JP6677958B2 - 気相成長装置における汚染部品のドライ洗浄装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、ウエット洗浄では、母材までエッチングしてしまい炉内部品の寿命が低下してしまう、あるいは洗浄液の処分が困難であるといったデメリットがあった。これらの欠点を改善するために、塩素等のエッチングガスを用いて炉内部品から生成物を除去するドライ洗浄装置が開発されている。
特許文献1は、エッチングガスに塩素を用いている。Gaを含んだ半導体を量産するための気相成長装置の炉内部品に積層する生成物の主成分はGaNであるから、エッチングガスに塩素を用いたドライ洗浄装置内にて起こっている反応は以下式によって表せる。
GaN+Cl2=GaClx+Ny
なお、生成物と反応した塩化ガリウムは有害成分を有しているため、反応炉の下流側に設けた排気管を経由して無害化処理装置に送られて無害化処理が行われる。
また、特許文献1の装置では、ガス導入口と反応炉内の構造を工夫することによって、エッチングガスと洗浄物の接触時間が長くなるようにしている。つまり、少ないエッチングガスによって効率的に生成物をエッチングするため、エッチングガスが反応炉内に滞在する時間を延ばしているのである。しがたって、エッチングガスの流量が少ないほど洗浄効率が上がると言える。しかし、一方においてエッチングガスの流量(希釈ガスの流量を含む)流量が少ないと、排気側への熱輸送するための物質が少なくなり、排気管に排気されたときに排気ガスが冷えてしまい、排気ガス中の塩化ガリウムが排気配管内にて凝固し、配管閉塞の原因になるという問題がある。
本実施の形態の気相成長装置における汚染部品のドライ洗浄装置1(以下、「ドライ洗浄装置1」という)を図1に基づいて説明する。
ドライ洗浄装置1は、汚染部品3を収容して反応を行う反応炉5と、反応炉5に洗浄ガスとしてエッチングガスを供給する洗浄ガス供給管7と、反応炉5で生成された反応生成物ガスを排気する排気管9と、反応炉5を加熱する加熱手段11と、排気管9に排気されるガス温度を高めるための熱輸送ガスを供給する熱輸送ガス供給管13とを備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
反応炉5は、汚染部品3が収容されて洗浄ガスと汚染部品3に積層している生成物とが反応を行うための室である。
反応炉5は、例えば特許文献1で示されたような円筒状の反応管によって形成され、内部には汚染部品3が支持されて載置される支持台等(図示なし)が設置される。
洗浄ガス供給管7は、塩素系のエッチングガスを供給するエッチングガス供給管7aと、エッチングガスを所望の濃度に希釈するための希釈ガスを供給する希釈ガス供給管7bで構成されている。
エッチングガス供給管7a及び希釈ガス供給管7bのそれぞれには図示しない流量調整装置が設けられて、それぞれ所望の流量(F1、F2)に調整される。
排気管9は、反応炉5で生成された反応生成物ガスを排気するものであり、一端側が反応炉5に連通し、他端側が排気ガスを無害化処理するための無害化処理装置19に連通している。
排気管9には、排気管9内のガス温度を検出するための温度検出器15が設置されている。
加熱手段11は、反応炉5を加熱するものであり、例えば反応管の外周を覆うように設置された加熱装置により構成され、反応炉5内を500〜1000℃の範囲内で任意に設定された温度まで加熱する。
熱輸送ガス供給管13は、排気管9に排気されるガス温度を高めるための熱輸送ガスを供給するためのものである。
熱輸送ガス供給管13の一端側は希釈ガス供給源と連通し、他端側が排気管9に接続されている。したがって、本実施の形態の熱輸送ガス供給管13には、希釈ガスと同じガスが熱輸送ガスとして流れる構成である。
なお、熱輸送ガスは希釈ガスと同じガスであることは必須ではないが、希釈ガスと同様に、窒素、水素、ヘリウム、アルゴン、空気などの塩素系ガスと反応しない任意のガスの1種又は2種以上の混合ガスを用いることができる。
熱輸送ガス供給管13には、流量調整装置17が設けられており、排気管9に設置された温度検出器15の検出値を入力して、該検出値に基づくフィードバック制御により熱輸送ガス流量を調整できるようになっている。
反応炉5内の支持台に洗浄対象となる汚染部品3を載置し、反応管を密閉する。
次に、加熱手段11によって反応炉5内を500〜1000℃の範囲内で任意に設定された温度まで加熱する。
反応炉5が所定温度に達したら、洗浄ガス供給管7から洗浄ガスを反応炉5内に供給する。
反応炉5内が所定の温度まで加熱されていることで、反応炉5内に供給された洗浄ガスも加熱され、反応炉5内で熱対流を生じる。
なお、反応炉5の温度を500℃以上にするのは、汚染部品3における汚染物に洗浄ガスが接触して生成される反応物(本実施形態の場合には塩化物)を気化して排気するためである。
一方、気化された反応生成物ガスは、熱対流によって汚染部品3の上方に流れ、排気管9に流れ込み、無害化処理装置19に送られる。
排気管9では、反応生成物ガスと熱輸送ガスとが混合されることで混合ガス(流量F4)となる。混合ガス温度は反応生成物ガスの温度よりも上昇するため、塩化ガリウムが析出することなく、凝固物が発生せず配管の詰まりも発生しない。
このため、反応炉5に供給されるエッチングガス流量(F1)や希釈ガス流量(F2)が変動した場合であっても、排気管9を流れる混合ガス温度を所定の温度以上にすることができ、排気管9の閉塞を確実に防止できる。
また、反応炉5を加熱する加熱手段11によって熱輸送ガスを加熱するようにしているので、別途加熱手段11を設ける必要がない。
実施の形態1においては、熱輸送ガス供給管13を反応炉5の外側に配置して加熱手段11で熱輸送ガス供給管13を加熱するようにしたものであった。
これに対して本実施の形態2のドライ洗浄装置21は、図2に示すように、汚染部品3を覆うように設けられて洗浄ガスを滞留させる滞留室23が反応炉5内に設けられており、熱輸送ガス供給管13は熱輸送ガスを反応炉5内における滞留室23の外側に供給するようにしたものである。
なお、図2において、図1と同一部分には同一の符号を付してある。
この点、本実施の形態2では、熱輸送ガス供給管13によって排気管9に排気されるガス温度を高めるための熱輸送ガスを反応炉5内に供給するようにしているので、排気管閉塞の問題は生じない。
換言すれば、本実施の形態2のドライ洗浄装置21では、反応炉5内でのガスの滞留時間を長くすることが可能であることから、効率的な洗浄が可能であり、かつ排気管閉塞の問題も生じないものとなっている。
したがって、混合ガス温度は反応生成物ガス温度よりも上昇することで、実施の形態1と同様に塩化ガリウムが析出することなく、凝固物が発生せず配管の詰まりも発生しない。
実験条件を表1に、実験結果を表2に示す。
3 汚染部品
5 反応炉
7 洗浄ガス供給管
7a エッチングガス供給管
7b 希釈ガス供給管
9 排気管
11 加熱手段
13 熱輸送ガス供給管
15 温度検出器
17 流量調整装置
19 無害化処理装置
21 ドライ洗浄装置(実施の形態2)
23 滞留室
Claims (3)
- 気相成長装置における汚染部品を洗浄する装置であって、汚染部品を収容して反応を行う反応炉と、該反応炉に洗浄ガスを供給する洗浄ガス供給管と、前記反応炉で生成された反応生成物ガスを排気する排気管と、前記反応炉を加熱する加熱手段と、前記排気管に排気されるガス温度を高めるための熱輸送ガスを供給する熱輸送ガス供給管とを備え、
熱輸送ガス供給管は、その管路が前記加熱手段によって加熱されるように配置され、かつ前記熱輸送ガス供給管の熱輸送ガスの供給口を前記排気管に接続したことを特徴とする汚染部品のドライ洗浄装置。 - 気相成長装置における汚染部品を洗浄する装置であって、汚染部品を収容して反応を行う反応炉と、該反応炉に洗浄ガスを供給する洗浄ガス供給管と、前記反応炉で生成された反応生成物ガスを排気する排気管と、前記反応炉を加熱する加熱手段と、前記排気管に排気されるガス温度を高めるための熱輸送ガスを供給する熱輸送ガス供給管とを備え、
前記汚染部品を覆うように設けられて前記洗浄ガスを滞留させる滞留室が前記反応炉内に設けられており、前記熱輸送ガス供給管は前記熱輸送ガスを前記反応炉内における前記滞留室の外側に供給することで前記熱輸送ガスを前記加熱手段によって加熱し、該熱輸送ガスが前記滞留室から排気される洗浄ガスと混合されて混合ガスとして前記排気管に排気されるようにしたことを特徴とする気相成長装置における汚染部品のドライ洗浄装置。 - 前記排気管を流れる排気ガスの温度を検出する排ガス温度検出器と、該排ガス温度検出器の検出値に基づいて前記熱輸送ガス供給管を流れる熱輸送ガスの流量を調整する流量調整装置とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の気相成長装置における汚染部品のドライ洗浄装置。
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