JP2017092664A - 番組分析装置及び番組分析方法 - Google Patents

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英樹 長島
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敬章 吉賀
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Kazuaki Horigome
一彰 堀米
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Abstract

【課題】調査対象者がどの番組を視聴、聴取又は閲覧しているかにかかわらず、分析対象期間中において放送されている何れかの番組をその番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧している調査対象者の数や割合を適切に把握することが可能な番組分析装置又は番組分析方法を提供する。【解決手段】分析実施部16は、視聴率分析において、特定処理及び算出処理を実行する。特定処理は、調査データと番組データとに基づいて、分析対象期間中に放送されていた何れかのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴していた調査対象者を特定する。算出処理は、HUTを算出する処理であり、分析対象期間に放送されていた何れかのテレビ番組をその番組の放送と同時に視聴していた調査対象者の数を、全調査対象者の総数で除算し、HUTを算出する。【選択図】図5

Description

本発明は、番組分析装置及び番組分析方法に係り、特に、分析対象期間において放送された番組をその番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた調査対象者の数に関する分析を実施する番組分析装置及び番組分析方法に関する。
テレビ番組やラジオ番組等の各種番組を視聴、聴取又は閲覧している人の数や当該人数の比率について、その動向を把握することは、番組制作者及び番組スポンサーとなる企業や広告主にとって重要である。そのために視聴率分析をはじめとした各種の番組分析が従来から行われてきている。
番組分析とは、無作為に選んだ世帯や個人を調査対象者として、分析対象となる一又は複数の番組について、それらの番組を視聴、聴取又は閲覧している調査対象者の数に関して分析を行うことである。番組分析の一例を示すと、ある期間(分析対象期間)中に各放送局にて放送された各番組について、当該番組を視聴、聴取又は閲覧した調査対象者の人数を集計し、その集計結果を番組間で比較することが挙げられる。このような分析によれば、各番組の人気(注目度合い)を評価することが可能となる。
例えば、特許文献1に記載の番組分析では、ある放送局が放送する番組と当該番組の放送時間中に他の放送局で放送されている番組(いわゆる裏番組)との関係を分析している。具体的には、裏番組への流出数や裏番組からの流入数を算出し、各番組の人気を裏番組との関係と対応付けて評価している。
また、特許文献2に記載の番組分析では、個人別の視聴率データに基づいて平均視聴率分析、流入・流出分布分析、個人情報表示分析等の視聴率の分析を行っている。具体的には、視聴率データベースサーバ上に、個人視聴データを記憶した個人視聴データファイルと、個人標本データを記憶した個人標本データファイルと、放送番組のタイムテーブルを記憶した放送番組タイムテーブルファイルと、CM放映データを記憶したCM放映データファイルとを備えて、個人の時間単位での平均視聴率、基準放送局に対する流入・流出、指定番組視聴回数の分析を行っている。
特開2015−142186号公報 特開2003−189332号公報
ところで、番組制作者及び番組スポンサーとなる企業や広告主にとっては、自身が制作や提供する番組の視聴率や当該番組の裏番組の視聴率等を分析することは当然重要であるが、全体でどれだけの人々がテレビやラジオ等の電源を入れて何かしらの番組をその番組の放送と同時に視聴等しているか(リアルタイム視聴)、すなわち、個人個人が視聴等している番組にかかわらず、全体でどれだけのテレビやラジオが稼働しているかについて分析することも、世の中におけるテレビ放送やラジオ放送の影響力を判断するうえで非常に重要である。
しかしながら、特許文献1や特許文献2のような従来の番組分析においては、各放送局にて放送されている番組ごとに視聴率を算出するものであるので、それぞれの番組の視聴率について分析することはできるが、視聴等している番組に関係なく全体でどれだけの調査対象者がテレビやラジオの電源を入れて何かしらの番組を視聴等しているかについて分析することは困難であり、世の中におけるテレビ放送やラジオ放送全体の影響力を判断することはできなかった。
また、単にテレビやラジオ等が稼働していたとしても、録画した番組やDVD等を視聴していたり、テレビゲーム等をプレイしていたりする場合もあり、調査対象者が実際に放送されている番組をその番組の放送と同時に視聴等しているか否かについては明確に判別することは困難であり、世の中におけるテレビ放送やラジオ放送全体の影響力を正確に判断することはできなかった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、調査対象者がどの番組を視聴、聴取又は閲覧していたかにかかわらず、分析対象期間中において放送された何れかの番組をその番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた調査対象者の数や割合を適切に把握することが可能な番組分析装置又は番組分析方法を提供することである。
前記課題は、本発明の番組分析装置によれば、調査対象者がどの番組をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを識別する情報を含む調査データを取得する調査データ取得部と、番組を識別する情報を含む番組データを前記番組ごとに記憶する番組データ記憶部と、前記調査データ取得部が取得した前記調査データ、及び、前記番組データ記憶部から読み出した前記番組データに基づいて、予め設定された分析対象期間中に番組を視聴、聴取又は閲覧していた前記調査対象者の数に関する分析を実施する分析実施部と、を有し、前記分析実施部は、前記分析において、前記調査データと前記番組データとを照合し、前記調査データの一部又は全部と前記番組データの一部又は全部とが一致又は類似するときに、前記調査対象者がその番組データが示す番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していたと特定する特定処理と、前記分析対象期間中に放送されていた番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた前記調査対象者の数に関する分析値であって、全調査対象者の中で前記分析対象期間中に放送された何れかの番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた調査対象者の数又は割合を示す値を算出する算出処理と、前記分析値に応じた情報を提示するためのデータを生成するデータ生成処理と、を実行すること、により解決される。
また、本発明の番組分析方法によれば、コンピュータが、調査対象者がどの番組をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを識別する情報を含む調査データを取得することと、コンピュータが、番組を識別する情報を含む番組データを前記番組ごとに記憶することと、コンピュータが、前記調査データ及び前記番組データに基づいて、予め設定された分析対象期間中に番組を視聴、聴取又は閲覧していた前記調査対象者の数に関する分析を実施することと、を有し、コンピュータは、前記分析において、前記調査データと前記番組データとを照合し、前記調査データの一部又は全部と前記番組データの一部又は全部とが一致又は類似するときに、前記調査対象者がその番組データが示す番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していたと特定する特定処理と、前記分析対象期間中に放送されていた番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた前記調査対象者の数に関する分析値であって、全調査対象者の中で前記分析対象期間中に放送された何れかの番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた調査対象者の数又は割合を示す値を算出する算出処理と、前記分析値に応じた情報を提示するためのデータを生成するデータ生成処理と、を実行すること、により解決される。
以上のように構成された本発明の番組分析装置又は番組分析方法では、調査対象者から取得したどの番組をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを識別する情報を含む調査データと、番組を識別する情報を含む番組データとを照合し、調査データと番組データとが一致又は類似するときに、調査対象者がその番組データが示す番組をその番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していたと特定し、その条件に該当する調査対象者の数に関する分析値を算出する。
これにより、各調査対象者が視聴、聴取又は閲覧していた番組にかかわらず、全体でどれだけの調査対象者がテレビやラジオ等の番組を視聴、聴取又は閲覧するための装置の電源を入れて何かしらの番組をその番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していたかについて、その数や割合を分析することができる。
特に、調査対象者全体の中で、視聴、聴取又は閲覧していた番組に関係なく、分析対象期間に放送されていた何れかの番組をその番組の放送と同時に視聴していた調査対象者の数の割合を示す総世帯視聴率(HUT:Households Using Television)又は総個人視聴率(PUT:Persons Using Television)を分析値とすることにより、世の中におけるテレビ放送やラジオ放送全体の影響力を判断することが可能となる。
また、調査対象者から取得した調査データと番組データとを照合して、その内容が一致又は類似するときに調査対象者がその番組データが示す番組を放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していたと特定するので、ゲームをしていたりDVD等を視聴していたりする場合等、放送されている番組をその番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していない場合を好適に排除することができ、より正確な値を算出することが可能となる。
また、上記の番組分析装置についてより好適な構成を述べると、前記調査データ及び前記番組データは番組の音声信号又は映像信号を含み、前記分析実施部は、前記特定処理において、前記調査データの音声信号又は映像信号と前記番組データの音声信号又は映像信号とを照合する、とよい。
上記の構成によれば、調査データ及び番組データに音声信号や映像信号等の音声又は映像に関する情報を含め、特定処理において、その音声信号や映像信号を比較する。
これにより、調査データと番組データとが一致するか否か又は類似度が高いか低いか等の判定が容易となり、両データを正確且つ迅速に照合することができる。
また、上記の番組分析装置についてさらに好適な構成を述べると、前記調査データ取得部は、前記調査対象者が前記番組を視聴、聴取又は閲覧するための装置の電源が入っている場合に前記調査データを取得する、とよい。
上記の構成によれば、テレビやラジオ等の番組を視聴、聴取又は閲覧するための装置の電源が入っている場合に調査データを取得する。
これにより、放送されている番組をその番組と放送と同時に視聴、聴取又は閲覧しているかについて効率的に照合することができ、より正確な分析結果を得ることが可能となる。
本発明の番組分析装置及び番組分析方法によれば、調査対象者がどの番組を視聴、聴取又は閲覧していたかにかかわらず、分析対象期間中において放送されていた何れかの番組をその番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた調査対象者の数や割合を適切に把握することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る番組分析装置を含む番組分析システムの概念図である。 調査データの一例を示す図である。 番組データの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る番組分析装置の構成を機能面から示した図である。 視聴率分析フローを示す図である。 特定処理の流れを示すフローチャートである。 算出処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態(以下では「本実施形態」と呼ぶ)について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
なお、本明細書において「番組」とは、予め設定されたタイムスケジュールに従って放送される音声情報や映像情報のことであり、具体的には、テレビ番組、ラジオ番組、インターネット番組、スマートフォンやタブレット向けに放送される番組(以下、モバイル専用番組)、文字情報番組等が挙げられる。
また、本明細書において「番組放送時間」とは、各番組が放送されていた放送日時(放送開始から放送終了時点までの期間)のことである。なお、通常の場合、番組放送時間は、予め設定された放送時間枠と一致するが、緊急時の特別番組のように予定なく番組が追加されたケースや、所定の時間帯に放送予定であった番組が予定とは異なる時間帯に放送されたケース(例えば、その時間帯より前に放送された番組の影響によって放送開始時刻が遅れる等)については、実際に放送された時間帯が番組放送時間となる。
また、以下では、番組の一例としてテレビ番組を挙げ、テレビ番組の視聴者数に関する分析を行うケースを例に挙げて説明する。ただし、本発明は、ラジオ番組の聴取者数に関する分析を行うケース、インターネット番組の視聴者数に関する分析を行うケース、及び、文字情報番組のように音声を伴わない番組の閲覧者数に関する分析を行うケースにも適用可能である。
なお、テレビ番組を放送するテレビ局(放送局の一例)の局数については任意の数に設定することが可能である。
また、番組分析において利用される視聴率には、世帯視聴率と個人視聴率の二種類の視聴率があるが、本実施形態では、以下、調査対象者を世帯単位とした世帯視聴率について説明する。ただし、これに限定されるものではなく、個人視聴率であっても適用することができる。
なお、世帯視聴率とは、調査対象者を世帯単位とし、テレビ所有世帯のうち、どのくらいの世帯がテレビ番組を視聴していたかを示す割合であり、一般的に視聴率といえばこの世帯視聴率を指す。一方、個人視聴率とは、調査対象者を世帯に属する構成員単位とし、世帯内の所定年齢以上(例えば4歳以上)の家族全員の中で、誰がどれくらいテレビ番組を視聴したかを示す割合であり、視聴者を、性別、年齢別、職業別等に分けて、どのような属性の個人がどれくらい見ていたかを知りたいとき等に利用されている。
また、世帯視聴率の中でも、調査対象となる世帯全体の中で、視聴していたテレビ番組を問わずテレビの電源を入れて何かしらのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴していた世帯の割合を示す数値を総世帯視聴率(HUT:Households Using Television)といい、本実施形態の視聴率分析ではこの総世帯視聴率(以下、HUTという。)を分析値として算出する。
一方、調査対象となる世帯内の所定年齢以上(例えば4歳以上)の個人全体の中で、視聴していたテレビ番組を問わずテレビの電源を入れて何かしらのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴していた個人の割合を示す数値を総個人視聴率(PUT:Persons Using Television)という。上記のとおり、本実施形態では調査対象者を世帯としているので、HUTについて算出するものであるが、HUTに代えてこの総個人視聴率(以下、PUTという。)を算出することとしてもよい。
なお、HUT及びPUTの中には、原則としてテレビ番組の録画、録画番組やDVDの視聴及びテレビゲームのプレイ等は含まれないものとする。
<本実施形態に係る番組分析装置を用いた番組分析について>
先ず、本実施形態に係る番組分析装置を用いて行われる番組分析の概要について説明する。
本実施形態に係る番組分析装置を用いて行われる番組分析は、分析期間中に放送されたテレビ番組の視聴者数に関する分析であり、より厳密には、視聴していたテレビ番組に関係なく、どれだけの調査対象者が、テレビの電源を入れて何かしらのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴しているかに関する視聴率分析である。
本実施形態において視聴率分析は、例えば視聴率調査会社によって行われることになっている。この視聴率調査会社は、視聴率調査のために無作為に抽出した世帯を調査対象者とし、この調査対象者に対してテレビ番組の視聴状況に関する調査を依頼している。
具体的に説明すると、視聴率調査会社は、抽出された世帯に対して測定ユニットを配布する。この測定ユニットは、抽出された世帯の自宅内(厳密にはテレビの設置箇所周辺)に配置され、世帯全体を一つの調査対象者として、テレビ番組の視聴状況を測定するために使用される。ちなみに、本実施形態では、世帯自体を調査対象者としたが、世帯の構成員(すなわち、個人)を調査対象者として取り扱ってもよい。
測定ユニットの構成について説明すると、測定ユニットは、図1に図示のチャンネルセンサ2と個人特定器3とオンラインメータ4とによって構成されている。
チャンネルセンサ2は、その周辺に設置されたテレビが電源オン状態であるときに作動し、その時点で選択されているチャンネル(テレビ局)を特定する。具体的には、テレビ番組の音声信号を特定することにより、チャンネルを特定する。そのため、チャンネルセンサ2は、信号ケーブルによってテレビのデジタル音声出力端子に接続されており、テレビから出力されるデジタル音声信号を取り込むことができる。すなわち、チャンネルセンサ2は、テレビのデジタル音声出力端子から出力されるデジタル音声信号から特徴データを抽出する機能、それらのデジタル音声信号の音声信号形式を判定する機能等を備えている。
個人特定器3は、チャンネルセンサ2と同様、テレビが電源オン状態であるときに作動する。また、個人特定器3には、世帯の構成員の各々を特定するためのボタンが設けられている。世帯の構成員は、テレビ視聴を開始するにあたり、個人特定器3に設けられたボタン中、自分に割り当てられたボタンを押す。このボタン操作を受け付けることにより、個人特定器3は、テレビが電源オン状態である間、世帯中の誰が何人で視聴しているのかを特定する(換言すると、調査対象者を識別する)。例えば、世帯の構成員のうち、1番に割り当てられた個人が一人で視聴している場合や、1番に割り当てられた個人と2番に割り当てられた個人の二人で視聴している場合等を特定する。
なお、本実施形態において個人特定器3は、専用の入力装置(具体的にはピープルメータ)によって構成されているが、これに限定されるものではなく、個人特定用のボタンが設けられたリモコンによって構成されてもよい。
オンラインメータ4は、チャンネルセンサ2及び個人特定器3の各々の特定結果を入手し、これらの情報を示すデータを生成する。生成されたデータは、通信ネットワークN1を通じて外部の機器に向けて送信される。このオンラインメータ4が送信するデータは、どの調査対象者がどのテレビ番組をいつどれだけ視聴したのか(厳密には、調査対象者である世帯の構成員のうちの誰が、どのテレビ局が放送しているテレビ番組の音声信号を受信したか)を示すデータであり、本発明の「調査データ」に相当する。
なお、本実施形態において、オンラインメータ4は、テレビが電源オン状態である間、一定の時間間隔(例えば、1分間隔)で調査データを生成することになっている。したがって、例えば、テレビ番組を視聴していない場合であっても、テレビの電源がオン状態であれば、調査データが生成される。
また、生成された1分ごとの調査データは、通信ネットワークN1を通じてオンラインメータ4から逐次送信され、所定のデータベースサーバ(詳しくは、後述の調査データ用サーバ20)に蓄積されることになっている。
以上のようにして得られた各調査対象者の調査データを用いることにより、上述した視聴率分析が実施されることになっている。つまり、視聴率分析では、分析対象期間中に放送されているテレビ番組を、どれだけの調査対象者がそのテレビ番組の放送と同時に視聴していたかについて分析することになる。
なお、調査データとして、デバイスログを利用することもできる。すなわち、テレビ等のデバイスの製造メーカーやそのデバイス自体に記録された視聴履歴のログを調査データとして利用することができる。
デバイスログを調査データとして利用する場合、後述する調査データ用サーバ20に、デバイスログを調査データとして蓄積してもよいし、後述する本装置10が、他のサーバ(例えばデバイスの製造メーカーが所有するサーバ等)やデバイス自体から番組比較分析に要する分のデバイスログを調査データとして直接取得する構成としてもよい。
また、視聴状況を示す調査データは、上述のように測定ユニット等の機械を用いて収集する場合の他、例えば、個人個人にアンケート形式でどのテレビ番組を誰と視聴していたか等の質問を行い、そのアンケートにより得られた回答を調査データとしてデータベース化することも可能である。
ちなみに、本実施形態では視聴率分析の結果が書面(報告書)にて分析依頼者Cに報告されることとなっている。ただし、これに限定されるものではなく、視聴率分析の結果については電子データの形式で報告されることとしてもよい。
<番組分析に関与する装置について>
次に、視聴率分析に関与する装置について図1を参照しながら説明する。本実施形態では、図1に示すように、番組分析装置をはじめとする複数の装置が視聴率分析に関与している。
具体的に説明すると、番組分析装置(以下、本装置10)と、前述した測定ユニットと、番組データ提供端末5と、調査データ用サーバ20と、番組データ用サーバ30とが視聴率分析に関与している。つまり、本実施形態において、視聴率分析は、上記の装置群がシステムとして機能することにより実現される。換言すると、上記の装置群によって構成されたデータ処理システム(以下、番組分析システム1)は、視聴率分析用に構築されたものとなっている。
番組分析システム1の各構成機器について説明すると、本装置10は、視聴率分析に係るデータ処理を実行するコンピュータであり、前述した視聴率調査会社によって管理されている。
また、本実施形態において、本装置10は、分析対象期間のテレビ番組が放送された日の翌日に、当該テレビ番組に関する視聴率分析に係るデータ処理を実行することになっている。ただし、視聴率分析に係るデータ処理の実行時期については特に限定されるものではなく、例えば、分析対象のテレビ番組の放送が終了してから所定時間以内に実行されることとしてもよい。
また、本実施形態において、本装置10は、予め指定された分析対象期間中に放送された全てのテレビ番組を分析対象として視聴率分析を実施することになっている。
測定ユニットは、前述したように、調査対象者となる世帯に対してそれぞれ配布され、当該世帯が暮らす住宅内で利用される。また、測定ユニットを構成するオンラインメータ4は、住宅内にあるテレビが電源オン状態である間、1分間隔で調査データを生成し、生成した調査データを逐次送信する。
ここで、調査データについて説明すると、本実施形態では、測定ユニットを構成する個人特定器3が特定した世帯の構成員ごとに調査データが生成されることになっている。例えば、三人家族の世帯で三人全員が1台のテレビで同時にあるテレビ番組を視聴している場合には、そのテレビに設置された個人特定器3が三人の構成員を特定し、この結果、三人分の調査データが生成されることになる。
また、調査データは、住宅内にあるテレビが電源オン状態である間に1分間隔で生成されることになっているが、これに限定されるものではなく、データ生成の間隔については任意の時間に設定することが可能である。
調査データについて図2を参照しながらより詳しく説明すると、調査データには、調査対象者である世帯を識別する情報、その世帯の中で構成員(個人)を識別する情報、その構成員の属性を示す情報(例えば、年齢、性別、続柄等)と共に、調査年月日(分かり易くは調査データが生成された年月日)、調査時刻(分かり易くは調査データが生成された時刻)、及び、調査時刻に視聴していたテレビ番組(厳密には視聴していたテレビ局)を示す音声信号が収録されている。
音声信号には、アナログ音声信号、光デジタル音声信号、HDMI(登録商標)信号等を含む。また、デジタルテレビの光デジタル音声出力を用いて、MPEG−2AACの音声信号をアナログに復号することなく、直接デジタルデータから特徴となる成分を抽出した特徴化されたデータ(例えば各通過帯域別の平均振幅を対数変換したパワーのベクトル等)であってもよい。なお、無音と判別した場合は無音を示す音声信号を作成することとしてもよい。
なお、調査データの収録事項については上記の内容に限定されるものではなく、上記の内容以外の内容が含まれていてもよい。例えば、映像信号等が収録されていてもよい。
調査データ用サーバ20は、各世帯の測定ユニットから送信されてくる調査データを、通信ネットワークN1を介して受信し、受信した調査データを蓄積するものである。この調査データ用サーバ20は、データベースサーバによって構成されている。なお、調査データ用サーバ20は、本装置10と通信可能な状態で接続されている。本装置10は、視聴率分析に係るデータ処理を実行するに際して調査データ用サーバ20にアクセスし、同サーバに蓄積されている調査データのうち、分析に要する分のデータを抽出し、当該データを取得する。
番組データ提供端末5は、テレビ局各局が放送するテレビ番組に関する情報を示すデータ、すなわち番組データを提供するものである。この番組データ提供端末5は、例えば、テレビ局各局が保有するコンピュータによって構成されてもよく、あるいは、電子番組ガイドを配信する会社が保有するコンピュータによって構成されてもよい。
ここで、番組データについて説明すると、番組データは、テレビ番組ごとに作成され、通常、テレビ番組の放送日前に生成されて通信ネットワークN2を通じて配信されることになっている。一方、緊急時の特別番組のように予定なく追加されたテレビ番組や、放送時間が当初の放送時間から変更されたテレビ番組については、番組放送終了後に番組データが生成されて配信されることになっている。
番組データについて図3を参照しながらより詳しく説明すると、番組データには、番組の放送年月日、番組を放送するテレビ局(放送局)、番組の名称、番組放送時間(厳密には放送開始時刻及び放送終了時刻)、及び、その番組を識別するための音声信号が収録されている。
さらに、番組データには、その他にも、番組を構成するコーナの名称やそのコーナの放送時間等(不図示)が収録されていている。
番組データの音声信号は、調査データの音声信号と同様、アナログ音声信号、光デジタル音声信号、HDMI(登録商標)信号等を含む。また、その番組のデジタル音声信号から特徴となる成分を抽出した特徴化されたデータ(例えば各通過帯域別の平均振幅を対数変換したパワーのベクトル等)であってもよい。なお、無音の場合は無音を示す音声信号を作成することとしてもよい。
なお、番組データの収録事項については上記の内容に限定されるものではなく、上記の内容以外の内容が含まれていてもよい。例えば、映像信号等が収録されていてもよい。
番組データ用サーバ30は、番組データ提供端末5から送信されてくる番組データを、通信ネットワークN2を介して受信し、受信した番組データを蓄積するものである。この番組データ用サーバ30は、データベースサーバによって構成されている。
なお、番組データ用サーバ30は、本装置10と通信可能な状態で接続されている。本装置10は、視聴率分析に係るデータ処理を実行するに際して番組データ用サーバ30にアクセスし、同サーバに蓄積されている番組データのうち、分析に要する分のデータを抽出する。
具体的に説明すると、本装置10は、分析対象のテレビ番組、並びに当該テレビ番組の放送時間と同じ時間帯に放送された他局のテレビ番組の各々の番組データを抽出し、当該データを取得する。
<番組分析装置の詳細構成>
次に、本装置10の詳細構成について説明する。本装置10は、視聴率調査会社が管理しているコンピュータ(厳密にはパソコン)によって構成されており、CPU、ROMやRAMからなるメモリ、ハードディスクドライブ、入力装置、出力装置及び通信用インタフェースを備えている。
また、本装置10のハードディスクドライブには、コンピュータを番組分析装置として機能させるためのプログラム(以下、番組分析プログラム)が記憶されている。この番組分析プログラムが実行されることにより、本装置10が視聴率分析に係るデータ処理を実行するようになる。
本装置10の構成を機能面から改めて説明すると、本装置10は、図4に示すように、分析条件設定部11、調査データ取得部12、調査データ記憶部13、番組データ取得部14、番組データ記憶部15及び分析実施部16を有する。これらの機能部は、本装置10を構成するハードウェア機器がソフトウェアとしての番組分析プログラムと協働することにより実現される。以下、各機能部について説明する。
(分析条件設定部)
分析条件設定部11は、視聴率分析に係る分析条件を設定しておくものである。
具体的に説明すると、本装置10の操作者が視聴率分析を実施するに際し、本装置10の入力装置を通じて分析条件を入力すると、分析条件設定部11が当該入力操作を受け付け、入力された内容を分析条件として設定する。
なお、分析条件とは、テレビ番組の視聴率を分析(調査)する際の前提条件に相当し、本実施形態では、分析対象期間(具体的には、放送年月日及び番組放送時間)等が分析条件として設定されることになっている。
ただし、これに限定されるものではなく、分析対象とするテレビ番組に関する条件、具体的にはテレビ番組の放送局、放送時間帯、種目(例えば、定期的放送番組であるかどうか、新番組であるか、若しくは番組のジャンル等)を分析条件として加えてもよい。
また、視聴率を算出する際に集計される調査対象者に関する条件を分析条件として加えてもよい。具体的には、集計対象となる調査対象者の居住地域、年齢や職業等の属性を分析条件として加えてもよい。また、視聴分数を分析条件として加えてもよく、かかる場合において、視聴分数が所定分数以上である調査対象者を視聴者として認定することとしてもよい。
(調査データ取得部)
調査データ取得部12は、調査データ用サーバ20にアクセスし、調査データ用サーバ20に記憶されている調査データのうち、視聴率分析に要する分のデータを抽出し、当該データを取得する。
具体的に説明すると、調査データ取得部12は、分析条件設定部11により設定された分析条件のうち、分析対象期間に関する条件(具体的には、放送年月日及び番組放送時間)を特定する。その後、調査データ取得部12は、特定した分析条件にヒットする調査データを調査データ用サーバ20から抽出する。
より厳密に説明すると、調査データ取得部12は、分析対象期間に相当する放送年月日及び番組放送時間にテレビ番組を視聴していた調査対象者を割り出し、その割り出した調査対象者の調査データ中、分析対象期間内に生成された調査データを抽出する。
(調査データ記憶部)
調査データ記憶部13は、調査データ取得部12が調査データ用サーバ20から取得した調査データを、調査対象者ごとに記憶しておくものである。なお、本実施形態では、調査データが1分ごとに生成されることになっている。このため、調査データ記憶部13は、調査対象者ごとの調査データを1分ごとに区分けして記憶する。
(番組データ取得部)
番組データ取得部14は、番組データ用サーバ30にアクセスし、番組データ用サーバ30に記憶されている番組データのうち、視聴率分析に要する分のデータを抽出し、当該データを取得する。
具体的に説明すると、番組データ取得部14は、分析条件設定部11により設定された分析条件から分析対象期間に放送されたテレビ番組を特定する。その後、番組データ取得部14は、特定したテレビ番組の番組データを番組データ用サーバ30から抽出する。
(番組データ記憶部)
番組データ記憶部15は、番組データ取得部14が番組データ用サーバ30から取得した番組データを、テレビ番組ごとに記憶しておくものである。
なお、本実施形態では、番組分析が完了した時点で、番組データ記憶部15に記憶されている番組データが消去(クリア)されることになっている。ただし、これに限定されるものではなく、番組分析完了後にも番組データ記憶部15に記憶されている調査データがそのまま残存してもよい。
(分析実施部)
分析実施部16は、本装置10の中核的機能をなしており、視聴率分析を実施するものである。この分析実施部16は、視聴率分析において(1)特定処理、(2)算出処理、及び(3)データ生成処理を実行する。
特定処理は、調査データ記憶部13に記憶されている調査データと、番組データ記憶部15に記憶されている番組データと、に基づいて、分析対象期間中に調査対象者が視聴したテレビ番組を特定する処理である(視聴判定)。
ここで、特定処理の手順の一例について具体的に説明する。
まず、分析実施部16は、調査データ記憶部13に記憶されている調査データを読み出し、その読み出した調査データからテレビ番組の視聴状況に関する情報、具体的には、放送時刻と音声信号を特定する。なお、調査データ記憶部13に記憶されている調査データは、前述したように、分析対象期間中に放送された何れかのテレビ番組を視聴した調査対象者(視聴者)に関するデータである。
また、分析実施部16は、番組データ記憶部15に記憶されている番組データを読み出し、その読み出した番組データからテレビ番組を識別するための情報、具体的には、放送時刻と音声信号を特定する。なお、番組データ記憶部15に記憶されている番組データは、前述したように、分析対象期間中に放送されたテレビ番組に関するデータである。
そして、分析実施部16は、調査データが示す音声信号と番組データが示す音声信号とを照合することにより、その調査データが示すテレビ番組、すなわち、各調査対象者が視聴したテレビ番組を特定する。
なお、特定処理の手順は上記に限らず、例えば、読み出した調査データが示す音声信号と一致(類似でもよい)する音声信号を含む番組データを番組データ記憶部15から検索する方法であってもよい。
具体的には、分析実施部16は、番組データが蓄積記憶された番組データ記憶部15を参照し、分析対象となる調査データが示す放送時刻と同じ放送時刻の番組データについて、音声信号の照合を順次行うことにより、音声信号が一致する番組データを検索する。
そして、番組データ記憶部15に記憶されている番組データの中から音声信号が一致する番組データが検出されたら、その番組データを読み出し、その調査データが示すテレビ番組、すなわち、各調査対象者が視聴したテレビ番組を特定する。
なお、番組データ記憶部15ではなく番組データ用サーバ30のデータベースから直接検索することとしてもよい。
なお、視聴判定には、テレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴されている割合を求めるリアルタイム視聴判定の他、録画で視聴されているテレビ番組の割合を求めるタイムシフト視聴判定が存在する。本実施形態では、テレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴していた調査対象者の数を分析するものであるので、原則として、調査データに含まれる調査時刻と同時刻及びその近傍時刻の番組データを対象にして、調査データと番組データとを比較するリアルタイム視聴判定を用いて特定処理を行う。
以上の特定処理は、調査データ記憶部13に記憶されている調査データすべてに対して実行される。一方、本実施形態では、前述したように調査データが1分間隔で生成されることになっている。これにより、分析対象期間に放送された各テレビ番組について、当該各番組を視聴した調査対象者(視聴者)が分単位で特定されるようになる。
算出処理は、特定処理において特定された各テレビ番組について、その視聴者数(テレビ番組を視聴した調査対象者の数)に関する分析値、具体的には、上述したHUTを算出する処理である。
具体的に説明すると、算出処理では、視聴していたテレビ番組に関係なく、分析対象期間に放送されていた何れかのテレビ番組をその番組の放送と同時に視聴していた調査対象者の数を1分ごとに集計し、各分の集計結果を調査対象者の総数にて除算する。これにより、分析対象期間における1分ごとのHUTが割り出されることになる。
データ生成処理は、分析結果(視聴率分析の結果)を表示するためのデータを生成する処理である。なお、本実施形態では、データ生成処理において、分析結果に関する報告書の印刷用データ(分析結果表示用データ)が生成されることになっている。
<視聴率分析フローについて>
次に、本装置10による番組分析、すなわち、視聴率分析の流れ及び手順について図5乃至図7を参照しながら説明する。ちなみに、以下に説明する視聴率分析フローでは、本発明の番組分析方法が採用されている。すなわち、以下の説明は、本発明の番組分析方法に関する内容となっている。さらに付言しておくと、以下に説明する視聴率分析フローの各ステップは、本発明の番組分析方法の構成要素に相当する。
通常、調査対象者は世帯1〜世帯n(nは2以上の自然数)、調査対象者がそれぞれ所有するテレビはTV1〜TVn(nは2以上の自然数)、調査対象者である世帯の構成員は個人1〜個人n(nは2以上の自然数)であるが、以下では、説明を分かり易くするため、世帯数を限定する。すなわち、調査対象者は世帯1〜世帯5の総数5世帯とする。
また、分析対象期間は、一例として、ある日の19:00〜19:59の60分間とし、いわゆるゴールデンタイムと呼ばれている時間帯(19:00〜22:00)のうちの60分間におけるテレビの影響力を分析することとする。
視聴率分析フローは、本装置10を構成するコンピュータによって行われ、本実施形態では、分析対象期間となるある日の19:00〜19:59の経過後、例えば、翌日の所定時刻になった時点で実施される。
視聴率分析フローでは、図5に示すように、先ず、分析条件設定部11による分析条件設定処理が実行される(S101)。
具体的には、本処理S101では、分析対象期間(本実施形態では、ある日の19:00〜19:59)が設定される。また、本処理S101では、分析時間の間隔が設定され、本実施形態では1分間に設定される。また、本処理S101では、母集団となる全調査対象者の数が5に設定される。
分析条件が設定された後には、分析対象となるテレビ番組に対する視聴率分析に要するデータについて、データ取得・記憶処理が実施される(S102)。
本処理S102では、調査データ取得部12が調査データ用サーバ20に記憶された調査データのうち、該当する放送日の時間帯における各調査対象者(世帯1〜世帯5)の調査データを抽出する。
より詳しく説明すると、調査データ取得部12は、該当する放送日の時間帯(19:00〜19:59)にテレビの電源を入れてテレビ番組を視聴していた調査対象者を割り出す。これらの手続きは、該当日に放送分の各番組の番組放送時間を対象範囲として、所定の時間間隔で(すなわち、1分刻みで)繰り返し実施される。
以上のようにして抽出されて取得された各分の調査データは、調査データ記憶部13によって調査対象者ごとに記憶されることとなる。
なお、本実施形態では、テレビの電源が入っていない場合は、調査データ自体が作成されない。
また、データ取得・記憶処理S102では、番組データ取得部14が番組データ用サーバ30から該当日に放送分の各番組に関する番組データを取得する。取得された番組データは、番組データ記憶部15によってテレビ番組ごとに記憶されることになる。
データ取得・記憶処理S102が終了した後には、図5に示すように、分析実施部16による各種のデータ処理が実行される。
具体的に説明すると、分析実施部16は、特定処理から開始する(S103)。
この特定処理S103では、調査データ記憶部13に記憶された調査データと、番組データ記憶部15に記憶された番組データとに基づいて、分析対象期間中に放送されていた何れかのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴していた調査対象者を特定する。
ここで、特定処理S103の流れについて、図6を参照しながら具体的に説明する。
本処理S103では、まず、分析実施部16は、調査データ記憶部13に記憶された調査データを読み出す(S201)。このときに分析実施部16が読み出す調査データは、分析対象期間中にテレビの電源を入れていた調査対象者であり、分析対象期間に放送されていた何れかのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴した可能性がある調査対象者(世帯1〜世帯5)の調査データである。また、この調査データには、前述したように、どのテレビ番組を視聴したかを識別するための音声信号を含んでいる。なお、分析対象期間中に1分刻みで生成された調査データが、分析実施部16によって読み出される調査データに相当する。
その後、分析実施部16は、番組データ記憶部15によって記憶された番組データを読み出す(S202)。このときに分析実施部16が読み出す番組データは、分析対象期間中に放送されていた番組に関する番組データである。また、この番組データには、前述したように、テレビ番組を識別するための音声信号を含んでいる。
なお、調査データの読み出しと番組データの読み出しは、どちらを先に行っても構わない。
分析実施部16は、調査データ及び番組データを読み出した後、調査データに含まれる音声信号と番組データに含まれる音声信号とを照合し(S203)、調査データに含まれる音声信号と番組データに含まれる音声信号とが一致するか又は類似度が高いかについて判断する(S204)。例えば、調査データと番組データの音声信号から特徴となる成分を抽出した特徴化されたデータを互いに比較し、その一致度合を求めることにより判断する。
そして、調査データに含まれる音声信号と番組データに含まれる音声信号とが一致する場合(S204:Yes)、その調査データが示すテレビ番組は、音声信号が一致又は類似した番組データが示すテレビ番組であると判断する。すなわち、その調査データを送信した調査対象者(例えば、世帯1)は、そのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴していたと特定して(S205)、処理を終了する。
一方、調査データに含まれる音声信号と番組データに含まれる音声信号とが一致しない場合(S204:No)、その調査データを送信した調査対象者(例えば、世帯2)は、分析対象期間中に何れのテレビ番組もそのテレビ番組の放送と同時に視聴していなかったと判断し、そのまま処理を終了する。
なお、調査データが生成されているにもかかわらず、テレビ番組を視聴していなかった場合とは、例えば、録画した番組やDVDの視聴している場合やテレビゲームのプレイしている場合等が想定される。
また、ここでは、各調査対象者がどの番組を視聴していたかまで特定することができるが、本実施形態の視聴率分析では、分析対象期間中に放送されていた何れかのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴していた調査対象者の数自体が重要であるので、各調査対象者が視聴していたテレビ番組がそれぞれ何であるかについては特に関係ない。
視聴率分析フローの説明に戻ると、図5に示すように、特定処理S103の実行後、分析実施部16は、算出処理(S104)を実行する。
この算出処理S104は、上述のHUTを算出する処理である。
ここで、算出処理S104の流れについて、図7を参照しながら具体的に説明する。
本処理S104では、分析実施部16は、特定処理S103にて特定した、分析対象期間に放送されていた何れかのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴していた調査対象者の数を、全調査対象者の総数で除算し(S301)、HUTを算出する(S302)。
なお、調査データが1分ごとであるので、HUTもそれに応じて1分ごとのHUTが算出される。
ここで、HUT算出の一例を挙げる。
例えば、分析対象期間の19:00時点において、以下(1)〜(5)の状況を想定して説明する。
(1)世帯1では3台のテレビを有しており(TV1〜TV3)、TV1でA放送局(すなわち、番組A)が視聴されており、TV2でB放送局(すなわち、番組B)が視聴されている。また、TV3はオフになっている。
(2)世帯2では2台のテレビを有しており(TV1〜TV2)、TV1でA放送局(すなわち、番組A)が視聴されており、TV2でC放送局(すなわち、番組C)が視聴されている。
(3)世帯3では3台のテレビを有しており(TV1〜TV3)、TV1でA放送局(すなわち、番組A)が視聴されており、TV2とTV3でB放送局(すなわち、番組B)が視聴されている。
(4)世帯4では3台のテレビを有しており(TV1〜TV3)、TV1〜TV3の全てのテレビがオフになっている。
(5)世帯5では1台のテレビを有しており(TV1)、そのTV1はオフになっている。
HUTの算出においては、その世帯の中で1台でもテレビがオンになっていれば、その世帯はテレビ番組を視聴しているとみなす。逆に、その世帯の中で全てのテレビがオフの場合は、テレビ番組を視聴していないとみなす。よって、上記(1)〜(5)の状況であれば、19:00時点の毎分のHUTは、「3世帯/5世帯=60.0%」となる。
なお、HUTは、調査対象となる世帯全体の中で、視聴していたテレビ番組に関係なく、分析対象期間中に放送されていた何れかのテレビ番組をその番組の放送と同時に視聴していた世帯の割合を示す数値であるので、A〜Cのどのテレビ局を視聴していたとしてもその数値は変わらない。
視聴率分析フローの説明に再び戻ると、図5に示すように、算出処理S104の実行後、分析実施部16は、データ生成処理を実行する(S105)。
本処理S105において、分析実施部16は、分析対象期間について行った視聴率分析の結果を表示するためのデータとして、分析結果表示用データを生成する。
分析結果表示用データは、分析結果を利用者に見易く表示させるためのものであって、例えば、算出したHUTを表現できる表やグラフ等を表示させるデータである。また、毎分のHUTが比較できるような表やグラフ、時間帯ごと或いは季節や月ごとによってHUTが比較できるような表やグラフを表示させるものであってもよい。
以上までに説明してきた一連の処理が終了した後、データ生成処理S105にて生成された分析結果表示用データに基づいて不図示のプリンタが印刷処理を実行する(S106)。これにより、視聴率分析の分析結果が報告書として出力されるようになる。
このように、本実施形態によれば、調査対象者がどのテレビ番組を視聴しているかにかかわらず、分析対象期間中において放送されている何れかのテレビ番組をそのテレビ番組の放送と同時に視聴している調査対象者の割合を示すHUTを適切に把握することができ、世の中におけるテレビ放送全体の影響力を判断することが可能となる。
<その他の実施形態>
以上までに本発明の番組分析装置及び番組分析方法の構成例について説明してきたが、上記の実施形態は、本発明の具体的構成の一つに過ぎず、他の構成例(バリエーション)が考えられる。
例えば、本実施形態では、世帯全体で複数のテレビがある場合は、何れかのテレビを視聴していれば、その世帯のテレビは付いていると判断したが、テレビ単位でオンオフを判断してもよい。
また、他の一例を挙げれば、属性には職業等の人口統計学的属性(デモグラフィック)も含め、当該属性別にHUTを集計してもよい。また、心理学的属性(サイコグラフィック)を用いてもよい。例えば、調査対象者の視聴行動(具体的には、テレビを観る時間帯や普段のテレビ視聴時間等)別にHUTを集計してもよく、あるいは調査対象者の嗜好(具体的には、好きなテレビ番組のジャンル等)別にHUTを集計してもよい。
また、本実施形態では、調査対象者の自宅に設置した測定ユニットにより収集された調査データを本装置10に送信し、その本装置10側で各調査対象者が視聴しているテレビ局を判定するセンターマッチング方式について説明した。ただし、センターマッチング方式に限定されるものではなく、調査データの収集から視聴しているテレビ局の判定までの一切の処理を調査対象者の自宅に設置した測定ユニットで実施するローカルマッチング方式であっても、本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では、一台のコンピュータ(視聴率調査会社が保有するコンピュータ)が番組分析装置を構成することとした。すなわち、上記の実施形態では、分析条件設定部11、調査データ取得部12、調査データ記憶部13、番組データ取得部14、番組データ記憶部15及び分析実施部16が一台のコンピュータによって実現されることとした。ただし、これに限定されるものではなく、複数台のコンピュータによって番組分析装置が構成されてもよい。例えば、調査データ記憶部13や番組データ記憶部15を構成するコンピュータ(具体的には、データベースサーバ)が、それ以外の機能部を有するコンピュータとは別に設けられていてもよい。
1 番組分析システム
2 チャンネルセンサ
3 個人特定器
4 オンラインメータ
5 番組データ提供端末
10 本装置(番組分析装置)
11 分析条件設定部
12 調査データ取得部
13 調査データ記憶部
14 番組データ取得部
15 番組データ記憶部
16 分析実施部
20 調査データ用サーバ
30 番組データ用サーバ
C 分析依頼者
N1,N2 通信ネットワーク

Claims (4)

  1. 調査対象者がどの番組をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを識別する情報を含む調査データを取得する調査データ取得部と、
    番組を識別する情報を含む番組データを前記番組ごとに記憶する番組データ記憶部と、
    前記調査データ取得部が取得した前記調査データ、及び、前記番組データ記憶部から読み出した前記番組データに基づいて、予め設定された分析対象期間中に番組を視聴、聴取又は閲覧していた前記調査対象者の数に関する分析を実施する分析実施部と、を有し、
    前記分析実施部は、前記分析において、
    前記調査データと前記番組データとを照合し、前記調査データの一部又は全部と前記番組データの一部又は全部とが一致又は類似するときに、前記調査対象者がその番組データが示す番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していたと特定する特定処理と、
    前記分析対象期間中に放送されていた番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた前記調査対象者の数に関する分析値であって、全調査対象者の中で前記分析対象期間中に放送された何れかの番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた調査対象者の数又は割合を示す値を算出する算出処理と、
    前記分析値に応じた情報を提示するためのデータを生成するデータ生成処理と、
    を実行することを特徴とする番組分析装置。
  2. 前記調査データ及び前記番組データは番組の音声信号又は映像信号を含み、
    前記分析実施部は、
    前記特定処理において、前記調査データの音声信号又は映像信号と前記番組データの音声信号又は映像信号とを照合することを特徴とする請求項1に記載の番組分析装置。
  3. 前記調査データ取得部は、
    前記調査対象者が前記番組を視聴、聴取又は閲覧するための装置の電源が入っている場合に前記調査データを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の番組分析装置。
  4. コンピュータが、調査対象者がどの番組をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを識別する情報を含む調査データを取得することと、
    コンピュータが、番組を識別する情報を含む番組データを前記番組ごとに記憶することと、
    コンピュータが、前記調査データ及び前記番組データに基づいて、予め設定された分析対象期間中に番組を視聴、聴取又は閲覧していた前記調査対象者の数に関する分析を実施することと、を有し、
    コンピュータは、前記分析において、
    前記調査データと前記番組データとを照合し、前記調査データの一部又は全部と前記番組データの一部又は全部とが一致又は類似するときに、前記調査対象者がその番組データが示す番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していたと特定する特定処理と、
    前記分析対象期間中に放送されていた番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた前記調査対象者の数に関する分析値であって、全調査対象者の中で前記分析対象期間中に放送された何れかの番組を該番組の放送と同時に視聴、聴取又は閲覧していた調査対象者の数又は割合を示す値を算出する算出処理と、
    前記分析値に応じた情報を提示するためのデータを生成するデータ生成処理と、
    を実行することを特徴とする番組分析方法。
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