JP2020058739A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者の意思に応じて設定値を示唆する演出を行うようになし、興趣の豊かな演出を実施可能な遊技機を提供すること。【解決手段】遊技盤の裏面側に設けられた第1操作手段62,63の操作に基づいて遊技者の有利度の異なる複数種類の設定値の何れかに設定可能な設定手段と、設定値を示唆する設定示唆演出を実施する設定示唆演出制御手段と、所定条件の成立に応じて、設定示唆演出を実施可能とする特典権を付与する特典権付与手段と、を備え、設定示唆演出制御手段は、特典権が付与されていることを条件に、遊技盤2の正面側に設けられた第2操作手段15の操作に応じて前記設定示唆演出を実施するように構成した。【選択図】 図29

Description

本発明は、遊技機、特に遊技者の有利度の異なる複数種類の設定の何れかに設定可能な遊技機に関する。
従来のパチンコ機に代表される遊技機は、大当りとなる確率が異なる複数種類の設定値が設けられ、遊技施設が任意の設定値に設定することが可能な設定機能を備えた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、この種の遊技機は、基本的に設定値は遊技者に知られることはないよう構成されるものの、何れの設定値に設定されているかが遊技者にとって非常に興味の対象となるため、設定値を示唆することで興趣を向上させるようにした技術もある。
このような設定値の示唆は、何らかの条件を満たした場合に実行され、例えば大当りとなるか否かの当否判定に伴う演出に絡めて実行される構成や、遊技球が所定のゲートを通過した際に実行される構成などが用いられる(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−205160号公報 特開2000−312748号公報(図14、図23)
ところで、特許文献2のように、何らかの条件を満たした場合に設定値の示唆を実行する構成では、条件が成立することで遊技者の意思によらず設定値の示唆が実行されてしまうこととなる。また、条件が成立しても設定値の示唆の状況に変化がなく、興趣に欠けていた。
そこで、本発明は、遊技者の意思に応じて設定値を示唆する演出を行うようになし、興趣の豊かな演出を実施可能な遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
請求項1に記載の発明の遊技機は、
遊技盤の裏面側に設けられた第1操作手段の操作に基づいて遊技者の有利度の異なる複数種類の設定値の何れかに設定可能な設定手段と、
遊技球が入球可能な始動口と、
該始動口への遊技球の入球に基づいて当否判定用乱数値を抽出する乱数抽出手段と、
前記当否判定用乱数値と前記設定値に基づいて、遊技者に有利な遊技に移行するか否かの当否判定を行う当否判定手段と、
を備えた遊技機において、
前記設定値を示唆する設定示唆演出を実施する設定示唆演出制御手段と、
所定条件の成立に応じて、前記設定示唆演出を実施可能とする特典権を付与する特典権付与手段と、を備え、
前記設定示唆演出制御手段は、前記特典権が付与されていることを条件に、前記遊技盤の正面側に設けられた第2操作手段の操作に応じて前記設定示唆演出を実施することを特徴とする。
例えば、遊技機は、当否判定手段において遊技者に有利な遊技である大当り遊技に移行するか当否判定を行うようになし、設定手段は、当否判定手段の大当りと判定される判定確率として設定された確率を第1操作手段の操作に基づいて異なる確率に変更する構成が望ましい。
この発明によれば、所定条件が成立すると設定示唆演出を実施する権利が与えられ、設定示唆演出を実施するためには遊技者の操作を要する構成としたので、遊技者の意思によらず設定示唆演出が実行されることを防止することができる。従って、設定値を示唆する演出が、遊技者の意思に基づいて実施されるので、遊技者が望む興趣の豊かな演出を実施可能な遊技機が実現できる。
請求項2に記載の発明の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記特典権は、前記所定条件が成立する毎に加算され、蓄積された前記特典権の数が、特典権数値として特典権記憶手段に記憶される一方、前記設定示唆演出が実施されることにより前記特典権記憶手段に記憶された前記特典権数値から減算されることを特徴とする。
この発明によれば、遊技者の意思で設定値示唆演出を実施しない場合などでも特典権を蓄積ことができる。また特典権記憶手段に記憶された特典権数値の大きさに応じて、内容の異なる演出、例えば、設定値を特定する度合いが異なる演出を実施可能な構成とすることにより、遊技者の特典権を貯めることへの関心を高めることができ、演出のバリエーションが豊かで、面白味の高い遊技機を実現できる。
請求項3に記載の発明の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、
前記特典権付与手段は、遊技の継続期間に応じて前記特典権を付与することを特徴とする。
例えば、特典権付与手段は、当否判定に伴う特別図柄の変動回数が所定の回数(例えば100の倍数回)に達する毎に特典権を加算することが望ましい。また、特別図柄の変動中に実施された所定のリーチ演出の出現が所定回数に達する毎に加算すること、発射球数が所定球数に達する毎に加算すること、賞球数が所定球数に達する毎に加算すること等も考えられる。
この発明によれば、遊技の継続期間の長短に応じて特典権数値の大きさが変わるので、特典権数値の大きさに応じて内容の異なる演出を実施可能な構成とすることにより、演出のバリエーションが豊かで、面白味の高い遊技機を実現できる。
請求項4に記載の発明の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、
前記特典権付与手段は、遊技の結果に応じて前記特典権を付与することを特徴とする。
例えば、特典権付与手段は、大当り遊技が生起する毎に特典権を加算する構成等が望ましい。
この発明によれば、遊技の結果に応じて特典権数値の大きさが変わるので、特典権数値の大きさに応じて内容の異なる演出を実施可能な構成とすることにより、演出のバリエーションが豊かで、面白味の高い遊技機を実現できる。
請求項5に記載の発明の遊技機は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記設定示唆演出制御手段は、前記設定示唆演出として、複数種類の前記特典権数値に対応し、前記設定値を特定する度合いが異なる複数種類の演出を備え、前記設定値および前記特典権記憶手段に記憶された前記特典権数値に応じて、何れかの前記設定示唆演出を実施することを特徴とする。
例えば、設定値を特定する度合いが異なる複数種類の設定示唆演出は、設定が6段階で1〜6の設定値が存在し、6が最も有利な場合、設定値が奇数であることを示唆する演出、偶数であることを示唆する演出、設定値が2以上であることを示唆する演出、設定値が5以上であることを示唆する演出、設定値が6であることを示唆する演出などを設けることが考えられる。この場合、特典権記憶手段に記憶された特典権数値が大きいほど、設定値が5以上であることを示唆する演出、設定値が6であることを示唆する演出を実施することが望ましい。
この発明によれば、例えば、特典権数値が大きいほど、設定値を特定する度合いが高い演出を実施可能とすることにより、遊技者の特典権を貯めることへの関心を高めることができ、遊技の面白味が一層増す。
本発明を適用した遊技機の正面図である。 前記遊技機に用いる遊技盤の正面図である。 前記遊技機の背面図である。 前記遊技機の電気ブロック図である。 前記遊技機の主制御装置のMPU内部のブロック図である。 前記遊技機の乱数発生回路の内部の概要ブロック図である。 前記遊技機の電源基板(電源装置)の構成および機能を説明する概要ブロック図である。 前記遊技機の設定値に関する説明図である。 前記遊技機の遊技仕様を示す説明図である。 前記主制御装置で実行される「起動処理」の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される「割込(INT)処理」の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される「不正監視処理」の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される「特図始動入球確認処理」の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される「特図当否判定処理」の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記「特図当否判定処理」の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記「特図当否判定処理」の制御内容を示す第3のフローチャートである。 前記「特図当否判定処理」の制御内容を示す第4のフローチャートである。 前記主制御装置で実行される「特別遊技処理」の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記「特別遊技処理」の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記「特別遊技処理」の制御内容を示す第3のフローチャートである。 前記「特別遊技処理」の制御内容を示す第4のフローチャートである。 前記主制御装置で実行される「初期設定処理」の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記「初期設定処理」の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記主制御装置で実行される「設定状態確認処理」の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される「LED出力処理」の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される状態遷移および遷移条件を示す説明図である。 前記遊技機で実施される設定示唆演出に関する説明図である。 前記遊技機のサブ制御装置で実行される「特典権付与処理A」の制御内容を示すフローチャートである。 前記サブ制御装置で実行される「設定示唆演出実施処理」の制御内容を示すフローチャートである。 前記サブ制御装置で実行される「設定示唆演出内容決定処理」の制御内容を示すフローチャートである。 前記遊技機の演出図柄表示装置で実施される設定示唆演出の第1の表示態様を示す図である。 前記設定示唆演出の第2の表示態様を示す図である。 前記設定示唆演出の第3の表示態様を示す図である。 前記サブ制御装置で実行される「特典権付与処理B」の制御内容を示すフローチャートである。
〔第1実施例〕
本発明を適用した遊技機たるパチンコ機1を説明する。
パチンコ機1は、遊技球が遊技盤に配置された始動口へ入球することに起因して、遊技者にとって賞球の獲得に有利な大当り遊技に移行するか否かの当否判定が実施される。当否判定の結果が大当りであれば、当否判定の結果を示す特別図柄を大当り図柄で確定表示せしめ大当り遊技に移行する基本的な遊技性を備えた構成である。そしてパチンコ機1は、遊技施設側が操作することにより当否判定の大当りとなる当選確率が、複数種類の確率から任意の確率を選択し設定可能な構成を有する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放可能である。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けてある。
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技施設に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に球貸スイッチ171、精算スイッチ172及び精算表示装置173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
遊技盤2について説明する。図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
遊技領域20のセンターケース200の左横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動ゲート22が設けられている。
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が設けてある。更にその直下位置にはチューリップ式普通電動役物(以下、単に普電役物という)からなり、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。尚、第2特図始動口24は普電役物の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、前記普図の抽選で当りとなると所定の時間、所定の開放態様で開放する構成である。
第2特図始動口24の直下位置には、特別電動役物の開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口27が配置されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291が設けられている。
図3はパチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏面側には、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成である。
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の奥側にこれと重ねて設けられている。
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が配置され、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いられているが、本実施例では、一つの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータへ送信される。
パチンコ機1の裏側の主制御装置40には、性能表示装置61が設けられている。性能表示装置61は、遊技者が遊技中に視認不可能な位置に配置されている。性能表示装置61は、算出された遊技性能を表示するものである。性能表示装置61は、4つの7セグメントLED表示器を並設した構成で、4桁の簡素な文字、数字を表示可能に構成されている。
尚、本実施例の性能表示装置61では、遊技性能の表示を行うと共に、大当りとなる当選確率の設定変更や設定確認時における段階設定値(以下、単に「設定」、或いは、「設定値」、「設定情報」等とも称呼する場合がある。また本実施例では、より具体的に、所謂、設定値1〜設定値6を示す値を指すことがある。)の表示も行うよう構成されている。
主制御装置40は、性能表示装置61の下方に設定キースイッチ62を備える。設定キースイッチ62は、設定キーを挿入した図示のOFF状態から、例えば時計回り方向に90度回すと、ON状態に切換え可能な周知の構成である。本実施例では、後で詳述するが、少なくとも該設定キースイッチ62をONすることで、設定変更状態や設定確認状態への遷移を可能とし、設定変更や、設定確認を終了する際に、OFFする構成となっている。
また、主制御装置40は、設定キースイッチ62の下方にRAM(RWM)をクリアするためのRAMクリアスイッチ63を備える。RAMクリアスイッチ63は、RAMクリアスイッチ63を押下しつつ、電源基板45に配置された電源スイッチ65をONして電源投入することで、RAMクリアを実行するためのスイッチである。
尚、本実施例のRAMクリアスイッチ63は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。RAMクリアスイッチ63の機能については、後で詳述する。
図4はパチンコ機1の電気的構成を示す。図において、RAMクリアスイッチ63等のスイッチ類を「SW」と略して記載している。以下は説明においてもスイッチ類をSWともいう。パチンコ機1は、遊技進行等の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、いずれもMPU(CPU)、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置はいずれもMPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。本実施例の主制御装置40では、生成して使用する乱数として、所謂ハード乱数を採用している。該構成については、後で詳述する。
発射制御装置44にはMPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にMPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
パチンコ機1は、バックアップ電源を備え、少なくとも、主制御装置40、払出制御装置41に設けられたRAMの内容を保持する構成である。尚、パチンコ機1では、サブ統合制御装置42に設けられたRAMの内容は保持されない。
パチンコ機1の電源について説明する。パチンコ機1は、外部に設けられたAC電源から供給される電力を、電源基板45により変換して直流電圧を生成する。そして、パチンコ機1は、電源基板45に配置された電源SW65が操作されることでパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。パチンコ機1は、コンデンサ等から構成されたバックアップ電源生成回路(バックアップ用電源回路とも呼称する)によりバックアップ電源(バックアップ用電源とも呼称する)を生成する。バックアップ電源は、AC電源からの電力供給中に、コンデンサに直流電圧の電力を蓄え、停電時には主制御装置40等(例えば、主制御装置40のRAM等)に電力を供給する。これにより、パチンコ機1への電力供給が停止した後も、一定時間にわたり電力供給が停止した直前の主制御装置40のRAMの内容(例えば、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27への入賞により払出させることとなった賞球の数の合計、パチンコ機1の遊技状態)を保持する構成である。
一方、本実施例の電源基板45が生成するバックアップ電源は、サブ統合制御装置42へ供給されない。このため、パチンコ機1への電力供給が停止した後は、サブ統合制御装置42のRAMに保持されている記憶はクリアされる。
尚、バックアップ電源は、主制御装置40に設けてもよいし、電源基板45以外の他の装置に設けてもよい。また、電源基板45は、AC電源からの電力供給が停止している場合には、主制御装置40に対して停電信号(停電検出信号とも呼称する)を出力すると共に、AC電源からの電力供給がなされている場合には、主制御装置40に対して供給信号を出力する。
バックアップ電源を含む電源基板45に関しては、後で図7を参照して詳述する。
パチンコ機1は、RAMクリアSW63(図例では主制御装置40に配置されている)を押した状態で電源を投入すると、RAMの領域のうちの一部を除いた領域がクリアとなると共に、RAMの初期設定が行われることになる。
尚、主制御装置40のRAMに記憶されるデータのうち、以下にあげる所定のデータは、RAMクリアSW63を押した状態で電源を投入しても、クリアされることはない主制御装置40のRAMの記憶領域に記憶することが望ましい。例えば、後述する遊技性能を算出する所定の演算の実行条件が成立したか否かを判断するために必要なデータ、遊技性能を算出する所定の性能評価期間における遊技性能を算出するためのデータ、及びパチンコ機1の遊技性能を算出したデータ等はクリアしない。
更に、本実施例では、段階設定値(所謂、設定値1〜設定値6を示す値)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。具体的には、RAMクリア処理は、RAMクリアによって消去されるRAM領域の内、段階設定値に関する領域は消去の対象としないよう構成されている。
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放SW501、内枠開放SW502の検出信号が入力される。更に主制御装置40には、第1特図始動口23への入球を検出する第1特図始動口SW503、第2特図始動口24への入球を検出する第2特図始動口SW504、普図作動ゲート22への入球を検出する普図作動SW505の検出信号が入力される。更にまた主制御装置40には、複数の一般入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW506、大入賞口25への入球を検出するカウントSW507等の検出信号が入力される。
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成する。そして主制御装置40は、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドを出力する。また主制御装置40は、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口ソレノイド508、普電役物ソレノイド509が接続されている。そして主制御装置40は、大入賞口ソレノイド508を制御して前記特別電動役物の開閉板を作動させて大入賞口25を開放せしめる。また主制御装置40は普電役物ソレノイド509を制御して前記普電役物を作動させて第2特図始動口24の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や特図の大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
パチンコ機1は、主制御装置40に、RAMに記憶された情報を消去するためにRAMクリアSW63が設けられている。RAMクリアSW63は払出制御装置41や電源基板45に設ける構成としてもよい。また、性能表示装置61は主制御装置40に設けられ、主制御装置40によって制御される。
またパチンコ機1は、主制御装置40に、上述したように設定変更や設定確認の際に用いる、設定キーSW62を備える。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41には、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520の検出信号が入力される。また払出制御装置41には、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を作動させて遊技球の払い出しを行う。
払出制御装置41は、満杯SW523により下皿13が満タンであることを示す信号が入力された場合、及び球切れSW520により球タンクに遊技球が少ない或いは無いことを示す信号が入力されると払出モータ521を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。尚、球切れSW520、満杯SW523は、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置41は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ521の駆動を再開させる。
また、払出制御装置41は、CRユニット端子板535を介してCRユニットCRと双方向通信可能に接続されている。精算表示装置173には、遊技球の貸出しを要求するための球貸SW171、精算を要求するための精算SW172が接続されている。そして、払出制御装置41は、CRユニットCRからの貸出要求信号に応じて払出モータ521を作動させて貸球の払い出しを行う。精算表示装置173を介して球貸SW171による貸出要求の操作信号がCRユニットCRに入力されると、CRユニットCRから払出制御装置41に貸出要求がなされ、払出制御装置41は、払出モータ521を作動させ、貸し球を払出す。払出された貸し球は払出SW522に検出され、検出信号は払出制御装置41に入力される。
一方、精算表示装置173を介して精算SW172による精算要求の操作信号がCRユニットCRに入力されると、精算要求に応じてCRユニットCRが精算を行い、精算表示装置173においてプリペイドカードの残高表示が行われる。プリペイドカードの残高表示はCRユニットCRによって制御される。
また、払出制御装置41は、外部接続端子板38を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ500に送信するほか、発射制御装置44に対して発射停止信号を送信する。
尚、パチンコ機1は遊技球を払出す構成である。近年では、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する遊技機(封入式遊技機又は管理遊技機などと呼ばれる)が存在し、パチンコ機1は封入式遊技機の構成であってもよい。
発射制御装置44は、発射を停止する発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。発射制御装置は、払出制御装置41を経て主制御装置40から送られるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号および発射停止SW524の信号に応じて発射モータ526を制御して遊技球の発射および停止を行う。
サブ統合制御装置42は、音量調節SWを備えている。サブ統合制御装置42は、演出ボタン15やジョグダイヤル16の操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する演出や特図の疑似演出図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
ここで、図5を参照して、主制御装置40内のMPU(Micro Processing Unit)の内容を、さらに詳しく説明する。図5は、主制御装置40のMPU内部のブロック図である。MPUは、主制御装置40の上記MPUを少なくとも具備してなる超小型処理装置である。MPU内には、CPU400、内蔵ROM401、内蔵RAM402、乱数回路403、カウンタ回路404、タイマ回路405及び外部バスインターフェイス406が構成されていて、内部バス407を介して互いに接続されている。
この実施例においては、後述する各処理を実行するために、内蔵ROM401に、第1特別図柄用変動パターン401a、第1特別図柄用図柄データ401b、第1特別図柄用判定テーブル401c、第2特別図柄用変動パターン401d、第2特別図柄用図柄データ401e、第2特別図柄用判定テーブル401fがそれぞれ書き込まれている。
内蔵RAM402には、第1特別図柄用保留記憶領域402a、第2特別図柄用保留記憶領域402b、確率変動カウンタ402c、時間短縮カウンタ402dが、それぞれ専用の記憶領域に記憶されるように設定されている。また、タイマ回路405には、変動時間タイマ405aが内在されている。先に触れた、第1及び第2特図始動口スイッチ503、504は、外部バスインターフェイス406を介して内部バス407に接続されて、内蔵ROM401や内蔵RAM402等に関係して所要の処理が実行され、所要の出力が内部バス407を介して外部バスインターフェイス406からサブ統合制御装置42などに向けて行われることになる。尚、図5には示されていないが、第1及び第2特図表示装置28A,28B、第1及び第2特図保留数表示装置281,282、普図表示装置29、普図保留数表示装置291、も、外部バスインターフェイス406に接続されており、出力がこれらに対して為される。
尚、本実施例の第1特別図柄用保留記憶領域402a及び、第2特別図柄用保留記憶領域402bには、各々、乱数回路403で生成されたハードウェア乱数(ハード乱数とも呼称する)が記憶される。
より詳述すると、第1特図始動口23への入賞に起因して、後述する「特図始動入球確認処理」(図13参照)の、第1特図抽出乱数保留記憶処理(処理S202)にて、抽出したハードウェア乱数を第1特別図柄用保留記憶領域402aに記憶し、第2特図始動口24への入賞に起因して、同じく「特図始動入球確認処理」(図13参照)の、第2特図抽出乱数保留記憶処理(処理S212)にて、抽出したハードウェア乱数を第2特別図柄用保留記憶領域402bに記憶するように、構成されている。
乱数回路403の概要について図6を参照して説明する。図6は、乱数発生回路内部の概要ブロック図である。乱数回路403は、その内部に乱数生成回路4030を備えており、パチンコ機1(より詳しくは主制御装置40のMPU)の通電と略同時に起動して、タイマ回路405(図5参照)からのシステムクロック信号(SCLK)を適宜分周してなるタイミングで乱数値を更新していく。乱数回路403は、乱数値レジスタ4031〜34033を備えており、乱数生成回路4030で生成されたハード乱数は、これら乱数値レジスタ4031〜34033のいずれかに格納される。格納するレジスタの指定は、予め乱数値取り込みレジスタ4034に対応する値をセットすることにより行なわれる。具体的には、乱数値を第1乱数値レジスタ4031に格納したい場合は、乱数値取り込みレジスタ4034に1をセットし、第2乱数値レジスタ4032に格納したい場合は乱数値取り込みレジスタ4034に2をセットし、第3乱数値レジスタ4033に格納したい場合は乱数値取り込みレジスタ4034に3をセットしておく。尚、乱数ラッチフラグレジスタ4035とは、各乱数値レジスタ4031〜4033に乱数値が取り込まれているか否かを示すもので、乱数値レジスタ4031〜4033に乱数値が取り込まれると、対応するフラグが1にセットされる。よって乱数ラッチフラグレジスタ4035を参照することにより、どの乱数値レジスタが使用中(乱数値を格納している)かを知ることができる。尚、このフラグは、格納されている乱数値が読み込まれると0にリセットされる。
尚、本実施例の乱数生成回路4030で生成される乱数は、普通図柄表示装置の抽選すなわち普図の当りとするか否かの抽選に使用する「当り判定用乱数」、普通図柄表示装置の当り図柄の選択に使用する「普図決定用乱数」、特別図柄表示装置の抽選すなわち特図の大当りとするか否かの抽選に使用する「大当り判定用乱数」、特別図柄表示装置の大当り図柄及びはずれ図柄の選択に使用する「特図決定用乱数1」、及び「特図決定用乱数2」、の6種類の役物作動に係る乱数と、特別図柄表示装置の変動パターンの選択に使用する「特図変動パターン決定用乱数1」、及び「特図変動パターン決定用乱数2」、普通図柄表示装置の変動パターンの選択に使用する「普図変動パターン決定用乱数」、の3種類の遊技の用に供される乱数を、備える。本実施例の乱数生成回路4030で生成される乱数は、上述した種別となっているが、これに限定されることなく、他の乱数種別にて構成されるようにしてもよい。
パチンコ機1の電源基板(電源装置)45の構成について、さらに図7を参照して説明する。図7は、本実施例の電源基板45の構成および機能を説明する概要ブロック図である。
電源基板45は、電源回路451、停電検出回路452、バックアップ用電源回路457、受電回路458、電源SW65を備える。
電源回路451は、受電回路458を介して供給される主電源AC24Vを基にして、各制御装置やアクチュエータ等の作動電源を生成して供給する。また、受電回路458には、当該受電回路458から電源回路451への主電源AC24Vの供給を導通或いは非導通に切替え可能に構成される電源SW65が接続されている。
バックアップ用電源回路457は、電源回路451で生成されたDC5Vを充電し、バックアップ対象にバックアップ用電源(DC5V)として供給する。停電検出回路452は、主電源の電圧(24V)が所定電圧以下に降下すると主制御装置40、払出制御装置41に、停電検出信号をハイレベル(ON)にする。尚、主電源の電圧が所定電圧以上に上昇すると停電検出信号をローレベル(OFF)にする。
また、本実施例で停電検出信号を主制御装置40と払出制御装置41に送信する構成としたが、必ずしもこの構成である必要は無い。主制御装置40のみに送信し、主制御装置40が払出制御装置41に停電用のコマンドを送信してもよいし、その逆の構成なども考えられる。
この様に構成されたパチンコ機1の遊技性の概要について説明する。パチンコ機1は、普図作動ゲート22に遊技球が入球すると、普図表示装置29で普図が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、当選であれば普電役物ソレノイド509を駆動させ、第2特図始動口24への入球が可能となる。尚、パチンコ機1では、普電役物の開放時間は、通常時は0.2秒(1回)、遊技者にとって有利な時短状態(開放延長状態)では2秒(1回)である。また、第2特図始動口24は、普電役物が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成である。
第1特図始動口23に遊技球が入球することに起因して、第1特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第1特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第1特図表示装置28Aにおいて第1特図が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2特図始動口24に遊技球が入球することに起因して、第2特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第2特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第2特図表示装置28Bにおいて第2特図が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
尚、第1特図と第2特図の当否判定は、第1特図始動口23と第2特図始動口24への入球順に関係なく、第2特図の当否判定を優先して実施する。具体的には、第1特図の保留記憶がある場合、第2特図の変動が停止し且つ第2特図の保留記憶が無い状態となってから、第1特図の保留記憶分の当否判定を実施する。
第1特図及び第2特図の変動表示、確定表示は、遊技領域20の隅に小さく表示されるだけであるので、遊技領域20の中央に設けられた演出図柄表示装置21にて第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄を用いた疑似演出表示を行う。そして、疑似演出表示にて当否判定の結果を遊技者に報知することが行われている。疑似演出表示はサブ統合制御装置42の制御により実行される。例えば、疑似演出表示では、3つの疑似演出図柄を変動させ、3つの図柄が同一図柄で停止すると大当りとなるように構成されている。疑似演出表示としては2つの図柄が同じ図柄で停止するリーチ演出が実施され、残りの変動中の図柄が同じ図柄で停止するか否かで遊技者の期待感を高めることが行われている。
パチンコ機1は、第1特図又は及び第2特図の確定表示した態様に応じ、大当り(当選)であれば、賞球の獲得増加が期待でき遊技者に有利な大当り遊技(特別遊技)が実行される。大当り遊技は、所定の開放態様にて大入賞口25の開放し、大入賞口25への遊技球の入球が可能となる。尚、大当り遊技として、例えば、所定の開放態様で大入賞口25を開放するラウンド遊技を4ラウンド行う4R通常大当り遊技と、8ラウンド行う8R確変大当り遊技と、10ラウンド行う10R確変大当り遊技とからいずれか一つの遊技が選択される。
パチンコ機1は確率変動機として構成されている。具体的には、パチンコ機1による遊技は、大入賞口25を閉鎖した遊技状態と、大入賞口25を開放する大当り遊技状態とに大別される。更に、大入賞口25を閉鎖した遊技状態は、大きく分類して、通常確率遊技状態と、通常確率遊技状態に比べて遊技者にとって有利(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)な高確率遊技状態(以下、確変遊技状態とも記載する)とが存在する。例えば、4R通常大当り遊技が終了した後には通常確率遊技状態へ移行し、8R確変大当り遊技又は10R確変大当り遊技が終了した後には高確率遊技状態に移行する。
第1特図及び第2特図は、確率変動図柄及び非確率変動図柄を備えている。確変遊技状態は確率変動図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定され、通常確率遊技状態、確変遊技状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確変遊技状態に移行する。同様に通常確率遊技状態は、非確率変動図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定され、通常確率遊技状態、確変遊技状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、通常確率遊技状態に移行する。
またパチンコ機1は、確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行すると共に、第1特図、第2特図及び普図の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮され、かつ普電役物の開放延長機能が作動する時短状態となる。第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
時短状態では、第1及び第2特図の変動時間の短縮と共に、普図表示装置29に表示される普図の時間短縮が行われるが、この普図の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回、普図の確定表示を行う。従って、一定時間内での普図が当りとなる回数が増大し、これにより第2特図始動口24の開放回数も増大する。また、第2特図始動口24(普電役物)の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特図の変動表示回数が更に増大されると共に、第2特図始動口24の入賞で得る賞球により、遊技者の持ち球が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、大当り遊技終了後、通常遊技状態に移行したときは、規定回数にわたり時短状態としてもよい。
パチンコ機1は、第1特図始動口23への入球に起因して抽出又は第2特図始動口24への入球に起因して抽出された乱数を、この乱数に基づいて行われる当否判定よりも前に、大当りやリーチ等となる可能性があるか否かを確認する先読み判定を行う。そして、先読みの判定結果に応じて、例えば、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読み演出を、演出図柄表示装置21の保留表示を用いて実施する。
また、パチンコ機1は、現在、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出を実施することが可能な構成である。この場合、パチンコ機1は、遊技者が遊技を開始してから、第1特図又は第2特図の変動回数が所定の回数、例えば、100の倍数回に達する毎に、設定示唆演出を実施可能とする特典権が遊技者に付与される。そして、パチンコ機1は、特典権が付与されていることを条件に、遊技者に所定の操作を促す演出表示を行い、遊技者が自らの意思により所定の操作を行うことで示唆演出を実施するようにしている。
また、第1特図又は第2特図の変動回数が100の倍数回に達する毎に付与される特典権は、記憶され、遊技者が設定値示唆演出を望まなければ(実施しなければ)所定の数値に至るまでストックされる。
更に設定示唆演出としては、設定値を特定する度合いが異なる複数種類の演出を備え、設定されている現在の設定値およびストックされている特典権数値に応じて、複数種類の演出から何れかの設定示唆演出を実施するようにしている。
例えば、遊技者に所定の操作を促す演出表示および設定示唆演出は、大当り遊技の終了演出において実施される。
次に、パチンコ機1の基本的仕様について、図8乃至図9を参照して説明する。
パチンコ機1は、遊技者の有利度の異なる複数種類の設定、即ち、大当り遊技が発生する当選確率が、複数種類の異なる設定値1〜設定値6から何れかの設定値を選択し(図5を参照)、選択した設定値に割り当てられた当選確率に設定変更可能な構成である。この場合、最も大当り確率の低い「設定値1」から、最も大当り確率の高い「設定値6」の何れかを選択可能である。
図8は設定値に割り当てられた大当りの当選確率を示す。
「設定値1」は、通常確率遊技状態において、当否判定通常テーブル1に基づいて当否判定が行われる。通常テーブル1では、当選となる当り値の個数が205個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/319とされている。
また「設定値1」は、高確率遊技状態において、当否判定確変テーブル1に基づいて当否判定が行われる。確変テーブル1では、当選となる当り値の個数が1025個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/64とされている。
「設定値2」は、通常確率遊技状態において、当否判定通常テーブル2に基づいて当否判定が行われる。通常テーブル2では、当選となる当り値の個数が215個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/304とされている。
また「設定値2」は、高確率遊技状態において、当否判定確変テーブル2に基づいて当否判定が行われる。確変テーブル2では、当選となる当り値の個数が1075個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/61とされている。
「設定値3」は、通常確率遊技状態において、当否判定通常テーブル3に基づいて当否判定が行われる。通常テーブル3では、当選となる当り値の個数が225個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/291とされている。
また「設定値3」は、高確率遊技状態において、当否判定確変テーブル3に基づいて当否判定が行われる。確変テーブル3では、当選となる当り値の個数が1125個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/58とされている。
「設定値4」は、通常確率遊技状態において、当否判定通常テーブル4に基づいて当否判定が行われる。通常テーブル4では、当選となる当り値の個数が235個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/278とされている。
また「設定値4」は、高確率遊技状態において、当否判定確変テーブル4に基づいて当否判定が行われる。確変テーブル4では、当選となる当り値の個数が1175個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/56とされている。
「設定値5」は、通常確率遊技状態において、当否判定通常テーブル5に基づいて当否判定が行われる。通常テーブル5では、当選となる当り値の個数が245個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/268とされている。
また「設定値5」は、高確率遊技状態において、当否判定確変テーブル5に基づいて当否判定が行われる。確変テーブル5では、当選となる当り値の個数が1225個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/53とされている。
「設定値6」は、通常確率遊技状態において、当否判定通常テーブル6に基づいて当否判定が行われる。通常テーブル6では、当選となる当り値の個数が255個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/256とされている。
また「設定値6」は、高確率遊技状態において、当否判定確変テーブル6に基づいて当否判定が行われる。確変テーブル6では、当選となる当り値の個数が1275個とされている。対して、大当り判定用乱数の数値範囲は、「0〜65535」とされており、大当り当選確率は約1/51とされている。
パチンコ機1は、各設定値において、高確率時の大当り確率は、通常確率時の大当り確率の約5倍となるよう構成されている。これに限らず、高確率時の大当り確率は、通常確率時の大当り確率の約5倍〜約10倍となるよう構成することが望ましい。
尚、パチンコ機1は、設定値に応じて、当選となる当り値の個数が異なる当否判定テーブルを変更することにより当選確率を変更する構成である。これに限らず、各設定値に応じて、大当り判定用乱数の数値範囲を変更し、各設定値で共通の単一の当否判定テーブルを用いて当否判定を行うことにより当選確率を変更する構成でもよい。
図9に示すように、パチンコ機1は、大当り遊技終了後に高確率遊技状態(確変遊技状態)に移行する確変投入確率が60%に設定されている。
次に、賞球数について説明する。第1特図始動口23や第2特図始動口24に遊技球が1個入球すると、3個の遊技球が賞球として払出されるように設定されている。また、各一般入賞口27に遊技球が1個入球すると、10個の遊技球が賞球として払出されるように設定されている。尚、各一般入賞口27の賞球は夫々異なっていてもよい。大入賞口25に遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が賞球として払出される。また、第2特図始動口24の規定入賞数は4個、大入賞口25の規定入賞数は10個に設定されている。
普図の当選確率について説明する。通常の普図の当選確率は1/6に設定されている。一方、開放延長の普図の当選確率は5/6に設定されている。通常の第2特図始動口24の開放時間は、0.2秒を1回、開放延長では2秒を1回に設定されている。
大当り遊技の内容及び大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は3種類存在する。一つは10Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に10R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は30%である。
もう一つは8Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に8R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は30%である。
また、もう一つは4Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に時短状態が100回付与される。第1特図で大当り図柄が確定表示された場合に4R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に時短状態へ移行する確率は40%である。
第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は3種類存在する。一つは10Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に10R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は40%である。
もう一つは8Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行するとともに、時短状態にも移行する。尚、確変回数は10000回、時短回数は10000回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に8R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に確変遊技状態及び時短状態へ移行する確率は20%である。
また、もう一つは4Rの大当り遊技で、大当り遊技の終了後に時短状態が100回付与される。第2特図で大当り図柄が確定表示された場合に4R大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に時短状態へ移行する確率は40%である。
パチンコ機1は、大当りの当選確率を、例えば遊技施設の従業員が6種類の段階設定値から任意の段階設定値に変更可能な構成を備えている。
また、現状の段階設定値が何れにセットされているかを確認可能な構成も備えている。
更に、段階設定値の変更や確認に際し、現状の段階設定値を視認可能に表示する段階設定値の表示手段を備えている。段階設定値の表示手段として、パチンコ機1では、遊技性能を表示する性能表示装置61によって兼用することで実現している。尚、段階設定値の表示手段として、段階設定値専用の表示装置を備えるようにしてもよい。
更にまた、段階設定値を任意の値に変更する際に、操作の都度、段階設定値を変更する操作手段として、RAMクリアSW63によって兼用することで実現している。なお、段階設定値を変更する操作手段として、専用の操作手段を備えるようにしてもよい。
このようにパチンコ機1は、複数種類の段階設定値を備えて、複数種類の段階設定値の内の何れか任意の段階設定値に変更すること、また現状の段階設定値を確認すること、そして現状の段階設定値を視覚的に確認すること等、が可能な構成となっている。
またパチンコ機1は、後述する「起動処理」(図10)の処理S108や、「設定状態確認処理」(図24)の処理S603において、段階設定値が適正な値か否かを判定する処理を備えている。このような処理では、判定の参照とするために次のような判定値等を予め設定している。
即ち、判定値として、段階設定値が1すなわち設定値1に対して0、設定値2に対して1、設定値3に対して2、設定値4に対して3、設定値5に対して4、及び設定値6に対して5、が設定される。更に、「段階設定値最大値」として、6が設定されている。これにより、本来予定されている設定値1〜6までの何れかの設定に対応した判定値(0〜5)がセットされていれば、「段階設定値最大値」である6未満であると判定される。
一方、6以上の何らかの判定値がセットされている場合には、何らかの不正行為によって、予定されていない段階設定値が設定されている危険性や、或いは何らかの原因によってデータが破壊している危険性が有るとして、「RWM異常」と判定する根拠となる。パチンコ機1は、このような構成により、適正な段階設定値が設定されているかを監視する。なお、後述するが、段階設定値に対応した上記判定値は、「段階設定値記憶領域」に保存(設定)される。「段階設定値記憶領域」は、RWMクリア処理によっても消去されることのない記憶領域である。
更に、本実施例のパチンコ機1は、後述する図26に示すように、少なくとも、「RWMクリア」状態、「バックアップ復帰」状態、「設定確認」状態、「設定変更」状態、「遊技停止」状態、電源投入状態、及び電断(電源断とも呼称する)状態への状態遷移が可能な構成となっている。
設定状態フラグは、パチンコ機1が遷移する状態を示すフラグであって、遷移する各状態に応じ、設定状態フラグにセットされるフラグ値は異なる値がセットされる。すなわち、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態では0、「設定確認」状態では1、「設定変更」状態では2、そして、「遊技停止」状態では3、がセットされる。なお、設定状態フラグが0である場合とは、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態の何れか、すなわち、通常遊技が可能な状態である。
尚、この「通常遊技が可能な状態」とは、遊技者が通常の遊技を実行可能な状態であり、パチンコ機1の遊技状態が、「非時短状態且つ通常確率遊技状態」であるか、「時短状態且つ通常確率遊技状態」であるか、「高確率遊技状態」であるか等を問わず、遊技者が当該パチンコ機を用いて遊技を実行可能な状態を指す。この「通常遊技が可能な状態」を、「通常遊技実行可能状態」と称することがある。
このように、パチンコ機1は、こうした所謂設定に関して、変更、確認、及び表示等の機能を備えると共に、「設定確認」状態や「設定変更」状態等の状態への遷移機能を備えている。パチンコ機1において、このような機能が具体的に如何にして実現されているかについては後で、図10、図11、及び図22〜図26を参照しつつ、即ち主制御装置40で実行されるプログラム処理を説明することによって、詳述することとする。
先ずは、パチンコ機1の通常遊技(通常遊技実行可能状態)に係る基本的な制御処理および性能表示機能等について、図10〜図21を参照して以下、説明する。
パチンコ機1の「起動処理」について、図10を参照して説明する。
パチンコ機1に電源投入されると、主制御装置40は本処理「起動処理」を開始すると、主制御装置40は先ず、処理S100において、スタックポインタをスタックアドレスに設定して、処理S101に移行する。
主制御装置40は、処理S101において、割込みベクタテーブルの割込みベクタアドレスを、対応するレジスタに設定して、処理S102に移行する。割込みベクタアドレスは、アドレス空間(メモリ空間)の中で、後述する「割込(INT)処理」のプログラムに係る開始番地を指定するためのものである。
主制御装置40は、処理S102において、内蔵レジスタを設定して、処理S103に移行する。
主制御装置40が実行する処理S100から処理S102は、パチンコ機1に電源投入されると、主制御装置40が以降の処理の準備として最初に実行する、CPU初期設定処理である。
主制御装置40は、処理S103において、入力ポートレジスタを読み込んで、処理S104に移行する。
主制御装置40は、処理S104において、先に読み込んだ入力ポートレジスタの値に基づき、停電検出信号がOFF(出力停止した)か否かを判定する。肯定判定であれば(処理S104:yes)、処理S105に移行する。否定判定であれば(処理S104:no)、処理S103に移行する。
本処理S104で肯定判定となるまで、処理S103の入力ポートレジスタのリード処理を繰り返し実行する。停電検出信号は、電断時において主電源の電圧が所定電圧以下に降下するとONと見做され、所定電圧以上に上昇するとOFFと見做されることとなる、停電検出回路452(図7参照)が生成した信号である。つまり、処理S104において、停電検出信号111がOFFである、ということは、電圧が電源投入後に立ち上がって安定した状態となったことを意味する。
主制御装置40は、処理S104にて肯定判定となると(処理S104:yes)、処理S105において、RWM(RAMとも呼称する)への書き込みを許可し、処理S106に移行する。
主制御装置40は、処理S106において、チェックサムを取得し、処理S107に移行する。
主制御装置40は、処理S107において、処理S106で取得したチェックサムが異常か否かを判定し、肯定判定であれば(処理S107:yes)、処理S112に移行する。否定判定であれば(処理S107:no)、処理S108に移行する。
主制御装置40は、処理S108において、現在設定されている段階設定値が、「段階設定値最大値」未満か否かを判定する。肯定判定であれば(処理S108:yes)、処理S109に移行する。否定判定であれば(処理S108:no)、処理S112に移行する。
本処理S108では、設定されている段階設定値が異常な値となっていないか、つまり例えば、不当な利得を得ようとする不正行為者によって、正規ではない段階設定値が仕込まれていないか、を判定する。
主制御装置40は、処理S109において、バックアップフラグが設定されているか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S109:yes)、処理S110に移行し、否定判定であれば(処理S109:no)、処理S112に移行する。
本処理S109では、先の電断時において、パチンコ機1の状態に係るデータのバックアップが完了したことを示すバックアップフラグが設定されているか否か、つまり電断時の情報のバックアップが問題無く行われたか否か、を判定する。
なお後に、「割込(INT)処理」(図11)の停電検出信号監視処理(処理S151)にて詳述するが、設定状態フラグが3すなわち、「遊技停止」状態にあるときに電断となった場合に限っては、バックアップフラグが設定されず、チェックサムの算出及び保存も行われないよう構成されている。したがって、電断前の状態が「遊技停止」状態であったときは、本処理S109又は上記処理S107の何れかで否定判定(RWM異常と判定)されて処理S112に移行することとなる。
主制御装置40は、処理S110において、設定状態フラグの値を汎用レジスタにセットし、処理S111に移行する。
パチンコ機1では、処理S107、処理S108、処理S109で「RWM異常」であると判定されなかったときに、設定状態フラグに係るデータを保存処理する。例えば、電断前の状態が、「設定変更」状態であった場合には、これを示す設定状態フラグに係る情報を汎用レジスタにセットしておくことで、後述するRWMクリア処理(処理S113)の影響を受けることなく、後に実行する初期設定処理(処理S120)にて電断前が設定変更状態であったことの判別が可能となっている。つまり、設定変更状態にて電断となって、再度電源投入する際にRWMクリアSW63がONされていたとしても、「設定変更」状態を示す設定状態フラグに係る情報が維持されているので、確実に「設定変更」状態への復帰が可能なように構成されている。
主制御装置40は、処理S112において、「RWM異常」であることを示す結果を汎用レジスタにセットし、処理S113に移行する。
パチンコ機1では、チェックサムが異常な場合、設定されている段階設定値が「段階設定値最大値」未満ではない場合、及びバックアップフラグが設定されていない場合、の何れかであると判定されたときに、「RWM異常」であるとして処理される。
主制御装置40は、処理S111において、RWMクリアSW63がONか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S111:yes)、処理S113に移行する。否定判定であれば(処理S111:no)、処理S120に移行する。
本処理S111は、上述した処理S107、処理S108、及び処理S109の何れの判定処理においても、RWM異常ではないと判定された場合に移行する処理である。よって、たとえ前記3種類の判定処理にて異常ではないと判定されたとしても、RWMクリアSW63がON状態であれば、次の処理S113にてRWMクリア処理を行ってから処理S120に移行するように、また、RWMクリアSW63がOFF状態であれば、RWMクリア処理を行うことなく処理S120に移行するように構成されている。
主制御装置40は、処理S113において、RWMを0クリアして初期化するRWMクリア処理を実行し、処理S120に移行する。
パチンコ機1では、該RWMクリア処理にて、上述したように、段階設定値に関する領域を除くRWM領域をクリアする。これにより、後述する「設定状態確認処理」(図24)の設定変更処理(処理S602)にて新しい値に設定変更された段階設定値は、RWMクリア処理が実行されたとしても消去されることなく、設定変更された段階設定値が維持される。しかし、少なくとも、後述する「初期設定処理」(図22及び図23)や「設定状態確認処理」(図24)にて、電断前にセットされた設定状態フラグは消去される。
但し、RWMクリア処理(処理S113)の前に、上記処理S110において汎用レジスタに設定状態フラグの値をセットした場合は、後で参照可能に保持される。上記処理S110において設定状態フラグの値をセットするための汎用レジスタは、当該RWMクリア処理(処理S113)が実行されても、セットした結果が消去されずに、後で確認可能なレジスタである。後述する「初期設定処理」(図22)の処理S501は、汎用レジスタへ処理S110にてセットされた結果を参照することで判定を行う。
また、上記処理S112において「RWM異常」であることを示す結果をセットするための汎用レジスタも、当該RWMクリア処理(処理S113)が実行されても、セットした結果が消去されずに、後で確認可能なレジスタである。後述する「初期設定処理」(図22)の処理S500は、汎用レジスタへ処理S112にてセットされた結果を参照することで判定を行う。
このように、本実施例では、RWMクリア処理(処理S113)が実行されても、段階設定値に関する領域、設定状態フラグの値がセットされた汎用レジスタ、及び「RWM異常」の結果がセットされた汎用レジスタは、消去されることなく状態が維持される。
さらに、今回の電源投入時に上記、処理S107、処理S108、または処理S109の何れかで「RWM異常」と判明した場合には、当該RWMクリア処理(処理S113)でRWMを初期化するので、「RWM異常」と判定された原因は、即時解消される。しかし、汎用レジスタにセットされた「RWM異常」であったとする結果は、RWMクリア処理後も維持される。
従って、後述する「初期設定処理」(図23)にて処理S520または処理S521の何れかで否定判定となれば設定状態フラグに3が設定されることになる。該設定状態フラグに3が設定された状態で電断となると、上述したようにバックアップフラグが設定されない。これにより、次に電源投入された際に再度、「起動処理」を開始すると、たとえ処理S107及び処理S108で「RWM異常」ではないと判定されても、処理S109では必ず「RWM異常」と判定されるよう構成されている。つまり、一旦「RWM異常」と判定された場合に、本実施例では、後述する遷移条件(4)(図26参照)を満たした状態で電源投入しない限り、「遊技停止」状態(設定状態フラグに3が設定された状態)から抜け出すことが不能な特徴を備えている。
尚、RWMクリア処理(処理S113)が実行されると、電断前に設定されていた設定状態フラグの値は消去された状態で、初期設定処理(処理S120)に処理が移行されるが、処理S111で否定判定すなわちRWMクリアSW63がONされていなければ、RWMクリア処理(処理S113)が実行されることがないため、電断前にセットされた設定状態フラグ等の情報は、復電後に維持されたまま、初期設定処理(処理S120)に処理が移行することとなる。
更にパチンコ機1では、処理S110で、設定状態フラグの値を汎用レジスタにセットするので、RWMクリア処理(処理S113)が実行されたか否かに拘らず、該汎用レジスタにセットされた値を参照すれば、電断前に設定されていた設定状態フラグの値を確認することが可能となっている。
主制御装置40は、処理S120において、初期設定処理を実行し、処理S121に移行する。
初期設定処理は、電断前の状態(特に電断時の「遊技停止」状態)、電源投入時の入力値(設定キーSW62とRWMクリアSW63の状態)から、何れの状態に遷移(移行)するかを設定する処理である。パチンコ機1では、電源投入時に遷移することができる状態として、「設定変更」状態、「設定確認」状態、「遊技停止」状態、「RWMクリア」状態、及び「バックアップ復帰」状態、の何れかの状態(後述する図26参照)となっている。尚、「RWMクリア」状態、及び「バックアップ復帰」状態は、何れも通常遊技が可能な「通常遊技実行可能状態」である。初期設定処理については、後で図22、図23を参照して詳述する。
主制御装置40は、処理S121において、タイマ割込みレジスタを設定し、処理S122に移行する。
本処理S121では、以降の「割込(INT)処理」の実行に備えて、対応するタイマ割込みレジスタを設定する。
主制御装置40は、処理S122において、タイマ割込みを禁止し、処理S123に移行する。
主制御装置40は、処理S123において、設定状態フラグが0か否かを判定し、肯定判定であれば(処理S123:yes)、処理S124に移行する。否定判定であれば(処理S123:no)、処理S127に移行する。
よって、設定状態フラグが0でない場合、すなわち「設定確認」状態、「設定変更」状態、そして、「遊技停止」状態では、続く処理S124〜処理S126の処理は行わない。すなわち、処理S125の性能表示用集計除算処理は、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態といった通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)においてのみ実行され、「設定確認」状態、「設定変更」状態、及び「遊技停止」状態では実行されない処理である。
主制御装置40は、処理S124において、対応するレジスタの退避処理を実行し、処理S125において、性能表示用集計除算処理を実行し、処理S126において、前記レジスタの復帰処理を実行し、処理S127に移行する。
性能表示用集計除算処理は、パチンコ機1の性能を、性能表示装置61にて表示するために、データを集計して結果を算出する処理である。
主制御装置40は、処理S127において、タイマ割込みを許可し、処理S122に移行する。主制御装置40は、処理S122から処理S127のループ処理を行う。処理S127でタイマ割込みを許可し、処理S122でタイマ割込みを禁止するまでの間に、システムクロックに基づき生成される所定の割込み周期(例えば、4ms)が発生する毎に、後述する「割込(INT)処理」が実行される。「割込(INT)処理」が終了すると、RETI(Return from Interrupt)が実行されて、処理S122でタイマ割込みを禁止するまで待機する。
以上が本実施例の「起動処理」である。
本実施例の「割込(INT)処理」について、図11を参照して説明する。
「割込(INT)処理」は、上述したように、「起動処理」(図10)の処理S127でタイマ割込みを許可し、処理S122でタイマ割込みを禁止するまでの間に、実行される処理である。
主制御装置40は本処理「割込(INT)処理」を開始すると先ず、処理S150において、各種タイマやウォッチドッグタイマ(WDT)の設定を行い、処理S151に移行する。
本処理S150では、各種タイマの設定や、ウォッチドッグタイマのクリア及びリスタートを実行する。
主制御装置40は、処理S151において、停電検出信号監視処理を実行し、処理S152に移行する。
本処理S151では、停電検出回路452(図7参照)が電断時において主電源の電圧が所定電圧以下に降下したことを条件に停電検出信号がON(出力)したか否かを監視することで、停電の発生を監視する。尚、該処理S151にて、停電の発生を検知した場合には、図示しない電断時の処理を実行する。
すなわち、「遊技停止」状態(設定状態フラグが3)中であれば、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。また、「遊技停止」状態中でなければ、バックアップフラグを設定し、チェックサムを算出および保存して、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。
つまり、上述したように、電断時には、設定状態フラグが3でないか否か、すなわち「遊技停止」状態でないか否かを確認する。設定状態フラグが3でない場合には、バックアップフラグを設定する。しかし、設定状態フラグが3の場合には、バックアップフラグを設定せず、さらにチェックサムの算出および保存も実行しない。
また、「設定変更」状態(設定状態フラグが2)中であれば、上述したように、「遊技停止」状態中ではないため、バックアップフラグを設定し、チェックサムを算出および保存して、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。この際に、設定状態フラグのフラグ値である2も保存維持され、再度電源投入された際には、「起動処理」(図10)の処理S110にて該フラグ値を参照して汎用レジスタにセットすることが可能となっている。
主制御装置40は、処理S152において、設定状態フラグが「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」を示す値か否かを判定し、肯定判定であれば(処理S152:yes)、処理S155に移行する。否定判定であれば(処理S152:no)、処理S153に移行する。
本処理S152では、上述した「起動処理」(図10)の初期設定処理(処理S120)において設定された設定状態フラグが0か否か、すなわち「RWMクリア」状態または「バックアップ復帰」状態の内の何れかの状態であるか否か、を判定する。
主制御装置40は、処理S155において、タイマ更新処理を実行し、処理S156に移行する。
本処理S155では、各種タイマの更新を実行する。
主制御装置40は、処理S156において、入力判定処理を実行し、処理S157に移行する。
本処理S156では、入力データを入力ポートより入力し、始動口スイッチやカウントスイッチの監視処理、及び異常入賞の監視処理を実行する。
すなわち、第1特図始動口23の入球確認、第2特図始動口24の入球確認、大入賞口25の入球確認、普図作動ゲート22の遊技球の通過の確認、一般入賞口27の入球確認、及び主制御装置40に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
また、後述する「不正監視処理」(図12)は、該処理S156の1モジュールである。「不正監視処理」(図12)は、一般入賞口27に対する不正が行われていないか監視する処理である。本処理S156は、所定時間(例えば、60秒)内における一般入賞口27に入球した遊技球の数が予め決定された規定数(例えば、10個)よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。該「不正監視処理」については、後で図12を参照して詳述する。
尚、入力判定処理および「不正監視処理」を上述したような本実施例の構成に限定せず、以下のように構成してもよい。すなわち、入力判定処理にて、第2特図始動口24の入球確認、及び大入賞口25の入球確認、を行い、該入力判定処理の1モジュールである「不正監視処理」では、第2特図始動口24、及び大入賞口25に対する不正が行われていないか監視する処理として構成してもよい。詳しくは、入賞有効期間外における第2特図始動口24及び大入賞口25への、其々の入賞数が、所定数より多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理としてもよい。これは、普通電動役物や特別電動役物に関して、入賞を有効とする有効期間が固有に設定されている構成を前提としたとき、極稀に有効期間が終了した後にでも遅れて入賞が発生する場合がある。また、不正行為者によって、有効期間が終了しても多数の入賞が不正な手段によって発生させられる場合もある。不正が行われたか否かの監視を、有効期間の終了後に所定数(例えば、1個)を限度として、これを超えた入賞が発生した場合は不正入賞と見做すことで実現する構成を採用することも考えられる。
主制御装置40は、処理S157において、特図特電処理を実行し、処理S158に移行する。
本処理S157では、特別図柄及び特別電動役物の状態を更新する。特図と特電の制御を行うため、第1特図始動口SW503と第2特図始動口SW504への入球検出処理を行い、特別図柄の表示制御処理や、大当り遊技に係る特別電動役物の制御処理等を実行する。
尚、後述する「特図始動入球確認処理」(図13)、「特図当否判定処理」(図14〜図17)、「特別遊技処理」(図18〜図21)は、特図特電処理のモジュールである。
後述する「特図始動入球確認処理」(図13)では、遊技球が第1特図始動口23、第2特図始動口24に入賞すると、「大当り判定用乱数」、「特図決定用乱数1」、「特図決定用乱数2」、「特図変動パターン決定用乱数1」及び「特図変動パターン決定用乱数2」、など複数の乱数が取得される。しかし、第1特図始動口23の入球に基づく第1特図の保留記憶、第2特図始動口24の入球に基づく第2特図の保留記憶は、最大数がそれぞれ4個までとされており、保留記憶が満タンであるときに遊技球が第1特図始動口23又は第2特図始動口24に入球しても、賞球が払出されるだけで、保留記憶されない構成になっている。
主制御装置40は、処理S158において、普図普電処理を実行し、処理S159に移行する。
本処理S158では、普通図柄及び普通電動役物の状態を更新する。普図と普電の制御を行うため、普図作動SW505への入球検出処理を行い、普通図柄の表示制御処理や、当り遊技に係る普通電動役物の制御処理等を実行する。
普図作動ゲート22に入賞すると、「当り判定用乱数」、「普図決定用乱数」、及び「普図変動パターン決定用乱数」、など複数の乱数が取得される。
主制御装置40は、処理S159において、遊技状態設定処理を実行し、処理S160に移行する。
本処理S159では、遊技の状態を更新する。普電作動中状態や、特電作動中状態等のクリア処理を実行することで遊技状態の更新を行う。
主制御装置40は、処理S160において、賞球コマンド送信処理を実行し、処理S161に移行する。
本処理S160では、各種入賞口への入球に基づき発生した賞球について、払出制御装置41に賞球コマンドを送信する。
主制御装置40は、処理S161において、エラー監視処理を実行し、処理S162に移行する。
本処理S161では、電波エラーや、振動エラー等の各エラーの監視を行う。
主制御装置40は、処理S162において、情報出力処理を実行し、処理S163に移行する。
本処理S162では、各種情報の作成処理および情報データ出力処理を実行することで、外部端子板への出力を行う。
主制御装置40は、処理S163において、ソレノイド出力処理を実行し、処理S164に移行する。
本処理S163では、ソレノイドデータ等の作成処理および情報データ出力処理を実行することで、ソレノイドへの出力を行う。遊技の進行に応じて主制御装置40は、大入賞口ソレノイド508、普電役物ソレノイド509等に対して各々出力処理を実行する。
また、パチンコ機1に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく、外部接続端子板38からセキュリティ信号を出力する処理を、本実施例では処理S163にて、併せて実行する。
主制御装置40は、処理S164において、対応するレジスタを退避し、処理S165において、領域外処理を実行し、処理S166において、前記レジスタを復帰し、処理S167に移行する。
処理S165のステップでは、性能表示装置61の制御処理や試射試験データの出力処理等として、領域外処理を行う。すなわち、「起動処理」(図10)の性能表示用集計除算処理(処理S125)にて算出した結果に基づき、性能表示装置61を用いた表示制御のためのデータや試射試験データを、RWMの領域外にて作成する処理を行う。
主制御装置40は、処理S167において、セグメントデータ設定処理を実行し、処理S168に移行する。
本処理S167では、LEDデータ設定テーブルを取得して、LEDのコモン(LEDセグメントに係る8bit単位の表示領域)毎の発光制御を行うためのセグメントデータの作成処理を行う。すなわち、上記領域外処理(処理S165)で、RWMの領域外にて作成したデータを、RWMの領域内に移動して、後述するLED出力処理(処理S168)にて出力するためのセグメントデータを設定する。
主制御装置40は、処理S152で否定判定の際に移行する処理S153において、設定状態フラグが「遊技停止」状態であることを示す値か否かを判定し、肯定判定であれば(処理S153:yes)、処理S168に移行する。否定判定であれば(処理S153:no)、処理S154に移行する。
本処理S153では、上述した「起動処理」(図10)の初期設定処理(処理S120)において設定された設定状態フラグが3か否かを判定する。設定状態フラグが3の場合は、処理S154を実行せず即時、処理S168に移行し、設定状態フラグが3ではない場合すなわち、1又は2の場合は、処理S154を介して処理S168に移行する。
主制御装置40は、処理S154において、設定状態確認処理を実行し、処理S168に移行する。
本処理S154は、設定確認および設定変更を行うための処理である。すなわち、設定変更時或いは設定確認時において、入力値(設定キーSW62や、RWMクリアSW63に係る検出信号)に基づいて、段階設定値の変更や、「設定変更」状態および「設定確認」状態の終了に係る処理を行う。
「設定状態確認処理」については、後で図24を参照して詳述する。
主制御装置40は、処理S168において、LED出力処理を実行し、処理S169に移行する。
本処理S168では、性能表示装置61や、各種LED等に係る、発光制御のための情報を出力する。
すなわち、性能表示装置61を用いた性能表示または段階設定値に関する発光制御のための情報や、遊技盤2の表面側右下(図2参照)に集約して設けられた、第1特図表示装置28A、第1特図保留数表示装置281、第2特図表示装置28B、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29、及び普図保留数表示装置291等のLEDの発光制御のための情報の、出力を行う。
主制御装置40は、処理S169において、割込みを許可し、本割込み処理を終了して「起動処理」の処理S122に復帰する。
以上が本実施例の「割込(INT)処理」である。
ここで、上述した「割込(INT)処理」における入力判定処理(処理S156)の1モジュールである、「不正監視処理」について、図12を用いて説明する。「不正監視処理」は、先ず処理S180において入賞頻度異常による不正が行われたか否かを判定する。尚、入賞頻度異常による不正とは、所定期間(例えば、60秒)内における一般入賞口27に入球する遊技球が予め決定された規定数(例えば、10個)よりも多い場合のことである。不正であれば(処理S180:yes)、処理S181において不正報知処理を行い、続いて不正報知コマンド送信処理(処理S182)を行い、本処理を終了する。
前記処理S180の処理で不正が行われていないと判定された場合には(処理S180:no)、「不正監視処理」を終了して「割込(INT)処理」における入力判定処理へリターンする。
「不正監視処理」における規定数は、4つの一般入賞口27に入球した遊技球の合算数である。これに限定されるものではなく、一般入賞口27毎に、予め定められた規定数を設ける構成であってもよい。
前記不正報知処理(処理S181)において、主制御装置40は、払出制御装置41に入賞頻度が異常であることを示す不正コマンドを送信する。不正コマンドを受信した払出制御装置41は、異常表示装置49(図4参照)のLEDを点灯させる。
また、前記不正報知コマンド送信処理(処理S182)において、主制御装置40は、サブ統合制御装置42に不正報知コマンドを送信する。不正報知コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、演出図柄表示装置21の画面に、所定期間(例えば、60秒)内に一般入賞口SW506により検出された遊技球数が規定数(例えば、10個)を超えて、入賞頻度の異常な不正が行われた旨の警告表示を表示するとともに、前枠11の枠側装飾ランプ113によるエラー報知が行われる。
尚、「不正監視処理」を本実施例の構成に限定することは無い。すなわち、一般入賞口への入賞異常を監視するものではなく、普通電動役物や特別電動役物の入賞有効期間外における入賞が所定個数を超えるか否かによって、不正発生か否かを判定して監視するような構成であってもよい。
次に、「割込(INT)処理」(図11)における特図特電処理(処理S157)のモジュールとして、以下に「特図始動入球確認処理」、「特図当否判定処理」及び「特別遊技処理」について説明する。
図13に示す「特図始動入球確認処理」は、第1特図始動口23、第2特図始動口24に遊技球が入球したときに抽出される当否判定に用いる乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。本パチンコ機1において、第1特図始動口23への入球に起因して記憶可能な保留記憶数及び第2特図始動口24への入球に起因して記憶可能な保留記憶数は各4個である。
本「特図始動入球確認処理」は、先ず、処理S200において第1特図始動口23への入球を第1特図始動口SW503により検出されたか否かを判定する。否定判定であれば(処理S200:no)、処理S210へ移行する。肯定判定であれば(処理S200:yes)、処理S201おいて主制御装置40に格納されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否かを判定する)。肯定判定であれば(処理S201:yes)、処理S205へ移行する。
前記処理S201において否定判定であれば(処理S201:no)、処理S202において第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、抽出された各種の乱数を特図の保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する。
次に処理S203において、現在の大当りの当選確率を設定する設定値を参照する。参照した後、処理S204において、設定値に応じて抽出された乱数が大当りやリーチとなるか否かの先読み判定を実行するための先読み判定テーブルを選択する。
この場合、先読み判定テーブルは、設定値に対応する6種類のテーブルから、設定値に応じて選択する構成が望ましい。これに限らず、先読み判定テーブルは、設定値の種類よりも少ないテーブルであってもよい。更には、設定値に拘わらず1種類のテーブルを用いてもよい。
次に、処理S205において、選択された先読み判定テーブルに基づいて、第1特図の先読み判定処理を実行する。本処理S205において新たに記憶された保留記憶に係る第1特図の数値が、後述の当否判定の前に、特定値(大当りやリーチとなる値など)か否かを判定する。
次に、処理S206において加算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に送信する。
次に、処理S210において第2特図始動口24への入球を前記第2特図始動口SW504により検出したか否かを判定する。否定判定であれば(処理S210:no)、本処理を終了して「割込(INT)処理」における特図特電処理へリターンする。
肯定判定であれば(処理S210:yes)、処理S211において主制御装置40に格納されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否かを判定する。肯定判定であれば(処理S211:yes)、リターンする。
前記処理S211において否定判定であれば(処理S211:no)、処理S212において第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、抽出された各種の乱数を特図の保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する。
次に処理S213において、現在の大当りの当選確率を設定する設定値を参照する。参照した後、処理S214において、設定値に応じて抽出された乱数が大当りやリーチとなるか否かの先読み判定を実行するための先読み判定テーブルを選択する。
この場合、先読み判定テーブルは、設定値に対応する6種類のテーブルから、設定値に応じて選択する構成が望ましい。これに限らず、先読み判定テーブルは、設定値の種類よりも少ないテーブルであってもよい。更には、設定値に拘わらず1種類のテーブルを用いてもよい。
続いて、処理S215において、選択された先読み判定テーブルに基づいて、第2特図の先読み判定処理を実行する。本処理S215において新たに記憶された保留記憶に係る第2特図の当り決定用乱数の数値が、後述の当否判定の前に、特定値(大当りやリーチとなる値など)か否かを判定する。
次に、処理S216において加算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に送信する。その後、リターンする。
図14に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、処理S300において特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中でないか否か判定する。否定判定であれば(処理S300:no)、「特別遊技処理」に移行する(図15参照)。
肯定判定であれば(処理S300:yes)、処理S301において第1特図又は第2特図が変動停止中であるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S301:yes)、処理S302において第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であるか否か判定する。
前記処理S302において肯定判定であれば(処理S302:yes)、処理S303において第2特図の保留記憶があるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S303:yes)、処理S304において第2特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
前記処理S303において否定判定であれば(処理S303:no)、処理S305において第1特図の保留記憶があるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S305:yes)、処理S306において第1特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
前記処理S304又は前記処理S306に続いて、図15に示す処理S310において、現在の大当りの当選確率を設定する設定値を参照する。
参照した後、処理S311において、設定値に応じて抽出された乱数が大当りとなるか否かの当否判定を実行するための当否判定テーブルを設定する。例えば、設定値1であれば、通常テーブル1及び確変テーブル1が設定される。同様に、設定値2であれば、通常テーブル2及び確変テーブル2が、設定値3であれば、通常テーブル3及び確変テーブル3が、設定値4であれば、通常テーブル4及び確変テーブル4が、設定値5であれば、通常テーブル5及び確変テーブル5が、設定値6であれば、通常テーブル6及び確変テーブル6が設定される。
次に、処理S312において、確変フラグを確認して現在の遊技状態が特図の確変遊技状態であるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S312:yes)、処理S313において確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う。例えば、前記処理S311で設定されたテーブルが通常テーブル2及び確変テーブル2であれば、確変テーブル2に基づいて判定を行う。
前記処理S312において否定判定であれば(処理S312:no)、処理S314において通常確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う。例えば、前記処理S311で設定されたテーブルが通常テーブル6及び確変テーブル6であれば、通常テーブル6に基づいて判定を行う。
続いて処理S315において、前記処理S313又は前記処理S314の当否判定が大当りか否かの判定を行う。
肯定判定であれば(処理S315:yes)、処理S316において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
続いて処理S317おいて前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。
変動パターンの決定後、処理S318において大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、例えば、大当り遊技のラウンド数を10Rにするか8Rにするか4Rにするかといった大当り遊技の内容が設定される。また、大当り遊技終了後に遊技状態を確変遊技状態へ移行するか時短機能を作動させるかの設定、確変遊技状態へ移行時にはリミッタ機能の制限回数が設定される。更に、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
続く、処理S319において当否判定実行後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う。
続く処理S320において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。尚、構成によっては変動時間の終了を指示するための図柄確定コマンドを送ってもよい。但し、変動パターンなどで予め変動時間は指定されているため必須のものではない。
前記処理S315において否定判定であれば(処理S315:no)、ハズレであるので、処理S321において特図のハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。次に処理S322においてハズレ設定処理を行う。
その後、前記処理S319及び前記処理S320を実行し、「特別遊技処理」へ移行する。
図14に示した前記処理S301において否定判定であれば(処理S301:no)、図16に示すように、処理S330において図柄の変動時間が経過したか否かを確認する。否定判定であれば(処理S330:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
肯定判定であれば(処理S330:yes)、処理S331の確定図柄表示処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の変動表示を終了させる制御を行う。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
図14に示した前記処理S302において否定判定であれば(処理S302:no)、図17の処理S340に移行して、確定図柄表示時間が経過(終了)したか否か判定する。否定判定であれば(処理S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、肯定判定であれば(処理S340:yes)、処理S341の確定図柄表示終了の処理により第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する疑似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
続く処理S342において特図の図柄が大当りになる組み合わせであるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S342:yes)、処理S343において確変遊技状態を示す確変フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S343:no)、処理S345へ移行する。
肯定判定であれば(処理S343:yes)、処理S344において確変フラグを「0」にリセットする。
続いて処理S345において時短状態を示す時短フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S345:no)、処理S347へ移行する。
肯定判定であれば(処理S345:yes)、処理S346において時短フラグを「0」にリセットする。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での確変状態及び時短状態に関する遊技状態を通常状態にリセットする。
続いて処理S347において条件装置の作動を開始させる。条件装置は特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるもので、且つ、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。更に処理S348において役物連続作動装置の作動を開始させるとともに、処理S349において大当り開始演出処理を行ない、「特別遊技処理」へ移行する。また、この処理により、サブ統合制御装置42へ向けて大当り遊技開始コマンドが送信される。
前記処理S342において否定判定であれば(処理S342:no)、処理S350において確変フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S350:no)、処理S353へ移行する。
肯定判定であれば(処理S350:yes)、処理S351において確変の継続期間をカウントする確変カウンタを減算し、減算した後の確変カウンタが「0」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S351:no)、処理S353へ移行する。
肯定判定であれば(処理S351:yes)、前記処理S352において確変フラグを「0」にリセットする。
次に、処理S353において時短フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S353:no)、処理S356へ移行する。
肯定判定であれば(処理S353:yes)、処理S354において時短の継続期間をカウントする時短カウンタを減算し、減算した後の時短カウンタが「0」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S354:no)、処理S356へ移行する。
肯定判定であれば(処理S354:yes)、前記処理S355において時短フラグを「0」にリセットする。
続く処理S356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
図18に示す「特別遊技処理」は、先ず、処理S400において前記役物連続作動装置が作動中か否か判定する。否定判定であれば(処理S400:no)、「割込(INT)処理」(図11)における特図特電処理へリターンし、本処理を終了する。肯定判定であれば(処理S400:yes)、処理S401において大入賞口25が開放中か否か判定する。
前記処理S401にて否定判定であれば(処理S401:no)、処理S402において大当り遊技のインターバル中か否か判定する。否定判定であれば(処理S402:no)、処理S403において処理で特図大当り終了演出中か否か判定する。否定判定であれば(処理S403:no)、処理S404において大当り開始演出時間が経過したか否か判定する。否定判定であれば(処理S404:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S404:yes)、処理S405において大入賞口開放処理で第1ラウンドの大入賞口25を開放する。その後、リターンする。
前記処理S401にて肯定判定であれば(処理S401:yes)、図19に示すように、大入賞口25に10個の入賞があったか否か(規定入賞数)の判定(処理S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否か判定して(処理S411)、いずれか肯定判定であれば(処理S410又は処理S411:yes)、処理S412において大入賞口25を閉鎖する。続いて処理S413の大当りインターバル処理を実行して、リターンする。前記処理S410及び処理S411において肯定判定であれば(処理S410及び処理S411:no)、リターンする。
図18に示した前記処理S402にて肯定判定であれば(処理S402:yes)、図20に示すように、処理S420において大当りインターバル時間が経過したか否か判定する。否定判定であれば(処理S420:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S420:yes)、処理S421において最終ラウンド(例えば、4Rの大当り遊技であれば第4ラウンド、8Rの大当り遊技であれば第8ラウンド、10Rの大当り遊技であれば第10ラウンド)であるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S421:yes)、処理S422の大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、前記処理S421において否定判定であれば(処理S421:no)、処理S423の大入賞口25の開放処理により次のラウンドの大入賞口25の開放を実行してリターンする。
図18に示した前記処理S403において肯定判定であれば(処理S403:yes)、図21に示すように、処理S430において大当り終了演出時間が経過したか否か判定する。否定判定であれば(処理S430:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S430:yes)、処理S431において役物連続作動装置の作動停止を実行し、続いて処理S432において条件装置の作動停止を実行する。
続く、処理S433において前記確変設定フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S433:no)、処理S436へ移行する。
肯定判定であれば(処理S433:yes)、処理S434において確変遊技状態の繰り返し回数(10000回)を設定し、処理S435において確変フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に確変遊技状態が付与される。また、この処理において確変設定フラグを「0」にリセットする。
次に処理S436では前記時短設定フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S436:no)、処理S439へ移行する。
肯定判定であれば(処理S436:yes)、処理S437において時短状態の繰り返し回数(確変時:10000回、非確変時100回)を設定し、続いて処理S438において時短フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に時短状態が付与される。また、この処理において時短設定フラグを「0」にリセットする。
その後、処理S439では、特図の大当り終了コマンド送信の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
次に、パチンコ機1が備える他の機能として、所謂、大当りの当選確率の設定に係る、変更、確認、表示等の機能、「設定確認」状態や「設定変更」状態等への遷移機能といった各種機能について、図22〜図26を参照して説明する。
パチンコ機1の「初期設定処理」について、図22を参照して説明する。
「初期設定処理」は、上述した「起動処理」(図10参照)の処理S120で実行される1モジュールであって、上述したように、電断前の状態(特に電断時が、「遊技停止」状態や、「設定変更」状態であった場合)、電源投入時の入力値(設定キーSW62とRWMクリアSW63の状態)から、何れの状態に遷移(移行)するかを設定するための処理である。
主制御装置40は、本処理「初期設定処理」を開始すると先ず、処理S500において、今回の電源投入時にRWMが異常であったか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S500:yes)、処理S520(図23参照)に移行し、否定判定であれば(処理S500:no)、処理S501に移行する。
本処理S500では、上述した「起動処理」(図10参照)の処理S112にて「RWM異常」であると判定された場合に、その結果をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。すなわち、電源投入時に、処理S107、処理S108、又は処理S109の何れかで「RWM異常」と判定されたか否かを判定する。
尚、主制御装置40は、「起動処理」(図10参照)の処理S112にて「RWM異常」であると判定された場合に該結果をセットする汎用レジスタを、本処理S500にて参照した後、セットされた結果をリセットする。つまり、該汎用レジスタに処理S112にてセットされた結果は、同一割込み内の「初期設定処理」の処理S500が実行されるまでの間だけ維持され、それ以外は常時、リセット状態(「RWM異常」ではなかったことを示す状態)となっている。よって、処理S112が実行されなければ、処理S500の判定処理では否定判定となる。
主制御装置40は、処理S501において、電断前の状態が「設定変更」状態であったか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S501:yes)、処理S505に移行し、否定判定であれば(処理S501:no)、処理S502に移行する。
本処理S501では、上述した「起動処理」(図10参照)の処理S110にて設定状態フラグの値をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。該汎用レジスタに格納されたデータは、「起動処理」における処理S113のRWMクリア処理にて、RWMが初期化されても、消去されることなく保存維持されているため、該汎用レジスタに格納されたデータを判定することで、電断前の設定状態フラグの値が2か否かの判定が可能となっている。肯定判定であれば、既に設定状態フラグに2が設定されているので、処理S504を介さず、直接処理S505に移行する。
本処理S501では、後述する遷移条件(5)を満たしているか、を判定する(図26参照)ものである。
このように構成されることで、「設定変更」状態中に電断が発生した場合、つまり設定キーSW62をOFFすることで「設定変更」状態を終了する前に電断が発生した場合、電源が投入されると必ず再度、「設定変更」状態に遷移する。これにより、電源投入時のRWMクリアSW63の状態(ON/OFF)に関係無く、強制的に「設定変更」状態に遷移させることで、「RWMクリア」状態や「バックアップ復帰」状態といった「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」への遷移を防止する。
尚、主制御装置40は、「起動処理」(図10参照)の処理S110にて設定状態フラグのフラグ値をセットする汎用レジスタを、本処理S501にて参照した後、セットされたフラグ値をリセットする。つまり、該汎用レジスタに処理S110にてセットされたフラグ値は、同一割込み内の「初期設定処理」の処理S501が実行されるまでの間だけ維持され、それ以外は常時、リセット状態(何れのフラグ値もセットされていない状態)となっている。但し、「起動処理」(図10参照)の処理S107、処理S108、又は処理S109の何れかにて「RWM異常」と判定されない限り、必ず0〜3の何れかの設定状態フラグがセットされる。仮にリセット状態であっても、そのような場合は、処理S112にて「RWM異常」である結果がセットされ、処理S500で肯定判定となって処理S501に処理が移行することがないため、制御上の問題は発生しない。
主制御装置40は、処理S502において、RWMクリアSW63がONか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S502:yes)、処理S503に移行する。否定判定であれば(処理S502:no)、処理S506に移行する。
主制御装置40は、処理S503において、設定キーSW62はONか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S503:yes)、処理S504に移行する。否定判定であれば(処理S503:no)、処理S509に移行する。
本処理S503では、後述する遷移条件(2)または(4)の何れを満たしているか、を判定する(図26参照)。
主制御装置40は、処理S504において、設定状態フラグに2を設定し、続く処理S505において、設定変更報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定変更報知処理は、「設定変更」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、処理S509において、設定状態フラグに0を設定し、続く処理S510において、RWMクリア報知処理を実行し、本処理を終了する。
RWMクリア報知処理は、「RWMクリア」状態に遷移する旨、また「起動処理」(図10)のRWMクリア処理(処理S113)が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、処理S506において、設定キーSW62はONか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S506:yes)、処理S507に移行し、否定判定であれば(処理S506:no)、処理S511に移行する。
本処理S506では、後述する遷移条件(1)または(3)の何れを満たしているか、を判定する(図26参照)。
主制御装置40は、処理S507において、設定状態フラグに1を設定し、続く処理S508において、設定確認報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定確認報知処理は、「設定確認」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、処理S511において、設定状態フラグに0を設定し、続く処理S512において、バックアップ復帰報知処理を実行し、本処理を終了する。
バックアップ復帰報知処理は、「バックアップ復帰」状態に遷移する旨、またバックアップされた電断前の状態への復帰が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、処理S500にて肯定判定(処理S500:yes)の際に移行する、図23に示す処理S520において、RWMクリアSW63がONか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S520:yes)、処理S521に移行し、否定判定であれば(処理S520:no)、処理S524に移行する。
本処理S520では、後述する遷移条件(4)を満たす可能性が有るか否か、を判定する(図26参照)。
尚、本処理S520は、今回の電源投入で初めてRWM異常と判定された場合だけではなく、電断前にRWM異常で「遊技停止」状態となり、電断時にバックアップフラグが設定されなかったことに因り、今回の電源投入時にも連続してRWM異常と判定された場合にも、移行される処理である(「起動処理」(図10)の処理S109、および「割込(INT)処理」(図11)の停電検出信号監視処理(処理S151)を参照)。
主制御装置40は、処理S521において、設定キーSW62はONか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S521:yes)、処理S522に移行し、否定判定であれば(処理S521:no)、処理S524に移行する。
本処理S521では、後述する遷移条件(4)を満たすか否か、を判定する(図26参照)。処理S520及び処理S521の両処理で、共に肯定判定となった場合は、遷移条件(4)を満たすこととなる。
主制御装置40は、処理S522において、設定状態フラグに2を設定し、続く処理S523において、設定変更報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定変更報知処理は、処理S505と同じく、「設定変更」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、処理S520又は処理S521で否定判定となった場合、すなわち遷移条件(4)を満たしていない場合に移行する処理S524において、設定状態フラグに3を設定し、処理S525に移行する。
本処理S524では、既に設定状態フラグに3が設定されている場合には、本処理を行わないよう構成される。但し、これに限らず、再設定するようにしても良い。
主制御装置40は、処理S525において、遊技停止促進処理を実行し、本処理を終了する。
遊技停止促進処理は、RWM異常である旨の報知および、遊技者に遊技の即時停止を促し、且つ、遊技施設の従業員に適切な対処を促す報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
本実施例の「初期設定処理」は、このような構成により例えば、電断前に「起動処理」(図10参照)における処理S107〜処理S109の何れかの処理にて、「RWM異常」であると判定されると、処理S112を介して処理S113に移行することでRWMクリア処理が行われた後、「初期設定処理」の処理S524にて設定状態フラグに3が設定されて「遊技停止」状態に遷移し、遊技停止促進処理が行われる。該促進によって、例えば遊技施設の従業員により電源が遮断されると、上述したように設定状態フラグが3であるため、電断時にバックアップフラグおよびチェックサムの計算結果が設定されない。その後に、電源投入されると、チェックサムの計算結果が仮に異常でないと判定されたとしても、バックアップフラグが設定されていないため、処理S109にて否定判定となり、処理S112でRWM異常である結果が汎用レジスタにセットされ、続く「初期設定処理」の処理S500で該結果を参照して肯定判定となり、処理S520に移行する。今回の電源投入が、RWMクリアSW63と設定キーSW62が共にONではない状態で実行された場合、つまり、遷移条件(4)(図26参照)を満たしていない場合には、続く処理S520又は処理S521にて否定判定となり、再度、処理S524に移行することとなる。
このように、電源投入時に遷移条件(4)を満たしていない限り、「遊技停止」状態(設定状態フラグ=3の状態)から脱却することは不能に構成されている。つまり、遷移条件(7)、(8)、及び(9)のループから抜けることができないようになっている。
尚、一旦上記ループに入ってしまうと、電源投入時に遷移条件(1)、(2)、又は(3)を満たしていても、該ループからは抜けることができない。つまり、遷移条件(1)及び(3)は、何れもRWMクリアSW63がOFFであるので、処理S520で否定判定となって処理S524に移行し、遷移条件(2)は、設定キーSW62がOFFであるので、処理S521で否定判定となって処理S524に移行する。よって、該ループから抜けるためには、電源投入時に遷移条件(4)(RWMクリアSW63と設定キーSW62が共にON)を満たす必要があるように構成されている。
本実施例の「初期設定処理」は、上述したように、電源投入時に遷移条件(4)を満たさなければ、「遊技停止」状態(設定状態フラグ=3の状態)から脱却不能に構成することで、以下のような効果を奏する。詳述すると、パチンコ機1は、出荷前に所定の検査に合格した後、工場から出荷される。仮に前記検査時の遊技情報がRWMに記憶されたとしても、該情報は一般的には、出荷後、ホールに設置されるまでの間に揮発してしまう。パチンコ機1の納品に併せてホールに提供される取扱説明書には、設置されたパチンコ機1に初めて電源投入する際には、遷移条件(4)を満たして(RWMクリアSW63および設定キーSW62を共にON状態)電源投入し、「設定変更」状態に遷移する手順が推奨されている。
しかし、この手順を踏まず、電源投入時に遷移条件(4)を満たさなければ、「起動処理」(図10参照)における処理S107〜処理S109の何れかの処理にて、「RWM異常」であると判定され、上述した遷移条件(7)、(8)、及び(9)のループに入ることになる。ホールの従業員は、該ループから抜けてパチンコ機1を稼働可能な状態にするためには、遷移条件(4)を満たしつつ電源投入し、「設定変更」状態を介して、「RWMクリア」状態に遷移する必要がある。これにより、出荷後初めて電源投入される場合や、設置場所の移動等で長時間電源投入されずに再度電源投入される場合等で、RWMの記憶情報が確実に保持されているか否かが不明な状態でも、必ずホールの従業員が自ら「設定変更」状態にて設定値を変更或いは確認することを担保として、遊技が可能な状態へ遷移する。よって、ホールは自ら確実に管理した段階設定値に基づいて、パチンコ機1を稼働することができる。
また本実施例の「初期設定処理」は、このような構成により例えば、「設定変更」状態(設定状態フラグが2)中に電断が発生した場合、「割込(INT)処理」(図11)の停電検出信号監視処理(処理S151)にて、バックアップフラグが設定される。その後に、電源投入されて、処理S107及び処理S108にて「RWM異常」ではないと判定されると、続く処理S109でバックアップフラグが設定されているので肯定判定となると、処理S110にて電断前からの設定状態フラグのフラグ値(この場合は2)を汎用レジスタにセットする。今回の電源投入時にRWMクリアSW63がON状態だったか、OFF状態だったかに関係無く(処理S113のRWMクリア処理を実行するか否かに関係無く)、汎用レジスタにセットされた情報は維持され、初期設定処理(処理S120)に移行する。「初期設定処理」(図22)の処理S500では、汎用レジスタに「RWM異常」を示す結果がセットされていないので否定判定となり、処理S501では、汎用レジスタに電断前に「設定変更」状態であったことを示すフラグ値がセットされているため肯定判定となり、設定変更報知処理(処理S505)を実行する。こうして、「設定変更」状態中に電断が発生すると、電源投入後に「RWM異常」でなければ必ず、再度、「設定変更」状態へ遷移するよう構成されており、「設定変更」状態中に設定キーSW62をONからOFFにして(遷移条件(6))、「RWMクリア」状態に遷移しない限り、遷移条件(5)、(8)、及び(9)のループから抜けることができないようになっている。
このように、パチンコ機1は、電源投入されるとその都度、「初期設定処理」にて設定状態フラグに何れかの値を設定することで、何れの状態に遷移するかを初期設定する。
以上が本実施例の「初期設定処理」である。
パチンコ機1の「設定状態確認処理」について、図24を参照して説明する。「設定状態確認処理」は、上述した「割込(INT)処理」の処理S154で実行される1モジュールである。
主制御装置40は、本処理「設定状態確認処理」を開始すると先ず、処理S600において、設定状態フラグが2か否かを判定し、肯定判定であれば(処理S600:yes)、処理S601に移行する。否定判定であれば(処理S600:no)、処理S611に移行する。
本処理S600には、上述した「割込(INT)処理」の処理S152及び処理S153によって、設定状態フラグが1または2の場合にしか移行しない。したがって、本処理S600では、設定状態フラグが2(「設定変更」状態)であるか、或いは1(「設定確認」状態)であるかを判定する。
尚、図示しないが、否定判定で(処理S600:no)、処理S611に移行するまでの間に、主制御装置40は、性能表示装置61にて現在の段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の設定処理を行う。
主制御装置40は、「設定変更」状態である場合に移行する処理S601において、設定キーSW62の検出信号を受信したか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S601:yes)、処理S602に移行する。否定判定であれば(処理S601:no)、処理S606に移行する。
本処理S601では、設定キーSW62と兼用して設けられたRWMクリアSW63に係る検出信号が発生したか否かを判定する。
主制御装置40は、処理S602において、設定変更処理を実行し、処理S603に移行する。本処理S602では、上記処理S601にて設定キーSW62の検出信号を受信する都度、新しい段階設定値に変更して、これを確定する処理を行う。
先ず、パチンコ機1において、上述したように、現状の段階設定値に係る情報は、「起動処理」(図10)のRWMクリア処理(処理S113)が実行されても消去されることのないRWM領域内の段階設定値に固有の領域(段階設定値記憶領域)に記憶保存されている。
本処理S602では、設定状態フラグが2の状態において、設定キーSW62(RWMクリアSW63にて兼用)に係る検出信号が発生すると、上記した段階設定値記憶領域にストアされている現在の段階設定値を、新しい段階設定値に書き換える処理を行う。段階設定値は、現状が設定値1から設定値5までの何れかである場合は、大当り抽選確率が1段階だけ高い段階設定値を新しい段階設定値として書き換え、現状が設定値6の場合には、最も大当り抽選確率の低い設定値1を新しい段階設定値として書き換える処理が行われる。よって、本実施例では、RWMクリアSW63を押下する毎に、設定値6までは1段階ずつレベルアップし、設定値6にて押下すると設定値1にレベルダウンするループとなっている。これに限定せず、逆に、設定値1までは1段階ずつレベルダウンし、設定値1にて押下すると設定値6にレベルアップするループとしても良い。
尚、本処理S602によって、主制御装置40は、RWMクリアSW63が押下される毎に、性能表示装置61にて新たな段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の更新を行う。
主制御装置40は、処理S603において、段階設定値記憶領域に新たに設定(保存)された段階設定値が、「段階設定値最大値」未満か否かを判定し、肯定判定であれば(処理S603:yes)、処理S605に移行する。否定判定であれば(処理S603:no)、処理S604に移行する。
本処理S603では、上述した「起動処理」(図10)の処理S108と同様の処理を行う。つまり、適正な段階設定値が設定されているか否かを監視する。
主制御装置40は、処理S604において、段階設定値を0に書き換えて最低設定とする処理を実行し、処理S605に移行する。本処理S604では、上記処理S603にて否定判定となると、現状の段階設定値を最も利得の小さい段階設定値に書き換え変更して、これを確定する処理を行う。
本処理S604では、段階設定値記憶領域の段階設定値を書き換えた結果、予定されていない不適正な段階設定値が設定されていると処理S603にて判定された場合に、最も大当り確率の低い設定値1に対応した段階設定値である0に書き換える処理を行う。これにより、例えば不正行為者が不当に利得を得ようとして、何らかの予定されていない段階設定値を設定したとしても、本処理S604にて最も利得が少ない設定に書き換えられるので、不正行為を未然に防止できる。また、不正行為を未然に防止しつつ、予定された正規の段階設定値に書き換えるので、当該パチンコ機1を遊技可能な状態とすることができる。つまり、当該パチンコ機1に対して、仮に不正な設定値の書き換えが行われる害を被ったとしても、稼働率を低下させることなく、不正行為を未然に防止できる。
尚、本処理S604にても、性能表示装置61にて新たな段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の更新を行う。
主制御装置40は、処理S605において、段階設定値更新コマンド送信処理を実行し、処理S606に移行する。
本処理S605では、処理S602又は処理S604で、段階設定値を新たに書き換えて更新した内容を示す段階設定値更新コマンドを、サブ統合制御装置42に送信する処理を行う。
尚、該コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、更新された段階設定値を示すデータを所定の段階設定値用バッファに格納し、該格納したデータを参照することで、所謂「設定示唆演出」等を行う際に、段階設定値に応じて、バリエーション豊富な演出を実施可能となっている。
主制御装置40は、処理S606において、設定キーSW62がONからOFFに切り替わったことを示す検出信号を受信したか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S606:yes)、処理S607に移行する。否定判定であれば(処理S606:no)、本処理を終了する。
本処理S606では、遊技施設の従業員等が設定キーSW62をONからOFFにすることで、設定変更を終了したか、否かを判定する。
尚、本実施例において、新たな段階設定値への確定は、上述した処理S602及び処理S604にて既に完了している。本処理S606では、設定キーSW62がOFFされたか否かに基づいて、単に設定変更の状態を終了するか否かを判定するための処理である。また、このような本実施例の構成に限定せず、例えば、処理S602及び処理S604にて変更することとなった新たな段階設定値を、上記段階設定値記憶領域とは別個設けられた所定の段階設定値用バッファに記憶して未確定の状態で維持しておき、本処理S606にて設定キーSW62がOFFされたことに基づいて、「設定変更」状態を終了させる処理と併せて、段階設定値用バッファに記憶している新たな段階設定値を参照して該段階設定値にて、段階設定値記憶領域の段階設定値を確定する処理を実行する構成としてもよい。
主制御装置40は、処理S606で肯定判定を得ると(設定キーSW62をONからOFFに切り替え、設定変更状態が終了すると)、処理S607に移行する。この処理S607では、変更時間維持フラグに1が設定される。ここで、変更時間維持フラグは、「設定変更」状態が終了した後に「設定値の表示」を維持していることを示すフラグであり、該フラグが1に設定されている間は「設定値の表示」を維持する。
このように変更表示維持フラグに1が設定されると、処理S608に移行し、変更表示維持カウンタに維持期間(例えば、3s)に対応したカウント値がセットされる。ここで、変更表示維持カウンタは、現状の段階設定値、例えば処理S602若しくは処理S604が行われたのであれば、該処理で変更された「新たな段階設定値」の表示を維持する期間(維持期間)を計時するためのカウンタで、後述する「LED出力処理」(図25)の処理S654にて減算される。尚、処理S608において、「LED出力処理」(図25)の実行周期が4msならば、カウント値として「750」がセットされる。
処理S608に続いて処理S609に移行する。この処理S609において、設定状態フラグを2から0に置き換えて設定し、処理S610において、RWMクリア報知処理を実行し、本処理を終了する。
この2つの処理では、上述した「初期設定処理」(図22)の処理S509及び処理S510と同様の処理を行う。RWMクリア報知処理は、「RWMクリア」状態に遷移する旨、また「起動処理」(図10)におけるRWMクリア処理(処理S113)が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
主制御装置40は、処理S600で否定判定の際、つまり「設定確認」状態である場合に移行する、処理S611において、設定キーSW62がONからOFFに切り替わったことを示す検出信号を受信したか否かを判定し、肯定判定であれば(処理S611:yes)、処理S612に移行する。否定判定であれば(処理S611:no)、本処理を終了する。
本処理S611では、遊技施設の従業員等が設定キーSW62をONからOFFにすることで、設定確認を終了したか、否かを判定する。
処理S612において、設定状態フラグを1から0に置き換えて設定し、処理S613において、バックアップ復帰報知処理を実行し、本処理を終了する。
この2つの処理では、上述した「初期設定処理」(図22)の処理S511及び処理S512と同様の処理を行う。バックアップ復帰報知処理は、「バックアップ復帰」状態に遷移する旨、また「起動処理」(図10)におけるバックアップされた電断前の状態への復帰が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
尚、上述したように、「設定状態確認処理」は、設定状態フラグが1または2の場合、すなわち「設定確認」状態または「設定変更」状態にある場合に実行する処理である。主制御装置40は、該「設定状態確認処理」が実行される際、つまり設定状態フラグが1または2に設定中においては、後述する「LED出力処理」(図25)によって、性能表示装置61にて現状の段階設定値を表示する。
ここで、性能表示装置61を用いた段階設定値の表示態様例について、性能表示装置61は、其々の桁が7セグメント表示装置でなる、4桁の表示器として構成されている。本来の性能表示機能としては、識別表示部(上位の2桁)で性能の種類を示し、性能表示部(下位の2桁)で演算の結果(性能)を示す。該性能表示装置61にて段階設定値を表示する場合、上位の2桁は、段階設定値の種別に関係無く、常時「−−」が表示される。また、下位の2桁は、段階設定値が例えば「設定値6」の場合、「−6」と表示される。同様に、他の段階設定値である「設定値5」〜「設定値1」の場合も、「−5」〜「−1」と表示される。
尚、「設定確認」状態または「設定変更」状態によって、同じ段階設定値を表示するとしても、異なる表示態様とすることで、現状がどちらの状態であるかを認識可能としている。つまり、「設定確認」状態においては、例えば「−−−6」を点灯状態(例えば、赤色の点灯状態)とし、「設定変更」状態においては、「−−−6」を点滅状態(例えば、赤色の点滅状態)とする。これにより、両状態を点灯状態か点滅状態かで識別が容易となる。また、「設定確認」状態で、点灯状態とすることで、設定を確認し易くしている。
該表示態様は、何れの状態においても、設定キーSW62がONからOFFに切り替わることに基づき終了する。つまり、設定状態フラグが1から0に変更されると即時終了し、設定状態フラグが2から0に変更されると所定の表示維持期間が経過するか、表示維持を終了させる操作が行われた時点で終了する。
本実施例の、上記処理S600にて否定判定(処理S600:no)となり処理S611に移行するまでの間や、処理S602、及び処理S604において、実行される表示データ(セグメントデータ)を更新或いは設定する処理は、「割込(INT)処理」におけるセグメントデータ設定処理(処理S167)と同様の処理である。
以上が本実施例の「設定状態確認処理」である。
パチンコ機1の「LED出力処理」について、図25を参照して説明する。「LED出力処理」は、上述した「割込(INT)処理」(図11)の処理S168で実行される1モジュールである。
主制御装置40は本処理「LED出力処理」を開始すると先ず、処理S650において、設定状態フラグが1または2か否かを判定し、肯定判定であれば(処理S650:yes)、処理S651に移行する。否定判定であれば(処理S650:no)、処理S652に移行する。
処理S650では、現在の状態が、「設定変更」状態または「設定確認」状態の何れかであるか否かを判定する。
主制御装置40は、現在の状態が、「設定変更」状態または「設定確認」状態の何れでもない場合に移行する処理S652においては、変更表示維持フラグの値が1であるか否かを判定する。否定判定される場合(処理S652:no)には、そのまま処理S659に移行し、肯定判定される場合(処理S652:yes)には、処理S653以降の処理を経て処理S659に移行する。
処理S652で肯定判定される場合に移行する、処理S653では、性能表示装置61にて、変更結果(処理S602若しくは処理S604で変更された「新たな段階設定値」)を、「設定変更」状態中とは異なる表示態様で表示する。ここで、処理S653に示す「異なる表示態様」の具体例を以下に例示する。例えば、(1)「設定変更」状態中に設定値を「点滅表示」する場合、「表示維持期間」中(変更表示維持フラグ=1)に設定値を「点灯表示」する態様(以下、第1態様という)、(2)「設定変更」状態中と「表示維持期間中」とで表示色が異なる態様(例えば、一方が赤色表示で他方が青色表示、以下、第2態様という)、(3)第1態様及び第2態様を同時に具備する態様等を例示できる。
このように、「設定変更」状態中と「表示維持期間」中とで設定値の表示態様を異ならせ、「設定変更」状態中では、段階設定値の変更が可能であることを目立つように表示(例えば、赤色で点滅表示)させることで、注意を促すことができ、確実に設定変更の作業を行わせことができる。しかも、表示維持期間中は異なる表示態様(例えば、青色)で点灯するため、確定した設定値を作業者(遊技施設の従業員)に対して確実に示すことができる。しかも、「表示維持期間」中には点灯状態とすることで、速やかな確認を容易とし、秘匿すべき設定値の表示を可能な限り早期に終了させることができる。
尚、「設定確認」状態である場合と、「設定変更」状態である場合と、「表示維持期間」中である場合とで、設定値の表示態様が全て異なるようにし、何れの場合であるかを一見して把握容易とすることが更に望ましい。例えば、「設定確認」状態において設定値を赤色で点灯表示し、「設定変更」状態において設定値を赤色で点滅表示する場合には、「表示維持期間」中において設定値を青色で点灯表示若しくは青色で点滅表示すると、何れの場合であるかを一見して把握容易となる。この場合、遊技施設の従業員が、多数のパチンコ機を管理(メンテナンス等)する上で有用である。
主制御装置40は、処理S653に続いて、処理S654を実行する。この処理S654は、変更表示維持カウンタを減算する処理である。つまり、この処理S654では、「LED出力処理」の実行周期毎(例えば、4ms毎)に変更表示維持カウンタの値を「1」デクリメントする。
処理S654に続いて処理S655に移行し、変更表示維持カウンタのカウント値が「0」になったか否か、つまり、「表示維持期間」が終了したか否かを判定し、肯定判定される場合には(処理S655:yes)、変更表示維持カウンタをリセットする処理(処理S657)と、変更表示維持フラグの値を「0」にする処理(処理S658)を行った後、処理S659に移行する。
一方、処理S655で否定判定される場合には(処理S655:no)、処理S656において、RWMクリアSW63がONであるか否かを判定する。そして、処理S656で否定判定される場合(処理S656:no)には、処理S660に移行する。つまり、「表示維持期間」が終了しておらず、しかも、RWMクリアSW63のON(つまり、操作手段に操作が施されていない場合)には、そのまま処理S660に移行する。
これに対して、処理S656で肯定判定される場合(処理S656:yes)には、処理S657、処理S658を経て処理S659に移行し、更に処理S660に移行する。
このように本実施例では、「LED出力処理」の処理S658で、変更表示維持フラグを0にする契機として、処理S655の肯定判定(維持期間の満了)以外に、処理S656の肯定判定(RWMクリアSW63のON、つまり操作手段の操作有り)を備えている。すなわち、変更表示維持カウンタのカウント値が0となるか、又はRWMクリアSW63がON操作されるか、の何れか先に発生した場合、これを契機として、変更表示維持フラグを0クリアする。
以上のように、処理S652で否定判定されるか、処理S658を実行すると、処理S659に移行する。そして、処理S659で性能表示装置61によって、パチンコ機1の性能表示を行うための性能表示処理を実行して、処理S660に移行する。
主制御装置40は、現在の状態が、「設定変更」状態または「設定確認」状態の何れかである場合に移行する、処理S651において、性能表示装置61によって、パチンコ機1の現在の段階設定値の表示を行うための処理を実行して、処理S660に移行する。
主制御装置40は、処理S660において、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291等の、各種LED等の発光を行うための処理を実行して、本処理を終了する。
尚、本実施例の「LED出力処理」は、上述したように現在の設定状態フラグの値に応じて、異なる処理を実行可能な構成としたが、これに限定するものではない。すなわち単純に、設定されているセグメントデータに基づき、発光表示を行う処理として構成してもよい。その場合には、セグメントデータは、どのLEDコモンを、どのような表示態様にて発光させるかについて示されていることが好適である。これにより、現在の設定状態フラグの値に関係無く、性能表示装置61や、各種LEDの発光表示を行うことができる。
以上が本実施例の「LED出力処理」である。
本実施例では、上述した図10、図11、及び図22〜図24の制御処理によって、特異な状態遷移を可能としている。本実施例の状態遷移および遷移条件について、図26を参照することで、体系的に説明する。
先ずパチンコ機1は、これまで説明してきたように、大当りに抽選確率の異なる複数種類の、具体的には設定値1〜設定値6までの6種類の段階設定値(所謂設定)を備える共に、段階設定値を変更可能な「設定変更」状態、確認可能な「設定確認」状態を備えている。
更にパチンコ機1は、図26(a)に示すように、上記「設定変更」状態および「設定確認」状態、の他に、少なくとも、「遊技停止」状態、「RWMクリア」状態、及び「バックアップ復帰」状態、に遷移可能に構成される。
これらの各種状態について、個々に概要を説明する。
「設定変更」状態は、段階設定値に関して、例えば遊技施設の従業員が、現状の段階設定値を他の段階設定値に変更可能な状態である。
「設定確認」状態は、同じく段階設定値に関して、例えば遊技施設の従業員が、現状の段階設定値が何れの段階設定値に設定されているのかを視覚的に確認可能な状態である。
「遊技停止」状態は、電源投入時にRWMが異常であると判定された際に、遊技者に遊技停止を促すと共に、例えば遊技施設の従業員による適切な対処を促す報知を行うことが可能な状態である。
「RWMクリア」状態は、電源投入時にRWMに記憶された情報を消去するRWMクリア処理を行ったことを報知し、「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」である。
「バックアップ復帰」状態は、電源投入時に電断前のバックアップしておいた遊技機の状態に復帰させる処理を行ったことを報知し、「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」である。
尚、「RWMクリア」状態と「バックアップ復帰」状態は、従前の遊技機が備えていたものと同様の状態であって、「通常遊技が可能な状態」を構成するものである。
上記各種状態間の遷移は、図26(a)及び(b)示すように、一定の規則性を有している。つまり、ある状態から、特定の遷移条件を満たした場合に、予め定められた状態に限って遷移可能となっている。以下、各遷移について、上述した図10、図11、及び図22〜図24の制御処理を具体的に交えながら説明する。
先ず、遷移条件(4)の、「RWMクリアSW63と設定キーSW62が共にONである状態」で、電源投入(図3及び図7に示す電源SW65の、OFFからONへの切り替え)が為された場合、「設定変更」状態に遷移する。
当該遷移は、「起動処理」(図10)の処理S111で肯定判定となり、処理S113の処理後、「初期設定処理」(図22)の処理S504を実行すること、又は、同じく「初期設定処理」(図23)の処理S522を実行すること、によって実現可能となっている。
処理S504は、今回の電源投入時にRWM異常ではなく、且つRWMクリアSW63と設定キーSW62が共にONの場合、つまり特に異常が無い状態での「設定変更」状態への移行処理である。
処理S522は、今回の電源投入時にRWM異常であった場合(具体的には、電断前に「遊技停止」状態であったことからバックアップフラグ及びチェックサムの計算値が設定されず、これにより今回の電源投入時にRWM異常となった場合)であって、且つRWMクリアSW63と設定キーSW62が共にONの場合に、「設定変更」状態に遷移する処理であって、後述する遷移条件(7)、(8)及び(9)のループを抜け出す唯一の処理である。
また、遷移条件(5)の、「RWM異常ではなく、且つ、電断前の状態が「設定変更」状態である状態」で、電源投入が為された場合、「設定変更」状態に遷移する。
当該遷移は、「設定状態確認処理」(図24)の実行中において、処理S605を処理後且つ処理S606で肯定判定となる前に、すなわち設定キーSW62がONからOFFに切り替えられる前に、電断が発生し、電源投入されて「起動処理」(図10)の処理S107、処理S108、及び処理S109でRWM異常ではないと判定され、次いで処理S110にて設定状態フラグの値(この場合は2)を汎用レジスタにセットし、処理S111にて肯定判定であれば処理S113を介して、また、否定判定であれば直接、処理S120の「初期設定処理」に移行する。「初期設定処理」において、処理S500にて判定の際に参照する値は、「起動処理」(図10)の処理S112にてセットされる汎用レジスタの値であり、また、処理S501にて判定の際に参照する値は、「起動処理」(図10)の処理S110にてセットされる汎用レジスタの値であり、何れもRWMクリア処理が実行されても消去されることのないレジスタ内に維持されている値である。これらの値を参照することで、処理S500が否定判定、処理S501が肯定判定となって、既に設定状態フラグに2が設定されているため処理S504を介さず、処理S505の設定変更報知処理を実行することで実現可能となっている。なお、処理S501で参照する値を、RWMクリア処理に影響を受けない汎用レジスタにセットすることで、電源投入時にRWMクリアSW63をONのままで電源SW65をONして、処理S111にて肯定判定となることで処理S113のRWMクリア処理が実行されたとしても、設定状態フラグの値(この場合は2)は、「初期設定処理」の処理S501で参照されるまで維持される。これにより、「設定変更」状態にて電断が発生し、再度電源投入されたとき、RWMに異常が無ければ、必ず再度、「設定変更」状態に遷移するよう構成されている。このため、「設定変更」状態にて設定を未完了のままでは、再度電源投入しても、そのまま「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」、すなわち、「RWMクリア」状態や「バックアップ復帰」状態には遷移不能とする処理である。つまり、「設定変更」状態を終了していない状態では、「通常遊技」を実行不能とする制御処理である。
また、遷移条件(3)の、「RWMクリアSW63がOFFで、且つ設定キーSW62がONである状態」で、電源投入が為された場合、「設定確認」状態に遷移する。
当該遷移は、「起動処理」(図10)の処理S111で否定判定となり、「初期設定処理」(図22)の処理S507を実行すること、によって実現可能となっている。
更に、遷移条件(7)の、「RWM異常と判定され、且つ、RWMクリアSW63と設定キーSW62の内の少なくとも何れか一方がONではない状態」で、電源投入が為された場合、「遊技停止」状態に遷移する。詳しくは、「RWMクリアSW63と設定キーSW62の内の少なくとも何れか一方がONではない」状態とは、「RWMクリアSW63と設定キーSW62の双方が共にONである状態を満たしていない」状態であって、要するに遷移条件(4)(RWMクリアSW63と設定キーSW62の両方が共にON)を満たさない状態である。
当該遷移は、「起動処理」(図10)の処理S107、処理S108、又は処理S109の何れかの処理でRWM異常と判定され、処理S112及び処理S111の処理を行い、「初期設定処理」(図23)の処理S524を実行すること、によって実現可能となっている。或いは、前記処理S524の実行後に電断(「遊技停止」状態であるためバックアップフラグ及びチェックサムの計算値が設定されず)し、次いで上記遷移条件(4)を満たすことなく電源投入が為された場合、「起動処理」(図10)の処理S109で否定判定となり、「初期設定処理」(図23)の処理S522又は処理S521にて否定判定となって再度、処理S524を実行すること、によって実現可能となっている。
このように、「設定変更」状態、「設定確認」状態、及び「遊技停止」状態は、電源投入時に限って、且つ所定の遷移条件を満たした場合にのみ、遷移可能な状態である。これら3種類の状態は、電源投入状態以外の他の状態からの遷移は不能となっている。
本実施例では、これら3種類の状態の他に、電源投入時には「RWMクリア」状態と「バックアップ復帰」状態にも遷移する。
すなわち、遷移条件(2)の、「RWMクリアSW63がONで、且つ設定キーSW62がOFFである状態」で、電源投入が為された場合、「RWMクリア」状態に遷移する。
当該遷移は、「起動処理」(図10)の処理S111で肯定判定となり、処理S111の処理後、「初期設定処理」(図22)の処理S509を実行すること、によって実現可能となっている。処理S509は、今回の電源投入時にRWM異常ではなく、且つRWMクリアSW63がONで、設定キーSW62がOFFの場合、つまり特に異常が無い場合の「RWMクリア」状態への移行処理である。
また、遷移条件(1)の、「RWMクリアSW63がOFFで、且つ設定キーSW62がOFFである状態」で、電源投入が為された場合、「バックアップ復帰」状態に遷移する。
当該遷移は、「起動処理」(図10)の処理S111で否定判定となり、「初期設定処理」(図22)の処理S511を実行すること、によって実現可能となっている。処理S511は、今回の電源投入時にRWM異常ではなく、且つRWMクリアSW63がOFFで、設定キーSW62がOFFの場合、つまり特に異常が無い場合の「バックアップ復帰」状態への移行処理である。
本実施例では、「設定変更」状態からは「RWMクリア」状態にのみ遷移し、「設定確認」状態からは「バックアップ復帰」状態にのみ遷移する。
すなわち、「設定変更」状態中において、遷移条件(6)の、「設定キーSW62がONからOFFの状態に変化したとき」に、「RWMクリア」状態に遷移する。つまり、設定キーSW62をOFFにすることで「設定変更」状態を終了した場合に、「RWMクリア」状態に遷移する。
当該遷移は、「割込(INT)処理」(図11)の処理S152及び処理S153が共に否定判定となり、「設定状態確認処理」(図24)の処理S609を実行すること、によって実現可能となっている。
また、「設定確認」状態中において、同じく遷移条件(6)の、「設定キーSW62がONからOFFの状態に変化したとき」に、「バックアップ復帰」状態に遷移する。つまり、設定キーSW62をOFFにすることで設定確認を完了した場合に、「バックアップ復帰」状態に遷移する。
当該遷移は、「割込(INT)処理」(図11)の処理S152及び処理S153が共に否定判定となり、「設定状態確認処理」(図24)の処理S612を実行すること、によって実現可能となっている。
このように本実施例では、「RWMクリア」状態への遷移は、電源投入時に、遷移条件(2)又は(4)を満たしている場合に限られる。すなわち、設定キーSW62の状態に関係無く、RWMクリアSW63がONである場合には、「RWMクリア」状態に遷移する。
当該遷移は、「初期設定処理」(図22)の処理S502で肯定判定の場合、処理S509を実行することで直接的に「RWMクリア」状態に遷移するか、或いは、同じく「初期設定処理」(図22)の処理S502で肯定判定の場合、処理S504を実行することで一旦「設定変更」状態を介して、その後に、「設定状態確認処理」(図24)の処理S609を実行することで、間接的に「RWMクリア」状態に遷移するか、の何れかによって実現可能となっている。
また、「バックアップ復帰」状態への遷移は、電源投入時に、遷移条件(1)又は(3)を満たしている場合に限られる。すなわち、設定キーSW62の状態に関係無く、RWMクリアSW63がOFFである場合には、「バックアップ復帰」状態に遷移する。
当該遷移は、「初期設定処理」(図22)の処理S502で否定判定の場合、処理S511を実行することで直接的に「バックアップ復帰」状態に遷移するか、或いは、同じく「初期設定処理」(図22)の処理S502で否定判定の場合、処理S507を実行することで一旦「設定確認」状態を介して、その後に、「設定状態確認処理」(図24)の処理S612を実行することで、間接的に「バックアップ復帰」状態に遷移するか、の何れかによって実現可能となっている。
本実施例において、「遊技停止」状態から遷移可能な状態は、電源断(電断)状態に限定される。
すなわち、「遊技停止」状態中において、遊技者により遊技が停止されて遊技施設の従業員等によって遷移条件(8)の、「電源SW65がONからOFFの状態に変化した」ときに、電源遮断状態に遷移する。
また、「RWMクリア」状態中および「バックアップ復帰」状態中においても、同じく遷移条件(8)の、「電源SW65がONからOFFの状態に変化した」ときには、電源遮断状態に遷移する。何れの状態においても、電源SW65が切られると、「割込(INT)処理」(図11)の処理S151の停電検出信号監視処理にて、停電検出信号の検出に基づき上述した電断時の処理を実行する。
また、「設定変更」状態中および「設定確認」状態中においても、同じく遷移条件(8)の、「電源SW65がONからOFFの状態に変化したとき」には、電源遮断状態に遷移する。「設定変更」状態中に設定キーSW62をOFF(設定変更状態を終了)する前の状態、また、「設定確認」状態中に設定キーSW62をOFF(設定確認状態を終了)する前の状態、の何れの状態においても、電源SW65が切られると、「割込(INT)処理」(図11)の処理S151の停電検出信号監視処理にて、停電検出信号の検出に基づき上述した電断時の処理を実行する。
そして、電源遮断状態中に、遷移条件(9)の、「電源SW65がOFFからONの状態に変化した」ときに、電源投入状態に遷移する。
但し、遷移条件(8)の内で、「遊技停止」状態中に電断が発生した場合に限っては、上述したように、バックアップフラグ及びチェックサムの計算値が設定されず、電源投入されると再度RWM異常と判定されるよう構成されている。したがって、本実施例では一旦、遷移条件(7)から(8)を経て電源遮断状態となった場合には、遷移条件(9)により電源投入状態へ遷移したとしても、上記遷移条件(4)を満たして「設定変更」状態に遷移しない限り、遷移条件(7)、(8)及び(9)のループから抜けて他の状態へ遷移することが不能に構成されている。よって、繰り返しになるが、該ループから遷移可能な状態は、電源投入時に遷移条件(4)を満たすことで移行可能な状態としての「設定変更」状態に限定される。
当該ループとなる遷移は、上述したように、「起動処理」(図10)の処理S107、処理S108、又は処理S109の何れかの処理でRWM異常と判定され、処理S112及び処理S111の処理を行い、「初期設定処理」(図23)の処理S524を実行すること、によって設定状態フラグに3がセットされた後、電断および再度、電源投入が行われると、「起動処理」(図10)の処理S109で否定判定となり、遷移条件(4)を満たしていなければ、「初期設定処理」(図23)で処理S520又は処理S521が否定判定となることで、再度処理S524が実行され、上記ループが実現される。
一方、電断から再度電源投入される際に、遷移条件(4)を満たしている場合には、「起動処理」(図10)の処理S109で否定判定となって、処理S112、及び処理S111を実行後に、「初期設定処理」に移行する。そして、「初期設定処理」(図23)で処理S520及び処理S521が肯定判定となって、処理S522が実行されることで、上記ループから抜けることができる。
以上が、本実施例のパチンコ機1の状態遷移や遷移条件に係る構成である。
尚、図26(a)においては、「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」を「通常遊技状態」と記載している。
次に、パチンコ機1の設定示唆演出に関する機能について説明する。
パチンコ機1では、設定示唆演出は、大当り遊技の終了演出時に実施可能とされている。
パチンコ機1は、設定示唆演出を実施するにあたり、遊技者に特典権が付与されていることを条件としている。更に、設定示唆演出は、遊技者の意思に応じて実施される。例えば、設定示唆演出は、特典権の条件が成立すると、遊技者に所定の操作を行うように促す操作表示(操作演出)を行う。これに応じて、遊技者が所定の操作を行うことで設定示唆が実施される。
特典権が付与される条件は、例えば、遊技者が遊技を行う継続期間が長いほうが容易に付与される条件であり、遊技者が遊技を開始してから、第1特図および第2特図の変動回数が100の倍数回に達する毎に付与される。特典権は、付与される毎に蓄積(ストック)され、特典権数値(ストック数)として記憶される。パチンコ機1では特典権の最大ストック数が「8」である。
パチンコ機1は、設定示唆演出として、複数種類の演出を備え、何れか一つの演出が選択され実施される。複数種類の演出は、各々、設定値を特定する度合い表す演出内容が異なる構成である。設定示唆演出は、特典権のストック数および現在の設定値に応じて、演出内容の選択率(実施確率)が異なる構成である。
図27に基づいて、設定示唆演出の種類、特典権のストック数および設定値に応じた選択率を説明する。
パチンコ機1は、特典権のストックが「1,2,4,8」の何れかであるときに設定示唆演出を実施可能である。
設定示唆演出の種類は、「通常演出」、「奇数示唆演出」、「偶数示唆演出」、「設定2以上示唆演出」、「設定3以上示唆演出」、「高設定示唆演出」、「設定5以上示唆演出」、「設定6確定演出」からなる8種類である。
「通常演出」は、設定示唆の要素を含まない演出であり、設定示唆演出が行われない大当り遊技の終了演出と同一である。
「奇数示唆演出」は、「設定値1」、「設定値3」、「設定値5」の何れかであることを示唆する演出である。
「偶数示唆演出」は、「設定値2」、「設定値4」、「設定値6」の何れかであることを示唆する演出である。
「設定2以上示唆演出」は、「設定値2」、「設定値3」、「設定値4」、「設定値5」、「設定値6」の何れかであることを示唆する演出である。
「設定3以上示唆演出」は、「設定値3」、「設定値4」、「設定値5」、「設定値6」の何れかであることを示唆する演出である。
「高設定示唆演出」は「設定値4」、「設定値5」、「設定値6」の何れかであることを示唆する演出である。
「設定5以上示唆演出」は、「設定値5」、「設定値6」の何れかであることを示唆する演出である。
「設定6確定演出」は、「設定値6」であることを示唆する演出である。
各演出の選択率(実施率)は、特典権のストック数および設定値に応じて相違する。例えば、特典権が「1ストック」にて実施される設定示唆演出において、「通常演出」は、「設定値1」乃至「設定値6」の何れであっても90%の確率で選択される。尚、全ての設定値において、必ずしも固定された確率でなくてもよい。
「奇数示唆演出」は、「設定値1」のときに10%の確率、「設定値3」のときに4%の確率、「設定値5」のときには2%の確率で選択される。
「偶数示唆演出」は、「設定値2」のときに5%の確率、「設定値4」又は「設定値6」のときには何れも2.5%の確率で選択される。
「設定2以上示唆演出」は、「設定値2」のときに5%の確率、「設定値3」のときに3%の確率、「設定値4」のときに2.5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも2%の確率で選択される。
「設定3以上示唆演出」は、「設定値3」のときに3%の確率、「設定値4」のときに2.5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも2%の確率で選択される。
「高設定示唆演出」は、「設定値4」のときに2.5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも2%の確率で選択される。
「設定5以上示唆演出」は、「設定値5」のときに2%の確率、「設定値6」のときに1%の確率で選択される。
「設定6確定示唆演出」は、「設定値6」のときに0.5%の確率で選択される。
特典権が「2ストック」にて実施される設定示唆演出では、「通常演出」は、「設定値1」乃至「設定値6」の何れであっても80%の確率で選択される。尚、全ての設定値において、必ずしも固定された確率でなくてもよい。
「奇数示唆演出」は、「設定値1」のときに20%の確率、「設定値3」のときに8%の確率、「設定値5」のときには4%の確率で選択される。
「偶数示唆演出」は、「設定値2」のときに10%の確率、「設定値4」又は「設定値6」のときには何れも5%の確率で選択される。
「設定2以上示唆演出」は、「設定値2」のときに10%の確率、「設定値3」のときに6%の確率、「設定値4」のときに5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも4%の確率で選択される。
「設定3以上示唆演出」は、「設定値3」のときに6%の確率、「設定値4」のときに5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも4%の確率で選択される。
「高設定示唆演出」は、「設定値4」のときに5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも4%の確率で選択される。
「設定5以上示唆演出」は、「設定値5」のときに4%の確率、「設定値6」のときに2%の確率で選択される。
「設定6確定示唆演出」は、「設定値6」のときに1%の確率で選択される。
特典権が「4ストック」にて実施される設定示唆演出では、「通常演出」は、「設定値1」乃至「設定値6」の何れであっても60%の確率で選択される。尚、全ての設定値において、必ずしも固定された確率でなくてもよい。
「奇数示唆演出」は、「設定値1」のときに40%の確率、「設定値3」のときに16%の確率、「設定値5」のときには8%の確率で選択される。
「偶数示唆演出」は、「設定値2」のときに20%の確率、「設定値4」又は「設定値6」のときには何れも10%の確率で選択される。
「設定2以上示唆演出」は、「設定値2」のときに20%の確率、「設定値3」のときに12%の確率、「設定値4」のときに10%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも8%の確率で選択される。
「設定3以上示唆演出」は、「設定値3」のときに12%の確率、「設定値4」のときに10%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも8%の確率で選択される。
「高設定示唆演出」は、「設定値4」のときに10%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも8%の確率で選択される。
「設定5以上示唆演出」は、「設定値5」のときに8%の確率、「設定値6」のときに4%の確率で選択される。
「設定6確定示唆演出」は、「設定値6」のときに2%の確率で選択される。
特典権が「8ストック」にて実施される設定示唆演出では、「通常演出」は、「設定値1」乃至「設定値6」の何れであっても30%の確率で選択される。尚、全ての設定値において、必ずしも固定された確率でなくてもよい。
「奇数示唆演出」は、「設定値1」のときに70%の確率、「設定値3」のときに32%の確率、「設定値5」のときには14%の確率で選択される。
「偶数示唆演出」は、「設定値2」のときに35%の確率、「設定値4」又は「設定値6」のときには何れも17.5%の確率で選択される。
「設定2以上示唆演出」は、「設定値2」のときに35%の確率、「設定値3」のときに19%の確率、「設定値4」のときに17.5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも14%の確率で選択される。
「設定3以上示唆演出」は、「設定値3」のときに19%の確率、「設定値4」のときに17.5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも14%の確率で選択される。
「高設定示唆演出」は、「設定値4」のときに17.5%の確率、「設定値5」又は「設定値6」のときには何れも14%の確率で選択される。
「設定5以上示唆演出」は、「設定値5」のときに14%の確率、「設定値6」のときに7%の確率で選択される。
「設定6確定示唆演出」は、「設定値6」のときに3.5%の確率で選択される。
このように設定示唆演出は、「高設定示唆演出」乃至「設定値6確定示唆演出」などの設定値を特定できる度合いの高い演出は、特典権のストック数が多いほうが選択される確率が高く設定されている。
図28に示す「特典権付与処理A」は、サブ統合制御装置42で実行されるプログラム処理であり、特典権を付与するか否かを判定し、特典権の付与と、その記憶(ストック)を行う処理である。
「特典権付与処理A」は、先ず、処理S700において主制御装置40から第1特図又は第2特図の変動開始を指示するコマンド(図15、処理S320参照)を受信したか否か判定する。否定判定であれば(処理S700:no)、本処理を終了して、サブ統合制御装置42で実行されるメインのプログラム処理にリターンする。
肯定判定であれば(処理S700:yes)、処理S701において、遊技者が遊技を開始してからの第1特図および第2特図の変動回数をカウントする。
次に、処理S702において第1特図および第2特図の変動回数は100の倍数回であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S702:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S702:yes)、処理S703において特典権のストック数が最大ストック数である「8」未満であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S703:no)、リターンする。
前記処理S703にて肯定判定であれば(処理S703:yes)、処理S704において特典権を付与し、そのストック数を加算(+1)する。続いて処理S705において特典権のストック数を記憶する。
「特典権付与処理A」では、遊技者が遊技を開始してから遊技の継続期間が長ければ、その分、特典権が蓄積される構成である。即ち、遊技の継続期間が長ければ、第1特図及び第2特図の変動回数が増す。本処理「特典権付与処理A」では、変動回数が100回毎に、特典権が付与されるので、変動回数が300回に達すると、特典権のストック数が「3」となり、最大8ストックまで蓄積される。
図29に示す「設定示唆演出実施処理」は、特典権の有無に応じて設定示唆演出を実施する処理である。「設定示唆演出実施処理」はサブ統合制御装置42で実行されるプログラム処理である。
「設定示唆演出実施処理」は、先ず、処理S800において操作待機フラグが「0」であるか否か判定する。操作待機フラグは、設定示唆演出を実施するか否かを問うために遊技者に所定の操作を促す操作表示が実施されることによりセットされるフラグであり、遊技者の操作待ちの状態を示す。
前記処理S800にて否定判定であれば(処理S800:no)、処理S805へ移行する。
肯定判定であれば(処理S800:yes)、処理S801において主制御装置からの指示(図20、処理S422参照)に応じて大当り遊技終了演出が開始された状態であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S801:no)、本処理を終了して、サブ統合制御装置42で実行されるメインのプログラム処理にリターンする。
前記処理S801にて肯定判定であれば(処理S801:yes)、処理S802において特典権のストックがあるか否か判定する。否定判定であれば(処理S802:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S802:yes)、処理S803において設定示唆演出を実施するか否かを遊技者に問う操作表示を実施する。これによりサブ統合制御装置42から操作表示を指示するコマンドが演出図柄制御装置43へ送信され、演出図柄制御装置43の制御により演出図柄表示装置21において大当り遊技終了演出中に操作表示が実施される。
次に、処理S804において操作待機フラグに「1」をセットする。
処理S805においては、遊技者により設定示唆演出を行う意思を示す操作が行われたか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S805:yes)、処理S806において設定示唆演出の演出内容を決定する。設定示唆演出の演出内容を決定する処理については後述する。
続く処理S807において内容が決定された設定示唆演出を実施する処理を行う。これによりサブ統合制御装置42から設定示唆演出の実施を指示するコマンドが演出図柄制御装置43へ送信され、演出図柄制御装置43の制御により演出図柄表示装置21において設定示唆演出が実施される。
続く処理S808において特典権のストック数が更新される。これによれば、設定示唆演出の実施により使用された特典権の数値を記憶されているストック数から減算し、減算した結果が新たなストック数として記憶される。
次に、処理S809において操作待機フラグを「0」にしてリセットする。その後、リターンする。
前記処理S805に否定判定であれば(処理S805:no)、処理S810において操作表示の終了時間であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S810:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S810:yes)、処理S811において操作表示の終了処理を行う。これによりサブ統合制御装置42から操作表示の終了を指示するコマンドが演出図柄制御装置43へ送信され、演出図柄制御装置43の制御により演出図柄表示装置21において操作表示が終了する。
その後、処理S809において操作待機フラグを「0」にしてリセットする。その後、リターンする。即ち、前記処理S805において遊技者の操作がなければ、設定示唆演出は実施されない。
次に、前記処理S806で実行される「設定示唆演出内容決定処理」について説明する。図30に示すように、本処理「設定示唆演出内容決定処理」では、先ず、処理S850において特典権のストック数を確認する。続いて、処理S851において設定値を確認する。
そして、処理S852において、確認したて特典権のストック数と設定値に応じて演出内容を決定する抽選を実効する。この場合、例えば、前記処理S850で確認したストック数が「3」であれば、「2ストック」と前記処理S851で確認した設定値に応じて演出内容が抽選され、ストック数が「5,6,7」であれば、「4ストック」に応じて演出内容が抽選される。
演出内容を決定する抽選は、例えば、「0〜199」の200個の数値範囲から一つの乱数値を抽出し、抽出した乱数値を、ストック数と設定値との組み合わせに応じて設け設定された判定テーブルと対比して演出内容を決定する。即ち、「1ストック」と「設定値1」との組み合わせ応じた判定テーブルでは、図27を参照に、乱数値が数値範囲の90%にあたる「0から179」の何れかであれば「通常演出」に決定され、乱数値が数値範囲の10%にあたる「180から199」の何れかであれば「奇数示唆演出」に決定される。
例えば、「2ストック」と「設定値4」との組み合わせ応じた判定テーブルでは、乱数値が数値範囲の80%にあたる「0から159」の何れかであれば「通常演出」に決定され、乱数値が数値範囲の5%にあたる「160から169」の何れかであれば「偶数示唆演出」に決定される。また、乱数値が数値範囲の5%にあたる「170から179」の何れかであれば「設定2以上示唆演出」に決定され、乱数値が数値範囲の5%にあたる「180から189」の何れかであれば「設定3以上示唆演出」に決定される。更に、乱数値が数値範囲の5%にあたる「190から199」の何れかであれば「高設定示唆演出」に決定される。
例えば、「4ストック」と「設定値6」との組み合わせ応じた判定テーブルでは、乱数値が数値範囲の60%にあたる「0から119」の何れかであれば「通常演出」に決定され、乱数値が数値範囲の10%にあたる「120から139」の何れかであれば「偶数示唆演出」に決定される。また、乱数値が数値範囲の8%にあたる「140から155」の何れかであれば「設定2以上示唆演出」に決定され、乱数値が数値範囲の8%にあたる「156から171」の何れかであれば「設定3以上示唆演出」に決定される。更に、乱数値が数値範囲の8%にあたる「172から187」の何れかであれば「高設定示唆演出」に決定され、乱数値が数値範囲の4%にあたる「188から195」の何れかであれば「設定5以上示唆演出」に決定される。更にまた、乱数値が数値範囲の2%にあたる「196から199」の何れかであれば「設定6確定示唆演出」に決定される。
図30に示すように、前記処理S853の抽選処理の後に、処理S853において抽選結果に基づいて設定示唆演出の演出内容が確定される。
その後、前記処理S806(図29)へリターンする。
本「設定示唆演出実施処理」及び「設定示唆演出内容決定処理」では、大当り遊技が生起すると、例えば、大当り遊技終了演出にて、特典権が付与されているか否か判定し、特典権が付与されていれば、設定示唆演出処理を実施可能とする。
そして、演出ボタン15の操作を促す操作表示を行い、遊技者が設定示唆演出の実施を望むか否かといった遊技者の意思を確認する。そして、遊技者により演出ボタン15が操作されれば設定示唆演出を実施する。
この場合、設定示唆演出は、特典権のストック数が「1,2,4,8」に応じて実施する構成であり、特典権のストック数が「3」であれば、「2ストック」に応じた設定示唆演出が実施される。また、特典権のストック数が「5,6,7」であれば、「4ストック」に応じた設定示唆演出が実施される。
また、設定示唆演出の実施に応じて、特典権のストック数が更新される。例えば、ストック数が「1」で「1ストック」の設定示唆演出が実施された場合、及び、ストック数が「2」で「2ストック」の設定示唆演出が実施された場合には特典権のストック数は更新されて「0」となる。また、ストック数が「3」で「2ストック」の設定示唆演出が実施された場合、及び、ストック数が「5」で「4ストック」の設定示唆演出が実施された場合には、特典権のストック数は更新されて残りのストック数が「1」となる。更に、ストック数が「6」で「4ストック」の設定示唆演出が実施された場合には、特典権のストック数は更新されて残りのストック数が「2」となる。更にまた、ストック数が「7」で「4ストック」の設定示唆演出が実施された場合には、特典権のストック数は更新されて残りのストック数が「3」となる。
その後、前記「特典権付与処理A」により特典権が付与されると残りのストック数に加算される。
次に、図31乃至図33に基づいて、演出図柄表示装置21において実施される設定示唆演出の代表的な表示例を説明する。
図31(a)は、大当り遊技終了演出にて、設定示唆演出を実施させるように遊技者の操作を促す操作表示の代表例を示す。大当り遊技終了演出において、演出図柄表示装置21の表示画面には、大当り遊技の最終ラウンドを示すラウンド表示700と、パチンコ機1のキャラクタである熊の達吉701が表示される。そして、特典権が付与されていることを条件に操作表示711が実施される。操作表示711は、例えば、演出ボタン15を押圧操作する画像が望ましい。
遊技者により操作がなされても、「通常演出」が選択された場合には、図31(b)に示すように、演出図柄表示装置21の表示画面には、最終ラウンドを示すラウンド表示700と、熊の達吉701が表示される。尚、「通常演出」は、特典権が付与されておらず設定示唆演出が実施されない場合と、遊技者が操作表示に応ずることなく設定示唆演出が実施されない場合、及び設定示唆演出で「通常演出」が選択された場合で同一の演出表示を行うことが望ましい。
図31(c)に示すように、設定示唆演出の「奇数示唆演出」では、演出図柄表示装置21の表示画面に「設定値は奇数」と示唆する奇数示唆表示713と、パチンコ機1の他のキャラクである空手家702が表示される。
図32(a)に示すように、設定示唆演出の「偶数示唆演出」では、「奇数示唆演出」同様に、演出図柄表示装置21の表示画面に「設定値は偶数」と示唆する偶数示唆表示714と、空手家702が表示される。
図32(b)に示すように、設定示唆演出の「設定2以上示唆演出」では、演出図柄表示装置21の表示画面に「設定値2以上」と示唆する設定2以上示唆表示715と、空手家702が表示される。
図32(c)に示すように、設定示唆演出の「設定3以上示唆演出」では、「設定2以上示唆演出」と同様に、演出図柄表示装置21の表示画面に「設定値3以上」と示唆する設定3以上示唆表示716と、空手家702が表示される。
図33(a)に示すように、設定示唆演出の「高設定示唆演出」では、演出図柄表示装置21の表示画面に「高設」と示唆する高設定示唆表示717と、姿勢が異なる空手家703が表示される。
図33(b)に示すように、設定示唆演出の「設定5以上示唆演出」では、「高設定示唆演出」と同様に、演出図柄表示装置21の表示画面に「設定値5以上」と示唆する設定5以上示唆表示718と、空手家703が表示される。
図33(c)に示すように、設定示唆演出の設定6確定示唆演出では、演出図柄表示装置21の表示画面に「設定値6確定」と示唆する設定6画定示唆表示719と、空手家703が表示される。
尚、パチンコ機1は、設定示唆演出を大当り遊技終了演出時に行うこととしているが、操作を促す操作表示は大当り終了演出に限らず、大当り遊技開始演出、ラウンド遊技の演出で行う構成でもよい。この場合、操作表示に応じて遊技者の操作が行われると、操作から設定示唆演出の実施までの間に、通常演出以外の設定示唆演出が実行される期待度を示す演出を行うようにしてもよい。
本実施例のパチンコ機1は、遊技盤〔2〕の裏面側に設けられた第1操作手段〔62,63〕の操作に基づいて遊技者の有利度の異なる複数種類の設定値の何れかに設定可能な設定手段〔図24:処理S602〕と、遊技球が入球可能な始動口〔23,24〕と、始動口〔23,24〕への遊技球の入球に基づいて当否判定用乱数値を抽出する乱数抽出手段〔図12:処理S202、処理S212〕と、当否判定用乱数値と設定値に基づいて、遊技者に有利な遊技に移行するか否かの当否判定を行う当否判定手段〔図15:処理S315〕と、を備えた遊技機において、設定値を示唆する設定示唆演出を実施する設定示唆演出制御手段〔図29:処理S807〕と、所定条件の成立に応じて、設定示唆演出を実施可能とする特典権を付与する特典権付与手段〔図28:処理S704〕と、を備え、設定示唆演出制御手段〔図29:処理S807〕は、特典権が付与されていることを条件に、遊技盤〔2〕の正面側に設けられた第2操作手段〔15〕の操作に応じて設定示唆演出を実施する構成である。
また、パチンコ機1は、特典権が、所定条件が成立する毎に加算され、蓄積された特典権の数が、特典権数値として特典権記憶手段〔図28:処理S705〕に記憶される一方、設定示唆演出が実施されることにより特典権記憶手段〔図28:処理S705〕に記憶された特典権数値から減算される構成〔図29:処理S809〕である。
更に、パチンコ機1は、特典権付与手段〔図28:処理S704〕が、遊技の継続期間に応じて特典権を付与する構成である。
更にまた、パチンコ機1では、設定示唆演出制御手段〔図29:処理S807〕は、設定示唆演出として、複数種類の特典権数値に対応し、設定値を特定する度合いが異なる複数種類の演出を備え、設定値および特典権記憶手段〔図28:処理S705〕に記憶された特典権数値に応じて、何れかの設定示唆演出を実施する構成である。
本実施例のパチンコ機1によれば、第1特図および第2特図の変動回数が100の倍数回に達することにより所定条件が成立すると、設定示唆演出を実施する権利が与えられる。そして、設定示唆演出を実施するためには、操作表示(操作演出)を行い、遊技者が操作表示に応じることにより設定示唆演出を実施する構成である。即ち、設定示唆演出の実施には、遊技者の操作を要する構成であり、遊技者の意思によらず設定示唆演出が実行されることが防止できる。また、設定値を示唆する演出が、遊技者の意思に基づいて実施されるので、遊技者が望む興趣の豊かな演出を実施可能とすることができる。
また、パチンコ機1によれば、遊技者の意思で設定値示唆演出を実施しない場合などでも特典権を蓄積ことができる。尚且つ、設定示唆演出は、設定値を特定する度合いが異なる複数種類の演出を備え、何れかの演出が抽選で実施される構成である。更に、設定示唆演出は、蓄積された特典権数が多い程、設定値を特定する度合いの高い演出が実施される確率が高くなっている。更には、遊技の継続期間の長短に応じて特典権数値の大きさが変わる。従って、遊技者は特典権を貯めることへの関心、どのような設定示唆演出が実施されるかといった演出内容への関心が高まり、演出のバリエーションが豊かで、面白味の高い遊技とすることができる。
またパチンコ機1は、大当り遊技の終了演出において、操作表示および設定示唆演出を実施するようにしたので、遊技者は余裕を持って操作表示に応じた操作および設定示唆演出を楽しむことができる。
尚、本実施例のパチンコ機1において、特典権の最大ストック数は「8」であるので、付与された特典権が「8ストック」であり、大当りが生起したときには、遊技者の意思に拘わらず、遊技者により所定の操作がなされなくても、設定示唆演出を実施するようにしてもよい。この場合、操作表示を行わないようにしてもよい。
また、本実施例のパチンコ機1において、特典権を付与する際に、第1特図および第2特図の変動回数が100の倍数回に達するごとにストック数に「1」を加算する構成に限らず、例えば、変動回数が100回に達しときは「1」を、200回に達したときは「2」を300回に達したときは「3」を加算するといった、遊技の継続期間が長くなることによりストックの加算数を大きくするようにしてもよい。逆に最初の特典権の付与数を大きくし、遊技の継続期間が長くなることによりストックの加算数を小さくするようにしてもよい。
更に、本実施例のパチンコ機1において、特典権を付与する条件として、第1特図および第2特図のリーチ変動回数を条件となし、リーチ変動回数が所定の回数に達する毎に特典権を付与するように構成してもよい。また、特典権を付与する際に、ストック数に加算する数値を、リーチ変動の種類に応じて変えるようにしてもよい。例えば、ノーマルリーチ変動では「1」を加算するようになし、スパーリーチ変動では「2」を加算するようにしてもよい。
更に、特典権を付与する条件として、発射球数が所定球数に達する毎に加算すること、セーフ球数(全ての入賞口又は特定の入賞口への入賞球数)が所定球数に達する毎に加算すること、アウト球数(アウト口への入球数)が所定球数に達する毎に加算すること、賞球数(全ての入賞口への入賞によって得られた総賞球数、右遊技領域に配置された入賞口への入賞によって得られた総賞球数、大入賞口への入賞によって得られた総賞球数)が所定球数に達する毎に加算すること等も考えられる。
〔第2実施例〕
次に、本発明を適用した第2実施例について説明する。本実施例の基本構成は第1実施例のそれと同一である。
前記第1実施例では、設定示唆演出は、特典権のストック数に応じて、演出内容の選択率が異なる構成であり、ストック数が多い程、設定値を特定する度合いの高い演出が実施される確率が高くなる。従って、遊技者は特典権を貯留して、設定値を特定する度合いの高い設定示唆演出の実施を望むこととなる。この様に、設定値を推測する場合、一度の設定値を特定する度合いの高い設定示唆演出を狙う以外にも、複数回の設定示唆演出から推測することも考えられる。例えば、一度目の演出で「奇数示唆演出」が実施され、二度目の演出で「高設定示唆演出」が実施された場合、設定値は「5」であると判断できる。
そこで第2実施例では、複数回の設定示唆演出から設定値を推測することが容易となるように、貯留した特典権のストックから遊技者が使用するストック数を選択できるようにする。そして選択されたストック数に応じて設定示唆演出を実施することが考えられる。例えば、特典権の蓄積が4ストックである場合、初めに1ストックを使用して1回目の設定示唆演出を実施させ、次に残り3ストックから1ストックを使用して2回目の設定示唆演出を実施させ、更に残りの1ストックを使用して3回目の設定示唆演出を実施させることが考えられる。
この場合、操作表示において、使用するストック数を遊技者に選択させることが必要となる。
この様に、第2実施例によれば、第1実施例と同様に、遊技者の意思によらず設定示唆演出が実行されることの防止効果、遊技者が望む興趣の豊かな演出を実施可能とする効果、遊技者の特典権を貯めること及び設定示唆演出への関心を高めて面白味のある遊技を実現できるといった作用効果を奏する上、設定示唆演出の実施率を高め、もって遊技者による設定値を推測する面白味を向上させることができる。
〔第3実施例〕
次に、本発明を適用した第3実施例について説明する。本実施例の基本構成は第2実施例のそれと同一である。
第2実施例のように、設定示唆演出を実施する際に貯留した特典権のストックから遊技者により使用するストック数を選択できる構成では、設定示唆演出を実施する頻度を多くすることで面白味が増す。
そこで第3実施例では、設定示唆演出を大当り遊技のラウンド遊技毎に実施可能とする。即ち、大当り遊技のラウンド遊技において、設定示唆演出を実施させるための操作表示および使用するストック数を選択させる。そして、遊技者の操作に応じて、当該ラウンド遊技中に設定示唆演出を実施するようになす。
第3実施例によれば、第2実施例と同様の作用効果を奏する上、ラウンド遊技は大当り遊技中に複数回にわたって実施されるため、設定示唆演出の実施頻度が高まり、より設定値を推測する面白味が増す。
〔第4実施例〕
次に、本発明を適用した第4実施例について説明する。本実施例の基本構成は第1実施例のそれと同一である。
第4実施例は、特典権を、遊技結果に応じて付与する。具体的には、第1特図又は第2特図の当否判定にて大当りが生起することにより付与する構成である。
本実施例では、図34に示す「特典権付与処理B」により特典権が付与され、且つストックされる。「特典権付与処理B」は、サブ統合制御装置42で実行されるプログラム処理である。
「特典権付与処理B」は、先ず、処理S750において主制御装置40から第1特図又は第2特図の変動開始を指示するコマンド(図15、処理S320参照)を受信したか否か判定する。否定判定であれば(処理S750:no)、本処理を終了して、サブ統合制御装置42で実行されるメインのプログラム処理にリターンする。
肯定判定であれば(処理S750:yes)、処理S751において、変動開始を指示するコマンドが、大当りとなる変動であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S751:no)、リターンする。
前記S751にて肯定判定であれば(処理S751:yes)、処理S752において特典権のストック数が最大ストック数である「8」未満であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S752:no)、リターンする。
前記処理S752にて肯定判定であれば(処理S752:yes)、処理S753において特典権を付与し、そのストック数を加算(+1)する。続いて処理S754において特典権のストック数を記憶する構成である。
この様に本実施例では、特典権付与手段〔図28:処理S704〕は、遊技の結果に応じて特典権を付与する構成をなす。
第4実施例によれば、第1実施例と同様の作用効果が得られる上、第1特図又は第2特図の当判定結果(遊技結果)次第では、遊技開始から早い段階で特典権を獲得することが可能であり、早い段階で設定示唆演出を実施して設定値を推測することができる。
また、本実施例において、特典権を付与する際に、第1特図又は第2特図の大当りが生起する毎にストック数に「1」を加算する構成に限らず、大当りの種類に応じて、加算する数値を変えるようにしてもよい。例えば、4R大当り遊技が実施される大当りでは「1」を加算するようになし、8R大当り遊技が実施される大当りでは「2」を加算するようになし、10R大当り遊技が実施される大当りでは「3」を加算するようにしてもよい。逆に10R大当りで付与数を小さくし、4R大当りで付与数を大きくするようにしてもよい。
更に、本実施例では、前記第2実施例と同様に、複数回の設定示唆演出から設定値を推測することが容易となるように、貯留した特典権のストックから遊技者が使用するストック数を選択できるようにする構成としてもよい。
更にまた、本実施例では、前記第3実施例と同様に、設定示唆演出を大当り遊技のラウンド遊技毎に実施可能としてもよい。即ち、大当り遊技のラウンド遊技において、設定示唆演出を実施させるための操作表示および使用するストック数を選択させる。そして、遊技者の操作に応じて、当該ラウンド遊技中に設定示唆演出を実施するようになす。
また、本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、特典権を付与するに当り、第1実施例の特典権を付与する条件と第4実施例の特典権を付与する条件とを組み合わせてもよい。
尚、付与された特典権のストックは、遊技者によりパチンコ機において精算の操作が行われて時、パチンコ機の電源が遮断された時などにリセットすることが考えられる。
また本発明は、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する封入式遊技機に適用してもよい。
1:パチンコ機、2:遊技盤、15:演出ボタン(第2操作手段)、23:第1特図始動口(始動口)、24:第2特図始動口(始動口)、40:主制御装置(設定手段、乱数抽出手段、当否判定手段、普通図柄当否判定手段)、42:サブ統合制御装置(設定示唆演出制御手段、特典権付与手段、特典権記憶手段)、62:設定キースイッチ(第1操作手段)、63:RAMクリアスイッチ(第1操作手段)

Claims (5)

  1. 遊技盤の裏面側に設けられた第1操作手段の操作に基づいて遊技者の有利度の異なる複数種類の設定値の何れかに設定可能な設定手段と、
    遊技球が入球可能な始動口と、
    前記始動口への遊技球の入球に基づいて当否判定用乱数値を抽出する乱数抽出手段と、
    前記当否判定用乱数値と前記設定値に基づいて、遊技者に有利な遊技に移行するか否かの当否判定を行う当否判定手段と、
    を備えた遊技機において、
    前記設定値を示唆する設定示唆演出を実施する設定示唆演出制御手段と、
    所定条件の成立に応じて、前記設定示唆演出を実施可能とする特典権を付与する特典権付与手段と、を備え、
    前記設定示唆演出制御手段は、前記特典権が付与されていることを条件に、前記遊技盤の正面側に設けられた第2操作手段の操作に応じて前記設定示唆演出を実施することを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記特典権は、前記所定条件が成立する毎に加算され、蓄積された前記特典権の数が、特典権数値として特典権記憶手段に記憶される一方、前記設定示唆演出が実施されることにより前記特典権記憶手段に記憶された前記特典権数値から減算されることを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機において、
    前記特典権付与手段は、遊技の継続期間に応じて前記特典権を付与することを特徴とする遊技機。
  4. 請求項2に記載の遊技機において、
    前記特典権付与手段は、遊技の結果に応じて前記特典権を付与することを特徴とする遊技機。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の遊技機において、
    前記設定示唆演出制御手段は、前記設定示唆演出として、複数種類の前記特典権数値に対応し、前記設定値を特定する度合いが異なる複数種類の演出を備え、前記設定値および前記特典権記憶手段に記憶された前記特典権数値に応じて、何れかの前記設定示唆演出を実施することを特徴とする遊技機。
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