JP6675624B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
例えば、スロットマシンは、有利状態として、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの状態や、AT(アシスト・タイム)、RT(リプレイ・タイム)、ART(アシスト・リプレイタイム)などの状態を備えている。
例えば、AT、RT、ARTでは、所定の期間、有利な状態で遊技を行うことが確保されているが、この期間を継続させることが可能な、いわゆる「上乗せ抽選」を行う遊技機が知られている。このような遊技機では、一般的に、所定の小役に当選し、上乗せ抽選に当選すると、この当選役に応じた遊技価値(上乗せゲーム数)を付与するようになっている(例えば、特許文献1)。
前扉1aは、リール41a〜41cそれぞれに表された連続する3つの図柄を機外から識別可能に構成されるとともに、遊技者により操作される複数の操作手段(2,2a,3,5)を備え、筐体1bは、リール41a〜41cを回転駆動させるドラムユニット4、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7などの複数の装置、コンピュータとして動作する主制御部10、副制御部20などを備えている。
このようなスロットマシン1は、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
掛け数の設定は、メダルをメダル投入口2から投入することにより行うことができ、投入されたメダルは、前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2bにより検知され、所定数(例えば、3枚)のメダルの検知によりゲーム開始可能な状態となる。
また、ベットボタン2aなどの掛け数設定手段を操作することで、掛け数を設定することもできる。ベットボタン2aの押下操作により、内部的に記憶したクレジットメダルからデータ形式のメダルが操作に応じて投入され、所定数(例えば、3枚)のメダルの投入により、ゲーム開始可能な状態となる。
当選役抽選処理では、例えば、複数の当選役の中から遊技状態に応じた当選確率に基づく抽選処理が実行される。なお、本実施形態では、当選役抽選処理は、後述するリール41a〜41cが定常回転に達する前に完了するものであるが、リール41a〜41cが回転を開始する前に完了するようにしてもよい。
入賞の判定は、所定の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定され、例えば、上・中・下段3つのラインと斜め2つのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に導出される図柄の組合せを判定し、判定の結果、その図柄の組合せに応じた特典が付与される。
また、リプレイに対応する図柄の組合せの導出により、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく遊技可能な状態となる。
このような出力手段は、副制御部20により制御される。また、副制御部20は、主制御部10から所定の遊技タイミングごとに受信する制御コマンドに基づいてこれらを制御する。
スロットマシン1は、図4に示すように、主制御部10により移行可能に制御される複数の遊技状態を有している。
大別すると、通常状態と有利状態とがあり、図5における「遊技媒体増加区間」の項目に示すように、通常状態はメダルの減少する区間(図中の「×」は減少を示す)であり、遊技者に不利な遊技状態となっており、有利状態はメダルの増加する区間(図中の「○」は増加を示す)であり、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
ボーナスは、所定の小役に高確率で当選するゲームが所定のメダル獲得数まで継続する有利な状態であり、ボーナス役に当選するとともにこれに対応するボーナス図柄の導出後に移行する。
ボーナスには、例えば、メダル獲得数の多い「BIGボーナス」と、メダル獲得数の少ない「REGボーナス」とがある。
ATは、アシスト・タイムの略称であり、各停止ボタン5に対する操作順序や、目押しの目安となる図柄等を報知することにより、当選役抽選処理の抽選結果に対応する図柄の組合せの導出をアシストする遊技状態である。
例えば、当選役抽選処理において抽選される小役や再遊技の中には、対応する図柄の組合せが停止ボタン5a〜5cに対して行う6通りの操作順序それぞれに対応して導出可能な押し順指定の当選役があり、ATでは、これらの小役や再遊技に当選したときに、遊技者にとって有利な遊技結果が得られるように、それぞれに対応する押し順を表示器8などの出力手段を介して報知する。
また、このような押し順の報知に代えて又は加えて、小役や再遊技に当選したときに、これらに対応する図柄を表示器8などの出力手段を介して報知することにより、目押しをアシストすることもできる。
ARTは、このようなATとRTとが組み合わされた遊技状態であり、再遊技に高確率で当選しつつ、停止ボタン5に対する操作のアシストにより小役入賞が得られることから、手持ちのメダルが増加する遊技者に有利な遊技状態となっている。
そして、この始期と終期とにより規定される期間をARTの継続期間という。
ARTの始期は、例えば、通常状態において、所定の小役(例えば、チェリーなどのレア小役)に当選すること、かつ、この当選時に行われるAT抽選処理においてATに当選すること、さらに、RTの開始に係る図柄の組合せが導出することなどを始期とすることができる。
なお、ボーナス中における所定の条件成立(所定小役の当選など)によっても、ATに当選することもあり、この場合、ボーナス終了後、RTの開始に係る図柄の組合せの導出等によりRT開始となり、ARTに移行することもある。
例えば、継続期間をゲーム数により規定した場合には、所定ゲーム数又はこの所定ゲーム数を1セットとした所定のセット数が設定される。
なお、ARTの継続期間の初期値は、これに限らず、継続期間を所定小役の当選回数により規定した場合には、所定小役の当選回数を設定することができ、継続期間を獲得メダル数(払出枚数又は差枚数)により規定した場合には、獲得枚数(払出枚数又は差枚数)を設定することができる。
ARTの終期は、例えば、所定ゲーム数の消化、所定小役の当選回数の到達、獲得メダル数の到達等を終期とすることができる。
付与される遊技価値とは、例えば、継続期間をゲーム数により規定した場合にはART中の残りゲーム数に加算される「上乗せゲーム数」や、継続期間を所定当選役(例えば、ベル役)の当選回数により規定した場合にはART中の残り小役当選回数に加算される「上乗せ小役当選回数」や、継続期間を獲得メダル数(払出枚数又は差枚数)により規定した場合にはART中の残り獲得メダル数に加算される「上乗せ獲得メダル数」等がある。
すなわち、ARTは、ARTの開始時(始期)に初期設定される所定ゲーム数に、上乗せ抽選(以下、上乗せゲーム数抽選ともいう。)に基づいて付与されるゲーム数が上乗せされることで、ART遊技が延長して、継続することになる。
例えば、「通常ART」、「上乗せART」、「S上乗せART」、「ボーナスART」などの4つの状態に細分化することができる。これらは、ゲーム数が上乗せされる確率(上乗せ当選確率)が異なる状態となっている。
また、ART中においてボーナスに当選することもあり、このようなボーナス中に上乗せゲーム数抽選を実行することもでき、この場合、図5における「上乗せ当選確率」の項目に示すように、「BIGボーナス」は「REGボーナス」よりも上乗せ当選確率を高く設定することが好ましい。
つまり、上乗せ当選確率の高低とは、単に上乗せ当選確率の高低のことではなく、「ゲーム数の上乗せ」という事象が発生しやすいか否かという観点における確率の高低を示すものであり、「S上乗せART」が最も「ゲーム数の上乗せ」が発生しやすい状態であり、これに、「上乗せART」、「ボーナスART」が続き、「通常ART」が4つの状態の中で最も「ゲーム数の上乗せ」が発生しにくい状態ということである。
なお、「S上乗せART」における「S」は、4つの状態の中で最も「ゲーム数の上乗せ」が発生しやすいという意味から、「スーパー」の「S」を付してある。
例えば、通常状態は、「通常モード」、「チャンスモード」、「Sチャンスモード」などに細分化することができる。
これらのモードの違いはARTへの移行をかけたART突入抽選処理における当選(突入)確率の違いである。ART突入抽選処理は、例えば、所定の小役に当選したときに実行される抽選処理であり、図5における「ART突入確率」に示すように、「Sチャンスモード」が最も高い値に設定され、これに、「チャンスモード」が続き、「通常モード」が最も低い値に設定されている。
また、通常状態において、ボーナスやARTボーナスに当選することもあり、このようなボーナス中にART突入抽選処理を実行することもでき、この場合、図5における「ART突入確率」の項目に示すように、「BIGボーナス」は「REGボーナス」や「ARTボーナス」よりもART突入抽選処理を高く設定することが好ましい。
なお、図5における「遊技媒体増加区間」の項目に示す例では、「チャンスモード」、「Sチャンスモード」をメダルの減少する区間として説明したが、これらの状態のうちの一部又は全部において、ATなどの遊技者に有利な遊技状態に移行させることもでき、これにより、「チャンスモード」、「Sチャンスモード」をメダルの減少する「×」の区間ではなく、「○」と「×」の中間を意味する「△」の区間とすることもできる。
このような複数の遊技状態間の移行は、主制御部10により制御される。
例えば、主制御部10は、スロットマシン1への電源供給開始後は、通常状態における「通常モード」に移行させ、その後、所定の小役の当選等を契機に、「チャンスモード」や「Sチャンスモード」に移行させる。
また、通常状態、ボーナス中において、所定の小役に当選したときにART突入抽選処理を実行し、これに当選したときには、その後、ARTに移行させる。
この「通常ART」中において、所定の小役の当選などを契機に「上乗せART」、「S上乗せART」に移行させる。特に、「S上乗せART」は、「上乗せART」よりも移行の確率を低く設定することができ、このような「S上乗せART」に移行するときには、特別な演出(例えば、リールが回転しないフリーズ演出など)を伴うことが好ましい。また、「上乗せART」、「S上乗せART」から「通常ART」への移行は、所定ゲーム数の消化などを契機とすることができる。
また、「通常ART」、「上乗せART」、及び「S上乗せART」において、ボーナス役に当選したときには、「BIGボーナス」、「REGボーナス」などの「ボーナス」に移行させる。この「ボーナス」中は、ARTの継続期間(ゲーム数など)が減ることはなく、「ボーナス」終了後、「通常ART」などの直前のART状態に移行する。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、ART中に上乗せゲーム数抽選の当選役に当選したことを契機に、上乗せするゲーム数を決定する抽選を行う(上乗せゲーム数決定処理)。
次に、本発明の特徴である「上乗せゲーム数の決定」について説明する。
本実施形態のスロットマシン1は、上乗せゲーム数の決定を行うために、以下のような構成を備えている。
第1記憶手段121には、図6に示すように、ART中に上乗せゲーム数抽選の当選役に当選したことを契機に付与され得る全ての上乗せゲーム数が記憶されており、上乗せゲーム数のそれぞれが識別番号と対応付けられている(上乗せゲーム数テーブル)。
また、上乗せゲーム数は、上乗せゲーム数の大きさ順(例えば、昇順又は降順)に並ぶように記憶することが好ましく、さらに、この並び順に応じて識別番号を付番することが好ましい。これにより、開発者などが上乗せゲーム数テーブルや後述する上乗せ場所テーブルをメンテナンスや検証(デバック)する際に、作業がし易く、開発効率を向上させることができる。
特定情報は、当選役ごとに、各上乗せゲーム数を付与し得るか否かのいずれかを示すビット値からなり、付与可能であることを示す「1」又は付与不可能であることを示す「0」のいずれかが記憶されている。例えば、当選役のうちスイカは、特定情報として2進数表記で「0000000000001100」のデータが記憶されており、ビット番号「2」とビット番号「3」のみに「1」が設定されている。
すなわち、特定情報は、ART中に上乗せゲーム数抽選の当選役に当選したことを契機に付与され得る全ての上乗せゲーム数のうち、当選役ごとに上乗せが可能なゲーム数を特定するための情報である。
すなわち、特定情報のビット番号「0」に記憶されるビット値は、上乗せゲーム数「0ゲーム」と対応付けられており、同様に、ビット番号「1」のビット値は上乗せゲーム数「5G」と、ビット番号「2」のビット値は上乗せゲーム数「10G」と、ビット番号「3」のビット値は上乗せゲーム数「20G」と対応付けられている。
なお、特定情報は、上記のように2バイトのデータに限らず、上乗せゲーム数テーブルに設定される上乗せゲーム数の数に応じて、任意に設定が可能である。
選択情報には、所定のタイミング(例えば、ART中に上乗せゲーム数抽選の当選役に当選するごと)に取得された乱数値の範囲内で、各上乗せゲーム数が選択される割合を示す「振分値」が記憶されている。
具体的には、前述した特定情報によって特定される、当選役ごとの付与し得る上乗せゲーム数の個数と同数の振分値が記憶される。
例えば、当選役がスイカの場合は、付与され得る上乗せゲーム数が「10ゲーム」と「20ゲーム」の2個であることから、2個の振分値が記憶されるようになっている。本実施形態では、上乗せゲーム数「10ゲーム」に対して振分値の128が設定され、上乗せゲーム数「20ゲーム」に対して振分値の128が設定されている。
すなわち、上乗せゲーム数抽選用に取得した乱数の値が255の場合、スイカに当選したときには、「128/255」の確率で「10ゲーム」の上乗せに当選し、「128/255」の確率で「20ゲーム」の上乗せゲーム数に当選するように設定されている。
また、同様に、例えば、BAR2に当選したときには、「64/255」の確率で「10ゲーム」の上乗せに当選し、「128/255」の確率で「20ゲーム」の上乗せゲーム数に当選し、「64/255」の確率で「30ゲーム」の上乗せに当選するように設定されている。
例えば、特定情報のビット番号の小さい順(又は上乗せゲーム数の小さい順)に順位が付番されており、当選役がスイカの場合には、特定情報によって特定される上乗せゲーム数が「10ゲーム」と「20ゲーム」であることから、ビット番号の小さい「10ゲーム」に対応する振分値(128)を順位「1」と設定し、次にビット番号の小さい「20ゲーム」に対応する振分値(128)を順位「2」として設定するようになっている。
なお、この順位は、後述する「上乗せゲーム数決定処理」において、上乗せゲーム数を決定する際の演算順番に用いられる。
これにより、従来のように、付与され得ない上乗せゲーム数に対して「0」の振分値を記憶する場合と比較すると、ROM12などの記憶手段の記憶容量を削減することができる。
次に、このような構成を備える主制御部10が実行する「上乗せゲーム数決定処理」について、図10を参照して説明する。
なお、以下の説明では、スロットマシン1はARTに移行した後の状態であるものとして説明する。
まず、主制御部10は、ART中に、役抽選において上乗せゲーム数抽選の当選役(スイカ、チェリー等)に当選すると(S11)、以下の処理を開始する。このとき、各当選役の当選確率は、例えば、前述した上乗せ当選確率に基づいて決定される。
上乗せゲーム数が決定されたことを示す上乗せ処理フラグをOFFにする(初期化する)(S12)。
なお、上乗せ処理フラグをOFFにするタイミングは、このタイミングに限らず、例えば、処理が終了するタイミングなど、任意のタイミングで行うことができる。
また、S11で当選した当選役に基づいて振分値を取得する(S14)。このとき、上乗せゲーム数振分けテーブルを参照して、先頭順位の振分値を取得し、この取得した先頭順位の振分値をB値としてRAMに記憶する。
そして、A値(乱数値)からB値(先頭順位の振分値)を減算し(S15)、減算の結果をC値としてRAMに記憶する。また、RAMに記憶されているA値をC値に書き換えて記憶する(S16)。
マイナス値ではない場合には(S17−No)、S19へ移行する。一方、マイナス値の場合には(S17−Yes)上乗せ処理フラグをONにして(S18)、S19へ移行する。
上乗せ処理フラグがOFFの場合は(S19−No)、上乗せゲーム数が決定していない状態と判断して、S11で当選した当選役に基づいて次の順位の振分値を取得する(S20)。また、RAMに記憶されているB値を、取得した振分値に書き換えて記憶し、S15に移行して、上記と同様の処理(S15〜S19)を行う。
上乗せ処理フラグがONの場合は(S19−Yes)、RAMに記憶されている振分値(B値)に対応する上乗せゲーム数を取得する(S21)。
そして、この取得した上乗せゲーム数を、付与する上乗せゲーム数として決定し、ARTのゲーム数(残りゲーム数)に加算する。
以下の説明では、前述した「上乗せゲーム数決定処理」のS11において、スイカ、チェリー1又はBAR2に当選した場合を例に挙げて説明する。また、S15において取得した乱数値が200である場合で説明する。
当選役がスイカの場合は、図11(a)に示すように、付与し得る上乗せゲーム数として「10ゲーム」と「20ゲーム」が特定情報に設定されており、「10ゲーム」に対して順位1の振分値(128)が設定され、「20ゲーム」に対して順位2の振分値(128)が上乗せゲーム数振分けテーブルに設定されている。
このように予め設定された状態で、付与する上乗せゲーム数を決定するには、まず、乱数値(A値)−先頭順位の振分値(B値)による演算式に基づいて、200−128=72を算出する(S15)。
次いで、次の順番の振分値を取得し(S20)、演算結果(C値)−順位2の振分値(B値)による演算式に基づいて、72−128=―56を算出する(S15)。
これにより、演算結果(C値)がマイナス値であるため(S17−Yes)、RAMに記憶されている順位2の振分値に対応する上乗せゲーム数を取得する(S21)。
したがって、「20ゲーム」が、付与される上乗せゲーム数として決定される。
当選役がチェリー1の場合は、図11(b)に示すように、付与し得る上乗せゲーム数である「5ゲーム」と「10ゲーム」が特定情報に設定されており、「5ゲーム」に対して順位1の振分値(128)が設定され、「10ゲーム」に対して順位2の振分値(128)が上乗せゲーム数振分けテーブルに設定されている。
このように予め設定された状態で、付与する上乗せゲーム数を決定するには、まず、乱数値(A値)−先頭順位の振分値(B値)による演算式に基づいて、200−128=72を算出する(S15)。
次いで、次の順番の振分値を取得し(S20)、演算結果(C値)−順位2の振分値(B値)による演算式に基づいて、72−128=―56を算出する(S15)。
これにより、演算結果(C値)がマイナス値であるため(S17−Yes)、RAMに記憶されている順位2の振分値に対応する上乗せゲーム数を取得する(S21)。
したがって、「10ゲーム」が、付与される上乗せゲーム数として決定される。
当選役がBAR2の場合は、図11(c)に示すように、付与し得る上乗せゲーム数である「10ゲーム」と「20ゲーム」と「30ゲーム」が特定情報に設定されており、「10ゲーム」に対して順位1の振分値(64)が設定され、「20ゲーム」に対して順位2の振分値(128)が設定され、「30ゲーム」に対して順位3の振分値(64)が上乗せゲーム数振分けテーブルに設定されている。
このように予め設定された状態で、付与する上乗せゲーム数を決定するには、まず、乱数値(A値)−先頭順位の振分値(B値)による演算式に基づいて、200−64=136を算出する(S15)。
次いで、次の順番の振分値を取得し(S20)、演算結果(C値)−順位2の振分値(B値)による演算式に基づいて、136−128=8を算出する(S15)。
さらに、次の順番の振分値を取得し(S20)、演算結果(C値)−順位3の振分値(B値)による演算式に基づいて、8−64=−56を算出する(S15)。
これにより、演算結果(C値)がマイナス値であるため(S17−Yes)、RAMに記憶されている順位3の振分値に対応する上乗せゲーム数を取得する(S21)。
したがって、「30ゲーム」が、付与される上乗せゲーム数として決定される。
副制御部20は、上乗せゲーム数決定処理において決定した上乗せゲーム数と、上乗せ場所テーブルの情報を主制御部10から取得し、決定した上乗せゲーム数が、特定情報に設定されている当選役ごとに付与され得る上乗せゲーム数に含まれない場合には、異常と判定する。
例えば、当選役がスイカの場合、「10ゲーム」と「20ゲーム」が付与可能な上乗せゲーム数として設定されていることから、これら以外の上乗せゲーム数が決定された場合には異常と判定する。
これにより、不正にROM12が交換された可能性があるとみなして、所定のエラー報知を行うことができる
なお、この異常判定処理は、主制御部10において行うこともできる。
この場合、ART中の4つの状態で、同じ上乗せ当選確率であっても、上乗せされる上乗せゲーム数が各状態間において異なるため、状態ごとに当選の重みが異ならせることができる。
例えば、上乗せ場所テーブルのビット番号に基づく数値を設定してもよい。図12に示すように、ビット番号と同数のビット位置に「1」をセットした2進数データを10進数又は16進数に変換した数値を識別番号として記憶してもよい(図12は10進数表記の場合)。
例えば、図13に示すように、ART移行(1セット,2セット等)、モード移行(チャンスモード,Sチャンスモード等)、演出報知(ガセ演出、キャラチェンジ、背景チェンジ)等の価値の異なる複数の遊技価値を設定してもよい。
これにより、ART中は図6に示す上乗せゲーム数に関する情報を参照でき、通常状態中は図13に示すような情報を参照することができる。
その結果、同じ記憶領域に遊技状態別の異なる遊技価値を設定することができるため、ROM12の記憶容量を削減することができる。
また、このような構成とした場合、通常状態中においても、ART中と同様に、上乗せ場所テーブルのような当選役ごとに付与し得る遊技価値を設定することが好ましい。これにより、不要な制御部分のデータを記憶しなくなるため、ROM12の記憶容量をさらに削減することができる。
例えば、演出役物(例えば、ルーレット)を用いて、上乗せゲーム数の告知演出を行うような場合、ルーレットの各マスに上乗せゲーム数を表示し、ART中に当選した小役(上乗せゲーム数抽選の当選役)に応じて付与し得る上乗せゲーム数のマスを告知するような演出を行うことができる。
例えば、スイカが当選した場合、複数の上乗せゲーム数のうち「10ゲーム」と「20ゲーム」のルーレットのマスで、上乗せを期待させるような演出を行うことができる。これにより、多彩な上乗せ演出を行うことができる。
このような演出は、副制御部20が表示器8、スピーカ9、及びランプ11などの出力手段を制御することにより以下のように実行される。
以下、副制御部20が行う報知演出について説明する。
副制御部20は、報知演出制御手段の一例であり、ARTなどの有利状態において所定条件の成立に基づいて実行される遊技者に付与されたメダルに関する報知演出を制御する。
遊技者に付与されたメダルに関する報知演出としては、ART中において獲得されたメダルの総量を示すメダル獲得数に関する数量情報であり、副制御部20は、主制御部10からのメダル払出数を特定可能な制御コマンドの受信に基づいて、表示器8、スピーカ9、及びランプ11を制御して、数量情報を以下のように報知する。
例えば、これらの画面では、ARTの継続期間を示すトータルゲーム数82a、ART終了までの残りゲーム数82bなどのゲーム数情報82、ARTにおいて獲得されたメダルの総量を示すメダル獲得数81などが表示される。
副制御部20は、図15に示すように、表示器8、スピーカ9、及びランプ11などの出力手段に行わせる数量情報の「演出タイミング」とその「演出内容」をROMなどの記憶手段に記憶している。
「演出タイミング」は、報知演出を行うタイミングとしてメダル獲得数の閾値を設定したものであり、副制御部20は、メダル獲得数81が各閾値に達したときを所定条件の成立と判定することにより、その閾値に対応する「演出内容」に従った報知演出を出力手段に行わせる。
「演出内容」は、表示器8、スピーカ9、及びランプ11がそれぞれ行う報知演出のパターンを設定したものである。
また、メダル獲得数81が「1000枚」に達したときには、スピーカ9からはパターン2の音声を出力させ、ランプ11にはパターン1の発光演出を行わせ、表示器8には、パターン1の画面表示を行わせる。
さらに、メダル獲得数81が「2000枚」に達したときには、スピーカ9からはパターン2の音声を出力させ、ランプ11にはパターン2の発光演出を行わせ、表示器8にはパターン1の画面表示を行わせるというように、副制御部20は、メダル獲得数81が各閾値に達したときに、それぞれの閾値に対応する「演出内容」に従った報知演出を各出力手段に行わせる。
そこで、本実施形態では、閾値ごとに報知演出のパターンを設けるのではなく、各閾値で共通する報知演出のパターンを設けることで、記憶容量の削減を図るようにしてある。
同様に、閾値「1000枚」と「2000枚」を比べると、スピーカ9と表示器8はそれぞれ共通な報知演出のパターン2及び1を行うものの、ランプ11は、閾値「1000枚」ではパターン1の音声を出力し、閾値「2000枚」ではパターン2の発光演出を行うというように、閾値「1000枚」と「2000枚」では、音声、発光演出、画面表示などの音声及び所定態様の表示の一部が共通で他部が異なる報知演出を行う。
このような特徴は、閾値「2000枚」と「3000枚」を比べた場合、閾値「3000枚」と「5000枚」を比べた場合でも同様である。
これにより、共通のパターンによる演出により記憶容量を削減しながらも、音声、発光演出、及び画面表示を総合的な一つの演出として見た場合には、閾値ごとに異なる報知演出となることから、遊技者に対して演出のバリエーションが多い印象を与えることができる。
また、このような演出において、第2報知演出は第1報知演出よりも、すなわち、閾値が増えるごとに、派手な演出を行う(演出がグレードアップする)ように設定しておくことが好ましい。
図14(b)に示す画面は、メダル獲得数が閾値「500枚」に達したときの数量情報に関する報知演出例である。
この報知演出例では、図14(a)に示す時点ではメダル獲得数81が「492枚」であったものの、9枚役の入賞により、メダル獲得数81が図14(b)に示すように「501枚」となったため、副制御部20が閾値「500枚」に達した演出タイミングの成立と判定し、報知演出として、表示器8が行う報知演出のパターン1に従って、「500枚OVER!」という数量情報を示すメッセージ80を表示した例である。
このとき、スピーカ9からは、スピーカ9が行う報知演出のパターン1に従って、例えば、「500枚OVER!」という音声メッセージを出力することもでき、ランプ11では、ランプ11が行う報知演出のパターン1に従って、内蔵するLED(例えば、フルカラーLED)を所定の色で発光させたり、所定間隔のオンオフ制御により、点滅させたりする発光演出を行う。
同様に、メダル獲得数が閾値「2000枚」に達したときの数量情報に関する報知演出では、表示器8では、表示器8が行う報知演出のパターン1に従って、「2000枚OVER!」という数量情報を示すメッセージ80を表示し、スピーカ9からは、スピーカ9が行う報知演出のパターン2に従って、例えば、「やったね!」という音声メッセージを出力し、ランプ11では、ランプ11が行う報知演出のパターン2に従って、LEDの発光演出を行う。
また、パターン1、パターン2、及びパターン3では、音の種類、音量、出力時間などの全部又は一部がそれぞれ異なることにより、異なるパターンとして設定されているものとすることができる。
図16は、「上乗せART」中において、メダル獲得数が所定の閾値に達したときに数量情報に関する報知演出を行う例を示している。
図16に示す例では、このような特定結果の導出に対応する演出86(例えば、じゃんけんに勝つか負けるかの演出)が行われるゲームにおいて(図16(a)参照)、特定結果の導出に当選することにより、「20G」(20ゲーム)の上乗せゲーム数を獲得するとともに、9枚役に入賞することにより、メダル獲得数が閾値「500枚」に達したときの表示画面(図16(b)参照)を示している。
そして、このような数量情報に関する報知演出に前後して又は重複して、例えば、表示器8では、獲得した上乗せゲーム数を示す上乗せ情報85が表示され、ランプ11では上乗せ情報85の表示に関連した発光演出が行われ、スピーカ9からは上乗せ情報85に関連した音声が出力される。
このように、「上乗せART」中においても、数量情報に関する報知演出を行うことができる。
なお、「上乗せART」中において、演出86や上乗せ情報85の表示と数量情報に関する報知演出とが重複するときには、数量情報に関する報知演出を次ゲーム以降に繰り越すこともできる。
「ボーナスART」では、「通常ART」よりも特定結果の導出確率が高く設定されていることから、特定結果の導出に対応する演出が「通常ART」中よりも頻出することがある。
図17に示す例では、特定結果の導出に対応する演出87(例えば、レベル表示がMAXまでアップするか否かの演出)が行われる「ボーナスART」中において(図17(a)参照)、9枚役に入賞することにより、メダル獲得数が閾値「500枚」に達したときの表示画面(図17(b)参照)を示している。
このように、「ボーナスART」中においても、数量情報に関する報知演出を行うことができる。
なお、「ボーナスART」中においては、ゲーム数情報82に係るトータルゲーム数82a、残りゲーム数82bは更新されずにロックされた状態のまま表示される。また、「ボーナスART」の残りゲーム数83を表示することもできる。
図18に示す例では、特定結果の導出に対応する演出88(例えば、複数の上乗せゲーム数のうちいずれの上乗せゲーム数を獲得できるかどうかの演出)が行われる「S上乗せART」中において(図18(a)参照)、9枚役に入賞することにより、メダル獲得数81が閾値「500枚」に達したときの表示画面(図18(b)参照)を示している。
このような場合、副制御部20は、「S上乗せART」中であることを条件に、図18(b)に示すように、数量情報に関する報知演出を行わないことが好ましい。
これは、以下のような理由に基づくものである。
「S上乗せART」では、特定結果の導出に対応する演出として、図18(a)に示すようなエフェクトを伴った派手な演出88(例えば、複数の上乗せゲーム数のうちいずれの上乗せゲーム数を獲得できるかどうかの演出)や、ストーリー性をもった演出が行われることが多いとともに、特定結果としての「ゲーム数の上乗せ」が行われるかどうかという一点に遊技者の気持ちが集中している状態である。このような状態において、メダル獲得数が閾値に達したとしても、数量情報に関する報知演出を行うことは、遊技者の集中力を分散させることになり、高揚している遊技者の気持ちを興ざめさせるおそれがある。
また、「S上乗せART」中であっても、少なくとも演出88や上乗せ情報85が表示されていないタイミング(例えば、図18に対応するゲーム以降のゲームに数量情報に関する報知演出を繰り越すなど)や、表示される上乗せ情報85の示す上乗せゲーム数が少ない(例えば、50ゲーム以下など)ときや、メダル獲得数81が稀にしか到達しない閾値(例えば、10000枚)に到達したときには、数量情報に関する報知演出を行うこともできる。
なお、数量情報に関する報知演出を規制するとは、上記のように、「S上乗せART」中は、数量情報に関する報知演出をまったく行わないことや、「通常ART」、「上乗せART」、「ボーナスART」において行う報知演出よりも、控えめな演出(例えば、表示器は表示しないが、音声、発光演出は行うなど)を行うなどの演出に軽重を持たせることも含む概念である。
例えば、ROMなどの記憶手段には、図5の「数量情報報知演出」の項目に示すように、「○」、「×」などの数量情報に関する報知演出を行うか否かを特定可能な実行判定情報が状態ごとに記憶されている。
副制御部20は、メダル獲得数が所定の閾値に達したときに、状態ごとの実行判定情報を参照して、数量情報に関する報知演出を行うか否かの判定を行う。
これにより、副制御部20は、「通常ART」、「上乗せART」及び「ボーナスART」中では、実行を示す「○」を参照して、数量情報に関する報知演出を行い、「S上乗せART」中では、不実行を示す「×」を参照して、数量情報に関する報知演出を規制することができる。
また、副制御部20は、「BIGボーナス」、「REGボーナス」中にも、実行判定情報を参照して、数量情報に関する報知演出を行うこともできる。
副制御部20は、遊技情報報知演出制御手段として動作することにより、各出力手段を介して遊技情報報知演出を出力させる。
遊技情報報知演出は、遊技状態の移行に関連して実行された演出に対応する演出実行情報と実行されたゲーム回数のうち少なくともいずれか一方の遊技情報に基づいて実行される演出である。
遊技状態の移行に関連して実行された演出に対応する演出実行情報とは、例えば、ART突入抽選処理に対応するゲームなどで通常状態から有利状態への移行に関連して実行されるART移行確定を示す特殊な演出などのことである。
また、実行されたゲーム回数とは、通常状態を含むトータルのゲーム数や、ART中のみのゲーム数のことである。
副制御部20は、このような演出実行情報や実行されたゲーム回数などの遊技情報に基づいて各出力手段を介して遊技情報報知演出を出力させる。
このような遊技情報に基づく遊技情報報知演出(84b)は、スロットマシン1が遊技者からの入力を受け付けることにより、副制御部20が制御可能な特殊なモードにおいてのみ行わせることができる。
このような遊技情報報知演出は、例えば、表示器8では、画面の四隅などの他の演出と重複しない表示領域において表示されることが多い。このような遊技情報報知演出の性質から、「S上乗せART」中においても、以下に示すように、遊技情報報知演出を行うこととする。
なお、遊技情報報知演出(84b)は、画面の四隅などに限らず、達成又は実行される遊技情報の種類に応じて表示箇所を適宜選択することができる。また、演出のタイミングは、必ずしもその遊技情報が達成又は実行されるゲームでなくてもよく、そのゲーム以降の所定のタイミングに演出を行うこともできる。
遊技情報報知演出に対応する情報とは、遊技者の所持する携帯電話やスマートフォンなどの外部端末装置が取得可能な、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等の二次元コードなどの情報である。この情報からは、遊技情報報知演出(84b)が行われた履歴を示す演出実行履歴を特定することができ、外部端末装置の有する情報取得機能(例えば、コードリーダー)を用いてこの情報を取得することにより、外部端末装置において、遊技者の遊技履歴として記憶・管理することもできる。また、この情報を外部端末装置の通信機能を用いて外部サーバーに送信することにより、外部サーバーにおいて遊技者の遊技履歴として記憶・管理させることもできる。
例えば、図22(a)に示すように、「S上乗せART」中において、メダル獲得数81が「501枚」となり、閾値「500枚」に達した後、「通常ART」に移行したときには、「S上乗せART」の終了に基づいて、例えば、図22(b)に示すように、表示器8が行う閾値「500枚」に対応する演出のパターン1に従って、「500枚OVER!」という数量情報を示すメッセージ80を表示することもできる。
なお、このような報知演出は、「S上乗せART」中において、メダル獲得数81が所定の閾値に達することに加え、「S上乗せART」の終了時においても、メダル獲得数81が所定の閾値に達した状態を維持していることが(図22(b)に示す例では「564枚」)、数量情報に関する報知演出を行う条件となる。
例えば、図23(a)に示すように、「S上乗せART」中において、メダル獲得数81が「501枚」となり、閾値「500枚」に達するとともに、その後、さらに、メダル獲得数81が「1065枚」となり、閾値「1000枚」に達した後、「通常ART」に移行したときには、「S上乗せART」の終了に基づいて、例えば、図23(b)に示すように、複数の閾値のうち数量の多い閾値「1000枚」に対応する演出のパターンに従って、「1000枚OVER!」という数量情報を示すメッセージ80を表示することもできる。
このように、「S上乗せART」中にメダル獲得数が複数の閾値に達したときには、複数の閾値のうち数量の多い閾値に対応する数量情報に関する報知演出を行うことが好ましい。
例えば、図24は、「S上乗せART」中に、メダル獲得数が複数の閾値に達したとき後、「S上乗せART」から「通常ART」に移行したときの画面であり、まず、図24(a)に示すように、表示器8が行う閾値「500枚」に対応する演出のパターン1に従って、「500枚OVER!」という数量情報を示すメッセージ80を表示し、その後、所定時間の経過後(例えば、5秒後)、閾値「1000枚」に対応する演出のパターン1(「500枚OVER!」とは文字の傾きが異なるが書体が共通するパターン)に従って、「1000枚OVER!」という数量情報を示すメッセージ80を表示することもできる。
なお、以上説明したような「S上乗せART」の終了に基づいて行う数量情報に関する報知演出は、「S上乗せART」に限らず、「ボーナスART」、「上乗せART」、「通常ART」にも適用できる。
このような場合、その後、「通常ART」に移行するものの、このときには、図25(b)に示すように、「S上乗せART」の終了に基づく数量情報に関する報知演出を行わないことが好ましい。これは、「S上乗せART」の終了時は、その後「通常ART」に移行することになる遊技者が落胆している状況であり、このような状況下において、数量情報に関する報知演出を行うことは、遊技者の気持ちを逆なですることになるからである。
なお、「S上乗せART」から「通常ART」に移行するタイミングに限らず、「上乗せART」又は「ボーナスART」から「通常ART」に移行するタイミングにおいても、数量情報に関する報知演出を規制し、これを行わないことが好ましい。
例えば、図26(b)は、「通常ART」の終了に基づいて表示されるART終了情報90などが表示されるART終了画面を示している。このようなART終了画面では、ART終了情報90として、ARTが実行されたゲーム数(例えば、「250G」)やARTの状態において獲得されたトータルのメダル獲得数(例えば、「498枚」)が表示されることになる。
また、ART終了に対応するゲームの以前のゲーム(例えば、ART残りゲーム数82bが1又は2など)において、図26(a)に示すように、メダル獲得数81が「501枚」となり、閾値「500枚」に達することもある。このような場合、「通常ART」中であることを条件に、表示器8が行う演出のパターン1に従って「500枚OVER!」という数量情報を示すメッセージ80を表示することになる。
このように、「通常ART」の終了間際に、「500枚OVER!」という数量情報に関する報知演出を行ったにもかかわらず、ART終了情報90におけるトータルのメダル獲得数が「500枚」を下回ることは、「通常ART」の終了、すなわち、通常状態への移行という遊技者が落胆している状況下では、好ましい演出とは言えない。
そこで、ART終了時に対応する通常状態への移行に係るゲーム(タイミング)において、メダル獲得数が閾値を下回る可能性があるときには、ART終了時に対応するゲームの1又は2以上前のゲームにおいて、その閾値をメダル獲得数が超えたとしても、数量情報に関する報知演出を行わないことが好ましい。
なお、ART終了時に対応する通常状態への移行に係るゲーム(タイミング)において、メダル獲得数が閾値を下回る可能性がないとしても、ART終了時に対応するゲームの1又は2以上前のゲームにおいて、数量情報に関する報知演出を規制し、これを行わないことが好ましい。
例えば、ART終了後に新たなARTを1セット付与するか否を抽選により決定するような場合において、その抽選確率を、数量情報に関する報知演出の実行前と実行後で変えるようなときや、メダル獲得数81に応じて変えるようなときには、「S上乗せART」中において、確率を変えるタイミングに対応するときの数量情報に関する報知演出は行うことが好ましい。
また、このようなときは、「S上乗せART」中に限らず、他のART中においても数量情報に関する報知演出は行うことが好ましい。
このようなときに、主制御部10が確率制御手段として動作し、数量情報に関する報知演出の実行前と実行後で特定結果を導出する確率が異なっているように制御することもできる。例えば、数量情報に関する報知演出の実行に基づいて、その後、主制御部10は所定のゲーム間に亘り上乗せ当選確率を高く設定する。
そして、上乗せ当選確率が高く設定されている所定のゲーム間に亘り、図27(b)に示すように、「500枚OVER記念発動中」などのメッセージ91を表示させることもできる。
このようなときに、主制御部10が確率制御手段として動作し、メダル獲得数81に応じて特定結果を導出する確率が異なっているように制御することもできる。例えば、予め定められた特定のメダル獲得数(777枚)の獲得に基づいて、その後、主制御部10は所定のゲーム間(例えば、再遊技当選が連続し、特定のメダル獲得数が維持されるゲーム間など)に亘り、上乗せ当選確率を高く設定したり、図28(b)に示すように、通常ARTからS上乗せARTに移行させたりすることもできる。
そして、上乗せ当選確率が高く設定されている所定のゲーム間に亘り、図28(b)に示すように、「777おめでとう!」などのメッセージ93を表示させることもできる。
なお、特定のメダル獲得数は、777枚に限らず、555枚などの5の倍数でもよい。
払い出しがあるときには(S1−Yes)、メダル獲得数が所定の閾値に達したか否かの判定を行い(S2)、達していないときには(S2−No)、処理を終了する。
一方、達しているときには(S2−Yes)、当該ARTが「S上乗せART」か否かの判定を行う(S3)。
そして、「S上乗せART」でないときには(S3−No)、数量情報に関する報知演出を行い(S4)、「S上乗せART」のときには(S3−Yes)、数量情報に関する報知演出を行うことなく、処理を終了する。
このように、上乗せゲーム数抽選の当選役ごとに付与し得る上乗せゲーム数に対してのみ振分値を設定し、付与し得ない上乗せゲーム数に対しては振分値を設定しない構成とすることで、ROM12などの記憶手段の記憶容量を抑えることができる。
また、このようにROM12の記憶容量が抑えられることで、主制御部10においてARTの遊技制御を行う場合には、ROM12に上乗せ遊技に関する演出用データ(画像データやプログラム等)を多数設定することができ、多彩な上乗せ遊技の演出を行うことができる。
本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
また、このような有利状態間の移行制御や、通常状態と有利状態間の移行制御は、主制御部10において行うこともできるが、副制御部20において行うこともできる。
10 主制御部(制御手段)
12 ROM
121 第1記憶手段
122 第2記憶手段
123 第3記憶手段
20 副制御部
Claims (6)
- 遊技状態として通常状態と前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態と、を有し、遊技機の動作に関連する制御を実行可能な制御手段を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記有利状態に制御される期間の延長に関する特定制御を実行可能な特定制御手段と、
前記有利状態において、遊技者に所定量の遊技価値が付与された場合に、前記所定量の遊技価値が付与される前とは前記特定制御が実行される確率が異なる特定有利状態を発生させる制御を実行可能な確率制御手段と、
遊技者に前記所定量の遊技価値が付与された場合を含み、遊技者に付与された遊技価値の量が予め定められた量に到達した場合に、付与された遊技価値の量に応じて異なる報知演出を実行可能であり、前記報知演出として、前記所定量の遊技価値が付与された場合に、特定演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記特定有利状態において、前記報知演出の実行を規制可能である
ことを特徴とする遊技機。 - 遊技状態として通常状態と前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態と、を有し、遊技機の動作に関連する制御を実行可能な制御手段を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記有利状態に制御される期間の延長に関する特定制御を実行可能な特定制御手段と、
前記有利状態において、遊技者に所定量の遊技価値が付与された場合を含み、遊技者に付与された遊技価値の量が予め定められた量に到達した場合に、付与された遊技価値の量に応じて異なる報知演出を実行可能であり、前記報知演出として、前記所定量の遊技価値が付与された場合に、特定演出を実行可能な演出制御手段と、
前記特定演出が実行された場合に、前記特定演出が実行される前とは前記特定制御が実行される確率が異なる特定有利状態を発生させる制御を実行可能な確率制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記特定有利状態において、前記報知演出の実行を規制可能である
ことを特徴とする遊技機。 - 前記確率制御手段は、前記特定有利状態に移行後、所定の遊技結果が導出されるまで前記特定有利状態を維持可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。 - 前記演出制御手段は、前記特定有利状態から他の遊技状態に移行する場合において、前記報知演出の実行を規制可能であり、
前記報知演出は、遊技者に所定量の遊技価値が付与されたことを音で報知する演出が含まれる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技機。 - 所定の表示手段を備え、
前記制御手段は、
認証情報の受付により制御可能な特殊モードに対応して実行される特殊演出を制御可能な特殊演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、前記表示手段の表示領域のうち中央部において前記報知演出を表示制御可能とし、
前記特殊演出制御手段は、前記表示手段の表示領域のうち端部において前記特殊演出を表示制御可能である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技機。 - 前記制御手段は、
認証情報の受付により制御可能な特殊モードに対応して実行される特殊演出を制御可能な特殊演出制御手段を備え、
前記特殊演出制御手段は、前記特定制御に対応して前記延長を示す演出が実行される場合であっても、当該演出とともに前記特殊演出を実行可能である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の遊技機。
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