JP6672873B2 - 画像処理装置、表示装置、及び、表示装置の制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことを目的とする。
本発明によれば、入力部が、入力された画素データを補間部が処理する相数に対応する複数画素の画素データにまとめて補間部に出力する。従って、補間部が、入力された画素データに対し、複数の相で並列的に補間演算を行うことができ、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことができる。
本発明によれば、補間部から出力される複数画素の画素データが、入力部に入力される1つの画素データに相当するデータ量に圧縮される。従って、データ量の増加を抑え、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことができる。
本発明によれば、出力画素の座標と、画像上の座標とが対応付けられている。従って、補間部が、補間演算のために参照する画素数を抑えて、画像の変形を効率的に行うことができる。
本発明によれば、画像の少なくとも一部を拡大させた拡大率に応じて、圧縮率を変更することができる。従って、データ量の増加を抑え、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことができる。
本発明によれば、出力画素と、画像を構成する画素との対応付けを容易に行うことができる。
本発明によれば、画像を構成する画素の座標を、変形後画像上の座標に容易に変換することができる。
本発明によれば、出力画素の座標を、画像上の座標に容易に変換することができる。
本発明によれば、入力部が、入力された画素データを補間部が処理する相数に対応する複数画素の画素データにまとめて補間部に出力する。従って、補間部が、入力された画素データに対し、複数の相で並列的に補間演算を行うことができ、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことができる。このため、表示面への画像の表示の際に、遅延の発生を抑制することができる。
本発明によれば、入力された画素データを補間部が処理する相数に対応する複数画素の画素データにまとめて補間部に出力する。従って、補間部が、入力された画素データに対し、複数の相で並列的に補間演算を行うことができ、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことができる。このため、表示面への画像の表示の際に、遅延の発生を抑制することができる。
プロジェクター1は、パーソナルコンピューターや各種映像プレーヤー等の外部の画像供給装置3に接続され、この画像供給装置3から供給される画像信号に基づく画像を対象物体に投射する装置である。画像供給装置3としては、ビデオ再生装置、DVD(Digital Versatile Disk)再生装置、テレビチューナー装置、CATV(Cable television)のセットトップボックス、ビデオゲーム装置等の映像出力装置、パーソナルコンピューター等が挙げられる。また、対象物体は、建物や物体など、一様に平らではない物体であってもよいし、スクリーンSCや、建物の壁面等の平らな投射面を有するものであってもよい。本実施形態では平面のスクリーンSCに投射する場合を例示する。なお、本実施形態では、スクリーンSCが「表示面」に相当する。
I/F部21は、ケーブルを接続するコネクター及びI/F回路(いずれも図示略)を備え、ケーブルを介して接続された画像供給装置3から供給される画像信号を入力する。I/F部21は、入力された画像信号を画像データ(以下、画像データD1と表記する)に変換して画像処理部23Aに出力する。
I/F部21が備えるインターフェイスは、例えば、Ethernet(登録商標)、IEEE1394、USB等のデータ通信用のインターフェイスであってもよい。また、I/F部21のインターフェイスは、MHL(登録商標)、HDMI(登録商標)、DisplayPort等の画像データ用のインターフェイスであってもよい。
また、I/F部21は、コネクターとして、アナログ映像信号が入力されるVGA端子や、デジタル映像データが入力されるDVI(Digital Visual Interface)端子を備える構成であってもよい。さらに、I/F部21は、A/D変換回路を備え、VGA端子を介してアナログ映像信号が入力された場合に、A/D変換回路によりアナログ映像信号を画像データD1に変換して画像処理部23Aに出力する。
光源部11は、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)等からなる光源を備える。また、光源部11は、光源が発した光を光変調装置12に導くリフレクター及び補助リフレクターを備えていてもよい。また、光源部11は、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群、偏光板、或いは光源が発した光の光量を光変調装置12に至る経路上で低減させる調光素子等(いずれも図示略)を備えたものであってもよい。
光源部11は、光源駆動部15により駆動される。光源駆動部15は、内部バス60に接続され、内部バス60を介して制御部40から入力される制御信号に従って、光源部11の光源を点灯又は消灯させる。
また、プロジェクター1は、ユーザーが使用するリモコン5を有する。リモコン5は各種のボタンを備えており、これらのボタンの操作に対応して赤外線信号を送信する。プロジェクター1の本体には、リモコン5が発する赤外線信号を受光するリモコン受光部32が配置される。リモコン受光部32は、リモコン5から受光した赤外線信号をデコードして、リモコン5における操作内容を示す操作信号を生成し、制御部40に出力する。
補正制御部42は、例えば、入力処理部33がリモコン5や操作パネル31による形状補正処理の指示を検出し、形状補正処理の指示を示す操作データが入力された場合に、画像処理部23Aを制御して、形状補正処理を実行させる。
画像処理部23Aは、取得した画像データD1をフレームごとにフレームメモリー25に展開し、フレームメモリー25に展開された画像データD1に対して画像処理を実行する。画像処理部23Aが実行する画像処理には、例えば、解像度変換処理や、色調補正処理等が含まれる。解像度変換処理とは、画像データD1の画素数を変更して、画像データD1の解像度と、光変調装置12が備える液晶パネルの解像度の差異を吸収する処理である。色調補正とは、液晶パネルの特性に起因する輝度ムラや色ムラを補正する処理である。また、画像処理部23Aは、上記の複数の処理を組み合わせて実行することも勿論可能である。
また、画像処理部23Aは、画像処理した画像データ(以下、画像データD2と表記する)に形状補正を行い、形状補正後の画像データ(以下、画像データD3と表記する)を後述する圧縮部50に出力して圧縮させる。圧縮部50により圧縮された画像データD3は、フレームメモリー25に記憶される。
また、画像処理部23Aは、フレームメモリー25から画像データD3を取得して解凍し、解凍した画像データD3を表示画像データとして光変調装置駆動部17に出力する。
また、圧縮部50は、画像データD3の種類やサイズによらず一定の圧縮率で圧縮してもよいし、画像データD3の種類やサイズに応じて圧縮率を変更してもよい。
形状補正部230は、相数変換部231と、ラインバッファー232と、転送先座標テーブル233と、座標演算部234と、補間部235と、フィルターテーブル236とを備える。
タイミングコントローラー210は、I/F部21から入力される画像データD1に含まれる信号を読み取り、読み取った信号に基づいて画像処理部23Aの動作タイミングを制御するクロック信号を生成する。画像データD1には、同期信号(垂直同期信号及び水平同期信号)やドットクロック信号が含まれる。タイミングコントローラー210は、生成したクロック信号を、処理部220や形状補正部230に出力する。
相数変換部231は、タイミングコントローラー210から入力されるクロック信号に同期して、画像データD2を構成する画素の画素データを処理部220から入力する。画素データには、当該画素の画像データD2における位置(画素位置)を示す位置情報と、当該画素の画素値とが含まれる。
相数変換部231は、クロック信号に同期して画素データを1画素ずつ入力し、2画素分の画素データが入力されると、入力された2画素分の画素データをまとめてラインバッファー232に出力する。相数変換部231は、後述する補間部235が並列的に補間演算を行う相の数に対応した画素数分の画素データを出力する。本実施形態では、補間部235は、2つのフィルター演算部を備え、これらのフィルター演算部が並列的に補間演算を行うため、相数変換部231は、2画素分の画素データをまとめて出力する。
また、相数変換部231は、2画素分の画素データを、クロック信号の2クロックサイクルごとに、1クロックサイクルの期間内にまとめて出力する。
以下では、相数変換部231からまとめて出力される画素データの画素数が、相数変換部231がクロック信号に同期して入力する画素データの画素数とは異なるように変換する処理を相数変換処理という。本実施形態の相数変換部231は、1クロックサイクルに1画素分の画素データを入力し、1クロックサイクルに2画素分の画素データをまとめて出力しているため、2相変換処理を行っている。また、クロック信号の1クロックサイクルに、1画素の画素データを処理する処理を1相処理といい、クロック信号の1クロックサイクルに、2画素の画素データを処理する処理を2相処理という。
図3は、画像データD2の一部の領域を拡大した状態を示す図である。
図3に示す領域A及びEは、拡大や縮小の処理を行っていない無変換の領域を示す。また、図3に示す領域B及びDは、縮小処理を行ってサイズを縮小した領域を示す。また、図3に示す領域Cは、拡大処理を行ってサイズを拡大した領域を示す。
このため、拡大処理を伴う場合に、形状補正部230を構成する各部が1相処理により画像データD2を処理していると、処理の完了した画像データD3の画素データが形状補正部230から出力されるまで、形状補正部230に入力される画素データを待機させておく必要があり、リアルタイムに画像データD3を出力することができない。このため、相数変換部231が相数変換処理を行い、2画素分の画素データをまとめて出力する。
ラインバッファー232には、相数変換部231から2画素分の画素データが、クロック信号の2クロックサイクルごとに入力される。ラインバッファー232は、入力された画素データを順次記憶する。
ラインバッファー232は、画像データD2の4ライン分の画素データを記憶すると、タイミングコントローラー210から入力されるクロック信号に同期して、画素データを補間部235に出力する。ラインバッファー232は、クロック信号の1クロックサイクルに2画素分の画素データを出力する。
図2には、4つのラインバッファー232A、232B、232C及び232Dを備えるラインバッファー232を示したが、ラインバッファー232の数は4つに限定されるものではなく、補間部235の補間演算に必要とする画素数に応じて増減できる。
なお、以下では、形状補正処理の一例として台形歪み補正を行う場合について説明する。また、以下では、台形歪み補正を単に補正という。座標変換情報は、例えば、プロジェクター1の制御部40によって算出され、転送先座標テーブル233に登録されてもよい。また、パーソナルコンピューター等の外部装置により算出された座標変換情報を制御部40が入力し、制御部40が転送先座標テーブル233に登録してもよい。
本実施形態では、図4に示すように、補正前画像P0をL画素×L画素(Lは任意の自然数)の矩形のブロックに分割し、分割した各ブロックの格子点を前述の代表点とする。分割した各ブロックの格子点について補正後画像P1上の座標を計算し、補正前画像P0上の座標と、補正後画像P1上の座標とを対応付けて転送先座標テーブル233に登録する。なお、補正前画像P0に設定された直交座標系をX−Y座標系とし、補正後画像P1に設定された直交座標系をx−y座標系とする。
例えば、図4に示す補正前画像P0上のブロックの各格子点(X0,Y0),(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3)の座標と、図4に示す補正後画像P1上のブロックの各格子点(x0,y0),(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3)の座標とがそれぞれに対応付けられる。
座標演算部234は、ラインバッファー232に格納された複数ラインの画像データD2から、画素値の算出が可能な補正後画像P1上の出力画素の座標を算出する。座標演算部234は、算出した出力画素の座標を補正前画像P0上の座標に変換して、補間部235に通知する。
第1変換部2341は、補正前画像P0を構成する画素の座標を、補正後画像P1上の座標に変換する。補正前画像P0を構成する画素は、補正前画像P0上の座標値が整数の位置に配置され、補正前画像P0上での座標値に小数点が含まれる位置には、画素が存在しない。また、補正後画像P1上の「座標」には、座標値に小数点を含む場合がある。
選択部2342は、補正前画像P0を構成する画素の補正後画像P1上の座標に基づいて、補正後画像P1を構成する出力画素を選択する。
第2変換部2343は、出力画素の座標を、補正前画像P0上の座標に対応付ける。具体的には、第2変換部2343は、選択部2342の選択した出力画素の補正前画像P0上の座標を算出する。第2変換部2343は、算出した出力画素の補正前画像P0上の座標を補間部235に出力する。
第1フィルター演算部2351及び第2フィルター演算部2352には、座標演算部234により演算された出力画素の座標がそれぞれ入力される。第1フィルター演算部2351及び第2フィルター演算部2352は、座標演算部234から入力される出力画素の座標に基づいて、当該出力画素の画素値の算出に必要な画素データをラインバッファー232からそれぞれ取得する。補間部235は、クロック信号に同期してラインバッファー232から2画素分の画素データを読み込む。読み込まれた画素データは、第1フィルター演算部2351と、第2フィルター演算部2352とに1画素ずつ分配される。
第1フィルター演算部2351及び第2フィルター演算部2352は、算出した出力画素の画素値と、この出力画素の画像データD3における座標とを含む画素データをそれぞれに生成する。第1フィルター演算部2351及び第2フィルター演算部2352は、それぞれ生成した画素データを圧縮部50に出力する。
画像供給装置3が画像信号の供給を開始し、画像供給装置3から画像信号が入力されると、I/F部21は、入力された画像信号を画像データD1に変換し、画像処理部23Aに出力する。画像処理部23Aは、制御部40の制御に従って画像データD1を入力する。画像処理部23Aは、処理部220により入力された画像データD1に解像度変換処理や、色調補正処理等の処理を行い、処理後の画像データD2を形状補正部230に出力する。処理部220から出力された画像データD2は、形状補正部230の相数変換部231に入力される。画像データD2が本発明の「入力画像」に相当する。
図6には、上から順に、垂直同期信号(Vsync信号)、クロック信号、入力データイネーブル信号、第1内部データイネーブル信号、第2内部データイネーブル信号、出力データイネーブル信号を示す。
Vsync信号は、タイミングコントローラー210に入力される同期信号である。画像処理部23Aは、Vsync信号が入力されてから次のVsync信号が入力されるまでの期間に、1フレームの画像データD2を処理する。
Vsync信号の下には、タイミングコントローラー210により生成され、相数変換部231に入力されるクロック信号を示す。
また、クロック信号の下に示す入力データイネーブル信号は、相数変換部231に、画素データが入力される期間を示す。入力データイネーブル信号の信号レベルがHighになると、クロック信号に同期して画素データが相数変換部231に入力される。
入力データイネーブル信号の下に示す第1内部データイネーブル信号は、相数変換部231が画素データを出力するタイミングを示す。
相数変換部231は、第1内部データイネーブル信号の信号レベルがHighの期間に、2画素分の画素データをラインバッファー232にまとめて出力する。図6に示すクロック信号のサイクル0(Cycle0)、サイクル1(Cycle1)の期間に2画素分の画素データが入力されると、相数変換部231は、次のサイクル2(Cycle2)で2画素分の画素データを出力する。以降、相数変換部231は、クロック信号の2クロックサイクルで2画素分の画素データを入力し、次の1クロックサイクルで2画素分の画素データを出力する相数変換処理を繰り返し、ラインバッファー232に画素データを記憶させる。
図7には、出力画素F(XF,YF)と、出力画素F(XF,YF)を取り囲む、補正前画像P0上の4つの整数画素とを示す。図7には、4つの整数画素の画素位置が(0,0)、(0,1)、(1,0)(1,1)である場合を示す。
例えば、X軸方向及びY軸方向の整数画素間の距離を、それぞれ32刻みに設定した場合、X軸方向、Y軸方向ともに32個のフィルター係数が用意され、フィルターテーブル236に記憶される。また、補間フィルターのTap数を4に設定した場合、X軸方向のフィルター係数の総数は、32×4=128個となる。Y軸方向についても、32刻み、補間フィルターのTap数を4とした場合、128個のフィルター係数が用意され、フィルターテーブル236に記憶される。
第1フィルター演算部2351は、座標演算部234から通知された出力画素F(XF,YF)の補正前画像P0上の座標における画素値を補間演算によって算出する。
例えば、補間演算に使用する補間フィルターのTap数が4である場合、第1フィルター演算部2351は、図7に示すように出力画素F(XF,YF)の周囲の4×4画素の画素値を用いて補間演算を行う。
また、第1フィルター演算部2351は、出力画素F(XF,YF)と、この出力画素Fの左上の整数画素との距離(dX,dY)に基づいて、補間フィルターのフィルター係数を選択する。例えば、出力画素F(XF,YF)のX軸方向の座標値(図8に示すdX)が0.5である場合、第1フィルター演算部2351は、16/32のフィルター係数を選択する。第1フィルター演算部2351は、選択した画素の画素値と、選択した補間フィルターのフィルター係数との畳み込み演算を行って、出力画素F(XF,YF)の画素値を算出する。すなわち、第1フィルター演算部2351は、出力画素Fの画素値を補間演算により算出する(ステップS6)。第1フィルター演算部2351は、画素値を算出すると、算出した出力画素Fの画素値と、座標演算部234から取得した出力画素Fの補正後画像P1の座標(xi,yi)である画素位置とを含む画素データを圧縮部50に出力する。
補間部235の第1フィルター演算部2351及び第2フィルター演算部2352は、第2内部データイネーブル信号の信号レベルがHighの期間に、算出した出力画素Fの画素データをそれぞれ出力する。
また、図6に示す区間A及びEには、画像データD2に対し、拡大及び縮小のいずれの処理も行わない無変形の場合の第2イネーブル信号の信号波形を示す。無変形の区間A及びEでは、クロック信号に同期して、2画素分の画素データが圧縮部50に出力される。
また、図6に示す区間B及びDには、画像データD2に対し、縮小処理を行った場合の第2内部データイネーブル信号の信号波形を示す。縮小処理が行われると、画像データD2を構成する画素の一部が削除されるため、第2内部データイネーブル信号は、信号の一部が歯抜けの波形となる。図6に示す区間BのB1、及び区間DのD1及びD2において、第2内部データイネーブル信号の信号レベルがHighとならずに、Lowレベルのままとなっている。
また、図6に示す区間Cには、画像データD2に対し、拡大処理を行った場合の第2内部データイネーブル信号の信号波形を示す。拡大処理が行われると、画素数が増えるため、第2内部データイネーブル信号は、拡大処理を行っている期間で、信号レベルがHighの状態を維持する。
圧縮部50は、補間部235から画素データが入力されると、入力された画素データの備えるビット数を削減する。例えば、圧縮部50に入力される2画素分の画素データが16ビットのビットデータ(1画素8ビット)であった場合、50%に圧縮して、8ビットのビットデータに変換する。すなわち、圧縮部50は、1画素の画素データが4ビットのデータに圧縮する。圧縮部50は、圧縮した画素データをフレームメモリー25に記憶させる。
まず、第1変換部2341は、転送先座標テーブル233を参照して、補正前画像P0上の座標(X,Y)を、補正後画像P1上の座標(x,y)に変換する線形変換の変換式を算出する(ステップS11)。
図9は形状補正処理の説明図である。図9の左側には、補正前画像P0と、補正前画像P0を構成する1ブロックであるブロックAを拡大した状態を示す。また、図9の右側には、補正後画像P1と、補正後画像P1におけるブロックAを拡大した状態を示す。補正により補正前画像P0上のブロックAが、補正後画像P1上のブロックAに補正される。また、L(Lは任意の自然数)画素×L画素のかたまりをブロックと表記する。図9に示す補正前画像P0のブロックA内の座標(X,Y)を、図9に示す補正後画像P1の座標(x,y)に変換する線形変換の変換式が下記式(1)、(2)となる。
また、座標(X,Y)は、ブロックAの左上を原点とする座標である。すなわち、補正前画像P0の原点(0、0)から座標(X,Y)までの座標は、座標(X,Y)に、原点からブロックAの左上の格子点までの距離を加算して求めることができる。補正後画像P1上の座標(x,y)は、補正後画像P1の原点(0,0)を原点とする座標である。
次に、選択部2342は、補正前画像P0において、ブロックA内の小さい領域の4画素(例えば、2×2画素)を選択し、選択した4画素の補正後画像P1上の座標を上述した式(1)、(2)によりそれぞれ算出する(ステップS12)。以下では、選択された4画素を画素a,b,c,dと呼ぶ。補正前画像P0上の選択された4画素a,b,c,dを図10の左側に示す。選択された4画素a,b,c,dの補正後画像P1上の位置を図10の右側に示す。また、図10の右側には、4画素a,b,c,dと、その周囲に位置する、座標値が整数で表される画素(以下、整数画素という)とを拡大して表示する。
次に、選択部2342は、補正後画像P1上の4画素a,b,c,dで囲まれた範囲内にある整数画素を出力画素Fとして特定する(ステップS13)。図10の右下に示す4画素a,b,c,dで囲まれた画素Fが出力画素Fとなる。選択部2342は、補正後画像P1上の4画素a,b,c,dで囲まれた範囲内に出力画素Fが存在しない場合、再度、4画素を選択して、ステップS12からの処理を繰り返す。
次に、第2変換部2343は、出力画素Fの補正前画像P0上の座標を算出する(ステップS14)。ステップS12で選択した4画素a,b,c,dの補正後画像P1上の座標をa(xf0,yf0),b(xf1,yf1),c(xf2,yf2),d(xf3,yf3)と表記する。また、ステップS13で特定した出力画素Fの座標を(xi,yi)と表記する。
第2変換部2343は、まず、出力画素Fが、4画素a,b,c,dのうち、a(xf0,yf0),c(xf2,yf2),d(xf3,yf3)で囲まれた三角形の範囲内に含まれるのか、a(xf0,yf0),b(xf1,yf1),d(xf3,yf3)で囲まれた三角形の範囲内に含まれるのかを判定する。
第2変換部2343は、出力画素Fが、a(xf0,yf0),c(xf2,yf2),d(xf3,yf3)で囲まれた三角形の範囲内に含まれると判定する場合、下記式(3)、(4)により出力画素F(xi,yi)の補正前画像P0上の座標(XF,YF)を算出する。図11の右側には、補正前画像P0上の出力画素F(xi,yi)の補正前画像P0上の座標(XF,YF)を示す。式(3)及び(4)は、4画素a,b,c,dの補正後画像P1上の座標を、補正前画像P0上の座標に戻すアフィン変換の変換式を求め、求めた変換式により出力画素F(xi,yi)を補正前画像P0の座標(XF,YF)に変換することで求められる式である。また、式(3)及び(4)に示すMの値は、画素間の距離に対応した値であり、上下左右に隣接する2×2画素の座標とした場合、Mの値は1になる。
なお、本実施形態では、出力画素Fの補正前画像P0上の座標を算出する際に線形変換ではなく、アフィン変換を用いる。これは、線形変換の変換式の逆関数を求める演算が複雑となるため、アフィン変換を用いて出力画素Fの補正前画像P0上の座標を算出する。
補間部235は、入力される画素データに対し、複数の相で並列的に補間演算を行って演算結果を出力する。
相数変換部231は、画像データD2を構成する画素の画素データを補間部235が処理する相数に対応する複数画素の画素データにまとめて補間部235に出力する。
圧縮部50は、補間部235が出力する補間演算の結果である画素データを圧縮して出力する。
従って、補間部235が、入力された画素データに対し、複数の相で並列的に補間演算を行うことができ、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことができる。
従って、データ量の増加を抑え、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことができる。
第1変換部2341は、画像を構成する画素の座標を、画像を変形した変形後画像上の座標に変換する。
選択部2342は、画像を構成する画素の補正後画像上の座標に基づいて、補正後画像を構成する出力画素を選択する。
第2変換部2343は、出力画素の座標を、画像上の座標に対応付ける。
また、補間部235は、画像上の座標における画素値を、相数変換部231から入力される画素データに基づく補間演算により算出し、算出結果を出力画素の画素値として出力する。
従って、補間部235が、補間演算のために参照する画素数を抑えて、画像の変形を効率的に行うことができる。
従って、画像の少なくとも一部を拡大させた拡大率に応じて、圧縮率を変更することができる。このため、データ量の増加を抑え、補間演算により画素数が増加しても、処理を効率的に行うことができる。
従って、出力画素と、画像を構成する画素との対応付けを容易に行うことができる。
圧縮部50は、後述する相数変換部231が実行する相数変換処理の相数に応じて圧縮率を変更してもよい。例えば、相数変換部231が、1画素分の画素データを順次入力し、2画素分のデータにまとめて出力する2相変換処理を行う場合、圧縮部50は、画素データを50%の圧縮率で圧縮する。また、相数変換部231が、1画素分の画素データを順次入力し、4画素分の画素データにまとめて出力する4相変換処理を行う場合、圧縮部50は、画素データを75%の圧縮率で圧縮する。圧縮部50は、圧縮された画素データをフレームメモリー25に出力して記憶させる。すなわち、圧縮部50は、圧縮部50から出力されるデータ量が、形状補正部230に入力されるデータ量と等しくなるように画素データを圧縮する。
拡大率は、パーソナルコンピューター等の外部装置が座標変換情報を算出する際に拡大率も算出し、プロジェクター1に座標変換情報と拡大率とを転送してもよい。また、プロジェクター1が、座標変換情報を算出する際に拡大率も算出してもよい。制御部40は、算出した拡大率を圧縮部50に通知し、圧縮部50は、制御部40から通知された拡大率に対応した圧縮率で画素データを圧縮する。
また、図1及び図2に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プロジェクター1の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
Claims (10)
- 入力される画素データに対し、複数の相で並列に補間演算を行って、演算結果を出力する補間部と、
入力画像を構成する画素の画素データを、前記補間部が処理する相数に対応する数の画素データにまとめて前記補間部に出力する入力部と、
前記補間部が出力する補間演算の結果である画素データを圧縮して出力する圧縮部と、を備え、
前記圧縮部は、前記補間部が出力する複数画素の画素データを、前記入力部に入力される1つの画素データに相当するデータ量に圧縮すること、を特徴とする画像処理装置。 - 入力される画素データに対し、複数の相で並列に補間演算を行って、演算結果を出力する補間部と、
入力画像を構成する画素の画素データを、前記補間部が処理する相数に対応する数の画素データにまとめて前記補間部に出力する入力部と、
前記補間部が出力する補間演算の結果である画素データを圧縮して出力する圧縮部と、
前記入力画像を構成する画素の座標を、前記入力画像を変形した変形後画像上の座標に変換する変換部と、
前記入力画像を構成する画素の前記変形後画像上の座標に基づいて、前記変形後画像を構成する出力画素を選択する選択部と、
前記出力画素の座標を、前記入力画像上の座標に対応付ける対応付け部と、を備え、
前記補間部は、前記入力画像上の座標における画素値を、前記入力部から入力される画素データに基づく補間演算により算出し、算出結果を前記出力画素の画素値として出力し、
前記変換部は、前記入力画像の少なくとも一部を拡大して前記変形後画像に変換し、
前記圧縮部は、前記変換部が前記入力画像の少なくとも一部を拡大させた拡大率に応じて、画素データを圧縮する圧縮率を変更すること、を特徴とする画像処理装置。 - 入力画像を構成する画素の座標を、前記入力画像を変形した変形後画像上の座標に変換する変換部と、
前記入力画像を構成する画素の前記変形後画像上の座標に基づいて、前記変形後画像を構成する出力画素を選択する選択部と、
前記出力画素の座標を、前記入力画像上の座標に対応付ける対応付け部と、を備え、
前記補間部は、前記入力画像上の座標における画素値を、前記入力部から入力される画素データに基づく補間演算により算出し、算出結果を前記出力画素の画素値として出力すること、を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記選択部は、前記入力画像を構成する複数の画素の前記変形後画像上の座標によって囲まれた領域内の画素であって、座標値が整数の画素を前記出力画素として選択すること、を特徴とする請求項2または3記載の画像処理装置。
- 前記変換部は、線形変換に基づいて、前記入力画像を構成する画素の座標を、前記変形後画像上の座標に変換すること、を特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記対応付け部は、アフィン変換に基づいて、前記出力画素の座標を、前記入力画像上の座標に変換すること、を特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の画像処理装置。
- 入力される画素データに対し、複数の相で並列に補間演算を行って、演算結果を出力する補間部と、
入力画像を構成する画素の画素データを、前記補間部が処理する相数に対応する数の画素データにまとめて前記補間部に出力する入力部と、
前記補間部が出力する補間演算の結果である画素データを圧縮して出力する圧縮部と、
前記圧縮部が圧縮した画素データを記憶する画素データ記憶部と、
前記画素データ記憶部から圧縮された画素データを読み出して解凍し、表示面に表示させる表示部と、を備え、
前記圧縮部は、前記補間部が出力する複数画素の画素データを、前記入力部に入力される1つの画素データに相当するデータ量に圧縮すること、を特徴とする表示装置。 - 入力される画素データに対し、複数の相で並列に補間演算を行って、演算結果を出力する補間部と、
入力画像を構成する画素の画素データを、前記補間部が処理する相数に対応する数の画素データにまとめて前記補間部に出力する入力部と、
前記補間部が出力する補間演算の結果である画素データを圧縮して出力する圧縮部と、
前記圧縮部が圧縮した画素データを記憶する画素データ記憶部と、
前記画素データ記憶部から圧縮された画素データを読み出して解凍し、表示面に表示させる表示部と、
前記入力画像を構成する画素の座標を、前記入力画像を変形した変形後画像上の座標に変換する変換部と、
前記入力画像を構成する画素の前記変形後画像上の座標に基づいて、前記変形後画像を構成する出力画素を選択する選択部と、
前記出力画素の座標を、前記入力画像上の座標に対応付ける対応付け部と、を備え、
前記補間部は、前記入力画像上の座標における画素値を、前記入力部から入力される画素データに基づく補間演算により算出し、算出結果を前記出力画素の画素値として出力し、
前記変換部は、前記入力画像の少なくとも一部を拡大して前記変形後画像に変換し、
前記圧縮部は、前記変換部が前記入力画像の少なくとも一部を拡大させた拡大率に応じて、画素データを圧縮する圧縮率を変更すること、を特徴とする表示装置。 - 表示装置の制御方法であって、
入力画像を構成する画素の画素データを、複数画素の画素データにまとめて出力する出力ステップと、
前記出力ステップにより出力された画素データに対して、複数の相で並列に補間演算を行って、演算結果を出力する補間ステップと、
前記補間ステップにより出力された画素データを圧縮して出力する圧縮ステップと、
前記圧縮ステップにより圧縮された画素データを画素データ記憶部に記憶させる記憶ステップと、
前記画素データ記憶部から圧縮された画素データを読み出して解凍し、表示面に表示させる表示ステップと、を有し、
前記圧縮ステップは、前記補間ステップが出力する複数画素の画素データを、前記出力ステップに入力される1つの画素データに相当するデータ量に圧縮し、
前記出力ステップは、前記入力画像を構成する画素の画素データを、前記補間ステップにより処理する相数に対応する数の画素データにまとめて出力する、
ことを特徴とする表示装置の制御方法。 - 表示装置の制御方法であって、
入力画像を構成する画素の画素データを、複数画素の画素データにまとめて出力する出力ステップと、
前記出力ステップにより出力された画素データに対して、複数の相で並列に補間演算を行って、演算結果を出力する補間ステップと、
前記補間ステップにより出力された画素データを圧縮して出力する圧縮ステップと、
前記圧縮ステップにより圧縮された画素データを画素データ記憶部に記憶させる記憶ステップと、
前記画素データ記憶部から圧縮された画素データを読み出して解凍し、表示面に表示させる表示ステップと、
前記入力画像を構成する画素の座標を、前記入力画像を変形した変形後画像上の座標に変換する変換ステップと、
前記入力画像を構成する画素の前記変形後画像上の座標に基づいて、前記変形後画像を構成する出力画素を選択する選択ステップと、
前記出力画素の座標を、前記入力画像上の座標に対応付ける対応付けステップと、を有し、
前記補間ステップは、前記入力画像上の座標における画素値を、前記出力ステップにより出力された画素データに基づく補間演算により算出し、算出結果を前記出力画素の画素値として出力し、
前記変換ステップは、前記入力画像の少なくとも一部を拡大して前記変形後画像に変換し、
前記圧縮ステップは、前記変換ステップにより前記入力画像の少なくとも一部を拡大させた拡大率に応じて、画素データを圧縮する圧縮率を変更し、
前記出力ステップは、前記入力画像を構成する画素の画素データを、前記補間ステップにより処理する相数に対応する数の画素データにまとめて出力する、
ことを特徴とする表示装置の制御方法。
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