JP6687439B2 - 液晶層の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶層の製造方法に関する。
液晶性を有する重合性化合物を用いて、位相差膜や反射膜などの様々な光学フィルムの作製が可能である。重合性化合物の複屈折性は、得られる光学フィルムの光学的性質に大きく関わる性質の1つである。例えば、複屈折性の低い重合性化合物を用いて形成したコレステリック液晶相を固定したフィルムとすることにより、反射波長域の選択性の高い反射膜を得ることができる。
このような反射波長域の選択性の高い反射膜として、例えば、特許文献1には、所定の置換基を有するアリーレン基とシクロヘキシレン基とを含む特定の重合性化合物を用いることにより、反射波長域の選択性の高い反射膜が得られることが記載されている([請求項1][0004])。
国際公開第2015/147243号
本発明者らは、特許文献1に記載された重合性化合物について検討したところ、使用する重合性化合物の種類、熟成(液晶を配向させるための熱処理)時の加熱条件、熟成後の硬化条件などによっては、形成される液晶層に面状のムラが生じる場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、重合性基を有する低複屈折性の液晶性化合物を用いた場合であっても、面状ムラの発生を抑制することができる液晶層の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、液晶性化合物の熟成から硬化までのプロセスにおける温度条件を、液晶性化合物の熟成時の加熱温度との温度差が20℃以内となるように保持することにより、硬化後に形成される液晶層の面状ムラを抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 重合性基を有する液晶性化合物を含有する重合性液晶組成物を用いて液晶層を形成する液晶層の製造方法であって、
上記液晶性化合物が、少なくとも、下記式(I)で表される液晶性化合物L1と、下記式(II)で表される液晶性化合物L2とを含み、
上記重合性液晶組成物からなる未硬化層を加熱する熱処理工程と、
上記熱処理工程後、上記熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持した状態で、上記未硬化層を硬化させて液晶層を形成する硬化工程とを有する、液晶層の製造方法。
ここで、式(I)および式(II)中、
1およびQ2は、それぞれ独立に、水素原子または下記式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を表し、かつ、Q1およびQ2の少なくとも一方は上記重合性基を表す。
Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基、からなる群から選択される連結基を表す。
1およびL2は、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)O−、−OC(=O)−、および、−OC(=O)O−からなる群から選択される連結基を表す。
1は、単結合、−O−、−S−、−N(Sp4−Q4)−、または、Q3およびSp3と共に環構造を形成している窒素原子を表す。
Sp3およびSp4は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基、からなる群から選択される連結基を表す。
3およびQ4は、それぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、下記式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表す。
[2] 上記液晶性化合物L1の含有量が、上記液晶性化合物の総質量に対して30〜70質量%であり、
上記液晶性化合物L2の含有量が、上記液晶性化合物の総質量に対して15〜50質量%である、[1]に記載の液晶層の製造方法。
[3] 上記液晶性化合物L1と上記液晶性化合物L2との質量比(L1/L2)が、50/50〜80/20である、[1]または[2]に記載の液晶層の製造方法。
[4] 上記熱処理工程における加熱温度が、60〜100℃である、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶層の製造方法。
本発明によれば、重合性基を有する低複屈折性の液晶性化合物を用いた場合であっても、面状ムラの発生を抑制することができる液晶層の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを表す表記であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を表す表記である。
[液晶層の製造方法]
本発明の液晶層の製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも略す。)は、重合性基を有する液晶性化合物を含有する重合性液晶組成物を用いて液晶層を形成する液晶層の製造方法である。
また、本発明の製造方法においては、液晶性化合物として、少なくとも、後述する式(I)で表される液晶性化合物L1(以下、単に「液晶性化合物L1」とも略す。)と、後述する式(II)で表される液晶性化合物L2(以下、単に「液晶性化合物L2」とも略す。)とを併用する。
更に、本発明の製造方法は、上記重合性液晶組成物からなる未硬化層を加熱する熱処理工程と、上記熱処理工程後、上記熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持した状態で、上記未硬化層を硬化させて液晶層を形成する硬化工程とを有する。
本発明においては、液晶性化合物として液晶性化合物L1と液晶性化合物L2とを併用し、熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持した状態で液晶層を形成(硬化)することにより、面状ムラの発生を抑制することができる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
まず、本発明者らは、液晶層に面状ムラが生じる原因として、液晶性化合物の熟成と熟成後の硬化との間に、室温(23℃)での搬送などに起因する温度差があると、熟成後の液晶性化合物に再配向が進行してしまい、その結果、配向が乱れた状態で硬化が進行していたことが原因であると推定した。また、この再配向は、シクロヘキサン環を有する液晶性化合物の運動性が高いことが原因であると考えられる。
そのため、本発明の製造方法においては、熟成後の液晶性化合物の再配向が抑制され、配向の乱れが少ない状態で硬化することにより、面状ムラの発生を抑制することができたと考えられる。また、本発明の製造方法においては、液晶性化合物L1とともに液晶性化合物L2を併用することにより、液晶性化合物L1との相溶性を担保しつつ、全体としてのシクロヘキサン環の導入率が低くなり、その結果、運動性が抑制され、面状ムラの発生を抑制することができたとも考えられる。
以下、本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物ならびに熱処理工程および硬化工程について、詳細に説明する。
〔重合性液晶組成物〕
本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物は、後述する式(I)で表される液晶性化合物L1と、後述する式(II)で表される液晶性化合物L2とを含有する。
また、重合性液晶組成物は、液晶性化合物L1および液晶性化合物L2以外の他の液晶性化合物を含有していてもよく、キラル化合物、重合開始剤、配向制御剤、架橋剤などの添加剤を含有していてもよい。
<液晶性化合物L1>
液晶性化合物L1は、下記式(I)で表される液晶性化合物である。
上記式(I)中、Q1およびQ2は、それぞれ独立に、水素原子または下記式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を表し、かつ、Q1およびQ2の少なくとも一方は上記重合性基を表す。
本発明においては、Q1およびQ2は、いずれも上記重合性基であることが好ましい。
また、上記重合性基としては、上記式(Q−1)で表されるアクリロイル基または上記式(Q−2)で表されるメタクリロイル基であることが好ましい。
上記式(I)中、Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基、からなる群から選択される連結基を表す。
本発明においては、Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、両末端にそれぞれ−O−、−OC(=O)−および−C(=O)O−からなる群から選択される連結基が結合した炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、および、炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基からなる群から選択される基を1または2以上組み合わせて構成される連結基であることが好ましい。
また、炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、デシレン基等が挙げられ、中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましい。
上記式(I)中、L1およびL2は、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)O−、−OC(=O)−、および、−OC(=O)O−からなる群から選択される連結基を表す。
本発明においては、L1およびL2は、それぞれ独立に、−C(=O)O−または−OC(=O)−であることが好ましい。
上記式(I)中、X1は、単結合、−O−、−S−、−N(Sp4−Q4)−、または、Q3およびSp3と共に環構造を形成している窒素原子を表す。
本発明においては、X1は、単結合、または、−O−であることが好ましい。
また、Sp3およびSp4は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基、からなる群から選択される連結基を表す。
本発明においては、Sp3は、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基において1つ以上の−CH2−が−O−で置換された基であることがより好ましい。
また、Q3およびQ4は、それぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−もしくは−C(=O)O−で置換された基(以下、本段落において「置換シクロアルキル基」と略す。)、または、上記式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表す。
ここで、置換シクロアルキル基としては、例えば、テトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホルニル基などが挙げられる。なお、置換位置は特に限定されない。これらのうち、テトラヒドロフラニル基が好ましく、具体的には、2−テトラヒドロフラニル基がより好ましい。
本発明においては、Q3は、水素原子、置換シクロアルキル基または重合性基であることが好ましく、水素原子または重合性基であることがより好ましい。
上記液晶性化合物L1としては、具体的には、例えば、以下に示す液晶性化合物L1−1〜L1−25が挙げられる。



本発明においては、溶解性が良好となり、また、面状ムラの発生をより抑制できる理由から、上記液晶性化合物L1の含有量が、上記液晶性化合物の総質量に対して30〜70質量%であることが好ましく、40〜65質量%であることがより好ましく、50〜60質量%であることが更に好ましい。
ここで、液晶性化合物の総質量とは、上記液晶性化合物L1および後述する液晶性化合物L2、ならびに、後述する任意の他の液晶性化合物を含有する場合は他の液晶性化合物も含めた液晶性化合物の総質量をいう。
また、上記液晶性化合物L1の含有量は、重合性液晶組成物の固形分質量に対して、24〜67質量%であることが好ましく、33〜63質量%であることがより好ましく、41〜58質量%であることが更に好ましい。
本発明においては、上記液晶性化合物L1は、公知の方法により製造することが可能であり、例えば、液晶性化合物L1−1については、以下の方法で製造することができる。
(液晶性化合物L1−1の合成方法)
トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(10g)、メシルクロリド(1.9mL)、およびジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(0.2g)をテトラヒドロフラン(THF)(72mL)中で攪拌し、内温を25℃以下に保ってトリエチルアミン(3.7mL)を滴下した。室温で2時間撹拌した後、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.3g)および4−ヒドロキシブチルアクリレート(3.1g)を添加し、内温25℃以下でトリエチルアミン(3.7mL)を滴下した。室温で3時間撹拌した後、水(0.5mL)とメタノール(2mL)を加え、さらに酢酸エチルを加えた反応液をセライトろ過し、ろ液に希塩酸を加えて水層を除去し、重曹水、食塩水の順に洗浄した。硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、乾燥剤をろ過した後、溶媒を減圧留去することで、カルボン酸A(7.1g)を得た。
トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(5g)、トルエン(40mL)、N,N−ジメチルホルムアミド(0.05mL)の混合物を加熱撹拌し、内温80℃にて塩化チオニル(8.3g)を滴下したのち内温80℃にて2時間加熱撹拌を行った。内温30℃まで冷却したのちに2−エトキシエチル=2,5−ジヒドロキシベンゾアート(13.1g)加えたのち、内温90℃にて4時間加熱撹拌を行った。内温40℃にてメタノール(60mL)を加えたのち、さらに内温5℃にて30分撹拌し、生成した結晶をろ過することで、フェノール誘導体Bを11.5g得た。
カルボン酸A(13.4g)、TsCl(10.3g)およびBHT(0.2g)をTHF(40mL)、1−エチル2−ピロリドン(25mL)中で撹拌し、氷冷下1−メチルイミダゾール(11mL)を滴下し、室温で1時間撹拌した。フェノール誘導体B(10.6g)を添加し、室温でさらに2時間撹拌した。水(10mL)を加えた後、水層を除去し、水、メタノールを加え、氷冷下1時間撹拌し、生成した結晶をろ過することで、液晶性化合物L1−1(18.3g)を得た。
<液晶性化合物L2>
液晶性化合物L2は、下記式(II)で表される液晶性化合物である。
上記式(II)中、Q1〜Q3、Sp1〜Sp3、L1およびL2ならびにX1は、それぞれ、上記式(I)中のQ1〜Q3、Sp1〜Sp3、L1およびL2ならびにX1において説明したものと同様であり、好適態様も同様である。
特に、上記式(II)中のSp1およびSp2については、両方の末端に−O−がそれぞれ結合した炭素数1〜10の直鎖のアルキレン基であることがより好ましい。
上記液晶性化合物L2としては、具体的には、例えば、以下に示す液晶性化合物L2−1〜L1−22が挙げられる。



本発明においては、溶解性が良好となり、また、面状ムラの発生をより抑制できる理由から、上記液晶性化合物L2の含有量が、上記液晶性化合物の総質量に対して15〜50質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることがより好ましく、25〜40質量%であることが更に好ましい。
また、上記液晶性化合物L2の含有量は、重合性液晶組成物の固形分質量に対して、12〜48質量%であることが好ましく、16〜44質量%であることがより好ましく、20〜39質量%であることが更に好ましい。
本発明においては、溶解性が良好となり、また、面状ムラの発生をより抑制できる理由から、上述した液晶性化合物L1と液晶性化合物L2との質量比(L1/L2)が、50/50〜80/20であることが好ましく、60/40〜70/30であることがより好ましい。
本発明においては、上記液晶性化合物L2は、公知の方法により製造することが可能であり、例えば、液晶性化合物L2−1については、以下の方法で製造することができる。
(液晶性化合物L2−1の合成方法)
特許第4397550号公報の18ページ[0085]〜[0087]に記載の方法を参照して、4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)安息香酸を合成した。
メタンスルホニルクロリド(1.62mL)のTHF(10mL)溶液に、BHT(60mg)を加え、内温を−5℃まで冷却した。別途調製した4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)安息香酸(5.5g)とジイソプロピルエチルアミン(3.7mL)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液を、内部温度が0℃以上に上昇しないように滴下した。−5℃で1時間撹拌した後、N−メチルイミダゾールを少量加え、フェノール誘導体B(5.2g)を加え、テトラヒドロフランを15mL追加したのち、トリエチルアミン(3.1mL)を滴下し、その後、室温で3時間攪拌した。水(13mL)を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて水層を除去し、希塩酸、食塩水の順に洗浄した。乾燥剤を加えてろ別したのち、水、メタノールを加えて生じた結晶をろ過することで、液晶性化合物L2−1を8.4g得た。
<他の液晶性化合物>
本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物は、上述した液晶性化合物L1および液晶性化合物L2以外に、他の液晶性化合物(以下、「液晶性化合物L3」とも略す。)を含有していてもよい。
液晶性化合物L3としては、例えば、棒状ネマチック液晶性化合物が挙げられる。
棒状ネマチック液晶性化合物としては、具体的には、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が挙げられる。なお、低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
液晶性化合物L3は、重合性であっても非重合性であってもよい。
重合性基を有しない棒状液晶化合物については、様々な文献(例えば、Y. Goto et.al., Mol. Cryst. Liq. Cryst. 1995, Vol. 260, pp.23-28)に記載がある。
一方、重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
任意の液晶性化合物L3の含有量は特に限定されないが、反射波長域と面状ムラ抑制を両立する観点から、上記液晶性化合物の総質量に対して0〜30質量%であることが好ましく、0〜20質量%であることがより好ましく、0〜15質量%であることが更に好ましい。
また、液晶性化合物L3の含有量は、重合性液晶組成物の固形分質量に対して、0〜30質量%であることが好ましく、0〜20質量%であることがより好ましく、0〜15質量%であることが更に好ましい。
<キラル化合物>
本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物は、キラル化合物を含んでいてもよい。キラル化合物を利用することにより、コレステリック液晶相を示す組成物として調製することができる。キラル化合物は液晶性であっても、非液晶性であってもよい。キラル化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。キラル化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物も用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル化合物(キラル剤)は、重合性基を有していてもよい。キラル化合物が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性キラル化合物と重合性棒状液晶化合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。したがって、重合性キラル化合物が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物、特に上述した液晶性化合物L1および液晶性化合物L2が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル化合物の重合性基も、上述した式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基であることが好ましく、アクリロイル基またはメタクリロイル基であることがより好ましい。
重合性組成物中、キラル化合物は、液晶性化合物の総質量(上述した液晶性化合物L1および液晶性化合物L2ならびに任意の液晶性化合物L3の合計質量)に対して、0.5〜30質量%であることが好ましい。キラル化合物の使用量は、より少ないことが液晶性に影響を及ぼさない傾向があるため好まれる。従って、キラル化合物としては、少量でも所望の螺旋ピッチの捩れ配向を達成可能なように、強い捩り力のある化合物が好ましい。
このような強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2003−287623号公報に記載のキラル剤が挙げられる。また、特開2002−302487号公報、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2014−034581号公報に記載のキラル剤や、BASF社製のLC−756などが挙げられる。
キラル化合物を含有する態様の重合性組成物をコレステリック液晶相とした後、それを固定して形成された膜は、その螺旋ピッチに応じて、所定の波長の光に対して、選択反射特性を示し、反射膜(例えば、可視光反射膜や赤外線反射膜)として有用である。上述した液晶性化合物L1および液晶性化合物L2を利用することにより、より高い複屈折性の液晶化合物を利用した同一の厚みの膜と比較して、反射波長域が狭くなり、選択性が高くなるという利点がある。
<重合開始剤>
本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。例えば、紫外線照射により硬化反応を進行させて硬化膜を形成する態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
任意の重合開始剤の含有量は特に限定されないが、重合性液晶組成物の固形分質量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
<配向制御剤>
本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物は、安定的または迅速な液晶相(例えば、コレステリック液晶相)の形成に寄与する配向制御剤を添加してもよい。
配向制御剤の例には、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、WO2011/162291に記載の一般式(X1)〜(X3)で表される化合物、および特開2013−47204の段落[0020]〜[0031]に記載の化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなる。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、例えば、コレステリック液晶相とする場合は、その螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生し、ヘイズの増大や回折性を示したりするため好ましくない。
配向制御剤として利用可能な含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の[0018]〜[0043]等に記載がある。
配向制御剤としては、一種の化合物を単独で用いてもよいし、二種以上の化合物を併用してもよい。
任意の配向制御剤の含有量は特に限定されないが、液晶性化合物の総質量(上述した液晶性化合物L1および液晶性化合物L2ならびに任意の液晶性化合物L3の合計質量)に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。
<架橋剤>
本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
任意の架橋剤の含有量は特に限定されないが、重合性液晶組成物の固形分質量に対して、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%以上であると、架橋密度向上の効果がより高く、20質量%以下であると、コレステリック液晶層の安定性がより高い。
<有機溶媒>
本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物は、液晶層を形成する作業性等の観点から、有機溶媒を含有するのが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ピリジンなどのヘテロ環化合物;ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタンなどのアルキルハライド;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、アルキルハライド、エステル類およびケトン類が特に好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の製造方法に用いられる重合性液晶組成物は、1種または2種類以上の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、安定剤、可塑剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、消泡剤、レべリング剤、増粘剤、難燃剤、界面活性物質、分散剤、染料、顔料等の色材、等の他の添加剤を含有していてもよい。
〔熱処理工程〕
本発明の製造方法が有する熱処理工程は、上記重合性液晶組成物からなる未硬化層を加熱する工程であり、コレステリック液晶相等の液晶相の状態に熟成することを目的とした工程である。
上記重合性液晶組成物からなる未硬化層は、例えば、基板またはその上に形成された配向膜の表面に、上記重合性液晶組成物を塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで形成することができる。
<基板>
上記基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム;ポリメチルメタクリレートフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム;トリアセチルセルロース(TAC)フィルム;などが挙げられる。
<配向膜>
上記配向膜に用いられる材料としては、有機化合物のポリマーが好ましく、それ自体が架橋可能なポリマーか、或いは架橋剤により架橋されるポリマーがよく用いられる。当然、双方の機能を有するポリマーも用いられる。ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコ−ルおよび変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーが挙げられ、このうち、ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが好ましい。
<塗布方法>
上記重合性液晶組成物の塗布方法は特に限定されず、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、組成物をノズルから吐出して、塗膜を形成することもできる。
<加熱温度など>
上記未硬化層を加熱する温度(以下、「熟成温度」ともいう。)は、上記重合性液晶組成物の組成により変化するため特に限定されないが、製造適性等の面から60〜100℃の範囲内であることが好ましく、70〜100℃の範囲内であることがより好ましい。
また、上記未硬化層を加熱する時間は特に限定されないが、製造適性等の観点から、5分以下が好ましく、2分以下がより好ましい。
〔硬化工程〕
本発明の製造方法が有する硬化工程は、上記熱処理工程後、上記熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持した状態で、上記未硬化層(液晶相)を硬化させて液晶層を形成する工程である。
ここで、「上記熱処理工程後、上記熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持した状態」とは、熱処理工程における加熱温度と硬化工程における硬化温度との差が20℃以内というだけでなく、熱処理工程と硬化工程との間の搬送などにおいても熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持することを意図する規定である。言い換えると、本発明においては、上記熱処理工程において重合性液晶組成物に液晶相を発現させた後は、硬化が終了するまで熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持することを特徴としている。
なお、液晶層においては、光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に硬化膜中の組成物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、組成物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
硬化は、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、配位重合法等、いずれの重合法に従って進行させてもよい。
例えば、紫外線を照射して、硬化反応を進行させることができる。紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。紫外線を照射することによって、組成物の硬化反応が進行し、液晶相(コレステリック液晶相等)が固定されて、硬化膜が形成される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、0.1J/cm2〜0.8J/cm2程度が好ましい。また、紫外線を照射する時間については特に制限はないが、液晶層の充分な強度および生産性の双方の観点から決定すればよい。
上記熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持した状態であれば、硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。
また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。
本発明においては、面状ムラの発生をより抑制できる理由から、上記硬化工程は、上記熱処理工程後、上記熱処理工程における加熱温度との温度差を15℃以内に保持した状態で行うことが好ましく、10℃以内に保持した状態で行うことがより好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔実施例1〕
<重合性液晶組成物の調製>
重合性液晶組成物として、下記組成の液晶層用塗布液1を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶層用塗布液1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記液晶性化合物L1−1 55質量部
・下記液晶性化合物L2−1 30質量部
・下記液晶性化合物L3−1 15質量部
・重合開始剤(イルガキュアOXE01、BASF社製) 1.05質量部
・キラル剤(LC−756、BASF社製) 4.52質量部
・下記空気界面配向剤B−1 0.01質量部
・下記空気界面配向剤B−2 0.02質量部
・メチルエチルケトン 260質量部
・シクロヘキサノン 65質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<液晶層の形成>
厚み50μmの富士フイルム製PETフィルム上に、ワイヤーバーを用いて、調製した液晶層用塗布液1を乾燥後の乾膜の厚みが4〜5μm程度になるように室温にて塗布し、塗膜を形成した。
次いで、形成した塗膜を30℃にて30秒間乾燥させ、未硬化層を形成した。
その後、未硬化層を85℃で2分間加熱して熟成し、コレステリック液晶相とした。
その後、65℃、窒素雰囲気下において、熟成後の未硬化層に対して、高圧水銀ランプを用いて照射量が300mJ/cm2になるように紫外線を30秒間照射して硬化させ、コレステリック液晶相を固定して液晶層を作製した。
なお、未硬化層を加熱(熟成)する熱処理工程、および、未硬化層を硬化する硬化工程は、いずれもホットプレート上で行い、熱処理工程および硬化工程で設定する温度条件以外の温度条件を経ない環境で液晶層を作製した。
〔実施例2〜3および比較例1〜3〕
硬化温度を下記表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶層を作製した。
〔実施例4〜7〕
熟成温度および硬化温度を下記表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶層を作製した。
〔実施例8〜16〕
液晶性化合物の種類、配合量(質量%)、ならびに、熟成温度および/または硬化温度を下記表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で液晶層を作製した。
<面状ムラ>
作製した各液晶層を目視で確認し、以下の基準で面状ムラの有無を評価した。
1:面状の約60%以上の面積にムラが見られる。
2:面状の約50%の面積にムラが見られる。
3:面状の約30%の面積にムラが見られる。
4:面状の約10%の面積にムラが見られる。
5:面状にムラがほとんど見られない。
上記表1中、実施例1で調製した液晶層用塗布液1に含まれていない液晶性化合物L1−4、L1−8およびL1−25、ならびに、L2−4、L2−8およびL2−22の構造式を以下に示す。





表1に示す結果から、熱処理工程における加熱温度との温度差が20℃よりも大きい場合、形成される液晶層に面状ムラが発生することが分かった(比較例1〜3)。
これに対し、熱処理工程後、熱処理工程における加熱温度との温度差を20℃以内に保持した状態で硬化工程を施した場合は、面状ムラの発生を抑制できることが分かった(実施例1〜17)。
また、実施例同士の対比から、熱処理工程における加熱(熟成)温度と硬化工程における硬化温度との温度差が小さい方が面状ムラの発生をより抑制できることが分かった。
また、実施例15と実施例16との対比から、液晶性化合物L1の含有量が、液晶性化合物の総質量に対して30〜70質量%であると、面状ムラの発生をより抑制できることが分かった。

Claims (4)

  1. 重合性基を有する液晶性化合物を含有する重合性液晶組成物を用いて液晶層を形成する液晶層の製造方法であって、
    前記液晶性化合物が、少なくとも、下記式(I)で表される液晶性化合物L1と、下記式(II)で表される液晶性化合物L2とを含み、
    前記重合性液晶組成物からなる未硬化層を、液晶相を呈する温度領域で熟成する熱処理工程と、
    前記熱処理工程後、前記熱処理工程における熟成温度以下の温度であって、前記熟成温度との温度差を20℃以内に保持した状態で、前記未硬化層に紫外線を照射して硬化させて液晶層を形成する硬化工程とを有する、液晶層の製造方法。
    ここで、式(I)および式(II)中、
    1およびQ2は、それぞれ独立に、水素原子または下記式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を表し、かつ、Q1およびQ2の少なくとも一方は前記重合性基を表す。
    Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基、からなる群から選択される連結基を表す。
    1およびL2は、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)O−、−OC(=O)−、および、−OC(=O)O−からなる群から選択される連結基を表す。
    1は、単結合、−O−、−S−、−N(Sp4−Q4)−、または、Q3およびSp3と共に環構造を形成している窒素原子を表す。
    Sp3およびSp4は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、および、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−または−C(=O)O−で置換された基、からなる群から選択される連結基を表す。
    3およびQ4は、それぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、下記式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表す。
  2. 前記液晶性化合物L1の含有量が、前記液晶性化合物の総質量に対して30〜70質量%であり、
    前記液晶性化合物L2の含有量が、前記液晶性化合物の総質量に対して15〜50質量%である、請求項1に記載の液晶層の製造方法。
  3. 前記液晶性化合物L1と前記液晶性化合物L2との質量比が、50/50〜80/20である、請求項1または2に記載の液晶層の製造方法。
  4. 前記熱処理工程における加熱温度が、60〜100℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶層の製造方法。
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