以下に図面を参照して、本発明にかかる個人番号更新プログラム、個人番号更新方法、および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
(個人番号更新方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる個人番号更新方法の一実施例を示す説明図である。図1において、情報処理装置101は、ある自治体における住民登録外の個人番号の調査事務を支援するコンピュータである。自治体は、例えば、市区町村などの地方公共団体である。情報処理装置101は、例えば、ある自治体向けに設置されるサーバである。
また、住民登録外(住登外)とは、ある自治体に住民票を登録していない個人(または、法人)であって、当該自治体の業務において管理対象となっている個人(または、法人)のことである。例えば、A市に住民票を登録しているが、B市に固定資産を保有している者は、B市に固定資産税を納めることになり、B市において住民登録外として管理される。
また、個人番号とは、マイナンバー制度において住民票を有する国民一人一人に割り振られる固有の番号であり、各自治体の住民票記録システムで管理されている住民票コードをもとに採番される。個人番号は、例えば、住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)102において、住民票の基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)と住民票コードと関連付けて管理される。
一方、各自治体の既存の業務システムでは、各業務システムにおいて独自の宛名番号で個人を特定していることが多い。業務システムとしては、例えば、税務システム、国民健康保険システム、国民年金システムなどがある。したがって、個人番号で個人を特定するシステムと、宛名番号で個人を特定する既存の業務システムとの情報連携を図るためには、個人番号と宛名番号との対応付けを行うことが求められる。
上述したように、個人番号は、住基ネット102において住民票コードと関連付けて管理される。このため、各自治体において、当該自治体に住民票を登録している者の個人番号については、住基ネット102に対して住民票コードをもとに問い合わせることで特定することができる。
ところが、自治体に住民票を登録していない住民登録外の個人番号を調査するには手間や時間がかかる。例えば、各自治体の職員などが、住民登録外の者の住民票コードを、本人または他の自治体に問い合わせた上で、住基ネット102などを利用して個人番号を特定することになり、個人番号の調査事務に手間や時間がかかる。人口が30万人以上の大規模な自治体では、住民登録外の数も多く、人手で個人番号を調査するには多くの手間と時間がかかる。
そこで、本実施の形態では、住民登録外宛名に対する個人番号の調査事務の効率化を図る個人番号更新方法について説明する。以下、情報処理装置101の個人番号更新処理例について説明する。
(1)情報処理装置101は、住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号の検索依頼を住基ネット102に送信して得られる検索結果を取得する。ここで、住基ネット102は、市区町村が作成、管理する住民基本台帳をネットワークで結び、全国のどの市区町村からも本人確認を可能にするシステムである。
また、住民登録外宛名とは、自治体の各業務システムにおいて管理されている住民登録外の宛名番号と基本4情報とを含む情報である。宛名番号は、各業務システムにおいて個人を一意に識別する番号である。基本4情報は、住所、氏名、生年月日および性別の情報である。基本4情報の氏名には、例えば、漢字表記された氏名と、かな表記された氏名と、清音かな表記された氏名とが含まれる。
また、基本4情報の住所には、例えば、日本語表記された住所と、自治体コードとが含まれる。自治体コードは、各自治体を一意に識別する識別子であり、例えば、各市町村に割り振られた5桁ないし6桁のコード番号である。住基ネット102からの検索結果には、例えば、住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号が含まれる。
図1の例では、住民登録外宛名110の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号の検索依頼に対する検索結果120が取得されている。検索結果120は、住民登録外宛名110の個人情報に対応する個人番号を1件含む。なお、本実施の形態では、個人番号として、12桁の仮想的な番号を用いている。
(2)情報処理装置101は、取得した検索結果において、個人情報に対応する個人番号が1件である場合には、当該個人番号を個人情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行う。ここで、住基ネット102において個人番号と関連付けて管理される基本4情報は、統一された書き方で記述される。
一方で、住民登録外宛名の基本4情報は、住民登録外者が申告した内容をもとに職員が手作業で入力することが多い。したがって、同一人物についての基本4情報であっても、住基ネット102の基本4情報と住民登録外宛名の基本4情報とが一致するとは限らない。
例えば、住基ネット102側では、住所の番地は「何番地」と表現される。これに対して、自治体側では、職員が、住民登録外宛名の住所の番地を、「何番地」と表現したり、「−(ハイフン)」で表現したりする場合がある。また、住民登録外宛名の氏名(漢字)として、本人の希望により常用漢字表にない外字を使用する場合がある。さらに、住民登録外宛名の基本4情報のうちの一部の情報(例えば、生年月日)が未登録の場合もある。
住基ネット102側では、基本4情報についてのある程度の表現のゆらぎを考慮して、個人情報に対応する個人番号が検索される。このため、住基ネット102からの検索結果には、住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号が複数件含まれる場合がある。
検索結果に個人番号が複数件含まれる場合、個人情報に対応する個人番号を一意に特定することができない。このため、情報処理装置101は、個人情報に対応する個人番号が複数件存在する場合には、当該個人番号を個人情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行わない。
図1の例では、住民登録外宛名110の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報が、住基ネット102で管理されている情報130の基本4情報と完全一致する。このため、検索結果120には、情報130に含まれる個人番号のみが含まれる。この場合、情報処理装置101は、住民登録外宛名110の個人情報と、検索結果120に含まれる個人番号との対応付け処理を行う。
このように、情報処理装置101によれば、住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号の検索依頼を住基ネット102に送信して得られる検索結果120を取得することができる。また、情報処理装置101によれば、取得した検索結果120において、個人情報に対応する個人番号が1件である場合には、当該個人番号を個人情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行うことができる。
これにより、住民登録外宛名に対して個人番号を自動で対応付けることができ、自治体の職員などによる個人番号の調査事務にかかる手間や時間を削減することができる。また、個人情報に対応する個人番号が複数件存在する場合には、個人情報への対応付けは行われないため、住民登録外宛名に対して誤った個人番号が対応付けられることを防ぐことができる。
(個人番号更新システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかる個人番号更新システム200のシステム構成例について説明する。
図2は、個人番号更新システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、個人番号更新システム200は、情報処理装置101と、住基ネット102と、複数のクライアント端末201と、CS端末202と、コミュニケーションサーバ203と、を含む。
個人番号更新システム200において、情報処理装置101および複数のクライアント端末201は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。また、CS端末202は、コミュニケーションサーバ203を介して住基ネット102に接続される。
ここで、情報処理装置101は、住民登録外宛名DB(データベース)220と対応付けテーブル230とを有し、ある自治体における住民登録外の個人番号の調査事務を支援する。情報処理装置101は、例えば、自治体の税務システム、国民健康保険システム、国民年金システムなどの業務システムに適用される業務サーバである。
なお、住民登録外宛名DB220および対応付けテーブル230の記憶内容については、図5および図6を用いて後述する。
住基ネット102は、住民票を有する国民一人一人に割り振られる個人番号を、住民票の基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)と住民票コードと関連付けて管理する。クライアント端末201は、自治体の職員が使用するコンピュータであり、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)、ノートPCなどである。
CS端末202は、住基ネット102にアクセスするための専用のコンピュータであり、例えば、PCである。コミュニケーションサーバ203は、CS端末202と住基ネット102との通信を中継するコンピュータであり、例えば、ユーザ認証やルーティングなどの制御処理を行う。
個人番号更新システム200において、自治体の職員は、住基ネット102に対して、住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号の検索依頼を行うことができる。ただし、個人番号更新システム200では、セキュリティ上の理由により、各クライアント端末201から住基ネット102に直接アクセスできないようになっている。
このため、例えば、以下の手順により、住基ネット102に対する個人番号の検索依頼を行う。具体的には、例えば、まず、自治体の職員は、クライアント端末201において、情報処理装置101に対して、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名の基本4情報の取得要求を送信する。
ここで、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名とは、住民登録外宛名の宛名番号に対応する個人番号が未登録の住民登録外宛名である。情報処理装置101は、クライアント端末201からの取得要求に応じて、対応付けテーブル230(例えば、後述の図6参照)から、個人番号が未登録の宛名番号を抽出する。
つぎに、情報処理装置101は、住民登録外宛名DB220(例えば、後述の図5参照)から、抽出した宛名番号に対応する基本4情報(氏名、生年月日、性別、住所)を取得する。そして、情報処理装置101は、取得した基本4情報を、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名の基本4情報としてクライアント端末201に送信する。
自治体の職員は、クライアント端末201において、情報処理装置101から受信した住民登録外宛名の基本4情報を情報記録媒体240に記録する。情報記録媒体240は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)などである。
つぎに、自治体の職員は、CS端末202において、情報記録媒体240に記録された住民登録外宛名の基本4情報を含む本人確認情報照会要求ファイルを作成する。そして、自治体の職員は、CS端末202において、コミュニケーションサーバ203を介して、住基ネット102に本人確認情報照会要求ファイルを送信することにより、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号の検索依頼を行う。
住基ネット102は、CS端末202から受信した本人確認情報照会要求ファイルに含まれる住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号を検索する。そして、住基ネット102は、各住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号の検索結果を含む本人確認情報照会結果ファイルをCS端末202に送信する。
つぎに、自治体の職員は、CS端末202において、住基ネット102から得られた本人確認情報照会結果ファイルを情報記録媒体240に記録する。そして、自治体の職員は、クライアント端末201において、情報記録媒体240に記録された本人確認情報照会結果ファイルを情報処理装置101に送信する。これにより、住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号の検索結果を情報処理装置101に入力することができる。
なお、情報処理装置101がコミュニケーションサーバ203を介して住基ネット102にアクセス可能な場合には、情報処理装置101から住基ネット102に本人確認情報照会要求ファイルを送信して、個人番号の検索依頼を行うことにしてもよい。この場合、情報処理装置101が住基ネット102から本人確認情報照会結果ファイルを受信する。
以下の説明では、本人確認情報照会要求ファイルに含まれる、住民登録外宛名の基本4情報を「照会要求データ」と表記する場合がある。また、本人確認情報照会結果ファイルに含まれる、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号の検索結果を「照会結果データ」と表記する場合がある。
(情報処理装置101のハードウェア構成例)
図3は、情報処理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、情報処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、情報処理装置101の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置(例えば、図2に示したクライアント端末201)に接続される。そして、I/F303は、ネットワーク210と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、情報処理装置101は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、図2に示した住基ネット102およびコミュニケーションサーバ203についても、情報処理装置101と同様のハードウェア構成により実現することができる。
(クライアント端末201のハードウェア構成例)
図4は、クライアント端末201のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、クライアント端末201は、CPU401と、メモリ402と、ディスクドライブ403と、ディスク404と、I/F405と、ディスプレイ406と、入力装置407と、を有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、クライアント端末201の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
ディスクドライブ403は、CPU401の制御に従ってディスク404に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク404は、ディスクドライブ403の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク404としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
I/F405は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置(例えば、図2に示した情報処理装置101)に接続される。そして、I/F405は、ネットワーク210と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
ディスプレイ406は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ406は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)などを採用することができる。
入力装置407は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置407は、キーボードやマウスなどであってもよく、また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
なお、図2に示したCS端末202についても、クライアント端末201と同様のハードウェア構成により実現することができる。
(住民登録外宛名DB220の記憶内容)
つぎに、情報処理装置101が有する住民登録外宛名DB220の記憶内容について説明する。住民登録外宛名DB220は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
図5は、住民登録外宛名DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、住民登録外宛名DB220は、宛名番号、氏名(かな)、氏名(漢字)、生年月日、性別、住所および市町村コードのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、住民登録外宛名(例えば、住民登録外宛名500−1,500−2)がレコードとして記憶される。
ここで、宛名番号は、業務システムにおいて管理対象となる住民登録外者を一意に識別する番号である。例えば、税務システムに情報処理装置101が適用された場合、宛名番号は、税務システムにおいて管理対象となる住民登録外者を一意に識別する番号となる。氏名(かな)は、かな表記された住民登録外者の氏名である。
氏名(漢字)は、漢字表記された住民登録外者の氏名である。生年月日は、住民登録外者の生年月日である。性別は、住民登録外者の性別である。住所は、日本語表記された住民登録外者の住所である。市町村コードは、住民登録外者の住所が属する市区町村を一意に識別するコード番号である。
(対応付けテーブル230の記憶内容)
つぎに、情報処理装置101が有する対応付けテーブル230の記憶内容について説明する。対応付けテーブル230は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置により実現される。
図6は、対応付けテーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、対応付けテーブル230は、住民登録外者の宛名番号と個人番号とを対応付けて記憶する。ここで、宛名番号は、業務システムにおいて管理対象となる住民登録外者を一意に識別する番号である。個人番号は、住民登録外者に割り振られた固有の番号(マイナンバー)である。なお、個人番号が未設定の場合は「−(NULL)」が設定される。
(住基ネット102上で管理される宛名情報の具体例)
つぎに、住基ネット102上で管理される宛名情報の具体例について説明する。宛名情報は、住民票を有する国民の基本4情報と住民票コードと個人番号とを含む情報である。
図7は、住基ネット102上で管理される宛名情報の具体例を示す説明図である。図7において、宛名情報701〜703は、住基ネット102上で管理されている宛名情報の一例である。なお、図7では、住民票コードの図示は省略する。
各宛名情報701〜703に記載された氏名(かな)、氏名(漢字)、生年月日、性別、住所および市町村コードは、住民票の基本4情報に対応する。また、各宛名情報701〜703に記載された個人番号は、基本4情報に対応する国民に割り振られた固有の番号(マイナンバー)である。
(情報処理装置101の機能的構成例)
図8は、情報処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。図8において、情報処理装置101は、取得部801と、判定部802と、対応付け部803と、出力部804と、を含む構成である。取得部801〜出力部804は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
取得部801は、住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日の少なくともいずれかを含む個人情報に対応する個人番号の検索依頼を住基ネット102に送信して得られる検索結果を取得する。具体的には、例えば、取得部801は、クライアント端末201から本人確認情報照会結果ファイルを受信することにより、本人確認情報照会結果ファイルに含まれる各照会結果データを検索結果として取得する。
照会結果データには、例えば、下記(a)〜(c)の情報が含まれる。
(a)照会要求データに含まれる住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号
(b)検索パターン番号
(c)照会一致項目ごとの比較結果を示すフラグ
ここで、検索パターン番号は、住基ネット102において、どの照会一致項目について、照会要求データに含まれる住民登録外宛名の基本4情報と、住基ネット102で管理している住民票の基本4情報(例えば、図7に示した宛名情報701〜703の基本4情報)との比較を行ったのかを示す番号である。
照会一致項目としては、例えば、氏名(漢字)、氏名(かな)、清音かな氏名、生年月日、性別、住所(完全一致)、住所(前方一致)、住所(市町村コード)がある。なお、住所(完全一致)は、方書を含む全文字列の比較に対応する。また、住所(前方一致)は、市町村名以降の2文字までの比較に対応する。
すなわち、検索パターン番号は、比較対象となる照会一致項目の組み合わせを示す。以下の説明では、氏名(漢字)、氏名(かな)、生年月日、性別、住所(完全一致)および住所(市町村コード)を比較対象とする検索パターン番号を「検索パターン番号A」と表記する。また、氏名(漢字)、生年月日、性別、住所(完全一致)および住所(市町村コード)を比較対象とする検索パターン番号を「検索パターン番号B」と表記する。また、氏名(かな)、清音かな氏名、生年月日、性別、住所(完全一致)および住所(市町村コード)を比較対象とする検索パターン番号を「検索パターン番号C」と表記する。
検索パターン番号A〜Cは、照会要求データに、住民登録外宛名の基本4情報の全てが含まれる場合に選択される検索パターンである。照会一致項目ごとの比較結果を示すフラグとしては、例えば、「不一致」、「一致」、「外字以外は一致、外字のみ不一致」、「住所地番一致」、「部分一致」および「未設定」のいずれかが設定される。照会一致項目ごとの比較結果の具体例については、図10〜図13を用いて後述する。
なお、照会結果データには、上記(a)〜(c)の情報の他に、照会要求データに含まれる住民登録外宛名の基本4情報や、当該基本4情報に対応する住民票の基本4情報が含まれていてもよい。また、照会要求データに含まれる住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号が存在しない場合には、照会結果データは「該当者なし」となる。
判定部802は、取得された検索結果に含まれる、個人情報に対応する個人番号の確度を判定する。具体的には、例えば、判定部802は、照会結果データを参照して、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号が複数件存在する場合には、照会結果データに含まれる個人番号の確度が低いと判定する。すなわち、照会結果データに個人番号が複数含まれている場合は、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号を一意に特定することができない。このため、判定部802は、個人番号の確度が低いと判定する。
また、判定部802は、照会結果データに含まれる検索パターン番号が検索パターン番号A〜Cのいずれでもない場合には、照会結果データに含まれる個人番号の確度が低いと判定する。すなわち、照会要求データの住民登録外宛名の基本4情報のいずれかの情報が欠落している場合には、住基ネット102から得られる個人番号の信頼性が高いとはいえない。このため、判定部802は、個人番号の確度が低いと判定する。
また、判定部802は、照会結果データに含まれる検索パターン番号が検索パターン番号A〜Cのいずれかである場合には、特定の照会一致項目の比較結果に基づいて、照会結果データに含まれる個人番号の確度を判定する。ここで、特定の照会一致項目は、例えば、氏名(漢字)、氏名(かな)、生年月日、性別、住所(完全一致)および住所(市町村コード)である。
より詳細に説明すると、例えば、判定部802は、氏名(漢字)または氏名(かな)の少なくともいずれかの比較結果を示すフラグが「一致」である場合、氏名(漢字)についての照会結果フラグ「OK」を設定する。照会結果フラグ「OK」は、照会一致項目が一致することを示す。一方、判定部802は、氏名(漢字)または氏名(かな)の比較結果を示すフラグがいずれも「一致」ではない場合には、氏名(漢字)についての照会結果フラグ「NG」を設定する。照会結果フラグ「NG」は、照会一致項目が一致しないことを示す。
また、例えば、判定部802は、氏名(漢字)または氏名(かな)の少なくともいずれかの比較結果を示すフラグが「一致」である場合、氏名(かな)についての照会結果フラグ「OK」を設定する。一方、判定部802は、氏名(漢字)または氏名(かな)の比較結果を示すフラグがいずれも「一致」ではない場合には、氏名(かな)についての照会結果フラグ「NG」を設定する。
そして、判定部802は、氏名(漢字)および氏名(かな)についての照会結果フラグが「OK」の場合に、住民登録外宛名の氏名と、個人番号と関連付けて管理されている氏名とが一致していると判定する。これにより、住民登録外宛名の氏名(漢字)に外字が含まれるなどの表現のゆらぎがあっても、氏名(かな)が一致すれば、氏名が一致しているとみなすことができる。また、住民登録外宛名の氏名(かな)のある文字の濁音符が省略されているなどの表現のゆらぎがあっても、氏名(漢字)が一致すれば、氏名が一致するとみなすことができる。
また、例えば、判定部802は、住所(完全一致)または住所(市町村コード)の少なくともいずれかの比較結果を示すフラグが「一致」である場合、住所(完全一致)についての照会結果フラグ「OK」を設定する。一方、判定部802は、住所(完全一致)または住所(市町村コード)の比較結果を示すフラグがいずれも「一致」ではない場合には、住所(完全一致)についての照会結果フラグ「NG」を設定する。
また、判定部802は、住所(市町村コード)の比較結果を示すフラグが「一致」である場合、住所(市町村コード)についての照会結果フラグ「OK」を設定する。一方、判定部802は、住所(市町村コード)の比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合には、住所(市町村コード)についての照会結果フラグ「NG」を設定する。
そして、判定部802は、住所(完全一致)および住所(市町村コード)についての照会結果フラグが「OK」の場合に、住民登録外宛名の住所と、個人番号と関連付けて管理されている住所とが一致していると判定する。これにより、住民登録外宛名の日本語表記された住所に表現のゆらぎがあっても、住所(市町村コード)が一致すれば、住所が一致するとみなすことができる。
また、判定部802は、生年月日の比較結果を示すフラグが「一致」である場合、生年月日についての照会結果フラグ「OK」を設定する。一方、判定部802は、生年月日の比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合には、生年月日についての照会結果フラグ「NG」を設定する。そして、判定部802は、生年月日についての照会結果フラグが「OK」の場合に、住民登録外宛名の生年月日と、個人番号と関連付けて管理されている生年月日とが一致していると判定する。
また、判定部802は、性別の比較結果を示すフラグが「一致」である場合、性別についての照会結果フラグ「OK」を設定する。一方、判定部802は、性別の比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合には、性別についての照会結果フラグ「NG」を設定する。そして、判定部802は、性別についての照会結果フラグが「OK」の場合に、住民登録外宛名の性別と、個人番号と関連付けて管理されている性別とが一致していると判定する。
判定部802は、住民登録外宛名の氏名、住所、生年月日、性別と、個人番号と関連付けて管理されている氏名、住所、生年月日、性別とが全て一致していると判定した場合に、当該個人番号の確度が高いと判定する。具体的には、例えば、判定部802は、氏名(漢字)、氏名(かな)、生年月日、性別、住所(完全一致)および住所(市町村コード)の照会結果フラグが全て「OK」の場合に、照会結果データに含まれる個人番号の確度が高いと判定する。これにより、住民登録外宛名に含まれる表現のゆらぎを考慮しつつ、住基ネット102から得られる個人番号の確度を判定することができる。
なお、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号の確度の判定例については、図9〜図14を用いて後述する。
対応付け部803は、判定部802によって判定された判定結果に基づいて、検索結果に含まれる個人番号を、個人情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行う。具体的には、例えば、照会結果データに含まれる個人番号の確度が高いと判定された場合、当該個人番号を、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行う。
より具体的には、例えば、対応付け部803は、個人番号の確度が高いと判定された場合、住民登録外宛名DB220を参照して、住民登録外宛名の基本4情報に対応する宛名番号を特定する。そして、対応付け部803は、特定した宛名番号と対応付けて、照会結果データに含まれる個人番号を対応付けテーブル230に登録する。
出力部804は、対応付け部803によって対応付け処理が行われた個人情報と対応付け処理が行われていない個人情報とを識別可能に出力する。具体的には、例えば、出力部804は、住民登録外宛名の基本4情報とともに、当該住民登録外宛名について対応付け処理が行われたか否かを示すメッセージを出力することにしてもよい。
より具体的には、例えば、出力部804は、対応付け処理の結果に基づいて、後述する図15に示すような更新結果確認画面1500の画面情報を生成してクライアント端末201に送信することにしてもよい。これにより、クライアント端末201のディスプレイ406に更新結果確認画面1500を表示させることができる。
なお、上述した説明では、住基ネット102からの検索結果(照会結果データ)に、照会一致項目ごとの比較結果を示すフラグが含まれることにしたが、これに限らない。例えば、情報処理装置101が、照会結果データに含まれる住民票の基本4情報に基づいて、照会一致項目ごとの比較を行うことにしてもよい。
また、上述した説明では、個人番号と対応付ける宛名番号として、各業務システムで独自の宛名番号を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、個人番号と対応付ける宛名番号は、団体内統合宛名と呼ばれる、各業務システムが個別に保有している宛名番号を統合したものであってもよい。
(個人番号の確度の判定例)
つぎに、図9〜図14を用いて、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号の確度の判定例について説明する。ここでは、住基ネット102上で管理されている宛名情報が、図7に示した宛名情報701〜703である場合を例に挙げて説明する。
図9は、個人番号の確度の判定例を示す説明図(その1)である。図9において、照会要求データ901は、本人確認情報照会要求ファイルに含まれる照会要求データの一例である。ここで、照会要求データ901には、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名の氏名(かな)、氏名(漢字)、性別、住所、および市町村コードが設定されている。一方で、照会要求データ901には、住民登録外宛名の生年月日が設定されていない。
したがって、照会要求データ901に対応する照会結果データに含まれる検索パターン番号は、上述した検索パターン番号A〜Cのいずれにも該当しないことになる。この場合、判定部802は、照会要求データ901に対応する照会結果データに含まれる個人番号の確度が低いと判定する。このため、当該住民登録外宛名について個人番号の対応付け処理は行われない。
なお、照会要求データ901の住民登録外宛名の基本4情報は、生年月日以外で、住基ネット102で管理されている宛名情報701の基本4情報と一致する。この場合、出力部804は、例えば、照会要求データ901の住民登録外宛名の基本4情報とともにメッセージ902を出力する。メッセージ902は、照会要求データ901の住民登録外宛名について、住基ネット102で管理されている宛名情報701と部分的に一致しているが個人番号の対応付け処理は行われていないことを示すメッセージ例である。
図10は、個人番号の確度の判定例を示す説明図(その2)である。図10において、照会要求データ1001は、本人確認情報照会要求ファイルに含まれる照会要求データの一例である。ここで、照会要求データ1001には、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名の氏名(かな)、氏名(漢字)、生年月日、性別、住所、および市町村コードが設定されている。
ここでは、照会要求データ1001に対応する照会結果データに含まれる個人番号として、住基ネット102上で管理されている宛名情報701(図7参照)の個人番号が検索される。すなわち、個人番号の該当件数は1件となる。
また、比較結果フラグ一覧1002は、照会要求データ1001に対応する照会結果データに含まれる照会一致項目ごとの比較結果を示すフラグの一覧である。比較結果フラグ一覧1002では、生年月日以外の全ての照会一致項目が「一致」となっている。
この場合、判定部802は、生年月日以外の照会一致項目についての照会結果フラグに「OK」を設定する。また、判定部802は、生年月日についての照会結果フラグに「NG」を設定する。そして、判定部802は、生年月日の照会結果フラグが「NG」のため、照会要求データ1001の住民登録外宛名に対応する個人番号の確度が低いと判定する。このため、当該住民登録外宛名について個人番号の対応付け処理は行われない。
なお、照会要求データ1001の住民登録外宛名の基本4情報は、生年月日以外で、住基ネット102で管理されている宛名情報701の基本4情報と一致する。この場合、出力部804は、例えば、照会要求データ1001の住民登録外宛名の基本4情報とともにメッセージ1003を出力する。メッセージ1003は、照会要求データ1001の住民登録外宛名について、住基ネット102で管理されている宛名情報701と部分的に一致しているが個人番号の対応付け処理は行われていないことを示すメッセージ例である。
図11は、個人番号の確度の判定例を示す説明図(その3)である。図11において、照会要求データ1101は、本人確認情報照会要求ファイルに含まれる照会要求データの一例である。ここで、照会要求データ1101には、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名の氏名(かな)、氏名(漢字)、生年月日、性別、住所、および市町村コードが設定されている。
ここでは、照会要求データ1101に対応する照会結果データに含まれる個人番号として、住基ネット102上で管理されている宛名情報701(図7参照)の個人番号が検索される。すなわち、個人番号の該当件数は1件となる。
また、比較結果フラグ一覧1102は、照会要求データ1101に対応する照会結果データに含まれる照会一致項目ごとの比較結果を示すフラグの一覧である。比較結果フラグ一覧1102では、全ての照会一致項目が「一致」となっている。
この場合、判定部802は、全ての照会一致項目についての照会結果フラグに「OK」を設定する。そして、判定部802は、全ての照会結果フラグが「OK」のため、照会要求データ1101の住民登録外宛名に対応する個人番号の確度が高いと判定する。このため、対応付け部803は、宛名情報701の個人番号「111111111111」を、当該住民登録外宛名に対応する個人番号とする対応付け処理を行う。
なお、照会要求データ1101の住民登録外宛名の基本4情報は、住基ネット102で管理されている宛名情報701の基本4情報と一致する。この場合、出力部804は、例えば、照会要求データ1101の住民登録外宛名の基本4情報とともにメッセージ1103を出力する。メッセージ1103は、照会要求データ1101の住民登録外宛名について、住基ネット102で管理されている宛名情報701と完全一致しているため個人番号の対応付け処理が行われたことを示すメッセージ例である。
図12は、個人番号の確度の判定例を示す説明図(その4)である。図12において、照会要求データ1201は、本人確認情報照会要求ファイルに含まれる照会要求データの一例である。ここで、照会要求データ1201には、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名の氏名(かな)、氏名(漢字)、生年月日、性別、住所、および市町村コードが設定されている。
ここでは、照会要求データ1201に対応する照会結果データに含まれる個人番号として、住基ネット102上で管理されている宛名情報701(図7参照)の個人番号が検索される。すなわち、個人番号の該当件数は1件となる。
また、比較結果フラグ一覧1202は、照会要求データ1201に対応する照会結果データに含まれる照会一致項目ごとの比較結果を示すフラグの一覧である。ここで、照会要求データ1201の氏名(漢字)の一部に外字「★」が使用されている。このため、比較結果フラグ一覧1202では、氏名(漢字)以外の全ての照会一致項目が「一致」となっている。
ここで、氏名(漢字)の比較結果を示すフラグは「不一致」であるが、氏名(かな)の比較結果を示すフラグが「一致」となっている。この場合、判定部802は、氏名(漢字)についての照会結果フラグに「OK」を設定する。また、判定部802は、氏名(漢字)以外の全ての照会一致項目についての照会結果フラグにも「OK」を設定する。
そして、判定部802は、全ての照会結果フラグが「OK」のため、照会要求データ1201の住民登録外宛名に対応する個人番号の確度が高いと判定する。このため、対応付け部803は、宛名情報701の個人番号「111111111111」を、当該住民登録外宛名に対応する個人番号とする対応付け処理を行う。
なお、照会要求データ1201の住民登録外宛名の基本4情報は、住基ネット102で管理されている宛名情報701の基本4情報と氏名(漢字)以外で一致する。また、ここでは氏名(かな)が一致しているため、氏名(漢字)が一致しているとみなしている。この場合、出力部804は、例えば、照会要求データ1201の住民登録外宛名の基本4情報とともにメッセージ1203を出力する。メッセージ1203は、照会要求データ1201の住民登録外宛名について、住基ネット102で管理されている宛名情報701と一致しているとみなせるため個人番号の対応付け処理が行われたことを示すメッセージ例である。
図13は、個人番号の確度の判定例を示す説明図(その5)である。図13において、照会要求データ1301は、本人確認情報照会要求ファイルに含まれる照会要求データの一例である。ここで、照会要求データ1301には、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名の氏名(かな)、氏名(漢字)、生年月日、性別、住所、および市町村コードが設定されている。
ここでは、照会要求データ1301に対応する照会結果データに含まれる個人番号として、住基ネット102上で管理されている宛名情報701(図7参照)の個人番号が検索される。すなわち、個人番号の該当件数は1件となる。
また、比較結果フラグ一覧1302は、照会要求データ1301に対応する照会結果データに含まれる照会一致項目ごとの比較結果を示すフラグの一覧である。ここで、照会要求データ1301の住所の番地が「−」を用いて表現されている。このため、比較結果フラグ一覧1302では、住所(完全一致)以外の全ての照会一致項目が「一致」となっている。
ここで、住所(完全一致)の比較結果を示すフラグは「不一致」であるが、住所(市町村コード)の比較結果を示すフラグが「一致」となっている。この場合、判定部802は、住所(完全一致)についての照会結果フラグに「OK」を設定する。また、判定部802は、住所(完全一致)以外の全ての照会一致項目についての照会結果フラグにも「OK」を設定する。
そして、判定部802は、全ての照会結果フラグが「OK」のため、照会要求データ1301の住民登録外宛名に対応する個人番号の確度が高いと判定する。このため、対応付け部803は、宛名情報701の個人番号「111111111111」を、当該住民登録外宛名に対応する個人番号とする対応付け処理を行う。
なお、照会要求データ1301の住民登録外宛名の基本4情報は、住基ネット102で管理されている宛名情報701の基本4情報と住所以外で一致する。また、ここでは市町村コードが一致しているため、住所が一致しているとみなしている。この場合、出力部804は、例えば、照会要求データ1301の住民登録外宛名の基本4情報とともにメッセージ1303を出力する。メッセージ1303は、照会要求データ1301の住民登録外宛名について、住基ネット102で管理されている宛名情報701と一致しているとみなせるため個人番号の対応付け処理が行われたことを示すメッセージ例である。
図14は、個人番号の確度の判定例を示す説明図(その6)である。図14において、照会要求データ1401は、本人確認情報照会要求ファイルに含まれる照会要求データの一例である。ここで、照会要求データ1401には、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名の氏名(かな)、氏名(漢字)、生年月日、性別、住所、および市町村コードが設定されている。ただし、氏名(漢字)の一部に、「かな」が用いられている。
ここでは、照会要求データ1401に対応する照会結果データに含まれる個人番号として、住基ネット102上で管理されている宛名情報702,703(図7参照)のそれぞれの個人番号が検索される。すなわち、個人番号の該当件数は2件となる。
この場合、住民登録外宛名に対応する個人番号を一意に特定することができない。このため、判定部802は、照会要求データ1401に対応する照会結果データに含まれる個人番号の確度が低いと判定する。したがって、当該住民登録外宛名について個人番号の対応付け処理は行われない。
この場合、出力部804は、例えば、照会要求データ1401の住民登録外宛名の基本4情報とともにメッセージ1402を出力する。メッセージ1402は、照会要求データ1401の住民登録外宛名について、該当者が複数存在しているため個人番号の対応付け処理が行われていないことを示すメッセージ例である。
(更新結果確認画面1500の画面例)
つぎに、クライアント端末201のディスプレイ406に表示される更新結果確認画面1500の画面例について説明する。
図15は、更新結果確認画面1500の画面例を示す説明図である。図15において、更新結果確認画面1500には、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名(宛名番号、基本4情報)と対応付けて、住基ネット102からの照会結果およびメッセージが表示されている。図15中、画面上部に住民登録外宛名を表示し、画面下部に照会結果およびメッセージを表示している。
更新結果確認画面1500によれば、職員は、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名に対応する照会結果を確認することができるとともに、メッセージの内容から個人番号の更新状況を確認することができる。照会結果には、照会一致項目ごとの比較結果を示すフラグと、住基ネット102で管理されている住民票の基本4情報とが含まれる。
例えば、宛名番号「123456」の住民登録外宛名について、職員は、住民登録外宛名の基本4情報と住基ネット102で管理されている基本4情報とが完全一致したため、個人番号が新規登録されたことがわかる。
また、宛名番号「80020」の住民登録外宛名について、職員は、住民登録外宛名の基本4情報と住基ネット102で管理されている基本4情報とが一致しているとみなせるため、個人番号が新規登録されたことがわかる。さらに、みなし一致となっている場合、職員が、住民登録外宛名の基本4情報と照会結果の内容とを照らし合わすことにより、誤った対応付けが行われていないかのチェックを行うことができる。
また、宛名番号「152105」の住民登録外宛名について、職員は、住民登録外宛名の基本4情報に対応する者が2名存在しているため個人番号が更新されていないことがわかる。さらに、職員が、住民登録外宛名の基本4情報と照会結果の内容とを照らし合わすことにより、2名のうちのいずれかに対応しているか否かを判断することができる。
ここでは、住民登録外宛名の氏名(漢字)の一部に「かな」が用いられているため、該当者が2名となっているが、住民登録外宛名の住所は「安心花子」と一致している。すなわち、住民登録外宛者は「安心花子」である可能性が高い。この場合、職員は、例えば、本人(あるいは、住民登録外者が住民票を登録している他の自治体)に問い合わせることにより、住民登録外宛者が「安心花子」であるか否かを確認することができる。さらに、住民登録外宛者が「安心花子」であることが確認できれば、住民登録外宛名の宛名番号と対応付ける個人番号として、「安心花子」の個人番号を特定することができる。
(情報処理装置101の個人番号更新処理手順)
つぎに、情報処理装置101の個人番号更新処理手順について説明する。図16は、情報処理装置101の個人番号更新処理手順の一例を示すフローチャートである。図16のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、クライアント端末201から本人確認情報照会結果ファイルを取得したか否かを判断する(ステップS1601)。
ここで、情報処理装置101は、本人確認情報照会結果ファイルを取得するのを待つ(ステップS1601:No)。そして、情報処理装置101は、本人確認情報照会結果ファイルを取得した場合(ステップS1601:Yes)、本人確認情報照会結果ファイルから選択されていない未選択の照会結果データを選択する(ステップS1602)。
つぎに、情報処理装置101は、選択した照会結果データを参照して、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号が1件であるか否かを判断する(ステップS1603)。ここで、個人番号が複数件存在する場合(ステップS1603:No)、情報処理装置101は、ステップS1608に移行する。
一方、個人番号が1件である場合(ステップS1603:Yes)、情報処理装置101は、照会結果データに含まれる検索パターン番号が検索パターン番号A〜Cのいずれかであるか否かを判断する(ステップS1604)。ここで、検索パターン番号A〜Cのいずれでもない場合(ステップS1604:No)、情報処理装置101は、ステップS1608に移行する。
一方、検索パターン番号A〜Cのいずれかである場合(ステップS1604:Yes)、情報処理装置101は、照会結果フラグ判定処理を実行する(ステップS1605)。なお、照会結果フラグ判定処理の具体的な処理手順については、図17および図18を用いて後述する。
つぎに、情報処理装置101は、全ての照会結果フラグが「OK」であるか否かを判断する(ステップS1606)。ここで、照会結果フラグの少なくともいずれかが「NG」である場合(ステップS1606:No)、情報処理装置101は、ステップS1608に移行する。
一方、全ての照会結果フラグが「OK」である場合(ステップS1606:Yes)、情報処理装置101は、住民登録外宛名の宛名番号と、照会結果データに含まれる個人番号とを対応付けテーブル230に記録する(ステップS1607)。そして、情報処理装置101は、本人確認情報照会結果ファイルから選択されていない未選択の照会結果データがあるか否かを判断する(ステップS1608)。
ここで、未選択の照会結果データがある場合(ステップS1608:Yes)、情報処理装置101は、ステップS1602に戻る。一方、未選択の照会結果データがない場合(ステップS1608:No)、情報処理装置101は、更新結果確認画面(例えば、図15に示した更新結果確認画面1500)の画面情報を生成し、クライアント端末201に送信して(ステップS1609)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、住民登録外者の個人番号として確度が高いと判定される個人番号を、住民登録外宛名の宛名番号と対応付けることができる。また、自治体の職員などに、住民登録外宛名に対する個人番号の更新状況を個別に確認させることが可能となる。
つぎに、図16に示したステップS1605の照会結果フラグ判定処理の具体的な処理手順について説明する。なお、各照会結果フラグには、初期状態では「NG」が設定されている場合を想定する。
図17および図18は、照会結果フラグ判定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図17のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、照会結果データに含まれる氏名(漢字)の比較結果を示すフラグが「一致」であるか否かを判断する(ステップS1701)。
ここで、氏名(漢字)の比較結果を示すフラグが「一致」である場合(ステップS1701:Yes)、情報処理装置101は、ステップS1703に移行する。
一方、氏名(漢字)の比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合(ステップS1701:No)、情報処理装置101は、照会結果データに含まれる氏名(かな)の比較結果を示すフラグが「一致」であるか否かを判断する(ステップS1702)。
ここで、氏名(かな)の比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合(ステップS1702:No)、情報処理装置101は、ステップS1705に移行する。
一方、氏名(かな)の比較結果を示すフラグが「一致」である場合(ステップS1702:Yes)、情報処理装置101は、氏名(漢字)についての照会結果フラグに「OK」を設定する(ステップS1703)。そして、情報処理装置101は、氏名(かな)についての照会結果フラグに「OK」を設定する(ステップS1704)。
つぎに、情報処理装置101は、照会結果データに含まれる生年月日の比較結果を示すフラグが「一致」であるか否かを判断する(ステップS1705)。ここで、生年月日の比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合(ステップS1705:No)、情報処理装置101は、ステップS1707に移行する。
一方、生年月日の比較結果を示すフラグが「一致」である場合(ステップS1705:Yes)、情報処理装置101は、生年月日についての照会結果フラグに「OK」を設定する(ステップS1706)。つぎに、情報処理装置101は、照会結果データに含まれる性別の比較結果を示すフラグが「一致」であるか否かを判断する(ステップS1707)。ここで、性別の比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合(ステップS1707:No)、情報処理装置101は、図18に示すステップS1801に移行する。
一方、性別の比較結果を示すフラグが「一致」である場合(ステップS1707:Yes)、情報処理装置101は、性別についての照会結果フラグに「OK」を設定して(ステップS1708)、図18に示すステップS1801に移行する。
図18のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、照会結果データに含まれる住所の比較結果を示すフラグが「一致」であるか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、住所の比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合(ステップS1801:No)、情報処理装置101は、照会結果データに含まれる市町村コードの比較結果を示すフラグが「一致」であるか否かを判断する(ステップS1802)。
ここで、市町村コードの比較結果を示すフラグが「一致」である場合(ステップS1802:Yes)、情報処理装置101は、住所(完全一致)についての照会結果フラグに「OK」を設定する(ステップS1803)。また、情報処理装置101は、住所(市町村コード)についての照会結果フラグに「OK」を設定して(ステップS1804)、照会結果フラグ判定処理を呼び出したステップに戻る。
また、ステップS1802において、市町村コードの比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合(ステップS1802:No)、情報処理装置101は、照会結果フラグ判定処理を呼び出したステップに戻る。
また、ステップS1801において、住所の比較結果を示すフラグが「一致」である場合(ステップS1801:Yes)、情報処理装置101は、住所(完全一致)についての照会結果フラグに「OK」を設定する(ステップS1805)。そして、情報処理装置101は、照会結果データに含まれる市町村コードの比較結果を示すフラグが「一致」であるか否かを判断する(ステップS1806)。
ここで、市町村コードの比較結果を示すフラグが「一致」である場合(ステップS1806:Yes)、情報処理装置101は、ステップS1804に移行する。一方、市町村コードの比較結果を示すフラグが「一致」ではない場合(ステップS1806:No)、情報処理装置101は、照会結果フラグ判定処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、氏名(漢字)、氏名(かな)、生年月日、性別、住所(完全一致)および住所(市町村コード)それぞれの照会結果フラグを設定することができる。
以上説明したように、実施の形態にかかる情報処理装置101によれば、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号の検索依頼を住基ネット102に送信して得られる検索結果(照会結果データ)を取得することができる。また、情報処理装置101によれば、取得した検索結果に基づいて、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号の確度を判定し、確度が高いと判定した個人番号を、住民登録外宛名の基本4情報と対応付けることができる。
これにより、住民登録外者の個人番号として確度が高いと判定される個人番号を、住民登録外宛名の基本4情報と対応付けることができる。
例えば、情報処理装置101によれば、住民登録外宛名の基本4情報に対応する個人番号が複数件存在する場合には、個人番号の確度が低いと判定することができる。これにより、住民登録外宛名の基本4情報に対して複数の個人番号が対応付けされることを防ぐことができる。
また、情報処理装置101によれば、住民登録外宛名の氏名(漢字)、氏名(かな)について、住基ネット102で管理されている住民票の氏名(漢字)、氏名(かな)それぞれとの比較結果の組み合わせに基づいて、個人番号の確度を判定することができる。
具体的には、例えば、情報処理装置101は、氏名(漢字)が一致していなくても、氏名(かな)が一致していれば、住民登録外宛名の氏名と、個人番号と関連付けて管理されている氏名とが一致していると判定することができる。これにより、住民登録外宛名の氏名(漢字)に外字が含まれるなどの表現のゆらぎがあっても、氏名(かな)が一致すれば、氏名が一致しているとみなすことができる。
また、例えば、情報処理装置101は、氏名(かな)が一致していなくても、氏名(漢字)が一致していれば、住民登録外宛名の氏名と、個人番号と関連付けて管理されている氏名とが一致していると判定することができる。これにより、住民登録外宛名の氏名(かな)のある文字の濁音符が省略されているなどの表現のゆらぎがあっても、氏名(漢字)が一致すれば、氏名が一致しているとみなすことができる。
また、情報処理装置101によれば、住民登録外宛名の日本語表記された住所、市町村コードについて、住基ネット102で管理されている住民票の日本語表記された住所、市町村コードそれぞれとの比較結果の組み合わせに基づいて、個人番号の確度を判定することができる。
具体的には、例えば、情報処理装置101は、日本語表記された住所が一致していなくても、市町村コードが一致していれば、住民登録外宛名の住所と、個人番号と関連付けて管理されている住所とが一致していると判定することができる。これにより、住民登録外宛名の日本語表記された住所に表現のゆらぎがあっても、市町村コードが一致すれば、住所が一致しているとみなすことができる。
また、情報処理装置101によれば、住民登録外宛名の生年月日、性別について、住基ネット102で管理されている住民票の生年月日、性別それぞれとの比較結果に基づいて、個人番号の確度を判定することができる。
より詳細に説明すると、例えば、情報処理装置101は、住民登録外宛名の氏名、住所、生年月日、性別と、住基ネット102において個人番号と関連付けて管理されている氏名、住所、生年月日、性別とが全て一致していると判定した場合に、当該個人番号の確度が高いと判定することができる。これにより、住民登録外宛名に含まれる表現のゆらぎを考慮しつつ、住民登録外宛名に対して確度の高い個人番号を対応付けることができる。
また、情報処理装置101によれば、個人番号の対応付け処理が行われた住民登録外宛名の基本4情報と、個人番号の対応付け処理が行われていない住民登録外宛名の基本4情報とを識別可能に出力することができる。これにより、自治体の職員などが、個人番号の更新対象となる住民登録外宛名について、個人番号の更新状況を個別に確認することが可能となる。
これらのことから、情報処理装置101によれば、住民登録外宛名に対する個人番号の調査事務の効率化を図ることができる。これにより、住民登録外宛名の宛名番号と個人番号との対応付けにかかる手間や時間を削減して、既存の業務システムと、個人番号で個人を特定する他のシステムとの情報連携を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明した個人番号更新方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本個人番号更新プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本個人番号更新プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータに、
住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号の検索依頼を住民基本台帳ネットワークシステムに送信して得られる検索結果を取得し、
取得した前記検索結果において、前記個人情報に対応する個人番号が1件である場合には、当該個人番号を前記個人情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行う、
処理を実行させることを特徴とする個人番号更新プログラム。
(付記2)前記対応付け処理を行う処理は、
前記個人情報に対応する個人番号が1件であり、前記個人情報に含まれる氏名、住所、性別、生年月日が、前記住民基本台帳ネットワークシステムにおいて個人番号と関連付けて管理されている氏名、住所、性別、生年月日とそれぞれ一致すると判定した場合に、当該個人番号を前記個人情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行う、ことを特徴とする付記1に記載の個人番号更新プログラム。
(付記3)前記個人情報は、前記住民登録外宛名の漢字表記された氏名と、かな表記された氏名とを含み、
前記対応付け処理を行う処理は、
前記住民登録外宛名の漢字表記された氏名、または、かな表記された氏名の少なくともいずれか一方が、前記個人番号と関連付けて管理されている漢字表記された氏名、または、かな表記された氏名と一致する場合に、氏名が一致すると判定する、ことを特徴とする付記2に記載の個人番号更新プログラム。
(付記4)前記個人情報は、前記住民登録外宛名の日本語表記された住所と、自治体コードとを含み、
前記対応付け処理を行う処理は、
前記住民登録外宛名の日本語表記された住所が、前記個人番号と関連付けて管理されている日本語表記された住所と一致していなくても、前記住民登録外宛名の自治体コードが、前記個人番号と関連付けて管理されている自治体コードと一致する場合は、住所が一致すると判定する、ことを特徴とする付記2または3に記載の個人番号更新プログラム。
(付記5)前記コンピュータに、
前記対応付け処理が行われた個人情報と、前記対応付け処理が行われていない個人情報とを識別可能に出力する、処理を実行させることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の個人番号更新プログラム。
(付記6)コンピュータが、
住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号の検索依頼を住民基本台帳ネットワークシステムに送信して得られる検索結果を取得し、
取得した前記検索結果において、前記個人情報に対応する個人番号が1件である場合には、当該個人番号を前記個人情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行う、
処理を実行することを特徴とする個人番号更新方法。
(付記7)住民登録外宛名の氏名、住所、性別、生年月日を含む個人情報に対応する個人番号の検索依頼を住民基本台帳ネットワークシステムに送信して得られる検索結果を取得し、
取得した前記検索結果において、前記個人情報に対応する個人番号が1件である場合には、当該個人番号を前記個人情報に対応する個人番号とする対応付け処理を行う、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。