JP6674807B2 - Tig溶接装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、TIG溶接装置およびその制御方法に関し、特に小型の被溶接物に対しても高精度なTIG溶接を可能なタッチスタート方式のTIG溶接装置およびその制御方法に関する。
従来、タッチスタート方式を採用したTIG溶接装置としては、特許文献1に開示されたTIG溶接装置が知られている。この特許文献1に開示されたTIG溶接装置には、非消耗電極と被溶接物との間に短絡検出用電圧を印加する短絡検出用電源と、基準値Vrと溶接電圧検出器の出力信号Vbとを比較しVb≦Vrとなった時に短絡検出回路が短絡を検出し、その後溶接電源の無負荷電圧Vb1より高い基準値Vsと溶接電圧検出器の出力信号とを比較しVb≧Vsとなった時にアークが発生したと判断するアーク発生回路と、アーク発生回路がアーク発生を検出した後の予め定めた所定時間(T2)の後に溶接電源の出力を供給する時限回路とを備えた構成が記載されている。
しかしながら、特許文献1に開示されたTIG溶接装置は、基準値Vrと溶接電圧検出器の出力信号Vbとの比較により、電極と被溶接物との接触を検出しているので、被溶接物の表面が汚れている場合等には、電極と被溶接物との接触を高精度で検出することはできない。
また、溶接電源の無負荷電圧Vb1より高い基準値Vsと溶接電圧検出器の出力信号とを比較してアーク発生を判断し、このアーク発生から所定時間経過後に溶接電源の出力を供給するように構成しているので、特に小型の被溶接物に対して高精度なTIG溶接を行うことができない。
特開2000−176641号公報
そこで、本発明は、小型の被溶接物に対しても高精度なTIG溶接を可能とするタッチスタート方式のTIG溶接装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、電極先端を被溶接物に接触させた後前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端を前記被溶接物から引き離すことにより前記電極と前記被溶接物との間にアークを発生させるタッチスタート方式のTIG溶接装置において、前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電流を流すタッチスタートTIG溶接電源と、前記電極の上下動を制御するモータ制御装置と、前記モータ制御装置により制御され、前記電極先端と前記被溶接物との間に前記溶接電圧を印加しない状態で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出し、該接触が検出された後、前記電極および前記被溶接物から切り離されるタッチスタート検出回路と、を具え、前記タッチスタートTIG溶接電源は、前記電極先端と前記被溶接物との間に離れ検出電流を流し、前記電極先端と前記被溶接物との間の電圧が離れ検出参照電圧になったときに、前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出する電極離れ検出手段、を具備し、前記モータ制御装置は、前記電極を下降制御して前記タッチスタート検出回路で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出すると、前記タッチスタートTIG溶接電源から前記離れ検出電流を流した状態で前記電極を上昇制御し、前記電極離れ検出手段により前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出した後、前記電極の相対位置決めを行って、該相対位置決め完了後に前記タッチスタートTIG溶接電源からの前記離れ検出電流を本通電電流に切り換える溶接制御手段、を具備し、前記タッチスタート検出回路は、前記電極および前記被溶接物に接続され、前記電極先端と前記被溶接物との接触により通電してオンになり、前記電極と前記被溶接物との接触を検出する第1のリレー回路と、前記電極と前記被溶接物との接触を検出した後オフして前記電極および前記被溶接物を切り離す第2のリレー回路と、を具備することを特徴とする。
請求項2の発明は、電極先端を被溶接物に接触させた後前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端を前記被溶接物から引き離すことにより前記電極と前記被溶接物との間にアークを発生させるタッチスタート方式のTIG溶接装置において、前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電流を流すタッチスタートTIG溶接電源と、前記電極の上下動を制御するモータ制御装置と、前記モータ制御装置により制御され、前記電極先端と前記被溶接物との間に前記溶接電圧を印加しない状態で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出し、該接触が検出された後、前記電極および前記被溶接物から切り離されるタッチスタート検出回路と、を具え、前記タッチスタートTIG溶接電源は、前記電極先端と前記被溶接物との間に離れ検出電流を流し、前記電極先端と前記被溶接物との間の電圧が離れ検出参照電圧になったときに、前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出する電極離れ検出手段、を具備し、前記モータ制御装置は、前記電極を下降制御して前記タッチスタート検出回路で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出すると、前記タッチスタートTIG溶接電源から前記離れ検出電流を流した状態で前記電極を上昇制御し、前記電極離れ検出手段により前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出した後、前記電極の相対位置決めを行って、該相対位置決め完了前の前記相対位置決め中に前記タッチスタートTIG溶接電源からの前記離れ検出電流を本通電電流に切り換える溶接制御手段、を具備することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記タッチスタート検出回路は、前記電極および前記被溶接物に接続され、前記電極先端と前記被溶接物との接触により通電してオンになり、前記電極と前記被溶接物との接触を検出する第1のリレー回路と、前記電極と前記被溶接物との接触を検出した後オフして前記電極および前記被溶接物を切り離す第2のリレー回路と、を具備することを特徴とする。
請求項4の発明は、電極先端を被溶接物に接触させた後前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端を前記被溶接物から引き離すことにより前記電極と前記被溶接物との間にアークを発生させるタッチスタート方式のTIG溶接装置の制御方法であって、前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加しない状態で前記電極を下降制御し、前記電極先端と前記被溶接物との接触をタッチスタート検出回路により検出すると、前記電極先端と前記被溶接物との間にタッチスタートTIG溶接電源から離れ検出電流を流した状態で前記電極を上昇制御し、前記電極先端と前記被溶接物との間の電圧が離れ検出参照電圧になったときに、前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出し、前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出した後、前記電極の相対位置決めを行って、該相対位置決め完了前の前記相対位置決め中に前記タッチスタートTIG溶接電源からの前記離れ検出電流を本通電電流に切り換えることを特徴とする。
本発明によれば、電極先端を被溶接物に接触させた後前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端を前記被溶接物から引き離すことにより前記電極と前記被溶接物との間にアークを発生させるタッチスタート方式のTIG溶接装置において、前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電流を流すタッチスタートTIG溶接電源と、前記電極の上下動を制御するモータ制御装置と、前記モータ制御装置により制御され、前記電極先端と前記被溶接物との間に前記溶接電圧を印加しない状態で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出し、該接触が検出された後、前記電極および前記被溶接物から切り離されるタッチスタート検出回路と、を具え、前記タッチスタートTIG溶接電源は、前記電極先端と前記被溶接物との間に離れ検出電流を流し、前記電極先端と前記被溶接物との間の電圧が離れ検出参照電圧になったときに、前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出する電極離れ検出手段、を具備し、前記モータ制御装置は、前記電極を下降制御して前記タッチスタート検出回路で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出すると、前記タッチスタートTIG溶接電源から前記離れ検出電流を流した状態で前記電極を上昇制御し、前記電極離れ検出手段により前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出した後、前記電極の相対位置決めを行って、該相対位置決め完了後、または、該相対位置決め完了前の前記相対位置決め中に、前記タッチスタートTIG溶接電源からの前記離れ検出電流を本通電電流に切り換える溶接制御手段、を具備して構成したので、小型の被溶接物に対しても高精度なTIG溶接が可能になるという効果を奏する。
図1は、本発明に係るTIG溶接装置を説明するためのブロック図である。 図2は、図1に示したTIG溶接装置の実施例1の動作を説明するためのフローチャートである。 図3は、図1に示したTIG溶接装置の実施例1の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図4は、図1に示したTIG溶接装置の実施例2の動作を説明するためのフローチャートである。 図5は、図1に示したTIG溶接装置の実施例2の動作を説明するためのタイミングチャートである。
以下、本発明を実施するための実施例について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るTIG溶接装置を説明するためのブロック図である。図1において、このTIG溶接装置100は、電極1から被溶接物であるワーク2へのアーク放電により、ワークのTIG溶接を行うもので、電極1の先端とワーク2との間に溶接電圧を印加して電極1の先端とワーク2との間に溶接電流を流すタッチスタートTIG溶接電源10と、図示しないモータの制御により電極1の上下動を制御するモータ制御装置20と、タッチスタート方式のTIG溶接を行うために電極1の先端とワーク2との接触を検出するタッチスタート検出回路30とを具備して構成される。
ここで、このTIG溶接装置100は、モータ制御装置20を主装置として構成され、モータ制御装置20によるタッチスタートTIG溶接電源10の制御によりタッチスタートTIG溶接電源10からの溶接電流が制御され、モータ制御装置20によるタッチスタート検出回路30の制御により電極1の先端とワーク2との接触および電極1とワーク2からのタッチスタート検出回路30の切り離しが制御さる。ここで、モータ制御装置20に設けられたスタートスイッチSTARTは、このTIG溶接装置100によるTIG溶接の開始を指示するもので、このスタートスイッチSTARTがオンにされると、モータ制御装置20に加えられるスタート信号がオンになり、非常停止スイッチEMSTOPは、このTIG溶接装置100によるTIG溶接の非常停止を指示するものである。
タッチスタート検出回路30は、タッチスタートTIG溶接電源10からの溶接電流が流されていない状態で、タッチスタート方式のTIG溶接に係る電極1の先端とワーク2との接触の検出を行うもので、電極1とワーク2からのタッチスタート検出回路30を切り離すためのリレーRL1−1、RL1−2と、電極1の先端とワーク2との接触を検出するためのリレーRL2とを有する。
このタッチスタート検出回路30は、待機状態において、モータ制御装置20からリレーRL1−1のリレーコイル、リレーRL1−2のリレーコイルに流される電流によりリレーRL1−1、RL1−2はオンしている。この状態で、スタートスイッチSTARTをオンにすると、モータ制御装置20の制御により電極1は下降制御され、電極1の先端がワーク2に接触すると、タッチダウン検出用の電圧Vにより、可変抵抗VR、抵抗R、リレーRL2のリレーコイル、リレーRL1−1のリレー接点、ワーク2、電極1、リレーRL1−2のリレー接点を経由して接地(COM)に電流が流れ、これにより、リレーRL2がオンする。このリレーRL2のオンは、リレーRL2のリレー接点を経由してモータ制御装置20により検出され、これにより、タッチスタート方式のTIG溶接に係る電極1の先端とワーク2との接触がモータ制御装置20で検出される。
モータ制御装置20は、電極1の下降制御により、リレーRL2により電極1の先端とワーク2との接触を検出すると、リレーRL2のオンの検出により、リレーRL1−1、RL1−2のリレーコイルに流していた電流を停止し、これによりリレーRL1−1、RL1−2をオフして、電極1とワーク2からタッチスタート検出回路30は切り離した後、電極1の上昇制御、電極1の相対位置決め制御を行う。この相対位置決め制御は、モータ制御装置20により制御される図示しないモータの回転軸に取り付けられたエンコーダ出力を用いて行われる。
タッチスタートTIG溶接電源10は、タッチスタート方式のTIG溶接に係る電極1の先端とワーク2との接触が検出された後、電極1とワーク2との間に離れ検出電流を流すとともに、モータ制御装置20からの溶接開始信号により電極1とワーク2との間に流していた離れ検出電流をTIG溶接に係る本通電電流に切り換える。
また、このタッチスタートTIG溶接電源10には、タッチスタート方式のTIG溶接に係る電極1の先端がワーク2から離れたことを検出する比較器からなる離れ検出部11が設けられ、この離れ検出部11は、モータ制御装置20による電極1の上昇制御に際して、電極1とワーク2との間の電圧Vsを監視し、電圧Vsが離れ検出参照電圧Vrefになると、電極1の先端がワーク2から離れたとして検出して、離れ信号をモータ制御装置20に出力する。
なお、タッチスタートTIG溶接電源10は、電極1の先端がワーク2から離れたことを検出した後、離れ検出電流を流し続けるが、この離れ検出電流は、電極1の先端とワーク2との間のアークを維持する機能も有する。この離れ検出電流は、ワーク2が離れ検出電流により溶けるのを防止するために2アンペア以下が好ましい。
図2は、図1に示したTIG溶接装置の実施例1の動作を説明するためのフローチャートであり、図3は、実施例1のタイミングチャートである。なお、図2において、実線で示す処理は、モータ制御装置20の処理を示し、破線で示す処理は、タッチスタートTIG溶接電源10の処理を示す。
図2、図3において、ステップ201の待機状態においては、スタートスイッチSTARTは、図3(a)に示すようにオフであり、電極1は、図3(b)に示すように上昇端にあり、リレーRL2は、図3(c)に示すようにオフであり、離れ信号(離れ検出)は、図3(d)に示すようにオフであり、リレーRL1−1は、図3(e)に示すようにオン、リレーRL1−2は、図3(f)に示すようにオンである。
また、電極間電圧Vsは、図3(g)に示すようにタッチダウン検出用の電圧Vを示し、TIG溶接のためのトーチガス(TORCH GAS)も、図3(h)に示すようにオフになっており、電極1の位置決めの相対位置完了信号も、図3(i)に示すようにオフ、溶接電流も、図3(j)に示すようにオフ、溶接終了信号(FINSH)もオフになっている。
この状態において、スタートスイッチSTARTがオンにされ、ステップ202のスタート信号がオンになると(図3(a)参照)、TIG溶接のためのトーチガス(TORCH GAS)がオンになり(図3(h)参照)、モータ制御装置20によるステップ203の電極1の下降制御が開始される(図3(b)参照)。
電極1の下降制御により、図3(b)に示すように電極1の先端がワーク2に接触(タッチダウン)し、電極1が電極短絡位置になると、リレーRL2(タッチセンサ)がオンになり(図3(c)参照)、モータ制御装置20でタッチダウンが検出され(ステップ204)、モータ制御装置20からタッチスタートTIG溶接電源10にタッチダウン信号が送信される。
そして、リレーRL2のオンにより、電極間電圧Vsは、接地(COM)になり(図3(g)参照)、タッチスタートTIG溶接電源10は、電極1とワーク2との間の溶接電流として離れ検出電流を流し(図3(j)参照)、電極1の先端がワーク2から離れる電極離れ検出を開始する(ステップ211)。
モータ制御装置20でタッチダウンが検出されると、リレーRL1−1、RL1−2をオフに制御し、その後、モータ制御装置20は、電極1の先端がワーク2から離れる離れ位置検出のための電極1の上昇制御を速度1で行う(図3(b)参照)。
この場合のステップ212の電極離れ検出は、タッチスタートTIG溶接電源10の離れ検出部11で電極間電圧Vsを監視し、この電極間電圧Vsが離れ検出参照電圧Vrefになると、電極1の先端がワーク2から離れたとして検出する(図3(g)参照)。
ステップ212で電極1の先端がワーク2から離れたことを検出すると、離れ信号(図3(d)参照)は、オンになり、この離れ信号は、タッチスタートTIG溶接電源10からモータ制御装置20に送信される。モータ制御装置20は、タッチスタートTIG溶接電源10から離れ信号を受信すると、電極1を更に上昇制御して、ワーク2に対する電極1の先端の相対位置決めを行う相対位置決移動制御を行う(ステップ206)。この相対位置決移動制御は、図3(b)に示すように速度1より早い速度2で行われる。そして、電極1の先端が相対位置に達すると、図3(b)に示すように電極1の上昇制御を停止する。これにより、図3(i)に示すように、相対位置完了信号がオンになり、溶接開始信号(位置決完了)がモータ制御装置20からタッチスタートTIG溶接電源10に送信される。
タッチスタートTIG溶接電源10は、溶接開始信号(位置決完了)を受信すると、離れ検出電流を本溶接のための本通電電流に切り替えTIG溶接をスタートさせる(ステップ213)。
本通電電流により、ワーク2の溶接が終了すると(ステップ214)、離れ信号(離れ検出)はオフ(図3(d)参照)、リレーRL1−1はオン(図3(e)参照)、リレーRL1−2はオン(図3(f)参照)、トーチガス(TORCH GAS)はオフ(図3(h)参照)、溶接終了信号(FINSH)はオン(図3(k)参照)になり、溶接終了信号(FINSH)をタッチスタートTIG溶接電源10からモータ制御装置20に送信する。
モータ制御装置20は、タッチスタートTIG溶接電源10から溶接終了信号(FINSH)を受信すると、接合終了処理(ステップ207)後、電極1の上昇(ヘッド上昇)を開始し(ステップ208)、電極1が待機位置(STNDBY位置)に到着すると(ステップ209)、電極1の上昇を停止し(図3(b)参照)、ステップ201の待機状態に戻る。
実施例1では、電極1の相対位置決めが完了した時点で離れ検出電流を本溶接のための本通電電流に切り替えたが、このように構成すると、小型で溶けやすいワーク(端子、リード線等)では相対位置移動後の溶接スタート時に瞬時的に大きな電圧がかかり、ワークが一気に溶けてしまう不都合が生じることがある。すなわち、相対位置移動により電極1とワーク2とのギャップが広がった状態でアークを飛ばすとその瞬間に電圧が大きくなり、その電力も大きくなってしまうためである。
実施例2では、このような不都合を解消するために、離れ検出電流から本通電電流への切り換えを、電極1の相対位置決めが完了した時点ではなく、電極1の相対位置決めが完了する前の相対位置決め移動中に行うようにしている。このような構成によると、アークを飛ばす瞬間の電圧、電力を抑え、ワークが一気に溶けることを防止することができる。
図4は、このように構成した図1に示したTIG溶接装置の実施例2の動作を説明するためのフローチャートであり、実施例2のタイミングチャートである。なお、図4において、実線で示す処理は、モータ制御装置20の処理を示し、破線で示す処理は、タッチスタートTIG溶接電源10の処理を示す。
図4、図5において、実施例1と同様に、ステップ401の待機状態においては、スタートスイッチSTARTは、図5(a)に示すようにオフであり、電極1は、図5(b)に示すように上昇端にあり、リレーRL2は、図5(c)に示すようにオフであり、離れ信号(離れ検出)は、図5(d)に示すようにオフであり、リレーRL1−1は、図5(e)に示すようにオン、リレーRL1−2は、図5(f)に示すようにオンである。
また、電極間電圧Vsは、図5(g)に示すようにタッチダウン検出用の電圧Vを示し、TIG溶接のためのトーチガス(TORCH GAS)も、図5(h)に示すようにオフになっており、電極1の位置決めの相対位置完了信号も、図5(i)に示すようにオフ、溶接開始信号も、図5(j)に示すようにオフ、溶接電流も、図5(k)に示すようにオフ、溶接終了信号(FINSH)も、図5(l)に示すようにオフになっている。
この状態において、スタートスイッチSTARTがオンにされ、ステップ402のスタート信号がオンになると(図5(a)参照)、TIG溶接のためのトーチガス(TORCH GAS)がオンになり(図5(h)参照)、モータ制御装置20によるステップ403の電極1の下降制御が開始される(図5(b)参照)。
電極1の下降制御により、図5(b)に示すように電極1の先端がワーク2に接触(タッチダウン)し、電極1が電極短絡位置になると、リレーRL2(タッチセンサ)がオンになり(図5(c)参照)、モータ制御装置20でタッチダウンが検出され(ステップ404)、モータ制御装置20からタッチスタートTIG溶接電源10にタッチダウン信号が送信される。
そして、リレーRL2のオンにより、電極間電圧Vsは、接地(COM)になり(図5(g)参照)、タッチスタートTIG溶接電源10は、電極1とワーク2との間の溶接電流として離れ検出電流を流し(図5(j)参照)、電極1の先端がワーク2から離れる電極離れ検出を開始する(ステップ411)。
モータ制御装置20でタッチダウンが検出されると、リレーRL1−1、RL1−2をオフに制御し、その後、モータ制御装置20は、電極1の先端がワーク2から離れる離れ位置検出のための電極1の上昇制御を速度1で行う(図5(b)参照)。
この場合のステップ412の電極離れ検出は、タッチスタートTIG溶接電源10の離れ検出部11で電極間電圧Vsを監視し、この電極間電圧Vsが離れ検出参照電圧Vrefになると、電極1の先端がワーク2から離れたとして検出する(図5(g)参照)。
ステップ412で電極1の先端がワーク2から離れたことを検出すると、離れ信号(図5(d)参照)は、オンになり、この離れ信号は、タッチスタートTIG溶接電源10からモータ制御装置20に送信される。モータ制御装置20は、タッチスタートTIG溶接電源10から離れ信号を受信すると、電極1を更に上昇制御して、ワーク2に対する電極1の先端の相対位置決めを行う相対位置決移動制御を行う(ステップ406)。この相対位置決移動制御は、図5(b)に示すように速度1より早い速度2で行われる。ここまでの動作は実施例1と同じである。
実施例2では、上記モータ制御装置20による相対位置決移動制御で電極が相対位置に達する前の相対位置決移動制御中に、図5(j)に示す溶接開始信号(溶接スタート開始位)をオンにし、この溶接開始信号をモータ制御装置20からタッチスタートTIG溶接電源10に送信する。
タッチスタートTIG溶接電源10は、溶接開始信号(溶接スタート開始位)を受信すると、電極1の先端が相対位置に達する前であるが、離れ検出電流を本通電電流に切り替えTIG溶接をスタートさせる(ステップ413)。すなわち、実施例2では、本通電電流への切り換えを、電極1の相対位置決めが完了した時点ではなく、電極1の相対位置決めが完了する前の相対位置決め移動中に行う。なお、電極1の先端がTIG溶接に適した相対位置に達すると、図5(b)に示すように、電極1の上昇制御が停止され、図5(i)に示すように、相対位置完了信号がオンになる。
本通電電流により、ワーク2の溶接が終了すると(ステップ414)、離れ信号(離れ検出)はオフ(図5(d)参照)、リレーRL1−1はオン(図5(e)参照)、リレーRL1−2はオン(図5(f)参照)、トーチガス(TORCH GAS)はオフ(図5(h)参照)、溶接終了信号(FINSH)はオン(図5(l)参照)になり、溶接終了信号(FINSH)をタッチスタートTIG溶接電源10からモータ制御装置20に送信する。
モータ制御装置20は、タッチスタートTIG溶接電源10から溶接終了信号(FINSH)を受信すると、接合終了処理(ステップ407)後、電極1の上昇(ヘッド上昇)を開始し(ステップ408)、電極1が待機位置(STNDBY位置)に到着すると(ステップ409)、電極1の上昇を停止し(図5(b)参照)、ステップ401の待機状態に戻る。
本発明は、上述したように、
1)タッチスタート検出回路30による電気式タッチ検出での電極1の先端がワーク2に接触するタッチダウン検出と、モータ制御装置20によるモータを用いた電極1の高さ制御を協同して行うことにより高精度の電極タッチ検出を可能にし、
2)モータ制御装置20によるモータを用いた電極1の高さ制御と、タッチスタートTIG溶接電源10内部の離れ検出部11による電極1の離れ検出とを協同して行うことにより高精度の電極離れ検出を可能にし、
3)モータ制御装置20によるモータを用いた電極1高さ制御により、電極離れ検出後の電極1の相対位置決めを行うことで高精度の電極ギャップ調整を可能にし、
4)離れ検出電流から本通電電流への切り換えを、電極1の相対位置決めが完了した時点ではなく、電極1の相対位置決めが完了する前の相対位置決め移動中に行うようにして、小型で溶けやすいワークに対するTIG溶接も可能にしたものである。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
1…電極
2…ワーク
10…タッチスタートTIG溶接電源
11…離れ検出部
20…モータ制御装置
30…タッチスタート検出回路

Claims (4)

  1. 電極先端を被溶接物に接触させた後前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端を前記被溶接物から引き離すことにより前記電極と前記被溶接物との間にアークを発生させるタッチスタート方式のTIG溶接装置において、
    前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電流を流すタッチスタートTIG溶接電源と、
    前記電極の上下動を制御するモータ制御装置と、
    前記モータ制御装置により制御され、前記電極先端と前記被溶接物との間に前記溶接電圧を印加しない状態で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出し、該接触が検出された後、前記電極および前記被溶接物から切り離されるタッチスタート検出回路と、
    を具え、
    前記タッチスタートTIG溶接電源は、
    前記電極先端と前記被溶接物との間に離れ検出電流を流し、前記電極先端と前記被溶接物との間の電圧が離れ検出参照電圧になったときに、前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出する電極離れ検出手段、
    を具備し、
    前記モータ制御装置は、
    前記電極を下降制御して前記タッチスタート検出回路で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出すると、前記タッチスタートTIG溶接電源から前記離れ検出電流を流した状態で前記電極を上昇制御し、前記電極離れ検出手段により前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出した後、前記電極の相対位置決めを行って、該相対位置決め完了後に前記タッチスタートTIG溶接電源からの前記離れ検出電流を本通電電流に切り換える溶接制御手段、
    を具備し、
    前記タッチスタート検出回路は、
    前記電極および前記被溶接物に接続され、前記電極先端と前記被溶接物との接触により通電してオンになり、前記電極と前記被溶接物との接触を検出する第1のリレー回路と、
    前記電極と前記被溶接物との接触を検出した後オフして前記電極および前記被溶接物を切り離す第2のリレー回路と、
    を具備することを特徴とするTIG溶接装置。
  2. 電極先端を被溶接物に接触させた後前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端を前記被溶接物から引き離すことにより前記電極と前記被溶接物との間にアークを発生させるタッチスタート方式のTIG溶接装置において、
    前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電流を流すタッチスタートTIG溶接電源と、
    前記電極の上下動を制御するモータ制御装置と、
    前記モータ制御装置により制御され、前記電極先端と前記被溶接物との間に前記溶接電圧を印加しない状態で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出し、該接触が検出された後、前記電極および前記被溶接物から切り離されるタッチスタート検出回路と、
    を具え、
    前記タッチスタートTIG溶接電源は、
    前記電極先端と前記被溶接物との間に離れ検出電流を流し、前記電極先端と前記被溶接物との間の電圧が離れ検出参照電圧になったときに、前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出する電極離れ検出手段、
    を具備し、
    前記モータ制御装置は、
    前記電極を下降制御して前記タッチスタート検出回路で前記電極先端と前記被溶接物との接触を検出すると、前記タッチスタートTIG溶接電源から前記離れ検出電流を流した状態で前記電極を上昇制御し、前記電極離れ検出手段により前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出した後、前記電極の相対位置決めを行って、該相対位置決め完了前の前記相対位置決め中に前記タッチスタートTIG溶接電源からの前記離れ検出電流を本通電電流に切り換える溶接制御手段、
    を具備することを特徴とするTIG溶接装置。
  3. 前記タッチスタート検出回路は、
    前記電極および前記被溶接物に接続され、前記電極先端と前記被溶接物との接触により通電してオンになり、前記電極と前記被溶接物との接触を検出する第1のリレー回路と、
    前記電極と前記被溶接物との接触を検出した後オフして前記電極および前記被溶接物を切り離す第2のリレー回路と、
    を具備することを特徴とする請求項2に記載のTIG溶接装置。
  4. 電極先端を被溶接物に接触させた後前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して前記電極先端を前記被溶接物から引き離すことにより前記電極と前記被溶接物との間にアークを発生させるタッチスタート方式のTIG溶接装置の制御方法であって、
    前記電極先端と前記被溶接物との間に溶接電圧を印加しない状態で前記電極を下降制御し、
    前記電極先端と前記被溶接物との接触をタッチスタート検出回路により検出すると、前記電極先端と前記被溶接物との間にタッチスタートTIG溶接電源から離れ検出電流を流した状態で前記電極を上昇制御し、
    前記電極先端と前記被溶接物との間の電圧が離れ検出参照電圧になったときに、前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出し、
    前記電極先端が前記被溶接物から離れたと検出した後、前記電極の相対位置決めを行って、該相対位置決め完了前の前記相対位置決め中に前記タッチスタートTIG溶接電源からの前記離れ検出電流を本通電電流に切り換える
    ことを特徴とするTIG溶接装置の制御方法。
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