以下、本発明に係る遊技機(パチンコ機)を適用した実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図1から図3を参照して、本発明の第1実施例におけるパチンコ機1の外観構成を説明する。
〔第1実施例〕
(1.パチンコ機1の概略構成)
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技者が遊技可能な遊技機であり、遊技施設に設置される。
(1-1.パチンコ機1の前面構成)
パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101,101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び内枠30(図3参照)が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11及び内枠30はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して内枠30を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放可能である。
前枠11の板ガラス110の奥には内枠30に保持された遊技盤2(図2参照)が設けてある。
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112,112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
本パチンコ機1は、所謂、CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に精算表示装置170(図4参照)の球貸スイッチ171、精算スイッチ172及び精算表示器が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
(1-2.パチンコ機1の遊技盤の構成)
遊技盤2について説明する。図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が配置されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
遊技領域20のセンターケース200の左横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動ゲート22が設けられている。
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が配置されている。更にその直下位置には、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。第2特図始動口24は、チューリップ式の開放部材により開放可能に構成されている。第2特図始動口24は、前記普図の抽選で当りとなり、普通電動役物(普電役物ともいう)が作動することで、開放部材が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放部材の開放時にのみ入球(入賞)可能である。
第2特図始動口24の直下位置には、開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。大入賞口25は、特別電動役物が作動することで、開閉板が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放板の開放時にのみ入球(入賞)可能である。尚、第1特図又は第2特図の当否判定で大当りとなると、役物連続作動装置が作動し、役物連続作動装置が作動することで、特別電動役物が連続して作動する。これにより大入賞口25が連続して開放される。
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口27が配されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。アウト口203には、発射された遊技球のうち、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27の何れにも入球(入賞)しなかった遊技球が取り込まれる。
遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291が配置されている。
(1-3.パチンコ機1の裏面構成)
図3はパチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏面側には、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払出される。また、賞球を払出す払出ユニット33により球貸スイッチ171の操作で払出される貸球も払出す構成としてある。
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図3では発射制御装置44が描かれていないが、発射制御装置44は払出制御装置41の下に設けられている。
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
パチンコ機1の裏側の主制御装置40には、性能表示装置61が設けられている。性能表示装置61は、遊技者が遊技中に視認不可能な位置に配置されている。性能表示装置61は、算出された遊技性能を表示するものである。性能表示装置61は、4つの7セグメントLED表示器を並設した構成で、4桁の簡素な文字、数字を表示可能に構成されている。
尚、本実施例の性能表示装置61では、遊技性能の表示を行うと共に、後述する設定機能の大当りとなる当選確率の設定変更や設定確認時における段階設定値(以下、単に「設定」、或いは、「設定値」、「設定段階」、「設定情報」等とも称呼する場合がある。また本実施例では、より具体的に、所謂、設定値1~設定値3を示す値を指すことがある。)の表示も行うよう構成されている。
主制御装置40は、性能表示装置61の直下に設定キースイッチ62を備える。設定キースイッチ62は、設定キーを挿入した図示のOFF状態から、例えば時計回り方向に90度回すと、ON状態に切換え可能な周知の構成である。本実施例では、少なくとも設定キースイッチ62をON状態にすることで、設定変更状態や設定確認状態への遷移を可能とし、設定変更や、設定確認を終了する際に、OFFする構成となっている。
また、主制御装置40は、設定キースイッチ62の直下にRAM(RWM)をクリアするためのRAMクリアスイッチ63を備える。RAMクリアスイッチ63は、RAMクリアスイッチ63を押下しつつ、電源基板45に配置された電源スイッチ65をONして電源投入することで、電源遮断時のパチンコ機1の遊技状態などに関する情報を消去するためのRAMクリアを実行するためのスイッチである。尚、本実施例のRAMクリアスイッチ63は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。
(1-4:パチンコ機1の作動)
図2に戻り、パチンコ機1の作動について説明する。パチンコ機1は、普図作動ゲート22に遊技球が入球すると、普図表示装置29で普図が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、当選であれば普通電動役物が作動する。例えば、普電役物ソレノイド511を駆動させ、普通電動役物の開放部材を開放して第2特図始動口24への入球が可能となる。尚、パチンコ機1では、第2特図始動口24の開放時間は、通常時は0.1秒(1回)で、遊技者にとって有利な時短状態(開放延長)では2.2秒(1回)である。また、第2特図始動口24は、普通電動役物が作動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっている(図9参照)。
パチンコ機1は、第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第1特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第1特図表示装置28Aにおいて第1特図が変動を開始し、所定時間後に停止する。
また、パチンコ機1は、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種類の乱数が抽出され、第2特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第2特図表示装置28Bにおいて第2特図が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
尚、パチンコ機1において、第1特図と第2特図の当否判定は、第1特図始動口23と第2特図始動口24への入球順に関係なく、第2特図の当否判定を優先して実施する。具体的には、第1特図の保留記憶がある場合、第2特図の変動が停止し且つ第2特図の保留記憶が無い状態となってから、第1特図の保留記憶分の当否判定を実施する。
パチンコ機1において、第1特図及び第2特図の変動表示、確定表示は、遊技盤2の隅に小さく表示されるだけであるので、遊技領域20の中央に設けられた演出図柄表示装置21にて第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄を用いた疑似演出表示を行い、疑似演出表示にて当否判定の結果を遊技者に報知することが行われている(特許請求の範囲に記載の演出表示制御手段に相当する)。例えば、疑似演出表示では、三つの疑似演出図柄を変動させ、三つの図柄が同一図柄で停止すると大当りとなるように構成されている。疑似演出表示としては二つの図柄が同じ図柄で停止するリーチ演出が実施され、残りの変動中の図柄が同じ図柄で停止するか否かで遊技者の期待感を高めることが行われている。
また、パチンコ機1は、第1特図又は第2特図の変動に伴う疑似演出表示のうちの所定の疑似演出表示において、第1特図又は第2特図の当選確率が何れの設定値に設定されているかを示唆する設定段階示唆演出を実施可能な構成である。
更に、パチンコ機1は、当選確率の設定段階を示唆する設定段階示唆演出において、一度の実施では設定段階(設定値)を推測することが困難な第1設定段階示唆演出と、第1設定段階示唆演出よりも実施頻度が低いが一度の実施により設定段階を推測することが容易な第2設定段階示唆演出と、が実施可能である。
更にまた、パチンコ機1は、第2設定段階示唆演出を第1特図又は第2特図の変動に伴う疑似演出表示にて実施するうえで、第2設定段階示唆演出を、実施された場合の第1特図又は第2特図の当否判定で大当りとなる可能性が外れ時よりも高く大当りの期待度を高める高期待度の演出となす。更に、パチンコ機1は、第2設定段階示唆演出を、当選確率の設定段階が高確率とされる設定段階に設定されたときのほうが大当りへの期待度が低いものとなるようにしている。更にまたパチンコ機1は、当選確率の設定段階が高確率とされる設定段階に設定されている場合に、予め設定された特定の条件が成立することにより第2段階示唆演出の期待度を上昇させるように構成されている。
パチンコ機1は、第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じ、大当り(当選)であれば、所定の開放態様にて大入賞口25の開放し、大入賞口25への遊技球の入球が可能となる大当り遊技が実施される。尚、大当り遊技として、例えば、所定の開放態様で大入賞口25を開放するラウンド遊技を5ラウンド行う5R通常大当り遊技と、8ラウンド行う8R確変大当り遊技と、10ラウンド行う10R確変大当り遊技とから何れか一つの遊技が選択される。
パチンコ機1は確率変動機として構成されている。具体的には、パチンコ機1による遊技は、大入賞口25を閉鎖した遊技状態と、大入賞口25を開放する大当り遊技状態とに大別される。更に、大入賞口25を閉鎖した遊技状態は、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常遊技状態とも記載する)と、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)となる高確率遊技状態(以下、確変遊技状態とも記載する)とが存在する。5R通常大当り遊技が終了した後には通常確率遊技状態へ移行し、8R確変大当り遊技又は10R確変大当り遊技が終了した後には高確率遊技状態に移行する。
第1特図及び第2特図の大当り図柄は確変図柄及び非確変図柄とからなり、確変遊技状態は確変図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定されている。確変遊技状態へは、通常遊技状態、確変遊技状態のいずれの遊技状態でも確変図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確変遊技状態に移行する。同様に通常遊技状態は非確変図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定されている。通常遊技状態は、通常遊技状態、確変遊技状態のいずれの遊技状態でも非確変図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後に移行する。
大当り遊技から通常遊技状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、かつ第2特図始動口24の開放部材の開放が延長される時短状態となる。第1特図、第2特図及び普図の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、時短状態では、第1特図及び第2特図の変動時間の短縮とともに、普図表示装置29に表示される普図の時間短縮も行われるが、この普図の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回の普図の確定表示を行う。従って、一定時間内での普図が当りとなる回数が増大し、これにより第2特図始動口24の開放回数も増大する。また、第2特図始動口24の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特図の変動表示回数が更に増大されるとともに、第2特図始動口24の入賞で得る賞球により、遊技者の持ち球が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、確変遊技状態では、時短状態と同様に第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、第2特図始動口24の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と第2特図始動口24の開放延長機能に関する設定は時短状態と同一であるが、確変遊技状態は時短状態に加えて特図の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
(2.パチンコ機1の電気的構成)
図4はパチンコ機1の電気的構成を示すブロック図で、パチンコ機1は、遊技進行等の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。尚、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。
主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して、ROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40は各種の乱数が抽出される乱数カウンタ等も備えている。
一方、発射制御装置44はCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
パチンコ機1は、バックアップ電源を備え、少なくとも、主制御装置40、払出制御装置41に設けられたRAMの内容を保持する構成である。尚、パチンコ機1では、サブ統合制御装置42に設けられたRAMの内容は保持されない。
パチンコ機1の電源について説明する。パチンコ機1は、外部に設けられたAC電源から供給される電力を、電源基板45により変換して直流電圧を生成する。そして、パチンコ機1は、電源基板45に設けられた電源スイッチが操作されることでパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。電源基板45は、コンデンサを含み構成されたバックアップ電源生成回路によりバックアップ電源を生成する。バックアップ電源は、AC電源からの電力供給中に、コンデンサに直流電圧の電力を蓄え、停電時には主制御装置40等(例えば、主制御装置40のRAM等)に電力を供給する。これにより、パチンコ機1への電力供給が停止した後も、一定時間にわたり電力供給が停止した直前の主制御装置40のRAMの内容(例えば、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27への入賞により払出させることとなった賞球の数の合計、パチンコ機1の遊技状態)を保持する構成である。
一方、電源基板45が生成するバックアップ電源は、サブ統合制御装置42へ供給されない。このため、パチンコ機1への電力供給が停止した後は、サブ統合制御装置42のRAMに保持されている記憶はクリアされる。
尚、バックアップ電源は、主制御装置40に設けてもよいし、電源基板45以外の他の装置に設けてもよい。また、電源基板45は、AC電源からの電力供給が停止している場合には、主制御装置40に対して停電信号を出力すると共に、AC電源からの電力供給がなされている場合には、主制御装置40に対して供給信号を出力する。
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放スイッチ501、内枠開放スイッチ502等の検出信号が入力される。尚、図においてスイッチをSWと記載した。
また、主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、第1特図始動口23への入球を検出する第1特図始動口スイッチ503、第2特図始動口24への入球を検出する第2特図始動口スイッチ504、普図作動ゲート22への入球を検出する普図作動スイッチ505、複数の一般入賞口27への入球を検出する一般入賞口スイッチ506、大入賞口25への入球を検出するカウントスイッチ507等の検出信号が入力される。
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成する。主制御装置40は、各種のコマンドを払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドを出力する。主制御装置40は、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口ソレノイド510、普電役物ソレノイド511が接続されている。主制御装置40は、大当りで特別電動役物が作動することで、大入賞口ソレノイド510を制御して開閉板を作動させて大入賞口25を開放せしめる。また主制御装置40は、普図の当選することにより、普電役物ソレノイド511を制御して普通電動役物の開放部材を作動させて第2特図始動口24の開放せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や特図の大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して、ガラス枠開放スイッチ501、内枠開放スイッチ502、球タンクが空状態になったことを検出する球切れスイッチ520等の検出信号が入力される。また、払出制御装置41は、遊技球が払出されたことを検出する払出スイッチ522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯スイッチ523等の検出信号が入力される。更に、払出制御装置41は、主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払出させる。
払出制御装置41は、満杯スイッチ523により下皿13が満タンであることを示す信号が入力された場合、及び球切れスイッチ520により球タンクに遊技球が少ない或いは無いことを示す信号が入力されると払出モータ521を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。尚、球切れスイッチ520、満杯スイッチ523は、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置41は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ521の駆動を再開させる。
また、払出制御装置41は、CRユニット端子板535を介してCRユニットCR及び精算表示装置170と双方向通信可能に接続されている。精算表示装置170には、遊技球の貸出しを要求するための球貸スイッチ171、精算を要求するための精算スイッチ172が接続されている。そして、精算表示装置170を介して球貸スイッチ171による貸出要求の操作信号がCRユニットCRに入力されると、CRユニットCRから払出制御装置41に貸出要求がなされ、払出制御装置41は、払出モータ521を作動させ、貸し球を払出す。払出された貸し球は払出スイッチ522に検出され、検出信号は払出制御装置41に入力される。
一方、精算表示装置170を介して精算スイッチ172による精算要求の操作信号がCRユニットCRに入力されると、精算要求に応じてCRユニットCRが精算を行い、精算表示装置170においてプリペイドカードの残高表示が行われる。プリペイドカードの残高表示はCRユニットCRによって制御される。
また、払出制御装置41は、外部接続端子板38を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ500に送信するほか、発射制御装置44に対して発射停止信号を送信する。
尚、パチンコ機1は遊技球を払出す構成である。近年では、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する遊技機(封入式遊技機又は管理遊技機などと呼ばれる)が存在し、パチンコ機1は封入式遊技機の構成であってもよい。
発射制御装置44は、発射を停止する発射停止スイッチ524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチスイッチ525等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチスイッチ525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止スイッチ524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射及び停止させる。
サブ統合制御装置42には、音量調節スイッチを備え、また演出ボタン15やジョグダイヤル16の操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に、サブ統合制御装置42は、遊技の進行に応じて、キャラクタなどを表示する演出や特図の疑似演出図柄の制御を行う。そして、サブ統合制御装置42は、演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する演出や特図の疑似演出図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
(3.段階設定値)
本実施例のパチンコ機1は、設定機能を有する遊技機である。即ち、パチンコ機1は、第1特図及び第2特図の当否判定での大当たり確率に応じて3段階に分けられた段階設定値1~3のいずれかを選択する。そして、パチンコ機1は、選択された段階設定値に基づき、第1特図又は第2特図の当否判定で用いる当否判定テーブルを決定する。これらの選択された段階設定値は主制御装置40に設けられた段階設定値格納領域に格納される。
パチンコ機1では、選択された段階設定値が「1」のとき、通常遊技状態での大当たり確率は、1/300に設定され、確変遊技状態での大当たり確率は、1/30に設定される。また、選択された段階設定値が「2」のとき、通常遊技状態での大当たり確率は、1/290に設定されると共に、確変遊技状態での大当たり確率は、1/29に設定され、選択された段階設定値が「3」のとき、通常遊技状態での大当たり確率は、1/280に設定されると共に、確変遊技状態での大当たり確率は、1/28に設定される(図5参照)。
尚、本実施例において、段階設定値は、通常遊技状態での大当たり確率と確変遊技状態での大当たり確率とが連動しているが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機1は、通常遊技状態での大当たり確率及び確変遊技状態での大当たり確率の何れか一方を段階設定値に関係なく一定としつつ、何れか他方のみが段階設定値に応じて変更されるものであってもよい。また、パチンコ機1は、段階設定値を変更した場合に、通常遊技状態での大当たり確率及び確変遊技状態での大当たり確率の何れか一方を上昇させつつ、何れか他方を低下させてもよい。
ここで、パチンコ機1は、段階設定値として「1~3」までの値を設定する仕様となっているのに対し、選択する段階設定値として、「1~3」以外の値を設定することも可能である。そして、パチンコ機1は、段階設定値として「1~3」以外の値が格納された場合に、何等かの不正行為、又は、RAMの異常が発生したと判断する。この場合、パチンコ機1は、不正報知ランプ111等を用いて遊技施設の従業員等に報知することが望ましい。
パチンコ機1において、当選確率を設定変更するには、設定キースイッチ62及びRAMクリアスイッチ63が用いられる。この場合、設定キースイッチ62は、鍵を挿入して所定方向に回転させることで大当りとなる当選確率の確率設定の変更が可能な状態にするスイッチである。RAMクリアスイッチ63は、押しボタンスイッチで、設定値を任意の値に変更する際(設定キースイッチ62がON状態)に、押圧操作することにより設定値1~設定値3のうち任意の設定値に変更することができる。
設定値を任意の値に変更する際の設定キースイッチ62及びRAMクリアスイッチ63の操作の一例について説明する。先ず、設定キースイッチ62は、パチンコ機1の電源がオフの状態で、設定キースイッチ62に鍵を挿入して所定方向(例えば、右方向)に回転させ、この状態でパチンコ機1の電源を投入することで、確率設定の変更を行うことができる状態となる。そして、RAMクリアスイッチ63を押して設定値1~設定値3の何れかを選択することができる。この場合、RAMクリアスイッチ63を押す度に、設定値1~設定値3に対応する1~3までの数値が順番に性能表示装置61に表示される。これにより、好きな設定値を選択することができる。
尚、設定情報を性能表示装置61に限らず、他の表示装置で表示するようにしてもよい。例えば、演出図柄表示装置21や第1特図表示装置28Aで表示するようにしてもよい。演出図柄表示装置21で表示させれば、表示面積が大きい分、確認が容易である。但し、RAMクリアスイッチ63が遊技機裏面にあるのに対して演出図柄表示装置21の表示画面は前面にあるため、音声での報知も行うか、演出ボタン15やジョグダイヤル16等にRAMクリアスイッチ63の設定値変更と同等の機能を持たせれば演出図柄表示装置21の表示画面を見ながら確率設定を行うことができる。また、演出図柄表示装置21を用いる場合は、確率設定の変更を行うことができる状態であることを報知する専用のモード画面を表示する構成でもよい。また、設定値を表示するための専用の設定値表示装置を設ける構成であってもよい。
そして、設定キースイッチ62に挿入した鍵を回転させて初期位置へと戻す操作、つまり確率設定の確定操作を行うことで、確率設定した設定値が確定した状態となり、確率設定の変更を行うことができる状態は終了となる。尚、確率設定の変更を行うことができる状態が終了すると、主制御装置40は、確率設定された設定値などの情報を含む設定コマンドをサブ統合制御装置42に送信してもよい。
尚、演出図柄表示装置21で表示する構成の場合は、設定キースイッチ62の操作により確率設定状態になった時に確率設定画面を表示させるためにサブ統合制御装置42に送信され、RAMクリアスイッチ63の操作の度に信号が送信される構成としてもよい。これにより、サブ統合制御装置42は、設定値1~設定値3のうち、何れの設定値が確率設定されたかを把握することができる。
パチンコ機1は、RAMクリアスイッチ63を押しながら電源を投入することで、電源遮断時のパチンコ機1の遊技状態などに関する情報を消去する構成以外に、設定キースイッチ62に鍵を挿入して所定方向(例えば、右方向)に回転させ、このように回転操作した状態で、電源を投入することで、RAMに蓄積されている電源遮断時のパチンコ機1の遊技状態などに係る情報が消去される構成も考えられる。尚、当選確率の設定の設定値に関する情報はRAMがクリアされても消去されず、保持される構成とすることが望ましい。専用の操作を行えば消去される構成としてもよい。RAMがクリアされると設定値に関する情報も消去される構成としてもよい。
パチンコ機1は、設定キースイッチ62に鍵を挿入して回転操作した状態で電源を投入するタイミングでRAMに蓄積された情報を消去することに限定される必要はない。例えば、当選確率の設定を確定させる操作を行うタイミングや、当選確率の設定の変更を行うことができる状態が終了となるタイミングに、RAMに蓄積されたパチンコ機1の遊技状態などに係る情報を消去する構成でもよい。RAMクリアにより当選確率の設定の情報が消去されない構成ならば、設定操作が終了してから消去することができるし、当選確率の設定の情報が消去される構成ならば、設定キースイッチ62を回転操作して電源投入したタイミングで消去することが好適である。
設定キースイッチ62を回転操作させた状態で電源を投入すると、RAMクリアスイッチ63により当選確率の設定を変更する操作が可能となるが、これに限定されるものではない。例えば、先に電源を投入してから設定キースイッチ62を回転操作させた状態で、RAMクリアスイッチ63により当選確率の設定を変更する操作が可能となる構成でもよい。
また、当選確率の設定の変更は、設定キースイッチ62に鍵を挿入して行う構成となっているが、これに限定されるものではない。例えば、専用のボタンを操作することで、当選確率の設定の変更を行う構成でもよい。
パチンコ機1は、設定キースイッチ62に挿入した鍵を回転させて初期位置へと戻す操作を行うことで、当選確率の設定が確定した状態となるが、これに限定されるものではなく、専用の確率設定確定ボタンを押すことで選択した当選確率の設定を確定する構成でもよい。
尚、パチンコ機1は、当選確率の設定を変更したか否かに関わらず、設定の情報をサブ統合制御装置に送信する構成である。設定の情報をサブ統合制御装置に送信する送信タイミングについては、毎回の変動開始時、毎回の確定表示時、大当り図柄確定表示時、遊技球が特定領域を通過した時等が考えられる。そして、サブ統合制御装置42は、受信した当選確率の設定に関する情報をパチンコ機1の電源断まで記憶する構成とする。
(4.パチンコ機1の仕様)
図5はパチンコ機1の遊技仕様を示す。パチンコ機1は、3種類の「設定値1」~「設定値3」に応じて、大当り遊技が発生する当選確率を確率設定可能な構成である。確率設定において「設定値1」が設定された場合、第1特図及び第2特図の大当り確率は、低確率遊技状態(通常遊技状態)が1/300に設定される。一方、高確率遊技状態(確変遊技状態)が1/30に設定される。
「設定値2」では、第1特図及び第2特図の大当り確率は、低確率遊技状態(通常遊技状態)が1/290に、高確率遊技状態(確変遊技状態)が1/29に設定される。
「設定値3」では、第1特図及び第2特図の大当り確率は、低確率遊技状態(通常遊技状態)が1/280に、高確率遊技状態(確変遊技状態)が1/28に設定される。
尚、本実施例では、各設定値によって高確率遊技状態での大当り確率が異なる構成となっているが、高確率遊技状態での大当り確率を全て同じ確率に設定してもよい。
大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行する確変突入率は、「65%」に設定されている。確変遊技状態が継続される確変回数は、第1特図又は第2特図の当否判定に伴う図柄変動が「100回」に達するまで継続される。時短状態が継続される時短回数は、第1特図又は第2特図の当否判定に伴う図柄変動が「100回」に達するまで継続される。
次に、賞球について説明する。第1特図始動口23の賞球は、1個の入球につき「3個」に設定されている。第2特図始動口24の賞球は、1個の入球につき「1個」に設定されている。その他の入賞口(例えば、一般入賞口27)の賞球数は1個の入球につき「10個」に設定されている。大入賞口25の賞球は、1個の入球につき「15個」に設定されている。大当り遊技における大入賞口25の規定入球個数は「10個」に設定されている。
普図の当選確率は、通常遊技状態では1/5に設定され、時短状態では4/5に設定される。普通電動役物の開放時間は、通常遊技状態では「0.1秒×1回」に設定され、時短状態では「2.2秒×1回」に設定される。
(5.起動処理)
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、主制御装置40により実行される「起動処理」について説明する。起動処理は、パチンコ機1の電源投入時に実行される処理である。
図6に示すように、主制御装置40は、起動処理の最初の処理として、スタックアドレスにスタックポインタを設定する(処理S1)。続いて、主制御装置40は、割込みベクタテーブルの割込みベクタアドレスを、対応するレジスタに設定する(処理S2)と共に、内蔵レジスタを設定する(処理S3)尚、割込みベクタアドレスは、アドレス空間(メモリ空間)の中で、後述する割込み処理のプログラムに係る開始番地の指定に使用される。
次に、主制御装置40は、入力ポートのレジスタを読込み(処理S4)、停電停止信号がOFFであるか否かを判定する(処理S5)。そして、停電検出信号がONのままであり、否定判定あれば(処理S5:No)、主制御装置40は、電源基板45から供給される電圧が所定電圧に到達していないと判断する。この場合、主制御装置40は、処理S4に戻り、停電停止信号がOFFになるまで処理S4及び処理S5を繰り返し実行する。
一方、停電検出信号がOFFに切り替わり、肯定判定であれば(処理S5:Yes)、主制御装置40は、電源基板45から供給される電圧が所定電圧以上となり、安定的に電圧が供給される状態になったと判断し、RWM630への書込みを許可する(処理S6)。
処理S6の後、主制御装置40は、初期設定処理(処理S7)を実行する。この初期設定処理(処理S7)は、主に、移行モードの設定を行う。その後、主制御装置40は、割込みを禁止する(処理S8)と共に、レジスタ退避を実行する(処理S9)。更に、主制御装置40は、ベース値等の遊技性能を演算する遊技性能演算処理を実行する(処理S10)。つまり、主制御装置40は、遊技性能に関する演算をRWM630の領域外で行う。
処理S10の後、主制御装置40は、レジスタ復帰を実行する(処理S11)と共に割込みを許可し(処理S12)、処理S8へ戻る。このように、主制御装置40は、起動処理において、処理S8から処理S12までを繰り返し実行する。その一方で、主制御装置40は、処理S12が実行されてから処理S8が再度実行されるまでの間に、後述する割込み処理(図7参照)を周期的に(例えば4m処理S周期で)実行する。
(6.割込み処理)
次に、図7に示すフローチャートを参照しながら、主制御装置40により実行される「割込み処理」について説明する。図7に示すように、主制御装置40は、割込み処理で実行する最初の処理として、タイマ及びウォッチドッグタイマを設定する(処理S21)。処理S21において、主制御装置40は、主制御装置40に設けられた各種タイマの設定や、ウォッチドッグタイマのクリア及びリスタートを行う。
処理S21の後、主制御装置40は、モード値格納領域に格納されたモード値が「3」であるか否かを判定する(処理S22)。その結果、モード値が「3」であれば(処理S22:Yes)、パチンコ機1は、移行モードとして、遊技停止モードが設定されていると判断できる。つまり、パチンコ機1は、遊技開始不能な状態であって、電源スイッチ65のOFFへの切替えを待機している状態であると判断できる。よってこの場合、主制御装置40は、割込み許可(処理S36)を行い、起動処理(図6参照)へリターンする。
一方、モード値格納領域に格納されたモード値が「3」でなければ(処理S22:No)、主制御装置40は、主制御装置40に設けられた各種タイマを更新するタイマ更新処理を実行する(処理S23)。続いて、主制御装置40は、各種始動口及び各種入賞口への遊技球の入球に関する処理である入力判定処理(処理S24)を実行する。尚、入力判定処理(処理S24)の詳細は、図9に示すフローチャートを参照しながら後述する。処理S24の後、主制御装置40は、当否判定及び大当り遊技に関する処理である当否判定処理(処理S25)を実行する。尚、当否判定処理(処理S25)の詳細は、図12に示すフローチャートを参照しながら後述する。
処理S25の後、主制御装置40は、遊技状態が移行した場合に、その旨の信号をホールコンピュータ500に送信する遊技状態設定処理(処理S26)を実行する。処理S26において、主制御装置40は、例えば、上記した当否判定処理(処理S25)において大当り遊技(特別遊技)や当り遊技(普図遊技)が終了した後、所定時間経過後にホールコンピュータ500に信号を送信する。尚、パチンコ機1が図示しない試射試験装置に接続されている場合に、主制御装置40は、処理S26において、遊技状態が移行したことを示す試験信号を試射試験装置(図示せず)に送信する。
処理S26の後、主制御装置40は、エラーが発生したか否かを監視するエラー監視処理(処理S27)を行う。尚、エラー監視処理(処理S27)において主制御装置40が監視するエラーとしては、前枠11や内枠30が開放されていることを示す開放エラーや、図示しない電波センサにより異常な電波が検出されたことを示す電波エラーや、図示しない振動センサにより異常な振動が検出されたことを示す振動エラー等が例示される。
処理S27の後、主制御装置40は、払出制御装置41に賞球コマンドを送信する賞球コマンド送信処理(処理S28)を実行する。そして、払出制御装置41は、受信した賞球コマンドに基づき、入球があった各種始動口又は各種入賞口毎に設定された賞球の払い出しを実行する。
処理S28の後、主制御装置40は、実行中に遊技内容に応じた画像データや音声データ等を作成し、サブ統合制御装置42に出力する演出用データ出力処理(処理S29)を実行する。更に、主制御装置40は、上記したエラー監視処理(処理S27)においてエラーの発生を検出した場合に、検出したエラーの内容に応じて、演出図柄表示装置21におけるエラー表示や、枠側装飾ランプ113の点灯や点滅、スピーカ112からの音声出力等のエラー報知を適宜行う。
処理S29の後、主制御装置40は、外部接続端子板38を介してホールコンピュータ500に外部出力処理(処理S30)を実行する。処理S30において、主制御装置40は、上記した当否判定処理(処理S25)での処理内容に基づき、大入賞口ソレノイド510及び普電役物ソレノイド511に関するデータをホールコンピュータ500に送信する。また、処理S30において、主制御装置40は、上記したエラー監視処理(処理S27)でエラーの発生を検出した場合に、セキュリティ信号をホールコンピュータ500に送信する。尚、パチンコ機1に試射試験装置が接続されている場合、主制御装置40は、処理S30において、大入賞口ソレノイド510及び普電役物ソレノイド511に関するデータやセキュリティ信号を試射試験装置に送信する。
図8に示すように、処理S30の後、主制御装置40は、レジスタ退避(処理S31)を行い、性能表示用データ作成処理(処理S32)を実行する。処理S32において、主制御装置40は、起動処理(図6参照)においてRWM630の領域外で実行した性能表示用演算処理(処理S10)の算出結果や、試射試験の試験結果を性能表示装置61に表示するためのデータを作成する。処理S31の後、主制御装置40は、レジスタ復帰(処理S33)を実行する。
処理S33の後、主制御装置40は、セグメントデータ作成処理(処理S34)を実行する)。処理S34において、主制御装置40は、処理S31で作成したデータを性能表示装置61に表示する準備として、性能表示装置61に設けられた各種LEDのコモン(LEDセグメントに係る8bit単位の表示領域)毎の発光制御を行うためのセグメントデータを作成する。
処理S34の後、主制御装置40は、各種表示装置に対する表示処理(処理S35)として、性能表示装置61における遊技性能や試射試験データの表示を行う。また、処理S35において、主制御装置40は、実行中の遊技状況に応じて、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、普通図柄表示装置29における各種図柄の変動表示や確定表示等を行う。処理S35の後、主制御装置40は、割込みを許可し(処理S36)、起動処理(図6参照)へリターンする。
尚、主制御装置40は、性能表示用演算処理(処理S10)を起動処理(図6)で実行するのに対し、性能表示用演算処理(処理S10)での演算結果の表示に関する処理を割込み処理で行う。この点に関し、主制御装置40は、処理量が多い性能表示用演算処理(処理S10)を起動処理で行うことにより、性能表示用演算処理(処理S10)が終了する前に割込み禁止(処理S8、図6参照)が実行されることを防止できる。一方、主制御装置40は、性能表示装置61に対する表示処理を、第1特図表示装置28A等に対する表示処理と同じタイミングで実行することで、表示制御の効率化を図ることができる。
(7.入力判定処理)
次に、図9に示すフローチャートを参照しながら、割込み処理(図7参照)の中で実行される「入力判定処理」(処理S24)について説明する。図9に示すように、主制御装置40は、入力判定処理(処理S24)の最初の処理として、特図入球確認処理(処理S101)を実行する。特図入球確認処理(処理S101)は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24に遊技球が入球した場合に実行される処理である。尚、特図入球確認処理(処理S101)の詳細は、図10に示すフローチャートを参照しながら後述する。
処理S101の後、主制御装置40は、普図入球確認処理(処理S102)を実行する。普図入球確認処理(処理S102)は、普図作動口21に遊技球が入球した場合に実行される処理である。尚、普図入球確認処理(処理S102)の詳細は、図11に示すフローチャートを参照しながら後述する。
処理S102の後、主制御装置40は、入賞数カウント処理(処理S103)を実行する。入賞数カウント処理(処理S103)は、大入賞口25又は一般入賞口27に遊技球が入球した場合に実行される処理である。具体的に、処理S103において、主制御装置40は、一般入賞口スイッチ506又はカウントスイッチ507が遊技球を検出した場合に、大入賞口25又は一般入賞口27へ入球した遊技球の数をカウントするカウンタの値に1を加算する。
処理S103の後、主制御装置40は、アウト数カウント処理(処理S104)を実行する。アウト数カウント処理(処理S104)は、遊技性能の演算に利用するアウト数の集計を行う処理である。具体的に、処理S104において、主制御装置40は、第1特図始動口スイッチ503、第2特図始動口スイッチ504、一般入賞口スイッチ506、カウントスイッチ507及びアウト口スイッチが遊技球を検出した場合に、アウト数をカウントするカウンタの値に1を加算する。
処理S104の後、主制御装置40は、一般入賞口27への入球頻度が異常であるか否かを判定する(処理S105)。具体的に、主制御装置40は、処理S105において、所定時間内(例えば60秒間)に一般入賞口27に入球した遊技球数が規定入賞数(例えば10個)を超えた場合に、不正が行われたと判定する。その結果、主制御装置40は、入球頻度が正常であり、否定判定であれば(処理S105:No)、そのまま本処理を終了し、割込み処理(図7参照)へリターンする。
一方、入球頻度が異常であり、肯定判定であれば(処理S105:Yes)、主制御装置40は、払出制御装置41及びサブ統合制御装置42に対して不正報知コマンドを送信し(処理S106)、本処理を終了する。処理S106において、主制御装置40から不正報知コマンドを受信した払出制御装置41は、払出制御装置41に設けられた不正報知ランプを点灯する。
また、主制御装置40から不正報知コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、枠側装飾ランプ113の点灯や点滅、スピーカ112からの音声出力等によるエラー報知を行う。さらに、サブ統合制御装置42から不正報知コマンドに受信した演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、不正が行われた旨の警告表示を行う。尚、スピーカ112からの音声出力によるエラー報知は、エラー報知を開始してから30秒後に終了し、演出図柄表示装置21における警告表示及び枠側装飾ランプ113によるエラー報知は、エラー報知を開始してから5分後に終了する。
(7-1:特図入球確認処理)
次に、図10に示すフローチャートを参照しながら、入力判定処理(処理S24、図9参照)の中で実行される特図入球確認処理(処理S101)について説明する。特図入球確認処理(処理S101)は、第1特図始動口23への入球に応じて複数種の第1特図の乱数を抽出し保留記憶すると共に、第2特図始動口24への入球に応じて複数種の第2特図の乱数を抽出し保留記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
図10に示すように、「特図入球確認処理」は、先ず、処理S110において第1特図始動口スイッチ503により第1特図始動口23への入球を検出したか否か判定する。否定判定であれば(処理S110:No)、処理S115へ移行する。
肯定判定であれば(処理S110:Yes)、処理S111において第1特図用保留記憶領域に記憶されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否か(上限数に達しているか否か)判定する。肯定判定であれば(処理S111:Yes)、処理S115へ移行する。
前記処理S111で否定判定であれば(処理S111:No)、処理S112において、第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。抽出された各種の乱数を第1特図用保留記憶領域の仮の記憶領域に記憶する。更に仮の記憶領域に記憶された各種の乱数を第1特図用保留記憶として第1特図用保留記憶領域の主体の記憶領域に記憶する。尚、第1特図の保留記憶数が「0」であっても、第1特図始動口23に遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。
続いて処理S113の第1特図の先読み判定処理を実行する。本先読み判定処理は、大当りとなるか否かの当否判定が行われる前に、第1特図用保留記憶領域の仮の記憶領域に記憶された大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などが特定の数値であるか確認する。例えば、特定の数値として、大当りと判定される数値、スーパーリーチやリーチと判定される数値等であるか否か、更に大当りの場合は確変遊技や時短遊技が付与される大当りであるか否かなどが確認される。また本処理では第1特図の先読み判定の判定結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。その後、処理S114において保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した第1特図の保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
尚、先読みコマンドは、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、サブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。無論、判定内容に拘わらず、サブ統合制御装置42に毎回先読みコマンドを送信する構成でもよい。先読みコマンドに応じて、サブ統合制御装置42では、演出図柄表示装置21の保留記憶図柄等に、大当りやリーチの可能性があることを示唆する先読み演出を行う。
続く処理S115において、第2特図始動口スイッチ504により第2特図始動口24への入球を検出したか否か判定する。否定判定であれば(処理S115:No)、入力判定処理(図9参照)へリターンし、本処理を終了する。
肯定判定であれば(処理S115:Yes)、処理S116において第2特図用保留記憶領域に記憶されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否か(上限数に達しているか否か)判定する。肯定判定であれば(処理S116:Yes)、リターンする。
前記処理S116で否定判定であれば(処理S116:No)、処理S117において、第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。抽出された各種の乱数を第2特図用保留記憶領域の仮の記憶領域に記憶する。更に仮の記憶領域に記憶された各種の乱数を第2特図用保留記憶として第2特図用保留記憶領域の主体の記憶領域に記憶する。更に所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶として記憶する。尚、第2特図の保留記憶数が「0」であっても、第2特図始動口24に遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。
続いて処理S118において第2特図の先読み判定処理を実行する。本先読み判定処理は、大当りとなるか否かの当否判定が行われる前に、第2特図用保留記憶領域の仮の記憶領域に記憶された大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などが特定の数値であるか確認する。例えば、特定の数値として、大当りと判定される数値、スーパーリーチやリーチと判定される数値等であるか否か、更に大当りの場合は確変遊技や時短遊技が付与される大当りであるか否かなどが確認される。また本処理では第2特図の先読み判定の判定結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。その後、処理S119において保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した第1特図の保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
尚、先読みコマンドは、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、サブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。無論、判定内容に拘わらず、サブ統合制御装置42に毎回先読みコマンドを送信する構成でもよい。先読みコマンドに応じて、サブ統合制御装置42では、演出図柄表示装置21の保留記憶図柄等に、大当りやリーチの可能性があることを示唆する先読み演出を行う。
特図入球確認処理(処理S101)では、保留記憶の数が満杯なければ、抽出された乱数を予め設定された仮の記憶領域に記憶し、その後、仮の記憶領域に記憶された乱数を主体の保留記憶領域に記憶する構成である。これに限らず、保留記憶の数が満杯でなければ、抽出された乱数を、仮の記憶領域と主体の保留記憶領域とにそれぞれ記憶するようにしてもよい。更に、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球に起因して乱数が抽出されると、抽出された乱数を仮の記憶領域に記憶する。そして保留記憶の数が満杯であるか否か確認し、満杯でなければ、仮の記憶領域に記憶された乱数を主体の保留記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合、保留記憶の数が満杯であれば、仮の記憶領域に記憶した乱数を消去する。
尚、特図入球確認処理(処理S101)では、先読み判定処理は、仮の記憶領域に記憶された乱数を先読み判定するが、これに限らず、主体の保留記憶領域に記憶された乱数を先読み判定するようにしてもよい。
(8.当否判定処理)
次に、図11に示すフローチャートを参照しながら、割込み処理の中で実行される当否判定処理(処理S25)について説明する。図11に示すように、主制御装置40は、当否判定処理(処理S25)で実行する最初の処理として、普図の当否判定及び当り遊技(普図遊技)に関する処理である普図当否判定処理(処理S200)を実行する。
続いて、主制御装置40は、第1特図又は第2特図の当否判定、及び、大当り遊技(特別遊技)に関する処理である特図当否判定処理(処理S201)を実行する。尚、特図当否判定処理(処理S201)の詳細は、図12乃至図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。
(8-1.特図当否判定処理)
図12に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、処理S300において特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中でないか否か判定する。否定判定であれば(処理S300:no)、「特別遊技処理」に移行する(図13参照)。
肯定判定であれば(処理S300:yes)、処理S301において第1特図又は第2特図が変動停止中であるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S301:yes)、処理S302において第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であるか否か判定する。
前記処理S302において肯定判定であれば(処理S302:yes)、処理S303において第2特図の保留記憶があるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S303:yes)、処理S304において第2特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
前記処理S303において否定判定であれば(処理S303:no)、処理S305において第1特図の保留記憶があるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S305:yes)、処理S306において第1特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
前記処理S304又は前記処理S306に続いて、図13に示す処理S310において、現在の大当りの当選確率を設定する設定値を参照する。
参照した後、処理S311において、設定値に応じて抽出された乱数が大当りとなるか否かの当否判定を実行するための当否判定用テーブルを設定する。例えば、設定値1であれば、これに対応する通常テーブル1及び確変テーブル1が設定される。同様に、設定値2であれば、通常テーブル2及び確変テーブル2が、設定値3であれば、通常テーブル3及び確変テーブル3が設定される。
次に、処理S312において、確変フラグを確認して現在の遊技状態が特図の確変遊技状態であるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S312:yes)、処理S313において確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う。例えば、前記処理S311で設定されたテーブルが通常テーブル2及び確変テーブル2であれば、確変テーブル2に基づいて判定が行われる。
前記処理S312において否定判定であれば(処理S312:no)、処理S314において通常確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う。例えば、前記処理S311で設定されたテーブルが通常テーブル3及び確変テーブル3であれば、通常テーブル3に基づいて判定が行われる。
続いて処理S315において、前記処理S313又は前記処理S314の当否判定が大当りか否かの判定を行う。
肯定判定であれば(処理S315:yes)、処理S316において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
続いて処理S317おいて前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。
変動パターンの決定後、処理S318において大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、例えば、大当り遊技のラウンド数を10Rにするか8Rにするか5Rにするかといった大当り遊技の内容が設定される。また、大当り遊技終了後に遊技状態を確変遊技状態へ移行するか時短機能を作動させるかの設定、確変遊技状態へ移行時には確変回数が設定される。更に、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
続く、処理S319において当否判定実行後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う。
続く処理S320において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。尚、構成によっては変動時間の終了を指示するための図柄確定コマンドを送ってもよい。但し、変動パターンなどで予め変動時間は指定されているため必須のものではない。
またパチンコ機1は、処理S320において、設置値の情報が含まれる設定コマンドをサブ統合制御装置42に送信することが考えられる。これにより、サブ統合制御装置42は、設定値1から設定値3のうち、設定されている設定値を把握することができる。尚、サブ統合制御装置42は、受信した設定値を所定のバッファに記憶する。
前記処理S315において否定判定であれば(処理S315:no)、ハズレであるので、処理S321において特図のハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。次に処理S322においてハズレ設定処理を行う。
その後、前記処理S319及び前記処理S320を実行し、「特別遊技処理」へ移行する。
図12に示した前記処理S301において否定判定であれば(処理S301:no)、図14に示すように、処理S330において図柄の変動時間が経過したか否かを確認する。否定判定であれば(処理S330:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
肯定判定であれば(処理S330:yes)、処理S331の確定図柄表示処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の変動表示を終了させる制御を行う。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
図12に示した前記処理S302において否定判定であれば(処理S302:no)、図15の処理S340に移行して、確定図柄表示時間が経過(終了)したか否か判定する。否定判定であれば(処理S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、肯定判定であれば(処理S340:yes)、処理S341の確定図柄表示終了の処理により第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する疑似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
続く処理S342において特図の図柄が大当りになる組み合わせであるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S342:yes)、処理S343において確変遊技状態を示す確変フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S343:no)、処理S345へ移行する。
肯定判定であれば(処理S343:yes)、処理S344において確変フラグを「0」にリセットする。
続いて処理S345において時短状態を示す時短フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S345:no)、処理S347へ移行する。
肯定判定であれば(処理S345:yes)、処理S346において時短フラグを「0」にリセットする。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での確変状態及び時短状態に関する遊技状態を通常状態にリセットする。
続いて処理S347において条件装置の作動を開始させる。条件装置は特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるもので、且つ、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。更に処理S348において役物連続作動装置の作動を開始させるとともに、処理S349において大当り開始演出処理を行ない、「特別遊技処理」へ移行する。また、この処理により、サブ統合制御装置42へ向けて大当り遊技開始コマンドが送信される。尚、処理S349において、主制御装置40は大当り遊技開始コマンドの送信時に、設置値の情報が含まれる設定コマンドをサブ統合制御装置に送信する構成であってもよい。
前記処理S342において否定判定であれば(処理S342:no)、処理S350において確変フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S350:no)、処理S353へ移行する。
肯定判定であれば(処理S350:yes)、処理S351において確変の継続期間をカウントする確変カウンタを減算し、減算した後の確変カウンタが「0」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S351:no)、処理S353へ移行する。
肯定判定であれば(処理S351:yes)、前記処理S352において確変フラグを「0」にリセットする。
次に、処理S353において時短フラグが「1」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S353:no)、処理S356へ移行する。
肯定判定であれば(処理S353:yes)、処理S354において時短の継続期間をカウントする時短カウンタを減算し、減算した後の時短カウンタが「0」であるか否か判定する。否定判定であれば(処理S354:no)、処理S356へ移行する。
肯定判定であれば(処理S354:yes)、前記処理S355において時短フラグを「0」にリセットする。
続く処理S356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。尚、処理S356において、主制御装置40は状態指定コマンドの送信時に、設置値の情報が含まれる設定コマンドをサブ統合制御装置に送信する構成であってもよい。
(8-2.特別遊技処理)
次に、図16乃至図19を参照しながら「特別遊技処理」について説明する。
図16に示す「特別遊技処理」は、先ず、処理S400において前記役物連続作動装置が作動中か否か判定する。否定判定であれば(処理S400:no)、「当否判定処理」(図11)における特図当否判定処理へリターンし、本処理を終了する。肯定判定であれば(処理S400:yes)、処理S401において大入賞口25が開放中か否か判定する。
前記処理S401にて否定判定であれば(処理S401:no)、処理S402において大当り遊技のインターバル中か否か判定する。否定判定であれば(処理S402:no)、処理S403において処理で特図大当り終了演出中か否か判定する。否定判定であれば(処理S403:no)、処理S404において大当り開始演出時間が経過したか否か判定する。否定判定であれば(処理S404:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S404:yes)、処理S405において大入賞口開放処理で第1ラウンドの大入賞口25を開放する。その後、リターンする。
前記処理S401にて肯定判定であれば(処理S401:yes)、図17に示すように、大入賞口25に10個の入賞があったか否か(規定入賞数)の判定(処理S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否か判定して(処理S411)、何れか肯定判定であれば(処理S410又は処理S411:yes)、処理S412において大入賞口25を閉鎖する。続いて処理S413の大当りインターバル処理を実行して、リターンする。前記処理S410及び処理S411において肯定判定であれば(処理S410及び処理S411:no)、リターンする。
図16に示した前記処理S402にて肯定判定であれば(処理S402:yes)、図18に示すように、処理S420において大当りインターバル時間が経過したか否か判定する。否定判定であれば(処理S420:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S420:yes)、処理S421において最終ラウンド(例えば、5Rの大当り遊技であれば第5ラウンド、8Rの大当り遊技であれば第8ラウンド、10Rの大当り遊技であれば第10ラウンド)であるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S421:yes)、処理S422の大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、前記処理S421において否定判定であれば(処理S421:no)、処理S423の大入賞口25の開放処理により次のラウンドの大入賞口25の開放を実行してリターンする。
図16に示した前記処理S403において肯定判定であれば(処理S403:yes)、図19に示すように、処理S430において大当り終了演出時間が経過したか否か判定する。否定判定であれば(処理S430:no)、リターンする。
肯定判定であれば(処理S430:yes)、処理S431において役物連続作動装置の作動停止を実行し、続いて処理S432において条件装置の作動停止を実行する。
続く、処理S433において確変の設定があるか否か判定する。否定判定であれば(処理S433:no)、処理S436へ移行する。
肯定判定であれば(処理S433:yes)、処理S434において確変遊技状態の繰り返し回数(100回)を設定し、処理S435において確変フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に確変遊技状態が付与される。
次に処理S436では時短の設定があるか否か判定する。否定判定であれば(処理S436:no)、処理S439へ移行する。
肯定判定であれば(処理S436:yes)、処理S437において時短状態の繰り返し回数(確変時:100回、非確変時100回)を設定し、続いて処理S438において時短フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に時短状態が付与される。
その後、処理S439では、特図の大当り終了コマンド送信の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。尚、処理S439において、主制御装置40は大当り終了コマンドの送信時に、設置値の情報が含まれる設定コマンドをサブ統合制御装置に送信する構成であってもよい。
(9.設定段階示唆演出)
次にパチンコ機1に設定されている大当り当選確率の設定段階を示唆する設定段階示唆演出に関連する構成を説明する。パチンコ機1は、第1特図又は第2特図の図柄変動中に伴う疑似図柄演出表示において設定段階示唆演出を実施する構成である。パチンコ機1は、設定段階示唆演出として第1設定段階示唆演出と第2設定段階示唆演出とが実施可能である。
図20を用いて、第1設定段階示唆演出及び第2設定段階示唆演出の表示形態の一例を説明する。図20(a)は、第1特図又は第2特図の変動に伴う通常(設定段階を示唆するものでない)の疑似図柄演出表示を示す。演出図柄表示装置21の表示画面には、その上半部に戦闘機演出モードのキャラクタである戦闘機画像710が表示される。そして、表示画面の下半部には、第1特図又は第2特図に対応する3桁の数字等からなる疑似演出図柄700が変動表示される。
図20(b)は、第1設定段階示唆演出として実施される「のぞき予告」の表示形態の一例を示す。パチンコ機1は、通常の疑似図柄演出表示から第1設定段階示唆演出である「のぞき予告」が実施されると、演出図柄表示装置21の表示画面には、その上部右隅から達吉が恰も遊技者側を覗き込むように出現する達吉のぞき画像740が表示される。尚、第1設定段階示唆演出の達吉のぞき画像740は、所定の時間(例えば5秒程度)にわたり表示した後、表示を終了することが考えられる。また、第1設定段階示唆演出の達吉のぞき画像740は、当該疑似図柄演出表示の変動が終了するまで継続して表示するようにしてもよい。
第1設定段階示唆演出である「のぞき予告」は、一度の実施では当選確率の設定段階を推測することが困難な演出であり、複数回実施されることにより遊技者が設定段階を推測できる構成である。従って、比較的高い頻度で実施される。また「のぞき予告」は、第1特図又は第2特図の大当り予告の役割を持たせた演出としてもよい。しかしながら、「のぞき予告」は、実施頻度が比較的高い分、大当りを予告する信頼度の低い演出である。
図20(c)は、第2設定段階示唆演出として実施される「カットイン予告」の表示形態の一例を示す。パチンコ機1は、疑似図柄演出のリーチ表示において第2設定段階示唆演出である「カットイン予告」を実施する。「カットイン予告」は、演出図柄表示装置21の表示画面の中央部に、疑似図柄演出表示である戦闘機画像710及びリーチ疑似演出図柄701を背景に達吉カットイン画像741が表示される。尚、第2設定段階示唆演出の達吉カットイン画像741は、所定の時間(例えば5秒程度)にわたり表示した後、表示を終了することが望ましい。また、第2設定段階示唆演出の達吉カットイン画像741は、当該疑似図柄演出表示の変動が終了するまで継続して表示するようにしてもよい。
本発明の要旨である第2設定段階示唆演出の「カットイン予告」は、第1特図又は第2特図の変動に伴う疑似演出表示にて実施するようになし、実施された場合の第1特図又は第2特図の当否判定で大当りとなる可能性が外れ時よりも高く大当り当選の期待度を高める高期待度の演出としている。「カットイン予告」は、第1特図又は第2特図の疑似図柄リーチ演出において実施される。その分、「カットイン予告」は、「のぞき予告」に比べて実施頻度が極めて低いが一度の実施により大当り当選確率の設定段階を推測することが容易な演出である。
更に、第2設定段階示唆演出の「カットイン予告」は、大当り当選確率の設定段階が高確率の設定段階に設定されたときのほうが大当り当選への期待度(大当り予告の信頼度)を低いものとしている。更にまた、第2設定段階示唆演出の「カットイン予告」は、特定の条件として、例えば演出実施回数が特定の回数に達することにより大当り当選への期待度(大当り予告の信頼度)を向上するようにしている。
(9-1.設定段階示唆演出の出現率、信頼度)
パチンコ機1において、第1設定段階示唆演出である「のぞき予告」は、大当り確率の設定段階毎に実施される頻度が異な構成である。例えば、図21に示すように、「のぞき予告」は、設定段階が「1」の場合には出現率が1/60とされ、設定段階が「2」の場合には出現率が1/50とされ、設定段階が「3」の場合には出現率が1/40とされている。これによれば、遊技者にとって当選確率が有利な設定段階「3」の場合に、「のぞき予告」が実施される頻度が高く、遊技者に設定段階が「3」であることを推測することが可能な構成である。尚、第1設定段階示唆演出である「のぞき予告」において、大当り予告の信頼度は、設定段階に応じて変化するものではない。
パチンコ機1において、第2設定段階示唆演出である「カットイン予告」は、大当り確率の設定段階毎に実施される頻度が異な構成である。設定段階が「1」の場合には出現率が約1/1000とされ、設定段階が「2」の場合には出現率が約1/800とされ、設定段階が「3」の場合には出現率が約1/800とされている。
また、第2設定段階示唆演出である「カットイン予告」は、大当り当選であることを示唆する大当り予告に関する信頼度が、大当り確率の設定段階毎に異な構成である。図22に示すように、「カットイン予告」の大当り予告に関する信頼度は、大当り確率の設定段階が「1」であれば「100%」としている。
大当り確率の設定段階が「2」の場合、「カットイン予告」の大当り予告に関する信頼度は、所定の開始時から1回目の演出実施時の信頼度が「80%」としている。また所定の開始時から2回目の以降の演出実施時の信頼度を「100%」としている。例えば、所定の開始時は、「カットイン予告」の初期化時であり、第1特図又は第2特図が変動していない待機状態が所定回数に達することで遊技者が変わったとみなして初期化することが望ましい。
大当り確率の設定段階が「3」の場合、「カットイン予告」の大当り予告に関する信頼度は、所定の開始時から1回目及び2回目の演出実施時の信頼度が「80%」としている。そして所定の開始時から3回目の以降の演出実施時の信頼度を「100%」としている。例えば、所定の開始時は、「カットイン予告」の初期化時であり、第1特図又は第2特図が変動していない待機状態が所定回数に達することで遊技者が変わったとみなして初期化することが望ましい。
尚、第2設定段階示唆演出である「カットイン予告」は、大当り確率の設定段階が「2」又は「3」の場合に出現率が約1/800と高く設定されている。しかし「カットイン予告」は、特定の回数にわたり実施されると第1特図又は第2特図の当否判定のハズレ時に実施されなくなる。本実施例では大当り確率の設定段階が「2」の場合に1回、大当り確率の設定段階が「3」の場合に2回実施されると「カットイン予告」は、ハズレ時に実施されなくなる。このため、「カットイン予告」の出現率は、1/800が最も高い出現率をなし、「カットイン予告」が実施される回数に応じて出現率は低くなる。
また「カットイン予告」は、大当り予告の信頼度が向上した場合、ハズレの時に実施されなくなることで下がってしまう出現率を調整するため、当たり変動時の出現率を上げて出現率を調整するようにしてもよい。
(9-2.演出制御処理)
次に、図23乃至図25を参照して設定段階示唆演出の実施に関する制御を説明する。設定段階示唆演出は、図23に示す「演出制御処理A」により演出を実施するか否かの設定がなされる。「演出制御処理A」は、サブ統合制御装置42で実行されるプログラム処理である。
図23に示すように、「演出制御処理A」は、先ず、処理S500において、主制御装置40からの変動開始コマンド(図13の処理S320参照)を受信したか否か判定する。否定判定であれば(処理S500:No)、本処理を終了して、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンへリターンする。
処理S500にて肯定判定であれば(処理S500:Yes)、処理S501において主制御装置40からの変動開始コマンドに含まれる変動パターンに基づき演出パターンの設定を行う。
続く処理S502において、第1設定段階示唆演出である「のぞき予告」を実施するか否かの抽選を行う。前述したように「のぞき予告」は、設定段階に応じて1/60、1/50又は1/40の確率でといった高い頻度で実施さる。しかしながら、大当り確率の設定段階を推測するのが困難である。
続く処理S503において、当該変動が大当り変動であるか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S503:Yes)、処理S504において、第2設定段階示唆演出である「カットイン予告」を実施するか否かの抽選を行う。前述したように「カットイン予告」は、設定段階に応じて約1/1000又は約1/800の確率で実施さる。
その後、処理S505において、第1特図又は第2特図の変動に応じた疑似図柄変動演出の動作を開始する。本処理によりサブ統合制御装置42から演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21へ演出コマンドが送信され、演出図柄表示装置21にて疑似図柄変動演出が実施される。
また処理S505において、サブ統合制御装置42から送信される演出コマンドには前記処理S502の「のぞき予告」を実施するか否かの抽選結果が含まれる。「のぞき予告」を実施するとの抽選結果であれば、当該変動のリーチ演出を実施する前の変動中に「のぞき予告」を実施するようになす。尚、「のぞき予告」は当該変動のリーチ演出を実施する前に終了するようになす。
更に処理S505において、サブ統合制御装置42から送信される演出コマンドには前記処理S504の「カットイン予告」を実施するか否かの抽選結果が含まれる。「カットイン予告」を実施するとの抽選結果であれば、当該変動のリーチ演出の変動中に「カットイン予告」を実施するようになす。尚、「カットイン予告」は当該変動のリーチ演出の終了に応じて終了するようになす。
前記処理S503にて否定判定であれば(処理S503:No)、処理S506において、設定されている大当り当選確率の設定段階が「2」又は「3」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S506:No)、処理S505へ移行してハズレ変動の疑似図柄変動演出が実施される。
この場合、前記処理S502にて「のぞき予告」を実施するとの抽選結果であれば、当該変動のリーチ演出を実施する前の変動中に「のぞき予告」を実施するようになす。尚、「のぞき予告」は当該変動のリーチ演出を実施する前に終了するようになす。
また処理S503及び処理S506により、大当り当選確率の設定段階が「1」であり、且つハズレ変動時には「カットイン予告」は実施されない構成である。
前記処理S506にて肯定判定であれば(処理S506:Yes)、処理S507において、ハズレ時禁止フラグが「0」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S507:No)、処理S505へ移行してハズレ変動の疑似図柄変動演出が実施される。
尚、処理S503乃至処理S507の処理は、大当り当選確率の設定段階が「2」であり既に1回の「カットイン予告」が実施されて演出の信頼度が100%に上昇した、又は大当り当選確率の設定段階が「3」であり既に2回の「カットイン予告」が実施されて演出の信頼度が100%に上昇した場合に、ハズレ時禁止フラグが「1」となって、ハズレ変動の「カットイン予告」の実施を禁止するようになす。
前記処理S507にて肯定判定であれば(処理S507:Yes)、処理S508において、ハズレ変動時に「カットイン予告」を実施するか否かの抽選を行う。
(9-3.外れ時カットイン予告抽選処理A)
この場合、「カットイン予告」を実施するか否かの抽選は、図24に示す「外れ時カットイン予告抽選処理A」で実行される。「外れ時カットイン予告抽選処理A」は先ず、処理S550において、リーチ演出を実施する演出パターンであるか否かの判定を実行する。否定判定であれば(処理S550:No)、「演出制御処理A」の処理S508(図23)へリターンする。これにより、処理S505において、「カットイン予告」を行わないハズレ変動の疑似図柄変動演出を実施する。
図24に戻って、前記処理S550にて肯定判定であれば(処理S550:Yes)、処理S551において、「カットイン予告」を実施するか否かの抽選を行う。
続く処理S552において、抽選の結果が「カットイン予告」を実施する当選であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S552:No)、リターンする。
前記処理S552にて肯定判定であれば(処理S552:Yes)、続く処理S553において「カットイン予告」を実施する設定を行う。更に処理S554において、「カットイン予告」の実施回数を計数する予告カウンタの予告カウント値に「1」を加算する。
続く処理S555において、設定されている大当り当選確率の設定段階が「3」であるか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S555:Yes)、処理S556において、予告カウンタのカウント値が「2」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S556:No)、リターンする。これにより、処理S505(図23)において、「カットイン予告」を実施するハズレ変動の疑似図柄変動演出を実施する。
前記処理S556にて肯定判定であれば(処理S556:Yes)、処理S557において、ハズレ時禁止フラグに「1」をセットする。続く処理S558において、予告カウンタのカウント値を「0」にリセットする。その後、リターンする。これにより、処理S505(図23)において、「カットイン予告」を実施するハズレ変動の疑似図柄変動演出を実施する。
前記処理S555にて否定判定であれば(処理S555:No)、処理S559において、予告カウンタのカウント値が「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S559:No)、リターンする。これにより、処理S505(図23)において、「カットイン予告」を実施するハズレ変動の疑似図柄変動演出を実施する。
前記処理S559にて肯定判定であれば(処理S559:Yes)、処理S557において、ハズレ時禁止フラグに「1」をセットする。続く処理S558において、予告カウンタのカウント値を「0」にリセットする。その後、リターンする。これにより、処理S505(図23)において、「カットイン予告」を実施するハズレ変動の疑似図柄変動演出を実施する。
(9-4.待機中処理)
パチンコ機1は、前述したように第1特図又は第2特図が変動していない待機状態が所定回数に達することで遊技者が変わったとみなして初期化する構成である。当該初期化は、図25に示す「待機中処理」にて実行する。
図25に示すように、「待機中処理」は先ず、処理S600において、遊技停止中であるか否かを反対する。この場合、遊技停止とは、第1特図又は第2特図の変動が実施されていない、第1特図及び第2特図の保留記憶がない、大当り遊技状態でない場合を停止中とみなす。否定判定であれば(処理S600:No)、本処理を終了して、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンへリターンする。
前記処理S600にて肯定判定であれば(処理S600:Yes)、処理S601において、予告カウンタのカウント値が「0」でないか否かを判定する。予告カウンタのカウント値が「0」で否定判定であれば(処理S601:No)、処理S602においてハズレ時禁止フラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S602:No)、リターンする。
前記処理S601にて肯定判定(処理S601:Yes)又は処理S602にて肯定判定(処理S602:Yes)であれば、処理S603において、待機状態をカウントする待機カウンタのカウント値に「1」を加算する。
続く処理S604において、待機カウンタのカウント値が所定の値(例えば300回)であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S604:No)、リターンする。
前記処理S604にて、肯定判定であれば(処理S604:Yes)、処理S605において、予告カウンタを「0」にリセットする。またハズレ時禁止フラグも「0」にリセットする。続く処理S606において、待機カウンタのカウント値を「0」にリセットする。その後、リターンする。
(10.第1実施例の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は、次の構成を有する。即ち、所定の条件の成立に基づいて当りか否かの当否判定を行う当否判定手段(処理S313、処理S314)と、当否判定の結果に応じて、識別情報の変動表示を行う変動表示手段28A,28Bと、を備える。また当否判定に当選して変動表示にて特定表示結果が表示されると特別遊技状態へ移行する特別遊技実施手段(処理S405)と、外部からの指示に応じて前記当否判定手段による前記当否判定の当選確率を段階的に設けられた複数種類の中から何れかの確率に選択可能な設定手段(処理S7)と、を備える、更に変動表示手段による識別情報の変動表示に基づいて演出表示を実行する演出表示手段21と、設定手段により設定された当選確率の設定段階を示唆する設定段階示唆演出を演出表示手段21にて実施する設定段階示唆演出手段(処理S504、処理S508)と、を備える。そして、設定段階示唆演出手段は、設定段階示唆演出を識別情報の変動表示に基づく演出表示にて実施するようになし、設定段階示唆演出を、実施された場合の当否判定で当選となる可能性が外れ時よりも高く当選の期待度を高める高期待度の演出となし、且つ設定段階示唆演出を、設定手段により当選確率の設定段階が第1の設定段階よりも高確率とされる第2の設定段階に設定されたときのほうが当否判定による当選への期待度が低いものとなす。更に、設定手段により当選確率の設定段階が第2の設定段階に設定されている場合に、予め設定された特定の条件が成立することにより設定段階示唆演出の期待度を上昇させる演出期待度上昇手段(処理S507)を備える構成である。
本パチンコ機1によれば、設定段階示唆演出(カットイン予告)が実施されることにより大当り当選の予告の信頼度(大当りへの期待度)が高いものとなる。特に、大当り当選確率が低い設定段階程より大当り予告の信頼度の高いものにできる。一方で、大当り当選確率が高い設定では大当りに当選しない可能性が高いこととなる。このため、遊技者にとっては当選してほしいが外れた方が当選確率が高設定である可能性が高いことになるため、例え当選しなくても遊技者を落胆させずに済み、設定段階示唆演出の価値を高めることができる。そして設定段階示唆演出がある程度の回数で外れると高確率の設定段階であることが判断できてしまうため、設定段階示唆演出が出現することで外れてしまう可能性があるのではないかと不安にさせる予告になるおそれがある。そこで設定段階示唆演出がある程度実施されることで演出の大当り予告の信頼度を高め、設定段階示唆演出が実施されることで外れるのではないかといった不安感を抑えることができる。このように本パチンコ機1は、単に設定段階示唆演出を当選確率の設定段階を示唆するものというだけなく、大当り当選の期待度を示すことで設定段階示唆演出の面白味を向上させることができ、従来にない興趣の豊かなパチンコ機を実現することができる。
またパチンコ機1は、大当り当選確率の高い設定段階「2」、「3」おいて、「カットイン予告」の大当り予告の信頼度を上昇させるための特定の条件(演出の実施回数)を相違させる構成である。これによれば、設定段階「2」、「3」とでは大当り予告の信頼度が変化したタイミングによっても設定段階を示唆できるといった作用効果を奏する。
更にパチンコ機1は、設定段階「2」、「3」おいて、「カットイン予告」の大当り予告の信頼度を上昇させた後、予め設定された初期条件(待機状態)が成立することにより「カットイン予告」の大当り予告の信頼度を上昇させる前の期待度に戻す構成である。これによれば、新たな遊技者が遊技を始める際に「カットイン予告」が外れないから当選確率が低い設定であろうと勘違いされてしまうことを防ぐといった作用効果を奏する。
尚、本実施例のパチンコ機1においては、当否判定のハズレ時に実施された「カットイン予告」をカウントする予告カウンタと、ハズレ時の「カットイン予告」の実施を禁止する外れ時禁止フラグとをそれぞれ遊技の待機状態が所定期間経過したらリセットする構成であるが、これに限らず他の条件でリセットするようにしてもよい。例えば、予告カウンタと外れ時禁止フラグとをそれぞれ大当りが発生したらリセットしてもよいし、「カットイン予告」が実施された後に大当りが出たらリセットすることも考えられる。
〔第2実施例〕
(11.第2実施例のパチンコ機の概略構成)
第1実施例のパチンコ機1は、設定段階示唆演出である「カットイン予告」にて特図変動中に大当り予告を行う構成であるが、これに限るものではない。そこで本実施例では、設定段階示唆演出である「カットイン予告」にて大当り遊技中に大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行する予告を行う構成としたパチンコ機について説明する。尚、本実施例のパチンコ機の基本構成は、第1実施例のそれとほぼ同一であり、相違点を中心に説明する。
本実施例のパチンコ機は、大当り遊技中の大当り遊技演出表示において、第1特図又は第2特図の当選確率が何れの設定値に設定されているかを示唆する設定段階示唆演出(カットイン予告)を実施する構成である。
更に、パチンコ機は、「カットイン予告」を大当り遊技中の大当り遊技演出表示にて実施するうえで、「カットイン予告」を、実施された場合の大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行する可能性が移行しない時よりも高く確変遊技状態への移行の期待度を高める高期待度の演出となす。更に、パチンコ機は、「カットイン予告」を、大当り確率の設定段階が高確率とされる設定段階に設定されたときのほうが確変遊技状態への移行の期待度が低いものとなるようにしている。更にまたパチンコ機は、大当り確率の設定段階が高確率とされる設定段階に設定されている場合に、予め設定された特定の条件が成立することにより「カットイン予告」の期待度を上昇させるように構成されている。
図26を参照して大当り遊技演出表示および設定段階示唆演出(カットイン予告)表示形態の一例を説明する。図26(a)は、大当り遊技の開始インターバルの演出を示し、演出図柄表示装置21の表示画面には、その上半部に戦闘機演出モードのキャラクタである戦闘機画像710が表示される。そして、表示画面の下半部には、第1特図又は第2特図に対応する3桁の数字等からなる大当り疑似演出図柄702が確定表示される。
大当り開始インターバルの後、大当り遊技の第1ラウンドが開始されると、図26(b)に示すように、演出図柄表示装置21の表示画面には、ラウンド数を示すラウンド表示721が実施される共に、空中戦映像711が展開される。空中線映像711による演出は、大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行するか否かの昇格演出である。例えば敵飛行機を撃破できれば確変遊技状態へ移行するということを報知する構成が望ましい。更に当該昇格演出では、敵飛行機を撃破する前に「カットイン予告」を出現させることが可能な構成である。
大当り遊技が進行して、第5ラウンドに達すると、図26(c)に示すように、抽選により設定段階示唆演出である「カットイン予告」が実施される。「カットイン予告」は、演出図柄表示装置21の表示画面の中央部において、ラウンド表示721及び空中戦映像711を背景に達吉カットイン画像741が表示される。尚、達吉カットイン画像741は、第5ラウンドの終了に伴い表示を終了することが望ましい。その後、大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行する昇格演出であれば、敵飛行機を撃破した映像を展開するようになす。
(11-1.第2実施例の設定段階示唆演出の出現率、信頼度)
本実施例のパチンコ機において、設定段階示唆演出である「カットイン予告」は、大当り確率の設定段階毎に実施される頻度が異な構成である。図27に示すように、設定段階が「1」の場合には出現率が約1/5とされ、設定段階が「2」の場合には出現率が約1/4とされ、設定段階が「3」の場合には出現率が約1/4とされている。
また、設定段階示唆演出である「カットイン予告」は、大当り遊技後に確変することを示唆する確変予告に関する信頼度が、大当り確率の設定段階毎に異な構成である。図28に示すように、「カットイン予告」の確変予告に関する信頼度は、大当り確率の設定段階が「1」であれば「100%」としている。
大当り確率の設定段階が「2」の場合、「カットイン予告」の確変予告に関する信頼度は、所定の開始時から1回目の演出実施時の信頼度が「80%」としている。また所定の開始時から2回目の以降の演出実施時の信頼度を「100%」としている。例えば、所定の開始時は、「カットイン予告」の初期化時であり、第1特図又は第2特図が変動していない待機状態が所定回数に達することで遊技者が変わったとみなして初期化することが望ましい。
大当り確率の設定段階が「3」の場合、「カットイン予告」の確変予告に関する信頼度は、所定の開始時から1回目及び2回目の演出実施時の信頼度が「80%」としている。そして所定の開始時から3回目の以降の演出実施時の信頼度を「100%」としている。例えば、所定の開始時は、「カットイン予告」の初期化時であり、第1特図又は第2特図が変動していない待機状態が所定回数に達することで遊技者が変わったとみなして初期化することが望ましい。
尚、設定段階示唆演出である「カットイン予告」は、大当り確率の設定段階が「2」又は「3」の場合に出現率が約1/4と高く設定されている。しかし「カットイン予告」は、特定の回数にわたり実施されると大当り遊技終了後に確変しない非確変時に実施されなくなる。本実施例では大当り確率の設定段階が「2」の場合に1回、大当り確率の設定段階が「3」の場合に2回実施されると「カットイン予告」は、非確変時に実施されなくなる。このため、「カットイン予告」の出現率は、1/4が最も高い出現率をなし、「カットイン予告」が実施される回数に応じて出現率は低くなる。
また「カットイン予告」は、確変予告の信頼度が向上した場合、非確変時に実施されなくなることで下がってしまう出現率を調整するため、確変時の出現率を上げて出現率を調整するようにしてもよい。
(11-2.第2実施例の演出制御処理)
次に、図29乃至図30を参照して設定段階示唆演出の実施に関する制御を説明する。設定段階示唆演出は、図29に示す「演出制御処理B」により演出を実施するか否かの設定がなされる。「演出制御処理B」は、サブ統合制御装置42で実行されるプログラム処理である。
図29に示すように、「演出制御処理B」は、先ず、処理S700において、主制御装置40からの大当り遊技の第5ラウンドの開始コマンド(図17の処理S413参照)を受信したか否か判定する。否定判定であれば(処理S700:No)、本処理を終了して、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンへリターンする。
処理S700にて肯定判定であれば(処理S700:Yes)、処理S701において主制御装置40からの大当り遊技開始コマンドに含まれる情報に基づき大当り遊技の演出パターンの設定を行う。
続く処理S702において、当該大当り遊技がその終了後に確変する大当り遊技であるか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S702:Yes)、処理S703において、設定段階示唆演出である「カットイン予告」を実施するか否かの抽選を行う。前述したように「カットイン予告」は、設定段階に応じて約1/5又は約1/4の確率で実施さる。
その後、処理S704において、大当り遊技演出の動作を開始する。本処理によりサブ統合制御装置42から演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21へ演出コマンドが送信され、演出図柄表示装置21にて大当り遊技演出が実施される。
また処理S704において、サブ統合制御装置42から送信される演出コマンドには前記処理S703の「カットイン予告」を実施するか否かの抽選結果が含まれる。「カットイン予告」を実施するとの抽選結果であれば、第5ラウンドの遊技中に「カットイン予告」を実施するようになす。尚、「カットイン予告」は当該第5ラウンドの終了に応じて終了するようになす。
前記処理S702にて否定判定であれば(処理S702:No)、処理S705において、設定されている大当り当選確率の設定段階が「2」又は「3」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S705:No)、処理S704へ移行して大当り遊技演出が実施される。
この場合、前記処理S502にて「のぞき予告」を実施するとの抽選結果であれば、当該変動のリーチ演出を実施する前の変動中に「のぞき予告」を実施するようになす。尚、「のぞき予告」は当該変動のリーチ演出を実施する前に終了するようになす。
また処理S702及び処理S705、大当り当選確率の設定段階が「1」であり、且つ非確変時には「カットイン予告」は実施されない構成である。
前記処理S705にて肯定判定であれば(処理S705:Yes)、処理S706において、ハズレ時禁止フラグが「0」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S706:No)、処理S704へ移行して大当り遊技演出が実施される。
尚、処理S702乃至処理S706の処理は、大当り当選確率の設定段階が「2」であり既に1回の「カットイン予告」が実施されて演出の信頼度が100%に上昇した、又は大当り当選確率の設定段階が「3」であり既に2回の「カットイン予告」が実施されて演出の信頼度が100%に上昇した場合に、ハズレ時禁止フラグが「1」となって、ハズレ変動の「カットイン予告」の実施を禁止するようになす。
前記処理S706にて肯定判定であれば(処理S706:Yes)、処理S707において、ハズレ変動時に「カットイン予告」を実施するか否かの抽選を行う。
(11-3.外れ時(非確変)カットイン予告抽選処理B)
この場合、「カットイン予告」を実施するか否かの抽選は、図30に示す「外れ時カットイン予告抽選処理B」で実行される。「外れ時カットイン予告抽選処理B」は先ず、処理S751において、「カットイン予告」を実施するか否かの抽選を行う。前述したように「カットイン予告」は約1/4の確率で実施さる。
続く処理S752において、抽選の結果が「カットイン予告」を実施する当選であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S752:No)、リターンする。
前記処理S752にて肯定判定であれば(処理S752:Yes)、続く処理S753において「カットイン予告」を実施する設定を行う。更に処理S754において、「カットイン予告」の実施回数を計数する予告カウンタの予告カウント値に「1」を加算する。
続く処理S755において、設定されている大当り当選確率の設定段階が「3」であるか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S755:Yes)、処理S756において、予告カウンタのカウント値が「2」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S756:No)、リターンする。これにより、処理S705(図29)において、「カットイン予告」を実施する非確変時の大当り遊技演出を実施する。
前記処理S756にて肯定判定であれば(処理S756:Yes)、処理S757において、ハズレ時禁止フラグに「1」をセットする。続く処理S758において、予告カウンタのカウント値を「0」にリセットする。その後、リターンする。これにより、処理S705(図29)において、「カットイン予告」を実施する非確変時の大当り遊技演出を実施する。
前記処理S755にて否定判定であれば(処理S755:No)、処理S759において、予告カウンタのカウント値が「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S759:No)、リターンする。これにより、処理S705(図29)において、「カットイン予告」を実施する非確変時の大当り遊技演出を実施する。
前記処理S759にて肯定判定であれば(処理S759:Yes)、処理S757において、ハズレ時禁止フラグに「1」をセットする。続く処理S758において、予告カウンタのカウント値を「0」にリセットする。その後、リターンする。これにより、処理S705(図29)において、「カットイン予告」を実施する非確変時の大当り遊技演出を実施する。
(12.第2実施例の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は、次の構成を有する。即ち、所定の条件の成立に基づいて当りか否かの当否判定を行う当否判定手段(処理S313、処理S314)と、当否判定の結果に応じて、識別情報の変動表示を行う変動表示手段28A,28Bと、を備える。また当否判定に当選して変動表示にて特定表示結果が表示されると特別遊技状態へ移行する特別遊技実施手段(処理S405)と、特別遊技状態の終了後に当否判定の当選に有利な特典遊技状態へ移行可能とする特典遊技移行手段(処理S435)と、外部からの指示に応じて前記当否判定手段による前記当否判定の当選確率を段階的に設けられた複数種類の中から何れかの確率に選択可能な設定手段(処理S7)と、を備える、更に変動表示手段による識別情報の変動表示に基づいて演出表示を実行する演出表示手段21と、設定手段により設定された当選確率の設定段階を示唆する設定段階示唆演出を演出表示手段21にて実施する設定段階示唆演出手段(処理S504、処理S508)と、を備える。そして、設定段階示唆演出手段は、設定段階示唆演出を特別遊技状態の演出表示にて実施するようになし、設定段階示唆演出を、実施された場合の特別遊技状態の終了後に特典遊技状態へ移行する可能性が移行しない時よりも高く特典遊技状態への期待度を高める高期待度の演出となし、且つ設定段階示唆演出を、設定手段により当選確率の設定段階が第1の設定段階よりも高確率とされる第2の設定段階に設定されたときのほうが特典遊技状態へ移行する期待度が低いものとなす。更に、設定手段により当選確率の設定段階が第2の設定段階に設定されている場合に、予め設定された特定の条件が成立することにより設定段階示唆演出の期待度を上昇させる演出期待度上昇手段(処理S706)を備える構成である。
本実施例のパチンコ機によれば、設定段階示唆演出(カットイン予告)が実施されることにより大当り遊技後の確変予告の信頼度(確変への期待度)が高いものとなる。特に、大当り当選確率が低い設定段階程より確変予告の信頼度の高いものにできる。一方で、大当り当選確率が高い設定では大当り遊技終了後に確変しない可能性が高いこととなる。このため、遊技者にとっては確変してほしいが外れた方が大当りの当選確率が高設定である可能性が高いことになるため、例え確変しなくても遊技者を落胆させずに済み、設定段階示唆演出の価値を高めることができる。そして設定段階示唆演出がある程度の回数で外れると高確率の設定段階であることが判断できてしまうため、設定段階示唆演出が出現することで非確変でないかと不安にさせる予告になるおそれがある。そこで設定段階示唆演出がある程度実施されることで演出の確変予告の信頼度を高め、設定段階示唆演出が実施されることで非確変ではないかといった不安感を抑えることができる。このように本パチンコ機は、単に設定段階示唆演出を当選確率の設定段階を示唆するものというだけなく、大当り遊技終了後の確変移行への期待度を示すことで設定段階示唆演出の面白味を向上させることができ、従来にない興趣の豊かなパチンコ機を実現することができる。
またパチンコ機1は、大当り当選確率の高い設定段階「2」、「3」おいて、「カットイン予告」の確変予告の信頼度を上昇させるための特定の条件(演出の実施回数)を相違させる構成である。これによれば、設定段階「2」、「3」とでは確変予告の信頼度が変化したタイミングによっても設定段階を示唆できるといった作用効果を奏する。
更にパチンコ機1は、設定段階「2」、「3」おいて、「カットイン予告」の確変予告の信頼度を上昇させた後、予め設定された初期条件(待機状態)が成立することにより「カットイン予告」の確変予告の信頼度を上昇させる前の期待度に戻す構成である。これによれば、新たな遊技者が遊技を始める際に「カットイン予告」が外れないから当選確率が低い設定であろうと勘違いされてしまうことを防ぐといった作用効果を奏する。
尚、本実施例のパチンコ機においては、非確変であるのに実施された「カットイン予告」をカウントする予告カウンタと、非確変時の「カットイン予告」の実施を禁止する外れ時禁止フラグとをそれぞれ遊技の待機状態が所定期間経過したらリセットする構成であるが、これに限らず他の条件でリセットするようにしてもよい。例えば、予告カウンタと外れ時禁止フラグとをそれぞれ確変が発生したらリセットしてもよいし、「カットイン予告」が実施された後に確変が出たらリセットすることも考えられる。
尚、本発明は前述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、本発明は、回胴式遊技機に適用してもよい、更に本発明は、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する封入式遊技機に適用してもよい。