯を構成する世帯構成員ごとに、当該世帯構成員の属性に関し実績値記憶部25に記憶される実績値の確率で当該世帯構成員が視聴していたと判定する。
こうすることで、世帯構成が既知の所定世帯の視聴ログに基づいて、視聴ログと世帯構成員との関係を学習できる。これにより、世帯構成が未知の対象世帯の視聴ログから、対象世帯の世帯構成員の情報を得ることができる。すなわち、上記の視聴記録分析方法によれば、世帯について記録された視聴ログから当該世帯の世帯構成員の情報を得ることができる。
そして、上記の視聴記録分析方法によれば、対象世帯について記録された視聴ログの各々について、対象世帯の世帯構成員のうち誰が視聴していたかを判定することができる。
特に、対象世帯の視聴ログから、対象世帯に含まれる可能性が高い構成員の属性を判定することにより、対象世帯の世帯構成を精度良く判定できる。
1 視聴記録分析システム
2S 受信機
3S チャンネルセンサ
4S 個人特定器
5S オンラインメータ
2T 受信機
3T チャンネルセンサ
5T オンラインメータ
6 個人視聴ログ記録システム
7 世帯視聴ログ記録システム
10 視聴記録分析装置
11 プロセッサ
12 記憶ユニット
13 通信ユニット
20 第1視聴記録データ取得部
21 関係データ学習部
22 第2視聴記録データ取得部
23 存在確率算出部
24 世帯構成判定部
25 実績値記憶部
27 視聴判定部
30 第1ユーザ視聴ログ
31a 第2ユーザ視聴ログ
31b 第2ユーザ視聴ログ
32a 第3ユーザ視聴ログ
32b 第3ユーザ視聴ログ
33a 第4ユーザ視聴ログ
33b 第4ユーザ視聴ログ
41 第1視聴ログ
41a 分割第1視聴ログ
41b 分割第1視聴ログ
41c 分割第1視聴ログ
42 第2視聴ログ
42a 分割第2視聴ログ
42b 分割第2視聴ログ
D1 第1視聴記録データ
D2 第2視聴記録データ
D3 分析済み第2視聴記録データ
Da 実績値記憶テーブル
N ネットワーク
S サンプル世帯
S1 第1サンプル世帯
T 対象世帯

Claims (2)

  1. 所定世帯ごとに記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログと、それぞれの視聴ログに係る視聴を行った世帯構成員の情報とを含む第1視聴記録データを取得する第1視聴記録データ取得部と、
    前記第1視聴記録データに基づいて、視聴ログと世帯構成員の属性との関係を示す関係データを学習する関係データ学習部と、
    対象世帯について記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログを含む第2視聴記録データを取得する第2視聴記録データ取得部と、
    前記関係データと前記第2視聴記録データとに基づいて、前記対象世帯における世帯構成員の属性ごとの存在確率を算出する存在確率算出部と、
    前記関係データと前記第2視聴記録データと前記存在確率算出部により算出される世帯構成員の属性ごとの存在確率とに基づいて、前記対象世帯を構成する世帯構成員の属性を判定する世帯構成判定部と、
    視聴チャンネル及び視聴日時に対して、世帯構成員の属性ごとの個人視聴確率の実績値を記憶する実績値記憶部と、
    前記第2視聴記録データに含まれる視聴ログのそれぞれに対する、前記世帯構成判定部により判定された前記対象世帯を構成するそれぞれの世帯構成員の視聴の有無を判定する視聴判定部と、を有し、
    前記視聴判定部は、前記第2視聴記録データに含まれる一の視聴ログについて、前記対象世帯を構成する世帯構成員ごとに、当該世帯構成員の属性に関し前記実績値記憶部に記憶される実績値の確率で当該世帯構成員が視聴していたと判定することを特徴とする視聴記録分析装置。
  2. 所定世帯ごとに記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログと、それぞれの視聴ログに係る視聴を行った世帯構成員の情報とを含む第1視聴記録データを取得する第1視聴記録データ取得ステップと、
    前記第1視聴記録データに基づいて、視聴ログと視聴者の属性との関係を示す関係データを学習する関係データ学習ステップと、
    対象世帯について記録された視聴チャンネル及び視聴日時を示す視聴ログを含む第2視聴記録データを取得する第2視聴記録データ取得ステップと、
    前記関係データと前記第2視聴記録データとに基づいて、前記対象世帯における世帯構成員の属性ごとの存在確率を算出する存在確率算出ステップと、
    前記関係データと前記第2視聴記録データと前記世帯構成員の属性ごとの存在確率とに基づいて、前記対象世帯の世帯構成を判定する世帯構成判定ステップと、
    視聴チャンネル及び視聴日時に対して、世帯の構成員の属性ごとの個人視聴確率の実績値を実績値記憶部に記憶するステップと、
    前記第2視聴記録データに含まれる視聴ログのそれぞれに対する、前記世帯構成判定ステップで判定された前記対象世帯を構成するそれぞれの構成員の視聴の有無を判定する視聴判定ステップと、を有し、
    前記視聴判定ステップでは、前記第2視聴記録データに含まれる一の視聴ログについて、前記対象世帯を構成する世帯構成員ごとに、当該世帯構成員の属性に関し前記実績値記憶部に記憶される実績値の確率で当該世帯構成員が視聴していたと判定することを特徴とする視聴記録分析方法。
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