JP6696035B1 - 編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造 - Google Patents

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【課題】ヤーンキャリアで編成する場合、編物の柄の境界に残影の不具合が生じやすい問題を解決する。【解決手段】緯編機編成構造は複数のシンカー11と複数の編針12を含み、これらの編針のそれぞれは1つのシンカーに隣接して設けられ、シンカーのそれぞれは直線変位運動を行うようにガイドされる。緯編機編成構造は、表糸と地糸が給糸される場所で編み針フック内における位置で、ラッチ部で地糸を動かすことにより編糸の位置を変更するように構成されるため、インバースプレイティング編みに迅速に対応でき、織物に不具合が生じることが回避される。【選択図】図4

Description

本発明は、緯編機編成構造に関し、詳しく言えば、編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造に関する。
プレイティング編み(Plating)は添え編みやくるみ編みとも呼ばれ、編成時に、色の異なる2本の編糸(Yarn)を同時に給糸することにより、編成された織物(Fabrics)がその表側(Technical Face)及び裏側(Technical Back)に異なる色を呈する技術をいう。このような織物の色彩や模様を変化に富むものにすべく、従来技術において、編成過程で給糸された2本の編糸の位置を変更することにより、プレイティング編みにおいて表側の色を変えることが提案されていた。当該技術で編成された織物は、その表側が図1に示されるようなものである。上述した編成技術は、本分野でジャカード(Jacquard)編成と称される。
米国特許登録第1666794号、第1950405号、第3157035号、第2616276号、中国特許公開第104532458号、国際特許公開第00/15890号等の特許によれば、従来、ヤーンキャリア(yarn carrier)自体の構造またはそれに組み付けられた構造によって、2本の編糸が給糸される位置を変更するように構成されていた。しかしながら、当該ヤーンキャリアと緯編機が編成を実行する位置との間に一定の距離があるため、ヤーンキャリアにより編糸の位置は直ちに変更できるが、ヤーンキャリアから離隔した複数の編針は位置が変更されない編糸をもつかんでしまうため、編成された織物にはいわば残影の不具合(以下、単に不具合ともいう)が生じるという問題はある。かかる不具合は図2の残影90で示された箇所のようなものである。
上記特許の他にも、例えば、米国特許登録第1977590号、中国実用新案公告第2249253号に掲載されるように、複数種のシンカーにより編糸の入替えを実現するいくつかの実施形態もある。しかしながら、このような実施形態には、当該緯編機において1つの編成部当たりに設定可能な編針数が大幅に低減し、紡績業界に求められる編針数には対応できないという問題がある。
本発明の主な目的は、ヤーンキャリアで編成を実施する従来技術において、織物に残影の不具合が生じやすい、という問題を解決することである。
本発明のもう一つの目的は、従来技術において、編糸の入替えを実施するために複数種のシンカーが必要となるために生じた実際の運用にまつわる問題を解決することである。
本発明は、上記目的を達成するためになされるものであり、編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造を提供する。編成時、表糸及び当該表糸の下方に配置される地糸が給糸される。当該緯編機編成構造は、複数のシンカー及び複数の編針を含み、これらのシンカーのそれぞれは1つの当該編針に隣接して設けられ、当該シンカーのそれぞれは、基部と、当該基部に連結される先端部と、当該基部と当該先端部との間に介在する連結部とを備え、当該シンカーのそれぞれは直線変位運動を行うようにガイドされ、当該直線変位運動の過程において、当該表糸は当該先端部の上方に配置され、当該地糸は当該連結部内に配置される。これらの編針のそれぞれは、フック部及び当該フック部に対して閉鎖動作を行えるラッチ部を備え、当該編針のそれぞれは当該表糸及び当該地糸の当該フック部内における位置を変更することなく標準プレイティング編みを行う第1の目減らし経路、または隣接する1つの当該シンカーにより当該表糸及び当該地糸の位置が限定されない時に当該ラッチ部で当該地糸を動かすことにより当該地糸が当該シンカーの当該先端部に付勢されて当該表糸及び当該地糸の当該フック部内における位置を変更してインバースプレイティング編みを行う第2の目減らし経路を有するように制御され、当該編針のそれぞれが当該第2の目減らし経路において移動する間に当該ラッチ部が当該閉鎖動作を実行するタイミングは当該第1の目減らし経路より前に設定される。
本発明の一実施例による緯編機編成構造において、これらの編針が当該第1の目減らし経路または当該第2の目減らし経路で移動するようにガイドする編針ガイド板、及びこれらのシンカーが当該直線変位運動を行うようにガイドするシンカーガイド板を含む。さらに、当該緯編機編成構造は、当該編針のそれぞれを制御するセレクタを含む。
本発明の一実施例による緯編機編成構造において、当該シンカーのそれぞれは単一の可動経路を有し、当該可動経路において、第1の回収区間、当該第1の回収区間に接続される第1の押出区間、当該第1の押出区間に接続される第2の回収区間、及び当該第2の回収区間に接続される第2の押出区間が繰り返し設定され、当該編針のそれぞれが当該第1の目減らし経路において移動する間に当該ラッチ部が当該閉鎖動作を実行するタイミングは、隣接して設けられる当該ラッチ部の中の1つの当該シンカーが当該第2の回収区間まで移動する時であり、当該編針のそれぞれが当該第2の目減らし経路において移動する間に当該ラッチ部が当該閉鎖動作を実行するタイミングは、隣接して設けられる当該ラッチ部の中の1つの当該シンカーが当該第1の押出区間まで移動する時である。
本発明の一実施例による緯編機編成構造において、当該表糸と当該地糸は色が異なる。
上記本発明の概要によれば、本発明は、従来技術と比べて以下の利点を有する。本発明に係る緯編機編成構造は、当該表糸及び当該地糸が給糸される場所で編糸の位置を変更するように構成されるため、インバースプレイティング編みに迅速に対応可能になり、織物に不具合が生じることが回避される。また、本発明に係る緯編機編成構造は、全体構造の大幅な変更を行うことなく、インバースプレイティング編みに迅速に対応するという目的を達成できる。
インバースプレイティング編みが問題なく実施された織物の表面を概略的に示す図である。 不具合が生じた織物の表面を概略的に示す図である。 本発明の一実施例による緯編機編成構造の構造を概略的に示す図である。 本発明の一実施例における編針及びシンカーの経路の対照図である。 本発明の一実施例におけるシンカーの動作を概略的に示す図である。 本発明の一実施例における第1の目減らし経路において移動する編針の目減らし動作を概略的に示す図である。 本発明の一実施例における標準プレイティング編み時の表糸及び地糸のフック部内における位置を概略的に示す図である。 本発明の一実施例における第2の目減らし経路において移動する編針の目減らし動作を概略的に示す図その1である。 本発明の一実施例における第2の目減らし経路において移動する編針の目減らし動作を概略的に示す図その2である。 本発明の一実施例におけるインバースプレイティング編み時の表糸及び地糸のフック部内における位置を概略的に示す図である。
以下、本発明の詳細及び技術内容を、図面を参照して説明する。
本発明は、図3ないし図5に示すように、編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造10を提供する。当該緯編機編成構造は緯編機の針床20に設けられ、上記緯編機は丸編機であってもよい。緯編機編成構造10は、複数のシンカー11(Sinker)及び複数の編針12を含み、これらのシンカー11は等間隔に設けられ、シンカー11のそれぞれは基部111、基部111に連結される先端部112及び基部111と先端部112との間に介在する連結部113を備える。シンカー11のそれぞれは先端部112の連結部113に対向しない側が編糸支持面114であり、編糸支持面114は平面に限定されず、実施上のニーズに応じて適宜設計することができる。なお、先端部112の末端は編糸押さえ面115であり、本実施例による緯編機編成構造において、編糸押さえ面115は平面に設定されるが、これに限定されず、実施上のニーズに応じて適宜設計することができる。また、本発明による緯編機編成構造において、シンカー11のそれぞれはシンカーガイド板13にガイドされて直線変位運動116を行うことができる。さらに、直線変位運動116は実質的に一次元的な運動である。
図3ないし図6に示すように、これらの編針12のそれぞれは1つのシンカー11に隣接して設けられ、すなわち、編針12のそれぞれはこれらのシンカー11のうちの隣接する2つの間に配置される。編針12のそれぞれはフック部121及びフック部121に対して閉鎖動作を行えるラッチ部122を備える。さらに、編針12のそれぞれが差し出されて編糸を引っ掛ける時、ラッチ部122はフック部121に対して開放される状態であるため、編糸はフック部121内に進入することができる。また、編針12のそれぞれが目減らしを行う時、ラッチ部122は編成された添え糸ループ50の作用によりフック部121に向かって当該閉鎖動作を行って、フック部121の開放されていた部分を閉鎖させる。また、本発明に係る緯編機編成構造において、これらの編針12は図6に示すように、フック部121の開放された部分が隣接して設けられる1つのシンカー11の連結部113に対向するように配置される。また、これらの編針12の移動方向は、直線変位運動116の方向に垂直であり、これらの編針12のそれぞれが編針ガイド板14にガイドされ、すなわち編針のそれぞれ12は第1の目減らし経路40または第2の目減らし経路41において移動するように制御される。さらに、編針12のそれぞれはセレクタ(図示せず)により制御される。編針12のそれぞれが第2の目減らし経路41において移動する間にラッチ部122が当該閉鎖動作を実行するタイミングは第1の目減らし経路40より前に設定される。
図3ないし図5に示すように、緯編機編成構造10は、編成時に、給糸装置(図示せず)から給糸される表糸30及び表糸30の下方に配置される地糸31を受け取る。本発明の一実施例において、表糸30と地糸31は色が異なる。以下、説明の便宜上、これらの編針12が動作していない状態で、シンカー11のそれぞれと表糸30及び地糸31との関係について説明する。これにより、シンカー11のそれぞれはシンカーガイド板13にガイドされて直線変位運動116を行い、直線変位運動116を行う過程で、表糸30は一貫して先端部112の上方に配置され、地糸31は一貫して連結部113内に配置される。また、シンカー11のそれぞれは一次元的な運動しか行うことができない。
図4、図6及び図7に示すように、編針12のそれぞれの作業は、緯編機編成構造10の全体的な作業として説明される。それによれば、編針12のそれぞれが第1の目減らし経路40において移動する時、編針12のそれぞれは表糸30及び地糸31のフック部121内における位置を変更することなく標準プレイティング編み(Standard Plating)を行う。当該標準プレイティング編みとは、織物の表側から見ると、表糸30が地糸31の上方に配置されるプレイティング編みを指す。図8ないし図10に示すように、編針12のそれぞれが第2の目減らし経路41において移動する時、編針12のそれぞれは隣接する当該編針12の中の1つのシンカー11により表糸30及び地糸31の位置が限定されない時、ラッチ部122で地糸31を動かすことにより、地糸31はシンカー11の先端部112に付勢されて表糸30及び地糸31のフック部121内における位置を変更して、インバースプレイティング編み(Interchanged Plating)を行う。当該インバースプレイティング編みとは、当該織物の表側を見ると、表糸30が地糸31の下方に配置されるプレイティング編みを指す。これにより、本発明による緯編機編成構造10において、編糸の位置が変更されるか否かは、これらの編針12は第1の目減らし経路40か、第2の目減らし経路41において移動するかによって決定されることになる。
図4に示すように、本発明による緯編機編成構造において、シンカー11のそれぞれは単一の可動経路42のみを有し、可動経路42には第1の回収区間421、第1の回収区間421に接続される第1の押出区間422、第1の押出区間422に接続される第2の回収区間423、及び第2の回収区間423に接続される第2の押出区間424が繰り返し設定される。ただし、本発明で定義される回収動作とは、シンカー11のそれぞれが表糸30及び地糸31が給糸される場所から離隔する方向に変位することを指し、シンカー11のそれぞれが表糸30及び地糸31から離隔した位置まで変位する時、表糸30及び地糸31の位置はシンカー11により限定されなくなる。また、本発明で定義される押出動作とは、シンカー11のそれぞれが回収動作を完了すると、シンカー11は表糸30及び地糸31が給糸される場所に向かって変位することを指し、シンカー11が表糸30及び地糸31が給糸される場所まで変位する時、表糸30及び地糸31はシンカー11により限定されて位置を変更できなくなる。これにより、本発明による緯編機編成構造において、シンカー11のそれぞれは可動経路42のそれぞれの区間におけるその位置が単一の位置ではなく、連続的に変更するものになる。図6及び図7に示すように、編針12のそれぞれが第1の目減らし経路40において移動する時、ラッチ部122が当該閉鎖動作を実行するタイミングは隣接して設けられる当該ラッチ部122の中の1つのシンカー11が第2の回収区間423まで移動する時である。これにより、表糸30及び地糸31は緯編機編成構造10に給糸される時点の状態で、フック部121に引っ掛けられることになる。なお、図8ないし図10に示すように、編針12のそれぞれが第2の目減らし経路41において移動する時、ラッチ部122が当該閉鎖動作を実行するタイミングは隣接して設けられる当該ラッチ部122の中の1つのシンカー11が第1の押出区間422まで移動する時である。つまり、ラッチ部122が当該閉鎖動作を実行するタイミングは第1の押出区間422の末端点になく、第1の押出区間422においてシンカー11のそれぞれにより表糸30及び地糸31の位置が限定されない段階である。したがって、編針12のそれぞれのラッチ部122が当該閉鎖動作を行う時、地糸31を動かして、地糸31を本来の位置から、隣接する1つのシンカー11の先端部112の変位経路に変位させることにより、当該押出動作を継続的に行うシンカー11は編糸押さえ面115により地糸31を付勢し、1つの編針12のフック部121に引っ掛けられるまで、地糸31の表糸30に対する位置を変更させる。
以上から分かるように、本発明による緯編機編成構造において、表糸30及び地糸31が緯編機編成構造10に給糸される位置で位置の変更を行うことにより、ジャカード編成を実現する。本発明による緯編機編成構造10は、従来技術と比べ、編糸の入替えに直ちに対応できるため、従来技術では編糸の入替えへの対応にスピードが遅いため織物に紋様の不具合が生じる、という問題が解決される。
10 緯編機編成構造
11 シンカー
111 基部
112 先端部
113 連結部
114 編糸支持面
115 編糸押さえ面
116 直線変位運動
12 編針
121 フック部
122 ラッチ部
13 シンカーガイド板
14 編針ガイド板
20 針床
30 表糸
31 地糸
40 第1の目減らし経路
41 第2の目減らし経路
42 可動経路
421 第1の回収区間
422 第1の押出区間
423 第2の回収区間
424 第2の押出区間
50 糸ループ
90 残影

Claims (6)

  1. 編成時、表糸及び前記表糸の下方に配置される地糸が給糸される編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造であって、
    基部と、前記基部に連結される先端部と、前記基部と前記先端部との間に介在する連結部とを備え、且つ、直線変位運動を行うようにガイドされ、前記直線変位運動の過程において、前記表糸は前記先端部の上方に配置され、前記地糸は前記連結部内に配置されるようにそれぞれ構成される複数のシンカーと、
    1つの前記シンカーに隣接して設けられ、前記シンカーの前記直線変位運動の方向に対して垂直に移動する複数の編針であって、フック部及び前記フック部に対して閉鎖動作を行えるラッチ部を備え、且つ、前記ラッチ部の閉鎖動作を実行するタイミングが制御されて前記ラッチ部の閉鎖動作を行う第1の目減らし経路、或いは、前記第1の目減らし経路の前記ラッチ部の閉鎖動作を実行するタイミングよりも早い閉鎖動作を実行するタイミングを発生させて前記ラッチ部の閉鎖動作を行う第2の目減らし経路で移動し、
    前記第1の目減らし経路において、前記編針は、前記表糸及び前記地糸の前記フック部内における位置を変更することなく標準プレイティング編みを行い、
    前記第2の目減らし経路において、前記編針は、隣接する当該編針の中の1つの前記シンカーにより前記表糸及び前記地糸の位置が限定されない時に、前記第1の目減らし経路の前記ラッチ部の閉鎖動作を実行するタイミングよりも前に移動して、前記ラッチ部で前記地糸を動かすことにより前記地糸が前記シンカーの前記先端部に付勢されて前記表糸及び前記地糸の前記フック部内における位置を変更してインバースプレイティング編みを行ことを特徴とする編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造。
  2. 前記緯編機編成構造は、前記複数の編針が前記第1の目減らし経路または前記第2の目減らし経路で移動するようにガイドする編針ガイド板、及び前記複数のシンカーが前記直線変位運動を行うようにガイドするシンカーガイド板を含むことを特徴とする請求項1に記載の編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造。
  3. 前記緯編機編成構造は、前記編針のそれぞれを制御するセレクタを含むことを特徴とする請求項2に記載の編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造。
  4. 前記シンカーのそれぞれは単一の可動経路を有し、前記可動経路において、第1の回収区間、前記第1の回収区間に接続される第1の押出区間、前記第1の押出区間に接続される第2の回収区間、及び前記第2の回収区間に接続される第2の押出区間が繰り返し設定され、前記編針のそれぞれが前記第1の目減らし経路において移動する間に前記ラッチ部が前記閉鎖動作を実行するタイミングは、隣接して設けられる当該ラッチ部の中の1つの前記シンカーが前記第2の回収区間まで移動する時であり、前記編針のそれぞれが前記第2の目減らし経路において移動する間に前記ラッチ部が前記閉鎖動作を実行するタイミングは、隣接して設けられる当該ラッチ部の中の1つの前記シンカーが前記第1の押出区間まで移動する時であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造。
  5. 前記表糸と前記地糸は色が異なることを特徴とする請求項4に記載の編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造。
  6. 前記表糸と前記地糸は色が異なることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の編糸の位置が変更可能な緯編機編成構造。
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