本発明を適用したパチンコ機を説明する。本実施形態のパチンコ機は、封入式遊技機であり、機台内に所定数の遊技球を封入せしめ、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、入賞した遊技球(入賞球)、入賞しなかったアウト球に関わらず発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の遊技球を循環的に使用して遊技を行う構成である。また本パチンコ機は、カードなどの記録媒体に記録されている持球数などの有価価値情報の読み取り及び書き換えを行う管理ユニット(CRユニット)と双方向に通信可能である。
図1乃至図4に示すように、パチンコ機1は、遊技店に設置され、遊技者が遊技可能な遊技機である。パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部が保持されている。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジを介して、内枠(遊技機枠ともいう)3(図4参照)が開閉可能に設けられている。また、内枠3の前面には、前枠(ガラス枠)11が、内枠3に対して開放可能に取り付けられている。前枠11には、上半部を占める開口部に、図示しない板ガラスが脱着可能に設けられている。更に、前枠11の開口部の奥側(後側)には、内枠3に取り付けられた遊技盤2が配置されている。尚、これら内枠3及び前枠11は、シリンダ錠により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠に所定の鍵を挿入し、鍵を一方の方向に回動操作して内枠3を開放するようになし、逆方向に回動操作することにより前枠11を開放可能である。
前枠11の上端部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113が複数配置されており、発光によって遊技の趣向性を向上させる。更に、前枠11の下端部中央部分には、CRユニット60のユニット表示器61が脱着可能に取り付けられる取付部111(図2参照)が設けられている。そして、この取付部111の右方に、発射ハンドル12が配置されている。発射ハンドル12は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、発射装置31(図4参照)を稼働させて、遊技球を遊技盤2の遊技領域に向かって発射する。
また、前枠11には、開口部の下縁に沿う部位で、取付部111(ユニット表示器61)の直上部位に、遊技可能な持球数を表示する持球数表示装置14、後述する枠制御装置41(図4参照)側で保有する持球数情報をCRユニット60側へ移すための計数スイッチ15、及び計数スイッチ15の左方に、遊技者が操作可能な遊技ボタン16が配設されている。
パチンコ機1の左方には、ICカードの読み書きなどを行うCRユニット60(特許請求の範囲に記載の管理ユニットに相当する)が隣接されている。図2に示すように、CRユニット60は、ICカードを挿入及び取り出し可能なカード挿入口601と、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口602とを備えている。また、CRユニット60には、その下部から右方へ突出するように、ユニット表示器61が設けられている。ユニット表示器61は、前枠11の取付部111に脱着可能に設けられており、CRユニット60がパチンコ機1の左方に隣接された状態で、取付部111を覆うように取り付けられる。
図3に示すように、ユニット表示器61は、タッチパネル式のLCD画面を備えている。ユニット表示器61には、LCD画面に、遊技者のタッチ操作により遊技球の貸出を行う球貸スイッチ611が設けられている。また、LCD画面には、遊技者のタッチ操作により遊技球の返却を行う返却スイッチ612が設けられている。更に、LCD画面には、カード挿入口601に挿入されたICカードの持球に交換可能なクレジット残高(又は、クレジット残高内で貸出可能な遊技球数)などを示す残高図柄613が表示される。そして、この残高図柄613は、球貸スイッチ611及び返却スイッチ612の操作に応じてクレジット残高が増減する毎に表示内容が更新される。
図1に戻って、遊技盤2について説明する。遊技盤2には、図略のガイドレールによって囲まれた略円形の遊技領域20が設けられ、該遊技領域20には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が配置されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
遊技領域20のセンターケース200の左横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動ゲート22が設けられている。
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が配置されている。
遊技領域20のセンターケース200の右横位置には、左横と同様の普図作動ゲート22が設けられている。更、にその直下位置には、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。第2特図始動口24は、チューリップ式の開放部材により開放可能に構成されている。第2特図始動口24は、前記普図の抽選で当りとなり、普通電動役物が作動することで、開放部材が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放部材の開放時にのみ入球(入賞)可能である。
遊技領域20の下端部中央で、第1特図始動口23の直下位置には、開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。大入賞口25は、特別電動役物が作動することで、その開閉板が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放板の開放時にのみ入球(入賞)可能である。尚、第1特図又は第2特図の当否判定で大当りとなると、役物連続作動装置が作動し、役物連続作動装置が作動することで、特別電動役物が連続して作動する。これにより大入賞口25が連続して開放される。
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口27が配されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。アウト口203には、発射された遊技球のうち、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27の何れにも入球(入賞)しなかった遊技球が取り込まれる。
遊技盤2の右下端部には、遊技領域20の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29、普図保留数表示装置291及び賞球数表示装置205が配置されている。
パチンコ機1の裏面側について説明する。図4に示すように、パチンコ機1の裏面側には、遊技盤2を脱着可能に取付けられる内枠3が外枠10に収納されている。内枠3の上部には、遊技盤2の遊技領域20へ遊技球を発射する発射装置31が配設されている。発射装置31により発射された遊技球は、遊技領域20の左上部から遊技領域20内に飛び出して、遊技領域20を流下する。また、内枠3の下部には、遊技領域20へ発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を研磨する球研磨装置35が設置されている。この球研磨装置35は、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、各一般入賞口27、及びアウト口203等と、図示しない回収路を介して連通されている。これら第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、各一般入賞口27、及びアウト口203等に入球した遊技球が回収路を通って送られてくる。
また、内枠3には、球研磨装置35で研磨された遊技球を発射装置31へ送る揚送装置33が上下方向に沿って配設されている。こうした発射装置31、回収路、球研磨装置35、及び揚送装置33によって、遊技球を循環させる構成が設けられている。すなわち、発射装置31から遊技領域20へ発射された遊技球は、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、各一般入賞口27、及びアウト口203等のいずれかに入球した後に、回収路から球研磨装置35へ送られ、さらに揚送装置33を介して再び発射装置31へ供給される。尚、発射装置31、回収路、球研磨装置35、及び揚送装置33は、周知の構成のものを適用できることから、その詳細な説明を省略する。
パチンコ機1の裏面側には、遊技機全体の制御を司る主制御装置40、主制御装置40の指示に応じて遊技球の循環の管理及び遊技の二次的な制御を行う遊技機枠制御装置41(単に、枠制御装置という)、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、電源装置(図略)が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2側に設置され、枠制御装置41、電源装置は内枠3側に設置されている。尚、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、特許請求の範囲に記載のサブ制御装置に相当する。
枠制御装置41には、遊技性能を表示する性能表示装置48が設けられている。性能表示装置48は、遊技者が遊技中に視認不可能な位置に配置されている。性能表示装置48は、4つの7セグメントLED表示器を並設した構成で、4桁の簡素な文字、数字を表示可能に構成されている。性能表示装置48は、遊技性能を表示する表示態様として、演算結果(遊技性能)をそのまま表示、演算結果が所定値を超えているか否かを示す表示、演算結果及び演算結果が所定値を超えているか否か(達しているか否か)を示す表示の3種類の表示態様の何れかを表示する構成である。
図5に示すように、封入式のパチンコ機1は、主制御を含む遊技盤2側の構成と、枠制御を含む内枠(遊技機枠ともいう)3側の構成とに区分される。
遊技盤2側は、遊技領域を備えた遊技盤本体2、主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43で構成されている。更に、遊技盤2側の構成は、第1特図始動口23や第2特図始動口24や大入賞口25や各一般入賞口27及びアウト口203等の入球を検知する入賞検知機構71、遊技領域20の遊技釘と風車等72、その他の演出用装置73で構成されている。
遊技機枠3側の構成は、枠制御装置41、発射装置31、電源装置、球研磨装置35、揚送装置33、持球数表示装置14、前枠11、夜間監視装置、その他の演出用装置76で構成されている。
図6はパチンコ機1の電気的構成を示すブロック図で、パチンコ機1は、遊技全体の制御を司る主制御装置40を中心に、枠制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。尚、このブロック図には、単に信号を中継するだけのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。
主制御装置40、枠制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して、ROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40は各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備えている。
枠制御装置41は、遊技性能に関する情報、遊技者の持球数情報、及びクレジット残高に関わる情報などを扱うことから、万が一、電源供給が遮断された場合にもこれら情報を保持できるように、不揮発性メモリ(フラッシュメモリや不揮発性RAMなど)が好適に用いられ得る。これにより、電源供給が遮断された場合にも、遊技者が不利益を被る可能性を低減できる。
主制御装置40は、遊技盤中継端子板521を介して、第1特図始動口23に入球した遊技球を検知する第1始動口SW501、第2特図始動口24に入球した遊技球を検知する第2始動口SW502、普図作動ゲート22を通過した遊技球を検知する普通図柄作動SW503と電気的に接続され、各スイッチの検知信号が入力される。また、主制御装置40には、遊技盤中継端子板521を介して、各一般入賞口27に入球した遊技球を夫々検知する一般入賞口SW504、大入賞口25に入球した遊技球を計数するためのカウントSW505、磁石を検知する磁石センサ506、電波を検知する電波センサ507等からの検知信号が入力される。
主制御装置40は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、前記の検知信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを枠制御装置41及びサブ統合制御装置42へ出力する。また、主制御装置40は、図柄表示装置中継端子板522を介して、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、及び普通図柄表示装置29の表示制御を行うと共に、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、及び普図保留数表示装置291の点灯制御を行う。更に、主制御装置40には、遊技盤中継端子板521を介して、大入賞口ソレノイド510及び普電役物ソレノイド511が接続されている。主制御装置40は、大入賞口ソレノイド510を制御することで大入賞口25の開閉を制御し、普電役物ソレノイド511を制御することで第2特図始動口24の開閉を制御する。
また、主制御装置40は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を出力し、これらの出力信号は、枠制御装置41からCRユニット60を介してホールコンピュータ500に送られる。更に、主制御装置40は、遊技盤中継端子板521を介して賞球数表示装置205が接続されており、賞球数の表示制御を行う。賞球数表示装置205は、2つの7セグメントLED表示器を並設した構成で、2桁の数字を表示可能に構成されている。賞球数表示装置205により、夫々の入賞口(第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27など)に入賞することで発生した賞球数を、遊技者が把握し易い。
主制御装置40と枠制御装置41とは、主制御装置40から枠制御装置41への一方向のみで通信可能に接続されている。即ち、主制御装置40から枠制御装置41へ向けて信号を送信可能で、該信号を枠制御装置41が受信可能である一方、枠制御装置41からは、主制御装置40へ向けて信号を送信不能である。そのため、本実施例の構成では、枠制御装置41で管理または制御する情報(遊技球の発射や循環などに関する情報)を、主制御装置40へ送信できない。そして、遊技進行の全般を統括する主制御装置40は、外部から一切信号を入力することができない(遊技に関する入賞情報や、上述した各種SWからの入力は除く)。これにより、遊技性能に影響を与えようとするような不正な信号を主制御装置40に入力させることを、構造的に排除でき、極めて不正に強い(不正され難い)構成となっている。尚、主制御装置40は、遊技の性能に影響を与えるおそれがある信号、遊技の結果に影響を及ぼすおそれがある信号でなければ、枠制御装置41から送られた信号を受信できる構成でもよい。例えば、主制御装置40から枠制御装置41へ発信された信号が、枠制御装置41で受信され、枠制御装置41からの受信を示す返信信号等であれば受信するようにしてもよい。
主制御装置40は、枠制御装置41へ通信を行う場合、主制御装置40のCUPの固有の識別記号の情報、入賞の情報、賞球数の情報、及び確変や大当り遊技といった遊技状態の情報を示す信号を送信可能である。
枠制御装置41について説明する。枠制御装置41は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作し、主制御装置40からのコマンドに応じた二次的な制御として、発射装置31、揚送装置33、球研磨装置35等の制御を行う(枠制御装置41は、特許請求の範囲に記載の発射制御手段に相当する)。
枠制御装置41には、遊技球等貸出装置531を介してCRユニット60が通信可能に接続されている。そして、CRユニット60のユニット表示器61とも通信可能に接続されており、枠制御装置41には、ユニット表示器61に設けられた球貸スイッチ611及び返却スイッチ612から夫々の信号が入力される。枠制御装置41は、CRユニット60に挿入されたICカードに記憶されるクレジット残高や持球数情報の把握、球貸スイッチ611から受信した貸出信号に応じた持球数の設定などを行う。また、枠制御装置41は、返却スイッチ612から受信した返却信号に応じたクレジット残高の返却処理などを行う。更に、枠制御装置41は、CRユニット60を介してホールコンピュータ500と通信可能に接続されており、パチンコ機1の遊技情報をホールコンピュータ500に送信する。
枠制御装置41は、前枠(ガラス枠)11及び内枠3が閉鎖しているか否か検知するガラス枠開放SW(スイッチ)508、内枠開放SW509と電気的に接続され、各スイッチの検知信号が入力される。また、枠制御装置41は、操作部中継端子板532を介して、計数SW15及び持球数表示装置14が接続されている。枠制御装置41は、計数SW15の操作信号が入力されると、枠制御装置41側で管理していた持球数をICカードに記憶させる持球数移動処理を行う。また枠制御装置41は、持球数表示装置14を表示制御する。尚、持球数表示装置14は、枠制御装置41側で遊技者が保有している持球数(遊技者が遊技に使用可能な遊技球の球数)を表示するものである。枠制御装置41は、発射装置31の発射による減算と、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、及び一般入賞口27への入球による夫々の賞球数の加算とによって随時更新される持球数を算出する(特許請求の範囲に記載の持球数更新手段に相当)。枠制御装置41の制御に応じて、持球数表示装置14は、更新された持球数をリアルタイムで表示する。
ここで、持球数の減算について説明する。枠制御装置41は、発射装置中継端子板534を介して、発射装置31の減算センサ544が接続されている。減算センサ544は、発射装置31の発射位置に送られた遊技球を検知するものであり、遊技球の検知信号を出力する。この検知信号に応じて持球数が減算される。この場合、発射装置31において発射位置に送られた遊技球は必ず発射される構成であり、減算センサ544で検知された遊技球は確実に発射されたものとして減算される。尚、減算センサとしては、実際に発射された遊技球を検知する構成でもよい。
一方、賞球数の加算は、主制御装置40からの信号に基づいて加算される。
枠制御装置41には、発射操作部中継端子板533を介して、ハンドルボリューム541から発射ハンドル12の回動量信号、発射停止SW543から発射停止信号、及びタッチSW542からタッチ信号が夫々入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル12を回動操作することで出力される。タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル12を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止SW543を押し操作することで出力される。尚、タッチ信号が入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル12を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
また、枠制御装置41は、発射装置中継端子板534を介して、発射入口センサ545、発射モータ561、及び球送りソレノイド562が接続されている。発射入口センサ545は、揚送装置33から発射装置31に供給される遊技球を検知するものであり、該遊技球の検知信号を出力する。
そして、枠制御装置41は、ハンドルボリューム541、発射停止SW543、タッチSW542、減算センサ544、及び発射入口センサ545から送信される各信号に基づいて、発射モータ561及び球送りソレノイド562を駆動制御して遊技球を発射または停止させる。
更に、枠制御装置41は、研磨装置中継端子盤535を介して、カセットSW546、研磨モータセンサ547、カセットモータ563、及び研磨モータ564が接続されている。枠制御装置41は、カセットSW546と研磨モータセンサ547とからの検知信号に基づいて、カセットモータ563と研磨モータ564とを駆動制御することで、球研磨装置35を駆動させる。尚、球研磨装置35は、消耗品であることから、カセット形式の構造として、取り替えを容易にしている。
また、枠制御装置41は、揚上中継端子板536を介して、揚上入口センサ549、揚上モータ監視センサ551、及び揚上モータ565が接続されている。枠制御装置41は、揚上入口センサ549及び揚上モータ監視センサ551からの検知信号に基づいて揚上モータ565を駆動制御することで、揚送装置33を駆動させる。
更にまた、枠制御装置41は、内枠中継端子板537を介して、適正量センサ552、満タンセンサ553、夜間監視SW554、入賞球センサ555、及びアウト球センサ556が接続されており、これら各センサやSWからの信号が入力される。適正量センサ552は、機台の内部で循環させる遊技球の適正量を検知するものである。入賞球センサ555は、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、及び一般入賞口27の各入賞口と球研磨装置35とを連通する回収路に配設されており、これら各入賞口に入賞した遊技球を検知するものである。アウト球センサ556は、アウト口203と球研磨装置35とを連通する回収路に配設されており、アウト口203に入球した遊技球を検知するものである。
また、枠制御装置41には、性能表示装置48が接続されている。
そして枠制御装置41は、図示しないが、遊技性能を演算する遊技性能演算装置を備え、算出した遊技性能を性能表示装置48に表示可能である。遊技性能演算装置は、遊技が進行して、所定の演算実行条件を満たす場合に、所定の性能評価期間における遊技性能を演算可能である。例えば、通常状態におけるベース値を算出する。この場合、通常状態のベース値は、主制御装置40から通常状態であることを示されているときに(通常状態を示す信号を受信しているとき)、発射装置31へ遊技球を送る減算センサ544による遊技球の検知、又は入賞球センサ555とアウト球センサ556とによる遊技球の検知によって、発射された遊技球の数を確認し、この発射数と、主制御装置40からの賞球数情報に示された賞球数とにより算出される。ここで、発射数は1分間で概ね100個であることから、例えば、約10時間で発射される60000個を発射したときのベース値を、確定した値として用いられる。
サブ統合制御装置42について説明する。サブ統合制御装置42は、主制御装置40から送信されたデータ及びコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置43へ送信し、音制御用及びランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音声LSIを作動させることによって、スピーカ112から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ113を発光制御する。尚、サブ統合制御装置42と主制御装置40との間は、主制御装置40からサブ統合制御装置42への片方向通信のみの回路として構成されている。
更に、サブ統合制御装置42には、遊技ボタン16の操作を検知するSWが接続されており、各SWが遊技者による操作を検知すると、その信号が入力される。
演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送信されたデータ及びコマンド(主制御装置40から送信されたものと、サブ統合制御装置42で主制御装置40からの入力及び遊技ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、擬似演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置21の画面に表示する。
CRユニット60は、カード挿入口601に挿入されたICカードに対して、クレジット残高や該ICカードで保有する持球数などの情報を読み取り及び書き込みする処理を行う。そして、ICカードから読み取った情報を、枠制御装置41へ送信する。これにより、枠制御装置41は、クレジット残高や貸出可能な球数などの情報を、遊技の進行に従って適宜更新して管理すると共に、ユニット表示器61でクレジット残高や貸出可能な球数を表示する。更に、遊技終了の際には、精算された持球数を、枠制御装置41からCRユニット60へ送信し、ICカードの情報を更新する。
図7に示すように、CRユニット60は、枠制御装置41へ向けて「遊技者を保護するためのカード情報」と、「不正を防止するための情報」とを送信可能である。「遊技者を保護するためのカード情報」は、カードID、カード挿入時刻、店舗コードなどの情報、及びCRユニット60のセキュリティ基板のID情報が含まれる。
「不正を防止するための情報」は、カード挿入中状態、遊技店の開店状態、閉店状態、及び球単価などの情報が含まれる。
またCRユニット60は、遊技球等貸出装置531との間で次のような信号のやり取り(通信)が行われる。例えば、CRユニット60は、遊技球等貸出装置531へ向けて、パチンコ機1側の持球数情報をCRユニット60側の持球数情報に移行させるための計数が可能であることを示す計数可能状態に関する信号を送信する。これに応じて、パチンコ機1側で計数スイッチ15が操作されると持球数情報の移行が行われる。 また、CRユニット60と遊技球等貸出装置531との間では、計数受領の通知として、パチンコ機1側にて計数スイッチ15が操作されると計数指示がCRユニット60へ送信され、これを受信したCRユニット60がパチンコ機1側へ受領の返信を行う。更にCRユニット60は、球貸スイッチ611が操作されたことをパチンコ機1側へ通知する球貸指示が送信される。
パチンコ機1は、CRユニット60及びホールコンピュータ500を介して、外部に設けられた第三者管理の管理センタと広域ネットワークにより接続されている。そして、各パチンコ機は、管理センタにおいて、メーカーからの出荷情報、設置された遊技店の情報、遊技店間での移動情報、廃棄情報等が管理され、不正な使用や不正な改造などを防ぐ監視が行われている。このため、パチンコ機1は所謂、管理遊技機である。尚、不正な使用や不正な改造などの調査等を行う調査員が属する組織と、第三者が管理する管理センタの組織とは異なる場合が多い。また、両者が同一組織の場合もある。
不正な使用や不正な改造を監視する構成についての概略を説明する。パチンコ機1は、管理センタにて不正な使用や不正な改造が監視されている。管理センタで管理するにあたり、パチンコ機1は、主制御装置40のCUPに固有の識別記号(主固有ID)が割り当てられ、枠制御装置41のCUPに固有の識別記号(枠固有ID)が割り当てられている。そして、管理センタは、主固有ID及び枠固有IDを用いて、遊技機メーカーから出荷情報、及び各遊技店が有する全てのパチンコ機の情報を管理し、遊技店において登録されていない主制御装置や枠制御装置を監視(不正基板の監視)する。
図8及び図9に示すように、パチンコ機1は、電源投入時などの所定条件の成立時に、主制御装置40から枠制御装置41へ主固有IDを送信する。これに応じて、枠制御装置41は、主固有IDと自身の枠固有IDとを遊技球等貸出装置531へ送信する。遊技球等貸出装置531は、受信した主固有IDと枠固有IDとをCRユニット60へ送信する。更に、CRユニット60から送信された主固有ID及び枠固有IDなどの遊技機情報は、ホールコンピュータ500を経て、専用回線やインターネット等の公衆回線を介して遊技店外部の管理センタ800へ送信される。
図8及び図10に示すように、管理センタ800は、遊技店からの遊技機情報を受信すると、遊技店で登録された主固有ID及び枠固有IDを含む情報であるか判定し、正規の情報であれば認証されたことを示す情報を遊技店へ送信する。遊技店では、認証等の情報がホールコンピュータ500から各パチンコ機1のCRユニット60へ送信される。パチンコ機1では、認証情報が、CRユニット60から遊技球等貸出装置531を介して枠制御装置41へ送信される。枠制御装置41は、受信した認証の結果に応じ、認証されれば遊技を開始可能とする。認証されなければ、遊技を不能にする。
尚、認証は、主制御装置の主固有IDと枠制御装置の枠固有IDの両者が認証されることが望ましいが、主制御装置の主固有IDのみが認証される構成でもよい。
また、CRユニットや管理センタとの関連性を持たずに、枠制御装置41が主制御装置40の固有IDを確認する構成でもよい。
管理センタ800は、不正基板の監視の他、パチンコ機1の発射球数、賞球球数や遊技状態などの情報を受信し、不正行為を監視する機能、ならびに各種遊技情報を一括管理する。
また、各パチンコ機1のCRユニット60に、パチンコ機1の発射球数、賞球球数や遊技状態などの情報に基づいて不正行為を監視する機能、不正基板の監視機能を搭載してもよい。この場合、CRユニット60と管理センタ800とで、セキュリティ情報を共有して不正改造を防止するために、CRユニット60と管理センタ800との不正監視機能を照合することが望ましい。
各IDの認証後のパチンコ機1の遊技について説明する。
パチンコ機1は、普図作動ゲート22に遊技球が入球すると、普通図柄表示装置29で普図が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、当選であれば普通電動役物が作動する。これにより普電役物ソレノイド511を駆動させ、開放部材を開放して第2特図始動口24への入球が可能となる。尚、パチンコ機1では、第2特図始動口24の開放時間は、通常時は0.2秒(1回)で、遊技者にとって有利な時短状態(開放延長)では2秒(1回)である。また、第2特図始動口24は、普通電動役物が作動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっている。
第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第1特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第1特図表示装置28Aにおいて第1特図が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第2特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第2特図表示装置28Bにおいて第2特図が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
尚、第1特図と第2特図の当否判定は、第1特図始動口23と第2特図始動口24への入球順に関係なく、第2特図の当否判定を優先して実施する。具体的には、第1特図の保留記憶がある場合、第2特図の変動が停止し且つ第2特図の保留記憶が無い状態となってから、第1特図の保留記憶分の当否判定を実施する。
第1特図及び第2特図の変動表示、確定表示は、遊技盤2の隅に小さく表示されるだけであるので、遊技領域20の中央に設けられた演出図柄表示装置21にて第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄を用いた疑似演出表示を行い、疑似演出表示にて当否判定の結果を遊技者に報知することが行われている。例えば、疑似演出表示では、三つの疑似演出図柄を変動させ、三つの図柄が同一図柄で停止すると大当りとなるように構成されている。疑似演出表示としては二つの図柄が同じ図柄で停止するリーチ演出が実施され、残りの変動中の図柄が同じ図柄で停止するか否かで遊技者の期待感を高めることが行われている。
第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じ、小当りであれば、開放時間の短い所定の開放態様にて大入賞口25を開放し、大入賞口25への遊技球の入球が可能となる小当り遊技が実施される。
一方、第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じ、大当り(当選)であれば、所定の開放態様にて大入賞口25を開放し、大入賞口25への遊技球の入球が可能となる大当り遊技が実施される。尚、大当り遊技として、所定の開放態様で大入賞口25を開放するラウンド遊技を5ラウンド行う5R大当り遊技と、10ラウンド行う10R大当り遊技と、15ラウンド行う15R大当り遊技とから何れか一つの遊技が選択される。
パチンコ機1は確率変動機として構成されている。具体的には、パチンコ機1による遊技は、大入賞口25を閉鎖した遊技状態と、大入賞口25を開放する大当り遊技状態とに大別される。更に、大入賞口25を閉鎖した遊技状態は、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常遊技状態)と、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)となる高確率遊技状態(以下、確変遊技状態とも記載する)とが存在する。
第1特図及び第2特図の大当り図柄は確変図柄及び非確変図柄とからなり、確変遊技状態は確変図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定されている。確変遊技状態へは、通常遊技状態、確変遊技状態のいずれの遊技状態でも確変図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確変遊技状態に移行する。同様に通常遊技状態は非確変図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定されている。通常遊技状態は、通常遊技状態、確変遊技状態のいずれの遊技状態でも非確変図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後に移行する。
通常遊技状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、かつ第2特図始動口24の開放が延長される時短状態となる。第1特図、第2特図及び普図の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、時短状態では、第1特図及び第2特図の変動時間の短縮とともに、普図表示装置28に表示される普図の時間短縮も行われるが、この普図の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回の普図の確定表示を行う。従って、一定時間内での普図が当りとなる回数が増大し、これにより第2特図始動口24の開放回数も増大する。また、第2特図始動口24の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特図の変動表示回数が更に増大されるとともに、第2特図始動口24の入賞で得る賞球により、遊技者の持球が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、確変遊技状態では、時短状態と同様に第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、第2特図始動口24の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と第2特図始動口24の開放延長機能に関する設定は時短状態と同一であるが、確変遊技状態は時短状態に加えて特図の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
図11は、パチンコ機1の基本的仕様を示す。
パチンコ機1の遊技状態が通常遊技状態(低確率)である場合の大当り確率は1/300、確変遊技状態(高確率)である場合の大当り確率は1/30に設定されている。小当り確率は、通常遊技状態又は確変遊技状態に拘わらず、一律に1/150に設定されている。大当り遊技終了後に確変遊技状態へ突入する確率は、60%に設定されている。
持球に加算される賞球数について説明する。第1特図始動口23又は第2特図始動口24に遊技球が1個入球すると、3個の遊技球が賞球として遊技者の持球数に加算されるように設定されている。また、各一般入賞口27に遊技球が1個入球すると、10個の遊技球が賞球として持球数に加算されるように設定されている。尚、各一般入賞口の賞球は夫々異なっていてもよい。大入賞口25に遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が賞球として持球数に加算される。また、第2特図始動口24の規定入賞数は4個、大入賞口25の規定入賞数は10個に設定されている。
普図の当選確率について説明する。通常の普図の当選確率は1/6に設定されている。一方、開放延長の普図の当選確率は5/6に設定されている。通常の第2特図始動口24の開放時間は、0.2秒を1回、開放延長では2秒を1回に設定されている。
大当り遊技の内容及び大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は3種類存在する。一つは15Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に15R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は30%である。
もう一つは10Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に10R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は30%である。
また、もう一つは5Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に時短状態が100回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に5R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に時短状態へ移行する確率は40%である。
第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は3種類存在する。一つは15Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に15R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は40%である。
もう一つは10Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に10R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は20%である。
また、もう一つは5Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に時短状態が100回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に5R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に時短状態へ移行する確率は40%である。
次に、パチンコ機1の遊技に関する動作を、主制御装置40及びサブ統合制御装置42等で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図12は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判定する(S100)。この判定処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、CPUにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行してよいのか否かを判定するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるCPUの暴走等が考えられるが、CPUの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えてよいので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
ここで正常割り込みでないとの否定判定(S100:no)ならS115の処理において初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値の書き込み、普図及び特図を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)を実行する。前記正常割り込みか否かを判定するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
前記S100の処理において正常割り込みとの肯定判定がなされると(S100:yes)、S101の初期値乱数更新処理が実行される。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に「1」を加算するが、この処理を実行する前の乱数が「最大値」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「最大値」までの整数を繰り返し昇順に作成する。
続く大当り決定用乱数更新処理(S102)では、前記初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理であり、「最大値」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「最大値」までの整数を繰り返し昇順に作成する。尚、大当り決定用乱数の最初の値は、前記初期値乱数更新処理(S101)で設定(作成)された値となる。この値が「150」であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「最大値」「0」「1」・・・と更新されていく。
尚、大当り決定用乱数の更新が一巡すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から「1」を加算していく。そして、再び大当り決定用乱数の更新が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前記の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「最大値」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
続く大当り図柄決定用乱数更新処理(S103)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く当り決定用乱数更新処理(S104)は、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
リーチ判定用乱数更新処理(S105)は、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
変動パターン決定用乱数更新処理(S106)は、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は、特図の当否判定に使用される。
続く入賞確認処理(S107)では、第1特図始動口23、第2特図始動口24の入球(入賞)確認、普図作動ゲート22の遊技球の通過の確認、大入賞口25の入球(入賞)確認、一般入賞口27の入球(入賞)確認、及び主制御装置40に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
遊技球が第1特図始動口23、第2特図始動口24に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得される。だが、第1特図始動口23の入球に基づく第1特図の保留記憶、第2特図始動口24の入球に基づく第2特図の保留記憶は最大数がそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンであるときに遊技球が第1特図始動口23又は第2特図始動口24に入球しても賞球が遊技者の持球数に加算されるだけで、保留記憶されない構成になっている。
次の当否判定処理(S108)では、普図及び特図のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。
続く各出力処理(S109)では、遊技の進行に応じて主制御装置40は、枠制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、大入賞口ソレノイド510、普電役物ソレノイド511等に対して各々出力処理を実行する。入賞確認処理(S107)により遊技盤2上の各入賞口(第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27)に遊技球の入球があることが検知されたときには、入球が検知された入賞口に応じた数の賞球を遊技者の持球数に加算させるために、賞球のデータが含まれる信号を枠制御装置41に送信する処理を実行する。また、主制御装置40は、入賞確認処理(S107)により遊技盤2上の各入賞口(第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27)に遊技球の入球があることが検知され、入球が検知された入賞口に応じた数の賞球を持球数に加算させることを決定した段階で、賞球の数を主制御装置40のRAMの記憶領域に累積する構成となっている。
また、各出力処理(S109)では、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置42に出力する処理を実行する。
続く不正監視処理(S110)は、電波を用いた不正、磁石を用いた不正、及び一般入賞口27に対する不正などが行われていないか監視する処理である。本処理は、入賞を検知するセンサを不正に作動させる電波が不正使用されていないか判定し、不正があればその旨を報知する。また遊技球を誘導する磁石が不正使用されていないか判定し、不正があればその旨を報知する。更に本処理は、所定時間(例えば、60秒)内における一般入賞口27に入球した遊技球の数が予め決定された規定数(例えば、10個)よりも多いか否かを判定して、多かった場合には不正と判定され、その旨を報知する処理である。
ここで、不正監視処理(S110)の詳細について、図13を用いて説明する。「不正監視処理」は、先ずS150において不正電波による不正が行われたか否かを判定する。本判定処理は、入賞を検知するセンサ等を不正に作動させる電波を電波センサ507により検知したか否かを判定する。否定判定であれば(S150:no)、S153の処理へ移行する。
肯定判定であれば(S150:yes)、S151において不正電波報知処理を行い、続いて不正電波報知コマンド送信処理(S152)を行う。
前記不正電波報知処理(S151)において、主制御装置40は、先ず、自ら遊技を中断する。そして、枠制御装置41に向けて、不正電波の不正であることを示す遊技状態情報を送信する。尚、該不正に関する遊技状態情報は、枠制御装置41を経て遊技店のホールコンピュータ500へ送信される。また該不正に関する遊技状態情報を受信した枠制御装置41は、遊技球の発射を停止する。
また、前記不正電波報知コマンド送信処理(S152)において、主制御装置40は、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ不正電波の不正であることを示す不正報知コマンドを送信する。該不正報知コマンドを受信したサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21の画面に、不正電波を検知した旨の警告表示を表示するとともに、前枠11の枠側装飾ランプ113によるエラー報知を行う。
続くS153の処理において不正磁石による不正が行われたか否かを判定する。本判定処理は、磁石センサ506により遊技球を不正に誘導する磁石を磁石センサ506により検知したか否かを判定する。否定判定であれば(S153:no)、S156の処理へ移行する。
肯定判定であれば(S153:yes)、S154において不正磁石による不正報知処理を行い、続いて不正磁石による不正磁石報知コマンド送信処理(S155)を行う。
前記不正磁石報知処理(S154)において、主制御装置40は、先ず、自ら遊技を中断する。そして、枠制御装置41に向けて、不正磁石の不正であることを示す遊技状態情報を送信する。尚、該不正に関する遊技状態情報は、枠制御装置41を経て遊技店のホールコンピュータ500へ送信される。また該不正に関する遊技状態情報を受信した枠制御装置41は、遊技球の発射を停止する。
また、前記不正磁石報知コマンド送信処理(S155)において、主制御装置40は、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ不正磁石の不正であることを示す不正報知コマンドを送信する。該不正報知コマンドを受信したサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21の画面に、不正磁石を検知した旨の警告表示を表示するとともに、前枠11の枠側装飾ランプ113によるエラー報知を行う。
続くS156の処理において入賞頻度異常による不正が行われたか否かを判定する。入賞頻度異常による不正は、所定期間(例えば、60秒)内における一般入賞口27に入球する遊技球が予め決定された規定数(例えば、10個)よりも多い場合のことである。否定判定であれば(S156:no)、本処理を終了してメインルーチンへリターンする。
肯定判定であれば(S156:yes)、S157において不正入賞報知処理を行い、続いて不正入賞報知コマンド送信処理(S158)を行い、その後、リターンする。
不正監視処理における規定数は、4つの一般入賞口27に入球した遊技球の合算数である。これに限定されるものではなく、一般入賞口27毎に、予め定められた規定数を設ける構成であってもよい。
前記不正入賞報知処理(S157)において、主制御装置40は、先ず、自ら遊技を中断する。そして、枠制御装置41に向けて、入賞頻度の異常に関する不正であることを示す遊技状態情報を送信する。尚、該不正に関する遊技状態情報は、枠制御装置41を経て遊技店のホールコンピュータ500へ送信される。また該不正に関する遊技状態情報を受信した枠制御装置41は、遊技球の発射を停止する。
また、前記不正入賞報知コマンド送信処理(S158)において、主制御装置40は、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ入賞頻度が異常であることを示す不正報知コマンドを送信する。不正報知コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、演出図柄表示装置21の画面に、所定期間内に一般入賞口SW504により検知された遊技球数が規定数を超えて、入賞頻度の異常な不正が行われた旨の警告表示を表示する。そして、前枠11の枠側装飾ランプ113によるエラー報知を行う。尚、前記S150の処理、前記S153の処理及び前記S156の処理は特許請求の範囲に記載の不正検知手段に相当する。
図12に戻って、メインルーチンの本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S111)から構成されるが、前述したS101と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS100〜S110までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、第1特図又は第2特図の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、前記割り込み処理(S100)が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。尚、前記当り決定用乱数更新処理(S104)も残余処理内において実行するよう構成してもよい。
次に、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図14に示す「特図始動入賞確認処理」は、第1特図始動口23、第2特図始動口24に遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。本実施形態において、第1特図始動口23への入球に起因して記憶可能な保留記憶数及び第2特図始動口24への入球に起因して記憶可能な保留記憶数は各4個である。
「特図始動入賞確認処理」は、先ず、前記第1始動口SW501により第1特図始動口23への入球を検知したか否かを判定する(S200)。入球が無ければ(S200:no)、S204の処理へ移行する。第1特図始動口23への入球が有れば(S200:yes)、S201の処理において主制御装置40に記憶されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S201:yea)、S204の処理へ移行する。
保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の処理において第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして抽出した各種の乱数を、保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、抽出した各種の乱数を、一旦、主制御装置40の所定の記憶領域に記憶した後に保留記憶領域へ記憶するようにしてもよい。この場合、第1特図の保留記憶数が「0」であっても、第1特図始動口23へ遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶することが望ましい。
その後、第1特図の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第1特図保留数コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S203)。
図略ではあるが、記憶する乱数を先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。
続いて、S204の処理において前記第2始動口SW502により第2特図始動口24への入球を検知したか否かを判定する。入球が無ければ(S204:no)、処理を終了して主制御装置40のメインルーチンへリターンする。第2特図始動口24への入球が有れば(S204:yes)、S205の処理において主制御装置40に記憶されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S205:yea)、リターンする。
第2特図の保留記憶が満杯でなければ(S205:no)、S206の処理において第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして抽出した各種の乱数を、保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、抽出した各種の乱数を、一旦、主制御装置40の所定の記憶領域に記憶した後に保留記憶領域へ記憶するようにしてもよい。この場合、第2特図の保留記憶数が「0」であっても、第2特図始動口24へ遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶することが望ましい。
その後、第2特図の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第2特図保留数コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S207)。その後、リターンする。
図略ではあるが、記憶する乱数を先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。
次に図15乃至図18は「特図当否判定処理」のフローチャートを示す。この処理において第1特図の当否判定及び第2特図の当否判定が実行される。この場合、第1特図の当否判定よりも第2特図の当否判定が優先的に実行される。尚、第1特図と第2特図の当否判定はほぼ同じ処理であり、以下の説明では、必要があれば両者を区別するが、それ以外は第1特図及び第2特図を区別せずに単に「特図」とする。
図15に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中又は小当り遊技中であるか否かを判定する(S300)。特別電動役物が作動中(S300:no)であれば「特別遊技処理」に移行する(図19参照)。特別電動役物が未作動で大当り遊技中又は小当り遊技中でなければ(S300:yes)、第1特図又は第2特図が変動停止中であるか否かを判定する(S301)。変動停止中であければ(S301:yes)、第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であるか否かを判定する(S302)。
前記S302の処理で第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であければ(S302:yes)、第2特図の保留記憶があるか否かを判定する(S303)。第2特図の保留記憶があれば(S303:yes)、第2特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S304)。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
前記S303の処理で第2特図の保留記憶がなければ(S303:no)、第1特図の保留記憶があるか否かを判定する(S305)。第1特図の保留記憶があれば(S305:yes)、第1特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S306)。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
第1特図の保留記憶がなければ(S305:no)、「特別遊技処理」に移行する。
前記S304の処理又前記S306の処理に続いて、図16に示すS310の処理において、確変フラグを確認して現在の遊技状態が特図の確変遊技状態であるか否かを判定する。確変中であれば(S310:yes)、確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う(S311)。
前記S310の処理において確変中でない場合(S310:no)、通常確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数を対比して判定を行う(S312)。
続いてS313の処理において、前記S311又は前記S312の処理の当否判定が大当りか否かの判定を行う。
大当りであれば(S313:yes)、S314の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
続いて前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する(S315)。
変動パターンの決定後、大当り設定処理を行う(S316)。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、例えば、前記15R確変大当り遊技とするか、前記10R確変大当り遊技とするか、前記5R通常大当り遊技とするか、と言った大当り遊技の内容、大当り遊技終了後の確変遊技への移行や時短への移行、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
前記S313の処理において、大当りでなければ(S313:no)、S320の処理において、前記S311又は前記S312の処理の当否判定が小当りか否かの判定を行う。小当りであれば(S320:yes)、S321の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を決定する。
続いて前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、特図の小当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する(S322)。
変動パターンの決定後、小当り設定処理を行う(S323)。この処理では、前記決定された小当り図柄に基づき、小当り遊技の内容、演出図柄表示装置21で実行される小当り遊技の小当り開始演出の時間の設定、小当り終了演出の時間等の設定がなされる。
前記S320の処理において、小当りでなくハズレであれば(S320:no)、S324の処理において特図のハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。次にハズレ設定処理を行う(S325)。
前記S316の処理、前記S323の処理又は前記S325の処理の後、S327の処理において当否判定後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う。
また本処理では、主制御装置40から枠制御装置41へ向けて、遊技状態情報を送信する。送信される遊技状態情報は、前記S316の処理で設定された大当り遊技の内容、前記S323の処理で設定された小当り遊技の内容等である。尚、送信される遊技状態情報に前記S325の処理で設定されたハズレ設定の内容を含むようにしてもよい。
続くS328の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
また本処理では、主制御装置40から枠制御装置41へ向けて、特図の変動を開始し、特図変動中であることを示す遊技状態情報を送信する。
前記図15のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:no)、図17に示すように、図柄の変動時間が経過すると(S330:yes)、S331の確定図柄表示処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の変動表示を終了させる制御を行う。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
前記図15のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:no)、図18のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了していれば(S340:yes)、S341の確定図柄表示終了の処理により第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する疑似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
続いて特図の図柄が大当りになる組み合わせであるか否かを判定し(S342)、大当りになる組み合わせであったときは(S342:yes)、確変遊技状態を示す確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S344)。続いて時短状態を示す時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での確変状態及び時短状態に関する遊技状態を通常状態にリセットする。
続いて条件装置の作動を開始させる(S347)。尚、条件装置は特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるものであり、且つ、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。更に役物連続作動装置の作動を開始させる(S348)とともに、大当り開始演出処理を行なう(S349)。これらの処理により、前記S316の処理で設定された大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置42に送信する。
またこれらの本処理では、主制御装置40から枠制御装置41へ向けて、大当り遊技を開始し、大当り遊技中であることを示す遊技状態情報を送信する。更に枠制御装置41へ向けて、大当り遊技の開始より、確変遊技状態、時短状態でないことを示す遊技状態情報を送信する。その後、「特別遊技処理」へ移行し、大当り遊技が開始される。
前記S342の処理で大当りになる組み合わせでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか否かを判定し(S350)、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、S351の処理において確率変動状態の継続期間をカウントする確変カウンタを減算し、減算した後の確変カウンタが「0」であるか否かを判定する。確変カウンタが「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S352)。
次にS353の処理において時短フラグが「1」であるか否かを判定し、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、S354の処理において時短の継続期間をカウントする時短カウンタを減算し、減算した後の時短カウンタが「0」であるか否かを判定する。時短カウンタが「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。
また本処理では、主制御装置40から枠制御装置41へ向けて、確変遊技状態中であるか否か、時短状態であるか否かを示す遊技状態情報を送信する。
続く、S357の処理において、特図の図柄が小当りになる組み合わせであるか否かを判定する。否定判定であれば(S357:no)、リターンする。
肯定判定であれば(S357:yes)、S358の処理において特別電動役物作動開始処理を行い、更に小当り開始演出処理(S359)を順次実行する。これらの処理により、前記S323の処理で設定された小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置42に送信することにより小当り遊技を開始する。
また本処理では、主制御装置40から枠制御装置41へ向けて、小当り遊技が開始され、小当り遊技中であることを示す遊技状態情報を送信する。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
図19に示すように「特別遊技処理」は、先ず、前記役物連続作動装置が作動中か否かを判定し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口25が開放中か否かを確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S400:no)、主制御装置40のメインルーチンへリターンする。
前記S401の処理で大入賞口25が開放中でなければ(S401:no)、S402の処理で大当り遊技のインターバル中か否かを判定する。インターバル中でなければ(S402:no)、S403の処理で特図大当り終了演出中か否かを判定する。大当り終了演出中でなければ(S403:no)、S404の処理で大当り開始演出時間が経過したか否かを判定する。大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、大入賞口開放処理で第1ラウンドの大入賞口25を開放してリターンする(S405)。
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、図20に示すように、大入賞口25に10個の入賞があったか否か(規定入賞数)の判定(S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否かを判定して(S411)、いずれか肯定できれば(S410:yes又S411:yes)、S412の処理において大入賞口25を閉鎖し、大当りインターバル処理を実行して(S413)、リターンする。
前記S402の処理で大当りのインターバル中であれば(S402:yes)、図21に示すように、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定し(S420)、経過していれば(S420:yes)、S421の処理において最終ラウンド(例えば15Rの大当り遊技であれば第15R、5Rの大当り遊技であれば第5R)であるか否かを判定する。最終ラウンドであれば、(S421:yes)、S422の大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ、(S421:no)、S423の大入賞口25の開放処理により次のラウンドの大入賞口25の開放を実行してリターンする。
前記S403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、図22に示すように、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S430)。大当り終了演出時間の経過を確認すれば(S430:yes)、S431の役物連続作動装置の作動を停止する処理を実行し、続いて条件装置の作動を停止する処理を実行する(S432)。
続く、S433の処理において前記大当り図柄等に応じて大当り遊技終了後に確変とする設定があるか否かを判定する。確変の設定があれば(S433:yes)、S434の処理において確率変動状態の繰り返し回数(10000回)を設定し、S435の処理において確変フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に確率変動状態が付与される。
次にS436の処理では前記大当り図柄等に応じて時短とする設定があるか否かを判定する。時短の設定があれば(S436:yes)、時短状態の繰り返し回数(10000回又は100回)を設定し(S437)、時短フラグに「1」をセットする(S438)。これにより大当り遊技終了後に時短状態が付与される。その後、特図の大当り終了コマンド送信の処理(S439)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
尚、図略ではあるが、前記S358及びS359の処理(図18参照)において小当り遊技が開始されると、前記S323の処理で設定された小当り遊技の内容に応じて大入賞口25が開閉され、大入賞口25の開閉作動が終了すると、小当り遊技終了演出が行われ、小当り遊技を終了する。
パチンコ機1は、遊技の進行に応じて、主制御装置40から枠制御装置41へ遊技状態情報が送信される。図23に示すように、遊技状態情報は、「遊技状態情報1」、「遊技状態情報2」及び「遊技状態情報3」の3種類に分類されている。「遊技状態情報1」は、第1特図又は第2特図の当否判定の結果に応じて大当り遊技及び小当り遊技の遊技内容を示すものである。例えば、「遊技状態情報1」は、「大当り1」乃至「大当り8」の情報により、出球の多い大当りであるか、出球の少ない大当りであるかといった情報が送信される。
「遊技状態情報2」は、進行中の遊技状態を示すものである。例えば、「遊技状態情報2」は、「確変中+時短中」、「確変中」、「時短中」、「変動中」などの情報が送信される。
「遊技状態情報3」は、前記図13に示した「不正監視処理」で検知された不正行為に関する情報を示すものである。例えば、「遊技状態情報3」は、不正な電波を検知した「電波センサ検知」、不正な磁石を検知した「磁石センサ検知」、入賞頻度の異常による「不正入賞検知」などの情報が送信される。「電波センサ検知」情報には、エラーコード「E100」が割り当てられ、「磁石センサ検知」情報には、エラーコード「E101」が、「不正入賞検知」情報には、エラーコード「E102」が割り当てられている。
尚、主制御装置40から枠制御装置41へ送信された「遊技状態情報1」、「遊技状態情報2」及び「遊技状態情報3」は、枠制御装置41から遊技球等貸出装置531及びCRユニットを介して遊技店のホールコンピュータ500へ送信される。尚、主制御装置40は、「遊技状態情報1」、「遊技状態情報2」及び「遊技状態情報3」を遊技店のホールコンピュータ500へ送信することを主の目的とし、ホールコンピュータ500への送信途中で枠制御装置41がこれらの情報を利用する構成である。
パチンコ機1は、主制御装置40で、電波、磁石及び不正入賞などの不正行為を検知したとき、及び遊技機枠3側に配置された各種の装置で異常が検知されたときに、枠制御装置41において遊技球の発射を強制的に停止する制御を行い、遊技を中断する構成である。
図24は、パチンコ機1のエラー状態を判断する「エラー状態判断処理」を示す。本処理は、枠制御装置41にて実行されるプログラム処理である。
「エラー状態判断処理」は、先ず、主制御装置40からエラー情報である「電波センサ検知」、「磁石センサ検知」、「不正入賞検知」の何れかを受信したか否か判定する(S500)。肯定判定であれば(S500:yes)、S502の処理へ移行する。
否定判定であれば(S500:no)、S501の処理において、枠制御装置41自身が遊技機枠3側に配置された各種の装置の動作異常や各種の不正行為を検知したか否か判定する。
枠制御装置41が判断する動作異常は、図25に示すように、「装置異常」、「球詰まり異常」及び「各種異常」の3種類の異常で構成されている。
「装置異常」は、「遊技球数等表示装置異常」、「球磨き装置部異常」及び「遊技球循環装置異常」等である。「遊技球数等表示装置異常」にはエラーコード「E210」が割り当てられ、「球磨き装置部異常」にはエラーコード「E211」が、「遊技球循環装置異常」にはエラーコード「E212」が割り当てられている。
「球詰まり異常」は、「排出球通路異常」、「入賞球通路異常」、「球磨き装置部通路異常」及び「遊技球循環装置通路異常」等である。「排出球通路異常」にはエラーコード「E220」が、「入賞球通路異常」にはエラーコード「E221」が、「球磨き装置部通路異常」にはエラーコード「E222」が、「遊技球循環装置通路異常」にはエラーコード「E223」が割り当てられている。
「各種異常」は、「カセット未装着」、「遊技球数表示オーバーフロー」、「循環球数過少」、「循環球数過多」、「通信エラー」及び「断線エラー」等である。「カセット未装着」にはエラーコード「E230」が、「遊技球数表示オーバーフロー」にはエラーコード「E231」が、「循環球数過少」にはエラーコード「E232」が割り当てられている。また、「循環球数過多」にはエラーコード「E233」が、「通信エラー」にはエラーコード「E234」が、「断線エラー」にはエラーコード「E235」が割り当てられている。
「各種不正」は、「前枠開放検知」、「内枠開放検知」、「鉄球検知」、「小玉検知」、「夜間枠開放検知」、「遊技盤交換検知」、「入賞数異常検知」、「不正球貸検知」及び「認証不整合検知」等である。「前枠開放検知」にはエラーコード「E240」が、「内枠開放検知」にはエラーコード「E241」が、「鉄球検知」にはエラーコード「E242」が割り当てられている。また、「小玉検知」にはエラーコード「E243」が、「夜間枠開放検知」にはエラーコード「E244」が、「遊技盤交換検知」にはエラーコード「E245」が割り当てられている。更に、「入賞数異常検知」にはエラーコード「E246」が、「入賞数異常検知」にはエラーコード「E247」が、「認証不整合検知」にはエラーコード「E248」が割り当てられている。
図24に戻って、前記S501の処理で否定判定であれば、枠制御装置41で実行されるメインルーチンにリターンして、本処理を終了する。
前記S500の処理又は前記S501の処理の何れかで肯定判定であれば(S500又はS501:yes)、S502の処理においてエラーコード表示処理を行う。これの処理では、前記S500の処理で受信した不正に対応するエラーコード、又は前記S501の処理で検知した異常に対応するエラーコードを、持球数表示装置14に表示させる。更に、S503の処理において、発射装置31を制御して、発射ハンドル12の操作に応じた遊技球の発射を強制的に停止する。その後、リターンする。尚、前記S500の処理及び前記S501の処理は特許請求の範囲に記載のエラー判断手段に相当する。
尚、枠制御装置41は、前記S501の処置で自ら検知した遊技機枠3側に配置された各種の装置の動作異常や各種の不正行為などの情報を、ホールコンピュータ500へ送信する。
前記S502の処理により、持球数表示装置14は、図26に示すように、上4桁の表示器を用いてエラーコードが表示される。例えば、図26(a)に示すように、「遊技球数等表示装置異常」が検知されたときには、持球数表示装置14にエラーコード「E210」が表示される。例えば、図26(b)に示すように、「入賞球通路異常」が検知されたときには、持球数表示装置14にエラーコード「E221」が表示される。例えば、図26(c)に示すように、「循環球数過少」が検知されたときには、持球数表示装置14にエラーコード「E232」が表示される。例えば、図26(d)に示すように、「前枠開放検知」が検知されたときには、持球数表示装置14にエラーコード「E240」が表示される。例えば、図26(e)に示すように、「不正入賞検知」のときには、持球数表示装置14にエラーコード「E102」が表示される。
尚、持球数表示装置14は、エラーコードを表示するとき、パチンコ機1が記憶する持球数の表示と、交互に点滅表示する。特にエラーコードを表示するときは、持球数の表示と表示色を相違させることが望ましい。
また、パチンコ機1は、「電波センサ検知」、「磁石センサ検知」及び「不正入賞検知」などの不正行為を検知した場合、持球数表示装置14にエラーコードを表示するとともに、演出図柄表示装置21において不正行為を検知したことを表示する。この場合、不正行為の表示は、主制御装置40の指示に応じてサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43が演出図柄表示装置21を制御することで行わる。
例えば、「電波センサ検知」のときは、図27(a)に示すように、演出図柄表示装置21の表示には、その上半部に、不正な電波を検知し、遊技球の発射を停止し、遊技を中断した旨を報知する不正電波検知表示701を行う。また表示画面の下半部中央には、パチンコ機1のメインキャラクタである「くまの達吉」700が表示される。
例えば、「磁石センサ検知」のときは、図27(b)に示すように、演出図柄表示装置21の表示の上半部に、不正な磁石を検知し、遊技球の発射を停止し、遊技を中断した旨を報知する不正磁石検知表示702を行う。
尚、図は省略するが、「不正入賞検知」のときも、演出図柄表示装置21の表示の上半部に、不正な入賞を検知し、遊技球の発射を停止し、遊技を中断した旨を報知する不正入賞検知表示を行う。
また、パチンコ機1は、「電波センサ検知」、「磁石センサ検知」及び「不正入賞検知」などの不正行為を検知する他に、不正行為として、パチンコ機1を故意に振動させる行為を検知するようにしてもよい。この場合、パチンコ機1には振動を検知する振動センサを設け、主制御装置40で検知する。また持球数表示装置14不正振動の検知時に持球数表示装置14に表示するエラーコードを割り当てる。
そして、不正振動による不正行為を検知したときは、持球数表示装置14に割り当てられたエラーコードを表示するとともに、遊技球の発射を停止し、遊技を中断する。更に、図27(c)に示すように、演出図柄表示装置21の表示の上半部に、不正な震度を検知し、遊技球の発射を停止し、遊技を中断した旨を報知する不正振動検知表示703を行う。
尚、パチンコ機1は、「電波センサ検知」、「磁石センサ検知」、「不正入賞検知」などの不正行為を検知したとき、持球数表示装置14や演出図柄表示装置21の表示で報知するとともに、パチンコ機1の前面に配置された各種のランプやLEDを点灯して報知し、更にスピーカ112から音声により不正行為を報知することが望ましい。これによれば、遊技店の従業員や周りの遊技者に不正行為を知らせることができ、不正行為が抑止できる。勿論、不正行為に限らず、異常を検知したときも、各種のランプやLEDの点灯及び音声で報知することが望ましい。
本実施形態のパチンコ機1は、記録媒体に記録されている有価価値情報の読み取り及び書き換えを行う管理ユニット〔60〕と双方向で通信可能に構成され、内部に封入された遊技球を循環させて遊技に利用する封入式遊技機であって、遊技の進行を制御する主制御装置〔40〕と、演出図柄表示装置を制御するサブ制御装置〔42,43〕と、遊技球の循環を管理する枠制御装置〔41〕と、を備える。主制御装置〔40〕と枠制御装置〔41〕との間、及び主制御装置〔40〕とサブ制御装置〔42,43〕との間は、遊技の進行を司る遊技情報が主制御装置〔40〕からのみ発信される片方向通信を行うように接続される。枠制御装置〔41〕は、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御手段〔31〕と、主制御装置〔40〕から受信する賞球数情報と遊技領域に発射した遊技球数とに基づいて、遊技に使用可能な持球数を更新する持球数更新手段と、遊技に使用可能な持球数を遊技者に視認可能に表示する持球数表示装置〔14〕と、遊技機がエラー状態であるか否か判断するエラー判断手段〔図24のS500及びS501〕と、を備える。そして、エラー判断手段がエラー状態と判断すると、発射制御手段〔31〕にて遊技球の発射を停止し、持球数表示装置〔14〕にてエラー報知を行う構成である。
またパチンコ機1は、遊技機枠〔3〕と、遊技機枠〔3〕に組み付けられた遊技盤〔2〕と、を備え、遊技機枠〔3〕には枠制御装置〔41〕が配置され、遊技盤〔2〕には、主制御装置〔40〕、サブ制御装置〔42,43〕、及び演出図柄表示装置〔21〕が配置され、主制御装置〔40〕は、遊技盤〔2〕側の不正を検知する不正検知手段〔図13のS150、S153及びS156〕を備え、不正検知手段〔図13のS150、S153及びS156〕が不正を検知すると、不正検知情報を枠制御装置〔41〕へ送信するようになし、枠制御装置〔41〕は、不正検知情報を受信すると、エラー判断手段〔図24のS500〕にて、遊技盤〔2〕側の不正検知をエラー状態と判断する構成である。
更にパチンコ機1は、主制御装置〔40〕において、不正検知手段〔図13のS150、S153及びS156〕が遊技盤〔2〕側の不正を検知すると、演出図柄表示装置〔21〕にて不正検知報知を行い、枠制御装置〔41〕は、エラー判断手段が遊技球の循環や各種不正に関するエラー状態と判断した場合、当該エラー状態を示すエラーコードを持球数表示装置〔14〕に表示する構成である。
本実施形態のパチンコ機1によれば、主制御装置〔40〕と枠制御装置〔41〕との間は、主制御装置〔40〕からのみ信号を発信する片方向通信として、枠制御装置〔41〕を介して行われる主制御装置〔40〕への不正行為を防止する構成としながら、発生したエラーの内容にかかわらず、好適に、エラーの発生に対処することができる。例えば、枠制御装置〔41〕は、エラー状態であると判断した場合、主制御装置〔40〕へ信号を送らなくても、枠制御装置〔41〕が遊技球の発射を停止するので、主制御装置〔40〕による遊技の中断がなくても実質的に遊技を中断することができ、スムーズにエラー状態の解消作業を行うことができる。また、発射が停止しても、持球数表示装置〔14〕の表示がエラー報知になっていることにより、エラー状態による遊技の中断であることを遊技者に示すことができる。更に、主制御装置〔40〕側のエラーが発生したときは、主制御装置〔40〕による遊技の中断を行ってもよいし、主制御装置〔40〕が枠制御装置〔41〕へエラー情報を送信するようになし、これに応じて、枠制御装置〔41〕が遊技球の発射を停止して遊技を中断するようにしてもよい。
また、主制御装置〔40〕が不正を検知すると、枠制御装置〔41〕がエラー状態と判断し、遊技球の発射を停止して遊技を中断することができるので、不正行為に対する迅速な対処が可能である。
更に、遊技店の従業員がエラー報知された遊技機をチェックする場合、最初に最も目につきやすい演出図柄表示装置〔21〕でエラー報知が行われているか否かを見ることとなる。演出図柄表示装置〔21〕でエラー報知が行われていれば、遊技盤〔2〕側の不正検知に関するエラー報知であることを示すため、演出図柄表示装置〔21〕での報知内容に応じて遊技盤〔2〕側のエラー解消(不正行為排除)を迅速に行うことができる。一方、演出図柄表示装置〔21〕でエラー報知が行われていなければ、遊技機枠〔3〕側の循環に関するエラーと判断し、持球数表示装置〔14〕のエラーコードを確認して、遊技機枠〔3〕の該当箇所でエラー解消作業を好適に行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、主制御装置40が不正行為を検知したときや、枠制御装置41が異常を検知したときは、これらの情報が枠制御装置41からCRユニット60へ送信される構成である。そこで、これらの情報を受信したCRユニット60では、不正行為や異常を検知したことをユニット表示器61において表示するようにしてもよい。
例えば、不正な電波による不正行為が検知されたときには、図28(a)に示すように、ユニット表示器61の表示画面には、上端中央部に不正行為検知表示615が表示される。更に、ユニット表示器61の表示画面には、不正な電波を検知したため、遊技球の発射を停止し、遊技を中断した旨を報知する不正電波検知表示616が表示される。尚、球貸スイッチ611と返却スイッチ612及び残高図柄613は、表示画面の右側部にまとめて表示される。
例えば、排出球通路異常による異常が検知されたときには、図28(b)に示すように、ユニット表示器61の表示画面には、上端中央部に異常状態検知表示617が表示される。更に、ユニット表示器61の表示画面には、排出球通路異常を検知したため、遊技球の発射を停止した旨を報知する排出球通路異常検知表示618が表示される。尚、球貸スイッチ611と返却スイッチ612及び残高図柄613は、表示画面の右側部にまとめて表示される。
このように、CRユニット60のユニット表示器61を用いることで、異常状態の報知に関し、持球数表示装置14表示以外の場所で表示することができるうえ、ユニット表示器61ではエラーコードに限らず、文章などの詳細な報知が可能であり、異常内容を容易には把握することができ、異常の解消へ向けて迅速な対応ができる。
パチンコ機1は、主制御装置40側の不正行為の検知や枠制御装置41側の異常状態の検知を、ユニット表示器61においても報知を行う場合、ユニット表示器61の球貸スイッチ611のタッチ操作による球貸、及び返却スイッチ612のタッチ操作による返却を不可能にする構成でもよい。例えば、枠制御装置41には、球貸スイッチ611の操作を無効とする球貸操作無効手段、及び返却スイッチ612の操作を無効とする返却操作無効手段を設ける。そして、不正行為や異常状態の検知時に、球貸スイッチ611が操作されても、操作を受け付けずに無効とする。また、返却スイッチ612が操作されても、操作を受け付けずに無効とすることが望ましい。これにより、不正行為や異常が発生した場合において、持球数に差異が発生する状況を排除し、持球に関するトラブルを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機1は、不正行為検知後、持球数表示装置14でエラーコードと持球数とが交互に表示されているとき、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25及び一般入賞口27への入賞で賞球が発生しても、入賞発生のタイミングで持球数表示装置14に表示される持球数の表示を更新しなくてもよい。一方、主制御装置40が制御する賞球数表示装置205には賞球数表示を行うことが望ましい。
その後、不正行為検知などのエラーが解消されると、持球数表示装置14は、エラー検知からエラーが解消されるまでの賞球を含む持球数の表示を更新することが望ましい。従って、持球数の表示を制御する枠制御装置41は、エラー検知からエラーが解消されるまでの賞球入賞を記憶することとなる。
これによれば、不正行為検知に基づくエラーであれば、エラー発生前の遊技球数を示しておき、エラー解消後エラー検知後の賞球数を更新することにより、エラー状態時にどれぐらいの賞球が発生したのかを確認できる。
尚、パチンコ機1は、不正行為検知後の第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25及び一般入賞口27への入賞を無効にする構成も考えられる。入賞を無効にする場合は、賞球数表示装置205に賞球数の表示を行わないだけでなく、無効入賞に合わせて「無効」であることを報知する態様を賞球数表示装置205に表示するのが好適である。これにより、不正行為検知時の入賞が無効であることを遊技者に認識させることができる。
パチンコ機1は、枠制御装置41が主制御装置40から遊技状態情報3(不正行為検知)を受信すると、パチンコ機1側が記憶している持球数を強制的にCRユニット60に挿入されているカードに移行する構成としてもよい。この場合、カードに移行する持球数情報は、遊技状態情報3の受信時(発射停止時)の値としてもよく、不正を行った遊技者に不正を検知した時点から以降の遊技継続が不可能な状態とすることができる。
パチンコ機1は、枠制御装置41がエラー状態と判断しても、大当り遊技中であれば、不正行為検知及び遊技進行が不可能な球詰まり異常などが検知された場合を除き、遊技球の発射を停止しないことが望ましい。この場合、大当り中のエラーでも、持球数表示装置14にエラーコードを表示する。
これによれば、大当り中において、遊技者が不利益を被ることがないようにしながら、異常状態であることの報知を行うことができる。
パチンコ機1(封入式遊技機)において、遊技の中断は、遊技球の発射停止だけではなく、発射した全ての遊技球の回収まで行って遊技の中断状態としてもよい。この場合、エラー状態の検知に応じて遊技球の発射を止め、最後に発射された遊技球が回収されたことで、発射停止時の遊技者の持球数が確定してから(発射停止後の入賞を確認してから)持球数表示装置14にエラーコードを表示することが望ましい。即ち、エラー状態の検知から所定時間経過後にエラーコードを表示する。
これにより、発射した全ての遊技球を回収し、持球が確定した(賞球が発生することがない)時点で遊技を中断することで、持ち球に関するトラブルの発生を抑えることができる。
また、パチンコ機1(封入式遊技機)は、枠制御装置41とサブ統合制御装置42とを双方向の通信可能に接続することが望ましい(図6の仮想線を参照)。この接続により、枠制御装置41からサブ統合制御装置42に異常報知を直接指示することが可能(主制御装置40を介さず)となる。これにより、枠制御装置41が検出した異常状態の発生とその内容を、演出図柄表示装置21やその他の演出機器を用いて、より容易に遊技者及びホールスタッフに認識させることができる。
尚、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。