JP6675145B2 - グリース - Google Patents
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Description
ウレアグリースの一般的な製造方法では、基油にイソシアネートを混合して60℃程度に加熱、撹拌しながら、基油にアミンを混合した60℃程度の溶液を加えてしばらく撹拌し、160℃程度に昇温した後、室温まで放冷する。しかしながら、このような方法では製造(合成反応)に時間を要する上、ダマが生成しやすい。また、大きなダマは、グリースをベアリング等の摺動機器に適用した際に音響特性を低下させることが知られている。さらに、大きなダマからなる不均一構造はグリース本来の性能への寄与が小さいため、増ちょう剤としての効率を低下させる。言い換えれば、一定の硬さにするために多くの増ちょう剤が必要となる。
本発明は、基油と増ちょう剤を含むグリースであって、レーザー回折・散乱法により求めた当該グリース中に含まれる粒子の体積基準の算術平均粒子径をA(単位:μm)としたときに下記式(1)を満たすことを特徴とする。
A≦3 (1)
本発明の一実施形態におけるグリース(以下、単に「本グリース」ともいう。)は、基油と増ちょう剤を含み、レーザー回折・散乱法により求めた当該グリース中に含まれる粒子の体積基準の算術平均粒子径をA(単位:μm)としたときに下記式(1)を満たすことを特徴とする。
A≦3 (1)
以下、本グリースについて詳細に説明する。
(基油)
本グリースの製造に用いられる基油としては、特に制限はなく、通常のグリース製造に使用される鉱油系基油や合成系基油が挙げられる。これらは、単独で、または混合物として使用することができる。なお、必要に応じて水や有機酸を加えてもよい。
鉱油系基油としては、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、および水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものを用いることができる。また、合成系基油としては、ポリアルファオレフィン(PAO)系基油、その他の炭化水素系基油、エステル系基油、アルキルジフェニルエーテル系基油、ポリアルキレングリコール系基油(PAG)、アルキルベンゼン系基油などが挙げられる。基油の40℃動粘度は、10mm2/s以上600mm2/s以下であることが好ましく、20mm2/s以上300mm2/s以下であることがより好ましく、30mm2/s以上100mm2/s以下であることがさらに好ましい。
増ちょう剤としては、ウレア、単一セッケングリース用の増ちょう剤、およびコンプレックスグリース用の増ちょう剤のいずれでもよい。
単一セッケングリース用の増ちょう剤、あるいはコンプレックスグリース用の増ちょう剤としては、例えば、カルシウムセッケン、リチウムセッケン、ナトリウムセッケン、カルシウムコンプレックスセッケン、リチウムコンプレックスセッケン、およびカルシウムスルホネートコンプレックスセッケンなどが挙げられる。
モノアミンの例として、芳香族モノアミンではアニリン、p−トルイジン、およびナフチルアミン等が挙げられ、脂肪族モノアミンではヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、およびエイコシルアミン等が挙げられる。
イソシアネートの例としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート、およびナフチレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミン、ジアミンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノアミンとしては、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられ、ジアミンでは、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、およびジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
上記した各アミンは単独で用いてもよく、複数のアミンを混合して用いてもよい。また、上記した各イソシアネートも同様に単独で用いてもよく、複数のイソシアネートを混合し用いても良い。
本グリースは、基油中における増ちょう剤あるいはその前駆体に対し、高いせん断速度を与えながらグリース化反応を行うことで得られる。
このような高いせん断速度を発生させることができるグリースの製造装置としては、例えば、図1、図2に示すような構造の製造装置が挙げられる。図3は、図1、図2の製造装置について、側面の概略と上面の概略をともに示したものである。主に図1の製造装置はセッケン系グリースの製造に適し、図2の製造装置はウレアグリースの製造に適している。
図1、図2の製造装置は、極めて短時間で均一に高速せん断を付与できる構造を備えている。高速せん断は、高速回転部と装置内壁との隙間(ギャップa、b)により混合液に付与される。高速回転部は径が回転軸方向に一定でもよく(a=b)、ギャップが異なる構造であってもよい。このようなギャップは、高速回転部の径を回転軸方向で変えることにより、あるいは、高速回転部を円錐台状とし、テーパを設けた反応容器内壁に対しこの高速回転部を上下することにより調整してもよい。
さらにギャップが大きい部分を連続的に傾斜させたスクリュウまたはスパイラル形状とすることで押出能力を持たせてもよい。
本グリースを製造するには、前記した混合液に102s−1以上のせん断速度を与えることが好ましく、より好ましいせん断速度は103s−1以上であり、さらに好ましくは104s−1以上である。せん断速度が高い方が増ちょう剤やその前駆体の分散状態が向上し、より均一なグリース構造となる。
ただし、装置の安全性、せん断等による発熱とその除熱の観点より、上述の混合液に付与するせん断速度は107s−1以下であることが好ましい。
このようなせん断速度は、図1、図2からわかるように、対向する壁面間の相対運動によりせん断を発生させる製造装置内に混合液を導入することで付与することができる。なお、上述の最低せん断速度は、後述する最低せん断速度と同義であり、反応容器内において、せん断を混合液に付与する部位におけるせん断速度の下限値を意味する。
ここで、最高せん断速度(Max)とは、混合液に対して付与される最高のせん断速度であり、最低せん断速度(Min)とは、混合液に対して付与される最低のせん断速度であって、図1、図2に記載された反応容器を例にとると、下記のように定義されるものである。
Max=(高速回転部表面と容器内壁面とのギャップが最小になる部分における高速回転部表面の線速度/当該ギャップ)
Min=(高速回転部表面と容器内壁面とのギャップが最大になる部分における高速回転部表面の線速度/当該ギャップ)
なお、図1、図2においては、Maxの計算におけるギャップがaであり、Minの計算におけるギャップがbである。
上記したように、Max/Minは、小さい方が好ましいので、理想的にはa=bである。すなわち、図1、図2のタイプの製造装置であれば、高速回転部は上下に均一な直径を有する円柱状であることが最も好ましい。
本グリースは、上述した製造方法により得られたグリースに対し、さらに混練してもよい。この混練には、グリース製造で一般的に使用されるロールミルを用いることができる。上述のグリースはロールミルを2回以上通してもよい。
また、本グリースは、上述した製造方法により得られたグリースに対し、さらに80℃以上200℃以下の温度に加熱してもよい。さらに、均一に加熱するために混練、撹拌してもよい。なお、加熱の際は、加熱炉等を用いてもよい。
ここで、グリース中に分散する粒子の体積基準の算術平均粒子径は、市販のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置により容易に求められる。例えば、堀場製作所製Partica LA-950V2により、405nmと650nmの双方の波長を用いて好ましく測定できる。
上記した音響特性としては、例えば、FAG法によるPeak High32−64sおよびLevel High32−64sが挙げられる。FAG法による音響特性の評価については実施例にて詳述する。
本製造方法で得られたグリースには、発明の効果を損なわない範囲で種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、極圧剤、および防錆剤などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばアルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、およびアルキル化−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、および4,4−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤の好ましい配合量は、グリース全量基準で0.05質量%以上5質量%以下程度である。
図2に示すグリース製造装置によりグリースを製造した。具体的な製造方法は以下の通りである。
70℃に加熱した500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、MDI 11.0質量%含有)と、同じく70℃に加熱した500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、オクチルアミン 11.1質量%、シクロヘキシルアミン 2.13質量%含有)とをそれぞれ流量258mL/min、214mL/minで連続的に製造装置内に導入し、ただちに高速回転部により、混合液に対しギャップ通過時に10,200s−1の最低せん断速度を付与した。また最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。また、上記した2種の溶液の混合から最高せん断速度を混合液に付与するまでの時間は約3秒であった。
製造装置から吐出したグリースを60℃に余熱した容器にとり250rpmで撹拌しながらすぐに120℃に昇温して30分間保持し、その後160℃まで昇温して1時間保持した。その後、撹拌を維持したまま放冷した。得られたグリースをロールミルで2回混練した後、後述する方法で諸特性を評価した。結果を表1に示す。
従来の方法でグリースを製造した。具体的には図5に示すように、撹拌翼で撹拌され、60℃に保たれた500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、MDI 11.2質量%含有)に対し、60℃の500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、オクチルアミン 10.9質量%、シクロヘキシルアミン 2.11質量%含有)を滴下した。アミン溶液を滴下した後、撹拌しながら160℃に昇温し、1時間保持した。その後、撹拌しながら放冷し、得られたグリースをロールミルで2回混練した。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、70℃に加熱したPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、MDI 6.09質量%含有)と、同じく70℃に加熱したPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、ステアリルアミン 4.78質量%、シクロヘキシルアミン7.03質量%含有)とをそれぞれ流量880mL/min、474mL/minで連続的に製造装置内に導入した以外は、実施例1と同様にしてグリースを製造した。最低せん断速度(Min)は、10,200s−1であり、最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例1において、60℃に保たれたPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、MDI 6.57質量%含有)に対し、60℃のPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、シクロヘキシルアミン 6.19質量%、ステアリルアミン4.21質量%含有)を滴下した以外は、比較例1と同様にしてグリースを製造した。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、70℃に加熱した500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、MDI 6.76質量%含有)と、同じく70℃に加熱した500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、シクロヘキシルアミン10.3質量%含有)とをそれぞれ流量325mL/min、175mL/minで連続的に製造装置内に導入し、ただちに高速回転部により、混合液に対しギャップ通過時に210,000s−1の最低せん断速度を付与した以外は、実施例1と同様にしてグリースを製造した。最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例1において、60℃に保たれた500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、MDI 7.35質量%含有)に対し、60℃の500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、シクロヘキシルアミン9.06質量%含有)を滴下した以外は、比較例1と同様にしてグリースを製造した。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、70℃に加熱したPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、MDI 6.98質量%含有)と、同じく70℃に加熱したPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、オクチルアミン 18.4質量%含有)とをそれぞれ流量325mL/min、120mL/minで連続的に製造装置内に導入し、ただちに高速回転部により、混合液に対しギャップ通過時に210,000s−1の最低せん断速度を付与した以外は、実施例1と同様にしてグリースを製造した。最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例1において、60℃に保たれたPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、MDI 9.09質量%含有)に対し、60℃のPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、オクチルアミン12.4質量%含有)を滴下した以外は、比較例1と同様にしてグリースを製造した。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、70℃に加熱した500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、MDI 7.49質量%含有)と、同じく70℃に加熱した500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、オクチルアミン 14.7質量%含有)とをそれぞれ流量300mL/min、204mL/minで連続的に製造装置内に導入し、20,400s−1の最低せん断速度を付与した以外は、実施例1と同様にしてグリースを製造した。最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例1において、60℃に保たれた500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、MDI 9.09質量%含有)に対し、60℃の500N鉱油(40℃動粘度 90mm2/s、オクチルアミン12.4質量%含有)を滴下した以外は、比較例1と同様にしてグリースを製造した。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1において、70℃に加熱したPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、MDI 8.96質量%含有)と、同じく70℃に加熱したPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、シクロヘキシルアミン23.8質量%含有)とをそれぞれ流量325mL/min、92mL/minで連続的に製造装置内に導入し、ただちに高速回転部により、混合液に対しギャップ通過時に210,000s−1の最低せん断速度を付与し、製造装置から吐出したグリースにロールミルを2回かけた以外は、実施例1と同様にしてグリースを製造した。最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例1において、60℃に保たれたPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、MDI 13.3質量%含有)に対し、60℃のPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、シクロヘキシルアミン10.2質量%含有)を滴下した以外は、比較例1と同様にしてグリースを製造した。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。なお、レーザー回折・散乱法による測定では多重散乱の影響により、体積基準の算術平均粒子径を正確に求めることはできなかった。ただし、体積基準の算術平均粒子径が3μmを越えていることは明らかである。
実施例1において、70℃に加熱したPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、MDI 6.03質量%含有)と、同じく70℃に加熱したPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、シクロヘキシルアミン3.35質量%、ステアリルアミン13.7質量%含有)とをそれぞれ流量303mL/min、170mL/minで連続的に製造装置内に導入し、ただちに高速回転部により、混合液に対しギャップ通過時に210,000s−1の最低せん断速度を付与した以外は、実施例1と同様にしてグリースを製造した。最高せん断速度(Max)と最低せん断速度(Min)の比(Max/Min)は1.03であった。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
比較例1において、60℃に保たれたPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、MDI7.25質量%含有)に対し、60℃のPAO系基油(40℃動粘度 63mm2/s、シクロヘキシルアミン2.59質量%、ステアリルアミン10.5質量%含有)を滴下した以外は、比較例1と同様にしてグリースを製造した。得られたグリースについて実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
(1)増ちょう剤量
グリースをメンブランフィルター(ミリポア社製のHAWP04700)により濾過することで基油と増ちょう剤に分離し、各質量を測定することで、グリース中の増ちょう剤量(質量%)を算出した。
(2)混和ちょう度
JIS K 22205.3に準拠して測定した。
遠心分離機を用い、20gの試料(グリース)を遠心分離管に入れ、20℃で 16,000Gの加速度を3時間かけたときの遠心離油度を次式により求めた。
遠心離油度(質量%)=(離油した油の質量/仕込みグリースの質量)×100
レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製Partica LA-950V2、対応粒子径:10nm〜1μm(波長405nm)、100nm〜3mm(波長650nm))にてグリース中に分散する粒子の体積基準の算術平均粒子径を測定した。具体的には、気泡の影響を除去するため、遊星式撹拌脱泡装置(倉敷紡績会部式会社(クラボウ)製、マゼルスター(MAZERUSTAR)型式KK-V300SS-I)で脱泡したグリースをペーストセル(堀場製作所製LY-9504)に塗布して挟み込み、測定に供した。体積基準の算術平均粒子径は、透過率が適正値である70%から90%の範囲に入るようにペーストセル内のグリース厚さ(試料厚さ)を調整した後、前記したレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置にて波長405nmと650nmを使用して求めた。
なお、算術平均粒子径の測定において、試料厚さを薄くしても透過率が70%未満となる場合は多重散乱と評価した。
SKF社のグリース専用音響測定機器(Grease Test Rig Be Quiet+)を用いて、Peak High32−64sおよびLevel High32−64sを測定した。具体的には、この音響測定機器に、グリース未封入の音響測定専用ベアリングをセットし、所定速度で回転させながら回転開始から32秒後から64秒後までの音響データを得た。さらにこれらのベアリングに所定量の試料(グリース)を封入し、所定速度で回転させながら回転開始から32秒後から64秒後の音響データを得て、これらを音響測定機器に内蔵されたプログラムで解析することでPeek HighおよびLevel Highの値を得た。
実施例1〜7のグリースは、対応する比較例1〜7のグリースと原料(基油、増ちょう剤、増ちょう剤量))が各々同じである。そして、実施例1〜7のグリースは、いずれも本発明の構成を満たしているので、同じ原料(基油、増ちょう剤、増ちょう剤量)のグリースである比較例1〜7のグリースにくらべて各々音響特性に非常に優れることが理解できる。 本願発明には以下の態様が含まれる。
[1]
基油と増ちょう剤を含むグリースであって、
レーザー回折・散乱法により求めた当該グリース中に含まれる粒子の体積基準の算術平均粒子径をA(単位:μm)としたときに下記式(1)を満たす
ことを特徴とするグリース。
A≦3 (1)
[2]
上記[1]に記載のグリースにおいて、
前記増ちょう剤がウレア、単一セッケングリース用の増ちょう剤、およびコンプレックスグリース用の増ちょう剤のいずれかである
ことを特徴とするグリース。
[3]
上記[2]に記載のグリースにおいて、
前記増ちょう剤がカルシウムセッケン、リチウムセッケン、ナトリウムセッケン、カルシウムコンプレックスセッケン、リチウムコンプレックスセッケン、およびカルシウムスルホネートコンプレックスセッケンのいずれかである
ことを特徴とするグリース。
[4]
上記[2]に記載のグリースにおいて、
前記増ちょう剤がウレアであり、
前記ウレアがモノアミンとジイソシアネートとを反応させてなるものであり、
前記モノアミンが単独のアミン化合物、あるいは複数種のアミン化合物を含んだ混合物である
ことを特徴とするグリース。
[5]
上記[1]から上記[4]までのいずれか1項に記載のグリースにおいて、
当該グリースは、
基油に、増ちょう剤またはその前駆体を混合して混合液にするとともに、
前記混合液に10 2 s −1 以上の最低せん断速度を与えて得られたものである
ことを特徴とするグリース。
[6]
上記[1]から上記[4]までのいずれか1項に記載のグリースにおいて、
当該グリースは、
増ちょう剤前駆体1を含む基油1と増ちょう剤前駆体2を含む基油2を混合してなる混合液に10 2 s −1 以上の最低せん断速度を与えて得られたものである
ことを特徴とするグリース。
Claims (5)
- グリースを製造する製造装置内に、増ちょう剤前駆体1を含む基油1と、増ちょう剤前駆体2を含む基油2を導入して混合液とすると共に、
前記製造装置内において、前記混合液に102s−1以上のせん断速度を与え、
前記増ちょう剤前駆体1と前記増ちょう剤前駆体2を混合分散させながらグリース化反応を行う、グリースの製造方法であって、
レーザー回折・散乱法により求めた、得られたグリース中に含まれる粒子の体積基準の算術平均粒子径をA(単位:μm)としたときに下記式(1)を満たす、グリースの製造方法。
A≦3 (1) - 前記混合液に与えるせん断速度が107s−1以下である、請求項1に記載のグリースの製造方法。
- 前記増ちょう剤前駆体1がモノアミンであり、前記増ちょう剤前駆体2がジイソシアネートである、請求項1又は2に記載のグリースの製造方法。
- 前記グリース化反応を行う際の前記製造装置内の温度が40℃以上200℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリースの製造方法。
- 前記グリース化反応により得られたグリースに対し、さらに混練する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグリースの製造方法。
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