JP6688635B2 - グロメット - Google Patents

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Description

本発明は、パネルの開口部に通されたワイヤハーネスをパネルに支持するグロメットに関する。
自動車等の車両の室内と室外とを仕切るパネルの開口部に通されたワイヤハーネスをパネルに支持する部材として、ゴム等の弾性材料から形成されたグロメットが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平9−289724号公報 特開2014−117046号公報
ところで、グロメットには、室外からの透過音を抑制することが要求されるが、肉厚を厚くして防音性を高めると、パネルの開口部へ嵌合して組付ける際に必要となる挿入力が増加し、組付け性が低下してしまう。その一方で、グロメットの挿入力が低すぎると、グロメットがパネルの開口部から意図せぬ離脱をする可能性が生じる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な防音性を確保しつつ組付け時の挿入力の調整を図ることができるグロメットを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るグロメットは、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) パネルの貫通孔に挿通される電線に固定され、前記パネルの前記電線の軸線方向の一側から他側に向けて前記貫通孔に嵌め込まれることで、前記パネルに前記電線を支持するグロメットであって、
内周が前記電線の外周に装着される長筒部と、
前記電線の周囲を周方向に覆って前記電線の周囲に閉空間を形成する周壁と、
外周端が前記周壁に結合され、内周端が前記長筒部に結合され、前記閉空間を区画する中壁と、を有し、
前記周壁は、前記貫通孔に固定されるパネル固定部を外周に有し、
前記内周端、前記パネル固定部の位置に対し前記線方向の前記他側の位置にある
ことを特徴とするグロメット。
(2) 前記内周端及び前記外周端が、前記軸線方向において互いに異なる位置にある
ことを特徴とする(1)に記載のグロメット。
(3) 前記外周端が、前記軸線方向において前記パネル固定部と同じ位置にある
ことを特徴とする(2)に記載のグロメット。
(4) 前記中壁によって区画された2つの閉空間の前記軸線方向の最も長い部分の長さの比が1:2である
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載のグロメット。
上記(1)の構成のグロメットによれば、中壁の外周端及び内周端のうち少なくとも一方がパネル固定部から軸線方向において異なる箇所に位置するので、グロメットをパネルの貫通孔に嵌合する際の挿入力を調整できる。したがって、中壁により防音性を高めつつ組付け作業の負担増加を抑制したり、嵌合状態を確実に維持できる。
上記(2)の構成のグロメットによれば、グロメットをパネルの貫通孔に挿入する際に、中壁の外周端が電線側に近づく方向に湾曲しやすくなり、挿入力を低下することができる。
上記(3)の構成のグロメットによれば、閉空間がパネルに対し2つに区画されるので、防音性をより一層高めることができる。
上記(4)の構成のグロメットによれば、区画された2つの閉空間の一方を通過する周波数帯の音が、もう一方の遮音空間では減衰されるので、防音性をより一層高めることができる。
本発明によれば、良好な防音性を確保しつつ組付け時の挿入力の調整を図ることができるグロメットを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、グロメットが装着されるダッシュパネルの斜視図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るグロメットの断面図である。 図3は、グロメットのパネル固定部の室内側壁部における断面図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係るグロメットのパネルへの組付けについて説明する図であって、図4(a)及び図4(b)は、それぞれパネルの開口部への挿入途中におけるグロメットの概略断面図である。 図5は、参考例に係るグロメットの概略断面図である。 図6は、本発明の第1実施形態のグロメット及び参考例のグロメットの開口部への挿入時における挿入力を示すグラフである。 図7は、遮音空間の軸方向の長さを設定する場合の原理説明図で、図7(a)は、遮音空間(気柱がモデル)が波長λの音に対して共鳴増幅の機能を果たすときの条件を示す図、図7(b)は、遮音空間(気柱がモデル)が波長λの音を打ち消す機能を果たすときの条件を示す図である。 図8は、第1実施形態の変形例に係るグロメットの概略断面図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係るグロメットの断面図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係るグロメットのパネルへの組付けについて説明する図であって、図10(a)及び図10(b)は、それぞれパネルの開口部への挿入途中におけるグロメットの概略断面図である。 図11は、第2実施形態の変形例に係るグロメットの概略断面図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係るグロメットについて説明する。図1は、グロメットが装着されるダッシュパネルの斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るグロメットの断面図である。図3は、グロメットのパネル固定部の室内側壁部における断面図である。
図1及び図2に示すように、グロメット10は、例えば自動車等の車両のパネルPに装着される。パネルPは、エンジンルームと車内との間を仕切るダッシュパネルなどであり、パネルPによって室内と室外とに仕切られる。グロメット10は、パネルPに装着された状態で、軸方向の一方側が室内側とされ、軸方向の他方側が室外側とされている。
パネルPには、開口部(貫通孔)1が形成されており、この開口部1には、ワイヤハーネスWHが挿通される。これにより、ワイヤハーネスWHは、パネルPの表裏にわたって配線されてパネルPに支持される。ワイヤハーネスWHは、例えば、チューブ状の外装に、電線を束ねた電線束を通した構成とされている。
グロメット10は、ゴムやエラストマ等の弾性材料から形成されており、パネルPの開口部1に装着される。これにより、パネルPにワイヤハーネスWHが支持されるとともに、グロメット10によってパネルPの開口部1がシールされる。このグロメット10は、長筒部20と、周壁30と、パネル固定部40と、中壁50とを有している。
長筒部20は、筒状に形成されており、内周が電線を有するワイヤハーネスWHの外周に装着されるようになっている。長筒部20とワイヤハーネスWHとの間には、止水材21が設けられており、この止水材21によってワイヤハーネスWHの外周と長筒部20の内周との間が封鎖されて止水され、また、長筒部20内を伝う透過音が遮られる。
周壁30は、長筒部20で覆われたワイヤハーネスWHの周囲を周方向に覆ってワイヤハーネスWHの周囲に閉空間を形成するもので、2つの周壁部31,32を有している。一方の周壁部31は室内側に設けられ、他方の周壁部32は、室外側に設けられている。これにより、グロメット10は、パネルPに装着されることで、一方の周壁部31が室内側に配置され、他方の周壁部32が室外側に配置される。
2つの周壁部31,32は、パネルPの開口部1に固定されるパネル固定部40の軸方向両側に連設されており、パネル固定部40から離れるに従い漸次径が窄まる円錐形状(テーパ筒状)に形成されている。それにより、長筒部20と周壁部31,32との間に閉空間である遮音空間Sが形成されている。なお、一方の周壁部31は、他方の周壁部32よりも軸方向への突出寸法が大きくされている。
また、それぞれの周壁部31,32には、パネル固定部40から最大離間した内周端に、長筒部20と同心の円筒部33,34が設けられている。これらの円筒部33,34には、長筒部20にワイヤハーネスWHを通した後に、結束バンドあるいはテープ等の結束部材が巻き付けられる。これにより、円筒部33,34は、結束部材で長筒部20に対して隙間なく締め付けられ、グロメット10がワイヤハーネスWHに固定される。
パネル固定部40は、パネルPの開口部1に固定されるもので、周壁30の外周に設けられている。パネル固定部40は、グロメット10の軸方向の中間部に位置するもので、環状に形成されている。図3に示すように、パネル固定部40は、周方向にわたる係合溝41を有しており、この係合溝41にパネルPの開口部1の縁部が係合されことで、グロメット10がパネルPに装着される。パネル固定部40は、係合溝41を形成する室内側壁部43及び室外側壁部44を有している。室外側壁部44は、室内側壁部43よりも径方向外方へ大きく張り出している。室内側壁部43は、その内周側に、周方向へわたって肉抜き溝部45を有している。
中壁50は、周壁30の内周側に設けられている。中壁50は、その外周端51が周壁30を構成する一方の周壁部31に結合されている。つまり、中壁50は、その外周端51が、パネル固定部40の位置に対し、ワイヤハーネスWHの軸線方向において異なる位置である室内側に配置されている。また、中壁50は、その内周端52が長筒部20に結合されている。内周端52は、ワイヤハーネスWHの軸線方向において、外周端51と同じ位置に配置されている。これにより、中壁50は、ワイヤハーネスWHの軸線方向に直交するように配置されている。
そして、この中壁50によって、周壁30内の閉空間である遮音空間Sが2つの遮音空間S1,S2に分割されている。中壁50によって区画された2つの遮音空間S1,S2は、その軸方向の最も長い部分の長さL1,L2の比率がL1:L2=1:2とされている。
次に、上記のグロメット10をパネルPに装着してワイヤハーネスWHをパネルPに支持させる場合について説明する。
図4は、第1実施形態に係るグロメットのパネルへの組付けについて説明する図であって、図4(a)及び図4(b)は、それぞれパネルの開口部への挿入途中におけるグロメットの概略断面図である。
まず、グロメット10の長筒部20にワイヤハーネスWHを通し、予め止水材21を塗布したワイヤハーネスWHの所定位置を長筒部20内に配置させ、円筒部33,34を結束部材で結束する。このようにすると、グロメット10がワイヤハーネスWHへ固定され、長筒部20とワイヤハーネスWHとの間が止水材21でシールされる。
次に、図4(a)に示すように、グロメット10の室内側をパネルPへ向け、パネルPの室外側からパネルPの開口部1へ嵌め込む。すると、グロメット10の周壁30を構成する一方の周壁部31が開口部1内に挿入され、中壁50がパネルPの室内側に入り、開口部1の縁部がパネル固定部40の室内側壁部43に当接する。
さらに、グロメット10を開口部1へ嵌め込むと、図4(b)に示すように、開口部1の縁部によってパネル固定部40が中心側へ押圧されて弾性変形する。このとき、中壁50は、パネルPの室内側に配置されているので、パネル固定部40の中心側への変形に伴って倒れるように弾性変形する。これにより、パネル固定部40は、中心側へ容易に変形され、パネルPの開口部1の縁部が室内側壁部43を越えて係合溝41へ容易に入り込む。また、室内側壁部43は、その内周側に周方向へわたる肉抜き溝部45を有しているので、パネルPの開口部1の縁部で押圧された際に容易に変形する。これにより、パネルPの開口部1の縁部は、容易に室内側壁部43を越えて係合溝41へ入り込む。
そして、パネルPがパネル固定部40の室内側壁部43を越えて係合溝41へ入り込むと、パネルPの開口部1の縁部が室内側壁部43と室外側壁部44とで係止される。これにより、ワイヤハーネスWHに固定されたグロメット10がパネルPに組付けられる。
このように、グロメット10は、パネルPの開口部1に嵌め込んで係合溝41に開口部1の縁部を係合させることでパネルPに装着され、これにより、ワイヤハーネスWHは、グロメット10によってパネルPに支持される。そして、パネルPの開口部1にグロメット10を嵌め込むと、開口部1がグロメット10で封鎖されてシールされる。
また、グロメット10は、遮音空間Sを有している。したがって、室外の音は、遮音空間Sで低減される。これにより、室外の音が開口部1を通して室内に伝わることが抑制される。特に、グロメット10は、中壁50で分割された2つの遮音空間S1、S2を有するので、これらの遮音空間S1,S2の間での透過音の漏れを確実に防止することができ、防音効果をさらに高めることができる。
ここで、パネル固定部40に対して中壁50が室内側に配置された本実施形態に係るグロメット10、及び、図5に示すように、中壁50がパネル固定部40の位置に配置された参考例に係るグロメット100について、パネルPへの組付け時における開口部1への挿入力を比較した。その結果を図6に示す。
図6に示すように、パネルPの開口部1への最大挿入力は、グロメット10で134N、グロメット100で246Nとなった。
このように、中壁50が室内側に配置された本実施形態に係るグロメット10では、開口部1への挿入時に中壁50が倒れるように弾性変形するため、挿入力が低減される。これに対して、中壁50がパネル固定部40の位置に配置された参考例に係るグロメット100では、中壁50を中心へ向かって圧縮するように力が加わるため、中壁50が容易に弾性変形せず、挿入力が下がらない。
このように、第1実施形態に係るグロメット10によれば、中壁50がパネル固定部40に対して軸線方向において室内側にずらされ、これにより、中壁50の外周端51及び内周端52がパネル固定部40から軸線方向において異なる箇所に位置する。これにより、グロメット10をパネルPに嵌合する際の弾性変形の容易化を図ることができ、パネルPの開口部1への挿入力を低減できる。
したがって、中壁50により防音性を高めつつ組付け作業の負担増加を抑制できる。
ところで、上述のように遮音空間(空気層あるいは空気室とも呼ばれる)を内部に持つグロメットの場合、遮音空間内での音の反射の影響により、音波が打ち消し合ったり、逆に音波の共鳴増幅が発生してしまうことがある。その結果として、グロメットで減衰しやすい周波数や透過しやすい周波数の音が存在することになる。
例えば、音の共鳴増幅が起こる条件を気柱モデルで考えてみる。
図7は、遮音空間の軸方向の長さを設定する場合の原理説明図で、図7(a)は、遮音空間(気柱がモデル)が波長λの音に対して共鳴増幅の機能を果たすときの条件を示す図、図7(b)は、遮音空間(気柱がモデル)が波長λの音を打ち消す機能を果たすときの条件を示す図である。
両端閉塞タイプの気柱モデルの場合、図7(a)に示すように、波長λの音に対して気柱の長さL=λ/2のとき、両端に節のある定常波が発生し、この条件で共鳴増幅が起こる。また、L=(λ/2)・N(ただし、N=1,2,3,・・・)のときに同様のことが起こる。
一方、共鳴増幅の場合と逆の条件を考えると、図7(b)に示すように、波長λの音に対して気柱の長さL=λ/4のとき、反射音による打ち消し作用が発生する。この場合も、L=(λ/4)・N(ただし、N=1,3,5,・・・)のときに同様のことが起こる。
上記の二つの条件を別の式で表すと、
・共鳴増幅の条件は f=(cN)/(2L) ・・・(1)
・打ち消しの条件は f=(cN)/(4L) ・・・(2)
となる。
ただし、f:周波数(Hz)
L:遮音空間の軸方向の長さ(m)
c:音速(m/sec)=約340m/s
λ:波長(m)
(1)式のNはN=1,2,3,・・・
(2)式のNはN=1,3,5,・・・
である。
以上の気柱モデルで説明した原理によれば、グロメットにおいては、中壁によって複数に分割された遮音空間S(S1、S2)の各打ち消し周波数がいずれも、減衰しようとするターゲット周波数帯域に含まれるようにすることが望ましい。
例えば、室外から室内に透過しようとする音の周波数のうち、透過を抑制したい音の周波数帯域(ターゲット周波数帯域)が2000〜6000Hzであるならば、f=2000〜6000とした場合の上記(2)式から求まるLの長さに、各遮音空間の軸方向の長さを設定すれば、ターゲット周波数帯域の音の透過を効果的に抑制することが可能となる。
その際、複数の遮音空間の間で共鳴増幅の条件が重ならないようにするのがよい。具体的には、複数の遮音空間の軸方向の長さを違えた場合、例えば、大きい遮音空間の打ち消し周波数を3000Hz、小さい遮音空間の打ち消し周波数を5000Hz、というように異ならせて条件設定をする。
特に、大きい遮音空間の長さと小さい遮音空間の長さの比率を2:1に設定した場合には、一方の遮音空間で共鳴増幅された音を、他方の遮音空間で打ち消すことが可能となる。
同様に、大きい遮音空間の体積と小さい遮音空間の体積の比率を8:1に設定した場合にも、一方の遮音空間で共鳴増幅された音を、他方の遮音空間で打ち消すことが可能となる。
第1実施形態に係るグロメット10では、中壁50によって区画された2つの遮音空間S1,S2の軸線方向の最も長い部分の長さL1,L2の比率をL1:L2=1:2としたので、区画された2つの遮音空間S1,S2の一方を通過する周波数帯の音が、もう一方の遮音空間では減衰されるので、防音性をより一層高めることができる。
次に、第1実施形態の変形例に係るグロメット10Aについて説明する。
図8は、第1実施形態の変形例に係るグロメットの概略断面図である。
図8に示すように、変形例に係るグロメット10Aでは、中壁50の外周端51が周壁30を構成する他方の周壁部32に結合されている。つまり、中壁50は、その外周端51が、パネル固定部40の位置に対しワイヤハーネスWHの軸線方向において異なる位置である室外側に配置されている。また、中壁50の内周端52は、ワイヤハーネスWHの軸線方向において、外周端51と同じ位置に配置されている。これにより、中壁50は、ワイヤハーネスWHの軸線方向に直交するように配置されている。
そして、この中壁50によって、周壁30内の閉空間である遮音空間Sが2つの遮音空間S1,S2に分割されている。中壁50によって区画された2つの遮音空間S1,S2は、その軸方向の最も長い部分の長さL1,L2の比率が、L1:L2=2:1とされている。
この変形例の場合も、遮音空間Sを有し、この遮音空間Sが中壁50で分割されて2つの遮音空間S1、S2とされているので、これらの遮音空間S1,S2の間での透過音の漏れを確実に防止することができ、高い防音効果を得ることができる。
また、変形例に係るグロメット10Aでは、中壁50がパネル固定部40に対して軸線方向において室外側にずらされている。中壁50を室外側にずらすことで、中壁50は弾性変形しづらくなる。これにより、この変形例では、パネルPに装着した状態で、パネル固定部40が中心側へ弾性変形しづらくなり、パネルPへの係合力を高めることができる。
したがって、中壁50により防音性を高めつつパネルPへの組付け強度を高めることができる。
また、第1実施形態の変形例に係るグロメット10Aの場合、中壁50によって区画された2つの遮音空間S1,S2の軸線方向の最も長い部分の長さL1,L2の比率をL1:L2=2:1としたので、区画された2つの遮音空間S1,S2の一方を通過する周波数帯の音が、もう一方の遮音空間では減衰されるので、防音性をより一層高めることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るグロメットについて説明する。
なお、第1実施形態と同一構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図9は、本発明の第2実施形態に係るグロメットの断面図である。
図9に示すように、第2実施形態に係るグロメット60では、中壁50は、その外周端51がパネル固定部40に結合されている。つまり、中壁50は、その外周端51が、パネル固定部40の位置に対しワイヤハーネスWHの軸線方向において同じ位置に配置されている。また、中壁50は、その内周端52が長筒部20における室内側に結合されており、ワイヤハーネスWHの軸線方向において、外周端51と異なる位置に配置されている。つまり、中壁50は、内周端52及び外周端51が、軸線方向において互いに異なる位置に配置されている。これにより、中壁50は、断面視において、ワイヤハーネスWHの軸線と直交する面に対して傾けられている。
そして、この中壁50によって、周壁30内の閉空間である遮音空間Sが2つの遮音空間S1,S2に分割されている。中壁50によって区画された2つの遮音空間S1,S2は、それぞれの体積V1,V2の比率がV1:V2=1:8とされている。
次に、上記のグロメット60をパネルPに装着してワイヤハーネスWHをパネルPに支持させる場合について説明する。
図10は、第2実施形態に係るグロメットのパネルへの組付けについて説明する図であって、図10(a)及び図10(b)は、それぞれパネルの開口部への挿入途中におけるグロメットの概略断面図である。
まず、グロメット10の長筒部20にワイヤハーネスWHを通し、予め止水材21を塗布したワイヤハーネスWHの所定位置を長筒部20内に配置させ、円筒部33,34を結束部材で結束する。このようにすると、グロメット10がワイヤハーネスWHへ固定され、長筒部20とワイヤハーネスWHとの間が止水材21でシールされる。
次に、図10(a)に示すように、グロメット60の室内側をパネルPへ向け、パネルPの室外側からパネルPの開口部1へ嵌め込む。すると、グロメット60の周壁30を構成する一方の周壁部31が開口部1内に挿入され、中壁50がパネルPの室内側に入り、開口部1の縁部がパネル固定部40の室内側壁部43に当接する。
さらに、グロメット60を開口部1へ嵌め込むと、図10(b)に示すように、開口部1の縁部によってパネル固定部40が中心側へ押圧されて弾性変形する。このとき、中壁50は、断面視において、ワイヤハーネスWHの軸線と直交する面に対して傾けられているので、ワイヤハーネスWHに近づく方向であるパネル固定部40の中心側への変形に伴って湾曲するように容易に弾性変形する。これにより、パネル固定部40は、中心側へ容易に変形され、パネルPの開口部1の縁部が室内側壁部43を越えて係合溝41へ容易に入り込む。また、室内側壁部43は、その内周側に周方向へわたる肉抜き溝部45を有しているので、パネルPの開口部1の縁部で押圧された際に容易に変形する。これにより、パネルPの開口部1の縁部は、容易に室内側壁部43を越えて係合溝41へ入り込む。
そして、パネルPがパネル固定部40の室内側壁部43を越えて係合溝41へ入り込むと、パネルPの開口部1の縁部が室内側壁部43と室外側壁部44とで係止される。これにより、ワイヤハーネスWHに固定されたグロメット60がパネルPに組付けられる。
このように、グロメット60は、パネルPの開口部1に嵌め込んで係合溝41に開口部1の縁部を係合させることでパネルPに装着され、これにより、ワイヤハーネスWHは、グロメット60によってパネルPに支持される。そして、パネルPの開口部1にグロメット60を嵌め込むと、開口部1がグロメット60で封鎖されてシールされる。
また、グロメット60は、遮音空間Sを有している。したがって、室外の音は、遮音空間Sで低減される。これにより、室外の音が開口部1を通して室内に伝わることが抑制される。特に、グロメット60は、中壁50で分割された2つの遮音空間S1、S2を有するので、これらの遮音空間S1,S2の間での透過音の漏れを確実に防止することができ、防音効果をさらに高めることができる。
しかも、小さい遮音空間S1の体積V1と大きい遮音空間S2の体積V2との比率をV1:V2=1:8に設定したことで、一方の遮音空間で共鳴増幅された音を、他方の遮音空間で打ち消すことが可能となり、防音性をより一層高めることができる。
このように、第2実施形態に係るグロメット60によれば、中壁50の内周端52及び外周端51が、軸線方向において互いに異なる位置にあるので、中壁50が斜めに配置された状態となる。これにより、グロメット60をパネルPの開口部1に挿入する際に、中壁50の外周端51がワイヤハーネスWH側に近づく方向に湾曲しやすくなり、パネルPの開口部1への挿入力を低減できる。
したがって、中壁50により防音性を高めつつ組付け作業の負担増加を抑制できる。
また、中壁50の外周端51が、軸線方向においてパネル固定部40と同じ位置にあり、閉空間である遮音空間SがパネルPに対し2つに区画されるので、防音性をより一層高めることができる。
なお、上記実施形態では、平板状に形成された中壁50を備える場合を例示したが、中壁50としては、環状の波形に形成された波形壁であっても良い。そして、中壁50を波形壁とすることで、中壁50の弾性変形をさらに容易にすることができ、パネルPの開口部1への挿入力を低減させることができる。
また、中壁50で区画された2つの遮音空間S1,S2内には、吸音材を入れても良い。このように、遮音空間S1,S2内に吸音材を入れることで、室外から室内へ透過する透過音をさらに吸収することができ、一層高い防音効果を得ることができる。
次に、第2実施形態の変形例に係るグロメット60Aについて説明する。
図11は、第2実施形態の変形例に係るグロメット60Aの概略断面図である。
図11に示すように、変形例に係るグロメット60Aでは、周壁部32の先端側であって、かつ、円筒部34よりパネル固定部40側の位置に蛇腹状筒部55が形成されている。蛇腹状筒部55は、ワイヤハーネスWHの周囲を周方向にワイヤハーネスWHの配索形状に沿って覆うようになっている。そのため、パネルPに対し室外側に延伸するワイヤハーネスWHを下向きに配索することにより、蛇腹状筒部55も下向きに湾曲し、円筒部34の開口も下向きとなる。これにより、ワイヤハーネスWHを伝わる水がグロメット60A内に浸入することを抑制できる。つまり、蛇腹状筒部55はグロメット60Aの止水構造として機能する。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明に係るグロメットの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] パネル(P)の貫通孔(開口部1)に挿通される電線(ワイヤハーネスWH)に固定され、前記貫通孔(開口部1)に嵌め込まれることで、前記パネル(P)に前記電線(ワイヤハーネスWH)を支持するグロメット(10,10A,60)であって、
内周が前記電線(ワイヤハーネスWH)の外周に装着される長筒部(20)と、
前記電線(ワイヤハーネスWH)の周囲を周方向に覆って前記電線(ワイヤハーネスWH)の周囲に閉空間(遮音空間S)を形成する周壁(30)と、
外周端(51)が前記周壁(30)に結合され、内周端(52)が前記長筒部(20)に結合され、前記閉空間(遮音空間S)を区画する中壁(50)と、を有し、
前記周壁(30)は、前記貫通孔(開口部1)に固定されるパネル固定部(40)を外周に有し、
前記内周端(52)及び前記外周端(51)の少なくとも一方が、前記パネル固定部(40)の位置に対し前記電線(ワイヤハーネスWH)の軸線方向において異なる位置にある
ことを特徴とするグロメット。
[2] 前記内周端(52)及び前記外周端(51)が、前記軸線方向において互いに異なる位置にある
ことを特徴とする[1]に記載のグロメット。
[3] 前記外周端(51)が、前記軸線方向において前記パネル固定部(40)と同じ位置にある
ことを特徴とする[2]に記載のグロメット。
[4] 前記中壁(50)によって区画された2つの閉空間(遮音空間S1,S2)の前記軸線方向の最も長い部分の長さ(L1,L2)の比が1:2である
ことを特徴とする[1]又は[2]に記載のグロメット。
1 貫通孔
10,10A,60 グロメット
20 長筒部
30 周壁
40 パネル固定部
50 中壁
51 外周端
52 内周端
P パネル
S,S1,S2 遮音空間
WH ワイヤハーネス

Claims (4)

  1. パネルの貫通孔に挿通される電線に固定され、前記パネルの前記電線の軸線方向の一側から他側に向けて前記貫通孔に嵌め込まれることで、前記パネルに前記電線を支持するグロメットであって、
    内周が前記電線の外周に装着される長筒部と、
    前記電線の周囲を周方向に覆って前記電線の周囲に閉空間を形成する周壁と、
    外周端が前記周壁に結合され、内周端が前記長筒部に結合され、前記閉空間を区画する中壁と、を有し、
    前記周壁は、前記貫通孔に固定されるパネル固定部を外周に有し、
    前記内周端、前記パネル固定部の位置に対し前記線方向の前記他側の位置にある
    ことを特徴とするグロメット。
  2. 前記内周端及び前記外周端が、前記軸線方向において互いに異なる位置にある
    ことを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
  3. 前記外周端が、前記軸線方向において前記パネル固定部と同じ位置にある
    ことを特徴とする請求項2に記載のグロメット。
  4. 前記中壁によって区画された2つの閉空間の前記軸線方向の最も長い部分の長さの比が1:2である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のグロメット。
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