JP6691733B2 - インクジェット捺染方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット捺染方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、画質等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、綿及び綿ブレンドなどの布の、非白色インクジェットインクを用いた、より高次の色の、高品質インクジェット印刷を実現することを目的として、(a)織物を、多価金属化合物溶液を含む前処理溶液で前処理するステップと、(b)前記前処理した織物を水性ホワイト顔料化インクジェットインクでデジタル印刷するステップであって、白色で印刷された領域が、その上に適用される印刷カラーイメージと実質的に同一の形状であるステップと、(c)1つまたは複数の水性非白色インクジェットインクを用いて、前記カラーイメージを前記ホワイトインク上にデジタル印刷するステップとを含み、前記ホワイトインクの最初の印刷と、前記非白色インクジェットインクの最初の印刷との間の時間間隔が60分間未満である、カラーイメージを織物にデジタル印刷する方法が開示されている。
特表2009−508717号
上記特許文献1には、前処理液付着後、印刷時には実質的に乾燥していることが好ましい旨が教示されている。しかしながら、このような工程では、印捺にかかる時間が増大するという問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、ムラが少なく、密着性、発色性に優れる印捺物が得られるインクジェット捺染方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、ウェットオンウェット方式で、所定の工程により捺染することにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
布帛に対し、多価金属化合物と水溶性有機溶剤とを含む前処理液を非接触式で付着させて、第1記録領域を形成する前処理工程と、
前記第1記録領域の少なくとも一部に対し、インクジェット方式で第1インク組成物を付着させて、第2記録領域を形成する第1記録工程と、を備え、
前記前処理液の付着量が、0.0080〜0.035g/cm2であり、
前記水溶性有機溶剤の含有量が、前記多価金属化合物に対する質量比として、0.50以上であり、
前記前処理工程から前記第1記録工程までをウェットオンウェット方式で行う、インクジェット捺染方法。
〔2〕
前記前処理液が、前記多価金属化合物5.0〜20質量%と、該多価金属化合物に対する質量比が0.50〜5.0である水溶性有機溶剤と、を含む、前項〔1〕に記載のインクジェット捺染方法。
〔3〕
前記第1インク組成物が、酸化チタンを含むホワイトインクである、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェット捺染方法。
〔4〕
前記第1インク組成物が、樹脂5.0〜20質量%と、水溶性有機溶剤10〜20質量%と、を含有する、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
〔5〕
前記第2記録領域の少なくとも一部に対し、前記第1インク組成物と色材組成が異なる第2インク組成物を付着させて、第3記録領域を形成する第2記録工程を備える、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
〔6〕
前記前処理工程後前記第1記録工程前に、前記布帛に付着した前記前処理液を均す均し工程を備える、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
〔7〕
前記前処理工程から前記第1記録工程までにおいて前記布帛の温度が35℃以下である、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
〔8〕
前記第1記録工程前において、前記第1記録領域に付着した前記前処理液の残存量が、前記前処理工程における付着量の総量に対し、50質量%以上である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔インクジェット捺染方法〕
本実施形態のインクジェット捺染方法は、布帛に対し、多価金属化合物を含む前処理液を付着させて、第1記録領域を形成する前処理工程と、前記第1記録領域の少なくとも一部に対し、インクジェット方式で第1インク組成物を付着させて、第2記録領域を形成する第1記録工程と、を備え、前記前処理液の付着量が、0.0080〜0.035g/cm2(1.2〜5.5mg/inch2)であり、前記前処理工程から前記第1記録工程までをウェットオンウェット方式で行う。
前処理液を用いた印捺方法には、前処理液を付着乾燥後、インク組成物を付着させるウェットオンドライ方式と、前処理液を付着乾燥せずにインク組成物を付着させるウェットオンウェット方式がある。ウェットオンドライ方式では、乾燥させる分、印捺時間がかかるものの、密着性の高い画像が得られるという利点がある。
一方で、ウェットオンウェット方式では、乾燥させない分、印捺時間が短縮できるものの、水分が多いため、インク成分の凝集が布帛繊維上で起きず、布帛上の水分中で繊維から離れて起きやすくなるため、密着性が低下するという問題がある。
これに対し、本願実施形態のインクジェット捺染方法は、多価金属化合物を用いることにより、前処理液の付着量を低減でき、ウェットオンウェット方式により得られる印捺物の密着性及び発色性の向上、ムラの発生低下を図るものである。また、本願実施形態のインクジェット捺染方法を用いることにより、2種以上のインク組成物を同じ記録領域に順次付着させる場合において、後に付着させるインク組成物までも効果的に凝集させることができる。具体的には、布帛の地の色を隠蔽して、得られる印捺物の発色性をより向上させる観点から、布帛に対し、ホワイトインクを付着させてから、非白色インクを付着させる場合がある。このような場合において、本願実施形態のインクジェット捺染方法は特に有用となる。
上記観点から、本願実施形態のインクジェット捺染方法においては、前処理工程から第1記録工程までをウェットオンウェット方式で行う。「ウェットオンウェット方式」とは、記録領域の単位面積当たりにおいて、(インク塗布時の前処理液の残存量)/(前処理液付着量)が、0.40〜1.0であることをいう。好ましくは0.50以上、さらに好ましくは0.70以上、より好ましくは0.80以上であり。上限は1.0以下である。「インク塗布時の前処理液の残存量」は、布帛の温度や湿度等、前処理工程から第1記録工程までの時間など、種々の条件を適宜調整することにより、制御することができる。ここで、上記の「第1記録工程まで」とは、第1記録工程におけるインク組成物の付着の開始までであり、好ましくは、第1記録工程におけるインク組成物の付着の完了までである。
〔前処理工程〕
前処理工程は、布帛に対し、多価金属化合物を含む前処理液を付着させて、第1記録領域を形成する工程である。
前処理液の付着方法としては、特に限定されないが、例えば、ローラー塗布、スプレー塗布、インクジェット方式を利用することができる。このなかでも、前処理液を前記布帛へ非接触式で付着することが好ましく、スプレー塗布、インクジェット方式により付着させることがより好ましい。前処理液を非接触式で付着させることにより、前処理液の付着量がより制御しやすく、これにより得られる画質がより向上する傾向にある。
前処理液の付着量は、0.0080〜0.035g/cm2であり、好ましくは0.0090〜0.0325mg/inch2であり、さらに好ましくは0.010〜0.030mg/inch2である。前処理液の付着量が0.0080mg/inch2以上であることにより、ムラの発生がより抑制される傾向にある。また、前処理液の付着量が0.035mg/inch2以下であることにより、密着性がより向上する傾向にある。
上述の前処理液の付着量は、あるいは、1.2〜5.5mg/inch2であり、好ましくは1.5〜3.6mg/inch2であり、さらに好ましくは1.8〜2.5mg/inch2である。
〔布帛〕
本実施形態で用いる布帛としては、特に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、セルロース、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。布帛は、2種以上の繊維を含む混紡であってもよい。これらのうち、得られる画質の観点から、セルロースを含む布帛が好ましい。
〔前処理液〕
前処理液は、多価金属化合物を含む。インク成分を凝集させる凝集剤としては、多価金属化合物又は有機酸が挙げられる。しかしながら、有機酸を用いると2種以上のインク組成物を同じ記録領域に順次付着させる場合において、後に付着させるインク組成物までも効果的に凝集させることができない。これに対し、多価金属化合物は、凝集効果が高く、後に付着させるインク組成物までも効果的に凝集させることができる。
〔多価金属化合物〕
多価金属化合物としては、特に限定されないが、例えば、無機酸の多価金属化合物又は有機酸の多価金属化合物が好ましい。このような多価金属化合物としては、特に限定されないが、例えば、周期表の第2族のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13族からの土類金属(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。これら多価金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硫酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩が挙げられる。なお、多価金属化合物は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
多価金属化合物の含有量は、前処理液の総量に対して、好ましくは5.0〜25質量%であり、より好ましくは5.0〜20質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%である。多価金属化合物の含有量が上記範囲内であることにより、ウェットオンウェット方式により得られる印捺物の密着性及び発色性がより向上し、ムラの発生がより低下する傾向にある。
多価金属化合物に含まれる金属(主に金属イオン化している)の含有量は、前処理液の総量に対して、好ましくは1〜6質量%であり、より好ましくは2〜5質量%であり、さらに好ましくは3〜4質量%である。多価金属化合物に含まれる金属の含有量が上記範囲内であることにより、ウェットオンウェット方式により得られる印捺物の密着性及び発色性がより向上し、ムラの発生がより低下する傾向にある。
前処理液は、必要に応じて他の成分を含むことができる。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤などが挙げられる。
(水)
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
水の含有量は、前処理液の総量に対して、好ましくは50〜90質量%であり、より好ましくは60〜85質量%であり、さらに好ましくは65〜75質量%である。
(水溶性有機溶剤)
前処理液は、水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤を含むことにより、前処理液を付着させた部分における処理剤の後残りがより低減する傾向にある。水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及び1,1,3,3−テトラメチル尿素が挙げられる。このなかでも、このなかでも、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等の水溶性有機溶剤が好ましい。
水溶性有機溶剤の含有量は、多価金属化合物に対する質量比として、好ましくは0.20以上であり、より好ましくは0.30以上であり、さらに好ましくは0.50以上であり、よりさらに好ましくは0.70以上であり、よりさらに好ましくは1.0以上である。水溶性有機溶剤の含有量が多価金属化合物に対する質量比として0.20以上であることにより、前処理液を付着させた部分における処理剤の後残りがより低減する傾向にある。また、水溶性有機溶剤の含有量は、多価金属化合物に対する質量比として、好ましくは5.0以下であり、好ましくは3.0以下であり、好ましくは2.0以下である。水溶性有機溶剤の含有量が多価金属化合物に対する質量比として5.0以下であることにより、印捺後のベタツキがより抑制される傾向にある。
あるいは、水溶性有機溶剤の含有量は、多価金属化合物に含まれる金属(主に金属イオン)に対する質量比として、好ましくは1〜25であり、より好ましくは5〜20であり、さらに好ましくは7〜10である。多価金属化合物に含まれる金属に対する質量比として、水溶性有機溶剤の含有量が1以上であることにより、痕残りがより抑制される傾向にある。また、多価金属化合物に含まれる金属に対する質量比として、水溶性有機溶剤の含有量が25以下であることにより、印捺後のベタツキがより抑制される傾向にある。
〔均し工程〕
本実施形態のインクジェット捺染方法は、前処理工程後第1記録工程前に、布帛に付着した前処理液を均す均し工程を備えてもよい。このような工程を備えることにより、ウェットオンウェット方式により得られる印捺物のムラの発生がより低下する傾向にある。
均し方法としては、特に限定されないが、例えば、第1記録領域に対し、ローラー、ヘラなど均し部材を走査する方法が挙げられる。均し部材の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン等の樹脂が挙げられる。
〔第1記録工程〕
第1記録工程は、第1記録領域の少なくとも一部に対し、インクジェット方式で第1インク組成物を付着させて、第2記録領域を形成する工程である。布帛上において第1インク組成物と前処理液とが反応し、第1インク組成物の成分が凝集する。これにより、得られる記録物の発色性、密着性、耐ブリード性がより向上する。
第1記録工程を行う直前における第1記録領域に付着した前処理液の残存量は、前処理工程における付着量の総量に対し、40質量%以上100質量%以下である。より好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以上100質量%以下であり、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下であり、より特に好ましくは80質量%以上100質量%以下である。この残存量は、前述の、「(インク塗布時の前処理液の残存量)/(前処理液付着量)」を質量%で表した物でもある。
前処理液の残存量が40質量%以上であることにより、密着性、ムラ、印捺時間を両立できる。
第1インク組成物の付着手段としては、インクジェット方式を利用する。なお、布帛へ塗布した第1インク組成物の少なくとも一部を乾燥する工程をさらに有していてもよい。
〔第1インク組成物〕
第1インク組成物は、色材、樹脂、水溶性有機溶媒、その他の成分を含んでもよい。
〔顔料〕
顔料としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
ブラックインクに使用される黒色顔料としては、特に限定されないが、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、及び酸化ジルコニウムの白色無機顔料が挙げられる。当該白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子などの白色有機顔料を使用することもできる。
イエローインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の非白色インクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
このなかでも、第1インク組成物が、酸化チタンを含むホワイトインクであることが好ましい。このような第1インク組成物を用いることにより、より密着性等が高い下地画像が得られる傾向にある。
顔料の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは1.50〜14.5質量%であり、より好ましくは2.0〜13.5質量%であり、さらに好ましくは2.50〜12.5質量%である。
特に、顔料の含有量は、インク組成物の総量に対して、3〜11質量%が好ましい。使用する顔料種により、顔料の含有量を上述の範囲に加えてあるいは代えて適宜設定することも好ましい。中でも、白色顔料の含有量は、沈降し難いとともに、(特に黒地の布帛での)隠蔽性及び色再現性を十分にし、インク粘度の低粘度化を図るため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、5〜11質量%であることが好ましく、5.5〜10質量%であることがより好ましい。また、非白色顔料(白色顔料以外の顔料)の含有量は、良好な発色性を確保することなど非白色インク組成物の総質量(100質量%)に対して、3〜8質量%であることが好ましい。
〔樹脂〕
第1インク組成物は樹脂を含んでもよい。樹脂を用いることにより、樹脂同士と、樹脂及び顔料と、がそれぞれ互いに融着して顔料を被記録媒体に固着させるため、記録物の画像部分の耐擦性及び密着性を一層良好にすることができる。樹脂の中でもウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
ウレタン系樹脂としては、例えばウレタン樹脂エマルジョンが挙げられる。ウレタン樹脂エマルジョンとしては、分子中にウレタン結合を有する樹脂エマルジョンであれば特に限定されず、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、及び主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂が挙げられる。上記ウレタン樹脂エマルジョンの市販品としては、特に限定されないが、例えば、サンキュアー2710(日本ルーブリゾール社(The Lubrizol Corporation)製商品名)、パーマリンUA−150(三洋化成工業社(Sanyo Chemical Industries, Ltd.)製商品名)、スーパーフレックス 460,470,610,700(以上、第一工業製薬社(Dai-ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)製商品名)、NeoRez R−9660,R−9637,R−940(以上、楠本化成社(Kusumoto Chemicals,Ltd.)製商品名)、アデカボンタイター HUX−380,290K(以上、アデカ(Adeka)社製商品名)、タケラック(登録商標) W−605,W−635,WS−6021(以上、三井化学社(Mitsui Chemicals, Inc.)商品名)、ポリエーテル(大成ファインケミカル社(TAISEI FINECHEMICAL CO,.LTD)商品名、Tg=20℃)が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えばアクリル樹脂エマルジョンが挙げられる。アクリル樹脂エマルジョンとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系単量体を重合させたものや、(メタ)アクリル系単量体と他の単量体とを共重合させたものが挙げられる。アクリル樹脂の市販品としては、特に限定されないが、例えば、モビニール966A(日本合成化学社(Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd.)製商品名)、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント社(Nippon Paint Co., Ltd)製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、DIC社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン社(Zeon Corporation)製)、サイビノールSK−200(商品名、サイデン化学社(SAIDEN CHEMICAL INDUSTRY CO.,LTD.)製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル62J、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上商品名、BASF社製)、NKバインダー R−5HN(新中村化学社製商品名、固形分44%)が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン系樹脂(例えば、三井化学社製製品名「ケミパールS650」)、ポリエチレン系樹脂(例えば、BYK社製製品名「AQ515」)が挙げられる。
このなかでも(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは2.5〜25質量%であり、より好ましくは5.0〜20質量%であり、さらに好ましくは7.5〜20質量%である。樹脂の含有量が2.5質量%以上であることにより、密着性がより向上する傾向にある。また、樹脂の含有量が25質量%以下であることにより、インクの低粘度化が達成できる。
(水)
水としては、例えば、前処理液で例示したものを用いることができる。水の含有量は、特に制限されることなく必要に応じて適宜決定すればよいが、インク組成物の粘度を好適な範囲に調整するため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して20〜80質量%含まれているとよい。また、限られるものではないが、例えば、好ましくは40〜80質量%であり、より好ましくは45〜75質量%であり、さらに好ましくは50〜70質量%である。
(水溶性有機溶剤)
また、第1インク組成物は、水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、前処理液で例示したものを用いることができる。水溶性有機溶剤の含有量は、第1インク組成物の総量に対して、好ましくは7.5〜22.5質量%であり、より好ましくは10〜20質量%であり、さらに好ましくは12.5〜17.5質量%である。有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、吐出不良の低減の点で優れる傾向にある。
水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、前処理液で例示したような多価アルコール類は、ヘッドのノズル面におけるインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。例えば、多価アルコール類を含有する場合には、その含有量が、第1インク組成物の全質量%に対して、2質量%以上20質量%以下であることができる。
(その他の成分)
第1インク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインク組成物の劣化を防止するため、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
第1インク組成物の粘度は、好ましくは4.0〜10Pa・sであり、より好ましくは5〜7Pa・sである。第1インク組成物の粘度が上記範囲内にあることにより、吐出安定性がより向上する傾向にある。粘度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
前処理工程から第1記録工程までにおいて布帛の加熱乾燥を行わない、あるいは加熱乾燥の温度が比較的低いことが好ましい。具体的には、布帛の温度は、好ましくは10〜35℃であり、より好ましくは10〜30℃であり、さらに好ましくは10〜25℃である。布帛の温度が上記範囲内である場合、ヘッドのノズル面におけるインクの乾燥固化を防ぐ観点から好ましい。布帛の温度とは、表面温度をいう。布帛の温度は、例えば、赤外線温度計(商品名「ST653」、SENTRY・OPTRONICSCORP.製)により測定することができる。
〔第2記録工程〕
本実施形態のインクジェット捺染方法は、第2記録領域の少なくとも一部に対し、第1インク組成物と色材組成が異なる第2インク組成物を付着させて、第3記録領域を形成する第2記録工程を備えてもよい。
第2インク組成物の付着手段としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット方式を利用することができる。なお、布帛へ塗布した第2インク組成物の少なくとも一部を乾燥する工程をさらに有していてもよい。
〔第2インク組成物〕
第2インク組成物は、第1インク組成物と色材組成が異なるインク組成物である。ここで、「色材組成が異なる」とは、顔料の種類、含有量の少なくとも何れかが異なることをいう。顔料以外の成分及びその含有量について、第1インク組成物で例示したものと同様とすることができる。特に、第1インク組成物に含む色材と第2インク組成物に含む色材が、白色の色材と非白色色材(白色の色材以外の色材)の一方と他方である場合、白色の画像と非白色の画像からなる画像の記録が可能となる点で好ましく、第1インク組成物に含む色材が白色の色材である場合、より好ましい。
第2インク組成物の粘度は、例えば前述の第1インク組成物の好ましい粘度の範囲とすればよい。
〔加熱工程〕
本実施形態のインクジェット印捺方法は、上記記録工程後、布帛を加熱する加熱工程をさらに備えてもよい。加熱により、前処理液又はインク組成物に含まれ得る樹脂(ポリマー)を布帛の表面に融着させ、かつ、水分を蒸発させることができる。また、加熱工程を行うことにより、得られる画像は耐擦性により優れる傾向にある。
加熱工程においては、布帛上のインク組成物付着面を加圧処理しなくても、布帛上のインク組成物付着面を加圧処理してもよい。布帛上のインク組成物付着面を加圧処理しない加熱方法としては、オーブン乾燥(コンベアオーブン、バッチオーブン等のプレスをしない方法)が挙げられる。また、布帛上のインク組成物付着面の加圧処理もする加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、ヒートプレス、ウェットオンドライが挙げられる。なお、「加圧」とは、被記録媒体に対して、個体を接触させることにより圧をかけることをいう。
また、加熱の熱源としては、特に限定されないが、例えば赤外線(ランプ)が挙げられる。加熱処理時の温度は、インク組成物に含まれ得る樹脂(ポリマー)を融着し、かつ、水分を蒸発させることができればよく、150℃以上が好ましく、150〜200℃程度がより好ましい。加熱処理時の温度が上記範囲であることにより、より耐擦性が得られる傾向にある。
上記加熱工程後は、布帛を水洗し、乾燥してもよい。このとき、必要に応じてソーピング処理、即ち未固着の顔料を熱石鹸液などで洗い落とす処理を行ってもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
ホワイト顔料(二酸化チタン)
シアン顔料(P.B.15:3)
〔凝集剤〕
硝酸カルシウム四水和物(多価金属化合物)
クエン酸一水和物
水酸化カリウム
〔樹脂〕
アクリル樹脂(日本合成化学社製、モビニール7320)
〔水溶性有機溶媒〕
グリセリン
トリエチレングリコール
トリエチレングリコールモノブチルエーテル
プロピレングリコール
〔キレート剤〕
エチレンジアミン4酢酸(EDTA)
[各組成物の調製]
各材料を下記の表1〜2に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各組成物を得た。具体的には、各材料を均一に混合し、フィルタで不溶解物を除去することにより、各組成物を調製した。なお、下記の表1〜2中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
〔粘度〕
インク組成物の粘度は、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠した測定により求めた。
Figure 0006691733
Figure 0006691733
wet:記録工程前の前処理液の残存量が95%以上
dry:記録工程前の前処理液の残存量が20%未満
[記録物作成方法]
〔前処理工程〕
前処理液を実施例に記載の付着量で、布帛(Tシャツ、黒色の00085−CVT ヘビーウェイトTシャツ(PrintStar製))に対し、A4サイズに塗布し、第1記録領域を形成した。その際、市販の霧吹きを用いて前処理液を付着させた。実施例5,6においては、前処理液付着後、ヘラで布帛の付着部を擦って均し工程を施し、その後直ちに下記記録工程を行った。また、比較例3においては、前処理液付着後、ヒートプレス機にて170℃で50秒の加熱乾燥を行い、その後下記記録工程を行った。さらに、その他の実施例及び比較例においては、前処理液付着後、直ちに下記記録工程を行った。
〔前処理液の残存量〕
記録工程前の前処理液の残存量は、下記式により算出した。記録工程前の比較例3においては、前処理液の残存量が30%未満であり、その他の実施例及び比較例はいずれも95%以上であった。
前処理液の残存量=(記録工程前の布帛の重量−前処理工程前の布帛の重量)/(前処理工程の付着の直後の布帛の重量−前処理工程前の布帛の重量)×100
〔記録工程〕
上記のようにして調製したインク組成物をプリンター(SC−F2000、セイコーエプソン製)に充填した。その後、インク液滴重量(Iw)24ng/dot、解像度2880×1440dpiの条件で、白インク組成物を第1記録領域の一部に対し付着させて、Duty100%の第2の記録領域を形成した。また、同様に、1dot当たりの白インク組成物の付着量を減らすことにより、Duty10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%の第2の記録領域を同様に形成した。白インク組成物付着後、Tシャツの表面温度が150℃になるように設定したコンベアー式オーブンに5分間通し、乾燥させた。
さらに別途、上述と同様にして白インク組成物の付着により白インク組成物のDuty100%の第2の記録領域を形成し、これに対し直ちに、表2中の非白色インク組成物(カラー1)を、インク液滴重量(Iw)5ng/dot、解像度2880×1440dpiの条件で、インク組成物を付着させ、第3の記録領域を形成した。その後、得られた印捺物を、Tシャツの表面温度が150℃になるように設定したコンベアー式オーブンに5分間通し、乾燥させた。
なお、前処理工程及び記録工程は室温25℃で行った。
また、実施例及び比較例それぞれにおいて、布帛に前処理工程を行いインク付着は行わずに、インク付着した場合と同様の加熱乾燥を行った記録物も作成した。
〔密着性〕
上記のように得られた印捺物(Tシャツ)の白インク組成物により記録した印捺面の密着性を、洗濯堅牢性試験により判定した。洗濯堅牢性試験は、「AATCC61 2A、3A」に準じて行い、下記評価基準により評価した。なお、下記「2A」とは、25℃で洗濯したことを示し、「3A」とは、60℃で洗濯したことを示す。
(評価基準)
AA:3A条件において、Duty50%部で被膜の脱落なし
A:3A条件においてDuty50%部で被膜の脱落あり、Duty100%部では被膜の脱落無し。
B:3A条件においてDuty100%部でも被膜の脱落あり、2A条件においてDuty50%部でも被膜の脱落なし。
C:2A条件においてDuty50%部でも被膜の脱落あり
〔ムラ〕
上記のように得られた印捺物(Tシャツ)の白インク組成物のDuty100%の印捺面を目視により観察し、下記評価基準に基づいて、ムラの発生を評価した。
(評価基準)
AA:印捺面にまったくムラがない。
A:印捺面にややムラがある。
B:印捺面に大きくムラがある。
C:印捺面に非常にムラがある。
〔前処理痕残り〕
前処理工程を行いインク付着は行わなかった記録物を用いて、その記録物の前処理付着部(インクは付着していない)と非付着部(布帛自身)とを目視で比較し、前処理塗布部における前処理液由来の白い後残りを確認した。
(評価基準)
A:跡残りなし。
B:若干後残りがある。
C:跡残りがかなりある。
〔所要時間(分/枚)〕
Tシャツの表の全面に対して上記前処理工程を行い、前処理工程の開始から印捺完了までの時間を測定した。ただしここでは白色インク組成物をDuty100%で付着させる工程の完了までの時間とした。
(評価基準)
A:3分未満
B:3分以上4分未満
C:4分以上5分未満
D:5分以上
〔カラーの発色〕
第3の記録領域のC*値を測色器(商品名「Gretag Macbeth Spectrolino」 、X−RITE社製)を用いて測色し、印捺物の発色性を下記評価基準により評価した。
(評価基準)
A:C*値が40以上
B:C*値が30以上40未満
C:C*値が30未満
表1に示されるように、前処理液の付着量が多すぎる比較例1では、密着性が低下し、前処理液の付着量が少なすぎる比較例2では、ムラが発生することが分かった。また、ウェットオンドライ方式の比較例3では、印捺時間が長くなりカラーの発色が劣ることが分かった。さらに、多価金属化合物を用いていない比較例4では、カラーの発色がより低下することが分かった。

Claims (8)

  1. 布帛に対し、多価金属化合物と水溶性有機溶剤とを含む前処理液を非接触式で付着させて、第1記録領域を形成する前処理工程と、
    前記第1記録領域の少なくとも一部に対し、インクジェット方式で第1インク組成物を付着させて、第2記録領域を形成する第1記録工程と、を備え、
    前記前処理液の付着量が、0.0080〜0.035g/cm2であり、
    前記水溶性有機溶剤の含有量が、前記多価金属化合物に対する質量比として、0.50以上であり、
    前記前処理工程から前記第1記録工程までをウェットオンウェット方式で行う、インクジェット捺染方法。
  2. 前記前処理液が、前記多価金属化合物5.0〜20質量%と、該多価金属化合物に対する質量比が0.50〜5.0である水溶性有機溶剤と、を含む、請求項1に記載のインクジェット捺染方法。
  3. 前記第1インク組成物が、酸化チタンを含むホワイトインクである、請求項1又は2に記載のインクジェット捺染方法。
  4. 前記第1インク組成物が、樹脂5.0〜20質量%と、水溶性有機溶剤10〜20質量%と、を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  5. 前記第2記録領域の少なくとも一部に対し、前記第1インク組成物と色材組成が異なる第2インク組成物を付着させて、第3記録領域を形成する第2記録工程を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  6. 前記前処理工程後前記第1記録工程前に、前記布帛に付着した前記前処理液を均す均し工程を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  7. 前記前処理工程から前記第1記録工程までにおいて前記布帛の温度が35℃以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  8. 前記第1記録工程前において、前記第1記録領域に付着した前記前処理液の残存量が、前記前処理工程における付着量の総量に対し、50質量%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
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