JP3549376B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、業務用および家庭用の主として冷凍空調に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍圧縮機の電動圧縮機としては、圧縮部がレシプロ式のもの、ロータリー式のもの、スクロール式のものがある。現在はコスト、性能面等でそれぞれ特徴を活かして成長してきている。中でもスクロール式の圧縮機が高効率、低騒音、低振動という特徴を活かして実用されてきた。
【0003】
特開平05−240176号公報は、スクロール圧縮機で1つのインジェクションポートを通じて隣接する2つの圧縮室にガスインジェクションを行い、各圧縮室へのインジェクション量を均等化するようにした技術を開示している。これにより、局部的な熱の偏りによって生じるスクロール部材の熱変形、油の潤滑性の悪化を防ぐことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、運転モードの多様化は、スクロール圧縮機もインバータ制御などによって速度可変に運転してその時々に最適な運転状態が得られるようにすることや、ガスインジェクションも運転モードによっては遮断したり、遮断を解除したりすることが必要になってきている。
【0005】
しかし、このような可変速運転と、ガスインジェクションの遮断、遮断解除とを行なう場合、上記従来のものでは標準設計した圧縮室であると、ガスインジェクションを行なっても冷凍サイクル側の運転効率の向上には限界がある。これは圧縮室の密閉容積が影響してインジェクション圧力が高くなり、十分なインジェクション流量が得られていないことが原因している。また、低速運転となる低負荷時にガスインジェクションを遮断すると、インジェクションポートまわりの逆止弁室等を含むデッドボリューム内の冷媒ガスの圧縮時の圧力上昇により、次に密閉される圧縮室に通じたときに再膨張して、これが低負荷運転に大きく影響して性能を低下させる。
【0006】
本発明の目的は、ガスインジェクション遮断状態での低負荷運転時の性能を確保しながら、低いインジェクション圧にて高負荷運転となる暖房時等に高いガスインジェクション性能が得られるスクロール圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため、本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロールと円軌道運動される旋回スクロールとの間に形成する圧縮室にインジェクションポートを通じてガスインジェクションを行なうようにしたものにおいて、固定スクロールと速度可変な旋回スクロールとの間に閉じ込み終了時の密閉容積が違う一対の圧縮室を形成して、そのうちの密閉容積の大きな圧縮室に通じる位置にインジェクションポートを設けるとともに、ガスインジェクションを適時に遮断し、また遮断を解除する制御手段を設けたことを特徴としている。
【0008】
このような構成では、ガスインジェクションを制御手段により遮断、遮断解除してガスインジェクションを適時に行なうことができ、ガスインジェクションは固定スクロールと旋回スクロールとが形成する一対の圧縮室のうちの密閉容積の大きな圧縮室にインジェクションポートが通じて、この圧縮室の閉じ込み終了時の大きな密閉容積を利用し低圧で大きなインジェクション流量を得て、実際の冷媒の吐出量を増大し暖房時等の高速運転となる高負荷運転時の能力を向上することができる。また、低速運転となる低負荷運転時にはガスインジェクションを遮断しても、インジェクションポートはガスインジェクションを行なわない密閉容積の小さい圧縮室には通じなくてよく、この圧縮室での圧縮によってインジェクションポートまわりの逆止弁を含むデッドボリューム内の冷媒ガスが高圧になるようなことを回避し、あるいは抑制して、インジェクションポートが再度密閉容積の大きな圧縮室に通じたときの、前記デッドボリューム内の冷媒ガスが再膨張するようなことをなくせるので、ガスインジェクションを遮断した低負荷運転時の圧縮機の性能が、前記デッドボリューム内の冷媒ガスの再膨張によって低下するのを防止することができる。従って、低負荷運転から高負荷運転状態まで圧縮機の効率が向上し、年間消費電力の低減を図ることができる。しかも、運転初期は設定温度になるまで高速運転して早期に立ち上がらせた後は低速運転に切替えたり、人が就寝する間、あるいは就寝する間の所定時間運転するような場合は低速のおやすみモード運転をするといったことにより、低負荷運転の割合が大きい場合に特に有利である。
【0009】
この場合、インジェクションポートを、密閉容積の大きな圧縮室へその圧縮開始直前から圧縮途中までの間通じる位置に設けると、密閉容積の大きな圧縮室の閉じ込み終了時の密閉容積が大きくなったことを最大限に活かした長い時間を掛けたインジェクションによってより低圧で全体としてより多量のガスインジェクションを達成して、暖房能力をさらに向上させられる。
【0010】
しかも、密閉容積の大きな圧縮室が、固定スクロールの羽根を連続的な渦巻き曲線よりなる形状を保って延長して形成してあると、一方の圧縮室を圧縮性を保って大きくするのが容易であるし、圧縮室を旋回スクロールの旋回方向に拡張するので、インジェクションポートを長い時間通じさせてガスインジェクションを行なうのに好都合である。
【0011】
本発明は上記の各場合において、圧縮機構の吐出口を有する外面を圧縮機構およびその駆動機構を内蔵した密閉容器内で覆うマフラーに、インジェクションポートに接続されるインジェクションパイプが遊びを持って通る穴を設けると、マフラーは圧縮機構から吐出してくる冷媒を圧縮機構との間に形成している大きな空間で一旦受止めて空間内に拡散充満させてながら消音するのに加え、前記穴は単独で、あるいは他の既設の穴と協働して、この一旦拡散され消音されたマフラー内の冷媒が、マフラーと密閉容器が形成する次の閉空間に適度に絞られた状態で通じて再度拡散充満しながら消音されるようにする消音穴を共用するので、インジェクションパイプの設置構造を利用して消音効果を高めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の代表的な実施の形態についてその実施例とともに図1、図3を参照しながら説明する。
【0013】
本実施の形態は冷凍空調用の横向き設置型のスクロール圧縮機とした場合の一例で、図1に全体の構成を示している。
【0014】
これにつき説明すると、密閉容器1内には、一端部にスクロール式の圧縮機構2が、中間部に圧縮機構2を駆動する電動機3が、他端部には密閉容器1の下部にあるオイル溜め5内のオイル4を潤滑対象部へ送り出すオイルポンプ6とが、それぞれ設けられている。
【0015】
圧縮機構2は固定スクロール11と旋回スクロール12の羽根11a、12aどうしを従来同様に噛み合わせて構成し、旋回スクロール12を自転させず円軌道運動させるように旋回駆動することによって、双方間に形成する一対の圧縮室13A、13Bを図1〜図3に示す吸込口14に通じる外周側から吐出口15に通じる内周側に移動させながら、容積を縮小して圧縮を行い吐出する。
【0016】
これらの支持および駆動と、吸込み圧縮して吐出する流体の密閉容器1内での案内構造とは、どのように構成されてもよい。また、オイルポンプ6もどのようなタイプのものでもよい。本実施の形態では圧縮機構2は一端側に固定した主軸受部材9に固定スクロール11をボルト止めして一体化し、これら主軸受部材9と固定スクロール11との間に、固定スクロール11と噛み合わせた旋回スクロール12を挟み込んでいる。電動機3は密閉容器1に溶接などして固設した環状の固定子3aと、これの内側に配した回転子3bとからなり、回転子3bに圧縮機構2の旋回スクロール12を旋回駆動するクランク軸16を固定してある。 クランク軸16は密閉容器1の他端部側で密閉容器1に溶接などして固定した副軸受部材17によって軸受され、反対側にある主軸18を主軸受部材9によって軸受されている。副軸受部材17および主軸受部材9は前記軸受のための転がり軸受21と滑り軸受22とを持っている。主軸18はこれの直径線上を往復移動できるように保持した偏心軸受23を介して旋回スクロール12の背面の偏心位置に突出した旋回軸12bと嵌合し、主軸18が回転されると主軸受部材9と旋回スクロール12との間に設けたオルダムリング28との協働により旋回スクロール12を固定スクロールに対し自転させずに円軌道運動するように旋回させる。しかし、上記のような軸受構造は種々に変更することができる。副軸受部材17には前記オイルポンプ6を取付けてある。
【0017】
本実施の形態は冷凍空調用のスクロール圧縮機であることにより、圧縮機構2によって吸込み、圧縮して吐出する流体は冷媒であり、塩素を含まない例えばフッ化炭素水素系の冷媒を用いる場合は特に、これと相溶性のあるオイル4が用いられ、冷媒に塩素がなく潤滑性が望めなくてもこれとオイル4が相溶して密閉容器1内各部の機械的摺動部分に冷媒によって持ち運ばれることで、潤滑性を向上する。
【0018】
吸込口14にはガス吸込み管32が接続され、吐出口15には密閉容器1内のオイル溜め5上の冷媒通路33を通じてガス吐出管34が接続されている。
【0019】
オイルポンプ6はクランク軸16によって圧縮機構2とともに駆動され、オイル溜め5内のオイル4をクランク軸16に縦通形成したオイル通路35に送り出し、前記偏心軸受23に先ず供給する。偏心軸受23に供給された後のオイル4の一部は各部隙間や所定の通路を通って、滑り軸受22や圧縮機構2内に供給されるとともに、残りは下部のオイル溜め5内に戻される。
【0020】
さらに、吐出口15には圧縮機構2の停止時に旋回スクロール12が逆転するのを防ぐための逆止弁42と、これの動きを規制する逆止弁ガイド43とが設けられている。
【0021】
前記ガス吐出管34からガス吸込管32までの間には、凝縮器44、膨張弁45、気液分離器46、キャピラリーチューブ47、および蒸発器48が順次接続され、密閉容器1内の圧縮機構2を含めて全体が環状に繋がった冷凍サイクルを構成している。説明の簡単のために非ヒートポンプタイプのもので示してあるが、ヒートポンプタイプの冷凍サイクルを構成し、低負荷な冷房と高負荷な暖房とが行えるようにしてあり、図示しない切り換え構造を有しているものとする。
【0022】
固定スクロール11には、図1、図2に示すように圧縮室13へのガスインジェクションを行うインジェクションポート51が1つ設けられている。インジェクションポート51には逆止弁54とその逆止弁ガイド55とを介してインジェクションパイプ52が接続され、このインジェクションパイプ52には前記気液分離器46からのガス冷媒供給管53が接続されている。これによって圧縮室13には気液分離器46で気液分離された気相部分のガス冷媒が冷媒供給管53、インジェクションパイプ52、インジェクションポート51を通じてインジェクションされ、一旦インジェクションされた冷媒の逆流が逆止弁54によって阻止される。このようなガスインジェクションは圧縮機構2での圧縮機の効率を増大させるので、その分だけ暖房能力が向上する。
【0023】
冷凍装置の運転の多様化に合わせて、前記ガスインジェクションは冷凍装置の運転状態に応じて適時になされればよく、これの遮断、遮断解除を制御するため、冷媒供給管53の途中には二方電磁弁56が設けられ、冷凍装置の運転とともに適宜開閉制御されるようになっている。この制御は例えば冷凍装置の動作制御と共にマイクロコンピュータによって行えるが、特にこれに限られることはない。また、運転の多様化のために、本実施の形態では冷暖房の兼用できるヒートポンプタイプのものであるのに加え、電動機3を例えばインバータ制御して旋回スクロール12を可変速に旋回駆動させられるようにしてある。
【0024】
さらに、ガスインジェクション遮断状態での低負荷運転時の性能を確保しながら、低いインジェクション圧にて高負荷運転となる暖房運転時等に高いインジェクション性能が得られるようにようにするため、図3の(c)〜(h)(a)(b)に示すように一対の圧縮室13A、13Bのうちの密閉容積の大きな圧縮室13Bに通じる位置にインジェクションポート51を設けてある。
【0025】
旋回スクロール12は、図3の(a)〜(h)に示す順に旋回角度が0°〜330°と変化して、360°で(a)に戻り、これを繰り返し、冷媒の吸入と圧縮吐出を連続して行い、冷凍サイクルが設定された冷房モードあるいは暖房モードでの運転が行われる。
【0026】
この際、ガスインジェクションポート51は、固定スクロール11と旋回スクロール12とが形成する一対の圧縮室13A、13Bのうちの閉じ込み終了時の密閉容積が大きな圧縮室13Bにインジェクションポート51が通じて、この圧縮室13Bの大きな密閉容積を利用した低圧で行なわれる。ガスインジェクションが低圧で行なわれると、図4に示すようにサイクル側ガス発生量と圧縮機側ガス吸い込み量との基準バランス点O0を、基準圧Pよりも低圧P1側であるO1にシフトさせたことになり、インジェクション流量を基準流量Q0よりも大流量側であるQ1にシフトさせることになるので、高いインジェクション流量を確保して、実際の冷媒吐出量を必要十分に増加させられるので、暖房等の高負荷運転時の性能が向上する。
【0027】
また、低速運転となる低負荷運転時にはガスインジェクションを遮断しても、インジェクションポート51はガスインジェクションを行なわない他方の圧縮室13Aに通じなくてよく、ここでの圧縮によってもインジェクションポート回りの逆止弁室57等を含むデッドボリューム内の冷媒ガスが高圧になるのを回避ないしは抑制して、インジェクションポート51が再度圧縮室13Bに通じたときの前記デッドボリューム内の冷媒ガスの再膨張をなくし、あるいは軽減することができるので、そのような冷媒ガスの再膨張が影響して、圧縮機の性能が低下するのを防止することができる。
【0028】
従って、低負荷運転から高負荷運転状態まで圧縮機の効率が向上し、年間消費電力の低減を図ることができる。しかも、運転初期は設定温度になるまで高速運転して早期に立ち上がらせた後は低速運転に切替えたり、人が就寝する間、あるいは就寝する間の所定時間運転するような場合は低速のおやすみモード運転をするといったように、低負荷運転の割合が大きい場合特に有利である。
【0029】
さらに、本実施の形態では、固定スクロール11の羽根11aの側を、連続的な渦巻き曲線よりなる形状、具体例としてはイボリュート形状のまま延長することにより、一方の圧縮室13Bを他方の圧縮室13Aよりも閉じ込み終了時の密閉容積が大きくなるようにしてあり、密閉容積の大きな圧縮室13Bを圧縮性を保って形成しやすいし、圧縮室13Bを旋回スクロール12の旋回方向に拡張するので、上記図3の(d)に示す閉じ込み開始直前から図3の(h)(a)を経て図3の(b)に示す中途圧縮状態までの、長い時間を掛けたインジェクションを行なうのに好適であって、圧縮室13Bの閉じ込み終了時の密閉容積が大きいことを最大限に活かした長い時間を掛けたガスインジェクションによってより低圧で全体としてより多量のガスインジェクションを達成し、暖房能力をさらに向上させられるようにしている。連続的な渦巻き曲線よりなる形状は、アルキメデス形状や代数螺旋形状などもある。
【0030】
1つの実施例を示すと、固定スクロール11の羽根11aのインボリュート形状での延長が旋回スクロール12の旋回角度範囲で言うと180°範囲、インジェクションポート51の直径が2mm、インジェクションポート51の圧縮室13Bへの開き角度は、図3の(c)に示す直後の91°状態から図3の(h)に示す330°状態を経て、図3の(a)に戻り、図3の(b)に示す直前の29°状態までの約298°として好適であった。
【0031】
もっとも、閉じ込み終了時の密閉容積の大きな圧縮室13Bや、この圧縮室13Bへの長い時間掛けたガスインジェクションは、それぞれどのようにして得、あるいは達成してもよく、場合によっては圧縮室13Aの側を閉じ込み終了時の密閉容積が大きくなる側にしてもよい。
【0032】
なお、本実施の形態では図1、図2に示すように、圧縮機構2の吐出口15を有する外面を圧縮機構2および電動機3などの駆動機構を内蔵した密閉容器1内で覆うマフラー71に、インジェクションポート51に接続されるインジェクションパイプ52が遊びを持って通る穴72を設けてある。このようにすると、マフラー71は圧縮機構2から吐出してくる冷媒を圧縮機構2との間に形成している大きな空間73で一旦受止めて、この空間73内に拡散充満させてながら消音するのに加え、前記穴72は単独で、あるいは他の既設の穴と協働して、この一旦拡散され消音されたマフラー71内の冷媒が、マフラー71と密閉容器1が形成する次の閉空間74に適度に絞られた状態で通じて再度拡散充満しながら消音されるようにする消音穴を共用するので、インジェクションパイプ52の設置構造を利用して消音効果を高めることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の1つの特徴によれば、ガスインジェクションを適時に行なうことができ、一対の圧縮室のうちの密閉容積の大きな圧縮室の閉じ込み終了時の大きな密閉容積を利用した低圧での大きなインジェクション流量にて、実際の冷媒の吐出量を増大し暖房時等の高速運転となる高負荷運転時の能力を向上することができる。また、ガスインジェクションを遮断した低速運転となる低負荷運転時に、インジェクションポートがガスインジェクションを行なわない密閉容積の小さい圧縮室には通じず、この圧縮室での圧縮によってインジェクションポートまわりの逆止弁を含むデッドボリューム内の冷媒ガスが高圧になって、インジェクションポートが再度密閉容積の大きな圧縮室に通じたときの、前記デッドボリューム内の冷媒ガスが再膨張するようなことをなくせるので、ガスインジェクションを遮断した低負荷運転時の圧縮機の性能が、前記デッドボリューム内の冷媒ガスの再膨張によって低下するのを防止することができる。従って、低負荷運転から高負荷運転状態まで圧縮機の効率が向上し、年間消費電力の低減を図ることができる。しかも、運転初期は設定温度になるまで高速運転して早期に立ち上がらせた後は低速運転に切替えたり、人が就寝する間、あるいは就寝する間の所定時間運転するような場合は低速のおやすみモード運転をするといったように、低負荷運転の割合が高い場合に特に有利である。
【0034】
本発明の別の特徴によれば、密閉容積の大きな圧縮室が閉じ込み終了時の密閉容積が大きくなったことを最大限に活かした長い時間を掛けたインジェクションによって、より低圧で全体としてより多量のガスインジェクションを達成し、暖房能力をさらに向上させられる。
【0035】
本発明の他の特徴によれば、密閉容積の大きな圧縮室を容易に形成でき、かつ、圧縮室を旋回スクロールの旋回方向に拡張して、インジェクションポートを長い時間通じさせてガスインジェクションを行なうのに好都合なものとすることができる。
【0036】
本発明の今1つの特徴によれば、インジェクションパイプの設置構造を利用して消音効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示すスクロール圧縮機の縦断面図である。
【図2】図1の圧縮機の要部の断面図である。
【図3】図1の圧縮機の圧縮室での圧縮の進行状態とインジェクションポートの開口位置の変化を示す説明図である。
【図4】サイクル側ガス発生量と圧縮機側ガス吸い込み量とのバランス点と、インジェクション圧力とインジェクション流量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 圧縮機構
3 電動機
11 固定スクロール
11a 羽根
12 旋回スクロール
12a 羽根
13A、13B 圧縮室
14 吸込口
15 吐出口
51 インジェクションポート
71 マフラー
72 穴
Claims (4)
- 固定スクロールと円軌道運動される旋回スクロールとの間に形成する圧縮室にインジェクションポートを通じてガスインジェクションを行なうようにしたスクロール圧縮機において、
固定スクロールと速度可変な旋回スクロールとの間に閉じ込み終了時の密閉容積が違う一対の圧縮室を形成し、そのうちの密閉容積の大きな圧縮室に通じる位置にインジェクションポートを設けるとともに、ガスインジェクションを適時に遮断し、また遮断を解除する制御手段を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。 - インジェクションポートは、密閉容積の大きな圧縮室へその圧縮開始直前から圧縮途中までの間通じる位置に設けた請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 密閉容積の大きな圧縮室は、固定スクロールの羽根を連続的な渦巻き曲線よりなる形状を保って延長することにより、密閉容積が大きくなるようにされている請求項1、2のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
- 圧縮機構の吐出口を有する外面を圧縮機構およびその駆動機構を内蔵した密閉容器内で覆うマフラーに、インジェクションポートに接続されるインジェクションパイプが遊びを持って通る穴を設けた請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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