JP6691821B2 - 車輪及びキャスタ - Google Patents

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Description

本発明は、走行時における衝撃及び騒音を緩和し得る内外輪分離型の車輪及びキャスタに係り、更にブレーキ機能を有効に付与した車輪及びキャスタに関するものである。
この種の車輪として、特許文献1に示すものが挙げられる。この車輪は、外輪との間で半径方向に隙間を形成することにより当該半径方向を含む所定の範囲で遊動自在とした状態で前記外輪の内側に内輪を配置し、前記内輪の軸心に当該内輪を軸支する車軸を取り付けて、外輪が接地することにより内輪が外輪の偏心した位置に内接し且つ外輪の内面上を転動しながらその内接位置を変更し得るように構成されている。
このような構成により、内輪は外輪内を転動することができるので、外輪が障害物に衝突してロックし、或いは円滑な走行が妨げられた状況下において、引き続き車軸を通して内輪に上載物の慣性が作用する場合、あるいは操作力が加わる場合には、先に内輪が外輪内を障害物上へ乗り上がる位置まで前上方に移動し、この内輪に付勢されるようにして外輪がやや遅れて障害物へ乗り上がるという作用が営まれる。したがって、上載物の慣性力がそのまま衝突反力として車輪に作用することを回避して、衝撃や騒音発生を有効に防止することができる。その際、内輪は、障害物の大きさに応じて必要な高さまで上がることができるので、障害物が極端に大きい場合を除いて、一律に有効な緩衝作用が生じることになる。
これにより、簡素かつ廉価に構成できて、走行時に障害物に衝突した際の衝撃及び騒音を緩和し、特に車輪のロックを有効に回避するとともに、過大な操作力を要さずに障害物を乗り越えられるようにした、使い勝手に優れた車輪を提供できるものとなっている。
更に本発明者は、非特許文献1に示すように、内輪を双輪にした新たな構造を実現している。このキャスタは、図7に示すように、外輪101に対して内輪102を一対に配して構成されている。
図7では、外輪101の内側を軸心方向に二分する位置に内リング105を外輪101と一体的に設け、内輪102を内リング105を挟む両側に一対に配置して双輪構造にするにあたり、各内輪102に内向きに径の異なるボス部102a、102bを設け、これらのボス部102a、102bを車軸Sの外周と内リング105の内周との間の円環状の隙間に挿入して嵌め合わせることで、一体に取り扱える構造を採用している。
特開2008−13074号公報
http://www.kamosys.com/R2/R2.html
ところで、一般的な双方キャスタの場合、車軸を貫通させた支持壁の両側に軸受を介して車輪を取り付けるのが通例であり、車軸の中央部を保持する支持壁が台車やキャリー等に固定される。ブレーキを掛ける場合は、支持壁の内部で内輪に対するブレーキ力の付与を行なうことができる。
しかしながら、内外輪分離構造において内輪102を双輪にし、これを台車やキャリー等に固定しようとする場合、内輪102を止めても外輪101が動き、外輪101を止めても内輪102が動くという特殊な事情がある。このため、全く新たなブレーキ機構を導入することが必要になる。
本発明は、内外輪分離かつ内輪双輪構造であることをうまく利用して、新たなブレーキ機構を導入した車輪及びキャスタを提供することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の車輪は、外輪との間で半径方向に隙間を形成することにより当該半径方向を含む所定の範囲で遊動自在とした状態で前記外輪の内側に内輪を配置し、前記内輪の軸心に軸孔を設けて、外輪が接地することにより内輪が外輪の偏心した位置に内接し且つ外輪の内面上を転動しながらその内接位置を変更し得るように構成されるものにおいて、前記外輪の内側に内リングを当該外輪と一体的に設け、この内リングを挟む位置に一対の内輪を軸心方向に接離可能に配置することにより双輪構造として、内輪間を狭める外力が作用した場合に、内輪が内リングに押し付けられて内リング及び外輪と一体化するように構成したことを特徴とする。
このようにすると、内外輪分離かつ内輪双輪構造をうまく利用し、内外輪を一体化させることで車輪が転動し難い状態を有効に作り出すことができる。
具体的な実施の態様としては、内輪間隔が軸心に沿って広がる挙動を規制する規制部と、この規制部に向かって内輪間隔を押し広げる方向に弾性力を作用させる弾性体とを設けているものが挙げられる。
この場合、それぞれの内輪の内周を軸受で支持し、当該内輪の内周を軸受に対して一体となるように差し込むとともに、軸受が規制部の一部を構成しているものが挙げられる。
或いは、それぞれの内輪の内周を軸受で支持し、当該内輪の内周を軸受に対して一体となるように差し込むとともに、弾性体を軸受の内側面間に介在させているものが挙げられる。
上記の車輪を利用してキャスタを構成するためには、車輪の軸孔に車軸を挿通して車軸の両端をキャスタ本体に支持させ、キャスタ本体に、前記内輪間隔を直接又は間接に狭める方向の付勢力を付与するブレーキ機構を設けておくことが好ましい。
より具体的には、車軸がキャスタ本体を構成する一対のブラケットを貫通した位置でブレーキ機構に係合させるように構成されるとともに、ブレーキ機構は、ブレーキ操作によってブラケットを介して内輪間隔を狭める方向の付勢力を付与し、ブレーキ解放操作によってブラケットを介して内輪間隔を広げるように構成されているものが挙げられる。
好ましい実施の一態様としては、ブレーキ機構が、車軸と直交する方向にスライド可能な操作部と、この操作部に設けられた斜め溝と、車軸の他端に当該車軸と直交する方向に取り付けたピンとを備え、ピンを斜め溝に係合させ、操作部のスライド移動に伴い、ピンが斜め溝に沿って車軸の軸心方向に変位することで引っ張り力の付与又は解除を行なうように構成されているものが好適である。
さらに、ブレーキ機構の動作に伴って外輪又は内輪の動きを拘束する拘束部を設けていることが効果的である。
以上説明した本発明によれば、内外輪分離かつ内輪双輪構造としても一体に取り扱いができ、ブレーキ機能も兼ね備えた、新規有用な車輪及びキャスタを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る車輪を組み付けたキャスタの斜視図。 図1の分解斜視図。 同車輪の側面図。 図3におけるIV−IV線階段断面図。 同キャスタのブレーキ機構を示す図4に対応した断面図。 同ブレーキ機構の作動説明図。 従来構造を示す図4に対応した断面図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の車輪Rを取り付けたキャスタCを示しており、図2はその分解斜視図、図3は車輪Rの側面図、図4は図3におけるIV−IV線階段断面図、図5はこの車輪Rを適用したキャスタCの断面図である。図4において断面を表わすハッチングは一部省略してある。
この車輪Rは、外輪1との間で半径方向に隙間を形成することにより当該半径方向を含む所定の範囲で遊動自在とした状態で外輪1の内側に内輪2を配置し、内輪2の軸心mの位置に車軸Sを挿通する軸孔20を設けて、外輪1が接地することにより内輪2が外輪1の偏心した位置に内接し且つ外輪1の内面10上を転動しながらその内接位置を変更し得るように構成された内外輪分離構造である。軸孔20はボス3により形成され、ボス3と内輪2の間には軸受4が配されている。
特にこの実施形態は外輪1内で内輪2の双輪構造を実現するものであり、そのためには、一対の内輪2、2を外輪1に対して分離しないように組み付ける必要がある。そこで、外輪1の内側を軸心m方向に二分する位置に内リング5を外輪1と一体的に設け、この内リング5を挟む両側に一対の内輪2、2を配置する。その際、内輪2、2同士を図7に示すように接離不能に嵌め合わせるのではなく、接離可能な状態とする。そのために、内輪2の内周を支持する軸受4を利用し、適正に組み付けた所定位置を基準にして、内輪2、2の間隔が車軸Sに沿って広がる挙動を規制する規制部Xと、この規制部Xに向かって内輪2、2の間隔を押し広げる方向に弾性力を作用させる弾性体たるコイルばね6とを設けている。二分する位置は必ずしも二等分する位置に限らない。
具体的に説明すると、外輪1はドーナツ状をなし、外周は平坦面11の両側に角を丸めたR部12を設けたもので、素材には路面を転動するに適したもの、例えばEPDMが使用されている。
軸受4は、転動体であるボール41を内側軌道輪42と外側軌道輪43で挟んで一体化させた構造の周知のころがり軸受を用いたもので、内側軌道輪42には取付孔42aが貫通している。
一方、内輪2は軸受4に支持された状態で外輪1の内面10を転動するため、素材には機械的強度に優れたもの、例えばPA66(いわゆる6−6ナイロン)が使用されている。この内輪2は、等角位置に肉抜きを設けた円盤部21の外側に断面T字状に広がる外周部22を有し、この外周部22の外面22aを転動面とするとともに、内周側に内向きコ字型の差込部23を設けた樹脂一体成体である。差込部23は軸受4の外側軌道輪43の両側端面を抱く状態で軸受4の機能を妨げない位置まで差し込まれて外側軌道輪43と一体化される。
内リング5は内輪2と同様の機械的強度を付与すべく、素材に例えばPA66が使用されている。内リング5は等角位置に肉抜きを設けた円盤部51の外周側に断面T字状に広がる外周部52を有しており、この外周部52と円盤部51の一部が外輪1内に埋め込まれた状態で外輪1とともに樹脂一体成型(インサート成型)されている。
ボス3は、軸受4の取付孔42aに嵌り合う外径を有する第1筒部31と、この第1筒部31よりも若干径の大きい第2筒部32と、この第2筒部32の一端に拡開して設けられた鍔部33とが樹脂一体成型されたもので、第1筒部31と第2筒部32の境界には段差部34が形成されている。
外輪1の内径φ1は内輪2の外径φ2よりも大径となるように設定されることで、外輪1と内輪2との間に半径方向に隙間が形成され、外輪1が内輪2に対して相対的に上方へ偏心した図3の状態において、外輪1と内輪2の間には三日月状の隙間Δが形成される。内リング5の内周53はこの三日月状の隙間Δよりも軸心m側に延びて、内輪2、2の倒れ止めを図っている。
外輪1の内径φ1と内輪2の外径φ2とは適宜の寸法に設定すればよいが、両者があまり近いと外内輪1,2を設けた意義が没却され、逆にかけ離れ過ぎると路面上の段差を蹴ってしまう。本発明者が種々の実験をした結果、円滑な段差乗り上げのためには、φ2とφ1の比率φ2:φ1を、1:1.2〜1.4の範囲に収めることが有効であることが判明した。
組み付けの一例は、内輪2の差込部23を軸受4の外側軌道輪43に対して一体となるように差し込み、軸受4の内側軌道輪42の取付孔42aにボス3を挿入して段差部34が内側軌道輪42の側端面に突き当たるまで差し込んで内輪ユニットを組む。そして、その内輪ユニットを、外輪1の内側において内リング5で画された両側の空間に左右から装入する。その際、一対の軸受4、4間にはボス3の外周に嵌め合わせた弾性体であるコイルバネ6を位置づける。コイルバネ6は軸受4の回転を妨げないように内側軌道輪42の内側面間に位置づける。
そして、これをキャスタCを構成する一対のブラケット71、71間に装着し、図5に示すように軸孔20に車軸Sを挿通して、一端を止着具であるロックナットNで締め付けてキャスタCに仕上げる。締め付けた状態で、一対の内輪2、2は外輪1の溝10mに軌条22mをガイドされて軸心m方向にガタつきなく安定に転動し得る状態となり、内輪2の外周部22と内リング5の円盤部51との間には所定のクリアランスδが確保される。そして、この組み付け時において、車軸Sの他端側に内輪間隔を狭める方向の付勢力を付与するブレーキ機構8が組み付けられる。
このブレーキ機構8は、車軸Sと直交する方向にスライド可能な操作部81と、この操作部81に設けられた斜め溝82と、車軸Sの他端に当該車軸Sと直交する方向に取り付けたピン83とを備え、ピン83を斜め溝82に係合させたもので、操作部81はブロック体状に樹脂成型され、斜め溝82を形成されている片82sは紙面垂直方向に所定距離を隔てて一対に対向している。上記組み付け時に操作部81の側面はキャスタ本体7のブラケット71の外側面に沿っており、ロックナットNを締めると、操作部81の内側面がブラケット71の外側面に当接した状態で車軸Sの他端をピン83を介して保持する結果、ロックナットNによる締付力がブラケット71、71間に蓄積される。これに伴い、軸受4の内側軌道輪42の外側面がボス3の段差部34に突き当たった箇所に本発明の規制部として機能する係合部Xが形成され、この係合部Xによって軸受4,4間の間隔が軸心mに沿って広がる挙動が規制され、その結果、軸受4に嵌め合わされた内輪2、2間の間隔も軸心mに沿って広がることが規制される。また、軸受4の内側軌道輪42の内側面間に介在するコイルバネ6がやや圧縮された状態となり、バネ反力によって軸受4の内側軌道輪42の外側面をボス3の段差部34に押し当てて軸受4、4間の間隔を維持する。
なお、この実施形態では、ブレーキ機構8の動作に伴って外輪1の動きを拘束する拘束部として、ブレーキ機構8を構成する操作部81に、下端が楔状にされたブレーキシュー81aが取り付けてあり、このブレーキシュー81aをブラケット71に設けた窓71aを通してブラケット71の内側面71bに挿入している。このブレーキシュー81aは通常は図5に示すように外輪1に接触しない位置にあるが、後述するように操作部81が降下すると図6に示すように外輪1の外側面13とブラケット71の内側面71bとの間に差し込まれる。
ブレーキ機構8は、操作部81に対して足で踏み込み又は手で押し込むブレーキ操作を行なうと、図5→図6に示すように降下しながら斜め溝82を介してピン83をブラケット71から遠ざけるので、ブラケット71を足場に車軸Sがブラケット71、71間空間から軸心m方向に引き出す方向に引っ張られる。その結果、ロックナットNと操作部81の間に位置するブラケット71がボス3を介して軸受4を相寄る方向に付勢する。この結果、軸受4に差し込まれている内輪2、2の間隔が狭まり、図6に示すように内輪2の内側面を内リング5の外側面に押し付けて内輪2、内リング5及び外輪1を一体化させる(クリアランスδ=0)。このため、外輪1は転動し難い状態となる。しかも、操作部81と一体に昇降する位置にブレーキシュー81aが取り付けてあり、ブレーキシュー81aが外輪1の外側面13とブラケット71の内側面71bとの間に差し込まれて圧接状態となるため、外輪1の回転が禁止される。
一方、操作部81に対して足で持ち上げ又は手で引き上げるブレーキ解放操作を行なうと、図6→図5に示すように操作部81が上昇しながら斜め溝82を介してピン83をブラケット71に近づけるので、コイルバネ6によって軸受4、4の間隔がブラケット71、71の間隔とともに押し広げられる。この結果、軸受4に差し込まれている内輪2、2の間隔が狭がり、図5に示すように内輪2の内側面と内リング5の外側面との間に所定のクリアランスδが回復する。このとき、ブレーキシュー81aが外輪1の外側面13とブラケット71の内側面71bとの間から退避するため、外輪1は再び自由に回転できる状態となる。
なお、外輪1の内面10において一対の内輪2、2が安定した軌道上を転動するよう、各内輪2、2の外周面22aにおける軸心m方向中央部に外周に向かって緩やかに凸となる軌条22mを周回させて設けるとともに、外輪1の内面10における対応2箇所に軌条22mと係合する溝10mを周回させて設けている。勿論、各内輪2の外周面22aにおける軸心m方向中央部に外周に向かって緩やかに凹となる溝を設け、外輪1の内面10における対応2箇所に溝と係合する軌条を設けても構わない。
これにより、前述したブレーキ操作の際に内輪2、2の間隔が狭まると、軌条22mが溝10mから出て外輪1の内面10に乗り上げようとする。このため、この部位においても内輪2と外輪1の間に摩擦抵抗が発生し、内外輪を一体化する効果を高める。ブレーキ解放操作が行なわれると、再び軌条22mが溝10mに収まるので、内外輪の間で生じていた摩擦抵抗は消失する。
この車輪Aが路面上を走行する際の挙動は基本的に特許文献1と同様であって、内輪2は外輪1内を転動することができるので、外輪1が障害物に衝突してロックし、或いは円滑な走行が妨げられた状況下において、引き続き車軸Sを通して内輪2に上載物の慣性が作用する場合、あるいは操作力が加わる場合には、先に内輪2が外輪1内を障害物上へ乗り上がる位置まで前上方に移動し、この内輪2に付勢されるようにして外輪1がやや遅れて外輪1の内面10を転動して障害物へ乗り上がるという作用が営まれる。したがって、上載物の慣性力がそのまま衝突反力として車輪Rに作用することを回避して、衝撃や騒音発生を有効に防止することができる。その際、内輪2は、障害物の大きさに応じて必要な高さまで上がることができるので、障害物が極端に大きい場合を除いて、一律に有効な緩衝作用が生じることになる。
障害物から降りるときは、先に外輪1が下りた後、内輪2がやや遅れて外輪1の内面10を転動しつつ障害物から降りるという作用が営まれる。したがって、この場合にも衝撃や騒音発生を有効に防止することができる。
そして、キャスタCを停止させたい場合には、ブレーキ機構8の操作部81に対して、簡単なブレーキ操作のみで内外輪をロックすることができ、簡単なブレーキ解除操作のみで内外輪のロック解除を行なうことができる。
以上のように、本実施形態の車輪Rは、外輪1との間で半径方向に隙間を形成することにより半径方向を含む所定の範囲で遊動自在とした状態で外輪1の内側に内輪2を配置し、内輪2の軸心mの位置にボス3による軸孔20を設けて、外輪1が接地することにより内輪2が外輪1の偏心した位置に内接し且つ外輪1の内面10上を転動しながらその内接位置を変更し得るように構成するにあたり、外輪1の内側に内リング5を外輪1と一体的に設け、この内リング5を挟む位置に一対の内輪2、2を軸心m方向に接離可能に配置することにより双輪構造としたものである。そして、内輪2、2間を狭める外力が作用した場合に、内輪2が内リング5に押し付けられて内リング5及び外輪1と一体化するように構成している。
このようにすると、内外輪分離かつ内輪双輪構造をうまく利用し、内外輪を一体化させることで車輪Rが転動し難い状態を有効に作り出すことができる。
具体的には、内輪間隔が軸心に沿って広がる挙動を規制する規制部と、この規制部に向かって内輪間隔を押し広げる方向に弾性力を作用させる弾性体とを設けているため、弾性力に抗して外力を受けるように組み込めば内外輪を一体化した状態にすることができる。
この場合、それぞれの内輪2の内周を軸受4で支持し、内輪2の内周に設けた差込部23を軸受4の外側軌道輪43に対して回転を妨げずに一体となるように差し込むとともに、軸受4の内側軌道輪42が規制部Xの一部を構成するようにしており、軸受4、4の間隔が車軸Sに沿って広がる挙動が内側軌道輪42を介して規制され、内輪2は軸受4に一体に差し込まれているから、結果的に内輪2、2間隔も車軸Sに沿って広がる挙動が規制される構造を好適に実現するものとなっている。
或いは、それぞれの内輪2の内周を軸受4で支持し、内輪2の内周に設けた差込部23を軸受4の外側軌道輪43に対して回転を妨げずに一体となるように差し込むとともに、弾性体であるコイルばね6を軸受4を構成する内側軌道輪42の内側面間に回転を妨げない状態で介在させており、軸受4,4間隔が車軸Sに沿って狭まる挙動がブッシュ6によって規制され、内輪2は軸受4に一体に差し込まれているから、結果的に外力が作用しない状態で内輪2、2間の間隔が適切に維持される状態を好適に実現するものとなっている。
そして、以上のように構成される車輪Rの軸孔20に車軸Sを挿通して車軸Sの両端をキャスタ本体7に支持させ、キャスタ本体7に設けるブレーキ機構8は、内輪2、2の間隔を狭める方向の付勢力を付与する機能だけで良いため、ブレーキ機構8も簡単な構造で済ませることができ、かつ左右均等なブレーキ力を付与することができる。
具体的には、車軸Sがキャスタ本体7を構成する一対のブラケット71、71を貫通した位置でブレーキ機構8に係合させており、ブレーキ機構8は、ブレーキ操作によってブラケット71を介して内輪2、2の間隔を狭める方向の付勢力を付与し、ブレーキ解放操作によってブラケット71を介して内輪2、2間の間隔を広げるように構成されているため、外付けで片側にブレーキ機構8を設けただけであっても、左右均等な締め付け力を内輪2に対して付与する構成を実現ことができる。
特に、ブレーキ機構8が、車軸Sと直交する方向にスライド可能な操作部81と、この操作部81に設けられた斜め溝82と、車軸Sの他端に車軸Sと直交する方向に取り付けたピン83とを備え、ピン83を斜め溝82に係合させ、操作部81のスライド移動に伴い、ピン83が斜め溝82に沿って車軸Sの軸心m方向に変位することで引っ張り力の付与又は解除を行なうように構成されているため、ブレーキ機構8の部品点数はわずかなもので済むことになる。
さらにこのキャスタCは、ブレーキ機構8の動作に伴って外輪1の動きを拘束する拘束部たるブレーキシュー81aを設けているので、内外輪一体となった車輪Rに適切なロックを掛けることが可能となる。ブレーキシュー81aは、内輪2を拘束するように設けることも可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成や素材等は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では内輪2と外輪1の間に軌条22mと溝10mによる凹凸の嵌め合いを設けたが、平坦であっても本発明のストッパー機構8は有効に機能することができる。
また、図7に示すボス構造にしたとしても、コイルばねを収容でき、かつ内輪間隔を狭めることができる程度にボスを短くして内輪同士を軸心方向に接離可能としておけば、上記実施形態に準じた作用効果が奏される。
さらに、内リング5と外輪1は必ずしも一体成型せずとも、別々に成形して一体化若しくは一体的に連結してもよい。
また、上記実施形態ではボスを軸受の内側軌道輪に押し当てて内輪間隔が広がる挙動を規制する規制部を構成したが、ボスを用いない場合には、軸受の内側軌道輪を外側軌道輪よりも幅広にしてこの内側軌道輪に直接規制力を作用させるように構成することで、同様の効果を奏することができる。
さらに、前記実施形態では外輪が単輪で内輪が双輪である構造について説明したが、外輪も双輪として各々の外輪の内側に内輪を配置し、これらの内輪間に各外輪とそれぞれ一体化された内リングを位置づけても、上記実施形態に準じた車輪やキャスタを構成することができる。この場合、内リングの内径よりも径の大きい保持板を内リング間に配置して車軸を通し、車軸の両端を抜け止め構造にするとともに、保持板間において当該車軸をキャスタ本体に支持させれば、外輪の適切な保持を行なうことができる。そして、上記実施形態と同様にブレーキ機構を構成すれば、各内輪をそれぞれ対応する内リングに押し付けて一体化することができる。拘束部についても上記実施形態と同様に構成することができる。 その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の車輪及びキャスタは、台車やキャリー、カート、手押し車、車両を始め、路面の段差や障害物を乗り越えて走行することが要求され且つブレーキ機能が必要とされる種々の民生品や産業機械等に利用することができる。
1…外輪
2…内輪
3…ボス
4…軸受
5…内リング
6…弾性体
7…キャスタ本体
8…ブレーキ機構
10…内面
20…軸孔
71…ブラケット
81…操作部
81a…拘束部(ブレーキシュー)
82…斜め溝
83…ピン
C…キャスタ
m…軸心
N…止着具(ロックナット)
R…車輪
S…車軸
X…規制部

Claims (8)

  1. 外輪との間で半径方向に隙間を形成することにより当該半径方向を含む所定の範囲で遊動自在とした状態で前記外輪の内側に内輪を配置し、前記内輪の軸心に軸孔を設けて、外輪が接地することにより内輪が外輪の偏心した位置に内接し且つ外輪の内面上を転動しながらその内接位置を変更し得るように構成されるものにおいて、
    前記外輪の内側に内リングを当該外輪と一体的に設け、この内リングを挟む位置に一対の内輪を軸心方向に接離可能に配置することにより双輪構造として、内輪間を狭める外力が作用した場合に、内輪が内リングに押し付けられて内リング及び外輪と一体化するように構成したことを特徴とする車輪。
  2. 内輪間隔が軸心に沿って広がる挙動を規制する規制部と、この規制部に向かって内輪間隔を押し広げる方向に弾性力を作用させる弾性体とを設けている請求項1に記載の車輪。
  3. それぞれの内輪の内周を軸受で支持し、当該内輪の内周を軸受に対して一体となるように差し込むとともに、軸受が規制部の一部を構成している請求項2に記載の車輪。
  4. それぞれの内輪の内周を軸受で支持し、当該内輪の内周を軸受に対して一体となるように差し込むとともに、弾性体を軸受の内側面間に介在させている請求項2又は3に記載の車輪。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の車輪の軸孔に車軸を挿通して車軸の両端をキャスタ本体に支持させたものであって、キャスタ本体に、前記内輪間隔を直接又は間接に狭める方向の付勢力を付与するブレーキ機構を設けたことを特徴とするキャスタ。
  6. 車軸がキャスタ本体を構成する一対のブラケットを貫通した位置でブレーキ機構に係合させており、ブレーキ機構は、ブレーキ操作によってブラケットを介して内輪間隔を狭める方向の付勢力を付与し、ブレーキ解放操作によってブラケットを介して内輪間隔を広げるように構成されている請求項5に記載のキャスタ。
  7. ブレーキ機構が、車軸と直交する方向にスライド可能な操作部と、この操作部に設けられた斜め溝と、車軸の他端に当該車軸と直交する方向に取り付けたピンとを備え、ピンを斜め溝に係合させ、操作部のスライド移動に伴い、ピンが斜め溝に沿って車軸の軸心方向に変位することで引っ張り力の付与又は解除を行なうように構成されている請求項6に記載のキャスタ。
  8. ブレーキ機構の動作に伴って外輪又は内輪の動きを拘束する拘束部を設けている請求項6又は7に記載のキャスタ。
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