JP6263010B2 - 重合性組成物およびフィルム、並びにそのフィルムを用いた位相差膜および反射膜 - Google Patents

重合性組成物およびフィルム、並びにそのフィルムを用いた位相差膜および反射膜 Download PDF

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Description

本発明は、光学異方性フィルムまたは遮熱フィルム等の種々の光学部材の材料をはじめとして、種々の用途において有用な重合性組成物および前記重合性組成物から形成されるフィルム、並びにそのフィルムを用いた位相差膜および反射膜に関する。
近年、液晶表示装置の小型化が望まれており、それに伴い光学フィルムの薄膜化が求められている。例えば、高い複屈折性を示す液晶を、位相差板等の光学フィルムに用いることにより膜厚を薄くすることができる。複屈折性(Δn)は液晶化合物の重要な基本物性のひとつであり、高い複屈折性を示す液晶は、光学素子の構成要素である位相差板、偏光素子、選択反射膜、カラーフィルタ、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、配向膜など多くの工業分野に利用することができる(非特許文献1)。
従来、複屈折性の大きい液晶化合物としてMBBAに代表されるアゾメチン構造を有する化合物が知られている(非特許文献2)。また、光学フィルムに利用するため、重合性基を導入することでネットワーク構造を形成できるようにした重合性のアゾメチン化合物も提案されている(特許文献1〜3)。
特開2007−279363号公報 特開2007−206461号公報 WO2011/162291
D.J.Broer, G.N.Mol, J.A.M.M.Van Haaren, and J.LubAdv. Mater., 1999,11,573 Liq.Cryst.,34,65(1976)
重合性アゾメチン化合物の利用により、所望の光学特性を有するフィルムを薄膜で得ることが可能となる。しかし、得られるフィルムまたはフィルム作製のために用いられる溶液は、アゾメチン結合の加水分解に由来して本質的に黄変の問題があり、この黄変の解消が常に求められている。 本発明は、上記問題を解決し、種々の光学部材の作製に有用な、透明で且つ着色のない重合性組成物およびフィルムを提供することを課題とする。特に、薄膜で高機能特性が要求される位相差膜及び選択反射膜の作製に有用な、重合性組成物およびフィルムを提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下の<1>〜<15>を提供するものである。
<1>アゾメチン基と重合性基とを有する重合性アゾメチン化合物およびアミンを含む重合性組成物。
<2>前記重合性アゾメチン化合物が液晶性を有する<1>に記載の重合性組成物。
<3>前記重合性基がラジカル重合性基である<1>または<2>に記載の重合性組成物。
<4>前記重合性基がメタクリレート基またはアクリレート基である<1>または<2>に記載の重合性組成物。
<5>前記重合性アゾメチン化合物が下記式(I):
式中、P1およびP2はそれぞれ、重合性基を表し;
m1およびm2はそれぞれ、1〜10の整数を表し、m1またはm2のCH2のうち、1つのCH2または隣接しない2以上のCH2は、酸素原子または硫黄原子に置き換わっていてもよく;
1、A2、およびA3はそれぞれ、置換されていてもよい、5〜18員環の芳香族炭化水素環または5〜18員環の芳香族複素環の基を表し;
Rは、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し
1は、−COO−、−OCO−、−OCO−CH=CH−、−NHCO−、または−NR1CO−を表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
1およびL2はそれぞれ、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCO−CH=CH−、−OCOO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
n1は1または2である;
で表される化合物である<1>〜<4>のいずれか一項に記載の重合性組成物。
<6>前記重合性アゾメチン化合物が下記式(I’):
式中、P1およびP2はそれぞれ、重合性基を表し;
m1およびm2はそれぞれ、1〜10の整数を表し、m1またはm2個のCH2のうち、1つのCH2または隣接しない2以上のCH2は、酸素原子または硫黄原子に置き換わっていてもよく;
1、A2、A3およびA4はそれぞれ、置換されていてもよい、5〜18員環の芳香族炭化水素環、または5〜18員環の芳香族複素環の基を表し;
Rは、水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し;
1およびZ2はそれぞれ、−COO−、−OCO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
1およびL2はそれぞれ、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
n1およびn2はそれぞれ、1または2である;
で表される化合物である<1>〜<4>のいずれか一項に記載の重合性組成物。
<7>アミンが沸点150℃以上の第二級アミンまたは第三級アミンである<1>〜<6>のいずれか一項に記載の重合性組成物。
<8>アゾメチン基を有していない液晶化合物を含む<1>〜<7>のいずれか一項に記載の重合性組成物。
<9>アゾメチン基を有していない前記液晶化合物が重合性棒状液晶化合物である<8>に記載の重合性組成物。
<10>前記重合性アゾメチン化合物とアゾメチン基を有していない前記液晶化合物との質量比が70:30〜30:70である<8>または<9>に記載の重合性組成物。
<11>重合開始剤を含有する<1>〜<10>のいずれか一項に記載の重合性組成物。
<12>キラル化合物を含有する<1>〜<11>のいずれか一項に記載の重合性組成物。
<13><1>〜<12>のいずれか1項に記載の重合性組成物の硬化により得られるフィルム。
<14><13>に記載のフィルムを含む位相差膜。
<15><13>に記載のフィルムを含む反射膜。
本発明により、透明で且つ着色のない種々の光学部材の作製に有用な、重合性アゾメチン化合物を含む重合性組成物およびフィルムを提供することができる。特に、薄膜で所望の光学特性を示すことが要求される位相差膜および選択反射膜等の光学フィルムの作製に有用な、重合性組成物およびフィルムを提供することができる。
実施例で作製した塗布液1(上)と塗布液16(下)の吸収スペクトルの経時変化を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値とする。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味を表す。「(メタ)アクリル酸」等も同様である。
1.重合性組成物
本発明の重合性組成物は、重合性アゾメチン化合物およびアミンを含む。本発明の重合性組成物は、アゾメチン基を有してない液晶化合物、キラル化合物、重合開始剤、配向制御剤などの他の成分を含んでいてもよい。以下各成分について説明する。
[重合性アゾメチン化合物]
重合性アゾメチン化合物は、アゾメチン基と重合性基とを有する。
アゾメチン基を分子内に有する化合物は、高複屈折性を示すことが知られており、薄膜の形態で所望の光学特性を示すことが要求される位相差膜及び選択反射膜等の光学フィルムの作製に有用である。重合性アゾメチン化合物において、アゾメチン基の数は特に限定されないが、1つまたは2つであることが好ましく、1つであることがより好ましい。アゾメチン基を分子内に2つ有するビスアゾメチン化合物は黄色に着色しやすい場合がある。
重合性基としては、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性基が好ましい。ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとして、(メタ)アクリレート基とを挙げることができる。この場合、重合速度はアクリレート基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリレート基が好ましいが、メタクリレート基も高複屈折性液晶の重合性基として同様に使用することができる。カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基が特に好ましい。
重合性基の例としては以下の重合性基が挙げられる。
式中、R11〜R13はそれぞれ、水素原子またはメチル基を表す。*が重合性アゾメチン化合物の他の部分との結合位置である。
上記のように、重合性基として特に好ましくは、(メタ)アクリレート基が挙げられる。即ち重合性基としては以下のいずれかの基が好ましい。
重合性アゾメチン化合物は重合性基を1つまたは2つ以上含んでいればよいが、1つ、2つ、または3つであることが好ましく、2つであることがより好ましい。重合性基を2種以上含んでいてもよい。重合性アゾメチン化合物が重合性基を2つ以上含んでいる場合、2つ以上の重合性基はラジカル重合性基およびカチオン重合性基等、重合反応機構が異なる重合性基であってもよく、同一の反応機構の重合性基であってもよい。
重合性アゾメチン化合物は、液晶性を示すことが好ましい。重合性アゾメチン化合物は、いわゆるメソゲン基を有し、環状の芳香族基を2環以上、好ましくは3環以上連結した構造を有していることが好ましい。環状の芳香族基の例としては、5〜18員環の芳香族炭化水素環または5〜18員環の芳香族複素環の基が挙げられ、単環の基であっても、2以上の環を含む縮合環の基であってもよい。但し、着色をより軽減するという観点では、単環の基であることが好ましい。単環構造としては、5〜7員環状構造が好ましく、5または6員環構造がより好ましい。前記複素環の環構成原子は、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
以下に、環状の芳香族基の例を示すが、これらに限定されるものではない。
環状の芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアミド基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜5のアシルオキシ基、炭素原子数2〜5のアシル基、シアノ基、またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)が含まれる。より好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアミド基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基、およびハロゲン原子が挙げられる。
重合性アゾメチン化合物において、重合性基、アゾメチン基、環状の芳香族基等は相互に連結基で連結されていればよい。連結基としては、単結合、−CH2−、−C=C−、−COO−、−OCO−、−OCO−CH=CH−、−NHCO−、またはNR100CO−(R100は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す)、−O−、−S−、またはこれらのうち2つ以上の基を任意に組み合わせて形成される基などが挙げられる。
重合性アゾメチン化合物の具体例としては、例えば、特開2007−279363号公報に記載の一般式(1)で表される化合物、特開2007−206461号公報に記載の一般式(1)で表される化合物、またはWO2011/162291に記載の一般式(I)または一般式(I´)で表される化合物が挙げられる。これらのうち、特に以下に示す、WO2011/162291に記載の一般式(I)または一般式(I´)で表される化合物が好ましい。
式(I)中、P1およびP2はそれぞれ、重合性基を表し;
m1およびm2はそれぞれ、1〜10の整数を表し、m1またはm2のCH2のうち、1つのCH2または隣接しない2以上のCH2は、酸素原子または硫黄原子に置き換わっていてもよく;
1、A2、およびA3はそれぞれ、置換されていてもよい、5〜18員環の芳香族炭化水素環または5〜18員環の芳香族複素環の基を表し;
Rは、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し
1は、−COO−、−OCO−、−OCO−CH=CH−、−NHCO−、または−NR1CO−を表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
1およびL2はそれぞれ、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCO−CH=CH−、−OCOO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
n1は1または2である。
式(I’)中、P1およびP2はそれぞれ、重合性基を表し;
m1およびm2はそれぞれ、1〜10の整数を表し、m1またはm2個のCH2のうち、1つのCH2または隣接しない2以上のCH2は、酸素原子または硫黄原子に置き換わっていてもよく;
1、A2、A3およびA4はそれぞれ、置換されていてもよい、5〜18員環の芳香族炭化水素環または5〜18員環の芳香族複素環の基を表し;
Rは水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し;
1およびZ2はそれぞれ、−COO−、−OCO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
1およびL2はそれぞれ、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
n1およびn2はそれぞれ、1または2である。
重合性アゾメチン化合物は、公知の方法により製造することができ、例えば前記式(I)または(I’)で示される化合物は、WO2011/162291の段落0047〜0053に記載の方法で製造することができる。
本発明の重合性組成物において、アゾメチン化合物は、前記重合性組成物の固形分質量に対して、5質量%以上であればよく、好ましくは10〜85質量%、より好ましくは10〜75質量%、さらに好ましくは15〜70質量%であればよい。但し、この範囲に限定されるものではない。
重合性アゾメチン化合物は、高い複屈折性を示すので、液晶性を示す重合性アゾメチン化合物の配向を固定した膜は、より低い複屈折性の液晶性化合物を利用した膜と比較して、より薄膜で所望の光学特性を達成することが期待できる。
また、重合性アゾメチン化合物、特に、式(I)または(I’)で示される化合物は、芳香環の置換基の種類や連結基によらず、可視光領域での吸収が極めて小さいことから無色透明であり、液晶相範囲が広いために溶剤に溶解しやすい、重合しやすいなどといった複数の特性をも満足する。本発明の重合性組成物を用いて作製される硬化膜は、十分な硬度を示し、無色透明であり、耐候性・耐熱性が良好である等、複数の特性を満足し得るであろう。従って、本発明の重合性組成物を利用して形成された硬化膜は、例えば、光学素子の構成要素である位相差板、偏光素子、選択反射膜、カラーフィルタ、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、配向膜等、種々の用途に利用することができる。
[アミン]
アミンを含むことにより、本発明の重合性組成物では重合性アゾメチン化合物のアゾメチン構造に基づく黄変が抑制される。
本発明の重合性組成物に含まれるアミンとしては、特に限定されないが二級または三級の脂肪族アミンが好ましい。また、本発明の重合性組成物に含まれるアミンの沸点は、150℃以上であればよく、好ましくは、180℃以上、より好ましくは、200℃以上であればよい。
アミンとして好ましい例としては、ベンジルアミン誘導体、ピペリジン誘導体が挙げられる。
ピペリジン誘導体としては、一般にHALS(ヒンダード・アミン光安定剤)と称される塩基性の光安定剤を用いることができる。HALSの中でもピペリジン構造の窒素原子が水素またはメチル基で置換された構造が好ましい。HALSの具体例としては、ADEKA社のアデカスタブ LAシリーズ (LA52,LA57,LA-63P,LA68, LA-72, LA-77, LA-82, LA-87)や、BASF社のチヌビンシリーズ(Tinuvin 111, Tinuvin 123, Tinuvin 144, Tinuvin 292, Tinuvin 765)Clariant社のホスタビンシリーズ(Hostavin N20, Hostavin N24)などが挙げられる。
本発明の重合性組成物に含まれるアミンとして好ましい例を以下に示す。但し、これらに限定されるものではない。
本発明の重合性組成物において、アミンは、前記重合性組成物の固形分質量に対して、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%であればよい。但し、この範囲に限定されるものではない。
[アゾメチン基を有していない液晶化合物]
本発明の重合性組成物は、重合性アゾメチン化合物とともに、アゾメチン基を有していない他の1種以上の液晶性化合物を含有していてもよい。特に、前記式(I)または(I’)で表される重合性アゾメチン化合物は、他の液晶性化合物との相溶性が高いので、他の液晶性化合物を混合しても、不透明化等が生じず、透明性の高い膜を形成可能である。他の液晶性化合物を併用可能であることから、種々の用途に適する種々の組成の組成物を提供できる。併用可能な他の液晶化合物の例には、棒状ネマチック液晶化合物である。前記棒状ネマチック液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
他の液晶化合物は、重合性であっても非重合性であってもよい。重合性基を有しない棒状液晶化合物については、様々な文献(例えば、Y. Goto et.al., Mol. Cryst. Liq. Cryst. 1995, Vol. 260, pp.23-28)に記載がある。
重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
アゾメチン基を有していない他の液晶化合物の添加量については特に制限はなく、前記重合性組成物の固形分質量に対して、好ましくは10〜85質量%、より好ましくは10〜75質量%、さらに好ましくは15〜70質量%であればよい。但し、この範囲に限定されるものではない。本発明の重合性組成物において、重合性アゾメチン化合物と他の液晶化合物との質量比(重合性アゾメチン化合物の質量/他の液晶化合物の質量)は、95/5〜5/95であればよく、前記比が80/20〜20/80であることが好ましく、70/30〜30/70であることがより好ましい。重合性アゾメチン化合物が他の液晶化合物と同量程度以上(例えば前記比が80/20〜50/50)含まれている形態も好ましい。。この比は用途に応じて好ましい範囲に調整することができる。
[キラル化合物]
本発明の重合性組成物はキラル化合物を含んでいてもよい。キラル化合物を利用することにより、コレステリック液晶相を示す組成物として調製することができる。キラル化合物は液晶性であっても、非液晶性であってもよい。前記キラル化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。キラル化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物も用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル化合物(キラル剤)は、重合性基を有していてもよい。キラル化合物が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性キラル化合物と重合性棒状液晶化合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル化合物が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
本発明の重合性組成物中のキラル化合物は、重合性アゾメチン化合物に対して、1〜30モル%であることが好ましい。キラル化合物の使用量は、より少ないことが液晶性に影響を及ぼさない傾向があるため好まれる。従って、キラル化合物としては、少量でも所望の螺旋ピッチの捩れ配向を達成可能なように、強い捩り力のある化合物が好ましい。この様な、強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2003−287623号公報に記載のキラル剤が挙げられる。
キラル化合物を含有する態様の本発明の重合性組成物をコレステリック液晶相とした後、それを固定して形成された膜は、その螺旋ピッチに応じて、所定の波長の光に対して、選択反射特性を示し、反射膜(例えば、赤外線反射膜)として有用である。高い複屈折性を示す重合性アゾメチン化合物を利用することにより、より低い複屈折性の液晶性化合物を利用した同一の厚みの膜と比較して、反射波長域が広帯域化されるという利点がある。
[重合開始剤]
本発明の重合性組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。例えば、紫外線照射により硬化反応を進行させて硬化膜を形成する態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、重合性組成物(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。
[配向制御剤]
本発明の重合性組成物中に、安定的にまたは迅速に液晶相(例えば、コレステリック液晶相)となるのに寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例には、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、およびWO2011/162291に記載の一般式(X1)〜(X3)で表される化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなる。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、例えば、コレステリック液晶相とする場合は、その螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生し、ヘイズの増大や回折性を示したりするため好ましくない。
配向制御剤として利用可能な前記含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の[0018]〜[0043]等に記載がある。
配向制御剤としては、一種の化合物を単独で用いてもよいし、二種以上の化合物を併用してもよい。
前記組成物中における、配向制御剤の添加量は、前記式(I)の化合物の質量の0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。
[その他の添加剤]
本発明の重合性組成物は、1種または2種類以上の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、安定剤、可塑剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、消泡剤、レべリング剤、増粘剤、難燃剤、界面活性物質、分散剤、染料、顔料等の色材、等の他の添加剤を含有していてもよい。
2.フィルム
本発明の重合性組成物は、位相差フィルム、反射フィルム等の種々の光学フィルムの材料として有用である。

[フィルムの製造方法]
光学フィルムの製造方法の一例は、
(i) 基板等の表面に、本発明の重合性組成物を塗布して、液晶相(コレステリック液晶相等)の状態にすること、
(ii) 前記組成物の硬化反応を進行させ、液晶相を固定して硬化膜を形成すること、
を少なくとも含む製造方法である。
(i)および(ii)の工程を、複数回繰り返して、複数の上記硬化膜が積層されたフィルムを作製することもできる。
前記(i)工程では、まず、基板またはその上に形成された配向膜の表面に、本発明の重合性組成物を塗布する。前記重合性組成物は、溶媒に材料を溶解および/または分散した、塗布液として調製されることが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。該有機溶媒としては、アミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド);スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド);ヘテロ環化合物(例えばピリジン);炭化水素(例えばベンゼン、ヘキサン);アルキルハライド(例えばクロロホルム、ジクロロメタン);エステル(例えば酢酸メチル、酢酸ブチル);ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン);エーテル(例えばテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン);1,4−ブタンジオールジアセテートなどが含まれる。これらの中でも、アルキルハライドおよびケトンが特に好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
前記塗布液の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、組成物をノズルから吐出して、塗膜を形成することもできる。
次に、表面に塗布され、塗膜となった重合性組成物を、コレステリック液晶相等の液晶相の状態にする。前記重合性組成物が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで、液晶相の状態にすることができる場合がある。また、液晶相への転移温度とするために、所望により、前記塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的に液晶相の状態にすることができる。前記重合性組成物の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃を超えると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要し、熱エネルギーの浪費、基板の変形、変質等からも不利になる。
次に、(ii)の工程では、液晶相の状態となった塗膜を硬化させる。硬化は、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、配位重合法等、いずれの重合法に従って進行させてもよい。重合性アゾメチン化合物に応じて、適する重合法を選択すればよい。この重合により、重合性アゾメチン化合物から誘導される単位を構成単位中に有する重合体が得られる。
一例では、紫外線を照射して、硬化反応を進行させる。紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。この工程では、紫外線を照射することによって、前記組成物の硬化反応が進行し、コレステリック液晶相が固定されて、硬化膜が形成される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度および生産性の双方の観点から決定すればよい。
硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。また、紫外線照射時の温度は、液晶相が乱れないように、液晶相を呈する温度範囲に維持することが好ましい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。
上記工程では、液晶相が固定されて、硬化膜が形成される。ここで、液晶相を「固定化した」状態は、液晶相となっている化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様である。それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該層に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。本発明では、紫外線照射によって進行する硬化反応により、液晶相の配向状態を固定する。
なお、フィルムにおいては、液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に硬化膜中の組成物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、組成物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
上記硬化膜の厚みについては特に制限はない。用途に応じて、または所望とされる光学特性に応じて、好ましい膜厚を決定すればよい。一般的には、厚さは0.05〜50μmが好ましく、1〜35μmがより好ましい。
[基板]
フィルムは、基板を有していてもよい。当該基板は自己支持性があり、上記硬化膜を支持するものであれば、材料および光学的特性についてなんら限定はない。ガラス板、石英板、およびポリマーフィルム等から選択することができる。用途によっては、紫外光に対する高い透明性を有するものを用いてもよい。可視光に対する透過性が高いポリマーフィルムとしては、液晶表示装置等の表示装置の部材として用いられる種々の光学フィルム用のポリマーフィルムが挙げられる。前記基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、などが挙げられる。ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが好ましい。
[配向層]
フィルムは、基板と前記硬化膜との間に、配向層を有していてもよい。配向層は、液晶化合物の配向方向をより精密に規定する機能を有する。配向層は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。さらには、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。配向層は、ポリマーの膜の表面に、ラビング処理により形成することが好ましい。
配向層に用いられる材料としては、有機化合物のポリマーが好ましく、それ自体が架橋可能なポリマーか、或いは架橋剤により架橋されるポリマーがよく用いられる。当然、双方の機能を有するポリマーも用いられる。ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレ−ト、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコ−ルおよび変性ポリビニルアルコ−ル、ポリ(N−メチロ−ルアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロ−ス、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロ−ルアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロ−ス、ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーが挙げられ、このうち、ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが好ましい。
[フィルムの用途]
フィルムの一態様は、本発明の重合性組成物の、液晶相の配向(例えば、水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向等)を固定したフィルムであって、光学異方性を示すフィルムである。当該フィルムは、液晶表示装置等の光学補償フィルム等として利用される。
光学フィルムの一態様は、本発明の重合性組成物のコレステリック液晶相を固定したフィルムであって、所定の波長域の光に対して選択反射特性を示すフィルムである。コレステリック液晶相では、液晶分子はらせん状に配列している。赤外線波長域(波長800〜1300nm)に選択反射特性を示す当該フィルムは、例えば建物または車両の窓ガラスに貼付され、もしくは合わせガラスに組み込まれて、遮熱部材として利用される。
また、光学フィルムは、光学素子の構成要素である、偏光素子、反射膜、カラーフィルタ、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、配向膜等、種々の用途に利用することができる。
以下に実施例と比較例(なお比較例は公知技術というわけではない)を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(重合性組成物(溶液)の調製)
以下の組成の塗布液1を調製した。
以下の組成の塗布液17を調製した。
塗布液1のアミンの種類と量を表3に記載のように変化させた塗布液2〜16を調整した。また、塗布液17のアミンの種類と量を表4に記載のように変化させた塗布液18〜21を調整した。
〔溶液安定性〕
塗布液1〜21について、密栓した状態で30℃で48時間放置した。調液直後と48時間後の塗布液のHPLC測定(カラム:東ソー製TSK-gel ODS-80Ts(4.6mm×15cm)、検出波長:254nm、測定温度40℃)を行った。各化合物由来のHPLCのヒ゜ークの面積割合(面積%)から以下の式に従って塗布液中の化合物A-1,およびA-2の含有率を算出し、以下の式に従ってアゾメチン化合物の残存率を算出した。なお、化合物Bは30℃48時間の経時で分解しないことは別途確認した。

化合物A-1の面積含有率= 化合物A-1の面積% ÷ 化合物Bの面積%
化合物A-2の面積含有率= 化合物A-2の面積% ÷ 化合物Bの面積%

残存率= 48時間後の面積含有率 ÷ 調液直後の面積含有率 ×100%

結果を表3および表4に示す。また、塗布液1および塗布液16について、それぞれ、調整直後(0h)および40℃で72時間放置後(72h)に塗布液をアセトニトリルで5000倍に希釈し、島津社製の分光光度計UV−3100PCにて測定した。300nmの吸光度を1として規格化した吸収スペクトルを図1に示す。なお、図中、上が塗布液1の吸収スペクトルおよび下が塗布液16の吸収スペクトルである。
〔硬化膜の耐光性試験〕
上記の塗布液1、2、4〜20をそれぞれ、ラビング処理をしたPETフィルム(製品名東洋紡製、コスモシャイン)上にワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが4μmになるように塗布した。室温にて30秒間乾燥させて溶剤を除去した後、110℃の雰囲気で2分間加熱し、その後40℃にして、窒素雰囲気下で紫外線照射(紫外線強度:500mJ/m2)することでコレステリック液晶相を固定したフィルム1、2、4〜20を得た。
得られたフィルムそれぞれにつき、島津社製の分光光度計UV−3100PCを用いての透過スペクトル測定を行った。その後、17万Lxのキセノン褪色試験装置を用い、干渉フィルターL37を介して、上記フィルムにそれぞれ24時間光照射を行ったのちに、再びフィルムの透過スペクトル測定を行った。
耐光性試験前後の450nmにおける透過率の差の測定結果を表5に示す。
フィルム1、2、4〜20はいずれも選択反射特性を示した。そのうち、フィルム9の選択反射の中心波長は995nm、半値幅は162nmであった。なお、塗布液1において、化合物A−1の代わりに化合物Bを用い、かつLC756の濃度を3.0質量部とし、かつアミンを加えない以外は、フィルム1と同様に、重合性アゾメチン化合物を含まない組成物から形成されたフィルムを作製したところ、選択反射の中心波長は998nm、半値幅は115nmであった。

Claims (16)

  1. アゾメチン基と重合性基とを有する重合性アゾメチン化合物およびアミンを含み、
    前記アミンが、第二級または第三級の脂肪族アミン、ベンジルアミン誘導体、およびピペリジン誘導体アミンからなる群より選択される重合性組成物。
  2. 前記重合性アゾメチン化合物が液晶性を有する請求項1に記載の重合性組成物。
  3. 前記重合性基がラジカル重合性基である請求項1または2に記載の重合性組成物。
  4. 前記重合性基がメタクリレート基またはアクリレート基である請求項1または2に記載の重合性組成物。
  5. 前記重合性アゾメチン化合物が下記式(I):
    式中、P1およびP2はそれぞれ、重合性基を表し;
    m1およびm2はそれぞれ、1〜10の整数を表し、m1またはm2のCH2のうち、1つのCH2または隣接しない2以上のCH2は、酸素原子または硫黄原子に置き換わっていてもよく;
    1、A2、およびA3はそれぞれ、置換されていてもよい、5〜18員環の芳香族炭化水素環または5〜18員環の芳香族複素環の基を表し;
    Rは、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し
    1は、−COO−、−OCO−、−OCO−CH=CH−、−NHCO−、または−NR1CO−を表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
    1およびL2はそれぞれ、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCO−CH=CH−、−OCOO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
    n1は1または2である;
    で表される化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  6. 前記重合性アゾメチン化合物が下記式(I’):
    式中、P1およびP2はそれぞれ、重合性基を表し;
    m1およびm2はそれぞれ、1〜10の整数を表し、m1またはm2個のCH2のうち、1つのCH2または隣接しない2以上のCH2は、酸素原子または硫黄原子に置き換わっていてもよく;
    1、A2、A3およびA4はそれぞれ、置換されていてもよい、5〜18員環の芳香族炭化水素環、または5〜18員環の芳香族複素環の基を表し;
    Rは、水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し;
    1およびZ2はそれぞれ、−COO−、−OCO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
    1およびL2はそれぞれ、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−NHCO−、または−NR1COを表し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し;
    n1およびn2はそれぞれ、1または2である;
    で表される化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  7. 前記アミンが沸点150℃以上の第二級アミンまたは第三級アミンである請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  8. 前記アミンがヒンダード・アミン光安定剤である請求項1〜7のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  9. アゾメチン基を有していない液晶化合物を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  10. アゾメチン基を有していない前記液晶化合物が重合性棒状液晶化合物である請求項9に記載の重合性組成物。
  11. 前記重合性アゾメチン化合物とアゾメチン基を有していない前記液晶化合物との質量比が70:30〜30:70である請求項9または10に記載の重合性組成物。
  12. 重合開始剤を含有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  13. キラル化合物を含有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の重合性組成物の硬化により得られるフィルム。
  15. 請求項14に記載のフィルムを含む位相差膜。
  16. 請求項14に記載のフィルムを含む反射膜。
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