JP2009136445A - 超音波診断装置、及び超音波画像取得プログラム - Google Patents

超音波診断装置、及び超音波画像取得プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】走査領域の全体を表す画像データを生成しつつ、走査領域に含まれる所望の領域を表す画像データのリアルタイム性を向上させることが可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、トリガ信号を受ける度に異なるサブボリュームを超音波で走査することで、個々のサブボリュームごとに、取得された時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得し、所望のサブボリュームの走査の指示を受けた場合には、その所望のサブボリュームを継続して走査することで、所望のサブボリュームについて、取得された時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得する。画像処理部6は、互いに異なるサブボリュームを走査することで取得されたデータであって、同じ時相に取得された各サブボリュームにおけるデータを結合し、その結合したデータに基づいて超音波画像データを生成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、3次元の領域を超音波で走査する超音波診断装置に関する。また、超音波診断装置による超音波の走査を制御することで、超音波画像を取得する超音波画像取得プログラムに関する。
超音波振動子が2次元的に配置された2次元アレイプローブを用いることで、3次元の領域を超音波で走査し、その走査によってボリュームデータを取得することができる。そのボリュームデータにボリュームレンダリングを施すことにより、被検体内の組織を立体的に表す3次元画像データを生成することができる。また、ボリュームデータにMPR処理(Multi Plannar Reconstruction)を施すことにより、ボリュームデータを任意の断面で切断し、その切断面における組織の画像データ(MPR画像データ)を生成することができる。
例えば、心筋の動きを観察し、壁運動の異常を検出するような診断においては、超音波画像をリアルタイムに取得することが求められる。しかしながら、3次元領域を超音波で走査する場合、全体の走査領域が広がるため、超音波画像をリアルタイムに取得することが困難になる。
そこで、従来においては、全体の走査領域を複数の領域に分け、心電波形(ECG信号)をトリガ信号として各領域を走査し、各領域を走査することで取得した信号を結合することで、全体の走査領域における画像データを生成する手法が提案されている(例えば特許文献1)。
例えば、3次元の走査領域を4つの個別領域に分割する。以下、個別領域を「サブボリューム」と称する場合がある。そして、サブボリュームの単位で走査を行い、その走査で取得したデータを結合することで、全体の走査領域における画像データを生成する。さらに、被検体の心電波形(ECG信号)を取得し、そのECG信号をトリガ信号として各サブボリュームを走査する。以下、ECG信号を利用した走査方法について説明する。
ECG信号を利用して走査を行う場合、心電計により被検体の心電波形を取得し、例えば、心電波形のR波が検出されたタイミングで、トリガ信号を生成して超音波診断装置に出力する。超音波診断装置がそのトリガ信号を受けるたびに、異なるサブボリュームを超音波で走査し、各サブボリュームのデータを取得する。すなわち、1心拍ごとに異なるサブボリュームを超音波で走査する。
例えば、超音波診断装置が第1のトリガ信号Iを受けると、そのトリガ信号に従い、超音波プローブによって走査を開始する。第1のトリガ信号Iに対応する心拍では、超音波診断装置は、第1のサブボリュームを走査する。すなわち、超音波診断装置は、第1のトリガ信号Iを受けてから次のトリガ信号である第2のトリガ信号Iを受けるまで、第1のサブボリュームを走査する。例えば、1心拍中に同じ第1のサブボリュームを4回走査することで、1心拍中における時相がそれぞれ異なるデータA1、A2、A3及びA4を取得する。
次のトリガ信号である第2のトリガ信号Iに対応する心拍では、超音波診断装置は、第2のサブボリュームを4回走査する。すなわち、超音波診断装置は、第2のトリガ信号Iを受けてから次のトリガ信号である第3のトリガ信号Iを受けるまで、第2のサブボリュームを4回走査することで、1心拍中における時相がそれぞれ異なるデータB1、B2、B3及びB4を取得する。
同様に、第3のトリガ信号Iに対応する心拍では、超音波診断装置は、第3のサブボリュームを4回走査することで、1心拍中における時相がそれぞれ異なるデータC1、C2、C3及びC4を取得する。さらに、第4のトリガ信号Iに対応する心拍では、超音波診断装置は、第4のサブボリュームを4回走査することで、1心拍中における時相がそれぞれ異なるデータD1、D2、D3及びD4を取得する。このように、超音波診断装置は、ECG信号に基づくトリガ信号に応じて、異なるサブボリュームを超音波で走査することで、各サブボリュームのデータを取得する。
そして、超音波診断装置は、異なるサブボリュームを走査することで取得したデータであって、1心拍中の同じ時相に取得されたデータ同士を結合することで、全体の走査領域を表す1つのデータを生成する。具体的には、超音波診断装置は、異なるサブボリュームのデータであって、1心拍中の同じ時相に取得したデータA1、B1、C1及びD1を結合することで、全体の走査領域を表すデータを生成する。同様に、各時相におけるサブボリュームのデータを結合することにより、各時相における全体の走査領域を表すデータを生成する。そして、超音波診断装置は、全体の走査領域を表すデータにボリュームレンダリングなどの画像処理を施すことにより、3次元画像データなどの超音波画像データを生成する。
さらに、次のトリガ信号である第5のトリガ信号Iに対応する心拍では、超音波診断装置は、再び第1のサブボリュームを走査することで、1心拍中における時相がそれぞれ異なるデータA5、A6、A7及びA8を取得する。このように、新たなデータが取得されると、超音波診断装置は、第1のサブボリュームのデータを更新し、データA5、B1、C1及びD1を結合することで、全体の走査領域を表すデータを生成する。そして、更新したデータに基づいて3次元画像データなどの超音波画像データを生成する。すなわち、第1のサブボリュームについては、新たに取得されたデータA5を用いることで、全体の走査領域を表すデータを生成する。そして、順次、各サブボリュームのデータを更新して新たな3次元画像データを生成していく。
米国特許第6,544,175号明細書
しかしながら、従来技術に係る走査方法によると、1心拍ごとに各サブボリュームを走査し、複数の心拍数に応じた時間をかけて全体の走査領域を走査する。そのため、1心拍に応じた時間をかけてあるサブボリュームが走査されると、次に同じサブボリュームが走査されるためには、サブボリュームの数に応じた心拍数の時間を待つ必要があった。上述した例では、全体の走査領域を4つのサブボリュームに分け、各サブボリュームを1心拍ごとに順番に走査しているため、同じサブボリュームを次に走査し始めるまでに、4心拍分の時間を待つ必要があった。例えば、1心拍目で第1のサブボリュームを走査し、次に第1のサブボリュームを走査するのは5心拍目であるため、第1のサブボリュームが再び走査されるまで、4心拍分の時間が必要であった。そのため、第1のサブボリュームにおけるデータを更新するためには、4心拍分の時間を要し、生成される超音波画像のリアルタイム性が損なわれる問題があった。
以上のように、全体の走査領域を複数のサブボリュームに分けて走査を行うと、同じサブボリュームが走査され始めるまでに、サブボリュームの数に応じた心拍数の時間を待つ必要があった。その結果、各サブボリュームにおけるデータの更新に時間がかかってしまうため、超音波画像のリアルタイム性が損なわれてしまう問題があった。
この発明は上記の問題点を解決するものであり、全体の走査領域を表す画像データを生成しつつ、全体の走査領域に含まれる所望の領域を表す画像データのリアルタイム性を向上させることが可能な超音波診断装置、及び超音波画像取得プログラムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、3次元の走査領域を複数の個別領域に分け、心電波形に基づいたトリガ信号を受けるたびに異なる個別領域を超音波で走査し、次のトリガ信号を受けるまで同じ個別領域を走査することで、個々の個別領域ごとに1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得し、前記複数の個別領域のうち所望の個別領域の走査の指示を受けた場合には、前記所望の個別領域を継続して走査することで、前記所望の個別領域について、1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得するスキャン手段と、互いに異なる個別領域を走査することで取得されたデータであって、前記複数のデータのうち同じ時相に取得された各個別領域におけるデータを結合して、前記3次元の走査領域を表す超音波画像データを生成する画像処理手段と、前記生成された超音波画像データに基づく超音波画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
また、請求項5に記載の発明は、コンピュータに、3次元の走査領域を複数の個別領域に分け、心電波形に基づいたトリガ信号を受けるたびに異なる個別領域をスキャン手段に走査させ、次のトリガ信号を受けるまで同じ個別領域を前記スキャン手段に走査させることで、個々の個別領域ごとに1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得し、前記複数の個別領域のうち所望の個別領域の走査の指示を受けた場合には、前記所望の個別領域を継続して前記スキャン手段に走査させることで、前記所望の個別領域について、1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得するスキャン制御機能と、互いに異なる個別領域を走査することで取得されたデータであって、前記複数のデータのうち同じ時相に取得された各個別領域のデータを結合して、前記3次元の走査領域を表す超音波画像データを生成する画像処理機能と、前記生成された超音波画像データに基づく超音波画像を表示装置に表示させる表示制御機能と、を実行させることを特徴とする超音波画像取得プログラムである。
この発明によると、所望の個別領域を継続して走査することで、複数の心拍を待たずに、所望の個別領域における画像データを更新することが可能となる。そのことにより、全体の走査領域を表す画像データを生成しつつ、所望の個別領域における画像データをリアルタイムに更新して生成することが可能となる。
この発明の実施形態に係る超音波診断装置について図1を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置を示すブロック図である。
この発明の実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信部3、信号処理部4、記憶部5、画像処理部6、表示制御部7、ユーザインターフェース(UI)8、制御部9、及びトリガ信号生成部10を備えている。
超音波プローブ2には、超音波振動子が2次元的に配置された2次元アレイプローブが用いられる。この2次元アレイプローブは、3次元的に超音波を送信して反射波を受信することで、放射状に広がる形状の3次元データをエコー信号として受信する。また、2次元アレイプローブの代わりに、1次元アレイプローブを超音波プローブ2に用いても良い。例えば、超音波振動子が走査方向に配列され、超音波振動子を走査方向とは直交する方向に機械的に揺動することが可能な1次元アレイプローブを用いても良い。
送受信部3は送信部と受信部とを備え、超音波プローブ2に電気信号を供給して超音波を発生させ、超音波プローブ2が受信したエコー信号を受信する。
送受信部3の送信部は、図示しないクロック発生回路、送信遅延回路、及びパルサ回路を備えている。クロック発生回路は、超音波信号の送信タイミングや送信周波数を決めるクロック信号を発生する回路である。送信遅延回路は、超音波の送信時に遅延を掛けて送信フォーカスを実施する回路である。パルサ回路は、各超音波振動子に対応した個別経路(チャンネル)の数分のパルサを内蔵し、遅延が掛けられた送信タイミングで駆動パルスを発生し、超音波プローブ2の各超音波振動子に供給するようになっている。
また、送受信部3の受信部は、図示しないプリアンプ回路、A/D変換回路、受信遅延回路、及び加算回路を備えている。プリアンプ回路は、超音波プローブ2の各超音波振動子から出力されるエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。A/D変換回路は、増幅されたエコー信号をA/D変換する。受信遅延回路は、A/D変換後のエコー信号に対して受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与え、加算回路は、遅延時間が与えられたエコー信号を加算する。その加算により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
送受信部3はスキャン制御部91から出力されるスキャン制御信号に従って、超音波プローブ2に電気信号を供給して超音波を発生させ、3次元の領域を走査する。そのスキャン制御信号には、超音波による走査に関するスキャン条件が含まれている。スキャン条件には、例えば、3次元の走査領域を示す座標情報が含まれている。送受信部3は、スキャン制御部91から出力されたスキャン制御信号を受けると、そのスキャン制御信号に含まれる3次元の走査領域を示す座標情報に従って、その走査領域内を走査する。
信号処理部4は、Bモード処理部やCFM処理部などを備えている。送受信部3から出力された受信信号は、いずれかの処理部にて所定の処理が施される。Bモード処理部は、エコーの振幅情報の映像化を行い、エコー信号から超音波ラスタデータを生成する。具体的には、Bモード処理部は送受信部3から出力された受信信号に対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、出力信号の包絡線を検波し、検波されたデータに対して対数変換による圧縮処理を施す。また、CFM処理部は、動いている血流情報の映像化を行う。血流情報には、速度、分散、パワー等の情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。
記憶部5は、メモリやハードディスクなどの記憶装置で構成され、信号処理部4により生成された超音波ラスタデータを記憶する。
この実施形態に係る超音波診断装置1は、心電計を用いて被検体の心電波形(ECG信号)を取得し、そのECG信号に基づくトリガ信号に応じて送受信部3による超音波の送受信を制御する。例えば、トリガ信号生成部10は、超音波診断装置1の外部からECG信号を受信し、そのECG信号からR波を検出する。そして、トリガ信号生成部10は、ECG信号からR波を検出すると、トリガ信号を発生して、そのトリガ信号を制御部9に出力する。スキャン制御部91は、トリガ信号に応じて送受信部3による超音波の送受信を制御する。また、超音波診断装置1の外部にトリガ信号生成部10を設けても良い。この場合、超音波診断装置1の外部に設置されたトリガ信号生成部10がECG信号を受けて、そのECG信号からR波を検出した場合にトリガ信号を生成する。そして、トリガ信号生成部10は、そのトリガ信号を超音波診断装置1の制御部9に出力する。
制御部9の設定条件記憶部92には、スキャン条件が記憶されている。スキャン条件には、例えば、超音波の走査対象となる3次元の走査領域を示す座標情報、3次元の走査範囲の分割パターン、3次元領域であるサブボリュームの範囲を示す座標情報、各サブボリュームを走査する順番、超音波を送信する深さ、走査線密度、及び並列同時受信数などが含まれる。スキャン制御部91は、設定条件記憶部92からスキャン条件を読み込み、そのスキャン条件をスキャン制御信号に含ませて送受信部3に出力する。送受信部3は、サブボリュームの範囲を示す座標情報などを含むスキャン制御信号に従って、各サブボリュームを超音波プローブ2によって走査する。なお、走査領域を示す座標情報やサブボリュームの範囲を示す座標情報は、例えば、超音波を送受信する角度の範囲が該当する。この実施形態では、スキャン制御部91は心電波形(ECG信号)に従って走査の開始タイミングを図り、その開始タイミングでスキャン制御信号を送受信部3に出力する。
ここで、超音波プローブ2と送受信部3が走査する3次元の走査領域、及び走査のタイミングについて説明する。送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、ECG信号に基づくトリガ信号を利用して、各サブボリュームを走査する。ここで、3次元の走査領域を図2に示す。図2は、分割された走査領域を説明するための模式図である。
例えば図2(a)に示すように、スキャン制御部91は、スキャン条件に含まれる分割パターンに従って、全体の走査領域Sを複数の個別領域に分割する。走査領域Sは3次元の領域であり、各個別領域も3次元の領域である。図2(a)に示す例では、スキャン制御部91は、3次元の走査領域Sを4つの個別領域A、B、C及びDに分割する。以下、分割された個々の個別領域A〜Dを、サブボリュームと称することにする。図2(a)に示す例では、4つのサブボリュームを、それぞれ、サブボリュームA、サブボリュームB、サブボリュームC、サブボリュームDとする。ここでは、サブボリュームA、B、C及びDがA、B、C、Dの順番に1列に並ぶように全体の走査領域Sを分割している。上述したように、走査領域Sの分割パターンはスキャン条件に含まれて設定条件記憶部92に記憶されている。スキャン制御部91は、スキャン条件に含まれる分割パターンに従って、全体の走査領域Sを4つのサブボリュームに分割する。なお、図2(a)に示す分割の例は1例であり、他の分割パターンによって全体の走査領域Sを複数の個別領域に分割しても良い。
そして図2(b)に示すように、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、各サブボリュームを順番に走査する。例えば、送受信部3は、サブボリュームA、B、C及びDが、サブボリュームA、サブボリュームB、サブボリュームC、サブボリュームDの順番に1列に並ぶように全体の走査領域Sを等分割して走査を行う。これにより、サブボリュームAの隣がサブボリュームBになる。また、サブボリュームBの隣であって、サブボリュームAの反対側がサブボリュームCになる。また、サブボリュームCの隣であって、サブボリュームBの反対側がサブボリュームDになる。
そして、全体の走査領域Sを複数のサブボリュームに分割した上で、超音波診断装置1は、被検体のECG信号を取得し、そのECG信号に基づくトリガ信号に従って各サブボリュームを超音波で走査する。
以下、ECG信号を利用した走査方法について図3と図4を参照して説明する。図3は、トリガ信号に応じて各時相において取得されたデータと、そのデータの結合とを説明するための模式図である。図4は、各心拍における走査対象のサブボリュームと、結合するデータとを説明するための表である。
心電計により被検体の心電波形(ECG信号)が取得され、例えば、R波が検出されると、トリガ信号が生成されて制御部9に出力される。例えば図3に示すように、第1のトリガ信号Iが制御部9に出力され、スキャン制御部91がその第1のトリガ信号Iを受信すると、送受信部3に対してビームフォーミングに必要な遅延パターンなどのスキャン制御信号を出力する。そのスキャン制御信号には、上述したように、走査領域Sの分割パターンやサブボリュームの範囲などのスキャン条件が含まれている。
具体的には、第1のトリガ信号Iに対応する第1の心拍では、スキャン制御部91は、サブボリュームAを走査するために、サブボリュームAの領域を示す座標情報を上記スキャン制御信号に含ませて送受信部3に出力する。送受信部3はそのスキャン制御信号に従って、超音波プローブ2によってサブボリュームAを走査することで、サブボリュームAの受信信号を取得する。すなわち、送受信部3は、スキャン制御部91の制御の下、スキャン制御部91が第1のトリガ信号Iを受けてから次のトリガ信号である第2のトリガ信号Iを受けるまで、サブボリュームAを走査する。
信号処理部4は送受信部3から受信信号を受けると、その受信信号に信号処理を施すことで超音波ラスタデータを生成する。この実施形態では、3次元の走査領域を走査することでボリュームデータを取得し、そのボリュームデータを記憶部5に記憶する。
例えば図3と図4に示すように、第1のトリガ信号Iに対応した第1心拍で、送受信部3はサブボリュームAを4回走査する。そして、図3と図4に示すように、送受信部3は、1心拍中における時相がそれぞれ異なる受信信号A1、A1、A3及びA4を取得する。
ここで、サブボリュームを1回走査するために必要な走査時間をΔtとする。また、スキャン制御部91が第1のトリガ信号Iを受けた時相をtとし、その時相tで走査を開始して取得した受信信号を受信信号A1とする。その受信信号A1を取得した後、時相tで走査を開始して取得した受信信号を受信信号A2とする。その受信信号A2を取得した後、時相tで走査を開始して取得した受信信号を受信信号A3とする。その受信信号A3を取得した後、時相tで走査を開始して取得した受信信号を受信信号A4とする。つまり、送受信部3は、時相t〜時相tの間(=Δt)で受信信号A1を取得し、時相t〜時相tの間(Δt)で受信信号A2を取得し、時相t〜時相tの間で受信信号A3を取得し、時相t〜時相tの間(Δt)で受信信号A4を取得する。以上のように、送受信部3は、第1のトリガ信号Iに対応した1心拍中では、受信信号A1、A2、A3及びA4を取得する。
なお、受信信号A1に基づくボリュームデータを「ボリュームデータA1」、受信信号A2に基づくボリュームデータを「ボリュームデータA2」、受信信号A3に基づくボリュームデータを「ボリュームデータA3」、受信信号A4に基づくボリュームデータを「ボリュームデータA4」と、便宜的に称することにする。また、受信信号A1に基づく3次元画像データを「3次元画像データA1」、受信信号A2に基づく3次元画像データを「3次元画像データA2」、受信信号A3に基づく3次元画像データを「3次元画像データA3」、受信信号A4に基づく3次元画像データを「3次元画像データA4」と、便宜的に称することにする。
そして、次のトリガ信号である第2のトリガ信号Iが制御部9に出力され、スキャン制御部91が第2のトリガ信号Iを受信すると、スキャン制御部91は、サブボリュームBを走査するために、サブボリュームBの領域を示す座標情報をスキャン制御信号に含ませて送受信部3に出力する。送受信部3はそのスキャン制御信号に従って、超音波プローブ2によってサブボリュームBを走査することで、サブボリュームBの受信信号を取得する。すなわち、送受信部3は、スキャン制御部91の制御の下、スキャン制御部91が第2のトリガ信号Iを受けてから次のトリガ信号である第3のトリガ信号Iを受けるまで、サブボリュームBを走査する。例えば図3に示すように、送受信部3は、1心拍中における時相がそれぞれ異なる受信信号B1、B2、B3及びB4を取得する。
そして、次のトリガ信号である第3のトリガ信号Iが制御部9に出力され、スキャン制御部91が第3のトリガ信号Iを受信すると、スキャン制御部91は、サブボリュームCを走査するために、サブボリュームCの領域を示す座標情報をスキャン制御信号に含ませて送受信部3に出力する。そして、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、サブボリュームCを走査し、1心拍中における時相がそれぞれ異なる受信信号C1、C2、C3及びC4を取得する。
さらに、次のトリガ信号である第4のトリガ信号Iが制御部9に出力され、スキャン制御部91が第4のトリガ信号Iを受信すると、スキャン制御部91は、サブボリュームDを走査するために、サブボリュームDの領域を示す座標情報をスキャン制御信号に含ませて送受信部3に出力する。そして、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、サブボリュームDを走査し、1心拍中における時相がそれぞれ異なる受信信号D1、D2、D3及びD4を取得する。
以上のように、スキャン制御部91は、新たなトリガ信号を受信するたびに、送受信部3に異なるサブボリュームを超音波で走査させ、各サブボリュームの受信信号を取得させる。すなわち、スキャン制御部91が新たなトリガ信号を受信するまで、送受信部3は同じサブボリュームを走査し続ける。そして、スキャン制御部91が新たなトリガ信号を受信すると、送受信部3は別のサブボリュームを走査する。
画像処理部6は、データ取得部61、データ結合部62、及び画像生成部63を備えている。画像処理部6は、各サブボリュームのボリュームデータを記憶部5から読み出して、それらを結合し、結合したデータに基づいて3次元画像データやMPR画像データなどの超音波画像データを生成する。
データ取得部61は、各サブボリュームのボリュームデータを記憶部5から読み出してデータ結合部62に出力する。データ取得部61は、超音波の送受信によって新たなボリュームデータが取得されると、その新たなボリュームデータを記憶部5から取得してデータ結合部62に出力する。
データ結合部62は、互いに異なるサブボリュームデータを走査することで取得されたボリュームデータであって、1心拍中において同じ時相に取得されたボリュームデータを結合する。すなわち、データ結合部62は、異なる心拍に取得されたボリュームデータであって、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合する。なお、データ結合部62は、各サブボリュームについて、直近の心拍において取得されたボリュームデータを用いて結合する。例えば、データ結合部62は、直近の心拍において取得された各サブボリュームにおけるボリュームデータを一時的に記憶しておき、異なるサブボリュームにおけるボリュームデータであって、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合する。
画像生成部63は、ボリュームデータにボリュームレンダリングを施すことで、ボリュームデータに含まれる組織を立体的に表す3次元画像データを生成する。また、画像生成部63は、ボリュームデータにMPR処理を施すことにより、ボリュームデータを任意の断面で切断し、その切断した面におけるMPR画像データを生成しても良い。
例えば、図3と図4に示すように、第1のトリガ信号Iに対応する第1心拍においてサブボリュームAが走査されて、ボリュームデータA1が取得されると、データ取得部61はボリュームデータA1を記憶部5から取得し、そのボリュームデータA1をデータ結合部62に出力する。この時点においては、サブボリュームAのみが走査されているため、データ結合部62は、ボリュームデータA1を画像生成部63に出力する。画像生成部63は、そのボリュームデータA1にボリュームレンダリングを施すことにより、サブボリュームAに含まれる組織を立体的に表す3次元画像データA1を生成する。また、画像生成部63は、ボリュームデータA1にMPR処理を施すことにより、ボリュームデータA1を任意の断面で切断し、その切断した面における画像データを生成しても良い。表示制御部7は、3次元画像データA1に基づく3次元画像A1を表示部81に表示させる。この3次元画像A1は、時相t〜時相tにおけるサブボリュームAに含まれる組織を立体的に表している。
そして、送受信部3によってボリュームデータA2が取得されると、データ取得部61はボリュームデータA2を記憶部5から取得し、そのボリュームデータA2をデータ結合部62に出力する。この時点においては、サブボリュームAのみが走査されているため、データ結合部62は、ボリュームデータA2を画像生成部63に出力する。画像生成部63は、そのボリュームデータA2にボリュームレンダリングを施すことにより、サブボリュームAに含まれる組織を立体的に表す3次元画像データA2を生成する。表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、3次元画像データA2に基づく3次元画像A2を表示部81に表示させる。この3次元画像A2は、時相t〜時相tにおけるサブボリュームAに含まれる組織を立体的に表している。
同様に、送受信部3によってボリュームデータA3が取得されると、画像生成部63はボリュームデータA3に基づいて3次元画像データA3を生成し、表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、3次元画像データA3に基づく3次元画像A3を表示部81に表示させる。さらに、送受信部3によってボリュームデータA4が取得されると、画像生成部63はボリュームデータA4に基づいて3次元画像データA4を生成し、表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、3次元画像データA4に基づく3次元画像A4を表示部81に表示させる。
そして、第2のトリガ信号Iに対応する第2心拍においてサブボリュームBが走査されて、ボリュームデータB1が取得されると、データ取得部61はボリュームデータB1を記憶部5から取得し、そのボリュームデータB1をデータ結合部62に出力する。ボリュームデータB1は、ボリュームデータA1とは異なるサブボリュームを走査することで取得されたデータであって、ボリュームデータA1と同じ時相に取得されたデータである。そのため、データ結合部62は、既に取得されているボリュームデータA1と新たに取得されたボリュームデータB1とを結合し、結合したボリュームデータを画像生成部63に出力する。画像生成部63は、ボリュームデータA1とボリュームデータB1とを結合したボリュームデータに基づいて、サブボリュームAとサブボリュームBにおける3次元画像データを生成する。表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、サブボリュームAとサブボリュームBにおける3次元画像を表示部81に表示させる。この3次元画像は、時相t〜時相tにおけるサブボリュームAとサブボリュームBとに含まれる組織を立体的に表している。
そして、送受信部3によってボリュームデータB2が取得されると、データ取得部61はボリュームデータB2を記憶部5から取得し、そのボリュームデータB2をデータ結合部62に出力する。ボリュームデータB2は、ボリュームデータA2とは異なるサブボリュームを走査することで取得されたデータであって、ボリュームデータA2と同じ時相に取得されたデータである。そのため、データ結合部62は、既に取得されているボリュームデータA2と新たに取得されたボリュームデータB2とを結合し、結合したボリュームデータを画像生成部63に出力する。画像生成部63は、ボリュームデータA2とボリュームデータB2とを結合したボリュームデータに基づいて、サブボリュームAとサブボリュームBにおける3次元画像データを生成する。この3次元画像データは、時相t〜時相tにおけるサブボリュームAとサブボリュームBとに含まれる組織を立体的に表している。表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、時相t〜時相tにおける3次元画像を表示部81に表示させる。
以降、データ結合部62は、ボリュームデータA3とボリュームデータB3とを結合し、画像生成部63は、ボリュームデータA3とボリュームデータB3とを結合したボリュームデータに基づいて、サブボリュームAとサブボリュームBにおける3次元画像データを生成する。この3次元画像データは、時相t〜時相tにおけるサブボリュームAとサブボリュームBとに含まれる組織を立体的に表している。表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、時相t〜時相tにおける3次元画像を表示部81に表示させる。同様に、データ結合部62は、ボリュームデータA4とボリュームデータB4とを結合し、画像生成部63は、その結合したボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成し、表示制御部7は、時相t〜時相tにおける3次元画像を表示部81に表示させる。
さらに、第3心拍においてサブボリュームCが走査されると、データ結合部62は、ボリュームデータA1、B1及びC1を結合することで1つのボリュームデータを生成し、画像生成部63は、結合されたボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成する。同様に、データ結合部62は、ボリュームデータA2、B2、及びC2を結合し、ボリュームデータA3、B3、及びC3を結合し、ボリュームデータA3、B3、及びC3を結合する。そして、画像生成部63は、結合した各ボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成する。
以上のように、データ結合部62は、互いに異なるサブボリュームデータを走査することで取得されたボリュームデータであって、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合する。すなわち、データ結合部62は、異なる心拍に取得されたボリュームデータであって、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合する。そして、画像生成部63は、データ結合部62によって結合されたボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成し、表示制御部7は、3次元画像データが新たに生成されるたびに、表示部81に表示されている画像を更新して新たな3次元画像を表示部81に表示させる。
この実施形態では、全体の走査領域Sを4つのサブボリュームに分割して走査しているため、4つのサブボリュームを走査することで取得された4つのボリュームデータを結合することで、全体の走査領域Sを表す1つのボリュームデータを生成する。
例えば図3と図4に示すように、データ結合部62は、第4心拍における時相t〜時相tの間に取得されたボリュームデータA1、B1、C1及びD1を結合することで、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成する。このように、データ結合部62は、互いに異なるサブボリュームA、B、C及びDを走査することで取得されたボリュームデータであって、同じ時相t〜時相tの間に取得されたボリュームデータA1、B1、C1及びD1を結合することで、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成する。そして、データ結合部62は、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表すボリュームデータを画像生成部63に出力する。画像生成部63は、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成し、表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、全体の走査領域Sを表す3次元画像を表示部81に表示させる。
同様に、データ結合部62は、第4心拍における時相t〜時相tの間に取得されたボリュームデータA2、B2、C2及びD2を結合することで、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成する。画像生成部63は、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成し、表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表す3次元画像を表示部81に表示させる。
時相t〜時相t、及び、時相t〜時相tについても、データ結合部62は、互いに異なるサブボリュームデータを走査することで取得されたボリュームデータであって、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合することにより、各時相における全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成する。そして、画像生成部63は、各時相における全体の走査領域を表す3次元画像データを生成し、表示制御部7は、各時相の3次元画像を表示部81に表示させる。
そして、この実施形態においては、所望の時間の間、全体の走査領域Sに含まれる所望のサブボリュームを継続して走査する。すなわち、所望の時間の間、同じサブボリュームを走査し続ける。所望のサブボリュームを継続的に走査し続けるスキャンを、以下、「部分スキャン」と称する場合がある。
部分スキャンの対象となるサブボリュームの範囲と、部分スキャンを継続して行なう時間の長さとが、部分スキャンの条件として設定条件記憶部92に記憶されている。例えば、操作者は操作部82を用いて、部分スキャンの対象となるサブボリュームを指定することができ、また、部分スキャンを継続して実行する時間の長さを指定することができる。実行する時間の長さは、心拍数で指定しても良いし、時間の絶対値で指定しても良い。例えば、動きを観察したい部位が含まれるサブボリュームを部分スキャンの対象に指定したり、診察の対象となる部位が含まれるサブボリュームを部分スキャンの対象に指定したりする。操作者によって指定された条件は、ユーザインターフェース(UI)8から制御部9に出力され、部分スキャンの条件として設定条件記憶部92に記憶される。
そして、操作者が操作部82を用いて部分スキャンの開始の指示を与えると、その指示に応じた信号がユーザインターフェース(UI)8から制御部9に出力される。制御部9のスキャン制御部91は、部分スキャンの開始の指示を受けると、設定条件記憶部92に記憶されている部分スキャンの条件に従って送受信部3を制御して、所望のサブボリュームを継続的に走査させる。
この実施形態では1例として、サブボリュームBを部分スキャンの対象とし、部分スキャンの継続時間を5心拍とする。例えば図4に示すように、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、操作者による部分スキャンの開始指示に応じて、5心拍目からサブボリュームBを継続的にスキャンする。そして、スキャン制御部91は、走査対象のサブボリュームを変えずに、同じサブボリュームBを送受信部3に走査させる。
具体的には、第5のトリガ信号Iに対応した第5心拍では、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、サブボリュームBを走査し、1心拍中における時相がそれぞれ異なる受信信号B5、B6、B7及びB8を取得する。同様に、第6のトリガ信号Iに対応した第6心拍では、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、サブボリュームBを走査し、1心拍中における時相がそれぞれ異なる受信信号B9、B10、B11及びB12を取得する。第7心拍から第9心拍においても、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、サブボリュームBを走査する。そして、図4に示すように、送受信部3は、第5心拍から第9心拍の間でサブボリュームBを継続して走査することで、受信信号B5〜B24を取得する。
第5のトリガ信号Iに対応した第5心拍において、送受信部3によってサブボリュームBのボリュームデータB5、B6、B7、及びB8が取得されると、データ取得部61は、ボリュームデータB5を記憶部5から取得してデータ結合部62に出力する。
データ結合部62は、サブボリュームBのボリュームデータを更新し、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合する。このとき、データ結合部62は、部分スキャンの対象となっていないサブボリュームについては、直近の心拍において取得されたボリュームデータを用いて結合する。この実施形態では、サブボリュームBが部分スキャンの対象であり、サブボリュームA、C及びDは部分スキャンの対象ではないため、データ結合部62は、部分スキャンの対象となっていないサブボリュームA、C及びDについては、直近の心拍において取得されたボリュームデータを用いて結合する。図4に示す例では、サブボリュームAについては、データ結合部62は、サブボリュームAを走査した直近の心拍である第1心拍で取得されたボリュームデータA1〜A4を、データの結合に用いる。また、サブボリュームCについては、データ結合部62は、サブボリュームCを走査した直近の心拍である第3心拍で取得されたボリュームデータC1〜C4を、データの結合に用いる。また、サブボリュームDについては、データ結合部62は、サブボリュームDを走査した直近の心拍である第4心拍で取得されたボリュームデータD1〜D4を、データの結合に用いる。そして、データ結合部62は、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合することで、各時相における全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成する。なお、データ結合部62が、直近の心拍において取得されたボリュームデータを一時的に記憶しておき、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合すれば良い。例えば、ボリュームデータA1〜A4、ボリュームデータB1〜B4、ボリュームデータC1〜C4、及びボリュームデータD1〜D4をデータ結合部62に一時的に記憶しておく。そして、データ結合部62は、サブボリュームBのボリュームデータを更新し、ボリュームデータA1、B5、C1及びD1を結合して、同じ時相(時相t〜時相t)における全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成する。すなわち、サブボリュームBについては、新たに取得されたボリュームデータB5を用いて全体のボリュームデータを生成する。
画像生成部63は、ボリュームデータA1、B5、C1及びD1を結合したボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成する。表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、ボリュームデータA1、B5、C1及びD1に基づく3次元画像を表示部81に表示させる。
そして、データ結合部62は、順次、サブボリュームBのボリュームデータを更新して、全体の走査領域Sを表す新たなボリュームデータを生成していく。例えば図4に示すように、データ取得部61は、ボリュームデータB6を記憶部5から取得してデータ結合部62に出力する。データ結合部62は、サブボリュームBのボリュームデータを更新して、同じ時相に取得されたボリュームデータA2、B6、C2及びD2を結合することで、同じ時相(時相t〜時相t)における全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成する。そして、画像生成部63は、ボリュームデータA2、B6、C2及びD2を結合したボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成し、表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、その3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。
以降、サブボリュームBについて新たなボリュームデータが取得されると、データ結合部62は、サブボリュームBのボリュームデータを更新して、各サブボリュームのボリュームデータを結合することで、全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成する。そして、第6心拍から第9心拍において取得されたボリュームデータについても、データ結合部62は、サブボリュームBのボリュームデータを更新して、全体の走査領域Sを表す新たなボリュームデータを生成する。
そして、設定された時間が経過すると、スキャン制御部91は部分スキャンを中止し、以降、サブボリュームA、B、C及びDを送受信部3に順番に走査させる。例えば、部分スキャンを行なう時間として5心拍が設定された場合において、部分スキャンを開始してから5心拍が経過すると、スキャン制御部91は部分スキャンを中止し、サブボリュームA、B、C及びDを送受信部3に順番に走査させる。具体的には、部分スキャンを開始してから5つのECG信号を受信すると、スキャン制御部91は部分スキャンを中止し、サブボリュームA、B、C及びDを送受信部3に順番に走査させる。例えば図4に示すように、第10心拍以降においては、スキャン制御部91は、サブボリュームA、B、C及びDを送受信部3に順番に走査させる。そして、画像処理部6は、各サブボリュームについて直近の心拍において取得されたボリュームデータを用いて、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合し、各時相における3次元画像データを生成する。
例えば第10のトリガ信号I10に対応した第10心拍では、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、サブボリュームAを走査し、1心拍中における時相がそれぞれ異なる受信信号A5、A6、A7及びA8を取得する。そして、データ取得部61は、ボリュームデータA5を記憶部5から取得してデータ結合部62に出力する。データ結合部62は、サブボリュームAのボリュームデータを更新し、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合する。画像生成部63は結合されたボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成し、表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、その3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。
なお、この実施形態では、部分スキャンを継続して実行する時間の長さとして、心拍数を例に挙げて説明した。この心拍数の例は1例であり、絶対的な時間の長さを、部分スキャンを継続して実行する時間の長さとしても良い。例えば、10秒や20秒のように、絶対的な時間の長さを、部分スキャンを実行する時間の長さとしても良い。この場合、スキャン制御部91は、部分スキャンを開始してから時間を計測し、予め設定された時間が経過すると、部分スキャンを中止し、各サブボリュームを送受信部3に走査させる。
また、部分スキャンを継続して実行する時間の長さを制限しなくても良い。この場合、操作者が操作部82を用いて部分スキャンの実行の指示を与えると、スキャン制御部91はその指示に従って、所望のサブボリュームを送受信部3に継続して走査させる。このとき、スキャン制御部91は、時間の制限なしに、所望のサブボリュームを送受信部3に継続して走査させる。そして、操作者が操作部82を用いて部分スキャンの終了の指示を与えると、スキャン制御部91はその指示に従って部分スキャンを終了する。
ユーザインターフェース(UI)8は、表示部81と操作部82を備えている。表示部81は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成されている。操作部82は、ジョイスティックやトラックボールなどのポインティングデバイス、スイッチ、各種ボタン、キーボード又はTCS(Touch Command Screen)などで構成されている。操作者は操作部82を用いることで、部分スキャンの条件を入力することができる。例えば、操作者は操作部82を用いることで、部分スキャンの対象となるサブボリュームを指定したり、部分スキャンを実行する時間の長さを入力したりすることができる。操作部82で入力された部分スキャンの条件は、ユーザインターフェース(UI)8から制御部9に出力され、設定条件記憶部92に記憶される。また、操作者は操作部82を用いることで、部分スキャンの開始を指示することができる。操作部82を用いて部分スキャンの開始が指示されると、その指示に対応する信号がユーザインターフェース(UI)8から制御部9に出力される。スキャン制御部91はその開始指示に従って、部分スキャンを送受信部3に実行させる。
制御部9は、スキャン制御部91と設定条件記憶部92とを備えている。スキャン制御部91は、上述したように、設定条件記憶部92に記憶されているスキャン条件に従って送受信部3による超音波の送受信を制御する。この実施形態では、スキャン制御部91は、部分スキャンに関する条件に従って、送受信部3に所望のサブボリュームを継続的に走査させる。設定条件記憶部92には、上述したように、サブボリュームの範囲を示す座標情報などを含むスキャン条件が記憶されている。
なお、超音波プローブ2と、送受信部3と、スキャン制御部91とによって、この発明の「スキャン手段」の1例を構成する。
なお、画像処理部6は、図示しないCPUと、ROM、RAMなどの記憶装置を備えて構成されている。記憶装置には、画像処理部6の機能を実行するための画像処理プログラムが記憶されている。この画像処理プログラムには、データ取得部61の機能を実行するためのデータ取得プログラム、データ結合部62の機能を実行するためのデータ結合プログラム、及び、画像生成部63の機能を実行するための画像生成プログラムが含まれている。そして、CPUがデータ取得プログラムを実行することにより、記憶部5からボリュームデータを読み込み、CPUがデータ結合プログラムを実行することで、複数のボリュームデータを結合し、CPUが画像生成プログラムを実行することで、3次元画像データやMPR画像データを生成する。
また、表示制御部7は、図示しないCPUと、ROM、RAMなどの記憶装置を備えている。記憶装置には、表示制御部7の機能を実行するための表示制御プログラムが記憶されている。CPUが表示制御プログラムを実行することにより、画像生成部63にて生成された3次元画像などの超音波画像を表示部81に表示させる。
また、制御部9は、図示しないCPUと、ROM、RAMなどの記憶装置を備えている。記憶装置には、制御部9の機能を実行するための制御プログラムが記憶されている。CPUが制御プログラムを実行することにより、送受信部3による走査を制御する。
なお、画像処理部6の機能を実行するための画像処理プログラムと、制御部9の機能を実行するための制御プログラムと、表示制御部7の機能を実行するための表示制御プログラムとによって、この発明の「超音波画像取得プログラム」の1例を構成する。
以上のように、全体の走査領域Sを複数のサブボリュームに分けて、1心拍ごとに各サブボリュームを走査する場合において、所望のサブボリュームを継続的に走査することで、複数の心拍を待たずに、所望のサブボリュームにおける画像データを更新することが可能となる。このように、所望のサブボリュームにおける画像についてはフレームレートが速くなるため、所望のサブボリュームにおける画像をリアルタイムに更新することが可能となる。これにより、全体の走査領域Sを表す画像を表示部81に表示しながら、所望のサブボリュームにおける画像をリアルタイムに更新して表示することが可能となる。換言すると、所望のサブボリュームにおける画像のリアルタイム性を損なわずに、全体の走査領域Sを表す画像を生成することが可能となる。これにより、走査領域Sに含まれる組織の全体像を観察しながら、所望の領域に含まれる組織の動きを観察することが可能となる。例えば、診察の対象となる部位を含むサブボリュームを部分スキャンの対象に指定することで、その部位の画像をリアルタイムに取得することが可能となり、診断の正確性の向上を図ることが可能となる。
(従来技術との比較)
ここで、図7を参照して、この実施形態に係る超音波診断装置1と従来技術に係る超音波診断装置とを比較する。図7は、従来技術に係る超音波診断装置において、各心拍における走査対象のサブボリュームと、結合するデータとを説明するための表である。
例えば、サブボリュームBに注目する。従来技術においては、図7に示すように、サブボリュームBは第2心拍で走査されて、ボリュームデータB1〜B4が取得される。その後、サブボリュームBは第6心拍で走査されて、ボリュームデータB5〜B8が取得される。その後、サブボリュームBは第10心拍で走査されて、ボリュームデータB9〜B12が取得される。このように、従来技術においては、同じサブボリュームBを次に走査し始めるまで、4心拍分の時間を待つ必要があった。換言すると、従来技術においては、4心拍の間隔をおいて、各サブボリュームを繰り返し走査していた。
一方、この実施形態に係る超音波診断装置1によると、図4に示すように、部分スキャンが実行される第5心拍から第9心拍においては、サブボリュームBは継続して走査される。換言すると、時間を空けずに、サブボリュームBを継続して走査する。
以上のように、従来技術においては、4心拍ごとに同じサブボリュームが走査されるため、その分、各サブボリュームにおける画像のリアルタイム性が損なわれる。一方、この実施形態においては、所望のサブボリュームについては時間を空けずに継続して走査を行うため、リアルタイム性を損なわずに、所望のサブボリュームにおける画像を取得することが可能となる。このように、この実施形態に係る超音波診断装置1によると、全体の走査領域Sを表す画像を取得して表示しつつ、所望の領域を表す画像をリアルタイムに取得して表示を更新することが可能となる。
(変形例)
次に、変形例について図5を参照して説明する。図5は、変形例において、各心拍における走査対象のサブボリュームと、結合するデータとを説明するための表である。
変形例に係る超音波診断装置1は、部分スキャンが実行されている最中に、全体の走査領域Sに対する走査の指示が与えられると、部分スキャンを中止して、全体の走査領域Sを走査する。そして、全体の走査領域Sを走査した後、超音波診断装置1は、再び、部分スキャンを実行する。部分スキャンが実行されている最中に、全体の走査領域Sを走査するスキャンを、以下、「リフレッシュスキャン」と称する場合がある。
操作者は操作部82を用いてリフレッシュスキャンの指示を与えることができる。操作部82を用いてリフレッシュスキャンの指示が与えられると、ユーザインターフェース(UI)8からその指示に応じた信号が制御部9に出力される。スキャン制御部91は、リフレッシュスキャンの指示に従って、全体の走査領域Sを送受信部3に走査させる。
例えば、部分スキャンの条件として、サブボリュームBを部分スキャンの対象とし、部分スキャンの継続時間を5心拍とする。例えば図5に示すように、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、操作者による部分スキャンの開始指示に応じて、5心拍目からサブボリュームBを継続的にスキャンする。そして、スキャン制御部91は、走査対象のサブボリュームを変えずに、同じサブボリュームBを送受信部3に走査させる。
そして、操作者が操作部82を用いてリフレッシュスキャンの指示を与えると、スキャン制御部91はユーザインターフェース(UI)8からその指示を受けて、全体の走査領域Sを送受信部3に走査させる。例えば、図5に示すように、第7心拍目でリフレッシュスキャンの指示が与えられると、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、第7心拍でサブボリュームAを4回走査し、第8心拍でサブボリュームBを4回走査し、第9心拍でサブボリュームCを4回走査し、第10心拍でサブボリュームDを4回走査することで、各サブボリュームにおける複数の受信信号を取得する。このように、リフレッシュスキャンの指示が与えられると、送受信部3は、1心拍ごとに各サブボリュームを走査する。
そして、データ結合部62は、各サブボリュームについて、直近の心拍において取得されたボリュームデータを結合し、画像生成部63は、結合されたボリュームデータに基づいて全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成し、表示制御部7は各3次元画像を表示部81に表示させる。例えば、第10心拍の時相t〜時相tにおいて、データ結合部62は、リフレッシュスキャンによって取得されたボリュームデータA5、B13、C5及びD5を結合する。画像生成部63は、その結合されたボリュームデータに基づいて、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。
リフレッシュスキャンが終了すると、スキャン制御部91は、部分スキャンの対象であるサブボリュームBを送受信部3に継続して走査させる。例えば、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、第11心拍目から部分スキャンを再開して、サブボリュームBを継続して走査する。そして、データ結合部62は、サブボリュームBにおけるボリュームデータを更新し、サブボリュームB以外のサブボリュームA、C及びDにおけるボリュームデータについては、リフレッシュスキャンで取得されたボリュームデータを用いて、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合する。画像生成部63は、結合されたボリュームデータに基づいて全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。例えば、第11心拍の時相t〜時相tにおいて、データ結合部62は、リフレッシュスキャンで取得されたボリュームデータA5、C5及びD5と、新たな部分スキャンによって取得されたボリュームデータB17とを結合する。画像生成部63は、結合されたボリュームデータに基づいて、時相t〜時相tにおける全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。
各心拍における時間の長さは心拍ごとに変わるため、部分スキャンを継続して実行すると、部分スキャンの対象となっているサブボリュームにおけるボリュームデータと、部分スキャンの対象外のサブボリュームにおけるボリュームデータとの間で、取得された時相のずれが生じるおそれがある。部分スキャンの時間が長いほど、そのずれは大きくなるおそれがある。
そこで、この変形例においては、部分スキャンが実行されている最中に、全体の走査領域Sを走査することで、部分スキャンの対象となっているサブボリュームにおけるボリュームデータと、部分スキャンの対象外のサブボリュームにおけるボリュームデータとの間での時相のずれの解消を図ることが可能となる。これにより、時相のずれに起因する画質の劣化を防止することが可能となる。
(動作)
次に、この実施形態に係る超音波診断装置1による一連の動作について図6を参照して説明する。図6は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置による一連の動作を示すフローチャートである。
(ステップS01)
まず、操作者は操作部82を用いて、部分スキャンの条件を含むスキャン条件を入力する。例えば、操作者は操作部82を用いて、全体の走査領域Sのうち部分スキャンの対象となるサブボリュームや、部分スキャンを継続して実行する時間を入力する。1例として、操作者は操作部82を用いて、図2に示すサブボリュームBを部分スキャンの対象として指定し、部分スキャンの継続時間として5心拍を入力する。部分スキャンの条件を含むスキャン条件は、ユーザインターフェース(UI)8から制御部9に出力され、設定条件記憶部92に記憶される。
(ステップS02)
そして、操作者は操作部82を用いてスキャンの開始の指示を与える。
(ステップS03)
操作部82を用いてスキャン開始の指示が与えられると、スキャン制御部91はその指示を受けて、設定条件記憶部92に記憶されているスキャン条件に従って、全体の走査領域SをサブボリュームA、B、C及びDに分割し、ECG信号に基づくトリガ信号に従って1心拍ごとに各サブボリュームを送受信部3に走査させる。例えば図3と図4に示すように、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、1心拍ごとにサブボリュームA、B、C及びDをそれぞれ順番に走査する。例えば、送受信部3は、第1のトリガ信号Iに応じてサブボリュームAを4回走査し、サブボリュームAについて受信信号A1、A2、A3及びA4を順次取得する。以降、送受信部3は、トリガ信号に応じてサブボリュームB、C及びDを走査し、各サブボリュームにおける受信信号を順次取得していく。そして、画像処理部6は、異なるサブボリュームにおけるボリュームデータであって、同じ時相において取得されたボリュームデータ同士を結合し、結合したボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成する。表示制御部7は、3次元画像を順次、表示部81に表示させる。
(ステップS04)
そして、操作者は操作部82を用いて、所望のタイミングで部分スキャンの開始の指示を与える。
(ステップS05)
操作部82によって部分スキャン開始の指示が与えられると、その指示に応じた信号がユーザインターフェース(UI)8から制御部9に出力される。そして、スキャン制御部91は、設定条件記憶部92に記憶されているスキャン条件に従って、部分スキャンの対象であるサブボリュームBを送受信部3に継続的に走査させる。例えば図4に示すように、送受信部3は、第5心拍から第9心拍の間でサブボリュームBを継続して走査することで、受信信号B5〜B24を取得する。そして、画像処理部6は、順次、サブボリュームBのボリュームデータを更新して、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合することで全体の走査領域Sを表すボリュームデータを生成し、走査領域Sの3次元画像データを生成する。表示制御部7は、3次元画像を順次、表示部81に表示させる。以降、サブボリュームBについて新たなボリュームデータが取得されると、画像処理部6は、サブボリュームBのボリュームデータを更新して、走査領域Sの3次元画像データを生成する。
(ステップS06、ステップS07)
そして、部分スキャンを実行している最中に、操作者が操作部82を用いてリフレッシュスキャンの指示を与えると(ステップS06、Yes)、スキャン制御部91は部分スキャンを中止して、全体の走査領域Sを送受信部3に走査させる。すなわち、送受信部3はスキャン制御部91の制御の下、1心拍ごとに、サブボリュームA、B、C及びDを順番に走査する。例えば図5に示すように、第7心拍目でリフレッシュスキャンの指示が与えられると、送受信部3は第7心拍から第10心拍の間で、1心拍ごとにサブボリュームA、B、C及びDを順番に走査する。画像処理部6は、新たに取得されたボリュームデータに基づいて全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。そして、1心拍ごとに各サブボリュームを走査した後、スキャン制御部91は、部分スキャンの対象であるサブボリュームBを送受信部3に継続して走査させる。
(ステップS08、ステップS09)
そして、設定された時間が経過するまで、スキャン制御部91は、部分スキャンの対象であるサブボリュームBを送受信部3に継続して走査させる(ステップS08;No、ステップS05)。そして、設定された時間が経過すると(ステップS08、Yes)、スキャン制御部91は部分スキャンを中止し、以降、サブボリュームA、B、C及びDを送受信部3に順番に走査させる。例えば図4に示すように、リフレッシュスキャンの指示が与えられなかった場合において、部分スキャンの開始から5心拍が経過すると、スキャン制御部91は部分スキャンの条件に従って部分スキャンを中止し、サブボリュームA、B、C及びDを送受信部3に順番に走査させる。例えば図4に示すように、第10心拍以降においては、スキャン制御部91は、サブボリュームA、B、C及びDを送受信部3に順番に走査させる。そして、画像処理部6は、各サブボリュームについて直近の心拍において取得されたボリュームデータを用いて、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合し、各時相における3次元画像データを生成する。表示制御部7は、3次元画像を順次、表示部81に表示させる。
以上のように、所望のサブボリュームを継続的に走査することで、複数の心拍を待たずに、所望のサブボリュームにおける画像データを更新することが可能となる。その結果、所望のサブボリュームにおける画像をリアルタイムに更新することが可能となる。また、リフレッシュスキャンを実行することで、部分スキャンの対象となっているサブボリュームにおけるボリュームデータと、部分スキャンの対象外のサブボリュームにおけるボリュームデータとの間での時相のずれの解消を図ることが可能となる。
なお、この実施形態においては、画像処理部6が、互いに異なるサブボリュームを走査することで取得されたボリュームデータであって、同じ時相に取得されたボリュームデータを結合し、結合したボリュームデータにボリュームレンダリングを施すことで、全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。そして、表示制御部7は、全体の走査領域Sを表す3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。この結合方法は1例であり、ボリュームデータを結合せずに、ボリュームレンダリングによって生成された3次元画像データを結合しても良い。
例えば、画像処理部6が、各サブボリュームにおけるボリュームデータにボリュームレンダリングを施すことで、各サブボリュームを表す3次元画像データを生成する。そして、画像処理部6は、互いに異なるサブボリュームにおける3次元画像データであって、同じ時相に取得された3次元画像データを結合することで、全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。そして、表示制御部7は、全体の走査領域Sを表す3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。
そして、画像処理部6は、サブボリュームにおけるボリュームデータが新たに取得されると、そのサブボリュームにおけるボリュームデータに基づいて、そのサブボリュームにおける3次元画像データを生成する。そして、画像処理部6は、そのサブボリュームにおける3次元画像データと、既に生成されている他のサブボリュームにおける3次元画像データとを結合することで、全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。
例えば図4に示す第1心拍においては、画像処理部6は、サブボリュームAにおけるボリュームデータA1、A2、A3及びA4のそれぞれに基づいて、各時相における3次元画像データA1、A2、A3及びA4をそれぞれ生成する。そして、第2心拍においては、画像処理部6は、サブボリュームBにおけるボリュームデータB1、B2、B3及びB4のそれぞれに基づいて、各時相における3次元画像データB1、B2、B3及びB4をそれぞれ生成する。画像処理部6は、サブボリュームAとサブボリュームBとについて、同じ時相に取得された3次元画像データを結合する。例えば、画像処理部6は、既に生成されている3次元画像データA1と新たに生成された3次元画像データB1とを結合し、表示制御部7は、結合された3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。同様に、画像処理部6は、3次元画像データA2と3次元画像データB2を結合し、表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、結合された3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。以降、画像処理部6は、同じ時相における3次元画像データを結合し、表示制御部7は、表示部81に表示されている画像を更新して、新たに結合された3次元画像を表示部81に表示させる。
そして、部分スキャンが行なわれる第5心拍においては、画像処理部6は、サブボリュームBにおけるボリュームデータB5、B6、B7及びB8のそれぞれに基づいて、各時相における3次元画像データB5、B6、B7及びB8をそれぞれ生成する。そして、画像処理部6は、同じ時相に取得された3次元画像データA1、B5、C1及びD1を結合することで、全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。すなわち、画像処理部6は、同じ時相に取得された3次元画像データであって、既に生成されている3次元画像データA1、C1及びD1と、新たに生成された3次元画像データB5とを結合し、全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。表示制御部7は、全体の走査領域Sを表す3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。同様に、画像処理部6は、同じ時相に取得された3次元画像データA2、B6、C2及びD2を結合し、表示制御部7は、表示部81に表示されている3次元画像を更新して、新たに結合された3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。
第6心拍以降においても同様に、画像処理部6は、サブボリュームBにおけるボリュームデータが新たに取得されると、そのボリュームデータに基づいて3次元画像データを生成する。そして、画像処理部6は、新たに生成されたサブボリュームBにおける3次元画像データと、既に生成されているサブボリュームA、C及びDにおける3次元画像データとを結合することで、全体の走査領域Sを表す3次元画像データを生成する。そして、表示制御部7は、表示部81に表示されている3次元画像を更新して、新たに結合された3次元画像データに基づく3次元画像を表示部81に表示させる。
また、表示制御部7が、各サブボリュームにおける3次元画像を繋ぎ合わせて表示部81に表示させても良い。すなわち、表示制御部7は、互いに異なるサブボリュームにおける3次元画像であって、同じ時相に取得された3次元画像を繋ぎ合わせて表示部81に表示させる。そして、表示制御部7は、サブボリュームにおける3次元画像データが新たに生成されると、新たに生成された3次元画像と、既に生成されている他のサブボリュームにおける3次元画像とを繋ぎ合わせて表示部81に表示させる。
例えば、図4に示す第1心拍において、表示制御部7は、3次元画像A1、A2、A3及びA4を順番に表示部81に表示させる。第2心拍においては、表示制御部7は、サブボリュームAとサブボリュームBとについて、同じ時相に取得された3次元画像を繋ぎ合わせて表示部81に表示させる。例えば、表示制御部7は、既に生成されている3次元画像A1と、新たに生成された3次元画像B1とを繋ぎ合わせて表示部81に表示させる。同様に、表示制御部7は、3次元画像A2と3次元画像B2とを繋ぎ合わせ、表示部81に表示されている画像を更新して、新たに繋ぎ合わせた3次元画像を表示部81に表示させる。以降、表示制御部7は、同じ時相における3次元画像を繋ぎ合わせて表示部81に表示させる。
そして、部分スキャンが行なわれる第5心拍においては、表示制御部7は、同じ時相に取得された3次元画像A1、B5、C1及びD1を繋ぎ合わせることで、全体の走査領域Sを表す3次元画像を表示部81に表示させる。すなわち、表示制御部7は、同じ時相に取得された3次元画像であって、既に生成されている3次元画像A1、C1、及びD1と、新たに生成された3次元画像B5とを繋ぎ合わせて表示部81に表示させる。同様に、表示制御部7は、同じ時相に取得された3次元画像A2、B6、C1及びD1を繋ぎ合わせ、表示部81に表示されている3次元画像を更新して、新たに繋ぎ合わせた3次元画像を表示部81に表示させる。
第6心拍以降においても同様に、表示制御部7は、サブボリュームBにおける3次元画像データが新たに生成されると、新たに生成されたサブボリュームBにおける3次元画像と、既に生成されたサブボリュームA、C及びDにおける3次元画像とを繋ぎ合わせることで、全体の走査領域Sを表す3次元画像を表示部81に表示させる。そして、表示制御部7は、既に生成されている3次元画像と、新たに生成された3次元画像とを繋ぎ合わせて、順次、表示部81に表示させる。
この発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 分割された走査領域を説明するための模式図である。 トリガ信号に応じて各時相において取得されたデータと、そのデータの結合とを説明するための模式図である。 各心拍における走査対象のサブボリュームと、結合するデータとを説明するための表である。 変形例において、各心拍における走査対象のサブボリュームと、結合するデータとを説明するための表である。 この発明の実施形態に係る超音波診断装置による一連の動作を示すフローチャートである。 従来技術に係る超音波診断装置において、各心拍における走査対象のサブボリュームと、結合するデータとを説明するための表である。
符号の説明
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
3 送受信部
4 信号処理部
5 記憶部
6 画像処理部
7 表示制御部
8 ユーザインターフェース(UI)
9 制御部
10 トリガ信号生成部
61 データ取得部
62 データ結合部
63 画像生成部
91 スキャン制御部
92 設定条件記憶部

Claims (5)

  1. 3次元の走査領域を複数の個別領域に分け、心電波形に基づいたトリガ信号を受けるたびに異なる個別領域を超音波で走査し、次のトリガ信号を受けるまで同じ個別領域を走査することで、個々の個別領域ごとに1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得し、前記複数の個別領域のうち所望の個別領域の走査の指示を受けた場合には、前記所望の個別領域を継続して走査することで、前記所望の個別領域について、1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得するスキャン手段と、
    互いに異なる個別領域を走査することで取得されたデータであって、前記複数のデータのうち同じ時相に取得された各個別領域におけるデータを結合して、前記3次元の走査領域を表す超音波画像データを生成する画像処理手段と、
    前記生成された超音波画像データに基づく超音波画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記画像処理手段は、前記個々の個別領域について取得されたデータを記憶し、前記所望の個別領域におけるデータについては、前記スキャン手段によって取得される度に更新し、前記複数の個別領域のうち前記所望の個別領域以外の個別領域におけるデータについては、前記記憶したデータのうち直近のトリガ信号に応じて取得されたデータを用いて、同じ時相に取得された前記各個別領域におけるデータを結合して前記超音波画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記スキャン手段は、予め設定された所定時間の間、前記所望の個別領域のみを継続して走査し、前記所定時間が経過した後、前記複数の個別領域のそれぞれを順番に超音波で走査することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波診断装置。
  4. 前記スキャン手段は、前記所望の個別領域を継続して走査しているときに、所望のタイミングで、前記複数の個別領域のそれぞれを順番に超音波で走査することで、前記個々の個別領域ごとに1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得し、その後、前記所望の個別領域を継続して走査することで、前記所望の個別領域について、1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得し、
    前記画像処理手段は、前記所望の個別領域におけるデータについては、前記スキャン手段によって取得される度に更新し、前記複数の個別領域のうち前記所望の個別領域以外の個別領域におけるデータについては、前記所望のタイミングに応じた走査によって取得されたデータを用いて、同じ時相に取得された前記各個別領域におけるデータを結合して前記超音波画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. コンピュータに、
    3次元の走査領域を複数の個別領域に分け、心電波形に基づいたトリガ信号を受けるたびに異なる個別領域をスキャン手段に走査させ、次のトリガ信号を受けるまで同じ個別領域を前記スキャン手段に走査させることで、個々の個別領域ごとに1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得し、前記複数の個別領域のうち所望の個別領域の走査の指示を受けた場合には、前記所望の個別領域を継続して前記スキャン手段に走査させることで、前記所望の個別領域について、1心拍中における時相がそれぞれ異なる複数のデータを取得するスキャン制御機能と、
    互いに異なる個別領域を走査することで取得されたデータであって、前記複数のデータのうち同じ時相に取得された各個別領域のデータを結合して、前記3次元の走査領域を表す超音波画像データを生成する画像処理機能と、
    前記生成された超音波画像データに基づく超音波画像を表示装置に表示させる表示制御機能と、
    を実行させることを特徴とする超音波画像取得プログラム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011004949A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Toshiba Corp 超音波画像診断装置
KR101421055B1 (ko) * 2012-10-16 2014-07-18 삼성메디슨 주식회사 볼륨 이미지 생성 방법 및 장치

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