JP7011256B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
しかしながら、球貸レートと大当り確率とは一対一の関係にあるので(段落0115~0122、図6及び図7)、球貸レートを決定すれば対応する大当り確率が自動的に決定されてしまうという課題が考えられた。
この結果、球貸レートを遊技者が決定すれば対応する大当り確率で遊技を行わざるを得ない課題、球貸レートをホールの関係者が決定すれば大当り確率が分かってしまう又は予測可能となる課題、が考えられた。
本願発明は該課題に鑑みてなされたものである。
球貸しのレートに基づき遊技球を持球として貸し出すカードユニットに接続された枠制御基板と、遊技の進行を制御する主制御基板とを備え、内部に封入された複数の遊技球を循環させて使用することで遊技を行う弾球遊技機であって、
前記枠制御基板には、前記カードユニットから前記球貸しにより遊技者に提供される遊技球の数である貸球数を取得して該貸球数を持球数に加算し、発射装置により遊技球が発射される毎に前記持球数を減算し、入球(入賞)に応じた賞球数を前記持球数に加算する持球数演算手段と、
前記主制御基板には、
遊技球の入球に起因して当否抽選を行うための確率を複数の中から1の確率値に設定する確率設定手段と、
前記球貸しのレートを複数の中から1のレートに設定するレート設定手段と、
前記確率設定手段により確率値を設定したときには当該確率値を示すデータ、前記レート設定手段によりレートを設定したときには当該レートを示すデータを前記枠制御基板に出力するデータ出力手段と、
前記枠制御基板には、前記データ出力手段により出力された前記データが前記レートの場合には、該受信した前記レートを示すデータを前記カードユニットに出力する初期設定手段と、を備え、
前記主制御基板は、前記確率設定手段により1の確率値を設定した後、前記レート設定手段により1のレートを設定する処理を行う、
ことを特徴とする。
これにより、カードユニットは受信したデータに基づき、球貸しのレートを決定し、該決定されたレートに基づき遊技球を持球として貸し出すことができる。
これにより、パチンコホールは、同一機種の弾球遊技機であっても同じレートで異なる当否確率の遊技機を、同じ当否確率であっても異なるレートの遊技機を提供することができる。
遊技者は、同じレートではあっても、高い確率に設定されていることを期待して遊技を行う楽しむことができる。また、低い確率と推測するのならレートの低い遊技機を選択し、高い確率と推測するのならレートの高い遊技機を選択する楽しみが増える。
本願発明では、設定される当否抽選の確率値は設定されるレートとは関係しない。このため、設定された当否確率に応じてレートの選択幅が変更しないので、設定された当否確率は明確には判らない効果を有し、推測する他ない。
これにより、カードユニット又は枠制御基板に接続されたホールコンピュータ等の外部装置は、カードユニットで使用された金額、遊技終了後にカードユニットに転送された持球数を示すデータ、レート及び確率データに基づき売上を算出できる。確率データを用いることができるので、売上に対する確率の影響をデータ分析することが可能となる効果を有する。
枠制御基板のRAM記憶領域は、持球数を示すデータを記憶する持球数記憶領域と、持球数以外のデータを記憶する他記憶領域とを有する場合、当否確率を示すデータ及びレートを示すデータ(以下、単に「レートデータ」と呼ぶこともある。)は他記憶領域に記憶するのが好適である。但し、例外的にこれらのデータの一方又は双方を持球数記憶領域に記憶させても良い。これらのデータは、持球数と密接に関係しているからである。尚、他記憶領域には、主制御基板から送信された大当り中等の遊技状態を示すデータや、枠制御基板で検知されたエラー情報等が記憶される。
レート設定手段によりレートを設定したときには、レート及び確率値を示すデータ以外の記憶領域は初期設定されていることが好適である。この処理は、レートを設定した後にレート及び確率値を示すデータ以外の記憶領域がクリアされていれば良く、新たに設定されたレートを該当領域に書き込む前に初期設定しても良く、書き込んだ後に初期設定しても良い。
電源投入後にレートを設定変更する構成では、大当り遊技中でない、高確率遊技中でない、時短遊技中でない、保留記憶がない、図柄(普通図柄、特別図柄、演出図柄)が変動中でない、又は最後に発射された遊技球が盤面上にいない等の一定の条件下で変更を可能とする構成が好ましい。これらの遊技中にレート変更すれば、遊技結果(成果)の価値が変化するからである。
枠制御基板が受信したレートを示すデータをカードユニットに出力するとき、枠制御基板の持球数記憶領域を零クリアすれば、レートの相違する持球数が混在する弊害はない。但し、少なくとも前回とレートが相違する場合だけ零クリアする構成でも良い。この場合、持球数記憶領域をクリアすると同時に、レート変更前の持球数をカードユニットに送信しても良い。尚、クリアすることなく、レート変更前の持球数をレート変更後の持球数に変更しても良い。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
パチンコ機1は、図1に示すように、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジを介して、内枠70(図2参照)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられている。また、内枠70の前面には、前枠(ガラス枠)52が該内枠70に対して開放可能に取り付けられおり、前枠52には、図示しない板ガラスが脱着可能に設けられている。さらに、この板ガラスの奥側(後側)には、内枠70に取り付けられた遊技盤2が配設されている。
遊技盤2の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普図保留数表示装置8と、特別図柄保留数表示装置18と、7セグメント表示装置からなる特別図柄表示装置9とが配設されている。
また、詳細は後述するが、パチンコ機1は、遊技の特性を定める複数の設定値が設けられており、パチンコ機1の管理者(例えば、パチンコ機1が設置されたホールの店員等)からの操作に応じて現在の設定値が変更される。主制御装置80には、現在の設定値の変更を行うための設定装置が設けられており、設定装置は、主制御装置80と共にケースに収容されている。設定装置には、現在の設定値の変更を行うための設定値表示装置80a、設定変更スイッチ80b、及び、クリアスイッチ80cが設けられている。これらは、パチンコ機1の裏側(換言すれば、遊技盤2の裏側)に位置し、内枠70が開放された時に視認及び操作が可能となっており、遊技者による視認及び操作が不可能となっている。
電源装置85には、電源スイッチ85aが備えられている。設定変更スイッチ80bをオン状態とした後、クリアスイッチ80cを押下した状態で電源スイッチ85aをオンすれば、設定値(大当りの当否確率)及びレート(球貸の単価)の変更が可能となる。これについては、詳細に後述する。
図3は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。尚、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、枠制御装置81、演出図柄制御装置82、及び、サブ統合制御装置83のいずれも、CPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。
尚、枠制御装置81は、後述するように、性能等表示装置60の情報、遊技者の持球数情報、およびクレジット残高に関わる情報などを扱うことから、万が一、電源供給が遮断された場合にもこれら情報を保持できるように、不揮発性メモリ(フラッシュメモリや不揮発性RAMなど)が好適に用いられ得る。これにより、電源供給が遮断された場合にも、遊技者が不利益を被る可能性を低減できる。枠制御装置81の不揮発性RAM81aは、後述する持球数を記憶する持球記憶領域と持球数以外のデータを記憶する他記憶領域とに分かれている。一方、主制御装置80のRAMは揮発性であり、図示しないが、停電時には枠制御装置81、電源基板85又は図示しない中継基板からバックアップ電源が供給される。
枠制御装置81に接続された性能表示装置60が設定値表示装置80aを兼ねる場合も同様である。この場合には、設定値表示装置80aに表示されるデータが枠制御装置81に送信される。
本実施形態では、表示装置47はタッチパネル構造であり、貸出スイッチ58に対応する表示領域をタッチすれば貸出スイッチ58がオン状態となり、返却スイッチ59に対応する表示領域をタッチすれば返却スイッチ59がオン状態となるよう構成されている。
また、表示装置47は、返却スイッチ59の操作信号を入力すると、カードユニット46に対してICカードの返却処理を指示する。また、枠制御装置81は、カードユニット46に挿入されたICカードに記憶されている持球数情報をカードユニット46から取得し、該持球数情報に基づき、枠制御装置81にて管理する持球数情報を生成又は更新する。即ち、枠制御装置81のRAM81aの持球記憶領域に記憶されている持球数が零であれば、カードユニット46から取得した持球数を新たな持球数とし、零でなければ取得した持球数を加算する処理が行われる。
計数スイッチ62aが操作されると、操作される時間に応じて枠制御装置81は持球記憶領域に記憶している持球数を減じ、減じた持球数をカードユニット46に出力する。カードユニット46は、受信した持球数を記憶した持球数に加算する。計数スイッチ62aの操作により持球数を減じる処理は、持球記憶領域に記憶している持球数が零になるまで行われる。
電源スイッチ85aをオン状態としたとき、遊技球クリアスイッチ62bがオン状態であれば、持球記憶領域に記憶されたデータは初期設定(零クリア)される。このとき、他記憶領域に記憶されたデータは初期設定されない。初期設定におけるクリアは、必ずクリアされる必要はなく、「初期設定しますか?」等の確認画面を表示し、確認後にスイッチを操作する等の何等かの操作を経てクリアする構成でも良い。このことは、クリアスイッチ80bの操作に関しても同様である。
尚、持球数表示装置61は、枠制御装置81に記憶されている持球数情報が示す遊技者の持球数をリアルタイムに表示する。
枠制御装置81は、球貸しの際には、カードユニット46から貸球数を受信すると、貸球数を持球数情報が示す持球数に加算し、遊技の精算が行われた際には、持球数情報をカードユニット46に送信すると共に、持球数情報を初期化する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンド(主制御装置80から送信されたものと、サブ統合制御装置83で主制御装置80からの入力および演出ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示する。
カードユニット46は、クレジット残高や貸出可能な球数などの情報を、遊技の進行に従って適宜更新して管理すると共に、表示装置47でクレジット残高や貸出可能な球数を表示する。
カードユニット46は、ICカードから読み取った情報を、枠制御装置81へ送信する。
さらに、遊技終了の際には、精算された持球数を、枠制御装置81からカードユニット46へ送信し、ICカードの情報を更新する。
(1)遊技について
パチンコ機1は、所謂第1種遊技機としての構成を有しており、常時入賞が可能な第1始動口11と、普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞が容易又は可能となる第2始動口12が設けられている。なお、普通図柄抽選とは、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過したことに主制御装置80にて行われる当否判定である。主制御装置80は、普通図柄抽選を行うと、普通図柄表示装置7にて普通図柄の変動表示を行い、これを停止表示して確定図柄を表示することで、普通図柄抽選の結果を報知する。なお、主制御装置80は、一例として、普通図柄抽選について最大4個の保留記憶を行う。
図4及び図5に従って、当否確率の設定変更及びレートの設定変更について説明する。ここでは、先ず当否確率の設定変更について説明する。
本実施形態では、電源基板85の電源スイッチ85aをオン操作するときに、クリアスイッチ80c及び設定変更スイッチ80bがオン状態であれば、前述の第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aに遊技球が入賞したときに抽出される乱数値による当りの当否確率を設定変更可能な構成となっている(図4のS1)。この状態時には、設定値表示装置80aには設定変更可能であることを示す初期設定画像が表示され、クリアスイッチ80cを押下毎に設定値を変更することが可能である。初期設定画像が表示されたときには、主制御基板80のRAMに記憶されたデータが初期状態に設定される。このとき、枠制御装置81にRAMクリア信号が出力される。RAMクリア信号を受信すると、枠制御装置81は、RAM81aの他記憶領域に記憶されたデータを初期設定する。但し、本実施形態では、当否確率及びレートを示すデータは、主制御装置80及び枠制御装置81において初期設定されない。当否確率及びレートを示すデータは、新たに設定変更するデータに書き換えられる。勿論、初期設定した後、新たに設定した当否確率及びレートを示すデータを記憶しても良い。
この初期画面が表示されている状態で、一旦手を離したクリアスイッチ80cを押下する回数に従って当否確率が変更される。即ち、クリアスイッチ80cは、設定値変更スイッチとしても使用される。設定値変更スイッチは専用のスイッチを用いても良い。
具体的に説明すると、初期設定画面には当否確率が最も低い設定1(1/300)が表示され、その後、クリアスイッチ80cを押下する毎に、設定2(1/290)、設定3(1/280)、設定4(1/270)、設定5(1/260)、設定6(1/250)が表示され、更に押下すると設定1に戻る。尚、各設定の当否確率は一例である。
いずれかの設定1~6が表示された状態で設定変更スイッチ80bを一旦オフ状態とすると、表示された設定で当否確率は確定する(図4のS2)
本実施形態では、前述した当否確率を設定変更した後、レート変更処理を行うことができる(S3)。
設定変更スイッチ80bをオフの位置に切り替えると当否確率の設定変更処理は終了するが、本実施形態では、この直後に設定値表示装置80aに「レート変更を行う場合には、10秒以内に設定変更スイッチ80bをオンして下さい。」といったメッセージが表示される。
管理者が10秒以内にオフした設定変更スイッチ80bをオンすれば、引き続きレート変更処理を行うことができ、オンしなければ前回のレートが引き続き用いられる(S3)。
レート変更処理では、初期画面として1円のレートが表示され、その後、クリアスイッチ80cを押下する毎に、2円のレート、3円のレート、4円のレートが表示され、いずれかのレートが表示されている状態で設定変更スイッチ80bをオフにすれば、表示されていたレートが確定する(S4)。
設定変更スイッチ80bをオフの位置に切り替えると、RAMに記憶されたデータが初期設定された旨が表示され、前述の設定変更した当否確率及び設定変更したレートが新たな設定値に変更され、変更された当否確率及びレートが表示される。尚、レート変更しないと判断されたときには(S3のNO)、前回のレートが記憶維持され表示される。
尚、本実施形態では、当否確率の変更処理を行った後にレート変更処理を行う構成だが、先ず、レート変更処理を行い、その後に当否確率の変更処理を行う構成でも良い。また、当否確率の変更とレートの変更を選択する選択スイッチを備えても良い。当否確率の変更を行う場合には、対応する位置に選択スイッチを切り替えた後、前述の操作を行って当否確率の変更操作を行い、設定変更スイッチ80bをオフ状態とする前に選択スイッチをレート変更の位置に切り替えた後、前述の操作を行ってレートの変更を行うのである。そして設定変更スイッチ80bをオフ状態とすれば、変更された当否確率及びデータが確定する。勿論、最初に選択スイッチをレート変更の位置にしてレート変更を行っても良い。一方のみを変更する場合、選択スイッチを用いて一方のみを変更した後、設定変更スイッチ80bをオフ状態とすれば良い。
枠制御装置は、当否確率を示すデータ(以下、「確率データ」と呼ぶこともある。)及びレートを示すデータ(以下、「レートデータ」と呼ぶこともある。)を受信すれば、確率データ及びレートデータを他記憶領域に記憶する(図5のS5)。
受信したレートデータに変更があれば、枠制御装置81はレートデータをカードユニット46に送信する(S6~S7)。レートデータに変更がなければ、送信しない。
1円のレートであれば遊技球1個を1円、2円のレートであれば遊技球1個を2円、3円のレートであれば遊技球1個を3円、4円のレートであれば遊技球1個4円で遊技球を貸出すよう設定処理を行う。
従って、1円のレートの場合、遊技者が貸出スイッチ58をオンさせれば、100個の遊技球が持球として貸出され、ICカードから100円減額される。
2円のレートの場合、貸出スイッチ58をオンさせれば、100個の遊技球が持球として貸出され、ICカードから200円減額される。3円のレートの場合、貸出スイッチ58をオンさせれば、100個の遊技球が持球として貸出され、ICカードから300円減額される。4円のレートの場合、貸出スイッチ58をオンさせれば、100個の遊技球が持球として貸出され、ICカードから400円減額される。
尚、本実施形態では、貸出スイッチ58の1回の操作で100個の遊技球を持球として貸出すよう構成したが、貸出スイッチ58の1回の操作で定額が減額されるよう構成しても良い。例えば、貸出スイッチ58の1回の操作で600円減額する構成の場合、1円のレートなら600個、2円のレートなら300個、3円のレートなら200個、4円のレートなら125の遊技球が持球として貸出される。
尚、前記レートの種類、1回の操作により貸出される持球数、減額金額等は一例である。
但し、受信する確率データ及びレートデータを持球記憶領域に記憶する構成でも良い。この場合、電源スイッチ85aをオンしたとき遊技球クリアスイッチ62bがオン状態であれば、記憶していた確率データ及びレートデータも消滅するので、枠制御装置81から主制御装置80に送信要求でき、主制御装置80から最新の確率データ及びレートデータを受信するよう構成しても良い。
一方、遊技球クリアスイッチ62bを主制御装置80に接続する構成も考えられる。この構成の場合は、枠制御装置81のRAM81aの持球記憶領域に記憶されたデータを初期設定するための信号(コマンド)を主制御装置は送信するが、同時に最新の確率データ及びレートデータを送信するよう構成すれば良い。この構成では、主制御装置80から枠制御装置81にのみ送信できる一方向通信が可能となる。
例えば、本実施形態では、前述したように、低確率時の当選確率は、設定1(1/300)、設定2(1/290)、設定3(1/280)、設定4(1/270)、設定5(1/260)、設定6(1/250)としているが、この設定とは無関係に高確率時の当選確率として、設定7(1/50)、設定8(1/45)、設定9(1/40)、設定10(1/35)としても良い。即ち、低確率時の6段階の設定と高確率時の4段階の設定とを組み合わせる構成である。これにより24通りの組み合わせが可能となる。この組み合わせは一例であり低確率時の複数の設定と高確率時の複数の設定とを組み合わせる構成であれば良い。
これにより、持球数が零でない、大当り遊技中、高確率中、時短中、保留記憶が存在する、当否結果を報知するための図柄(特別図柄、普通図柄又は演出図柄)の変動中、又は最後に発射された遊技球が遊技盤面を流下する時間経過以内である、という状態でレートが変更されるといった不具合が自動的に解消される効果を有する。
遊技球を発射することができる持球数が存在する場合にレート変更を可能とすれば、球貸されたときの単価と相違することになる。また、レート変更前の遊技により得た大当りや高確率状態等の遊技結果(成果)の価値を変化させることになる。例えば、低いレートで遊技を行い大当りが発生後にレートを高くすれば、大当りにより得られる金銭的価値が高く変化する。
尚、電源スイッチ85aをオンしたとき、設定変更スイッチ80bがオフ状態でありクリアスイッチ80cがオン状態であれば、主制御装置80のRAM及び枠制御装置81のRAM81aの他記憶領域に記憶されたデータが初期設定される。
電源スイッチ85aをオンしたとき、設定変更スイッチ80bがオン状態でありクリアスイッチ80cがオフ状態であれば、現在設定されている当否確率及びレートを確認することができる。
次に、パチンコ機1の主制御装置80におけるメインルーチンについて、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。主制御装置80は、メインルーチンを実行することで、パチンコ機1での遊技を実行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S75に処理を移行する。
また、変動パターン決定用乱数2の値は、0~600の範囲であり、乱数の大きさは601である。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当った際に行われる大当り遊技を制御する大当り遊技処理と(S60)を行う。
また、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S70)を実行する。 また、S75では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶の生成等を行う始動入賞確認処理について、図9に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S105では、主制御装置80は、保留記憶の数が上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行し、肯定判定の場合は(S105:Yes)、本処理を終了する。
なお、S110にてサブ統合制御装置83に送信する保留情報(コマンド)は、消化(消滅)されていない保留記憶の数を示すコマンドではなく、保留記憶の増加を示す情報を送信する構成でも良い。
S115では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値についての判定(以後、先読み判定とも記載)を行う先読み判定処理を実行し、本処理を終了する。
次に、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理について、図10に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
S150では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が特定値(大当り抽選で当りとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S150:Yes)、S155に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S150:No)、S160に処理を移行する。
一方、S160では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2との値が、特定値(図柄演出でSPリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S160:Yes)、S165に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S160:No)、S170に処理を移行する。
また、S170では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2との値が特定値(図柄演出でノーマルリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S170:Yes)、S175に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S170:No)、S180に処理を移行する。
一方、S180では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数1,2が、前記特定値のうちのいずれでもないことを示す先読みコマンド4を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
先読みコマントを受信したサブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6を介して先読み演出を行っても良い。具体的には、例えば、先読みコマンドの種別に基づき、該先読みコマンドに対応する保留記憶についての保留図柄を変化させることで、該保留記憶にて大当りになるかどうかを示唆しても良い。
次に、保留記憶として記憶された大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図11~図14のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
まず、図11に関して、S200では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
S205では、主制御装置80は、特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、図13のS280に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
続いて図12に関して、S215では、主制御装置80は、保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、本処理を終了する。
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
S240では、主制御装置80は、S230又はS235の判定結果を参照して、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
S250では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S255に処理を移行する。
S265では、主制御装置80は、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新等を行い、S270に処理を移行する。
なお、S270にてサブ統合制御装置83に送信する保留情報(コマンド)は、消化(消滅)によって残った保留記憶の数を示すコマンドではなく、保留記憶の減少を示す情報を送信する構成でも良い。
なお、変動開始コマンド等を受信したサブ統合制御装置83は、大当り抽選の結果、及び、特別図柄の変動時間をもとに、特別図柄の変動時間と同じ時間の演出の中から演出図柄表示装置6にて表示する図柄演出を選択し、選択した図柄演出を表示させる。また、変動開始コマンドは、さらに、大当り抽選により消化された保留記憶が、第1始動口11への入賞により生成されたものであるか、第2始動口12への入賞により生成されたものであるかを示しても良い。
S285では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
S295では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S300に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S310)、その後、S315に処理を移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S330),大当り開始演出処理(S335)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
S370では、主制御装置80は、状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、図15~図17のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
S400では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合には(S400:No)、本処理を終了する。
S410では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、図16のS450に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S410:No)、S415に処理を移行する。
S420では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S420:No)、本処理を終了する。
続いて図16に関して、大入賞口14の開放中に移行するS430では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S430:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S430:No)、S435に処理を移行する。
S440では、主制御装置80は、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S445に処理を移行する。
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS450では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S455に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S450:No)、本処理を終了する。
S460では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図17に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS470では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S470:No)、本処理を終了する。
S485では、主制御装置80は、大当り遊技後に確変モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S485:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定すると共に(S490)、確変フラグをセットし(S495)、S500に処理を移行する。
S515,S520では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
なお、主制御装置80は、大当り遊技中、大当り遊技の進行状況を示すコマンドをサブ統合制御装置83に対し送信する。該コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6を介して演出を行い、大当り遊技の進行状況を遊技者に報知する。
前記実施形態のパチンコ機1によれば、レート変更処理は設定変更される当否確率とは無関係である。これにより、パチンコホールは、同一機種のパチンコ機1であっても同じレートで異なる当否確率の遊技機を、同じ当否確率であっても異なるレートの遊技機を提供することができる。
また、本願発明では、設定される当否抽選の確率値は選択されたレートとは関係しない。このため、設定された当否確率に応じてレートの選択幅が変更しないので、設定された当否確率が推測されることがない効果も有する。
また、一連の処理なので、パチンコホールの管理者の操作も簡易化できる効果を有する。
これにより、遊技の金銭的価値を変化させることが自動的に解消することができる効果も有する。
持球数が零である、大当り遊技中でない、高確率遊技中でない、時短遊技中でない、保留記憶が残っていない、図柄が変動中でない、最後に遊技球を発射してから所定時間経過している等のレートを変更する際に判断する処理が省かれる効果も有する。
これにより、カードユニット46又は枠制御装置81に接続されたホールコンピュータ等の外部装置は、カードユニット46で使用された金額、遊技終了後にカードユニットに転送された持球数を示すデータ、レート及び確率データに基づき売上を算出できる。確率データを用いることができるので、売上に対する確率の影響をデータ分析することが可能となる効果を有する。
一方、変形例に示すように、設定変更された確率データ及びレートデータを枠制御装置81の持球数記憶領域に記憶すれば、遊技球クリアスイッチ62bを操作しない限り記憶された確率データ及びレートデータはクリアされない。確率データ及びレートデータが持球数記憶領域に記憶されるので、持球数と確率データ及びレートデータとの対応が明確となる。
本実施形態では、最新の確率データ及びレートデータが枠制御装置81に記憶保持されている。詳細には、RAM81aの持球数記憶領域又は他記憶領域に記憶保持されている。
(1)前記実施形態のパチンコ機1は、所謂第1種遊技機としての構成を有しているが、該パチンコ機1は、例えば、所謂第2種遊技機、又は、1種2種混合機としての構成を有していても良い。第2種遊技機や1種2種混合機では、始動口の入球に応じて小当り遊技が行われ、小当り遊技では特定領域が設けられた大入賞口が開放される。そして、小当り遊技にて大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、大当り遊技が行われる。
前記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
前記実施形態におけるパチンコ機1が弾球遊技機、第1及び第2始動口11,12、大入賞口14、及び一般入賞口15が入球口、回収路、研磨装置、及び揚送装置33が循環手段、主制御装置80が主制御基板、枠制御装置81が枠制御基板、枠制御装置81が持球数演算手段、図4に示す「確率変更/レート変更処理」が確率設定手段及びレート設定手段、図5に示す「レート送信処理」がデータ出力手段及び初期設定手段、の一例に相当する。
Claims (1)
- 球貸しのレートに基づき遊技球を持球として貸し出すカードユニットに接続された枠制御基板と、遊技の進行を制御する主制御基板とを備え、内部に封入された複数の遊技球を循環させて使用することで遊技を行う弾球遊技機であって、
前記枠制御基板には、前記カードユニットから前記球貸しにより遊技者に提供される遊技球の数である貸球数を取得して該貸球数を持球数に加算し、発射装置により遊技球が発射される毎に前記持球数を減算し、入球(入賞)に応じた賞球数を前記持球数に加算する持球数演算手段と、
前記主制御基板には、
遊技球の入球に起因して当否抽選を行うための確率を複数の中から1の確率値に設定する確率設定手段と、
前記球貸しのレートを複数の中から1のレートに設定するレート設定手段と、
前記確率設定手段により確率値を設定したときには当該確率値を示すデータ、前記レート設定手段によりレートを設定したときには当該レートを示すデータを前記枠制御基板に出力するデータ出力手段と、
前記枠制御基板には、前記データ出力手段により出力された前記データが前記レートの場合には、該受信した前記レートを示すデータを前記カードユニットに出力する初期設定手段と、を備え、
前記主制御基板は、前記確率設定手段により1の確率値を設定した後、前記レート設定手段により1のレートを設定する処理を行う、
ことを特徴とする弾球遊技機。
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