JP6698129B2 - 視聴分析装置及び視聴分析方法 - Google Patents
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例えば、上記分析(以下、視聴分析という)において利用される視聴率には、世帯視聴率と個人視聴率の二種類の視聴率がある。世帯視聴率とは、テレビ所有世帯のうち、どのくらいの世帯がテレビをつけていたかを示す割合であり、一般的に視聴率といえばこの世帯視聴率を指す。一方、個人視聴率とは、世帯内の所定年齢以上(例えば4歳以上)の家族全員の中で、誰がどれくらいテレビを視聴したかを示す割合であり、視聴者を、性別、年齢別、職業別等に分けて、どのような属性の個人がどれくらい見ていたかを知りたいとき等に利用されている。
また、特許文献2には、センタ側装置と電話回線により接続した専用の調査装置をモニタの視聴者宅に設置し、センタ側装置が電話回線を通じて各調査装置から視聴時間、チャンネル、視聴者の性別年齢等の情報を収集して集計するテレビ視聴率調査システムが開示されている。
しかしながら、世帯単位での世帯視聴率と、世帯内の個人単位での個人視聴率や個人視聴の有無の両方について視聴測定を実施する場合、その分コストもかかるという問題が生じる。そのため、全ての調査対象地域において、世帯単位での視聴測定と世帯内の個人単位での視聴測定の両方について実施することは現実的に困難であり、実際は、世帯内の個人単位での視聴測定までは実施せずに、世帯単位での視聴測定のみを実施している調査対象地域も多い。
また、特定の調査対象地域において、実際に世帯内の個人単位での視聴測定を実施したとしても、その結果は、その測定期間と同じ期間にのみ適用できるものであって、異なる期間に適用すること、例えば、将来のある期間に適用して個人視聴率や個人視聴の有無について正確に予測することは困難である。
これにより、世帯内の個人単位での視聴測定までは実施せず、世帯単位での視聴測定のみを実施している調査対象地域において、個人視聴率を推定する際や、世帯内の個人単位での視聴測定を実施していない期間において、個人視聴率を推定する際に、上記の個人視聴確率を利用し、個人視聴率や個人視聴の有無を正確且つ効率的に推定するために有用な情報を得ることができる。
これにより、世帯内の個人単位での視聴測定までは実施せず、世帯単位での視聴測定のみを実施している調査対象地域や、世帯内の個人単位での視聴測定を実施していない期間において、わざわざ実際に個人視聴率を測定しなくても、実際に測定した場合に近い個人視聴率を正確且つ効率的に推定することができる。
また、上記方法で推定した個人視聴率を利用することにより、視聴率の安定性や広告効果を推測するうえで必要な詳細且つ正確な情報を得ることができ、例えば、番組制作、番組編成、広告提供先の選定等にも役立てることができる。
これにより、世帯内の個人単位での視聴測定までは実施せず、世帯単位での視聴測定のみを実施している調査対象地域や、世帯内の個人単位での視聴測定を実施していない期間において、わざわざ実際に個人視聴率を測定しなくても、個人視聴の有無を正確且つ効率的に判定することができる。
また、上記方法で推定した個人視聴率を利用することにより、視聴率の安定性や広告効果を推測するうえで必要な詳細且つ正確な情報を得ることができ、例えば、番組制作、番組編成、広告提供先の選定等にも役立てることができる。
ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
なお、メディア接触に関する調査とは、本実施形態のようなテレビ番組(CM含む)の視聴状況に関する調査に限らず、ラジオ番組等(CM含む)の視聴状況、携帯電話・スマートフォン・タブレット・PC等によってインターネット上で閲覧・視聴できる情報(ウェブサイト等)の閲覧状況や動画・音楽等の視聴状況、新聞・雑誌等の購読状況等であってもよい。例えば、本発明は、テレビ番組の視聴者数に関する分析を行うケース、ラジオ番組の聴取者数に関する分析を行うケース、インターネット番組の視聴者数に関する分析を行うケース、及び、文字情報番組のように音声を伴わない番組の閲覧者数に関する分析を行うケースにも適用可能である。
先ず、本実施形態に係る視聴分析装置を用いて行われる視聴分析の概要について説明する。
本実施形態に係る視聴分析装置を用いて行われる視聴分析は、あるテレビ番組(所定の番組又は局に相当)を分析対象とし、かかるテレビ番組の視聴者数に関する分析である。
具体的には、テレビ等の受像機毎に分析対象となる番組又は局を誰が視聴しているか、すなわち、調査対象者である世帯の構成員(世帯主及び世帯員を含む)のうち、どのような属性に属する特定の個人が視聴しているかに関する分析が行われることになっている。
また、本実施形態においては、調査対象地域ごとに、世帯視聴率及び個人視聴率の両方を測定しているグループと、世帯視聴率のみを測定しているグループとに分かれている。
図1に示すように、サーバ1は、インターネット等の情報通信網N1、N2を介して、視聴率調査の対象となる各世帯と通信可能に接続されている。ここで、情報通信網N1に接続されているエリアAに該当する調査対象地域は、世帯視聴率及び個人視聴率の両方を測定しているグループである。一方、情報通信網N2に接続されているエリアBに該当する調査対象地域は、世帯視聴率のみを測定しているグループである。
なお、世帯視聴率及び個人視聴率の両方を測定しているエリアAに配付される測定機21には、個人特定機能を備えている。個人特定機能としては、例えば、世帯の構成員の各々を特定するためのボタンが測定機21に設けられており、世帯の構成員は、テレビ視聴を開始するあたり、そのボタン中、自分に割り当てられたボタンを押す。このボタン操作を受け付けることにより、測定機21は、テレビが電源オン状態である間、世帯中の誰が視聴しているのかを特定する(換言すると、調査対象者を識別する)。
一方、エリアBに配付される測定機21は、上記個人特定機能を備えていない。
図2は、測定機21によりサーバ1に送信された視聴データの一例であり、(a)はエリアAにおける視聴データであり、(b)はエリアBにおける視聴データである。
なお、図2(a)及び図2(b)に示す内容は、視聴データの一例であり、視聴データの収録事項についてはこの内容に限定されるものではなく、ここに示す内容以外の内容が含まれていてもよい。
デバイスログを視聴データとして利用する場合、サーバ1に、デバイスログを調査データとして蓄積してもよいし、サーバ1が、他のサーバ(例えばデバイスの製造メーカーが所有するサーバ等)やデバイス自体から視聴分析に要する分のデバイスログを視聴データとして直接取得する構成としてもよい。
なお、本発明に適用するためには、エリアA及びエリアBの双方において、世帯の家族構成等に関する情報を有していることが前提となるため、家族構成等が既知のデバイスログを利用するか、又は、家族構成等に関する情報を別途取得する必要がある。
次に、サーバ1の構成について図3を参照しながら説明する。図3は、サーバ1のハードウェア構成を示した図である。
図3に示すように、サーバ1は、CPU1a、ROM1b、RAM1c、通信用インタフェース(図3中、通信用I/Fと表記)1d、ハードディスクドライブ(図3中、HDDと表記)1e、マウスやキーボード等の入力装置1f、及びディスプレイやプリンタ等の出力装置1gを構成要素として有する。また、サーバ1には、その機能を発揮させるためのプログラム(以下、視聴分析プログラム)が予めインストールされている。この視聴分析プログラムがCPU1aに読み取られて実行されることにより、サーバ1による視聴分析処理が実行されることになる。
これらの機能部は、サーバ1が実行する各種処理を担うものであり、サーバ1を構成する上述のハードウェア構成機器と上述の視聴分析プログラムとが協働することによって構成されている。以下、上述したサーバ1の機能部の各々について説明する。
世帯データ取得部11は、エリアA及びエリアBの各調査対象世帯に関する情報、すなわち、その世帯の家族構成や、その世帯の構成員がどのような属性(性別、年齢、世帯の中での続柄等)に属しているか等の世帯構成に関する詳細な情報を含む世帯データを受信し取得する。
また、取得した世帯データは、各エリアの調査対象者ごとにサーバ1に搭載されたハードディスクドライブ1eに記憶される。なお、世帯データは、別途不図示のデータベースサーバに記憶しておき、都度そのデータベースサーバにアクセスし、視聴分析に要する分のデータを抽出し、当該データを取得する構成であってもよい。
視聴データ取得部12は、情報通信網N1,N2を介してサーバ1と接続された機器と通信して当該機器からデータを受信し取得するものであり、例えば、エリアA及びエリアBの各調査対象世帯に配置された測定機21から視聴データを受信し取得する。
また、取得した視聴データは、各エリアの調査対象者ごとにサーバ1に搭載されたハードディスクドライブ1eに記憶される。なお、本実施形態では、調査データが1分毎に生成されることになっている。このため、視聴データ取得部12は、調査対象者ごとの視聴データを1分毎に区分けして記憶されている。
また、視聴データ取得部12は、測定機21から直接取得する以外に、例えば、視聴データを蓄積保存している不図示のデータベースサーバにアクセスし、そのデータベースサーバに記憶されている視聴データのうち、視聴分析に要する分のデータを抽出し、当該データを取得する構成であってもよい。
分析実施部13は、本装置10の中核的機能をなしており、視聴分析を実施するものである。後述するみなし個人視聴データ作成部14、みなし個人視聴率算出部15、個人視聴率算出部16、個人視聴確率算出部17、個人視聴確率付与部18、個人視聴率推定部19及び個人視聴有無判定部20は、この分析実施部13に含まれるものであり、視聴分析において、みなし個人視聴データ作成処理、みなし個人視聴率算出処理、個人視聴率算出処理、個人視聴確率算出処理、個人視聴確率付与処理、個人視聴率推定処理、個人視聴有無判定処理を実行する。
みなし個人視聴データ作成部14は、みなし個人視聴データ、すなわち、所定の番組又は局について世帯の視聴がある場合は、その世帯の構成員全員がその所定の番組又は局を視聴していたとみなすデータ、を作成する処理を行うものである。
例えば、属性a、属性b、属性c、属性dの個人から構成される4人家族の世帯において、所定の番組又は局の視聴があった場合、実際に視聴していたのは、属性bと属性cの2人であったとしても、属性a、属性b、属性c、属性dの4人全員で視聴していたとみなし、それぞれの属性における個人が視聴したものとしてカウントする。
なお、みなし個人視聴データは、エリアBにおいても作成することができるが、本実施形態では、エリアAでのみ作成する。
みなし個人視聴率算出部15は、エリアAにおける複数世帯分のみなし個人視聴データを集計し、所定の番組又は局に対するみなし個人視聴率を属性ごとに算出する処理を行うものである。
具体的には、みなし個人視聴データを作成したエリアAにおいて、そのみなし個人視聴データを基に、性別や年齢、家族構成、世帯の中での続柄等の属性ごとに、調査対象世帯全体に対して所定の番組又は局を視聴していたとみなされた個人の割合を算出する。
個人視聴率算出部16は、エリアAにおける複数世帯分の視聴データ(実際の個人視聴データ)を集計し、所定の番組又は局に対する個人視聴率を属性ごとに算出する処理を行うものである。
具体的には、世帯の中で構成員(個人)を識別する情報、その構成員の属性を示す情報(例えば、年齢、性別、続柄等)等を含む視聴データを取得したエリアAにおいて、その視聴データを基に、世帯を構成する個人単位で、性別や年齢、家族構成、世帯の中での続柄等の属性ごとに、調査対象世帯全体に対して所定の番組又は局を視聴していた実際の個人の割合(個人視聴率の実測値)を算出する。
個人視聴確率算出部17は、個人視聴確率、すなわち、個人視聴率とみなし個人視聴率との比率であって、世帯の視聴がある場合にその世帯内において所定の属性の構成員が視聴していると推測される確率、を属性ごとに算出する処理を行うものである。
具体的には、項目の組み合わせパターンごとに、番組単位又は1時間若しくは1分ごと等の実際の個人視聴率をみなし個人視聴率で除法して算出する。また、このとき、番組ジャンルに基づくジャンル別傾向を加味して算出してもよい。
なお、個人視聴確率とは、換言すると、ある特定の曜日の特定の時間帯に特定の局で放送されているある番組について、この家族構成のこの属性の人は、この確率で視聴しているだろうと予測する予測値である。
個人視聴確率付与部18は、エリアBの調査対象となる世帯の構成員ごとに、エリアAで算出した対応する属性の個人視聴確率を付与する処理を行うものである。
例えば、エリアBにおける属性a、属性b、属性c、属性dの個人から構成される4人家族の世帯内の属性aの個人に対して、エリアAにおける属性a、属性b、属性c、属性dの個人から構成される同じ4人家族の世帯内の属性aについて算出した個人視聴確率を割り当てる処理を行う。
個人視聴率推定部19は、エリアBにおける世帯内の個人ごとに個人視聴確率を付与したあと、付与した個人視聴確率を足し上げ付与人数で割って平均を算出し、エリアBにおける所定の番組又は局に対する属性ごとの個人視聴率を推定する処理を行うものである。
例えば、エリアBにおける属性a、属性b、属性c、属性dの個人から構成される4人家族の世帯内の属性aの個人視聴率については、同条件の属性aの個人視聴確率を付与し、その付与した個人視聴確率を足し上げ付与人数で割って平均を算出したものを集計して、エリアBにおける所定の番組又は局の個人視聴率を推定する。
個人視聴有無判定部20は、エリアBにおける世帯内の個人ごとに付与した個人視聴確率と予め設定した所定値(閾値)とを比較して、個人視聴の有無を判定する処理を行うものである。
例えば、ある属性の個人についての個人視聴確率が、閾値以上であれば視聴有りと判定し、閾値以下であれば、視聴無しと判定する。
また、エリアAで得られた個人視聴確率を利用して、例えば、属性aの個人視聴確率が30%であれば、属性aの30%に対してランダムに視聴有りと付与して判定してもよい。
次に、本実施形態に係る視聴分析方法について説明する。
本実施形態に係る視聴分析方法は、コンピュータであるサーバ1を用いて行われる。換言すると、サーバ1が実行する視聴分析処理では、本実施形態に係る視聴分析方法が適用されていることになる。以下では、本実施形態に係る視聴分析方法の説明として、サーバ1による視聴分析処理の流れと同処理中の各工程について説明することとする。
図5に示すように、世帯視聴率及び個人視聴率の両方を測定しているエリアAでは、実際に測定した個人視聴率と算出したみなし個人視聴率との関係性から、個人視聴確率(補正比率)を算出する。そして、その個人視聴確率を、個人視聴率を測定していないエリアBに適用し、エリアBにおける実際の視聴と個人視聴確率との関係性から、個人視聴率や個人視聴の有無を推定する。
視聴分析処理は、先ず、各種データを取得する工程(S101)から始まる。各種データを取得した後、個人視聴確率を算出する工程(S102)が実行される。そして、個人視聴率推定工程(S103)又は個人視聴有無判定工程(S104)が実行される。
本実施形態では、世帯データ取得部11によって世帯データが取得され、視聴データ取得部12によって視聴データが取得される。
本実施形態では、分析実施部13、具体的には、みなし個人視聴データ作成部14、みなし個人視聴率算出部15、個人視聴率算出部16、個人視聴確率算出部17との協働によって個人視聴確率が算出される。
以下、図7を参照して個人視聴確率算出工程にて実施される個人視聴確率算出処理について詳細に説明する。図7は、個人視聴確率算出処理の流れを示す図である。
次に、抽出したエリアAの世帯視聴データと世帯構成データとを照合して、世帯視聴がある世帯については、その世帯内の構成員全員がその番組又は局を視聴していたとみなし、みなし個人視聴データを作成する(S203)。
次に、上記により作成したエリアAの全世帯分のみなし個人視聴データを集計し、みなし個人視聴率を算出する(S204)。また、エリアAの全世帯分の個人視聴データを集計し、
実際の個人視聴率を算出する(S205)。
同様に、項目の組み合わせパターンごとに1時間ごとの実際の個人視聴率をみなし個人視聴率で除算して、1時間ごとの個人視聴確率を算出する(S207)。なお、ここで算出した1時間ごとの個人視聴確率は、基本視聴傾向とする。
そして、1時間ごとの個人視聴確率と1分ごとの個人視聴確率との差分を、チャンネル、番組ジャンル、性別・年齢、世帯構成等のパターンごとに平均化して最終的な個人視聴確率を算出する(S208)。
図8に示すように、例えば、家族人数が2(2人暮らし)で男性20〜34歳の属性の個人は、月曜5時台のA放送局についての個人視聴確率は、62%である。同様に、家族人数が2(2人暮らし)で男性及び女性4〜12歳の属性の個人は、月曜6時台のA放送局についての個人視聴確率は、25%である。このように、項目の組み合わせごとにそれぞれ個人視聴確率が算出され記録されている。
具体的には、ある特定の1時間の中に異なるジャンルの複数の番組が含まれている場合において、1時間の個人視聴確率(平均)とある特定の1分の個人視聴確率との差が大きい場合、その誤差は、番組ジャンルの影響により生じたものであると推定する。例えば、17:00〜17:59の1時間の中で17:00〜17:29はアニメ番組、17:30〜17:59は報道番組を放送していた場合、1時間の個人視聴確率(平均)が62%であり、ある特定の1分(例えば17:05)の個人視聴確率が82%であった場合、その差の20%は、特定の属性に対する番組ジャンルの影響であると推定する。
そして、属性ごとにそれぞれの番組ジャンルにより受ける影響を統計して導き出した数値をジャンル係数とし(学習)、次に個人視聴確率を算出する際、属性ごとにその導き出したジャンル係数を適用し、そのジャンル係数に基づくジャンル別傾向を加味して個人視聴確率を算出する(予測)。
図9に示すように、例えば、男性20〜34歳の属性の個人は、A放送局のドラマによって影響を受ける度合は、10%である。同様に、男性35〜49歳の属性の個人は、A放送局の報道によって影響を受ける度合は20%である。
このように、ジャンル別傾向とは、A放送局のスポーツ番組であれば、4人家族の有る属性の個人が視聴する確率は、通常よりも10pt上がりそうであるとか、B放送局の音楽番組なら、3人家族のある属性の個人が視聴する確率は、通常よりも20pt下がりそう等の度合を示すものである。
本実施形態では、分析実施部13、具体的には、個人視聴確率付与部18と個人視聴率推定部19との協働によって個人視聴率を推定する。
以下、図10を参照して個人視聴率推定工程にて実施される個人視聴率推定処理について詳細に説明する。図10は、個人視聴率推定処理の流れを示す図である。
次に、抽出したエリアBの世帯視聴データと世帯構成データとを照合して、世帯視聴の有無とその世帯の構成について確認したうえで、世帯視聴がある世帯については、その世帯内の構成員である各個人に個人視聴確率を付与する(S303)。
具体的には、エリアBのある特定の曜日の特定の時間帯に放送されているある番組を視聴していた世帯について、その世帯の構成員として存在するある属性の人に対して、エリアAで算出した同条件の個人視聴確率を割り当てる。例えば、5:05の個人視聴率として、月曜、A放送局、5時台、男性20〜34歳の補正比率を付与する。
そして、最終的に、番組ごとに推定毎分個人視聴率を集計して推定番組個人視聴率を算出する(S305)。例えば、同様に、5:06〜5:54についても推定毎分視聴率を算出し、5:05〜5:54の推定毎分視聴率からエリアBにおける男性20〜34歳の推定番組個人視聴率を算出する。
本実施形態では、分析実施部13、具体的には、個人視聴確率付与部18と個人視聴有無判定部20との協働によって個人視聴の有無を判定する。
以下、図11を参照して個人視聴有無判定工程にて実施される個人視聴有無判定処理について詳細に説明する。図11は、個人視聴有無判定処理の流れを示す図である。
次に、抽出したエリアBの世帯視聴データと世帯構成データとを照合して、世帯視聴の有無とその世帯の構成について確認したうえで、世帯視聴がある世帯については、その世帯内の構成員である各個人に個人視聴確率を付与する(S403)。
例えば、エリアBにおいて男性20〜34歳の属性の調査対象が100件ある場合、月曜日、A放送局、5時台、男性20〜34歳のエリアAで得られた個人視聴確率が0.3とすると、上記条件での月曜日、A放送局、5:05、男性20〜34歳の視聴有無は、男性20〜34歳の30%(30人)にランダムに視聴有りと付与して判定することもできる。
また、個人視聴確率の算出期間とその適用期間は重なっている場合に限定されず、重なっていない場合であってもよい。例えば、2018年1月のエリアAにおける視聴確率を、2018年1月のエリアBの世帯視聴に適用して個人視聴を推定してもよいし、2018年2月のエリアBの世帯視聴に適用し、個人視聴を推定してもよい。
また、同じ調査対象地域であっても、その中で条件が異なる場合、例えば、エリアAで世帯視聴のみ測定している世帯に適用することもできる。
また、世帯の家族構成等がわかっている場合は、テレビ機器等から収集されたテレビ単位の視聴ログへの適用もできる。
また、世帯の家族構成等がわかっている場合は、家庭内パソコン等の利用状況ログへの適用もできる。例えば、世帯パソコン利用状況と世帯内個人パソコン利用状況の両方がセットで測定されているデータを元に、個人利用確率を算出して適用することにも応用できる。
1a CPU
1b ROM
1c RAM
1d 通信用インタフェース
1e ハードディスクドライブ
1f 入力装置
1g 出力装置
11 世帯データ取得部
12 視聴データ取得部(世帯視聴データ、個人視聴データ)
13 分析実施部
14 みなし個人視聴データ作成部
15 みなし個人視聴率算出部
16 個人視聴率算出部
17 個人視聴確率算出部
18 個人視聴確率付与部
19 個人視聴率推定部
20 個人視聴有無判定部
21 測定機
Claims (5)
- 調査対象となる世帯の構成員とその構成員の属性とに関する情報を含む世帯データを取得する世帯データ取得部と、
調査対象となる世帯がどの番組又は局をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを示す情報を含む世帯視聴データを取得する世帯視聴データ取得部と、
調査対象となる世帯の構成員がどの番組又は局をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを示す情報を含む個人視聴データを取得する個人視聴データ取得部と、
前記世帯データ取得部が取得した前記世帯データ、前記世帯視聴データ取得部が取得した前記世帯視聴データ、及び、前記個人視聴データ取得部が取得した前記個人視聴データに基づいて、予め設定された分析対象期間中に所定の番組又は局を視聴、聴取又は閲覧していた世帯又は構成員の数又は割合に関する分析を実施する分析実施部と、を有し、
前記分析実施部は、前記分析において、
前記所定の番組又は局について世帯の視聴がある場合は、その世帯の構成員全員が前記所定の番組又は局を視聴、聴取又は閲覧していたとみなすみなし個人視聴データを作成するみなし個人視聴データ作成処理と、
複数世帯分の前記みなし個人視聴データを集計して前記所定の番組又は局に対するみなし個人視聴率を前記属性ごとに算出するみなし個人視聴率算出処理と、
複数世帯分の前記個人視聴データを集計して前記所定の番組又は局に対する個人視聴率を前記属性ごとに算出する個人視聴率算出処理と、
前記個人視聴率と前記みなし個人視聴率との比率を、世帯の視聴がある場合にその世帯内において所定の属性の構成員が視聴していると推測される確率を示す個人視聴確率として前記属性ごとに算出する個人視聴確率算出処理と、
を実行することを特徴とする視聴分析装置。 - 前記個人視聴確率算出処理は、前記所定の番組又は局が属する番組ジャンルに応じたジャンル係数に基づき前記個人視聴確率を算出することを特徴とする請求項1に記載の視聴分析装置。
- 前記世帯データ取得部は、前記調査対象とは異なるグループに属する他の調査対象となる世帯の構成員とその構成員の属性とに関する情報を含む他の世帯データをさらに取得し、
前記世帯視聴データ取得部は、前記調査対象とは異なるグループに属する他の調査対象となる世帯がどの番組又は局をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを示す情報を含む他の世帯視聴データをさらに取得し、
前記分析実施部は、前記分析において、
複数世帯分の前記他の世帯視聴データを集計して前記所定の番組又は局に対する他の世帯視聴率を算出する他の世帯視聴率算出処理と、
前記他の調査対象となる世帯の構成員ごとに、対応する属性の前記個人視聴確率を付与する個人視聴確率付与処理と、
前記他の調査対象となる世帯の構成員ごとに前記個人視聴確率を付与したあと、付与した前記個人視聴確率を足し上げ付与人数で割って平均を算出し、前記調査対象とは異なるグループにおける前記所定の番組又は局に対する個人視聴率を推定する個人視聴率推定処理と、
を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の視聴分析装置。 - 前記世帯データ取得部は、前記調査対象とは異なるグループに属する他の調査対象となる世帯の構成員とその構成員の属性とに関する情報を含む他の世帯データをさらに取得し、
前記世帯視聴データ取得部は、前記調査対象とは異なるグループに属する他の調査対象となる世帯がどの番組又は局をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを示す情報を含む他の世帯視聴データをさらに取得し、
前記分析実施部は、前記分析において、
前記他の調査対象となる世帯の構成員ごとに対応する属性の前記個人視聴確率を付与する個人視聴確率付与処理と、
前記他の調査対象となる世帯の構成員ごとに付与した前記個人視聴確率と予め設定した所定値とを比較し、前記調査対象とは異なるグループにおける前記所定の番組又は局に対する個人視聴の有無を判定する個人視聴有無判定処理と、
を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の視聴分析装置。 - コンピュータが、
調査対象となる世帯の構成員とその構成員の属性とに関する情報を含む世帯データを取得する世帯データ取得工程と、
調査対象となる世帯がどの番組又は局をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを示す情報を含む世帯視聴データを取得する世帯視聴データ取得工程と、
調査対象となる世帯の構成員がどの番組又は局をいつ視聴、聴取又は閲覧したのかを示す情報を含む個人視聴データを取得する個人視聴データ取得工程と、
前記世帯データ取得工程によって取得した前記世帯データ、前記世帯視聴データ取得工程によって取得した前記世帯視聴データ、及び、前記個人視聴データ取得工程によって取得した前記個人視聴データに基づいて、予め設定された分析対象期間中に所定の番組又は局を視聴、聴取又は閲覧していた世帯又は構成員の数又は割合に関する分析を実施する分析実施工程と、を有し、
前記コンピュータは、前記分析において、
前記所定の番組又は局について世帯の視聴がある場合は、その世帯の構成員全員が前記所定の番組又は局を視聴、聴取又は閲覧していたとみなすみなし個人視聴データを作成するみなし個人視聴データ作成処理と、
複数世帯分の前記みなし個人視聴データを集計して前記所定の番組又は局に対するみなし個人視聴率を前記属性ごとに算出するみなし個人視聴率算出処理と、
複数世帯分の前記個人視聴データを集計して前記所定の番組又は局に対する個人視聴率を前記属性ごとに算出する個人視聴率算出処理と、
前記個人視聴率と前記みなし個人視聴率との比率を、世帯の視聴がある場合にその世帯内において所定の属性の構成員が視聴していると推測される確率を示す個人視聴確率として前記属性ごとに算出する個人視聴確率算出処理と、
を実行することを特徴とする視聴分析方法。
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