本発明を適用したパチンコ機を説明する。本パチンコ機は、機台内に所定数の遊技球を封入せしめ、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、入賞した遊技球(入賞球)、入賞しなかったアウト球に関わらず発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の遊技球を循環的に使用して遊技を行う構成である。
また、パチンコ機1は、遊技が行われた結果に基づいて、射幸性の度合いを示す遊技性能を演算する機能を備えている。パチンコ機1は、所定の演算実行条件を満たす場合に、所定の性能評価期間における遊技性能を演算する。そして、パチンコ機1は、演算結果に基づいて遊技性能を表示し、これを不正の調査等を行う調査員に示す。
図1乃至図3に示すように、パチンコ機1は、遊技店に設置され、遊技者が遊技可能な遊技機である。パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部が保持されている。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジを介して、内枠(遊技機枠ともいう)3(図3参照)が開閉可能に設けられている。また、内枠3の前面には、前枠(ガラス枠)11が、内枠3に対して開放可能に取り付けられている。前枠11には、上半部を占める開口部に、図示しない板ガラスが脱着可能に設けられている。更に、前枠11の開口部の奥側(後側)には、内枠3に取り付けられた遊技盤2が配置されている。尚、これら内枠3及び前枠11は、シリンダ錠により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠に所定の鍵を挿入し、鍵を一方の方向に回動操作して内枠3を開放するようになし、逆方向に回動操作することにより前枠11を開放可能である。
前枠11の上端部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113が複数配置されており、発光によって遊技の趣向性を向上させる。更に、前枠11の下端部中央部分には、管理ユニット60のユニット表示装置61が脱着可能に取り付けられる取付部111(図2参照)が設けられている。そして、この取付部111の右方に、発射ハンドル12が配設されている。発射ハンドル12は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、発射装置31(図3参照)を稼働させて、遊技球を遊技盤2の遊技領域に向かって発射する。
また、前枠11には、開口部の下縁に沿う部位で、取付部111(ユニット表示装置61)の直上部位に、遊技可能な持球数を表示する持球数表示装置14、後述する枠制御装置41側で保有する持球数情報を管理ユニット60側へ移すための計数スイッチ15、及び遊技性能の演算が終了したことを示す終了報知表示装置17が配設されている。終了報知表示装置17は、7セグメントLED表示器で構成されている。
更に、前枠11には、計数スイッチ15の左方に、遊技者が操作可能な遊技ボタン16が配設されている。
パチンコ機1の左方には、ICカードの読み書きなどを行う管理ユニット60が隣接されている。管理ユニット60は、ICカードを挿入及び取り出し可能なカード挿入口601と、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口602とを備えている。また、管理ユニット60には、その下部から右方へ突出するように、ユニット表示装置61が設けられている。ユニット表示装置61は、前枠11の取付部111に脱着可能に設けられており、管理ユニット60がパチンコ機1の左方に隣接された状態で、取付部111を覆うように取り付けられる。ユニット表示装置61は、タッチパネル式のLCD画面を備え、LCD画面に、カード挿入口49に挿入されたICカードのクレジット残高(又は、クレジット残高内で貸出可能な遊技球数)などが表示される。そして、このクレジット残高(又は、貸出可能な球数)は、遊技球の貸出や返却に応じて更新される。
遊技盤2について説明する。遊技盤2には、図略のガイドレールによって囲まれた略円形の遊技領域20が設けられ、該遊技領域20には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が配置されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
遊技領域20のセンターケース200の左横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動ゲート22が設けられている。
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が配置されている。
遊技領域20のセンターケース200の右横位置には、左横と同様の普図作動ゲート22が設けられている。更、にその直下位置には、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。第2特図始動口24は、チューリップ式の開放部材により開放可能に構成されている。第2特図始動口24は、前記普図の抽選で当りとなり、普通電動役物が作動することで、開放部材が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放部材の開放時にのみ入球(入賞)可能である。
遊技領域20の下端部中央で、第1特図始動口23の直下位置には、開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。大入賞口25は、特別電動役物が作動することで、その開閉板が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放板の開放時にのみ入球(入賞)可能である。尚、第1特図又は第2特図の当否判定で大当りとなると、役物連続作動装置が作動し、役物連続作動装置が作動することで、特別電動役物が連続して作動する。これにより大入賞口25が連続して開放される。
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口27が配されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。アウト口203には、発射された遊技球のうち、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口26の何れにも入球(入賞)しなかった遊技球が取り込まれる。
遊技盤2の右下端部には、遊技領域20の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29、普図保留数表示装置291及び賞球数表示装置205が配置されている。
パチンコ機1の裏面側には、遊技盤2を脱着可能に取付けられる内枠3が外枠10に収納されている。内枠3の上部には、遊技盤2の遊技領域20へ遊技球を発射する発射装置31が配設されている。発射装置31により発射された遊技球は、遊技領域20の左上部から遊技領域20内に飛び出して、遊技領域20を流下する。また、内枠3の下部には、遊技領域20へ発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を研磨する球研磨装置35が設置されている。この球研磨装置35は、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、各一般入賞口27、及びアウト口203等と、図示しない回収路を介して連通されている。これら第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、各一般入賞口27、及びアウト口203等に入球した遊技球が回収路を通って送られてくる。
また、内枠3には、球研磨装置35で研磨された遊技球を発射装置31へ送る揚送装置33が上下方向に沿って配設されている。こうした発射装置31、回収路、球研磨装置35、及び揚送装置33によって、遊技球を循環させる構成が設けられている。すなわち、発射装置31から遊技領域20へ発射された遊技球は、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、各一般入賞口27、及びアウト口203等のいずれかに入球した後に、回収路から球研磨装置35へ送られ、さらに揚送装置33を介して再び発射装置31へ供給される。尚、発射装置31、回収路、球研磨装置35、及び揚送装置33は、周知の構成のものを適用できることから、その詳細な説明を省略する。
パチンコ機1の裏面側には、遊技機全体の制御を司る主制御装置40、主制御装置40の指示に応じて二次的な制御を行う遊技機枠制御装置41(単に、枠制御装置という)、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、電源装置(図略)が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2側に設置され、枠制御装置41、電源装置は内枠3側に設置されている。
枠制御装置41には、遊技性能を表示する性能表示装置48(特許請求の範囲に記載の演算結果表示手段に相当する)が設けられている。性能表示装置48は、遊技者が遊技中に視認不可能な位置に配置されている。性能表示装置48は、4つの7セグメントLED表示器を並設した構成で、4桁の簡素な文字、数字を表示可能に構成されている。性能表示装置48は、遊技性能を表示する表示態様として、演算結果(遊技性能)をそのまま表示、演算結果が所定値を超えているか否かを示す表示、演算結果及び演算結果が所定値を超えているか否か(達しているか否か)を示す表示の3種類の表示態様の何れかを表示する構成である。
図4に示すように、封入式のパチンコ機1は、主制御を含む遊技盤2側の構成と、枠制御を含む内枠3(単に、枠ともいう)側の構成とに区分される。
遊技盤2側は、遊技領域を備えた遊技盤本体2、主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43で構成されている。更に、遊技盤2側の構成は、第1特図始動口23や第2特図始動口24や大入賞口25や各一般入賞口27及びアウト口203等の入球を検出する入賞検出機構71、遊技領域20の遊技釘と風車等72、その他の演出用装置73で構成されている。
枠3側の構成は、枠制御装置41、発射装置31、電源装置、球研磨装置35、揚送装置33、持球数表示装置14、前枠11、夜間監視装置、その他の演出用装置73で構成されている。
このように構成されたパチンコ機1は、パチンコ機1を入れ換えする際に、遊技盤2側のみを交換する「面換え」を行うのに好適である。
図5はパチンコ機1の電気的構成を示すブロック図で、パチンコ機1は、遊技全体の制御を司る主制御装置40を中心に、枠制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。尚、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。
主制御装置40、枠制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して、ROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40は各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備えている。
枠制御装置41は、遊技性能に関する情報、遊技者の持球数情報、及びクレジット残高に関わる情報などを扱うことから、万が一、電源供給が遮断された場合にもこれら情報を保持できるように、不揮発性メモリ(フラッシュメモリや不揮発性RAMなど)が好適に用いられ得る。これにより、電源供給が遮断された場合にも、遊技者が不利益を被る可能性を低減できる。
主制御装置40は、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502と電気的に接続され、各スイッチの検出信号が入力される。また、主制御装置40には、遊技盤中継端子板521を介して、第1特図始動口23に入球した遊技球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口24に入球した遊技球を検出する第2始動口SW504、普図作動ゲート22を通過した遊技球を検出する普通図柄作動SW505、各一般入賞口27に入球した遊技球を夫々検出する一般入賞口SW506、大入賞口25に入球した遊技球を計数するためのカウントSW507、磁気を検知する磁石センサ508、電波を検知する電波センサ509等からの検出信号が入力される。
主制御装置40は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを枠制御装置41及びサブ統合制御装置42へ出力する。また、主制御装置40は、図柄表示装置中継端子板522を介して、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、及び普通図柄表示装置29の表示制御を行うと共に、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、及び普図保留数表示装置291の点灯制御を行う。さらに、主制御装置40には、遊技盤中継端子板521を介して、大入賞口ソレノイド510及び普電役物ソレノイド511も接続されている。主制御装置40は、大入賞口ソレノイド510を制御することで大入賞口25の開閉を制御し、普電役物ソレノイド511を制御することで第2特図始動口24の開閉を制御する。
また、主制御装置40は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を出力し、これらの出力信号は、枠制御装置41から管理ユニット60を介してホールコンピュータ500に送られる。更に、主制御装置40は、遊技盤中継端子板521を介して賞球数表示装置205が接続されており、賞球数の表示制御を行う。尚、この賞球数表示装置205により、夫々の入賞口(第1特図始動口、第2特図始動口、一般入賞口、大入賞口など)に入賞することで発生した賞球数を、遊技者が把握し易い。但し、封入式遊技機では、枠制御装置41により表示制御される持球数表示装置14を備えており、該表示装置14で賞球数を把握することも可能であるから、賞球数表示装置205は必須のものではない。
主制御装置40と枠制御装置41とは、主制御装置40から枠制御装置41への一方向のみで通信可能に接続されている。即ち、主制御装置40から枠制御装置41へ向けて信号を送信可能で、該信号を枠制御装置41が受信可能である一方、枠制御装置41からは、主制御装置40へ向けて信号を送信不能である。そのため、本実施例の構成では、枠制御装置41で管理または制御する情報(遊技球の発射や循環などに関する情報)を、主制御装置40へ送信できない。そして、遊技進行の全般を統括する主制御装置40は、外部から一切信号を入力することができない(遊技に関する入賞情報や、上述した各種SWからの入力は除く)。これにより、遊技性能に影響を与えようとするような不正な信号を主制御装置40に入力させることを、構造的に排除でき、極めて不正に強い(不正され難い)構成となっている。尚、主制御装置40は、遊技の性能に影響を与えるおそれがある信号、遊技の結果に影響を及ぼすおそれがある信号でなければ、枠制御装置41から送られた信号を受信できる構成でもよい。例えば、主制御装置40から枠制御装置41へ発信された信号が、枠制御装置41で受信され、枠制御装置41からの受信を示す信号等であれば受信するようにしてもよい。
主制御装置40は、枠制御装置41へ通信を行う場合、主制御装置40のCUPの固有の識別記号の情報(主固有ID、特許請求の範囲に記載の識別記号を示すデータに相当する)、入賞の情報、賞球数の情報、及び確変や大当り遊技といった遊技状態の情報を示す信号を送信可能である。
枠制御装置41について説明する。枠制御装置41は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作し、主制御装置40からのコマンドに応じた二次的な制御として、発射装置31、揚送装置33、球研磨装置35等の制御を行う。
枠制御装置41は、遊技が行われた遊技結果を記憶する遊技結果記憶装置(特許請求の範囲に記載の遊技結果記憶手段に相当する)を備えている。遊技結果記憶装置は、不揮発性メモリである。尚、揮発性メモリでもよいが、この場合、バックアップ電源が必要である。
また、枠制御装置41は、遊技性能を演算する遊技性能演算装置(特許請求の範囲に記載の遊技性能演算手段に相当する)を備えている。遊技性能演算装置は、遊技が進行して、所定の演算実行条件を満たす場合に、所定の性能評価期間における遊技性能を、記憶された遊技結果に基づいて演算する。遊技性能演算装置は、例えば、通常状態におけるベース値を算出する。この場合、通常状態のベース値は、主制御装置40から通常状態であることを示されているときに(通常状態を示す信号を受信しているとき)、発射装置31へ遊技球を送る減算センサ544による遊技球の検知、又は入賞球センサ555とアウト球センサ556とによる遊技球の検知によって、発射された遊技球の数を確認し、この発射数と、主制御装置40からの賞球数情報に示された賞球数とにより算出される。ここで、発射数は1分間で概ね100個であることから、例えば、約10時間で発射される60000個を発射したときのベース値を、確定した値として用いることが望ましい。
また枠制御装置41には、遊技球等貸出装置531を介して管理ユニット60が通信可能に接続されている。そして、管理ユニット60のユニット表示装置61とも通信可能に接続されており、枠制御装置41には、ユニット表示装置61に設けられた返却SW611及び貸出SW612から夫々の信号が入力される。枠制御装置41は、管理ユニット60に挿入されたICカードに記憶されるクレジット残高や持球数情報の把握、貸出SW612から受信した貸出信号に応じた持球数の設定、返却SW611から受信した返却信号に応じたクレジット残高の返却処理、枠制御装置41側で管理していた持球数を計数SW15の操作に応じてICカードに記憶させる持球数移動処理などを行う。また、枠制御装置41は、管理ユニット60を介してホールコンピュータ500と通信可能に接続されており、パチンコ機1の遊技情報をホールコンピュータ500に送信する。
また、枠制御装置41は、操作部中継端子板532を介して、計数SW15、持球数表示装置14及び終了報知表示装置17が接続されている。枠制御装置41は、計数SW15の操作信号が入力されると共に、持球数表示装置14及び終了報知表示装置17を表示制御する。尚、持球数表示装置14は、枠制御装置41側で遊技者が保有している持球数(遊技者が遊技に使用可能な遊技球の球数)を、表示するものであり、発射装置31の発射による減算と、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、及び一般入賞口27への入球による夫々の賞球数の加算とによって随時更新される持球数を、リアルタイムで表示する。
ここで、持球数の減算について説明する。枠制御装置41は、発射装置中継端子板534を介して、発射装置31の減算センサ544が接続されている。減算センサ544は、発射装置31の発射位置に送られた遊技球を検知するものであり、遊技球の検知信号を出力する。この検知信号に応じて持球数が減算される。この場合、発射装置31において発射位置に送られた遊技球は必ず発射される構成であり、減算センサ544で検知された遊技球は確実に発射されたものとして減算される。尚、減算センサとしては、実際に発射された遊技球を検知する構成でもよい。
一方、賞球数の加算は、主制御装置40からの信号に基づいて加算される。
枠制御装置41には、発射操作部中継端子板533を介して、ハンドルボリューム541から発射ハンドル12の回動量信号、発射停止SW543から発射停止信号、及びタッチSW542からタッチ信号が夫々入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル12を回動操作することで出力される。タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル12を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止SW543を押し操作することで出力される。尚、タッチ信号が入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル12を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
また、枠制御装置41は、発射装置中継端子板534を介して、発射入口センサ545、発射モータ561、及び球送りソレノイド562が接続されている。発射入口センサ545は、揚送装置33から発射装置31に供給される遊技球を検知するものであり、該遊技球の検知信号を出力する。
そして、枠制御装置41は、ハンドルボリューム541、発射停止SW543、タッチSW542、減算センサ544、及び発射入口センサ545から送信される各信号に基づいて、発射モータ561及び球送りソレノイド562を駆動制御して遊技球を発射または停止させる。
更に、枠制御装置41は、研磨装置中継端子盤535を介して、カセットSW546、研磨モータセンサ547、カセットモータ563、及び研磨モータ564が接続されている。枠制御装置41は、カセットSW546と研磨モータセンサ547とからの検知信号に基づいて、カセットモータ563と研磨モータ564とを駆動制御することで、球研磨装置35を駆動させる。尚、球研磨装置35は、消耗品であることから、カセット形式の構造として、取り替えを容易にしている。
また、枠制御装置41は、揚上中継端子板536を介して、揚上入口センサ549、揚上モータ監視センサ551、及び揚上モータ565が接続されている。枠制御装置41は、揚上入口センサ549及び揚上モータ監視センサ551からの検知信号に基づいて揚上モータ565を駆動制御することで、揚送装置33を駆動させる。
更にまた、枠制御装置41は、内枠中継端子板537を介して、適正量センサ552、満タンセンサ553、夜間監視SW554、入賞球センサ555、及びアウト球センサ556が接続されており、これら各センサやSWからの信号が入力される。適正量センサ552は、機台の内部で循環させる遊技球の適正量を検知するものである。入賞球センサ555は、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、及び一般入賞口27の各入賞口と球研磨装置35とを連通する回収路に配設されており、これら各入賞口に入賞した遊技球を検知するものである。アウト球センサ556は、アウト口203と球研磨装置35とを連通する回収路に配設されており、アウト口203に入球した遊技球を検知するものである。
サブ統合制御装置42は、主制御装置40から送信されたデータ及びコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置43へ送信し、音制御用及びランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ112から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ113を発光制御する。尚、サブ統合制御装置42と主制御装置40との間は、主制御装置40からサブ統合制御装置42への一方向通信のみの回路として構成されている。
更に、サブ統合制御装置42には、遊技ボタン16やジョグダイヤル等の操作を夫々検出するSWが接続されており、各SWが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。
演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送信されたデータ及びコマンド(主制御装置40から送信されたものと、サブ統合制御装置42で主制御装置40からの入力及び遊技ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、擬似演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置21の画面に表示する。
管理ユニット60は、カード挿入口601に挿入されたICカードに対して、クレジット残高や該ICカードで保有する持球数などの情報を読み取り及び書き込みする処理を行う。そして、ICカードから読み取った情報を、枠制御装置41へ送信する。これにより、枠制御装置41は、クレジット残高や貸出可能な球数などの情報を、遊技の進行に従って適宜更新して管理すると共に、ユニット表示装置61でクレジット残高や貸出可能な球数を表示する。更に、遊技終了の際には、精算された持球数を、枠制御装置41から管理ユニット60へ送信し、ICカードの情報を更新する。
パチンコ機1は、管理ユニット60及びホールコンピュータ500を介して、外部に設けられた第三者管理の管理センタと広域ネットワークにより接続されている。そして、各パチンコ機は、管理センタにおいて、メーカーからの出荷情報、設置された遊技店の情報、遊技店間での移動情報、廃棄情報等が管理され、不正な使用や不正な改造などを防ぐ監視が行われている。このため、パチンコ機1は所謂、管理遊技機である。尚、不正の調査等を行う調査員が属する組織と、第三者が管理する管理センタの組織とは異なる場合が多い。また、両者が同一組織の場合もある。
不正行為を監視する構成についての概略を説明する。パチンコ機1は、管理センタにて不正行為が監視されている。不正行為の監視にあたり、パチンコ機1は、主制御装置40のCUPに固有の識別記号(主固有ID)が割り当てられ、枠制御装置41のCUPに固有の識別記号(枠固有ID)が割り当てられている。そして、管理センタは、主固有ID及び枠固有IDを用いて、遊技機メーカーから出荷情報、及び各遊技店が有する全てのパチンコ機の情報を管理し、遊技店において登録されていない主制御装置や枠制御装置を監視(不正基板の監視)する。
図6及び図7に示すように、パチンコ機1は、電源投入時などの所定条件の成立時に、主制御装置40から枠制御装置41へ主固有IDを送信する。これに応じて、枠制御装置41は、主固有IDと自身の枠固有IDとを遊技球等貸出装置531へ送信する。遊技球等貸出装置531は、受信した主固有IDと枠固有IDとを管理ユニット60へ送信する。更に、管理ユニット60から送信された主固有ID及び枠固有IDなどの遊技機情報は、ホールコンピュータ500を経て、専用回線やインターネット等の公衆回線を介して遊技店外部の管理センタ800へ送信される。
図6及び図8に示すように、管理センタ800は、遊技店からの遊技機情報を受信すると、遊技店で登録された主固有ID及び枠固有IDを含む情報であるか判定し、正規の情報であれば認証されたことを示す情報を遊技店へ送信する。遊技店では、認証等の情報がホールコンピュータ500から各パチンコ機1の管理ユニット60へ送信される。パチンコ機1では、認証情報が、管理ユニット60から遊技球等貸出装置531を介して枠制御装置41へ送信される。枠制御装置41は、受信した認証の結果に応じ、認証されれば遊技を開始可能とする。認証されなければ、遊技を不能にする。
尚、認証は、主制御装置の主固有IDと枠制御装置の枠固有IDの両者が認証されることが望ましいが、主制御装置の主固有IDのみが認証される構成でもよい。
また、主制御装置と遊技球等貸出装置とが双方向に通信可能なパチンコ機であれば、図9に示すように、認証の結果が、管理ユニット60から遊技球等貸出装置531を介して主制御装置40へ送信される構成でもよい。更に双方向通信であれば、主制御装置と枠制御装置とで、互いに相手の固有IDを確認するようにしてもよい。また、管理ユニットや管理センタとの関連性を持たずに、主制御装置と枠制御装置とで固有IDを確認する構成でもよい。
管理センタ800は、不正基板の監視の他、パチンコ機1の発射球数、賞球球数や遊技状態などの情報を受信し、不正行為を監視する機能、ならびに各種遊技情報を一括管理する。
また、各パチンコ機1の管理ユニット60に、パチンコ機1の発射球数、賞球球数や遊技状態などの情報に基づいて不正行為を監視する機能、不正基板の監視機能を搭載してもよい。この場合、管理ユニット60と管理センタ800とで、セキュリティ情報を共有して不正改造を防止するために、管理ユニット60と管理センタ800との不正監視機能を照合することが望ましい。
認証後のパチンコ機1の遊技について説明する。
パチンコ機1は、普図作動ゲート22に遊技球が入球すると、普通図柄表示装置29で普図が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、当選であれば普通電動役物が作動する。これにより普電役物ソレノイド511を駆動させ、開放部材を開放して第2特図始動口24への入球が可能となる。尚、パチンコ機1では、第2特図始動口24の開放時間は、通常時は0.2秒(1回)で、遊技者にとって有利な時短状態(開放延長)では2秒(1回)である。また、第2特図始動口24は、普通電動役物が作動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっている。
第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第1特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第1特図表示装置28Aにおいて第1特図が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第2特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第2特図表示装置28Bにおいて第2特図が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
尚、第1特図と第2特図の当否判定は、第1特図始動口23と第2特図始動口24への入球順に関係なく、第2特図の当否判定を優先して実施する。具体的には、第1特図の保留記憶がある場合、第2特図の変動が停止し且つ第2特図の保留記憶が無い状態となってから、第1特図の保留記憶分の当否判定を実施する。
第1特図及び第2特図の変動表示、確定表示は、遊技盤2の隅に小さく表示されるだけであるので、遊技領域20の中央に設けられた演出図柄表示装置21にて第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄を用いた疑似演出表示を行い、疑似演出表示にて当否判定の結果を遊技者に報知することが行われている。例えば、疑似演出表示では、三つの疑似演出図柄を変動させ、三つの図柄が同一図柄で停止すると大当りとなるように構成されている。疑似演出表示としては二つの図柄が同じ図柄で停止するリーチ演出が実施され、残りの変動中の図柄が同じ図柄で停止するか否かで遊技者の期待感を高めることが行われている。
第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じ、大当り(当選)であれば、所定の開放態様にて大入賞口25を開放し、大入賞口25への遊技球の入球が可能となる大当り遊技が実施される。尚、大当り遊技として、所定の開放態様で大入賞口25を開放するラウンド遊技を5ラウンド行う5R大当り遊技と、10ラウンド行う10R大当り遊技と、15ラウンド行う15R大当り遊技とから何れか一つの遊技が選択される。
パチンコ機1は確率変動機として構成されている。具体的には、パチンコ機1による遊技は、大入賞口25を閉鎖した遊技状態と、大入賞口25を開放する大当り遊技状態とに大別される。更に、大入賞口25を閉鎖した遊技状態は、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常遊技状態)と、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)となる高確率遊技状態(以下、確変遊技状態とも記載する)とが存在する。
第1特図及び第2特図の大当り図柄は確変図柄及び非確変図柄とからなり、確変遊技状態は確変図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定されている。確変遊技状態へは、通常遊技状態、確変遊技状態のいずれの遊技状態でも確変図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確変遊技状態に移行する。同様に通常遊技状態は非確変図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定されている。通常遊技状態は、通常遊技状態、確変遊技状態のいずれの遊技状態でも非確変図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後に移行する。
通常遊技状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、かつ第2特図始動口24の開放が延長される時短状態となる。第1特図、第2特図及び普図の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、時短状態では、第1特図及び第2特図の変動時間の短縮とともに、普図表示装置28に表示される普図の時間短縮も行われるが、この普図の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回の普図の確定表示を行う。従って、一定時間内での普図が当りとなる回数が増大し、これにより第2特図始動口24の開放回数も増大する。また、第2特図始動口24の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特図の変動表示回数が更に増大されるとともに、第2特図始動口24の入賞で得る賞球により、遊技者の持ち球が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、確変遊技状態では、時短状態と同様に第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、第2特図始動口24の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と第2特図始動口24の開放延長機能に関する設定は時短状態と同一であるが、確変遊技状態は時短状態に加えて特図の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
図10は、パチンコ機1の基本的仕様を示す。
パチンコ機1の遊技状態が通常遊技状態(低確率)である場合の大当り確率は1/300、確変遊技状態(高確率)である場合の大当り確率は1/30に設定されている。大当り遊技終了後に確変遊技状態へ突入する確率は、60%に設定されている。
賞球数について説明する。第1特図始動口23、第2特図始動口24に遊技球が1個入球すると、3個の遊技球が賞球として遊技者の持球数に加算されるように設定されている。また、各一般入賞口27に遊技球が1個入球すると、10個の遊技球が賞球として持球数に加算されるように設定されている。尚、各一般入賞口の賞球は夫々異なっていてもよい。大入賞口25に遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が賞球として持球数に加算される。また、第2特図始動口24の規定入賞数は4個、大入賞口25の規定入賞数は10個に設定されている。
普図の当選確率について説明する。通常の普図の当選確率は1/6に設定されている。一方、開放延長の普図の当選確率は5/6に設定されている。通常の第2特図始動口24の開放時間は、0.2秒を1回、開放延長では2秒を1回に設定されている。
大当り遊技の内容及び大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は3種類存在する。一つは15Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に15R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は30%である。
もう一つは10Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に10R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は30%である。
また、もう一つは5Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に時短状態が100回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に5R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に時短状態へ移行する確率は40%である。
第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は3種類存在する。一つは15Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に15R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は40%である。
もう一つは10Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に10R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は20%である。
また、もう一つは5Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に時短状態が100回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に5R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に時短状態へ移行する確率は40%である。
次に、パチンコ機1の遊技に関する動作を、主制御装置40及びサブ統合制御装置42等で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図11は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、CPUにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行してよいのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるCPUの暴走等が考えられるが、CPUの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えてよいので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
ここで正常割り込みでないとの否定判断(S100:no)ならS115の処理において初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値の書き込み、普図及び特図を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)を実行する。前記正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
前記S100の処理において正常割り込みとの肯定判断がなされると(S100:yes)、S101の初期値乱数更新処理が実行される。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に「1」を加算するが、この処理を実行する前の乱数が「最大値」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「最大値」までの整数を繰り返し昇順に作成する。
続く大当り決定用乱数更新処理(S102)では、前記初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理であり、「最大値」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「最大値」までの整数を繰り返し昇順に作成する。尚、大当り決定用乱数の最初の値は、前記初期値乱数更新処理(S101)で設定(作成)された値となる。この値が「150」であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「最大値」「0」「1」・・・と更新されていく。
尚、大当り決定用乱数の更新が一巡すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から「1」を加算していく。そして、再び大当り決定用乱数の更新が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前記の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「最大値」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
続く大当り図柄決定用乱数更新処理(S103)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く当り決定用乱数更新処理(S104)は、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
リーチ判定用乱数更新処理(S105)は、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
変動パターン決定用乱数更新処理(S106)は、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は、特図の当否判定に使用される。
続く入賞確認処理(S107)では、第1特図始動口23、第2特図始動口24の入球(入賞)確認、普図作動ゲート22の遊技球の通過の確認、大入賞口25の入球(入賞)確認、一般入賞口27の入球(入賞)確認、及び主制御装置40に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
遊技球が第1特図始動口23、第2特図始動口24に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得される。だが、第1特図始動口23の入球に基づく第1特図の保留記憶、第2特図始動口24の入球に基づく第2特図の保留記憶は最大数がそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンであるときに遊技球が第1特図始動口23又は第2特図始動口24に入球しても賞球が遊技者の持球数に加算されるだけで、保留記憶されない構成になっている。
次の当否判定処理(S108)では、普図及び特図のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。
続く各出力処理(S109)では、遊技の進行に応じて主制御装置40は、枠制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、大入賞口ソレノイド510、普電役物ソレノイド511等に対して各々出力処理を実行する。入賞確認処理(S107)により遊技盤2上の各入賞口(第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27)に遊技球の入球があることが検知されたときには、入球が検知された入賞口に応じた数の賞球を遊技者の持球数に加算させるために、賞球のデータが含まれる信号を枠制御装置41に送信する処理を実行する。また、主制御装置40は、入賞確認処理(S107)により遊技盤2上の各入賞口(第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27)に遊技球の入球があることが検知され、入球が検知された入賞口に応じた数の賞球を持球数に加算させることを決定した段階で、賞球の数を主制御装置40のRAMの記憶領域に累積する構成となっている。
また、各出力処理(S109)では、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置42に出力する処理を、パチンコ機1に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置43にエラー信号を出力する処理も実行する。
続く不正監視処理(S110)は、一般入賞口27に対する不正が行われていないか監視する処理である。本処理は、所定時間(例えば、60秒)内における一般入賞口27に入球した遊技球の数が予め決定された規定数(例えば、10個)よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。
メインルーチンの本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S111)から構成されるが、前述したS101と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS100〜S110までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、第1特図又は第2特図の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、前記割り込み処理(S100)が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。尚、前記当り決定用乱数更新処理(S104)も残余処理内において実行するよう構成してもよい。
次に、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図12に示す「特図始動入賞確認処理」は、第1特図始動口23、第2特図始動口24に遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。本実施形態において、第1特図始動口23への入球に起因して記憶可能な保留記憶数及び第2特図始動口24への入球に起因して記憶可能な保留記憶数は各4個である。
「特図始動入賞確認処理」は、先ず、前記第1始動口SW503により第1特図始動口23への入球を検出したか否かを判定する(S200)。入球が無ければ(S200:no)、S204の処理へ移行する。第1特図始動口23への入球が有れば(S200:yes)、S201の処理において主制御装置40に記憶されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S201:yea)、S204の処理へ移行する。
保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の処理において第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして抽出した各種の乱数を、保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、抽出した各種の乱数を、一旦、主制御装置40の所定の記憶領域に記憶した後に保留記憶領域へ記憶するようにしてもよい。この場合、第1特図の保留記憶数が「0」であっても、第1特図始動口23へ遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶することが望ましい。
その後、第1特図の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第1特図保留数コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S203)。
図略ではあるが、記憶された第1特図の保留記憶について大当りやリーチ等の可能性があるか否かを先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。
続いて、S204の処理において前記第2始動口SW504により第2特図始動口24への入球を検出したか否かを判定する。入球が無ければ(S204:no)、処理を終了して主制御装置40のメインルーチンへリターンする。第2特図始動口24への入球が有れば(S204:yes)、S205の処理において主制御装置40に記憶されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S205:yea)、リターンする。
第2特図の保留記憶が満杯でなければ(S205:no)、S206の処理において第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして抽出した各種の乱数を、保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、抽出した各種の乱数を、一旦、主制御装置40の所定の記憶領域に記憶した後に保留記憶領域へ記憶するようにしてもよい。この場合、第2特図の保留記憶数が「0」であっても、第2特図始動口24へ遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶することが望ましい。
その後、第2特図の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第2特図保留数コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S207)。その後、リターンする。
図略ではあるが、記憶された第2特図の保留記憶について大当りやリーチ等の可能性があるか否かを先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。
次に図13乃至図16は「特図当否判定処理」のフローチャートを示す。この処理において第1特図の当否判定及び第2特図の当否判定が実行される。この場合、第1特図の当否判定よりも第2特図の当否判定が優先的に実行される。尚、第1特図と第2特図の当否判定はほぼ同じ処理であり、以下の説明では、必要があれば両者を区別するが、それ以外は第1特図及び第2特図を区別せずに単に「特図」とする。
図13に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中又は小当り遊技中であるか否かを判定する(S300)。特別電動役物が作動中(S300:no)であれば「特別遊技処理」に移行する(図14参照)。特別電動役物が未作動で大当り遊技中又は小当り遊技中でなければ(S300:yes)、第1特図又は第2特図が変動停止中であるか否かを判定する(S301)。変動停止中であければ(S301:yes)、第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であるか否かを判定する(S302)。
前記S302の処理で第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であければ(S302:yes)、第2特図の保留記憶があるか否かを判定する(S303)。第2特図の保留記憶があれば(S303:yes)、第2特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S304)。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
前記S303の処理で第2特図の保留記憶がなければ(S303:no)、第1特図の保留記憶があるか否かを判定する(S305)。第1特図の保留記憶があれば(S305:yes)、第1特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S306)。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
第1特図の保留記憶がなければ(S305:no)、「特別遊技処理」に移行する。
前記S304の処理又前記S306の処理に続いて、図14に示すS310の処理において、確変フラグを確認して現在の遊技状態が特図の確変遊技状態であるか否かを判定する。確変中であれば(S310:yes)、確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う(S311)。
前記S310の処理において確変中でない場合(S310:no)、通常確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数を対比して判定を行う(S312)。
続いてS313の処理において、前記S311又は前記S312の処理の当否判定が大当りか否かの判定を行う。
大当りであれば(S313:yes)、S314の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
続いて前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する(S315)。
変動パターンの決定後、大当り設定処理を行う(S316)。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、例えば、前記15R確変大当り遊技とするか、前記10R確変大当り遊技とするか、前記5R通常大当り遊技とするか、と言った大当り遊技の内容、大当り遊技終了後の確変遊技への移行や時短への移行、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
前記S313の処理において、大当りでなくハズレであれば(S313:no)、S317の処理において特図のハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。次にハズレ設定処理を行う(S318)。
前記S316の処理又は前記S318の処理の後、当否判定後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う(S319)。
続くS320の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
前記図13のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:no)、図15に示すように、図柄の変動時間が経過すると(S330:yes)、S331の確定図柄表示処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の変動表示を終了させる制御を行う。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
前記図13のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:no)、図16のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了していれば(S340:yes)、S341の確定図柄表示終了の処理により第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する疑似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
続いて特図の図柄が大当りになる組み合わせであるか否かを判定し(S342)、大当りになる組み合わせであったときは(S342:yes)、確変遊技状態を示す確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S344)。続いて時短状態を示す時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での確変状態及び時短状態に関する遊技状態を通常状態にリセットする。
続いて条件装置の作動を開始させる(S347)。尚、条件装置は特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるものであり、且つ、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。更に役物連続作動装置の作動を開始させる(S348)とともに、大当り開始演出処理を行ない(S349)、「特別遊技処理」へ移行する。
前記S342の処理で大当りになる組み合わせでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか否かを判定し(S350)、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、S351の処理において確率変動状態の継続期間をカウントする確変カウンタを減算し、減算した後の確変カウンタが「0」であるか否かを判定する。確変カウンタが「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S352)。
次に時短フラグが「1」であるか否かを判定し(S353)、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、S354の処理において時短の継続期間をカウントする時短カウンタを減算し、減算した後の時短カウンタが「0」であるか否かを判定する。時短カウンタが「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
図17に示すように「特別遊技処理」は、先ず、前記役物連続作動装置が作動中か否かを判定し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口25が開放中か否かを確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S400:no)、主制御装置40のメインルーチンへリターンする。
前記S401の処理で大入賞口25が開放中でなければ(S401:no)、S402の処理で大当り遊技のインターバル中か否かを判定する。インターバル中でなければ(S402:no)、S403の処理で特図大当り終了演出中か否かを判定する。大当り終了演出中でなければ(S403:no)、S404の処理で大当り開始演出時間が経過したか否かを判定する。大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、大入賞口開放処理で第1ラウンドの大入賞口25を開放してリターンする(S405)。
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、図18に示すように、大入賞口25に10個の入賞があったか否か(規定入賞数)の判定(S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否かを判定して(S411)、いずれか肯定できれば(S410:yes又S411:yes)、S412の処理において大入賞口25を閉鎖し、大当りインターバル処理を実行して(S413)、リターンする。
前記S402の処理で大当りのインターバル中であれば(S402:yes)、図19に示すように、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定し(S420)、経過していれば(S420:yes)、S421の処理において最終ラウンド(例えば15Rの大当り遊技であれば第15R、5Rの大当り遊技であれば第5R)であるか否かを判定する。最終ラウンドであれば、(S421:yes)、S422の大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ、(S421:no)、S423の大入賞口25の開放処理により次のラウンドの大入賞口25の開放を実行してリターンする。
前記S403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、図20に示すように、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S430)。大当り終了演出時間の経過を確認すれば(S430:yes)、S431の役物連続作動装置の作動を停止する処理を実行し、続いて条件装置の作動を停止する処理を実行する(S432)。
続く、S433の処理において前記大当り図柄等に応じて大当り遊技終了後に確変とする設定があるか否かを判定する。確変の設定があれば(S433:yes)、S434の処理において確率変動状態の繰り返し回数(10000回)を設定し、S435の処理において確変フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に確率変動状態が付与される。
次にS436の処理では前記大当り図柄等に応じて時短とする設定があるか否かを判定する。時短の設定があれば(S436:yes)、時短状態の繰り返し回数(10000回又は100回)を設定し(S437)、時短フラグに「1」をセットする(S438)。これにより大当り遊技終了後に時短状態が付与される。その後、特図の大当り終了コマンド送信の処理(S439)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
次に、パチンコ機1で実行される遊技性能の演算及び遊技性能の表示について説明する。
パチンコ機1は、枠制御装置41の遊技結果記憶装置において遊技結果が記憶され、枠制御装置41の遊技性能演算装置において記憶された遊技結果に基づいて遊技性能が演算される。
枠制御装置41は、遊技性能の演算を行うにあたり、電源投入時に、次の設定を行う。即ち、パチンコ機の入れ換えによる「面換え」が行われたか否を判定し、「面換え」後であれば、「面換え」後の遊技結果を新たに記憶し、新たな遊技結果に基づいて遊技性能の演算を行うように設定する。一方、「面換え」が行われていなければ、電源遮断前から継続された遊技結果に基づいて遊技性能の演算を行うように設定する。
図21は、電源投入後に、枠制御装置41で実行される「遊技性能演算設定処理」を示す。本処理は、先ず、電源投入後に、主制御装置40から主固有IDを受信したか否かを判定する(S500)。主固有IDの受信がなければ(S500:no)、枠制御装置41で実行されるメインルーチンにリターンして、本処理を終了する。
主固有IDの受信があれば(S500:yes)、S501の処理において受信した主固有IDが、今まで受信したものとは異なる新たな主固有IDであるか否かを判定する。この判定にあたり、枠制御装置41は以前に受信した主固有IDを記憶しており、記憶と受信のIDと比較する。
前記S501の処理において肯定判定であれば(S501:yes)、「面換え」が行われたものとして、S502の処理において、この時点から新たに遊技結果を記憶するように設定する。これにより、枠制御装置41の遊技結果記憶装置は、新たな主固有ID受信後に開始された遊技の結果を記憶する。尚、遊技結果記憶装置は、新たな主固有ID受信前に記憶された遊技結果は削除する。
続いて、S503の処理において、枠制御装置41の遊技性能演算装置において、新たな遊技結果の記憶に基づいて、遊技性能の演算を実行するように設定する(S503)。これにより、遊技性能演算装置は、「面換え」により新たに構成されたパチンコ機の遊技性能を演算する。
前記S501の処理において否定判定であれば(S501:no)、「面換え」が行われていないものして、S504の処理において、遊技結果記憶装置が電源遮断前から継続して遊技結果を記憶するように設定する。次に、遊技性能演算装置において、継続の遊技結果の記憶に基づいて、遊技性能の演算を実行するように設定する(S505)。
尚、主制御装置40からの主固有IDの送信は、電源投入時に限らず、例えば、電源投入から一定時間の経過後や、大当りか否かの抽選時毎や、所定の入賞毎に送信してもよい。そして、「遊技性能演算設定処理」は、電源投入から一定時間の経過後や、大当りか否かの抽選時毎や、所定の入賞毎に遊技性能の演算に関する設定を行うようにしてもよい。
枠制御装置41は、遊技結果記憶装置にて遊技結果を記憶するにあたり、例えば、遊技領域へ発射された遊技球の「総発射球数」、通常遊技状態(非確変、非時短)で発射された「通常遊技発射球数」、通常遊技状態で遊技者の持球数に加算(以下、払出ともいう)されることとなった賞球の「通常遊技払出球数」が記憶される。その他、遊技状態に拘わらず第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27への入球(入賞)に応じて持球数に加算されることとなった賞球の「総払出球数」、普通電動役物の作動又は特別電動役物の作動によって持球数に加算されることとなった賞球の「払出球数」などが記憶される。
〈第1の遊技性能〉
パチンコ機1は、枠制御装置41により、第1の遊技性能として、通常遊技状態の「ベース」の演算が行われる。即ち、枠制御装置41は、遊技性能演算装置が、遊技球の「総発射球数」が所定の球数に達した時点において、総発射球数が所定の球数に達するまでの通常遊技状態(非確変、非時短状態)で発射された遊技球の「通常遊技発射球数」に対して、通常遊技状態で払出される(実際には、持球数に加算される)こととなった賞球の「通常遊技払出球数」の比率(通常遊技払出球数/通常遊技発射球数×100)を演算する。
尚、遊技球の総発射球数が所定の球数に達した時点は、特許請求の範囲に記載の所定の演算実行条件に相当する。また、特許請求の範囲に記載の所定の性能評価期間に相当する期間は、総発射球数が所定の球数に達するまでの期間のうちで通常遊技発射球数を累積する通常遊技状態の期間である。
総発射球数は、通常、確変、時短といった遊技状態に拘わらずに遊技領域20へ向けて発射された全ての遊技球の発射球数を累積したものである。総発射球数は、遊技結果として、枠制御装置41の遊技結果記憶装置(RAMの所定の領域)に累積記憶される。
パチンコ機1は、例えば、減算センサ544の検出信号に基づいて全ての発射球数を累積する。
総発射球数は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、RAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。再度、遊技が開始されると、遊技が中断される前からの総発射球数の累積が再開される。一方、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われれば、遊技が中断される前からの総発射球数はクリアされる。その後、電源が供給され、遊技が開始されると、新たに総発射球数の累積が行われる。
総発射球数を累積する他の方法として、例えば、アウト球センサ556の検出信号に基づくアウト球数、入賞球センサ555の検出信号に基づく第1特図始動口23への入球数、第2特図始動口24への入球数、大入賞口25への入球数、及び一般入賞口27への入球数を合算することで全ての発射球数を累積する。
更に例えば、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27へ入球(入賞)した遊技球、及びアウト口203へ取り込まれた遊技を一箇所にまとめて遊技盤2から排出する排出路を設ける。そして、排出路に遊技球の通過を検出する排出センサを設ける。この排出センサの検出信号に基づいて全ての発射球数を累積するようにしてもよい。
更にまた、例えば、遊技盤2には、センターケース200の左側の流路を流下する全ての遊技球を検出するための一つ又は複数の左流下センサを設ける。更に遊技盤2には、センターケース200の右側の流路を流下する全ての遊技球を検出するための一つ又は複数の右流下センサを設ける。そして、左流下センサ及び右流下センサの検出信号に基づいて、遊技盤2に発射された遊技球の全ての発射球数を累積するようにしてもよい。
通常遊技発射球数は、総発射球数の累積と同様の方法を用いて、通常遊技状態における発射球数を累積する。通常遊技発射球数には、大当り遊技中に発射された発射球数は含まれない。通常遊技発射球数は、遊技結果として、枠制御装置41の遊技結果記憶装置に累積記憶される。通常遊技発射球数は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、RAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。再度、遊技が開始されると、遊技が中断される前からの通常遊技発射球数の累積が再開される。一方、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われれば、遊技が中断される前からの通常遊技発射球数はクリアされる。その後、電源が供給され、遊技が開始されると、新たに通常遊技発射球数の累積が行われる。
通常遊技払出球数は、通常遊技状態で、第1特図始動口23への入球(入賞)、第2特図始動口24への入球(入賞)、一般入賞口27への入球(入賞)に応じて払出されることとなった賞球の払出球数を累積したものである。通常遊技払出球数には、大当り遊技中の賞球数は含まれない。即ち、大当り遊技中の大入賞口25への入球により払出されることとなった賞球数は含めないことは勿論、大当り遊技中に一般入賞口27に遊技球が入球した際に払出されることとなった賞球数も含めない。
通常遊技払出球数は、遊技結果として、枠制御装置41の遊技結果記憶装置に記憶される。通常遊技払出球数は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、RAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。再度、遊技が開始されると、遊技が中断される前からの通常遊技払出球数の累積が再開される。一方、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われれば、遊技が中断される前からの通常遊技払出球数はクリアされる。その後、電源が供給され、遊技が開始されると、新たに通常遊技払出球数の累積が行われる。
図22(a)(b)に示すように、枠制御装置41は、通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する条件として、総発射球数が60000個に達したことを条件(演算実行条件)としている。この条件は、以下の理由によるものである。即ち、パチンコ機は風俗営業等の規則に基づいて製作されており、風俗営業等の規則には、遊技球の試射試験を10時間行った場合においての遊技性能が定められている。しかし、遊技店において、連続して10時間の遊技を続ける状態は、なかなか発生するものではない。そこで、試射試験と同じような結果を出すことができるようにしたものである。
枠制御装置41は、総発射球数を累積する際、「面換え」後などの初回の電源投入時から総発射球数が300個未満のA区間を、試射等により実質的に稼働していない期間として演算の対象期間から除外している。
枠制御装置41は、総発射球数が300個に達してA区間が終了すると、ここから60000個に達するまでのB区間を、1回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してB区間が終了すると、B区間を対象期間(当該期間のうちの通常遊技状態が性能評価期間)とする1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、B区間の通常遊技発射球数に対する、B区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
次に、枠制御装置41は、B区間の終了から60000個に達するまでのC区間を、2回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してC区間が終了すると、C区間を対象期間とする2回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、C区間の通常遊技発射球数に対するC区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
続いて、枠制御装置41は、C区間の終了から60000個に達するまでのD区間を、3回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してD区間が終了すると、D区間を対象期間とする3回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、D区間の通常遊技発射球数に対するD区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
その後も、枠制御装置41は、総発射球数が60000個に達する毎に、通常遊技状態の「ベース」の演算を繰り返し実行する。
尚、算出された通常遊技状態の「ベース」の演算の結果は、枠制御装置41のRAMの所定の領域に格納される。この場合、複数回分の演算の結果をRAMに記憶させることが望ましい。記憶が所定数に達すると、新たな演算の結果の算出に応じて、最も古い記憶を削除して新たな記憶に更新する。また演算の結果は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、枠制御装置41のRAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。更に演算の結果は、「面換え」後も、その前の記憶をクリアしないことが望ましい。
終了報知表示装置17について説明する。終了報知表示装置17は、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、パチンコ機1の前面側で、演算が終了したことを報知する。終了報知表示装置17は、演算対象外のA区間及び1回目の演算対象のB区間では非表示である。そして、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、「1」を表示することにより演算の終了を報知する(図22(c)参照)。「1」表示による1回目の演算終了の報知は、次回の演算の終了まで、即ちC区間において表示が継続される。
次に、終了報知表示装置17は、2回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、「2」を表示することにより演算の終了を報知する(図22(c)参照)。「2」表示による2回目の演算終了の報知は、次回の演算の終了まで、即ちD区間において表示が継続される。
その後も、終了報知表示装置17は、総発射球数が60000個に達して通常遊技状態の「ベース」の演算が終了する毎に、表示態様を繰り上げ変化させながら演算終了の報知を継続する。
尚、終了報知表示装置17は、通常遊技状態の「ベース」の演算が終了したことを報知する場合、演算の結果が不正のあることを示すような遊技性能として適正でない場合であっても、演算の結果が遊技性能として適正な場合と同一の報知態様を行う。例えば、図23に示すように、通常遊技状態の「ベース」として「30(%)」以上(40%未満)が適正値であるとされている場合、演算の結果が「30」や「34」であれば適正であり、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算終了時には「1」を表示する。また、演算の結果が「26」であって適正でなくても、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算終了時には「1」を表示する。
しかし、演算の結果が「19」や「50」となって、適性値より10%以上の差が生じたときは、発生するはずが無い演算結果などであると判断して、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算終了時には、例えば「E」を表示して異常報知を行う。更に、演算の処理でエラーが発生した場合や、遊技球を検出する各種のセンサの断線等のセンサ異常などの場合には、終了報知表示装置17は、異常を示すために、「E」を表示する。
また、終了報知表示装置17は、枠制御装置41により表示か制御される。そして、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、枠制御装置41のRAMクリア操作が行われても終了報知表示装置17の表示の内容はクリアされない構成である。再度、電源が供給されると、遮断前の表示を再開する。
一方、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われれば、終了報知表示装置17の表示の内容はクリアされる。再度、電源が供給されても、「面換え」後の遊技性能が算出されていないので、終了報知表示装置17は非表示となる。
性能表示装置48について説明する。性能表示装置48は、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、演算の結果を表示する。4桁の表示器からなる性能表示装置48は、上位の2桁が性能の種類を示す識別表示部とされ、下位の2桁が演算の結果(性能)を示す性能表示部とされている。
性能表示装置48は、上位2桁の識別表示部において、表示する性能が通常遊技状態の「ベース」であることを示す「AA.」を表示する(図22(d)参照)。この場合、上位2桁の識別表示部は、演算対象外のA区間及び1回目の演算対象のB区間では、性能が算出されていないため「AA.」を点滅表示する。その後、1回目以降の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると(C区間から)、「AA.」を点灯表示する。
性能表示装置48の下位2桁の性能表示部は、演算対象外のA区間及びB区間では、性能が算出されていないため「‐‐」を点滅表示する。そして、性能表示部は、B区間における1回目の通常遊技状態の「ベース」が算出された後、演算結果を2桁の数値で表示する(図22(d)参照、図例では「32」)。1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算結果は、次回の演算結果の算出まで、即ちC区間において表示が継続される。
その後も、性能表示装置48は、総発射球数が60000個に達して通常遊技状態の「ベース」が算出される毎に、下位2桁の性能表示部において演算結果を表示する。
また、性能表示装置48は、枠制御装置41により表示か制御される。そして、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、枠制御装置41のRAMクリア操作が行われても、性能表示装置48の表示の内容がクリアされない構成である。再度、電源が供給されると、遮断前の表示を再開する。
一方、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われれば、性能表示装置48の表示の内容はクリアされる。再度、電源が供給されても、「面換え」後の遊技性能が算出されていないので、性能表示装置48は「‐‐」を点滅表示する。
そして、性能表示装置48は、「面換え」後に、新たに記憶された遊技結果に基づく遊技性能が算出されると新たな演算結果を表示する。尚、「面換え」後には、それ以前の演算結果を表示しない構成である。
尚、性能表示装置48は、性能表示部において演算結果を数値で表示する構成に限らず、例えば、演算結果が所定の性能値よりも高いか低いかを表示するようにしてもよい。この場合、演算結果が所定の性能値よりも高ければ「up」と表示し、低ければ「Lo」とすることが望ましい。
また、性能表示装置48は、演算結果を数値で表示した上で、演算結果が所定の性能値よりも高いか低いかを表示するようにしてもよい。例えば、演算結果が所定の性能値よりも高いときには演算結果の数値を点灯表示し、演算結果が所定の性能値よりも低いときには演算結果の数値を点滅表示するようにしてもよい。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技機枠〔図3:3〕に設置された遊技盤〔図1:2〕にて遊技を行う遊技機であって、遊技盤2に配置され、遊技機1全体の制御を司る主制御装置〔図5:40〕と、遊技機枠3に配置され、主制御装置40の指示に応じて制御を行う遊技機枠制御装置〔図5:41〕と、主制御装置40に予め付与されている固有の識別記号を示すデータを、予め設定された送信条件に応じて遊技機枠制御装置41へ送信する識別記号送信手段〔図8〕と、遊技機枠制御装置41に設けられ、遊技が行われた遊技結果を記憶する遊技結果記憶手段〔図5〕と、遊技機枠制御装置41に設けられ、所定の演算実行条件を満たす場合に、所定の性能評価期間における遊技機の遊技性能を、遊技結果記憶手段に記憶された遊技結果に基づいて演算する遊技性能演算手段〔図5〕と、遊技性能演算手段で算出された演算結果に基づいた情報を表示する演算結果表示手段〔図5:560〕と、を備え、前記遊技結果記憶手段は、前記遊技機枠制御装置が前記主制御装置から新たな識別記号を示すデータを受信すると、当該受信後の遊技に基づく新たな遊技結果の記憶を開始し、前記遊技性能演算手段は、前記新たな識別記号を示すデータの受信後には、前記遊技結果記憶手段に記憶された前記新たな遊技結果に基づいて前記遊技性能を演算する構成である。
更に本実施形態のパチンコ機1は、遊技性能演算手段で演算された遊技性能を複数回分記憶可能とし、演算結果表示手段は、新たな識別記号を示すデータの受信後には、データを受信する前の前記遊技性能演算手段で算出された演算結果に基づいた情報を表示させない構成である。
これによれば、演算に用いる遊技結果を記憶する手段を遊技機枠側に設けることで、遊技盤側に遊技結果を記憶する構成が必要ないので遊技盤のコストを抑えることができる。その上、遊技機の入れ替えで、遊技盤が交換されても、遊技盤を交換する前の記憶された遊技結果と、遊技盤を交換した後の遊技結果とが混同されることなく、正しい性能を演算し表示できる。従って、遊技機の入れ換え、及び不正の監視に有利なパチンコ機を実現できる。
更に、演算結果表示手段に表示された内容が、現在の遊技機枠に設置されている遊技盤面にて遊技された結果に基づいて演算された結果であることを不正の調査等を行う調査員が理解できる。その上、盤面交換前の結果と盤面交換後の結果とを誤認することを防止できる。
尚、パチンコ機1は、必ずしも、終了報知表示装置17を設けなくてもよい。
また、パチンコ機1の性能表示装置48は、「面換え」後、新たに記憶された遊技結果に基づく遊技性能のみを表示する構成であるが、これに限るものではない。例えば、性能表示装置48は、「面換え」前に算出された遊技性能、及び、「面換え」後に新たに算出された遊技性能を表示可能とし、調査員等が任意に選択可能な構成としてもよい。この場合、性能表示装置48は、「面換え」前に算出された遊技性能と「面換え」後に新たに算出された遊技性能と判別可能とする。例えば、表示色を相違させて判別させる。また、性能表示装置48の付近に切替スイッチを配置し、調査員等が任意に表示を切替えできる構成が望ましい。
このように、本構成は、遊技性能演算手段〔図5〕で演算された遊技性能を複数回分記憶可能とし、演算結果表示手段48は、前記新たな識別記号を示すデータの受信後の前記遊技性能演算手段で算出された演算結果に基づいた情報と、前記データを受信する前の前記遊技性能演算手段で算出された演算結果に基づいた情報を、判別可能に表示せしめる。
この構成によれば、先の「面換え」後に算出された遊技性能のみを表示する構成と同様に、演算結果表示手段に表示された内容が、現在の遊技機枠に設置されている遊技盤面にて遊技された結果に基づいて演算された結果であることを調査員が理解できる。その上、遊技盤面前の結果と遊技盤交換後の結果とを誤認することを防止できる。
〈第2の遊技性能〉
パチンコ機1は、第2の遊技性能として、通常遊技状態の「ベース」を算出し表示することを主機能とした上で、「即時性能」としてリアルタイムに通常遊技状態の「ベース」を算出し表示するようにしてもよい。
例えば、パチンコ機1は、遊技状態の「ベース」の演算を実行する構成において、第1の演算の実行条件として、総発射球数が60000個に達したことを条件に、条件達成までに累積された通常遊技発射球数に対する通常遊技払出球数の比率を算出する演算を実行する。そして演算が終了したことを終了報知表示装置17にて報知し、演算の結果を性能表示装置48に表示する。一方、第2の演算の実行条件として所定のタイミング(例えば5秒間隔)で、条件達成時点の通常遊技発射球数に対する通常遊技払出球数の比率を算出する演算を実行する。そして算出した性能を「即時性能」として、性能表示装置48において、第1の演算の実行条件の演算結果と交互に表示するようにしてもよい。尚、終了報知表示装置17による「即時性能」の演算終了の報知は行わない。
図24及び図25を用いて、「即時性能」の表示について説明する。枠制御装置41は、通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する第1の演算の実行条件として総発射球数が60000個に達したことを条件とし、且つ第2の演算の実行条件として所定のタイミング(例えば5秒間隔)を条件としている。
枠制御装置41は、総発射球数を累積する際、初回の電源投入時から300個未満のA区間を、実質的に稼働していない期間として演算の対象期間から除外している。
枠制御装置41は、A区間が終了すると、第1の演算の実行条件に基づいて、A区間が終了から総発射球数が60000個に達するまでのB区間を、1回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してB区間が終了すると、第1の演算の実行条件によりB区間を対象期間とする1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、B区間の通常遊技発射球数に対するB区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
また枠制御装置41は、第2の演算の実行条件に基づき、B区間の即時性能を算出する。即ち、5秒間隔で、その時点の通常遊技発射球数に対する同時点の通常遊技払出球数の比率を繰り返し演算する。
次に、枠制御装置41は、第1の演算の実行条件に基づいて、B区間の終了から総発射球数が60000個に達するまでのC区間を、2回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してC区間が終了すると、第1の演算の実行条件によりC区間を対象期間とする2回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、C区間の通常遊技発射球数に対するC区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
また枠制御装置41は、第2の演算の実行条件に基づき、C区間の即時性能を算出する。即ち、5秒間隔で、その時点の通常遊技発射球数に対する同時点の通常遊技払出球数の比率を繰り返し演算する。
続いて、枠制御装置41は、第1の演算の実行条件に基づいて、C区間の終了から総発射球数が60000個に達するまでのD区間を、3回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してD区間が終了すると、D区間を対象期間とする3回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、D区間の通常遊技発射球数に対するD区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
また枠制御装置41は、第2の演算の実行条件に基づき、D区間の即時性能を算出する。即ち、5秒間隔で、その時点の通常遊技発射球数に対するその時点の通常遊技払出球数の比率を繰り返し演算する。
その後も、枠制御装置41は、総発射球数が60000個に達する毎に、第1の演算の実行条件に基づいて、通常遊技状態の「ベース」の演算を繰り返し実行する。また枠制御装置41は、第2の演算の実行条件に基づいて、繰り返し即時性を算出する。
尚、算出された第1の演算の実行条件に基づく演算の結果、及び第2の演算の実行条件に基づく即時性能はそれぞれ、枠制御装置41のRAMの所定の領域に格納される。この場合、複数の演算の結果をRAMに記憶させることが望ましい。記憶が所定数に達すると、新たな演算の結果の算出に応じて、最も古い記憶を削除して新たな記憶に更新する。また第1の演算の実行条件に基づく演算の結果は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、RAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。更に演算の結果は、「面換え」後も、その前の記憶をクリアしないことが望ましい。
終了報知表示装置17は、第1の演算の実行条件に基づく1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、パチンコ機1の前面側で、演算が終了したことを報知する。終了報知表示装置17は、演算対象外のA区間及び1回目の演算対象のB区間では非表示である。そして、第1の演算の実行条件に基づく1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、「1」を表示することにより演算の終了を報知する(図25(a)参照)。「1」表示による1回目の演算終了の報知は、次回の演算の終了まで、即ちC区間において表示が継続される。
次に、終了報知表示装置17は、第1の演算の実行条件に基づく2回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、「2」を表示することにより演算の終了を報知する(図25(a)参照)。「2」表示による2回目の演算終了の報知は、第1の演算の実行条件に基づく次回の演算の終了まで、即ちD区間において表示が継続される。
その後も、終了報知表示装置17は、総発射球数が60000個に達して第1の演算の実行条件に基づく通常遊技状態の「ベース」の演算が終了する毎に、表示態様を変化させながら演算終了の報知を継続する。
尚、終了報知表示装置17は、主機能である総発射球数が60000個に達したことを条件に実行された演算が終了したことを報知するようになし、「即時性能」に関する終了の報知は行わない。
性能表示装置48は、第1の演算の実行条件に基づく演算の結果と、第2の演算の実行条件に基づく即時性能とを交互に表示する。性能表示装置48は、上位の2桁の識別表示部において、第1の演算の実行条件に基づく演算の結果の表示であるのか、第2の演算の実行条件に基づく即時性能の表示であるのか区別する。例えば、第2の演算の実行条件に基づく即時性能の表示の場合は「An.」を表示する(図25(b)参照)。一方、第1の演算の実行条件に基づく演算の結果の表示の場合は「AA.」を表示する(図25(c)参照)。
性能表示装置48は、第2の演算の実行条件に基づく即時性能を表示する場合、演算対象外のA区間では、性能が算出されていないため識別表示部にて「An.」を点滅表示する。また演算対象区間(B区間、C区間、D区間〜)であっても、総発射球数が59999個以下の場合は識別表示部にて「An.」を点滅表示する。一方、各演算対象区間(B区間、C区間、D区間〜)において総発射球数が60000個以上に達すると識別表示部にて「An.」を点灯表示する。
性能表示装置48は、第2の演算の実行条件に基づく即時性能を表示する場合、演算対象外のA区間では、即時性能が算出されていないため、下位2桁の性能表示部に「‐‐」を点滅表示する。そしてA区間が終了して演算対象のB区間が開始されると、下位2桁の性能表示部において即時性能を2桁の数値で表示する(図25(b)参照、図例では「33」)。尚、即時性能の表示は第2の演算の実行条件に応じて即時性能が算出される毎に更新される。
性能表示装置48は、第1の演算の実行条件に基づく演算の結果を表示する場合、演算対象外のA区間及びB区間では、第1の演算の実行条件に基づく演算の結果が算出されていないため識別表示部にて「AA.」を点滅表示する。その後、1回目以降の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると(C区間から)、「AA.」を点灯表示する。
性能表示装置48は、第1の演算の実行条件に基づく演算の結果を表示する場合、演算対象外のA区間及びB区間では、性能が算出されていないため「‐‐」を点滅表示する。そして、B区間における1回目の通常遊技状態の「ベース」が算出された後、下位2桁の性能表示部において演算結果を2桁の数値で表示する(図25(c)参照、図例では「32」)。1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算結果は、次回の演算結果の算出まで、即ちC区間において表示される。
その後も、性能表示装置48は、総発射球数が60000個に達して第1の演算の実行条件に基づく演算の結果が算出される毎に、下位2桁の性能表示部において演算結果を表示する。
このように、第1の演算の実行条件に基づく演算の結果と第2の演算の実行条件に基づく即時性能とを表示する性能表示装置48は、例えば、5秒毎に、第1の演算の実行条件に基づく演算の結果と第2の演算の実行条件に基づく即時性能とを、交互に切り替えて表示を行うことが好適である。これによれば、第2の演算の実行条件に基づく即時性能は表示される都度に更新される。
また、性能表示装置48は、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、RAMクリア操作が行われても、性能表示装置48の表示の内容がクリアされない構成である。再度、電源が供給されると、遮断前の表示を再開する。
一方、性能表示装置48は、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われたときは、「面換え」後には前の演算結果を表示しない構成、又は「面換え」前に算出された遊技性能と「面換え」後に新たに算出された遊技性能と判別可能に表示する構成の何れとしてもよい。
第2の遊技性能を算出する構成によれば、基本の構成の遊技性能及び即時性能といった複数種類の遊技性能が分かるので、パチンコ機の遊技性能を詳細に把握することができる。
〈第3の遊技性能〉
パチンコ機1は、複数種類の遊技性能を算出可能とし、何れか一つの遊技性能を算出する構成としてもより。例えば、前記第1の遊技性能、前記第2の遊技性能の演算が可能であり、且つ、第3の遊技性能として、例えば、通常遊技状態における通常遊技発射球数が所定の球数に達した時点において、通常遊技発射球数に対する、通常遊技払出球数の比率を演算するようにしてもよい。
遊技性能を変更するには、例えば、枠制御装置41に設定スイッチ等を設け、設定スイッチの操作に応じて遊技性能を変更することが望ましい。例えば、第3の遊技性能が選択された場合は、第1の遊技性能及び第2の遊技性能の演算は実行しなくてもよい。
以下、図26に基づいて、第3の遊技性能を演算する構成について説明する。パチンコ機1は、枠制御装置41において、第3の遊技性能として、通常遊技発射球数が18000個に達した時点において、通常遊技発射球数に対する、通常遊技払出球数の比率を演算する。
図26(a)(b)に示すように、枠制御装置41は、通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する条件として、通常遊技発射球数が18000個に達したことを条件としている。
枠制御装置41は、通常遊技発射球数を累積する際、初回の電源投入時から300個未満のA区間を、実質的に稼働していない期間として演算の対象期間から除外している。
枠制御装置41は、A区間が終了すると、ここから通常遊技発射球数が18000個に達するまでのB区間を、1回目の演算の対象期間とする。そして、通常遊技発射球数が18000個に達してB区間が終了すると、B区間を対象期間とする1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、B区間の通常遊技発射球数(18000個)に対するB区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
次に、枠制御装置41は、B区間の終了から通常遊技発射球数が18000個に達するまでのC区間を、2回目の演算の対象期間とする。そして、通常遊技発射球数が18000個に達してC区間が終了すると、C区間を対象期間とする2回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、C区間の通常遊技発射球数(18000個)に対するC区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
続いて、枠制御装置41は、C区間の終了から通常遊技発射球数が18000個に達するまでのD区間を、3回目の演算の対象期間とする。そして、通常遊技発射球数が18000個に達してD区間が終了すると、D区間を対象期間とする3回目の通常遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、D区間の通常遊技発射球数(18000個)に対するD区間の通常遊技払出球数の比率を演算する。
その後も、枠制御装置41は、通常遊技発射球数が18000個に達する毎に、通常遊技状態の「ベース」の演算を繰り返し実行する。
尚、算出された通常遊技状態の「ベース」の演算の結果は、枠制御装置41のRAMの所定の領域に格納される。この場合、複数の演算の結果をRAMに記憶させることが望ましい。記憶が所定数に達すると、新たな演算の結果の算出に応じて、最も古い記憶を削除して新たな記憶に更新する。また演算の結果は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、枠制御装置41のRAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。更に演算の結果は、「面換え」後も、その前の記憶をクリアしないことが望ましい。
終了報知表示装置17は、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、パチンコ機1の前面側で、演算が終了したことを報知する。終了報知表示装置17は、演算対象外のA区間及び1回目の演算対象のB区間では非表示である。そして、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、「1.」を表示することにより演算の終了を報知する(図26(c)参照)。
この場合、第3の遊技性能は、先の第1の遊技性能と同様に通常遊技状態の「ベース」であるが、演算の実行条件を通常遊技発射球数が18000個に達することを条件としており、第1の遊技性能とは異なる演算の実行条件で算出している。そこで、終了の報知の表示に「.(ドット)」を付加して、第1の遊技性能のように演算の実行条件を総発射球数が60000個に達することを条件とした場合と区別するようにしている。
また終了報知表示装置17の「1.」表示による1回目の演算終了の報知は、次回の演算の終了まで、即ちC区間において表示が継続される。
次に、終了報知表示装置17は、2回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、「2.」を表示することにより演算の終了を報知する(図26(c)参照)。「2.」表示による2回目の演算終了の報知は、次回の演算の終了まで、即ちD区間において表示が継続される。
その後も、終了報知表示装置17は、通常遊技発射球数が18000個に達して通常遊技状態の「ベース」の演算が終了する毎に、表示態様を変化させながら演算終了の報知を継続する。
性能表示装置48は、1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、演算の結果を表示する。性能表示装置48は、上位2桁の識別表示部において、表示する性能が、通常遊技発射球数が18000個に達したことを演算の実行条件とした通常遊技状態の「ベース」であることを示す「bA.」を表示する(図26(d)参照)。この場合、演算の実行条件を総発射球数が60000個に達することを条件とした場合と区別するようにしている。
また上位2桁の識別表示部は、演算対象外のA区間及び1回目の演算対象のB区間では、性能が算出されていないため「bA.」を点滅表示する。その後、1回目以降の通常遊技状態の「ベース」の演算が終了すると(C区間から)、「bA.」を点灯表示する。
性能表示装置48の下位2桁の性能表示部は、演算対象外のA区間及びB区間では、性能が算出されていないため「‐‐」を点滅表示する。そして、性能表示部は、B区間における1回目の通常遊技状態の「ベース」が算出された後、演算結果を2桁の数値で表示する(図26(d)参照、図例では「30」)。1回目の通常遊技状態の「ベース」の演算結果は、次回の演算結果の算出まで、即ちC区間において表示が継続される。
その後も、性能表示装置48は、通常遊技発射球数が18000個に達して通常遊技状態の「ベース」が算出される毎に、下位2桁の性能表示部において演算結果表示する。
また、性能表示装置48は、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、RAMクリア操作が行われても、性能表示装置48の表示の内容がクリアされない構成である。再度、電源が供給されると、遮断前の表示を再開する。
一方、性能表示装置48は、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われたときは、「面換え」後には前の演算結果を表示しない構成、又は「面換え」前に算出された遊技性能と「面換え」後に新たに算出された遊技性能と判別可能に表示する構成の何れとしてもよい。
尚、パチンコ機1は、第1の遊技性能、第2の遊技性能及び第3の遊技性能をそれぞれ、各演算実行条件の達成に応じて演算するように構成してもよい(同時進行)。
そして、性能表示装置48に表示切替スイッチ等を設け、表示切替スイッチの操作に応じて、性能表示装置48において、第1の遊技性能の演算の結果の表示、第2の遊技性能の演算の結果の表示、第3の遊技性能の演算の結果の表示の何れかを任意に表示させるようにしてもよい。勿論、表示切替スイッチで選択された表示に関する演算のみを行うようにしてもよい。
尚、第1の遊技性能、第2の遊技性能及び第3の遊技性能といった通常遊技状態の「ベース」の演算は、通常発射球数に限らず、通常遊技状態におけるアウト口203に取り込まれた「通常遊技アウト球数」が所定の球数に達した時点において、通常遊技アウト球数に対する、通常遊技払出球数の比率を算出するようにしてもよい。この場合、アウト口203には、取り込まれたアウト球数を検出するアウト口センサを設ける。
〈第4の遊技性能〉
パチンコ機1は、通常遊技状態の「ベース」を算出し表示する構成に限らず、第4の遊技性能として、「役物比率」や「連続役物比率」を算出し表示する構成でもよい。例えば、遊技状態に拘わらず各種の始動口や入賞口への入球(入賞)に応じて払出されることとなった賞球の「総払出球数」が所定球数に達した時点で、総払出球数に対する、普通電動役物の作動又は特別電動役物の作動によって払出されることとなった賞球の「払出球数A」の比率である「役物比率(払出球数A/総払出球数×100)」を演算する。
更に例えば、総払出球数が所定球数に達した時点で、総払出球数に対する、特別電動役物が連続して作動することによって払出されることとなった賞球の「払出球数B」の比率である「連続役物比率(払出球数B/総払出球数×100)」を演算するようにしてもよい。
「総払出球数」、「払出球数A」及び「払出球数b」は、遊技結果として枠制御装置41の遊技結果記憶装置に累積記憶される。
「総払出球数」、「払出球数A」及び「払出球数b」は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、RAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。再度、遊技が開始されると、遊技が中断される前からの各払出球数の累積が再開される。一方、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われれば、遊技が中断される前からの各払出球数はクリアされる。その後、電源が供給され、遊技が開始されると、新たに各払出球数の累積が行われる。
演算される遊技性能を変更するには、例えば、枠制御装置41に切替スイッチ等を設け、切替スイッチの操作に応じて演算される遊技性能を切り替えるようにすることが望ましい。例えば、「役物比率」、「連続役物比率」の遊技性能を選択した場合は、通常遊技状態の「ベース」等の演算は実行しなくてもよい。
以下、図27、図28に基づいて、「役物比率」、「連続役物比率」を演算について説明する。
図27に示すように、枠制御装置41は、「役物比率」、「連続役物比率」の演算を実行する条件として、遊技状態に拘わらず第1特図始動口23への入球(入賞)、第2特図始動口24への入球(入賞)、大入賞口25への入球(入賞)、一般入賞口26への入球(入賞)に応じて払出されることとなった賞球の総払出球数が60000個に達したことを条件としている。
枠制御装置41は、初回の電源が投入されると、ここから総払出球数が60000個に達するまでのA区間を、1回目の演算の対象期間とする。そして、総払出球数が60000個に達してA区間が終了すると、A区間を対象期間とする1回目の「役物比率」、「連続役物比率」の演算を実行する。即ち、「役物比率」として、A区間の総払出球数(60000個)に対するA区間の普通電動役物の作動又は特別電動役物の作動によって払出されることとなった賞球の払出球数Aの比率を演算する。「連続役物比率」として、A区間の総払出球数に対するA区間の特別電動役物の連続作動によって払出されることとなった賞球の払出球数Bの比率を演算する。
次に、枠制御装置41は、A区間の終了から総払出球数が60000個に達するまでのB区間を、2回目の演算の対象期間とする。そして、総払出球数が60000個に達してB区間が終了すると、B区間を対象期間とする2回目の「役物比率」、「連続役物比率」の演算を実行する。即ち、「役物比率」として、B区間の総払出球数(60000個)に対するB区間の払出球数Aの比率を演算する。「連続役物比率」として、B区間の総払出球数に対するB区間の払出球数Bの比率を演算する。
更に、枠制御装置41は、B区間の終了から総払出球数が60000個に達するまでのC区間を、3回目の演算の対象期間とする。そして、総払出球数が60000個に達してC区間が終了すると、C区間を対象期間とする3回目の「役物比率」、「連続役物比率」の演算を実行する。即ち、「役物比率」として、C区間の総払出球数(60000個)に対するC区間の払出球数Aの比率を演算する。「連続役物比率」として、C区間の総払出球数に対するC区間の払出球数Bの比率を演算する。
その後も、枠制御装置41は、総払出球数が60000個に達する毎に、「役物比率」、「連続役物比率」の演算を繰り返し実行する。
尚、算出された「役物比率」、「連続役物比率」の演算の結果は、枠制御装置41のRAMの所定の領域に格納される。この場合、複数の演算の結果をRAMに記憶させることが望ましい。記憶が所定数に達すると、新たな演算の結果の算出に応じて、最も古い記憶を削除して新たな記憶に更新する。また演算の結果は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、枠制御装置41のRAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。更に演算の結果は、「面換え」後も、その前の記憶をクリアしないことが望ましい。
終了報知表示装置17は、1回目の「役物比率」、「連続役物比率」の演算が終了すると、パチンコ機1の前面側で、演算が終了したことを報知する。終了報知表示装置17は、1回目の演算対象のA区間では非表示である。そして、1回目の「役物比率」、「連続役物比率」の演算が終了すると、「−」を表示することにより演算の終了を報知する(図28(a)参照)。この場合、終了の報知の表示は、通常遊技状態の「ベース」の演算の終了時の表示と区別するようにしている。
また終了報知表示装置17の「−」表示による1回目の演算終了の報知は、次回の演算の終了まで、即ちB区間において表示が継続される。
次に、終了報知表示装置17は、2回目の「役物比率」、「連続役物比率」の演算が終了すると、「二」を表示することにより演算の終了を報知する(図28(a)参照)。「二」表示による2回目の演算終了の報知は、次回の演算の終了まで、即ちC区間において表示が継続される。
その後も、終了報知表示装置17は、総払出球数が60000個に達して「役物比率」、「連続役物比率」の演算が終了する毎に、表示態様を変化させながら演算終了の報知を継続する。
尚、終了報知表示装置17は、「役物比率」、「連続役物比率」の演算が終了したことを報知する場合、演算の結果が不正のあることを示すような遊技性能として適正でない場合であっても、演算の結果が遊技性能として適正な場合と同一の報知態様を行う。例えば、図29(a)に示すように、「役物比率」として「70(%)」以下(60%以上)が適正値であるとされている場合、演算の結果が「70」や「66」であれば適正であり、1回目の「役物比率」の演算終了時には「−」を表示する。また、演算の結果が「74」であって適正でなくても、1回目の「役物比率」の演算終了時には「−」を表示する。
しかし、演算の結果が「59」や「90」となって、適性値より10%以上の差が生じたときは、発生するはずが無い演算結果などであると判断して、1回目の「役物比率」の演算終了時には、例えば「E」を表示して異常報知を行う。更に、演算の処理でエラーが発生した場合や、遊技球を検出する各種のセンサの断線等のセンサ異常などの場合には、終了報知表示装置17は、異常を示すために、「E」を表示する。
例えば、図29(b)に示すように、「連続役物比率」として「60(%)」以下(500%以上)が適正値であるとされている場合、演算の結果が「60」や「56」であれば適正であり、1回目の「連続役物比率」の演算終了時には「−」を表示する。また、演算の結果が「64」であって適正でなくても、1回目の「連続役物比率」の演算終了時には「−」を表示する。
しかし、演算の結果が「49」や「80」となって、適性値より10%以上の差が生じたときは、発生するはずが無い演算結果などであると判断して、1回目の「役物比率」の演算終了時には、例えば「E」を表示して異常報知を行う。更に、演算の処理でエラーが発生した場合や、遊技球を検出する各種のセンサの断線等のセンサ異常などの場合には、終了報知表示装置17は、異常を示すために、「E」を表示する。
性能表示装置48は、1回目の「役物比率」、「連続役物比率」の演算が終了すると、演算の結果を表示する。性能表示装置48は、「役物比率」の演算の結果と、「連続役物比率」演算の結果とを所定の時間(例えば5秒)ずつ交互に表示させることが望ましい。
性能表示装置48は、「役物比率」を表示する場合、上位2桁の識別表示部において、性能が「役物比率」であることを示す「CA.」を表示する(図28(b)参照)。この場合、通常遊技状態の「ベース」のときの表示と区別するようにしている。
また上位2桁の識別表示部は、1回目の演算対象のA区間では、性能が算出されていないため「CA.」を点滅表示する。その後、1回目の「役物比率」の演算が終了すると、「CA.」を点灯表示する。
性能表示装置48の下位2桁の性能表示部は、A区間では性能が算出されていないため「‐‐」を点滅表示する。そして、性能表示部は、A区間における1回目の「役物比率」が算出された後、演算結果を2桁の数値で表示する(図28(b)参照、図例では「60」)。1回目の「役物比率」の演算結果は、次回の演算結果の算出まで、即ちB区間において表示が継続される。
その後も、性能表示装置48は、総払出球数が60000個に達して「役物比率」が算出される毎に、下位2桁の性能表示部において演算結果表示する。
性能表示装置48は、「連続役物比率」を表示する場合、上位2桁の識別表示部において、性能が「連続役物比率」であることを示す「dA.」を表示する(図28(c)参照)。この場合、通常遊技状態の「ベース」及び「役物比率」のときの表示と区別するようにしている。
上位2桁の識別表示部は、1回目の演算対象のA区間では、性能が算出されていないため「dA.」を点滅表示する。その後、1回目の「連続役物比率」の演算が終了すると、「dA.」を点灯表示する。
性能表示装置48の下位2桁の性能表示部は、A区間では性能が算出されていないため「‐‐」を点滅表示する。そして、性能表示部は、A区間における1回目の「連続役物比率」が算出された後、演算結果を2桁の数値で表示する(図28(c)参照、図例では「70」)。1回目の「連続役物比率」の演算結果は、次回の演算結果の算出まで、即ちB区間において表示が継続される。
その後も、性能表示装置48は、総払出球数が60000個に達して「連続役物比率」が算出される毎に、下位2桁の性能表示部において演算結果表示する。
また、性能表示装置48は、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われなければ、RAMクリア操作が行われても、性能表示装置48の表示の内容がクリアされない構成である。再度、電源が供給されると、遮断前の表示を再開する。
一方、性能表示装置48は、パチンコ機1の電源が遮断され、「面換え」が行われたときは、「面換え」後には前の演算結果を表示しない構成、又は「面換え」前に算出された遊技性能と「面換え」後に新たに算出された遊技性能と判別可能に表示する構成の何れとしてもよい。
尚、パチンコ機1は、総発射球数が60000個に達したことを条件に、条件達成までの期間の「役物比率」、「連続役物比率」を算出し表示することを主機能とした上で、「役物比率即時性能」、「連続役物比率即時性能」をリアルタイムに算出し表示するようにしてもよい。
また、パチンコ機1は、遊技性能として、通常遊技状態の「ベース」、通常遊技状態の「ベース」の「即時性能」、「役物比率」、「役物比率即時性能」、「連続役物比率」、及び「連続役物比率即時性能」をそれぞれ、各条件の達成に応じて演算するように構成してもよい(同時進行)。そして、性能表示装置48等に表示切替スイッチを設け、表示切替スイッチの操作に応じて、性能表示装置48において、各遊技性能の表示の何れか又は組み合わせを任意に表示させるようにしてもよい。勿論、表示切替スイッチで選択された表示に関する演算のみを行うようにしてもよい。
本発明のパチンコ機は、遊技性能として、通常遊技状態の「ベース」、「役物比率」、「連続役物比率」以外に、図30に示す複数種類の遊技性能を演算するようにしてもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「短時間出球率」、即ち、直近1時間の総発射球数に対する、直近1時間の総払出球数の比率を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「中時間出球率」、即ち、直近10時間の総発射球数に対する、直近10時間の総払出球数の比率を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「高ベース」、即ち、有利状態(高確率且つ時短状態)の総発射球数に対する、有利状態(高確率且つ時短状態)の総払出球数の比率を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「入賞口毎の入賞数」、即ち、総発射球数に対する、入賞数の比率(入賞口毎)を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「払出球数(ベース算出用)」、即ち、一定時間の払出球数のでもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「ベース近似値」、即ち、所定の係数1を乗じた総発射球数に対する、通常遊技状態の払出球数の比率を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「高ベース近似値」、即ち、所定の係数2を乗じた総発射球数に対する、有利状態(高確率且つ時短状態)の払出球数の比率を演算する構成でもよい。
尚、パチンコ機は、これら複数種類の遊技性能を演算可能とすることが望ましい。そして、パチンコ機には、主制御装置に切替スイッチ等を設けて、切替スイッチの操作に応じて演算される遊技性能を選択するようにしてもよい。選択する遊技性能は複数種類でもよい。また、複数種類の遊技性能の演算をそれぞれ実行するようにし(同時進行)、性能表示装置に表示切替スイッチ等を設け、表示切替スイッチの操作に応じて必要な遊技性能の演算結果の表示を行うようにしてもよい。
尚、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、パチンコ機は以下の構成とすることが望ましい。例えば、遊技機の性能を改ざんするために、前枠を開放して、遊技球を直接、入賞口に入球させるおそれがある(一般入賞口に入球させることで役物比率、役物連続比率を下げたり、ベースを上げたりできる)。このようなことを防止するために、前枠が開放されていると判断されている状態において、一般入賞口に入賞しても賞球は払出すが、該入球又は該入球による賞球数は、遊技性能の演算には使用されない構成が望ましい。
又は、所定時間内に所定数異常の入球があれば、演算に含めないようにしてもよい。
本発明は、封入式の遊技機に限らず、遊技球が払出される構成の遊技機に適用してもよい。
また本発明は、遊技結果の記憶を枠制御装置で行うが、遊技性能を主制御装置で行う構成でもよい。但し、主制御装置と枠制御装置とは双方向通信が必要である。