JP6694776B2 - 配管、及びそれを備えた圧縮機 - Google Patents

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本発明は、圧縮室内で気体を圧送する圧縮機において圧縮気体を圧送する配管に係り、気体流路の耐食性を向上する表面処理とそれを形成するための溶接を行う配管に関する。
圧縮機とは、ケーシングによって構成される圧縮室内で気体を圧送する機械であって、その圧縮機方式としては、ロータの回転運動によって気体を圧送するスクリュー圧縮機や、ピストンの往復運動によって気体を圧送するレシプロ圧縮機、渦巻状歯型部材の旋回運動によって気体を圧送するスクロール圧縮機等がある。以下、スクリュー圧縮機を例に説明する。
スクリュー圧縮機は、吸込側ケーシング及び吐出側ケーシングによって構成される圧縮室内で1対の雄ロータと雌ロータとが互いにかみ合いながら回転して、両ロータ間およびケーシングとロータとによって形成される空間を軸方向に移動させながら縮小して上記空間内の流体を圧縮する構成となっている。さらに、このようなスクリュー圧縮機において、上記空間内に流体として油を供給する油冷式と油を供給しないオイルフリー式とがある。
オイルフリースクリュー圧縮機において信頼性に影響を及ぼす一つの要因として錆の発生がある。ロータの表面には固体潤滑被膜が塗布されているため、錆の発生はほとんどないが、ケーシングの材質は鋳鉄であるため錆が発生し易い。
また、スクリュー圧縮機には二段機と単段機の2種類がある。二段機はスクリュー圧縮機本体が配管、クーラを介して直列に2台連結されたものであり、一段目の圧縮機本体から吐出された高温の圧縮空気を外気空気または水を冷媒とするクーラで冷却した後、二段目の圧縮機本体で再度圧縮するものである。これにより圧縮空気の温度が一旦冷却されるために二段目の圧縮空気温度を低く抑えることができる。しかし、この二段機の途中で圧縮空気を冷却する工程において、凝縮水が発生しやすい。これは、単段機においても同様である。よって、圧縮機は凝縮水が発生するので錆が発生し易い。
圧縮機は、いわゆる気体を圧縮する機能を持つ圧縮機本体だけではなく、気体を吸込むフィルタや、クーラ、ドライヤーなどの構成要素とそれらを繋ぐ配管によって構成されており、錆の発生は圧縮機本体だけでなく、それらの繋ぐ配管にも及んでいる。
圧縮機の構成要素において錆やすい鋼材を用いている箇所の防錆性を高める方法としては、防錆性の高い表面処理を施す方法がある。しかし、構成要素の材質、大きさ及び形状などによって、選択する表面処理は様々である。現在は鋳鉄製のケーシングなどは、めっき処理やコーティング処理などを行って錆に対応している。
また、配管部分などは各部品を溶接して構成されている。しかし、溶接部品に表面処理することは難しいとされてきた。それは溶接欠陥の原因となるためである。溶接欠陥は、溶接時に吸収されたガスが気孔となるブローホールや、溶接割れなどがある。溶接割れは温度の制御が原因となるものや、不純物(S,P,C,Si,Niなど)が割れを促進する場合もある。そのため、表面処理の被膜があると、より溶接欠陥が起きやすいと言われている。
本技術分野の背景技術として、WO2012/026205号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、「鋼製品の疲労強度を高める方法としては、浸炭焼入れ、高周波焼入れ、軟窒化法などのように表面にマルテンサイト変態を起こして表面に圧縮残留応力を発生させる熱処理などの方法が良く知られている。しかしながら、このような熱処理は溶接部品には使用することができない。これは溶接部には溶接欠陥が含まれることがあるため、溶接部の表面を硬化させることは溶接部の信頼性をさらに低下させる恐れがあるためである。このため、溶接部を含む部品を浸炭処理するような場合には、溶接部が浸炭されないように防炭処理をしてから浸炭処理をするのが一般的である。」と記載されている。
WO2012/026205号公報
特許文献1は、単に、鋼製品の疲労強度を高める方法として、溶接部に防炭処理や防窒化処理を施し、溶接部をマスキングして溶接欠陥が生じないようにする点が記載されているだけで、配管部品の防錆については一切記載がない。
本発明の目的は、圧縮機内の配管に関し、その構成部品を錆の発生しにくい部材を用い、それらを溶接にて接合して作成した防錆機能を持つ配管、及びそれを備えた圧縮機を提供することにある。
本発明は、上記の課題を達成するために、その一例を挙げるならば、パイプとフランジから構成される配管であって、パイプとフランジのいずれか一方が鋼材であって、鋼材はガス軟窒化処理と酸化処理により形成された皮膜を有し、パイプとフランジが溶加材を用いた溶接にて接合されている構成とする。
本発明によれば、低コストで防錆効果が高い配管、及びそれを備えた圧縮機を提供できる。
実施例1におけるガス軟窒化と酸化処理によって形成される皮膜の模式図である。 実施例2におけるガス軟窒化層と酸化層からなる膜厚の最薄部膜厚と耐食性能を示す錆の発生面積率の関係を示すグラフである。 実施例3における配管を構成するパイプとフランジの溶接部の模式図と断面写真である。 実施例4における圧縮機システムの構成図である。 オイルフリースクリュー空気圧縮機の構成要素と空気の流れを示す説明図である。 オイルフリースクリュー空気圧縮機のパッケージ内部の側面図である。 オイルフリースクリュー空気圧縮機の配管を示す図である。
まず、一般的なスクリュー圧縮機について説明する。スクリュー圧縮機は、圧縮室内に流体として油を供給する油冷式と油を供給しないオイルフリー式とがある。
油冷式は、雄ロータと雌ロータとが油膜を介して接触しながら回転するようになっている。この油冷式はロータの回転によって発生する摩擦熱を油で冷却することでロータ間の焼付きを防ぐことが可能である。このような油冷式は、例えば圧縮空気中にオイルミストが混入するために、食品産業、半導体関連などクリーンな空気を必要とする分野では不向きである。
一方、オイルフリー式は、圧縮室内に油を一切供給しないために、クリーンな空気を提供できるものの、油によるシールがないため、ロータ間で焼付きが起こらないように両ロータ及びロータとケーシング間は非接触で回転させるようになっている。なおロータ表面には、接触時のかじり防止、及び防錆の目的で固体潤滑被膜が塗布されている。オイルフリー式ではロータに回転力を与えるために、ロータの軸端部に同期歯車が取り付けられていることから油冷式と比較すると構造が複雑である。
次に、オイルフリースクリュー空気圧縮機の空気の流れを図5で説明する。図5において、(A)は二段機の場合、(B)は単段機の場合を示している。(A)の二段機の空気圧縮機の空気の流れは、まず吸込フィルタにて外気を取り込み、一段目の圧縮機本体で空気を所定圧力まで圧縮する。一段目圧縮機本体から吐出された圧縮空気は、インタークーラで冷却され、この時に発生したドレン水はドレンセバレータで外部に排出される。その後、冷却された圧縮空気は二段目の圧縮機本体でさらに圧縮して所定圧力となる。圧縮された空気はハイプレクーラ、逆止弁を通り、アフタークーラで冷却されて、さらにドライヤーを通って吐出される。なお、図5に示したドレンセパレータ、ハイプレクーラ、ドライヤーは機種によっては接続されていない場合もある。
図5(B)の単段機の場合は、図示したように、圧縮機本体が一つしかないため、二段機よりは簡単な構成となるが、吐出温度が高くなるため、運転時と停止時の温度差が大きくなる。
圧縮機はこのような構成要素を配管で接続してパッケージ内に収められ、圧縮機ユニットとして構成している。
このように、オイルフリー圧縮機は油冷式のように断熱圧縮されて温度が上昇した空気を冷却する媒体がないため、ロータの吸込側と吐出側での温度差が大きくなってしまう。ほぼ室温で吸込された空気はスクリューの回転により800kPaまで圧縮され、断熱圧縮により吐出されるときには高温となり、二段機では約250℃、単段機では約400℃の高温に達する場合もある。そのため、圧縮機本体のケーシング部には冷却するための流路(ジャケット)が設けられており、機種によりクーラント液や油などの流体を流して、圧縮機本体を外側から冷却している。高温の圧縮空気内では気体で存在していた水分は、冷却されることにより、飽和水蒸気圧が下がり凝縮水となる。この水は一般的にドレン水と呼ばれドレンセパレータなどで除去する構成となっているが、その時の圧縮空気は湿度100%の状態となる。ドレンセパレータを通過後の圧縮空気は配管を通っている際も少しずつ冷却されており、配管内には常に湿度の高い空気が流れていることになる。
圧縮機の運転を停止すると、高温高湿度の空気が冷えて結露が生じる。圧縮機の心臓部となる圧縮機本体を構成するロータやケーシング内部には防錆処理等の対策をしているものが多いが、それ以外の構成部品の中には金属母材が露出している部分が存在する。その部分に発生した錆は徐々に広がり、その一部は圧縮空気の流れに乗り、運ばれていく。これらがさらに別の場所で錆の発生要因となり、最悪の場合は圧縮機本体内部に混入すると、起動する際にかじりが発生し、さらに悪化するとロータ間が固渋して圧縮機故障の原因となる。
母材が露出している部品の一つとして配管部のフランジがある。外側は防錆塗料などで錆対策を行っているが、内部はそのままで母材が露出しており、その部分は錆が発生している。
図6に、圧縮機のパッケージ内部の側面図を示す。図6は二段機の例を示している。図6において、一段目圧縮機本体3、二段目圧縮機本体6は2つともパッケージ下部に設置、インタークーラ4、アフタークーラ8は共に上部に設置されており、それらをパイプ2とフランジ1で構成された配管20で接続している。吸込フィルタ(図示せず)は下部の一段目圧縮機本体3の近くにあり、配管20を通って、圧縮空気は上下に運ばれ、最終的にはアフタークーラ8の後ろ側に設置されているドライヤー(図示せず)を抜けて吐出される。圧縮機全体をコンパクトなパッケージ内に収めるため、各構成要素を繋ぐ配管20は、パッケージ内の狭い空間を有効活用するため、三次元的に複雑に配置されている。
図7に配管20の構成例を示す。(A)は底面図、(B)は側面図を示している。配管20はパイプ2とフランジ1で構成されており、パイプ2の曲げ部はエルボを使用している。曲げ部を有する配管の作成は、最初に直線パイプ部とエルボを溶接で接合し、次にフランジを溶接する。通常、パイプ及びエルボはSUS304などの防錆性のある材料を用いている。特注である角フランジは一般構造用圧延鋼材であるSS400などを用いている。これらを溶加剤にSUSを用いて溶接して接合することで複雑な配置に対応している。そのため、フランジは占有体積が小さい特殊な角フランジを採用している。角フランジは特注のため、加工費がかかることから価格の低い材料を使用している。一般鋼材はそのままでは錆やすいので、配管をパッケージ内に設置した後に、外側は防錆塗料を塗布しておく。しかし、配管内部は一般鋼材の母材面が残っており、そこを、先に述べた高温高湿度の空気が流れるため、錆が発生しやすい箇所となっている。
このフランジ部の錆に対応する手段として、表面処理を施す必要がある。しかし、通常メッキや表面硬化処理などの表面処理をしたものを溶接すると、溶接欠陥が発生しやすいという問題があった。そのため、部品を先に表面処理をする場合は、溶接部に表面処理されないようにマスキング等の保護が必要となる。また、溶接後に表面処理をする際に、パイプにステンレス材を用い場合は、パイプ部まで処理する必要はないため、部分表面処理にするとマスキング等の工数が増える。また、全面表面処理にすると処理部の面積大となり高コストになるという問題があった。
そこで、これを解決するための構成について、以下本発明の実施例を説明する。
本実施例では、ガス軟窒化処理によりフランジに耐食性皮膜を設けた構成について説明する。
まず、本実施例で採用するガス軟窒化処理と酸化処理について説明する。一般的に、ガス窒化処理は、窒素を鉄に拡散させて窒化層を形成する表面硬化処理として知られている。ガス窒化処理は、Al,Cr,Moなどと鉄と窒素の化合物を形成するもので、Al,Cr,Moを含む高級鋼へ処理することができる。
これと異なり、本実施例で採用するガス軟窒化処理は、同様に窒素を鉄に拡散させて窒化層を形成するが、一般鋼材、炭素鋼などの低級鋼への処理が可能な処理であり、ガス窒化処理と区別される。
ガス軟窒化の処理方法は、対象物を処理炉内に配置し、アンモニアガスと浸炭性ガスを注入して加熱し反応時間に対応して保持することで処理を行う。しかし、加熱温度は鉄のA1変態点(726℃)以下の温度で処理できることから、母材の鉄にこれにより鉄、窒素、炭素の化合物と窒化鉄の混合体の層(Fe2-3(N,C)+Fe4N)が形成される。これがガス軟窒化層である。
このガス軟窒化処理の後、高温の空気中で保持することで酸化処理を行い、表面に鉄の酸化物層を形成する。酸化処理は、ガス軟窒化処理後、別の酸化炉で処理するが、設備的に連続して行うことができるのであればそれでもよい。酸化処理によって表面に四酸化三鉄(Fe3O4)の酸化物層を形成することによって、より耐食性を向上できる。
図1に、ガス軟窒化と酸化処理によって形成される皮膜の模式図を示す。図1に示すように、ガス軟窒化は窒素が鉄の内部に拡散しながら窒化層を形成していくため、処理前寸法に対して表面上側と下の母材側の両方に向かって皮膜が成長する。したがって、処理前寸法に対して変化した実際の寸法変化量よりも、ガス軟窒化層と酸化層(酸化物層)からなる膜厚は厚くなるのが一般的である。膜厚は、処理条件即ち温度と時間によってコントロールできるが、基本的には処理時間が長くなるほど膜厚は厚くなる。
なお、本実施例および以降の実施例において、酸化層は、ガス軟窒化層の膜厚に比べて小さく無視できるとして、特に断らない場合は、ガス軟窒化層と酸化層からなる膜厚をガス軟窒化層の膜厚として説明している。しかし、酸化層の膜厚が無視できない程度に大きい場合は、ガス軟窒化層と酸化層からなる膜厚として置き換えることが出来る。
以上のように、本実施例によれば、ガス軟窒化と酸化処理により形成された皮膜を有するフランジは、耐食性が向上するため、低コストで錆の発生が抑えられた配管を提供することができる。また、ガス軟窒化処理をフランジ全面に行うので、従来必要であったフランジ外側の塗装も不要となる。また、圧縮機内の配管の耐食性が向上するため、錆の発生が抑えられ、錆によるかじりや固渋の発生が少ない圧縮機を提供することができる。
本実施例では、耐食性能を考慮した配管、特に一般鋼材で作成したフランジ部の表面の耐食性皮膜について説明する。
図2はガス軟窒化層と酸化層からなる皮膜の膜厚と、耐食性能を示す錆の発生面積率の関係を示すグラフである。この耐食性能は、SS400の機械加工面にガス軟窒化と酸化処理により形成された皮膜を処理した試験片を、温度60℃湿度90%の環境下で500時間保持した後の表面における錆の発生状況である。
図2に示すように、ガス軟窒化処理をしていない一般鋼材母材そのまま(膜厚0μm)の場合、1時間でほぼ全面に錆が発生した。しかし、膜厚が1μmあれば500時間高湿度中にあっても錆の発生率は半減し、膜厚が2μmあれば錆の発生率は10%まで減少することが分かった。また、錆の発生は最初の数時間で起こり、その後、錆の量は増えることなくほぼ一定で、進行することは無かった。
実際のフランジにおいても表面処理していない配管内部では錆が発生しているが、それが半減するだけでも防錆の効果は大きい。好ましくは10%以下でかつ進行しないのであれば防錆効果は十分といえる。したがって、ガス軟窒化層の膜厚は2μm以上にすることが必要となる。
本実施例では、ガス軟窒化層と酸化層からなる表面処理をして防錆機能を高めたフランジとSUSのパイプをSUSの溶加材を用いて溶接した結果について説明する。図7に示したフランジ1の孔部にパイプ2を挿入して、図3(A)に示すように、パイプの外側と内側の二か所を溶接する場合について説明する。
パイプ2とフランジ1の溶接は、もっとも一般的に用いられるアーク溶接法とした。母材の溶接しようとする部分を加熱し、母材と溶加材(溶接棒など)とを融合させて溶融金属を作ってこれを凝固させ接合する方法である。そのため、母材表面に表面処理によって他の元素が高濃度に存在すると、溶融金属が均一にならず溶接欠陥が起きやすいと言われている。但し、実施例2で述べたように、防錆を目的としたガス軟窒化処理と酸化処理の場合、膜厚は2μmあれば十分な防錆機能がある。そのため、母材の溶融に大きな影響を与えることがなく、溶接欠陥が発生することもない。図3(B)は、溶接部の該略模式図であり、図3(C)、(D)は溶接部の断面写真である。膜厚20μmのガス軟窒化層を有するフランジ1を用いて溶接したものである。図3(C)、(D)に示すように、パイプ2と溶加材は同じ材料のSUSのため、溶接継ぎ目を確認できないくらい非常によく溶融している。また、フランジとの溶接部分も十分に母材が溶融して接合しており、溶接欠陥も発生していない。
本実施例は防錆を目的としているので、ガス軟窒化層は最低でも2μm以上は必要である。より厚膜になれば、より防錆性能は向上する。ただし厚くなりすぎると、溶接欠陥が発生のリスクが上がり、かつ処理コストも上がるため、2μm以上で薄膜とすることが重要である。また、望ましくは、20μm以下とすることで、溶接不良なく、処理コストを抑えることができる。
以上、実施例1、2、3より、ガス軟窒化処理による皮膜を2μm以上、望ましくは、20μm以下とすることで防錆効果がありかつ溶接を阻害しない皮膜を提供することができる。
なお、本実施例では、一般鋼材として一般構造用圧延鋼材(SS材)を使用している。これはもっとも流通量が多いと言われ価格も低いからである。もちろん、これ以外の鋼材でもよく、例えば、溶接構造用圧延鋼材(SM材)や機械構造用炭素鋼鋼材(S-C材)等でもよい。
本実施例は、前記した配管を、空気圧縮機の外部配管にも使用する例である。
図4は、前記した空気圧縮機をシステムとして構成した圧縮機システムの構成図である。図4において、圧縮機を効果的にかつシステム的に使用する際、複数台の空気圧縮機10を連結して、圧縮空気を空気槽11にプールし、その後使用目的に応じてドライヤー12やフィルタ13を介して、圧縮機空気を必要な箇所へと供給するものである。この際、各空気圧縮機10を連結するために配管20を使用しており、これらについても前記した配管を使用する。これにより、圧縮機外部の配管の耐食性も向上するため、錆の発生が抑えられる圧縮機システムを提供することができる。
上記実施例では、圧縮機方式としてスクリュー式圧縮機を用いて説明したが、これに限定されず、圧縮室内に油を一切供給しないオイルフリーの圧縮機であって、各構成要素が配管でつながれており、その中を高温高湿度の圧縮空気が通過する構成を有する圧縮機であれば、レシプロ圧縮機やスクロール圧縮機等でもよい。また、空気の圧縮機に限定されず一般的な気体の圧縮機でもよく、上記実施例において、空気を気体と読み替えてもよい。
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。例えばパイプ側を一般鋼材として、ガス軟窒化処理と酸化処理を行って防錆化して、フランジをSUS材として溶接する構成でもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
1:フランジ、2:パイプ、3:一段目圧縮機本体、4:インタークーラ、5:ドレンセパレータ、6:二段目圧縮機本体、7:逆止弁、8:アフタークーラ、9:溶加材、10:空気圧縮機、11:空気槽、12:ドライヤー、13:フィルタ、20:配管

Claims (6)

  1. 空気を吸込む吸込フィルタと、該吸込フィルタから吸込んだ気体を圧縮する圧縮機本体と、圧縮後の気体を冷却するクーラと有する圧縮機であって、
    配管によって、前記吸込フィルタと、前記圧縮機本体と、前記クーラをそれぞれ繋ぐ構成であり、
    前記配管は、パイプとフランジから構成され、
    前記パイプと前記フランジのいずれか一方が鋼材であって、該鋼材はガス軟窒化処理と酸化処理により形成された皮膜を有し、前記パイプと前記フランジが溶加材を用いた溶接にて接合されていることを特徴とする圧縮機
  2. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記フランジが前記鋼材であることを特徴とする圧縮機
  3. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記パイプはステンレス材であることを特徴とする圧縮機
  4. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記ガス軟窒化処理と酸化処理によって形成された皮膜の厚さが2μm以上であることを特徴とする圧縮機
  5. 請求項4に記載の圧縮機であって、
    前記ガス軟窒化処理と酸化処理によって形成された皮膜の厚さが20μm以下であることを特徴とする圧縮機
  6. 求項1から5のいずれか1項に記載の圧縮機を複数有し、該複数の圧縮機を連結して、圧縮された気体を気体槽にプールする圧縮機システムであって、
    前記複数の圧縮機を連結するために前記配管を使用することを特徴とする圧縮機システム
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