JP6691690B2 - 板ガラスの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オーバーフローダウンドロー法により板ガラスを製造するための技術の改良に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板や、有機EL照明用のカバーガラスに代表されるように、各種分野に利用される板ガラスには、表面欠陥やうねりに対して厳しい製品品位が要求される場合がある。
そこで、この種の板ガラスの製造方法としては、平滑で欠陥のないガラス表面を得るために、オーバーフローダウンドロー法が多く利用されている。
オーバーフローダウンドロー法を体現する製造装置は、下端縁で収束する一対の逆斜面部を有する成形体を備え、逆斜面部のそれぞれに沿って流下する溶融ガラスを逆斜面部の下端縁で融合一体化して一枚の板ガラスを成形するというものである。そして、この種の製造装置は、種々の改良が提案されている。例えば特許文献1では、逆斜面部(成形体)の下端縁の少なくとも幅方向両端部において、逆斜面部の下端縁から突出片を垂下させることが開示されている。これにより、溶融ガラスが逆斜面部の下端縁と接触する前に重力の作用によって逆斜面部から剥離し、逆斜面部の下端縁と溶融ガラスの間に空間が形成されるのを抑制することを目的としている。なお、逆斜面部の下端縁と溶融ガラスの間に空間が形成されると、製造される板ガラス内に当該空間に起因する空気が巻き込まれて空洞部が形成されやすく、板ガラスを切断する際などに不具合が生じ得る。
国際公開第2014/030649号
ところで、図5に示すように、特許文献1では、成形体101は、逆斜面部102を流下する溶融ガラスgの幅方向両端部gaを案内するガイド面103を備えている。ガイド面103は、上下方向に真っ直ぐ延びる平面で構成されている。突出片104は、逆斜面部102の下端縁102aの直下方において、ガイド面103に直接連なっている。すなわち、溶融ガラスgの幅方向両端部gaは、逆斜面102に沿って斜め下方に流下するときも突出片104に沿って真下に流下するときも、上下方向に真っ直ぐ延びる平面からなるガイド面103によって案内される。
しかしながら、溶融ガラスgの幅方向両端部gaは、成形体101に沿って流下する過程で徐々に温度が低下して幅方向中央側に収縮しようとする。そのため、溶融ガラスgの幅方向両端部gaが、逆斜面部102の下端縁102a近傍において、ガイド面103から剥離する場合がある。この場合、溶融ガラスgで濡れているべきガイド面103などの貴金属部材が、溶融ガラスgと非接触となって外部に露出した状態となる。このような貴金属部材の露出部は気体によって冷却されやすく、溶融ガラスgの剥離部gp近傍において溶融ガラスgが過剰冷却される原因となる。その結果、図6に拡大して示すように、溶融ガラスgの剥離部gp近傍において、冷却固化された溶融ガラスgが結晶化した失透物Dが形成されやすくなる。失透物Dは、時間の経過とともに成長し、溶融ガラスgの流路を妨げる障害物となる。失透部Dが障害物となるまで成長すると、溶融ガラスgの一部は、矢印Sのように失透物Dを伝って溶融ガラスgの主たる流れから分離するとともに、突出片104から垂れ下がってガラス玉gxを形成する。ガラス玉gxは落下すると、製造装置を汚染したり製造された板ガラスを破損したりするなどの重大なトラブルを招く原因となる。
本発明は、溶融ガラスの幅方向両端部がガイド面から剥離するのを防止しつつ、溶融ガラスを突出片まで確実に案内することを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る板ガラスの製造装置は、下端縁で収束する一対の逆斜面部を有する成形体を備え、逆斜面部のそれぞれに沿って流下する溶融ガラスを逆斜面部の下端縁で融合一体化して一枚の板ガラスを成形する板ガラスの製造装置であって、成形体は、逆斜面部の幅方向両端部に設けられており、逆斜面部を流下する溶融ガラスの幅方向両端部を案内する第1のガイド面と、逆斜面部の下端縁の少なくとも幅方向両端部の所定の幅を有する領域から垂下された突出片と、第1のガイド面に連なる第1の部分、突出片に連なる第2の部分、および第1の部分と第2の部分の間で逆斜面部に連なる第3の部分を有し、溶融ガラスを第1のガイド面から突出片まで案内する第2のガイド面とを備え、第2のガイド面は、第1の部分が逆斜面部の下端縁よりも上方に位置し、第1の部分から第2の部分へと移行するに従って幅方向中央側に漸近することを特徴とする。
このような構成によれば、第1のガイド面と突出片との間に第2のガイド面が形成される。第2のガイド面は、第1のガイド面と連なる第1の部分が逆斜面部の下端縁よりも上方に位置しているので、溶融ガラスが幅方向に収縮しようとする位置で溶融ガラスの幅方向両端部と接触することができる。更に、第2のガイド面は、第1のガイド面と連なる第1の部分から突出片に連なる第2の部分へと移行するに従って幅方向中央側に漸近しているので、溶融ガラスが幅方向に収縮したとしても溶融ガラスの幅方向両端部と接触した状態を維持することができる。したがって、このような第2のガイド面を第1のガイド面と突出片との間に設けることで、溶融ガラスの幅方向両端部がガイド面から剥離するのを防止しつつ、溶融ガラスを突出片まで確実に案内することができる。ここで、第2のガイド面は、逆斜面部に連なる第3の部分も有しているため、逆斜面部を流下して第2のガイド面に至った溶融ガラスも第2のガイド面によって突出片まで誘導することができる。
上記の構成において、第2のガイド面は、凸曲面又は凹曲面で形成されていることが好ましい。このようにすれば、溶融ガラスの流れを阻害することなく、溶融ガラスを突出片まで円滑に案内することができる。
上記の構成において、第2のガイド面の第2の部分は、突出片の外側縁に連なっていてもよい。特に、突出片が鉛直面部を有する場合、第2のガイド面の第2の部分は、突出片の鉛直面部の外側縁の上端から下端に至るまでの領域に連なっていることが好ましい。更に、突出片が鉛直面部の下方に先鋭部を有する場合、先鋭部の外側縁は、下方に移行するに従って幅方向中央側に漸近するように傾斜していることが好ましい。このようにすれば、突出片のうち、溶融ガラスと接触せずに外部に露出する部分は非常に小さくなるので、突出片において溶融ガラスが過剰冷却されるのを防止することもできる。
上記の構成において、逆斜面部の下端縁を基準とした第1の部分の最大高さは、逆斜面部の下端縁を基準とした逆斜面部の全高の1/5以下であることが好ましい。すなわち、溶融ガラスの幅方向の収縮は逆斜面部の下端縁近傍で生じるため、上記の構成のように、第2のガイド面の第1の部分は逆斜面部の下端縁近傍に配置するのが好ましい。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る板ガラスの製造方法は、上記の構成を適宜備えた板ガラスの製造装置を用いて、オーバーフローダウンドロー法により溶融ガラスから板ガラスを製造することを特徴とする。
このような構成によれば、既に述べた対応する構成と同様の効果を享受できる。
以上のように本発明によれば、溶融ガラスの幅方向両端部がガイド面から剥離するのを防止しつつ、溶融ガラスを突出片まで確実に案内することができる。
本発明の一実施形態に係る板ガラスの製造装置の成形体周辺を示す部分的側面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の一実施形態に係る板ガラスの製造装置のカバー部を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る板ガラスの製造装置の突出片を説明するための成形体の部分断面図である。 従来の板ガラスの製造装置の問題点を説明するための図である。 従来の板ガラスの製造装置の問題点を説明するための図である。
以下、本発明に係る一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る板ガラスの製造装置は、オーバーフローダウンドロー法を実行するための成形体1を備えている。
成形体1は、製造される板ガラスの幅方向に対応する方向に長尺である。成形体1の頂部には、その幅方向に沿って形成されたオーバーフロー溝2が設けられている。成形体1の幅方向と直交する方向の両側には、一対の外側面部3が設けられている。オーバーフロー溝2から両側に溢れ出た溶融ガラスGは、それぞれの外側面部3に沿って流下するようになっている。ここで、図1に示すXYZからなる直交座標系において、X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向が鉛直方向である。更に、X方向が上記の幅方向であり、Y方向が上記の幅方向と直交する方向である。なお、これらの関係は図2においても同様とする。
オーバーフロー溝2の幅方向の一端側には、図示しない供給パイプが接続されている。この供給パイプを通じて、オーバーフロー溝2内に溶融ガラスGが供給される。溶融ガラスGの供給方法はこれに限定されず、例えば、オーバーフロー溝2の両端側から溶融ガラスGを供給するようにしてもよいし、オーバーフロー溝2の上方から溶融ガラスGを供給するようにしてもよい。
一対の外側面部3のそれぞれは、鉛直面部4と、鉛直面部4の下方に連なる逆斜面部5とを備えている。鉛直面部4同士は、互いに一定の距離を保ったまま対向する平行な面である。逆斜面部5同士は、下方に向かうに連れて互いに接近するように傾斜しており、下端縁5aで一つに収束する。下端縁5aは、幅方向に延びる直線である。なお、鉛直面部4は、傾斜面や曲面などに形状を変更してもよいし、省略してもよい。
成形体1の幅方向両端部には、外側面部3、すなわち、鉛直面部4と逆斜面部5を流下する溶融ガラスGの幅方向両端部Gaを案内するガイド面6aを有するガイド部6が設けられている。この実施形態では、ガイド面6aは、鉛直面部4及び逆斜面部5に対して垂直であり、かつ、下方に真っ直ぐ延びる平面からなる。すなわち、ガイド面6aは、Y方向とZ方向に沿う平面である。ガイド部6は、嵌合凹部6bを成形体1の幅方向端部に外側から嵌め込むことで成形体1に固定されている。なお、ガイド部6の固定方法はこれに限定されるものではない。例えば、ガイド部6は、逆斜面部5に溶接等により隙間なく固定されていたり、逆斜面部5と一体成形されていたりしてもよい。
図1〜図3に示すように、成形体1の幅方向両端部には、逆斜面部5の下端縁5aの一部を下方から覆うように、カバー部7が設けられている。この実施形態では、カバー部7は、ガイド部6のガイド面6aに溶接等により隙間なく固定されている。なお、カバー部7の固定方法はこれに限定されるものではない。例えば、カバー部7は逆斜面部5及び/又はガイド部6と一体成形されていてもよい。
カバー部7は、ガイド部6のガイド面6aに沿った第1の薄肉部(例えば、0.5〜3mmの厚み)8と、逆斜面部5に沿った第2の薄肉部(例えば、0.5〜3mmの厚み)9と、逆斜面部5の下端縁5aの所定の幅を有する領域に対応する位置で第2の薄肉部9から垂下された突出片10とを備えている。
第1の薄肉部8の表面には、ガイド部6のガイド面6aに案内された溶融ガラスGの幅方向両端部Gaが乗り上げるようになっている。すなわち、第1の薄肉部8の表面がガイド部6のガイド面6aの一部として機能する。換言すれば、ガイド部6のガイド面6aと第1の薄肉部8の表面が、逆斜面部5を流下する溶融ガラスGの幅方向両端部Gaを案内するガイド面(第1のガイド面)となる。なお、この実施形態では、第1の薄肉部8は、上下方向に長尺で、且つ、逆斜面部5の垂線方向で一定の高さを有する略矩形状の板材からなる(図2を参照)。
第2の薄肉部9の表面には、逆斜面部5に沿って流下する溶融ガラスGが乗り上げるようになっている。すなわち、第2の薄肉部9の表面が成形体1の逆斜面部5の一部として機能する。第2の薄肉部9の下端縁9aは、逆斜面部5の下端縁5aと実質的に同一高さに位置することが好ましい。この実施形態では、第2の薄肉部9は、下方に移行するに従って幅方向中央側に漸近する斜辺9bを有する略三角形状の板材からなる。なお、逆斜面部5に沿って流下する溶融ガラスGが第2の薄肉部9の表面に乗り上げ可能な程度に、第2の薄肉部9の下端縁9aと逆斜面部5の下端縁5aとの間に僅かな隙間を設けていても良い。このような隙間を設けておくことで、例えば、カバー部7や逆斜面部5が膨張または収縮等して変形した場合に、互いに干渉して破損することを防止できる。
突出片10は、第2の薄肉部9の下端縁9aと所定の幅を有する領域で接する板状の鉛直面部11と、鉛直面部11の下端縁11aに連なる先鋭部12(図2の拡大図を参照)とを備えている。この実施形態では、先鋭部12は、鉛直面部11の下端縁11aのみならず、下端縁11a、角縁11bおよび内側縁11cに対応する領域に連続的に設けられている。また、この実施形態では、鉛直面部11の上端縁11d(突出片10の上端縁)および先鋭部12の下端縁12a(突出片10の下端縁)は、逆斜面部5の下端縁5aと実質的に平行である。ここで、鉛直面部11の厚みは、例えば0.5〜10mmである。鉛直面部11の上端縁11dの幅は、例えば10〜100mmである。なお、先鋭部12は省略してもよい。また、突出片10は、逆斜面部5の下端縁5aの幅方向両端部のみに設けられている場合に限定されるものではない。突出片10は、例えば、逆斜面部5の下端縁5aの幅方向の略全域に設けられていてもよい。
カバー部7は、溶融ガラスGの幅方向両端部Gaを第1の薄肉部8の表面(第1のガイド面)から突出片10まで案内するガイド面(第2のガイド面)13を更に備えている。ガイド面13は、溶融ガラスGの幅方向両端部Gaの幅方向の収縮を防止するように溶融ガラスGの流れを制御することを目的とした面ではなく、溶融ガラスGの幅方向両端部Gaの幅方向の収縮に倣うことを目的とした面である。
図3に示すように、ガイド面13は、第1のガイド面としての第1の薄肉部8の表面に連なる第1の部分13aと、突出片10に連なる第2の部分13bと、第1の部分13aと第2の部分13bの間で、逆斜面部としての第2の薄肉部9の表面に連なる第3の部分13cとを備えている。これにより、ガイド面13は、第1の薄肉部8、第2の薄肉部9及び突出片10に対して隙間なく連続している。更に、第2のガイド面13は、第1の部分13aが第2の薄肉部9の下端縁9a(すなわち、逆斜面部5の下端縁5a)よりも上方に位置し、かつ、第1の部分13aから第2の部分13bへと移行するに従って幅方向中央側に漸近している。ここで、第1の部材13aは第2の薄肉部9の下端縁9aよりも上方に位置しているため、第1の部分13aは第2の部分13bよりも高位に配置されることになる。この実施形態では、ガイド面13は、凹曲面で形成されており、第1の薄肉部8、第2の薄肉部9及び突出片10に対して滑らかに連続している。なお、ガイド面13は、例えば、凸曲面や平面で形成されていてもよい。
ガイド面13の第2の部分13bは、第2の薄肉部9の下端縁9aの直下方において、突出片10の鉛直面部11の外側縁11eに連なっている。この実施形態では、ガイド面13の第2の部分13bは、鉛直面部11の外側縁11eの上端から下端に至るまでの全域に連なっている。また、この実施形態では、ガイド面13の第2の部分13bは、先鋭部12には直接連なっておらず、先鋭部12の外側縁12bは、下方に移行するに従って幅方向中央側に漸近する斜辺で構成されている。すなわち、先鋭部12の外側縁12bの上端よりも下端が幅方向中央側に位置している。
図1に示すように、逆斜面部5の下端縁5aを基準とした場合、ガイド面13の第1の部分13aの最大高さ(Z方向の寸法)Hは、逆斜面部5の下端縁5aから逆斜面部5の全高(Z方向の寸法)Hの1/5(好ましくは1/6、さらに好ましくは1/7)以下である。すなわち、ガイド面13の第1の部分13aは、逆斜面部5の上端部には設けられず、逆斜面部5の下端部(逆斜面部5の下端縁5aの近傍)に設けられている。
成形体1、ガイド部6及びカバー部7は、耐熱性及び耐食性を有する金属、これらの合金、又はこれらの複合材料で形成される。具体的には、例えば、白金、白金合金、セラミック分散複合材料などによって形成される。
次に、以上のように構成された製造装置を用いた板ガラスの製造方法を説明する。
図1及び図2に示すように、オーバーフロー溝2から両側に溢れ出た溶融ガラスGを両側の外側面部3に連続的に供給する。それぞれの外側面部3では、溶融ガラスGを鉛直面部4の表面に沿って流下させた後、逆斜面部5の表面に沿って流下させる。そして、最終的に、両側の外側面部3を流下する溶融ガラスGを逆斜面部5の下端縁5a及び先鋭部12の下端縁12aで融合一体化させ、一枚の板ガラスを連続成形する。
この際、図3に示すように、ガイド面13の第1の部分13aは逆斜面部5の下端縁5aよりも上方に位置しているため、ガイド面13は溶融ガラスGの幅方向両端部Gaの収縮が始まる位置で予め溶融ガラスGと接触した状態となる。そのため、ガイド面13の第1の部分13aは、第1の薄肉部8の表面と同様に溶融ガラスGによって濡れた状態となる。そして、ガイド面13は、溶融ガラスGの幅方向の収縮に倣うように、第1の部分13aから第2の部分13bに移行するに従って幅方向中央側に漸近しているため、溶融ガラスGが幅方向に収縮しても、ガイド面13と溶融ガラスGの接触状態は維持される。そのため、第1の部分13aから第2の部分13bに至るまでのガイド面13のほぼ全域が溶融ガラスGによって濡れた状態となる。したがって、溶融ガラスGの幅方向両端部Gaをガイド面13から剥離させることなく、突出片10まで確実に案内することができる。
また、ガイド面13の第2の部分13bは、突出片10の鉛直面部11の外側縁11eの上端から下端に至るまでの全域に連なっているため、鉛直面部11の大部分に溶融ガラスGを接触させることができる。そして、ガイド面13が直接連なっていない先鋭部12の外側縁12bは、下方に移行するに従って幅方向中央側に漸近する斜辺で構成されているため、鉛直面部11から先鋭部12に至る過程で、溶融ガラスGの幅方向両端部Gaが更に幅方向に収縮したとしても、先鋭部12の大部分が溶融ガラスGと接触した状態を維持することができる。したがって、突出片10のほぼ全域が溶融ガラスGによって濡れた状態となり、突出片10のうち、溶融ガラスGと非接触となって外部に露出する部分の面積は可及的に小さくなる。その結果、突出片10上での溶融ガラスGの過剰冷却も確実に防止することができる。
よって、本実施形態に係る製造装置によれば、カバー部7上、すなわち成形体1の幅方向両端部の下方領域において、溶融ガラスGが過剰冷却されて失透物(図5の符号Dを参照)が形成されるという事態は生じにくく、板ガラスの安定的な製造を継続することができる。
このように製造された板ガラスの製品部(幅方向両端部に形成される厚肉部を除く幅方向中央部)の厚みは、例えば10〜1000μmとなる。また、その製品部の板幅は、例えば0.5〜4mとなる。
以上、本発明の実施形態に係る板ガラスの製造装置及び製造方法について説明したが、本発明の実施の形態はこれに限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を施すことが可能である。
上記の実施形態では、突出片10が、鉛直面部11の下方に先鋭部12を有し、溶融ガラスGの一部を鉛直面部11で案内した後に、先鋭部12で案内する場合を説明したが、突出片10は、鉛直面部11で溶融ガラスGを案内する形態に限定されるものではない。例えば、図4に示すように、第2の薄肉部9の表面と先鋭部12の表面が同一の傾斜平面で連続するように、鉛直面部11に肉盛り部14を形成してもよい。この場合、溶融ガラスGの一部は、第2の薄肉部9、肉盛り部14および先鋭部12からなる単一の傾斜平面によって案内される。なお、肉盛り部14は、例えば、白金又は白金合金を溶接した後、その溶接部を研磨することによって傾斜平面を有する形状に成形される。
1 成形体
2 オーバーフロー溝
3 外側面部
4 鉛直面部
5 逆斜面部
5a 下端縁
6 ガイド部
6a ガイド面(第1のガイド面)
6b 嵌合凹部
7 カバー部
8 第1の薄肉部(第1のガイド面)
9 第2の薄肉部(逆斜面部)
10 突出片
11 鉛直面部
11d 上端縁(突出片の上端縁)
11e 外側縁
12 先鋭部
12a 下端縁(突出片の下端縁)
12b 外側縁
13 ガイド面(第2のガイド面)
13a 第1の部分
13b 第2の部分
13c 第3の部分
14 肉盛り部
G 溶融ガラス
Ga 幅方向両端部
H1 逆斜面部の下端縁を基準とした逆斜面部の全高
H2 逆斜面部の下端縁を基準とした第1の部分の最大高さ

Claims (7)

  1. 下端縁で収束する一対の逆斜面部を有する成形体を備え、前記逆斜面部のそれぞれに沿って流下する溶融ガラスを前記逆斜面部の下端縁で融合一体化して一枚の板ガラスを成形する板ガラスの製造装置であって、
    前記成形体は、
    前記逆斜面部の幅方向両端部に設けられており、前記逆斜面部を流下する溶融ガラスの幅方向両端部を案内する第1のガイド面と、
    前記逆斜面部の下端縁の少なくとも幅方向両端部の所定の幅を有する領域から垂下された突出片と、
    前記第1のガイド面に連なる第1の部分、前記突出片に連なる第2の部分、および前記第1の部分と前記第2の部分の間で前記逆斜面部に連なる第3の部分を有し、溶融ガラスの幅方向両端部を前記第1のガイド面から前記突出片まで案内する第2のガイド面とを備え、
    前記第2のガイド面は、前記第1の部分が前記逆斜面部の下端縁よりも上方に位置し、前記溶融ガラスの幅方向の収縮に倣うように、前記第1の部分から前記第2の部分へと移行するに従って幅方向中央側に漸近することを特徴とする板ガラスの製造装置。
  2. 前記第2のガイド面は、凸曲面又は凹曲面で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の板ガラスの製造装置。
  3. 前記第2のガイド面の前記第2の部分は、前記突出片の外側縁に連なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の板ガラスの製造装置。
  4. 前記突出片は、鉛直面部を有し、
    前記第2のガイド面の前記第2の部分は、前記突出片の前記鉛直面部の外側縁の上端から下端に至るまでの領域に連なっていることを特徴とする請求項3に記載の板ガラスの製造装置。
  5. 前記突出片は、前記鉛直面部の下方に先鋭部を有し、
    前記先鋭部の外側縁は、下方に移行するに従って幅方向中央側に漸近するように傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の板ガラスの製造装置。
  6. 前記逆斜面部の下端縁を基準とした前記第1の部分の最大高さは、前記逆斜面部の下端縁を基準とした逆斜面部の全高の1/5以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の板ガラスの製造装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の板ガラスの製造装置を用いて、オーバーフローダウンドロー法により溶融ガラスから板ガラスを製造することを特徴とする板ガラスの製造方法。
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