JP2010130585A - 視聴率予測装置および視聴率予測プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】未放送テレビ番組の番組視聴率の予測精度を向上させた視聴率予測装置を提供する。
【解決手段】視聴率予測装置100は、過去の同時間帯において放送された複数の放送済テレビ番組それぞれの特性を示す放送済番組特性情報と、複数の視聴者それぞれが複数の放送済テレビ番組の中から選択して視聴したテレビ番組を示す選択番組情報とに基づいて、テレビ番組の選択行動をモデル化した番組選択モデルを視聴者毎に構築する番組選択モデル構築部122aと、上記所定日時において放送される複数の未放送テレビ番組の編成を示す番組編成情報と、複数の未放送テレビ番組それぞれの特性を示す未放送番組特性情報とに基づいて、複数の未放送テレビ番組の中から視聴者が選択して視聴すると予測される未放送テレビ番組である予測視聴番組を上記番組選択モデルを用いて視聴者毎に判定する選択番組判定部122bとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、未放送のテレビ番組の番組視聴率を予測する視聴率予測装置および視聴率予測プログラムに関する。
従来、テレビ番組がどのくらいの人々に視聴されていたかの指標として番組視聴率が広く用いられている。番組視聴率は、視聴者のテレビ視聴状況を測定し、測定結果に基づいて計算されることが一般的である。すなわち、従来の方法では、テレビ番組が放送された後でなければ番組視聴率を求めることができない。
一方で、放送される前のテレビ番組、つまり、未来において放送されるテレビ番組(以下、未放送テレビ番組)の番組視聴率を予測する視聴率予測装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の視聴率予測装置は、ある視聴者が視聴したテレビ番組の視聴履歴に基づいて、当該視聴者の好むテレビ番組の特性を示すユーザプロフィールを生成する。そして、当該ユーザプロフィールと未放送テレビ番組との一致度が高い場合に、当該視聴者が未来において当該未放送テレビ番組を視聴するとみなす。このような処理を複数の視聴者について実施し、統計処理を施すことによって、未放送テレビ番組の番組視聴率が予測される。
特表2006−506872号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、未放送テレビ番組が実際に放送される際の状況が考慮されていないために、次のような問題がある。
具体的には、未放送テレビ番組が実際に放送される際には、視聴者は、当該未放送テレビ番組だけでなく、当該未放送テレビ番組と同じ日時に放送される他の未放送テレビ番組を選択し得る。すなわち、視聴者のユーザプロフィールと未放送テレビ番組との一致度が高い場合であっても、必ずしも当該視聴者が当該未放送テレビ番組を選択して視聴するとは限らない。
また、未放送テレビ番組が実際に放送される際、視聴者は、必ずしもテレビ番組を視聴するとは限らない。つまり、視聴者のユーザプロフィールと未放送テレビ番組との一致度が高い場合であっても、未放送テレビ番組が放送される日時において、当該視聴者はテレビをオフにしていることがある。
このため、特許文献1に記載の方法においては、番組視聴率を予測する精度が低いという問題があった。
そこで、本発明は、未放送テレビ番組が実際に放送される際の状況を考慮することによって、未放送テレビ番組の番組視聴率を予測する精度を向上させることができる視聴率予測装置および視聴率予測プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、未来の所定日時において放送される未放送テレビ番組の番組視聴率を予測する視聴率予測装置(視聴率予測装置100)であって、過去の同時間帯において放送された複数の放送済テレビ番組それぞれの特性を示す放送済番組特性情報と、複数の視聴者それぞれが前記複数の放送済テレビ番組の中から選択して視聴したテレビ番組を示す選択番組情報とに基づいて、テレビ番組の選択行動をモデル化した番組選択モデルを視聴者毎に構築する番組選択モデル構築部(番組選択モデル構築部122a)と、前記所定日時において放送される複数の未放送テレビ番組の編成を示す番組編成情報と、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの特性を示す未放送番組特性情報とに基づいて、前記複数の未放送テレビ番組の中から視聴者が選択して視聴すると予測される未放送テレビ番組である予測視聴番組を視聴者毎に判定する選択番組判定部(選択番組判定部122b)とを備え、前記選択番組判定部は、前記番組選択モデル構築部によって構築された前記番組選択モデルを用いて前記予測視聴番組を視聴者毎に判定し、前記選択番組判定部によって視聴者毎に判定された前記予測視聴番組に基づいて、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの前記番組視聴率が計算されることを要旨とする。
このような視聴率予測装置によれば、選択番組判定部は、視聴者毎に構築された番組選択モデルを用いて、未来の所定日時において放送される複数の未放送テレビ番組の中から視聴者が選択して視聴すると予測される予測視聴番組を視聴者毎に判定する。
すなわち、1つの未放送テレビ番組だけでなく、当該未放送テレビ番組と同じ日時に放送される他の未放送テレビ番組を考慮して予測視聴番組が判定されるため、未放送テレビ番組が実際に放送される際の状況をより正確に反映させることができ、選択肢が競合する場合でも予測視聴番組を精度良く判定できる。
そして、精度良く判定された視聴者毎の予測視聴番組に基づいて複数の未放送テレビ番組それぞれの番組視聴率が計算されるため、番組視聴率を予測する精度を向上させることができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記番組選択モデルは、ニューラルネットワークモデル、重回帰モデル、多重判別モデル、または多項ロジットモデルの何れかのモデル化手法を用いて構築されることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または第2の特徴に係り、前記複数の視聴者それぞれがテレビ番組を視聴した又は視聴しなかった時間帯を示すテレビ視聴情報に基づいて、視聴者がいつテレビ番組を視聴するかをモデル化したテレビ視聴オン/オフモデルを視聴者毎に構築するオン/オフモデル構築部(オン/オフモデル構築部121a)と、前記オン/オフモデル構築部によって構築された前記テレビ視聴オン/オフモデルを用いて、前記所定日時において前記複数の未放送テレビ番組の何れかが視聴される確率である視聴確率を視聴者毎に判定する視聴確率判定部(視聴確率判定部121b)とをさらに備えることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、前記テレビ視聴オン/オフモデルは、ニューラルネットワークモデル、重回帰モデル、多重判別モデル、または多項ロジットモデルの何れかのモデル化手法を用いて構築されることを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第3または第4の特徴に係り、前記視聴確率判定部によって視聴者毎に判定された前記視聴確率と、前記選択番組判定部によって視聴者毎に判定された前記予測視聴番組とに基づいて、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの前記番組視聴率を計算する視聴率計算部(視聴率計算部123)をさらに備えることを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、未来の所定日時において放送される未放送テレビ番組の番組視聴率を予測する視聴率予測装置として機能するコンピュータに、過去の同時間帯において放送された複数の放送済テレビ番組それぞれの特性を示す放送済番組特性情報と、複数の視聴者それぞれが前記複数の放送済テレビ番組の中から選択して視聴したテレビ番組を示す選択番組情報とに基づいて、テレビ番組の選択行動をモデル化した番組選択モデルを視聴者毎に構築する手順と、前記所定日時において放送される複数の未放送テレビ番組の編成を示す番組編成情報と、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの特性を示す未放送番組特性情報とに基づいて、前記複数の未放送テレビ番組の中から視聴者が選択して視聴すると予測される未放送テレビ番組である予測視聴番組を視聴者毎に判定する手順とを実行させ、前記判定する手順では、前記構築する手順によって構築された前記番組選択モデルを用いて前記予測視聴番組を視聴者毎に判定し、前記選択番組判定部によって視聴者毎に判定された前記予測視聴番組に基づいて、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの前記番組視聴率が計算される視聴率予測プログラムであることを要旨とする。
本発明によれば、未放送テレビ番組が実際に放送される際の状況を考慮することによって、未放送テレビ番組の番組視聴率を予測する精度を向上させることができる視聴率予測装置および視聴率予測プログラムを提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態に係る視聴率予測装置について説明する。具体的には、(1)視聴率予測装置の全体構成、(2)視聴率予測装置の詳細構成、(3)視聴率予測装置の動作、(4)効果、(5)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(1)視聴率予測装置の全体構成
図1は、本実施形態に係る視聴率予測装置100の機能ブロック構成図である。
視聴率予測装置100は、未来の所定日時において放送される未放送テレビ番組の番組視聴率を予測する。具体的には、視聴率予測装置100は、いつテレビを視るのか、視るとしたらどのテレビ番組(ch/局)を選択するかを、視聴者個人毎にルールを作りモデル化し、N人分のモデルを利用して番組視聴率を再現・予測する。なお、本実施形態において視聴者とは、視聴率調査対象世帯に属する視聴者を意味している。
視聴率予測装置100はコンピュータを用いて構成され、図1に示すように、情報記憶部110、情報処理部120および入出力部130を有する。
情報記憶部110は、メモリや補助記憶装置を用いて構成され、情報処理部120における情報処理に必要な各種の情報を記憶する。また、情報記憶部110は、情報処理部120によって実行されるプログラムを記憶するとともに、情報処理部120におけるプログラム実行処理中に利用されるデータ等を一時的に記憶する。情報処理部120は、CPUなどによって構成され、情報記憶部110が記憶する情報や、入出力部130から入力された情報を処理する。入出力部130は、視聴率予測装置100を利用するユーザとのインタフェースとして機能する。
(2)視聴率予測装置の詳細構成
次に、視聴率予測装置100の詳細構成について説明する。
情報記憶部110は、視聴行動記憶部111、番組特性記憶部112および番組編成記憶部113を有する。
視聴行動記憶部111は、過去の同時間帯において放送された複数の放送済テレビ番組の中から複数の視聴者それぞれが選択して視聴したテレビ番組を示す選択番組情報と、複数の視聴者それぞれがテレビ番組を視聴した又は視聴しなかった時間帯を示すテレビ視聴情報とを記憶する。以下においては、選択番組情報およびテレビ視聴情報を併せて適宜「視聴行動情報」と呼ぶ。
図2は、視聴行動記憶部111が記憶する視聴行動情報の構成例を示す図である。図2に示すように、視聴行動情報は、毎分のテレビオン/オフの情報と、オンの場合には選択されたチャンネルの情報とを記録したものである。選択されたチャンネルの情報には、選択されたテレビ番組の情報が対応付けられる。
図2の例では、ある個人についての視聴行動情報を図示しており、18:00〜18:01において、テレビがオンであり、且つ、A局が選択されて視聴されたことを示している。また、18:02において、テレビがオンであり、且つ、D局が選択されて視聴されたことを示している。18:03〜18:04において、テレビがオンであり、且つ、C局が選択されて視聴されたことを示している。18:05〜18:07において、テレビがオンであり、且つ、E局が選択されて視聴されたことを示している。18:08において、テレビがオフであることを示している。
番組特性記憶部112は、複数の放送済テレビ番組それぞれの特性を示す放送済番組特性情報と、複数の未放送テレビ番組それぞれの特性を示す未放送番組特性情報とを記憶する。以下においては、放送済番組特性情報および未放送番組特性情報を併せて適宜「番組情報」と呼ぶ。番組情報には、例えば、番組分類、出演タレント人気区分、番組パワー区分、番組視聴者属性、および番組種別などが含まれる。番組分類とは、バラエティ番組やスポーツ番組といったテレビ番組の分類である。出演タレント人気区分は、例えばテレビタレントイメージ調査の人気度をベースに定められる。番組パワー区分とは、前4週平均世帯および当日世帯視聴率に基づき定められる。具体的には、区分A:20%+、区分B:15-19.9%、区分C:10-14.9%といったように分類される。番組視聴者属性とは、視聴者の年齢層に基づき定められる。番組種別とは、新番組、特別番組、再放送、レギュラー、単発といったように分類される。
番組編成記憶部113は、未来の所定日時において放送される複数の未放送テレビ番組の編成(いわゆる、番組表)を示す番組編成情報を記憶する。番組編成情報は、入出力部130を介して、視聴率予測装置100のユーザによって入力および更新することができる。
情報処理部120は、オン/オフモデル部121、番組選択モデル部122、視聴率計算部123および制御部124を有する。
オン/オフモデル部121は、オン/オフモデル構築部121aおよび視聴確率判定部121bを有する。オン/オフモデル構築部121aは、複数の視聴者それぞれがテレビ番組を視聴した又は視聴しなかった時間帯を示すテレビ視聴情報に基づいて、視聴者がいつテレビ番組を視聴するかをモデル化したテレビ視聴オン/オフモデルを視聴者毎に構築する。本実施形態では、テレビ視聴オン/オフモデルは、既存のモデル化手法の一つであるニューラルネットワーク・モデルを用いて構築されるが、他の既存のモデル化手法である重回帰モデル、多重判別モデル、または多項ロジットモデルの何れかを用いても同様に構築することができる。視聴確率判定部121bは、オン/オフモデル構築部121aによって構築されたテレビ視聴オン/オフモデルを用いて、未来の所定日時において複数の未放送テレビ番組の何れかが視聴される確率である視聴確率を視聴者毎に判定する。なお、テレビ視聴オン/オフモデルがニューラルネットワーク・モデルを用いて構築される場合、テレビ視聴オン/オフモデルは、学習済みニューラルネットワークの重み構成などの情報であり、情報記憶部110に一時的に記憶されて使用される。
番組選択モデル部122は、番組選択モデル構築部122aおよび選択番組判定部122bを有する。番組選択モデル構築部122aは、番組特性記憶部112が記憶している放送済番組特性情報と、視聴行動記憶部111が記憶している選択番組情報とに基づいて、テレビ番組の選択行動をモデル化した番組選択モデルを視聴者毎に構築する。本実施形態では、番組選択モデルは、既存のモデル化手法の一つであるニューラルネットワーク・モデルを用いて構築されるが、他の既存のモデル化手法である重回帰モデル、多重判別モデル、または多項ロジットモデルの何れかを用いても同様に構築することができる。選択番組判定部122bは、番組編成記憶部113が記憶している番組編成情報と、番組特性記憶部112が記憶している未放送番組特性情報とに基づいて、複数の未放送テレビ番組の中から視聴者が選択して視聴すると予測される未放送テレビ番組である予測視聴番組を視聴者毎に判定する。具体的には、選択番組判定部122bは、番組選択モデル構築部122aによって構築された番組選択モデルを用いて、予測視聴番組を視聴者毎に判定する。なお、予測視聴番組を判定するだけでなく、予測視聴番組が選択される確率を判定してもよい。また、番組選択モデルがニューラルネットワーク・モデルを用いて構築される場合、番組選択モデルは、学習済みニューラルネットワークの重み構成などの情報であり、情報記憶部110に一時的に記憶されて使用される。
視聴率計算部123は、オン/オフモデル部121の視聴確率判定部121bによって視聴者毎に判定された視聴確率と、番組選択モデル部122の選択番組判定部122bによって視聴者毎に判定された予測視聴番組とに基づいて、複数の未放送テレビ番組それぞれの番組視聴率を計算する。本実施形態において視聴率計算部123は、毎分の番組視聴率(いわゆる、毎分視聴率)を計算できる。その際、視聴率計算部123は、視聴者個人をその属する世帯毎にグループ化することによって、世帯毎の番組視聴率(いわゆる、世帯視聴率)も計算できる。
制御部124は、情報処理部120の全体を制御するとともに、情報記憶部110および入出力部130と、情報処理部120との間における情報の入出力を制御する。
入出力部130は、表示部131および入力部132を有する。表示部131は、視聴率計算部123によって計算された番組視聴率などを表示するディスプレイである。表示部131は、制御部124の制御下で、番組特性情報や番組編成情報などの編集用画面を表示することもできる。すなわち、視聴率予測装置100は、新しい番組編成を投入した場合の番組視聴率や、番組編成の変更に伴う番組視聴率の変化を予測することができ、番組編成のシミュレーションに使用することもできる。入力部132は、視聴率予測装置100のユーザからの入力操作を受け付け、操作内容を情報処理部120に伝達する。入力部132としては、例えばキーボードおよびマウスなどが使用できる。
以下において、(2.1)オン/オフモデル部121、(2.2)番組選択モデル部122、(2.3)視聴率計算部123のそれぞれの詳細について説明する。
(2.1)オン/オフモデル部121
図3は、オン/オフモデル部121において用いられるテレビ視聴オン/オフモデルの詳細を説明するための図である。
テレビ視聴オン/オフモデルは、図3(a)に示すライフスタイルモデルと、図3(b)に示す摂動(調整)モデルとを含む。ライフスタイルモデルは、当該個人の過去の視聴確率を意味する。具体的には、その曜日、時間帯、降雨および当該個人当日の長期休み状況から、視聴確率を計算するためのものである。摂動(調整)モデルは、ライフスタイルモデルによって計算された視聴確率に番組情報を投入して調整するためのものである。
ライフスタイルモデルでは、番組情報とは無関係に視聴者個人のライフスタイルに基づき視聴確率が計算されるが、実際には、好きなテレビ番組があるからテレビを視る、あるいは好きなタレントが出ているからテレビを視るといった状況が想定される。このため、ライフスタイルモデルをベースとし、そこからの摂動部分を、番組情報を用いて構成された摂動モデルにより調整する。本実施形態では、摂動モデルについて、ニューラルネットワーク・モデルを使用する。
図3(a)に示すライフスタイルモデルに相当する数式において、iは、個人iのインデックスである。w,t,r,vは、それぞれ曜日、時刻、降雨、長期休暇を表している。ここで、曜日は、月〜金、土、日、月〜金での休日といった区分である。時間は、30分区切りである。天候は、降水量閾値を用いた晴/雨といった区分である。長期休暇は、通常日/長期休暇中といった区分である。これらをパラメータとして、過去における視聴確率(オン分数/全分数)を視聴確率として算出する。
なお、ライフスタイルモデルは、視聴者個人のライフスタイルが大きく変わる時点、例えば職業が変わったときや第一子が誕生したときでは、新たなライフスタイルモデルに更新してもよい。
図3(b)に示す摂動モデルに相当する数式において、x は、テレビ番組に関する番組情報であり、番組種別、出演タレント、キーワード等が含まれる。fiは、個人毎に作られたニューラルネットワークモデルである。
図4は、テレビ視聴オン/オフモデルを用いて計算された視聴者毎の視聴確率を示す図である。図4の例では、19:00〜23:00を予測対象日時としており、毎分の視聴確率が視聴者毎に計算されている。
(2.2)番組選択モデル部122
図5は、番組選択モデル部122において用いられる番組選択モデルの詳細を説明するための図である。
図5に示すように、番組選択モデルは、毎分の全局番組情報を入力、視聴チャンネル(視聴番組)を出力として構築された予測モデルである。番組選択モデルを用いることで、ある番組編成の元で選択される局(あるいはテレビ番組)を判定可能となる。本実施形態では、番組選択モデルについて、上述した摂動モデルと同様に、ニューラルネットワーク・モデルを使用する。
図5(a)に示す番組選択モデルに相当する数式において、iは個人インデックスである。tは、時間帯×曜日のインデックスである。ここでは、時間帯を7分類、曜日を2分類としている。xjは、局jの番組情報ベクトル(番組種別、番組パワー、視聴者属性、出演タレント等)である。gt iは、個人毎に作られたニューラルネットワークモデルである。
図5(a)に示す番組選択モデルでは、入力データが多く、学習データに対して過学習(オーバーフィッティング)の状態であるため、図5(b)に示すように、学習データの交差検証により、より良いネットワークの形を探索する。
なお、図5(a)および(b)において、左側の各ノードxjは番組情報ベクトルであり、中間の各ノードhkは隠れ層であり、右側のノードyは選択番組(選択チャンネル)であり、次の数式によって表現できる。
Figure 2010130585
ここで、w,vは、重み(weight)である。ただし、図5(a)および(b)のような構成に限らず、中間のノードを持たない構成などであっても構わない。
図6および図7は、番組選択モデルを用いて判定された予測視聴番組を示す図である。図6の例では、19:00〜19:07を予測対象日時としており、毎分の予測視聴番組が判定されている。また、19:00〜19:02および19:06〜19:07では、予測視聴番組と、実際に視聴された局(テレビ番組)とが一致している様子を示している。図7の例では、19:00〜22:56を予測対象日時としており、予測視聴番組が視聴者毎に判定されている。
(2.3)視聴率計算部123
視聴率計算部123は、オン/オフモデル部121によって視聴者毎に判定された毎分の視聴確率と、番組選択モデル部122によって視聴者毎に判定された毎分の予測視聴番組とに基づいて、複数の未放送テレビ番組それぞれの毎分視聴率を計算する。
具体的には、ある時点における個人iについてオン/オフモデル部121が判定した視聴確率をp、当該時点における個人iについて番組選択モデル部122が判定した選択局(予測視聴番組)をchとすると、視聴率計算部123は、当該時点において個人iが選択局(予測視聴番組)を視る確率をpとして計算する。そして、全員についての計算結果を集計することで、複数の未放送テレビ番組それぞれの毎分視聴率を計算する。
また、視聴率計算部123は、オン/オフモデル部121が判定した視聴確率pを集計することで、PUT(総個人視聴率)を計算することもできる。なお、PUTとは、どのくらいの人がテレビ放送を(放送と同時に)視聴したのかという割合を示すものである。図8は、視聴率計算部123によって計算されたPUTを示す図である。図8の例では、19:00〜23:00を予測対象日時として、毎分のPUTが計算されており、実測値と近い値が計算されたことが分かる。
(3)視聴率予測装置の動作
次に、図9に示すフローチャートを参照して、視聴率予測装置100の動作について説明する。
ステップS101において、オン/オフモデル部121の視聴確率判定部121bは、予測対象の日時および番組群から、テレビ視聴オン/オフモデルを用いて個人iについての視聴確率pを判定する。
ステップS102において、番組選択モデル部122の選択番組判定部122bは、予測対象の日時および番組群から、番組選択モデルを用いて個人iについての予測視聴番組chを判定する。
ステップS103において、視聴率計算部123は、予測対象の日時において個人iが選択局(予測視聴番組)を視る確率をpとして計算し、テレビを視ない確率を(1−p)として計算する。
ステップS104において、視聴率計算部123は、全員(N人)についての計算結果を集計することで、チャンネルjおよび時刻tにおける毎分視聴率を計算する。
図10は、1日分の番組表を作成して番組編成記憶部113に格納した場合の毎分視聴率の計算結果を示す図である。図10の例では、19:00〜22:59を予測対象日時として毎分視聴率が計算されており、実測値と近い値が計算されたことが分かる。
(4)効果
以上説明したように、視聴率予測装置100は、テレビ視聴オン/オフモデルを用いて視聴者毎に判定した視聴確率と、番組選択モデルを用いて視聴者毎に判定した予測視聴番組とに基づいて、個人iが予測視聴番組を視る確率をpとして計算する。そして、N人分の確率pを集計することによって、チャンネルjおよび時刻tにおける毎分視聴率を精度良く予測することができる。
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態で説明した各処理をコンピュータプログラムとして実装し、視聴率予測装置100として機能するコンピュータに実行させることが可能である。
上述した実施形態では、番組選択モデルおよびテレビ視聴オン/オフモデルがニューラルネットワークモデルを用いて構築されていたが、ニューラルネットワークモデルに限らず、他のモデル化手法を利用可能である。具体的には、ニューラルネットワークモデルに代えて、重回帰モデル、多重判別モデル、または多項ロジットモデルの何れかのモデル化手法が利用できる。例えば、番組選択モデルの回帰式は、毎分PUT=a + b1x1 + b2x2 + b3x3・・・といった計算式で表すことができる。ここでxは、番組情報などである。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の実施形態に係る視聴率予測装置の機能ブロック構成図である。 本発明の実施形態に係る視聴行動記憶部が記憶する視聴行動情報の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係るテレビ視聴オン/オフモデルの詳細を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るテレビ視聴オン/オフモデルを用いて計算された視聴者毎の視聴確率を示す図である。 本発明の実施形態に係る番組選択モデルの詳細を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る番組選択モデルを用いて判定された予測視聴番組を示す図である。 本発明の実施形態に係る番組選択モデルを用いて判定された予測視聴番組を示す図である。 本発明の実施形態に係る視聴率計算部によって計算されたPUTを示す図である。 本発明の実施形態に係る視聴率予測装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る視聴率予測装置による毎分視聴率の計算結果を示す図である。
符号の説明
100…視聴率予測装置、110…情報記憶部、111…視聴行動記憶部、112…番組特性記憶部、113…番組編成記憶部、120…情報処理部、121…オン/オフモデル部、121a…オン/オフモデル構築部、121b…視聴確率判定部、122…番組選択モデル部、122a…番組選択モデル構築部、122b…選択番組判定部、123…視聴率計算部、124…全体制御部、130…入出力部、131…表示部、132…入力部

Claims (6)

  1. 未来の所定日時において放送される未放送テレビ番組の番組視聴率を予測する視聴率予測装置であって、
    過去の同時間帯において放送された複数の放送済テレビ番組それぞれの特性を示す放送済番組特性情報と、複数の視聴者それぞれが前記複数の放送済テレビ番組の中から選択して視聴したテレビ番組を示す選択番組情報とに基づいて、テレビ番組の選択行動をモデル化した番組選択モデルを視聴者毎に構築する番組選択モデル構築部と、
    前記所定日時において放送される複数の未放送テレビ番組の編成を示す番組編成情報と、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの特性を示す未放送番組特性情報とに基づいて、前記複数の未放送テレビ番組の中から視聴者が選択して視聴すると予測される未放送テレビ番組である予測視聴番組を視聴者毎に判定する選択番組判定部と
    を備え、
    前記選択番組判定部は、前記番組選択モデル構築部によって構築された前記番組選択モデルを用いて前記予測視聴番組を視聴者毎に判定し、
    前記選択番組判定部によって視聴者毎に判定された前記予測視聴番組に基づいて、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの前記番組視聴率が計算される視聴率予測装置。
  2. 前記番組選択モデルは、ニューラルネットワークモデル、重回帰モデル、多重判別モデル、または多項ロジットモデルの何れかのモデル化手法を用いて構築される請求項1に記載の視聴率予測装置。
  3. 前記複数の視聴者それぞれがテレビ番組を視聴した又は視聴しなかった時間帯を示すテレビ視聴情報に基づいて、視聴者がいつテレビ番組を視聴するかをモデル化したテレビ視聴オン/オフモデルを視聴者毎に構築するオン/オフモデル構築部と、
    前記オン/オフモデル構築部によって構築された前記テレビ視聴オン/オフモデルを用いて、前記所定日時において前記複数の未放送テレビ番組の何れかが視聴される確率である視聴確率を視聴者毎に判定する視聴確率判定部と
    をさらに備える請求項1または2に記載の視聴率予測装置。
  4. 前記テレビ視聴オン/オフモデルは、ニューラルネットワークモデル、重回帰モデル、多重判別モデル、または多項ロジットモデルの何れかのモデル化手法を用いて構築される請求項3に記載の視聴率予測装置。
  5. 前記視聴確率判定部によって視聴者毎に判定された前記視聴確率と、前記選択番組判定部によって視聴者毎に判定された前記予測視聴番組とに基づいて、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの前記番組視聴率を計算する視聴率計算部をさらに備える請求項3または4に記載の視聴率予測装置。
  6. 未来の所定日時において放送される未放送テレビ番組の番組視聴率を予測する視聴率予測装置として機能するコンピュータに、
    過去の同時間帯において放送された複数の放送済テレビ番組それぞれの特性を示す放送済番組特性情報と、複数の視聴者それぞれが前記複数の放送済テレビ番組の中から選択して視聴したテレビ番組を示す選択番組情報とに基づいて、テレビ番組の選択行動をモデル化した番組選択モデルを視聴者毎に構築する手順と、
    前記所定日時において放送される複数の未放送テレビ番組の編成を示す番組編成情報と、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの特性を示す未放送番組特性情報とに基づいて、前記複数の未放送テレビ番組の中から視聴者が選択して視聴すると予測される未放送テレビ番組である予測視聴番組を視聴者毎に判定する手順と
    を実行させ、
    前記判定する手順では、前記構築する手順によって構築された前記番組選択モデルを用いて、前記予測視聴番組が視聴者毎に判定され、
    前記選択番組判定部によって視聴者毎に判定された前記予測視聴番組に基づいて、前記複数の未放送テレビ番組それぞれの前記番組視聴率が計算される視聴率予測プログラム。
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