JP2004359892A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【目的】熱可塑性及び/または生分解性のポリエステル樹脂に対して、耐熱性、相溶性、可塑性に優れかつ生分解性の良好な特定の可塑剤を配合することにより、優れた加工性、可塑性、強度を有したリサイクル性が良好なポリエステル樹脂を与え、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性においても良好となりうるポリエステル樹脂を与える。
【構成】ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを可塑剤として添加する。
【構成】ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを可塑剤として添加する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、熱可塑性及び/または生分解性のポリエステル樹脂に対して、耐熱性、相溶性、可塑性に優れ、且つ生分解性の良好な特定の可塑剤を配合することにより、優れた加工性、可塑性、強度を有することでリサイクル性に優れたポリエステル樹脂を与え、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性においても良好なポリエステル樹脂を与える樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明性と柔軟性に優れた熱可塑性樹脂としては、軟質塩ビやポリオレフィン等の樹脂が普及してきた。ところが、これらの汎用樹脂は自然環境中で分解しないものが多いため、使用後に埋設処理された場合は半永久的に土中に残存するものとなり、また焼却処理された場合には、焼却時の燃焼熱が大きくなったり、燃焼時にダイオキシン等の有害物質が問題になってくるなど、使用後の廃棄物についての処理問題が大きな社会問題となっている。
【0003】
これに対し、近年自然環境保護の見地から、熱可塑性でありリサイクル性において優れるポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)系のポリエステル樹脂や自然環境中で分解するポリ乳酸系樹脂等の生分解性のポリエステル樹脂が容器、包装等の用途でよく使用されるようになってきている。一般にポリエステル系樹脂は、その高い結晶性のためにフィルムやシート等への応用には柔軟性が不足するため、ポリエステル系樹脂を加工しやすくする目的や成形品に柔軟性を付与させる目的で可塑剤の使用が検討されている。ところが、一般にポリエステル樹脂を代表するこれらのPET系樹脂またはポリ乳酸系樹脂はガラス転移点及び融点が高いために加工時の温度が高く、通常この樹脂に配合される添加物は分解点付近のものが多いため、これらのポリエステル系樹脂に対して相溶性と耐熱性の両者を満足する可塑剤は未だ見出されていないのが現状である。
【0004】
また近年自然環境保護の面から、使用済みのPET系樹脂またはポリ乳酸系樹脂等のポリエステル系樹脂を回収し、リサイクルして使用する動きが高まってきている。ところが、PET系樹脂またはポリ乳酸系樹脂等のポリエステル樹脂に使用されている可塑剤は一般に耐熱性が悪く、可塑剤自体の分解によりリサイクルして使用する際に性能が低下し、また更に悪いことには分解した可塑剤がPET系樹脂またはポリ乳酸系樹脂などの樹脂自体の分解を促進し、樹脂本来の物性を損なわせるという問題がある。また、ポリ乳酸系樹脂などの生分解性樹脂については可塑剤そのものが生分解性を有しないものが多いため、自然環境中で分解しにくくなるという問題も見られた。即ち、ポリエステル樹脂等に使用できうる可塑剤においては、リサイクル性に優れ、また生分解性も良好な可塑剤は未だ見出されていないのが現状である。
【0005】
ポリエステル系樹脂に使用される可塑剤としては、トリアセチン(例えば、特許文献1参照。)、炭素数8〜14のアシル基を有するジアセチルモノアシルグリセロール(例えば、特許文献2参照。)、アセチル化率50%以上のジグリセロール酢酸エステル(例えば、特許文献3参照。)、脂肪族ジカルボン酸及び/または鎖状分子ジオールのエステルあるいはそれを主成分とする脂肪族ポリエステル(例えば、特許文献4参照。)、トリブチン又はブチルフタリルブチルグリコレート(例えば、特許文献5参照。)等が開示されているが、いずれも耐熱性が悪いため加工時に可塑剤が揮発し、樹脂への可塑剤残存量が低下するため性能や物性面で問題が生じ、また作業面でも問題となり十分満足できるものではない。また、ジオクチルフタレート等のフタル酸誘導体等(例えば、特許文献6参照。)も開示されているが、環境ホルモン等の問題で安全性が疑問となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−177826号公報(
【0041】〜
【0048】)
【特許文献2】
特開2002−53742号公報(
【0015】〜
【0027】)
【特許文献3】
特開2002−226689号公報(
【0031】〜
【0037】)
【特許文献4】
特開平8−245866号公報(
【0032】〜
【0042】)
【特許文献5】
特開平9−296103号公報(
【0038】〜
【0063】)
【特許文献6】
特開2000−198908号公報(
【0046】〜
【0051】)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性であるポリエステル樹脂または生分解性であるポリエステル樹脂に対して、耐熱性、相溶性、可塑性が良好でリサイクル性に優れ、且つ生分解性の良好な可塑剤を使用することにより、安全性が高く、リサイクル性に優れたポリエステル樹脂を提供し、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性が良好で環境負荷の小さいポリエステル樹脂を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを可塑剤として添加することにより、リサイクル性に優れたポリエステル樹脂とでき、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性が良好なポリエステル樹脂組成物とできることで上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明におけるポリエステル樹脂用可塑剤は、PET系樹脂およびポリ乳酸系樹脂への利用を対象とするが、これらの樹脂に限らずポリエステル系カーボネート等の熱可塑性樹脂やポリカプロラクトン、酢酸セルロース等の生分解性樹脂にも適用可能なものである。なお、ここで使用されるポリエステル樹脂は、その重合度は任意でホモポリマーに限らずコポリマーであってもよく、非晶質のポリエステル系エラストマーであっても良い。ポリエステル樹脂の共重合成分は用途に応じて選択できるが、PET系樹脂等のリサイクル性に優れるポリエステル樹脂に対して種々の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分が使用できる。多価カルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられ、これらは単体でも混合して使用しても良い。多価アルコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。一方、生分解性を有するポリエステル樹脂としては、乳酸の単独共重合体または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸またはラクトンとの共重合体あるいはこれらの組成物が使用できる。乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、またはそれらの混合物であっても良い。また乳酸と併用して用いる他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられ、これらヒドロキシカルボン酸のエステル化合物等の誘導体であっても良い。ラクトンとしてはカプロラクトンが挙げられる。また、ポリブチレンサクシネート、酢酸セルロース、キチン、キトサンあるいはでんぷん等、他の生分解性樹脂を使用しても構わない。
【0010】
本発明の樹脂組成物に使用される可塑剤は、ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いる。本発明に用いられるエステル化率50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステルを単独又は混合物として用いることが可能である。
【0011】
本発明の樹脂組成物に使用される平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルには、炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸である酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸等または分岐鎖飽和脂肪酸であるイソ酪酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、4−エチルペンタン酸、4−プロピルペンタン酸、6−プロピルノナン酸等を混合して使用できる。炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合は、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を除く炭素数3〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸が使用できる。炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用した場合は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの耐熱性が悪くなる。即ち、加工時に可塑剤が発煙し、樹脂への可塑剤残存量が低下するため性能や物性面、作業環境面で問題となる。また、経時安定性が悪くなるという問題があり、即ち経時的にポリグリセリン脂肪酸エステル自体が分解しやすくなり臭気を発したり、分解したポリグリセリン脂肪酸エステルがポリエステル樹脂及び成形品に対して分解を促進させるため問題となる。これらの耐熱性を改良する方法として、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を使用する場合は、炭素数3〜12の直鎖飽和脂肪酸を、または分岐鎖飽和脂肪酸とを混合して使用する。また、炭素数3〜12の直鎖飽和脂肪酸2種類以上かまたは分岐鎖飽和脂肪酸2種類以上、あるいは炭素数3〜12の直鎖飽和脂肪酸と分岐鎖飽和脂肪酸とを混合して使用することができる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は50%以上であることが必要である。ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が50%未満の場合はポリエステル樹脂との相溶性が悪くなったり、ポリエステル樹脂の分解が生じたりする。また、本発明の樹脂組成物に使用されるポリグリセリンは平均重合度が2〜3のポリグリセリンである。ここで平均重合度が4以上のポリグリセリンを使用した場合はポリエステル樹脂との相溶性が悪くなり、十分な可塑効果が得られない。即ち、ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることにより、耐熱性、相溶性、可塑性が良好な可塑剤となる。中でも、ジグリセリンまたはトリグリセリンと炭素数2の直鎖飽和脂肪酸及び炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸とを混合して得られるエステル化率が50%以上のジグリセリン脂肪酸エステルまたはトリグリセリン脂肪酸エステルがより好ましい。
【0012】
本発明の樹脂組成物に配合されるポリグリセリン脂肪酸エステルは生分解性においても良好な性質を示し(例えば、非特許文献1参照。)、ポリ乳酸系樹脂や酢酸セルロース系樹脂等の生分解性ポリエステル系樹脂から得られるフィルム、シート、容器、繊維等の成形品は、生分解性を損なうことがない。また、ポリ乳酸系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等の生分解性ポリエステル樹脂に対し、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを可塑剤として配合して得られる成形品は、耐熱性が良好でリサイクルして使用することも可能であり、且つ生分解性が良好なため、環境負荷が小さく、経済性にも優れたものとなる。また本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルは、リサイクルに使用するPET系樹脂やポリ乳酸系樹脂等の生分解性ポリエステル樹脂等の物性を損ねることが少ない。
【0013】
【非特許文献1】
日本油化学会誌 1999年 第48巻 第7号 p.681〜692
【0014】
本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルのポリエステル樹脂に対する配合量は任意であるが、通常は樹脂に対して5〜50重量%の範囲が好ましい。
【0015】
尚、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明以外の可塑剤を併用しても良く、また可塑剤以外の添加剤として、滑剤、酸化防止剤、安定剤、スリップ剤、防曇剤等を使用する場合においても、本発明の可塑剤の効果を阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0016】
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、通常使用される溶融混練機、成形機等を用いて製造、加工することが可能である。溶融混練機としては、一般には単軸、二軸押出機、バンバリー式、ロール式等が挙げられ、成形機としては押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形等が挙げられる。また、押出機中で溶融された樹脂組成物はシート、フィルム、繊維等へ成形される。
【0017】
いずれの成形加工においても、原料の吸湿には注意が必要であり、予備乾燥と成形中の吸湿対策が重要である。乾燥が不充分であると、加水分解により分子量が低下したり、溶融体が発泡し成形品の外観、物理特性が低下する。成形前の乾燥は、熱風式、真空バキューム式いずれかの方法によって予備乾燥し、且つ成形中は、ホッパードライヤー等によって吸湿を防止することが望ましい。
【0018】
上記方法により得られたシート、フィルム、繊維等は、食品包装用資材や農業用資材や土建・建築用資材、その他の包装用資材、または繊維関係の服飾素材等に対して好適に用いることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】
【実施例1〜4、比較例1〜7】
本実施例の評価試験のポリエステル樹脂としては、PET樹脂、ポリ乳酸樹脂を用いた。110℃、4時間の熱風乾燥処理により水分を除去した後、上記ポリエステル樹脂に対して、表1に示す試験試料の所定量を配合し、二軸押出機を用いて押出ペレットを作成した。このペレットを用いてそれぞれの試験に記載した試験片を作成し、物性評価、相溶性評価、熱安定性評価、生分解性評価、リサイクル性評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
本実施例及び比較例評価した試験方法を次に示す。
【0023】
物性評価:JISK−7113に準じて引張試験評価を行った。尚、評価には1号試験片を使用した。
【0024】
相溶性評価:プレス機により5cm×5cm、厚さ200μmのシートを作成し、温度50℃、湿度50%RHの条件下に1週間保存し、シート表面のブリード状態を観察した。評価は次の様に行った。
○:ブリードなし。
△:僅かにブリードしている。
×:ブリード量が多い。
【0025】
熱安定性評価
揮発:ポリエステル樹脂と可塑剤との混合物をラボプラストミルにて220℃、5分間混練した時の可塑剤の揮発状態を目視により観察した。
○:発煙なし。
×:発煙が認められる。
臭気:ポリエステル樹脂に対して可塑剤を配合して得られた成形品を80℃下に30日間静置した後の成形品の臭気を加温前の成形品と共に官能により評価した。
○:加温前と同程度で殆ど臭気がない。
×:直鎖飽和モノカルボン酸の臭いがする。
【0026】
生分解性評価:ポリエステル樹脂と可塑剤との混合物をフィルム化し、大阪府泉大津市の当社研究所敷地内の地表20cmの土中に埋没し、6ヶ月後のフィルム残存量を観察した。
○:フィルムが消失している。
×:フィルムが一部残っている。
【0027】
リサイクル性評価:ポリエステル樹脂と可塑剤との混合物から得られた成形品を細断し、再溶融を行いペレット化した。得られたペレットを再度同様に溶融後ペレット化し、リサイクル樹脂とした。得られたポリエステル樹脂のリサイクル樹脂30重量部とポリエステル樹脂70重量部とを混合し、110℃、4時間の熱風乾燥処理により水分を除去後、MFRの測定及び80℃下に30日間静置した後の成形品と加温前の成形品の臭気とを官能により評価した。尚、上記ポリエステル樹脂のリサイクル樹脂とポリエステル樹脂との混合物中に含まれる可塑剤量は、リサイクル前のポリエステル樹脂中に含まれる可塑剤量と等量である。
○:MFR、臭気共に同程度である。
×:MFRが低く、且つ加温前に比べて脂肪酸の臭いがする。
【0028】
本実施例及び比較例評価に使用した可塑剤を次に示す。
「試料−1」ジグリセリンテトラカプリル酸エステル
「試料−2」ジグリセリントリカプリル酸モノラウリン酸エステル
「試料−3」ジグリセリンジ酢酸ジ2−エチルヘキサン酸エステル
「試料−4」トリグリセリンテトラ酢酸モノラウリン酸エステル
「試料−5」アセチルクエン酸トリブチル
「試料−6」デカグリセリンデカラウリン酸エステル
「試料−7」ジグリセリンテトラ酢酸エステル
「試料−8」ジグリセリントリステアリン酸エステル
「試料−9」グリセロールジ酢酸モノカプリル酸エステル
「試料−10」トリアセチン
【0029】
【発明の効果】
本発明の耐熱性、相溶性、相溶性に優れ、かつ生分解性の良好な可塑剤を添加することにより、リサイクル性に優れたポリエステル系樹脂製品を供給し、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性も良好となりうるポリエステル系樹脂製品を供給することが可能になる。
【産業上の利用分野】
本発明は、熱可塑性及び/または生分解性のポリエステル樹脂に対して、耐熱性、相溶性、可塑性に優れ、且つ生分解性の良好な特定の可塑剤を配合することにより、優れた加工性、可塑性、強度を有することでリサイクル性に優れたポリエステル樹脂を与え、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性においても良好なポリエステル樹脂を与える樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明性と柔軟性に優れた熱可塑性樹脂としては、軟質塩ビやポリオレフィン等の樹脂が普及してきた。ところが、これらの汎用樹脂は自然環境中で分解しないものが多いため、使用後に埋設処理された場合は半永久的に土中に残存するものとなり、また焼却処理された場合には、焼却時の燃焼熱が大きくなったり、燃焼時にダイオキシン等の有害物質が問題になってくるなど、使用後の廃棄物についての処理問題が大きな社会問題となっている。
【0003】
これに対し、近年自然環境保護の見地から、熱可塑性でありリサイクル性において優れるポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)系のポリエステル樹脂や自然環境中で分解するポリ乳酸系樹脂等の生分解性のポリエステル樹脂が容器、包装等の用途でよく使用されるようになってきている。一般にポリエステル系樹脂は、その高い結晶性のためにフィルムやシート等への応用には柔軟性が不足するため、ポリエステル系樹脂を加工しやすくする目的や成形品に柔軟性を付与させる目的で可塑剤の使用が検討されている。ところが、一般にポリエステル樹脂を代表するこれらのPET系樹脂またはポリ乳酸系樹脂はガラス転移点及び融点が高いために加工時の温度が高く、通常この樹脂に配合される添加物は分解点付近のものが多いため、これらのポリエステル系樹脂に対して相溶性と耐熱性の両者を満足する可塑剤は未だ見出されていないのが現状である。
【0004】
また近年自然環境保護の面から、使用済みのPET系樹脂またはポリ乳酸系樹脂等のポリエステル系樹脂を回収し、リサイクルして使用する動きが高まってきている。ところが、PET系樹脂またはポリ乳酸系樹脂等のポリエステル樹脂に使用されている可塑剤は一般に耐熱性が悪く、可塑剤自体の分解によりリサイクルして使用する際に性能が低下し、また更に悪いことには分解した可塑剤がPET系樹脂またはポリ乳酸系樹脂などの樹脂自体の分解を促進し、樹脂本来の物性を損なわせるという問題がある。また、ポリ乳酸系樹脂などの生分解性樹脂については可塑剤そのものが生分解性を有しないものが多いため、自然環境中で分解しにくくなるという問題も見られた。即ち、ポリエステル樹脂等に使用できうる可塑剤においては、リサイクル性に優れ、また生分解性も良好な可塑剤は未だ見出されていないのが現状である。
【0005】
ポリエステル系樹脂に使用される可塑剤としては、トリアセチン(例えば、特許文献1参照。)、炭素数8〜14のアシル基を有するジアセチルモノアシルグリセロール(例えば、特許文献2参照。)、アセチル化率50%以上のジグリセロール酢酸エステル(例えば、特許文献3参照。)、脂肪族ジカルボン酸及び/または鎖状分子ジオールのエステルあるいはそれを主成分とする脂肪族ポリエステル(例えば、特許文献4参照。)、トリブチン又はブチルフタリルブチルグリコレート(例えば、特許文献5参照。)等が開示されているが、いずれも耐熱性が悪いため加工時に可塑剤が揮発し、樹脂への可塑剤残存量が低下するため性能や物性面で問題が生じ、また作業面でも問題となり十分満足できるものではない。また、ジオクチルフタレート等のフタル酸誘導体等(例えば、特許文献6参照。)も開示されているが、環境ホルモン等の問題で安全性が疑問となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−177826号公報(
【0041】〜
【0048】)
【特許文献2】
特開2002−53742号公報(
【0015】〜
【0027】)
【特許文献3】
特開2002−226689号公報(
【0031】〜
【0037】)
【特許文献4】
特開平8−245866号公報(
【0032】〜
【0042】)
【特許文献5】
特開平9−296103号公報(
【0038】〜
【0063】)
【特許文献6】
特開2000−198908号公報(
【0046】〜
【0051】)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性であるポリエステル樹脂または生分解性であるポリエステル樹脂に対して、耐熱性、相溶性、可塑性が良好でリサイクル性に優れ、且つ生分解性の良好な可塑剤を使用することにより、安全性が高く、リサイクル性に優れたポリエステル樹脂を提供し、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性が良好で環境負荷の小さいポリエステル樹脂を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを可塑剤として添加することにより、リサイクル性に優れたポリエステル樹脂とでき、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性が良好なポリエステル樹脂組成物とできることで上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明におけるポリエステル樹脂用可塑剤は、PET系樹脂およびポリ乳酸系樹脂への利用を対象とするが、これらの樹脂に限らずポリエステル系カーボネート等の熱可塑性樹脂やポリカプロラクトン、酢酸セルロース等の生分解性樹脂にも適用可能なものである。なお、ここで使用されるポリエステル樹脂は、その重合度は任意でホモポリマーに限らずコポリマーであってもよく、非晶質のポリエステル系エラストマーであっても良い。ポリエステル樹脂の共重合成分は用途に応じて選択できるが、PET系樹脂等のリサイクル性に優れるポリエステル樹脂に対して種々の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分が使用できる。多価カルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられ、これらは単体でも混合して使用しても良い。多価アルコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。一方、生分解性を有するポリエステル樹脂としては、乳酸の単独共重合体または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸またはラクトンとの共重合体あるいはこれらの組成物が使用できる。乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、またはそれらの混合物であっても良い。また乳酸と併用して用いる他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられ、これらヒドロキシカルボン酸のエステル化合物等の誘導体であっても良い。ラクトンとしてはカプロラクトンが挙げられる。また、ポリブチレンサクシネート、酢酸セルロース、キチン、キトサンあるいはでんぷん等、他の生分解性樹脂を使用しても構わない。
【0010】
本発明の樹脂組成物に使用される可塑剤は、ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いる。本発明に用いられるエステル化率50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステルを単独又は混合物として用いることが可能である。
【0011】
本発明の樹脂組成物に使用される平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルには、炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸である酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸等または分岐鎖飽和脂肪酸であるイソ酪酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、4−エチルペンタン酸、4−プロピルペンタン酸、6−プロピルノナン酸等を混合して使用できる。炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合は、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を除く炭素数3〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸が使用できる。炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用した場合は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの耐熱性が悪くなる。即ち、加工時に可塑剤が発煙し、樹脂への可塑剤残存量が低下するため性能や物性面、作業環境面で問題となる。また、経時安定性が悪くなるという問題があり、即ち経時的にポリグリセリン脂肪酸エステル自体が分解しやすくなり臭気を発したり、分解したポリグリセリン脂肪酸エステルがポリエステル樹脂及び成形品に対して分解を促進させるため問題となる。これらの耐熱性を改良する方法として、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を使用する場合は、炭素数3〜12の直鎖飽和脂肪酸を、または分岐鎖飽和脂肪酸とを混合して使用する。また、炭素数3〜12の直鎖飽和脂肪酸2種類以上かまたは分岐鎖飽和脂肪酸2種類以上、あるいは炭素数3〜12の直鎖飽和脂肪酸と分岐鎖飽和脂肪酸とを混合して使用することができる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は50%以上であることが必要である。ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が50%未満の場合はポリエステル樹脂との相溶性が悪くなったり、ポリエステル樹脂の分解が生じたりする。また、本発明の樹脂組成物に使用されるポリグリセリンは平均重合度が2〜3のポリグリセリンである。ここで平均重合度が4以上のポリグリセリンを使用した場合はポリエステル樹脂との相溶性が悪くなり、十分な可塑効果が得られない。即ち、ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることにより、耐熱性、相溶性、可塑性が良好な可塑剤となる。中でも、ジグリセリンまたはトリグリセリンと炭素数2の直鎖飽和脂肪酸及び炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸とを混合して得られるエステル化率が50%以上のジグリセリン脂肪酸エステルまたはトリグリセリン脂肪酸エステルがより好ましい。
【0012】
本発明の樹脂組成物に配合されるポリグリセリン脂肪酸エステルは生分解性においても良好な性質を示し(例えば、非特許文献1参照。)、ポリ乳酸系樹脂や酢酸セルロース系樹脂等の生分解性ポリエステル系樹脂から得られるフィルム、シート、容器、繊維等の成形品は、生分解性を損なうことがない。また、ポリ乳酸系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等の生分解性ポリエステル樹脂に対し、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを可塑剤として配合して得られる成形品は、耐熱性が良好でリサイクルして使用することも可能であり、且つ生分解性が良好なため、環境負荷が小さく、経済性にも優れたものとなる。また本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルは、リサイクルに使用するPET系樹脂やポリ乳酸系樹脂等の生分解性ポリエステル樹脂等の物性を損ねることが少ない。
【0013】
【非特許文献1】
日本油化学会誌 1999年 第48巻 第7号 p.681〜692
【0014】
本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルのポリエステル樹脂に対する配合量は任意であるが、通常は樹脂に対して5〜50重量%の範囲が好ましい。
【0015】
尚、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明以外の可塑剤を併用しても良く、また可塑剤以外の添加剤として、滑剤、酸化防止剤、安定剤、スリップ剤、防曇剤等を使用する場合においても、本発明の可塑剤の効果を阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0016】
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、通常使用される溶融混練機、成形機等を用いて製造、加工することが可能である。溶融混練機としては、一般には単軸、二軸押出機、バンバリー式、ロール式等が挙げられ、成形機としては押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形等が挙げられる。また、押出機中で溶融された樹脂組成物はシート、フィルム、繊維等へ成形される。
【0017】
いずれの成形加工においても、原料の吸湿には注意が必要であり、予備乾燥と成形中の吸湿対策が重要である。乾燥が不充分であると、加水分解により分子量が低下したり、溶融体が発泡し成形品の外観、物理特性が低下する。成形前の乾燥は、熱風式、真空バキューム式いずれかの方法によって予備乾燥し、且つ成形中は、ホッパードライヤー等によって吸湿を防止することが望ましい。
【0018】
上記方法により得られたシート、フィルム、繊維等は、食品包装用資材や農業用資材や土建・建築用資材、その他の包装用資材、または繊維関係の服飾素材等に対して好適に用いることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】
【実施例1〜4、比較例1〜7】
本実施例の評価試験のポリエステル樹脂としては、PET樹脂、ポリ乳酸樹脂を用いた。110℃、4時間の熱風乾燥処理により水分を除去した後、上記ポリエステル樹脂に対して、表1に示す試験試料の所定量を配合し、二軸押出機を用いて押出ペレットを作成した。このペレットを用いてそれぞれの試験に記載した試験片を作成し、物性評価、相溶性評価、熱安定性評価、生分解性評価、リサイクル性評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
本実施例及び比較例評価した試験方法を次に示す。
【0023】
物性評価:JISK−7113に準じて引張試験評価を行った。尚、評価には1号試験片を使用した。
【0024】
相溶性評価:プレス機により5cm×5cm、厚さ200μmのシートを作成し、温度50℃、湿度50%RHの条件下に1週間保存し、シート表面のブリード状態を観察した。評価は次の様に行った。
○:ブリードなし。
△:僅かにブリードしている。
×:ブリード量が多い。
【0025】
熱安定性評価
揮発:ポリエステル樹脂と可塑剤との混合物をラボプラストミルにて220℃、5分間混練した時の可塑剤の揮発状態を目視により観察した。
○:発煙なし。
×:発煙が認められる。
臭気:ポリエステル樹脂に対して可塑剤を配合して得られた成形品を80℃下に30日間静置した後の成形品の臭気を加温前の成形品と共に官能により評価した。
○:加温前と同程度で殆ど臭気がない。
×:直鎖飽和モノカルボン酸の臭いがする。
【0026】
生分解性評価:ポリエステル樹脂と可塑剤との混合物をフィルム化し、大阪府泉大津市の当社研究所敷地内の地表20cmの土中に埋没し、6ヶ月後のフィルム残存量を観察した。
○:フィルムが消失している。
×:フィルムが一部残っている。
【0027】
リサイクル性評価:ポリエステル樹脂と可塑剤との混合物から得られた成形品を細断し、再溶融を行いペレット化した。得られたペレットを再度同様に溶融後ペレット化し、リサイクル樹脂とした。得られたポリエステル樹脂のリサイクル樹脂30重量部とポリエステル樹脂70重量部とを混合し、110℃、4時間の熱風乾燥処理により水分を除去後、MFRの測定及び80℃下に30日間静置した後の成形品と加温前の成形品の臭気とを官能により評価した。尚、上記ポリエステル樹脂のリサイクル樹脂とポリエステル樹脂との混合物中に含まれる可塑剤量は、リサイクル前のポリエステル樹脂中に含まれる可塑剤量と等量である。
○:MFR、臭気共に同程度である。
×:MFRが低く、且つ加温前に比べて脂肪酸の臭いがする。
【0028】
本実施例及び比較例評価に使用した可塑剤を次に示す。
「試料−1」ジグリセリンテトラカプリル酸エステル
「試料−2」ジグリセリントリカプリル酸モノラウリン酸エステル
「試料−3」ジグリセリンジ酢酸ジ2−エチルヘキサン酸エステル
「試料−4」トリグリセリンテトラ酢酸モノラウリン酸エステル
「試料−5」アセチルクエン酸トリブチル
「試料−6」デカグリセリンデカラウリン酸エステル
「試料−7」ジグリセリンテトラ酢酸エステル
「試料−8」ジグリセリントリステアリン酸エステル
「試料−9」グリセロールジ酢酸モノカプリル酸エステル
「試料−10」トリアセチン
【0029】
【発明の効果】
本発明の耐熱性、相溶性、相溶性に優れ、かつ生分解性の良好な可塑剤を添加することにより、リサイクル性に優れたポリエステル系樹脂製品を供給し、且つ生分解性ポリエステル樹脂に対しては生分解性も良好となりうるポリエステル系樹脂製品を供給することが可能になる。
Claims (1)
- ポリエステル樹脂に対し、平均重合度が2〜3のポリグリセリンと炭素数2〜12の直鎖飽和脂肪酸または分岐鎖飽和脂肪酸(但し、炭素数2の直鎖飽和脂肪酸を単独で使用する場合を除く。)から構成されるエステル化率が50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを可塑剤として用いることを特徴としたリサイクル性に優れ、且つ生分解性の良好なポリエステル樹脂組成物。
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