JP6679401B2 - ワンウェイクラッチ - Google Patents

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本発明は、ワンウェイクラッチに関し、特に、内接歯車式のワンウェイクラッチに関するものである。
画像形成装置や画像読み取り装置等に用いられる内接歯車式のワンウェイクラッチとして、次のようなものが知られている。すなわち、内周部に内歯車を有する筒状のアウタ部材と、内歯車の内側空間に回転自在に設けられ、外周部に係止エッジ部を形成された複数の凹部を有するインナ部材と、複数の凹部の各々に転動可能に受容されて内歯車に噛合する遊星ギアとを有するものである。このワンウェイクラッチは、インナ部材がアウタ部材に対して一方の側に回転するときには、当該回転に伴って遊星ギアの歯谷部に係止エッジ部が係合することにより、当該遊星ギアが転動不能になって前記アウタ部材と前記インナ部材とを駆動連結する。そして、インナ部材がアウタ部材に対して他方の側に回転するときには、当該回転に伴って遊星ギアの歯谷部と係止エッジ部との係合が解除される。これにより、当該遊星ギアが転動可能になり、アウタ部材とインナ部材との相対回転を許し、アウタ部材とインナ部材との駆動連結を切り離す。
上述の内接歯車式のワンウェイクラッチは、遊星ギアの位置がインナ部材の中心に対し略水平方向に位置する時には、インナ部材の移動に対し遊星ギアが自重で落下してしまい、ロックがかからないことがある。このような状態を図14により説明する。100はインナ部材、102はアウタ部材で内側に内歯車103が形成されている。105は遊星ギアである。
図14(a)で示す様に遊星ギア105がインナ部材100の中心に対し略水平方向に位置している。この時にインナ部材100が反時計方向(矢印100A方向)に回転する場合、本来ロックする回転方向であるが、図14(b)で示す様に遊星ギア105が自重で矢印105A方向に落下し、ロックがかからないことがある。あるいはバックラッシが非常に大きくなることがある。
その対策としては、インナ部材に遊星ギアを保持する複数の凹部を中心軸回りに変位した位置に設けることで解決している。また、ワンウェイクラッチが小径で複数の凹部を配置することが困難な場合は、複数の凹部をインナ部材の軸線方向にずらして配置している(特許文献1)。
特許第5058943号公報
発明が解決しようとする課題について、従来技術における事例毎に説明する。
<遊星ギアが複数あって軸線方向にずらしている場合>
事例として、特許文献1に示す様に、インナ部材に遊星ギアを保持する2個の凹部を設け、複数の凹部をインナ部材の軸線方向にずらして設けた場合、軸線方向に大きくなってしまう。
本発明の第1の目的は、ワンウェイクラッチの軸線方向の小型化である。
<遊星ギアが複数ある場合>
事例として、遊星ギア112、113が2個有り、軸中心から180°位相に配置され、アウタ部材109の内歯車110の歯数が20歯の場合を想定する。この構成では遊星ギア112、113の歯先と内歯車110の歯先の位相関係が同一の関係である(図15参照)。
引っ掛かり部2か所の位相が同一である為、重力が無いとすれば、図15(a)のように遊星ギア112、113が2個分係止エッジ部に係合する。しかしながら実際は、図15(b)のように片側の遊星ギア112が重力で落下し、もう片側の遊星ギア113しか係合しない場合がある。よって、トルク伝達能力は係止エッジ部に係合している遊星ギア1個分しかない。
本発明の第2の目的は、同じ大きさのワンウェイクラッチに対し、トルク伝達能力を増大させることである。
上記目的を達成するために、本発明のワンウェイクラッチは、内周部に内歯車を有する筒状のアウタ部材と、前記内歯車の内側空間に回転自在に設けられ、外周部に係止エッジ部を形成された凹部を有するインナ部材と、前記凹部に転動可能に受容されて前記内歯車に噛合する遊星ギアとを有し、前記インナ部材が前記アウタ部材に対して一方の側に回転するときには、当該回転に伴って前記遊星ギアの歯谷部に前記係止エッジ部が係合することにより、当該遊星ギアが転動不能になって前記アウタ部材と前記インナ部材とを駆動連結し、前記インナ部材が前記アウタ部材に対して他方の側に回転するときには、当該回転に伴って前記遊星ギアの歯谷部と前記係止エッジ部との係合が解除されることにより、当該遊星ギアが転動可能になり、前記アウタ部材と前記インナ部材との相対回転を許し、前記アウタ部材と前記インナ部材との駆動連結を切り離す、内接歯車式のワンウェイクラッチであって、前記遊星ギアは1個であり、且つ前記遊星ギアに作用する重力よりも前記遊星ギアと前記内歯車との間で作用する保持力が上回る吸着手段を有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、 簡単な構造で軸線方向の小型化が可能となる
あるいは、簡単な構造で、従来と同じ大きさであってもトルク伝達能力を増大させることができる。
実施例1に係るワンウェイクラッチの斜視図 実施例1に係るワンウェイクラッチの分解斜視図 実施例1に係るワンウェイクラッチの断面図 実施例1に係るワンウェイクラッチのグリース塗布状態を説明する断面図 実施例2に係るワンウェイクラッチの断面図 実施例2に係るワンウェイクラッチの断面図 実施例2の変形例に係るワンウェイクラッチの断面図 実施例3に係る背景技術の説明図 実施例3に係るワンウェイクラッチの断面図 ワンウェイクラッチのバックラッシを説明する断面図 実施例3に係るワンウェイクラッチの断面図 実施例5に係るワンウェイクラッチの斜視図 実施例5に係るワンウェイクラッチの断面図 背景技術の説明図 課題の説明図
以下に図面を参照して、本発明に係るワンウェイクラッチの一実施形態を具体的に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1、図2を用いてワンウェイクラッチの構成を説明する。
ワンウェイクラッチは、クラッチケースをなすアウタ部材10を有する。アウタ部材10は、軸線方向の一方の端部を端壁11により閉じられ、他方の端部に開口(封入口)を有する有底円筒体により構成され、内周面に一連の内歯車12が形成されている。
内歯車12の内側空間に相当するアウタ部材10の円筒状の内部空間には、略円柱状のインナ部材20が回転自在に設けられている。
インナ部材20の軸線方向の一方の端部には、インナ部材20の中心軸線周りのボス21が形成されており、アウタ部材10の端壁11に形成された溝13に回転可能に係合されている。インナ部材20の軸線方向の他方の端部には円形フランジ部22、23が形成されており、アウタ部材10の開口端部分の内周面14、15に回転可能に係合されている。円形フランジ部22、23に対してインナ部材20の軸線方向の他方の側には、突出形成された外部接続部24を有する。また、円形フランジ部22、23の外周面には円環状案内突条25が形成されており、円環状案内突条25はアウタ部材10の開口端部分の内周面14、15に形成された円環状凹溝16に摺動可能に嵌合している。これによりアウタ部材10に組み付けられたインナ部材20はアウタ部材10から容易には外れない。
この構成により、インナ部材20は、軸線方向の両端部をアウタ部材10より支持され、アウタ部材10の円筒状内部空間内を、当該円筒状内部空間の中心と同心に回転可能になっている。ここで、インナ部材20が、アウタ部材10の円筒状内部空間の中心と同心とは、当該円筒状内部空間の内周面に形成された内歯車12の中心とインナ部材20の回転中心とが同心であることを意味する。
インナ部材20には、1個の凹部26が形成されている。凹部26は、インナ部材20の外周部の一部を、ポケット状に切り欠いたものである。凹部26には、外周面に一連の外歯車31を形成された遊星ギア30が、自身の中心軸線周りに回転可能に、即ち、転動可能に、且つ所定量のみインナ部材20の周方向に変位可能に配置されている。遊星ギア30は、このように凹部26に受容され、遊星ギア30の外歯車31は、内歯車12に噛合している。
次に図3を用いてワンウェイクラッチの動作を説明する。
インナ部材20がアウタ部材10に対して一方の側に回転するクラッチ係合時のインナ
部材20の回転方向を、図3で見て反時計回り方向とする。そして、インナ部材20がアウタ部材10に対して他方の側に回転するクラッチ非係合(解放)時のインナ部材20の回転方向を、図3で見て時計回り方向とする。
インナ部材20の上述の反時計回り方向で見て、凹部26の回転方向遅れ側の縁部には、遊星ギア30の外歯車31による歯谷部30Aに選択的に係合する係止エッジ部27が形成されている。
インナ部材20がアウタ部材10に対して一方の側、つまり、図3で見て反時計回り方向に回転する時には、当該回転に伴い、凹部26に受容された遊星ギア30に対して、インナ部材20が反時計回り方向側に変位する。このインナ部材20の遊星ギア30に対する変位により、図3(a)の状態から図3(b)を経て図3(c)のように係止エッジ部27が遊星ギア30の歯谷部30Aに係合する。これにより、遊星ギア30が転動不能になり、遊星ギア30の外歯車31とアウタ部材10の内歯車12の噛合とのもとに、アウタ部材10とインナ部材20とが駆動連結される。
これに対し、インナ部材20がアウタ部材10に対して他方の側、つまり、図3で見て時計回り方向に回転する時には、当該回転に伴い、凹部26に受容された遊星ギア30に対して、インナ部材20が時計回り方向側に変位する。このインナ部材20の遊星ギア30に対する変位により、係止エッジ部27が遊星ギア30の歯谷部30Aとの係合より離脱(係合解除)する。これにより、遊星ギア30が転動可能になり、アウタ部材10とインナ部材20とが相対回転できる状態になり、アウタ部材10とインナ部材20との駆動連結が切り離される。
ところで、図4に示すように、遊星ギア30の外歯車31とアウタ部材10の内歯車12の噛合部には、遊星ギア30をアウタ部材10の内歯車12に保持する吸着手段として、グリースGが塗布されている。本実施例では、東レ・ダウコーニング株式会社のモリコート(商標)EM50−L(商品名)を使用したが、他のグリースを使用しても良い。なお、図4以外の図ではグリースの図示は省略しているが、同様の態様で塗布されている。また、このグリースの粘性によって遊星ギア30を保持することで、インナ部材20が反時計回りに回転したとき、遊星ギア30が自重で落下することがない。よって、インナ部材20が余分な回転をすることなく係止エッジ部27が遊星ギア30の歯谷部30Aに係合する。つまり遊星ギア30がどの位置にあっても、バックラッシが想定より大きくなることはない。
このとき係止エッジ部27が遊星ギア30の歯谷部30Aに係合する条件は、以下の式(1)を満たせば良い。ここでは、内歯車12と遊星ギア30の接触面30Bにあるグリースによる保持力をAとしている。そして、遊星ギア30に作用する重力をB、遊星ギア30とインナ部材20と接触面30Cにあるグリースによってインナ部材20が回転したときに遊星ギア30がインナ部材20に吸引される力の重力方向成分をCとしている。
A≧B+C・・・(1)
このとき、内歯車12と遊星ギア30の接触面30Bは、遊星ギア30とインナ部材20の接触面30Cより大幅に大きいので、保持力Aは重力方向への吸引力Cより大幅に大きくなる。そのため、吸引力Cは無視できる。よって係止エッジ部27が遊星ギア30の歯谷部30Aに係合する条件は、遊星ギア30に作用する重力よりも内歯車12と遊星ギア30の接触面30Bにあるグリースによる保持力が上回ることであり、以下の式(2)になる。
A≧B・・・(2)
遊星ギア30の外歯車31とアウタ部材10の内歯車12の噛合部に塗布する吸着手段の材質はグリースではなくても、上記の式(2)を満たしていればどのような材質でも良い。塗布材質の適合性は、塗布材質を塗布した状態でアウタ部材10、インナ部材20、遊星ギア30を組み付け、遊星ギア30を図3(a)の位置に配置し、インナ部材20を反時計回りに回転させたときに遊星ギア30が落下するかどうかにより判断できる。その時に、遊星ギア30が落下しないか、遊星ギア30の落下速度がインナ部材20の回転速度よりも遅ければ、その塗布材質を使用することができる。
また、ニードル式ワンウェイクラッチで実施されているように、遊星ギアを回転ロック方向にバネ等で付勢した場合には、駆動連結が切り離された際に遊星ギアとインナ部材の係止エッジ部がぶつかり合って音が発生してしまう。本実施例においては回転ロック方向にバネ等で付勢していないため、上記のような不具合は起きない。
本実施例は、遊星ギアが1個であってもバックラッシが安定する構成である。よって、ワンウェイクラッチが小径であっても2個の遊星ギアを軸線方向にずらして配置する必要がないため、軸線方向の大きさを小さくすることができる。
また、遊星ギアを保持する吸着手段としてグリースを塗布することで、内歯車と遊星ギアの摺動部や係止エッジ部の磨耗を防止し、また騒音を防止することができる。
図5を用いて実施例2を説明する。
本実施例では遊星ギアを2個使用している。インナ部材44に形成された2個の凹部45、46は中心軸線回りに互いに180度回転変位した位置にある。遊星ギア51、54は、各々、この凹部45、46に受容され、遊星ギア51、54の外歯車52、55は、各々、アウタ部材40の内歯車41に噛合している。アウタ部材40の内歯車41の歯数は20歯である。また、遊星ギア51、54の外歯車52、55と内歯車41の噛合部には、グリースが塗布されており、実施例1で説明した式(2)を満たしている(図4参照)。
インナ部材44がアウタ部材40に対して反時計回り方向に回転すると、インナ部材44の係止エッジ部47,48が遊星ギア51、54の歯谷部に係合し、アウタ部材40とインナ部材44とが駆動連結関係で接続される。その際、内歯車41の歯数が偶数(20歯)で、かつインナ部材44の2個の凹部45、46がインナ部材44の中心軸線に対して互いに点対称であり、かつグリースの効果で遊星ギア51、54が自重で落下することがない。このため、2個の遊星ギア51、54の歯谷部が同時にインナ部材44の係止エッジ部47,48に係合する。すなわち、遊星ギア51とこれに対応する係止エッジ部47の位相関係と、遊星ギア54とこれに対応する係止エッジ48の位相関係が略同一となる。
グリースを塗布しない場合は、遊星ギア51が自重で落下してインナ部材44の係止エッジ部47に係合せず、遊星ギア54が1個のみ係合するときがあったのに対して、本実施例ではグリースを塗布しているため必ず遊星ギア51、54が2個係合する。つまり、本実施例のトルク伝達能力はグリースを塗布しない場合の2倍になっている。
本実施例では内歯車の歯数を偶数で且つ遊星ギア2個を中心軸線回りに互いに180度回転変位した位置に配置することによって回転バランスの良い配置構成となっている。
本実施例ではアウタ部材の内歯車の歯数を偶数にしたが、これを奇数にしても良い。
本実施例では、図6に示すように、アウタ部材40の内歯車の歯数を奇数(21歯)とし、2個の遊星ギア51、54を同時にインナ部材44の係止エッジ部47、48に係合させるように構成している。図6では、インナ部材44の係止エッジ47、48の回転方向位置を調整することで、2個の遊星ギア51、54の歯谷部を同時にインナ部材44の係止エッジ部47、48に係合させている。
また本実施例では、遊星ギアが2個の実施例を示したが、遊星ギアを3個以上配置しても良い。その際、2個以上の遊星ギアの歯谷部が同時にインナ部材の係止エッジ部に係合するように、内歯車の歯数やインナ部材の係止エッジ部の位置を調整すれば良い。
また、複数の遊星ギアを軸線方向にずらして配置してもよい。図7に、2つの遊星ギア71、74を軸線方向にずらして配置した例を示す。すなわち、インナ部材64には、軸線方向にずらした2つの位置に凹部65、66が設けられている。凹部65には遊星ギア71が受容され、凹部66には遊星ギア74が受容される。本変形例では、中心軸線方向から見たときに、2つの遊星ギア71、74が中心軸線回りに互いに180度回転変位した位置となるように軸線方向ずらして配置する。インナ部材64の一方向又は他方向への回転時における、遊星ギア71の外歯車72及び遊星ギア74の外歯車75の各々とインナ部材64の係止エッジ部(不図示)及びアウタ部材60の内歯車61との相互関係は、上述の実施例と同様である。また、本変形例でも、遊星ギア71の外歯車72及び遊星ギア74の外歯車75のそれぞれとアウタ部材60の内歯車61との噛合部にグリースを塗布している。遊星ギア71、74とアウタ部材60とは、実施例1で説明した式(2)を満たしている。このような構成によれば、凹部65、66が互いに干渉することなく形成できるので、ワンウェイクラッチの外形を小径化することが出来る。
以下に説明する実施例3は、バックラッシを小さくしようとするものであるが、まず、図8を参照して、従来技術について説明する。ここでは、遊星ギア127、128が2個有り、軸中心から180°位相に配置され、アウタ部材125の内歯車126の歯数が21歯である。この構成では遊星ギア127、128の歯先とアウタ部材125の内歯車126の歯先の位相関係が逆転している関係である。引っ掛かり部2か所の歯先同士の位相がちょうど反転している為、重力が無いとすれば、図8(a)または図8(b)のように片方の遊星ギア127またはもう片方の遊星ギア128が先に引っ掛かるためバックラッシは、図5の例よりも小さくなる。しかしながら実際は図8(c)のように片側の遊星ギア127が重力で落下しもう片側の遊星ギア128しか引っ掛からない場合がある。その場合のバックラッシは、図15(b)の例と同じ大きさである。
次に、図9、図10を用いて実施例3を説明する。
本実施例では遊星ギアを2個使用している。インナ部材84に形成された2個の凹部85、86は中心軸線回りに互いに180度回転変位した位置にある。遊星ギア91、94は、各々、この凹部85、86に受容され、遊星ギア91、94の外歯車92、95は、各々、アウタ部材80の内歯車81に噛合している。アウタ部材80の内歯車81の歯数は21歯である。また、遊星ギア91、94の外歯車92、95と内歯車81の噛合部には、グリースが塗布されており、実施例1で説明した式(2)を満たしている(図4参照)。
図10はインナ部材84が反時計回りに回ったときに、インナ部材の係止エッジ部が遊星ギアの歯谷部に係合する動作を説明する拡大図である。この図10を用いて遊星ギアのバックラッシの大きさを説明する。
まず、実施例1で説明した遊星ギアが1個の場合のバックラッシの大きさを説明する。バックラッシは、インナ部材の係止エッジ部27がフリー状態から遊星歯車30の歯先円に交わるまでの角度e(5度に設定)と、そこからロックするまでの角度fの合計である。角度fは内接歯車式ワンウェイクラッチの構造上、最大で内歯車12の角度間隔に近い角度になるので、内歯車12の歯数を21とすると、f=360÷21≒17度である。つまりバックラッシは最大でe+f=5+17=22度になる。
実施例2の場合も、遊星ギア51(遊星ギア54)が同時にインナ部材44の係止エッジ部47(係止エッジ部48)に係合するため、実施例1の場合と同じである。
次に本実施例のバックラッシの大きさを説明する。本実施例では、2個の遊星ギア91、94が同時にインナ部材84の係止エッジ部87、88に係合することはない。図9(a)や図9(b)のように2個の遊星ギア91、94のうち、どちらかの遊星ギア91または94がインナ部材84の係止エッジ部87または88に係合した段階で、アウタ部材80とインナ部材84とが駆動連結される。よって実施例1や実施例2のときと比べて角度fは半分になるので、f=17÷2=8.5度になる。そのためバックラッシは最大でe+f=5+8.5=13.5度になる。
このように本実施例では、ワンウェイクラッチのバックラッシを小さくすることができる。
本実施例では内歯車の歯数を奇数で且つ 遊星ギア2個を中心軸線回りに互いに180度回転変位した位置に配置することによって回転バランスの良い配置構成となっている。
本実施例ではアウタ部材の内歯車の歯数を奇数にしたが、図11に示すように内歯車61の歯数を偶数にしても良い。図11では、インナ部材84の係止エッジ部87、88の回転方向位置を調整することで、2個の遊星ギア91、94の歯谷部が同時にインナ部材84の係止エッジ部87、88に係合しないようにしている。
また、本実施例では遊星ギアが2個の事例を示したが、遊星ギアを3個以上配置しても良い。その際、2個以上の遊星ギアの歯谷部が同時にインナ部材の係止エッジ部に係合しないように、内歯車の歯数やインナ部材の係止エッジ部の位置を調整すれば良い。
また、実施例2の変形例と同様に、複数の遊星ギアを軸線方向にずらして配置してもよい。このような構成によれば、ワンウェイクラッチの外形を小径化することが出来る。
実施例4は実施例1と断面構成が全く同じため、図1〜3を用いて説明する。
実施例4では遊星ギアとアウタ部材の内歯車間の吸着手段として、磁気吸引力を利用している。
アウタ部材10はプラスチックマグネット材料で製造されている。遊星ギア30は一般のプラスチック材料に磁性粉末を混ぜて射出成形されている。プラスチックマグネット材料及び磁性粉末は、互いに磁気吸引力が作用する材料であるが、これに限られない。インナ部材20は一般的なプラスチックである。
これにより遊星ギア30はアウタ部材の内歯車12に磁気吸引力で吸着される。磁気吸引力によって遊星ギア30を保持することで、インナ部材20が反時計回りに回転したと
き、遊星ギア30が自重で落下することがない。よって、インナ部材20が余分な回転をすることなく係止エッジ部27が遊星ギア30の歯谷部30Aに係合する。つまり遊星ギア30がどの位置にあっても、バックラッシが想定より大きくなることはない。
本実施例ではグリースを塗布しなくてもワンウェイとしての機能を満足できるが、耐摩耗性を向上させるためにグリースを塗布しても良い。
また、遊星ギアとアウタ部材の内歯車を間の吸着手段として、静電吸着力を利用してもよい。このため、遊星ギアとアウタ部材の内歯車を互いに静電吸着力が作用する材料を含んで形成することも出来る。
図12を用いて実施例5を説明する。実施例5は実施例1とほぼ同じ構成であるため図1と同じ符号を付している。
本実施例は、実施例1とは、アウタ部材10の開口端(封入口側の端部)部分の摺動部付近の、インナ部材20の形状のみ異なる。具体的には、実施例1では存在したインナ部材20の円環状案内突条25の外側の摺動部23が実施例5にはなく、アウタ部材10の開口端部分の内周面15がインナ部材20の円環状案内突条25の外側へ延びている。すなわち、インナ部材20の軸線方向に沿って、アウタ部材20の内周面14及び円環状凹溝16からなる摺動部に対して遊星ギア(不図示)が封入される側とは反対側に内周面(延長部)15が延びている。本実施例及び実施例1のワンウェイクラッチのアウタ部材10の開口端部分を示す、中心軸線方向に沿った断面図を図13(a)及び図13(b)に示す。図13(a)に示す本実施例の構成により、グリースGが内部からはみ出してきたとしても、グリースGはアウタ部材10の開口端部分の内周面15に引っ掛かる。回転によってグリースGに遠心力がかかっても、グリースGがワンウェイクラッチの外側へ飛び散ることを防止することができる。
10‥‥アウタ部材、12‥‥内歯車、20‥‥インナ部材、26‥‥凹部、27‥‥係止エッジ部、30‥‥遊星ギア、30A‥‥歯谷部,31‥‥外歯車、グリース‥‥G

Claims (11)

  1. 内周部に内歯車を有する筒状のアウタ部材と、前記内歯車の内側空間に回転自在に設けられ、外周部に係止エッジ部を形成された凹部を有するインナ部材と、前記凹部に転動可能に受容されて前記内歯車に噛合する遊星ギアとを有し、前記インナ部材が前記アウタ部材に対して一方の側に回転するときには、当該回転に伴って前記遊星ギアの歯谷部に前記係止エッジ部が係合することにより、当該遊星ギアが転動不能になって前記アウタ部材と前記インナ部材とを駆動連結し、前記インナ部材が前記アウタ部材に対して他方の側に回転するときには、当該回転に伴って前記遊星ギアの歯谷部と前記係止エッジ部との係合が解除されることにより、当該遊星ギアが転動可能になり、前記アウタ部材と前記インナ部材との相対回転を許し、前記アウタ部材と前記インナ部材との駆動連結を切り離す、内接歯車式のワンウェイクラッチであって、
    前記遊星ギアは1個であり、且つ前記遊星ギアに作用する重力よりも前記遊星ギアと前記内歯車との間で作用する保持力が上回る吸着手段を有することを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 内周部に内歯車を有する筒状のアウタ部材と、前記内歯車の内側空間に回転自在に設けられ、外周部に係止エッジ部を形成された複数の凹部を有するインナ部材と、前記複数の凹部の各々に転動可能に受容されて前記内歯車に噛合する複数の遊星ギアとを有し、前記インナ部材が前記アウタ部材に対して一方の側に回転するときには、当該回転に伴って前記遊星ギアの歯谷部に前記係止エッジ部が係合することにより、当該遊星ギアが転動不能になって前記アウタ部材と前記インナ部材とを駆動連結し、前記インナ部材が前記アウタ部材に対して他方の側に回転するときには、当該回転に伴って前記遊星ギアの歯谷部と前記係止エッジ部との係合が解除されることにより、当該遊星ギアが転動可能になり、前記アウタ部材と前記インナ部材との相対回転を許し、前記アウタ部材と前記インナ部材との駆動連結を切り離す、内接歯車式のワンウェイクラッチであって、
    前記複数の遊星ギアと各々の前記遊星ギアに対応する複数の前記係止エッジ部との位相関係が略同一であり、且つ前記遊星ギアに作用する重力よりも前記遊星ギアと前記内歯車間に作用する保持力が上回る吸着手段を有することを特徴とするワンウェイクラッチ。
  3. 前記内歯車の歯数が偶数であることを特徴とする請求項2に記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記複数の遊星ギア及び該遊星ギアを各々受容する複数の前記凹部を前記インナ部材の軸線方向にずらして配置したことを特徴とする請求項2または3に記載のワンウェイクラッチ。
  5. 内周部に内歯車を有する筒状のアウタ部材と、前記内歯車の内側空間に回転自在に設けられ、外周部に係止エッジ部を形成された複数の凹部を有するインナ部材と、前記複数の凹部の各々に転動可能に受容されて前記内歯車に噛合する複数の遊星ギアとを有し、前記インナ部材が前記アウタ部材に対して一方の側に回転するときには、当該回転に伴って前記遊星ギアの歯谷部に前記係止エッジ部が係合することにより、当該遊星ギアが転動不能になって前記アウタ部材と前記インナ部材とを駆動連結し、前記インナ部材が前記アウタ部材に対して他方の側に回転するときには、当該回転に伴って前記遊星ギアの歯谷部と前記係止エッジ部との係合が解除されることにより、当該遊星ギアが転動可能になり、前記アウタ部材と前記インナ部材との相対回転を許し、前記アウタ部材と前記インナ部材との駆動連結を切り離す、内接歯車式のワンウェイクラッチであって、
    前記複数の遊星ギアと各々の前記遊星ギアに対応する複数の係止エッジ部との位相関係が異なり、且つ前記遊星ギアに作用する重力を、前記遊星ギアと前記内歯車との間に作用する保持力が上回る吸着手段を有することを特徴とするワンウェイクラッチ。
  6. 前記内歯車の歯数が奇数であることを特徴とする請求項5に記載のワンウェイクラッチ。
  7. 前記複数の遊星ギア及び該遊星ギアを各々受容する複数の前記凹部を前記インナ部材の軸線方向にずらして配置したことを特徴とする請求項5または6に記載のワンウェイクラッチ。
  8. 前記吸着手段は前記遊星ギアと前記内歯車間に塗布されたグリースであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチ。
  9. 前記吸着手段は前記遊星ギアと前記内歯車間の磁気吸引力によることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチ。
  10. 前記遊星ギア及び前記内歯車を互いに磁気吸引力が作用する材料を含んで形成したことを特徴とする請求項9に記載のワンウェイクラッチ。
  11. 前記アウタ部材は、前記インナ部材との間で前記遊星ギアを封入する封入口と、前記封入口側の端部において、前記インナ部材が摺動する摺動部と、前記インナ部材の軸線方向に沿って、前記摺動部に対して、前記遊星ギアが封入される側とは反対側に延びる延長部を有することを特徴とする請求項8に記載のワンウェイクラッチ。
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