JP6092487B2 - 液滴吐出装置およびノズル面の清掃方法 - Google Patents

液滴吐出装置およびノズル面の清掃方法 Download PDF

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Description

本発明は、記録媒体に画像を形成する液滴吐出装置、及びノズル面を清掃するノズル面の清掃方法に関する。
特許文献1には、プリントヘッド(液滴吐出ヘッド)のノズル面に付着した揮発性のないインク(液体)の回収方法として、インクをクリーニングペーパ(拭取部材)に染み込ませて回収する方法が記載されている。
特開2006−7577号公報
従来の構成では、液滴吐出ヘッドのノズル面の一部に拭取部材を接触させた状態において、液滴吐出ヘッドを移動させてノズル面に付着した液体を拭き取っていた。そして、液滴吐出ヘッドの移動速度は、液体が拭取部材に吸収される速度に応じて設定するようになっている。
ここで、ノズル面から液体を拭き取る際に、単位量当たりの液体を吸収する吸収時間が短い拭取部材を用いると、拭取部材によってノズル面に形成されたノズル内のインクが引っ張り出され、その反動で気泡がノズルよりヘッドの内部に引き込まれることがある。そして、この気泡がヘッド内に引き込まれることによって、ノズルから液滴が吐出せず、出力画像にスジが発生することがある。
本発明の課題は、単位量当たりの液体を吸収する吸収時間が異なる拭取部材を用いた場合でも、ノズル面に付着した液体を拭き取った上で、ノズルから液滴が吐出されなくなる吐出不良を抑制することである。
本発明の第1実施態様に係る液滴吐出装置は、液滴が吐出されるノズルが形成されたノズル面を有する液滴吐出ヘッドと、一部がノズル面の一部に接触し、ノズル面に付着した液体を拭き取る拭取部材と、拭取部材と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる第一移動機構と、拭取部材を移動させ、ノズル面と接触する部分を変える第二移動機構と、第一移動機構を制御し、単位量当たりの液体を拭取部材が吸収する吸収時間が短くなる程、拭取部材と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる第一移動速度を上げ、かつ、第二移動機構を制御し、拭取部材を移動させる第二移動速度を上げる制御部と、を備えている。
上記構成によれば、液滴吐出ヘッドのノズル面に形成されたノズルから液滴が吐出される。さらに、一部がノズル面の一部に接触する拭取部材が備えられ、第一移動機構が、拭取部材と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させることによって、拭取部材が、ノズル面に付着した液体を拭き取る。また、第二移動機構は、拭取部材を移動させ、ノズル面と接触する部分を変える。
ここで、制御部は、第一移動機構を制御し、単位量当たりの液体を拭取部材が吸収する吸収時間が短くなる程、拭取部材と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる第一移動速度を上げ、かつ、第二移動機構を制御し、拭取部材を移動させる第二移動速度を上げる。
これにより、第二移動速度が、単位量当たりの液体を拭取部材が吸収する吸収時間に基づいて変化しない場合と比して、単位量当たりの液体を吸収する吸収時間が異なる拭取部材を用いた場合でも、ノズル面に付着した液体を拭き取った上で、ノズルから液滴が吐出されなくなる吐出不良を抑制することができる。
本発明の第2実施態様に係る液滴吐出装置は、第1実施態様に記載の液滴吐出装置において、拭取部材の吸収時間を導出するために用いる導出部材を備え、制御部は、導出部材を制御して導出された吸収時間に基づいて、第一移動機構、及び第二移動機構を制御する。
上記構成によれば、制御部は、導出部材を制御して導出された吸収時間に基づいて、第一移動機構、及び第二移動機構を制御する。
これにより、ユーザが拭取部材の吸収時間を入力する作業を無くすことができる。
本発明の第3実施態様に係る液滴吐出装置は、第2実施態様に記載の液滴吐出装置において、拭取部材は、第二移動機構に対して着脱可能とされ、制御部は、拭取部材が第二移動機構に装着されると、導出部材を制御して導出された吸収時間に基づいて、第一移動機構、及び第二移動機構を制御する。
上記構成によれば、制御部は、拭取部材が第二移動機構に装着されると、導出部材を制御して導出された吸収時間に基づいて、第一移動機構、及び第二移動機構を制御する。
これにより、拭取部材を交換する毎に、拭取部材の吸収時間を導出することができる。
本発明の第4実施態様に係る液滴吐出装置は、第1実施態様〜第3実施態様の何れか1態様に記載の液滴吐出装置において、第二移動機構は、拭取部材を搬送する搬送機構である。
上記構成によれば、搬送機構が拭取部材を搬送することによって、拭取部材とノズル面との接触する部分を変えることができる。
本発明の第5実施態様に係るノズル面の清掃方法は、液滴吐出ヘッドを有し、液滴が吐出されるノズルが形成されたノズル面を清掃する方法であって、一部がノズル面の一部に接触し、ノズル面に付着した液体を拭き取る拭取部材と、液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させ、かつ、拭取部材を移動させ、ノズル面と接触する部分を変える工程を備え、単位量当たりの液体を拭取部材が吸収する吸収時間が短くなる程、拭取部材と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる第一移動速度を上げ、かつ、拭取部材を移動させる第二移動速度を上げる。
上記構成によれば、第二移動速度が、単位量当たりの液体を拭取部材が吸収する吸収時間に基づいて変化しない場合と比して、単位量当たりの液体を吸収する吸収時間が異なる拭取部材を用いた場合でも、ノズル面に付着した液体を拭き取った上で、ノズルから液滴が吐出されなくなる吐出不良を抑制することができる。
本発明によれば、単位量当たりの液体を吸収する吸収時間が異なる拭取部材を用いた場合でも、ノズル面に付着した液体を拭き取った上で、ノズルから液滴が吐出されなくなる吐出不良を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の制御部が備える変換テーブルを作成するために用いたグラフを示した図面である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の制御部が備える変換テーブルを作成するために用いたグラフを示した図面である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の制御部が備える変換テーブルを表により示した図面である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の制御部の制御対象等を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のインクジェットヘッドのノズル面の一部を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の拭取ユニットを示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置のメンテナンス機構を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置を示した概略構成図である。 図17(A)、図17(B)および図17(C)本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置に対する比較形態に係る液滴吐出装置のインクジェットヘッドと拭取部材との接触部分を示した図面である。 本発明の第2実施形態に係る液滴吐出装置の拭取ユニットを示した構成図である。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る液滴吐出装置の一例を図1〜図17に従って説明する。なお、図面において同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
(液滴吐出装置の全体構成)
図16に示されるように、本実施の形態に係る液滴吐出装置10は、枚葉の記録媒体(用紙)Pに、光硬化型インクとしての水性紫外線インク(水性媒体を使用した紫外線硬化型インク)を用いてインクジェット方式により画像を記録する構成とされている。この液滴吐出装置10は、記録媒体Pを給紙する給紙部12と、記録媒体Pを搬送する搬送手段と、処理液付与部14と、処理液乾燥処理部16と、インク吐出手段としての画像記録部18と、乾燥処理部21及び光照射部22を含むインク定着手段としてのインク定着処理部20と、全体システムの制御を司る制御手段と、記録媒体Pを排紙する排紙部24とを主要部として備えている。
1.給紙部の構成
給紙部12は、給紙台30に積載された記録媒体Pを1枚ずつ処理液付与部14に給紙する構成とされている。給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ロール対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40とにより構成されている。
記録媒体Pは、多数枚が積層された束の状態で給紙台30に載置されている。給紙台30は、図示しない給紙台昇降装置によって昇降自在に設けられている。給紙台昇降装置では、給紙台30に積載された記録媒体Pの増減に連動して駆動が制御されており、束の最上位に位置する記録媒体Pが常に一定の高さに位置するように、給紙台30が昇降する構成とされている。
サッカー装置32では、給紙台30に積載されている記録媒体Pが、上から順に1枚ずつ取り上げられて、給紙ロール対34に給紙される。サッカー装置32は、昇降自在かつ揺動自在に設けられたサクションフット32Aを備えている。このサクションフット32Aによって記録媒体Pの上面が吸着保持され、記録媒体Pが給紙台30から給紙ロール対34に搬送される。この際、サクションフット32Aは、束の最上位に位置する記録媒体Pの先端側の上面を吸着保持して記録媒体Pを引き上げ、引き上げた記録媒体Pの先端を給紙ロール対34を構成する一対のロール34A及びロール34B間に挿入する構成とされている。
ロール34A及びロール34Bは、一方を駆動ロール(例えばロール34A)、他方を従動ロール(例えばロール34B)としている。駆動ロールは、図示しないモータに接続され、このモータの回転により駆動されて回転する。モータは、記録媒体Pの給紙に連動して駆動され、サッカー装置32から記録媒体Pが給紙されると、そのタイミングに合わせて駆動ロールを回転させる。一対のロール34A及びロール34B間に挿入された記録媒体Pは、このロール34A及びロール34Bによりニップされて、フィーダボード36の設置方向へ送り出される。
フィーダボード36は、記録媒体幅に対応して形成され、給紙ロール対34から送り出された記録媒体Pを前当て38まで導く構成とされている。このフィーダボード36は下方に向けて傾斜して設置されており、フィーダボード36の搬送路の搬送面上に載置された記録媒体Pは搬送面に沿って滑らせて前当て38まで導かれる。
フィーダボード36には、記録媒体Pを搬送しこの搬送方向を長手方向とするテープフィーダ36Aが幅方向に間隔をおいて複数設置されている。テープフィーダ36Aは、無端状に形成され、図示しないモータを駆動源として回転する構成とされている。フィーダボード36の搬送面に載置された記録媒体Pは、このテープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送する。
また、フィーダボード36の上には、リテーナ36Bとコロ36Cとが設置される。リテーナ36Bは、記録媒体Pの搬送面に沿って前後に縦列して複数配置されている(本実施の形態では2個配置されている)。このリテーナ36Bは、記録媒体幅に対応した幅を有する板バネにより構成されており、搬送面に押圧当接されている。テープフィーダ36Aによりフィーダボード36の上を搬送される記録媒体Pでは、リテーナ36Bを通過することによって凹凸が矯正される。コロ36Cは搬送方向に配置された上流側のリテーナ36Bと下流側のリテーナ36Bとの間に配設されている。このコロ36Cは、記録媒体Pの搬送面に押圧当接されている。リテーナ36B間を搬送される記録媒体Pはコロ36Cによって上面を押圧されながら搬送される。
前当て38は記録媒体Pの姿勢を矯正する構成とされている。この前当て38は板状で形成されており、記録媒体Pの搬送方向と直交して板状の面が配置される。また、前当て38は、図示しないモータに接続されており、このモータに駆動されて揺動可能とされている。フィーダボード36の上を搬送された記録媒体Pの先端が前当て38に当接された時点で、記録媒体Pの搬送姿勢が矯正される(いわゆる、スキュー防止がなされる)。前当て38は給紙ドラム40への記録媒体Pの給紙に連動して揺動され、搬送姿勢が矯正された記録媒体Pが給紙ドラム40に受渡される。
給紙ドラム40は、前当て38を介してフィーダボード36から給紙される記録媒体Pを受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙ドラム40は、円筒状に形成され、図示しないモータに接続されており、このモータからの駆動により回転する構成とされている。給紙ドラム40の外周面上にはグリッパ40Aが備えられ、このグリッパ40Aによって記録媒体Pの先端が把持される。給紙ドラム40は、グリッパ40Aによって記録媒体Pの先端を把持して回転することにより、記録媒体Pを周面上に巻き掛けながら、処理液付与部14へと記録媒体Pを搬送する。
2.処理液付与部の構成
処理液付与部14は、記録媒体Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する。この処理液付与部14は、主として、記録媒体Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される記録媒体Pの画像記録面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44とで構成される。記録媒体Pの表面に付与する処理液は、搬送方向の下流側に配設された画像記録部18により記録媒体Pに吐出(打滴)する光硬化型インク中の色材(顔料)を凝集させる機能を有する凝集剤である。
処理液付与ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から搬送された記録媒体Pを処理液乾燥処理部16へ搬送する。処理液付与ドラム42は、円筒状に形成され、図示しないモータに接続されており、このモータの回転により駆動される構成とされている。処理液付与ドラム42の外周面上にはグリッパ42Aが備えられており、このグリッパ42Aによって記録媒体Pの先端が把持される構成とされている。処理液付与ドラム42は、このグリッパ42Aによって記録媒体Pの先端を把持して回転することにより、記録媒体Pを周面上に巻き掛けながら、処理液乾燥処理部16へ記録媒体Pを搬送する。処理液付与ドラム42が1回転すると、1枚の記録媒体Pが搬送される。処理液付与ドラム42及び給紙ドラム40では、互いの記録媒体Pの受け取りと受け渡しのタイミングを一致させて、回転が制御される。すなわち、処理液付与ドラム42及び給紙ドラム40は、双方の周速度を一致させて駆動され、かつ、双方のグリッパ40A及び42Aの位置を一致させて駆動されている。
処理液付与ユニット44では、処理液付与ドラム42によって搬送される記録媒体Pの表面に処理液がロールにより塗布される。この処理液付与ユニット44は、主として、記録媒体Pに処理液を塗布する塗布ロール44Aと、処理液が貯留される処理液槽44Bと、処理液槽44Bに貯留された処理液を汲み上げて、塗布ロール44Aに供給する汲み上げロール44Cとで構成されている。
3.処理液乾燥処理部の構成
処理液乾燥処理部16では、表面に処理液が付与された記録媒体Pが乾燥処理される。処理液乾燥処理部16は、主として、記録媒体Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される記録媒体Pの画像記録面に乾燥風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50とにより構成されている。
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から記録媒体Pを受け取り、画像記録部18へ記録媒体Pを搬送する構成とされている。処理液乾燥処理ドラム46は、円筒状に組んだ枠体によって構成され、図示しないモータに接続されており、このモータの回転により駆動される。処理液乾燥処理ドラム46の外周面上にはグリッパ46Aが備えられており、このグリッパ46Aによって記録媒体Pの先端が把持される。処理液乾燥処理ドラム46は、このグリッパ46Aによって記録媒体Pの先端を把持して回転することにより、画像記録部18へ記録媒体Pを搬送する。なお、本実施の形態における処理液乾燥処理ドラム46は、外周面上の2カ所にグリッパ42Aが配設され、1回の回転で2枚の記録媒体Pを搬送する構成とされている。処理液乾燥処理ドラム46及び処理液付与ドラム42では、双方の記録媒体Pの受け取りと受け渡しのタイミングを一致させて回転が制御されている。すなわち、処理液乾燥処理ドラム46及び処理液付与ドラム42は、双方の周速度を一致させて駆動され、かつ、互いのグリッパ42A及びグリッパ46Aの位置を一致させて駆動されている。
用紙搬送ガイド48は記録媒体Pの搬送経路に沿って処理液乾燥処理ドラム46の外周囲に配設されている。用紙搬送ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46(搬送経路)から外れないように記録媒体Pを導く。
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される記録媒体Pの表面に向けて乾燥風を吹き当てて乾燥処理する構成とされている。これにより、処理液中の溶媒成分が除去されて記録媒体Pの表面にインク凝集層が形成される。本実施の形態では、2台の処理液乾燥処理ユニット50が、処理液乾燥処理ドラム内に配設されており、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される記録媒体Pの表面に向けて乾燥風を吹き当てる構成とされている。
4.画像記録部の構成
画像記録部18は、記録媒体Pの画像記録面にM(マゼンダ)、K(ブラック)、C(シアン)およびY(イエロー)の各色の光硬化型インク(液体の一例)のインク滴(液滴の一例)を吐出して、記録媒体Pの画像形成面にカラー画像を記録する(印刷又は描画)構成とされている。この画像記録部18は、主として、記録媒体Pを搬送する画像記録ドラム52と、画像記録ドラム52によって搬送される記録媒体Pを押圧して、記録媒体Pを画像記録ドラム52の周面に密着させる記録媒体押えロール54と、記録媒体PにM、K、CおよびYの各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッド56M、56K、56Cおよび56Yと、記録媒体Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62とで構成される。なお、上記のように、インクジェットヘッド56M、56K、56Cおよび56Yから吐出させるインクには光硬化型インクが使用されている。光硬化型インクは、吐出後に、後に説明するインク定着手段により光(ここでは紫外線)を照射することにより硬化させて乾燥させる。また、以後の説明では、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)、及びイエロー(Y)を区別する必要が無い場合は、符号に付するM、K、C、及びYを省略する。
画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から記録媒体Pを受け取り、インク定着処理部20へ記録媒体Pを搬送する構成とされている。画像記録ドラム52は、円筒状で形成され、図示しないモータに接続されており、このモータの回転により駆動される。画像記録ドラム52の外周面上にはグリッパ52Aが備えられており、このグリッパ52Aによって記録媒体Pの先端が把持される。画像記録ドラム52は、このグリッパ52Aによって記録媒体Pの先端を把持して回転することにより、記録媒体Pを周面に巻き掛けながら、インク定着処理部20へ記録媒体Pを搬送する。また、画像記録ドラム52の周面には図示を省略した多数の吸着穴(吸引穴)が所定のパターンで設けられている。画像記録ドラム52の周面に巻き掛けられた記録媒体Pは、この吸着穴を通して吸引されることにより、画像記録ドラム52の周面に吸着保持されながら搬送可能とされている。これにより、高い平滑性をもって記録媒体Pが搬送可能とされている。
また、本実施の形態における画像記録ドラム52は、外周面上の2カ所にグリッパ52Aが配設されており、1回の回転で2枚の記録媒体Pを搬送可能とされている。画像記録ドラム52及び処理液乾燥処理ドラム46では、双方の記録媒体Pの受け取りと受け渡しのタイミングを一致させて、回転が制御されている。すなわち、画像記録ドラム52及び処理液乾燥処理ドラム46は、周速度を一致させて駆動され、かつ、双方のグリッパ46A及びグリッパ52Aの位置を一致させて駆動されている。
記録媒体押えロール54は、画像記録ドラム52の記録媒体Pの受取位置(処理液乾燥処理ドラム46から記録媒体Pを受け取る位置)の近傍に配設されている。この記録媒体押えロール54は、例えばゴムロールにより構成され、画像記録ドラム52の周面に押圧当接させて設置されている。処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52に受け渡された記録媒体Pは、この記録媒体押えロール54を通過することによりニップされ、画像記録ドラム52の周面に密着させられる。
4台のインクジェットヘッド56M、56K、56Cおよび56Yは、記録媒体Pの搬送経路に沿って画像記録ドラム52の外周面上に一定の間隔をもって配置されている。各色のインクジェットヘッド56は記録媒体幅に対応したラインヘッドにより構成されており、ノズル面78(図13参照)が画像記録ドラム52の周面に対向して配置される構成とされている。各色のインクジェットヘッド56は、ノズル面78に形成された複数のノズル78A(図13参照)から画像記録ドラム52に向けて光硬化型インクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム52によって搬送される記録媒体Pに画像を記録する。
インラインセンサ58は、画像記録ドラム52による記録媒体Pの搬送方向に対して、最後尾のインクジェットヘッド56Kよりも下流側に設置されており、各色のインクジェットヘッド56によって記録された画像を読み取る構成とされている。このインラインセンサ58は例えばラインスキャナにより構成されている。
なお、インラインセンサ58の下流側には、インラインセンサ58に近接して設置された接触防止板59が設けられている。接触防止板59は、搬送の不具合等によって記録媒体Pに浮きや折れ等が生じた場合に、インラインセンサ58への記録媒体Pの接触を防止可能とされている。
ミストフィルタ60は、最後尾のインクジェットヘッド56Yとインラインセンサ58との間に配設されており、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。インクミストの捕捉により、インラインセンサ58へのインクミストの進入が防止され、画像の読み取り不良等の発生が効果的に防止される。
ドラム冷却ユニット62は、画像記録ドラム52に冷風を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。このドラム冷却ユニット62は、主として、エアコン(図示せず)と、そのエアコンから供給される冷気を画像記録ドラム52の周面に吹き当てるダクト62Aとで構成されている。ダクト62Aは、記録媒体Pの搬送領域以外の領域において画像記録ドラム52に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。本実施の形態では、画像記録ドラム52のほぼ上側半分の円弧状の外周面に沿って記録媒体Pが搬送されているので、ダクト62Aは、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却するようになっている。具体的には、ダクト62Aの図示を省略した吹出口が、画像記録ドラム52のほぼ下側半分を覆うように円弧状に配列されている。なお、各色のインクジェットヘッド56、及び各色のインクジェットヘッド56のノズル面78における清掃等のメンテナンス動作を行うメンテナンス機構80については、詳細を後述する。
5.インク定着処理部の構成
インク定着処理部20は、記録媒体Pの画像記録面に残存する液体成分が除去され、画像記録後の記録媒体Pを後処理する構成とされている。インク定着処理部20は、主として、画像が記録された記録媒体Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される記録媒体Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される記録媒体Pを定着処理するインク定着手段としての乾燥処理部21及び光照射部22とを備えている。
チェーングリッパ64は、乾燥処理部21、光照射部22及び排紙部24において共通して使用され、画像記録部18から受け渡された記録媒体Pを受け取って、排紙部24まで搬送する構成とされている。
このチェーングリッパ64は、主として、画像記録ドラム52側に近接して設置された第1スプロケット64Aと、排紙部24側に設置された第2スプロケット64Bと、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる無端状の搬送路としてのチェーン64Cと、チェーン64Cの走行をガイドする図示を省略した複数のチェーンガイドと、チェーン64Cに一定の間隔をもって取付けられる複数のグリッパ64Dとを備えて構成されている。第1スプロケット64A、第2スプロケット64B、チェーン64C及びチェーンガイドは、記録媒体Pの搬送幅方向の両側に一対で構成されている。グリッパ64Dは一対のチェーン64Cに各々設けられている。第1スプロケット64Aは、図示を省略したモータに接続されており、このモータの回転により駆動されている。第2スプロケット64Bは従属回転可能とされている。
バックテンション付与機構66は、チェーングリッパ64によって先端を把持されながら搬送される記録媒体Pにバックテンションを付与する構成とされている。バックテンション付与機構66は、詳細な図示を省略しているが、主として、ガイドプレート72と、ガイドプレート72に形成された多数の吸着穴から空気を吸引する吸着手段としての複数の吸着ファン72Aと、を備えている。また、ガイドプレート72の下面には、吸引した空気を吐き出すための多数の穴が設けられている。チェーングリッパ64によって搬送される記録媒体Pでは、ガイドプレート72の吸着穴を通して吸着ファン72Aにより吸引されることによって、バックテンションが付与される。
(1)乾燥処理部の構成
乾燥処理部21は、チェーングリッパ64の搬送方向の上流側であってこのチェーングリッパ64の内部に設けられ、搬送方向に沿って配列された複数の乾燥処理ユニット68を備えている。乾燥処理ユニット68は記録媒体Pの画像記録面に乾燥風(例えば熱風)を吹付ける構成とされている。乾燥処理ユニット68により乾燥風が吹付けられると、光硬化型インク中の水分量が、光照射部22による光(紫外線)の照射前に減少される。これにより、この後の光照射で光硬化型インクの硬化性が確保される。
(2)光照射部の構成
光照射部22は、光硬化型インクを用いて記録された画像に、本実施の形態では光として紫外線(UV)を照射して、画像を定着させる構成とされている。光照射部22は、主として、記録媒体Pを搬送するチェーングリッパ64と、記録媒体Pにバックテンションを付与すると共に吸着手段としてのバックテンション付与機構66と、記録媒体Pに光を照射する照射ユニット74とを備えて構成されている。
照射ユニット74は、チェーングリッパ64の搬送方向の乾燥処理部21よりも下流側であってこのチェーングリッパ64の内部に設けられ、搬送方向に沿って複数配列されている。照射ユニット74は図示を省略した光源としての紫外線ランプを備えている。バックテンション付与機構66は、主として、ガイドプレート72と、ガイドプレート72に形成された多数の吸着穴から空気を吸引する吸着手段としての複数の吸着ファン72Bと、を備えている。また、ガイドプレート72の下面には、吸引した空気を吐き出すための多数の穴が設けられている。チェーングリッパ64によって搬送される記録媒体Pでは、ガイドプレート72の吸着穴を通して吸着ファン72Bにより吸引されることによって、バックテンションが付与される。
6.排紙部の構成
排紙部24は一連の画像記録処理が行われた記録媒体Pを回収する構成とされている。排紙部24は、主として、光照射により光硬化型インクが定着された記録媒体Pを搬送するチェーングリッパ64と、記録媒体Pを積み重ねて回収する排紙台76とを備えて構成されている。図示を省略しているが、排紙台76には、記録媒体Pが整然と積重ねるための用紙当て(前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が設けられている。また、排紙台76には、図示を省略した排紙台昇降装置が記録媒体Pを昇降自在に設けられている。排紙台昇降装置では、排紙台76に回収される記録媒体Pの増減に連動して、昇降の駆動が制御されており、最上位に位置する記録媒体Pが常に一定の高さに位置するように調整されている。
7.光硬化型インク
光硬化型インクとしては、例えば光としての紫外線の照射により硬化する水性紫外線インクが使用されている。水性紫外線インクには、顔料と、ポリマー粒子と、活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物と、光重合開始剤とが含まれることが好ましい。このような水性紫外線インクでは、紫外線が照射されて硬化されると、画像の耐擦性が優れ、画像の膜強度が高い。なお、色材としては染料が含まれてもよい。
(要部構成)
次に、各色のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)56、及び各色のインクジェットヘッド56のノズル面78の清掃等のメンテナンス動作が行われるメンテナンス機構80について説明する。
インクジェットヘッド56は、図13に示されるように、装置奥行方向(図中矢印D方向)に延びるノズル面78を有し、ノズル面78には、インク滴が吐出される複数のノズル78Aが形成されている。
メンテナンス機構80は、図15に示されるように、画像記録ドラム52の回転軸方向である装置奥行方向に沿って配置されている。メンテナンス機構80は、インクジェットヘッド56を移動させるための移動ユニット82と、ノズル78A内のインクの乾燥を防止するためのキャップユニット84と、ノズル面78に付着したインク等を拭き取る拭取ユニット86とを備えている。そして、画像記録ドラム52、拭取ユニット86、及びキャップユニット84は、この順で装置奥行方向に並んで配置されている。
さらに、メンテナンス機構80は、各部を制御する制御部88(図12参照)と、拭取ユニット86に備えられた拭取部材102の情報が入力される入力装置138とを備えている。
〔移動ユニット〕
移動ユニット82(第一移動機構の一例)は、各色のインクジェットヘッド56を一括して支持する箱状の支持部材90を介してインクジェットヘッド56を移動させるようになっている。そして、移動ユニット82は、インクジェットヘッド56を装置上下方向(図中矢印H方向)に移動させる上下機構92と、インクジェットヘッド56を装置奥行方向に移動させる水平機構94とを備えている。
上下機構92は、装置上下方向に延びて配置されている。そして、上下機構92は、支持部材90を支持する支持部92Aと、支持部92Aを装置上下方向に移動可能に支持するレール部92Bと、支持部92Aをレール部92Bに沿って移動させる図示せぬ駆動部とを備えている。
水平機構94は、画像記録ドラム52の上方からキャップユニット84の上方に至るまで装置奥行方向に延びて配置されている。そして、水平機構94は、上下機構92の上端側の部分を支持する支持部94Aと、支持部94Aを装置奥行方向に移動可能に支持するレール部94Bと、支持部94Aをレール部94Bに沿って移動させる図示せぬ駆動部とを備えている。
この構成において、後述する制御部88による制御により、移動ユニット82は、支持部材90を介して各色のインクジェットヘッド56を一括して移動させるようになっている。
〔キャップユニット〕
キャップユニット84は、図示せぬフレーム部材に固定されて上方が開口した筐体96と、筐体96の内部に配置されてインクジェットヘッド56のノズル面78が押し付けられるキャップ98とを備えている。
この構成において、移動ユニット82によって移動したインクジェットヘッド56のノズル面78がキャップ98に押し付けられ、ノズル78A内のインクの乾燥が防止されるようになっている。
〔拭取ユニット〕
拭取ユニット86は、各色のインクジェットヘッド56に対応するように4個の拭取装置100M、100K、100C、100Yを備えている。なお、各色の拭取装置100M、100K、100C、100Yは、基本的に同様の構成とされており、以後の説明では、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)、及びイエロー(Y)を区別する必要が無い場合は、符号に付するM、K、C、及びYを省略する。
拭取装置100は、図14に示されるように、一部がノズル面78の一部と接触してノズル面78に付着したインクを拭き取る帯状の拭取部材102を収容するカセット106とを備えている。さらに、拭取装置100は、カセット106を装置上下方向に移動させる移動モジュール108と、拭取部材102に洗浄液を塗布する塗布装置110とを備えている。
[カセット]
カセット106は、装置上下方向の上方が開放された筐体112と、前述した拭取部材102と、拭取部材102が巻き掛けられた複数のロールとを備えている。
筐体112において装置奥行方向の中央側には、巻取りロール114A、送出ロール114B、及び対向ロール114Cが、下方から上方に向かってこの順番で配置され、筐体112に回転可能に支持されている。
巻取りロール114Aは、後述するモータ140(第二移動機構の一例、搬送機構)から回転力が伝達され、帯状の拭取部材102を巻き取るようになっており、送出ロール114Bは、巻取りロール114Aによって巻き取られる拭取部材102を送り出すようになっている。この構成により、送出ロール114Bから送り出され、巻取りロール114Aによって巻き取られる拭取部材102は、予め決められた移動経路111に沿って搬送されることによって移動させられる。
対向ロール114Cは、筐体112の上方から外部に露出している。そして、対向ロール114Cは、移動経路111において送出ロール114Bと巻取りロール114Aとの間で、かつ、移動ユニット82によって移動するインクジェットヘッド56のノズル面78と対向するように配置されている。そして、対向ロール114Cは、拭取部材102の移動に伴って従動して回転するようになっている。
また、移動経路111において、送出ロール114Bと対向ロール114Cとの間には、複数の従動ロール116が配置され、移動経路111において、対向ロール114Cと巻取りロール114Aとの間には、複数の従動ロール118が配置されている。さらに、カセット106は、メンテナンス機構80に対して着脱可能とされ、拭取部材102を交換することができるようになっている。
また、拭取部材102として、本実施形態では一例として、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthyleneTerephtalate)によって形成された繊維を織った織物が用いられている。
この構成において、後述するモータ140から回転力が伝達された巻取りロール114Aが図中矢印方向(時計方向)に回転して拭取部材102を巻取り、送出ロール114Bは、巻取りロール114Aによって巻き取られる拭取部材102を送り出す。これにより、移動経路111に沿って張力が付与された状態の拭取部材102が搬送されることによって移動させられるようになっている。
そして、詳細は後述する作用で説明するが、移動経路に沿って搬送されて移動する拭取部材102は、対向ロール114Cに巻き掛けられる部分で、移動ユニット82によって移動するインクジェットヘッド56のノズル面78と接触するようになっている。
[移動モジュール]
移動モジュール108は、装置上下方向に延びて配置されている。そして、移動モジュール108は、カセット106の筐体112を支持する支持部108Aと、支持部108Aを装置上下方向に移動可能に支持するレール部108Bと、支持部108Aをレール部108Bに沿って移動させる図示せぬ駆動部とを備えている。
この構成において、後述する制御部88による制御により、移動モジュール108は、カセット106を装置上下方向に移動させるようになっている。
そして、カセット106は、移動モジュール108によって移動して、拭取部材102が移動するインクジェットヘッド56のノズル面78と接触する清掃位置と、拭取部材102がノズル面78から離間して待機する待機位置とに配置されるようになっている。なお、本構成については、後述する作用で詳細を説明する。
[塗布装置]
塗布装置110は、移動経路111において、送出ロール114Bと対向ロール114Cとの間を搬送されて移動する拭取部材102に洗浄液(界面活性剤を含んだ液体)を滴下して塗布する装置である。
塗布装置110は、洗浄液が滴下されるヘッド128と、ヘッド128に対して下方に配置されて洗浄液が貯留される貯留槽130と、ホース132を通して洗浄液を貯留槽130からヘッド128へ汲み上げるポンプ134とを備えている。
この構成において、後述する制御部88による制御により、ポンプ134が、貯留槽130から洗浄液を汲み上げ、送出ロール114Bと対向ロール114Cとの間を搬送されて移動する部分の拭取部材102にヘッド128から洗浄液を滴下して塗布するようになっている。なお、塗布装置110によって洗浄液が塗布された部分の拭取部材102が、対向ロール114Cに巻き掛けられる位置に移動した際には、洗浄液が拭取部材102に吸収されているように、塗布される洗浄液の量が決められている。
[入力装置]
入力装置138(図15参照)は、ユーザが拭取部材102の情報を入力する装置である。具体的には、拭取部材102におけるインクの単位量当たりの吸収時間(以下単「液体吸収時間」と記載する)を入力する装置である。
ここで、拭取部材102の液体吸収時間については、滴下法を用いて数値化することができる。具体的には、シリンジ(注射器)を用いて単位量(1×10−6〔m〕)のインクを拭取部材102の拭取面上に一滴たらし、インク滴の表面の反射がなくなるまでの時間をストップウオッチ等により測定する。この測定された時間が、液体吸収時間である。
[モータ]
モータ140は、メンテナンス機構80の備えられた図示せぬフレームに取り付けられており、図14に示されるように、巻取りロール114Aに伝達される回転力を生じるようになっている。前述したように、筐体112は、メンテナンス機構80に対して着脱可能とされている。換言すれば、筐体112は、モータ140に対して着脱可能とされている。
[制御部]
制御部88は、図12に示されるように、移動ユニット82、移動モジュール108、塗布装置110、及びモータ140を制御する。
なお、制御部88による各部の制御については、後述する作用と共に説明する。
(作用)
次に、メンテナンス機構80によるインクジェットヘッド56に対するメンテナンス動作について説明する。具体的には、画像記録ドラム52によって搬送される記録媒体Pに、各色のインクジェットヘッド56によってインク滴が吐出されて画像が形成される画像形成動作が終了し、次の画像形成動作までに行われるメンテナンス動作について説明する。
画像形成動作が行われている場合の各色のインクジェットヘッド56は、図4に示されるように、画像記録ドラム52の外周面に対して対向して配置されている。そして、インクジェットヘッド56のノズル面78と画像記録ドラム52の外周面とは、ノズル78A(図13参照)から吐出されたインク滴によって画像記録ドラム52に搬送される記録媒体Pに画像が形成されるように近づいている。
また、拭取装置100のカセット106は、待機位置に配置されている。さらに、拭取装置100のモータ140は停止している。
画像形成動作が終了すると、制御部88は、移動ユニット82の上下機構92を制御し、図5に示されるように、インクジェットヘッド56を上方に移動させる。これにより、インクジェットヘッド56のノズル面78と画像記録ドラム52の外周面とが離間する。
インクジェットヘッド56が上方に移動して停止すると、制御部88は、移動ユニット82の水平機構94を制御し、図6、図7に示されるように、インクジェットヘッド56を装置奥行方向の奥側(図中右側)に移動させる。これにより、インクジェットヘッド56が、キャップユニット84の上方に移動して停止する。なお、カセット106が待機位置に配置されているため、インクジェットヘッド56の移動中は、インクジェットヘッド56のノズル面78と拭取部材102とは、離間している(図6参照)。
インクジェットヘッド56がキャップユニット84の上方で停止すると、制御部88は、移動ユニット82の上下機構92を制御し、図8に示されるように、インクジェットヘッド56を下方に移動させる。これにより、インクジェットヘッド56のノズル面78がキャップ98に押し付けられ、ノズル78A内のインクの乾燥が防止される。この状態が、次の画像形成動作が開始されるまで維持される。
次の画像形成動作を開始する場合には、制御部88は、移動ユニット82の上下機構92を制御し、図9に示されるように、インクジェットヘッド56を上方に移動させる。これにより、インクジェットヘッド56のノズル面78とキャップ98とが離間する。さらに、制御部88は、移動モジュール108を制御し、カセット106を上方に移動させ、カセット106を清掃位置に配置する。
インクジェットヘッド56が上方に移動して停止し、かつ、カセット106が清掃位置に配置されると、制御部88は、移動ユニット82の水平機構94を制御する。そして、制御部88は、図10、図11に示されるように、インクジェットヘッド56を装置奥行方向の手前側(図中左側)に移動させる。これにより、インクジェットヘッド56は、画像記録ドラム52の上方に移動して停止する。
インクジェットヘッド56の移動に伴って、制御部88は、拭取装置100のモータ140を制御し、巻取りロール114Aに回転力を伝達する。これにより、巻取りロール114Aが回転し、送出ロール114Bから送り出された拭取部材102が移動経路111に沿って搬送されて移動して巻取りロール114Aによって巻き取られる。
さらに、拭取部材102の移動に伴って、制御部88は、塗布装置110のポンプ134を制御し、貯留槽130から洗浄液を汲み上げ、拭取部材102にヘッド128から洗浄液を滴下して塗布する。
インクジェットヘッド56の移動、及びカセット106の清掃位置への配置により、対向ロール114Cに巻き掛けられた部分の拭取部材102が、インクジェットヘッド56のノズル面78と接触する。具体的には、ノズル面78の装置奥行方向の手前側の部分から拭取部材102が接触する。そして、インクジェットヘッド56の移動に伴い接触位置が変えられ、ノズル面78の装置奥行方向の奥側の部分と拭取部材102が接触した後、ノズル面78と拭取部材102とが離間する。
さらに、拭取部材102への洗浄液の塗布、及び拭取部材102の移動(巻取り)により、洗浄液が塗布された拭取部材102においてノズル面78との接触する部分が変えられる。具体的には、拭取部材102において対向ロール114Cに巻き掛けられてノズル面78と接触する部分が、拭取部材102の移動(巻取り)により変えられる。これにより、ノズル面78に付着したインクが拭取部材102によって拭き取られ、ノズル面78が清掃される。
なお、制御部88によって制御されるインクジェットヘッド56の移動速度(以下「第一移動速度」と記載する)と、拭取部材102の移動速度(以下「第二移動速度」と記載する)とについて後述する。
インクジェットヘッド56が移動して画像記録ドラム52の上方で停止すると、制御部88は、移動ユニット82の上下機構92を制御し、図4に示されるように、インクジェットヘッド56を下方に移動する。これより、インクジェットヘッド56のノズル面78と画像記録ドラム52の外周面とが対向し、次の画像形成動作が可能となる。さらに、制御部88は、移動モジュール108を制御し、カセット106を下方に移動して、カセット106を待機位置に配置する。
これにより、メンテナンス機構80によるメンテナンス動作が終了する。
次に、制御部88によって制御される第一移動速度と、第二移動速度とについて説明する。
制御部88は、入力装置138から入力された拭取部材102の液体吸収時間に基づいて、第一移動速度、及び第二移動速度を決める。本実施形態では、拭取部材102の液体吸収時間毎に、第一移動速度、及び第二移動速度が決められた変換テーブルが制御部88に記憶されている。そして、制御部88は、この変換テーブルを用いて第一移動速度、及び第二移動速度を決める。
この第一移動速度、及び第二移動速度が決められる変換テーブルは、以下の4個の観点から検討して決められる。
1.ノズル78Aからインクジェットヘッド56内に気泡が引き込まれることによって、ノズル78Aからインク滴が吐出されないことにより出力画像にスジが発生するのを抑制する観点。
2.ノズル面78に付着したインクの拭き残しを抑制する観点。
3.ノズル面78に付着したインクを拭き取る際に、ノズル78A内からインクが引き出され、ノズル面78にインクの引きずり跡が付いてしまうのを抑制する観点。
4.拭取部材102の消費量を抑制する観点。
〔出力画像にスジが発生するのを抑制する観点〕
先ず、出力画像にスジが発生するのを抑制する観点から検討される事項について、比較形態を説明した後に説明する。
比較形態に係るメンテナンス機構200では、拭取部材102の液体吸収時間に基づいて拭取部材102の移動速度は変化しないようになっている。そして、メンテナンス機構200では、液体吸収時間が比較的短い拭取部材102が用いられている。
メンテナンス機構200においては、図17(A)(B)に示されるように、移動するインクジェットヘッド56のノズル78A内のインクと、移動する拭取部材102とが接触すると、拭取部材102の吸収力によってノズル78A内のインクがノズル78Aから引っ張り出される。さらに、インクジェットヘッド56が移動することによって、図17(C)に示されるように、ノズル78Aと拭取部材102とが離間する。そして、ノズル78Aからインクが引っ張りだされた反動によって気泡がノズル78Aよりインクジェットヘッド56の内部に引き込まれる。
このように、比較形態に係るメンテナンス機構200では、気泡がインクジェットヘッド56の内部に引き込まれることによって、ノズル78Aからインク滴が吐出せず、出力画像にスジが発生することがある。
これに対して、本実施形態のメンテナンス機構80の制御部88によって制御される第一移動速度と、第二移動速度とは、拭取部材102の液体吸収時間に基づいて、決められている。
具体的には、ノズル78Aからインクが引っ張り出される量を減らすため、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、ノズル78A内のインクと拭取部材102との接触時間を短くするように、第一移動速度と第二移動速度が決められている。
図2に示すグラフには、拭取部材102の液体吸収時間毎に決められた第一移動速度と第二移動速度との関係が示されている。グラフの横軸が第一移動速度を示し、グラフの縦軸が第二移動速度を示している。
直線A1は、液体吸収時間が10.0〔s〕以上の場合を示し、直線B1は、液体吸収時間が3.0〔s〕以上10.0〔s〕未満の場合を示し、直線C1は、液体吸収時間が1.0〔s〕以上3.0〔s〕未満の場合を示し、直線D1は、液体吸収時間が0.1〔s〕以上1.0〔s〕未満の場合を示している。
液体吸収時間が10〔s〕以上の場合は、直線A1に対して第一移動速度及び第二移動速度を上げた斜線範囲が、出力画像にスジが発生するのを抑制する観点から、要求される第一移動速度及び第二移動速度である。
つまり、直線A1は、出力画像にスジが発生するのを抑制する観点から、第一移動速度及び第二移動速度の下限値を示しめしている。そして、ノズル78A内のインクと拭取部材102との接触時間を予め決められた時間より短くするため、直線A1では、第一移動速度を上げると第二移動速度が下がるようになっている。なお、直線B1、直線C1、及び直線D1についても直線A1と同様の考え方である。
また、直線A1、直線B1、直線C1、及び直線D1を比較すると、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、第一移動速度及び第二移動速度が上がっている。つまり、ノズル78Aからインクが引っ張り出される量を減らすため、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、ノズル78A内のインクと拭取部材102との接触時間を短くするように、第一移動速度及び第二移動速度が上がっている。
〔ノズル面に付着したインクの拭き残しを抑制する観点〕
次に、ノズル面78に付着したインクの拭き残しを抑制する観点から検討される事項について説明する。
第一移動速度を上げるとノズル面78に付着したインクが拭取部材102と接触する時間が短くなるため、ノズル面78にインクの拭き残しが発生する虞がある。この拭き残しが発生してしまう速度については、拭取部材102の液体吸収時間によって異なる。具体的には、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、ノズル面78に付着したインクの吸収時間が短くなるため、第一移動速度の上限が上がる。
図1に示すグラフには、拭取部材102の液体吸収時間毎に決められた第一移動速度と第二移動速度との関係が示されている。図2に示すグラフと同様に横軸が第一移動速度を示し、グラフの縦軸が第二移動速度を示している。また、図1に示すグラフには、前述した直線A1、直線B1、直線C1、及び直線D1についても示されている。
ノズル面78に付着したインクの拭き残しを抑制する観点での第一移動速度の上限については、直線A2、直線B2、直線C2、及び直線D2でグラフ中に示されている。
直線A2は、液体吸収時間が10.0〔s〕以上の場合を示し、直線B2は、液体吸収時間が3.0〔s〕以上10.0〔s〕未満の場合を示し、直線C2は、液体吸収時間が1.0〔s〕以上3.0〔s〕未満の場合を示し、直線D2は、液体吸収時間が0.1〔s〕以上1.0〔s〕未満の場合を示している。
前述したように、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、第一移動速度の上限が上がっている。
〔ノズル面にインクの引きずり跡が付いてしまうのを抑制する観点〕
次に、ノズル78A内からインクが引き出され、ノズル面78にインクの引きずり跡が付いてしまうのを抑制する観点から検討される事項について説明する。
第二移動速度を上げると拭取部材102がノズル78A内のインクを引き出し、ノズル面78にインクの引きずり跡が付いてしまう虞がある。このインクの引きずり跡が付いてしまう速度については、拭取部材102の液体吸収時間によって異なる。具体的には、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、ノズル78A内からインクが引き出されるため、第二移動速度の上限が上がる。
ノズル面78にインクの引きずり跡が付いてしまうのを抑制する観点での第二移動速度の上限については、直線A3、直線B3、直線C3、及び直線D3でグラフ中に示されている。
直線A3は、液体吸収時間が10.0〔s〕以上の場合を示し、直線B3は、液体吸収時間が3.0〔s〕以上10.0〔s〕未満の場合を示し、直線C3は、液体吸収時間が1.0〔s〕以上3.0〔s〕未満の場合を示し、直線D3は、液体吸収時間が0.1〔s〕以上1.0〔s〕未満の場合を示している。
前述したように、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、ノズル78A内からインクが引き出されるため、第二移動速度の上限が上がっている。
以上3個の観点から、液体吸収時間が10.0〔s〕以上の拭取部材102を用いる場合は、直線A1、直線A2、及び直線A3で囲まれる斜線範囲から、第一移動速度、及び第二移動速度が決められる。液体吸収時間が3.0〔s〕以上10.0〔s〕未満の拭取部材102を用いる場合、液体吸収時間が1.0〔s〕以上3.0〔s〕未満の拭取部材102を用いる場合、液体吸収時間が0.1〔s〕以上1.0〔s〕未満の拭取部材102を用いる場合についても同様である。
〔拭取部材の消費量を抑制する観点〕
次に、拭取部材102の消費量を抑制する観点から検討される事項について説明する。
拭取部材102の消費量は、第一移動速度が同様であれば、第二移動速度を下げる程、少なくなる。
具体的には、液体吸収時間が10.0〔s〕以上の拭取部材102を用いる場合は、直線A1、直線A2、及び直線A3で囲まれる斜線範囲の中から最も下げられた第二移動速度と、この第二移動速度に対応する第一移動速度とに決められる。より具体的には、グラフ中の点A5における第二移動速度と第一移動速度とに決められる。液体吸収時間が3.0〔s〕以上10.0〔s〕未満の拭取部材102を用いる場合、液体吸収時間が1.0〔s〕以上3.0〔s〕未満の拭取部材102を用いる場合、液体吸収時間が0.1〔s〕以上1.0〔s〕未満の拭取部材102を用いる場合についても同様である。
以上の手順により、第一移動速度、及び第二移動速度が決められる変換テーブルの一例を、図3の表に示す。制御部88は、図3の表に示されるように、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、第一移動速度を上げ、かつ、第二移動速度を上げるようになっている。
(まとめ)
以上説明したように、制御部88が、変換テーブルを用いて第一移動速度、及び第二移動速度を決めることによって、拭取部材102の液体吸収時間が異なる場合でも、ノズル面78に付着したインクを拭き取った上で、ノズル78Aからインク滴が吐出されない吐出不良を抑制することができる。さらに、拭取部材102の消費量を抑制することができる。換言すれば、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、第一移動速度を上げ、かつ、第二移動速度を上げることによって、拭取部材102の液体吸収時間が異なる場合でも、ノズル面78に付着したインクを拭き取った上で、ノズル78Aからインク滴が吐出されない吐出不良を抑制することができる。さらに、拭取部材102の消費量を抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る液滴吐出装置170の一例について図18に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
(構成)
第2実施形態に係る液滴吐出装置170のメンテナンス機構172は、拭取部材102の液体吸収時間を入力する入力装置を備えていない。メンテナンス機構172は、図18に示されるように、拭取部材102の液体吸収時間を導出するために用いる導出部材176と、カセット106のメンテナンス機構172への装着を検知する検知部材178と、を備えている。さらに、メンテナンス機構172の制御部180は、第1実施形態の制御部の作用に加えて、カセット106がメンテナンス機構172に装着されると、導出部材176を制御して拭取部材102の液体吸収時間を導出するようになっている。なお、制御部180の作用については、後述する作用と共に説明する。
導出部材176には、周知のフォトインタラプタが用いられ、導出部材176は、ヘッド128によって洗浄液が滴下される部分の拭取部材102と対向するように配置されている。
導出部材176は、発光素子176Aと受光素子176Bとを備えている。そして、発光素子176Aから照射された光が液面によって反射して受光素子176Bによって受光されることにより導出部材176の出力電圧が変化するようになっている。
(作用)
次に、制御部180によって拭取部材102の液体吸収時間が導出される導出動作について説明する。
拭取部材102が、全て巻取りロール114Aに巻き取られると、カセット106を新たなカセット106に交換することによって拭取部材102を交換する。
カセット106を交換する場合には、カセット106をメンテナンス機構172から離脱させ、新たなカセット106をメンテナンス機構172に装着する。換言すると、拭取部材102が全て巻取りロール114Aに巻き取られると、カセット106をモータ140から離脱させ、新たなカセット106をモータ140に装着する。なお、カセット106が装着される際には、カセット106は待機位置に配置されている。
新たなカセット106がメンテナンス機構172に装着されると、検知部材178が、新たなカセット106がメンテナンス機構172に装着されたことを検知する。そして、制御部180が、検知部材178の検知信号を受け取る。
制御部180が、検知部材178の検知信号を受け取ると、制御部180は、塗布装置110のポンプ134を制御し、ヘッド128から洗浄液を拭取部材102に滴下する。なお、この状態では、モータ140は停止している。
さらに、制御部180は、導出部材176を制御し、拭取部材102に向けて滴下された洗浄液に光を照射する。発光素子176Aから照射された光が洗浄液の液面によって反射して受光素子176Bによって受光されることにより導出部材176の出力電圧が変化する。洗浄液は徐々に拭取部材102に吸収され、洗浄液は拭取部材102の拭取面から突出しなくなる。そうすると、導出部材176の出力電圧は洗浄液の滴下前の状態に戻る。制御部180は、出力電圧変化の時間をカウントし、液体吸収時間を導出する。なお、洗浄液が拭取部材102に吸収される時間と、インクが拭取部材102に吸収される時間とに差がある場合は、制御部180は、予めその差を考慮して液体吸収時間を導出する。
そして、制御部180は、導出された液体吸収時間に基づいて、第一移動速度、及び第二移動速度を決める。
これにより、ユーザが拭取部材102の液体吸収時間を入力する作業を無くすことができる。
また、拭取部材102を交換する毎に、拭取部材102の液体吸収時間を導出することができる。
他の作用については、入力装置が奏する以外の第1実施形態の作用と同様である。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記第1実施形態、及び第2実施形態では、インクジェットヘッド56だけを装置奥行方向に移動させたが、拭取装置100を移動させてもよく、インクジェットヘッド56と拭取装置100とを装置奥行方向に相対的に移動させてもよい。
また、上記第1実施形態、及び第2実施形態では、インクジェットヘッド56のノズル面78と拭取部材102とが接触する部分において、互いに逆方向(所謂カウンター)に移動させることを前提に変換テーブルが決められたが、同様の方向に移動させることを前提に変換テーブルが決められてもよい。
また、上記第1実施形態、及び第2実施形態では特に説明しなかったが、インクジェットヘッド56のノズル面78がキャップ98に押し付けられている場合に、ノズル78Aから増粘インクを排出させる等のメンテナンス動作を行ってもよい。
また、上記第1実施形態では、入力装置138から入力された拭取部材102の液体吸収時間に基づいて、第一移動速度、及び第二移動速度が決められたが、例えば、カセット106に、拭取部材102の液体吸収時間が記憶された記録媒体が取り付けられ、制御部88がこの記録媒体から拭取部材102の液体吸収時間を入手してもよい。
また、上記第2実施形態では、制御部180が、出力電圧変化の時間をカウントし、液体吸収時間を導出したが、導出部材176に出力電圧変化の時間をカウントする機能を追加して、導出部材176が、出力電圧変化の時間をカウントして液体吸収時間を導出してもよい。
また、上記第1実施形態、及び第2実施形態では特に説明しなかったが、出力画像に発生するスジの度合いは、インクの物性、ノズル径、拭取部材102のノズル面78への押圧力、及びメンテナンス動作時のヘッド内背圧等により変わる。このため、第一移動速度、及び第二移動速度については、個々に事前に検討する必要がある。
また、上記第1実施形態、及び第2実施形態では特に説明しなかったが、拭取部材102に吸収可能な液体の量(液体吸収容量)は、吸収対象となる洗浄液の量、及び吸収対象となるインク(ノズル78Aから引き出されるインク、及びノズル面78に付着したインク)の量に比して、十分大きくされている。
また、上記第2実施形態では特に説明しなかったが、拭取部材102の液体吸収時間を導出する場合に、拭取部材102の液体吸収時間が短くなる程、液体吸収時間を導出する際に拭取部材102に滴下される洗浄液の量を大きくすることによって導出精度が向上する。
10 液滴吐出装置
56 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)
78 ノズル面
78A ノズル
82 移動ユニット(第一移動機構の一例)
88 制御部
102 拭取部材
140 モータ(第二移動機構の一例)
170 液滴吐出装置
176 導出部材
180 制御部

Claims (5)

  1. 液滴が吐出されるノズルが形成されたノズル面を有する液滴吐出ヘッドと、
    一部が前記ノズル面の一部に接触し、前記ノズル面に付着した液体を拭き取る拭取部材と、
    前記拭取部材と前記液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる第一移動機構と、
    前記拭取部材を移動させ、前記ノズル面と接触する部分を変える第二移動機構と、
    前記第一移動機構を制御し、単位量当たりの液体を前記拭取部材が吸収する吸収時間が短くなる程、前記拭取部材と前記液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる第一移動速度を上げ、かつ、前記第二移動機構を制御し、前記拭取部材を移動させる第二移動速度を上げる制御部と、
    を備える液滴吐出装置。
  2. 前記拭取部材の前記吸収時間を導出するために用いる導出部材を備え、
    前記制御部は、前記導出部材を制御して導出された前記吸収時間に基づいて、前記第一移動機構、及び前記第二移動機構を制御する請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記拭取部材は、前記第二移動機構に対して着脱可能とされ、
    前記制御部は、前記拭取部材が前記第二移動機構に装着されると、前記導出部材を制御して導出された前記吸収時間に基づいて、前記第一移動機構、及び前記第二移動機構を制御する請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記第二移動機構は、前記拭取部材を搬送する搬送機構である請求項1〜3の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  5. 液滴吐出ヘッドを有し、液滴が吐出されるノズルが形成されたノズル面を清掃する方法であって、
    一部が前記ノズル面の一部に接触し、前記ノズル面に付着した液体を拭き取る拭取部材と、前記液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させ、かつ、前記拭取部材を移動させ、前記ノズル面と接触する部分を変える工程を備え、
    単位量当たりの液体を前記拭取部材が吸収する吸収時間が短くなる程、前記拭取部材と前記液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させる第一移動速度を上げ、かつ、前記拭取部材を移動させる第二移動速度を上げるノズル面の清掃方法。
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