JP6695923B2 - 機能性枕 - Google Patents

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Description

本発明は、多機能性枕に関する。
従来、枕は、布で形成された一又は複数の包袋状のものに、充填材として、穀物種子の外皮(例えば、そば殻、稲もみ殻)、プラスチック形成体又は化学繊維、パンヤ、ビーズ、ウレタンフォーム、動物の毛、植物繊維を充填し、縫製したものが一般的であった。
近年、特許文献1(特開2002−223917号公報)では、人間工学的見地から、頭部、頸部、肩の各部位におけるフィット感を達成し、安定性を発揮させるために、一つの包袋状物ではなく、複数のブロック(小包袋)を組み合わせた枕が提案されている。
また、特許文献2(実開平06−26639号公報)では、後頭部と、首筋部とをそれぞれ個別に、使用者の好む高さ、硬さ、体感等によって調整し、羽毛、パンヤ、ソバガラ、合成樹脂製の繊維及び中空小片の詰め物を用いた枕が提案されている。
さらに、特許文献3(特開2007−097753号公報)では、充填材として、シラス粉末(太古の火山灰)を原料としたシラスバル−ンを充填し、マイナスイオンを発生させる枕が提案されている。
しかしながら、枕の表裏布、小包袋、充填材等を構成する素材にはさらなる改良の余地があり、取り分け、単に頭部、頸部を支える基本的な機能のみならず、様々な機能を伴った枕は未だ十分には開発されていないのが現状である。また、活火山から噴出される火山灰は大量に噴出し蓄積されており、その特性から、寝具(枕)業界におけるその有効活用が今尚要求されている。
また、枕それ自体は、充填材を充填し縫製したものは、その後、分解しなければ、充填材又は縫製布地等を洗浄することができない。このため、枕は、使用期間の長さに応じて、汚れ、臭いが付着し、また、細菌、黴、ウィルス等が繁殖し、或いは、枕形態が変形すること等がある。
よって、今尚、多機能な特性を付与した枕の開発と、活火山の火山灰を有効に利用することが要求されている。
特開2002−223917号公報 実開平06−26639号公報 特開2007−097753号公報
本発明者等は、火山灰について改めて検証した所、休火山の火山灰及び活火山から相当程度昔に噴出された火山灰よりも、活火山から噴出された近年の火山灰が枕に対して極めて優れた機能及び特性を付与すること、貴金属(そのイオン)及びそれを備えた多孔性無機物質が、枕において、優れた防臭、消臭、防菌・黴、防ウィルス性を付与すること、また、流動性パラフィン(特に、特定融点範囲のもの)が枕に対して、優れた蓄熱・放熱特性を付与することを見出したのである。本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
本発明は、以下の態様を提案することができる。
〔1〕 機能性枕であって、
表面と、裏面と、一又は複数の区画とを備えてなり、
前記表面と、前記裏面と、前記一又は複数の区画との少なくとも一つが、活火山の火山灰を備えた物理的化学的素材によって構築されてなり、
前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から100年以内ものであることを特徴とする、機能性枕。
〔2〕 前記一又は複数の区画が、前記機能性枕を正面にして、
一又は複数の小区画を備えた左側区画と、
一又は複数の小区画を備えた中央区画と、
一又は複数の小区画を備えた右側区画とを備えてなるものである、〔1〕に記載の機能性枕。
〔3〕 前記一又は複数の区画が、高さ方向に、一又は複数積層されてなる、〔1〕又は〔2〕に記載の機能性枕。
〔4〕 前記表面と、前記裏面と、前記一又は複数の区画との少なくとも一つが、消臭剤、防ウィルス剤、防菌材、防黴剤又は消毒剤として、Cu、Ag、Zn、Ti、Au、Pt、Mn、Fe及びZr並びにこれら金属のイオンからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物を備えた物理的化学的素材によって構築されてなる、〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載の機能性枕。
〔5〕 前記表面と、前記裏面と、前記一又は複数の区画との少なくとも一つが、蓄熱材及び/又は放熱材として、活火山の火山灰及び/又は流動パラフィンを備えた物理的化学的素材によって構築されてなる、〔1〕〜〔4〕の何れか一項に記載の機能性枕。
〔6〕 前記物理的化学的素材が、化学繊維、発泡体、又は構造体である、〔1〕〜〔5〕の何れか一項に記載の機能性枕。
〔7〕 前記化学繊維が、フィラメント、ステーブル、紡糸、織物、編み物、又は不織布である、〔6〕に記載の機能性枕。
〔8〕 前記発泡体が、ポリウレタン系発泡体、ポリエチレン系発泡体、ポリスチレン系発泡体、ポリプロピレン系発泡体、ゴム系発泡体、シリコンフォーム、メラミンスポンジ、アクリルフォーム、EVA、又はトランスクールである、〔6〕に記載の機能性枕。
〔9〕 前記構造体が、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂とを備えてなるものである、〔6〕に記載の機能性枕。
〔10〕 前記一又は複数の区画又は前記一又は複数の小区画が充填材により充填されてなり、
前記充填材が、〔1〕、〔4〕〜〔9〕の何れか一項に記載の物理的化学的素材により構築されてなる、〔1〕〜〔9〕の何れか一項に記載の機能性枕。
本発明によれば、活火山から噴出された近年の火山灰を採用することにより、従来の火山灰と比較して、多孔性、触媒活性、粘着性、吸着性、物質(アルカリ、酸)交換性、解毒性、固着性、ろ過性、脱臭性、膨潤性、粘性、可塑性、懸濁性、分散性、展延性、光沢性、防菌性、防ウィルス性、防黴性、消臭性、防臭性、防虫性等の優れた特殊性を発揮させることができる。また、活火山から噴出されたばかりの火山灰は、従来の火山灰と比較して、遠赤外線効果(発熱性及び保温性)、イオン発生効果、保湿性、防臭性、消臭性、防菌性、安眠性、姿勢保持性等の効果を高い次元において達成することが可能となる。また、貴金属(そのイオン)及びそれを備えた多孔性無機物質は、優れた防臭、消臭、防菌・黴、防ウィルス性を高い次元において達成することができる。さらに、流動性パラフィン(特に、特定融点範囲のもの)は、優れた蓄熱・放熱特性を高い次元において達成することができる。従って、これらの技術的事項を採用してなる本発明は、従来の枕では実現されていなかった、優れた多種多様な機能を付与することが可能となる。
本明細書に添付される図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明と伴に、本発明の技術的思想をさらに容易に理解させる役割を担うものであるが、本発明は図面に記載された事項に限定して解釈されるものではない。
図1は、本発明による複数の区画を備えた機能性枕を示す斜視図である。 図2は、本発明による複数の区画を備えた機能性枕を示す断面図である。 図3は、図1の底面図であり、充填材を出し入れ可能とした区画を示す図である 図4は、本発明による複数の区画を積層させた機能性枕を示す斜視図である。 図5は、本発明による複数の区画を積層させた機能性枕を示す断面図である。 図6は45度パラレル再放射放装置の概略図である。特開平09−005170号公報の図面を引用したものである。図6中の符号は、本願の符号とは関連性はない。 図7は熱特性を測定する装置の概略図である。 図8は熱特性を測定したサーモグラフィー測定結果である。
〔定義〕
(火山灰)
「火山灰」とは、火山の噴出物(火山砕屑物)の一つであり、主としてマグマが発泡してできる細かい破片のことであり、平均粒径が10mm未満(通常、2〜3mm程度)のものであって、火山ガラス、鉱物結晶などから構成されているものである。マグマが発泡してできる細かい破片には、火山灰以外に、平均粒径の小さい順から、火山塵、(火山灰)、火山砂、火山砂利、火山礫、溶岩が例示されるが、これらの構成は火山灰と同じものである。本発明にあっては、火山灰には、火山塵等をも包含するものであり、かつ、これらを所望の平均粒径とした粉砕(破砕)物も包含するものである。火山灰が堆積したものとして、シラス(火山灰)が存在するが、シラスは一般に、古い(少なくとも3万年前)時代に、火山から噴出され、体積した火山灰である。
(活火山)
「活火山」とは、「概ね、過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」と定義されている(2003年、火山噴火予知連絡会)。活火山には、従来定義されていた「休火山」(文献及び書物による検証可能な歴史時代に噴火記録が記されているが、現在、休止している火山をいう。)をも包含するものである。「活火山」は、2017年6月時点で、気象庁報告によれば、111山が存在する。本発明にあっては、内外国の活火山から噴出した火山灰を使用することができる。活火山は、例えば、日本火山帯を包含する環太平洋火山帯、インドネシア火山帯、地中海火山帯等に属するものが含まれる。日本国内においては、現在、近年、マグマの性質、地球物理学的研究の結果から、東日本火山帯と西日本火山帯の2区分となっている。
しかし、従前では以下に説明する7つの火山帯に属するものが含まれる。千島火山帯(十勝岳、大雪山、雄阿寒岳、雌阿寒岳、羅臼岳、爺爺岳等が例示される)、那須火山帯(尻山、羊蹄山、有珠山、恐山、八甲田山、八幡平、岩手山、秋田駒ヶ岳、栗駒山、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、燧ケ岳、高原山、男体山、赤城山、浅間山島等が例示される)、鳥海火山帯(渡島大島、岩木山、森吉山、鳥海山、月山、浅草岳、守門岳、燧ヶ岳、苗場山等が例示される)、富士火山帯(新潟焼山、妙高山、黒姫山、蓼科山、八ヶ岳、富士山、箱根山、天城山、伊豆大島、三宅島、八丈島、ベヨネース列岩、硫黄島、福徳岡ノ場等が例示される)、乗鞍火山帯(立山、焼岳、乗鞍岳、御嶽山等が例示される)、白山火山帯(白山、大山、三瓶山、鶴見岳、由布岳、九重連山、雲仙岳等が例示される)、霧島火山帯(阿蘇山、霧島山、桜島、開聞岳、薩摩硫黄島、諏訪之瀬島等が例示される)。
〔発明の態様〕
〔機能性枕〕
本発明の一の態様によれば、枕、特に、機能性枕を提案することができ、この枕は、表面と、裏面と、一又は複数の区画とを備えてなり、
前記表面と、前記裏面と、前記一又は複数の区画との少なくとも一つが、活火山の火山灰を備えた物理的化学的素材によって構築されてなり、
前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から100年以内ものであることを特徴とするものである。
前記表面と、前記裏面と、前記一又は複数の区画との少なくとも一つが、活火山の火山灰、消臭剤、形成材等を備えてなる物理的化学的素材によって構築されることにより、遠赤外線効果(発熱性及び保温性)、イオン発生効果、保湿性、防臭性、消臭性、防菌性、安眠性、姿勢保持性等の効果を高い次元において達成することが可能となる。
(複数の区画を備えた機能性枕)
本発明の一の態様は、表面と、裏面と、一又は複数の区画とを備えてなり、特に、前記複数の区画で構成されてなるものが好ましい。特に、前記一又は複数の区画が、前記機能性枕を正面にして、一又は複数の小区画を備えた左側区画と、一又は複数の小区画を備えた中央区画と、一又は複数の小区画を備えた右側区画とを備えてなるものが好ましくは提案される。前記一又は複数の区画(小区画を包含)は、多角形、円形、楕円形等の特定の形状であってよく、好ましくは、四角形(正方形、菱形、長方形等)、三角形、五角形、六角形で形成されてよい。
本発明の一の態様は、図1及び図2を用いて説明することができる。図1に示す通り、機能性枕Aは、複数の区画(a,b,c,d,e,f,g)により構成されてなる。機能性枕Aは、布製袋の表面布1と裏面布2とによって構成される。これによって、先ず、中空の区画を形成し、その後、糸等によって縫製し、或いは接着剤、熱溶融性繊維等を用いて密閉し、複数の区画(a,b,c,d,e,f,g)として構成される。
その際、図2に示す通り、機能性枕Aにおける複数の区画(a,b,c,d,e,f,g)の内側から見て、表面布1が覆われるように天幕状仕切り布4を設け、その際に天幕状仕切り布4は、表面布1の裏側に横幕状仕切り布3の縁部を縫着(接着)し、表面布1の裏側と天幕状仕切り布4の表側との隙間に、(繊維系)多孔質材5を充填して緩衝性区画を設け、天幕状仕切り布4の裏側には、機能性充填材6a,6bを充填して枕として構成される。
図2示す通り、機能性枕Aは、使用の際に、例えば、区画fを使用者Bの首筋部(B2)支持用とし、それ以外の区画(a,b,c,d,e,g)を頭部支持用の所要位置に配置している。特に、機能性枕Aの中央に配置される区画dは、使用者Bの後頭部B1が接触する部分であり、また閉鎖空間区aと閉鎖空間区cは、横向きになった使用者Bの頬B3が接触する部分となる。
図2に示す通り、好ましい態様においては、機能性枕Aの使用者Bの後頭部B1は、天幕状仕切り布4裏側に収容された中空の充填材6b(好ましい一例として、融点22〜37℃のパラフィン系潜熱蓄熱材を含有する合成樹脂からなる中空の充填材)から充分な冷却作用を受け、しかも熱量は緩衝性区画の(繊維系)多孔質材5を介して穏やかに、かつ無駄なく効率よく伝わる。
好ましい態様によれば、使用者Bの首筋部B2は、首筋部支持用の区画fの天幕状仕切り布4の裏側に充填されたクッション性のある緩衝性区画の(繊維系)多孔質材5を介して穏やかに活火山の火山灰から放射される遠赤外線で温められる。
このようにして、使用者は、後頭部を冷却しつつ首筋は温められて快適な睡眠を誘う温度調整が可能となり、また活火山の火山灰又は消臭剤の脱臭性によって枕への体臭の吸着を有効に防止することが可能となる。
(繊維系)多孔質材5は、布団及びぬいぐるみ、枕の詰め物として周知の物を用いることができ、綿及び羊毛等の天然繊維又はポリエステル繊維などの合成繊維であってよい。
(繊維系)多孔質材5は、まとまった状態で適当なクッション性があるように、繊維にカール及びクリンプ(縮れ)を加工により形成したものを使用してもよい。また、粒綿と呼ばれ、例えば粒径3〜7mm程度の粒状にまとめられた綿を用いると、圧縮が繰り返される使用状態でも「へたり」と呼ばれる弾性力の低下した状態を防止し、粒子同士の隙間に含まれる空気量を増加するので好ましいものである。
より好ましい態様によれば、図1及び図2に示す通り、首筋部支持用の区画e,f,gの天幕状仕切り布4の裏側に、活火山の火山灰又は消臭剤を含有する合成樹脂からなる中空の粒状充填材6aを充填し、かつ頭部支持用の区画dの天幕状仕切り布4の裏側には、融点22〜37℃のパラフィン系潜熱蓄熱材を含有する合成樹脂からなる中空筒状の粒状充填材6bを充填し、その他の区画a,b,cの天幕状仕切り布の裏側には、消臭剤を含有する合成樹脂からなる中空の粒状充填材6aを収容するといった形態により構成されてもよい。
前記粒状充填材6a,6bは、枕の詰め物として周知の形状及び大きさに成形された粒状のものを好ましくは使用することができ、クッション性を高める為に、中空粒状、発泡成形体、又は多孔質粒状体を採用することが好ましい。
この中空粒状体は、所定肉厚の殻壁に1以上の開口部を有する球6b、楕円球、殻状、又は多面体状の中空粒体或は筒状の中空粒体6aであれば、樹脂製中空粒体は弾性変形し易くなってクッション性に優れた充填材となり、又は、中空粒状体の集合物内部の空気の流通性によって、放熱作用も優れたものとなる。
別の好ましい態様によれば、図3に示す通り、7つの区画(a,b,c,d,e,f,g)に対応する裏面布2には、それぞれチャック12付きの開口部を設けており、充填材6a,6bを枕に充填する作業を容易行うことができる。また、段差を設けた切込みであってよく、切込み接触部を着脱可能とした素材(例えば、マジックテープ〔登録商標〕等)によって密着させることができる態様のものであってもよい。
(複数の区画を積層した機能性枕)
本発明による機能性枕は、前記一又は複数の区画が、高さ方向に、一又は複数積層されてなる形態のものが好ましくは提案される。このような好ましい態様は、図4及び図5によって概説することができる。図4に示した通り、機能性枕は、略長方形形状の区画X〔一又は複数の小区画を備えた左側区画Xn〕と、複数のYnの区画部Y〔一又は複数の小区画を備えた中央区画Yn〕と、略長方形形状の区画Z〔一又は複数の小区画を備えた右側区画Zn〕として構成することが可能である。図5は、機能性枕の横方向の断面図である。図5に示す通り、機能性枕は、上層、中層、下層として構成することができる。このように、高さ方向に、機能性区画を積層させたものとして構成されてもよい。積層数は、複数であってよく、好ましくは2層以上10層以下であり、より好ましくは5層以下であり、最も好ましくは3層以下である。
また、このような複数の区画を積層したものは、例えば、図5に示す通り、上層部に柔軟かつクッション性を備えた充填材(例えば、ダウン)を充填することにより、図2に示す通り、頭部、頸部、頚椎に、完全にフィットさせることが可能となり、頭部、頸部、肩部における筋肉の弛緩を助け、緊張した筋肉を解し、緩和することが可能となり、安定した睡眠を提供することが可能となる。
〔区画及び充填材〕
(機能性材料:物理的化学的素材)
機能性枕を構成する区画及び充填材は、多種多様な機能性を付与するために、機能性材料(物理的化学的素材)を使用する。
機能性材料(物理的化学的素材)としては、遠赤外線効果(発熱性及び保温性)、イオン発生効果、保湿性、防臭性、消臭性、防菌性、安眠性、姿勢保持性等を付与する様々な物理的化学的素材が用いられ、本発明にあっては、好ましくは、活火山の火山灰又は消臭剤を用いることができる。
(火山灰)
本発明にあっては、活火山の火山灰を用いることができる。活火山の火山灰には、活火山の噴出から100年以上経過したものは使用しない。従って、本発明にあっては、活火山の火山灰には、シラスは含まれないものであり、火山灰であっても区別して使用する。但し、活火山の火山灰を生シラスと呼ぶ場合があり、この生シラスは別称として使用することがある。
活火山の火山灰は、内外国の活火山から噴出したものであればいずれのものを有意に使用することができ、その中でも、日本国霧島火山帯に属する活火山、好ましくは、阿蘇山、霧島山、桜島、開聞岳、薩摩硫黄島、又は諏訪之瀬島であり、より好ましくは鹿児島県に存在する桜島(鹿児島市)、薩摩硫黄島(三島村)、諏訪之瀬島(十島村)、霧島山(霧島市)、口之永良部島(屋久島町)、中之島(十島村)等が例示される。特に、本発明にあっては、鹿児島県に存在する桜島(鹿児島市)、霧島山(霧島市)の活火山から噴出する火山灰が好ましくは用いられる。
本発明にあっては、火山灰は、活火山から噴出されたものであり、噴出時から100年以内、好ましくは、50年以内、より好ましくは10年以内、最も好ましくは5年以内、最高に好ましいものは1年以内(その中でも、6か月以内、より好ましくは噴出したてのもの)を使用することを特徴とする。即ち、本発明の好ましい態様にあっては、火山灰は、活火山から噴出したてのものが一番好ましい(少なくとも1年以内、6か月以内、3か月以内)。本発明者等によれば、噴出したての火山灰は、経年経過した火山灰(例えば、3万年以上経過したシラス台地を形成するシラス)と比較して、その特性及び機能が極めた高いものである。
火山灰の平均粒径(体積平均径MV)は0mm超過10mm以下であり、好ましくは1mm以上6mm以下であり、より好ましくは、2mm以上4mm以下である。火山灰のBET比表面積が、0S(m/g)超過100S(m/g)以下であり、好ましくは、10S(m/g)以上60S(m/g)以下であり、より好ましくは20S(m/g)以上50S(m/g)以下である。BET法は、窒素(N)気体分子を用いた気体吸着法によって、BET計算式に、圧力(P)と吸着量(V)を導入し、単分子吸着量(Vm)を求めた後、窒素(N)気体分子の吸着断面積(Am)から、BET比表面積=(Vm×N/M)×Am〔Nはアボガドロ数であり、Mは気体分子の分子量である〕によって算出することができる。
活火山から噴出した火山灰は、以下の〔表1〕に記載した各成分組成を有するものであり、本発明にあっては、これら成分を組成含有量で包含したものが最も好ましい。活火山から噴出した火山灰は、風化火山灰、シラス台地を形成したシラスと比較して、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの含有量が少なく、酸化鉄、酸化カルシウムの含有量が多いという特徴を有する。
Figure 0006695923
(消臭剤、防ウィルス剤、防菌材、防黴剤、消毒剤)
枕は睡眠という日常において使用するものであり、本発明による機能性枕は、好ましくは、臭い、ウィルス、細菌、黴等の人体に悪影響を及ぼすものの発生要因を排除させるものとして構成されてなるものが好ましい。一方、機能性枕は、人体が日常的に使用するものであることから、可能であれば、人体に悪影響を与えるものの使用は排除すべきである。従って、本発明にあっては、人体に悪影響及び副作用を起こさない、消臭剤、抗ウィルス剤、抗菌剤、殺菌剤、消毒剤等を用いることが可能である。
これらの剤としては、本発明にあっては、好ましくは、金属、取り分け、遷移金属、より好ましくは貴金属及びこれらの金属イオンを使用することが好ましい。好ましい金属としては、例えば、Cu、Ag、Zn、Ti、Au、Pt、Mn、Fe及びZr並びにこれら金属のイオン(好ましい)からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が挙げられ、好ましくは、Cu、Ag、Zn及びTi並びにこれらの金属イオンからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が挙げられ、より好ましくはAg又はAgイオンが挙げられる。
消臭剤、防ウィルス剤、防菌材、防黴剤、消毒剤として使用する金属及び金属イオンは、後記する化学繊維、充填材、構造体等として使用される。本発明のこのましい態様によれば、金属及び金属イオンは、吸着剤に担持させ安定化させた状態で、化学繊維(布、織物、不織布)、充填材として構成されてなることが好ましい。吸着剤による吸着除去と金属イオンによる化学変性の両者による病原体の不活性化が行われる点、及び、金属イオンが着用者に直接接触することを防止し、金属アレルギーを有効に回避することができる点で好ましい。
吸着剤としては、多孔質である無機物質又は有機物質が挙げられ、人体に対する悪影響を与えないようにするために、多孔質無機物質が好ましくは利用される。多孔質無機物質としては、例えば、ゼオライト、ドロマイト、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、活性炭、活性アルミナ、二酸化チタン、シラスバルーン、シリカゲル及びモレキュラーシーブからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が挙げられ、好ましくは、ゼオライト、ドロマイト、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、活性炭及び活性アルミナからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が挙げられる。
金属又は金属イオンを多孔質物質に担持する方法は、多孔質物質に、金属(イオン)溶液を浸漬し担持する方法、或いは、多孔質物質と金属(イオン)とを混合し、多孔質細孔に担持(固定)させる方法等が可能である。また、多孔質物質と金属(イオン)とをメカニカルアロイに類似した混合方法を用いて、一種の合金形態として形成させてもよい。
(化学繊維)
機能性(物理的化学的)素材は、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等を包含し、化学物質等とで構成されてよく、例えば、化学繊維として構成されてよい。従って、本発明による機能性枕は、この化学繊維を用いた織物又は布等によって、中空の一又は複数の表面又は裏面と、一又は複数の充填材として構成されてよい。化学繊維とする場合、火山灰又は消臭剤等の含有量は、化学繊維全質量に対して、0質量%超過70質量%以下であり、下限値が好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、上限値が好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
「精製繊維(天然高分子)」としては、セルロース系繊維(リヨセル、テンセル)が例示される。精製繊維の製造の一例としては、原料である木質パルプを溶剤(人体に無害)で溶解し、化学薬剤による処理を経ることなく、フィルター等でろ過した後、パルプの不純物を取り除いた天然高分子に、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等、必要に応じて添加剤を添加して調製した混合物を、ノズルを介して又は複数の所望の口径を有する細孔(口金)から押し出して得ることができる。
「再生繊維(天然高分子)」としては、セルロース系繊維(レーヨン、ビスコースレーヨン、ポリノジック、キュプラ、銅アンモニアレーヨン)、タンパク質系繊維(カゼイン繊維、落花生タンパク繊維、とうもろこしタンパク繊維、大豆タンパク繊維、再生絹糸)、その他の繊維(アルギン繊維、キチン繊維、マンナン繊維、ゴム繊維)等が例示される。
「再生繊維」の製造の一例としては、精製繊維の製造において、化学薬剤による処理を施すことのみが異なる。例えば、木材パルプ、木綿、ゴム等の植物を原料として、天然セルロース(タンパク質等)を水酸化ナトリウム(N−メチルモルホリン−N−オキシド又は銅アンモニア溶液等)処理又は溶解し、レーヨンの場合、二硫化炭素等と反応させてセルロース誘導体等を調製し、これをアルカリ溶液等に溶解させて原液とし、この原液に、火山灰、必要に応じて添加剤を添加して調製した溶液を、ノズルを介して又は複数の所望の口径を有する細孔(口金)から酸性浴中に押し出して得ることができる。
「半合成繊維(半合成高分子)」としては、セルロース系繊維(アセテート、トリアセテート、酸化アセテート)、タンパク質系繊維(プロミックス)、天然ゴム系繊維(塩化ゴム、塩酸ゴム)等が例示される。
「半合成繊維」の製造の一例としては、再生繊維において、化学的改質又は化学物質との反応を通じて、繊維を得るものであり、原料由来の化学物質に再生するものではない点で異なる。例えば、木材パルプ、たんぱく質含有まめ科植物、ゴム等の植物を原料として、セルロース、ガゼインタンパク質、ゴムを、(無水)酢酸等で処理して改質し、これをアセトン等の溶剤に溶解し、ろ過して原液とし、この原液に、火山灰、必要に応じて添加剤を添加して調製した溶液を、ノズルを介して又は複数の所望の口径を有する細孔(口金)から吐出させて、溶媒を蒸発させて得ることができる。
「合成繊維(合成高分子)」としては、ポリアミド系繊維(ナイロン、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ナイロン)、芳香族ポリアミド系繊維(アラミド)、ポリビニルアルコール系(ビニロン)、ポリ塩化ビニリデン系(ビニリデン)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル)、ポリエステル系繊維(ポリエステル)、ポリアクリロニトリル系繊維(ポリアクリロニトリル繊維、モダクリル繊維)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレンル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維)、ポリエーテルエステル系繊維(レクセ、サクセス)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタン)、ポリイミド系繊維(ポリイミド)、アクリレート系繊維、エチレンビニールアルコール系繊維、ポリクラール系繊維等が例示される。
「合成繊維」の製造の一例としては、化学的に合成した高分子を原料として、溶剤に溶解したものに、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等、必要に応じて添加剤を添加して調製した溶液を、ノズルを介して又は複数の所望の口径を有する細孔(口金)から吐出させて、溶媒を蒸発させて得ることができる。
化学繊維の製造方法においては、上記した通りであるが、大別すれれば、溶融方法(紡糸)、湿式方法(紡糸)、乾式方法(紡糸)の3つである。「溶融方法」は、一般に、熱可塑性を示す高分子、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンを溶融し、溶剤に溶解することなく、ノズル又は口金より吐出させて製造する方法であり、簡易簡便であり、製造コストが低廉となる製造方法である。「湿式方法」はポリマーを溶剤に溶かして凝固剤と呼ばれる液体の中で繊維を製造する方法であり、アクリル、レーヨン、ビニロン等を製造する方法である。「乾式方法」は、気化しやすい溶剤にポリマーを溶かし、空気中で紡出しながら熱を加えて溶剤を気化させて製造する方法である。アセテート、ポリウレタン、アクリル等を製造する方法である。これら以外に、延伸を利用した「ゲル紡糸」、液晶配向性を利用した「液晶紡糸」等が挙げられる。
化学繊維は、フィラメント(長繊維:マルチフィラメント、単繊維:モノフィラメント)、ステープル(短繊維)であってよい。また、紡糸後に、延伸(引き伸し、適度な強さと伸度を繊維に付与する処理)を行ってよい。また、撚り、延伸等を行う作業として、延伸糸(FOY)、半延伸糸(POY)、延伸加工糸(DTY)を行ってもよい。さらに、紡糸後、紡績(ステープルを紡いで糸にすること)、混紡(二種以上の異なったステープルを混ぜ合わせて紡績すること)、撚糸(フィラメント糸及び紡績糸に撚りをかけること)、交撚(二種類以上のちがった種類の糸を混ぜながら撚りをかけること)等を行って、所望の繊維(糸)とすることができる。また、繊維の断面もまた、円形、楕円形、多角形、Y字形、星形等の様々な形状とすることができ、触感、風合、光沢、色彩等を改善することができる。また、繊維の中を空洞とした中空繊維として構成することができ、所望の機能(放熱性、保湿性、蓄熱性、防音性等)を発揮させることができる。
化学繊維は、紡糸、糸とした後に、「織物」、「編物」、「不織布」として、布地、生地とすることができる。また、布地、生地は、染色、浸染、捺染等により着色してもよい。さらに、布地、生地は、防縮加工、防皺加工、防水加工、透湿防水加工、撥水加工、吸水加工、防汚加工、難燃加工、帯電防止加工、防虫加工、防カビ・抗菌防臭加工、消臭加工等の様々な用途に合わせた加工を行ってもよい。
化学繊維は、透湿防水素材、保温素材、蓄熱保温素材、放熱材、吸湿発熱素材、遠赤外線加工繊維、抗菌防臭加工素材・制菌加工素材、研磨素材、消臭加工素材、防ダニ加工素材、抗アレル物質対策素材、花粉防止素材、帯電又は制電素材、熱融着素材、難燃・防災素材、紫外線遮蔽素材、ストレッチ素材、形態安定素材、安眠性付与材、姿勢保持性材等に使用することができる。
本発明にあっては、化学繊維は、本発明による機能性枕の構成材(表面、裏面、区画、充填材)として使用される。しかし、化学繊維の形態、例えば、糸、布地等である場合には、製品を構成する外包布及び縫製用糸として利用することができる。具体的には、枕を構成する外包布として構成し、製品の縫製糸として構成することができる。当該外包布として構成し、枕製品の縫製糸として構成することができる。活火山から噴出した火山灰又は消臭剤等を含んでなることから、保温性、発熱性、蓄熱性、脱臭性、撓み性、展延性、防菌性、防虫性、触媒活性、吸着性、物質(アルカリ、酸)交換性、解毒性、ろ過性、安眠性、姿勢保持性等の優れた特殊性を発揮させることができ、消費者に複数の機能性枕を提供することが可能となる。
(充填材)
機能性素材(物理的化学的材料)は、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等を包含し、化学物質等とで構成されてよく、例えば、充填材(発泡体)として構成されてよい。これは、本発明による機能性枕の充填材として使用されてなり、機能性充填材、形成材、姿勢安定材等として機能させることが可能である。
発泡体とする場合、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等の含有量は、発泡体全質量に対して、0質量%超過70質量%以下であり、下限値が好ましくは4質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、上限値が好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
発泡体(発泡プラスチック)は、高分子発泡体とも云われるものであり、原料である高分子(例えば、化学合成樹脂)中にガスを細かく分散させ、発泡状(フォーム)又は多孔質形状に成形されたものをいう。発泡体には、原料によって、ポリウレタン系、ポリエチレン系、ゴム系、その他の発泡系に大別される。本発明における発泡体は、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等、必要に応じて添加剤を包含した上で、発泡体として構成される。以下、発泡体の構成について説明するが、当然に、上記火山灰を包含することは言うまでもない。
発泡体(発泡プラスチック)は、低分子量のオリゴマー、高分子を注型する際に発泡させる「注型発泡成形法」、加熱などにより流動性を持った状態で発泡させる「溶融発泡成形法」、固体またはそれに準じる状態で発泡させる「固相発泡成形法」によって形成することができる。
《ポリウレタン系発泡体》
「ウレタン系発泡体」は、ポリオールとイソシアネートを主成分として、発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤などを混合し樹脂化させながら発泡させた発泡体である。ウレタンフォームは、エーテル系ウレタンフォームと、エステル系ウレタンフォームとに分類される。成分の配合を変えることにより、高弾性、低反発、吸音特化、導電性等の機能性を持たせることができる。
「軟質ウレタンフォーム(軟質PUF)」は、気泡が連続し柔らかく、復元性のあるウレタンフォームであり、発泡倍率は10〜60倍であり、密度は16〜100kg/m程度であるとされています。この中でも、密度が20±5kg/m程度、硬さ75〜120N程度の軟質ウレタンフォームを汎用ウレタンフォームという。
「軟質ウレタンフォーム(軟質PUF)」は、注型発泡成形法のうち、発泡製造体(スラブ)を後加工するブロック法と型内で発泡成形するモールディング法が用いて製造されるのが一般的である。ブロック法は、合成樹脂と活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等を混合した原料を吐出して自由発泡させ、角状またはカマボコ状の塊状フォームを用いて製造することができる。
「高質ウレタンフォーム(高質PUF)」は、汎用ウレタンフォームと比較し、高い反発弾性、早い変形戻り性を特徴としているウレタンフォームである。「高質ウレタンフォーム(高質PUF)」は、その密度が35±5kg/m程度、硬さ150N程度の軟質ウレタンフォームである。
「高質ウレタンフォーム(高質PUF)」は、注型発泡成形法の様々な手法が用いられる。その際、全原料を一度に混合発泡させるワンショット法と、イソシアネートを除いた原料だけをすべて混合させた液体と、イソシアネートを別々に準備し、それらを合わせて混合発泡させるプレミックス法がある。ブロック法及びモールディング法は軟質PUFフォームの製造法に準じるが、クラッシング工程は無い。モールド法では比較的緻密なスキン層が形成されるため、金属部品などのインサート成形が可能となり、耐水性も向上する。
「ウレタン系発泡体」には、上記の他に、低反発ウレタンフォーム、半硬質ウレタンフォーム、ウレタンチップフォーム、エステル系ウレタンフォーム、導電性・帯電防止ウレタンフォーム、吸音ウレタンフォーム、ウォーターシールウレタンフォーム、フィルターウレタンフォーム、マイクロセルウレタンフォーム、熱圧縮ウレタン等が挙げられる。
《ポリエチレン系発泡体》
「ポリエチレン系発泡体」は、吸水性が低く、可撓性と、圧縮強度に優れるものである。「ポリエチレン系発泡体」は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、リニアポリエチレン等のポリエチレンを主原料とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン共重合体を使用する。発泡剤は、分解型有機系ではアゾジカルボンアミド及びN,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等、揮発性ではブタン及びペンタン等の炭化水素類またはハロゲン化炭化水素類、不活性ガスでは二酸化炭素及び窒素などが使われる。架橋発泡法における架橋剤には、ジクミルパーオキサイドなど有機過酸化物系が使用される。
「ポリエチレン系発泡体」は、溶融発泡成形法で製造することができる。ポリエチレン(PE)に、発泡剤、火山灰を混合し、再度加熱する手法である。「ポリエチレン系発泡体」には、上記の他に、PEライト、PEライトZ、サンペルカペフ、ソフトロン、オプセル、ゴムライクポリエチレン、導電性及び帯電防止ポリエチレン、連続気泡ポリエチレン、環境型ポリエチレン等が挙げられる。
《ポリスチレン系発泡体》
「ポリスチレン系発泡体」は、「発泡スチロール」とも呼ばれるものである。一般に、汎用ポリスチレンを主原料とし、発泡剤にはPSの軟化点よりも沸点が低い炭化水素類(プロパン・ブタン・ペンタン・ヘキサン・ヘプタン・シクロヘキサン等)を単体または混合して用いる。これに火山灰を混合し、気泡を形成する。
「ポリスチレン系発泡体」は、押出成形(XPS、PSP)において、均一で微細な気泡をつくるために、無機ではシリカ及びタルク粉末、有機ではクエン酸−重曹の併用、及び反応系化合物などが核剤として利用される。発泡剤は蒸発型(低沸点溶剤活用法)と分解型(化学反応ガス活用法)が使われるが、分解型は窒素及び二酸化炭素など発生するガスがPSを透過しやすく発泡倍率を上げにくい。
《ポリプロピレン系発泡体》
「ポリプロピレン系発泡体」は、ポリプロピレン(PP)を原料として用いたものであり、比較的耐熱性が高いものである。「ポリプロピレン系発泡体」は、ポリプロピレン(PP)に、架橋剤、火山灰を混合し、加圧発泡法によって製造される。
《ゴム系発泡体》
「ゴム系発泡体」は、合成ゴム又は特殊ゴムに、有機系発泡剤などの諸原料を混合し、熱分解させて製造されるものであり、軽量で強靱な材質を有する。「ゴム系発泡体」は、ゴム(合成)に、架橋剤、発泡剤、火山灰を混合して、加熱、気泡を形成させて製造することができる。「ゴム系発泡体」には、CR系ゴムスポンジ、NR系ゴムスポンジ、NBR系ゴムスポンジ、EPDM系ゴムスポンジ、エプトシーラー、ルシーラ、オプシーラー、ゴムチップスポンジ等が例示される。
《その他の発泡体》
その他の発泡体として、シリコンフォーム、メラミンスポンジ、アクリルフォーム、EVA、トランスクール等が挙げられ、上記した製造方法によって製造される。
(構造体)
物理的化学的素材は、上記火山灰を包含し、化学物質等とで構成されてよく、例えば、構造体として構成されてよい。構造体は区画用材(表面又は裏面用材)或いは充填材として使用することができ、特に、柔軟剤、軟硬質材、姿勢安定形成材、枕形状安定材等として使用することも可能である。
「構造体」とする場合、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等の含有量は、発泡体全質量に対して、0質量%超過70質量%以下であり、下限値が好ましくは4質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、上限値が好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
「構造体」は、化学物質(高分子化合物)と、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等とを包含して、特定の形状を形成させたものとして構成されてよい。また、「構造体」の形態は、多角形、円柱、球、円錐、多角錘等であってよく、シート状、フィルム状、又は中空体であってよい。
「構造体」は、高分子化合物(例えば、樹脂)と、活火山の火山灰、消臭剤等、流動パラフィン等と、硬化剤、重合開始剤、その他添加剤を混合し、加熱及び加圧することにより製造することができる。樹脂には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の二つに大別される。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)等が例示される。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、テフロン〔登録商標〕(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等が例示される。
熱可塑性樹脂を用いる場合には、原料混合物を、加温し軟化した後に、金型に押し込み、冷し固化させて最終製品とする射出成形加工等が広く用いられている。熱可塑性樹脂の特性から、熱硬化性樹脂よりも靭性が優れ、成形温度は高いが短時間で成形できるので生産性が優れる。
「エンジニアリングプラスチック」として形成する場合には、原料として、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリエステル(PEs)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、環状ポリオレフィン(COP)等が原料として用いられる。
「スーパーエンジニアリングプラスチック」として形成する場合には、原料として、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が例示される。
(その他の機能性充填材)
機能性充填材として、先にも述べたが、樹脂製の中空粒状充填材が好ましくは用いられる。この中空粒状充填材は、その粒状の殻壁が、肉厚0.1〜0.5mm程度の薄肉のものが好ましい。この中空粒状充填材は、樹脂中に分散させる機能性材料(潜熱蓄熱材、放熱材)が、樹脂を介して熱を穏やかに伝えやすく、使用者の頭部に心地よい温感及び冷感を与えることができるので好ましい。この機能性充填材の好ましい態様について以下に概説する。
(1)(潜熱)蓄熱性及び/又は放熱性を有する粒状充填材((潜熱)蓄熱材及び/又は放熱材)として、活火山の火山灰粉末を含有する合成樹脂からなる中空の粒状充填材
活火山の火山灰粉末は、体温で35〜37℃程度に加熱された状態で、遠赤外線をできるだけ効率よく発生させることができるものであることが好ましい。
また、特に、活火山の火山灰粉末は、その多孔性成分によって、消臭性、脱臭性をも達成する。
合成樹脂としては、適度に柔軟で弾性変形する合成樹脂を採用することが好ましく、特に所定の樹脂に限定されるものではないが、例えば軟質ポリエチレン、エチレンビニルアルコール(EVA)樹脂その他のポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱可塑性エラストマーその他ゴムを含めたエラストマー樹脂、若しくはこれら各種ポリマーの共重合体又はこれらの二種以上が混合物が挙げられる。
このような樹脂に対する活火山の火山灰又はシラス粉末の配合量は、例えば1〜30質量%であれば充分な作用を発揮させることができ、好ましくは2〜6質量%の配合量によって効率の良い蓄熱性および放熱性を発揮できる。
(2)(潜熱)蓄熱性及び/又は放熱性を有する粒状充填材が、(潜熱)蓄熱材及び/又は放熱材を含有する合成樹脂からなる中空の粒状充填材
(潜熱)蓄熱材は、枕を冷却するために使用できる周知の素材であればよく、特に種類を限定したものでなくてもよいが、万一にも皮膚に触れた場合の安全性を考慮すると、融点22〜37℃のパラフィン系潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセル粉末を分散状態で保持させた粒状充填材が好ましものとして例示される。
潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルは、イン−サイチュ重合法などによってメラミン樹脂等の樹脂その他の高分子からなる膜形成材料を用い、周知のマイクロカプセル化技術により製造できる。
融点22〜37℃のパラフィンとしては、常温で液体であり、例えば高沸点の鎖状または環状(ナフテン系)の炭素数17〜20のアルカン飽和炭化水素の混合物である流動パラフィンが使用可能である。
パラフィン系潜熱蓄熱材が上記の融点を有するものであることにより、即ち、融点が22℃以上であることにより融解する可能性がなく、枕を使用する際の冷却機能を十分に発揮させることが可能となる。また、融点が37℃以下であることにより、通常の体温(36℃程度)における体温の冷却機能を充分に発揮することができる。取り分け、晩春から初秋等の、比較的高温の室内における使用状態を考慮すると、融点22〜37℃のパラフィンである、パラフィン系潜熱蓄熱材の採用が好ましい。
このパラフィン系潜熱蓄熱材としては、例えば、所謂、流動パラフィン(アルキルナフテン炭化水素の混合物)が挙げられる。流動パラフィンは、例えば、原油の蒸留によって沸点330〜390℃のスピンドル油からエンジン油の留分を抽出し、溶剤抽出又水素化によって不飽和炭化水素と芳香族炭化水素を除き、発煙硫酸で繰り返し精製し、中和した後、活性アルミナなどで吸着処理して得られる。
このパラフィン基原油を原料とする流動パラフィンは、通常、炭素数が15〜2
0程度の鎖状アルカンを主成分とし、ナフテン基原油を原料とするものであれば、前記同程度の炭素数のシクロアルカンを主成分としてもよい。
この潜熱蓄熱材は、例えばマイクロカプセル粉末として、その所定量をポリエチレン等の中空粒体を成形するための樹脂に練りこみ、成形することにより粒状充填材が得られる。成形方法としては、上記に記したが、例えば、押出成形、中空成形(ブロー成形、真空成形)、射出成形その他、使用する樹脂に適当な成形方法を採用可能である。
中空粒体を形成する樹脂は、上記(1)で説明した合成樹脂と同様であってよい。
潜熱蓄熱材の合成樹脂への配合量は、5〜30質量%であることが好ましい。上記所定量未満の少量では、中空粒体の集合物が充分に蓄熱性を発揮できず、充分な冷感を得ることが困難になり、上記所定量を超える多量を配合してもそれ以上の冷感作用の改善は認められず、添加効率が低下して実用性が低下するからである。このような傾向から、より好ましいマイクロカプセル粉末の添加量は、10〜25質量%であり、通常、15〜20質量%を目安に添加して好ましい結果を得ている。
(その他の材)
本発明にあっては、充填材として、上記した本発明を構成する者以外に、穀物種子の外皮(例えば、そば殻)、プラスチック形成体又は繊維、パンヤ、ビーズ、ウレタンフォーム、動物の毛、植物繊維、シラス等を用いることが可能である。
本発明の実施態様の一例を以下に説明するが、本発明の範囲は、これら実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明は、本明細書全体を一読することにより、かつ、以下の実施例により、本発明による課題を解決し、かつ、当業者が本発明の内容を全て容易に実施することができるものである。
〔機能性材料〕
(火山灰/シラス)
実施例
活火山の火山灰として、日本国鹿児島県の活火山である桜島から噴出して約3か月以内のものを採取した微細粒子のものを使用した。
比較例
シラスは、日本国鹿児島県の大地を形成するシラス台地(約3万年前の火山灰:C14年代測定法により年代を測定済み)から採取した微細粒子のものを用いた。
実施例及び比較例ともに、微細粒子の平均粒径等の物性は略同じものであった。
(消臭剤、防ウィルス剤、防菌材、防黴剤、消毒剤)
Ag金属と、ゼオライトとの混合物を粉砕し、攪拌混合することで得た、平均粒子径がナノメートオーダーとなるAgゼオライト混合物粒子を調製した。
(潜熱材又は放熱材)
融点が22℃〜37℃である流動パラフィンを使用した。
〔機能性材料の調製〕
(1)繊維布地(区画又は充填材用)
N,N−ジメチルホルムアミド溶媒に、ポリマー原料として、ウレタン結合(−O・CO・NH−)を有する芳香族イソシアネート化合物と、実施例による活火山の火山灰微細粒子又は比較例によるシラス微細粒子をそれぞれ30質量%添加した原料組成物を、湿式紡糸し、編み上げて、目付が約500g/mであり、厚さが約1mmのウレタン化学素材(繊維布地)を調製し、それぞれ、実施例1及び比較例1とした。
(2)火山灰中空ビーズ(充填材用)
ポリエチレンと、実施例による活火山の火山灰微細粒子又は比較例によるシラス微細粒子を、それぞれ4質量%添加した原料組成物を、形成機器に導入処理して、中空形状に成型した、ポリオレフィン化学素材(構造体:中空ビーズ)を調製し、実施例2及び比較例2とした。中空ビーズは、縦×横×厚さが約2cm×約2cm×約1.3cmであり、中空構造であり、ビーズ膜厚は約0.5mm程度のものであった。
(3)Ag金属中空ビーズ(充填材用)
ポリエチレンと、実施例によるAgゼオライト混合物粒子を、4質量%添加した原料組成物を、形成機器に導入処理して、中空形状に成型した、ポリオレフィン化学素材(構造体:中空ビーズ)を調製し、実施例3とした。機能性材料を一切包含せずに、ポリエチレンのみで形成した中空ビーズを比較例3とした。中空ビーズは、縦×横×厚さが約2cm×約2cm×約1.3cmであり、中空構造であり、ビーズ膜厚は約0.5mm程度のものであった。
(4)機能性充填材(充填材用)
ポリエチレンに、融点が22℃〜37℃である流動パラフィン約30質量%を混合分散させた原料組成物を、形成機器に導入処理して、中空形状に成型した、ポリオレフィン化学素材(構造体:中空粒状充填材)を調製し、実施例4とした。中空粒状充填材は、縦×横×厚さが約2cm×約2cm×約1.3cmであり、中空構造であり、膜厚は約0.5mm程度のものであった。
〔評価試験〕
〔評価1:熱再放射特性評価〕
〔評価方法1〕
45度パラレル再放射法〔遠赤外線協会(一社) 認定規則に準じた〕を用いて、実施例1及び比較例2について評価した。
45度パラレル再放射法は、図1に概説した装置を用いて行った。この測定装置は測定台1上に配置された試料3を載置する試料台4、測定台枠2に設置された該試料3を加熱するヒーター5、該試料から放射される遠赤外線量を測定するサーモグラフィカメラ6およびモニター装置7から構成されてなる。試料3は測定試料(実施例1)と対照試料(比較例2)とからなり、サーモビュアにより両試料の表面温度を、15、30、60、120、T∞(s/秒)毎に、5回(n=5)測定し、温度差(ΔT)を求めた。試験は、左右入れ替えて2回行った。測定結果は、下記〔表2〕の通りであった。
〔評価結果1〕
ΔT=0.6℃(n=5)であった〔信頼限界99%(Pr:0.01)で有意差が認められた〕。
よって、実施例1は、比較例1と比べて遠赤外線量が高いことが理解された。即ち、実施例1の布地は、比較例1の布地と比べて、広い波長領域の遠赤外線に対して吸収・再放射特性(遠赤外線効果)を高めて、保温性を極めて高い次元において向上(達成)させたことが理解された。
Figure 0006695923
〔評価2:熱特性評価〕
〔評価方法2〕
図2に概説した表面温度測定装置を用いて、実施例2及び比較例2について熱特性評価を行った。この測定装置は試料台上に配置された、試料(実施例2及び比較例2)の中空ビーズを各々、縦5個、横6個合計30個並べて配置した。下記〔評価条件2〕により、レフランプを照射した時の試料表面温度をサーモカメラにて経時的に測定した。測定は、試料(実施例2と比較例2)との位置(左右)を入れ替えて、2回行って、その測定データは平均値として結果とした。
〔評価条件2〕
使用ランプ:岩崎電機(株)製 アイランプ<スポット>PRS100V500W
照射 距離:50cm
照 射 面:表面側
照射 時間:15分間
試験室温度:20±2℃
サーモカメラ:フリアーシステムズジャパン(株)製 FLIR T430sc(放射率0.94)
〔評価結果2〕
経時変化による表面温度の結果は以下の〔表3〕、〔表4〕及び〔図3〕に記載した通りであった。なお、〔表3〕及び〔表4〕は、〔図2〕の測定装置におけるサーモ画像中(例えば、〔図3〕)の平均温度である。平均温度は、試料台の温度を包含することを考慮し算出したものである。
〔表3〕、〔表4〕及び〔図3〕に記載した通り、実施例2は比較例2と比べて、経時的変化による熱吸収性(熱特性)が極めた高いことが理解された。
Figure 0006695923
Figure 0006695923
〔評価3:保湿性評価〕
〔評価方法3〕
実施例1及び比較例1の布地から同一基準の試験片を作成し、各資料を乾燥機で乾燥状態にした後に、それぞれの質量を測定した。40℃×90%RHの下で吸湿させた後、1〜4時間経過後の各資料の質量を測定した。その後、20℃×65%RHの下で放湿させた後、1〜4時間経過後の各資料の質量を測定した。
〔評価結果3〕
評価結果は、下記〔表5〕及び〔表6〕(グラフ)の通りであった。〔表5〕及び〔表6〕に記載された結果の通り、実施例1は比較例1と比べて保湿性が極めて高いことが理解された。
Figure 0006695923
Figure 0006695923
〔評価4:防臭性・消臭性評価〕
繊維評価技術協議会(一社)におけるSEKマーク繊維製品認証基準(消臭性試験)における官能評価試験に準じて行った。
〔評価方法4〕
1)汗臭として、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸の混合物を用意した。
2)加齢臭として、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールの混合物を用意した。
実施例1〜3、比較例1及び比較例2の各々約10gに対して、総質量1.0g程度の試料を調製し、臭気強度3.5相当の濃度となるように、上記1)及び2)の臭気成分とともに、500mlの三角フラスコに入れて密閉した。密閉後2時間経過した後に、三角フラスコ内の雰囲気臭を基準臭気(臭気強度2.0相当)と比較して、パネラー(出願人の従業員18歳から65歳までの男女5名ずつ合計10名)によって評価した。評価は、下記〔評価基準4〕によって行った。
〔評価基準4〕
2時間後の臭気について基準臭気との比較において以下の基準に該当する人数によって評価した。その結果は下記〔表7〕に記載した通りであった。
評価◎:2時間後の臭気が無かった。
評価○:2時間後の臭気が基準臭気と同程度であった。
評価△:2時間後の臭気が基準臭気超えたものであった。
〔評価結果4〕
実施例1〜3は、10名全員が臭気がなかったと判断した。一方、比較例1及び比較例2は、基準臭気と同程度であり、或いは、基準臭気を超える臭気が残存したと判断した。
よって、実施例は、比較例と比べて、防臭性及び消臭性が高いことが理解された。
Figure 0006695923
〔機能性枕の保温性・蓄熱性、放熱性、消臭性評価〕
(枕の調製)
実施例A
図4に示す、左側区画(X)と右側区画(Z)それぞれ一つずつを高さ方向に二層にし、かつ、3つの小区画を備えた中央区画(Yn)を高さ方向に二層にして機能性枕を調製した。全区画(3つの小区画を包含)を構成する表面及び裏面を実施例1による化学繊維(活火山の火山灰含有)で構成した。左側区画(X)の上層(表面側)、3つの小区画を備えた中央区画(Yn)の上層に、及び右側区画(Z)の上層(表面側)のそれぞれにはダウン(羽毛)を充填し、左側区画(X)の下層(裏面側)には実施例2の中空ビーズ(活火山の火山灰含有)を充填し、3つの小区画を備えた中央区画(Yn)の下層(裏面側)には実施例3の中空ビーズ(Agゼオライト混合物粒子含有)を充填し、右側区画(Z)の下層(裏面側)には実施例4の機能性充填材(流動パレフィン含有)を充填した。
比較例A
上記実施例Aにおいて、実施例1を比較例1とし、実施例2を比較例2とし、実施例3及び実施例4を比較例3とした以外は実施例Aと同様にして枕を調製した。
(評価調製)
上記実施例Aの機能性枕と比較例Aの枕について、被験者として出願人(会社)に所属する60歳代の男性に、所定の条件で枕を使用してもらった。
(評価内容)
1)保温性(蓄熱性)評価5
室温を約15℃とした室内において寝具をひき、実施例Aの機能性枕と比較例Aの枕を使用してもらい、以下の基準で評価した。
〈評価基準5〉
被検者が以下の基準によって評価した。その結果は下記〔表8〕に記載した通りであった。
評価◎:枕使用後約15分程度で安眠可能な保温(蓄熱)状態であると判断した。
評価○:枕使用後約1時間程度で安眠可能な保温(蓄熱)状態であると判断した。
評価△:枕使用後約3時間程度で安眠可能な保温(蓄熱)状態であると判断した。
評価×:枕使用後安眠可能な保温(蓄熱)状態であると判断することはできなかった。
〈評価結果5〉
実施例Aの機能性枕は、優れた保温・蓄熱特性を有しており、他方、比較例Aの枕は従来の枕と同様に、通常の保温特性を示したに過ぎなかった。
よって、実施例Aは、比較例Aと比べて、保温性及び蓄熱性に優れたものであることが理解された。
Figure 0006695923
2)放熱性評価6
室温を約28℃とした室内において寝具をひき、実施例Aの機能性枕と比較例Aの枕を使用してもらい、以下の基準で評価した。
〈評価基準6〉
被検者が以下の基準によって評価した。その結果は下記〔表9〕に記載した通りであった。
評価◎:枕使用後約15分程度で安眠可能な冷感状態であると判断した。
評価○:枕使用後約1時間程度で安眠可能な冷感状態であると判断した。
評価△:枕使用後約3時間程度で安眠可能な冷感状態であると判断した。
評価×:枕使用後安眠可能な冷感状態であると判断することはできなかった。
〈評価結果6〉
実施例Aの機能性枕は、優れた放熱特性を有しており、他方、比較例Aの枕は従来の枕と同様に、通常の放熱特性を示したに過ぎなかった。
よって、実施例Aは、比較例Aと比べて、放熱性に優れたものであることが理解された。
Figure 0006695923
3)防臭性・消臭性評価7
(評価調製)
上記実施例Aの機能性枕と比較例Aの枕について、被験者として出願人(会社)に所属する60歳代の男性に、室温(約26℃)において、それぞれ2週間、枕を使用してもらった。
(評価内容)
上記評価4と同様に、繊維評価技術協議会(一社)におけるSEKマーク繊維製品認証基準(消臭性試験)における官能評価試験に準じて行った。
〈評価方法7〉
1)汗臭として、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸の混合物を用意した。
2)加齢臭として、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールの混合物を用意した。
実施例1〜3、比較例1及び比較例2の各々約10gに対して、総質量1.0g程度の試料を調製し、臭気強度3.5相当の濃度となるように、上記1)及び2)の臭気成分とともに、500mlの三角フラスコに入れて密閉した。密閉後2時間経過した後に、三角フラスコ内の雰囲気臭を基準臭気(臭気強度2.0相当)と比較して、パネラー(出願人の従業員18歳から65歳までの男女5名ずつ合計10名)によって評価した。評価は、下記〈評価基準7〉によって行った。
〈評価基準7〉
2時間後の臭気について基準臭気との比較において以下の基準に該当する人数によって評価した。その結果は下記〔表10〕に記載した通りであった。
評価◎:2時間後の臭気が無かった。
評価○:2時間後の臭気が基準臭気と同程度であった。
評価△:2時間後の臭気が基準臭気超えたものであった。
〈評価結果7〉
実施例Aは、10名全員が臭気がなかったと判断した。一方、比較例Aは、基準臭気と同程度であり、或いは、基準臭気を超える臭気が残存したと判断した。
よって、実施例Aは、比較例Aと比べて、防臭性及び消臭性が高いことが理解された。
Figure 0006695923
1 表面布
2 裏面布
3 横幕状仕切り布
4 天幕状仕切り布
5 繊維系多孔質材
6a,6b 粒状充填材
7、8、9、10 生地
11 パイピング
12 チャック
A 寝具用枕
B 使用者
B1 後頭部
B2 首筋部
B3 頬
a,b,c,d,e,f,g 閉鎖空間区
X 左側区画
Yn 中央区画
X 右側区画

Claims (8)

  1. 機能性枕であって、
    表面と、裏面と、一又は複数の区画とを備えてなり、
    前記表面と、前記裏面と、前記一又は複数の区画との少なくとも一つが、活火山の火山灰を備えた素材によって構築されてなり、
    前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から100年以内ものであることを特徴とする、機能性枕。
  2. 前記一又は複数の区画が、前記機能性枕を正面にして、
    一又は複数の小区画を備えた左側区画と、
    一又は複数の小区画を備えた中央区画と、
    一又は複数の小区画を備えた右側区画とを備えてなるものである、請求項1に記載の機能性枕。
  3. 前記一又は複数の区画が、高さ方向に、一又は複数積層されてなる、請求項1又は2に記載の機能性枕。
  4. 前記表面と、前記裏面と、前記一又は複数の区画との少なくとも一つが、消臭剤、防ウィルス剤、防菌材、防黴剤又は消毒剤として、Cu、Ag、Zn、Ti、Au、Pt、Mn、Fe及びZr並びにこれら金属のイオンからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物を備えた素材によって構築されてなる、請求項1〜3の何れか一項に記載の機能性枕。
  5. 前記表面と、前記裏面と、前記一又は複数の区画との少なくとも一つが、蓄熱材及び/又は放熱材として、活火山の火山灰及び/又は流動パラフィンを備えた素材によって構築されてなる、請求項1〜4の何れか一項に記載の機能性枕。
  6. 記素材が、化学繊維又は構造体である、請求項1〜5の何れか一項に記載の機能性枕。
  7. 前記化学繊維が、フィラメント又はステールの形態であり、或は、
    前記化学繊維が、紡糸、織物、編み物、又は不織布を構成するものである、請求項6に記載の機能性枕。
  8. 前記構造体が、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を備えてなるものである、請求項6に記載の機能性枕。
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