JP6675599B2 - 生体内超音波三次元画像生成装置およびそれを用いた生体動脈血管形状検出装置 - Google Patents

生体内超音波三次元画像生成装置およびそれを用いた生体動脈血管形状検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、手動で超音波プローブを操作して生体内の三次元超音波画像を生成する生体内三次元超音波画像生成装置、およびその生体内三次元超音波画像生成装置により得られた生体内の三次元超音波画像から動脈血管の形状を検出する生体動脈血管形状検出装置に関するものである。
診断等のために生体内の臓器を表す画像を含む超音波三次元画像を簡便に得ることが望まれている。従来では、圧電セラミックス等から構成された複数個の超音波振動子(超音波発振子)が一列に配列された超音波アレイを、生体の皮膚上に載置した状態で、その超音波アレイの長手方向に直交する方向に移動させつつ超音波を放射させ、その超音波の反射信号に基づいてその超音波アレイにより検出される複数枚の超音波断面画像から超音波三次元画像を合成する装置が提案されている。しかし、このような装置では、超音波アレイの移動位置或いは移動距離を検出する位置センサを超音波アレイに設ける必要がある。フリーハンドで超音波アレイを移動させる場合に、位置固定の基準部材との間の相対移動を位置センサにより検出するとき、柔軟性のある生体の皮膚と超音波アレイとの間の相対移動距離に関して上記位置センサによる検出精度が得られず、正確な超音波三次元画像が得られなかった。上記超音波アレイを機械に保持させて移動させることも考えられるが、装置が大型且つ高価となる。
これに対して、また、上記超音波振動子を面状に多数配列した超音波プローブを構成し、その超音波プローブを生体の皮膚上に載置した状態で超音波を放射させ、その超音波の反射信号に基づいて超音波三次元画像を合成する装置が提案されている。この装置によれば、フリーハンドで超音波プローブを扱っても正確な超音波三次元画像は得られるが、上記超音波プローブは、超音波振動子を面状に多数配列して構成する必要があるためにその検出面積の増大に伴ってきわめて高価となり、実用性に乏しいという欠点があった。
これに対して、特許文献1に示すように、プラスチック製のフレーム(枠)とそのフレーム内に所定のパターン(たとえばN字状)で張設した複数本のワイヤとから成る基準物体を生体の皮膚上に載置し、超音波アレイを基準物体の上からフリーハンドで移動させ、複数得られた二次元画像内に写っているワイヤの断面点を座標位置を画像処理によって決定し、それら複数枚の二次元座標をそれらの座標位置に配置して超音波三次元画像を合成する装置が提案されている。これによれば、画像処理により、複数枚の超音波二次元画像から超音波三次元画像を合成できる。
特開2013−169389号公報
ところで、上記基準物体のフレーム内には、超音波アレイをワイヤに接触させない程度の厚みの空間が形成されていて、超音波アレイから放射された超音波はその空間を介して生体に入射され、生体内からの反射はその空間を介して超音波アレイにより検出される。このような空間は、超音波の伝播を低下させて超音波画像を生成する障害となる。このため、上記フレーム内には超音波の伝播を補助するゼリーが充填され、超音波アレイから放射された超音波はそのゼリーを介して生体に入射され、生体内からの反射はそのゼリーを介して超音波アレイにより検出される。しかし、このような場合でも、ゼリーを塗布した皮膚に超音波アレイを接触させる場合に比較してゼリーの厚みが極端に厚いため、精度の高い三次元画像を得ることが困難であった。また、超音波の伝播経路にワイヤが位置しているため、そのワイヤによる超音波の乱れが超音波画像の品質に影響することが避けられないという不都合があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、超音波プローブを生体の皮膚上を操作することで、生体内の超音波三次元画像を正確に且つ容易に得ることができる生体内超音波三次元画像生成装置およびそれを用いた生体動脈血管形状検出装置を提供することにある。
本発明者等は、以上の事情を背景として種々検討を重ねるうち、生体の皮膚上において互いに交差する長手方向をそれぞれ有する一対の超音波アレイを前記一対の超音波アレイの長手方向とは異なる方向にフリーハンドで移動させ、それら一対の超音波アレイからそれぞれ得られた複数の超音波二次元画像から、画像処理により一対の超音波アレイの移動量を算出することができ、それぞれ得られた複数枚の超音波二次元座標にその移動量を適用することで、高精度の超音波三次元画像を合成できることを見いだした。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
すなわち、第1発明の要旨とするところは、(a)互いに交差する長手方向を有する一対の超音波アレイを有する超音波プローブと、前記一対の超音波アレイから生体内に超音波を放射させ、その超音波の反射信号に基づいて前記生体の前記一対の超音波アレイ直下の断面画像を表す超音波二次元画像をそれぞれ得る超音波二次元画像算出制御部とを備え、生体の皮膚上において前記一対の超音波アレイを前記一対の超音波アレイの長手方向とは異なる方向に移動させたときに前記一対の超音波アレイからそれぞれ得られた複数の超音波二次元画像から、前記生体の皮膚下の超音波三次元画像を合成する生体内超音波三次元画像生成装置であって、(b)前記一対の超音波アレイ直下の一対の超音波二次元画像を所定の周期で順次記憶する超音波二次元画像記憶部と、(c)前記超音波二次元画像記憶部により順次記憶されている複数対の超音波二次元画像のうちの所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像とに基づいて、それら所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の前記超音波プローブの移動方向および移動量を算出する移動方向移動量算出部と、(d)前記超音波二次元画像記憶部により順次記憶されている複数対の超音波二次元画像と、前記移動方向移動量算出部により算出された所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の前記超音波プローブの移動方向および移動量とから、超音波三次元画像を合成する三次元画像合成部と、(e)前記三次元画像合成部により合成された超音波三次元画像を構成する複数の超音波二次元画像のそれぞれについて、画像間の同じ位置にある画素間の濃淡を補完することで濃淡が連続する連続超音波三次元画像を生成する補完部とを、含むことにある。
第2発明の要旨とするところは、第1発明の生体内超音波三次元画像生成装置において、前記移動方向移動量算出部は、前記所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の並進量を移動ベクトルとして選択し、前記移動ベクトルの方向に基づいて前記移動方向を決定し、前記移動ベクトルの並進成分に基づいて前記移動量を決定することにある。
第3発明の要旨とするところは、第1発明の生体内超音波三次元画像生成装置を含む生体動脈血管形状検出装置であって、前記補完部により生成された連続超音波三次元画像をスライスして得られる複数の短軸画像内からそれぞれ得られる血管断面画像を重ねる最大値投影画像を用いて、長手状の動脈血管の立体画像を抽出する動脈抽出部と、前記動脈抽出部により抽出された前記動脈血管の立体画像の長手方向に直交する方向の断面画像を生成する動脈断面画像生成部とを、さらに含むことにある
第4発明の要旨とするところは、第3発明の生体動脈血管形状検出装置において、前記超音波二次元画像記憶部は、前記超音波プローブが前記生体の皮膚に所定の押圧力で押圧された状態で前記一対の超音波アレイからそれぞれ得られた複数の超音波二次元画像を所定の周期で記憶するものである。
第1発明によれば、(b)前記一対の超音波アレイ直下の一対の超音波二次元画像を所定の周期で順次記憶する超音波二次元画像記憶部と、(c)前記超音波二次元画像記憶部により順次記憶されている複数対の超音波二次元画像のうちの所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像とに基づいて、それら所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の前記超音波プローブの移動方向および移動量を算出する移動方向移動量算出部と、(d)前記超音波二次元画像記憶部により順次記憶されている複数対の超音波二次元画像と、前記移動方向移動量算出部により算出された所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の前記超音波プローブの移動方向および移動量とから、超音波三次元画像を合成する三次元画像合成部とを、含むことから、超音波プローブを生体の皮膚上で走査することにより、生体内の超音波三次元画像が正確に且つ容易に得られる。また、(e)前記三次元画像合成部により合成された超音波三次元画像を構成する複数の超音波二次元画像のそれぞれについて、画像間の同じ位置にある画素間の濃淡を補完することで濃淡が連続する連続超音波三次元画像を生成する補完部を、含むことから、超音波プローブを生体の皮膚上で一方向に走査することにより、生体内の連続超音波三次元画像が正確に且つ容易に得られる。
第2発明によれば、前記移動方向移動量算出部は、前記所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の並進量を移動ベクトルとして選択し、前記移動ベクトルの方向に基づいて前記移動方向を決定し、前記移動ベクトルの並進成分に基づいて前記移動量を決定する。これにより、繰り返し記憶される超音波二次元画像間の移動距離および方向が、センサ等を用いないで算出されるので、超音波プローブを生体の皮膚上で一方向に走査することにより、生体内の超音波三次元画像が正確に且つ容易に得られる。
第3発明によれば、前記補完部により生成された連続超音波三次元画像をスライスして得られる複数の短軸画像内からそれぞれ得られる血管断面画像を重ねる最大値投影画像を用いて、長手状の動脈血管の立体画像を抽出する動脈抽出部と、前記動脈抽出部により抽出された前記動脈血管の立体画像の長手方向に直交する方向の断面画像を生成する動脈断面画像生成部を、さらに含む。これにより、血管壁の側部が明確となった正確な短軸断面画像が得られる。
第4発明によれば、前記超音波二次元画像記憶部は、前記超音波プローブが前記生体の皮膚に所定の押圧力で押圧された状態で前記一対の超音波アレイからそれぞれ得られた複数の超音波二次元画像を所定の周期で記憶するものである。これにより、動脈と同様の管状臓器である静脈が上記押圧によって圧閉されることから、血圧の高い動脈だけが上記押圧下で管状臓器としての形状を維持するので、正確に動脈が選択される。
本発明の一実施例である生体内超音波三次元画像生成装置および生体動脈血管形状検出装置を含む動脈血管評価装置の全体的な構成を示す斜視図である。 図1の動脈血管評価装置における超音波プローブの血管に対する手動操作方向を説明する図である。 図1の動脈血管評価装置の測定対象である血管の多層膜構成を概略的に示す拡大図である。 図1の動脈血管評価装置による動脈血管のFMD評価における、阻血開放後の血管内腔径の変化を例示したタイムチャートである。 図1の動脈血管評価装置に備えられた制御機能の一例の要部を説明する機能ブロック線図である。 図5の超音波二次元画像算出制御部により生成された、第1短軸用超音波アレイ探触子直下の超音波二次元画像、第2短軸用超音波アレイ探触子直下の超音波二次元画像、及び長軸用超音波アレイ探触子直下の超音波二次元画像を、第1短軸用超音波アレイ探触子、第2短軸用超音波アレイ探触子、及び長軸用超音波アレイ探触子と共に、斜め方向から示す写真である。 図5の超音波二次元歯増記憶部により系列的にそれぞれ記憶された複数の、第1短軸用超音波アレイ探触子直下の超音波二次元画像、第2短軸用超音波アレイ探触子直下の超音波二次元画像、及び長軸用超音波アレイ探触子直下の超音波二次元画像を、斜め方向から示す写真である。 図5の三次元画像合成部により合成された三次元超音波画像を構成する3領域を説明する斜視図である。 図8の三次元超音波画像から得られた、時刻t1のフレーム中の血管断面画像候補、時刻2のフレーム中の血管断面画像候補、および時刻tnのフレーム中の血管断面画像候補と、それらの最大値投影を行った最大値投影画像を示す図である。 図8の三次元超音波画像から得られた、時刻t1のフレーム中の血管断面類似画像、時刻2のフレーム中の血管断面類似画像、および時刻tnのフレーム中の血管断面類似画像と、それらの最大値投影を行った最大値投影画像を示す図である。 図1の動脈評価装置の電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 図11に含まれる動脈血管断面検出制御ルーチンを説明するフローチャート図である。
本発明において、動脈血管評価装置に含まれる超音波三次元画像生成装置は、生体の上腕表皮下における動脈である上腕動脈だけでなく、生体の他の臓器、筋肉や骨などの超音波三次元画像の生成に適用される。また、上記動脈血管評価装置は、生体の前腕部やトウ骨動脈など表皮面より測定できる動脈等の他の動脈の血管形状や血管パラメータの測定においても同様に適用されるものである。
また、本発明において動脈血管評価装置に備えられたプローブは、好適には、互いに平行な2列の第1短軸用超音波アレイ探触子及び第2短軸用超音波アレイ探触子と、それらの長手方向中央部を連結する長軸用超音波アレイ探触子とを一平面に有して成るH型のハイブリッド型の超音波プローブである。しかし、一平面内において長手方向が交差する少なくとも一対の超音波アレイ探触子を有するものであればよい。上記一対の超音波アレイ探触子の交差角は、直角が好ましいが、やや計算が複雑となることが許容される場合には、必ずしも直角でなくてもよい。また、上記超音波プローブは、生体の皮膚上を走査されるとき〔必ずしもフリーハンドで走査されるだけでなく、機械に保持された状態で走査されてもよい。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、オペレータの手10により把持された超音波プローブ12を用いて、生体14の上腕16における皮膚18(厳密には表皮)の上からその皮膚18直下に位置する上腕動脈である血管20の非侵襲的な超音波診断を行う動脈血管評価装置22(以下、単に評価装置22という)の全体的な構成を例示する斜視図である。この評価装置22は、本発明の一実施例である超音波三次元画像生成装置および生体動脈血管形状検出装置としても機能している。
超音波プローブ12は、動脈血管20に関連する生体情報すなわち血管パラメータを検出するためのセンサとして機能するものであって、互いに平行な1対の第1短軸用超音波アレイ探触子24a及び第2短軸用超音波アレイ探触子24bと、それらの長手方向と直交する方向に長手状を成し、それらの長手方向中央部を連結する長軸用超音波アレイ探触子24cとを、1平面上すなわち平坦な探触面25に有するH型の超音波プローブである。第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24b、及び長軸用超音波アレイ探触子24cは、例えば後述する図2に示すように、圧電セラミックスから構成された多数個の超音波振動子(超音波発振子)a1〜anが直線的に配列されることにより長手状にそれぞれ構成されている。
図2は、超音波プローブ12に設けられた第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24b、及び長軸用超音波アレイ探触子24cを示す斜視図である。この超音波プローブ12は、第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24b、及び長軸用超音波アレイ探触子24cの長手方向が血管20に対して鋭角を成す状態でオペレータの手10により把持され、血管20の上を通過するように走査される。すなわち、第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24b、及び長軸用超音波アレイ探触子24cは、生体14の皮膚18上を並進させられる。
図3は、評価装置22の測定対象である血管20の多層膜構成を概略的に示す拡大図である。この図3に示す血管20は、好適には上腕動脈であり、内膜L1、中膜L2、及び外膜L3の3層構造を備えている。超音波の反射は、一般に音響インピーダンスの異なる部分で発生することから、超音波を用いた動脈血管20の状態測定において、実際は血管内腔の血液と前記内膜L1の境界面、及び前記中膜L2と前記外膜L3との境界面が白く表示され、組織が白黒の班で表示される。
図1に示すように、評価装置22は、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理するCPUを有する所謂マイクロコンピュータから構成された電子制御装置28と、モニタ画面表示装置(画像表示装置)30と、超音波駆動制御回路32を、備えている。評価装置22による血管状態の測定においては、電子制御装置28によって超音波駆動制御回路32から駆動信号が供給されると、超音波プローブ12の第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24b、及び長軸用超音波アレイ探触子24cからよく知られたビームフォーミング駆動によりビーム状の超音波が順次放射される。そして、第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24b、及び長軸用超音波アレイ探触子24cにより超音波の反射信号が検知され、電子制御装置28においてその検知された超音波反射信号の処理が行われることにより、皮膚18下の超音波二次元画像或いは超音波三次元画像が発生させられ、必要に応じてモニタ画面表示装置30に表示される。
図1において、評価装置22の電子制御装置28は、超音波駆動制御部80、検波処理部82、超音波信号処理部84、カフ圧制御部88、血管状態評価部90、及び表示制御部92を備えている。これらの制御機能は、電子制御装置28に機能的に備えられたものであるが、それらの制御機能のうち一部乃至全部が電子制御装置28とは別体の制御部として構成され、相互に情報の通信を行うことにより以下に詳述する制御を行うものであってもよい。
図4は、評価装置22の超音波プローブ12から動脈血管20に対して出力される超音波の反射信号に基づいて、血管20の超音波三次元画像から三次元動脈血管画像を抽出し、その三次元動脈血管画像からその長手方向に直交する断面を示す超音波短軸画像を生成し、その超音波短軸画像から内径、内膜厚、プラーク等を測定し、さらにはFMD(Flow-Mediated Dilation:血流依存性血管拡張反応)の評価を行う。このFMDの評価に際して、モニタ画面表示装置30は、動脈血管20における内膜の径の変化率すなわち内腔径の拡張率Rを時系列的に表示する。FMDの評価及び動脈血管20の超音波画像の生成等に際しては、超音波プローブ12は、測定対象である動脈血管20上の皮膚18に対して繰り返し走査される。
評価装置22による動脈20の血管状態の測定においては、超音波プローブ12は、前記生体14における上腕16の皮膚18の上からその皮膚18直下に位置する動脈血管20を変形させない程度に且つ静脈圧よりは高い押圧状態で一定の姿勢で走査される。これにより、静脈の断面画像が動脈の断面画像候補として混在することが好適に防止される。なお、超音波プローブ12の端面と皮膚18との間には、超音波の減衰、境界面における反射や散乱を抑制して超音波画像を明瞭とするためのよく知られたゼリー、オリーブ油、グリセリン等のカップリング剤や、水を樹脂製袋内に閉じ込めた水袋等が介在させられる。
超音波駆動制御回路32は、電子制御装置28に備えられた超音波駆動制御部80からの指令に従って前記超音波プローブ24から動脈血管20への超音波の放射を制御する。例えば、第1短軸用超音波アレイ探触子24aにおいて1列に配列された多数個の超音波振動子a1乃至anのうち、その端の超音波振動子aから一定数の超音波振動子群例えば15個のa乃至a15毎に所定の位相差を付与しつつ10MHz程度の周波数で同時駆動するビームフォーミング駆動することにより超音波振動子の配列方向において収束性の超音波ビームを動脈血管20に向かって順次放射させる。そして、超音波振動子を1個ずつずらしながらその超音波ビームをスキャン(走査)させたときの放射毎の反射波を受信し、電子制御装置28へ入力させる。電子制御装置28へ入力された反射波信号は、検波処理部82により検波され、超音波信号処理部84により以下に詳述する画像合成可能な情報として処理される。
超音波信号処理部84は、超音波プローブ12の走査中において、動脈血管20と他の組織との伝播速度差によりそれらの境界から反射される超音波反射信号間の時間差処理等を行って、第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像から成る画像データを所定の周期で繰り返し生成するとともに、その画像データを順次記憶する。また、超音波信号処理部84は、記憶された画像データから超音波三次元画像を合成するとともに、その超音波三次元画像からそれに含まれる長手状管状臓器の立体画像を抽出し、長手状管状臓器の長手方向に直交する方向の短軸断面画像を動脈20の断面画像として生成する。
血管状態評価部90は、そのようにして生成される動脈血管20の短軸画像から、その動脈血管20の径或いは内皮70の直径である内皮径(内腔径)d1等を算出する。また、動脈血管20の内皮機能を評価するために上腕16に巻回されたカフ62により所定時間圧迫された後に解放された場合には、上記内皮径(内腔径)d1等を逐次算出し、虚血反応性充血後のFMD(血流依存性血管拡張反応)を表す血管内腔径の拡張率(変化率)R(%)[=100×(d1−da)/da]を算出する。この式における「da」は、安静時の血管内腔径(ベース径、安静径)を示している。
評価装置22による血管状態の測定では、生体14における測定部位例えば上腕16がカフ62等の加圧装置により圧迫されて血流が阻止され、生体14の一部(阻血部よりも末梢側の部分)が虚血状態とされた後、その血流が急激に解放されて測定部位の血管20の血流が急速に増加させられることで、血管壁の内皮へのずり応力増加に伴う内皮からの一酸化窒素(NO)の産生が起こり、その一酸化窒素に依存する平滑筋の弛緩状況を調べることで内皮機能の判定が行われる。
表示制御部92は、血管状態評価部90において算出された動脈血管20の径或いは内皮70の直径である内皮径(内腔径)d1の虚血反応性充血後のFMD(血流依存性血管拡張反応)を表す血管内腔径の拡張率(変化率)R(%)等を、モニタ画面表示装置(画像表示装置)30に表示させる。また、前記超音波三次元画像或いは連続超音波三次元画像を必要に応じてモニタ画面表示装置(画像表示装置)30に表示させる。
図4は、評価装置22による動脈血管20のFMD評価における、阻血(駆血)開放後の血管内腔径d1の変化を例示したタイムチャートである。この図4においては、時点t1が阻血開放時を表しており、時点t2から血管内腔径d1が拡張し始め、時点t3で血管内腔径d1がその最大値dMAXに達していることが示されている。従って、電子制御装置28が算出する血管内腔径の拡張率Rは、時点t3で最大になる。
評価装置22による動脈血管20のFMD評価のための阻血は、図1に示すように、電子制御装置28に備えられたカフ圧制御部88により空気ポンプ58及び圧力制御弁60等が制御されることにより実行される。例えば、電子制御装置28からの指令に従って、空気ポンプ58からの元圧が圧力制御弁60で制御され、上腕16に巻回されたカフ62に供給される。具体的には、カフ62の圧力(カフ圧)が、たとえば生体14の最高血圧を超える所定の阻血カフ圧にまで昇圧させられることで、FMD評価のための前記阻血が行われる。このとき、カフ圧制御部88は、カフ62の圧力(カフ圧)を検出する圧力センサ64からの信号に応じてそのカフ圧を検出する。そして、図4においては、例えば、カフ圧制御部88は、阻血開放前の所定時間すなわち時点t1前の所定時間にわたってカフ圧を阻血カフ圧で維持し、阻血開放時(時点t1)においてカフ圧を直ちに大気圧にまで減圧する。これにより、測定部位Pにおける動脈血管20内の血流が急速に開始され、評価装置22により対象となる動脈血管20の虚血状態からの充血後の血管径dmaxが測定される。
図5は、超音波信号処理部84に備えられた制御機能の一例の要部を説明する機能ブロック線図である。超音波信号処理部84は、超音波二次元画像算出制御部100と、超音波二次元画像記憶部102と、移動方向移動量算出部104と、三次元画像合成部106と、補完部108と、動脈抽出部110と、動脈断面画像生成部112とを備えている。
超音波二次元画像算出制御部100は、超音波プローブ12の走査中において、動脈血管20と他の組織との伝播速度差によりそれらの境界から反射される超音波反射信号間の時間差処理等を行って、第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である第1短軸断面画像G1、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である第2短軸断面画像G2、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像G3を、所定の周期で繰り返し生成する。図6は、上記の第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である第1短軸断面画像G1、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である第2短軸断面画像G2、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像G3を、第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24b、及び長軸用超音波アレイ探触子24cと共に、斜め方向から示す写真である。
超音波二次元画像記憶部102は、超音波二次元画像算出制御部100により超音波プローブ12の走査中において所定の周期で繰り返し生成された、第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像に関する画像データを、時系列的に順次記憶する。図7は、上記時系列的にそれぞれ記憶された複数の、第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像を、斜め方向から示す写真である。
超音波二次元画像記憶部102は、動脈20の血管状態の測定の場合には、超音波プローブ12が生体の上腕14の皮膚18に所定の押圧力で押圧された状態で、第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像のそれぞれを所定の周期で記憶するものである。
移動方向移動量算出部104は、上記時系列的に記憶された第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像のそれぞれについて、たとえば時刻t−1の画像内の局所画像と時刻tの局所画像からテンプレトマッチングにより特定された略同一の局所画像との間すなわち時系列で隣接する局所画像間の移動ベクトルα、β、γを、画像内の一群の画素間の二乗誤差が最小となる並進量と移動方向を決定するオプティカルフローを利用して、二次元画像内でそれぞれ算出し、その移動ベクトルα、β、γのうちの少なくとも1対の移動ベクトルから第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24bおよび長軸用超音波アレイ探触子24cのうちの少なくとも1対の長手方向の交差角度に基づいて合成ベクトルを算出し、その合成ベクトルの方向および長さに基づいて時刻t−1の画像と時刻tの画像との間の移動方向および移動量すなわち超音波プローブ12の移動方向および移動量を算出する。
三次元画像合成部106は、移動方向移動量算出部104により算出された、時系列で隣接する画像間の移動方向および移動量を用いて、超音波二次元画像記憶部102に時系列的に記憶されている第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像を配列することにより、図7に示すような三次元画像を合成する。
補完部108は、三次元画像合成部106により合成された三次元画像を構成する第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像のそれぞれについて、画像間の同じ位置にある画素間の空間の輝度(濃淡)を、その画素のそれぞれの濃淡の平均値の輝度とする線型補完により、画像間の空間の濃淡を決定し、濃淡が連続した連続超音波三次元画像を生成する。図8は、前記超音波三次元画像或いは連続超音波三次元画像を構成する3領域を示す斜視図である。この3領域は、第1短軸画像G1から構成された第1三次元画像領域SG1、第2短軸画像G2から構成された第2三次元画像領域SG2、第3長軸画像G3から構成された第3三次元画像領域SG3である。
動脈抽出部110は、補完部108により生成された連続超音波三次元画像をたとえば1ボクセル毎にスライスした複数枚の短軸画像(フレーム)中から血管断面画像候補を抽出するとともに、1フレーム中にその血管断面画像候補が複数位置にある場合には、各時刻t1〜tnのフレーム毎の血管断面画像候補の最大値投影を行って血管断面画像候補を選択する。図9は、時刻t1のフレーム中の血管断面画像候補、時刻2のフレーム中の血管断面画像候補、・・・時刻tnのフレーム中の血管断面画像候補の最大値投影を行った最大値投影画像GBmを示している。超音波二次元画像中の血管断面は、血管の側部からの反射が小さいので、血管壁の上部および下部に対応する上下の白い領域の間に黒い領域が形成されている。図9では、各時刻t1〜tnのフレーム中の血管断面画像候補の最大値投影画像GBmは、より明確な血管断面画像の特徴を示している。しかし、図10における、時刻t1のフレーム中の血管断面類似画像、時刻t2のフレーム中の血管断面類似画像、・・・と時刻tnのフレーム中の血管断面類似画像の最大値投影画像GBmは、上記血管断面画像の特徴を失っているので、血管断面画像ではないと判断できる。動脈抽出部110は、上記のようにして選択された血管断面画像を各フレーム毎に追跡することで、連続超音波三次元画像中の長手状管状臓器である動脈血管20の立体画像を抽出する。
動脈断面画像生成部112は、補完部108により生成された連続超音波三次元画像から動脈抽出部110により抽出された動脈血管20の長手管状の立体画像から、その長手方向に直交する方向の動脈血管20の横断面画像を生成する。
図11は、電子制御装置28の超音波信号処理部84による動脈血管検断面出制御を含む血管状態評価制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、動脈血管断面検出制御ルーチンであるステップ(以下、ステップを省略する)S1においては、動脈血管断面検出制御ルーチンが実行されることにより、動脈20の長手方向に直交する横断面画像が算出される。このS1の動脈血管断面検出制御ルーチンは、図12に示されている。
図12のS11では、オペレータ10によって把持された超音波プローブ12がフリーハンドで生体の上腕14の皮膚18上を走査されたか否かが、たとえば超音波反射信号に基づいて或いは図示しない移動センサの出力に基づいて判断される。このS11の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。しかし、このS11の判断が肯定される場合は、超音波二次元画像算出制御部100に対応するS12において、超音波プローブ12の走査中において、動脈血管20と他の組織との伝播速度差によりそれらの境界から反射される超音波反射信号間の時間差処理等を行って、図6に示すような、第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である第1短軸断面画像G1、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である第2短軸断面画像G2、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像G3が、所定の周期で繰り返し算出される。
次いで、超音波二次元画像記憶部102に対応するS13では、S12において超音波プローブ12の走査中において所定の周期で繰り返し生成された、第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像に関する画像データが、時系列的に順次記憶される。
次に、移動方向移動量算出部104に対応するS14では、S13において時系列的に記憶された第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像のそれぞれについて、たとえば時刻t−1の画像内の局所画像と時刻tの局所画像からテンプレトマッチングにより特定された略同一の局所画像との間すなわち時系列で隣接する局所画像間の移動ベクトルα、β、γが、画像内の一群の画素間の二乗誤差が最小となる並進量と移動方向を決定するオプティカルフローを利用してそれぞれ求められ、その移動ベクトルα、β、γの方向および長さに基づいて時刻t−1の画像と時刻tの画像との間の移動方向および移動量が算出される。
また、三次元画像合成部106に対応するS15では、S14により算出された、時系列で隣接する画像間の移動方向および移動量を用いて、超音波二次元画像記憶部102に時系列的に記憶されている第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像である長軸断面画像を配列することにより、図7に示すような三次元画像が合成される。
続いて、補完部108に対応するS16では、S15により合成された三次元画像を構成する第1短軸用超音波アレイ探触子24a直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、第2短軸用超音波アレイ探触子24b直下の超音波二次元画像である短軸断面画像、及び長軸用超音波アレイ探触子24c直下の超音波二次元画像のそれぞれについて、画像間の同じ位置にある画素間の空間の輝度(濃淡)を、その画素のそれぞれの濃淡の平均値の輝度とする線型補完により、画像間の空間の濃淡を決定し、濃淡が連続した連続超音波三次元画像が生成される。
次に、動脈抽出部110に対応するS17では、S16により生成された連続超音波三次元画像をたとえば1ボクセル毎にスライスした複数枚の短軸画像(フレーム)中から血管断面画像候補を抽出するとともに、1フレーム中にその血管断面画像候補が複数位置にある場合には、各時刻t1〜tnのフレーム毎の血管断面画像候補を最大値投影を行って血管断面画像が選択されるとともに、上記のようにして選択された血管断面画像を各フレーム毎に追跡することで、連続超音波三次元画像中の長手状管状臓器である動脈血管20の立体画像を抽出する。
そして、動脈断面画像生成部112に対応するS18では、S16により生成された連続超音波三次元画像からS17により抽出された長手状管状臓器の立体画像である動脈血管20の立体画像の長手方向に直交する方向の動脈血管20の横断面画像が生成される。
図11に戻って、S2では、上記S18で生成された動脈血管20の横断面画像から、動脈20の径たとえば内皮70の直径である内皮径(内腔径)dが測定される。そして、S3では、S2で測定された内皮径(内腔径)dが安静時の内腔径dとして記憶される。図4の時点t0はこの状態を示している。
次いで、S4では、カフ62による圧迫によって上腕16が圧迫されて上腕16内の動脈血管20が止血される。図4の時点t2はこの状態を示している。次いで、S5において、止血から所定時間後たとえば5分後にカフ62による圧迫が解放されることで動脈血管20内の血流が急激に解放されて測定部位の血管20の血流が急速に増加させられる。これにより、動脈血管20の血管壁の内皮へのずり応力増加に伴う内皮からの一酸化窒素(NO)の産生が起こり、その一酸化窒素に依存する平滑筋の弛緩によって動脈血管20の内皮径の一時的増加現象が発生する。
この状態において、S6では、S1と同様の動脈血管断面検出制御ルーチンが、所定の周期で繰り返される超音波プローブ12の走査毎に実行される。そして、S7では、S2と同様に、S6で生成された動脈血管20の横断面画像から、動脈20の径たとえば内皮70の直径である内皮径(内腔径)dが、上記走査毎に測定され、順次測定された内皮径(内腔径)dが止血解放後の内腔径dとして逐次記憶される。図4の時点t1以降はこの状態を示している。この止血解放後の内腔径dの測定は、S8において止血解放後の動脈血管20の内腔径dが、図4の時点t3に示すように最大値dMAXに到達したと判断されるまで、繰り返し測定される。S8の判断が否定される場合は、S6以下が繰り返し実行される。
しかし、S8において、止血解放後の動脈血管20の内腔径dが最大値dMAXに到達したと判断されると、血管状態評価部90に対応するS9において、S8において判定された最大値dMAXとS3において求められた安静時の動脈20の内皮70の直径である内腔径daとに基づいて、動脈血管20の内皮機能を評価するための虚血反応性充血後のFMD(血流依存性血管拡張反応)を表す血管内腔径の拡張率(変化率)R(%)[=100×(dMAX−da)/da]が算出され、表示制御部92によってモニタ画面表示装置30に表示される。
上述のように、本実施例の動脈血管評価装置22によれば、その超音波三次元画像生成装置として機能する部分が、少なくとも一対の超音波アレイ(第1短軸用超音波アレイ探触子24a、第2短軸用超音波アレイ探触子24b、および長軸用超音波アレイ探触子24cのうちの少なくとも2つ)の直下の一対の超音波二次元画像をそれぞれ生成する超音波二次元画像算出制御部100と、超音波二次元画像算出制御部100により逐次生成された超音波二次元画像を時系列的に記憶する超音波二次元画像記憶部102と、超音波二次元画像記憶部102により順次記憶されている複数対の超音波二次元画像のうちの所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像とに基づいて、それら所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の超音波プローブ12の移動方向および移動量を算出する移動方向移動量算出部104と、超音波二次元画像記憶部102により順次記憶されている複数対の超音波二次元画像と、移動方向移動量算出部104により算出された所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の超音波プローブ12の移動方向および移動量とから、超音波三次元画像を合成する三次元画像合成部106とを、含むことから、フリーハンドで超音波プローブ12を生体の皮膚18上で一方向へ走査することにより、生体内の超音波三次元画像が正確に且つ容易に得ることができる。
また、本実施例の動脈血管評価装置22によれば、その超音波三次元画像生成装置として機能する部分が、三次元画像合成部106により合成された超音波三次元画像を構成する複数の超音波二次元画像の間において、同じ位置の画像間の濃淡を補完することで濃淡が連続する連続超音波三次元画像を生成する補完部108を、さらに含むことから、フリーハンドで超音波プローブ12を生体の皮膚18上で一方向に走査することにより、生体内の連続超音波三次元画像が正確に且つ容易に得られる。
本実施例の動脈血管評価装置22によれば、その超音波三次元画像生成装置として機能する部分の移動方向移動量算出部104は、所定の一対の超音波二次元画像(第1短軸画像および第2短軸画像)とその次に記憶された一対の超音波二次元画像(第1短軸画像および第2短軸画像)との間の二乗誤差をそれぞれ求め、その二乗誤差が最小となるときの並進量を移動ベクトルとしてそれぞれ選択し、それら一対の移動ベクトルの合成ベクトルの方向に基づいて前記移動方向を決定し、その合成ベクトルの並進成分(長さ)に基づいて前記移動量を決定する。これにより、繰り返し記憶される超音波二次元画像間の移動距離および方向が、センサ等を用いないで算出されるので、フリーハンドで超音波プローブ12を生体の皮膚上で操作することにより、生体内の超音波三次元画像が正確に且つ容易に得られる。
本実施例の動脈血管評価装置22によれば、その超音波三次元画像生成装置を含む生体動脈血管形状検出装置として機能する部分は、補完部108により生成された連続超音波三次元画像内に含まれる長手状管状臓器の立体画像を抽出し、その長手状管状臓器の長手方向に直交する方向の短軸断面画像を生成する動脈断面画像生成部112を、含むことから、動脈血管20の血管壁の側部が明確となった正確な短軸断面画像が得られる。
本実施例の動脈血管評価装置22の超音波三次元画像生成装置を含む生体動脈血管形状検出装置として機能する部分において、超音波二次元画像記憶部102は、超音波プローブ12が生体の皮膚18に所定の押圧力で押圧された状態で一対の超音波アレイからそれぞれ得られた複数の超音波二次元画像を所定の周期で記憶するものであるので、動脈血管20と同様の形状の管状臓器である静脈が上記押圧によって圧閉されることから、血圧の高い動脈血管20だけが上記の押圧下で管状臓器としての形状を維持するので、正確に動脈血管20が選択される。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:オペレータの手
12:超音波プローブ
14:生体
16:上腕
18:皮膚
20:血管
22:動脈血管評価装置
24a:第1短軸用超音波アレイ探触子
24b:第2短軸用超音波アレイ探触子
24c:長軸用超音波アレイ探触子
25:探触面
28:電子制御装置
30:モニタ画面表示装置(画像表示装置)
32:超音波駆動制御回路
58:空気ポンプ
60:圧力制御弁
62:カフ
64:圧力センサ
70:内皮
80:超音波駆動制御部
82:検波処理部
84:超音波信号処理部
88:カフ圧制御部
90:血管状態評価部
92:表示制御部
100:超音波二次元画像算出制御部
102:超音波二次元画像記憶部
104:移動方向移動量算出部
106:三次元画像合成部
108:補完部
110:動脈抽出部
112:動脈断面画像生成部
G1:第1短軸画像
G2:第2短軸画像
G3:長軸画像
GBm:最大値投影画像

Claims (4)

  1. 互いに交差する長手方向を有する一対の超音波アレイを有する超音波プローブと、前記一対の超音波アレイから生体内に超音波を放射させ、その超音波の反射信号に基づいて前記生体の前記一対の超音波アレイ直下の断面画像を表す超音波二次元画像をそれぞれ得る超音波二次元画像算出制御部とを備え、生体の皮膚上において前記一対の超音波アレイを前記一対の超音波アレイの長手方向とは異なる方向に移動させたときに前記一対の超音波アレイからそれぞれ得られた複数の超音波二次元画像から、前記生体の皮膚下の超音波三次元画像を合成する生体内超音波三次元画像生成装置であって、
    前記一対の超音波アレイ直下の一対の超音波二次元画像を所定の周期で順次記憶する超音波二次元画像記憶部と、
    前記超音波二次元画像記憶部により順次記憶されている複数対の超音波二次元画像のうちの所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像とに基づいて、それら所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の前記超音波プローブの移動方向および移動量を算出する移動方向移動量算出部と、
    前記超音波二次元画像記憶部により順次記憶されている複数対の超音波二次元画像と、前記移動方向移動量算出部により算出された所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の前記超音波プローブの移動方向および移動量とから、超音波三次元画像を合成する三次元画像合成部と
    前記三次元画像合成部により合成された超音波三次元画像を構成する複数の超音波二次元画像のそれぞれについて、画像間の同じ位置にある画素間の濃淡を補完することで濃淡が連続する連続超音波三次元画像を生成する補完部と
    を、含むことを特徴とする生体内超音波三次元画像生成装置。
  2. 前記移動方向移動量算出部は、前記所定の一対の超音波二次元画像とその次に記憶された一対の超音波二次元画像との間の並進量を移動ベクトルとして選択し、前記移動ベクトルの方向に基づいて前記移動方向を決定し、前記移動ベクトルの並進成分に基づいて前記移動量を決定する
    ことを特徴とする請求項1の生体内超音波三次元画像生成装置。
  3. 請求項1の生体内超音波三次元画像生成装置と、
    前記補完部により生成された連続超音波三次元画像をスライスして得られる複数の短軸画像内からそれぞれ得られる血管断面画像を重ねる最大値投影画像を用いて、長手状の動脈血管の立体画像を抽出する動脈抽出部と、
    前記動脈抽出部により抽出された前記動脈血管の立体画像の長手方向に直交する方向の断面画像を生成する動脈断面画像生成部と
    を、含むことを特徴とする生体動脈血管形状検出装置。
  4. 前記超音波二次元画像記憶部は、前記超音波プローブが前記生体の皮膚に所定の押圧力で押圧された状態で前記一対の超音波アレイからそれぞれ得られた複数の超音波二次元画像を所定の周期で記憶するものである
    ことを特徴とする請求項3の生体動脈血管形状検出装置。
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