JP6674806B2 - インクジェット記録装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置及びその制御方法に係り、特にインクジェットヘッドのノズル周辺を保湿するための保湿装置を備えるインクジェット記録装置及びその制御方法に関する。
特許文献1には、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドの複数の吐出口と対向する吐出空間をキャップにより封止状態にして加湿することが開示されている(特許文献1の段落[0054]及び[0058])。特許文献1では、加湿空気の温度や加湿空気の単位時間当たりの供給量等により、吐出空間の湿度が所定湿度になるように制御されている。この所定湿度は、ヘッド内のインクの粘度が画像品質の点から適正な範囲にある時の湿度であり、湿度の下限値、即ち、粘度の適正な範囲の上限値に対応する湿度のみを定めてもよいと記載されている。
特許文献2には、インクジェット装置において、ノズルの外側の空間における溶媒蒸気濃度をノズル内のメニスカス表面近傍の溶媒蒸気濃度に近づけるか、あるいは少なくとも相対湿度が60%RH(relative humidity)以上の環境を整えれば、インク中の溶媒の蒸発を低減、あるいは防止することができることが開示されている(特許文献2の段落[0014])。また、特許文献2には、インクジェットヘッドの保持体として、アクリル繊維の加水分解物系の繊維状高吸水性ポリマー(日本エクスラン工業株式会社製のランシール(登録商標))を用いて作成した厚み0.1mmのシート状の高吸水性ポリマーを用いた場合に、この高吸水性ポリマーからの水分の蒸散作用により、ノズル近傍空間の相対湿度を、冬季環境で65%RH〜76%RH、夏季環境で76%RH〜85%RHにすることができたという記載がある(特許文献2の段落[0024]及び[0025])。
特開2012−158018号公報 特開2003−145783号公報
従来のインクジェット印刷装置では、インクジェットヘッドのノズル面に残留したインクが乾燥してインクの粘度が増加することがあり、この粘度が増加した残留インクによってインクの吐出が妨げられるという問題があった。このような残留インクに起因するインクの吐出の劣化を防止するために、インクジェットヘッドの非駆動時に、インクジェットヘッドをキャップ内に収容して、インクジェットヘッドのノズル面を保湿することが提案されている。
しかしながら、本発明の発明者らは、インクジェットヘッドのノズル面の湿度を上げると、ノズル面に結露が生じてしまい、結露により生じた水滴がインクの吐出に悪影響を与えることを発見した。
特許文献1には、吐出空間の湿度をインクの粘度が適正な範囲にある時の湿度に保つことは開示されているが、インクジェットヘッドのノズル面の結露を防止することについては開示されていない。
特許文献2には、インク中の溶媒の蒸発を低減又は防止することが可能な相対湿度を60%RH以上にすることは開示されているが、インクジェットヘッドのノズル面の結露を防止するために相対湿度を調整することについては開示されていない。
なお、特許文献2には、特定の高吸水性ポリマーを用いて作成された保持体を使用したときのノズル近傍空間の相対湿度に関する実験結果が開示されているが、特許文献2の実験結果は、相対湿度を60%RH以上に保つための保持体を用いたときの具体的な相対湿度の測定結果を示すものに過ぎない。特許文献2は、ノズル面の結露を防止するために相対湿度を上記の範囲に保つことを意図したものではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、インクジェットヘッドのノズル面の乾燥を防止し、かつ、ノズル面における結露の発生を防止することが可能なインクジェット記録装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドを収容するヘッド収容部と、ヘッド収容部に収容されたインクジェットヘッドのノズル面の相対湿度を取得する湿度取得部と、湿度取得部により取得したノズル面の相対湿度に基づいて、加湿処理及び除湿処理の少なくとも一方を実行して、ノズル面の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下とする温湿度調整部とを備える。
本発明の第2の態様に係るインクジェット記録装置は、第1の態様において、ヘッド収容部の内部に、インクジェットヘッドと対向して取り付けられた温湿度センサを更に備え、湿度取得部は、温湿度センサによって測定された温度及び湿度に基づいて、ノズル面の相対湿度を算出するようにしたものである。
本発明の第3の態様に係るインクジェット記録装置は、第1の態様において、ヘッド収容部の外部であり、かつ、インクジェット記録装置の内部に配置され、インクジェット記録装置の内部の温度及び湿度を測定する内部温湿度センサと、インクジェット記録装置の外部に配置され、インクジェット記録装置の外部の温度及び湿度を測定する外部温湿度センサとを更に備え、湿度取得部は、インクジェット記録装置の内部及び外部の温度及び湿度と、ノズル面の温度及び湿度の対応関係を示す温湿度データを有しており、内部温湿度センサ及び外部温湿度センサによってそれぞれ測定されたインクジェット記録装置の内部及び外部の温度及び湿度と、温湿度データとに基づいて、ノズル面の相対湿度を算出するようにしたものである。
本発明の第4の態様に係るインクジェット記録装置は、第1の態様において、インクジェットヘッドが固定される固定部と、固定部に取り付けられた温湿度センサとを更に備え、湿度取得部は、温湿度センサによって測定された温度及び湿度に基づいて、ノズル面の相対湿度を算出するようにしたものである。
本発明の第5の態様に係るインクジェット記録装置は、第4の態様において、温湿度センサが、固定部の両端部にそれぞれ取り付けられており、湿度取得部は、両端部の温湿度センサによって測定された温度及び湿度に基づいて、ノズル面の相対湿度を算出する。
本発明の第6の態様に係るインクジェット記録装置は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、温湿度調整部が、湿度取得部により取得したノズル面の相対湿度が37%RH未満になった場合、又は37%RHよりも大きい第1の閾値以下になった場合に、ノズル面に対して加湿処理を実行し、湿度取得部により取得したノズル面の相対湿度が65%RHより大きくなった場合、又は65%RHよりも小さい第2の閾値以上になった場合に、ノズル面に対して除湿処理を実行するようにしたものである。
本発明の第7の態様に係るインクジェット記録装置は、第6の態様において、ヘッド収容部には、保湿液が保持されており、温湿度調整部が、保湿液の温度及び量の少なくとも一方を調整することにより、加湿処理又は除湿処理を行うようにしたものである。
本発明の第8の態様に係るインクジェット記録装置は、第6又は第7の態様において、温湿度調整部が、ノズル面とヘッド収容部との間の距離を調整することにより、加湿処理又は除湿処理を行うようにしたものである。
本発明の第9の態様に係るインクジェット記録装置は、第6から第8の態様のいずれかにおいて、ヘッド収容部に設けられた送風のためのファンを更に備え、温湿度調整部が、ファンによりノズル面に送風することにより、除湿処理を行うようにしたものである。
本発明の第10の態様に係るインクジェット記録装置は、第1から第9の態様のいずれかにおいて、インクジェットヘッドがヘッド収容部に収容されている間に、湿度取得部により取得したノズル面の相対湿度が37%RH未満になった場合、又は65%RHより大きくなった場合には、インクジェットヘッドにより記録を行う前にメンテナンス処理を行うようにしたものである。
本発明の第11の態様に係るインクジェット記録装置の制御方法は、インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有するインクジェットヘッドをヘッド収容部に収容するヘッド収容工程と、ヘッド収容部に収容されたインクジェットヘッドのノズル面の相対湿度を取得する湿度取得工程と、湿度取得工程において取得したノズル面の相対湿度に基づいて、加湿処理及び除湿処理の少なくとも一方を実行して、ノズル面の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下とする温湿度調整工程とを備える。
本発明によれば、ノズル面(ないしその近傍)の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下の範囲に維持することにより、ノズル面の乾燥に起因する吐出不良の発生と、結露に起因する吐出不良の発生を両方とも防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成図である。 図2は、本発明の実施形態に用いられるインクジェットヘッドの斜視図である。 図3は、ヘッドをノズル面側から見た一部拡大図である。 図4は、描画部の概略構成を示す側面図である。 図5は、描画部及びメンテナンス部の正面図(用紙搬送方向の上流側から下流側を見た図)である。 図6は、描画部及びメンテナンス部の構成を模式的に示した平面展開説明図である。 図7は、本実施形態に係る保湿装置を含むメンテナンスステーションの要部を示す斜視図である。 図8は、キャップの部分拡大図である。 図9は、印刷待機中や電源オフ時等におけるキャップ時(ヘッドを保湿した状態で保管する時)の状態を示す断面図である。 図10は、インクパージ動作時の状態を示す断面図である。 図11は、冷却水の循環路を示す斜視図である。 図12は、インクジェットヘッドをキャップに収容及び保管した後にインク吐出を行った場合のスジの本数を示すグラフである。 図13は、インクジェットヘッドの保管前後の吐出状態の変化を示すグラフである。 図14は、インクジェットヘッドをキャップに収容せずに保管した場合の吐出状態の変化を示すグラフである。 図15は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置における温度及び湿度の制御システムを示すブロック図である。 図16は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の制御方法を示すフローチャートである。 図17は、インクジェット記録装置の内部及び外部に温湿度センサをそれぞれ設けた例を示すブロック図である。 図18は、インクジェットヘッドに温湿度センサを設けた例を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明に係るインクジェット記録装置及びその制御方法の実施の形態について説明する。
〔インクジェット記録装置の構成例〕
まず、本発明が適用される液体吐出装置としてのインクジェット記録装置の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙(記録メディア)Pに水性顔料インク(水性溶媒に着色剤の顔料を分布させたインク)を用いてインクジェット方式で画像を記録する。図1に示すように、インクジェット記録装置10は、用紙Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14において処理液が付与された用紙Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16において乾燥処理が施された用紙Pの表面に水性顔料インクを用いてインクジェット方式により画像を記録する画像記録部18と、画像記録部18において画像が記録された用紙Pの乾燥処理を行うインク乾燥処理部20と、全ての処理を終えて排紙される用紙Pが積載される排紙部24とを備える。そして、給紙部12から排紙部24への用紙Pの搬送は、下記に説明するドラム型の搬送手段及びチェーングリッパ型の搬送手段とで構成される搬送部によって行われる。
〈給紙部〉
給紙部12は、給紙台30に積載された用紙Pを1枚ずつ処理液付与部14に給紙する。給紙部12は、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40とを備える。
用紙Pは、多数枚が積層された束の状態で給紙台30に載置される。給紙台30は、図示しない給紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。給紙台昇降装置は、給紙台30に積載された用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、束の最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、給紙台30を昇降させる。
記録メディアとしての用紙Pは、特に限定されないが、一般のオフセット印刷などで使用される汎用の印刷用紙(いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙)を用いることができる。本例では塗工紙が用いられる。塗工紙は、一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙などが好適に用いられる。
サッカー装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に1枚ずつ取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。サッカー装置32は、昇降自在かつ揺動自在に設けられたサクションフット32Aを備え、このサクションフット32Aによって用紙Pの上面を吸着保持して、用紙Pを給紙台30から給紙ローラ対34に移送する。この際、サクションフット32Aは、束の最上位に位置する用紙Pの先端側の上面を吸着保持して、用紙Pを引き上げ、引き上げた用紙Pの先端を、給紙ローラ対34を構成する一対のローラ34A、34Bの間に挿入する。
給紙ローラ対34は、互いに押圧当接された上下一対のローラ34A、34Bで構成される。上下一対のローラ34A、34Bは、一方が駆動ローラ(ローラ34A)、他方が従動ローラ(ローラ34B)とされ、駆動ローラ(ローラ34A)は、図示しないモータに駆動されて回転する。モータは、用紙Pの給紙に連動して駆動され、サッカー装置32から用紙Pが給紙されると、そのタイミングに合わせて駆動ローラ(ローラ34A)を回転させる。上下一対のローラ34A、34Bの間に挿入された用紙Pは、このローラ34A、34Bにニップされて、ローラ34A、34Bの回転方向(フィーダボード36の設置方向)に送り出される。
フィーダボード36は、用紙幅に対応して形成され、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受けて、前当て38までガイドする。このフィーダボード36は、先端側が下方に向けて傾斜して設置され、その搬送面の上に載置された用紙Pを搬送面に沿って滑らせて前当て38までガイドする。
フィーダボード36には、用紙Pを搬送するためのテープフィーダ36Aが幅方向に間隔をおいて複数設置される。テープフィーダ36Aは、無端状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。フィーダボード36の搬送面に載置された用紙Pは、このテープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送される。
また、フィーダボード36の上には、リテーナ36Bとコロ36Cとが設置される。
リテーナ36Bは、用紙Pの搬送面に沿って前後に縦列して複数配置される(本例では2つ)。このリテーナ36Bは、用紙幅に対応した幅を有する板バネを含んでおり、この板バネは、フィーダボード36の搬送面に押圧当接されている。テープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送される用紙Pは、このリテーナ36Bを通過することにより、凹凸が矯正される。なお、リテーナ36Bは、フィーダボード36との間に用紙Pを導入しやすくするため、後端部がフィーダボード36の搬送面とは反対側にカールしている。
コロ36Cは、前後のリテーナ36Bの間に配設される。このコロ36Cは、用紙Pの搬送面に押圧当接されて設置される。前後のリテーナ36Bの間を搬送される用紙Pは、このコロ36Cによって上面が抑えられながら搬送される。
前当て38は、用紙Pの姿勢を矯正する。この前当て38は、板状に形成され、用紙Pの搬送方向と直交して配置される。また、図示しないモータにより駆動されて、揺動可能に設けられる。フィーダボード36の上を搬送された用紙Pは、その先端が前当て38に当接されて、姿勢が矯正される(いわゆる、スキュー防止)。前当て38は、給紙ドラム40への用紙の給紙に連動して揺動し、姿勢を矯正した用紙Pを給紙ドラム40に受け渡す。
給紙ドラム40は、前当て38を介してフィーダボード36から給紙される用紙Pを受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙ドラム40は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。給紙ドラム40の外周面上には、グリッパ40Aが備えられ、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端が把持される。給紙ドラム40は、グリッパ40Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液付与部14へと用紙Pを搬送する。
給紙部12は、以上のように構成される。この構成により、給紙台30の上に積載された用紙Pは、サッカー装置32によって上から順に1枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34に給紙される。給紙ローラ対34に給紙された用紙Pは、その給紙ローラ対34を構成する上下一対のローラ34A、34Bによって前方に送り出され、フィーダボード36の上に載置される。フィーダボード36の上に載置された用紙Pは、フィーダボード36の搬送面に設けられたテープフィーダ36Aによって搬送される。そして、その搬送過程でリテーナ36Bによってフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。フィーダボード36によって搬送された用紙Pは、先端が前当て38に当接されることにより、傾きが矯正され、その後、給紙ドラム40に受け渡される。そして、その給紙ドラム40によって処理液付与部14へと搬送される。
〈処理液付与部〉
処理液付与部14は、用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する。この処理液付与部14は、用紙Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44とを備える。
処理液付与ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から用紙Pを受け取り、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する。処理液付与ドラム42は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液付与ドラム42の外周面上には、グリッパ42Aが備えられ、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液付与ドラム42は、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する(1回転で1枚の用紙Pを搬送する。)。処理液付与ドラム42と給紙ドラム40は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
処理液付与ユニット44は、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液をローラ塗布する。この処理液付与ユニット44は、用紙Pに処理液を塗布する塗布ローラ44Aと、処理液が貯留される処理液槽44Bと、処理液槽44Bに貯留された処理液を汲み上げて、塗布ローラ44Aに供給する汲み上げローラ44Cとを備える。汲み上げローラ44Cは、塗布ローラ44Aに押圧当接して設置されており、汲み上げローラ44Cの一部は処理液槽44Bに貯留された処理液に浸漬される。この汲み上げローラ44Cは、処理液を計量して汲み上げ、塗布ローラ44Aの周面に一定の厚さで処理液を付与する。塗布ローラ44Aは、用紙幅に対応して設けられ、用紙Pに押圧当接されて、その周面に付与された処理液を用紙Pに塗布する。塗布ローラ44Aは、図示しない当接離間機構に駆動されて、処理液付与ドラム42の周面に当接する当接位置と、処理液付与ドラム42の周面から離間する離間位置との間を移動する。当接離間機構は、用紙Pの通過タイミングに合わせて、塗布ローラ44Aを移動させ、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液を塗布する。
なお、本例では、処理液をローラ塗布する構成としているが、処理液を付与する方法は、これに限定されるものではない。この他、インクジェットヘッドを用いて付与する構成やスプレーにより付与する構成を採用することもできる。
処理液付与部14は、以上のように構成される。この構成により、給紙部12の給紙ドラム40から受け渡された用紙Pは、処理液付与ドラム42で受け取られる。処理液付与ドラム42は、用紙Pの先端をグリッパ42Aで把持して、回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて搬送する。この搬送過程で塗布ローラ44Aが用紙Pの表面に押圧当接され、用紙Pの表面に処理液が塗布される。
ここで、この用紙Pの表面に塗布する処理液は、後段の画像記録部18で用紙Pに打滴する水性顔料インク中の色材を凝集させる機能を有する処理液が塗布される。このような処理液を用紙Pの表面に塗布して水性顔料インクを打滴することにより、汎用の印刷用紙を用いた場合であっても、着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
〈処理液乾燥処理部〉
処理液乾燥処理部16は、表面に処理液が付与された用紙Pを乾燥処理する。この処理液乾燥処理部16は、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの印刷面に熱風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50とを備える。
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から用紙Pを受け取り、画像記録部18へと用紙Pを搬送する。処理液乾燥処理ドラム46は、円筒状に組んだ枠体で構成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液乾燥処理ドラム46の外周面上には、グリッパ46Aが備えられ、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液乾燥処理ドラム46は、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、画像記録部18へと用紙Pを搬送する。
なお、本例の処理液乾燥処理ドラム46は、その外周面上の2か所に配設されたグリッパ42Aを備えており、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。処理液乾燥処理ドラム46と処理液付与ドラム42は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパ42Aの位置が合うように駆動される。
用紙搬送ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46による用紙Pの搬送経路に沿って配設され、用紙Pの搬送をガイドする。
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて、環境温度以上に加熱された空気(熱風)を吹き当てて乾燥処理する。本例では、2台の処理液乾燥処理ユニット50が、処理液乾燥処理ドラム内に配設され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てる構成とされている。
処理液乾燥処理部16は、以上のように構成される。この構成により、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から受け渡された用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46で受け取られる。処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの先端をグリッパ46Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。この際、処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの表面(処理液が塗布された面)を内側に向けて搬送する。用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置された処理液乾燥処理ユニット50から熱風が表面に吹き当てられて、乾燥処理される。これにより、処理液中の溶媒成分が除去され、用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。
〈画像記録部〉
画像記録部18は、用紙Pの印刷面にC(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)、K(Black (Key Plate))の各色のインク(水性顔料インク)の液滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像記録部18は、用紙Pを搬送する画像記録ドラム52と、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に密着させる用紙押さえローラ54と、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kと、用紙Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62とを備える。
画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取り、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。画像記録ドラム52の外周面上には、グリッパ52Aが備えられ、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端が把持される。画像記録ドラム52は、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。また、画像記録ドラム52は、その周面に多数の吸引穴(図示せず)が所定のパターンで形成される。画像記録ドラム52の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引穴から吸引されることにより、画像記録ドラム52の周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平坦性をもって用紙Pを搬送することができる。
なお、この吸引穴からの吸引は一定の範囲でのみ作用し、所定の吸引開始位置から所定の吸引終了位置との間で作用する。吸引開始位置は、用紙押さえローラ54の設置位置に設定され、吸引終了位置は、インラインセンサ58の設置位置の下流側に設定される(例えば、インク乾燥処理部20に用紙を受け渡す位置に設定される。)。すなわち、少なくともインクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kの設置位置(画像記録位置)とインラインセンサ58の設置位置(画像読取位置)では、用紙Pが画像記録ドラム52の周面に吸着保持されるように設定される。
なお、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に吸着保持させる機構は、上記の負圧による吸着方法に限らず、静電吸着による方法を採用することもできる。
また、本例の画像記録ドラム52は、外周面上の2か所にグリッパ52Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。画像記録ドラム52と処理液乾燥処理ドラム46は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動され、かつ、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙押さえローラ54は、画像記録ドラム52の用紙受取位置(処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ54は、ゴムローラによって構成され、画像記録ドラム52の周面に押圧当接させて設置される。処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ54を通過することによりニップされ、画像記録ドラム52の周面に密着させられる。
4台のインクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kは、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。このインクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成され、ノズル面が画像記録ドラム52の周面に対向するように配置される。各インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kは、ノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム52に向けてインクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに画像を記録する。
なお、上記のように、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kから吐出させるインクは、水性顔料インクが用いられる。水性顔料インクを処理液付与部14によって付与された処理液と凝集反応させることで、水性顔料インク中の着色剤の顔料を凝集させることができる。
水性顔料インクとしては、例えば、下記の組成のものを用いることができる。表1には、ブラックの水性顔料インクの組成のみを示したが、ほかの色の組成は、ブラック顔料に代えて、シアン、マゼンタ又は黄の顔料を用いたものとすることができる。
Figure 0006674806
<インクジェットヘッドの構成例>
図2は、本発明の実施形態に用いられるインクジェットヘッドの斜視図である。図2では、ヘッド56の下方(斜め下方向)からノズル面56Aを見上げた様子が図示されている。
図2に示すように、ヘッド56は、複数個(n個、nは2以上の整数)のヘッドモジュール56−i(i=1,2…n)を用紙幅方向に並べて繋ぎ合わせて長尺化したフルライン型のラインヘッド(シングルパス印字方式のページワイドヘッド)となっている。ヘッド56のインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。図中の符号310は、複数のヘッドモジュール56−iを固定するための枠体となるハウジング(バー状のラインヘッドを構成するためのハウジング)、符号312は、各ヘッドモジュール56−iに接続されたフレキシブル基板である。
ここでは17個のヘッドモジュール56−iを繋ぎ合わせた例を示しているが、モジュールの構成、モジュールの個数及び配列形態については、図示の例に限定されない。
図3は、ヘッド56をノズル面56A側から見た一部拡大図である。
各ヘッドモジュール56−iは、ヘッド56における短手方向の両側からヘッドモジュール支持部材56Bによって支持されている。また、ヘッド56の長手方向における両端部はヘッド保護部材56Dによって支持されている。
各ヘッドモジュール56−i(n番目のヘッドモジュール56−n)は、複数のノズルがマトリクス状に配列された構造を有している。図3において符号351Aを付して図示した斜めの実線は、複数のノズルが一列に並べられたノズル列を表している。
<吐出方式について>
インクジェットヘッドにおける各ノズルから液滴を吐出させるための吐出用の圧力(吐出エネルギー)を発生させる手段は、ピエゾアクチュエータ(圧電素子)、静電アクチュエータ、サーマル方式(ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させる方式)におけるヒータ(加熱素子)や他の方式による各種アクチュエータなど様々な圧力発生素子(吐出エネルギー発生素子)を適用し得る。ヘッドの吐出方式に応じて、相応のエネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
画像記録ドラム52によって用紙Pを一定の速度で搬送し、この搬送方向について、用紙Pと各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち、1回の副走査で)、用紙Pの画像形成領域に画像を記録することができる。
ここでは、CMYKの4色のインクを用いるインクジェット記録装置10を例示しているが、インク色、色数の組み合わせ及び各色のヘッドの配置順序は本実施形態に限定されるものではない。
インラインセンサ58は、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送方向に対して、最後尾のインクジェットヘッド56Kの下流側に設置され、インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kで記録された画像を読み取る。このインラインセンサ58は、例えば、ラインスキャナで構成され、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pからインクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kによって記録された画像を読み取る。
インラインセンサ58の撮像結果に基づいて、画像不良検出部(図1中不図示、図4に符号136を付して図示)によって画像不良が検出される。ここでいう「画像不良」としては、インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kの吐出異常に起因するもの、例えば、インクジェットヘッドからのインクの吐出曲がりに起因するスジが考えられる。また、画像不良としては、色ずれによるもの、インクミストなどの異物の付着に起因するものが挙げられる。
なお、画像不良は、インラインセンサ58の撮像結果から把握しうる用紙P上の異常であればよく、上記に列挙したものに限定されない。インラインセンサ58と併用して、又はインラインセンサ58に代わり、用紙Pの汚れを検出するセンサ(汚れ検出部)などを別に備えてもよい。
本例では不良検出手段としてラインスキャナから構成されるインラインセンサ58の撮像結果を利用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、インラインセンサ58に加えて、インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kのインクの吐出状態を直接撮像する撮像手段(ハイスピードカメラ)を備える態様も可能である。
インラインセンサ58の下流側には、インラインセンサ58に近接して接触防止板59が設置される。この接触防止板59は、搬送の不具合等によって用紙Pに浮きが生じた場合に、用紙Pがインラインセンサ58に接触するのを防止する。
ミストフィルタ60は、最後尾のインクジェットヘッド56Kとインラインセンサ58との間に配設され、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。このように、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉することにより、インラインセンサ58へのインクミストの進入を防止でき、読み取り不良等の発生を防止できる。
ドラム冷却ユニット62は、温度調整された空気(冷風)を画像記録ドラム52に吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。このドラム冷却ユニット62は、エアコン(図示せず)と、そのエアコンから供給される冷気を画像記録ドラム52の周面に吹き当てるダクト62Aとを備える。ダクト62Aは、画像記録ドラム52に対して、用紙Pの搬送領域以外の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。本例では、画像記録ドラム52のほぼ上側半分の円弧面に沿って用紙Pが搬送されるので、ダクト62Aは、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。具体的には、ダクト62Aの吹出口が、画像記録ドラム52のほぼ下側半分を覆うように円弧状に形成され、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気が吹き当てられる構成とされている。
ここで、画像記録ドラム52を冷却する温度は、インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kの温度(特にノズル面の温度)との関係で定まり、インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kの温度よりも低い温度となるように冷却される。これにより、インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kに結露が生じるのを防止することができる。すなわち、インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kよりも画像記録ドラム52の温度を低くすることにより、画像記録ドラム側に結露を誘発することができ、インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kに生じる結露(特にノズル面に生じる結露)を防止することができる。
画像記録部18は、以上のように構成される。この構成により、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から受け渡された用紙Pは、画像記録ドラム52で受け取られる。画像記録ドラム52は、用紙Pの先端をグリッパ52Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、まず、用紙押さえローラ54を通過することにより、画像記録ドラム52の周面に密着される。これと同時に画像記録ドラム52の吸着穴から吸引されて、画像記録ドラム52の外周面上に吸着保持される。用紙Pは、この状態で搬送されて、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kを通過する。そして、その通過時に各インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56KからC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が描画される。用紙Pの表面にはインク凝集層が形成されているので、フェザリングやブリーディング等を起こすことなく、高品位な画像を記録することができる。
インクジェットヘッド56C、56M、56Y及び56Kによって画像が記録された用紙Pは、次いで、インラインセンサ58を通過する。そして、そのインラインセンサ58の通過時に表面に記録された画像が読み取られる。この記録画像の読み取りは全ての用紙Pについて行われる。読み取りを行う際は、画像記録ドラム52に吸着保持された状態で読み取りが行われるので、高精度に読み取りを行うことができる。また、画像記録直後に読み取りが行われるので、例えば、吐出不良等の異常を直ちに検出することができ、その対応を迅速に行うことができる。これにより、無駄な記録を防止できるとともに、損紙の発生を最小限に抑えることができる。
この後、用紙Pは、吸着が解除された後、インク乾燥処理部20へと受け渡される。
〈インク乾燥処理部〉
インク乾燥処理部20は、画像記録後の用紙Pを乾燥処理し、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。インク乾燥処理部20は、画像が記録された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pを乾燥処理するインク乾燥処理ユニット68とを備える。
チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20及び排紙部24において共通して使用される用紙搬送機構であり、画像記録部18から受け渡された用紙Pを受け取って、排紙部24まで搬送する。
このチェーングリッパ64は、画像記録ドラム52に近接して配置される第1スプロケット64Aと、排紙部24に設置される第2スプロケット64Bと、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる無端状のチェーン64Cと、チェーン64Cの走行をガイドする複数のチェーンガイド(図示せず)と、チェーン64Cに一定の間隔をもって取り付けられる複数のグリッパ64Dとを備える。第1スプロケット64Aと、第2スプロケット64Bと、チェーン64Cと、チェーンガイドとは、それぞれ一対で構成され、用紙Pの幅方向の両側に配設される。グリッパ64Dは、一対のチェーン64Cの間に複数設けられ、用紙Pの先端エッジ(図2にP1を付して図示)の両端部を複数のグリッパ64Dで把持する。
第1スプロケット64Aは、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pを複数のグリッパ64Dで受け取ることができるように、画像記録ドラム52に近接して設置される。この第1スプロケット64Aは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられるとともに、図示しないモータが連結される。第1スプロケット64A及び第2スプロケット64Bに巻き掛けられるチェーン64Cは、このモータを駆動することにより走行する。
第2スプロケット64Bは、画像記録ドラム52から受け取った用紙Pを排紙部24で回収できるように、排紙部24に設置される。すなわち、この第2スプロケット64Bの設置位置が、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路の終端とされる。この第2スプロケット64Bは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられる。
チェーン64Cは、無端状に形成され、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる。
チェーンガイドは、所定位置に配置されて、チェーン64Cが所定の経路を走行するようにガイドする(=用紙Pが所定の搬送経路を走行して搬送されるようにガイドする。)。本例のインクジェット記録装置10では、第2スプロケット64Bが第1スプロケット64Aよりも高い位置に配設される。このため、チェーン64Cが、途中で傾斜するような走行経路が形成される。具体的には、この走行経路は、第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとを含んでいる。
第1水平搬送経路70Aは、第1スプロケット64Aと同じ高さに設定され、第1スプロケット64Aに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。
第2水平搬送経路70Cは、第2スプロケット64Bと同じ高さに設定され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。
傾斜搬送経路70Bは、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間に設定され、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間を結ぶように設定される。
チェーンガイドは、この第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとを形成するように配設される。具体的には、少なくとも第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとの接合ポイント、及び、傾斜搬送経路70Bと第2水平搬送経路70Cとの接合ポイントに配設される。
一対のグリッパ64Dは、チェーン64Cに一定の間隔をもって複数取り付けられる。このグリッパ64Dの取り付け間隔は、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。すなわち、画像記録ドラム52から順次受け渡される用紙Pを、タイミングを合わせて画像記録ドラム52から受け取ることができるように、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。
チェーングリッパ64は、以上のように構成される。この構成によって、上記のように、第1スプロケット64Aに接続されたモータ(図示せず)を駆動すると、チェーン64Cが走行する。チェーン64Cは、画像記録ドラム52の周速度と同じ速度で走行する。また、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pが、各グリッパ64Dで受け取れるようにタイミングが合わせられる。
バックテンション付与機構66は、チェーングリッパ64によって先端を把持されながら搬送される用紙Pにバックテンションを付与する。このバックテンション付与機構66は、ガイドプレート72と、そのガイドプレート72に形成される吸引穴(図示せず)から空気を吸引する吸引機構(図示せず)とを備える。
ガイドプレート72は、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成される。このガイドプレート72は、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路(=チェーンの走行経路)に沿って配設される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離離間して配設される。チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pは、その裏面(画像が記録されていない側の面)が、このガイドプレート72の上面(チェーン64Cと対向する面:摺接面)の上を摺接しながら搬送される。
ガイドプレート72の摺接面(上面)には、多数の吸引穴(図示せず)が所定のパターンで多数形成される。上記のように、ガイドプレート72は、中空のボックスプレートで形成される。吸引機構(図示せず)は、このガイドプレート72の中空部(内部)を吸引する。これにより、摺接面に形成された吸引穴から空気が吸引される。
ガイドプレート72の吸引穴から空気が吸引されることにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pの裏面が吸引穴に吸引される。これにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションが付与される。
上記のように、ガイドプレート72は、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設されるので、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを搬送されている間、バックテンションが付与される。
インク乾燥処理ユニット68は、チェーングリッパ64の内部(特に第1水平搬送経路70Aを構成する部位)に設置され、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pに対して乾燥処理を施す。このインク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pの表面に熱風を吹き当てて乾燥処理する。インク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aに沿って複数台配置される。この設置数は、インク乾燥処理ユニット68の処理能力や用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、画像記録部18から受け取った用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間に乾燥させることができるように設定される。したがって、第1水平搬送経路70Aの長さも、このインク乾燥処理ユニット68の能力を考慮して設定される。
なお、乾燥処理を行うことにより、インク乾燥処理部20の湿度が上がる。湿度が上がると、効率よく乾燥処理することができなくなるので、インク乾燥処理部20には、インク乾燥処理ユニット68と共に排気手段を設置し、乾燥処理によって発生する湿り空気を強制的に排気することが好ましい。排気手段は、例えば、排気ダクトをインク乾燥処理部20に設置し、この排気ダクトによってインク乾燥処理部20の空気を排気する構成とすることができる。
インク乾燥処理部20は、以上のように構成される。この構成によって、画像記録部18の画像記録ドラム52から受け渡された用紙Pは、チェーングリッパ64で受け取られる。チェーングリッパ64は、用紙Pの先端をグリッパ64Dで把持して、平面状のガイドプレート72に沿わせて用紙Pを搬送する。チェーングリッパ64に受け渡された用紙Pは、まず、第1水平搬送経路70Aを搬送される。この第1水平搬送経路70Aを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたインク乾燥処理ユニット68によって乾燥処理が施される。すなわち、表面(画像記録面)に熱風が吹き当てられて、乾燥処理が施される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながら乾燥処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながら乾燥処理することができる。
〈排紙部〉
排紙部24は、一連の画像記録処理が行われた用紙Pを回収する。この排紙部24は、用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76とを備える。
上記のように、チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20と共に共通して使用される。チェーングリッパ64は、排紙台76の上で用紙Pを開放し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。
排紙台76は、チェーングリッパ64から開放された用紙Pを積み重ねて回収する。この排紙台76には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙当て(前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が備えられる(図示せず)。
また、排紙台76は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。排紙台昇降装置は、排紙台76にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台76を昇降させる。
なお、ヘッド56と用紙を相対移動させる方法は、図1で例示したドラム搬送方式に限らず、ベルト搬送方式、ニップ搬送方式、パレット搬送方式など、各種形態を採用し得る。
また、図1には示されていないが、インクジェット記録装置10は、上記構成に加えて、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kにインクを供給するインク貯蔵/装填部、及び処理液付与部14に対して処理液を供給する手段を備える。さらにインクジェット記録装置10は、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)や印刷待機時等のヘッド保湿などを行うメンテナンス部(図3から図6等で後述する保湿装置150を含むメンテナンスステーション)を備えるとともに、用紙搬送路上における用紙Pの位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
〔描画部及びメンテナンス部の説明〕
図4は、描画部の概略構成を示す側面図であり、図5は、その正面図(用紙搬送方向の上流側から下流側を見た図)である。また、図6は、描画部及びメンテナンス部の構成を模式的に示した平面展開説明図である。
図1及び図4に示したとおり、各色のヘッド56Y、56M、56C及び56Kは画像記録ドラム52の周面に沿って配置され、各ヘッドのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKがドラム周面に対して概ね一定の距離(スローディスタンス)となるように、各ヘッドのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKを水平面に対して傾斜させた姿勢で配置される。
すなわち、各色のヘッド56Y、56M、56C及び56Kは、画像記録ドラム52の回転軸102を中心とした同心円上に、円周方向に一定の間隔をもって放射状に配置されている。本例では、4本のヘッド56Y、56M、56C及び56Kが、画像記録ドラム52の鉛直方向に沿った中心線を挟んで左右対称に配置されている。画像記録ドラム52の中心を通る鉛直な線分(中心線)に対してマゼンタ(M)のヘッド56Mとイエロー(Y)のヘッド56Yとが左右対称に配置されるとともに、黒(K)のヘッド56Kとシアン(C)のヘッド56Cとが左右対称に配置されている。
このように配置された各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kは、それぞれその下端部に形成されたノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKが、画像記録ドラム52の外周面に対向して配置されるとともに、それぞれそのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKが、画像記録ドラム52の外周面から所定高さの位置に位置する(画像記録ドラム52の外周面とノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKとの間に同じ量のギャップが形成される。)。また、そのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKに形成されたノズル列が、用紙Pの搬送方向と直交して配置される。
これら複数本のヘッド56Y、56M、56C及び56Kは、ヘッド支持フレーム140に取り付けられて、画像記録ドラム52の周囲に配置される。
画像記録ドラム52は、その回転軸102の両端部を一対の軸受104に軸支されて回転自在に設けられている(図3参照)。軸受104は、インクジェット記録装置10の本体フレーム106に設けられており、この軸受104に回転軸102の両端部が軸支されることにより、画像記録ドラム52は水平に取り付けられる(水平な設置面に対して回転軸102が平行に取り付けられる。)。
画像記録ドラム52の回転軸102には、図示しない回転伝達機構を介してモータが連結されている。画像記録ドラム52は、このモータに駆動されて回転する。
図5に示すように、ヘッド支持フレーム140は、画像記録ドラム52の回転軸102と直交して設けられた一対のサイドプレート142L及び142Rと、その一対のサイドプレート142L及び142Rを上端部で連結する連結フレーム144とを含んでいる。
サイドプレート142L及び142Rは、板状に形成されており、画像記録ドラム52を挟んで互いに対向するように配置されている。この一対のサイドプレート142L及び142Rの内側には、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kを取り付けるための取付部146が設けられている。図5では、便宜上、マゼンタの取付部146のみ図示したが、各色のヘッドについて同様の取付部が設けられている。
各取付部146は、画像記録ドラム52の回転軸102を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kは、その両端に形成された被取付部148を取付部146に固定することにより、ヘッド支持フレーム140に取り付けられる。図5では、便宜上、マゼンタの被取付部148のみ図示したが、各色のヘッドについて同様の被取付部が設けられている。
こうして、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kはヘッド支持フレーム140に取り付けられ、画像記録ドラム52の回転軸102を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置される。
ヘッド支持フレーム140は、図示しないガイドレールにガイドされて、画像記録ドラム52の回転軸102と平行にスライド移動自在に設けられている。そして、図示しないリニア駆動機構(例えば、送りネジ機構など)に駆動されて、図5に実線で示す「画像記録位置」と図5に破線で示す「メンテナンス位置」との間を移動する。
ヘッド支持フレーム140を画像記録位置に位置させると、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kは、画像記録ドラム52の周囲に配置され、画像記録可能な状態になる。
メンテナンス位置は、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kが画像記録ドラム52から退避する位置に設定される。このメンテナンス位置には、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kを保湿するための保湿装置150が設置される。
保湿装置150には、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKを覆うキャップ(ヘッド収容部)200M、200K、200C及び200Yが備えられている(図6参照)。図6では、理解を容易にするために、ドラム周面の円弧に沿って配置される各色のヘッドと各ヘッドに対応したキャップの構成を平面展開した図面で示した。なお、図5では、便宜上、マゼンタのキャップ200Mのみ図示した。
装置の電源オフ時や印刷待機時など、装置を長時間停止させる場合には、ヘッド56Y、56M、56C及び56Kをメンテナンス位置に移動させ、キャップ200M、200K、200C及び200Yによって各ヘッドのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKが覆われる。
各キャップ200M、200K、200C及び200Yには、図示しない保湿液供給機構が備えられており、キャップ内部に保湿液を供給できるように構成されている。保湿液が保持されたキャップ200M、200K、200C及び200Yによってノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKの周囲を覆うことにより、ノズル部が保湿され、乾燥による目詰まり(不吐出)が防止される。
なお、キャップ200M、200K、200C及び200Yには、図示しない加圧・吸引機構が備えられており、ノズル内を加圧・吸引できるように構成されている。また、本例の場合、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kのインク供給系を加圧して各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kの全ノズルからインクを強制的に押し出す加圧パージを行うことができる。
キャップ200M、200K、200C及び200Yの下方位置には廃液トレイ154が配置されている。キャップ200M、200K、200C及び200Yに供給された保湿液やパージされたインクは、この廃液トレイ154に廃棄され、廃液回収配管156を介して廃液タンク158に回収される。
また、画像記録位置とメンテナンス位置との間には、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKを清掃するためのノズル面清掃装置160が設けられている。各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kは、メンテナンス位置から画像記録位置に移動する過程で、または、画像記録位置からメンテナンス位置に移動する過程で、このノズル面清掃装置160によってノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKが清掃される。
ノズル面清掃装置160は、洗浄液付与装置162とノズル面払拭装置164とを備える。図3では、マゼンタのインクジェットヘッド56Mに対応したノズル面清掃装置160のみを図示したが、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kに対して、それぞれ同様のノズル面清掃装置が設けられている(図6参照)。
図6に示したように、各ヘッドに対応して洗浄液付与装置162M、162K、162C及び162Yと、ノズル面払拭装置164M、164K、164C及び164Yが設けられている。各ヘッドに対応した洗浄液付与装置162M、162K、162C及び162Yの構成は同様であるため、以下、洗浄液付与装置162として説明する。また、各ヘッドに対応したノズル面払拭装置164M、164K、164C及び164Yの構成も同様であるため、以下、ノズル面払拭装置164として説明する。
洗浄液付与装置162は、ヘッド56のノズル面56Aに洗浄液を付与する手段であり、洗浄液供給ノズル184と、洗浄液が保持される洗浄液保持面185を有する。洗浄液供給ノズル184の孔は洗浄液保持面185に開口しており、洗浄液供給ノズル184から洗浄液を出して洗浄液保持面185に洗浄液を保持させる。洗浄液が保持された洗浄液保持面185上を、ヘッド56を移動させることで、洗浄液保持面185とノズル面56Aとの間の洗浄液が、ノズル面56Aの撥液性を利用して濡れ拡がり、ノズル面56Aに洗浄液を塗布することができる。
ノズル面払拭装置164は、帯状に形成された払拭ウェブ192(「払拭部材」に相当)を走行させながら、払拭ウェブ192をノズル面56Aに当接させて、ヘッド56を移動させることによりノズル面56Aを払拭する。
払拭ウェブ192は、例えば、PET(polyethylene terephthalate;ポリエチレンテレフタラート)、PE(Polyethylene;ポリエチレン)、NY(NYLON;ナイロン)等の極微細繊維を用いた編み又は織りからなるシートで構成され、ヘッド56のノズル面56Aの幅に対応した幅を有する帯状に形成される。この払拭ウェブ192は、図示せぬ送出側ウェブコアにロール状に巻かれ、先端が巻取側ウェブコア(不図示)に固定された状態で提供される。
ノズル面払拭装置164は、払拭ウェブ192を搬送する図示せぬ搬送部と、払拭ウェブ192をノズル面56Aに所定圧力で当接させる押圧ロール194を備えている。押圧ロール194は図示せぬ付勢バネによってノズル面56Aに向かう方向に付勢されている。押圧ロール194に巻き掛けられた払拭ウェブ192は図示せぬ巻取モータの駆動によって搬送される。払拭ウェブ192を走行させながら、ノズル面56Aを払拭することにより、常に払拭ウェブ192の新しい面(未使用領域)を使ってノズル面56Aを払拭することができる。
払拭ウェブ192の走行方向と逆方向にノズル面56Aを移動させることにより、効率よくノズル面56Aを払拭することができる。
また、ノズル面払拭装置164は、図示せぬ昇降機構によって上下方向に移動させることができる。ノズル面56Aの払拭清掃が不要な場合は、払拭ウェブ192がノズル面56Aと接触しない位置に退避させる。
ノズル面払拭装置164は、払拭ウェブ192に対して直接的に洗浄液を供給する洗浄液付与部及び、又は払拭ウェブ192から余剰の洗浄液を回収する洗浄液回収部を備えてもよい。
また、図示されていないが、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kは、それぞれのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKの法線方向に移動可能な可動支持機構に支持されている。この可動支持機構により、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kのノズル面56AY、56AM、56AC及び56AKと、画像記録ドラム52の外周面との距離(ギャップ)を調整したり、メンテナンス位置でのヘッドの高さを変更したりすることができる。
<保湿装置を含むメンテナンス部の説明>
図7は、本実施形態に係る保湿装置を含むメンテナンスステーションの要部を示す斜視図であり、図8はキャップの部分拡大図である。また、図9は、印刷待機中や電源オフ時等におけるキャップ時(ヘッドを保湿した状態で保管する時)の状態を示す断面図であり、図10は、インクパージ動作時の状態を示す断面図である。
図7に示したように、メンテナンスステーションには、各ヘッドに対応したキャップ200M、200K、200C及び200Yが設けられている。各キャップ200M、200K、200C及び200Yの構造は同様であるため、各キャップを代表して以下、符号200によってキャップを示す。
キャップ200は、外枠のカバー部(外側枠体)を構成するキャップ枠体202と、このキャップ枠体202の内側に設けられ、ノズル面56Aと対向する位置に配置される液保持部210と、を備える。液保持部210として機能する凹部が形成されたキャップ内枠体204(内側枠体部)と、その外側を覆うキャップ枠体202との組み合わせによってキャップ本体206が構成される。このように本例のキャップ200は、キャップ枠体202の内側に液保持部210が設けられた二重構造(入れ子の構造)となっている。
また、キャップ200の側壁(本例では、キャップ200の長手方向に沿った側面の壁)には、ヘッド56との当接時に弾性変形して密閉性を高める封止部材220及び222が設けられている。封止部材220及び222は、それぞれ支持部材250及び252に保持されており、封止部材220及び222を保持した支持部材250及び252は、それぞれ固定ネジ254及び256(「締結部材」に相当)によってキャップ本体206に取り付けられている。
本例の場合、支持部材250は固定ネジ254によってキャップ内枠体204に連結され、支持部材252は固定ネジ256によってキャップ枠体202に連結される(図9及び図10参照)。なお、固定ネジ254及び256による締結箇所は、キャップ200の長手方向に沿って複数個所設けられている。支持部材250及び252は、キャップ内枠体204及びキャップ枠体202の側壁とともにキャップ200の側壁を構成する部材となる。
このようにキャップ200の側壁に設けられた封止部材220及び222は、ヘッド56の側壁(本例の場合ヘッド56の長手方向に沿った側面の壁)に接触し、接触部分を密閉する(図9及び図10参照)。封止部材220及び222をヘッド56の側壁に当接させ、ノズル面56Aよりも高い位置でヘッド側面を封止する構成となっている。
本例のインクジェット記録装置10は、ノズル面56Aの法線方向にキャップ200とヘッド56を相対移動させる機構(不図示)を備えており、図9及び図10に示したように、封止部材220及び222がヘッド側面と接触した状態でヘッド56をノズル面56Aの法線方向に移動させることができる。
キャップ200に対してヘッド56を移動させる構成であってもよいし、ヘッド56に対してキャップ200を移動させる構成でもよく、またこれらの組み合わせでもよい。
封止部材220及び222をヘッド側面に接触させたまま、キャップ200に対してヘッド56を移動(相対移動)させるため、封止部材220及び222は摺動抵抗の小さいものが好ましい。本実施形態では、封止部材220及び222として、中空のシリコンゴムにフッ素コーティングしたものを用いた。封止部材220及び222には、上記の他、ブラシやフェルトなどが適している。ブラシの毛やフェルトの繊維は、当接時に弾性変形し、当接解除によって元の形状に復元する。ブラシやフェルトも当接時に弾性変形して接触部分を封止する封止部材として機能し得る。
図9に示したキャップ時の状態、並びに図8に示したインクパージ動作時の状態のいずれにおいても、封止部材220及び222はノズル面56Aよりも上側にあり、ノズル面56Aよりも高い位置を封止している。このため封止部材220及び222にインクが付着しにくい。
図9及び図10を用いて説明したとおり、封止部材220及び222は、固定ネジ254及び256を介してキャップ本体206に取り付けられているため、固定ネジ254及び256の連結を解除することにより、取り外しが可能である。封止部材220及び222は支持部材250及び252と一体で脱着交換を行うものであってもよいし、支持部材250及び252から封止部材220及び222を分離して、支持部材250及び252に新しい封止部材220及び222を取り付ける(封止部材220及び222のみを交換し、支持部材250及び252は同じものを使う)ようにしてもよい。
このように、封止部材220及び222を容易に脱着できる構造となっているため、仮に封止部材220及び222がインクで汚れた場合や、或いは、経時劣化などによって密閉性が低下した場合などには、封止部材220及び222のみを容易に交換することができる。これにより、コストダウンやユーザビリティの向上を達成できる。
(液保持部の構成)
本例のキャップ200は、水平面に対して傾斜するノズル面56Aの傾斜角度に合わせて、キャップ200も水平面に対して傾斜して配置される。ノズル面56Aに対向する対向位置に配置される液保持部210は、保湿液212を貯留できる凹部を有し、この凹部には仕切板214(「仕切部材」に相当)が立設されている。仕切板214はキャップ200の長手方向と平行に延設されており、この仕切板214によって液保持部210は第1貯留部216と第2貯留部218とに区画されている。
つまり、液保持部210は仕切板214によってキャップ200の傾斜方向に複数の領域に区切られており、傾斜方向の上側に第1貯留部216、下側に第2貯留部218が形成されている。
キャップ200には、液保持部210に保湿液を供給するための保湿液供給口230が設けられている。保湿液供給口230は第1貯留部216よりも傾斜方向の上側に設けられている。本例では、キャップ内枠体204のキャップ長手方向のキャップ長の中央部分に1つの保湿液供給口230が設けられている。なお、保湿液供給口230の個数や配置場所については本例に限定されない。液保持部210に対して保湿液を供給できればよく、保湿液の供給口を複数備える構成も可能である。
保湿液供給口230には保湿液流路232が繋がっており、図示せぬ保湿液タンクから保湿液流路232を介して保湿液供給口230に保湿液が送られる。
保湿液供給口230から保湿液が供給され、第1貯留部216及び第2貯留部218に保湿液212が貯留される。第1貯留部216に貯留された保湿液の液面236と、第2貯留部218に貯留された保湿液の液面238は、仕切板214を挟んで段になる。
ノズル面56Aは水平面に対して傾いているが、ノズル面56Aに対向する液保持部210に仕切板214があるため、保湿液面(236及び238)がノズル面56Aと近い位置で対向できる。
また、液保持部210の外側には液保持部210から溢れた液240を保持できる外室242が形成される。キャップ枠体202の底部には、ドレイン口244が設けられ、外室242内に液240が一定量溜まるとドレイン口244から液が排出される。ドレイン口244は、キャップ底部のキャップ傾斜方向最下点よりも高い位置に設けられており、外室242に一定量の液240を溜めることができる。
キャップ200内には、ヘッド56のノズル面とキャップ200との間の空間(ノズル面近傍空間V)における相対湿度を取得するための温湿度センサ260が設置されている。温湿度センサ260は、キャップ200の保湿液供給口230の上方であって、保湿液がかからない位置に取り付けられる。温湿度センサ260としては、例えば、センシリオン社のデジタル温湿度センサSHT1xシリーズを使用することが可能である。
また、本実施形態では、図9から図11に示すように、キャップ200の裏面には、循環路270が配置されている。循環路270は、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kに対応して設けられている。循環路270には、タンク272から水が供給されて循環するようになっている。タンク272には、例えば、フロン(フレオン)冷媒を使用した冷却装置(チラー、不図示)が設けられており、この冷却装置において冷媒と水とが熱交換を行うことにより、温度調節された水が循環するようになっている。循環路270に循環する水の温度を調節することにより、各ヘッド56Y、56M、56C及び56Kのノズル面近傍空間Vの温度を調節可能となっている。
次に、本実施形態における保湿液の供給動作について説明する。
<保湿液の供給>
保湿液供給口230よりも高い位置に保湿液タンク(不図示)が配置され、保湿液タンクからキャップ200の保湿液供給口230に保湿液を導く保湿液流路232が設けられる。保湿液タンクと保湿液供給口230とをつなぐ保湿液流路232の途中に保湿液の供給をオン(供給)/オフ(停止)できる保湿液供給バルブ(不図示)が設けられている。保湿液供給バルブは、例えば電磁弁で構成される。
保湿液供給バルブをオン(開放)すると、水頭差によって保湿液タンクから保湿液流路232を通じて保湿液が流れ、保湿液供給口230から保湿液が流れ出る。
液保持部210の傾斜に沿って保湿液は流れ落ち、第1貯留部216に溜まる。第1貯留部216と第2貯留部218を仕切る仕切板214の高さは、第1貯留部216、第2貯留部218の他の側壁よりも低くなっている。ここでいう仕切板214の高さは、液保持部の傾斜している底面(傾斜平面)を基準にして、その傾斜平面に垂直な方向に底面からノズル面56Aに向かって離れる方向に向かう「高さ」である。
このため、第1貯留部216をオーバーフローした保湿液は、仕切板214を乗り越えて第2貯留部218に流下し、第2貯留部218に溜まる。
さらに保湿液を供給し続けて、第2貯留部218が保湿液で満たされると、保湿液は第2貯留部218の壁を乗り越えて、外室242に落ちる。
キャップ200のドレイン口244は、外室242の底部の最下点位置よりも高い位置に設けられているため、外室242の底部にも保湿液が貯留される。この外室242は、保湿液の液面236、238(以下、保湿液面236、238という。)が形成される第1貯留部216及び第2貯留部218と、キャップ200の大気開放部との距離を離す機能がある。
第1貯留部216、第2貯留部218と大気開放部を離すことで、キャップ内の湿気がキャップ外に逃げることを抑制する。
また、仮に、外室242を省略するなどして、液保持部210の近傍を封止部材で密閉すると、インクのパージ等で封止部材が汚れやすくなる。この点、本実施形態によれば、液保持部210の外側に外室242を設け、保湿液が貯留される第1貯留部216、第2貯留部218から離れたキャップ外壁に封止部材220及び222を取り付け、貯留部から離れたところを密閉する構成としたので、封止部材220及び222の汚れを回避することが可能である。
また、本実施形態では、外室242にも液が貯留されるように、ドレイン口244を外室242の高い位置に設けた。これにより、外室242も保湿され、さらなる保湿性向上に効果がある。
<キャップ時>
電源オフ時や印刷待機時などは、図9に示すキャップ位置(ヘッド保湿位置)でヘッド56は待機している。図9のように、ヘッド56のノズル面56Aを液保持部210の保湿液面(236、238)に近接させることで、ノズル部周囲の相対湿度を高め、ノズル内部のインクの固化を防止している。
<インクパージ時>
定期的に或いは不定期にインクをパージするときは、図10に示すように、ノズル面56Aの法線方向に、かつヘッド56をキャップ200から離間させる方向に、ヘッド56とキャップ200を相対移動させ、保湿液面(236、238)とノズル面56Aとの距離を離した状態でインクをパージする。
キャップ200の位置(高さ)を固定して、ヘッド56をノズル面56Aの法線方向に移動させる構成であってもよいし、ヘッド56の位置を固定して、キャップ200を移動させる構成でもよく、また、両者を移動させる構成でもよい。
図9と図10を比較すると明らかなように、パージ時(図10)のノズル面56Aと保湿液面236、238との距離は、ヘッド保湿位置でのキャップ時(図9)におけるノズル面56Aと保湿液面236、238との距離よりも離れている。これにより、ノズル面56Aと液保持部210との間の隙間にパージしたインクが溜まったり、キャップ200内の保湿液とパージしたインクが繋がることを防止することができる。
さらに、本実施形態では、パージ時におけるノズル面56Aの位置に対して、封止部材220、222は高い位置に設けられている。つまり、図9で説明したように、封止部材220、222は、少なくともノズル面56Aの傾斜下方側の最下部位置よりも高い位置にある。このため、封止部材220、222にインクが付着しにくい。
図10のパージ時において封止部材220、222はノズル面56Aよりも高い位置を封止しており、図7のキャップ時においても封止部材220、222はノズル面56Aよりも高い位置を封止している。すなわち、本例の場合、図9及び図10のいずれの状態においてもキャップ装着の状態で封止部材220及び222はノズル面56Aの上側にある。
図10の状態でパージを行った後は、払拭ウェブ192によってノズル面56Aを払拭(ワイピング)清掃する。なお、払拭部材としては、払拭ウェブ192に代えて、或いはこれと組み合わせて、ブレードを用いることもできる。
本実施形態では、パージした位置でノズル面56Aの高さを維持したまま、ヘッド56を長手方向(図8の紙面に垂直方向)に水平移動させると、ノズル面56Aが払拭ウェブ192(「払拭部材」)に当接するように、払拭ウェブ192の位置(すなわち、ノズル面清掃装置160の位置)が設定されている。
これにより、パージ直後のヘッドノズル面はインクが付着しているが、ヘッド56の水平移動によりノズル面56Aがワイピングされる。これにより、ノズル面56Aから付着インク等の異物が除去され、封止部材220、222へのインクの飛び散りが防止できる。
本実施形態では、パージ時のノズル面56Aの高さを保ったまま、上記の水平移動(ノズル面56Aと同一平面内での平行移動)の動作ができるように、キャップ200におけるヘッド水平移動方向に対面する側壁(短手方向に沿った側壁)を低くした構成になっている。
つまり、キャップ200の長手方向の両端部に配置されるキャップ側壁(短辺部分の壁面を構成する側壁)は、長手方向に沿った長辺部分のキャップ側壁の高さよりも低くなっている。なお、この低い壁の部分には封止部材が設けられておらず、ノズル面56Aとキャップ壁との間に隙間の開いた開口部が形成されるものとなる。この開口部により、キャップ200の密閉性は低下するものとなるが、後述のように、ヘッド56の長手方向の両端部には、ヘッド56を保護するためのヘッド保護部材(ダミープレート、図10の符号56D)が設けられており、このヘッド保護部材56Dはノズル面56Aと同一面(実質的に同一面と見なせる程度の誤差を許容した範囲を含んだ略同一面を意味する)の平面部を有している。
このため、ノズル面56Aの高さよりも低くしたキャップ壁とヘッド56との間にできる開口部と、実際にヘッド56のノズルが形成されているノズル面56Aの部分(ノズル部)との間にはヘッド保護部材が介在し、そのヘッド保護部材の寸法分の十分な距離がある。そのため、低くした壁とヘッドとの間にできる開口部による密閉性の低下はノズル部の保湿性には殆ど影響しない。
なお、本例では、キャップ200の長手方向の両端部の壁面の高さが低く、完全な密閉空間を形成できないため、ノズル吸引によるパージに代えて、加圧パージが好ましい。
[相対湿度の範囲]
次に、本実施形態における相対湿度の範囲について説明する。まず、結露に起因する劣化を防止するための相対湿度の条件(上限値HUL)について、図12を用いて説明する。
図12は、インクジェットヘッドをキャップに収容及び保管した後にインク吐出を行った場合のスジの本数を示すグラフである。図12において、縦軸はスジの本数(KCMのインクジェットヘッドの合計)を示しており、横軸はインクジェットヘッドの収容時におけるインクジェットヘッドのノズル面とキャップとの間の空間(ノズル面近傍空間V)における相対湿度(%RH)を示している。ここで、相対湿度とは、ある温度における飽和水蒸気圧に対する、実際の空気の水蒸気圧の比をいう。
図12に示す測定結果から、インクジェットヘッドの収容時におけるノズル面近傍空間Vの相対湿度が65%RH以上の場合に、ノズル面に結露が生じて吐出性能が悪化することが判明した。したがって、インクジェットヘッドの保管時におけるノズル面近傍空間Vの相対湿度HをHUL=65%RH以下とすることにより結露に起因する吐出不良を防止することができる。
次に、図13及び図14を用いて、乾燥に起因する劣化を防止するための相対湿度の条件(下限値HLL)について説明する。
図13は、インクジェットヘッドの保管前後の吐出状態の変化を示すグラフである。図13に示す例では、インクジェットヘッドをキャップに保管している間には、インクの温度を30℃に保って循環させており、ノズル面は十分保湿されていたものとする(常温95%RH以上)。また、インクジェットヘッドの保管時間は4時間とする。
図13において、横軸はインクジェットヘッドのモジュールの番号を示しており、K#5は、例えば、黒のヘッド56Kの5番目のモジュールを示している。縦軸は下記のパラメータσΔ及びBJΔを示している。なお、パラメータσΔは、Δ(m)の標準偏差(m=1,…,2048)を示しており、パラメータBJΔ=Δ(m)の絶対値が5μm以上のノズル数(m=1,…,2048)を示している。ここで、mはノズル番号である。また、Δ(m)は、各ノズルmにおける保管前後のインクの着弾位置の差であり、Δ(m)=着弾位置(m,保管後)−着弾位置(m,保管前)である。また、図13におけるエラーバーの大きさは、σΔ及びBJΔについて、モジュールK#5からK#13の6つのモジュールから求めた標準偏差に等しくなっている。
なお、BJΔにおいて、|Δ(m)|≧5μmのノズル数を計数したのは、スジが約7μm以上になると肉眼で視認可能となることから、マージンを2μmとして、保管前後で5μm以上着弾位置がずれた場合を吐出不良の判定のための閾値として設定したからである。
本実施形態では、各パラメータσΔ(μm)及びBJΔ(個)が、それらの平均値±(1×標準偏差)の範囲外になった場合(表2参照)に吐出不良(悪化)と見なすことにした。
Figure 0006674806
図14は、インクジェットヘッドをキャップに収容せずに保管した場合の吐出状態の変化を示すグラフである。図14には、インクジェットヘッドの保管時の絶対湿度を9.7g/m(27℃39%RH)、11.4g/m(28℃42%RH)及び12.4g/m(29℃43%RH)として8時間保管したときのパラメータσΔ及びBJΔが示されている。ここでは、ノズル穴からの水分蒸発については、キャップ内の絶対湿度の影響が大きいことに鑑み、絶対湿度を基準として実験を行った。なお、図14におけるエラーバーの大きさは、σΔ及びBJΔについて、モジュールK#5からK#13の6つのモジュールから求めた標準偏差に等しくなっている。
図14に示す結果から、絶対湿度変化に対しては、パラメータσΔの方がBJΔより感度が高い、即ち、パラメータσΔの方がBJΔよりも絶対湿度の変化に対する変化量が大きいことがわかった。このことは、絶対湿度が低下すると、5μm以下の着弾位置のずれ(小曲り)がまず発生し、徐々に着弾位置のずれが拡大していくことを意味しているものと考えられる。
図14において、絶対湿度x(g/m)とσΔの関係を指数関数で近似すると、下記の近似式1が得られる。
σΔ(μm)=6.33exp(−0.24x)…(近似式1)
そして、表1からσΔの吐出不良(悪化)の判定閾値は0.41μmであり、σΔが判定閾値からその近傍のエラーバーの幅0.04μmを引いた値(0.37μm)となる絶対湿度は11.8g/mである。このことから、ノズル面の温度が30℃の場合に吐出不良(悪化)が発生する絶対湿度の判定閾値は11.8g/m(相対湿度換算で37%RH)とすることができる。
相対湿度が高い場合(H>HUL)に生じる結露に起因する吐出不良については、ノズル面をウェブで払拭するなどのメンテナンスをすることで吐出性を回復することも考えられる。しかしながら、相対湿度が低い場合(H<HLL)の乾燥による吐出不良については、払拭又はパージ処理等の通常のメンテナンスだけでは吐出性を回復できないおそれがある。
そこで、本実施形態では、インクジェットヘッドの収容時におけるノズル面近傍空間Vの相対湿度HをHLL≦H≦HUL(HLL=37%RH及びHUL=65%RH)に維持することにより吐出性能の劣化を防止する。
[インクジェット記録装置の制御]
図15は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置における温度及び湿度の制御システムを示すブロック図である。
図15に示すように、インクジェット記録装置10における温度及び湿度の制御システムは、システムコントローラ300及び温湿度調整機構302を含んでいる。
システムコントローラ300は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する制御手段、及び各種演算処理を行う演算手段として機能する。このシステムコントローラ300は、CPU(Central Processing Unit)、このシステムコントローラ300が、実行する制御プログラム、及び、制御に必要な各種データが格納されるROM(Read Only Memory)、作業領域及びデータの一時保持領域として用いられるRAM(Random Access Memory)を備える。システムコントローラ(湿度取得部)300は、温湿度センサ260から入力されるノズル面近傍空間Vの温度及び湿度の測定結果に基づいてノズル面の相対湿度Hを算出し、温湿度調整機構302を制御して加湿処理及び除湿処理を実行して、ノズル面の相対湿度HをHLL≦H≦HUL(HLL=37%RH及びHUL=65%RH)に維持する。なお、ノズル面の相対湿度に加えて、又はノズル面の相対湿度に代えて、ノズル面を含むノズル面近傍空間Vの相対湿度を算出して制御するようにしてもよい。
温湿度調整機構302(温湿度調整部)は、システムコントローラ300の制御にしたがって、ノズル面(又はノズル面近傍空間V)の温度及び湿度を調整する。温湿度調整機構302は、循環路270への冷却水の供給及び供給停止の切り替え、ヘッド56とキャップ200との間の距離の調整、保湿液の供給又は削減、ハウジング310に設けられたファン(不図示)を用いた送風等により、相対湿度を調整する。
ノズル面の相対湿度を上げる方法としては、(A1)循環路270への冷却水の供給を停止することにより、キャップ200内の保湿液の温度を上げる、(A2)ヘッド56とキャップ200との間の距離を短くする(キャップ200を外した状態からキャップ200に収容した状態への移行を含む。)、(A3)保湿液を追加する、(A1)から(A3)のうちの少なくとも2つの組み合わせによる方法が考えられる。
ノズル面の相対湿度を下げる方法としては、(B1)循環路270への冷却水を供給することにより、キャップ200内の保湿液の温度を下げる、(B2)ヘッド56とキャップ200との間の距離を長くする(キャップ200への収容状態からキャップ200を外した状態への移行を含む。)、(B3)保湿液を削減する、(B4)ノズル面に乾燥風を送風する、(B1)から(B4)のうちの少なくとも2つの組み合わせによる方法が考えられる。
図16は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の制御方法を示すフローチャートである。図16に示す処理は、インクジェットヘッド56がキャップ200に収容されて保管されている間(ヘッド収容工程)に継続して実行される。
まず、温湿度センサ260によってノズル面近傍空間Vの温度及び湿度が測定され、ノズル面の相対湿度Hが算出される(湿度取得工程:ステップS10)。次に、この相対湿度HがHmin<H<Hmaxを満たすか否かが判定される(ステップS12)。ここで、Hmin及びHmax(それぞれ第1の閾値及び第2の閾値に対応)は、それぞれHLL(=37%RH)及びHUL(=65%RH)にマージン(5%RH)をとった値であり、Hmin=37%RH+5%RH=42%RHであり、Hmax=65%RH−5%RH=60%RHである。このようにマージンをとることにより、ノズル面の相対湿度Hを確実にHLL≦H≦HULの範囲に収めることが可能になる。なお、マージンを設けない態様も可能である。
ノズル面の相対湿度HがHmin<H<Hmaxを満たす場合には(ステップS12のYes)、ステップS10に戻り、ノズル面の相対湿度Hの監視が継続される。
一方、ノズル面の相対湿度HがHmin<H<Hmaxを満たさない場合には(ステップS12のNo)、ノズル面の相対湿度HがHmin以下であるか否かが判定される(ステップS14)。ノズル面の相対湿度HがHmin以下の状態(H≦Hmin)が継続すると、湿度が更に低下してノズル面に残留したインクが乾燥するおそれがある。このため、ノズル面近傍空間Vに対して加湿処理((A1)から(A3)参照)が開始され(温湿度調整工程:ステップS16)、加湿処理の実行中におけるノズル面の相対湿度Hが測定される(ステップS18)。この加湿処理は、ノズル面の相対湿度HがHmin<H<Hmaxの範囲になるまで継続される(ステップS16からS20のループ)。そして、ノズル面の相対湿度HがHmin<H<Hmaxの範囲になると(ステップS20のYes)、加湿処理が停止されて(ステップS22)、ステップS10に戻り、ノズル面の相対湿度Hの監視が継続される。
次に、ノズル面の相対湿度HがHmin<H<Hmaxを満たさない場合であって(ステップS12のNo)、ノズル面の相対湿度HがHmin以下でない場合は(ステップS14のNo)、ノズル面の相対湿度HがHmax以上の場合である(H≧Hmax)。ノズル面の相対湿度HがHmax以上の状態(H≧Hmax)が継続すると、湿度が更に上昇してノズル面に結露が発生するおそれがある。このため、ノズル面近傍空間Vに対して除湿処理((B1)から(B4)参照)が開始され(温湿度調整工程:ステップS24)、除湿処理の実行中におけるノズル面の相対湿度Hが測定される(ステップS26)。この除湿処理は、ノズル面の相対湿度HがHmin<H<Hmaxの範囲になるまで継続される(ステップS24からS28のループ)。そして、ノズル面の相対湿度HがHmin<H<Hmaxの範囲になると(ステップS28のYes)、除湿処理が停止されて(ステップS30)、ステップS10に戻り、ノズル面の相対湿度Hの監視が継続される。
本実施形態によれば、ノズル面の相対湿度をHmin<H<Hmaxの範囲に維持することにより、ノズル面の乾燥に起因する吐出不良の発生と、結露に起因する吐出不良の発生を両方とも防止することができる。
本実施形態において、ノズル面の相対湿度HがHmin未満又はHmaxよりも大きくなった場合には、次に印刷を行う前に、メンテナンス処理(回復処理、例えば、ノズル面の払拭処理、パージ)を行うことが好ましい。そのようにすれば、損紙を減らすことができる。
また、相対湿度の変動のしやすさ(例えば、季節)によって、加湿処理又は除湿処理を停止するタイミングを変更するようにしてもよい。乾燥しやすい時期(例えば、乾季又は冬期)には、その他の時期と比較して除湿処理の停止時の閾値Hmaxをより高くしてもよい。また、多湿の時期(例えば、雨季、又はいわゆる梅雨の時期)には、その他の時期と比較して加湿処理の停止時の閾値Hminをより低くしてもよい。
また、加湿処理及び除湿処理は、ノズル面の相対湿度HがHminよりも十分大きく、かつ、Hmaxよりも十分小さい値になるまで継続されるようにしてもよい。ここで、ノズル面の相対湿度HがHminよりも十分大きく、かつ、Hmaxよりも十分小さい値になった場合とは、例えば、下記の式(1)又は(2)を満たす場合をいう。このようにすることで、次に加湿処理又は除湿処理が必要になるまでの時間を長くすることができ、加湿処理及び除湿処理の実行回数を少なくすることが可能になる。
(1) H≒(Hmax+Hmin)/2
(2) (Hmax+Hmin)/2−(Hmax−Hmin)×α≦H≦(Hmax+Hmin)/2+(Hmax−Hmin)×α
なお、一例でα,α=10%〜25%である。
また、相対湿度の変動のしやすさ(例えば、季節)によって、式(2)のα及びα値を変更可能としてもよい。例えば、乾燥しやすい時期(例えば、乾季又は冬期)には、「その他の時期と比較してαを小さくする(負の値にする場合を含む。)」、「その他の時期と比較してαを大きくする」及び「α<αとする」のうち少なくとも1つにより、α及びαを設定するようにしてもよい。また、多湿の時期(例えば、雨季、又はいわゆる梅雨の時期)には、「その他の時期と比較してαを小さくする(負の値にする場合を含む。)」、「その他の時期と比較してαを大きくする」及び「α>αとする」のうち少なくとも1つにより、α及びαを設定するようにしてもよい。
[相対湿度の検出のほかの実施形態]
上記の実施形態では、キャップ200に温湿度センサ260を設けて相対湿度を測定するようにしたが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
図17は、インクジェット記録装置の内部及び外部に温湿度センサをそれぞれ設けた例を示すブロック図である。
図17に示す例では、インクジェット記録装置10における温度及び湿度の制御システムは、システムコントローラ300及び温湿度調整機構302に加えて、湿度算出部304、内部温湿度センサ306及び外部温湿度センサ308を備える。
内部温湿度センサ306は、インクジェット記録装置10の内部(例えば、画像記録ドラム52の表面近傍、インラインセンサ58の読み取り面近傍)の相対湿度の測定結果を湿度算出部304に出力する。
外部温湿度センサ308は、インクジェット記録装置10の外部(例えば、インクジェット記録装置10が設置される作業室)の相対湿度の測定結果を湿度算出部304に出力する。
湿度算出部304は、インクジェット記録装置10の外部環境(外部温湿度センサ308の設置位置)、内部環境(内部温湿度センサ306の設置位置)、及びインクジェットヘッド56をキャップ200に収容したときのキャップ内の環境に関する情報(温度及び湿度)の対応関係を示すデータ(以下、温湿度データという。)を予め記憶しており、内部温湿度センサ306及び外部温湿度センサ308から入力された相対湿度の値と、この対応表とに基づいて、キャップ200内のノズル面の相対湿度を算出する。
システムコントローラ300は、湿度算出部304によって算出されたノズル面の相対湿度の算出結果がHmin<H<Hmaxの範囲内になるように、図16に示す処理を実行して温湿度調整機構302を制御する。
図18は、インクジェットヘッドに温湿度センサを設けた例を示す図である。
図18に示すように、上記の実施形態と同様に、ハウジング310(固定部)のヘッドモジュール56−iが固定されており、ヘッドモジュール56−iの両端には、エンドキャップ56Eがそれぞれ固定されている。図18に示す例では、エンドキャップ56Eの内部に温湿度センサ262が固定されている。温湿度センサ262により、エンドキャップ56E近傍の温度及び湿度を測定することができる。
システムコントローラ300は、エンドキャップ56E近傍の温度及び湿度の測定結果から、ノズル面の相対湿度Hを算出する。そして、システムコントローラ300は、ノズル面の相対湿度の算出結果がHmin<H<Hmaxの範囲内になるように、図16に示す処理を実行して温湿度調整機構302を制御する。
図17及び図18の例でも、図16の処理を適用して、ノズル面の相対湿度HをHmin<H<Hmaxの範囲内になるように制御することが可能になる。
なお、図17及び図18の例においても、温湿度センサとしては、センシリオン社のデジタル温湿度センサSHT1xシリーズを使用することが可能である。
なお、上記の実施形態では、水性顔料インクを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、水性顔料インク以外のインクを用いることも可能である。
10 インクジェット記録装置
12 給紙部
14 処理液付与部
16 処理液乾燥処理部
18 画像記録部
20 インク乾燥処理部
24 排紙部
30 給紙台
32 サッカー装置
32A サクションフット
34 給紙ローラ対
34A、34B ローラ
36 フィーダボード
36A テープフィーダ
36B リテーナ
36C コロ
38 前当て
40 給紙ドラム
40A グリッパ
42 処理液付与ドラム
42A グリッパ
44 処理液付与ユニット
44A 塗布ローラ
44B 処理液槽
44C 汲み上げローラ
46 処理液乾燥処理ドラム
46A グリッパ
48 用紙搬送ガイド
50 処理液乾燥処理ユニット
52 画像記録ドラム
52A グリッパ
54 用紙押さえローラ
56、56K、56C、56M、56Y インクジェットヘッド(ヘッド)
56−i、56−n ヘッドモジュール
56A、56AK、56AC、56AM、56AY ノズル面
56B ヘッドモジュール支持部材
56D ヘッド保護部材
56E エンドキャップ
58 インラインセンサ
59 接触防止板
60 ミストフィルタ
62 ドラム冷却ユニット
62A ダクト
64 チェーングリッパ
64A 第1スプロケット
64B 第2スプロケット
64C チェーン
64D グリッパ
66 バックテンション付与機構
68 インク乾燥処理ユニット
70A 第1水平搬送経路
70B 傾斜搬送経路
70C 第2水平搬送経路
72 ガイドプレート
76 排紙台
102 回転軸
104 軸受
106 本体フレーム
140 ヘッド支持フレーム
142L サイドプレート
144 連結フレーム
146 取付部
148 被取付部
150 保湿装置
154 廃液トレイ
156 廃液回収配管
158 廃液タンク
160 ノズル面清掃装置
162、162K、162C、162M、162Y 洗浄液付与装置
164、1624、164C、164M、164Y ノズル面払拭装置
184 洗浄液供給ノズル
185 洗浄液保持面
192 払拭ウェブ
194 押圧ロール
200、200K、200C、200M、200Y キャップ
202 キャップ枠体
204 キャップ内枠体
206 キャップ本体
210 液保持部
212 保湿液
214 仕切板
216 第1貯留部
218 第2貯留部
220、222 封止部材
230 保湿液供給口
232 保湿液流路
236、238 保湿液面(液面)
242 外室
244 ドレイン口
250、252 支持部材
254、256 固定ネジ
260 温湿度センサ
262 温湿度センサ
270 循環路
272 タンク
300 システムコントローラ
302 温湿度調整機構
304 湿度算出部
306 内部温湿度センサ
308 外部温湿度センサ
310 ハウジング
P 用紙
V ノズル面近傍空間
S10〜S30 インクジェット記録装置の制御方法の各工程

Claims (9)

  1. インクジェット記録装置であって、
    インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを収容するヘッド収容部であって、インクジェット記録時には、前記インクジェットヘッドと分離するヘッド収容部と、
    前記ヘッド収容部に収容された前記インクジェットヘッドのノズル面の相対湿度を取得する湿度取得部と、
    前記インクジェットヘッドの収容時に、前記湿度取得部により前記ノズル面の相対湿度を継続的に取得し、前記湿度取得部により取得した前記ノズル面の相対湿度に基づいて、加湿処理及び除湿処理の少なくとも一方を実行して、前記ノズル面の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下の範囲に維持する温湿度調整部と、
    前記ヘッド収容部の外部であり、かつ、前記インクジェット記録装置の内部に配置され、前記インクジェット記録装置の内部の温度及び湿度を測定する内部温湿度センサと、
    前記インクジェット記録装置の外部に配置され、前記インクジェット記録装置の外部の温度及び湿度を測定する外部温湿度センサとを備え、
    前記湿度取得部は、前記インクジェット記録装置の内部及び外部の温度及び湿度と、前記ノズル面の温度及び湿度の対応関係を示す温湿度データを有しており、前記内部温湿度センサ及び前記外部温湿度センサによってそれぞれ測定された前記インクジェット記録装置の内部及び外部の温度及び湿度と、前記温湿度データとに基づいて、前記ノズル面の相対湿度を算出する、インクジェット記録装置。
  2. 前記温湿度調整部が、前記湿度取得部により取得した前記ノズル面の相対湿度が37%RH未満になった場合、又は37%RHよりも大きい第1の閾値以下になった場合に、前記ノズル面に対して加湿処理を実行し、前記湿度取得部により取得した前記ノズル面の相対湿度が65%RHより大きくなった場合、又は65%RHよりも小さい第2の閾値以上になった場合に、前記ノズル面に対して除湿処理を実行する請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記ヘッド収容部には、保湿液が保持されており、
    前記温湿度調整部が、前記保湿液の温度及び量の少なくとも一方を調整することにより、前記加湿処理又は前記除湿処理を行う、請求項記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記温湿度調整部が、前記ノズル面と前記ヘッド収容部との間の距離を調整することにより、前記加湿処理又は前記除湿処理を行う、請求項2又は3記載のインクジェット記録装置。
  5. インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを収容するヘッド収容部であって、インクジェット記録時には、前記インクジェットヘッドと分離するヘッド収容部と、
    前記ヘッド収容部に収容された前記インクジェットヘッドのノズル面の相対湿度を取得する湿度取得部と、
    前記インクジェットヘッドの収容時に、前記湿度取得部により前記ノズル面の相対湿度を継続的に取得し、前記湿度取得部により取得した前記ノズル面の相対湿度に基づいて、加湿処理及び除湿処理の少なくとも一方を実行して、前記ノズル面の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下の範囲に維持する温湿度調整部と、
    前記ヘッド収容部に設けられた送風のためのファンとを備え、
    前記温湿度調整部が、前記湿度取得部により取得した前記ノズル面の相対湿度が37%RH未満になった場合、又は37%RHよりも大きい第1の閾値以下になった場合に、前記ノズル面に対して加湿処理を実行し、前記湿度取得部により取得した前記ノズル面の相対湿度が65%RHより大きくなった場合、又は65%RHよりも小さい第2の閾値以上になった場合に、前記ファンにより前記ノズル面に送風することにより、前記除湿処理を行う、インクジェット記録装置。
  6. インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを収容するヘッド収容部であって、インクジェット記録時には、前記インクジェットヘッドと分離するヘッド収容部と、
    前記ヘッド収容部に収容された前記インクジェットヘッドのノズル面の相対湿度を取得する湿度取得部と、
    前記インクジェットヘッドの収容時に、前記湿度取得部により前記ノズル面の相対湿度を継続的に取得し、前記湿度取得部により取得した前記ノズル面の相対湿度に基づいて、加湿処理及び除湿処理の少なくとも一方を実行して、前記ノズル面の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下の範囲に維持する温湿度調整部とを備え、
    前記インクジェットヘッドが前記ヘッド収容部に収容されている間に、前記湿度取得部により取得した前記ノズル面の相対湿度が37%RH未満になった場合、又は65%RHより大きくなった場合には、前記インクジェットヘッドにより記録を行う前にメンテナンス処理を行う、インクジェット記録装置。
  7. インクジェット記録装置の制御方法であって、
    インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有し、インクジェット記録時には、ヘッド収容部と分離するインクジェットヘッドを前記ヘッド収容部に収容するヘッド収容工程と、
    前記ヘッド収容部に収容された前記インクジェットヘッドのノズル面の相対湿度を取得する湿度取得工程と、
    前記インクジェットヘッドの収容時に、前記湿度取得工程を繰り返して前記ノズル面の相対湿度を継続的に取得し、前記湿度取得工程において取得した前記ノズル面の相対湿度に基づいて、加湿処理及び除湿処理の少なくとも一方を実行して、前記ノズル面の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下の範囲に維持する温湿度調整工程とを備え、
    前記湿度取得工程では、
    前記ヘッド収容部の外部であり、かつ、前記インクジェット記録装置の内部に配置された内部温湿度センサにより、前記インクジェット記録装置の内部の温度及び湿度を測定し、
    前記インクジェット記録装置の外部に配置された外部温湿度センサにより、前記インクジェット記録装置の外部の温度及び湿度を測定し、
    前記インクジェット記録装置の内部及び外部の温度及び湿度と、前記ノズル面の温度及び湿度の対応関係を示す温湿度データと、前記内部温湿度センサ及び前記外部温湿度センサによってそれぞれ測定された前記インクジェット記録装置の内部及び外部の温度及び湿度とに基づいて、前記ノズル面の相対湿度を算出する、インクジェット記録装置の制御方法。
  8. インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有し、インクジェット記録時には、ヘッド収容部と分離するインクジェットヘッドを前記ヘッド収容部に収容するヘッド収容工程と、
    前記ヘッド収容部に収容された前記インクジェットヘッドのノズル面の相対湿度を取得する湿度取得工程と、
    前記インクジェットヘッドの収容時に、前記湿度取得工程を繰り返して前記ノズル面の相対湿度を継続的に取得し、前記湿度取得工程において取得した前記ノズル面の相対湿度に基づいて、加湿処理及び除湿処理の少なくとも一方を実行して、前記ノズル面の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下の範囲に維持する温湿度調整工程とを備え、
    前記温湿度調整工程では、前記湿度取得工程において取得した前記ノズル面の相対湿度が37%RH未満になった場合、又は37%RHよりも大きい第1の閾値以下になった場合に、前記ノズル面に対して加湿処理を実行し、前記湿度取得工程において取得した前記ノズル面の相対湿度が65%RHより大きくなった場合、又は65%RHよりも小さい第2の閾値以上になった場合に、前記ヘッド収容部に設けられた送風のためのファンにより前記ノズル面に送風することにより、前記ノズル面に対して除湿処理を行う、インクジェット記録装置の制御方法。
  9. インクを吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有し、インクジェット記録時には、ヘッド収容部と分離するインクジェットヘッドを前記ヘッド収容部に収容するヘッド収容工程と、
    前記ヘッド収容部に収容された前記インクジェットヘッドのノズル面の相対湿度を取得する湿度取得工程と、
    前記インクジェットヘッドの収容時に、前記湿度取得工程を繰り返して前記ノズル面の相対湿度を継続的に取得し、前記湿度取得工程において取得した前記ノズル面の相対湿度に基づいて、加湿処理及び除湿処理の少なくとも一方を実行して、前記ノズル面の相対湿度を37%RH以上かつ65%RH以下の範囲に維持する温湿度調整工程とを備え、
    前記インクジェットヘッドが前記ヘッド収容部に収容されている間に、前記湿度取得工程において取得した前記ノズル面の相対湿度が37%RH未満になった場合、又は65%RHより大きくなった場合には、前記インクジェットヘッドにより記録を行う前にメンテナンス処理を行う、インクジェット記録装置の制御方法。
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