JP6675844B2 - 可塑剤、該可塑剤を含有する熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品 - Google Patents

可塑剤、該可塑剤を含有する熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品 Download PDF

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Description

本発明は可塑剤、該可塑剤を含有する熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品に関するものである。
従来、可塑剤を配合した熱可塑性樹脂組成物の成形品が、様々な用途に使用されている。熱可塑性樹脂組成物に配合される代表的な可塑剤としてはアセチル化グリセリンエステルを用いたものが知られている。
アセチル化グリセリンエステルを用いた可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂にグリセリンエステルを添加してなる熱可塑性樹脂組成物であって、グリセリンエステルを構成するアシル基が、炭素数2のアシル基及び炭素数10〜14を主成分とするアシル基とからなり、炭素数2のアシル基はグリセリン1モルに対して平均2モル以下、炭素数10〜14を主成分とするアシル基はグリセリン1モルに対して平均0.9モル以上で且つアシル基の総量がグリセリン1モルに対して平均2.7〜3.0モルであるグリセリンエステルを添加してなる熱可塑性樹脂組成物(特許文献1参照)、グリセリン1モルに対し、酢酸から形成されたアシル基0.3〜1.5モル、酪酸から形成されたアシル基0.3〜1.5モル及び炭素原子数10以上の脂肪族カルボン酸から形成されたアシル基0.8〜1.5モルを有するトリアシルグリセライド組成物からなり、かつ、ヨウ素価が50以上である、塩化ビニル系樹脂用可塑剤(特許文献2参照)、i)熱可塑性ポリマーii)グリセリンエステルを含む組成物であって、グリセリンエステルを構成するアシル基のうち少なくとも1つが、2〜6個の炭素原子を有するアシル基(短いアシル基)であり、グリセリンエステルを構成するアシル基の少なくとも1つは、10〜20個の炭素原子を有する飽和鎖及び親水性分枝基からなる分枝鎖アシル基(長いアシル基)である、組成物(特許文献3参照)、アセチル化グリセリンエステルを含む第一の可塑剤と、第二の可塑剤とを含む、組成物(特許文献4参照)、などが開示されている。
このように、上記の可塑剤が開示されてはいるものの、各メーカーが、可塑剤に求められる基本的性能(すなわち、揮発性が低く、引張性及び透明性に優れた熱可塑性樹脂組成物の成形品が得られること)を有する新規な可塑剤の開発に、日々切磋琢磨しているのが実情である。
特開昭58−32647号公報 特開平11−349765号公報 特表2003−507553号公報 特表2013−506734号公報
本発明の目的は、揮発性が低く、引張性及び透明性に優れた熱可塑性樹脂組成物の成形品が得られる新規な可塑剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、2種以上のアセチル化グリセリンエステルの混合物が特定の条件を満たす場合に、当該混合物を可塑剤として用いることにより、上記課題が解決されることを見出した。本発明者は、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記の(1)〜(3)からなっている。
(1)2種以上のアセチル化グリセリンエステルの混合物を含有する可塑剤であって、該混合物が下記条件(A)〜(E)を満たすことを特徴とする可塑剤。
(A)下記値(a)の平均値が5質量%以上である。
(B)下記値(b)の平均値が50質量%未満である。
(C)下記値(c)の平均値が1以上である。
(D)下記値(d)の平均値が2以下(ただし、0を除く)である。
(E)下記値(c)の平均値と、下記値(d)の平均値の合計が2.7〜3である。
〔前記条件(A)〜(E)における「平均値」は、前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルの含有量(質量%)で重み付けした加重平均値である。〕
値(a)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基100質量%中の不飽和アシル基の含有量
値(b)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基100質量%中の炭素数12以下のアシル基の含有量
値(c)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基(AC8〜22)と、グリセリン(G)とのモル比(AC8〜22/G)
値(d)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数2のアシル基(AC)と、グリセリン(G)とのモル比(AC/G)
(2)上記(1)に記載の可塑剤を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(3)上記(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
本発明の可塑剤は揮発性が低く、本発明の可塑剤を配合した熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品は、引張性及び透明性に優れている。
本発明で用いられるアセチル化グリセリンエステルは、グリセリンのエステル化合物であって、該エステル化合物の構成アシル基中に、炭素数2のアシル基(アセチル基)を有するものである。該アセチル化グリセリンエステルとしては、例えばグリセリンモノカプリル酸ジ酢酸エステル、グリセリンモノカプリン酸ジ酢酸エステル、グリセリンモノラウリン酸ジ酢酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸ジ酢酸エステル、グリセリンモノオレイン酸ジ酢酸エステルなどが挙げられる。
本発明で用いられるアセチル化グリセリンエステルのうち、少なくとも1種は、構成アシル基中に炭素数8〜22のアシル基を有する。炭素数8〜22のアシル基としては、飽和アシル基としては、例えばオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基などが挙げられ、不飽和アシル基としては、例えばヘキサデセニル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、オクタデカトリエニル基、イコセニル基、イコサジエニル基、イコサトリエニル基、イコサテトラエニル基、ドコセニル基、ドコサジエニル基、ドコサトリエニル基、ドコサテトラエニル基、ドコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基などが挙げられる。
本発明で用いられるアセチル化グリセリンエステルの製造方法としては特に制限はないが、例えば、グリセリンとグリセリントリアシルエステルとのエステル交換反応や、グリセリンとカルボン酸とのエステル化反応により、グリセリンモノアシルエステルを含有する混合物を得た後、蒸留や溶剤分別やクロマトグラフィーなどで精製することにより未反応のグリセリンや、グリセリントリアシルエステルなどを除去し、得られたグリセリンモノアシルエステルと、無水酢酸とのエステル化反応を行うことにより製造する方法が挙げられる。
本発明の可塑剤は、2種以上のアセチル化グリセリンエステルの混合物を含有する可塑剤であって、該混合物が下記条件(A)〜(E)を満たすものである。
(A)下記値(a)の平均値が5質量%以上(好ましくは30質量%以上)である。
(B)下記値(b)の平均値が50質量未満(好ましくは40質量%未満)である。
(C)下記値(c)の平均値が1以上である。
(D)下記値(d)の平均値が2以下(ただし、0を除く)である。
(E)下記値(c)の平均値と、下記値(d)の平均値の合計が2.7〜3である。
値(a)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基100質量%中の不飽和アシル基の含有量(以下「不飽和アシル基の含有量」という)
値(b)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基100質量%中の炭素数12以下のアシル基の含有量(以下「炭素数12以下のアシル基の含有量」という)
値(c)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基(AC8〜22)と、グリセリン(G)とのモル比(AC8〜22/G)
値(d)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数2のアシル基(AC)と、グリセリン(G)とのモル比(AC/G)
なお、前記条件(A)〜(E)における「平均値」は、前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルの含有量(質量%)で重み付けした加重平均値である。
本発明の可塑剤には、2種以上のアセチル化グリセリンエステルの混合物以外にも、本発明の効果を阻害しない範囲で公知の添加剤が含まれていても良い。該添加剤としては、例えば安定剤、滑剤、酸化防止剤、スリップ剤、核剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、帯電防止剤、充填剤などが挙げられる。
本発明の可塑剤の製造方法に特に制限はないが、例えば混合物が条件(A)〜(E)を満たすように2種以上のアセチル化グリセリンエステルを原材料として選択し、これらを均一に混合することにより得ることができる。なお、原材料として用いる各アセチル化グリセリンエステルの構造が明らかであれば、該アセチル化グリセリンエステルについての値(a)〜(d)は、その構造に基づき直ちに求められる。しかし、その構造が明らかでない場合は、下記の方法に従い測定を実施することにより値(a)〜(d)を算出することができる。
(1)値(a)(不飽和アシル基の含有量)及び値(b)(炭素数12以下のアシル基の含有量)の算出方法
試料をメタノール−塩酸によりメチルエステル化し、ヘキサンにてメチルアシレートを抽出し、GLC(型式:GC−14A;島津製作所社製、検出器:FID、パックドカラム:内径3mm×1m、充填剤:Silicone OV−1)により各アシル基の質量比を求めることにより、算出することができる。
(2)値(c)[モル比(AC8〜22/G)]及び値(d)[モル比(AC/G)]の算出方法
試料のケン化価(SV)、酸価(AV)、水酸基価(OHV)を測定し、まず、次式より、値(c)[モル比(AC8〜22/G)]と値(d)[モル比(AC/G)]の合計を算出する。
値(c)[モル比(AC8〜22/G)]と値(d)[モル比(AC/G)]の合計={(SV−AV)×3}/(OHV+SV−AV)
ここで、ケン化価(SV)、酸価(AV)及び水酸基価(OHV)は、「基準油脂分析試験法(I)」(社団法人 日本油化学会編)の[2.3.2−1996 ケン化価]、[2.3.1−1996 酸価]及び[2.3.6−1996 ヒドロキシル価]に準じて測定される。
次に、算出した合計に対して、上記(1)のGLCを用いた分析により求めた炭素数8〜22のアシル基と、炭素数2のアシル基の質量比を乗ずることにより、値(c)[モル比(AC8〜22/G)]及び値(d)[モル比(AC/G)]のそれぞれの値を算出することができる。
本発明の可塑剤を含有する熱可塑性樹脂組成物も、本発明の形態の一つである。可塑剤を配合する熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエレン系樹脂(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂(結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−A−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−A−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体成分又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレン及び/又はA−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体など)、メチルペンテンポリマー、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、ポリP−メチルスチレン、ポリA−メチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリルロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、特殊アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリルロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体など)、ポリブタジエン系樹脂(ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、耐衝撃性ポリスチレンなど)、塩化ビニル系樹脂(塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体など)、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、脂肪族ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート−アジペート、ポリヒドロキシアルカネートなど)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体などが挙げられ、本発明の効果の発揮しやすさの点から、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂及び脂肪族ポリエステル系樹脂が好ましい。
本発明の可塑剤の熱可塑性樹脂に対する配合量に特に制限はないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して好ましくは1〜200質量部、さらに好ましくは10〜100質量部である。
本発明の可塑剤を熱可塑性樹脂に配合する方法としては、熱可塑性樹脂に可塑剤を均一に練り込む方法であれば特に制限はなく、例えば、らいかい機、ホットブレンダー、バンバリーミキサー、一軸押出機及び二軸押出機などを用いて練り込んで配合する方法などが挙げられる。具体的には、例えば、二軸押出機で熱可塑性樹脂と可塑剤を100〜200℃で1〜10分間混練することにより、可塑剤を熱可塑性樹脂に配合することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品も、本発明の形態の一つである。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形、吹込成形、真空成形、カレンダー成形、ペースト加工などの種々の成形加工手段に供して任意の形状の成形品として使用することができる。これら成形品の用途としては、例えばフィルム・シート・袋などの包装材料、電線被覆材、ホース、靴・手袋・消しゴムなどの日用品、ボトル・タンクなどの容器、ハウス・トンネルなどの農業用資材、帆布、レザー、布類、玩具、壁紙、床材、防錆コーティング材などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
<アセチル化グリセリンエステルの作製>
[製造例1]
水銀温度計、窒素導入管、還流管、撹拌棒を備えた1000mL4ツ口フラスコ中にグリセリンモノオレイン酸エステル(製品名:リケマールXO−100;理研ビタミン社製)440g(1.0モル)を仕込み、窒素を0.5mL/分で流し、撹拌しながら120℃まで昇温した。ここに、無水酢酸204g(2.0モル)を滴下して加えて、120℃で1時間反応し、反応終了後、還流管を外して、アスピレーターにつなぎ替え、減圧下で脱酸を行った。酢酸の留出が止まった後、窒素導入管より水蒸気を吹き込み、水蒸気蒸留をして低沸点物を除去した。水蒸気の吹き込みを止めたのち、減圧下で1時間乾燥を行い、グリセリンモノオレイン酸ジ酢酸エステル(アセチル化グリセリンエステル1)を得た。
[製造例2]
製造例1において、グリセリンモノオレイン酸エステルに替えて、グリセリンモノラウリン酸エステル(製品名:ポエムM−300;理研ビタミン社製)358g(1.0モル)を用いた以外は、製造例1と同様の操作を行い、グリセリンモノラウリン酸ジ酢酸エステル(アセチル化グリセリンエステル2)を得た。
[製造例3]
製造例1において、グリセリンモノオレイン酸エステルに替えて、グリセリンモノパルミチン酸エステル(製品名:ポエムP−100S;理研ビタミン社製)414g(1.0モル)を用いた以外は、製造例1と同様の操作を行い、グリセリンモノパルミチン酸ジ酢酸エステル(アセチル化グリセリンエステル3)を得た。
<可塑剤の作製>
(1)原材料
1)アセチル化グリセリンエステル1〜3
2)ジアセチン(製品名;和光純薬工業社製)
3)トリアセチン(製品名:DRA−150;ダイセル社製)
4)菜種白絞油(製品名;辻製油社製)
5)グリセリンモノパルミチン酸エステル(製品名:ポエムP−100S;理研ビタミン社製)
ここで、上記原材料の値(a)〜(d)を表1及び2に示す。
Figure 0006675844
Figure 0006675844
(2)配合
上記原材料を用いて作製した可塑剤の配合を表3及び4に示す。このうち、表3の可塑剤1〜3は本発明に係る実施例であり、表4の可塑剤4〜9は、それらに対する比較例である。
Figure 0006675844
Figure 0006675844
(3)作製
表3及び4の配合の等倍量の原材料を、ビーカーに入れて均一に撹拌することにより、可塑剤1〜3、5、6、8及び9を得た。可塑剤4及び7は、原材料が1種類のみであるため、該原材料そのものを可塑剤とした。
得られた可塑剤1〜9における、条件(A)〜(E)における含有量又はモル比の平均値(可塑剤に含有される各アセチル化グリセリンエステルの含有量(質量%)で重み付けした加重平均値)を表5及び6に示す。
Figure 0006675844
Figure 0006675844
<ポリ塩化ビニル樹脂組成物及び該組成物の成形品の作製>
(1)原材料
1)ポリ塩化ビニル樹脂(製品名:ZEST 1000S;新第一塩ビ社製)
2)可塑剤1〜9
3)安定剤(製品名:アデカスタブSC−320;ADEKA社製)
(2)配合
上記原材料を用いて作製したポリ塩化ビニル樹脂組成物及び該組成物の成形品1〜11の配合を表7及び8に示す。このうち、表7の成形品1〜5は本発明に係る実施例であり、表8の成形品6〜11は、それらに対する比較例である。
Figure 0006675844
Figure 0006675844
(3)作製
表7及び8の配合の等倍量の原材料を、らいかい機により、1時間混練した後、ホットブレンダーにて100℃で3分間混練しポリ塩化ビニル樹脂組成物を得た。得られたポリ塩化ビニル樹脂組成物をオープンロール(大阪ロール機製作所社製)にて155℃、5分間混練しシートを得た後、さらにプレス成形機(型式:AYSR−5;神藤金属工業所社製)にて160℃5分間圧縮成形し、1mm厚のシート状のポリ塩化ビニル樹脂組成物の成形品1〜11を得た。
<試験>
得られたポリ塩化ビニル樹脂組成物の成形品1〜11につき、下記(1)〜(3)の試験を行い、引張性、透明性及び揮発性につき、評価した。結果を表9に示す。
(1)引張性試験
試験はJIS K−7113に基づいて行った。試験片は得られたポリ塩化ビニル樹脂組成物の成形品1〜11を打ち抜いて1号試験片を作製し用いた。作製した試験片は23℃、湿度50%RHの条件下に1日保存したものを試験に供した。試験機器としてはオリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC−1310を用いた。つかみ具間距離は120mm、試験速度は200mm/分の条件とした。
評価は、100%モジュラスが10MPA未満かつ試験片破断時の引張伸びが250%以上の場合○、100%モジュラスが10MPA未満もしくは試験片破断時の引張伸びが250%以上の場合△、100%モジュラスが10MPA以上かつ試験片破断時の引張伸びが250%未満の場合×として評価した。
(2)透明性試験
得られたポリ塩化ビニル樹脂組成物の成形品1〜11を広げ、光源にかざして観察し、透明性を評価した。透明の場合○、やや白濁の場合△、白濁の場合×として評価した。
(3)揮発性試験
得られたポリ塩化ビニル樹脂組成物の成形品1〜11を100mm×100mmに切り取り、100℃ギアオーブン(型式:GPHH−201;エスペック社製)中6時間前後の質量減少を測定した。質量減少0.5%未満の場合○、質量減少0.5%以上の場合×として評価した。
Figure 0006675844
結果より、可塑剤1〜3を用いた本発明の成形品1〜5は引張性、透明性及び揮発性の全てにおいて優れていた。一方、可塑剤4〜9を用いた成形品6〜11は、引張性、透明性及び揮発性のうち少なくとも一つの項目において「△」以下の評価であり、本発明のものに比べて劣っていた。
<ポリ乳酸樹脂組成物及び該組成物の成形品の作製>
ギアオーブン(型式:GPHH−201;エスペック社製)を用いて、110℃、5時間の加熱乾燥処理を施したポリ乳酸樹脂(製品名:INGEO 4032D;ネイチャーワークス社製)100gに対し、可塑剤1、6のいずれかを15gと、ステアリン酸アミド1.0gを添加し、ストランドダイを備えた二軸押出機(型式:MFU−15TW;テクノベル社製)にて190℃で混練することによりポリ乳酸樹脂組成物を得た後、さらに押出し、ストランドを切断してペレットを作製した。作製したペレットをTダイを備えた単軸押出機にて200℃で押出し、1mm厚のシート状のポリ乳酸樹脂組成物の成形品13及び14を得た。このうち、表10の成形品13は本発明に係る実施例であり、成形品14は、それに対する比較例である。
<試験>
ポリ塩化ビニル樹脂組成物の成形品について実施した前記の試験と同一の試験を行い、引張性、透明性及び揮発性につき、評価した。結果を表10に示す。
Figure 0006675844
結果より、可塑剤1を用いた本発明の成形品13は引張性、透明性及び揮発性の全てにおいて優れていた。一方、可塑剤6を用いた成形品14は、引張性、透明性及び揮発性のうち少なくとも一つの項目において「△」以下の評価であり、本発明のものに比べて劣っていた。

Claims (3)

  1. 2種以上のアセチル化グリセリンエステルの混合物を含有する可塑剤であって、該混合物が下記条件(A)〜(E)を満たすことを特徴とする可塑剤。
    (A)下記値(a)の平均値が5質量%以上である。
    (B)下記値(b)の平均値が50質量%未満である。
    (C)下記値(c)の平均値が1以上である。
    (D)下記値(d)の平均値が2以下(ただし、0を除く)である。
    (E)下記値(c)の平均値と、下記値(d)の平均値の合計が2.7〜3である。
    〔前記条件(A)〜(E)における「平均値」は、前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルの含有量(質量%)で重み付けした加重平均値である。〕
    値(a)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸及びアセチル化脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選ばれるカルボン酸から誘導されるアシル基を除く)100質量%中の不飽和アシル基の含有量
    値(b)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸及びアセチル化脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選ばれるカルボン酸から誘導されるアシル基を除く)100質量%中の炭素数12以下のアシル基の含有量
    値(c)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数8〜22のアシル基(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸及びアセチル化脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選ばれるカルボン酸から誘導されるアシル基を除く)(AC8〜22)と、グリセリン(G)とのモル比(AC8〜22/G)
    値(d)前記混合物に用いられる各アセチル化グリセリンエステルを構成する炭素数2のアシル基(AC)と、グリセリン(G)とのモル比(AC/G)
  2. 請求項1に記載の可塑剤を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
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