JP6677429B2 - 溶接鋼管及び給油管 - Google Patents
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Description
図1の(A)は、本発明に係る拡管加工性に優れる溶接鋼管1の概略模式図であり、図1の(B)は、図1の(A)における領域Rを左側面視したときの拡大図である。溶接鋼管1は、肉厚が一定な圧延鋼板を管状に丸め、その継目が溶接された鋼製の管であり、電縫鋼管とも呼ばれる。
母材の材質は、鋼からなるものであれば、特に限定されず、普通鋼であってもよいし、ステンレス鋼であってもよい。中でも、めっき、塗装によることなく錆発生を防止でき、長期間にわたって良好な気密性を維持できることから、母材の材質は、ステンレス鋼であることが好ましい。
溶接部2には、ビードカットが施されている。このビードカットにより、溶接部2の厚さが調整され、溶接部2の破壊強度が適度な範囲内に調整されている。
通常、溶接部2に隣接する母材の領域には、溶接入熱の影響を受けた熱影響部3が形成される。母材は、熱影響部3と、その外側に位置する溶接入熱の影響を受けていない母材部4とを含む。
以下、好適なビードカットの範囲について説明する。好適なビードカットの範囲は、評価値(F)を用いて規定される。
図2及び図3を参照しながら、本実施形態における破壊強度を求める測定法について説明する。
図4を参照しながら、ΔFと、溶接部2の中央Oから測定位置までの管周方向Cの距離(d)との積(ΔF×d)の総和の求め方を説明する。
本実施形態に記載の溶接鋼管1の用途は、特に限定されるものでないが、気密性及び加工性に優れる点で、給油管として用いられることが好ましい。
はない。
図6に示すとおり、ビードカットの形状がそれぞれ異なる4種類の溶接鋼管1について、溶接鋼管を拡管加工したときの溶接鋼管1の加工割れの程度を評価した。
供試材は、外径が25.4mmであり、板厚が0.8mmであるステンレス鋼レーザー溶接鋼管である。厚さ一定のステンレス鋼板を管状に丸め、その継目をレーザー溶接した。レーザー溶接後の溶接部2の幅は、2mmとした。
[母材部4のビッカース硬さの測定]
試験例1−1について、図7に示すように、溶接部2の中央Oから管周方向Cの時計回りに+90°離れた位置P1と、溶接部2の中央Oから管周方向Cの時計回りに−90°離れた位置(溶接部2の中央Oから管周方向Cの反時計回りに90°離れた位置)P2との2箇所でビッカース硬さを測定した。ビッカース硬さの測定法は、JIS Z2244:2009にしたがい、ビッカース荷重は、0.1kgとした。その結果、P1及びP2でのビッカース硬さの平均値は、157HVであった。このビッカース硬さを、母材部4のビッカース硬さとした。
試験例1−1について、溶接部2の中央Oから0.3mm間隔でビッカース硬さを測定した。結果を図8に示す。
溶接部2の中央Oのビッカース硬さは、202HVであり、溶接部2のビッカース硬さは、母材部4のビッカース硬さに対して1.29倍であった。
図6に戻る。素管(試験例1−1)の内面側に、図5の(B)〜(D)に示す形状のビードカット(アンダービードカット)を施し、試験例1−2〜1−4の溶接鋼管1を得た。
試験例1−1〜1−4について、溶接部2及び熱影響部3における破壊強度を比較するため、試験例1−1〜1−4のそれぞれについて、溶接部2及び熱影響部3の板厚及びビッカース硬さを測定した。結果を図9〜図13に示す。
試験例1−1〜1−4の溶接鋼管1をそれぞれ10本ずつ準備した。そして、それぞれの溶接鋼管1について、図14に示す寸法のポンチ20を溶接鋼管1の一端に圧入し、溶接鋼管1を拡管し、加工割れの状態を確認した。拡管するにあたり、潤滑油としてプレス油を用いた。
試験例1での供試材は、外径が25.4mmであり、板厚が0.8mmであるステンレス鋼レーザー溶接鋼管であった。試験例2では、供試材を、外径が25.4mmであり、板厚が0.8mmである機械構造用炭素鋼高周波溶接鋼管として、試験例1と同様の評価を行った。
厚さ一定の機械構造用炭素鋼板を管状に丸め、その継目を高周波溶接した。高周波溶接後の溶接部2の幅は、2mmとした。
[母材部4のビッカース硬さの測定]
試験例2−1について、試験例1と同様の手法にて母材部4のビッカース硬さを測定した。その結果、P1及びP2でのビッカース硬さの平均値は、112HVであった。このビッカース硬さを、母材部4のビッカース硬さとした。
試験例2−1について、溶接部2の中央Oから0.3mm間隔でビッカース硬さを測定した。結果を図15に示す。
溶接部2の中央Oのビッカース硬さは、HV201であり、溶接部2のビッカース硬さは、母材部4のビッカース硬さに対して1.79倍であった。
試験例1と同様、素管(試験例2−1)の内面側に、図6の(B)〜(D)に示す形状のビードカット(アンダービードカット)を施し、試験例2−2〜2−4の溶接鋼管1を得た。試験例2−1〜2−4の板厚(mm)と管周方向Cの距離(d)との関係は、図9と同様であった。
試験例2−1〜2−4について、試験例1と同様の手法にて溶接部2及び熱影響部3のビッカース硬さを測定した。そして、図9で示した板厚と、ビッカース硬さの測定結果とを用いて、溶接部2及び熱影響部3の破壊強度(Fs)を計算した。結果を図16〜図19に示す。
2 溶接部
3 熱影響部
4 母材部
Claims (6)
- 母材が鋼からなり、ビードカットされた溶接部を含む溶接鋼管であって、
前記母材は、前記溶接部に隣接する熱影響部と、前記熱影響部の外側に位置する母材部とを含み、
前記溶接部、前記熱影響部及び前記母材部において測定された板厚(単位mm)とビッカース硬さ(単位HV)との積をその測定位置での破壊強度であるとして0.3mm間隔おきに破壊強度を測定したとき、
前記溶接部及び前記熱影響部の破壊強度(Fs)と前記母材部の破壊強度(Fm)との差(ΔF)に0.3mmを掛けた積(ΔF×0.3)の総和を、前記溶接部および前記熱影響部における管周方向の距離(D)で除した評価値(F)は、0以上25未満であり、
前記熱影響部の破壊強度が前記母材部の破壊強度よりも大きい、
拡管加工性に優れる溶接鋼管。 - 母材がステンレス鋼からなり、ビードカットされた溶接部を含む溶接鋼管であって、
前記母材は、前記溶接部に隣接する熱影響部と、前記熱影響部の外側に位置する母材部とを含み、
前記溶接部、前記熱影響部及び前記母材部において測定された板厚(単位mm)とビッカース硬さ(単位HV)との積をその測定位置での破壊強度であるとして0.3mm間隔おきに破壊強度を測定したとき、
前記溶接部及び前記熱影響部の破壊強度(Fs)と前記母材部の破壊強度(Fm)との差(ΔF)に0.3mmを掛けた積(ΔF×0.3)の総和を、前記溶接部および前記熱影響部における管周方向の距離(D)で除した評価値(F)は、0以上10未満である、
拡管加工性に優れる溶接鋼管。 - 前記母材が普通鋼からなり、前記評価値が0以上25未満である、請求項1に記載の拡管加工性に優れる溶接鋼管。
- 前記熱影響部の破壊強度が前記母材部の破壊強度よりも大きい、請求項2に記載の拡管加工性に優れる溶接鋼管。
- 前記熱影響部の少なくとも一部がビードカットされている、請求項1〜4のいずれかに記載の拡管加工性に優れる溶接鋼管。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の溶接鋼管を含み、
前記溶接鋼管の一端の内径は、前記溶接鋼管の他端の内径に比べて70%以上大きく、
前記一端には、給油口が設けられ、
前記他端には、給油タンクが接続される、給油管。
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JP2016059962A JP6677429B2 (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | 溶接鋼管及び給油管 |
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