(実施形態)
以下、本発明の吊り足場における落下防止用のパネルによるパネル構造体およびその組立方法に係る実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明のパネル構造体およびその組立方法は、以下の実施形態に記載した構成に限定されるものではない。
図1A、1Bは、足場の端部において、落下防止用の側壁として使用される複数のパネル4によるパネル構造体2の概略図を示す。図1Aは、パネル構造体2の正面図であり、図1Bは、パネル構造体2の背面図である。
足場は例えば、橋、高速道路、タンクなどの構造物に対して補修作業などを行うために、構造物の下方や側方に設置されるものである。図1A、1Bに示すように、足場に設けられるパネル構造体2は、複数のパネル4と、複数の枠体6とを備える。図1Bに示すように、パネル構造体2はその背面側において、後述する単クランプ16により横単管13に取り付けられており、横単管13に接続した鉛直単管14を介して足場に固定されている。パネル構造体2が設置される足場の場所によって高さの勾配は様々であり、図1Bに示す例では、横単管13が水平方向Bに対して角度α傾斜した方向に延びている。
複数のパネル4のそれぞれは、足場の端部において、落下防止用の側壁(騒音防止機能などを兼ねてもよい)として機能する部材である。本実施形態におけるパネル4は、略矩形状の縦長の部材である。図1A、1Bに示す例では、パネル4の長手方向および縦方向が鉛直方向(上下方向)Aに一致し、パネル4の短手方向および横方向が水平方向(左右方向)Bに一致する例を示す。
それぞれのパネル4には枠体6が取り付けられている。枠体6は、パネル4の周縁を囲むようにパネル4に取り付けられる部材である。本実施形態における枠体6は、パネル4よりもやや大きな略矩形状の縦長の外形を有し、パネル4を配置するための空間を内側に形成する。図1A、1Bに示すように、枠体6同士が横並びに隣接するように配列されている。
枠体6の詳細な構造を図2(a)―2(d)に示す。図2(b)、2(c)に示すように、枠体6は厚み方向に2段の構造を有する。具体的には、枠体6はその内側に、パネル4を配置するための第1の溝6eと、後述する可変プレート8を配置するための第2の溝6fとを形成している。枠体6の上方向端部においては、図2(b)に示すように、第1の溝6eおよび第2の溝6fが横方向全長にわたって延びている。一方で、枠体6の上方向端部よりも下方部分においては、図2(c)に示すように、左右に対向する辺6a、6bを形成するように、断面略E字状の部分が対向するように形成されている。断面略E字状の部分においても、第1の溝6eおよび第2の溝6fがそれぞれ形成されている。枠体6の下端部は、枠体6の上端部と同様の構造を有している(図2(b))。
図2(a)に示すように、枠体6における左右の辺6a、6bの表面(背面側)には、一対の長穴6c、6dが形成されている。長穴6c、6dは、後述する可変プレート8を枠体6に移動可能に取り付けるための長穴である。図2(d)に示すように、長穴6c、6dは、左右方向において対称的な形状を有している。具体的には、長穴6c、6dのそれぞれは、内側に向かって湾曲するような縦長の湾曲形状を有している。より具体的には、長穴6c、6dのそれぞれは、直線部18aと湾曲部18bとを有する。直線部18aは、縦方向(上下方向A)に直線状に延びた長穴部分である。湾曲部18bは、直線部18aの上下端部から横方向(水平方向B)内側に向かって湾曲した長穴部分である。
枠体6にパネル4および可変プレート8が取り付けられた状態を図3(a)―3(c)に示す。図3(a)―3(c)に示すように、枠体6の第1の溝6eにはパネル4が配置され、第2の溝6fには可変プレート8が配置される。パネル4を枠体6内に配置するには、複数のパーツに予め分割された枠体6をパネル4に取り付けて、各パーツを固定することにより取り付けてもよい。可変プレート8は、枠体6における向かい合う左右の辺6a、6bのそれぞれに端部が取り付けられ、それぞれの左右端部の上下位置を可変に構成される。より具体的には、可変プレート8の左右端部に設けられた移動部10を長穴6c、6dに沿って上下方向に移動可能に取り付けている。本実施形態では、可変プレート8は、枠体6の左右の辺6a、6bの表面に設けられた長穴6c、6dを介して、パネル4の主面に平行な方向R(図3(a))に回転可能な状態で枠体6に取り付けられている。
次に、可変プレート8の詳細な構造を図4(a)―4(d)に示す。図4(a)―4(d)に示すように、可変プレート8は、第1のプレート8aと、接続部8bと、第2のプレート8cとを有する。可変プレート8は、第1のプレート8aを介して枠体6に取り付けられ、第2のプレート8cを介して後述するガイドレール12にスライド可能に取り付けられる。第1のプレート8aおよび第2のプレート8cはともに横方向に延びる形状を有し、接続部8bを介して一体的に接続されている。図4(a)に示すように、第1のプレート8aの長さは、第2のプレート8cの長さよりも長く設定されている。第1のプレート8aにおいて、第2のプレート8cよりも横方向に突出した部分には移動部10が設けられる。
移動部10は、可変プレート8を枠体6に対して移動可能に取り付けるための機構である。本実施形態における移動部10は、ナット10aと、ボルト10bとを備える。図4(c)に示すように、ナット10aは、第1のプレート8aに固定されている。具体的には、第1のプレート8aは、縦方向における両端部が折り返された形状を有しており、第1のプレート8aの折返された端部同士によって挟まれる位置にナット10aが配置され、第1のプレート8aに固定される。ボルト10bは、ナット10aに挿通されるボルトである。第1のプレート8aには、ナット10aの中心孔に連通する貫通孔(符号省略)が設けられており、当該貫通孔を介してボルト10bがナット10aに挿通される。
図3(a)、3(c)に戻ると、ボルト10bは、前述した枠体6における一対の長穴6c、6dを通って、第1のプレート8aのナット10aに挿通される。図3(c)に示すように、ボルト10bにおいて、長穴6c、6dに通される先端のねじ切り部は、長穴6c、6dよりも小さな外形を有する一方で、ボルト10bの頭は長穴6c、6dよりも大きな外形を有する。このような外形を有することで、可変プレート8は、一対の長穴6c、6dを介してそれぞれの左右端部を上下方向に移動可能な状態に枠体6に取り付けられ、さらに、パネル4の主面に平行な方向Rに回転可能な状態で取り付けられる。また、ボルト10bをナット10aに向けて締め付ければ、枠体6に対して可変プレート8を解除可能に固定することができる。
このような移動部10を設けることにより、可変プレート8の左右方向Bに対する傾斜角度を、後述するガイドレール12の左右方向Bに対する傾斜角度に応じて調整することができ、パネル4が鉛直方向Aに立つように配列可能となる。
可変プレート8とガイドレール12の関係について、図5(a)、5(b)を用いて説明する。ガイドレール12は、可変プレート8をスライド可能に受けるための部材である。ガイドレール12は、可変プレート8を横方向にスライド可能に保持するように、横方向に長い棒状部材として形成される。図5(b)に示すように、可変プレート8を複数個取り付けることができるように、ガイドレール12の横方向長さは、可変プレート8の複数個分以上の長さに設定されている。
ガイドレール12は、図5(a)に示すように、可変プレート8の第2のプレート8cをスライド可能に保持するための溝を有するスライド保持部12aを備える。スライド保持部12aを設けることで、可変プレート8の第2のプレート8cがスライド保持部12aに解除可能に係合して、ガイドレール12に沿ってスライド移動可能となる。
ガイドレール12はさらに、スライド保持部12aと一体的に形成された本体部12bを備える。本体部12bは、スライド保持部12aとともに横方向に延びる中空状の部材であり、前述した単クランプ16が取り付けられている。単クランプ16は、前述した足場における横単管13を把持するための部材である。単クランプ16を介して、ガイドレール12が横単管13に取り付けて固定される。
図1Bに戻ると、単クランプ16によって把持される横単管13は、鉛直単管14に取り付けられる。横単管13と鉛直単管14は例えば、自在クランプにより互いに固定される。図1Bに示す例では、鉛直単管14は横単管13よりも内側に、すなわち、横単管13とパネル4の間に配置される。このような鉛直単管14を配置するためのスペースを確保するために、ガイドレール12において前述した本体部12bが設けられている(図5(a)、5(b))。
図1Bに示すように、パネル構造体2はさらに、ガイドレール12と横単管13を固定するためのバンド20を備える。バンド20の詳細な構造を図6(a)―6(c)に示す。図6(a)に示すように、バンド20は、横単管13、ガイドレール12および可変プレート8の第1のプレート8aを挟んで掴むことができるように大略コの字型の断面を有する。バンド20はまた、図6(b)に示すように、2つのバンド部材20a、20bで構成されている。このように2つの部材で構成されることにより、バンド20の先端の開き角度を調整できるようにしている。第1のバンド部材20aおよび第2のバンド部材20bは、上下方向に対称的な外形を有する。
第1のバンド部材20aおよび第2のバンド部材20bのそれぞれの先端には、可変プレート8の第1のプレート8aに引っ掛かるための爪20c、20dがそれぞれ形成されている。さらに、第1のバンド部材20aおよび第2のバンド部材20bにおいて、爪20c、20dが設けられている端部とは逆側の端部はともに湾曲状に形成されている。第1のバンド部材20aおよび第2のバンド部材20bは、当該湾曲部において互いに接触するように配置される。当該湾曲部に関して、第1のバンド部材20aにはナット20eが取り付けられており、第2のバンド部材20bには長穴20fが設けられている。長穴20fは、第2のバンド部材20bにおいて長手方向に延びる長穴である。長穴20fは、第1のバンド部材20aのナット20eに挿通するためのボルト20gを通すための長穴である。長穴20fを介してボルト20gをナット20eに挿通した状態において、第1のバンド部材20aと第2のバンド部材20bをそれぞれの湾曲部にて接触させた状態において、互いに摺動させることができる。このように摺動させることにより、第1のバンド部材20aの爪20cと、第2のバンド部材20bの爪20dとの距離を変える、すなわち、バンド20の先端の開き角度を調整することができる。
このような構成において、パネル構造体2が設置される足場の場所によって高さの勾配は様々であり、図1Bに示す例では、横単管13が水平方向Bに対して角度α傾斜した方向に延びている。横単管13に平行に接続されるガイドレール12も同方向に傾斜する。本実施形態のパネル構造体2では、このような水平方向Bに対して傾斜したガイドレール12に保持されても、パネル4を鉛直方向Aに立てて配置できるように可変プレート8を設けている。具体的には、可変プレート8をガイドレール12にスライドさせて保持する前に、水平方向Bに対する可変プレート8の傾斜角度を調整する。これにより、ガイドレール12により可変プレート8を保持したときに、パネル4が鉛直方向Aに立つ(パネル4の縦方向が鉛直方向Aに一致する)ように配置することができる。以下、具体的なパネル構造体2の組立・設置方法について、図7のフローチャートに沿って説明する。
まず、複数のパネル4を準備する(ステップS1)。具体的には、図1A、1Bなどに示した略矩形状のパネル4を複数枚準備する。
次に、パネル4に枠体6を取り付ける(ステップS2)。具体的には、図2(a)―2(c)などに示した形状を有する枠体6をパネル4のそれぞれに1つずつ嵌合させる。例えば、複数のパーツに分割された枠体6をパネル4に取り付けてから各パーツを固定することで、枠体6における第1の溝6e内にパネル4を配置して枠体6に取り付ける。これにより、パネル4の周縁を囲むように枠体6をパネル4に取り付ける。
次に、枠体6に対して可変プレート8を取り付ける(ステップS3)。具体的には、図3(a)、3(c)などに示すように、枠体6における第2の溝6f内に可変プレート8の第1のプレート8aを配置する。その状態で、枠体6の長穴6c、6dにボルト10bを挿入し、第2の溝6f内に配置されている第1のプレート8aのナット10aに挿通する。このとき、ボルト10bは完全に締め付けずに、ボルト10bの頭を枠体6から離した状態に配置する。これにより、ボルト10bを長穴6c、6dに挿入した状態において、可変プレート8は長穴6c、6dを介して、パネル4の主面に平行な方向Rに回転可能に取り付けられる。このように、枠体6における向かい合う左右の辺6a、6bのそれぞれに可変プレート8の端部を取り付け、可変プレート8のそれぞれの左右端部の上下位置を可変に構成している。
次に、可変プレート8の傾斜角度を調整する(ステップS4)。具体的には、可変プレート8の左右端部の上下位置を変化させることにより、可変プレート8の水平方向Bに対する傾斜角度を調整する。本実施形態では、ボルト10bを長穴6c、6dに挿入した状態において長穴6c、6dに沿って上下方向に移動させることで、可変プレート8の傾斜角度を調整することができる。また本実施形態では、パネル4の主面に平行な方向Rに可変プレート8を回転可能に構成しており、可変プレート8の傾斜角度を調整することができる。
ここで、可変プレート8の傾斜角度を調整する方法について、図8を用いて説明する。図8に示すように、枠体6の縦方向を鉛直方向Aに維持しながら、枠体6に取り付けられている可変プレート8の左右端部の上下位置を変化させる。具体的には、可変プレート8の左端部の取付位置8dの上下位置を変化させるとともに、右端部の取付位置8eの上下位置を変化させる。このように可変プレート8の左右端部の上下位置を変化させることにより、可変プレート8の水平方向Bに対する傾斜角度θを調整することができる。このため、ガイドレール12の水平方向Bに対する傾斜角度αに応じて、可変プレート8の水平方向Bに対する傾斜角度θを一致するように調整することができるため、足場の勾配に応じてパネル4を所望の姿勢に配置することができる。
図2(d)に示したように、長穴6c、6dのそれぞれは、直線部18aと湾曲部18bを有する。このため、直線部18aにおいて可変プレート8を上下させることで可変プレート8の上下位置を調整できるだけでなく、湾曲部18bにおいて可変プレート8を回転させることで回転位置も調整することができる。長穴6c、6dの横幅は、長穴6c、6dに挿通されるボルト10bのねじ切り先端部の径よりもやや大きく設定されているため、ボルト10bが直線部18aを通過する場合であっても、上下方向だけでなく左右方向にもわずかに移動することができる。このことは、湾曲部18bを通過する場合も同様である。
次に、枠体6に対して可変プレート8を解除可能に固定する(ステップS5)。具体的には、ステップS4で調整した傾斜角度において、移動部10のボルト10bを締め付けることで、枠体6に対して可変プレート8を固定する。
次に、ガイドレール12により可変プレート8を保持する(ステップS6)。具体的には、水平方向Bに対して傾斜した状態で固定されたガイドレール12に対して、可変プレート8の第2のプレート8cをスライドさせて挿入し、ガイドレール12により保持する。ガイドレール12の長さは、可変プレート8の複数個分以上の長さに設定されているため、ガイドレール12に複数の可変プレート8をスライドさせて保持することができる。これにより、複数の枠体6および複数のパネル4を足場に固定することができる。ステップS4において、可変プレート8の傾斜角度を予め調整し、ガイドレール12により可変プレート8を保持したときにパネル4が鉛直方向Aに立つように調整している。このようにして、足場の勾配に応じてパネル4の姿勢を所望の姿勢に配置することができる。
次に、バンド20による固定を行う(ステップS7)。具体的には、図6(a)、6(b)に示したように、横単管13とガイドレール12と可変プレート8とを囲むようにバンド20で固定する。このとき、図6(b)に示すように、第2のバンド部材20bの長穴20fを介してボルト20gをナット20eに挿通した状態において、第1のバンド部材20aと第2のバンド部材20bとの相対的な位置を変えるように摺動させる。これにより、バンド20の先端の開き角度を調整し、横単管13、ガイドレール12および可変プレート8の第1のプレート8aを取り囲むようにバンド20を配置することができる。最終的にボルト20gを締め付けることにより、第1のバンド部材20aと第2のバンド部材20bとを相対的に固定する。
上述したステップS1−S7により、複数の可変プレート8およびガイドレール12を介して、複数のパネル4および複数の枠体6が横単管13および鉛直単管14に取り付けられて足場に固定される。このようにして、足場の端部において落下防止用の側壁として使用される複数のパネル4によるパネル構造体2を組み立てて設置することができる。
このような方法によれば、ガイドレール12が水平方向Bに対して傾斜している場合であっても、可変プレート8をガイドレール12により保持したときに、パネル4を鉛直方向Aに立たせることができる。具体的には、枠体6における可変プレート8の左右端部の上下位置を調整することで、ガイドレール12の水平方向Bに対する傾斜角度に応じて、可変プレート8の水平方向Bに対する傾斜角度を調整可能としている。このようにして、足場の勾配に応じてパネル4を所望の姿勢に配置することができる。また、足場の落下防止機構としてのパネル構造体2の安全性を向上させるとともに、パネル構造体2の外観を良好にすることができる。
なお、パネル構造体2の組立方法に関するステップS1−S7の順序は、図7のフローチャートで示した例に限られない。可変プレート8の傾斜角度を調整して、パネル構造体2と同様の構造を有するパネル構造体を形成することができれば、各ステップの順序を適宜入れ替えてもよい。また、必要に応じて各構成要素の数などを増減させてもよい。当該増減に応じて、各ステップS1−S7で各構成要素の数、あるいは各ステップの順序を適宜変更してもよい。
上述したように、本実施形態のパネル構造体2は、足場の端部において、落下防止用の側壁として使用される複数のパネル4によるパネル構造体2である。パネル構造体2は、複数のパネル4と、枠体6と、可変プレート8と、ガイドレール12と、を備える。複数のパネル4は、互いに横並びに配列される。枠体6は、パネル4の周縁を囲むようにそれぞれのパネル4に取り付けられる。可変プレート8は、枠体6における向かい合う左右の辺6a、6bのそれぞれに端部が取り付けられ、それぞれの左右端部の上下位置を可変に構成される。ガイドレール12は、足場において水平方向Bに対して傾斜した状態で固定され、複数の可変プレート8をスライド可能に保持する。可変プレート8の左右端部の上下位置を変化させることにより、ガイドレール12の水平方向Bに対する傾斜角度に応じて、可変プレート8の水平方向Bに対する傾斜角度を調整可能とした。このような構成によれば、ガイドレール12の水平方向Bに対する傾斜角度に応じて、可変プレート8の水平方向Bに対する傾斜角度を調整することにより、ガイドレール12が水平方向Bに対して傾斜する場合であっても、可変プレート8および枠体6を介して、複数のパネル4を所望の方向に配列することができる。これにより、足場の勾配に応じてパネル4を所望の姿勢に配置することができる。
また実施形態のパネル構造体2では、枠体6における向かい合う左右の辺6a、6bのそれぞれには、上下方向Aに延びるとともに可変プレート8の左右端部のそれぞれが取り付けられる長穴6c、6dが形成されている。また、可変プレート8は、枠体6の長穴6c、6dに挿入されて長穴6c、6dに沿って上下方向Aに移動可能な移動部10を備える。このような構成によれば、枠体6の長穴6c、6dと、長穴6c、6dに沿って移動可能な移動部10を用いて可変プレート8の左右端部の上下位置を可変に構成することにより、可変プレート8の左右端部の上下位置を簡易な方法で調整することができる。これにより、可変プレート8の傾斜角度を調整する際の作業性を向上させることができ、安全性を向上させることができるとともに、パネル4を所望の姿勢に容易に配置することができる。
また実施形態のパネル構造体2では、枠体6に設けられた長穴6c、6dは、上下方向Aに直線状に延びる直線部18aと、直線部18aから枠体6の内側に向かって横方向に湾曲するように延びる湾曲部18bとを有する。このような構成によれば、長穴6c、6dとして直線部18aおよび湾曲部18bを設けることで、可変プレート8の上下位置をより柔軟に調整することができ、パネル4をより所望の姿勢に配置することができる。
また実施形態のパネル構造体2では、移動部10は、枠体6の長穴6c、6dに挿入されるボルト10bであり、可変プレート8を枠体6に対して解除可能に固定する。移動部10としてこのようなボルト10bを用いることにより、ボルト10bを長穴6c、6dに通過させながら可変プレート8の傾斜角度を調整することができる。かつ、ボルト10bを締め付けることにより、枠体6に対して可変プレート8を解除可能に固定することができる。このような構成を採用することで、可変プレート8の傾斜角度を調整する際の作業性を向上させることができ、安全性を向上させることができるとともに、パネル4を所望の姿勢に容易に配置することができる。
また実施形態のパネル構造体2では、可変プレート8は、第1のプレート8aと、接続部(突出部)8bと、第2のプレート8cとを備える。第1のプレート8aは、枠体6に取り付けられる。接続部8bは、第1のプレート8aの面からパネルより離れる方向に突出する。第2のプレート8cは、第1のプレート8aの面に対して平行となるように接続部8bに固定される。第1のプレート8aの左右端部には移動部10が設けられ、第2のプレート8cは、ガイドレール12によりスライド可能に保持される。このような構成によれば、移動部10を取り付けるために第1のプレート8aを使用し、ガイドレール12にスライドさせて保持するために第2のプレート8cを使用している。このように、用途に応じて別々のプレートを使用することにより、パネル構造体2を足場に設置する際の作業性を向上させることができ、安全性を向上させることができる。
また実施形態のパネル構造体2では、枠体6は、横方向からの断面で見たときに、パネルが嵌合する第1の溝6eと、可変プレート8が嵌合する第2の溝6fとを形成する断面E字状の部分を有する。枠体6をこのような2段構造とすることで、パネル4への枠体6の取り付けおよび枠体6への可変プレート8の取り付けを容易に行うことができる。これにより、パネル構造体2を足場に設置する際の作業性を向上させることができ、安全性を向上させることができる。
上述したように、本実施形態のパネル構造体2の組立方法は、落下防止用の側壁として使用される複数のパネル4によるパネル構造体2の組立方法である。当該組立方法は、複数のパネル4を準備するステップを含む。当該組立方法は、パネル4の周縁を囲むようにそれぞれのパネル4に枠体6を取り付けるステップを含む。当該組立方法は、枠体6における向かい合う左右の辺6a、6bのそれぞれに可変プレート8の端部を取り付け、可変プレート8のそれぞれの左右端部の上下位置を可変に構成するステップを含む。当該組立方法は、可変プレート8の左右端部の上下位置を変化させることにより、可変プレート8の水平方向Bに対する傾斜角度を調整するステップを含む。当該組立方法は、足場において水平方向Bに対して傾斜した状態で固定されたガイドレール12に、複数の可変プレート8をスライドさせてガイドレール12により保持するステップを含む。このような方法によれば、ガイドレール12の水平方向Bに対する傾斜角度に応じて、可変プレート8の水平方向Bに対する傾斜角度を調整することにより、ガイドレール12が水平方向Bに対して傾斜する場合であっても、可変プレート8および枠体6を介して、複数のパネル4を所望の方向に配列することができる。これにより、足場の勾配に応じてパネル4を所望の姿勢に配置することができる。
また実施形態のパネル構造体2の組立方法では、枠体6における向かい合う左右の辺6a、6bのそれぞれに、上下方向Aに延びるとともに可変プレート8の左右端部のそれぞれが取り付けられる長穴6c、6dが形成された枠体6を用いる。また、枠体6の長穴6c、6dに挿入されて長穴6c、6dに沿って上下方向Aに移動可能な移動部10を備える可変プレート8を用いる。このような方法によれば、枠体6の長穴6c、6dと、長穴6c、6dに沿って移動可能な移動部10を用いて可変プレート8の左右端部の上下位置を可変に構成することにより、可変プレート8の左右端部の上下位置を簡易な方法で調整することができる。これにより、可変プレート8の傾斜角度を調整する際の作業性を向上させることができる。また、安全性を向上させることができるとともに、パネル4を所望の姿勢に容易に配置することができる。
また実施形態のパネル構造体2の組立方法では、枠体6に設けられる長穴6c、6dとして、上下方向Aに直線状に延びる直線部18aと、直線部18aから枠体6の内側に向かって横方向に湾曲するように延びる湾曲部18bとを有した長穴6c、6dを用いる。このような方法によれば、長穴6c、6dとして直線部18aおよび湾曲部18bを設けることで、可変プレート8の上下位置をより柔軟に調整することができ、パネル4をより所望の姿勢に配置することができる。
また実施形態のパネル構造体2の組立方法では、可変プレート8の移動部10として、枠体6の長穴6c、6dに挿入されて、枠体6に対して可変プレート8を解除可能に固定するボルト10bを用いる。移動部10としてこのようなボルト10bを用いることにより、ボルト10bを長穴6c、6dに通過させながら可変プレート8の傾斜角度を調整することができる。かつ、ボルト10bを締め付けることにより、枠体6に対して可変プレート8を解除可能に固定することができる。このような構成を採用することで、可変プレート8の傾斜角度を調整する際の作業性を向上させることができ、安全性を向上させることができるとともに、パネル4を所望の姿勢に容易に配置することができる。
また実施形態のパネル構造体2の組立方法では、可変プレート8として、第1のプレート8aと、第1のプレート8aの面からパネルより離れる方向に突出する接続部(突出部)8bと、第1のプレート8aに対して平行となるように接続部8bに固定された第2のプレート8cとを備える可変プレート8を用いる。また、可変プレート8の左右端部を枠体6に取り付けるステップは、可変プレート8の第1のプレート8aの左右端部に設けられた移動部10を枠体6に取り付けるステップを含む。また、可変プレート8をガイドレール12により保持するステップは、可変プレート8の第2のプレート8cをガイドレール12にスライドさせて保持するステップを含む。このような方法によれば、移動部10を取り付けるために第1のプレート8aを使用し、ガイドレール12にスライドさせて保持するために第2のプレート8cを使用している。このように、用途に応じて別々のプレートを使用することにより、パネル構造体2を足場に設置する際の作業性を向上させることができ、安全性を向上させることができる。
また実施形態のパネル構造体2の組立方法では、枠体6として、横方向からの断面で見たときに、パネルが嵌合する第1の溝6eと、可変プレート8が嵌合する第2の溝6fとを形成する断面E字状の部分を有する枠体6を用いる。枠体6をこのような2段構造とすることで、パネル4への枠体6の取り付けおよび枠体6への可変プレート8の取り付けを容易に行うことができる。これにより、パネル構造体2を足場に設置する際の作業性を向上させることができ、安全性を向上させることができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、実施形態では、可変プレート8が、枠体6において左右に対向する辺6a、6bに設けられた一対の長穴6c、6dを介して回転可能である場合について説明したが、このような場合に限らない。長穴6c、6d以外の機構によって、可変プレート8が枠体6に回転可能な状態で取り付けられてもよい。
また実施形態では、長穴6c、6dの形状が直線部18aと湾曲部18bとで構成される場合について説明したが、このような場合に限らない。可変プレート8の左右端部の上下位置を可変に構成できれば、任意の形状(例えば、縦方向に延びた直線部のみによる形状)であってもよい。
また実施形態では、枠体6の形状として、図2、3に示すような断面E字状部分を有する形状である場合について説明したが、このような場合に限らない。パネル4の周縁を囲むとともに、可変プレート8の左右端部の上下位置を可変に構成することができれば、任意の形状であってもよい。
また実施形態では、可変プレート8の形状として、第1のプレート8aと、接続部8bと、第2のプレート8cとを有する形状である場合について説明したが、このような場合に限らない。可変プレート8は、左右端部の上下位置を可変な状態で枠体6に取り付けられると共に、ガイドレール12にスライドさせて保持することができれば、任意の形状であってもよく、1枚のプレートで構成されてもよい。