JP6541191B2 - 活火山の火山灰を用いた新素材 - Google Patents

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Description

本発明は、活火山の火山灰を用いた新素材、特に、化学繊維、発泡体及び構造体に関する。
日本国は、休火山及び活火山から噴出された火山灰を含んだ大地を有する。火山灰は、主として無機物質からなる粉末であり、それ自体、多孔性、触媒活性、粘着性、吸着性、物質交換性、解毒性、固着性、ろ過性、防菌性、防虫性等の特徴及び機能を有するものである。また、火山灰は、遠赤外線効果(発熱性、蓄熱性及び保温性)、イオン発生効果、磁気効果を発することから、様々な用途で使用されている。例えば、コンクリート組成物、ガラス成分、無機粒子、建材、セラミック構成材、ろ過材、触媒成分、充填剤、研磨剤、土壌改質剤、洗剤、化粧品、釉薬等として使用されている。
従来、火山灰を用いたものとして、熱放射性塗膜形成用水性分散液が提案されている(特許文献1:特開2017−088809号公報)。火山灰をフィラーとして混合した樹脂配合物が提案されている(特許文献2:特開2017−008238号公報)。風化火山灰の焼成物を備えた多孔質セラミックス焼成体が提案されている(特許文献3:特開2008−001564号公報)。 また、火山灰の中でも、シラス粉末を用いることにより、マイナスイオンを発生させることを特徴とする、寝具が提案されている(特許文献4:特開2007−097752及び特許文献5:特開2007−097753)。
しかしながら、活火山から噴出される火山灰は大量に噴出し蓄積されており、産業界におけるその有効活用が今尚要求されている。
特開2017−088809号公報 特開2017−008238号公報 特開2008−001564号公報 特開2007−097752号公報 特開2007−097753号公報
本発明者等は、火山灰について新ためて検討したところ、休火山の火山灰及び活火山から相当程度昔に噴出された火山灰よりも、活火山から噴出された近年の火山灰が極めて優れた特殊性を有することを見出したのである。本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
〔本発明の一態様〕
本発明は、以下の一態様を提案することができる。
〔1〕 活火山の火山灰を備えた、物理的化学的素材であって、
前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から100年以内ものであることを特徴とする、物理的化学的素材。
〔2〕 前記前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から50年以内ものであることを特徴とする、〔1〕に記載の物理的化学的素材。
〔3〕 前記前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から5年以内ものであることを特徴とする、〔1〕に記載の物理的化学的素材。
〔4〕 前記物理的化学的素材が、前記活火山の火山灰を備えた、化学繊維、発泡体、又は構造体である、〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載の物理的化学的素材。
〔5〕 前記化学繊維が、精製繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維である、〔4〕に記載の物理的化学的素材。
〔6〕 前記化学繊維が、フィラメント、ステーブル、紡糸、織物、編み物、又は不織布である、〔4〕又は〔5〕に記載の物理的化学的素材。
〔7〕 前記発泡体が、ポリウレタン系発泡体、ポリエチレン系発泡体、ポリスチレン系発泡体、ポリプロピレン系発泡体、ゴム系発泡体、シリコンフォーム、メラミンスポンジ、アクリルフォーム、EVA、又はトランスクールである、〔4〕に記載の物理的化学的素材。
〔8〕 前記構造体が、前記活火山の火山灰と、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂とを備えてなるものである、〔4〕に記載の物理的化学的素材。
〔9〕 透湿防水素材、保温素材、蓄熱保温素材、吸湿発熱素材、遠赤外線加工繊維、抗菌防臭加工素材・制菌加工素材、研磨素材、消臭加工素材、防ダニ加工素材、抗アレル物質対策素材、花粉防止素材、帯電又は制電素材、熱融着素材、難燃・防災素材、紫外線遮蔽素材、ストレッチ素材、又は形態安定素材である、〔1〕〜〔8〕の何れか一項に記載の物理的化学的素材
〔10〕 衣服繊維素材、寝具繊維素材、又は家財道具用繊維素材である、〔1〕〜〔8〕の何れか一項に記載の物理的化学的素材。
本発明によれば、活火山から噴出された近年の火山灰を採用することにより、従来の火山灰と比較して、多孔性、触媒活性、粘着性、吸着性、物質(アルカリ、酸)交換性、解毒性、固着性、ろ過性、脱臭性、膨潤性、粘性、可塑性、懸濁性、分散性、展延性、光沢性、防菌性、防虫性等の優れた特殊性を発揮させることができる。また、活火山から噴出されたばかりの火山灰は、従来の火山灰と比較して、遠赤外線効果(発熱性及び保温性)、イオン発生効果、保湿性、防臭性、消臭性、防菌性等の効果を高い次元において達成することが可能となる。
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
図1は45度パラレル再放射放装置の概略図である。特開平09−005170号公報の図面を引用したものである。 図2は熱特性を測定する装置の概略図である。 図3は熱特性を測定したサーモグラフィー測定結果である。
〔定義〕
(火山灰)
「火山灰」とは、火山の噴出物(火山砕屑物)の一つであり、主としてマグマが発泡してできる細かい破片のことであり、平均粒径が10mm未満(通常、2〜3mm程度)のものであって、火山ガラス、鉱物結晶などから構成されているものである。マグマが発泡してできる細かい破片には、火山灰以外に、平均粒径の小さい順から、火山塵、(火山灰)、火山砂、火山砂利、火山礫、溶岩が例示されるが、これらの構成は火山灰と同じものである。本発明にあっては、火山灰には、火山塵等をも包含するものであり、かつ、これらを所望の平均粒径とした粉砕(破砕)物も包含するものである。火山灰が堆積したものとして、シラス(火山灰)が存在するが、シラスは一般に、古い(3万年前)時代に、火山から噴出され、体積した火山灰である。
(活火山)
「活火山」とは、「概ね、過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」と定義されている(2003年、火山噴火予知連絡会)。活火山には、従来定義されていた「休火山」(文献及び書物による検証可能な歴史時代に噴火記録が記されているが、現在、休止している火山をいう。)をも包含するものである。「活火山」は、2017年6月時点で、気象庁報告によれば、111山が存在する。本発明にあっては、内外国の活火山から噴出した火山灰を使用することができる。活火山は、例えば、日本火山帯を包含する環太平洋火山帯、インドネシア火山帯、地中海火山帯等に属するものが含まれる。日本国内においては、現在、近年、マグマの性質、地球物理学的研究の結果から、東日本火山帯と西日本火山帯の2区分となっている。
しかし、従前では以下に説明する7つの火山帯に属するものが含まれる。千島火山帯(十勝岳、大雪山、雄阿寒岳、雌阿寒岳、羅臼岳、爺爺岳等が例示される)、那須火山帯(尻山、羊蹄山、有珠山、恐山、八甲田山、八幡平、岩手山、秋田駒ヶ岳、栗駒山、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、燧ケ岳、高原山、男体山、赤城山、浅間山島等が例示される)、鳥海火山帯(渡島大島、岩木山、森吉山、鳥海山、月山、浅草岳、守門岳、燧ヶ岳、苗場山等が例示される)、富士火山帯(新潟焼山、妙高山、黒姫山、蓼科山、八ヶ岳、富士山、箱根山、天城山、伊豆大島、三宅島、八丈島、ベヨネース列岩、硫黄島、福徳岡ノ場等が例示される)、乗鞍火山帯(立山、焼岳、乗鞍岳、御嶽山等が例示される)、白山火山帯(白山、大山、三瓶山、鶴見岳、由布岳、九重連山、雲仙岳等が例示される)、霧島火山帯(阿蘇山、霧島山、桜島、開聞岳、薩摩硫黄島、諏訪之瀬島等が例示される)。
〔物理的化学的素材〕
(火山灰)
本発明にあっては、活火山の火山灰を用いた、物理的化学的素材が提案される。本発明にあっては、活火山の火山灰を使用するが、活火山の噴出から100年以上経過したものは使用しない。従って、シラスは本発明にあっては含まれない。但し、活火山の火山灰を生シラスと呼ぶ場合があり、この生シラスは本発明において使用する火山灰に包含する。
活火山の火山灰は、内外国の活火山から噴出したものであればいずれのものを有意に使用することができ、その中でも、日本国霧島火山帯に属する活火山、好ましくは、阿蘇山、霧島山、桜島、開聞岳、薩摩硫黄島、又は諏訪之瀬島であり、より好ましくは鹿児島県に存在する桜島(鹿児島市)、薩摩硫黄島(三島村)、諏訪之瀬島(十島村)、霧島山(霧島市)、口之永良部島(屋久島町)、中之島(十島村)等が例示される。特に、本発明にあっては、鹿児島県に存在する桜島(鹿児島市)、霧島山(霧島市)の活火山から噴出する火山灰が好ましくは用いられる。
本発明にあっては、火山灰は、活火山から噴出されたものであり、噴出時から100年以内、好ましくは、50年以内、より好ましくは10年以内、最も好ましくは5年以内、最高に好ましいものは1年以内(その中でも、6か月以内、より好ましくは噴出したてのもの)を使用することを特徴とする。即ち、本発明の好ましい態様にあっては、火山灰は、活火山から噴出したてのものが一番好ましい(少なくとも1年以内、6か月以内、3か月以内)。本発明者等によれば、噴出したての火山灰は、経年経過した火山灰(例えば、3万年以上経過したシラス台地を形成するシラス)と比較して、その特性及び機能が極めた高いものである。
火山灰の平均粒径(体積平均径MV)は0mm超過10mm以下であり、好ましくは1mm以上6mm以下であり、より好ましくは、2mm以上4mm以下である。火山灰のBET比表面積が、0S(m2/g)超過100S(m2/g)以下であり、好ましくは、10S(m2/g)以上60S(m2/g)以下であり、より好ましくは20S(m2/g)以上50S(m2/g)以下である。BET法は、窒素(N2)気体分子を用いた気体吸着法によって、BET計算式に、圧力(P)と吸着量(V)を導入し、単分子吸着量(Vm)を求めた後、窒素(N2)気体分子の吸着断面積(Am)から、BET比表面積=(Vm×N/M)×Am〔Nはアボガドロ数であり、Mは気体分子の分子量である〕によって算出することができる。
活火山から噴出した火山灰は、以下の〔表1〕に記載した各成分組成を有するものであり、本発明にあっては、これら成分を組成含有量で包含したものが最も好ましい。活火山から噴出した火山灰は、風化火山灰、シラス台地を形成したシラスと比較して、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの含有量が少なく、酸化鉄、酸化カルシウムの含有量が多いという特徴を有する。
(化学繊維)
物理的化学的素材は、上記火山灰を包含し、化学物質等とで構成されてよく、例えば、化学繊維として構成されてよい。
化学繊維とする場合、火山灰の含有量は、化学繊維全質量に対して、0質量%超過70質量%以下であり、下限値が好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、上限値が好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
「精製繊維(天然高分子)」としては、セルロース系繊維(リヨセル、テンセル)が例示される。精製繊維の製造の一例としては、原料である木質パルプを溶剤(人体に無害)で溶解し、化学薬剤による処理を経ることなく、フィルター等でろ過した後、パルプの不純物を取り除いた天然高分子に、火山灰、必要に応じて添加剤を添加して調製した混合物を、ノズルを介して又は複数の所望の口径を有する細孔(口金)から押し出して得ることができる。
「再生繊維(天然高分子)」としては、セルロース系繊維(レーヨン、ビスコースレーヨン、ポリノジック、キュプラ、銅アンモニアレーヨン)、タンパク質系繊維(カゼイン繊維、落花生タンパク繊維、とうもろこしタンパク繊維、大豆タンパク繊維、再生絹糸)、その他の繊維(アルギン繊維、キチン繊維、マンナン繊維、ゴム繊維)等が例示される。
「再生繊維」の製造の一例としては、精製繊維の製造において、化学薬剤による処理を施すことのみが異なる。例えば、木材パルプ、木綿、ゴム等の植物を原料として、天然セルロース(タンパク質等)を水酸化ナトリウム(N−メチルモルホリン−N−オキシド又は銅アンモニア溶液等)処理又は溶解し、レーヨンの場合、二硫化炭素等と反応させてセルロース誘導体等を調製し、これをアルカリ溶液等に溶解させて原液とし、この原液に、火山灰、必要に応じて添加剤を添加して調製した溶液を、ノズルを介して又は複数の所望の口径を有する細孔(口金)から酸性浴中に押し出して得ることができる。
「半合成繊維(半合成高分子)」としては、セルロース系繊維(アセテート、トリアセテート、酸化アセテート)、タンパク質系繊維(プロミックス)、天然ゴム系繊維(塩化ゴム、塩酸ゴム)等が例示される。
「半合成繊維」の製造の一例としては、再生繊維において、化学的改質又は化学物質との反応を通じて、繊維を得るものであり、原料由来の化学物質に再生するものではない点で異なる。例えば、木材パルプ、たんぱく質含有まめ科植物、ゴム等の植物を原料として、セルロース、ガゼインタンパク質、ゴムを、(無水)酢酸等で処理して改質し、これをアセトン等の溶剤に溶解し、ろ過して原液とし、この原液に、火山灰、必要に応じて添加剤を添加して調製した溶液を、ノズルを介して又は複数の所望の口径を有する細孔(口金)から吐出させて、溶媒を蒸発させて得ることができる。
「合成繊維(合成高分子)」としては、ポリアミド系繊維(ナイロン、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ナイロン)、芳香族ポリアミド系繊維(アラミド)、ポリビニルアルコール系(ビニロン)、ポリ塩化ビニリデン系(ビニリデン)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル)、ポリエステル系繊維(ポリエステル)、ポリアクリロニトリル系繊維(ポリアクリロニトリル繊維、モダクリル繊維)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレンル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維)、ポリエーテルエステル系繊維(レクセ、サクセス)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタン)、ポリイミド系繊維(ポリイミド)、アクリレート系繊維、エチレンビニールアルコール系繊維、ポリクラール系繊維等が例示される。
「合成繊維」の製造の一例としては、化学的に合成した高分子を原料として、溶剤に溶解したものに、火山灰、必要に応じて添加剤を添加して調製した溶液を、ノズルを介して又は複数の所望の口径を有する細孔(口金)から吐出させて、溶媒を蒸発させて得ることができる。
化学繊維の製造方法においては、上記した通りであるが、大別すれれば、溶融方法(紡糸)、湿式方法(紡糸)、乾式方法(紡糸)の3つである。「溶融方法」は、一般に、熱可塑性を示す高分子、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンを溶融し、溶剤に溶解することなく、ノズル又は口金より吐出させて製造する方法であり、簡易簡便であり、製造コストが低廉となる製造方法である。「湿式方法」はポリマーを溶剤に溶かして凝固剤と呼ばれる液体の中で繊維を製造する方法であり、アクリル、レーヨン、ビニロン等を製造する方法である。「乾式方法」は、気化しやすい溶剤にポリマーを溶かし、空気中で紡出しながら熱を加えて溶剤を気化させて製造する方法である。アセテート、ポリウレタン、アクリル等を製造する方法である。これら以外に、延伸を利用した「ゲル紡糸」、液晶配向性を利用した「液晶紡糸」等が挙げられる。
化学繊維は、フィラメント(長繊維:マルチフィラメント、単繊維:モノフィラメント)、ステープル(短繊維)であってよい。また、紡糸後に、延伸(引き伸し、適度な強さと伸度を繊維に付与する処理)を行ってよい。また、撚り、延伸等を行う作業として、延伸糸(FOY)、半延伸糸(POY)、延伸加工糸(DTY)を行ってもよい。さらに、紡糸後、紡績(ステープルを紡いで糸にすること)、混紡(二種以上の異なったステープルを混ぜ合わせて紡績すること)、撚糸(フィラメント糸や紡績糸に撚りをかけること)、交撚(二種類以上のちがった種類の糸を混ぜながら撚りをかけること)等を行って、所望の繊維(糸)とすることができる。また、繊維の断面もまた、円形、楕円形、多角形、Y字形、星形等の様々な形状とすることができ、触感、風合、光沢、色彩等を改善することができる。また、繊維の中を空洞とした中空繊維として構成することができ、所望の機能(放熱性、保湿性、蓄熱性、防音性等)を発揮させることができる。
化学繊維は、紡糸、糸とした後に、「織物」、「編物」、「不織布」として、布地、生地とすることができる。また、布地、生地は、染色、浸染、捺染等により着色してもよい。さらに、布地、生地は、防縮加工、防皺加工、防水加工、透湿防水加工、撥水加工、吸水加工、防汚加工、難燃加工、帯電防止加工、防虫加工、防カビ・抗菌防臭加工、消臭加工等の様々な用途に合わせた加工を行ってもよい。
化学繊維は、透湿防水素材、保温素材、蓄熱保温素材、吸湿発熱素材、遠赤外線加工繊維、抗菌防臭加工素材・制菌加工素材、研磨素材、消臭加工素材、防ダニ加工素材、抗アレル物質対策素材、花粉防止素材、帯電又は制電素材、熱融着素材、難燃・防災素材、紫外線遮蔽素材、ストレッチ素材、形態安定素材等に使用することができる。
《用途》
化学繊維は、さらに、農林水産業用繊維素材として利用される。例えば、衣服、寝具、家財道具用繊維素材;ヴィークル繊維素材(例えば、自動車、飛行機、船舶、宇宙航空機等に使用される、タイヤコード、安全ベルト、エアバッグ、クッション、カーボディシート・カバー類等の繊維素材);土木・河川用繊維素材(地盤表層処理素材(不等沈下防止用、宅地・道路造成用繊維素材);表面防護用繊維素材(ライニング、侵食防止用繊維素材、農業用繊維素材);農業用繊維素材(農業用被覆材繊維素材、例えば、防虫ネット、保温シート、遮光シート);電気、化学工業用繊維素材(例えば、Vベルト等、クリーンルーム用衣服、断熱材、フィルター類、絶縁材、包装材等);建築用繊維素材(地上、地下工事、基礎工事等の建設用繊維素材であって、防水層補強布、膜、テント類、アスベスト代替繊維、コンクリート補強繊維(FRC)、養生シート等);医療用繊維素材(病院、衛生・医療機材などに使用される繊維素材であって、例えば、人工血管、人工透析モジュール、手術着、衛生用品、包帯等);人体保護、安全装備等に使用される繊維素材(例えば、防護服、防弾衣服、防火服、カモフラージュネット、安全作業衣等)、海洋用繊維素材(漁業、海洋開発、マリンレジャー用繊維素材であって、例えば、漁網、ロープ、人工漁礁、プラスチック補強繊維(FRP)等)である。
本発明にあっては、化学繊維は、好ましくは、衣服(例えば、下着、上着、パジャマ、運動着、コート、防寒着、雨合羽)、寝具(例えば、敷布団、掛布団、枕、マットレス、これらのカバー等)、家財道具用繊維素材(例えば、クッション、カーペット・マット、コタツ敷・掛け等)として使用される。しかし、化学繊維の形態、例えば、糸、布地等である場合には、製品を構成する外包布及び縫製用糸として利用することができる。具体的には、寝具として、例えば、敷布団、掛布団、枕、マットレスを構成する外包布として構成し、製品の縫製糸として構成することができる。家財道具用繊維素材として、例えば、クッション、カーペット・マット、コタツ敷・掛けを構成する外包布として構成し、製品の縫製糸として構成することができる。活火山から噴出した火山灰を含んでなることから、保温性、発熱性、蓄熱性、脱臭性、撓み性、展延性、防菌性、防虫性、触媒活性、吸着性、物質(アルカリ、酸)交換性、解毒性、ろ過性等の優れた特殊性を発揮させることができ、消費者に複数の機能性製品を提供することが可能となる。
(発泡体)
物理的化学的素材は、上記火山灰を包含し、化学物質等とで構成されてよく、例えば、発泡体として構成されてよい。
発泡体とする場合、火山灰の含有量は、発泡体全質量に対して、0質量%超過70質量%以下であり、下限値が好ましくは4質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、上限値が好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
発泡体(発泡プラスチック)は、高分子発泡体とも云われるものであり、原料である高分子(例えば、化学合成樹脂)中にガスを細かく分散させ、発泡状(フォーム)または多孔質形状に成形されたものをいう。発泡体には、原料によって、ポリウレタン系、ポリエチレン系、ゴム系、その他の発泡系に大別される。本発明における発泡体は、上記火山灰、必要に応じて添加剤を包含した上で、発泡体として構成される。以下、発泡体の構成について説明するが、当然に、上記火山灰を包含することは言うまでもない。
発泡体(発泡プラスチック)は、低分子量のオリゴマー、高分子を注型する際に発泡させる「注型発泡成形法」、加熱などにより流動性を持った状態で発泡させる「溶融発泡成形法」、固体またはそれに準じる状態で発泡させる「固相発泡成形法」によって形成することができる。
《ポリウレタン系発泡体》
「ウレタン系発泡体」は、ポリオールとイソシアネートを主成分として、発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤などを混合し樹脂化させながら発泡させた発泡体である。ウレタンフォームは、エーテル系ウレタンフォームと、エステル系ウレタンフォームとに分類される。成分の配合を変えることにより、高弾性、低反発、吸音特化、導電性等の機能性を持たせることができる。
「軟質ウレタンフォーム(軟質PUF)」は、気泡が連続し柔らかく、復元性のあるウレタンフォームであり、発泡倍率は10〜60倍であり、密度は16〜100kg/m3程度であるとされています。この中でも、密度が20±5kg/m3程度、硬さ75〜120N程度の軟質ウレタンフォームを汎用ウレタンフォームという。
「軟質ウレタンフォーム(軟質PUF)」は、注型発泡成形法のうち、発泡製造体(スラブ)を後加工するブロック法と型内で発泡成形するモールディング法が用いて製造されるのが一般的である。ブロック法は、合成樹脂と火山灰を混合した原料を吐出して自由発泡させ、角状またはカマボコ状の塊状フォームを用いて製造することができる。
「高質ウレタンフォーム(高質PUF)」は、汎用ウレタンフォームと比較し、高い反発弾性、早い変形戻り性を特徴としているウレタンフォームである。「高質ウレタンフォーム(高質PUF)」は、その密度が35±5kg/m3程度、硬さ150N程度の軟質ウレタンフォームである。
「高質ウレタンフォーム(高質PUF)」は、注型発泡成形法の様々な手法が用いられる。その際、全原料を一度に混合発泡させるワンショット法と、イソシアネートを除いた原料だけをすべて混合させた液体と、イソシアネートを別々に準備し、それらを合わせて混合発泡させるプレミックス法がある。ブロック法やモールディング法は軟質PUFフォームの製造法に準じるが、クラッシング工程は無い。モールド法では比較的緻密なスキン層が形成されるため、金属部品などのインサート成形が可能となり、耐水性も向上する。
「ウレタン系発泡体」には、上記の他に、低反発ウレタンフォーム、半硬質ウレタンフォーム、ウレタンチップフォーム、エステル系ウレタンフォーム、導電性・帯電防止ウレタンフォーム、吸音ウレタンフォーム、ウォーターシールウレタンフォーム、フィルターウレタンフォーム、マイクロセルウレタンフォーム、熱圧縮ウレタン等が挙げられる。
《ポリエチレン系発泡体》
「ポリエチレン系発泡体」は、吸水性が低く、可撓性と、圧縮強度に優れるものである。「ポリエチレン系発泡体」は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、リニアポリエチレン等のポリエチレンを主原料とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン共重合体を使用する。発泡剤は、分解型有機系ではアゾジカルボンアミドやN,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等、揮発性ではブタンやペンタン等の炭化水素類またはハロゲン化炭化水素類、不活性ガスでは二酸化炭素や窒素などが使われる。架橋発泡法における架橋剤には、ジクミルパーオキサイドなど有機過酸化物系が使用される。
「ポリエチレン系発泡体」は、溶融発泡成形法で製造することができる。ポリエチレン(PE)に、発泡剤、火山灰を混合し、再度加熱する手法である。「ポリエチレン系発泡体」には、上記の他に、PEライト、PEライトZ、サンペルカペフ、ソフトロン、オプセル、ゴムライクポリエチレン、導電性及び帯電防止ポリエチレン、連続気泡ポリエチレン、環境型ポリエチレン等が挙げられる。
《ポリスチレン系発泡体》
「ポリスチレン系発泡体」は、「発泡スチロール」とも呼ばれるものである。一般に、汎用ポリスチレンを主原料とし、発泡剤にはPSの軟化点よりも沸点が低い炭化水素類(プロパン・ブタン・ペンタン・ヘキサン・ヘプタン・シクロヘキサン等)を単体または混合して用いる。これに火山灰を混合し、気泡を形成する。
「ポリスチレン系発泡体」は、押出成形(XPS、PSP)において、均一で微細な気泡をつくるために、無機ではシリカやタルク粉末、有機ではクエン酸−重曹の併用、及び反応系化合物などが核剤として利用される。発泡剤は蒸発型(低沸点溶剤活用法)と分解型(化学反応ガス活用法)が使われるが、分解型は窒素及び二酸化炭素など発生するガスがPSを透過しやすく発泡倍率を上げにくい。
《ポリプロピレン系発泡体》
「ポリプロピレン系発泡体」は、ポリプロピレン(PP)を原料として用いたものであり、比較的耐熱性が高いものである。「ポリプロピレン系発泡体」は、ポリプロピレン(PP)に、架橋剤、火山灰を混合し、加圧発泡法によって製造される。
《ゴム系発泡体》
「ゴム系発泡体」は、合成ゴム又は特殊ゴムに、有機系発泡剤などの諸原料を混合し、熱分解させて製造されるものであり、軽量で強靱な材質を有する。「ゴム系発泡体」は、ゴム(合成)に、架橋剤、発泡剤、火山灰を混合して、加熱、気泡を形成させて製造することができる。「ゴム系発泡体」には、CR系ゴムスポンジ、NR系ゴムスポンジ、NBR系ゴムスポンジ、EPDM系ゴムスポンジ、エプトシーラー、ルシーラ、オプシーラー、ゴムチップスポンジ等が例示される。
《その他の発泡体》
その他の発泡体として、シリコンフォーム、メラミンスポンジ、アクリルフォーム、EVA、トランスクール等が挙げられ、上記した製造方法によって製造される。
《用途》
発泡体は、上記した化学繊維の用途と同一であってよい。取り分け、発泡体(スポンジ、フォーム)であることから、製品を構成する内包物として利用することができる。具体的には、寝具として、例えば、敷布団、掛布団、枕、マットレスを構成する内包物として構成することができる。家財道具用繊維素材として、例えば、クッション、カーペット・マット、コタツ敷・掛けを構成する内包物として構成することができる。本発明による発泡体は、活火山から噴出した火山灰を含んでなることから、保温性、発熱性、蓄熱性、脱臭性、撓み性、展延性、防菌性、防虫性、触媒活性、吸着性、物質(アルカリ、酸)交換性、解毒性、ろ過性等の優れた特殊性を発揮させることができ、消費者に複数の機能性製品を提供することが可能となる。
(構造体)
物理的化学的素材は、上記火山灰を包含し、化学物質等とで構成されてよく、例えば、構造体として構成されてよい。
「構造体」とする場合、火山灰の含有量は、発泡体全質量に対して、0質量%超過70質量%以下であり、下限値が好ましくは4質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、上限値が好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
「構造体」は、化学物質(高分子化合物)と、火山灰とを包含して、特定の形状を形成させたものとして構成されてよい。また、「構造体」の形態は、多角形、円柱、球、円錐、多角錘等であってよく、シート状、フィルム状、又は中空体であってよい。
「構造体」は、高分子化合物(例えば、樹脂)と、火山灰と、硬化剤、重合開始剤、その他添加剤を混合し、加熱及び加圧することにより製造することができる。樹脂には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の二つに大別される。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)等が例示される。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、テフロン(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等が例示される。
熱可塑性樹脂を用いる場合には、原料混合物を、加温し軟化した後に、金型に押し込み、冷し固化させて最終製品とする射出成形加工等が広く用いられている。熱可塑性樹脂の特性から、熱硬化性樹脂よりも靭性が優れ、成形温度は高いが短時間で成形できるので生産性が優れる。
「エンジニアリングプラスチック」として形成する場合には、原料として、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリエステル(PEs)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、環状ポリオレフィン(COP)等が原料として用いられる。
「スーパーエンジニアリングプラスチック」として形成する場合には、原料として、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が例示される。
《用途》
構造体は、上記した化学繊維及び発泡体の用途と同一であってよい。取り分け、構造体は様々な形態を形成することができることから、製品を構成する内包物として利用することができる。具体的には、寝具として、例えば、敷布団、掛布団、枕、マットレスを構成する内包物として構成することができる。家財道具用繊維素材として、例えば、クッション、カーペット・マット、コタツ敷・掛けを構成する内包物として構成することができる。本発明による構造体は、活火山から噴出した火山灰を含んでなることから、保温性、発熱性、蓄熱性、脱臭性、撓み性、展延性、防菌性、防虫性、触媒活性、吸着性、物質(アルカリ、酸)交換性、解毒性、ろ過性等の優れた特殊性を発揮させることができ、消費者に複数の機能性製品を提供することが可能となる。
本発明の実施態様の一例を以下に説明するが、本発明の範囲は、これら実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明は、本明細書全体を一読することにより、かつ、以下の実施例により、本発明による課題を解決し、かつ、当業者が本発明の内容を全て容易に実施することができるものである。
〔火山灰/シラス〕
(実施例) 活火山の火山灰として、日本国鹿児島県の活火山である桜島から噴出して約3か月以内のものを採取した微細粒子のものを使用した。
(比較例)
シラスは、日本国鹿児島県の大地を形成するシラス台地(約3万年前の火山灰:C14年代測定法により年代を測定済み)から採取した微細粒子のものを用いた。
実施例及び比較例ともに、微細粒子の平均粒径等の物性は略同じものであった。
〔物理的化学的素材の調製〕
(1)繊維布地
N,N−ジメチルホルムアミド溶媒に、ポリマー原料として、ウレタン結合(−O・CO・NH−)を有する芳香族イソシアネート化合物と、実施例による活火山の火山灰微細粒子又は比較例によるシラス微細粒子をそれぞれ30質量%添加した原料組成物を、湿式紡糸し、編み上げて、目付が約500g/m2であり、厚さが約1mmのウレタン化学素材(繊維布地)を調製し、それぞれ、実施例1及び比較例1とした。
(2)中空ビーズ
ポリエチレンと、実施例による活火山の火山灰微細粒子又は比較例によるシラス微細粒子を、それぞれ4質量%添加した原料組成物を、形成機器に導入処理して、中空形状に成型した、ポリオレフィン化学素材(構造体:中空ビーズ)を調製し、実施例2及び比較例2とした。中空ビーズは、縦×横×厚さが約2cm×約2cm×約1.3cmであり、中空構造であり、ビーズ膜厚は約0.5mm程度のものであった。
〔評価試験〕
〔評価1:熱再放射特性評価〕
〔評価方法1〕
45度パラレル再放射法〔遠赤外線協会(一社) 認定規則に準じた〕を用いて、実施例1及び比較例2について評価した。
45度パラレル再放射法は、図1に概説した装置を用いて行った。この測定装置は測定台1上に配置された試料3を載置する試料台4、測定台枠2に設置された該試料3を加熱するヒーター5、該試料から放射される遠赤外線量を測定するサーモグラフィカメラ6およびモニター装置7から構成されてなる。試料3は測定試料(実施例1)と対照試料(比較例2)とからなり、サーモビュアにより両試料の表面温度を、15、30、60、120、T∞(s/秒)毎に、5回(n=5)測定し、温度差(ΔT)を求めた。試験は、左右入れ替えて2回行った。測定結果は、下記〔表2〕の通りであった。
〔評価結果1〕
ΔT=0.6℃(n=5)であった〔信頼限界99%(Pr:0.01)で有意差が認められた〕。
よって、実施例1は、比較例1と比べて遠赤外線量が高いことが理解された。即ち、実施例1の布地は、比較例1の布地と比べて、広い波長領域の遠赤外線に対して吸収・再放射特性(遠赤外線効果)を高めて、保温性を極めて高い次元において向上(達成)させたことが理解された。
〔評価2:熱特性評価〕
〔評価方法2〕
図2に概説した表面温度測定装置を用いて、実施例2及び比較例2について熱特性評価を行った。この測定装置は試料台上に配置された、試料(実施例2及び比較例2)の中空ビーズを各々、縦5個、横6個合計30個並べて配置した。下記〔評価条件2〕により、レフランプを照射した時の試料表面温度をサーモカメラにて経時的に測定した。測定は、試料(実施例2と比較例2)との位置(左右)を入れ替えて、2回行って、その測定データは平均値として結果とした。
〔評価条件2〕
使用ランプ:岩崎電機(株)製 アイランプ<スポット>PRS100V500W
照射 距離:50cm
照 射 面:表面側
照射 時間:15分間
試験室温度:20±2℃
サーモカメラ:フリアーシステムズジャパン(株)製 FLIR T430sc(放射率0.94)
〔評価結果2〕
経時変化による表面温度の結果は以下の〔表3〕、〔表4〕及び〔図3〕に記載した通りであった。なお、〔表3〕及び〔表4〕は、〔図2〕の測定装置におけるサーモ画像中(例えば、〔図3〕)の平均温度である。平均温度は、試料台の温度を包含することを考慮し算出したものである。
〔表3〕、〔表4〕及び〔図3〕に記載した通り、実施例2は比較例2と比べて、経時的変化による熱吸収性(熱特性)が極めた高いことが理解された。
〔評価3:保湿性評価〕
〔評価方法3〕
実施例1及び比較例1の布地から同一基準の試験片を作成し、各資料を乾燥機で乾燥状態にした後に、それぞれの質量を測定した。40℃×90%RHの下で吸湿させた後、1〜4時間経過後の各資料の質量を測定した。その後、20℃×65%RHの下で放湿させた後、1〜4時間経過後の各資料の質量を測定した。
〔評価結果3〕
評価結果は、下記〔表5〕及び〔表6〕(グラフ)の通りであった。〔表5〕及び〔表6〕に記載された結果の通り、実施例1は比較例1と比べて保湿性が極めて高いことが理解された。
〔評価4:防臭性・消臭性評価〕
繊維評価技術協議会(一社)におけるSEKマーク繊維製品認証基準(消臭性試験)における官能評価試験に準じて行った。
〔評価方法4〕
1)汗臭として、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸の混合物を用意した。
2)加齢臭として、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールの混合物を用意した。
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の各々約10gに対して、総質量1.0g程度の試料を調製し、臭気強度3.5相当の濃度となるように、上記1)及び2)の臭気成分とともに、500mlの三角フラスコに入れて密閉した。密閉後2時間経過した後に、三角フラスコ内の雰囲気臭を基準臭気(臭気強度2.0相当)と比較して、パネラー(出願人の従業員18歳から65歳までの男女5名ずつ合計10名)によって評価した。評価は、下記〔評価基準4〕によって行った。
〔評価基準4〕
2時間後の臭気について基準臭気との比較において以下の基準に該当する人数によって評価した。その結果は下記〔表7〕に記載した通りであった。
評価◎:2時間後の臭気が無かった。
評価○:2時間後の臭気が基準臭気と同程度であった。
評価△:2時間後の臭気が基準臭気超えたものであった。
〔評価結果4〕
実施例1及び実施例2は、10名全員が臭気がなかったと判断した。一方、比較例1及び比較例2は、基準臭気と同程度であり、或いは、基準臭気を超える臭気が残存したと判断した。
よって、実施例は、比較例と比べて、防臭性及び消臭性が高いことが理解された。

Claims (10)

  1. 化学繊維であって、
    活火山の火山灰を含んでなり
    前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から100年以内ものであり、
    前記化学繊維が、精製繊維、再生繊維、半合成繊維、又は合成繊維であることを特徴とする、化学繊維
  2. 前記前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から50年以内ものであることを特徴とする、請求項1に記載の化学繊維
  3. 前記前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から5年以内ものであることを特徴とする、請求項1に記載の化学繊維
  4. 前記活火山の火山灰が、桜島(鹿児島県鹿児島市)又は霧島山(鹿児島県霧島市)の活火山から噴出する火山灰であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の化学繊維
  5. 前記化学繊維が、フィラメント、ステーブル、織物、編み物、又は不織布である、請求項1〜4の何れか一項に記載の化学繊維
  6. 前記化学繊維が、透湿防水素材、保温素材、蓄熱保温素材、吸湿発熱素材、遠赤外線加工繊維素材、抗菌防臭加工素材・制菌加工素材、研磨素材、消臭加工素材、防ダニ加工素材、抗アレルギー物質対策素材、花粉防止素材、帯電又は制電素材、熱融着素材、難燃・防災素材、紫外線遮蔽素材、ストレッチ素材、形態安定素材、衣服繊維素材、寝具繊維素材、又は家財道具用繊維素材として使用されるものである、請求項1〜5の何れか一項に記載の化学繊維
  7. 発泡体であって、
    活火山の火山灰を含んでなり
    前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から100年以内ものであり、
    前記活火山の火山灰が、桜島(鹿児島県鹿児島市)又は霧島山(鹿児島県霧島市)の活火山から噴出する火山灰であり、
    前記発泡体が、ポリウレタン系発泡体、ポリエチレン系発泡体、ポリスチレン系発泡体、ポリプロピレン系発泡体、ゴム系発泡体、シリコンフォーム、メラミンスポンジ、アクリルフォーム、又はEVAであることを特徴とする、発泡体
  8. 前記前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から50年以内ものであることを特徴とする、請求項に記載の発泡体
  9. 前記前記火山灰が、活火山から噴出されたものであり、噴出された時から5年以内ものであることを特徴とする、請求項に記載の発泡体
  10. 前記発泡体が、透湿防水素材、保温素材、蓄熱保温素材、吸湿発熱素材、遠赤外線加工素材、抗菌防臭加工素材・制菌加工素材、研磨素材、消臭加工素材、防ダニ加工素材、抗アレルギー物質対策素材、花粉防止素材、帯電又は制電素材、熱融着素材、難燃・防災素材、紫外線遮蔽素材、ストレッチ素材、形態安定素材、製品構成用内包物、寝具素材、又は家財道具用素材として使用されるものである、請求項7〜9の何れか一項に記載の発泡体
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