以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機としては、一例として、スロットマシン、および、パチンコ遊技機を示すが、本発明は、これらの遊技機に限られず、たとえば所謂アーケードゲーム機等の各種の遊技機に適用可能である。また、遊技用装置としては、一例としてこれらの遊技機に対応して設けられたデータカウンタ等の遊技用装置を示すが、本発明は、カーユニット等のその他の各種の遊技用装置に適用可能である。
〔第1実施形態〕
第1実施形態においては、遊技機におけるデモ表示(デモンストレーション表示)における初期デモ表示および特定デモ表示の基本的な制御例を説明する。
図1は、遊技機1におけるデモ表示(デモンストレーション表示)についての初期表示状態と特定表示状態との関係を示す正面図である。図1(A)には、初期デモ表示と呼ばれるデモ表示の初期表示状態が示されている。図1(B)には、特定デモ表示と呼ばれるデモ表示の特定表示状態が示されている。
図1においては、遊技店において、複数台の遊技機1が横並びに設置されている遊技機設置島の一部を正面から見た状態が示されている。図1(A)は、遊技者が遊技機1の近傍に存在していない状態である。図1(B)は、遊技者5が遊技機1の近傍に存在している状態である。
遊技機1は、たとえばスロットマシンおよびパチンコ遊技機等のような遊技機であり、前面側に表示手段としての演出表示装置2が設けられている。遊技機1は、遊技台とも呼ばれる。さらに、遊技機1においては、前面側に、音声を出力可能な所定音出力手段としてのスピーカ22と、遊技者の位置を特定可能な位置特定手段としての位置センサ4とが設けられている。
その他に、図示を省略するが、遊技機1においては、次のような構成が備えられている。遊技機1には、各種遊技制御および各種演出制御等の遊技機1の制御を実行可能な制御手段としてのマイクロコンピュータが設けられている。遊技機1には、たとえばモータおよびソレノイド等の駆動手段より駆動される各種の可動体が設けられている。また、遊技機1においては、LED等の発光体が設けられている。また、操作スイッチおよび操作スティックのように、遊技者が操作可能であり、遊技者の動作(操作)を検出可能な動作検出手段が設けられている。このように、遊技機1においては、たとえばスロットマシンおよびパチンコ遊技機のような遊技機での各種遊技に必要となる各種部品が組込まれている。
スロットマシンは、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて各々を識別可能な複数種類の図柄を変動表示させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出される遊技が行われる遊技機である。
スロットマシンの制御部は、遊技制御等を行うメイン制御部と、演出制御等を行うサブ制御部とを含む。メイン制御部およびサブ制御部のそれぞれは、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータにより構成される。スロットマシンにおいては、メイン制御部が、前述のような遊技を進行するための遊技制御等を実行し、メイン制御部から送信される制御コマンドを受信したサブ制御部が、演出表示装置2およびスピーカ22等の各種演出用動作部品を用いた演出を進行するための演出制御を実行する。
パチンコ遊技機は、たとえば、遊技者による遊技ハンドルの操作に応じて遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行われる。パチンコ遊技機では、遊技球が始動入賞口に入賞したことに応じて、各々を識別可能な複数種類の図柄を変動表示させ、所定時間経過後に導出表示された図柄の変動表示結果が大当り表示結果となったときに、大当り遊技状態のような遊技者にとって有利な状態に制御され、大当り遊技状態中に開放される大入賞口への入賞に応じて賞球としての遊技球が払出される遊技が行われる。
パチンコ遊技機の制御部は、遊技制御等を行うメイン制御部と、演出制御等を行うサブ制御部とを含む。メイン制御部およびサブ制御部のそれぞれは、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータにより構成される。パチンコ遊技機においては、メイン制御部が、前述のような遊技を進行するための遊技制御等を実行し、メイン制御部から送信される制御コマンドを受信したサブ制御部が、演出表示装置2およびスピーカ22等の各種演出用動作部品を用いた演出を進行するための演出制御を実行する。
遊技機1の代表例であるスロットマシンおよびパチンコ遊技機は、前述した構成および制御の他に、各種構成を備えるとともに、各種制御を実行するものであってもよく、演出表示装置2を備えたスロットマシンおよびパチンコ遊技機であれば、すべての種類のスロットマシンおよびパチンコ遊技機が、以下に説明する特定デモ表示を実行するデモ表示制御の制御対象となる。
スロットマシンおよびパチンコ遊技機に限らず、演出表示装置2を備えた遊技機であれば、その他の種類の各種遊技機も、以下に説明する特定デモ表示を実行するデモ表示制御の制御対象に含まれる。以下においては、スロットマシンおよびパチンコ遊技機のように、遊技制御部と演出制御部とが別に設けられた構成の遊技機を代表例として、特定デモ表示を実行するデモ表示制御について説明する。
図1を参照して、演出表示装置2は、遊技機1における略中央部に設けられている。演出表示装置2は、たとえば、液晶表示装置等の画像表示が可能な演出装置により構成される。なお、演出表示装置2は、プラズマ表示、CRT表示、FED表示、エレクトロルミネセンス表示、あるいは、ドットマトリックス表示等のその他の画像表示が可能な表示装置を用いてもよい。
位置センサ4は、複数の超音波距離センサを用いて対象物(遊技者)の位置を検出することが可能な検出手段であり、遊技機1の上部のような所定位置に設けられている。位置センサ4は、遊技者の位置を特定する位置特定手段として用いられる。超音波距離センサは、送波器により超音波を対象物に向け発信し、その反射波を受波器で受信することにより、対象物(遊技者)の有無や対象物までの距離を検出するセンサである。
位置センサ4は、遊技機1の前方に向かう方向に超音波を発信可能な配置態様により2次元平面でマトリクス状に配置された複数の超音波距離センサと、これらセンサの検出情報に基づいて、対象物(遊技者)の3次元空間での位置情報(立体像)を得る所定の位置情報特定処理を実行可能な演算処理部とを含み、演算処理部の処理により得られた遊技機1前方の遊技者の有無情報および遊技者の存在位置情報を含む検出データを出力することが可能である。
なお、位置センサ4としては、x,y,z軸よりなる3次元空間での遊技者の位置情報を特定可能なものではなく、x,y軸よりなる2次元平面での遊技者の位置情報を特定可能なものであってもよい。また、位置センサ4は、超音波センサを用いたものに限らず、イメージセンサ等の撮像装置および撮像装置で撮像された画像を解析することにより遊技者の位置情報を特定可能な画像センサを用いたもの等、他の構成の位置センサを用いてもよい。また、位置センサ4は、複数の超音波センサを用いずに、1つの超音波センサを用いて遊技者の位置を特定可能なものであってもよい。また、位置センサ4としては、前述のような位置情報特定処理を実行可能な演算処理部を備えないものでもよい。その場合には、そのような演出処理部により実行する位置情報特定処理を、遊技機1に設けられたマイクロコンピュータ、または、ハードウェア回路により実行するようにしてもよい。
スピーカ22は、遊技機1の上部のような特定位置に設けられている。スピーカ22においては、遊技の進行に対応した効果音、および、演出の進行に対応した効果音等の各種の音声を、遊技機1の前方に向けて出力可能である。
遊技機1のそれぞれに対応して、遊技機1の前方には、遊技者が遊技をするために着席する座席3が設けられている。遊技店において、遊技者は、遊技をしたいと思う遊技機1に向かって歩いて行き、その遊技機1前の座席3に着席して、遊技機1において遊技をする。遊技機1において遊技を終了した遊技者は、その遊技機1前の座席3から離席し、その遊技機1から歩いて離れる。
遊技機1においては、遊技者による遊技が所定期間実行されていないときに、図1(A)および図1(B)に示すように、演出表示装置2において、デモ表示用のキャラクタ画像として、デモ表示キャラクタ画像6,6A〜6C等が表示される。デモ表示キャラクタ画像6,6A〜6Cは、アニメーション表示による動画像として表示可能である。各遊技機1では、自台(各遊技台自身)の前方、および、左,右(自台からみて左,右)両隣台の遊技機1の前方を含む所定範囲が、位置センサ4の検出範囲として設定されている。以下、このように位置センサ4の検出範囲として設定された範囲を検出設定範囲と呼ぶ。
各遊技機1において、位置センサ4の検出設定範囲内で遊技者が検出されていない遊技者位置未検出時に、デモ表示をするときには、図1(A)に示すように、演出表示装置2で、正面を向いた初期表示態様の初期デモ表示キャラクタ画像6が静止状態で表示される初期デモ表示が実行される。なお、初期デモ表示は、静止状態の画像を表示するものに限らず、動画像を表示するものであってもよい。
各遊技機1において、位置センサ4の検出設定範囲内で遊技者が検出された遊技者位置検出時に、デモ表示をするときには、図1(B)に示すように、演出表示装置2で、初期デモ表示キャラクタ画像6よりも拡大された特定表示態様の複数種類の特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのうちのいずれかの画像が表示される特定デモ表示が実行される。
このような特定デモ表示は、初期デモ表示キャラクタ画像6が表示されているときに、初期デモ表示キャラクタ画像6がアニメーション動画により動作するで、キャラクタ画像の表示態様が変化して特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cとなるような態様で実行可能である。逆に、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cが表示されているときに、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cがアニメーション動画により動作することにより初期デモ表示キャラクタ画像6に戻ることにより、初期デモ表示に戻ることも可能である。
また、特定デモ表示については、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cが表示されることにより特定デモ表示が実行されているときに、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cの相互間でも、特定デモ表示キャラクタ画像がアニメーション動画により動作することにより、キャラクタ画像の表示態様が変化して、一の特定デモ表示キャラクタ画像から、他の特定デモ表示キャラクタ画像に変化可能である。
このように特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cの相互間は、アニメーション動画により連続的に表示することが可能である。これにより、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cについては、遊技者の多様な存在位置に対応した多様な表示をすることができる。
なお、初期デモ表示キャラクタ画像6と特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのそれぞれとの間の表示の変化、および、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cの相互間の表示の変化は、アニメーション動画によらず、静止画像を切替えることにより行うようにしてもよい。
特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cは、位置センサ4の検出設定範囲内で検出された遊技者のうち、ターゲットとする遊技者(以下、対象遊技者とも呼ぶ)が、自台からみてどの方向の位置で検出されたかに応じて選択される。この実施の形態では、位置センサ4により検出された遊技者のうち、自台から最も近い位置の遊技者が対象遊技者として設定され、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのうちいずれかが表示される。ここで、自台から最も近い位置の遊技者とは、位置センサ4により遊技者が複数人検出されたときは、複数人の遊技者のうち、自台の位置(具体的に位置センサ4の位置)から最も距離が短い位置で検出された遊技者が該当し、位置センサ4により検出された遊技者が1人のみ検出されたときは、その遊技者が該当する。
特定デモ表示キャラクタ画像6Aは、正面を向いた表示態様のキャラクタ画像である。特定デモ表示キャラクタ画像6Aは、位置センサ4により検出されて選択された対象遊技者が、自台の前方位置で検出された遊技者であるときに、その遊技者をターゲットとしたデモ表示をするために選択されて表示される。遊技機1で特定デモ表示キャラクタ画像6Aが表示されたときに、その遊技機1の前方の位置に存在する遊技者は、特定デモ表示キャラクタ画像6Aが当該遊技者自身を見ているような印象を受ける。
特定デモ表示キャラクタ画像6Bは、自台側からみて右側を向いた(遊技者側からみて左側を向いた)表示態様のキャラクタ画像である。特定デモ表示キャラクタ画像6Bは、位置センサ4により検出されて選択された対象遊技者が、自台側からみて右隣台の遊技機1の前方位置で検出された遊技者であるときに、その遊技者をターゲットとしたデモ表示をするために選択されて表示される。遊技機1で特定デモ表示キャラクタ画像6Bが表示されたときに、その遊技機1の自台側からみて右隣台の前方の位置に存在する遊技者は、遊技者側から見て右方向の遊技機1から特定デモ表示キャラクタ画像6Bが当該遊技者自身を見ているような印象を受ける。
特定デモ表示キャラクタ画像6Cは、自台側からみて左側を向いた(遊技者側からみて右側を向いた)表示態様のキャラクタ画像である。特定デモ表示キャラクタ画像6Cは、位置センサ4により検出されて選択された対象遊技者が、自台側からみて左隣台の遊技機1の前方位置で検出された遊技者であるときに、その遊技者をターゲットとしたデモ表示をするために選択されて表示される。遊技機1で特定デモ表示キャラクタ画像6Cが表示されたときに、その遊技機1の自台側からみて左隣台の前方の位置に存在する遊技者は、遊技者側から見て左方向の遊技機1から特定デモ表示キャラクタ画像6Cが当該遊技者自身を見ているような印象を受ける。
このような特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのそれぞれにおいては、キャラクタの目を示す画像が、位置センサ4による対象遊技者の位置検出情報に基づいて、対象遊技者の方向を向くような表示制御がされる。これにより、特定デモ表示キャラクタ画像が対象遊技者を目で見ているような印象の視線が遊技者に向けられる。たとえば、対象遊技者が位置センサ4の検出設定範囲内で歩行すれば、対象遊技者の位置の変化に応じて、特定デモ表示キャラクタ画像の目を示す画像の向きが変化する。これにより、特定デモ表示キャラクタ画像の目の動作により特定デモ表示キャラクタ画像により追いかけて見られているような印象が遊技者に与えられる。
このように、演出表示装置2においては、遊技者が遊技をしていないときに表示として、たとえば、特定デモ表示キャラクタ画像6Aのような第1特定表示と、特定デモ表示キャラクタ画像6Bまたは特定デモ表示キャラクタ画像6Cのような第2特定表示とをすることが可能である。第1特定表示は、遊技者がたとえば自台正面のような第1位置に存在していることが特定されたときに実行され、第2特定表示は、遊技者がたとえば右隣台または左隣台のような第2位置に存在していることが特定されたときに実行される。なお、このような第1特定表示としては、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれが該当してもよく、第2特定表示としては、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれが該当してもよい。
なお、キャラクタの目を示す画像の向きは、対象遊技者を3次元空間で特定可能な場合は、3次元情報により対象遊技者の頭部と判定される部分に向けるようにすればよく、対象遊技者を2次元平面で特定可能な場合は、対象遊技者の位置と平均的な遊技者の身長とに基づいて対象遊技者の頭部と推定される部分に向けるようにすればよい。
このような特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cは、位置センサ4による遊技者の位置検出情報に基づいて、検出された遊技者を見るような表示態様で表示される画像である。これにより、位置センサ4により検出された遊技者は、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのうちいずれかが表示されることにより、その表示がされた遊技機1に興味を持つようになり、遊技機1の稼働の促進を図ることができる。
なお、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのそれぞれについては、特定デモ表示キャラクタ画像6Aではキャラクタが正面側を向いた1種類の画像、特定デモ表示キャラクタ画像6Bではキャラクタが右側を向いた1種類の画像、特定デモ表示キャラクタ画像6Cではキャラクタが左側を向いた1種類の画像をそれぞれ固定的に用いる例を示した。しかし、これに限らず、特定デモ表示キャラクタ画像6A,6B,6Cのそれぞれについて、キャラクタの向きが少しずつ異なる複数種類の画像を選択可能に設け、位置センサ4による遊技者の位置検出情報に基づいて、遊技者の位置に最も近い向きのキャラクタキャラクタ画像を選択して表示するようにしてもよい。このようにすれば、特定デモ表示キャラクタ画像が対象遊技者をより一層、追いかけて見ているような印象を遊技者に与えることができる。
図1(B)では、遊技者5が、ある遊技機1の前方に存在することが検出され、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cの表示条件が成立したことに基づいて、遊技者5の正面前方の遊技機1で特定デモ表示キャラクタ画像6Aが表示され、遊技者からみて右側の遊技機1で特定デモ表示キャラクタ画像6Bが表示され、遊技者からみて左側の遊技機1で特定デモ表示キャラクタ画像6Cが表示されることにより、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cが3方向から遊技者5自身を見ているような状況となった例が示されている。このように、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cにより複数方向から遊技者5自身を見ているような表示がされたときには、これら特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cが表示された遊技機1について、より一層興味を持つようになり、より一層遊技機1の稼働の促進を図ることができる。
次に、位置センサ4による遊技者の検出設定範囲について説明する。図2は、位置センサ4による遊技者の検出設定範囲を示す平面図である。
図2に示すように、各遊技機1に設けられた位置センサ4の検出設定範囲は、自台前方の座席3の位置を含む所定距離範囲内、および、左右両隣台前方の座席3の位置を含む特定距離範囲内を合わせた範囲に設定されている。これにより、各遊技機1に設けられた位置センサ4は、自台前方のみならず、左右両隣台前方においても、遊技者を検出することが可能となる。
なお、図2では、左右両隣台前方の座席3の位置まで位置センサ4の検出設定範囲として設定された例を示したが、これに限らず、検出設定範囲は、左右両隣台前方であれば、検出設定範囲が左右両隣台前方の座席3の位置まで届かない範囲に設定されてもよい。また、位置センサ4による遊技者の位置検出が有効となる範囲は、位置センサ4自体の最大検出範囲に設定されてもよく、位置センサ4自体の最大検出範囲内において予め決められた範囲内(最大検出範囲よりも狭い範囲内)に設定されてもよい。
次に、遊技機1の制御回路の構成について説明する。図3は、遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。
図3を参照して、遊技機1の制御回路においては、たとえば前述したスロットマシンおよびパチンコ遊技機等におけるメイン制御部のような遊技制御部10と、同様に前述したサブ制御部のような演出制御部20とが設けられている。遊技制御部10および演出制御部20のそれぞれは、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータにより構成される。
遊技制御部10には、たとえば、スロットマシンのストップボタンの操作を検出する検出スイッチ等、および、パチンコ遊技機の入賞球を検出する検出スイッチ等のような遊技用各種センサ11からの各種検出信号が入力される。遊技制御部10からは、スロットマシンの図柄を変動表示させるモータ等、および、パチンコ遊技機の図柄を変動表示させるLED等のような遊技用各種動作部品12に向けて各種動作制御信号が出力される。
演出制御部20には、たとえば、スロットマシンの演出用スイッチ等、および、パチンコ遊技機の演出用スイッチ等のような演出用各種センサ21からの各種検出信号が入力される。さらに、演出制御部20には、前述の位置センサ4からの検出データ(位置検出情報)が入力される。位置センサ4からの検出データは、図1に示すようなデモ表示を実行するときに必要となる位置検出情報であり、演出制御部20における位置検出情報記憶部にFIFO(先入れ先出し)方式で特定期間分一時記憶され、後述するデモ表示処理において用いられる。
演出制御部20からは、前述の演出表示装置2に向けて、各種の画像表示制御をするための表示制御信号が出力される。演出制御部20からは、前述のスピーカ22に向けて、各種の音声出力制御をするための音制御信号が出力される。さらに、演出制御部20からは、スロットマシンの演出用LED等、ならびに、パチンコ遊技機の演出用LEDおよび演出用可動体(役物)等のような、演出表示装置2およびスピーカ22以外の演出用各種動作部品24に向けて各種動作制御信号が出力される。
遊技制御部10は、演出制御部20に向けて、演出制御部20による各種演出装置(演出表示装置2、スピーカ22、演出用各種動作部品24等)を用いた演出制御を指令するための制御コマンドを送信する。演出制御部20では、遊技制御部10から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドの指令に応じて、各種演出制御を実行する。
なお、図3においては、遊技機1の制御部として、遊技制御部10と演出制御部20との複数の制御部に分けられた構成を一例として説明した。しかし、これに限らず、遊技機1の制御部は、1つの制御部(1つのマイクロコンピュータ)により構成されてもよい。
次に、遊技機1におけるデモ表示に関する演出制御について説明する。デモ表示は、遊技者が所定期間に亘り遊技をしていないときに実行される。デモ表示の実行条件となる「遊技者が所定期間に亘り遊技をしていないとき」とは、たとえばスロットマシンでは、メダルの投入やいずれの操作も行われることなく所定期間が経過したときに成立し、パチンコ遊技機では、変動表示が実行されることなく所定期間が経過したときに成立する。なお、デモ表示の実行条件は、遊技者が所定期間に亘り遊技をしていないときであれば、スロットマシンおよびパチンコ遊技機について説明したデモ表示の実行条件に限られるものではなく、その他の実行条件であってもよい。
遊技機1におけるデモ表示の実行条件は、たとえば、遊技制御部10において、遊技が実行されているか否かを判定する処理を実行し、遊技が実行されていないときに、デモ表示を指令するデモ指定コマンドを演出制御部20に送信し、演出制御部20がデモ指定コマンドを受信してから所定期間経過したことを計時したときに成立する。演出制御部20は、このようなデモ表示の実行条件が成立したときに、デモ表示処理を実行することにより、図1に示したようなデモ表示を実行する。
なお、遊技機1におけるデモ表示の実行条件は、たとえば、遊技制御部10において遊技が所定期間実行されていないことを計時したときに成立し、デモ指定コマンドを演出制御部20に送信するようにしてもよい。その場合には、デモ指定コマンドを受信した演出制御部20は、直ちにデモ表示を実行する。
次に、演出制御部20において実行されるデモ表示処理について説明する。デモ表示処理は、前述したようなデモ表示の実行条件が成立したときに実行される。図4は、デモ表示処理を示すフローチャートである。
デモ表示処理においては、まず、ステップS(以下、単にSと示す)1により、RAMの位置検出情報記憶部に記憶されている現在の位置センサ4の検出データを解析することに基づいて、所定範囲に設定された位置センサ4の検出設定範囲内における遊技者の有無および遊技者の位置情報を確認する。そして、S1で確認した検出データに基づいて、位置センサ4の検出設定範囲内で遊技者の存在が検出されているかどうかを判定する(S2)。
S2により遊技者の存在が検出されていないと判定されたときは、図1(A)のように、デモ表示キャラクタ画像を、初期デモ表示キャラクタ画像6のような初期表示状態で表示する初期デモ表示処理を実行し(S3)、処理を終了する。一方、S2により遊技者の存在が検出されたと判定されたときは、図1(B)のように、デモ表示キャラクタ画像を、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのような特定表示状態で表示する特定デモ表示処理を実行し(S4)、処理を終了する。
次に、特定デモ表示処理(S4)の具体的な処理例を説明する。図5は、特定デモ表示処理を示すフローチャートである。
特定デモ表示処理においては、位置センサ4の検出データに基づいて、以下のような処理が実行される。まず、位置センサ4により存在が検出された遊技者のうち、最も近い位置の遊技者を、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cによるデモ表示のターゲット(対象)とする対象遊技者として設定する(S10)。S10において、位置センサ4により存在が検出された遊技者のうち、最も近い位置の遊技者が複数存在するときは、たとえば、「正面>右側>左側」という大小関係で設定された選択優先度に基づいて、1人の遊技者をする。なお、その選択優先度は、「正面>左側>右側」という大小関係で設定されてもよい。
次に、S10で設定された対象遊技者が、自台の正面位置で検出されたものであるか否かを判定する(S11)。この場合の自台の正面位置は、たとえば自台のパチンコ遊技機1において、左端の前方への延長線と右端の前方への延長線との間の領域(パチンコ遊技機1の幅に対応する領域)により規定される位置範囲に設定される。なお、S11で自台の正面位置として判定される位置範囲の領域は、前述のような位置に限らず、自台の正面位置と認識可能な位置範囲の領域であれば、どのような領域に設定されてもよい。
S11において正面位置で検出されたものであると判定されたときは、デモ表示用のキャラクタ画像として、図1(B)の正面を向いた表示態様の特定デモ表示キャラクタ画像6Aを表示し、かつ、特定デモ表示キャラクタ画像6Aの目の画像を対象遊技者の位置情報に基づいて対象遊技者に向いた画像とすることにより、自台の正面位置で検出された対象遊技者の位置に視線を向ける画像とする処理が行われ(S12)、処理が終了する。
また、前述のS11において正面位置で検出されたものではないと判定されたときは、S10で設定された対象遊技者が、自台からみて右隣の遊技機1の前方向位置、すなわち、自台からみて右側位置で検出されたものであるか否かを判定する(S13)。この場合の自台からみての右側位置は、S11で判定される正面位置範囲の右側の位置範囲に設定されている。S13で自台からみて右側位置で検出されたものであると判定されたときは、デモ表示用のキャラクタ画像として、図1(B)の自台からみて右側を向いた表示態様の特定デモ表示キャラクタ画像6Bを表示し、かつ、特定デモ表示キャラクタ画像6Bの目の画像を対象遊技者の位置情報に基づいて対象遊技者に向いた画像とすることにより、自台からみて右側位置で検出された対象遊技者の位置に視線を向ける画像とする処理が行われ(S14)、処理が終了する。
また、前述のS13において右側位置で検出されたものではないと判定されたときは、消去法的に、S10で設定された対象遊技者が、自台からみて左隣の遊技機1の前方向位置、すなわち、自台からみて左側位置で検出されたものである。この場合の自台からみての左側位置は、S11で判定される正面位置範囲の左側の位置範囲に設定されている。S13において右側位置で検出されたものではないと判定された場合には、デモ表示用のキャラクタ画像として、図1(B)の自台からみて左側を向いた表示態様の特定デモ表示キャラクタ画像6Cを表示し、かつ、特定デモ表示キャラクタ画像6Cの目の画像を対象遊技者の位置情報に基づいて対象遊技者に向いた画像とすることにより、自台からみて左側位置で検出された対象遊技者の位置に視線を向ける画像とする処理が行われ(S15)、処理が終了する。
次に、図4および図5に示したデモ表示処理により実行された特定デモ表示が終了した後のデモ表示の表示態様の変更制御の一例を説明する。図6は、特定デモ表示が終了した後のデモ表示の表示態様の変更制御例を示す遊技機1の正面図である。図6(A)には、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者が存在する場合に特定デモ表示が実行される表示状態が示されている。図6(B)には、位置センサ4の検出設定範囲外に遊技者が出た後に初期デモ表示が実行される表示状態が示されている。
図6(A)に示すように、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者5が存在する場合には、図5の特定デモ表示処理のS12、S14またはS15により、演出表示装置2において、対象遊技者5に対応して、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれかを表示する特定デモ表示が実行される。
そして、そのように、特定デモ表示が実行されているときに、図6(B)に示すように、対象遊技者5が位置センサ4の検出設定範囲外に出た後は、図4のS3の初期デモ表示処理が実行されることにより、演出表示装置2において、初期デモ表示キャラクタ画像6を表示する初期デモ表示が実行され、デモ表示の表示状態が初期化される。演出表示装置2で表示されているデモ表示用のキャラクタ画像が、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cから初期デモ表示キャラクタ画像6に変化するときは、前述したように、たとえば、アニメーション動画により変化させられる。このような特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cから初期デモ表示キャラクタ画像6への変更は、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのうちのどの画像が表示されていても同様に実行される。
図6に示すように、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれかを用いて表示されていた特定デモ表示が実行された後に、対象遊技者5が位置センサ4の検出設定範囲外に出たときには、特定デモ表示の表示状態が、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれかであるかにかかわらず、特定デモ表示の表示状態から、初期デモ表示キャラクタ画像6を表示する初期デモ表示の表示状態に初期化されることにより、遊技者が位置センサ4の検出設定範囲外に出たときの表示態様を統一化することができる。
なお、対象遊技者5に対応して特定デモ表示キャラクタ画像を表示する特定デモ表示は、対象遊技者5が位置センサ4の検出設定範囲外に出たときにおいて、直ちに終了して初期デモ表示に変更される制御をしてもよく、直ちに終了せずに特定期間(たとえば、数秒間)に亘り継続した後に初期デモ表示に変更される制御をしてもよい。
次に、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者が存在した場合における特定デモ表示の表示態様の選択制御の一例を説明する。図7は、位置センサ4の検出設定範囲内に複数の遊技者5が存在した場合における対象遊技者と特定デモ表示の表示態様との関係を示す遊技機1の正面図である。
図7に示すように、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者が複数存在する場合には、図5の特定デモ表示処理のS10により、その位置センサ4が設けられた遊技機1(具体的には位置センサ4)から最も近い位置の遊技者5Aが対象遊技者として判定され、それ以外の遊技者が非対象遊技者として判定される。
そして、図5の特定デモ表示処理のS10により、図7に示すように、遊技機1から最も近い位置の遊技者として判定された遊技者を、対象遊技者5Aとして設定し、図5の特定デモ表示処理のS12,S14,S15のいずれかにより、設定された対象遊技者5Aをターゲットとした特定デモ表示(図7の場合は特定デモ表示キャラクタ画像6Cの表示)が実行される。これにより、その遊技機1に最も興味を示していると思われる直近の遊技者をターゲットとした特定デモ表示が実行される。
図7に示すように、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者が存在した場合に、位置センサ4が設けられた遊技機1(具体的には位置センサ4)から最も近い遊技者5Aの位置に基づいて、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれかを用いた特定デモ表示が実行されることにより、その遊技機1に最も興味を示していると思われる遊技者をターゲットとした特定デモ表示が実行され、遊技機1から遊技者の位置までの距離の長短に適した表示をすることができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態においては、遊技者が位置センサ4の検出設定範囲外に出たときに、演出制御部20により、特定の報知音を出力する第1特定報知音出力制御の制御例を説明する。図8は、第2実施形態による第1特定報知音出力制御の制御例を示す遊技機1の正面図である。
第2実施形態では、図8に示すように、位置センサ4の検出設定範囲内に存在して位置センサ4により検出された対象遊技者5が、図中の矢印に示される方向に移動して、その検出設定範囲外に出たときに、スピーカ22から特定報知音として、「いかないで!」というような第1特定報知音を所定期間に亘り(たとえば、数秒間)出力させる音声出力制御が、演出制御部20により実行される。この第1特定報知音は、たとえば特定デモ表示中に表示されていた特定デモ表示キャラクタ画像(図8では特定デモ表示キャラクタ画像6C)のセリフとして出力される演出態様で音声出力される。
なお、第1特定報知音を、特定デモ表示中に表示されていた特定デモ表示キャラクタ画像のセリフとして出力するときに、演出表示装置2において、特定デモ表示キャラクタ画像の近傍に、第1特定報知音を文字で示した「いかないで!」という文字画像を表示することにより、特定デモ表示キャラクタ画像のセリフであることを特定可能とする演出をしてもよい。また、第1特定報知音は、特定デモ表示キャラクタ画像のセリフとは別の音声として出力されるようにしてもよい。また、第1特定報知音は、セリフの音声とは異なるブザー音等の特定の電子音として出力するようにしてもよい。
また、第1特定報知音を特定デモ表示中に表示されていた特定デモ表示キャラクタ画像のセリフとして出力するときには、対象遊技者5が位置センサ4の検出設定範囲外に出た後に、特定期間継続して特定デモ表示キャラクタ画像を表示してもよい。そのように特定デモ表示キャラクタ画像を特定期間継続して表示する特定期間は、第1特定報知音の出力継続時間と同じ期間に設定されてもよく、異なる期間に設定されてもよい。
このようにすれば、位置センサ4の検出設定範囲外に遊技者が出たときに、第1特定報知音が出力されることにより、たとえば遊技機1から離れていく遊技者等のように、位置センサ4の検出設定範囲内から検出設定範囲外に出る遊技者の興味を引くことができる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態においては、遊技者が位置センサ4の検出設定範囲内に入ったときに、演出制御部20により特定の報知音を出力する第2特定報知音出力制御の制御例を説明する。図9は、第3実施形態による第2特定報知音出力制御の制御例を示す遊技機1の正面図である。
第3実施形態では、図9に示すように、位置センサ4の検出設定範囲外に存在していた遊技者5が、図中の矢印に示される方向に移動して、その検出設定範囲内に入って位置センサ4により検出されて対象遊技者として設定されたときに、スピーカ22から特定報知音として、「ようこそ!」というような第2特定報知音を所定期間に亘り(たとえば、数秒間)出力させる音声出力制御が、演出制御部20により実行される。この第2特定報知音は、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者5が入ったことに基づいて実行される特定デモ表示で表示される特定デモ表示キャラクタ画像(図9では特定デモ表示キャラクタ画像6C)のセリフとして出力される演出態様で音声出力される。
なお、第2特定報知音を、特定デモ表示で表示された特定デモ表示キャラクタ画像のセリフとして出力するときに、演出表示装置2において、特定デモ表示キャラクタ画像の近傍に、第2特定報知音を文字で示した「ようこそ!」という文字画像を表示することにより、特定デモ表示キャラクタ画像のセリフであることを特定可能とする演出をしてもよい。また、第2特定報知音は、特定デモ表示キャラクタ画像のセリフとは別の音声として出力されるようにしてもよい。また、第2特定報知音は、セリフの音声とは異なるブザー音等の特定の電子音として出力するようにしてもよい。
このような構成によれば、位置センサ4の検出設定範囲の内に遊技者が入ったときに、第2特定報知音が出力されることにより、たとえば遊技機1に向かって来る遊技者等のように、位置センサ4の検出設定範囲の外から内に入る遊技者の興味を引くことができる。
〔第4実施形態〕
第4実施形態においては、位置センサ4により複数の遊技者の位置が特定されたときに、位置センサ4が設けられた遊技機1に着席した遊技者を優先的に対象遊技者として認識して、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cを表示する特定デモ表示を実行する着席遊技者優先制御例を説明する。図10は、第4実施形態による着席遊技者優先制御例を示す遊技機1近傍の平面図である。
第4実施形態では、図10に示すように、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者が複数存在する場合には、図5の特定デモ表示処理のS10により、その位置センサ4が設けられた遊技機1(具体的には位置センサ4)から最も近い位置の遊技者ではなく、その位置センサ4が設けられた遊技機1に対応する座席3に着席した遊技者が、優先的に対象遊技者5Aとして判定され、それ以外の遊技者が非対象遊技者5Bとして判定される。そして、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者が複数存在する場合において、着席した遊技者がいない場合は、その位置センサ4が設けられた遊技機1(具体的には位置センサ4)から最も近い位置の遊技者が優先的に対象遊技者として判定される。
そして、そのように判定された遊技者を、対象遊技者5Aとして設定し、図5の特定デモ表示処理のS12,S14,S15のいずれかにより、設定された対象遊技者5Aをターゲットとした特定デモ表示が実行される。これにより、その遊技機1で遊技をしようとしていると思われる遊技者をターゲットとした特定デモ表示が実行される。
図10に示すように、位置センサ4により複数の遊技者の位置が特定されたときに、位置センサ4が設けられた遊技機1に着席した遊技者を優先的に対象遊技者として認識して、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cを表示する特定デモ表示を実行することにより、遊技をする可能性が高い遊技者に対して、効果的な表示をすることができる。
〔第5実施形態〕
第5実施形態においては、第1実施形態〜第4実施形態において説明した遊技者の位置検出情報に基づいて特定表示を実行する構成を、遊技機以外の遊技用装置に用いる例を説明する。
遊技用装置としては、遊技機に対応して設けられ遊技機における遊技に関する各種情報を収集して表示可能なデータカウンタを一例として説明するが、遊技店に設けられたカードユニット(各遊技機に対応して設けられた遊技用カード処理装置)、カード発行装置、清算装置、および、景品交換装置等のような、遊技機以外の各種装置のうちで表示手段が設けられたものであれば、すべての遊技用装置が適用対象として含まれる。
遊技店においては、遊技機の上方等に、対応する遊技機において遊技が実行された回数(ゲーム回数)、および、遊技者に有利な状態となった回数等の各種遊技情報を収集し、液晶表示器等の表示装置において、各種遊技情報を表示するデータカウンタのような遊技用装置が設けられている。このようなデータカウンタでは、基本的に、予め定められた遊技情報を表示し、操作スイッチのように、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段が設けられ、遊技者の操作を検出することに応じて、特定の遊技情報を選択して表示可能である。
このようなデータカウンタにおいて、第1実施形態〜第4実施形態に示したような位置センサ4を設け、たとえば、遊技者が所定時間以上遊技をしていないとき、および、遊技者が特定時間以上データカウンタを操作していないとき等の所定状態となったときに、データカウンタに設けられたマイクロコンピュータにより、第1実施形態〜第4実施形態に示したような、位置センサによる遊技者の位置検出情報に基づいて、特定デモ表示等の特定表示をする制御を実行する。また、遊技用装置が着席可能なものであれば、第4実施形態に示したような着席遊技者優先制御を実行してもよい。
このようなデータカウンタ等の各種の遊技用装置において、位置センサによる遊技者の位置検出情報に基づいて、特定表示を実行する制御は、たとえば、遊技用装置が所定期間以上操作されていないとき等、遊技用装置が非稼働状態であるときが一例である。しかし、これに限らず、このような制御の実行条件は、1日のうちの所定時間帯に実行する等、所定状態が成立したときであれば、どのような実行条件が成立したときであってもよい。
以上に説明したように、第1実施形態〜第4実施形態において説明した遊技者の位置検出情報に基づいて特定表示を実行する構成を、遊技機以外の遊技用装置に用いる第4実施形態では、位置センサによる遊技者の位置検出情報に基づいて、検出された遊技者を見るような表示態様で特定表示がされることにより、位置センサにより検出された遊技者が、その表示がされた遊技用装置に興味を持つようになり、遊技用装置の稼働の促進を図ることができる等、第1実施形態〜第4実施形態で説明した各種効果と同様の効果を得ることができる。
〔実施の形態により得られる主な効果〕
次に、前述した実施形態により得られる主な効果を列挙する。
(1) 図1(B)、および、図5のS12,S14,S15等に示すように、位置センサ4による遊技者の位置検出情報に基づいて、検出された遊技者を見るような表示態様で特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれかが表示されることにより、位置センサ4により検出された遊技者が、その表示がされた遊技機1に興味を持つようになり、遊技機1の稼働の促進を図ることができる。
(2) 図6に示すように、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれかを用いて表示されていた特定デモ表示が実行された後に、対象遊技者が位置センサ4の検出設定範囲外に出たときには、特定デモ表示の表示状態が、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれかであるかにかかわらず、特定デモ表示の表示状態から、初期デモ表示キャラクタ画像6を表示する初期デモ表示の表示状態に初期化されることにより、遊技者が位置センサ4の検出設定範囲外に出たときの表示態様を統一化することができる。
(3) 図7に示すように、位置センサ4の検出設定範囲内に遊技者5が存在した場合に、位置センサ4が設けられた遊技機1(具体的には位置センサ4)から最も近い遊技者5Aの位置に基づいて、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cのいずれかを用いた特定デモ表示が実行されることにより、その遊技機1に最も興味を示していると思われる遊技者をターゲットとした特定デモ表示が実行され、遊技機1から遊技者の位置までの距離の長短に適した表示をすることができる。
(4) 図8に示すように、位置センサ4の検出設定範囲外に遊技者が出たときに、第1特定報知音が出力されることにより、たとえば遊技機1から離れていく遊技者等のように、位置センサ4の検出設定範囲内から検出設定範囲外に出る遊技者の興味を引くことができる。
(5) 図9に示すように、位置センサ4の検出設定範囲の内に遊技者が入ったときに、第2特定報知音が出力されることにより、たとえば遊技機1に向かって来る遊技者等のように、位置センサ4の検出設定範囲外から検出設定範囲内に入る遊技者の興味を引くことができる。
(6) 図10に示すように、位置センサ4により複数の遊技者の位置が特定されたときに、位置センサ4が設けられた遊技機1に着席した遊技者を優先的に対象遊技者として認識して、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cを表示する特定デモ表示を実行することにより、遊技をする可能性が高い遊技者に対して、効果的な表示をすることができる。
(7) 図1(B)において説明した、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cの相互間は、アニメーション動画により連続的に表示することが可能である。これにより、特定デモ表示キャラクタ画像6A〜6Cについては、遊技者の多様な存在位置に対応した多様な表示をすることができる。
(8) 第5実施形態で説明したように、第1実施形態〜第4実施形態において説明した遊技者の位置検出情報に基づいて特定表示を実行する構成を、遊技機以外の遊技用装置に用いる第4実施形態では、位置センサによる遊技者の位置検出情報に基づいて、検出された遊技者を見るような表示態様で特定表示がされることにより、位置センサにより検出された遊技者が、その表示がされた遊技用装置に興味を持つようになり、遊技用装置の稼働の促進を図ることができる等、第1実施形態〜第4実施形態で説明した各種効果と同様の効果を得ることができる。
〔変形例〕
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。