JP6689300B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents

Description

本発明は、インジェクション機構を有するスクロール圧縮機に関するものである。
従来、空調機および冷凍機等においては、例えば、スクロール圧縮機が用いられている。このようなスクロール圧縮機としては、例えば特許文献1に記載されているように、インジェクション機構を有するものがある。
特許文献1に記載されたスクロール圧縮機では、固定台板の上部にバックプレートを設け、固定台板とバックプレートとによってインジェクション流路を形成している。また、固定台板には、過圧縮リリーフのためのリリーフポートが設けられている。
このスクロール圧縮機において、圧縮機の側面から固定スクロール内に流入したインジェクション冷媒は、一旦固定スクロール内から外へ出た後、固定台板とバックプレートとによって形成されたインジェクション流路を通過する。そして、インジェクション冷媒は、固定台板に設けられたインジェクションポートから圧縮室内へ供給される。
また、圧縮室内において吐出圧力以上の圧力となった冷媒は、リリーフポートおよびバックプレート内を通過した後、リリーフ弁を押し開けて、密閉容器内の吐出空間へ排出される。
特開2012−172581号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたスクロール圧縮機のように、バックプレートを用いたインジェクション冷媒の供給方法では、インジェクション冷媒が通る流路長が長いため、圧損やプレヒートなどによる損失が大きくなってしまう。また、固定台板とバックプレートとの隙間をシールする必要があるが、このシールが不十分である場合には、密閉容器内の高圧冷媒が過圧縮リリーフポート等を通して圧縮室内に流入し、再圧縮することで損失が発生してしまうという問題点があった。
さらに、このスクロール圧縮機は、インジェクション流路を形成するためにバックプレートが必要になるなど、スクロール圧縮機の組み立てに必要な部品点数が多くなるとともに、固定台板とバックプレートとの間の隙間のリークチェック工程が必要となるという問題点があった。
本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、インジェクション冷媒を圧縮室内に供給するまでの損失を低減するとともに、製造に必要な部品点数および作業工程を削減することが可能なスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のスクロール圧縮機は、固定台板および該固定台板の一方の面に形成された渦巻状の突起である固定渦巻歯を有する固定スクロールと、揺動台板および該揺動台板の一方の面に形成された渦巻状の突起である揺動渦巻歯を有する揺動スクロールとを備え、前記固定渦巻歯と前記揺動渦巻歯とが噛み合うことにより、前記固定渦巻歯と前記揺動渦巻歯との間に、外部から供給された冷媒を圧縮するための圧縮室が形成され、前記圧縮室は、前記固定渦巻歯の内向面と前記揺動渦巻歯の外向面とで形成された固定内向側圧縮室と、前記固定渦巻歯の外向面と前記揺動渦巻歯の内向面とで形成された固定外向側圧縮室とで構成され、前記固定台板は、外部からインジェクション冷媒が供給されるインジェクションパイプが接続され、前記インジェクション冷媒が流れるインジェクション流路と、前記インジェクション流路と前記圧縮室とを連通するインジェクションポートとを有し、前記揺動台板は、一方の面から他方の面に貫通し、前記圧縮室と、前記揺動台板の他方の面側に設けられ、前記冷媒の吸入圧力よりも高く、かつ吐出圧力以下である中間圧力となる中間圧空間とを常時または間欠的に連通する抽気孔を有し、前記インジェクションポートは、前記固定内向側圧縮室のみと連通するように開口し、前記抽気孔は、前記固定外向側圧縮室のみと連通するように開口するものである。
以上のように、本発明のスクロール圧縮機によれば、インジェクション冷媒を圧縮室内に供給するための流路を固定スクロールの固定台板に設けるため、インジェクション冷媒を圧縮室内に供給するまでの損失を低減するとともに、製造に必要な部品点数および作業工程を削減することが可能になる。
本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の構成の一例を示す縦断面図である。 図1に示すスクロール圧縮機における固定スクロールについて説明するための上部拡大図である。 図1に示すスクロール圧縮機における揺動スクロールについて説明するための上部拡大図である。 図1に示すスクロール圧縮機におけるコンプライアントフレームおよびガイドフレームについて説明するための上部拡大図である。 本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機におけるインジェクション逆止弁機構周辺の構成の一例を示す上部拡大図である。 本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機におけるインジェクション逆止弁機構周辺の構成の他の例を示す上部拡大図である。 本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機におけるインジェクション逆止弁機構周辺の構成の一例を示す上部拡大図である。 本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機におけるインジェクション逆止弁機構周辺の構成の他の例を示す上部拡大図である。 本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機の圧縮運転時の固定渦巻歯および揺動渦巻歯の動きについて説明するための概略図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る空調制御システムについて説明する。
なお、以下の説明において、「インジェクション」とは、例えば冷凍サイクルを構成する要素の一つである凝縮器を出た後の高圧側の液冷媒、気液二相冷媒またはガス冷媒を圧縮機の圧縮室に戻し、再圧縮することである。また、このときの凝縮器を出た後の高圧側の液冷媒、気液二相冷媒またはガス冷媒は、「インジェクション冷媒」と称される。
ここで、「凝縮器を出た後」とは、凝縮器を通過した直後のことだけでなく、例えば、凝縮器を出た後、膨張弁および熱交換器等を通過した後のことであってもよい。また、「凝縮器」は、「放熱器」、負荷側に熱を与える「熱交換器」または「ガスクーラー」と読み替えてもよい。
[スクロール圧縮機の構成]
図1は、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100の構成の一例を示す縦断面図である。
図1に示すように、スクロール圧縮機100は、固定スクロール1、揺動スクロール2、コンプライアントフレーム3、ガイドフレーム4、電動機5、サブフレーム6、軸7、オルダム機構8を備え、これらの構成要素が密閉容器10内に収納されている。また、固定スクロール1と揺動スクロール2とにより、圧縮部が形成されている。
(密閉容器)
密閉容器10は、スクロール圧縮機100の外郭を形成する高圧容器である。密閉容器10の側面には、吸入管11、吐出管12およびインジェクションパイプ13が接続されている。また、密閉容器10の底部には、冷凍機油9を貯油するための油だめが設けられている。
吸入管11は、外部からスクロール圧縮機100に流入する冷媒を、後述する圧縮室20に導くための配管である。吸入管11は、例えば、後述する固定スクロール1の固定台板1aに直接圧入、またはシール材等によって高圧冷媒空間と吸入圧空間とをシールしつつ挿入されている。
吐出管12は、スクロール圧縮機100で圧縮された冷媒を外部に吐出させるための配管であり、一方の端部が密閉容器10内に連通し、他方の端部が外部に連通している。
インジェクションパイプ13は、外部からスクロール圧縮機100内に流入するインジェクション冷媒を圧縮室20内に導くための配管である。インジェクションパイプ13は、例えば、固定台板1aに形成された後述するインジェクション流路1gに直接圧入、またはシール材等によって高圧冷媒空間とインジェクション圧空間とをシールしつつ挿入されている。
(固定スクロール)
図2は、図1に示すスクロール圧縮機100における固定スクロール1について説明するための上部拡大図である。
固定スクロール1は、後述する揺動スクロール2とともに冷媒を圧縮するものであり、図2に示すように、揺動スクロール2に対して対向するように配置されている。固定スクロール1は、水平面に対して平行な固定台板1aと、固定台板1aの下面から下側に突出して形成された板状の突起である固定渦巻歯1bを有している。
なお、ここでいう「水平面に対して平行」とは、厳密な平行に限定されるものではなく、例えば、水平面に対してある程度の角度を有していてもよい。以下の説明においても、同様とする。
固定渦巻歯1bは、後述する揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bと噛み合い、揺動スクロール2が揺動することにより、容積が変化する圧縮室20を形成する。この固定渦巻歯1bは、水平断面が渦巻形状となっている。
固定台板1aは、平板状の部材であり、その外周面が密閉容器10の内周面に対向するとともに、下面の外側部分が後述するガイドフレーム4の上部と対向するようにして、密閉容器10内で固定されている。また、固定台板1aの外周面には、上述したように、吸入管11が挿入されている。
固定台板1aの下面における外周部には、2個一対のオルダム案内溝1cが一直線上に形成されている。このオルダム案内溝1cには、オルダム機構8の爪8bが往復自在に係合されている。
固定台板1aの中心部には、上面から下面に貫通する、圧縮室20で圧縮された冷媒を吐出するための吐出ポート1dが形成されている。ここで、「固定台板1aの中心部」とは、固定台板1aを上面視したときにおける径方向の中心部のことをいう。
また、固定台板1aの吐出ポート1dよりも外周側には、上面から下面に貫通するリリーフポート1eが形成されている。
固定台板1aの上面には、リリーフポート1eを開閉するリリーフ弁30aと、リリーフ弁30aのリフト量を制限する弁押さえ30bとが設けられている。リリーフ弁30aおよび弁押さえ30bは、例えばボルトを用いて固定台板1aに固定される。
なお、固定台板1aの上面には、リリーフ弁30aに加えて、吐出ポート1dを開閉する図示しない開閉弁を設けてもよい。
固定台板1aの側面には、外部から供給されるインジェクション冷媒を圧縮室20に導くためのインジェクション流路1gが設けられている。また、固定台板1aの下面における固定渦巻歯1bの間には、インジェクションポート1fが設けられている。そして、インジェクションポート1fとインジェクション流路1gとが連通している。
インジェクション流路1gには、インジェクションパイプ13が挿入されている。インジェクションパイプ13に流入したインジェクション冷媒は、インジェクション流路1gおよびインジェクションポート1fを通過して圧縮室20へ注入される。
(揺動スクロール)
図3は、図1に示すスクロール圧縮機100における揺動スクロール2について説明するための上部拡大図である。
揺動スクロール2は、固定スクロール1とともに冷媒を圧縮するものであり、図3に示すように、固定スクロール1に対して対向するように配置されている。
揺動スクロール2は、水平面に対して平行な円板状の部材で形成された揺動台板2aと、揺動台板2aの上面から上側に突出して形成された板状の突起である揺動渦巻歯2bを有している。
揺動渦巻歯2bは、固定スクロール1の固定渦巻歯1bと噛み合うことにより、圧縮室20を形成する。この揺動渦巻歯2bは、固定渦巻歯1bと対応するように、水平断面が固定渦巻歯1bと実質的に同一形状の渦巻形状となっている。
揺動台板2aの下面における外周部には、2個一対のオルダム案内溝2eが一直線上に形成されている。このオルダム案内溝2eは、固定スクロール1のオルダム案内溝1cに対して90度の位相差を有するように形成されている。オルダム案内溝2eは、オルダム機構8の爪8aが往復自在に係合されている。このように構成されたオルダム機構8により、揺動スクロール2は、自転することなく揺動運動を行うことができる。
揺動台板2aの下面における中心部には、中空円筒状のボス部2fが形成されている。ボス部2fの内側が揺動軸受2cとして機能する。ここで、「揺動台板2aの中心部」とは、揺動台板2aを上面視したときにおける径方向の中心部のことをいう。
揺動軸受2cには、後述する軸7の上端に形成された揺動軸部7bが係合されている。これにより、揺動台板2aは、軸7が回転することによって揺動運動を行う。なお、揺動軸受2cと揺動軸部7bとの間の空間を、ボス部空間15aと称する。
揺動台板2aにおけるボス部2fの外径側には、後述するコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aと圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。
なお、ボス部2fの外径側において、揺動スクロール2のスラスト面2dとコンプライアントフレーム3との間に形成された空間を、ボス部外部空間15bと称する。また、スラスト軸受3aの外径側において、揺動スクロール2の揺動台板2aとコンプライアントフレーム3との間に形成された空間を、台板外径部空間15cと称する。この台板外径部空間15cは、吸入圧力である吸入ガス雰囲気圧が低圧となる空間となっている。
揺動台板2aには、上面から下面に貫通し、圧縮室20とスラスト面2d側の空間とを連通する抽気孔2gが設けられている。この抽気孔2gにおけるコンプライアントフレーム3側の開口部である下開口部2hは、通常運転の際に描く下開口部2hの円軌跡がコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aの内部に常時収まるように配置されている。そのため、圧縮室20内の冷媒が、抽気孔2gを介してボス部外部空間15bおよび台板外径部空間15cに漏れることはない。
(コンプライアントフレームおよびガイドフレーム)
図4は、図1に示すスクロール圧縮機100におけるコンプライアントフレーム3およびガイドフレーム4について説明するための上部拡大図である。
コンプライアントフレーム3は、揺動スクロール2の下側に設けられ、揺動スクロール2を軸方向に支持する。コンプライアントフレーム3の外周部には、上嵌合円筒面3dおよび下嵌合円筒面3eが形成されている。上嵌合円筒面3dは、コンプライアントフレーム3の外周部における揺動スクロール2側に形成され、ガイドフレーム4の内周部に設けられた上嵌合円筒面4aと係合されている。下嵌合円筒面3eは、コンプライアントフレーム3の外周部における電動機5側に形成され、ガイドフレーム4の内周部に設けられた下嵌合円筒面4bと係合されている。これにより、コンプライアントフレーム3は、ガイドフレーム4によって半径方向に支持されている。
コンプライアントフレーム3の中心部には、電動機5により回転駆動される軸7を半径方向に支持する主軸受3bおよび補助主軸受3cが形成されている。
ここで、コンプライアントフレーム3とガイドフレーム4との間に形成され、上下をリング状のシール材16aおよび16bで仕切られた空間をフレーム空間15dと称する。
シール材16aおよび16bは、ガイドフレーム4の内周面に形成された2ヶ所のリング状のシール溝に収納されている。なお、これに限られず、このシール溝は、コンプライアントフレーム3の外周面に形成されていてもよい。
コンプライアントフレーム3には、揺動スクロール2における抽気孔2gの下開口部2hと対向する位置に、スラスト軸受3a側からフレーム空間15dを貫通し、抽気孔2gとフレーム空間15dとを常時もしくは間欠的に連通する連通孔3fが形成されている。
コンプライアントフレーム3には、ボス部外部空間15bの圧力を調整する圧力調整弁3h、弁押さえ3iおよび中間圧調整スプリング3jが収納された圧力調整弁空間3gが設けられている。中間圧調整スプリング3jは、自然長より縮められた状態で圧力調整弁空間3gに収納されている。
なお、圧力調整弁3hの外径側におけるコンプライアントフレーム3とガイドフレーム4との間の空間を、弁外径部空間15eと称する。
また、コンプライアントフレーム3には、スラスト軸受3aの外周側に、オルダム機構環状部8cが往復摺動運動する往復摺動部3kが形成されている。往復摺動部3kには、台板外径部空間15cと吸入空間とを連通する連通孔3lが形成されている。
ガイドフレーム4は、焼き嵌めまたは溶接等により、外周部が密閉容器10に固定されている。なお、ガイドフレーム4の外周部には、切り欠きが設けられており、圧縮室20から密閉容器10内へ吐出された冷媒が吐出管12へ流れる流路は確保されている。
(軸)
図1に示すように、軸7の上側には、揺動スクロール2の揺動軸受2cと回転自在に係合する揺動軸部7bが形成されている。揺動軸部7bの下側には、コンプライアントフレーム3の主軸受3bおよび補助主軸受3cと回転自在に係合する主軸部7cが形成されている。
主軸部7cの下側には、サブフレーム6の副軸受6aと回転自在に係合する副軸部7dが形成されている。副軸部7dと主軸部7cとの間には、電動機5の回転子5aが焼き嵌めにより取り付けられ、回転子5aの周囲に固定子5bが設けられている。
軸7の内部には、軸方向に貫通する高圧給油穴7gが形成されている。また、軸7の下端面には、高圧給油穴7gと連通するオイルパイプ7fが圧入されている。
[スクロール圧縮機の動作]
次に、スクロール圧縮機100の動作について、図1〜図4を参照して説明する。
低圧の吸入冷媒は、吸入管11から固定スクロール1の固定渦巻歯1bと揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bとにより形成される圧縮室20に流入する。
また、外部から供給されたインジェクション冷媒は、インジェクションパイプ13を介してインジェクション流路1gに流入し、インジェクションポート1fを通って圧縮室20に注入される。なお、インジェクション運転を行わない場合、インジェクション冷媒は、圧縮室20に注入されない。
一方、電動機5によって軸7が駆動されると、それに伴って揺動スクロール2が駆動する。揺動スクロール2は、オルダム機構8によって自転運動せず、公転運動である揺動運動し、圧縮室20の容積を徐々に減少させる圧縮動作を行う。この圧縮動作により、圧縮室20内の冷媒が高圧となり、固定スクロール1の吐出ポート1dを介して密閉容器10外に放出される。つまり、密閉容器10内は高圧となる。
定常運転時においては、上述したように、密閉容器10内が高圧となる。この圧力により、密閉容器10の底部に溜まった冷凍機油9は、オイルパイプ7fから吸入され、高圧給油穴7gを上側に向かって流れる。そして、高圧の冷凍機油9は、ボス部空間15aに導かれ、吸入圧力よりも高く、かつ吐出圧力以下である中間圧Pm1まで減圧されてボス部外部空間15bへ流れる。
また、高圧給油穴7gを流れる高圧の冷凍機油9は、軸7に設けられた横穴から主軸受3bと主軸部7cとの間に導かれる。主軸受3bと主軸部7cとの間に導かれた冷凍機油9は、主軸受3bと主軸部7cとの間で、吸入圧力よりも高く、かつ吐出圧力以下である中間圧Pm1まで減圧され、ボス部外部空間15bへ流れる。
なお、ボス部外部空間15bで中間圧Pm1となった冷凍機油9は、冷凍機油9に溶解していた冷媒の発泡により、一般にはガス冷媒と冷凍機油9との二相となっている。
ボス部外部空間15bで中間圧Pm1となった冷凍機油9は、圧力調整弁空間3gを通って弁外径部空間15eに流れる。このとき、冷凍機油9は、圧力調整弁空間3gを通る際に、中間圧調整スプリング3jによって付加される力に打ち勝って圧力調整弁3hを押し上げ、弁外径部空間15eに流れる。弁外径部空間15eに流れた冷凍機油9は、連通孔3lを通ってオルダム機構環状部8cの内側へ排出される。
また、ボス部外部空間15bで中間圧Pm1となった冷凍機油9は、揺動スクロール2のスラスト面2dとコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aの摺動部へ給油され、オルダム機構環状部8cの内側へ排出される。そして、オルダム機構8の爪8aおよび8bの摺動面に給油された後、台板外径部空間15cに流れる。
ボス部外部空間15bの中間圧Pm1は、中間圧調整スプリング3jの弾性力と、圧力調整弁3hの露出面積とに基づき決定される圧力αにより、式(1)のように表すことができる。なお、式(1)におけるPsは、吸入雰囲気圧、すなわち低圧である。
[数1]
Pm1=Ps+α ・・・(1)
また、揺動スクロール2における抽気孔2gの下開口部2hは、コンプライアントフレーム3に設けられた連通孔3fのスラスト軸受3a側の開口部と、常時または間欠的に連通する。そのため、圧縮室20からの圧縮途中の冷媒ガスが、揺動スクロール2の抽気孔2gおよびコンプライアントフレーム3の連通孔3fを介してフレーム空間15dに導かれる。この冷媒ガスは圧縮途中であるため、吸入圧力よりも高く、かつ吐出圧力以下である中間圧Pm2である。
なお、このように冷媒ガスがフレーム空間15dに導かれるものの、フレーム空間15dは、シール材16aおよび16bによって密閉された閉空間である。そのため、通常運転時には圧縮室20の圧力変動に呼応して、圧縮室20とフレーム空間15dとの間で双方向に微少な流れが形成される。すなわち、圧縮室20とフレーム空間15dとの間では、いわば呼吸しているような状態となる。
フレーム空間15dの中間圧Pm2は、連通する圧縮室20の位置に基づき決定される倍率βにより、式(2)のように表すことができる。なお、式(2)におけるPsは、吸入雰囲気圧、すなわち低圧である。
[数2]
Pm2=Ps×β ・・・(2)
ここで、コンプライアントフレーム3には、ボス部外部空間15bの中間圧Pm1に起因する力「A」と、スラスト軸受3aを介した揺動スクロール2からの押し付け力「B」との合計「A+B」が、下向きの力として作用する。
一方、コンプライアントフレーム3には、フレーム空間15dの中間圧Pm2に起因する力「C」と、下端面の高圧雰囲気に露出している部分に作用する高圧に起因する力「D」の合計「C+D」が、上向きの力として作用する。
そして、通常運転時においては、上向きの力「C+D」が下向きの力「A+B」よりも大きくなるように設定されている。
そのため、通常運転時において、コンプライアントフレーム3は、上嵌合円筒面3dがガイドフレーム4の上嵌合円筒面4aにガイドされるとともに、下嵌合円筒面3eがガイドフレーム4の下嵌合円筒面4bにガイドされ、固定スクロール1側に浮き上がった状態となる。すなわち、コンプライアントフレーム3は、固定スクロール1側に浮き上がり、スラスト軸受3aを介して揺動スクロール2に押し付けられた状態となる。
このように、コンプライアントフレーム3が揺動スクロール2に押し付けられているため、揺動スクロール2もコンプライアントフレーム3と同様に、固定スクロール1側に浮き上がった状態となる。その結果、揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bの歯先と、固定スクロール1の歯底である固定台板1aとが接触するとともに、固定スクロール1の固定渦巻歯1bの歯先と、揺動スクロール2の歯底である揺動台板2aとが接触する。
一方、スクロール圧縮機100の起動時などの過渡期、または圧縮室20の内圧が異常に上昇したときなどには、上述したスラスト軸受3aを介した揺動スクロール2からの押し付け力「B」が、通常運転時よりも大きくなる。そのため、下向きの力「A+B」が上向きの力「C+D」よりも大きくなる。その結果、コンプライアントフレーム3は、ガイドフレーム4側へ押し付けられる。そして、揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bの歯先と、固定スクロール1の歯底である固定台板1aとが離れるとともに、固定スクロール1の固定渦巻歯1bの歯先と、揺動スクロール2の歯底である揺動台板2aとが離れる。これにより、圧縮室20内の圧力が下がるので、圧縮室20内の圧力が過度に上昇することを防止することができる。
インジェクション運転時において、外部から供給されるインジェクション冷媒は、インジェクションパイプ13を通って直接固定スクロール1の固定台板1aの内部に流入するので、固定台板1aの外部に流出することはない。そのため、インジェクション流路1gの流路長を最短とすることができ、インジェクション運転時の損失を減らすことができる。
また、固定台板1aの上部に設けられた過圧縮冷媒のリリーフ弁30aに至るまでの冷媒の漏れの影響を減らすことができるため、圧縮機効率を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、固定台板1aおよび固定台板1aの一方の面に形成された固定渦巻歯1bを有する固定スクロール1と、揺動台板2aおよび揺動台板2aの一方の面に形成された揺動渦巻歯2bを有する揺動スクロール2とを備え、固定渦巻歯1bと揺動渦巻歯2bとが噛み合うことにより、固定渦巻歯1bと揺動渦巻歯2bとの間に圧縮室20が形成され、固定台板1aは、外部からインジェクション冷媒が供給されるインジェクションパイプが接続され、インジェクション冷媒が流れるインジェクション流路1gと、インジェクション流路1gと圧縮室20とを連通するインジェクションポート1fとを有している。
このように、インジェクション流路1gを固定スクロール1の固定台板1aに設け、流入したインジェクション冷媒を直接圧縮室20に導くようにしているので、インジェクション流路1gを圧縮室20まで最短で形成することができる。
また、インジェクション流路1gを固定台板1aに設けることにより、従来のように、インジェクション流路を形成するためのバックプレートが不要となるため、従来と比較して、スクロール圧縮機100の製造に必要な部品点数を削減することができる。
さらに、バックプレートが不要になることにより、固定台板とバックプレートとの間の隙間のリークチェック工程が不要となるため、従来と比較して、スクロール圧縮機100を製造する際の作業工程を削減することができる。
実施の形態2.
次に、本実施の形態2に係るスクロール圧縮機について説明する。
本実施の形態2に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールの固定台板内に設けられたインジェクション流路に、冷媒の逆流を防止する逆止弁機構を設けた点で、実施の形態1と相違する。
図5は、本実施の形態2に係るスクロール圧縮機200におけるインジェクション逆止弁機構25周辺の構成の一例を示す上部拡大図である。図6は、本実施の形態2に係るスクロール圧縮機200におけるインジェクション逆止弁機構25周辺の構成の他の例を示す上部拡大図である。
なお、以下の説明おいて、上述した実施の形態1と同様の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
[スクロール圧縮機の構成]
図5および図6に示すように、本実施の形態2に係るスクロール圧縮機200は、固定スクロール1における固定台板1a内に設けられたインジェクション流路1gに、インジェクション逆止弁機構25を備える。
(インジェクション逆止弁機構)
インジェクション逆止弁機構25は、インジェクションばね25a、インジェクション逆止弁25bおよびインジェクション弁押さえ25cで構成されている。インジェクション逆止弁機構25は、固定スクロール1の固定台板1aの内部に収納されている。
インジェクションばね25aは、一方の端部が固定台板1aにおけるインジェクション流路1g内の内壁面に固定されている。インジェクションばね25aの他方の端部には、インジェクション逆止弁25bが取り付けられている。
インジェクション弁押さえ25cは、固定台板1aに対して圧入または図示しないボルトによって固定され、インジェクション逆止弁25bの弁座として機能する。なお、ボルトによる固定の場合には、固定台板1aとインジェクション弁押さえ25cとの間にシール材を配置し、インジェクション圧空間と吐出圧空間とを分離する必要がある。
インジェクション弁押さえ25cには、インジェクションパイプ13が圧入によって挿入されている。
通常運転時など、インジェクションパイプ13からインジェクション冷媒が流入しない場合、インジェクション逆止弁25bは、図5に示すように、インジェクションばね25aの弾性力によってインジェクション弁押さえ25cに押し付けられている。
一方、インジェクション運転時など、インジェクション冷媒が流入する場合、インジェクション逆止弁25bは、図6に示すように、インジェクション冷媒による圧力がインジェクションばね25aの弾性力に打ち勝って、インジェクション逆止弁25bが押し開けられる。
[スクロール圧縮機の動作]
次に、スクロール圧縮機200の動作について、図5および図6を参照して説明する。なお、通常運転時の動作については、上述した実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
インジェクション運転時、外部から供給されたインジェクション冷媒は、インジェクションパイプ13を介してインジェクション流路1gに流入し、インジェクションポート1fを通って圧縮室20に注入される。
吸入管11から吸入された低圧の冷媒は、固定スクロール1の固定渦巻歯1bと揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bとによって形成される圧縮室20に流入して圧縮されている。ここで、インジェクションポート1fと連通する圧縮室20内の圧力がインジェクション圧力よりも小さい場合には、図6に示すように、インジェクション冷媒がインジェクションばね25aの弾性力に打ち勝つ。そして、インジェクション冷媒は、インジェクション逆止弁25bを押し開け、圧縮室20内に流入する。
一方、インジェクション圧力が圧縮室20内の圧力よりも小さい場合、インジェクション逆止弁25bは、インジェクション圧力と、インジェクションばね25aの弾性力および圧縮室20内の圧力との圧力差により、インジェクション弁押さえ25cに押し当てられてシールする。これにより、圧縮室20とインジェクションパイプ13との間での冷媒の移動がなくなり、インジェクション冷媒は、圧縮室20に流入することがない。
インジェクション圧力が圧縮室20内の圧力よりも小さい運転条件は、概ねインジェクションを必要としない条件と一致する。そのため、ほとんどの場合、インジェクション冷媒をスクロール圧縮機200に流入させるための外部ユニット側の弁が閉じている。
このときも、インジェクション逆止弁25bとインジェクション弁押さえ25cとがシールすることにより、圧縮室20内の冷媒がインジェクションパイプ13側へ逆流することがない。
図6に示すように、インジェクション冷媒は、インジェクション流路1gに流入した後、インジェクションポート1fを通って圧縮室20内に注入される。
ここで、軸7の回転角によっては、圧縮室20内の圧力がインジェクションパイプ13またはインジェクション流路1gの圧力よりも高くなり、圧縮途中の冷媒がインジェクションポート1fを通ってインジェクションパイプ13内に逆流する可能性がある。また、圧縮室20内の圧力が低い場合、冷媒はその逆の流れとなる。このように、圧縮室20に連通するようにインジェクションポート1fが設けられているため、冷媒の呼吸損失が発生する。冷媒が呼吸状態となると、圧縮室20で冷媒の再圧縮が起こり、結果として入力の増加、および性能低下などが発生する。
しかしながら、本実施の形態2のように、インジェクション流路1gにインジェクション逆止弁機構25を設けることにより、圧縮室20とインジェクションパイプ13とが連通することがなくなる。そのため、呼吸運動が減少するので、冷媒の再圧縮を防止し、性能を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態2に係るスクロール圧縮機200は、固定台板1aに形成されたインジェクション流路1g内に、圧縮室20からインジェクションパイプ13に対する圧縮室20内の冷媒の逆流を防止するインジェクション逆止弁機構25が設けられている。
このように、インジェクション流路1gにインジェクション逆止弁機構25を設けることにより、インジェクション運転を行わない場合などにおいては、圧縮室20とインジェクションパイプ13とが連通しなくなる。そのため、圧縮室20とインジェクションパイプ13との間での冷媒の呼吸運動が減少するので、冷媒の再圧縮を防止することができるとともに、性能を向上させることができる。
実施の形態3.
次に、本実施の形態3に係るスクロール圧縮機について説明する。
本実施の形態3に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールの固定台板内に設けられたインジェクション流路に、冷媒の逆流を防止する逆止弁機構を設けた点で、実施の形態1と相違する。また、逆止弁機構の構造が、実施の形態2と相違する。
図7は、本実施の形態3に係るスクロール圧縮機300におけるインジェクション逆止弁機構25周辺の構成の一例を示す上部拡大図である。図8は、本実施の形態3に係るスクロール圧縮機300におけるインジェクション逆止弁機構25周辺の構成の他の例を示す上部拡大図である。
なお、以下の説明おいて、上述した実施の形態1および実施の形態2と同様の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
[スクロール圧縮機の構成]
図7および図8に示すように、本実施の形態3に係るスクロール圧縮機300は、固定スクロール1における固定台板1a内に設けられたインジェクション流路1gに、インジェクション逆止弁機構25を備える。
(インジェクション逆止弁機構)
インジェクション逆止弁機構25は、インジェクションばね25a、インジェクション逆止弁25bおよびインジェクションプラグ25dで構成されている。インジェクション逆止弁機構25は、固定スクロール1の固定台板1aの内部に収納されている。
インジェクションプラグ25dは、固定台板1aに圧入によって固定されている。
インジェクションばね25aは、一方の端部がインジェクションプラグ25dの内面側に固定されている。インジェクションばね25aの他方の端部には、インジェクション逆止弁25bが取り付けられている。
通常運転時など、インジェクションパイプ13からインジェクション冷媒が流入しない場合、インジェクション逆止弁25bは、図7に示すように、インジェクションばね25aの弾性力によってインジェクション流路1gを閉じている。
一方、インジェクション運転時など、インジェクション冷媒が流入する場合、インジェクション逆止弁25bは、図8に示すように、インジェクション冷媒による圧力がインジェクションばね25aの弾性力に打ち勝って、インジェクション逆止弁25bが押し開けられる。
以上のように、本実施の形態3に係るスクロール圧縮機300は、固定台板1aに形成されたインジェクション流路1g内に、圧縮室20からインジェクションパイプ13に対する圧縮室20内の冷媒の逆流を防止するインジェクション逆止弁機構25が設けられている。また、インジェクション逆止弁機構25は、固定台板1aに固定されるインジェクションプラグ25dと、一端がインジェクションプラグ25dに固定されたインジェクションばね25aと、インジェクションばね25aの他端に取り付けられたインジェクション逆止弁25bとを有している。
このように、インジェクション流路1gにインジェクション逆止弁機構25を設けることにより、上述した実施の形態2と同様に、冷媒の再圧縮を防止することができるとともに、性能を向上させることができる。
また、インジェクションプラグ25dが固定台板1aに圧入して固定されているため、インジェクション流路1g内のインジェクション圧空間と吐出圧空間とをシールすることができる。
さらに、インジェクション運転時にインジェクション逆止弁25bがインジェクションばね25aを押し下げている場合、すなわちインジェクション流路1gが開いている場合には、インジェクションプラグ25dがインジェクション逆止弁25bの受け面にもなっている。そのため、製造時の部品点数を削減することができる。
実施の形態4.
次に、本実施の形態4に係るスクロール圧縮機について説明する。
なお、以下の説明おいて、上述した実施の形態1〜3と同様の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
[スクロール圧縮機の構成]
図9は、本実施の形態4に係るスクロール圧縮機400の圧縮運転時の固定渦巻歯1bおよび揺動渦巻歯2bの動きについて説明するための概略図である。
図9に示すように、固定スクロール1の固定渦巻歯1bと揺動スクロール2の揺動渦巻歯2bとで形成される圧縮室20は、固定内向側圧縮室20aおよび固定外向側圧縮室20bで形成されている。
固定内向側圧縮室20aは、固定渦巻歯1bの内向面と揺動渦巻歯2bの外向面とで形成されている。固定外向側圧縮室20bは、固定渦巻歯1bの外向面と揺動渦巻歯2bの内向面とで形成されている。
ここで、固定スクロール1の固定台板1aに設けられたインジェクションポート1fは、圧縮室20に連通しているが、本実施の形態4においては、固定内向側圧縮室20aのみと連通するように配置されている。また、揺動スクロール2の揺動台板2aに設けられた抽気孔2gは、本実施の形態4において、固定外向側圧縮室20bのみと連通するように配置されている。
[スクロール圧縮機の動作]
次に、スクロール圧縮機400の動作について、図9を参照して説明する。なお、通常運転時の動作については、上述した実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
インジェクション運転時、インジェクション冷媒は、インジェクションポート1fを通って圧縮室20に供給される。また、圧縮途中の冷媒は、抽気孔2gを通ってフレーム空間15dに供給され、中間圧Pm2に減圧される。
このとき、インジェクションポート1fは、固定内向側圧縮室20aのみと連通するように配置されている。また、抽気孔2gは、固定外向側圧縮室20bのみと連通するように配置されている。そのため、インジェクションポート1fから供給されるインジェクション冷媒と、抽気孔2gを通る圧縮途中の冷媒とが互いに干渉することがない。
インジェクション冷媒は、固定内向側圧縮室20aのみに供給されるので、インジェクション冷媒が固定外向側圧縮室20bの圧縮途中の冷媒のみにより形成される中間圧Pm2に影響を与えることがない。
そのため、インジェクション運転時において、中間圧Pm2が過剰に高くなることがなく、揺動スクロール2のスラスト面2dにおいて適切な接触荷重が保たれる。したがって、スクロール圧縮機400の信頼性を損なうことなく、かつ無駄な損失を発生させることなく性能を確保することができる。
以上のように、本実施の形態4に係るスクロール圧縮機400において、揺動台板2aは、一方の面から他方の面に貫通し、圧縮室20と、揺動台板2aの他方の面側に設けられた中間圧力となるフレーム空間15dとを常時または間欠的に連通する抽気孔2gを有し、圧縮室20は、固定渦巻歯1bの内向面と揺動渦巻歯2bの外向面とで形成された固定内向側圧縮室20aと、固定渦巻歯1bの外向面と揺動渦巻歯2bの内向面とで形成された固定外向側圧縮室20bとで構成され、インジェクションポート1fは、固定内向側圧縮室20aのみと連通するように開口し、抽気孔2gは、固定外向側圧縮室20bのみと連通するように開口している。
このように、インジェクションポート1fを固定内向側圧縮室20aのみと連通するように配置するとともに、抽気孔2gを固定外向側圧縮室20bのみと連通するように配置することにより、そのため、インジェクション運転時に、フレーム空間15dにおける中間圧Pm2が高くなることがないので、スクロール圧縮機400の信頼性を損なうことなく、かつ無駄な損失を発生させることなく性能を確保することができる。
1 固定スクロール、1a 固定台板、1b 固定渦巻歯、1c オルダム案内溝、1d 吐出ポート、1e リリーフポート、1f インジェクションポート、1g インジェクション流路、2 揺動スクロール、2a 揺動台板、2b 揺動渦巻歯、2c 揺動軸受、2d スラスト面、2e オルダム案内溝、2f ボス部、2g 抽気孔、2h 下開口部、3 コンプライアントフレーム、3a スラスト軸受、3b 主軸受、3c 補助主軸受、3d 上嵌合円筒面、3e 下嵌合円筒面、3f 連通孔、3g 圧力調整弁空間、3h 圧力調整弁、3i 弁押さえ、3j 中間圧調整スプリング、3k 往復摺動部、3l 連通孔、4 ガイドフレーム、4a 上嵌合円筒面、4b 下嵌合円筒面、5 電動機、5a 回転子、5b 固定子、6 サブフレーム、6a 副軸受、7 軸、7b 揺動軸部、7c 主軸部、7d 副軸部、7f オイルパイプ、7g 高圧給油穴、8 オルダム機構、8a 爪、8b 爪、8c オルダム機構環状部、9 冷凍機油、10 密閉容器、11 吸入管、12 吐出管、13 インジェクションパイプ、15a ボス部空間、15b ボス部外部空間、15c 台板外径部空間、15d フレーム空間、15e 弁外径部空間、16a、16b シール材、20 圧縮室、20a 固定内向側圧縮室、20b 固定外向側圧縮室、25 インジェクション逆止弁機構、25a インジェクションばね、25b インジェクション逆止弁、25c インジェクション弁押さえ、25d インジェクションプラグ、30a リリーフ弁、30b 弁押さえ、100、200、300、400 スクロール圧縮機。

Claims (4)

  1. 固定台板および該固定台板の一方の面に形成された渦巻状の突起である固定渦巻歯を有する固定スクロールと、
    揺動台板および該揺動台板の一方の面に形成された渦巻状の突起である揺動渦巻歯を有する揺動スクロールと
    を備え、
    前記固定渦巻歯と前記揺動渦巻歯とが噛み合うことにより、前記固定渦巻歯と前記揺動渦巻歯との間に、外部から供給された冷媒を圧縮するための圧縮室が形成され、
    前記圧縮室は、
    前記固定渦巻歯の内向面と前記揺動渦巻歯の外向面とで形成された固定内向側圧縮室と、
    前記固定渦巻歯の外向面と前記揺動渦巻歯の内向面とで形成された固定外向側圧縮室とで構成され、
    前記固定台板は、
    外部からインジェクション冷媒が供給されるインジェクションパイプが接続され、前記インジェクション冷媒が流れるインジェクション流路と、
    前記インジェクション流路と前記圧縮室とを連通するインジェクションポートと
    を有し、
    前記揺動台板は、
    一方の面から他方の面に貫通し、前記圧縮室と、前記揺動台板の他方の面側に設けられ、前記冷媒の吸入圧力よりも高く、かつ吐出圧力以下である中間圧力となる中間圧空間とを常時または間欠的に連通する抽気孔を有し、
    前記インジェクションポートは、
    前記固定内向側圧縮室のみと連通するように開口し、
    前記抽気孔は、
    前記固定外向側圧縮室のみと連通するように開口する
    スクロール圧縮機。
  2. 前記固定台板は、
    前記インジェクション流路内に、前記圧縮室から前記インジェクションパイプに対する前記圧縮室内の冷媒の逆流を防止する逆止弁機構が設けられている
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記逆止弁機構は、
    一端が前記インジェクション流路の内壁面に固定されたばねと、
    前記ばねの他端に取り付けられた逆止弁と、
    前記インジェクションパイプが接続されるとともに前記固定台板に固定され、前記逆止弁の弁座として機能する弁押さえと
    を有する
    請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記逆止弁機構は、
    前記固定台板に固定されるインジェクションプラグと、
    一端が前記インジェクションプラグに固定されたばねと、
    前記ばねの他端に取り付けられた逆止弁と
    を有する
    請求項2に記載のスクロール圧縮機。
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