次に本発明を実施例及び変形例を用いて説明する
(1)実施例1
まず、本発明を適用した第1実施形態(実施例1)のパチンコ機1を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、遊技店に設置され、遊技者が遊技可能な遊技機である。パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造である。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠(遊技枠ともいう)が開閉可能に設けられている。尚、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放可能である。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けられている。
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けられている。
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが上下方向に配置されている。また前枠11の下半部には、下皿13の右側に、発射ハンドル14が配置されている。発射ハンドル14は、これを時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払出される。
下皿13は、上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接して設けられている。パチンコ機1には、上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び精算表示装置173が設けられている。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が配置されている。
遊技盤2について説明する。図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が配置されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
遊技領域20のセンターケース200の左横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動ゲート22が設けられている。
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が配置されている。更にその直下位置には、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。第2特図始動口24は、チューリップ式の開放部材により開放可能に構成されている。第2特図始動口24は、前記普図の抽選で当りとなり、普通電動役物が作動することで、開放部材が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放部材の開放時にのみ入球(入賞)可能である。
第2特図始動口24の直下位置には、開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。大入賞口25は、特別電動役物が作動することで、開閉板が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放板の開放時にのみ入球(入賞)可能である。尚、第1特図又は第2特図の当否判定で大当りとなると、役物連続作動装置が作動し、役物連続作動装置が作動することで、特別電動役物が連続して作動する。これにより大入賞口25が連続して開放される。
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口26が配されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。アウト口203には、発射された遊技球のうち、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口26の何れにも入球(入賞)しなかった遊技球が取り込まれる。
遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第1特図表示装置27A、第2特図表示装置27B、第1特図保留数表示装置271、第2特図保留数表示装置272、普図表示装置28及び普図保留数表示装置281が配置されている。
図3はパチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏面側には、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払出される。また、前記賞球を払出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払出される貸球も払出す構成としてある。
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
パチンコ機1の裏側の主制御装置40には、性能表示装置48が設けられている。性能表示装置48は、遊技者が遊技中に視認不可能な位置に配置されている。性能表示装置48は、算出された前記の遊技性能を表示するものである。性能表示装置48は、4つの7セグメントLED表示器を並設した構成で、4桁の簡素な文字、数字を表示可能に構成されている。
なお、本実施例の性能表示装置48では、遊技性能の表示を行うと共に、併せて、パチンコ機1の設定変更や設定確認時における段階設定値(以下、単に「設定」、或いは、「設定値」、「設定情報」等とも称呼する場合がある。また本実施例では、より具体的に、所謂、設定1~設定3を示す値を指すことがある。)の表示も行うよう構成されている。
このように、各実施例では、設定を3段階で変更可能な具体例を例示するが、その他の具体例として、設定を他の段階数に亘って変更可能とする場合を例示することもできる。例えば、設定を2段階で変更可能な態様(設定1~2)、4段階で変更可能な態様(設定1~4)、5段階で変更可能な態様(設定1~5)、6段階で変更可能な態様(設定1~6)、7段階以上で変更可能な態様等を例示することもできる。
主制御装置40は、図示のように、性能表示装置48の直下に設定キーSW47を備える。設定キーSW47は、設定キーを挿入した図示のOFF状態から、例えば時計回り方向に90度回すと、ON状態に切換え可能な周知の構成である。本実施例では、後で詳述するが、少なくとも該設定キーSW47をONすることで、設定変更状態や設定確認状態への遷移を可能とし、設定変更や、設定確認を終了する際に、OFFする構成となっている。
また、主制御装置40は、図示のように、設定キーSW47の直下にRAM(RWM)クリアスイッチ46を備える。RAMクリアスイッチ46は、該RAMクリアスイッチ46を押下しつつ、電源スイッチ86をONして電源投入することで、RAMクリアを実行するためのスイッチである。
なお、本実施例のRAMクリアスイッチ46は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。RAMクリアスイッチ46の機能については、後で詳述する。
図4はパチンコ機1の電気的構成を示すブロック図で、パチンコ機1は、遊技進行等の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。尚、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。
主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM(以下、RWMと呼称する場合もある)、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して、ROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40は各種の乱数を抽出(生成)する乱数カウンタ等も備えている。本実施形態の主制御装置40では、前記生成し使用する乱数として、所謂ハード乱数を採用している。該構成については、後で詳述する。
一方、発射制御装置44はCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
パチンコ機1は、バックアップ電源を備え、少なくとも、主制御装置40、払出制御装置41に設けられたRAMの内容を保持する構成である。尚、パチンコ機1では、サブ統合制御装置42に設けられたRAMの内容は保持されない。
パチンコ機1の電源について説明する。パチンコ機1は、外部に設けられたAC電源から供給される電力を、電源基板45により変換して直流電圧を生成する。そして、パチンコ機1は、電源基板45に設けられた電源スイッチ86が操作されることでパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。パチンコ機1は、コンデンサ等から構成されたバックアップ電源生成回路(バックアップ用電源回路とも呼称する)によりバックアップ電源(バックアップ用電源とも呼称する)を生成する。バックアップ電源は、AC電源からの電力供給中に、コンデンサに直流電圧の電力を蓄え、停電時には主制御装置40等(例えば、主制御装置40のRAM等)に電力を供給する。これにより、パチンコ機1への電力供給が停止した後も、一定時間にわたり電力供給が停止した直前の主制御装置40のRAMの内容(例えば、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口26への入賞により払出させることとなった賞球の数の合計、パチンコ機1の遊技状態)を保持する構成である。
一方、本実施例の電源基板45が生成するバックアップ電源は、サブ統合制御装置42へ供給されない。このため、パチンコ機1への電力供給が停止した後は、サブ統合制御装置42のRAMに保持されている記憶はクリアされる。
尚、バックアップ電源は、主制御装置40に設けてもよいし、電源基板45以外の他の装置に設けてもよい。また、電源基板45は、AC電源からの電力供給が停止している場合には、主制御装置40に対して停電信号(停電検出信号とも呼称する)を出力すると共に、AC電源からの電力供給がなされている場合には、主制御装置40に対して供給信号を出力する。
バックアップ電源を含む電源基板45に関しては、後で図7を参照して詳述する。
パチンコ機1は、RAMクリアスイッチ(以下、スイッチを単にSWと記す)46(図例では主制御装置40に配置されている)を押した状態で電源を投入すると、RAMの領域のうちの一部を除いた領域がクリアとなると共に、RAMの初期設定が行われることになる。
尚、主制御装置40のRAMに記憶されるデータのうち、以下にあげる所定のデータは、RAMクリアSW46を押した状態で電源を投入しても、クリアされることはない主制御装置40のRAMの記憶領域に記憶することが望ましい。例えば、後述する遊技性能を算出する所定の演算の実行条件が成立したか否かを判断するために必要なデータはクリアしない。即ち、後述の「総発射球数」や、後述の「ノーマル遊技発射球数」や、後述の「総払出球数」や、後述の「アウト球数」などのデータはクリアしない。また後述する遊技性能を算出する所定の性能評価期間における遊技性能を算出するためのデータはクリアしない。即ち、後述の「ノーマル遊技発射球数」や、後述の普通電動役物の作動又は特別電動役物の作動によって払出されることとなった「払出球数A」や、特別電動役物が連続して作動することによって払出されることとなった「払出球数B」などのデータはクリアしない。更に、所定の演算の実行条件を満たす場合に、所定の性能評価期間におけるパチンコ機1の遊技性能を算出したデータはクリアしない。
さらに、本実施例では、段階設定値(所謂、変更可能な段階数(n)に応じた設定1~設定nを示す値)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。例えば、変更可能な段階数が「3」であれば、設定1~設定3を示す値(本実施例の場合)、変更可能な段階数が「6」であれば、設定1~設定6を示す値(他の実施例の場合)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。
つまり、RAMクリア処理は、RAMクリアによって消去されるRAM領域の内、段階設定値に関する領域は消去の対象としないよう構成されている。
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放SW501、内枠開放SW502、第1特図始動口23への入球を検出する第1特図始動口SW503、第2特図始動口24への入球を検出する第2特図始動口SW504、普図作動ゲート22への入球を検出する普図作動SW505、複数の一般入賞口26への入球を検出する一般入賞口SW506、大入賞口25への入球を検出するカウントSW507等の検出信号が入力される。
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置27A、第2特図表示装置27B、第1特図保留数表示装置271、第2特図保留数表示装置272、普図表示装置28及び普図保留数表示装置281等の表示制御を行なう。
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口ソレノイド508、普電役物ソレノイド509が接続されている。主制御装置40は、特別電動役物が作動することで、大入賞口ソレノイド508を制御して開閉板を作動させて大入賞口25を開放せしめる。また主制御装置40は、普通電動役物が作動することで、普電役物ソレノイド509を制御して開放部材を作動させて第2特図始動口24の開放せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や特図の大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
パチンコ機1は、主制御装置40に、RAMに記憶された情報を消去するためにRAMクリアSW46が設けられている。RAMクリアSW46は払出制御装置41や電源基板45に設ける構成としてもよい。また、性能表示装置48は主制御装置40に設けられ、主制御装置40によって制御される。
またパチンコ機1は、主制御装置40に、上述したように設定変更や設定確認の際に用いる、設定キーSW47を備える。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して、ガラス枠開放SW501、内枠開放SW502、球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払出させる。
払出制御装置41は、満杯SW523により下皿13が満タンであることを示す信号が入力された場合、及び球切れSW520により球タンクに遊技球が少ない或いは無いことを示す信号が入力されると払出モータ521を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。尚、球切れSW520、満杯SW523は、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置41は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ521の駆動を再開させる。
また、払出制御装置41は、CRユニット端子板535を介してCRユニット60及び精算表示装置173と双方向通信可能に接続されている。精算表示装置173には、遊技球の貸出しを要求するための球貸SW171、精算を要求するための精算SW172が接続されている。そして、精算表示装置173を介して球貸SW171による貸出要求の操作信号がCRユニット60に入力されると、CRユニット60から払出制御装置41に貸出要求がなされ、払出制御装置41は、払出モータ521を作動させ、貸し球を払出す。払出された貸し球は払出SW522に検出され、検出信号は払出制御装置41に入力される。
一方、精算表示装置173を介して精算SW172による精算要求の操作信号がCRユニット60に入力されると、精算要求に応じてCRユニット60が精算を行い、精算表示装置173においてプリペイドカードの残高表示が行われる。プリペイドカードの残高表示はCRユニット60によって制御される。
また、払出制御装置41は、外部接続端子板38を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ500に送信するほか、発射制御装置44に対して発射停止信号を送信する。
尚、パチンコ機1は遊技球を払出す構成である。近年では、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する遊技機(封入式遊技機又は管理遊技機などと呼ばれる)が存在し、パチンコ機1は封入式遊技機の構成であってもよい。
発射制御装置44は、発射を停止する発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射及び停止させる。
サブ統合制御装置42には、音量調節SWを備え、また演出ボタン15やジョグダイヤル16の操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ(枠側装飾ランプ113)の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する演出や特図の疑似演出図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
ここで、図5を参照して、主制御装置40内のMPU(Micro Processing Unit)の内容を、さらに詳しく説明する。図5は、主制御装置40のMPU内部のブロック図である。MPUは、主制御装置40の上記CPUを少なくとも具備してなる超小型処理装置である。MPU内には、CPU300,内蔵ROM301,内蔵RAM302,乱数回路303,カウンタ回路304,タイマ回路305および外部バスインターフェイス306が構成されていて、内部バス307を介して互いに接続されている。
この実施例においては、後述する各処理を実行するために、内蔵ROM301に、第1特別図柄用変動パターン301a,第1特別図柄用図柄データ301b,第1特別図柄用判定テーブル301c,第2特別図柄用変動パターン301d,第2特別図柄用図柄データ301e,第2特別図柄用判定テーブル301fがそれぞれ書き込まれている。
内蔵RAM302には、第1特別図柄用保留記憶領域302a,第2特別図柄用保留記憶領域302b,確率変動カウンタ302d,時間短縮カウンタ302eが、それぞれ専用の記憶領域に記憶されるように設定されている。また、タイマ回路305には、変動時間タイマ305aが内在されている。先に触れた、第1および第2特図始動口スイッチ503、504は、外部バスインターフェイス306を介して内部バス307に接続されて、前記の内蔵ROM301や内蔵RAM302等に関係して所要の処理が実行され、所要の出力が内部バス307を介して外部バスインターフェイス306からサブ統合制御装置42などに向けて行われることになる。なお、図5には示されていないが、普図(普通図柄)表示装置28、普図(普通図柄)保留数表示装置281、第1および第2特図(特別図柄)表示装置27A,27B、第1および第2特図(特別図柄)保留数表示装置271,272も、外部バスインターフェイス306に接続されており、出力がこれらに対して為される。
なお、本実施例の第1特別図柄用保留記憶領域302a及び、第2特別図柄用保留記憶領域302bには、各々、乱数回路303で生成されたハードウェア乱数(ハード乱数とも呼称する)が記憶される。
より詳述すると、第1特図始動口23への入賞に起因して、後述する特図始動入賞確認処理(図16参照)の、第1特図抽出乱数保留記憶処理(S252)にて、抽出したハードウェア乱数を第1特別図柄用保留記憶領域302aに記憶し、第2特図始動口24への入賞に起因して、同じく特図始動入賞確認処理(図16参照)の、第2特図抽出乱数保留記憶処理(S256)にて、抽出したハードウェア乱数を第2特別図柄用保留記憶領域302bに記憶するように、構成されている。
乱数回路303の概要について図6を参照して説明する。図6は、乱数発生回路内部の概要ブロック図である。乱数回路303は、その内部に乱数生成回路350を備えており、パチンコ機1(より詳しくは主制御装置40のMPU)の通電と略同時に起動して、タイマ回路305(図5参照)からのシステムクロック信号(SCLK)を適宜分周してなるタイミングで乱数値を更新していく。乱数回路303は、乱数値レジスタ351~353を備えており、乱数生成回路350で生成されたハード乱数は、これら乱数値レジスタ351~353のいずれかに格納される。格納するレジスタの指定は、予め乱数値取り込みレジスタ354に対応する値をセットすることにより行なわれる。具体的には、乱数値を乱数値レジスタ1に格納したい場合は、乱数値取り込みレジスタ354に1をセットし、乱数値レジスタ2に格納したい場合は乱数値取り込みレジスタ354に2をセットし、乱数値レジスタ3に格納したい場合は乱数値取り込みレジスタ354に3をセットしておく。なお、乱数ラッチフラグレジスタ355とは、各乱数値レジスタ351~353に乱数値が取り込まれているか否かを示すもので、乱数値レジスタ351~353に乱数値が取り込まれると、対応するフラグが1にセットされる。よって乱数ラッチフラグレジスタ355を参照することにより、どの乱数値レジスタが使用中(乱数値を格納している)かを知ることができる。なお、このフラグは、格納されている乱数値が読み込まれると0にリセットされる。
なお、本実施例の乱数生成回路350で生成される乱数は、普通図柄表示装置の抽選すなわち普図の当りとするか否かの抽選に使用する「当り判定用乱数」、普通図柄表示装置の当り図柄の選択に使用する「普図決定用乱数」、特別図柄表示装置の抽選すなわち特図の大当りとするか否かの抽選に使用する「大当り判定用乱数」、特別図柄表示装置の大当り図柄およびはずれ図柄の選択に使用する「特図決定用乱数1」、および「特図決定用乱数2」、の6種類の役物作動に係る乱数と、特別図柄表示装置の変動パターンの選択に使用する「特図変動パターン決定用乱数1」、および「特図変動パターン決定用乱数2」、普通図柄表示装置の変動パターンの選択に使用する「普図変動パターン決定用乱数」、の3種類の遊技の用に供される乱数を、備える。本実施例の乱数生成回路350で生成される乱数は、上述した種別となっているが、これに限定されることなく、他の乱数種別にて構成されるようにしても良い。
上述した本実施例の電源基板(電源装置)45の構成について、さらに図7を参照して説明する。図7は、本実施例の電源基板(電源装置)45の構成及び機能を説明する概略ブロック図である。
本実施例の電源基板45は、電源回路95、停電検出回路96、バックアップ用電源回路97、受電回路98、および電源スイッチ86を備える。
電源回路95は、受電回路98を介して供給される主電源AC24Vを基にして、各制御装置やアクチュエータ等の作動電源を生成して供給する。また、受電回路98には、当該受電回路98から電源回路95への主電源AC24Vの供給を導通或いは非導通に切替え可能に構成される電源スイッチ86が接続されている。
バックアップ用電源回路97は、電源回路95で生成されたDC5Vを充電し、バックアップ対象にバックアップ用電源(DC5V)として供給する。停電検出回路96は、主電源の電圧(24V)が所定電圧以下に降下すると主制御装置40、払出制御装置41に、停電検出信号111をハイレベル(ON)にする。なお、主電源の電圧が所定電圧以上に上昇すると停電検出信号111をローレベル(OFF)にする。
また、本実施例で停電検出信号111を主制御装置40と払出制御装置41に送信する構成としたが、必ずしもこの構成である必要は無い。主制御装置40のみに送信し、主制御装置40が払出制御装置41に停電用のコマンドを送信しても良いし、その逆の構成なども考えられる。
この様に構成されたパチンコ機1の遊技性の概略について、以下に説明する。
パチンコ機1は、普図作動ゲート22に遊技球が入球すると、普図表示装置28で普図が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、当選であれば普通電動役物が作動する。普通電動役物が作動することにより普電役物ソレノイド509を駆動させ、開放部材を開放して第2特図始動口24への入球が可能となる。尚、パチンコ機1では、第2特図始動口24の開放時間は、通常時は0.2秒(1回)で、遊技者にとって有利な時短状態(開放延長)では2秒(1回)である。また、第2特図始動口24は、普通電動役物が作動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっている。
第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第1特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第1特図表示装置27Aにおいて第1特図が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第2特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第2特図表示装置27Bにおいて第2特図が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
尚、第1特図と第2特図の当否判定は、第1特図始動口23と第2特図始動口24への入球順に関係なく、第2特図の当否判定を優先して実施する。具体的には、第1特図の保留記憶がある場合、第2特図の変動が停止し且つ第2特図の保留記憶が無い状態となってから、第1特図の保留記憶分の当否判定を実施する。
第1特図及び第2特図の変動表示、確定表示は、遊技盤2の隅に小さく表示されるだけであるので、遊技領域20の中央に設けられた演出図柄表示装置21にて第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄を用いた疑似演出表示を行い、疑似演出表示にて当否判定の結果を遊技者に報知することが行われている。例えば、疑似演出表示では、三つの疑似演出図柄を変動させ、三つの図柄が同一図柄で停止すると大当りとなるように構成されている。疑似演出表示としては二つの図柄が同じ図柄で停止するリーチ演出が実施され、残りの変動中の図柄が同じ図柄で停止するか否かで遊技者の期待感を高めることが行われている。
第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じ、大当り(当選)であれば、所定の開放態様にて大入賞口25の開放し、大入賞口25への遊技球の入球が可能となる大当り遊技が実施される。尚、大当り遊技として、所定の開放態様で大入賞口25を開放するラウンド遊技を4ラウンド行う4R大当り遊技と、8ラウンド行う8R大当り遊技と、10ラウンド行う10R大当り遊技とから何れか一つの遊技が選択される。
パチンコ機1は確率変動機として構成されている。具体的には、パチンコ機1による遊技は、大入賞口25を閉鎖した遊技状態と、大入賞口25を開放する大当り遊技状態とに大別される。更に、大入賞口25を閉鎖した遊技状態は、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常確率遊技状態)と、通常確率遊技状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)となる高確率遊技状態(以下、確変遊技状態とも記載する)とが存在する。
第1特図及び第2特図の大当り図柄は確変図柄及び非確変図柄とからなり、確変遊技状態は確変図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定されている。確変遊技状態へは、通常確率遊技状態、確変遊技状態のいずれの遊技状態でも確変図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確変遊技状態に移行する。同様に通常確率遊技状態は非確変図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定されている。通常確率遊技状態は、通常確率遊技状態、確変遊技状態のいずれの遊技状態でも非確変図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後に移行する。
通常確率遊技状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、かつ第2特図始動口24の開放部材の開放が延長される時短状態となる。第1特図、第2特図及び普図の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、時短状態では、第1特図及び第2特図の変動時間の短縮とともに、普図表示装置28に表示される普図の時間短縮も行われるが、この普図の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回の普図の確定表示を行う。従って、一定時間内での普図が当りとなる回数が増大し、これにより第2特図始動口24の開放回数も増大する。また、第2特図始動口24の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特図の変動表示回数が更に増大されるとともに、第2特図始動口24の入賞で得る賞球により、遊技者の持ち球が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、確変遊技状態では、時短状態と同様に第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、第2特図始動口24の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と第2特図始動口24の開放延長機能に関する設定は時短状態と同一であるが、確変遊技状態は時短状態に加えて特図の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
ここで、確変図柄は「特定大当り図柄」の具体例を構成し、確変遊技状態は「特定遊技状態」の具体例を構成する。また、「非確変図柄」は「非特定大当り図柄」の具体例を構成し、通常確率遊技状態は「非特定遊技状態」の具体例を構成する。なお、「特定大当り図柄」及び「非特定大当り図柄」の他の具体例については後述する(図48(b)を参照)。
次に、パチンコ機1の基本的仕様について、図8を参照して説明する。
ここで、本実施例のパチンコ機1は、大当り確率の異なる3種類の段階設定値(所謂設定)として、最も大当り確率の低い「設定1」から、最も大当り確率の高い「設定3」を備えている。そして、適式な変更操作を行い、段階設定値(設定値)を変更する操作を行うことによって、大当り確率(低確率及び高確率)として設定された確率(設定確率)を変更することが可能とされている。
因みに、図8に示すパチンコ機1の基本的仕様は、最も大当りが発生し難い、段階設定値が「設定1」の場合を例示している。そして、段階設定値毎の大当り確率(低確率及び高確率)について詳述すると、通常確率遊技状態における大当り確率及び確変遊技状態における大当り確率は、図9(a)に示すように、「設定1」が1/300および1/30、「設定2」が1/290および1/29、「設定3」が1/280および1/28に、設定されている。このように、本実施例では各設定において、確変時の大当り確率は、通常時の大当り確率の10倍となるよう構成されている。
なお、本実施例のパチンコ機1では、設定を示す数値が大きくなる程、遊技者によって有利となり、小さくなる程、遊技者によって不利となっているが、逆に、設定を示す数値が小さくなる程、遊技者によって有利となり、大きくなる程、遊技者によって不利となってもよい。
本実施例では、通常確率遊技状態における大当り確率及び確変遊技状態における大当り確率の双方を、設定値毎に変更可能としているが、本実施例と異なり、確変遊技状態における大当り確率を設定値によらず一定としたり、通常遊技状態における大当り確率を設定値によらず一定としたりしてもよい。
更に、本実施例では、段階設定値を3段階で変更可能な構成を例示するが、2段階若しくは4段階以上に変更可能な構成としてもよい。例えば、段階設定値を6段階で変更可能とし、通常確率遊技状態における大当り確率及び確変遊技状態における大当り確率を、「設定1」で1/300および1/30、「設定2」で1/290および1/29、「設定3」で1/280および1/28、「設定4」で1/270および1/27、「設定5」で1/260および1/26、「設定6」で1/250および1/25、に設定してもよい。
図8に示すように、大当り遊技終了後に確変遊技状態へ突入する確率は、確変リミッタの未作動時には「80%」、確変リミッタの作動時には「0%」とされている。ここで、確変リミッタは、「リミッタ手段」の一具体例を示すものであり、「確変遊技状態に制御されつつ実行される当否判定の結果が大当りとなること」が所定回数連続すると作動する。そして、確変リミッタが作動した状態で当否判定の結果が大当りとなっても、当該大当りに基づき大当り遊技を実行した後、遊技状態は通常確率遊技状態に制御される。
つまり、通常確率遊技状態であるとき、確変大当りを生ずると、当該確変大当りに基づく大当り遊技を終了した後、リミットカウンタが作動を開始し、リミットカウンタのカウント値が制限値(本実施例では「5」)になると確変リミッタが作動し、次回の大当りを一律に通常大当りとする。但し、リミットカウンタのカウント値が制限値になる前に通常大当りを生ずると、リミットカウンタはリセットされる。ここで、リミットカウンタは「計数手段」の一具体例を構成する。
なお、本実施例では、(1)リミットカウンタが作動し(カウントを実行し)、確変リミッタが未作動である場合(確変リミッタが未作動の確変遊技状態)と、(2)リミットカウンタ及び確変リミッタが未作動である場合(通常遊技状態)に、当否判定の結果が大当りとなると、同一の大当り図柄決定テーブルを参照して、大当り図柄を決定する。このため、(1)及び(2)の場合に、大当り遊技終了後に確変遊技状態へ突入する確率が等しくされている。但し、本実施例と異なり、後述するように、(1)及び(2)の場合に参照する大当り図柄決定テーブルが異なってもよい(図48(a)を参照)。
次に、図8に戻り、賞球数について説明する。第1特図始動口23、第2特図始動口24に遊技球が1個入球すると、3個の遊技球が賞球として払出されるように設定されている。また、各一般入賞口26に遊技球が1個入球すると、10個の遊技球が賞球として払出されるように設定されている。尚、各一般入賞口の賞球は夫々異なっていてもよい。大入賞口25に遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が賞球として払出される。また、第2特図始動口24の規定入賞数は4個、大入賞口25の規定入賞数は10個に設定されている。
普図の当選確率について説明する。通常の普図の当選確率は1/6に設定されている。一方、開放延長の普図の当選確率は5/6に設定されている。通常の第2特図始動口24の開放時間は、0.2秒を1回、開放延長では2秒を1回に設定されている。
大当り遊技の内容及び大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は3種類存在する。一つは10Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に10R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は40%である。
もう一つは8Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に8R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は40%である。
また、もう一つは4Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に時短状態が100回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に4R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に時短状態へ移行する確率は20%である。
第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は3種類存在する。一つは10Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に10R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は40%である。
もう一つは8Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に8R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は40%である。
また、もう一つは4Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に時短状態が100回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に4R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に時短状態へ移行する確率は20%である。
次に、図9(b)を用いて、第1特図表示装置27Aと第2特図表示装置27Bについて簡単に説明する。
第1特図表示装置27Aは8個のLED(a1~a8)を備え、第2特図表示装置27Bも8個のLED(b1~b8)を備えている。また、第1特図表示装置27Aは8個のLED(a1~a8)を順次、点滅することを通じて「第1特別図柄」の変動表示を実現し、第2特図表示装置27Bも8個のLED(b1~b8)を順次、点滅することを通じて「第2特別図柄」の変動表示を実現する。具体的に説明すると、第1特図表示装置27Aでは、図9(b)に示すように、LED(a1)、LED(a2)、LED(a3)…LED(a8)の順に点滅し、更に、LED(a1)、LED(a2)…LED(a8)の順に点滅することを変動時間(後述する変動パターンで特定する変動時間)が経過するまで繰り返すことで、「第1特別図柄」の変動表示を実現する。また、第2特図表示装置27Aでは、図9(b)に示すように、LED(b1)、LED(b2)、LED(b3)…LED(b8)の順に点滅し、更に、LED(b1)、LED(b2)…LED(b8)の順に点滅することを変動時間(後述する変動パターンで特定する変動時間)が経過するまで繰り返すことで、「第2特別図柄」の変動表示を実現する。
第1特別図柄の変動表示は、第1特図始動口23に遊技球が入球することに基づき実行され、変動時間を経過すると当否判定の結果を示す図柄(つまり結果図柄)が確定表示される。また、第2特別図柄の変動表示は、第2特図始動口24に遊技球が入球することに基づき実行され、変動時間を経過すると当否判定の結果を示す図柄(つまり結果図柄)が確定表示される。
そして、何れの特図始動口23、24への入球に基づく当否判定が実行されても、その結果が大当りであると結果図柄として大当り図柄が確定表示され、その結果が「はずれ」であると結果図柄として「はずれ図柄」が確定表示される。
図10に示すように、第1特図表示装置27A若しくは第2特図表示装置27Bにおいて、変動時間を経過した後、8個のLED(a1~a8、b1~b8)のうちの1個のLEDを一定時間(例えば、0.6秒値)点灯することで、「はずれ」の発生が表示(「はずれ図柄」が確定表示)される。
ここで、図10において、点灯状態のLEDを「白丸」で示し、消灯状態のLEDを「黒丸」で示している。
そして、特1図始動口23に基づく当否判定(以下、第1当否判定ということがある。)の結果が「はずれ」である場合には「特図1_はずれ図柄1」が第1特図表示装置27Aで一個のLEDを点灯して表示される。また、特図2始動口24に基づく当否判定(以下、第2当否判定ということがある。)の結果が「はずれ」である場合には「特図2_はずれ図柄1」が第2特図表示装置27Bで一個のLEDを点灯して表示される。
本パチンコ機1は、第1特別図柄(特図1)の大当り図柄が複数設定されているが、何れの大当り図柄も、第1特図表示装置27Aを構成するLED(a1~a8)の発光個数によって識別可能とされている。また、第2特別図柄(特図2)の大当り図柄も複数設定されているが、何れの大当り図柄も、第2特図表示装置27Bを構成するLED(b1~b8)の発光個数によって識別可能とされている。
具体的には、図10に示すように、特図1の大当り図柄として、8個のLEDを点灯して表示される「特図1_10R確変図柄1」と、7個のLEDを点灯して表示される「特図1_10R確変図柄2」と、6個のLEDを点灯して表示される「特図1_10R通常図柄1」と、5個のLEDを点灯して表示される「特図1_8R確変図柄1」と、4個のLEDを点灯して表示される「特図1_8R通常図柄1」と、3個のLEDを点灯して表示される「特図1_4R通常図柄1」の何れかが表示される可能性がある。
また、第2特図の大当り図柄として、8個のLEDを点灯して表示される「特図2_10R確変図柄1」と、6個のLEDを点灯して表示される「特図1_10R通常図柄1」と、5個のLEDを点灯して表示される「特図1_8R確変図柄1」と、4個のLEDを点灯して表示される「特図1_8R通常図柄1」と、3個のLEDを点灯して表示される「特図1_4R通常図柄1」と、2個のLEDを点灯して表示される「特図1_4R通常図柄2」の何れかが表示される可能性がある。
次に、図11を用いて第1大当り図柄決定テーブルについて説明し、図12(a)を用いて第2大当り図柄決定テーブルについて説明する。
本実施例では、当否判定の結果が大当りとなり、確定表示される大当り図柄を決定する際に、リミッタの未作動時において、リミットカウンタの作動の有無を問わず、図11の第1大当り図柄決定テーブルを参照する。
また、当否判定の結果が大当りとなり、確定表示される大当り図柄を決定する際に、リミッタの作動時には、図12(a)の第2大当り図柄決定テーブルを参照する。
そして、図11に示すように、第1大当り図柄決定テーブルとして、その時点の設定に応じて参照される別の(専用の)第1大当り図柄決定テーブルを備えている。具体的に説明すると、段階設定値が「設定3」のときに参照する第1大当り図柄決定テーブル(設定3に対応する第1大当り図柄決定テーブル)と、設定2のときに参照する第1大当り図柄決定テーブル(設定2に対応する第1大当り図柄決定テーブル)と、設定1のときに参照する第1大当り図柄決定テーブル(設定1に対応する第1大当り図柄決定テーブル)と、を備えている。
更に、第1大当り図柄決定テーブル及び第2大当り図柄決定テーブルは、第1当否判定を行った場合に参照する大当り図柄決定テーブル(以下、特図1用の大当り図柄決定テーブル)と、第2当否判定を行った場合に参照する大当り図柄決定テーブル(以下、特図2用の大当り図柄決定テーブル)とが区別して設けられている。
以下の説明において、特図1用の第1大当り図柄決定テーブルを「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」、特図1用の第2大当り図柄決定テーブルを「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」、特図2用の第1大当り図柄決定テーブルを「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」、特図2用の第2大当り図柄決定テーブルを「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」と称する。
設定3に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1特図始動口23に遊技球が入球すること(以下、第1始動入賞という)に基づいて取得した図柄決定用乱数(特図決定用乱数1、特図決定用乱数2)を用いて特図1に関する大当り図柄が、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
また、設定2に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_10R確変図柄2」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて、特図1に関する大当り図柄が、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_10R確変図柄2」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ20%、20%、40%、20%の割合で決定される。
更に、設定1に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_10R確変図柄2」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて、特図1に関する大当り図柄が、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_10R確変図柄2」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ35%、5%、40%、20%の割合で決定される。
設定1若しくは設定2に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照すると、特図1の大当り図柄として、設定3に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照した場合には決定されない特有の大当り図柄(特図1_10R確変図柄2」)が決定される可能性がある。また、設定1に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する場合と、設定2に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する場合とで、当該特有の大当り図柄(特図1_10R確変図柄2」)の決定率が異なっている。
従って、確変リミッタの作動前において、当該特有の大当り図柄(「特図1_10R確変図柄2」)が確定表示されると、段階設定値が設定3(遊技者にとって最も有利な設定)ではないと推定される。また、当該特有の大当り図柄(「特図1_10R確変図柄2」)が確定表示される頻度が高いと、段階設定値が設定1(遊技者にとって最も不利な設定)である可能性が高いと推定できる。更に、確変リミッタの作動前において、特図1_10R確変図柄2が確定表示されないと、段階設定値が設定3かもしないと推定することができる。特に、当該パチンコ機1における遊技の継続時間が長くなり、度々、確変大当を生じても(リミットカウンタが度々作動しても)、特図1_10R確変図柄2が全く確定表示されない場合には、段階設定値が設定3であると確信することができる。
また、設定3に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2特図始動口24に遊技球が入球すること(以下、第2始動入賞という)に基づいて取得した図柄決定用乱数(特図決定用乱数1、特図決定用乱数2)を用いて特図2に関する大当り図柄が、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」にそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。
また、設定2に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄2」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて、特図2に関する大当り図柄が、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄」、「特図2_4R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄2」にそれぞれ60%、20%、10%、10%の割合で決定される。
更に、設定1に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄2」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄」、「特図2_4R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄2」がそれぞれ60%、20%、5%、15%の割合で決定される。
従って、確変リミッタの作動前において、所定の大当り図柄(「特図2_4R通常図柄2」)が確定表示されると、段階設定値が設定3ではないと推定される。また、当該所定の大当り図柄(「特図2_4R通常図柄2」)が確定表示される頻度が高いと、段階設定値が設定1であると推定できる。更に、確変リミッタの作動前において、特図2_4R通常図柄2が確定表示されないと、段階設定値が設定3かもしないと推定することができる。
特に、当該パチンコ機1における遊技の継続時間が長くなり、度々、確変状態に移行しても(リミットカウンタが度々作動しても)、特図2_4R通常図柄2が確定表示される頻度が高い場合は、段階設定値が設定1である可能性が高いと推定でき、当該パチンコ機1で遊技を停止しようと判断することになる。この場合、所謂「遊技のめり込み」を防止でき、遊技の健全性を高めることができる。
なお、「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」においても、設定の如何によって確定表示される確変図柄を備えてもよい。例えば、設定3に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」を参照すると、「特図2_10R確変図柄1」が40%の割合で決定され、設定2に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」を参照すると、「特図2_10R確変図柄1」と「特図2_10R確変図柄2」とがそれぞれ20%の割合で決定されているものとする。また、設定1に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」を参照すると、「特図2_10R確変図柄1」が10%の割合で決定され、「特図2_10R確変図柄1」が30%の割合で決定されるものとする。このようにすることで、第1当否判定を行った場合に参照する第1大当り図柄決定テーブルと同様に、「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する場合においても、「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する場合と同様に、所定の確変図柄(特図2_10R確変図柄2)の出現の有無や出現頻度によって、その時点の設定を推定することができる。
同様に、「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する場合においても、設定の如何によって確定表示される通常図柄を備えてもよい。そして、所定の通常図柄(特図1_4R通常図柄2)の出現の有無や出現頻度によって、その時点の設定を推定することができる。
次に、図12(a)を用いて第2大当り図柄決定テーブルについて説明する。
この第2大当り図柄決定テーブルは、その時点の設定に係わらず、共通して参照される大当り図柄決定テーブルである。
そして、現状の段階設定値が何れであっても、第1当否判定の結果が大当りの場合に参照される第2大当り図柄決定テーブルとして、「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を備え、第2当否判定の結果が大当りの場合に参照される第2大当り図柄決定テーブルとして、「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を備えている。
「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」には、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて所得した図柄決定用乱数を用いて、特図1の大当り図柄が、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
また、「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」には、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて所得した図柄決定用乱数を用いて、特図2の大当り図柄が、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」がそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。
パチンコ機1は、遊技が進行して、所定の演算実行条件を満たす場合に、所定の性能評価期間におけるパチンコ機1の射幸性の度合いを示す遊技性能を、遊技が行われた結果に基づいて演算する機能を備えている。遊技性能は主制御装置40で演算される。そして、演算結果に基づいて遊技性能の内容が性能表示装置48において表示される。
また、本実施例では上記6種類の段階設定値の内、例えばホール従業員が任意の段階設定値に変更可能な構成を備えている。
また、現状の段階設定値が何れにセットされているかを確認可能な構成も備えている。
また、段階設定値の上記変更や確認に際し、現状の段階設定値を視認可能に表示する段階設定値の表示手段を備えている。
また、段階設定値の表示手段として、本実施例では、上述した、遊技性能を表示する性能表示装置48によって兼用することで実現している。なお、段階設定値の表示手段として、段階設定値専用の表示装置を備えるようにしても良い。
さらに、段階設定値を任意の値に変更する際に、操作の都度、段階設定値を変更する操作手段として、RAMクリアSW46によって兼用することで実現している。なお、段階設定値を変更する操作手段として、専用の操作手段を備えるようにしても良い。
このように本実施例では、複数種類の段階設定値を備えて、該複数種類の段階設定値の内の何れか任意の段階設定値に変更すること、また現状の段階設定値を確認すること、そして現状の段階設定値を視覚的に確認すること等、が可能な構成となっている。
また本実施例では、後述する起動処理(図13)のS40や、設定状態確認処理(図32)のS615において、段階設定値が適正な値か否かを判定する処理を備えている。このような処理では、判定の参照とするために次のような判定値等を予め設定している。
すなわち、本処理の判定値として、段階設定値が1すなわち設定1に対して0、設定2に対して1、設定3に対して2、が設定される。さらに、「段階設定値最大値」として、3が設定されている。これにより、本来予定されている設定1~3までの何れかの設定に対応した判定値(0~2)がセットされていれば、「段階設定値最大値」である3未満であると判定される。一方、3以上の何らかの判定値がセットされている場合には、何らかの不正行為によって、予定されていない段階設定値が設定されている危険性や、或いは何らかの原因によってデータが破壊している危険性が有るとして、「RWM異常」と判定する根拠となる。本実施例では、このような構成により、適正な段階設定値が設定されているかを監視する。なお、後述するが、段階設定値に対応した上記判定値は、「段階設定値記憶領域」に保存(設定)される。「段階設定値記憶領域」は、RWMクリア処理によっても消去されることのない記憶領域である。
なお、 段階設定値が1~3以外の値に設定される場合には、本処理の判定値として異なる値が設定される。例えば、段階設定値が1~6の何れに設定可能な場合には、段階設定値が1すなわち設定1に対して0、設定2に対して1、設定3に対して2、設定4に対して3、設定5に対して4、および設定6に対して5、が設定される。さらに、「段階設定値最大値」として、6が設定されている。これにより、本来予定されている設定1~6までの何れかの設定に対応した判定値(0~5)がセットされていれば、「段階設定値最大値」である6未満であると判定される。一方、6以上の何らかの判定値がセットされている場合には、何らかの不正行為によって、予定されていない段階設定値が設定されている危険性や、或いは何らかの原因によってデータが破壊している危険性が有るとして、「RWM異常」と判定する根拠となる。
なお、段階設定値が1~3以外の値に設定される場合には、前述の設定毎に対応する第1大当り図柄決定テーブルの数が多くなる。例えば、段階設定値が1~6である場合には、各設定に対応する6通りの第1大当り図柄決定テーブルを備えることになる。
さらに本実施例のパチンコ機1は、後述する図34に示すように、少なくとも、「RWMクリア」状態、「バックアップ復帰」状態、「設定確認」状態、「設定変更」状態、「遊技停止」状態、電源投入状態、および電断(電源断とも呼称する)状態への状態遷移が可能な構成となっている。
設定状態フラグは、パチンコ機1が遷移する状態を示すフラグであって、遷移する各状態に応じ、設定状態フラグにセットされるフラグ値は異なる値がセットされる。すなわち、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態では0、「設定確認」状態では1、「設定変更」状態では2、そして、「遊技停止」状態では3、がセットされる。なお、設定状態フラグが0である場合とは、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態の何れか、すなわち、通常遊技が可能な状態である。
なお、この「通常遊技が可能な状態」とは、遊技者が通常の遊技を実行可能な状態であり、パチンコ機1の遊技状態が、「非時短状態且つ通常確率遊技状態」であるか、「時短状態且つ通常確率遊技状態」であるか、「高確率遊技状態」であるか等を問わず、遊技者が当該パチンコ機を用いて遊技を実行可能な状態を指す。この「通常遊技が可能な状態」を、「通常遊技実行可能状態」と称することがある。
このように、本実施例のパチンコ機1は、こうした所謂設定に関して、変更、確認、および表示等の機能を備えると共に、「設定確認」状態や「設定変更」状態等の状態への遷移機能を備えている。パチンコ機1において、このような機能が具体的に如何にして実現されているかについては後で、図13、図14、および図30~図34を参照しつつ、すなわち主制御装置40で実行されるプログラム処理を説明することによって、詳述することとする。
先ずは、パチンコ機1の通常遊技(通常遊技実行可能状態)に係る基本的な制御処理および性能表示機能等について、図13~図29を参照して以下、説明する。
本実施例の起動処理について、図13を参照して説明する。
本実施例のパチンコ機1に電源投入されると、主制御装置40は本処理を開始すると、主制御装置40は先ず、S0において、スタックポインタをスタックアドレスに設定して、S5に処理を移行する。
主制御装置40は、S5において、割込みベクタテーブルの割込みベクタアドレスを、対応するレジスタに設定して、S10に処理を移行する。割込みベクタアドレスは、アドレス空間(メモリ空間)の中で、後述する割込(INT)処理のプログラムに係る開始番地を指定するためのものである。
主制御装置40は、S10において、内蔵レジスタを設定して、S15に処理を移行する。
主制御装置40が実行するS0からS10は、パチンコ機1に電源投入されると、主制御装置40が以降の処理の準備として最初に実行する、CPU初期設定処理である。
主制御装置40は、S15において、入力ポートレジスタを読み込んで、S20に処理を移行する。
主制御装置40は、S20において、先に読み込んだ入力ポートレジスタの値に基づき、停電検出信号111がOFF(出力停止した)か否かを判定し、肯定判定であれば(S20:yes)、S25に処理を移行し、否定判定であれば(S20:no)、S15に処理を移行する。
本ステップで肯定判定となるまで、S15の入力ポートレジスタのリード処理を繰り返し実行する。停電検出信号111は、電断時において主電源の電圧が所定電圧以下に降下するとONと見做され、所定電圧以上に上昇するとOFFと見做されることとなる、停電検出回路96(図7参照)が生成した信号である。つまり、S20において、停電検出信号111がOFFである、ということは、電圧が電源投入後に立ち上がって安定した状態となったことを意味する。
主制御装置40は、S20にて肯定判定となると、S25において、RWM(RAMとも呼称する)への書き込みを許可し、S30に処理を移行する。
主制御装置40は、S30において、チェックサムを取得し、S35に処理を移行する。
主制御装置40は、S35において、S30で取得したチェックサムが異常か否かを判定し、肯定判定であれば(S35:yes)、S55に処理を移行し、否定判定であれば(S35:no)、S40に処理を移行する。
主制御装置40は、S40において、現在設定されている段階設定値が、「段階設定値最大値」未満か否かを判定し、肯定判定であれば(S40:yes)、S45に処理を移行し、否定判定であれば(S40:no)、S55に処理を移行する。
本ステップでは、設定されている段階設定値が異常な値となっていないか、つまり例えば、不当な利得を得ようとする不正行為者によって、正規ではない段階設定値が仕込まれていないか、を判定する。
主制御装置40は、S45において、バックアップフラグが設定されているか否かを判定し、肯定判定であれば(S45:yes)、S47に処理を移行し、否定判定であれば(S45:no)、S55に処理を移行する。
本ステップでは、先の電断時において、パチンコ機1の状態に係るデータのバックアップが完了したことを示すバックアップフラグが設定されているか否か、つまり電断時の情報のバックアップが問題無く行われたか否か、を判定する。
なお後に、割込(INT)処理(図14)の停電検出信号監視処理(S105)にて詳述するが、設定状態フラグが3すなわち、「遊技停止」状態にあるときに電断となった場合に限っては、バックアップフラグが設定されず、チェックサムの算出および保存も行われないよう構成されている。したがって、電断前の状態が「遊技停止」状態であったときは、本ステップS45又は上記S35の何れかで否定判定(RWM異常と判定)されてS55に移行することとなる。
主制御装置40は、S47において、設定状態フラグの値を汎用レジスタにセットし、S50に処理を移行する。
本実施例では、S35、S40、S45で「RWM異常」であると判定されなかったときに、設定状態フラグに係るデータを保存処理する。例えば、電断前の状態が、「設定変更」状態であった場合には、これを示す設定状態フラグに係る情報を汎用レジスタにセットしておくことで、後述するRWMクリア処理(S60)の影響を受けることなく、後に実行する初期設定処理(S65)にて電断前が設定変更状態であったことの判別が可能となっている。つまり、設定変更状態にて電断となって、再度電源投入する際にRWMクリアSW46がONされていたとしても、「設定変更」状態を示す設定状態フラグに係る情報が維持されているので、確実に「設定変更」状態への復帰が可能なように構成されている。
主制御装置40は、S55において、「RWM異常」であることを示す結果を汎用レジスタにセットし、S60に処理を移行する。
本実施例では、チェックサムが異常な場合、設定されている段階設定値が「段階設定値最大値」未満ではない場合、およびバックアップフラグが設定されていない場合、の何れかであると判定されたときに、「RWM異常」であるとして処理される。
主制御装置40は、S50において、RWMクリアSW46がONか否かを判定し、肯定判定であれば(S50:yes)、S60に処理を移行し、否定判定であれば(S50:no)、S65に処理を移行する。
本ステップは、上述したS35、S40、およびS45の何れの判定処理においても、RWM異常ではないと判定された場合に移行する処理である。よって、たとえ前記3種類の判定ステップにて異常ではないと判定されたとしても、RWMクリアSW46がON状態であれば、次のS60にてRWMクリア処理を行ってからS65に移行するように、また、RWMクリアSW46がOFF状態であれば、RWMクリア処理を行うことなくS65に移行するように構成されている。
主制御装置40は、S60において、RWMを0クリアして初期化するRWMクリア処理を実行し、S65に処理を移行する。
本実施例では、該RWMクリア処理にて、上述したように、段階設定値に関する領域を除くRWM領域をクリアする。これにより、後述する設定状態確認処理(図32)の設定変更処理(S610)にて新しい値に設定変更された段階設定値は、RWMクリア処理が実行されたとしても消去されることなく、設定変更された段階設定値が維持される。しかし、少なくとも、後述する初期設定処理(図30および図31)や設定状態確認処理(図32)にて、電断前にセットされた設定状態フラグは消去される。
但し、RWMクリア処理(S60)の前に、上記S47において汎用レジスタに設定状態フラグの値をセットした場合は、後で参照可能に保持される。上記S47において設定状態フラグの値をセットするための汎用レジスタは、当該RWMクリア処理(S60)が実行されても、セットした結果が消去されずに、後で確認可能なレジスタである。後述する初期設定処理(図30)のS515は、汎用レジスタへS47にてセットされた結果を参照することで判定を行う。
また、上記S55において「RWM異常」であることを示す結果をセットするための汎用レジスタも、当該RWMクリア処理(S60)が実行されても、セットした結果が消去されずに、後で確認可能なレジスタである。後述する初期設定処理(図30)のS500は、汎用レジスタへS55にてセットされた結果を参照することで判定を行う。
このように、本実施例では、RWMクリア処理(S60)が実行されても、段階設定値に関する領域、設定状態フラグの値がセットされた汎用レジスタ、および「RWM異常」の結果がセットされた汎用レジスタは、消去されることなく状態が維持される。
さらに、今回の電源投入時に上記、S35、S40、またはS45の何れかで「RWM異常」と判明した場合には、当該RWMクリア処理(S60)でRWMを初期化するので、「RWM異常」と判定された原因は、即時解消される。しかし、汎用レジスタにセットされた「RWM異常」であったとする結果は、RWMクリア処理後も維持される。
したがって、後述する初期設定処理(図31)にてS575またはS580の何れかで否定判定となれば設定状態フラグに3が設定されることになる。該設定状態フラグに3が設定された状態で電断となると、上述したようにバックアップフラグが設定されない。これにより、次に電源投入された際に再度、起動処理を開始すると、たとえS35およびS40で「RWM異常」ではないと判定されても、S45では必ず「RWM異常」と判定されるよう構成されている。つまり、一旦「RWM異常」と判定された場合に、本実施例では、後述する遷移条件(4)(図34参照)を満たした状態で電源投入しない限り、「遊技停止」状態(設定状態フラグに3が設定された状態)から抜け出すことが不能な特徴を備えている。
なお、RWMクリア処理(S60)が実行されると、電断前に設定されていた設定状態フラグの値は消去された状態で、初期設定処理(S65)に処理が移行されるが、S50で否定判定すなわちRWMクリアSW46がONされていなければ、RWMクリア処理(S60)が実行されることがないため、電断前にセットされた設定状態フラグ等の情報は、復電後に維持されたまま、初期設定処理(S65)に処理が移行することとなる。
さらに本実施例では、S47で、設定状態フラグの値を汎用レジスタにセットするので、RWMクリア処理(S60)が実行されたか否かに拘らず、該汎用レジスタにセットされた値を参照すれば、電断前に設定されていた設定状態フラグの値を確認することが可能となっている。
主制御装置40は、S65において、初期設定処理を実行し、S70に処理を移行する。
初期設定処理は、電断前の状態(特に電断時の「遊技停止」状態)、電源投入時の入力値(設定キーSW47とRWMクリアSW46の状態)から、何れの状態に遷移(移行)するかを設定する処理である。本実施例では、電源投入時に遷移することが出来る状態として、「設定変更」状態、「設定確認」状態、「遊技停止」状態、「RWMクリア」状態、および「バックアップ復帰」状態、の何れかの状態(後述する図34参照)となっている。なお、「RWMクリア」状態、および「バックアップ復帰」状態は、何れも通常遊技が可能な「通常遊技実行可能状態」である。初期設定処理については、後で図30~図31を参照して詳述する。
主制御装置40は、S70において、タイマ割込みレジスタを設定し、S75に処理を移行する。
本ステップでは、以降の割込(INT)処理の実行に備えて、対応するタイマ割込みレジスタを設定する。
主制御装置40は、S75において、タイマ割込みを禁止し、S80に処理を移行する。
主制御装置40は、S80において、設定状態フラグが0か否かを判定し、肯定判定であれば(S80:yes)、S85に処理を移行し、否定判定であれば(S80:no)、S97に処理を移行する。
よって、設定状態フラグが0でない場合、すなわち「設定確認」状態、「設定変更」状態、そして、「遊技停止」状態では、続くS85~S95の処理は行わない。すなわち、S90の性能表示用集計除算処理は、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態といった通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)においてのみ実行され、「設定確認」状態、「設定変更」状態、および「遊技停止」状態では実行されない処理である。
主制御装置40は、S85において、対応するレジスタの退避処理を実行し、S90において、性能表示用集計除算処理を実行し、S95において、前記レジスタの復帰処理を実行し、S97に処理を移行する。
性能表示用集計除算処理は、後述するパチンコ機1の性能を、性能表示装置48にて表示するために、データを集計して結果を算出する処理である。
主制御装置40は、S97において、タイマ割込みを許可し、S75に処理を移行する。主制御装置40は、S75からS97のループ処理を行う。S97でタイマ割込みを許可し、S75でタイマ割込みを禁止するまでの間に、システムクロックに基づき生成される所定の割込み周期(例えば、4ms)が発生する毎に、後述する割込(INT)処理が実行される。割込(INT)処理が終了すると、RETI(Return from Interrupt)が実行されて、S75でタイマ割込みを禁止するまで待機する。
以上が本実施例の起動処理である。
本実施例の割込(INT)処理について、図14を参照して説明する。
割込(INT)処理は、上述したように、起動処理(図13)のS97でタイマ割込みを許可し、S75でタイマ割込みを禁止するまでの間に、実行される処理である。
主制御装置40は本処理を開始すると先ず、S100において、各種タイマやウォッチドッグタイマ(WDT)の設定を行い、S105に処理を移行する。
本ステップでは、各種タイマの設定や、ウォッチドッグタイマのクリアおよびリスタートを実行する。
主制御装置40は、S105において、停電検出信号監視処理を実行し、S110に処理を移行する。
本ステップでは、停電検出回路96(図7参照)が電断時において主電源の電圧が所定電圧以下に降下したことを条件に停電検出信号111がON(出力)したか否かを監視することで、停電の発生を監視する。なお、該ステップにて、停電の発生を検知した場合には、図示しない電断時の処理を実行する。
すなわち、「遊技停止」状態(設定状態フラグが3)中であれば、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。また、「遊技停止」状態中でなければ、バックアップフラグを設定し、チェックサムを算出および保存して、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。
つまり、上述したように、電断時には、設定状態フラグが3でないか否か、すなわち「遊技停止」状態でないか否かを確認する。設定状態フラグが3でない場合には、バックアップフラグを設定する。しかし、設定状態フラグが3の場合には、バックアップフラグを設定せず、さらにチェックサムの算出および保存も実行しない。
また、「設定変更」状態(設定状態フラグが2)中であれば、上述したように、「遊技停止」状態中ではないため、バックアップフラグを設定し、チェックサムを算出および保存して、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。この際に、設定状態フラグのフラグ値である2も保存維持され、再度電源投入された際には、起動処理(図13)のS47にて該フラグ値を参照して汎用レジスタにセットすることが可能となっている。
主制御装置40は、S110において、設定状態フラグが「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」を示す値か否かを判定し、肯定判定であれば(S110:yes)、S115に処理を移行し、否定判定であれば(S110:no)、S190に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(図13)の初期設定処理(S65)において設定された設定状態フラグが0か否か、すなわち「RWMクリア」状態または「バックアップ復帰」状態の内の何れかの状態であるか否か、を判定する。
主制御装置40は、S115において、タイマ更新処理を実行し、S120に処理を移行する。
本ステップでは、各種タイマの更新を実行する。
主制御装置40は、S120において、入力判定処理を実行し、S125に処理を移行する。
本ステップでは、入力データを入力ポートより入力し、始動口スイッチやカウントスイッチの監視処理、および異常入賞の監視処理を実行する。
すなわち、第1特図始動口23の入球(入賞)確認、第2特図始動口24の入球(入賞)確認、大入賞口25の入球(入賞)確認、普図作動ゲート22の遊技球の通過の確認、一般入賞口26の入球(入賞)確認、及び主制御装置40に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
また、後述する不正監視処理(図15)は、該入力判定処理の1モジュールである。不正監視処理(図15)は、一般入賞口26に対する不正が行われていないか監視する処理である。本処理は、所定時間(例えば、60秒)内における一般入賞口26に入球した遊技球の数が予め決定された規定数(例えば、10個)よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。該不正監視処理については、後で図15を参照して詳述する。
なお、入力判定処理および不正監視処理を上述したような本実施例の構成に限定せず、以下のように構成してもよい。すなわち、入力判定処理にて、第2特図始動口24の入球(入賞)確認、および大入賞口25の入球(入賞)確認、を行い、該入力判定処理の1モジュールである不正監視処理では、第2特図始動口24および、大入賞口25に対する不正が行われていないか監視する処理として構成しても良い。詳しくは、入賞有効期間外における第2特図始動口24および大入賞口25への、其々の入賞数が、所定数より多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理としても良い。これは、普通電動役物や特別電動役物に関して、入賞を有効とする有効期間が固有に設定されている構成を前提としたとき、極稀に有効期間が終了した後にでも遅れて入賞が発生する場合がある。また、不正行為者によって、有効期間が終了しても多数の入賞が不正な手段によって発生させられる場合もある。不正が行われたか否かの監視を、有効期間の終了後に所定数(例えば、1個)を限度として、これを超えた入賞が発生した場合は不正入賞と見做すことで実現する構成を採用することも考えられる。
主制御装置40は、S125において、特図特電処理を実行し、S130に処理を移行する。
本ステップでは、特別図柄及び特別電動役物の状態を更新する。特図と特電の制御を行うため、第1特図始動口SW503と第2特図始動口SW504への入球検出処理を行い、特別図柄の表示制御処理や、大当り遊技に係る特別電動役物の制御処理等を実行する。
なお、後述する特図始動入賞確認処理(図16)、特図当否判定処理(図17~図21)、特別遊技処理(図22~図26)は、特図特電処理のモジュールである。
後述する特図始動入賞確認処理(図16)では、遊技球が第1特図始動口23、第2特図始動口24に入賞すると、「大当り判定用乱数」、「特図決定用乱数1」、「特図決定用乱数2」、「特図変動パターン決定用乱数1」および「特図変動パターン決定用乱数2」、など複数の乱数が取得される。しかし、第1特図始動口23の入球に基づく第1特図の保留記憶、第2特図始動口24の入球に基づく第2特図の保留記憶は、最大数がそれぞれ4個までとされており、保留記憶が満タンであるときに遊技球が第1特図始動口23又は第2特図始動口24に入球しても、賞球が払出されるだけで、保留記憶されない構成になっている。
主制御装置40は、S130において、普図普電処理を実行し、S135に処理を移行する。
本ステップでは、普通図柄及び普通電動役物の状態を更新する。普図と普電の制御を行うため、普図作動SW505への入球検出処理を行い、普通図柄の表示制御処理や、当り遊技に係る普通電動役物の制御処理等を実行する。
普図作動ゲート22に入賞すると、「当り判定用乱数」、「普図決定用乱数」、および「普図変動パターン決定用乱数」、など複数の乱数が取得される。
主制御装置40は、S135において、遊技状態設定処理を実行し、S140に処理を移行する。
本ステップでは、遊技の状態を更新する。普電作動中状態や、特電作動中状態等のクリア処理を実行することで遊技状態の更新を行う。
主制御装置40は、S140において、賞球コマンド送信処理を実行し、S145に処理を移行する。
本ステップでは、各種入賞口への入球に基づき発生した賞球について、払出制御装置41に賞球コマンドを送信する。
主制御装置40は、S145において、エラー監視処理を実行し、S150に処理を移行する。
本ステップでは、電波エラーや、振動エラー等の各エラーの監視を行う。
主制御装置40は、S150において、情報出力処理を実行し、S155に処理を移行する。
本ステップでは、各種情報の作成処理および情報データ出力処理を実行することで、外部端子板への出力を行う。
主制御装置40は、S155において、ソレノイド出力処理を実行し、S160に処理を移行する。
本ステップでは、ソレノイドデータ等の作成処理および情報データ出力処理を実行することで、ソレノイドへの出力を行う。遊技の進行に応じて主制御装置40は、大入賞口ソレノイド508、普電役物ソレノイド509等に対して各々出力処理を実行する。
また、パチンコ機1に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく、外部接続端子板38からセキュリティ信号を出力する処理を、本実施例ではS155にて、併せて実行する。
主制御装置40は、S160において、対応するレジスタを退避し、S165において、領域外処理を実行し、S170において、前記レジスタを復帰し、S175に処理を移行する。
S165のステップでは、性能表示装置48の制御処理や試射試験データの出力処理等として、領域外処理を行う。すなわち、起動処理(図13)の性能表示用集計除算処理(S90)にて算出した結果に基づき、性能表示装置48を用いた表示制御のためのデータや試射試験データを、RWMの領域外にて作成する処理を行う。
主制御装置40は、S175において、セグメントデータ設定処理を実行し、S180に処理を移行する。
本ステップでは、LEDデータ設定テーブルを取得して、LEDのコモン(LEDセグメントに係る8bit単位の表示領域)毎の発光制御を行うためのセグメントデータの作成処理を行う。すなわち、上記領域外処理(S165)で、RWMの領域外にて作成したデータを、RWMの領域内に移動して、後述するLED出力処理(S180)にて出力するためのセグメントデータを設定する。
主制御装置40は、S110で否定判定の際に移行するS190において、設定状態フラグが「遊技停止」状態であることを示す値か否かを判定し、肯定判定であれば(S190:yes)、S180に処理を移行し、否定判定であれば(S190:no)、S195に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(図13)の初期設定処理(S65)において設定された設定状態フラグが3か否かを判定する。設定状態フラグが3の場合は、S195を実行せず即時、S180に移行し、設定状態フラグが3ではない場合すなわち、1又は2の場合は、S195を介してS180に移行する。
主制御装置40は、S195において、設定状態確認処理を実行し、S180に処理を移行する。
本ステップは、設定確認および設定変更を行うための処理である。すなわち、設定変更時或いは設定確認時において、入力値(設定キーSW47や、RWMクリアSW46に係る検出信号)に基づいて、段階設定値の変更や、「設定変更」状態および「設定確認」状態の終了に係る処理を行う。
設定状態確認処理については、後で図32を参照して詳述する。
主制御装置40は、S180において、LED出力処理を実行し、S185に処理を移行する。
本ステップでは、性能表示装置48や、各種LED等に係る、発光制御のための情報を出力する。
すなわち、性能表示装置48を用いた性能表示または段階設定値に関する発光制御のための情報や、遊技盤2の表面側右下(図2参照)に集約して設けられた、第1特図表示装置27A、第1特図保留数表示装置271、第2特図表示装置27B、第2特図保留数表示装置272、普図表示装置28、および普図保留数表示装置281等のLEDの発光制御のための情報の、出力を行う。
主制御装置40は、S185において、割込みを許可し、本割込み処理を終了して起動処理のS75に復帰する。
以上が本実施例の割込(INT)処理である。
ここで、上述した割込(INT)処理における入力判定処理(S120)の1モジュールである、不正監視処理について、図15を用いて説明する。「不正監視処理」は、先ずS200において入賞頻度異常による不正が行われたか否かを判定する。尚、入賞頻度異常による不正とは、所定期間(例えば、60秒)内における一般入賞口26に入球する遊技球が予め決定された規定数(例えば、10個)よりも多い場合のことである。不正であれば(S200:yes)、S201において不正報知処理を行い、続いて不正報知コマンド送信処理(S202)を行い、本処理を終了する。
前記S200の処理で不正が行われていないと判定された場合には(S200:no)、不正監視処理を終了してリターンする。
不正監視処理における規定数は、4つの一般入賞口26に入球した遊技球の合算数である。これに限定されるものではなく、一般入賞口26毎に、予め定められた規定数を設ける構成であってもよい。
前記不正報知処理(S201)において、主制御装置40は、払出制御装置41に入賞頻度が異常であることを示す不正コマンドを送信する。不正コマンドを受信した払出制御装置41は、異常表示装置49(図4参照)のLEDを点灯させる。
また、前記不正報知コマンド送信処理(S202)において、主制御装置40は、サブ統合制御装置42に不正報知コマンドを送信する。不正報知コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、演出図柄表示装置21の画面に、所定期間(例えば、60秒)内に一般入賞口SW506により検出された遊技球数が規定数(例えば、10個)を超えて、入賞頻度の異常な不正が行われた旨の警告表示を表示するとともに、前枠11の枠側装飾ランプ113によるエラー報知が行われる。
なお、不正監視処理を本実施例の構成に限定することは無い。すなわち、一般入賞口への入賞異常を監視するものではなく、普通電動役物や特別電動役物の入賞有効期間外における入賞が所定個数を超えるか否かによって、不正発生か否かを判定して監視するような構成であっても良い。
次に、割込(INT)処理(図14)における特図特電処理(S125)のモジュールとして、以下に「特図始動入賞確認処理」、「特図当否判定処理」および「特別遊技処理」について説明する。
図16に示す「特図始動入賞確認処理」は、第1特図始動口23、第2特図始動口24に遊技球が入球したときに抽出される当否判定に用いる乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。本実施形態において、第1特図始動口23への入球に起因して記憶可能な保留記憶数及び第2特図始動口24への入球に起因して記憶可能な保留記憶数は各4個である。
「特図始動入賞確認処理」は、先ず、前記第1特図始動口SW503により第1特図始動口23への入球を検出したか否かを判定する(S250)。入球が無ければ(S250:no)、S254の処理へ移行する。第1特図始動口23への入球が有れば(S250:yes)、S251の処理において主制御装置40に記憶されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S251:yes)、S254の処理へ移行する。
保留記憶が満杯でなければ(S251:no)、S252の処理において第1特図の大当り判定用乱数、特図決定用乱数1、特図決定用乱数2、特図変動パターン決定用乱数1、特図変動パターン決定用乱数2等を抽出する。そして抽出した各種の乱数を、保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、抽出した各種の乱数を、一旦、主制御装置40の所定の記憶領域に記憶した後に保留記憶領域へ記憶するようにしてもよい。尚、第1特図の保留記憶数が「0」であっても、第1特図始動口23へ遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。
その後、第1特図の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第1特図保留数コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S253)。
図略ではあるが、記憶された第1特図の保留記憶について大当りやリーチ等の可能性があるか否かを先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。
続いて、S254の処理において前記第2特図始動口SW504により第2特図始動口24への入球を検出したか否かを判定する。入球が無ければ(S254:no)、本処理を終了する。第2特図始動口24への入球が有れば(S254:yes)、S255の処理において主制御装置40に記憶されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S255:yes)、リターンする。
第2特図の保留記憶が満杯でなければ(S255:no)、S256の処理において第2特図の大当り判定用乱数、特図決定用乱数1、特図決定用乱数2、特図変動パターン決定用乱数1、特図変動パターン決定用乱数2等を抽出する。そして抽出した各種の乱数を、保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、抽出した各種の乱数を、一旦、主制御装置40の所定の記憶領域に記憶した後に保留記憶領域へ記憶するようにしてもよい。尚、第2特図の保留記憶数が「0」であっても、第2特図始動口24へ遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。
その後、第2特図の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第2特図保留数コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S257)。その後、リターンする。
図略ではあるが、記憶された第2特図の保留記憶について大当りやリーチ等の可能性があるか否かを先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。
次に図17乃至図21は「特図当否判定処理」のフローチャートを示す。この処理において第1特図の当否判定及び第2特図の当否判定が実行される。この場合、第1特図の当否判定よりも第2特図の当否判定が優先的に実行される。尚、第1特図と第2特図の当否判定はほぼ同じ処理であり、以下の説明では、必要があれば両者を区別するが、それ以外は第1特図及び第2特図を区別せずに単に「特図」とする。
図17に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中又は小当り遊技中であるか否かを判定する(S300)。特別電動役物が作動中(S300:no)であれば「特別遊技処理」に移行する(図18参照)。特別電動役物が未作動で大当り遊技中又は小当り遊技中でなければ(S300:yes)、第1特図又は第2特図が変動停止中であるか否かを判定する(S301)。変動停止中であれば(S301:yes)、第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であるか否かを判定する(S302)。
前記S302の処理で第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であれば(S302:yes)、第2特図の保留記憶があるか否かを判定する(S303)。第2特図の保留記憶があれば(S303:yes)、第2特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S304)。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
前記S303の処理で第2特図の保留記憶がなければ(S303:no)、第1特図の保留記憶があるか否かを判定する(S305)。第1特図の保留記憶があれば(S305:yes)、第1特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S306)。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
第1特図の保留記憶がなければ(S305:no)、「特別遊技処理」に移行する。
前記S304の処理又前記S306の処理に続いて、図18に示すS310の処理において、確変フラグを確認して現在の遊技状態が特図の確変遊技状態であるか否かを判定する。確変中であれば(S310:yes)、確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる保留記憶の大当り判定用乱数とを対比して判定を行う(S311)。
前記S310の処理において確変中でない場合(S310:no)、通常確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り判定用乱数を対比して判定を行う(S312)。
ここで、S311やS312の処理においては、その時点の設定に応じた設定確率で当否判定を行う。つまり、前述の図9(a)に示すように、段階設定値が遊技者にとって最も不利な「設定1」である場合、S311の処理では「1/30」、S312の処理では「1/300」の大当り確率で当否判定が行われる。また、段階設定値が遊技者にとって中間の有利度の「設定2」である場合、S311の処理では「1/29」、S312の処理では「1/290」の大当り確率で当否判定が行われる。更に、段階設定値が遊技者にとって最も有利な「設定3」である場合、S311の処理では「1/28」、S312の処理では「1/280」の大当り確率で当否判定が行われる。そして、本実施例では、何れの設定で当否判定が行われているか否かを「確定表示される結果図柄」によって予測可能な場合がある。
続いてS313の処理において、前記S311又は前記S312の処理の当否判定が大当りか否かの判定を行う。
大当りであれば(S313:yes)、S314の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の特図決定用乱数1、特図決定用乱数2に基づいて大当り図柄を決定する。
つまり、S314の処理では、大当り図柄を決定する処理(特図大当り図柄決定処理)によって大当り図柄を決定する。ここで、図19(a)を用いて、S314の「特図大当り図柄決定処理」について説明する。
この特図大当り図柄決定処理では、先ず、リミット到達フラグがセットされているか否かを判定する(S314a)。ここで、リミット到達フラグは、リミットカウンタ(計数手段)が計数する連続回数(確変状態で発生する大当りの連続回数)がリッミト回数(制限回数の5回)に到達したことを示すフラグである(後述する)。そして、リミット回数(制限回数)に到達すると、リミット到達フラグがセット(値が「1」)とされ、特図大当り図柄決定処理において参照されると解除(値が「0」)とされる。
リミット到達フラグが解除されている場合(S314a:no)には、その時点の設定(設定1~3)に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照し、大当り図柄を決定し(S314d)、特図大当り図柄決定処理を終了する。つまり、リミットカウンタ(計数手段)がカウントを開始しているか否かに係わらず、リミット到達フラグが設定されていない場合は(値が「0」であると)、設定(設定1~3)に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照し、大当り図柄を決定する。
具体的に説明すると、特図1に関する大当り図柄を決定する場合において、段階設定値が「設定3」である場合には、当該「設定3」に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する。また、「設定2」である場合には、当該「設定2」に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する。更に、「設定1」である場合には、当該「設定1」に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する。
また、特図2に関する大当り図柄を決定する場合において、段階設定値が「設定3」である場合には、当該「設定3」に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する。また、「設定2」である場合には、当該「設定2」に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する。更に、「設定1」である場合には、当該「設定1」に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」を参照する。
なお、本実施例では、(1)リミットカウンタがカウントを開始していない場合とは、パチンコ機1の遊技状態が通常確率遊技状態である場合を指し、リミットカウンタがカウントを開始している場合とは、パチンコ機1の遊技状態が確変遊技状態である場合を指す。このように、本実施例では、リミットカウンタがカウントを開始しているか否かを問わず、設定(設定1~3)に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照するが、リミットカウンタがカウントを開始していない場合と、開始した場合とで参照する大当り図柄決定テーブルが異なっていてもよい(図48(a)を用いて後述する)。
リミット到達フラグが設定されている場合(S314a:yes)には、その時点の設定(設定1~3)とは無関係な共通の第2大当り図柄決定テーブルを参照し、大当り図柄を決定する(314b)。そして、リミット到達フラグを解除する処理(値を「0」にする処理)を行った後(S314c)、特図大当り図柄決定処理を終了する。
ここで、314bの参照する第2大当り図柄決定テーブルについて説明する。 現状の段階設定値が何れであっても、特図1に関する大当り図柄を決定する場合には、共通の「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する。また、現状の段階設定値が何れであっても、特図2に関する大当り図柄を決定する場合には、共通の「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する。
このようにS314の処理を実行すると、図18のS315の処理に移行する。このS315の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の特図変動パターン決定用乱数1、特図変動パターン決定用乱数2に基づいて、特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する(S315)。
変動パターンの決定後、大当り設定処理を行う(S316)。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、例えば、前記10R確変大当り遊技とするか、前記8R確変大当り遊技とするか、前記4R通常大当り遊技とするか、といった大当り遊技の内容、大当り遊技終了後の確変遊技への移行や時短への移行、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
前記S313の処理において、大当りでなく「はずれ」であれば(S313:no)、S317の処理において特図の「はずれ図柄」を決定する処理を行う。但し、前記当否判定の対象となる保留記憶の特図決定用乱数1、特図決定用乱数2が何れであっても、特図1に関する「はずれ図柄」は一律に「特図1_はずれ図柄1」に決定され、特図2に関する「はずれ図柄」は一律に「特図2_はずれ図柄1」に決定される。
S317の処理に続いてS318の処理に移行し、特図の「はずれ図柄」の変動時間等といった変動パターンを決定する。次にS319の処理に移行し、「はずれ設定処理」を行う(S319)。このS319の「はずれ設定処理」では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ-1する。
前記S316の処理又は前記S319の処理の後、当否判定後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う(S320)。
続くS321の処理において第1特図表示装置27A又は第2特図表示装置27Bの図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
前記図17のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:no)、図20に示すように、図柄の変動時間が経過すると(S330:yes)、S331の確定図柄表示処理において、第1特図表示装置27A又は第2特図表示装置27Bの特図の変動表示を終了して確定図柄を表示させる制御を行う。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
前記図17のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:no)、図21のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了していれば(S340:yes)、S341の確定図柄表示終了の処理により第1特図表示装置27A又は第2特図表示装置27Bの特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する疑似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
続いて特図の図柄が大当りになる組み合わせであるか否かを判定し(S342)、大当りになる組み合わせであったときは(S342:yes)、確変遊技状態を示す確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S344)。続いて時短状態を示す時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での確変状態及び時短状態に関する遊技状態を通常状態にリセットする。
続いて条件装置の作動を開始させる(S347)。尚、条件装置は特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるものであり、且つ、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。更に役物連続作動装置の作動を開始させる(S348)とともに、大当り開始演出処理を行ない(S349)、「特別遊技処理」へ移行する。
前記S342の処理で大当りになる組み合わせでなければ(S342:no)、確変フラグの値が「1」であるか否かを判定し(S350)、確変フラグが「1」であると判定される場合(S350:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S351)。そして、確変回数が0であれば(S351:yes)、S352の処理に移行し、確変フラグの値を「0」にしてS353の処理に移行する。つまり、S350若しくはS351の処理で否定判定されるか、S352の処理を実行するとS353の処理に移行する。
S353の処理では、時短フラグの値が「1」であるか否かを判定し、「1」であれば(S353:yes)、S354の処理に移行し、時短回数が0か否かを判定する(S354)。そして、時短回数が「0」であれば(S354:yes)、S355の処理に移行し、時短フラグの値を「0」にしてS356の処理に移行する。また、S353若しくはS354の処理で否定判定される場合には、そのままS356の処理に移行する。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
なお、高確率遊技状態では、確変回数及び時短回数を元々「10000」回に設定しているため、大当りが発生するまで特別図柄の変動表示を繰り返しても、S351及びS354の処理で肯定判定されることない。また、本実施例では、確変回数や時間回数がプラスである場合、特別図柄の変動開始する毎に確変回数や時短回数を1デクリメントし(図18のS318の処理を参照)、特別図柄の変動を終了する際に確変回数や時短回数が「0」になったか否かを判定した。但し、本実施例と異なり、時短回数や確変回数がプラスである場合、特別図柄の変動を終了する際に確変回数や時短回数を1デクリメントすると共に、確変回数や時短回数が「0」になったか否かを判定し、確変回数が「0」になると確変フラグの値を「0」にし、時短回数が「0」になると時短フラグの値を「0」にしてもよい。
なお、前述の特図大当り図柄決定(図18のS314の処理)においては、特図1に関する大当り図柄を決定する際に、特図1・第1大当り図柄決定テーブル若しくは特図1・第2大当り図柄決定テーブルを参照し、S252の処理において記憶する特図1の「特図決定用乱数1、特図決定用乱数2」を用いて、確定表示する大当り図柄を決定した。同様に、特図2に関する大当り図柄を決定する際に、特図2・第1大当り図柄決定テーブル若しくは特図2・第2大当り図柄決定テーブルを参照し、S256の処理において記憶する特図2の「特図決定用乱数1、特図決定用乱数2」を用いて、確定表示する大当り図柄を決定した。
但し、S252の処理において、特図1用の図柄決定用乱数を記憶し、特図1・第1大当り図柄決定テーブル及び特図1・第2大当り図柄決定テーブルに、大当り図柄を特定するデータを「特図1用の大当り図柄決定用乱数」に対応づけて記憶する。そして、第1始動入賞に基づき記憶した「特図1用の大当り図柄決定用乱数」を用いた乱数抽選によって、確定表示する特図1に関する大当り図柄を決定してもよい。同様に、S256の処理において、「特図2用の大当り図柄決定用乱数」を記憶し、特図2・第1大当り図柄決定テーブル及び特図2・第2大当り図柄決定テーブルに、大当り図柄を特定するデータを「特図2用の大当り図柄決定用乱数」に対応づけて記憶する。そして、第2始動入賞に基づき記憶した「特図2用の図柄決定用乱数」を用いた乱数抽選によって、確定表示する特図2に関する大当り図柄を決定してもよい。
また、前述の「はずれ図柄決定(図18のS317の処理)」においても、「特図1に関するはずれ図柄」を決定する際に、S252の処理において記憶する特図1の「特図決定用乱数1、特図決定用乱数2」を用いて、確定表示する「はずれ図柄」を決定し、「特図2に関するはずれ図柄」を決定する際に、S256の処理において記憶する特図2の「特図決定用乱数1、特図決定用乱数2」を用いて、確定表示するはずれ図柄を決定した。
但し、S252の処理において、「特図1用のはずれ図柄決定用乱数」を記憶し、特図1・第1はずれ図柄決定テーブル及び特図1・第2はずれ図柄決定テーブルに、「はずれ図柄を特定するデータ」を、「特図1用のはずれ図柄決定用乱数」に対応づけて記憶する。そして、第1始動入賞に基づき記憶した「特図1用のはずれ図柄決定用乱数」を用いた乱数抽選によって、確定表示する特図1に関する「はずれ図柄」を決定してもよい。同様に、S256の処理において、「特図2用のはずれ図柄決定用乱数」を記憶し、特図2・第1はずれ図柄決定テーブル及び特図2・第2はずれ図柄決定テーブルに、はずれ図柄を特定するデータを「特図2用のはずれ図柄決定用乱数」に対応づけて記憶する。そして、第2始動入賞に基づき記憶した「特図2用のはずれ図柄決定用乱数」を用いた乱数抽選によって、確定表示する特図2に関する「はずれ図柄」を決定してもよい。
図22に示すように「特別遊技処理」は、先ず、前記役物連続作動装置が作動中か否かを判定し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口25が開放中か否かを確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S400:no)、本処理を終了する。
前記S401の処理で大入賞口25が開放中でなければ(S401:no)、S402の処理で大当り遊技のインターバル中か否かを判定する。インターバル中でなければ(S402:no)、S403の処理で特図大当り終了演出中か否かを判定する。大当り終了演出中でなければ(S403:no)、S404の処理で大当り開始演出時間が経過したか否かを判定する。大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、大入賞口開放処理で第1ラウンドの大入賞口25を開放してリターンする(S405)。
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、図23に示すように、大入賞口25に10個の入賞があったか否か(規定入賞数)の判定(S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否かを判定して(S411)、いずれかが肯定判定となれば(S410:yes又は、S411:yes)、S412の処理において大入賞口25を閉鎖し、大当りインターバル処理を実行して(S413)、リターンする。
前記S402の処理で大当りのインターバル中であれば(S402:yes)、図24に示すように、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定し(S420)、経過していれば(S420:yes)、S421の処理において最終ラウンド(例えば10Rの大当り遊技であれば第10R、8Rの大当り遊技であれば第8R、4Rの大当り遊技であれば第4R)であるか否かを判定する。最終ラウンドであれば、(S421:yes)、S422の大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ、(S421:no)、S423の大入賞口25の開放処理により次のラウンドの大入賞口25の開放を実行してリターンする。
前記S403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、図25に示すように、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S430)。大当り終了演出時間の経過を確認すれば(S430:yes)、S431の役物連続作動装置の作動を停止する処理を実行し、続いて条件装置の作動を停止する処理を実行する(S432)。
続く、S433の処理において前記大当り図柄等に応じて大当り遊技終了後に確変とする設定があるか否かを判定する。
つまり、実行された大当り遊技の起因となった大当りを生じさせた当否判定(特別図柄の当否判定)の大当り設定処理(図18のS316の処理を参照)の設定内容に基づき、大当り遊技を実行した後、確変機能を作動させるか否かを判定する。より具体的に説明すると、例えば、大当り設定処理後にその設定内容が記憶されたモードバッファの内容(図示を省略)に基づいて、実行された大当り遊技が「確変大当り図柄」が確定表示されたことに基づくものであるか、「通常大当り図柄」が確定表示されたことに基づくものであるかを判定する。そして、「確変大当り図柄」が確定表示されたことに基づき実行された大当り遊技であった場合には、S433において肯定判定され、「通常大当り図柄」が確定表示されたことに基づき実行された大当り遊技であった場合には、S433において否定判定される。
S433の処理で肯定判定されると(S433:yes)、S434の処理において確率変動状態の繰り返し回数(10000回)を設定し、S435の処理において確変フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に確率変動状態が付与される。
続くS436の処理では、確率状態とともに付与される時短状態の繰り返し回数(10000回)を設定する処理(S436)と、時短フラグに「1」をセットする処理(S437)を実行し、S438の処理に移行する。このS436及びS437の処理を実行することにより大当り遊技終了後に時短状態が付与される。
ここで、本実施例では、確変大当りを発生すると、大当り遊技を実行した後の遊技状態が確率状態でしかも時短状態に制御されるため、S433の処理において前記大当り図柄等に応じて大当り遊技終了後に確変とする設定があると判定すると、確変フラグ及び時短フラグを設定する(値を「1」にする)こととしている。但し、所謂「潜伏確変大当り」を備えるパチンコ機1では、S436の処理を実行する前に、「前記大当り図柄等に応じて時短とする設定があるか否かを判定する処理」を行う。そして、当該処理で肯定判定すると、S436及びS437の処理を実行した後、S438の処理に移行し、当該処理で否定判定すると、S436及びS437の処理をスキップしてS438の処理に移行する。
S438の処理では、リミットカウントフラグがセットされているか否か(値が「1」であるか否か)を判定する。ここで、リミットカウントフラグは、通常確率遊技状態で確変大当りを生ずると、セットされ(値を「1」とされ)、リミットカウンタで計数を実行する状態であることを示すフラグである。また、リミットカウンタは計数手段の具体例を示すものであり、確変遊技状態で発生する大当りの連続回数を計数する計数手段である。
このリミットカウントフラグは、リミットカウンタの計数値が制限値(本実施例では「5」を例示)になるか、通常大当りを発生すると解除される。
リミットカウントフラグが解除されている場合(S438:no)には、S439の処理でリミットカウントフラグをセットした後(値を「1」とした後)、図26のS440の処理に移行し、リミットカウントフラグがセットされている場合(S438:yes)には、S439の処理をスキップして、図26のS440の処理に移行する。つまり、通常確率遊技状態での当否判定で確変大当りを生じた場合(つまり、確変大当りの初当りを生じた場合)には、S439の処理でリミットカウントフラグをセットし、S440の処理に移行するが、確変遊技状態での当否判定で確変大当りを生じた場合(つまり、確変大当りの連チャンを生じた場合)には、S439の処理をスキップしてS440の処理に移行する。
図26のS440の処理ではリミットカウンタを「+1」インクリメントする処理を行う。つまり、S440の処理では確変大当りの初当りを生じた場合には、リミットカウンタのカウント値が「1」とされ、確変大当りの連チャンを生じた場合には、前回の確変大当りに基づく大当り遊技を終了する際のカウント値に「+1」する処理を行う。
そして、S440の処理に続いて移行するS441の処理では、S440の処理を実行した後、リミットカウンタのカウント値がリミット回数(制限回数)に到達したか否かを判定する。具体的には、リミットカウンタのカウント値がリミット回数(制限回数)の「5」に到達したか否か、つまり、確変大当りの連チャン回数がリミット回数(制限回数)の「5」に到達したか否かを判定する。
S441の処理で肯定判定される場合(S441:yes)、つまり、リミッタが作動を開始した場合(S441:yes)には、リミットカウントフラグを解除する処理(S443)と、リミット到達フラグをセットする処理(S444)と、リミットカウンタを初期化する(「0」にする)処理(S445)とを行った後、S460の処理に移行する。すなわち、確変大当りの連チャン回数がリミット回数の「5」に到達すると、以後、リミットカウンタによるカウントを終了する旨の処理(計数手段の作動を終了する処理)と、リミットカウンタによるカウント値がリミットに到達したことを示すフラグをセットする処理(S444)と、リミットカウンタを初期化する処理(S445)を実行した後、S460の処理に移行する。
このように、リミット到達フラグがセットされると、次回の大当りを発生したときに実行される特図大当り決定処理(図18、図19(a)を参照)において、第2大当り図柄決定テーブルを参照して、確定表示する大当り図柄を決定した後、当該リミット到達フラグが解除される。これに対して、リミット到達フラグが解除されている場合には、特図大当り決定処理において設定に応じた第1大当り図柄決定テーブルを参照して、確定表示する大当り図柄を決定する。
S441の処理で否定判定される場合(S441:no)、つまり、リミッタが未作動の場合(S441:no)には、S443、S444の処理をスキップして、S460の処理に移行する。すなわち、確変大当りの連チャン回数がリミット回数の「5」に到達していない場合には、S443、S444の処理をスキップして、S460の処理に移行する。
一方、図25のS433の処理で否定判定される場合、つまり、前述のモードバッファの内容(図示を省略)に基づいて、実行された大当り遊技が「通常大当り図柄」が確定表示されたことに基づくものであると判定する場合(S433:no)には、S451以降の処理に移行する。
S451の処理では時短状態の繰り返し回数(100回)を設定する(S451)。続いて、移行するS452の処理では時短フラグに「1」をセットする(S452)。これにより大当り遊技終了後に時短状態が付与される。
ここで、本実施例では、通常大当りを発生すると、大当り遊技を実行した後の遊技状態が一律に時短状態に制御されるため、S433の処理において前記大当り図柄等に応じて大当り遊技終了後に確変とする設定がないと判定すると、一律に時短フラグを設定する(値を「1」にする)こととしている。但し、時短状態に移行させない「通常大当り」を備えるパチンコ機1では、S451の処理を実行する前に、「前記大当り図柄等に応じて時短とする設定があるか否かを判定する処理」を行う。そして、当該処理で肯定判定すると、S451及びS452の処理を実行した後、S453の処理に移行し、当該処理で否定判定すると、S451及びS452の処理をスキップしてS453の処理に移行する。
S453の処理では、リミットカウントフラグがセットされているか否か(値が「1」であるか否か)を判定する。そして、リミットカウントフラグがセットされている場合(S453:yes)には、リミットカウントフラグを解除する処理(S454)と、リミットカウンタを初期化する(「0」にする)処理(S455)を行った後、S460の処理に移行する。一方、S453の処理で否定判定される場合には、S454、S455の処理をスキップして、S460の処理に移行する。
S460の処理では、主制御装置40は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信する処理を行う。次いで、S461の処理に移行し、状態指定コマンドをサブ統合制御装置42に送信し、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
図27は、第1特図又は第2特図の変動中に表示される演出表示態様の一例と、入賞頻度異常による不正が行われた場合に表示される警告表示の一例を示す。
図27(a)に示すように、第1特図又は第2特図の図柄変動が開始されると、センターケース200で囲まれた演出図柄表示装置21の表示画面には、ほぼ中央に第1特図又は第2特図に対応する3桁の数値からなる疑似演出図柄700が変動表示される。また演出図柄表示装置21の表示画面の左下部には、第1特図の保留記憶を示す第1特図保留表示701が表示され、表示画面の右下部には第2特図の保留記憶を示す第2特図保留表示702が表示される。
そして、不正監視処理(図15参照)にて、所定期間(60秒)内において、予め決定された規定数(例えば、10個)を超えた遊技球が一般入賞口SW506により検出された場合に、主制御装置40からサブ統合制御装置42へ向けて不正報知コマンドが送信される。サブ統合制御装置42は、不正報知コマンドを受信すると、演出図柄表示装置21に、図27(b)に示す警告表示を表示させる。
警告表示は、演出図柄表示装置21の表示画面の中央位置に、「所定期間内に、異常な入賞数を検出しました。」と表示される。尚、警告表示中、疑似演出図柄700は演出図柄表示装置21の表示画面の右下方位置にて小さく変動表示される。
また入賞頻度異常時には、演出図柄表示装置21の警告表示と共に、前枠11の枠側装飾ランプ113等によるエラー報知が行われる。更にスピーカ112から「異常な入賞数を検出しました。」と音声によるエラー報知が行われる。
更に入賞頻度異常時には、主制御装置40は、払出制御装置41に向けて入賞頻度が異常であることを示す不正コマンドを送信する。不正コマンドを受信した払出制御装置41は、払出制御装置41に設けられた異常表示装置49(図4参照)のLEDを点灯させる。
演出図柄表示装置21の警告表示及び前枠11の枠側装飾ランプ113によるエラー報知は、異常が発生してから5分後に終了する。なお、スピーカ112によるエラー報知は、異常が発生してから30秒後に終了する。
次に、図28を用いて、パチンコ機1の主制御装置40で実行される遊技性能の演算及び遊技性能の表示について説明する。
主制御装置40は、遊技性能として、「ノーマル遊技状態」の「ベース」の演算を行う。ここで、「ノーマル遊技状態」とは、パチンコ機1の遊技状態が、何れの有利状態にもない状態(製造メーカ出荷時のノーマルな遊技状態)であり、本パチンコ機1では「非確変かつ非時短の遊技状態」である。
主制御装置40は、遊技領域20へ向けて発射された遊技球の「総発射球数」が所定の球数に達した時点において、総発射球数が所定の球数に達するまでのノーマル遊技状態(非確変、非時短状態)で発射された遊技球の「ノーマル遊技発射球数」に対して、ノーマル遊技状態で払出されることとなった賞球の「ノーマル払出球数」の比率(ノーマル遊技払出球数/ノーマル遊技発射球数×100)を演算する。
総発射球数は、通常、確変、時短といった遊技状態に拘わらずに遊技領域20へ向けて発射された全ての遊技球の発射球数を累積したものである。総発射球数は、主制御装置40のRAMの所定の領域に格納される。主制御装置40は、以下のように総発射球数を累積することが望ましい。
例えば、アウト口203へ取り込まれた遊技球を検出するアウト口センサを設ける。アウト口センサの検出信号に基づくアウト球数と、第1特図始動口23への入球数と、第2特図始動口24への入球数と、大入賞口25への入球数、及び一般入賞口26への入球を合算することで全ての発射球数を累積する。
総発射球数は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、主制御装置40のRAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。再度、遊技が開始されると、遊技が中断される前からの総発射球数の累積が再開される。
総発射球数を累積する他の方法として、例えば、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口26へ入球(入賞)した遊技球、及びアウト口203へ取り込まれた遊技を一箇所にまとめて遊技盤2から排出する排出路を設ける。そして、排出路に遊技球の通過を検出する排出センサを設ける。この排出センサの検出信号に基づいて全ての発射球数を累積するようにしてもよい。
更に例えば、遊技盤2にはその外レール201と内レール202との間に設けられた遊技球発射口などに遊技球の通過を検出する発射センサを設ける。そして発射センサの検出信号に基づいて全ての発射球数を累積するようにしてもよい。
更にまた例えば、遊技盤2には、センターケース200の左側の流路を流下する全ての遊技球を検出するための一つ又は複数の左流下センサを設ける。更に遊技盤2には、センターケース200の右側の流路を流下する全ての遊技球を検出するための一つ又は複数の右流下センサを設ける。そして、左流下センサ及び右流下センサの検出信号に基づいて、遊技盤2に発射された遊技球の全ての発射球数を累積するようにしてもよい。
ノーマル遊技発射球数は、総発射球数の累積と同様の方法を用いて、ノーマル遊技状態における発射球数を累積する。ノーマル遊技発射球数には、大当り遊技中に発射された発射球数は含まれない。ノーマル遊技発射球数は、主制御装置40のRAMの所定の領域に格納される。ノーマル遊技発射球数は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、主制御装置40のRAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。再度、遊技が開始されると、遊技が中断される前からのノーマル遊技発射球数の累積が再開される。
ノーマル払出球数は、ノーマル遊技状態で、第1特図始動口23への入球(入賞)、第2特図始動口24への入球(入賞)、一般入賞口26への入球(入賞)に応じて払出されることとなった賞球の払出球数を累積したものである。ノーマル遊技払出球数には、大当り遊技中の賞球数は含まれない。即ち、大当り遊技中の大入賞口25への入球により払い出されることとなった賞球数は含めないことは勿論、大当り遊技中に一般入賞口26に遊技球が入球した際に払い出されることとなった賞球数も含めない。
ノーマル遊技払出球数は、主制御装置40のRAMの所定の領域に格納される。ノーマル遊技払出球数は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、主制御装置40のRAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。再度、遊技が開始されると、遊技が中断される前からのノーマル遊技払出球数の累積が再開される。
図28(a)(b)に示すように、主制御装置40は、ノーマル遊技状態の「ベース」の演算を実行する条件として、総発射球数が60000個に達したことを条件としている。この条件は、以下の理由によるものである。即ち、パチンコ機は風俗営業等の規則に基づいて製作されており、風俗営業等の規則には、遊技球の試射試験を10時間行った場合においての遊技性能が定められている。しかし、遊技店において、連続して10時間の遊技を続ける状態は、なかなか発生するものではない。そこで、試射試験と同じような結果を出すことができるようにしたものである。
主制御装置40は、総発射球数を累積する際、初回の電源投入時から総発射球数が300個未満のA区間を、試射等により実質的に稼働していない期間として演算の対象期間から除外している。
主制御装置40は、総発射球数が300個に達してA区間が終了すると、ここから60000個に達するまでのB区間を、1回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してB区間が終了すると、B区間を対象期間とする1回目のノーマル遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、B区間のノーマル遊技発射球数に対する、B区間のノーマル遊技払出球数の比率を演算する。
次に、主制御装置40は、B区間の終了から60000個に達するまでのC区間を、2回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してC区間が終了すると、C区間を対象期間とする2回目のノーマル遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、C区間のノーマル遊技発射球数に対するC区間のノーマル遊技払出球数の比率を演算する。
続いて、主制御装置40は、C区間の終了から60000個に達するまでのD区間を、3回目の演算の対象期間とする。そして、総発射球数が60000個に達してD区間が終了すると、D区間を対象期間とする3回目のノーマル遊技状態の「ベース」の演算を実行する。即ち、D区間のノーマル遊技発射球数に対するD区間のノーマル遊技払出球数の比率を演算する。
その後も、主制御装置40は、総発射球数が60000個に達する毎に、ノーマル遊技状態の「ベース」の演算を繰り返し実行する。
尚、算出されたノーマル遊技状態の「ベース」の演算の結果は、主制御装置40のRAMの所定の領域に格納される。この場合、複数の演算の結果をRAMに記憶させることが望ましい。記憶が所定数に達すると、新たな演算の結果の算出に応じて、最も古い記憶を削除して新たな記憶に更新する。また演算の結果は、遊技が中断し、パチンコ機1の電源が遮断され、主制御装置40のRAMクリア操作が行われてもクリアされない構成である。
次に、性能表示装置48について説明する。性能表示装置48は、1回目のノーマル遊技状態の「ベース」の演算が終了すると、演算の結果を表示する。4桁の表示器からなる性能表示装置48は、上位の2桁が性能の種類を示す識別表示部とされ、下位の2桁が演算の結果(性能)を示す性能表示部とされている。
性能表示装置48は、上位2桁の識別表示部において、表示する性能がノーマル遊技状態の「ベース」であることを示す「AA.」を表示する(図28(c)参照)。この場合、上位2桁の識別表示部は、演算対象外のA区間及び1回目の演算対象のB区間では、性能が算出されていないため「AA.」を点滅表示する。その後、1回目以降のノーマル遊技状態の「ベース」の演算が終了すると(C区間から)、「AA.」を点灯表示する。
性能表示装置48の下位2桁の性能表示部は、演算対象外のA区間及びB区間では、性能が算出されていないため「‐‐」を点滅表示する。そして、性能表示部は、B区間における1回目のノーマル遊技状態の「ベース」が算出された後、演算結果を2桁の数値で表示する(図28(c)参照、図例では「32」)。1回目のノーマル遊技状態の「ベース」の演算結果は、次回の演算結果の算出まで、即ちC区間において表示が継続される。
その後も、性能表示装置48は、総発射球数が60000個に達してノーマル遊技状態の「ベース」が算出される毎に、下位2桁の性能表示部において演算結果を表示する。
また、性能表示装置48は、主制御装置40により表示が制御される。そして、パチンコ機1の電源が遮断され、主制御装置40のRAMクリア操作が行われても、性能表示装置48の表示の内容がクリアされない構成である。再度、電源が供給されると、遮断前の表示を再開する。
尚、性能表示装置48は、性能表示部において演算結果を数値で表示する構成に限らず、例えば、演算結果が所定の性能値よりも高いか低いかを表示するようにしてもよい。この場合、演算結果が所定の性能値よりも高ければ「up」と表示し、低ければ「Lo」とすることが望ましい。
また、性能表示装置48は、演算結果を数値で表示した上で、演算結果が所定の性能値よりも高いか低いかを表示するようにしてもよい。例えば、演算結果が所定の性能値よりも高いときには演算結果の数値を点灯表示し、演算結果が所定の性能値よりも低いときには演算結果の数値を点滅表示するようにしてもよい。
本実施形態によれば、遊技性能を調査する作業者は、例えば1回目の所定の演算実行条件の達成による遊技性能の演算が終了したのか、2回目(次回)の所定の演算実行条件の達成による遊技性能の演算が終了したのかを把握することができるようになる。そして、1回目の演算結果と2回目の演算結果とを容易に見比べることができる。
パチンコ機1は、過去の複数の遊技性能の演算結果を記憶しておくことが望ましい。そして、性能表示装置48に表示切替スイッチ等を設け、表示切替スイッチの操作に応じて、性能表示装置48に表示する遊技性能の演算結果を過去の結果に切り替え可能とすることが望ましい。
またノーマル遊技状態の「ベース」の演算は、総発射球数をアウト口203に取り込まれた「総アウト球数」に置換し、且つノーマル遊技発射球数をノーマル遊技状態におけるアウト口203に取り込まれた「ノーマル遊技アウト球数」に置換してもよい。即ち、総アウト球数が所定の球数に達した時点において、総アウト球数が所定の球数に達するまでのノーマル遊技アウト球数に対して、ノーマル遊技払出球数の比率を算出するようにしてもよい。この場合、アウト口203には、取り込まれた遊技球数を検出するアウト口センサを設ける。
なお、パチンコ機は、総発射球数が60000個に達したことを条件に、条件達成までに累積されたノーマル遊技発射球数に対するノーマル遊技払出球数の比率(ノーマル遊技状態の「ベース」)を算出し表示することを主機能とした上で、「即時性能」としてリアルタイムにノーマル遊技状態の「ベース」を算出し表示するようにしてもよい。これにより、基本の構成の遊技性能及び即時性能といった複数種類の遊技性能が分かるので、パチンコ機の遊技性能を詳細に把握することができる。
また、条件の異なる複数種類の演算の実行条件から何れか一つの条件を設定可能で、演算の実行条件を他の条件に変更してもよい。例えば、変更する演算の実行条件として、ノーマル遊技状態におけるノーマル遊技発射球数が所定の球数に達した時点において、ノーマル遊技発射球数に対する、ノーマル遊技払出球数の比率を演算するようにしてもよい。これにより、複数種類の所定の演算実行条件に応じた遊技性能が分るので、遊技機の遊技性能を詳細に把握することができる。そして、何れの演算実行条件に応じた遊技性能の演算が終了したのか分かるので、効率よく調査作業を行うことができる。
また、条件の異なる複数種類の演算の実行条件から何れか一つの条件を設定可能とし、且つ、期間の異なる複数種類の性能評価期間から何れか一つの性能評価期間を設定可能として、設定された演算の実行条件と、設定された性能評価期間との組み合わせに応じて複数種類の前記遊技性能を演算させるようにしてもよい。これにより、複数種類の遊技性能が分るので、遊技機の遊技性能を詳細に把握することができる。そして、何れの遊技性能の演算が終了したのか分かるので、効率よく調査作業を行うことができる。
上述した本実施例の遊技性能以外に、パチンコ機1で演算可能な遊技性能について、図29を参照して説明する。パチンコ機1は、遊技性能として、ノーマル遊技状態の「ベース」、「役物比率」、「連続役物比率」以外に、図29に示す複数種類の遊技性能を演算するようにしてもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「短時間出球率」、即ち、直近1時間の総発射球数に対する、直近1時間の総払出球数の比率を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「中時間出球率」、即ち、直近10時間の総発射球数に対する、直近10時間の総払出球数の比率を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「高ベース」、即ち、有利状態(高確率且つ時短状態)の総発射球数に対する、有利状態(高確率且つ時短状態)の総払出球数の比率を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「入賞口毎の入賞数」、即ち、総発射球数に対する、入賞数の比率(入賞口毎)を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「払出球数(ベース算出用)」、即ち、一定時間の払出球数のでもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「ベース近似値」、即ち、所定の係数1を乗じた総発射球数に対する、ノーマル遊技状態の払出球数の比率を演算する構成でもよい。
パチンコ機は、遊技性能として「高ベース近似値」、即ち、所定の係数2を乗じた総発射球数に対する、有利状態(高確率且つ時短状態)の払出球数の比率を演算する構成でもよい。
尚、パチンコ機は、これら複数種類の遊技性能を演算可能とすることが望ましい。そして、パチンコ機には、主制御装置に切替スイッチ等を設けて、切替スイッチの操作に応じて演算される遊技性能を選択するようにしてもよい。選択する遊技性能は複数種類でもよい。また、複数種類の遊技性能の演算をそれぞれ実行するようにし(同時進行)、性能表示装置に表示切替スイッチ等を設け、表示切替スイッチの操作に応じて必要な遊技性能の演算結果の表示を行うようにしてもよい。また、図29において、「通常時の払出球数」は「ノーマル払出球数」を示し、「通常時の総発射球数」は「ノーマル総発射球数」を示している。
以上が、本実施例のパチンコ機1における、通常遊技(通常遊技実行可能状態)に係る基本的な制御処理および性能表示機能等についての説明である。
次いで、本実施例のパチンコ機1が備える他の機能として、所謂設定に係る、変更、確認、表示等の機能、「設定確認」状態や「設定変更」状態等への遷移機能といった各種機能について、図30~図34を参照して説明する。
本実施例の初期設定処理について、図30を参照して説明する。
初期設定処理は、上述した起動処理(図13参照)のS65で実行される1モジュールであって、上述したように、電断前の状態(特に電断時が、「遊技停止」状態や、「設定変更」状態であった場合)、電源投入時の入力値(設定キーSW47とRWMクリアSW46の状態)から、何れの状態に遷移(移行)するかを設定するための処理である。
主制御装置40は本処理を開始すると先ず、S500において、今回の電源投入時にRWMが異常であったか否かを判定し、肯定判定であれば(S500:yes)、S575(図31参照)に処理を移行し、否定判定であれば(S500:no)、S515に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(図13参照)のS55にて「RWM異常」であると判定された場合に、その結果をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。すなわち、電源投入時に、S35、S40、またはS45の何れかのステップで「RWM異常」と判定されたか否かを判定する。
なお、主制御装置40は、起動処理(図13参照)のS55にて「RWM異常」であると判定された場合に該結果をセットする汎用レジスタを、本ステップにて参照した後、セットされた結果をリセットする。つまり、該汎用レジスタにS55にてセットされた結果は、同一割込み内の初期設定処理のS500が実行されるまでの間だけ維持され、それ以外は常時、リセット状態(「RWM異常」ではなかったことを示す状態)となっている。よって、S55が実行されなければ、S500の判定処理では否定判定となる。
主制御装置40は、S515において、電断前の状態が「設定変更」状態であったか否かを判定し、肯定判定であれば(S515:yes)、S535に処理を移行し、否定判定であれば(S515:no)、S520に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(図13参照)のS47にて設定状態フラグの値をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。該汎用レジスタに格納されたデータは、起動処理におけるS60のRWMクリア処理にて、RWMが初期化されても、消去されることなく保存維持されているため、該汎用レジスタに格納されたデータを判定することで、電断前の設定状態フラグの値が2か否かの判定が可能となっている。肯定判定であれば、既に設定状態フラグに2が設定されているので、S530を介さず、直接S535に移行する。
本ステップでは、後述する遷移条件(5)を満たしているか、を判定する(図34参照)ものである。
このように構成されることで、「設定変更」状態中に電断が発生した場合、つまり設定キーSW47をOFFすることで「設定変更」状態を終了する前に電断が発生した場合、電源が投入されると必ず再度、「設定変更」状態に遷移する。これにより、電源投入時のRWMクリアSW46の状態(ON/OFF)に関係無く、強制的に「設定変更」状態に遷移させることで、「RWMクリア」状態や「バックアップ復帰」状態といった「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」への遷移を防止する。
なお、主制御装置40は、起動処理(図13参照)のS47にて設定状態フラグのフラグ値をセットする汎用レジスタを、本ステップにて参照した後、セットされたフラグ値をリセットする。つまり、該汎用レジスタにS47にてセットされたフラグ値は、同一割込み内の初期設定処理のS515が実行されるまでの間だけ維持され、それ以外は常時、リセット状態(何れのフラグ値もセットされていない状態)となっている。但し、起動処理(図13参照)のS35、S40、またはS45の何れかにて「RWM異常」と判定されない限り、必ず0~3の何れかの設定状態フラグがセットされる。仮にリセット状態であっても、そのような場合は、S55にて「RWM異常」である結果がセットされ、S500で肯定判定となってS515に処理が移行することがないため、制御上の問題は発生しない。
但し、電源投入時のRWMクリアSW46の状態がONで、S515の処理で肯定判定される場合(電断前の状態が「設定変更」状態であると判定される場合)には、設定状態フラグに2を設定する処理を経てS535に移行することとしてもよい。
主制御装置40は、S520において、RWMクリアSW46がONか否かを判定し、肯定判定であれば(S520:yes)、S525に処理を移行し、否定判定であれば(S520:no)、S540に処理を移行する。
主制御装置40は、S525において、設定キーSW47はONか否かを判定し、肯定判定であれば(S525:yes)、S530に処理を移行し、否定判定であれば(S525:no)、S555に処理を移行する。
本ステップでは、後述する遷移条件(2)または(4)の何れを満たしているか、を判定する(図34参照)。
主制御装置40は、S530において、設定状態フラグに2を設定し、続くS535において、設定変更報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定変更報知処理は、「設定変更」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、S555において、設定状態フラグに0を設定し、続くS560において、RWMクリア報知処理を実行し、本処理を終了する。
RWMクリア報知処理は、「RWMクリア」状態に遷移する旨、また起動処理(図13)のRWMクリア処理(S60)が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、S540において、設定キーSW47はONか否かを判定し、肯定判定であれば(S540:yes)、S545に処理を移行し、否定判定であれば(S540:no)、S565に処理を移行する。
本ステップでは、後述する遷移条件(1)または(3)の何れを満たしているか、を判定する(図34参照)。
主制御装置40は、S545において、設定状態フラグに1を設定し、続くS550において、設定確認報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定確認報知処理は、「設定確認」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、S565において、設定状態フラグに0を設定し、続くS570において、バックアップ復帰報知処理を実行し、本処理を終了する。
バックアップ復帰報知処理は、「バックアップ復帰」状態に遷移する旨、またバックアップされた電断前の状態への復帰が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
なお、本実施例において、S515とS520の処理の間に、「電断前の状態が「設定確認」状態であったか否かを判定する処理(以下、当該処理という)」を追加してもよい。ここで、当該処理は、上述した起動処理(図13参照)のS47にて設定状態フラグの値をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。該汎用レジスタに格納されたデータは、起動処理におけるS60のRWMクリア処理にて、RWMが初期化されても、消去されることなく保存維持されているため、該汎用レジスタに格納されたデータを判定することで、電断前の設定状態フラグの値が1か否かの判定が可能となっている。
この場合、当該処理で否定判定されると、そのままS520の処理に移行し、当該処理で肯定判定されると、既に設定状態フラグに1が設定されているので、S545を介さず、直接S550に移行することとする。但し、電源投入時のRWMクリアSW46の状態がONで、当該処理で肯定判定される場合(電断前の状態が「設定確認」状態であると判定される場合)には、S545設定状態フラグに1を設定する処理を経てS550に移行してもよい。
主制御装置40は、S500にて肯定判定(S500:yes)の際に移行する、図31のS575において、RWMクリアSW46がONか否かを判定し、肯定判定であれば(S575:yes)、S580に処理を移行し、否定判定であれば(S575:no)、S505に処理を移行する。
本ステップでは、後述する遷移条件(4)を満たす可能性が有るか否か、を判定する(図34参照)。
なお、本ステップは、今回の電源投入で初めてRWM異常と判定された場合だけではなく、電断前にRWM異常で「遊技停止」状態となり、電断時にバックアップフラグが設定されなかったことに因り、今回の電源投入時にも連続してRWM異常と判定された場合にも、移行される処理である(起動処理(図13)のS45、および割込(INT)処理(図14)の停電検出信号監視処理(S105)を参照)。
主制御装置40は、S580において、設定キーSW47はONか否かを判定し、肯定判定であれば(S580:yes)、S585に処理を移行し、否定判定であれば(S580:no)、S505に処理を移行する。
本ステップでは、後述する遷移条件(4)を満たすか否か、を判定する(図34参照)。S575およびS580の両ステップで、共に肯定判定となった場合は、遷移条件(4)を満たすこととなる。
主制御装置40は、S585において、設定状態フラグに2を設定し、続くS590において、設定変更報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定変更報知処理は、S535と同じく、「設定変更」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、S575またはS580で否定判定となった場合、すなわち遷移条件(4)を満たしていない場合に移行するS505において、設定状態フラグに3を設定し、S510に処理を移行する。
本ステップでは、既に設定状態フラグに3が設定されている場合には、本ステップを行わないよう構成される。但し、これに限らず、再設定するようにしても良い。
主制御装置40は、S510において、遊技停止促進処理を実行し、本処理を終了する。
遊技停止促進処理は、RWM異常である旨の報知および、遊技者に遊技の即時停止を促し、且つ、ホール従業員に適切な対処を促す報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
本実施例の初期設定処理は、このような構成により例えば、電断前に起動処理(図13参照)におけるS35~S45の何れかのステップにて、「RWM異常」であると判定されると、S55を介してS60に移行することでRWMクリア処理が行われた後、初期設定処理のS505にて設定状態フラグに3が設定されて「遊技停止」状態に遷移し、遊技停止促進処理が行われる。該促進によって、例えばホール従業員により電源が遮断されると、上述したように設定状態フラグが3であるため、電断時にバックアップフラグおよびチェックサムの計算結果が設定されない。その後に、電源投入されると、チェックサムの計算結果が仮に異常でないと判定されたとしても、バックアップフラグが設定されていないため、S45にて否定判定となり、S55でRWM異常である結果が汎用レジスタにセットされ、続く初期設定処理のS500で該結果を参照して肯定判定となり、S575に移行する。今回の電源投入が、RWMクリアSW46と設定キーSW47が共にONではない状態で実行された場合、つまり、遷移条件(4)(図34参照)を満たしていない場合には、続くS575またはS580にて否定判定となり、再度、S505に移行することとなる。
このように、電源投入時に遷移条件(4)を満たしていない限り、「遊技停止」状態(設定状態フラグ=3の状態)から脱却することは不能に構成されている。つまり、遷移条件(7)、(8)、および(9)のループから抜けることが出来ないようになっている。
なお、一旦上記ループに入ってしまうと、電源投入時に遷移条件(1)、(2)、または(3)を満たしていても、該ループからは抜けることが出来ない。つまり、遷移条件(1)および(3)は、何れもRWMクリアSW46がOFFであるので、S575で否定判定となってS505に移行し、遷移条件(2)は、設定キーSW47がOFFであるので、S580で否定判定となってS505に移行する。よって、該ループから抜けるためには、電源投入時に遷移条件(4)(RWMクリアSW46と設定キーSW47が共にON)を満たす必要があるように構成されている。
本実施例の初期設定処理は、上述したように、電源投入時に遷移条件(4)を満たさなければ、「遊技停止」状態(設定状態フラグ=3の状態)から脱却不能に構成することで、以下のような効果を奏する。詳述すると、本実施例のパチンコ機1は、出荷前に所定の検査に合格した後、工場から出荷される。仮に前記検査時の遊技情報がRWMに記憶されたとしても、該情報は一般的には、出荷後、ホールに設置されるまでの間に揮発してしまう。パチンコ機1の納品に併せてホールに提供される取扱説明書には、設置されたパチンコ機1に初めて電源投入する際には、遷移条件(4)を満たして(RWMクリアSW46および設定キーSW47を共にON状態)電源投入し、「設定変更」状態に遷移する手順が推奨されている。しかし、この手順を踏まず、電源投入時に遷移条件(4)を満たさなければ、起動処理(図13参照)におけるS35~S45の何れかのステップにて、「RWM異常」であると判定され、上述した遷移条件(7)、(8)、および(9)のループに入ることになる。ホールの従業員は、該ループから抜けてパチンコ機1を稼働可能な状態にするためには、遷移条件(4)を満たしつつ電源投入し、「設定変更」状態を介して、「RWMクリア」状態に遷移する必要がある。これにより、出荷後初めて電源投入される場合や、設置場所の移動等で長時間電源投入されずに再度電源投入される場合等で、RWMの記憶情報が確実に保持されているか否かが不明な状態でも、必ずホールの従業員が自ら「設定変更」状態にて設定値を変更或いは確認することを担保として、遊技が可能な状態へ遷移する。よって、ホールは自ら確実に管理した段階設定値に基づいて、パチンコ機1を稼働することができる。
また本実施例の初期設定処理は、このような構成により例えば、「設定変更」状態(設定状態フラグが2)中に電断が発生した場合、割込(INT)処理(図14)の停電検出信号監視処理(S105)にて、バックアップフラグが設定される。その後に、電源投入されて、S35およびS40にて「RWM異常」ではないと判定されると、続くS45でバックアップフラグが設定されているので肯定判定となると、S47にて電断前からの設定状態フラグのフラグ値(この場合は2)を汎用レジスタにセットする。今回の電源投入時にRWMクリアSW46がON状態だったか、OFF状態だったかに関係無く(S60のRWMクリア処理を実行するか否かに関係無く)、汎用レジスタにセットされた情報は維持され、初期設定処理(S65)に移行する。初期設定処理(図30)のS500では、汎用レジスタに「RWM異常」を示す結果がセットされていないので否定判定となり、S515では、汎用レジスタに電断前に「設定変更」状態であったことを示すフラグ値がセットされているため肯定判定となり、設定変更報知処理(S535)を実行する。こうして、「設定変更」状態中に電断が発生すると、電源投入後に「RWM異常」でなければ必ず、再度、「設定変更」状態へ遷移するよう構成されており、「設定変更」状態中に設定キーSW47をONからOFFにして(遷移条件(6))、「RWMクリア」状態に遷移しない限り、遷移条件(5)、(8)、および(9)のループから抜けることが出来ないようになっている。
このように、パチンコ機1は、電源投入されるとその都度、初期設定処理にて設定状態フラグに何れかの値を設定することで、何れの状態に遷移するかを初期設定する。
以上が本実施例の初期設定処理である。
本実施例の設定状態確認処理について、図32を参照して説明する。設定状態確認処理は、上述した割込(INT)処理のS195で実行される1モジュールである。
主制御装置40は本処理を開始すると先ず、S600において、設定状態フラグが2か否かを判定し、肯定判定であれば(S600:yes)、S605に処理を移行し、否定判定であれば(S600:no)、S645に処理を移行する。
本処理には、上述した割込(INT)処理のS110およびS190によって、設定状態フラグが1または2の場合にしか移行しない。したがって、本ステップでは、設定状態フラグが2(「設定変更」状態)であるか、或いは1(「設定確認」状態)であるかを判定する。
なお、図示しないが、否定判定で(S600:no)、S645に処理を移行するまでの間に、主制御装置40は、性能表示装置48にて現在の段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の設定処理を行う。
主制御装置40は、「設定変更」状態である場合に移行する、S605において、設定SWの検出信号を受信したか否かを判定し、肯定判定であれば(S605:yes)、S610に処理を移行し、否定判定であれば(S605:no)、S630に処理を移行する。
本ステップでは、設定SWと兼用して設けられたRWMクリアSW46に係る検出信号が発生したか否かを判定する。
主制御装置40は、S610において、設定変更処理を実行し、S615に処理を移行する。本ステップでは、上記S605にて設定SWの検出信号を受信する都度、新しい段階設定値に変更して、これを確定する処理を行う。
先ず、本実施例のパチンコ機1において、上述したように、現状の段階設定値に係る情報は、起動処理(図13)のRWMクリア処理(S60)が実行されても消去されることのないRWM領域内の段階設定値に固有の領域(段階設定値記憶領域)に記憶保存されている。
本ステップでは、設定状態フラグが2の状態において、設定SW(RWMクリアSW46にて兼用)に係る検出信号が発生すると、上記した段階設定値記憶領域にストアされている現在の段階設定値を、新しい段階設定値に書き換える処理を行う。
つまり、段階設定値は、例えば、現状が設定1から設定3までの何れかである場合は、大当り抽選確率が1段階だけ高い段階設定値を新しい段階設定値として書き換え、現状が設定3の場合には、最も大当り抽選確率の低い設定1を新しい段階設定値として書き換える処理が行われる。よって、本実施例では、RWMクリアSW46を押下する毎に、設定3までは1段階ずつレベルアップし、設定3にて押下すると設定1にレベルダウンするループとなっている。これに限定せず、逆に、設定1までは1段階ずつレベルダウンし、設定1にて押下すると設定3にレベルアップするループとしても良い。
また、段階設定値を、例えば、6段階に設定可能な態様では、現状が設定1から設定5までの何れかである場合は、大当り抽選確率が1段階だけ高い段階設定値を新しい段階設定値として書き換え、現状が設定6の場合には、最も大当り抽選確率の低い設定1を新しい段階設定値として書き換える処理が行われる。よって、本実施例では、RWMクリアSW46を押下する毎に、設定6までは1段階ずつレベルアップし、設定6にて押下すると設定1にレベルダウンするループとなっている。これに限定せず、逆に、設定1までは1段階ずつレベルダウンし、設定1にて押下すると設定6にレベルアップするループとしても良い。
なお、本ステップによって、主制御装置40は、RWMクリアSW46が押下される毎に、性能表示装置48にて新たな段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の更新を行う。
主制御装置40は、S615において、段階設定値記憶領域に新たに設定(保存)された段階設定値が、「段階設定値最大値」未満か否かを判定し、肯定判定であれば(S615:yes)、S625に処理を移行し、否定判定であれば(S615:no)、S620に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(図13)のS40と同様の処理を行う。つまり、適正な段階設定値が設定されているか否かを監視する。
主制御装置40は、S620において、段階設定値を0に書き換えて最低設定とする処理を実行し、S625に処理を移行する。本ステップでは、上記S615にて否定判定となると、現状の段階設定値を最も利得の小さい段階設定値に書き換え変更して、これを確定する処理を行う。
本ステップでは、段階設定値記憶領域の段階設定値を書き換えた結果、予定されていない不適正な段階設定値が設定されているとS615にて判定された場合に、最も大当り確率の低い設定1に対応した段階設定値である0に書き換える処理を行う。これにより、例えば不正行為者が不当に利得を得ようとして、何らかの予定されていない段階設定値を設定したとしても、本ステップにて最も利得が少ない設定に書き換えられるので、不正行為を未然に防止できる。また、不正行為を未然に防止しつつ、予定された正規の段階設定値に書き換えるので、当該パチンコ機1を遊技可能な状態とすることができる。つまり、当該パチンコ機1に対して、仮に不正な設定値の書き換えが行われる害を被ったとしても、稼働率を低下させることなく、不正行為を未然に防止できる。
なお、本ステップにても、性能表示装置48にて新たな段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の更新を行う。
主制御装置40は、S625において、段階設定値更新コマンド送信処理を実行し、S630に処理を移行する。
本ステップでは、S610またはS620で、段階設定値を新たに書き換えて更新した内容を示す段階設定値更新コマンドを、サブ統合制御装置42に送信する処理を行う。
なお、該コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、更新された段階設定値を示すデータを所定の段階設定値バッファに格納し、該格納したデータを参照することで、所謂「設定報知(示唆)演出」等を行う際に、段階設定値に応じて、バリエーション豊富な演出を実行可能となっている。
また、段階設定値を新たに書き換えられると、当否判定の結果が大当りである場合に参照する第1大当り図柄決定テーブルが、新たに書き換えられた設定に対応する第1大当り図柄決定テーブルに変更される。
主制御装置40は、S630において、設定キーSW47がONからOFFに切り替わったことを示す検出信号を受信したか否かを判定し、肯定判定であれば(S630:yes)、S632に処理を移行し、否定判定であれば(S630:no)、本処理を終了する。
本ステップでは、ホール従業員等が設定キーSW47をONからOFFにすることで、設定変更を終了したか、否かを判定する。
なお、本実施例において、新たな段階設定値への確定は、上述したS610およびS620にて既に完了している。本ステップでは、設定キーSW47がOFFされたか否かに基づいて、単に設定変更の状態を終了するか否かを判定するための処理である。また、このような本実施例の構成に限定せず、例えば、S610およびS620にて変更することとなった新たな段階設定値を、上記段階設定値記憶領域とは別個設けられた所定の段階設定値用バッファに記憶して未確定の状態で維持しておき、本ステップにて設定キーSW47がOFFされたことに基づいて、「設定変更」状態を終了させる処理と併せて、段階設定値用バッファに記憶している新たな段階設定値を参照して該段階設定値にて、段階設定値記憶領域の段階設定値を確定する処理を実行する構成としても良い。
主制御装置40は、S630の処理で肯定判定を得ると(設定キーSW47をONからOFFに切り替え、設定変更状態が終了すると)、S632の処理に移行する。このS632の処理では、変更時間維持フラグに1が設定される。ここで、変更時間維持フラグは、「設定変更」状態が終了した後に「設定値の表示」を維持していることを示すフラグであり、該フラグが1に設定されている間は「設定値の表示」を維持する。
このように変更表示維持フラグに1が設定されると、S633の処理に移行し、変更表示維持カウンタに維持期間(例えば、3s)に対応したカウント値がセットされる。ここで、変更表示維持カウンタは、現状の段階設定値、例えばS610若しくはS620の処理が行われたのであれば、該処理で変更された「新たな段階設定値」の表示を維持する期間(維持期間)を計時するためのカウンタで、後述するLED出力処理(図33)のS720の処理にて減算される。なお、S633の処理において、LED出力処理(図33)の実行周期が4msならば、カウント値として「750」がセットされる。
S633の処理に続いてS635の処理に移行する。このS635の処理において、設定状態フラグを2から0に置き換えて設定し、S640において、RWMクリア報知処理を実行し、本処理を終了する。
この2ステップでは、上述した初期設定処理(図30)のS555およびS560と同様の処理を行う。RWMクリア報知処理は、「RWMクリア」状態に遷移する旨、また起動処理(図13)におけるRWMクリア処理(S60)が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、S600で否定判定の際、つまり「設定確認」状態である場合に移行する、S645において、設定キーSW47がONからOFFに切り替わったことを示す検出信号を受信したか否かを判定し、肯定判定であれば(S645:yes)、S650に処理を移行し、否定判定であれば(S645:no)、本処理を終了する。
本ステップでは、ホール従業員等が設定キーSW47をONからOFFにすることで、設定確認を終了したか、否かを判定する。
S650において、設定状態フラグを1から0に置き換えて設定し、S655において、バックアップ復帰報知処理を実行し、本処理を終了する。
この2ステップでは、上述した初期設定処理(図30)のS565およびS570と同様の処理を行う。バックアップ復帰報知処理は、「バックアップ復帰」状態に遷移する旨、また起動処理(図13)におけるバックアップされた電断前の状態への復帰が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
なお、上述したように、設定状態確認処理は、設定状態フラグが1または2の場合、すなわち「設定確認」状態または「設定変更」状態にある場合に実行する処理である。主制御装置40は、該設定状態確認処理が実行される際、つまり設定状態フラグが1または2に設定中においては、後述するLED出力処理(図33)によって、性能表示装置48にて現状の段階設定値を表示する。
ここで、性能表示装置48を用いた段階設定値の表示態様例について、上述した図28(c)を参照して説明する。性能表示装置48は、其々の桁が7セグメント表示装置でなる、4桁の表示器として構成されている。本来の性能表示機能としては、識別表示部(上位の2桁)で性能の種類を示し、性能表示部(下位の2桁)で演算の結果(性能)を示す。該性能表示装置48にて段階設定値を表示する場合、上位の2桁は、段階設定値の種別に関係無く、常時「--」が表示される。また、下位の2桁は、段階設定値が例えば「設定6」の場合、「-6」と表示される。同様に、他の段階設定値である「設定5」~「設定1」の場合も、「-5」~「-1」と表示される。
なお、「設定確認」状態または「設定変更」状態によって、同じ段階設定値を表示するとしても、異なる表示態様とすることで、現状がどちらの状態であるかを認識可能としている。つまり、「設定確認」状態においては、例えば「---6」を点灯状態(例えば、赤色の点灯状態)とし、「設定変更」状態においては、「---6」を点滅状態(例えば、赤色の点滅状態)とする。これにより、両状態を点灯状態か点滅状態かで識別が容易となる。また、「設定確認」状態で、点灯状態とすることで、設定を確認し易くしている。
該表示態様は、何れの状態においても、設定キーSW47がONからOFFに切り替わることに基づき終了する。つまり、設定状態フラグが1から0に変更されると即時終了し、設定状態フラグが2から0に変更されると所定の表示維持期間が経過するか、表示維持を終了させる操作が行われた時点で終了する。
本実施例の、上記S600にて否定判定(S600:no)となりS645に処理を移行するまでの間や、S610、およびS620において、実行される表示データ(セグメントデータ)を更新或いは設定する処理は、割込(INT)処理におけるセグメントデータ設定処理(S175)と同様の処理である。
以上が本実施例の設定状態確認処理である。
本実施例のLED出力処理について、図33を参照して説明する。LED出力処理は、上述した割込(INT)処理(図14)のS180で実行される1モジュールである。
主制御装置40は本処理を開始すると先ず、S700において、設定状態フラグが1または2か否かを判定し、肯定判定であれば(S700:yes)、S705に処理を移行し、否定判定であれば(S700:no)、S710の処理を移行する。
S700の処理では、現在の状態が、「設定変更」状態または「設定確認」状態の何れかであるか否かを判定する。
主制御装置40は、現在の状態が、「設定変更」状態または「設定確認」状態の何れでもない場合に移行する、S710においては、変更表示維持フラグの値が1であるか否かを判定し、否定判定される場合(S710:no)には、そのままS745の処理に移行し、肯定判定される場合(S710:yes)には、S715以降の処理を経てS745の処理に移行する。
S710の処理で肯定判定される場合に移行する、S715の処理では、性能表示装置(所謂性能表示モニタ)48にて、変更結果(S610若しくはS620の処理で変更された「新たな段階設定値」)を、「設定変更」状態中とは異なる表示態様で表示する。ここで、S715の処理に示す「異なる表示態様」の具体例を以下に例示する。例えば、(1)「設定変更」状態中に設定値を「点滅表示」する場合、「表示維持期間」中(変更表示維持フラグ=1)に設定値を「点灯表示」する態様(以下、第1態様という)、(2)「設定変更」状態中と「表示維持期間中」とで表示色が異なる態様(例えば、一方が赤色表示で他方が青色表示、以下、第2態様という)、(3)第1態様及び第2態様を同時に具備する態様等を例示できる。
このように、「設定変更」状態中と「表示維持期間」中とで設定値の表示態様を異ならせ、「設定変更」状態中では、段階設定値の変更が可能であることを目立つように表示(例えば、赤色で点滅表示)させることで、注意を促すことができ、確実に設定変更の作業を行わせことができる。しかも、表示維持期間中は異なる表示態様(例えば、青色)で点灯するため、確定した設定値を作業者(ホール従業員)に対して確実に示すことができる。しかも、「表示維持期間」中には点灯状態とすることで、速やかな確認を容易とし、秘匿すべき設定値の表示を可能な限り早期に終了させることができる。
なお、「設定確認」状態である場合と、「設定変更」状態である場合と、「表示維持期間」中である場合とで、設定値の表示態様が全て異なるようにし、何れの場合であるかを一見して把握容易とすることが更に望ましい。例えば、「設定確認」状態において設定値を赤色で点灯表示し、「設定変更」状態において設定値を赤色で点滅表示する場合には、「表示維持期間」中において設定値を青色で点灯表示若しくは青色で点滅表示すると、何れの場合であるかを一見して把握容易となる。この場合、パチンコホールの従業員が、多数のパチンコ機50を管理(メンテナンス等)する上で有用である。
主制御装置40は、S715の処理に続いて、S720の処理を実行する。このS720の処理は、変更表示維持カウンタを減算する処理である。つまり、このS720の処理では、LED出力処理の実行周期毎(例えば、4ms毎)に変更表示維持カウンタの値を「1」デクリメントする。
S720の処理に続いてS725の処理に移行し、変更表示維持カウンタのカウント値が「0」になったか否か、つまり、「表示維持期間」が終了したか否かを判定し、肯定判定される場合には(S725:yes)、変更表示維持カウンタをリセットする処理(S735)と、変更表示維持フラグの値を「0」にする処理(S740)を行った後、S745の処理に移行する。
一方、S725の処理で否定判定される場合には(S725:no)、RWMクリアスイッチがONであるか否かを判定する(S730)。そして、S730の処理で否定判定される場合(S730:no)には、S750の処理に移行する。つまり、「表示維持期間」が終了しておらず、しかも、RWMクリアSWのON(つまり、操作手段に操作が施されていない場合)には、そのままS750の処理に移行する。
これに対して、S730の処理で肯定判定される場合(S730:yes)には、S735の処理、S740の処理を経てS745の処理に移行し、更にS750の処理に移行する。
このように本実施例では、LED出力処理のS740で、変更表示維持フラグを0にする契機として、S725の肯定判定(維持期間の満了)以外に、S730の肯定判定(RWMクリアSWのON、つまり操作手段の操作有り)を備えている。すなわち、変更表示維持カウンタのカウント値が0となるか、またはRWMクリアSWがON操作されるか、の何れか先に発生した場合、これを契機として、変更表示維持フラグを0クリアする。
以上のように、S710の処理で否定判定されるか、S740の処理を実行すると、S745の処理に移行する。そして、S745の処理で性能表示装置(性能表示モニタ)48によって、パチンコ機1の性能表示を行うための性能表示処理を実行して、S750に処理を移行する。
主制御装置40は、現在の状態が、「設定変更」状態または「設定確認」状態の何れかである場合に移行する、S705において、性能表示装置(性能表示モニタ)48によって、パチンコ機1の現在の段階設定値の表示を行うための処理を実行して、S750に処理を移行する。
主制御装置40は、S750において、第1特図表示装置27A、第2特図表示装置27B、第1特図保留数表示装置271、第2特図保留数表示装置272、普図表示装置28及び普図保留数表示装置281等の、各種LED等の発光を行うための処理を実行して、本処理を終了する。
なお、本実施例のLED出力処理は、上述したように現在の設定状態フラグの値に応じて、異なる処理を実行可能な構成としたが、これに限定するものではない。すなわち単純に、設定されているセグメントデータに基づき、発光表示を行う処理として構成しても良い。その場合には、セグメントデータは、どのLEDコモンを、どのような表示態様にて発光させるかについて示されていることが好適である。これにより、現在の設定状態フラグの値に関係無く、性能表示装置48や、各種LEDの発光表示を行うことができる。
以上が本実施例のLED出力処理である。
本実施例では、上述した図13、図14、および図30~図32の制御処理によって、特異な状態遷移を可能としている。本実施例の状態遷移および遷移条件について、図34を参照することで、体系的に説明する。
先ず本実施例のパチンコ機1は、これまで説明してきたように、大当りに抽選確率の異なる複数種類の、具体的には設定1~設定6までの6種類の段階設定値(所謂設定)を備える共に、段階設定値を変更可能な「設定変更」状態、確認可能な「設定確認」状態を備えている。
さらにパチンコ機1は、図34(a)に示すように、上記「設定変更」状態および「設定確認」状態、の他に、少なくとも、「遊技停止」状態、「RWMクリア」状態、および「バックアップ復帰」状態、に遷移可能に構成される。
これらの各種状態について、個々に概要を説明する。
「設定変更」状態は、段階設定値に関して、例えばホール従業員が、現状の段階設定値を他の段階設定値に変更可能な状態である。
「設定確認」状態は、同じく段階設定値に関して、例えばホール従業員が、現状の段階設定値が何れの段階設定値に設定されているのかを視覚的に確認可能な状態である。
「遊技停止」状態は、電源投入時にRWMが異常であると判定された際に、遊技者に遊技停止を促すと共に、例えばホール従業員による適切な対処を促す報知を行うことが可能な状態である。
「RWMクリア」状態は、電源投入時にRWMに記憶された情報を消去するRWMクリア処理を行ったことを報知し、「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」である。
「バックアップ復帰」状態は、電源投入時に電断前のバックアップしておいた遊技機の状態に復帰させる処理を行ったことを報知し、「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」である。
なお、「RWMクリア」状態と「バックアップ復帰」状態は、従前の遊技機が備えていたものと同様の状態であって、「通常遊技が可能な状態」を構成するものである。
上記各種状態間の遷移は、図34(a)および(b)示すように、一定の規則性を有している。つまり、ある状態から、特定の遷移条件を満たした場合に、予め定められた状態に限って遷移可能となっている。以下、各遷移について、上述した図13、図14、および図30~図32の制御処理を具体的に交えながら説明する。
先ず、遷移条件(4)の、「RWM(RAM)クリアスイッチ46と設定キーSW47が共にONである状態」で、電源投入(図3および図7に示す電源スイッチ(SW)86の、OFFからONへの切り替え)が為された場合、「設定変更」状態に遷移する。
当該遷移は、起動処理(図13)のS50で肯定判定となり、S60の処理後、初期設定処理(図30)のS530を実行すること、又は、同じく初期設定処理(図31)のS585を実行すること、によって実現可能となっている。
S530は、今回の電源投入時にRWM異常ではなく、且つRWMクリアスイッチ46と設定キーSW47が共にONの場合、つまり特に異常が無い状態での「設定変更」状態への移行処理である。
S585は、今回の電源投入時にRWM異常であった場合(具体的には、電断前に「遊技停止」状態であったことからバックアップフラグおよびチェックサムの計算値が設定されず、これにより今回の電源投入時にRWM異常となった場合)であって、且つRWMクリアスイッチ46と設定キーSW47が共にONの場合に、「設定変更」状態に遷移する処理であって、後述する遷移条件(7)、(8)および(9)のループを抜け出す唯一の処理である。
また、遷移条件(5)の、「RWM異常ではなく、且つ、電断前の状態が「設定変更」状態である状態」で、電源投入が為された場合、「設定変更」状態に遷移する。
当該遷移は、設定状態確認処理(図32)の実行中において、S625を処理後且つS630で肯定判定となる前に、すなわち設定キーSW47がONからOFFに切り替えられる前に、電断が発生し、電源投入されて起動処理(図13)のS35、S40、およびS45でRWM異常ではないと判定され、次いでS47にて設定状態フラグの値(この場合は2)を汎用レジスタにセットし、S50にて肯定判定であればS60を介して、また、否定判定であれば直接、S65の初期設定処理に移行する。初期設定処理において、S500にて判定の際に参照する値は、起動処理(図13)のS55にてセットされる汎用レジスタの値であり、また、S515にて判定の際に参照する値は、起動処理(図13)のS47にてセットされる汎用レジスタの値であり、何れもRWMクリア処理が実行されても消去されることのないレジスタ内に維持されている値である。これらの値を参照することで、S500が否定判定、S515が肯定判定となって、既に設定状態フラグに2が設定されているためS530を介さず、S535の設定変更報知処理を実行することで実現可能となっている。なお、S515で参照する値を、RWMクリア処理に影響を受けない汎用レジスタにセットすることで、電源投入時にRWMクリアスイッチ46をONのままで電源スイッチ86をONして、S50にて肯定判定となることでS60のRWMクリア処理が実行されたとしても、設定状態フラグの値(この場合は2)は、初期設定処理のS515で参照されるまで維持される。これにより、「設定変更」状態にて電断が発生し、再度電源投入されたとき、RWMに異常が無ければ、必ず再度、「設定変更」状態に遷移するよう構成されている。このため、「設定変更」状態にて設定を未完了のままでは、再度電源投入しても、そのまま「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」、すなわち、「RWMクリア」状態や「バックアップ復帰」状態には遷移不能とする処理である。つまり、「設定変更」状態を終了していない状態では、「通常遊技」を実行不能とする制御処理である。
また、遷移条件(3)の、「RWMクリアスイッチ46がOFFで、且つ設定キーSW47がONである状態」で、電源投入が為された場合、「設定確認」状態に遷移する。
当該遷移は、起動処理(図13)のS50で否定判定となり、初期設定処理(図30)のS545を実行すること、によって実現可能となっている。
さらに、遷移条件(7)の、「RWM異常と判定され、且つ、RWMクリアスイッチ46と設定キーSW47の内の少なくとも何れか一方がONではない状態」で、電源投入が為された場合、「遊技停止」状態に遷移する。詳しくは、「RWMクリアスイッチ46と設定キーSW47の内の少なくとも何れか一方がONではない」状態とは、「RWMクリアスイッチ46と設定キーSW47の双方が共にONである状態を満たしていない」状態であって、要するに遷移条件(4)(RWMクリアスイッチ46と設定キーSW47の両方が共にON)を満たさない状態である。
当該遷移は、起動処理(図13)のS35、S40、またはS45の何れかのステップでRWM異常と判定され、S55およびS60の処理を行い、初期設定処理(図30)のS505を実行すること、によって実現可能となっている。或いは、前記S505の実行後に電断(「遊技停止」状態であるためバックアップフラグおよびチェックサムの計算値が設定されず)し、次いで上記遷移条件(4)を満たすことなく電源投入が為された場合、起動処理(図13)のS45で否定判定となり、初期設定処理(図31)のS575またはS580にて否定判定となって再度、S505を実行すること、によって実現可能となっている。
このように、「設定変更」状態、「設定確認」状態、および「遊技停止」状態は、電源投入時に限って、且つ所定の遷移条件を満たした場合にのみ、遷移可能な状態である。これら3種類の状態は、電源投入状態以外の他の状態からの遷移は不能となっている。
本実施例では、これら3種類の状態の他に、電源投入時には「RWMクリア」状態と「バックアップ復帰」状態にも遷移する。
すなわち、遷移条件(2)の、「RWMクリアスイッチ46がONで、且つ設定キーSW47がOFFである状態」で、電源投入が為された場合、「RWMクリア」状態に遷移する。
当該遷移は、起動処理(図13)のS50で肯定判定となり、S60の処理後、初期設定処理(図30)のS555を実行すること、によって実現可能となっている。S555は、今回の電源投入時にRWM異常ではなく、且つRWMクリアスイッチ46がONで、設定キーSW47がOFFの場合、つまり特に異常が無い場合の「RWMクリア」状態への移行処理である。
また、遷移条件(1)の、「RWMクリアスイッチ46がOFFで、且つ設定キーSW47がOFFである状態」で、電源投入が為された場合、「バックアップ復帰」状態に遷移する。
当該遷移は、起動処理(図13)のS50で否定判定となり、初期設定処理(図30)のS565を実行すること、によって実現可能となっている。S565は、今回の電源投入時にRWM異常ではなく、且つRWMクリアスイッチ46がOFFで、設定キーSW47がOFFの場合、つまり特に異常が無い場合の「バックアップ復帰」状態への移行処理である。
本実施例では、「設定変更」状態からは「RWMクリア」状態にのみ遷移し、「設定確認」状態からは「バックアップ復帰」状態にのみ遷移する。
すなわち、「設定変更」状態中において、遷移条件(6)の、「設定キーSW47がONからOFFの状態に変化したとき」に、「RWMクリア」状態に遷移する。つまり、設定キーSW47をOFFにすることで「設定変更」状態を終了した場合に、「RWMクリア」状態に遷移する。
当該遷移は、割込(INT)処理(図14)のS110およびS190が共に否定判定となり、設定状態確認処理(図32)のS635を実行すること、によって実現可能となっている。
また、「設定確認」状態中において、同じく遷移条件(6)の、「設定キーSW47がONからOFFの状態に変化したとき」に、「バックアップ復帰」状態に遷移する。つまり、設定キーSW47をOFFにすることで設定確認を完了した場合に、「バックアップ復帰」状態に遷移する。
当該遷移は、割込(INT)処理(図14)のS110およびS190が共に否定判定となり、設定状態確認処理(図32)のS650を実行すること、によって実現可能となっている。
このように本実施例では、「RWMクリア」状態への遷移は、電源投入時に、遷移条件(2)または(4)を満たしている場合に限られる。すなわち、設定キーSW47の状態に関係無く、RWMクリアスイッチ46がONである場合には、「RWMクリア」状態に遷移する。
当該遷移は、初期設定処理(図30)のS520で肯定判定の場合、S555を実行することで直接的に「RWMクリア」状態に遷移するか、或いは、同じく初期設定処理(図30)のS520で肯定判定の場合、S530を実行することで一旦「設定変更」状態を介して、その後に、設定状態確認処理(図32)のS635を実行することで、間接的に「RWMクリア」状態に遷移するか、の何れかによって実現可能となっている。
また、「バックアップ復帰」状態への遷移は、電源投入時に、遷移条件(1)または(3)を満たしている場合に限られる。すなわち、設定キーSW47の状態に関係無く、RWMクリアスイッチ46がOFFである場合には、「バックアップ復帰」状態に遷移する。
当該遷移は、初期設定処理(図30)のS520で否定判定の場合、S565を実行することで直接的に「バックアップ復帰」状態に遷移するか、或いは、同じく初期設定処理(図30)のS520で否定判定の場合、S545を実行することで一旦「設定確認」状態を介して、その後に、設定状態確認処理(図32)のS650を実行することで、間接的に「バックアップ復帰」状態に遷移するか、の何れかによって実現可能となっている。
本実施例において、「遊技停止」状態から遷移可能な状態は、電源断(電断)状態に限定される。
すなわち、「遊技停止」状態中において、遊技者により遊技が停止されてホール従業員等によって遷移条件(8)の、「電源スイッチ86がONからOFFの状態に変化した」ときに、電源断状態に遷移する。
また、「RWMクリア」状態中および「バックアップ復帰」状態中においても、同じく遷移条件(8)の、「電源スイッチ86がONからOFFの状態に変化した」ときには、電源断状態に遷移する。何れの状態においても、電源スイッチ86が切られると、割込(INT)処理(図14)のS105の停電検出信号監視処理にて、停電検出信号の検出に基づき上述した電断時の処理を実行する。
また、「設定変更」状態中および「設定確認」状態中においても、同じく遷移条件(8)の、「電源スイッチ86がONからOFFの状態に変化したとき」には、電源断状態に遷移する。「設定変更」状態中に設定キーSW47をOFF(設定変更状態を終了)する前の状態、また、「設定確認」状態中に設定キーSW47をOFF(設定確認状態を終了)する前の状態、の何れの状態においても、電源スイッチ86が切られると、割込(INT)処理(図14)のS105の停電検出信号監視処理にて、停電検出信号の検出に基づき上述した電断時の処理を実行する。
そして、電源断状態中に、遷移条件(9)の、「電源スイッチ86がOFFからONの状態に変化した」ときに、電源投入状態に遷移する。
但し、遷移条件(8)の内で、「遊技停止」状態中に電断が発生した場合に限っては、上述したように、バックアップフラグおよびチェックサムの計算値が設定されず、電源投入されると再度RWM異常と判定されるよう構成されている。したがって、本実施例では一旦、遷移条件(7)から(8)を経て電源断状態となった場合には、遷移条件(9)により電源投入状態へ遷移したとしても、上記遷移条件(4)を満たして「設定変更」状態に遷移しない限り、遷移条件(7)、(8)および(9)のループから抜けて他の状態へ遷移することが不能に構成されている。よって、繰り返しになるが、該ループから遷移可能な状態は、電源投入時に遷移条件(4)を満たすことで移行可能な状態としての「設定変更」状態に限定される。
当該ループとなる遷移は、上述したように、起動処理(図13)のS35、S40、またはS45の何れかのステップでRWM異常と判定され、S55およびS60の処理を行い、初期設定処理(図30)のS505を実行すること、によって設定状態フラグに3がセットされた後、電断および再度、電源投入が行われると、起動処理(図13)のS45で否定判定となり、遷移条件(4)を満たしていなければ、初期設定処理(図31)でS575またはS580が否定判定となることで、再度S505が実行され、上記ループが実現される。
一方、電断から再度電源投入される際に、遷移条件(4)を満たしている場合には、起動処理(図13)のS45で否定判定となって、S55、およびS60を実行後に、初期設定処理に移行する。そして、初期設定処理(図31)でS575およびS580が肯定判定となって、S585が実行されることで、上記ループから抜けることができる。
以上が、本実施例のパチンコ機1の状態遷移や遷移条件に係る構成である。
なお、図34(a)においては、「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」を「通常遊技状態」と記載している。
以上のように、本実施例のパチンコ機1によると、設定変更モード(「設定変更」状態」)では、変更処理が完了した後、設定変更モードの終了から所定期間(3秒間)の間は、現在の設定値の表示が維持される。よって、パチンコホールの店員等が、余裕をもって変更結果を確認できる。しかも、本実施例のパチンコ機1では、パチンコホールの店員等が直前に行った変更を確認するために、煩雑な作業(一旦、電源を落として再度立ち上げ、変更確認モードに移行するという、煩雑な作業)を行う必要がない。
また、本実施例のパチンコ機1によると、設定を確認するための設定確認モード(「設定変更」状態」)が終了すると、即時、現在の設定値の表示が終了されるので、出来るだけ秘匿したい設定値を必要最短の時間だけ表示することができる。
また、本実施例のパチンコ機1では、設定値の表示を行うための装置として、性能表示装置48を兼用し、固有の装置を設けないため、製造コストを抑えることができる。特に、遊技性能も設定値と同様に、遊技者に対して秘匿することが好ましい情報であるため、これらの情報をパチンコ機1の裏側に配置される性能表示装置48で表示することが好適である。
また、性能表示装置48は設定値の表示態様を、設定変更モードの終了の前後で異ならせているため、現在、設定変更モード中なのか、設定変更モード終了後の所定期間中(表示維持期間)なのか、をパチンコホールの店員等が視覚的に一見して認知できる。
しかも、パチンコホールの店員が、パチンコ機1の裏側に配置されたRWMクリアスイッチ(遊技中の遊技者が操作不能に配置された操作手段)をONすると、たとえ、所定期間中(表示維持期間)であっても、所定期間の経過を待たずに設定値の表示を終了する。例えば、設定値の変更後の確認が済んだのであれば、必要以上に設定値を表示し続けるのではなく、ホール従業員が任意に表示を終了させ、設定値の情報が洩れてしまう危険を回避できる。
また、本実施例では、遊技中の遊技者が視認不能な位置(パチンコ機1の裏側)に設定情報(設定値)を表示する態様を例示したが、例えば、設定情報(設定値)を遊技者に識別困難な表示とすることで、遊技中の遊技者が視認可能な位置(例えば、演出図柄表示装置21)に表示してもよい。例えば、一見しても何れの設定値を特定困難な表示(「2次元コード」、「多数色(10色以上)の組み合わせからなるモザイク模様」)とすれば、遊技中の遊技者が視認可能な位置に設定値情報を表示することとしてもよい。
本実施例では、RAMクリアスイッチ46に「設定値変更用の操作手段」としての機能を付与したが、その他の操作手段(スイッチ)を「設定値変更用の操作手段」として機能させたり、専用の「設定値変更用の操作手段」を設けたりしてもよい。例えば、パチンコ機1の裏側にエラー解消スイッチや遊技開始スイッチ等を設ける場合には、エラー解消スイッチや遊技開始スイッチを「設定値変更用の操作手段」として機能させてもよい。
次に、図35を用いて、本パチンコ機1において演出図柄表示装置21にて行われる演出例を示す。
図35(a)は、通常遊技時(リミットカウンタ及びリミッタの未作動時)において実行される演出例を示している。ここで、演出図柄表示装置21の画面には、演出図柄21aとキャラクタ21bが表示される。また、演出図柄21aは3桁から成り、特図1若しくは特図2の変動表示と連動して変動表示し、特図1若しくは特図2が確定表示すると、演出図柄21aも確定表示する。なお、図35(a)は、演出図柄21aが変動中であることを示している。
また、演出図柄表示装置21の画面には、所定のキャラクタ21bが表示され、表示演出が盛り上げられる。具体的に説明すると、キャラクタ21bとして熊の達吉が表示される。
図35(b)は、確変時(リミットカウンタ作動で、リミッタの未作動時)において実行される演出例を示している。ここで、演出図柄表示装置21の画面においても、演出図柄21aとキャラクタ21bの他に、「確変モード中であることを示す表示と、カウント表示とを備える確変情報21c」が表示される。
この場合、キャラクタ(熊の達吉)21bが「微笑む様子のキャラクタ」として表示される。なお、確変情報21cの一部を構成するカウント表示「2/5回」は、確変モードが2回連続して続いているとともに、最大5回までしか確変モードが連続しないことを示している。つまり、リミットカウンタは作動を開始し、制限回数が「5回」であるが、現在、カウント値が2であることを示している。
図35(c)は、リミッタ作動時において実行される演出例を示している。ここで、演出図柄表示装置21の画面に演出図柄21a、キャラクタ21b及び確変情報21cが表示される。
この状態では、確変情報21cによって、リミッタが作動したことと、通常大当りしか発生しないことが報知される。また、この場合、キャラクタ(熊の達吉)21bが「残念がるキャラクタ」として表示される。
このように、図35(b)に示す「リミッタの未作動時」には確変最中の演出として派手な演出が行われるが、図35(c)に示す「リミッタの作動時」には、比較的、シンプルな演出が実行され、確変モードを終了することが示唆される。
実施例1によると、大当り判定確率を設定変更する機能と確変機能を備えるパチンコ機1において、リミッタが作動するまで(図26のS441の処理で肯定判定されるまで)の期間に現状の設定(設定値)を予測可能な機会を生ずる。具体的には、リミッタの未作動時において、大当り図柄が確定表示される度に、その時点の設定に応じた第1大当り図柄決定テーブルが参照される。このため、当該設定に特有な大当り図柄(本実施例では「特図1_10R確変図柄2」、「特図2_4R通常変図柄2」を例示)が確定表示される可能性を生じたり、当該設定に特有な大当り図柄(本実施例では(「特図1_10R確変図柄2」、「特図2_4R通常図柄2」)に決定される確率を変動させたりすることができる。
よって、遊技者は、リミットカウンタがカウントを開始する前において、何時、確変状態が開始するかということに関し、期待感と緊張感を持って遊技を進行する。そして、確変状態に制御され、リミットカウンタがカウントを開始した後、リミッタが作動するまでの期間に、遊技者に現状の設定(設定値)を予測するチャンスが与えられる。
つまり、確変状態で大当りを発生する度に現状の設定(設定値)を予測する機会に遭遇する可能性を生ずるため、確変状態を堪能しつつも減り張りの利いた遊技が実行可能となり、遊技興趣を高めることができる。
また、確変状態に制御された制限期間(リミットカウンタの値が5になるまでの期間)に設定を予想できた遊技者は、リミッタの作動に伴い確変状態が終了して落胆するが、設定を推測できることで、次のような利益を得ることができる。例えば、現状の設定が有利な設定であると推測できた遊技者にとっては遊技続行に関するモチベーションを高めることができると共に、当該パチンコ機1の稼働率を向上させることができる。また、現状の設定が不利な設定であると推測できた遊技者に対しては、当該パチンコ機1での遊技続行を断念させ、所謂「遊技のめり込み」を防止することができるため、遊技の健全性を保つことができる。
また、リミッタの作動時は、大当り図柄を決定する際に、設定(設定値)と無関係に設けられた共通の(同一の)第2大当り図柄決定テーブルを参照すれば足りる構成であるため、当該遊技機の制御プロクラムの簡略化を図ることもできる。
次に実施例1の変形例について説明する。
実施例1では、設定に応じて確定表示される特有の大当り図柄が、確定表示されるか否かによって性能に影響を与えない(遊技結果に影響を与えない)大当り図柄であった。但し、図36に示す変形例1のように、設定に応じて確定表示される大当り図柄の割合等を変更し、この変更に基づいて、パチンコ機1の性能に影響を与え(遊技結果に影響を与え)、設定を予測可能としてもよい。なお、変形例1は、図11の代わりに図36を用いることを除いて実施例1と同様である。
次に、変形例1の第1大当り図柄決定テーブルについて説明する。
変形例1においては、何れの設定に対応する第1大当り図柄決定テーブルにも、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する大当り図柄が、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」若しくは「特図1_4R通常図柄1」に決定される。
そして、特図1に関する大当り図柄を決定する際に、設定3に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」がそれぞれ50%、30%、20%の割合で決定される。また、設定2に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」がそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。更に、設定1に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」がそれぞれ30%、50%、20%の割合で決定される。
変形例1においては、何れの設定に対応する第1大当り図柄決定テーブルにも、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する大当り図柄が、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」若しくは「特図2_4R通常図柄1」に決定される。
そして、特図2に関する大当り図柄を決定する際に、設定3に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」がそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。また、設定2に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」がそれぞれ50%、30%、20%の割合で決定される。更に、設定1に対応する第1大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」がそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
つまり、変形例1において特図1や特図2に関する大当り図柄を決定(選択)する場合において、設定に応じて確定表示される大当り図柄の決定率が変更される。つまり、「多量の賞球を期待できる大当り図柄(「特図1_10R確変図柄1」、「特図2_10R確変図柄1」)」や、「多量の賞球を期待できない大当り図柄(「特図1_4R確変図柄1」、「特図2_4R確変図柄1」)」が決定される確率が設定に応じて異なる。このように、変形例1によると、設定が変更されることによって、大当り遊技に伴う賞球量が変化する可能性を有するため、大当り判定確率以外の要素で、パチンコ機1の性能を異ならせることができる。
従って、変形例1によると、賞球量の変動を通じて、現状の設定を予測することができる。
なお、変形例1に示す構成(設定により大当り図柄の選択率が異なる旨の構成)に、実施例1に示す構成(設定より選択される大当り図柄と、設定より選択されない大当り図柄を備える構成等)を組み合わせて用いてもよい。
つまり、特図1に関する大当り図柄を決定する際に参照する第1大当り図柄決定テーブルに、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_10R確変図柄2」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータを記憶する。また、特図2に関する大当り図柄を決定する際に参照する第1大当り図柄決定テーブルに、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_10R確変図柄2」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータを記憶する。そして、特図1に関する大当り図柄を決定したり、特図2に関する大当り図柄を決定したりすると、10R確変図柄(「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_10R確変図柄2」、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_10R確変図柄2」)が選択される確率が設定に応じて異なってもよい。
次に、図37、図38(a)、図39、図12(b)を用いて実施例1の第2の変形例(以下、変形例2という)について説明する。
変形例2は、確定表示される「大当り図柄」と、「はずれ図柄」によって設定を予測可能とするものである。なお、変形例2においては、図37、図38(a)、図39、図12(b)が付加されている点を除いて実施例1と同様である。
変形例2では、特図1の「はずれ図柄」として、「特図1_はずれ図柄1A」と、「特図1_はずれ図柄1B」と、「特図1_はずれ図柄2」と、「特図1_はずれ図柄3」の4種類の「はずれ図柄」を備える。そして、何れの特図1の「はずれ図柄」も、第1特図表示装置27Aにおいて1個のLEDを点灯して表示されるが、「はずれ図柄」の種類によって、第1特図表示装置27Aにおいて点灯させるLEDが異なっているため、「はずれ図柄(はずれ)」の種類を識別可能となっている。
また、変形例2では、特図2の「はずれ図柄」として、「特図2_はずれ図柄1」と、「特図2_はずれ図柄2」と、「特図2_はずれ図柄3A」と、「特図2_はずれ図柄3B」の4種類の「はずれ図柄」を備える。そして、何れの特図2の「はずれ図柄」も、第2特図表示装置27Bにおいて1個のLEDを点灯して表示されるが、「はずれ図柄」の種類によって、第2特図表示装置27Bにおいて点灯させるLEDが異なっているため、「はずれ図柄(はずれ)」の種類を識別可能となっている。
次に、図38(a)を用いて、変形例2のはずれ図柄決定処理を説明する。
つまり、変形例2において、図18のS317の「はずれ図柄決定」をする処理(はずれ図柄決定処理)を図38(a)に基づいて実行する。
この「はずれ図柄決定処理」では、先ず、リミット到達フラグがセットされているか否かを判定する(S317a)。そして、リミット到達フラグが解除されている場合(S317a:no)には、その時点の設定(設定1~3)に対応する「第1はずれ図柄決定テーブル」を参照し、「はずれ図柄」を決定し(S317d)、「はずれ図柄決定処理」を終了する。
S317dの処理では、特図1に関する「はずれ図柄」を決定する場合において、段階設定値が「設定3」である場合には、当該「設定3」に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照し、「設定2」である場合には、当該「設定2」に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照する。また、「設定1」である場合には、当該「設定1」に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
更に、特図2に関する「はずれ図柄」を決定する場合において、段階設定値が「設定3」である場合には、当該「設定3」に対応する「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照し、「設定2」である場合には、当該「設定2」に対応する「特図2・はずれ図柄決定テーブル」を参照する。また、「設定1」である場合には、当該「設定1」に対応する「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
リミット到達フラグが設定されている場合(S317a:yes)には、その時点の設定(設定1~3)とは無関係な共通の「第2はずれ図柄決定テーブル」を参照して、「はずれ図柄」を決定し(317b)、「はずれ図柄決定処理」を終了する。
ここで、317bの参照する「第2はずれ図柄決定テーブル」について説明する。現状の段階設定値が何れであっても、特図1に関する「はずれ図柄」を決定する場合には、共通の「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する。また、現状の段階設定値が何れであっても、特図2に関する「はずれ図柄」を決定する場合には、共通の「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
次に、図39を用いて「第1はずれ図柄決定テーブル」について説明し、図12(b)を用いて「第2はずれ図柄決定テーブル」について説明する。
変形例2では、当否判定の結果が「はずれ」となり、確定表示される「はずれ図柄」を決定する際に、リミッタの未作動時においてリミットカウンタの作動の有無を問わず、図39の「第1はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
また、当否判定の結果が「はずれ」となり、確定表示される「はずれ図柄」を決定する際に、リミッタの作動時には、図12(b)の「第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
そして、図39に示すように、「第1はずれ図柄決定テーブル」として、その時点の設定に応じて参照される別の(専用の)「第1はずれ図柄決定テーブル」を備えている。具体的に説明すると、段階設定値が「設定3」のときに参照する「第1はずれ図柄決定テーブル(設定3に対応する第1はずれ図柄決定テーブル)」と、設定2のときに参照する「第1はずれ図柄決定テーブル(設定2に対応する第1はずれ図柄決定テーブル)」と、設定1のときに参照する「第1はずれ図柄決定テーブル(設定1に対応する第1はずれ図柄決定テーブル)」と、を備えている。
更に、「第1はずれ図柄決定テーブル」及び「第2はずれ図柄決定テーブル」は、第1当否判定を行った場合に参照する「はずれ図柄決定テーブル(以下、特図1用のはずれ図柄決定テーブル)」と、第2当否判定を行った場合に参照する「はずれ図柄決定テーブル(以下、特図2用のはずれ図柄決定テーブル)」とが区別して設けられている。
以下の説明において、特図1用の「第1はずれ図柄決定テーブル」を「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」、特図1用の「第2はずれ図柄決定テーブル」を「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」、特図2用の「第1はずれ図柄決定テーブル」を「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」、特図2用の「第2はずれ図柄決定テーブル」を「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」と称する。
設定3に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する「はずれ図柄」が、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
また、設定2に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する「はずれ図柄」が、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」にそれぞれ20%、20%、40%、20%の割合で決定される。
更に、設定1に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する「はずれ図柄」が、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」にそれぞれ35%、5%、40%、20%の割合で決定される。
設定1若しくは設定2に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照すると、特図1の「はずれ図柄」として、設定3に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照した場合には決定されない特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」が決定される可能性がある。また、設定1に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照する場合と、設定2に対応する「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照する場合とで、当該特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」の決定率が異なっている。
従って、確変リミッタの作動前において、当該特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」が確定表示されると、段階設定値が設定3ではないと推定される。また、当該特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」が確定表示される頻度が高いと、段階設定値が設定2である可能性が高いと推定できる。更に、確変リミッタの作動前において、当該特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」が確定表示されないと、段階設定値が設定3かもしないと推定することができる。
しかも、当否判定の結果が「はずれ」となる確率は、「大当り」となる確率よりも遙かに高く、「はずれ図柄」が確定表示される頻度は「大当り図柄」が確定表示される頻度よりも遙かに高い。よって、高頻度に確定表示される「はずれ図柄」によって、現状の設定をより高精度に推定することができる。
一方、設定3に対応する「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する「はずれ図柄」が、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」にそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。
また、設定2に対応する「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」の4種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する「はずれ図柄」が、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」にそれぞれ60%、20%、10%、10%の割合で決定される。
更に、設定1に対応する「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」の4種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する「はずれ図柄」が、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」にそれぞれ60%、20%、5%、15%の割合で決定される。
従って、確変リミッタの作動前において、所定の「はずれ図柄(特図2_はずれ図柄3B」)が確定表示されると、段階設定値が設定2若しくは設定3であると推定される。しかも、当該所定の「はずれ図柄(特図2_はずれ図柄3B)」が確定表示される頻度が高いと、段階設定値が設定1かもしれないと推定できる。更に、確変リミッタの作動前において、「はずれ図柄(特図2_はずれ図柄3B)」が確定表示されないと、段階設定値が設定3かもしないと推定することができる。
特に、「はずれ図柄」は「大当り図柄」よりも遙かに高頻度に確定表示されるため、特図2の「はずれ図柄」によってその時点の設定を高精度に推定することができる。
次に、図12(b)を用いて変形例2の第2はずれ図柄決定テーブルについて説明する。
この第2はずれ図柄決定テーブルは、その時点の設定に係わらず、共通して参照される「はずれ図柄決定テーブル」である。
そして、第1当否判定の結果が「はずれ」の場合に参照される「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」と、第2当否判定の結果が「はずれ」の場合に参照される「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」とを備えている。
「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」には、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の3種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて所得した図柄決定用乱数を用いて、特図1の「はずれ図柄」が、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
また、「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」には、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」の3種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて所得した図柄決定用乱数を用いて、特図2の「はずれ図柄」が、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」にそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。
前述のように、図18のS317の「はずれ図柄決定の処理」において、特図1に関するはずれ図柄を決定する際に、S252の処理において記憶する特図1の「特図決定用乱数1、特図決定用乱数2」を用いて、確定表示する「はずれ図柄」を決定し、特図2に関する「はずれ図柄」を決定する際に、S256の処理において記憶する特図2の「特図決定用乱数1、特図決定用乱数2」を用いて、確定表示する「はずれ図柄」を決定する。
但し、変形例2や、後述する変形例3、変形例5、変形例6では、S252の処理において、第1始動入賞に基づき記憶した特図1用の「はずれ図柄決定用乱数」を用いた乱数抽選によって、確定表示する特図1に関する「はずれ図柄」を決定してもよい。同様に、変形例2や後述する変形例5では、S256の処理において、第2始動入賞に基づき記憶した特図2用の「はずれ図柄決定用乱数」を用いた乱数抽選によって、確定表示する特図2に関する「はずれ図柄」を決定してもよい。
また、変形例2や、後述する変形例3、変形例5、変形例6に示すように、特図1用及び特図2用の「はずれ図柄」をそれぞれ複数備える場合には、相違する「はずれ図柄」によって演出手段(演出図柄表示装置21、スピーカ112、枠側装飾ランプ113)で実行する遊技演出の内容を特定することができる。
例えば、「はずれ図柄1」系統の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1A、特図_はずれ図柄1B、特図2_はずれ図柄1)」が確定表示される場合には、演出図柄表示装置21で実行される演出図柄の変動態様として、リーチ演出を伴わない変動態様(完全ノーマルはずれ変動といい、図39及び図12(b)で「バツ印」で示す)を行う。
また、「はずれ図柄2」系統の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄2、特図2_はずれ図柄2)」が確定表示される場合には、演出図柄表示装置21で実行される演出図柄の変動態様として、演出時間が短か目(例えば、15秒未満)のリーチ演出を伴う変動態様(ノーマルリーチはずれ変動といい、図39及び図12(b)で「三角印」で示す)を行う。
更に、「はずれ図柄3」系統の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄3、特図2_はずれ図柄3A、特図2_はずれ図柄3B)」が確定表示される場合には、演出図柄表示装置21で実行される演出図柄の変動態様として、演出時間が長目(例えば、15秒以上)のリーチ演出を伴う変動態様(スーパーリーチはずれ変動といい、図39及び図12(b)で「丸印」で示す)を行う。
このように、「はずれ図柄」を複数備え、決定される「はずれ図柄」の態様によって、演出手段で行う演出の態様を特定すると以下のような効果を得ることができる。
通常、演出手段で行う演出の態様を特定する場合、第1始動入賞時若しくは第2始動入賞時に取得するリーチ決定用乱数等を用いて、リーチ演出の実行の可否や、リーチ演出の態様(ノーマルリーチはずれ変動か、スーパーリーチはずれ変動)を決定し、変動パターン決定用乱数を参照し、変動パターン(変動時間、つまり、演出時間)に応じて決定すること等が考えられる。一方、変形例2に示すように、「はずれ図柄」の相違によって遊技演出の実行の可否(リーチ演出の実行の可否)を決定すると、演出態様を特定するためのデータ(リーチ決定用乱数等)を少なくしたり、 演出態様を決定する工程を省いたりすることができる。
また、変形例2では、設定値に応じて確定表示される「はずれ図柄」が、パチンコ機1の性能に影響を与えないもの(遊技結果に影響を与えないもの)であったが、図40の変形例3に示すように、性能に影響を与えるものとすることができる。ここで、変形例3では、「はずれ図柄」の相違によって遊技演出の実行の可否や態様が決定されるものとする。なお、変形例3は、図39の代わりに図40を用いることを除いて変形例2と同様である。
変形例3においては、何れの設定に対応する「特図1・第1・はずれ図柄決定テーブル」にも、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の3種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。また、何れの設定に対応する「特図2・第1・はずれ図柄決定テーブル」にも、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」の3種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。
但し、「特図1・第1・はずれ図柄決定テーブル」及び「特図2・第1・はずれ図柄決定テーブル」の何れにおいても、その時点の設定に応じて、個々の「はずれ図柄」の決定確率が異なっている。
変形例3に示すように、決定可能な「はずれ図柄」を複数備え、決定される「はずれ図柄」に応じて演出手段での演出態様(特に、演出図柄表示装置21で実行される演出図柄の変動態様)が指定される場合には以下の効果を得ることができる。
つまり、「はずれ図柄」を指定することを通じて所定演出の実行の可否や態様が決定し、その時点の設定により所定演出の決定率が異なることとすると、その時点の設定に応じて、特別絵図柄と演出図柄の変動時間の決定率を変更できるため、遊技の進行速度に変化を生じさせ、パチンコ機1の性能に影響を与えることができる。
より具体的に説明すると、設定により遊技演出(リ-チ演出等)の発生率が変わったり、発生する遊技演出(リ-チ演出等)の態様が変わったりするため、特別絵図柄と演出図柄の平均変動時間を変化させて、設定に応じて確定表示される「はずれ図柄」の態様に応じ、単位時間当りの当否判定回数(特別図柄の抽選回数)に差を設け、有利・不利を創り出すことができる。
また、「はずれ図柄」の態様に応じて、単純にリーチ演出が発生し易いか、発生し難いかではなく、確定表示される「はずれ図柄」の態様決定率(例えば、設定1において、スーパーリーチ演出を指定する「特図1_はずれ図柄3」の選択率が30%なの対し、設定1において「特図1_はずれ図柄3」の選択率が5%となっている)によって設定を推測させることができる。
なお、変形例2及び変形例3では、パチンコ機1の結果図柄を決定する際に参照する図柄決定テーブルとして、実施例1若しくは変形例1に示す大当り図柄決定テーブルの他に、変形例2若しくは変形例3の「はずれ図柄決定テーブル」を備える態様を例示した。
このようにすることで、当否判定の結果が大当りである場合には大当り図柄で、「はずれ」である場合には「はずれ図柄」で設定を推測できる。しかも、「はずれ図柄」は高頻度に確定表示されるため、設定の精度が高くなる。但し、変形例2及び変形例3と異なり、変形例2及び変形例3のパチンコ機1が、実施例1若しくは変形例1に示す大当り図柄決定テーブルを備えていなくてもよい
(2)実施例2
次に実施例2のパチンコ機1について説明する。
先ず、図41(a)を用いて、実施例2の第1大当り図柄決定テーブルについて説明し、図42を用いて、実施例2の第2大当り図柄決定テーブルについて説明する。なお、実施例2では、図11の代わりに図41(a)を用い、図12(a)の代わりに図42を用い、図19(a)の代わり図19(b)を用いる点が、実施例1と異なるが、その他の点は実施例1と同様である。
実施例2では、当否判定の結果が大当りとなり、確定表示される大当り図柄を決定する際に、リミッタの未作動時においてリミットカウンタの作動の有無を問わず、図41(a)の第1大当り図柄決定テーブルを参照する。
また、当否判定の結果が大当りとなり、確定表示される大当り図柄を決定する際に、リミッタの作動時には、図42の第2大当り図柄決定テーブルを参照する。
まず、図41(a)を用いて、実施例2の第1大当り図柄決定テーブルについて説明する。
この第1大当り図柄決定テーブルは、その時点の設定に係わらず、共通して参照される大当り図柄決定テーブルである。
そして、現状の段階設定値が何れであっても、第1当否判定の結果が大当りの場合に参照される第1大当り図柄決定テーブルとして、「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」を備え、第2当否判定の結果が大当りの場合に参照される第1大当り図柄決定テーブルとして、「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」を備えている。
図41(a)に示すように、実施例2の「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて所得した図柄決定用乱数(特図決定用乱数1、特図決定用乱数2)を用いて、特図1の大当り図柄が、特図1_10R確変図柄1」、「特図1_8R確変図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
また、「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて所得した図柄決定用乱数(特図決定用乱数1、特図決定用乱数2)を用いて、特図2の大当り図柄が、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」にそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。
また、図42に示すように、実施例2の第2大当り図柄決定テーブルとして、その時点の設定に応じて参照される別の(専用の)第2大当り図柄決定テーブルを備えている。また、特図1用の第2大当り図柄決定テーブルとして「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を備え、特図2用の第2大当り図柄決定テーブルとして「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を備える。
そして、「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」として、設定3に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」と、設定2に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」と、設定1に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル)と、を備えている。また、「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」として、設定3に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」と、設定2に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」と、設定1に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル)と、を備えている。
図42に示すように、実施例2の「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」において、設定3に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」には、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する大当り図柄が、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
また、設定2に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」には、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_10R通常図柄2」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて、特図1に関する大当り図柄が、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_10R通常図柄2」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ20%、20%、40%、20%の割合で決定される。
更に、設定1に対応する「特図1・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_10R通常図柄2」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて、特図1に関する大当り図柄が、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_10R通常図柄2」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ35%、5%、40%、20%の割合で決定される。
設定1若しくは設定2に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照すると、特図1の大当り図柄として、設定3に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照した場合には決定されない特有の大当り図柄(特図1_10R通常図柄2」)が決定される可能性がある。また、設定1に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する場合と、設定2に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する場合とで、当該特有の大当り図柄(特図1_10R通常図柄2」)の決定率が異なっている。
従って、確変リミッタの作動時において、当該特有の大当り図柄(特図1_10R通常図柄2」)が確定表示されると、段階設定値が設定3ではないと推定される。また、当該特有の大当り図柄(特図1_10R通常図柄2」)が確定表示される頻度が高いと、段階設定値が設定1である可能性が高いと推定できる。更に、確変リミッタの作動時において、特図1_10R通常図柄2が確定表示されないと、段階設定値が設定3かもしないと推定することができる。
特に、当該パチンコ機1における遊技の継続時間が長くなり、度々、リミッタが作動しても、特図1_10R通常図柄2が全く確定表示されない場合には、段階設定値が設定3であると確信することができる。
一方、設定3に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」には、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する大当り図柄が、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」にそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。
また、設定2に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」には、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄2」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて、特図2に関する大当り図柄が、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄」、「特図2_4R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄2」にそれぞれ60%、20%、10%、10%の割合で決定される。
更に、設定1に対応する「特図2・第1大当り図柄決定テーブル」には、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄2」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、大当り図柄決定用乱数を用いて、「特図2_10R確変図柄1」、「特図2_8R確変図柄」、「特図2_4R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄2」にそれぞれ60%、20%、5%、15%の割合で決定される。
従って、確変リミッタの作動時において、所定の大当り図柄(特図2_4R通常図柄2」)が確定表示されると、段階設定値が設定3ではないと推定される。また、当該所定の大当り図柄(特図2_4R通常図柄2」)が確定表示される頻度が高いと、段階設定値が設定1である可能性が高いと推定できる。更に、確変リミッタの作動時において、特図2_4R通常図柄2が確定表示されないと、段階設定値が設定3かもしないと推定することができる。
特に、当該パチンコ機1における遊技の継続時間が長くなり、リミッタが度々作動しても、特図2_4R通常図柄2が確定表示される頻度が高い場合は、段階設定値が設定1であると推定でき、当該パチンコ機1で遊技を停止しようと判断することになる。この場合、所謂「遊技のめり込み」を防止でき、遊技の健全性を高めることができる。
なお、「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」においても、設定の如何によって確定表示される通常図柄を備えてもよい。例えば、設定3に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を参照すると、「特図2_10R通常図柄1」が40%の割合で決定され、設定2に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を参照すると、「特図2_10R通常図柄1」と「特図2_10R通常図柄2」とがそれぞれ20%の割合で決定されているものとする。また、設定3に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を参照すると、「特図2_10R通常図柄1」が10%の割合で決定され、「特図2_10R通常図柄1」が30%の割合で決定されるものとする。このようにすることで、第1当否判定を行った場合に参照する第2大当り図柄決定テーブルと同様に、「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する場合においても、所定の確変図柄(特図2_10R通常図柄2)の出現の有無や出現頻度によって、その時点の設定を推定することができる。
同様に、「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する場合においても、設定の如何によって確定表示される通常図柄を備えてもよい。そして、所定の通常図柄(特図1_4R通常図柄2)の出現の有無や出現頻度によって、その時点の設定を推定することができる。
次に、図19(b)を用いて、実施例2の大当り図柄を決定を決定する処理(特図大当り図柄決定処理)について説明する。
実施例2の特図大当り図柄決定処理においても、先ず、リミット到達フラグがセットされているか否かを判定する(S314a)。そして、リミット到達フラグが解除されている場合(S314a:no)には、その時点の設定に係わらず、共通の第1大当り図柄決定テーブルを参照し、大当り図柄を決定し(S314g)、特図大当り図柄決定処理を終了する。
一方、リミット到達フラグがセットされている場合(S314a:yes)には、設定(設定1~3)に対応する第2大当り図柄決定テーブルを参照し、大当り図柄を決定し(S314e)、リミット到達フラグを解除した後(S314f)、特図大当り図柄決定処理を終了する。
具体的に説明すると、特図1に関する大当り図柄を決定する場合において、段階設定値が「設定3」である場合には、当該「設定3」に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照し、「設定2」である場合には、当該「設定2」に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する。また、「設定1」である場合には、当該「設定1」に対応する「特図1・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する。
更に、特図2に関する大当り図柄を決定する場合において、段階設定値が「設定3」である場合には、当該「設定3」に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を参照し、「設定2」である場合には、当該「設定2」に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する。また、「設定1」である場合には、当該「設定1」に対応する「特図2・第2大当り図柄決定テーブル」を参照する。
実施例2によると、大当り判定確率を設定変更する機能と、確変機能を備えるパチンコ機1において確変状態(高確率遊技状態)が開始され、大当りの発生確率が高くなると、遊技者は、リミッタが作動するまでの制限期間において、確変状態が何時、終了するのかという緊張感を持ちつつ確変状態を堪能する。そして、リミッタが作動し、確変状態が終了すると現状の設定を予測可能な機会を生ずる。つまり、リミッタが作動し、大当り図柄が確定表示されると、その時点の設定に応じた第2大当り図柄決定テーブルが参照されるため、当該設定に特有な大当り図柄(本実施例では「特図1_10R通常図柄2」、「特図2_4R通常図柄2」を例示)が確定表示される可能性を生じたり、当該設定に特有な大当り図柄(本実施例では「特図2_4R通常図柄2」)に決定される確率を変動させたりすることができる。
従って、遊技者は、リミットカウンタが作動する前(確変状態が開始する前)に、何時、確変状態に制御されるのかということに関し、期待感と緊張感を持って遊技を進行する。そして、リミットカウンタの動作を開始した後、リミッタが作動するまでの制限期間に確変状態を堪能する。また、リミッタが作動すると、確変状態が終了するため、落胆するが、その反面、遊技者に現状の設定を予測するチャンスが与えられる。従って、遊技者は当該パチンコ機1で遊技を続行するか否かを的確に判断することができる。
特に、リミッタの作動時には確変状態が終了するため、遊技者に対して負のイメージを与え易いが、実施例2によると、リミッタの作動に伴い、現状の設定を予測可能な機会を得ることがきるため、この負のイメージを緩和することができる。例えば、現状の設定が有利な設定であると推測できた遊技者にとっては、遊技続行に関するモチベーションを高めることができると共に、当該パチンコ1の稼働率を向上させることができる。また、現状の設定が不利な設定であると推測できた遊技者に対して、当該パチンコ機1での遊技続行を断念させ、所謂「遊技のめり込み」を防止することができるため、遊技の健全性を保つことができる。
また、リミッタの未作動時は、大当り図柄を決定する際に、その時点の設定にかかわらず、同一の第1大当り図柄決定テーブルを参照すれば足りる構成であるため、当該パチンコ機1の制御プロクラムの簡略化を図ることもできる。
次に実施例2の変形例について説明する。
実施例2では、設定値に応じて確定表示される特有の大当り図柄が、確定表示されるか否かによって性能に影響を与えない(遊技結果に影響を与えない)大当り図柄であった。
但し、図43に示す実施例2の第1の変形例(以下、変形例4という)に示すように、設定に応じて確定表示される大当り図柄の決定率を変更することで、パチンコ機1の性能に影響を与え、設定を予測可能としてもよい。なお、変形例4は、図42の代わりに図43を用いることを除いて実施例2と同様である。
次に、変形例4の第2大当り図柄決定テーブルについて説明する。
変形例4においては、何れの設定に対応する第2大当り図柄決定テーブルにも、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する大当り図柄が、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」若しくは「特図1_4R通常図柄1」に決定される。
但し、特図1に関する大当り図柄を決定する際に、設定3に対応する第2大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ50%、30%、20%の割合で決定される。また、設定2に対応する第2大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。更に、設定1に対応する第2大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」にそれぞれ30%、50%、20%の割合で決定される。
また、変形例4において、何れの設定に対応する第2大当り図柄決定テーブルにも、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する大当り図柄が、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」若しくは「特図2_4R通常図柄1」に決定される。
そして、特図2に関する大当り図柄を決定する際に、設定3に対応する第2大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」にそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。また、設定2に対応する第2大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」にそれぞれ50%、30%、20%の割合で決定される。更に、設定1に対応する第2大当り図柄決定テーブルを参照すると、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
つまり、変形例4において特図1や特図2に関する大当り図柄を決定(選択する場合)において、設定が変更することよって、「多量の賞球を期待できる大当り図柄(「特図1_10R通常図柄1」、「特図2_10R通常図柄1」)」が確定表示される確率が異なる。よって、変形例4によると、設定が変更されることによって、賞球量が変化する可能性を有するため、大当り判定確率以外の要素で、パチンコ機1の性能を異ならせることができる。
従って、変形例4によると、賞球量の変動を通じて、現状の設定を予測することができる。
なお、変形例4に示す構成(設定により大当り図柄の選択率が異なる旨の構成)に、実施例2に示す構成(設定より選択される大当り図柄と、設定より選択されない大当り図柄を備える構成等)を組み合わせて用いてもよい。
つまり、特図1に関する大当り図柄を決定する際に参照する第2大当り図柄決定テーブルに、特図1に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図1_10R通常図柄1」、「特図1_10R通常図柄2」、「特図1_8R通常図柄1」、「特図1_4R通常図柄1」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータを記憶する。また、特図2に関する大当り図柄を決定する際に参照する第2大当り図柄決定テーブルに、特図2に関する大当り図柄を特定するデータとして、「特図2_10R通常図柄1」、「特図2_10R通常図柄2」、「特図2_8R通常図柄1」、「特図2_4R通常図柄1」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータを記憶する。そして、特図1に関する大当り図柄を決定したり、特図2に関する大当り図柄を決定したりすると、10R通常図柄が選択される確率が異なってもよい。
次に、図44、図38(b)、図41(b)を用いて実施例2の第2の変形例(以下、変形例5という)について説明する。
変形例5も前述の変形例2と同様に、確定表示される「大当り図柄」と「はずれ図柄」によって設定を予測可能とするものである。
なお、変形例5においては、図44、図38(b)、図41(b)が付加されている点を除いて実施例2と同様である。
変形例5では、確定表示され得る「特図1のはずれ図柄」として、「特図1_はずれ図柄1A」と、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」と、「特図1_はずれ図柄3」の4種類のはずれ図柄を備える。そして、何れの特図1の「はずれ図柄」も、1個のLEDを点灯して表示されるが、「はずれ図柄」の種類によって、第1特図表示装置27Aにおいて点灯させるLEDが異なっている。
また、変形例5では、確定表示され得る「特図2のはずれ図柄」として、「特図2_はずれ図柄1」と、「特図2_はずれ図柄2」と、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」の4種類のはずれ図柄を備える。そして、何れの特図2の「はずれ図柄」も、1個のLEDを点灯して表示されるが、はずれ図柄の種類によって、第2特図表示装置27Bにおいて点灯させるLEDが異なっている。
次に、図38(b)を用いて、変形例5の「はずれ図柄決定処理」を説明する。
つまり、変形例5において、図18のS317のはずれ図柄決定を決定する処理を図38(b)に基づいて実行する。
このはずれ図柄決定処理では、先ず、リミット到達フラグがセットされているか否かを判定する(S317a)。そして、リミット到達フラグがセットされていない場合(S317a:no)には、その時点の設定(設定1~3)と無関係な共通の「第1はずれ図柄決定テーブル」を参照し、「はずれ図柄」を決定し(S317g)、はずれ図柄決定処理を終了する。
ここで、S317gの処理では、特図1に関する「はずれ図柄」を決定する場合において、「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照し、特図2に関する「はずれ図柄」を決定する場合において、「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
また、図38(b)のS317aの処理でリミット到達フラグがセットされていると判定されると(S317a:yes)、その時点の設定(設定1~3)に対応する「第2はずれ図柄決定テーブル」を参照し、はずれ図柄を決定し(S317e)、はずれ図柄決定処理を終了する。
ここで、S317eの処理では、特図1に関する「はずれ図柄」を決定する場合において、段階設定値が「設定3」である場合には、当該「設定3」に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照し、「設定2」である場合には、当該「設定2」に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する。また、「設定1」である場合には、当該「設定1」に対応する「特図1・はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
また、特図2に関する「はずれ図柄」を決定する場合において、段階設定値が「設定3」である場合には、当該「設定3」に対応する「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照し、「設定2」である場合には、当該「設定2」に対応する「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する。更に、「設定1」である場合には、当該「設定1」に対応する「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
次に、図41(b)を用いて変形例5の「第1はずれ図柄決定テーブル」について説明し、図44を用いて「第2はずれ図柄決定テーブル」について説明する。
変形例5では、当否判定の結果が「はずれ」となり、確定表示される「はずれ図柄」を決定する際に、リミッタの未作動時においてリミットカウンタの作動の有無を問わず、図41(b)の「第1はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
また、当否判定の結果が「はずれ」となり、確定表示される「はずれ図柄」を決定する際に、リミッタの作動時には、図44の「第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する。
更に、第1はずれ図柄決定テーブル及び第2はずれ図柄決定テーブルは、第1当否判定を行った場合に参照する「はずれ図柄決定テーブル(以下、特図1用のはずれ図柄決定テーブル)と、第2当否判定を行った場合に参照するはずれ図柄決定テーブル(以下、特図2用のはずれ図柄決定テーブル)とが区別して設けられている。
ここで、図41(b)に示すように、変形例5の「第1はずれ図柄決定テーブル」として、第1当否判定の結果が「はずれ」の場合に参照される「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」と、第2当否判定の結果が「はずれ」の場合に参照される「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」とを備えている。
「特図1・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の3種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて所得した図柄決定用乱数を用いて、特図1の「はずれ図柄」が、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
また、「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」の3種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて所得した図柄決定用乱数を用いて、特図2の「はずれ図柄」が、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」にそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。
また、図44に示すように、変形例5の「第2はずれ図柄決定テーブル」として、その時点の設定に応じて参照される別の(専用の)「第2はずれ図柄決定テーブル」を備えている。具体的に説明すると、設定3に対応する「第2はずれ図柄決定テーブル」と、設定2に対応する「第2はずれ図柄決定テーブル」と、設定1に対応する「第2はずれ図柄決定テーブル」と、を備えている。
設定3に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」には、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する「はずれ図柄」が、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」にそれぞれ40%、40%、20%の割合で決定される。
また、設定2に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」には、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する「はずれ図柄」が、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」にそれぞれ20%、20%、40%、20%の割合で決定される。
更に、設定1に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」には、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の4種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第1始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図1に関する「はずれ図柄」が、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄1B」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」にそれぞれ35%、5%、40%、20%の割合で決定される。
設定1若しくは設定2に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照すると、特図1の「はずれ図柄」として、設定3に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照した場合には決定されない特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」が決定される可能性がある。また、設定1に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する場合と、設定2に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」を参照する場合とで、当該特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」の決定率が異なっている。
従って、確変リミッタの作動時において、当該特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」が確定表示されると、段階設定値が設定3ではないと推定される。また、当該特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」が確定表示される頻度が高いと、段階設定値が設定2である可能性が高いと推定できる。更に、確変リミッタの作動前において、当該特有の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1B)」が確定表示されないと、段階設定値が設定3かもしないと推定することができる。
しかも、当否判定の結果が「はずれ」となる確率は、「大当り」となる確率よりも遙かに高く、「はずれ図柄」が確定表示される頻度は「大当り図柄」が確定表示される頻度よりも遙かに高い。よって、高頻度に確定表示される「はずれ図柄」によって、現状の設定をより高精度に推定することができる。
一方、設定3に対応する「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」の3種類の大当り図柄をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する「はずれ図柄」が、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」にそれぞれ60%、20%、20%の割合で決定される。
また、設定2に対応する「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」の4種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する「はずれ図柄」が、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」にそれぞれ60%、20%、10%、10%の割合で決定される。
更に、設定1に対応する「特図2・第1はずれ図柄決定テーブル」には、特図2(第2特別図柄)に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」の4種類の「はずれ図柄」をそれぞれ特定するデータが記憶されている。そして、第2始動入賞に基づいて取得した図柄決定用乱数を用いて特図2に関する「はずれ図柄」が、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」、「特図2_はずれ図柄3B」にそれぞれ60%、20%、5%、15%の割合で決定される。
従って、確変リミッタの作動時において、所定の「はずれ図柄(特図2_はずれ図柄3B」)が確定表示されると、段階設定値が設定2若しくは設定1であると推定される。しかも、当該所定の「はずれ図柄(特図2_はずれ図柄3B)」が確定表示される頻度が高いと、段階設定値が設定1であると推定できる。更に、確変リミッタの作動時において、「はずれ図柄(特図2_はずれ図柄3B)」が確定表示されないと、段階設定値が設定3かもしないと推定することができる。
特に、「はずれ図柄」は「大当り図柄」よりも遙かに高頻度に確定表示されるため、特図2の「はずれ図柄」によってその時点の設定を高精度に推定することができる。
また、変形例5では、設定値に応じて確定表示される「はずれ図柄」が、パチンコ機1の性能に影響を与えないもの(遊技結果に影響を与えないもの)であったが、図45の変形例6に示すように、性能に影響を与えるものとすることができる。ここで、変形例6では、前述の変形例3と同様に、「はずれ図柄」の相違によって遊技演出の実行の可否や態様が決定されるものとする。なお、変形例6は、図44の代わりに図45を用いることを除いて変形例5と同様である。
変形例6においては、何れの設定に対応する「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」にも、特図1に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図1_はずれ図柄1A」、「特図1_はずれ図柄2」、「特図1_はずれ図柄3」の3種類の「はずれ図柄」がそれぞれ特定するデータが記憶されている。また、何れの設定に対応する「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」にも、特図2に関する「はずれ図柄」を特定するデータとして、「特図2_はずれ図柄1」、「特図2_はずれ図柄2」、「特図2_はずれ図柄3A」の3種類の「はずれ図柄」がそれぞれ特定するデータが記憶されている。
但し、「特図1・第2はずれ図柄決定テーブル」及び「特図2・第2はずれ図柄決定テーブル」の何れにおいても、その時点の設定に応じて、個々の「はずれ図柄」の決定確率が異なっている。具体的には、特図1及び特図2とも、設定3~設定1の順に「はずれ図柄1」系統の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄1A特図2_はずれ図柄1)」の選択率が高くなっている。このため、大当り確率が高く設定されるほど、「完全ノーマルはずれ変動」の出現率を高め、遊技の進行速度が速くなる傾向にある。
一方、「はずれ図柄2」系統の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄2、特図2_はずれ図柄2)」や、「はずれ図柄3」系統の「はずれ図柄(特図1_はずれ図柄3、特図2_はずれ図柄3A、特図2_はずれ図柄3B)の出現率が、設定1~設定3の順に高くなっている。つまり、大当り確率が高く設定されるほど、ノーマルリーチ変動やスーパーリーチ変更の出現率を高め、遊技の進行速度が遅くなる傾向にある。
この変形例6に示すように、決定可能な「はずれ図柄」を複数備え、決定される「はずれ図柄」に応じて演出手段での演出態様(特に、演出図柄表示装置21で実行される演出図柄の変動態様)を選択する場合には以下の効果を得ることができる。
つまり、「はずれ図柄」を指定することを通じて所定演出の実行の可否や態様が決定し、その時点の設定により所定演出の決定率が異なり、特別図柄や演出図柄の変動時間を変更できるため、遊技の進行速度に変化を生じさせ、パチンコ機1の性能に影響を与えることができる。例えば、ノーマルリーチ変動やスーパーリーチ変動の出現率が高く、遊技の進行速度が遅い場合には設定1若しくは設定2である可能性があると、推測できる。そして、ノーマルリーチ変動やスーパーリーチ変動の出現率が特に高い場合には、段階設定値は設定1であると推測できる。
なお、変形例5及び変形例6では、パチンコ機1の結果図柄を決定する際に参照する図柄決定テーブルとして、実施例2若しくは変形例4に示す大当り図柄決定テーブルの他に、変形例5若しくは変形例6の「はずれ図柄決定テーブル」を備える態様を例示した。
このようにすることで、当否判定の結果が大当りである場合には大当り図柄で設定を推測でき、「はずれ」である場合には「はずれ図柄」で設定を推測できるため、設定をより精度に推測できる。但し、変形例5及び変形例6と異なり、変形例5及び変形例6のパチンコ機1が、実施例2若しくは変形例4に示す大当り図柄決定テーブルを備えていなくてもよい。
なお、変形例6の第2はずれ図柄決定テーブルを、前述の変形例3の第1はずれ図柄決定テーブルとして用いてもよい。つまり、リミッタの未作動時に図45に示す内容の「はずれ図柄決定テーブル」を参照し、はずれ図柄を決定してもよい。
同様に、変形例3の第2はずれ図柄決定テーブルを、変形例6の第2はずれ図柄決定テーブルとして用いてもよい。つまり、リミッタの作動時に図40に示す内容の「はずれ図柄決定テーブル」を参照し、はずれ図柄を決定してもよい。
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例や変形例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
すなわち、各実施例及び各変形例では、その時点の設定に応じて、確定表示される「特別図柄の大当り図柄等」の種類や、「所定の特別図柄の大当り図柄等」が確定表示される頻度を変更する態様を例示したが、その時点の設定に応じて確定表示される「演出図柄の種類」や「所定の演出図柄」が確定表示される頻度を変更してもよい。
パチンコ機1のサブ統合制御装置42は、主制御装置40からのコマンドに応じて演出手段(演出図柄表示装置21、スピーカ112、枠側装飾ランプ113等)の駆動を制御し、図柄変動(特図表示装置27A、27Bで実行される特図の変動表示)に伴い遊技演出を実行する。
つまり、サブ統合制御装置42は変動開始コマンド(図18のS320の処理を参照)を受信すると、変動開始コマンドによって特定される当否判定の結果に基づき、大当り演出用の演出パターン、若しくは、はずれ演出用の演出パターンを決定し、この決定された演出パターンに基づいて遊技演出を開始する。そして、サブ統合制御装置42は主制御装置40から図柄確定コマンド(図20のS331を参照)を受信すると、図柄変動に伴う遊技演出を終了する。
なお、サブ統合制御装置42は、変動開始コマンドによって当否判定の結果が「大当り」であるか、「はずれ」であるかを判定することができる。
ここで、大当り演出用の演出パターンは、大当り演出パターン決定テーブルを参照して、サブ統合制御装置42が変動開始コマンドを受信したきに発生・取得する演出決定用乱数を用いた乱数抽選によって決定される。そして、大当り演出パターン決定テーブルには、大当り演出用の演出パターンを特定するデータが所定数記憶されているものとする。
また、はずれ演出用の演出パターンは、はずれ演出パターン決定テーブルを参照して、サブ統合制御装置42が変動開始コマンドを受信したときに発生・取得する演出決定用乱数を用いた乱数抽選によって決定される。そして、はずれ演出パターン決定テーブルには、はずれ演出用の演出パターンを特定するデータが所定数記憶されているものとする。
そして、大当り演出パターン決定テーブルとして、第1大当り演出パターン決定テーブルと、第2大当り演出パターン決定テーブルとを備え、大当り演出パターンを決定する際に、リミットカウンタがカウントを開始した後であってリミッタの未作動時において、設定確率に応じて設けられた専用の第1大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出用の演出パターンを決定する。また、リミッタの作動時において、設定確率と無関係に設けられた共通の第2大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出用の演出パターンを決定してもよい。ここで、以下に示す具体例では、リミッタの未作動時であってリミットカウンタがカウントを開始する前において、第2大当り演出パターン決定テーブルと異なる第3大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出用の演出パターンを決定し、リミットカウンタがカウントを開始後に第2大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出用の演出パターンを決定する態様を例示するが、リミッタの未作動時にはリミットカウンタの作動の有無を問わず、第2大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出用の演出パターンを決定してもよい。
同様に、はずれ演出パターン決定テーブルとして、第1はずれ演出パターン決定テーブルと、第2はずれ演出パターン決定テーブルとを備え、はずれ演出パターンを決定する際に、リミットカウンタがカウントを開始した後であってリミッタの未作動時において、設定確率に応じて設けられた専用の第1はずれ演出パターン決定テーブルを参照して、はずれ演出用の演出パターンを決定する。また、リミッタの作動時において、設定確率と無関係に設けられた共通の第2はずれ演出パターン決定テーブルを参照して、はずれ演出用の演出パターンを決定してもよい。ここで、以下に示す具体例では、リミッタの未作動時であってリミットカウンタがカウントを開始する前において、第2はずれ演出パターン決定テーブルと異なる第3はずれ演出パターン決定テーブルを参照して、はずれ用の演出パターンを決定し、リミットカウンタがカウントを開始後に第2はずれ演出パターン決定テーブルを参照して、はずれ演出用の演出パターンを決定する態様を例示するが、リミッタの未作動時にはリミットカウンタの作動の有無を問わず、第2はずれ演出パターン決定テーブルを参照して、はずれ演出用の演出パターンを決定してもよい。
なお、リミットカウンタのカウント開始に関する情報は、図25のS439の処理が行われると、S461の処理によって主制御装置40からサブ統合制御装置42に送信され、リミッタの作動は図25のS444の処理が行われると、S461の処理によって主制御装置40からサブ統合制御装置42に送信される。
以上の点に関し、図46に示す具体例を用いて説明する。例えば、カウンタ及びリミッタが未作動の場合(通常確率状態)において、図46(a)に示すように、大当りの発生を示す演出図柄として、算用数字で構成される演出図柄が100%の割合で表示される。この場合、大当り演出用の演出パターンを決定する際に、第3大当り演出パターン決定テーブルを参照して決定されることとする。
また、カウンタが作動し、リミッタが未作動の場合(確変状態)には、第1大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出用の演出パターンを決定する。そして、第1大当り演出パターン決定テーブルとしては、設定に応じて専用の第1大当り演出パターン決定テーブルを備えるものとする。
更に、リミッタの作動時には、第2大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出用の演出パターンが決定される。この第2大当り演出パターン決定テーブルとしては、設定に係わらず、共通の第2大当り演出パターン決定テーブルとする。
第3大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出パターンを決定すると、図46(a)に示すように、100%の割合で、演出図柄表示装置21に表示される演出図柄は算用数字、スピーカ112で発生する効果音はポップス、枠側装飾ランプ113の発光色は白色となる。
また、図46(b)に示すように、第1大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出パターンを決定すると、設定に応じた大当り演出パターンが決定される可能性がある。
第1大当り演出パターン決定テーブルを参照すると、一律にスピーカ112で発生する効果音は演歌、枠側装飾ランプ113の発光色は赤色となるが、演出図柄は設定に応じて異なる場合を生ずるものとする。つまり、設定が「2」の場合、算用数字で構成される演出図柄が85%、アルファベットで構成される演出図柄が15%の割合で表示される。また、設定が「3」の場合、算用数字で構成される演出図柄が70%、アルファベットで構成される演出図柄が30%の割合で表示される。また、設定が「1」の場合、算用数字で構成される演出図柄が95%の割合で表示され、アルファベットで構成される演出図柄が5%の割合で表示されるものとする。
なお、第1大当り演出パターンが選択されると、設定に応じて演歌を歌唱する歌手を変更してもよい。例えば、歌手A及び歌手Bが存在する場合、それぞれの歌手の登場率が設定に応じて異なってもよい。より具体的に説明すると、設定1~設定3の順に歌手Aの出現率が高くなり、設定3~設定1の順に歌手Bの出現率が高くなるものとする。また、設定2では、歌手A及び歌手Bが略均等(半々の割合)で出現するものとする。この場合、遊技者は、聴取する音声の差異、個々の音声の発声頻度によって設定値を推定することができる。また、発光手段(枠側装飾ランプ113)等の発光色を設定に応じて変化させてもよい。
更に、図46(c)に示すように、リミッタが作動時には、100%の割合で、演出図柄表示装置21に表示される演出図柄は漢数字、スピーカ112で発生する効果音はクラシック、枠側装飾ランプ113の発光色は青色となる。この場合、リミッタが作動したことが一目瞭然となる。
この変形例7によると、アルファベットで構成される演出図柄は、設定1の場合、設定2若しくは設定3の場合に比べて表示される確率が低い。従って、アルファベットで構成される演出図柄が表示されると、設定1である可能性が低いと判断される。また、遊技を進行するうちに、アルファベットで構成される演出図柄が表示される頻度によって、設定2であるか、設定3であるかが判明する。
このように、アルファベットで構成される演出図柄が表示される率(当該演出図柄の選択率)が異なる構成を採用することで、遊技者を楽しませ、遊技興趣を向上することができる。
また、リミッタ作動時には、その時点の設定とは無関係に共通の演出図柄が表示されるため、演出図柄を特定するデータの軽量化を図ることができる。
なお、変形例7によってその他の発明1の発明の具体例を構成してもよいが、その他の発明2の発明の具体例を構成してもよい。
つまり、大当り演出パターン決定テーブルとして、第1大当り演出パターン決定テーブルと、第2大当り演出パターン決定テーブルとを備え、大当り演出パターンを決定する際に、リミットカウンタがカウントを開始した後であってリミッタの未作動時において、設定確率と無関係に設けられた共通の第1大当り演出パターン決定テーブルを参照して、大当り演出用の演出パターンを決定する。また、リミッタの作動時において、設定確率に応じて設けられた専用の第2大当り演出パターン決定テーブルを参照しして、大当り演出用の演出パターンを決定することとしてもよい。
更に、図47に示す変形例8に示すように、はずれ演出パターンも、設定に応じた変更を生じさせてもよい。ここで、カウンタ及びリミッタが未作動の場合(通常確率状態)には、第3はずれ演出用パターンを参照して、はずれ演出用パターンが決定されるものとする。
そして、第3はずれ演出パターン決定テーブル若しくは第1はずれ演出パターン決定テーブルを参照して、はずれ演出パターンを決定すると、図47(a)に示すように、100%の割合で、演出図柄表示装置21に表示される演出図柄は算用数字、スピーカ112で発生する効果音はポップス、枠側装飾ランプ113の発光色は白色となる。
一方、図47(b)に示すように、第2・はずれ演出パターン決定テーブルを参照して、はずれ演出パターンを決定すると、設定に応じたはずれ演出パターンが決定される可能性がある。
第2・はずれ演出パターン決定テーブルを参照すると、一律にスピーカ112で発生する効果音は演歌、枠側装飾ランプ113の発光色は赤色となるが、演出図柄は設定に応じて異なる場合を生ずる。つまり、設定が「2」の場合、算用数字で構成される演出図柄が85%、アルファベットで構成される演出図柄が15%の割合で表示される。また、設定が「3」の場合、算用数字で構成される演出図柄が70%、アルファベットで構成される演出図柄が30%の割合で表示される。また、設定が「1」の場合、算用数字で構成される演出図柄が95%、アルファベットで構成される演出図柄が5%の割合で表示される。
つまり、はずれの発生を示す演出図柄においても、設定に応じて表示される演出図柄の選択率を変更して、現状の設定を予測可能としてもよい。
また、大当りや、はずれの発生を示す演出図柄においても、現状の設定に応じて、演出図柄の配置態様(例えば、3桁の数字図柄である場合、縦並びの3桁か、縦並びの3桁か等の配置態様)が変化したり、その変化確率が変動したりしても、現状の設定を予測可能である。
なお、はずれ演出パターン決定テーブルとして、第1はずれ演出パターン決定テーブルと、第2はずれ演出パターン決定テーブルとを備え、はずれ演出パターンを決定する際に、リミットカウンタがカウントを開始した後であってリミッタの未作動時において、設定確率と無関係に設けられた共通の第1はずれ演出パターン決定テーブルを参照し、はずれ演出用の演出パターンを決定する。また、リミッタの作動時において、設定確率に応じて設けられた専用の第2はずれ演出パターン決定テーブルを参照し、はずれ演出用の演出パターンを決定してもよい。
また、このように、リミッタの作動時において、設定確率に応じて設けられた専用の第2はずれ演出パターン決定テーブルを参照する場合には以下の効果を得ることができる。つまり、図47(c)に示すように、リミッタ作動時だけ演出図柄の選択が異なる構成ならば、従来は確変を望めない、ただ大当り(通常大当り)するのを待つだけだったリミット作動時の抽選状態(当否判定状態)を、設定を推測できる演出モード(はずれ図柄や大当り図柄で推測できる演出モード)とすることができる。
なお、演出モードは、演出図柄だけでなく、表示されるキャラクタなど変動演出全体で設定を推測させることも考えられる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄を用いる場合に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかのみを設定確率に応じて専用の変動テーブル(変動パターンテーブル)、図柄決定テーブル(大当り、はずれ)、演出パターン決定テーブルを備える構成も考えられる。
例えば、通常遊技状態(非特典遊技状態、或いは、非特定遊技状態ともいい、例えば、通常確率遊技状態、非時短状態など)では、第1特別図柄での抽選がメインとなり、特典遊技状態(特定遊技状態、例えば、確変遊技状態、時短状態など)では第2特別図柄での抽選がメインとなる遊技構成ならば、第1特別図柄のみ設定確率に応じて専用の変動テーブル、図柄決定テーブル、演出パターン決定テーブルを備えれば、通常遊技状態時、大当りを目指しながらも設定確率の示唆が行われることを期待しながら遊技をすることができるようになるし、第2特別図柄のみを備えれば、特典遊技状態にて有利な遊技状態を享受しながら設定確率の示唆も期待できるという有利度が更に向上する状態とすることができるようになる。
また、小当りを備える遊技構成ならば、小当り用の変動テーブル(変動パターンテーブル)、図柄決定テーブル、演出パターン決定テーブルを備える構成も考えられる。
大当りと比べて獲得出玉は少ないが、獲得出玉とともに設定確率の示唆も期待できるようになり、価値を向上させることができる。
各その他の発明に示す発明では、(1)リミッタが未作動であると、リッミトカウンタがカウントを開始したか否かを問わず、大当り図柄を決定する場合に第1大当り図柄決定テーブルを参照したが、リッミトカウンタがカウントを開始する前においては、図48(a)に示すように、第1大当り図柄決定テーブルとは異なる第3大当り図柄決定テーブルを参照し、確定表示する大当り図柄を決定してもよい。
この場合、第1大当り図柄決定テーブルを参照し、大当り図柄を決定する場合(確変突入率;80%)と、第3大当り図柄決定テーブルを参照し、大当り図柄を決定する場合(確変突入率;60%)に確変突入率が異なってもよい。
また、各実施例では、図48(b)に示すように、「特定大当り図柄」と「非特定大当り図柄」の組み合わせとして、例えば、「特定大当り図柄」を大当り遊技の実行後に確変機能を作動させる「確変図柄」とし、「非特定大当り図柄」を大当り遊技の実行後に確変機能を作動させない「非確変図柄」とする組み合わせ、を例示した。この場合、各実施例では「確変図柄」が確定表示されると、大当り遊技を実行した後、次回の大当りを発生するまで確変機能を作動させる共に時短機能を作動させ、「非確変図柄」が確定表示されると、比較的、短期間(特図が100回変動することを上限)に時短機能を作動させた。
但し、「第1の確変図柄」が確定表示されると、確変機能及び時短機能を作動させ、「第2の確変図柄」が確定表示されると、確変機能のみ作動させる。また、「第1の非確変図柄」が確定表示されると、時短機能を作動させ、「第2の非確変図柄」が確定表示されると、時短機能を作動させないこととしてもよい。つまり、「特定大当り図柄」と「非特定大当り図柄」を複数設け、大当り図柄によって大当り遊技後の遊技状態に差異を設けてもよい。
また、「特定大当り図柄」を、大当り遊技の実行後に第2特図始動口24(可変式始動口)への入球を容易化する第2特図始動口入球容易化機能を作動させる「入球容易化図柄」とし、「非特定大当り図柄」を、大当り遊技の実行後に「第2特図始動口24」への入球を容易化する第2特図始動口入球容易化機能を作動させない「入球非容易化図柄」とする組み合わせを例示することができる。ここで、「第2特図始動口入球容易化機能」としては、(1)第2特図始動口24の開放時間を延長する機能(開放延長機能)と、(2)特別図柄の変動時間を短縮する機能、(3)普通図柄の変動時間を短縮する機能、(4)特別図柄の確定表示時間を短縮する機能、(5)普通図柄に関する当り確率を向上させる機能(普通図柄作動ゲート22に遊技球が入球することに基づき、値普通電動役物が作動する確率を向上させる機能)、(6)普通図柄の確定表示時間を短縮する機能と、のうち少なくも1個の機能を作動させることを指す。
更に、「特定大当り図柄」を複数備えてもよく、その場合、「特定大当り図柄」の態様によって、リミットカウンタの制限回数が異なってもよい。例えば、「第1特定大当り図柄」が確定表示されると、制限回数が「10」となり、「第2特定大当り図柄」が確定表示されると、制限回数が「5」となってもよい。
なお、各実施例でリミッタの未作動時に第1図柄決定テーブルを参照して確定表示される大当り図柄を決定し、リミッタの作動時に第2図柄決定テーブルを参照して確定表示される大当り図柄を決定する態様を示した。但し、リミッタ作動時は、第1図柄決定テーブルを参照して確定表示される大当り図柄を決定した後、第2図柄決定テーブルで決定した大当り図柄に差し替える手法を例示することもできる。
また、各実施例及び各変形例では、所謂デジパチタイプのパチンコ機1を例示したが、これに限らず、本発明を、所謂ハネモノタイプ、混合機(1種2種混合機)、Vチャレ機等として構成されたパチンコ機にも適用することができる。
更に、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「第1特図始動口23」及び「第2特図始動口24」が、「始動口」の一例に相当する。
特図当否判定処理(図17~図21)が、「当否判定実行処理」の一例に相当する。
特別遊技処理(図22~図26)が、「大当り遊技実行手段処理」の一例に相当する。
第1特図表示装置27Aと第2特図表示装置27Bが、図柄表示手段の一例に相当する。
図18のS314の処理が、大当り図柄決定手段として処理の一例に相当する。
図25においてS433の肯定判定を経てS434~S437に至る処理と、S433の否定判定を経てS451、S452に至る処理が、遊技状態制御処理の一例に相当する。
図26のS440の処理が、計数手段としての一例に相当する。
図26のS441の肯定判定を経て、S443に至る処理が、リミッタ手段の一例に相当する。
図18のS317の処理が、はずれ図柄決定手段として処理の一例に相当する。