JP6679903B2 - 画像処理装置、表示装置、及び、画像処理装置の制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献1は、複数のプロジェクターにより投影される画像をつなぎ合わせて1つの画像を形成する画像投影システムにおいて、投影面に投影される画像の輝度が均一になるように補正する技術を開示する。特許文献1では、各プロジェクターに、プロジェクターが表示する表示画像の画素数と同数の黒浮き量値(輝度)を記憶させ、これらの黒浮き量値に基づいて、複数のプロジェクターの投影画像をつなぎ合わせた場合の輝度の分布である合成黒浮き量分布を算出する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、少ないデータ量であっても画像データに対する補正を精度よく行うことができる画像処理装置、表示装置、及び、画像処理装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、補正する領域の境界を示す情報に基づいて、画像データの領域を特定し、特定した領域に対して補正量に基づく補正が行われる。従って、補正を行う領域を特定することにより、補正に用いるデータ量を抑え、精度よく画像データを補正できる。
本発明によれば、補正する領域の境界に位置する画素の位置情報により、画像データの補正を行う領域が特定される。従って、補正に用いるデータ量を抑え、精度よく画像データを補正できる。
本発明によれば、補正する領域の境界に位置し、互いに離散して配置された複数の画素の位置情報により、補正する領域が特定される。従って、補正に用いるデータ量を抑え、精度よく画像データを補正できる。
本発明によれば、境界に位置するすべての画素の位置情報を記憶する場合と比較して、記憶部の記憶する情報量が削減される。
本発明によれば、特定した第1の領域及び第2の領域に対応した補正量により補正を行うことができる。
本発明によれば、補正部が、画像データの黒レベルを補正する。従って、画像データの黒レベルを好適なレベルとすることができる。
本発明によれば、補正部が、画像データのシャープネス、色あい及び明るさの少なくとも1つを補正する。従って、画像データのシャープネス、色あい及び明るさの少なくとも1つを好適に補正することができる。
本発明によれば、記憶部で消費される電力消費量を削減し、情報の入出力を高速に行うことができる。
本発明によれば、補正する領域の境界を示す情報に基づいて、画像データの領域が特定され、特定した領域に対して補正を行った画像データが表示部に表示される。従って、補正を行う領域を特定することにより、補正に用いるデータ量を抑え、精度よく画像データを補正して、補正した画像データを表示することができる。
本発明によれば、表示面に表示された枠を示す画像の位置に基づいて、境界を示す情報を生成することができる。
本発明によれば、操作部の操作により表示面での枠を示す画像の位置を変更し、変更後の枠を示す画像の位置に基づいて境界を示す情報を生成する。従って、操作部を操作して、表示面での枠を示す画像の位置を領域の境界に対応する位置に変更し、変更後の枠を示す画像の位置に基づいて境界を示す情報を生成することができる。
本発明によれば、補正する領域の境界を示す情報に基づいて、画像データの領域を特定し、特定した領域に対して補正量に基づく補正が行われる。従って、補正を行う領域を特定することにより、補正に用いるデータ量を抑え、精度よく画像データを補正できる。
図1は、本実施形態のプロジェクター(表示装置)100の構成を示すブロック図である。
プロジェクター100は、パーソナルコンピューターや各種映像プレーヤー等の外部の画像供給装置200に接続され、この画像供給装置200から入力される画像データに基づく画像を対象物体に投射する装置である。画像供給装置200としては、ビデオ再生装置、DVD(Digital Versatile Disk)再生装置、テレビチューナー装置、CATV(Cable television)のセットトップボックス、ビデオゲーム装置等の映像出力装置、パーソナルコンピューター等が挙げられる。また、対象物体は、建物や物体など、一様に平らではない物体であってもよいし、スクリーンSCや、建物の壁面等の平らな投射面を有するものであってもよい。本実施形態では平面のスクリーンSC(表示面)に投射する場合を例示する。
画像I/F部151は、ケーブルを接続するコネクター及びインターフェース回路(いずれも図示略)を備え、ケーブルを介して接続された画像供給装置200から供給される画像信号を入力する。画像供給装置200は、入力された画像信号を画像データに変換して画像処理部152に出力する。
画像I/F部151が備えるインターフェースは、例えば、Ethernet(登録商標)、IEEE1394、USB等のデータ通信用のインターフェースであってもよい。また、画像I/F部151のインターフェースは、MHL(登録商標)、HDMI(登録商標)、DisplayPort等の画像データ用のインターフェースであってもよい。
また、画像I/F部151は、コネクターとして、アナログ映像信号が入力されるVGA端子や、デジタル映像データが入力されるDVI(Digital Visual Interface)端子を備える構成であってもよい。さらに、画像I/F部151は、A/D変換回路を備え、VGA端子を介してアナログ映像信号が入力された場合、A/D変換回路によりアナログ映像信号を画像データに変換し、画像処理部152に出力する。
光源部111は、光源駆動部121により駆動される。光源駆動部121は、内部バス180に接続され、内部バス180に接続された制御部170の制御に従って動作する。光源駆動部121は、制御部170の制御に従い、光源部111の光源を点灯又は消灯させる。
また、プロジェクター100は、ユーザーが使用するリモコン5を有する。リモコン5は各種のボタンを備えており、これらのボタンの操作に対応して赤外線信号を送信する。プロジェクター100の本体には、リモコン5が発する赤外線信号を受光するリモコン受光部132が配置される。リモコン受光部132は、リモコン5から受光した赤外線信号をデコードして、リモコン5における操作内容を示す操作信号を生成し、制御部170に出力する。
画像処理部152は、処理後の画像をフレームメモリー153から読み出して、黒浮き補正処理部156に出力する。
補正用メモリー155は、黒浮き(黒レベル)の補正を行う画像データの領域(以下、補正領域Eという。図3参照)を特定するための境界情報(境界を示す情報)を記憶する。また、補正用メモリー155は、境界情報により特定される補正領域Eごとに設定された補正値(補正量)を記憶する。すなわち、補正用メモリー155には、複数の補正領域Eの補正値を記憶する。境界情報と、この境界情報が示す補正領域Eの補正値とは、識別情報により対応付けられる。境界情報及び補正領域Eの詳細については、図2を参照しながら説明する。
黒浮き補正処理部156は、補正用メモリー155が記憶する境界情報を参照して、画像データの補正領域Eを特定する。黒浮き補正処理部156は、複数の領域(第1の領域及び第2の領域)を補正領域Eとして特定することもできる。また、黒浮き補正処理部156は、特定した複数の補正領域Eに対応する補正値を補正用メモリー155から読み出し、読み出した補正値により各補正領域Eを補正する。境界情報を含む黒浮き補正処理部156が実行する処理の詳細については、図2を参照しながら説明する。
黒浮き(黒レベル)補正とは、黒の画像又は黒の画像の一部がスクリーンSCに投射された際に、投射された画像の輝度を補正する処理をいう。黒の画像とは、階調値が0の画像である。プロジェクター100から投射される光には、光変調装置112からの出射光量を最も抑えた状態としても、僅かに光変調装置112から漏出する漏れ光が存在する。この漏れ光に起因して、スクリーンSCに投射された画像の輝度が均一にならない場合がある。黒浮き補正では、補正領域Eを指定し、指定した補正領域Eの輝度を補正する処理を行う。
また、制御部170は、CPUが、RAMをワークメモリーとして使用し、基本制御プログラム及びアプリケーションプログラムを実行することにより実現される機能ブロックとして、投射制御部171及び補正領域設定部172を備える。補正領域設定部172は、本発明の領域設定部に相当する。
黒浮き補正用画像とは、例えば、黒色のラスター画像に、黒浮き補正を行う補正領域Eを設定するためのガイド画像を重畳した画像である。
黒浮き補正用画像に黒色のラスター画像を用いるのは、スクリーンSCに投射される画像(以下、投射画像という)の黒浮きをしている部分(明るい部分)と、黒浮きをしていない部分(暗い部分)とをユーザーが目視で確認しやすくするためである。
また、ガイド画像には、例えば、黒浮き補正を行う領域の指定が可能な枠体の画像が用いられる。枠体の形状は、ユーザーが操作パネル131又はリモコン5を操作して、黒浮き補正を行いたい領域の形状に合った形状に変更することができる。
黒浮き補正処理部156は、補正領域判定部1561、補正値取得部1562、第1色空間変換部1563、デガンマ処理部1564、加算部1565、ガンマ処理部1566、第2色空間変換部1567を備える。また、画像処理部152、補正用メモリー155及び黒浮き補正処理部156は、本発明の画像処理装置300として動作する。また、補正領域判定部1561、補正値取得部1562及び加算部1565は、本発明の補正部として動作する。
なお、本実施形態では、画像処理装置300が画像処理部152を備えた構成であるとして説明するが、画像処理装置300は、画像処理部152を備えていなくてもよい。
また、補正領域判定部1561は、補正用メモリー155が複数の境界情報を記憶する場合、境界情報ごとに補正領域Eを特定し、特定した補正領域Eを示す情報と、境界情報を識別する識別情報とを補正値取得部1562に出力する。
境界情報は、補正の対象となる画像データの領域である補正領域Eを特定する情報である。より具体的には、境界情報は、補正領域Eに含まれる画素であって、補正領域Eを規定する境界線上の画素の位置を示す位置情報である。境界線上の画素は、補正領域Eの境界に位置し、互いに離散して配置される。境界線上の画素と画素との間は、等間隔であってもよいし、それぞれ異なる間隔であってもよい。位置情報には、例えば、画素番号や座標を用いることができる。図3では、画像データの左上を原点とし、水平方向をX軸方向、垂直方向をY軸方向とする座標系により境界情報を規定した場合を示す。
補正領域Eに含まれる画像データの画素であって、補正領域Eを規定する境界線上に位置する画素を境界画素という。境界情報は、4つの境界線a,b,c及びd上に位置するすべての境界画素の位置情報を登録したものであってもよいし、例えば、4画素間隔、5画素間隔のように所定間隔の画素ごとに境界画素の位置情報を登録してもよい。
図3には、上側境界線aを、上側境界線aを構成する9つの境界画素の座標(Xa1,Ya1)〜(Xa9,Ya9)により規定した場合を示す。また、下側境界線bを、下側境界線bを構成する9つの境界画素の座標(Xb1,Yb1)〜(Xb9,Xb9)により規定した場合を示す。また、左側境界線cを、左側境界線cを構成する9つの境界画素の座標(Xc1,Yc1)〜(Xc9,Xc9)により規定した場合を示す。また、右側境界線dを、右側境界線dを構成する9つの境界画素の座標(Xd1,Yd1)〜(Xd9,Xd9)により規定した場合を示す。
上側境界線a上に位置する境界画素の位置を登録した境界情報を、上側境界情報301といい、下側境界線b上に位置する境界画素の位置を登録した境界情報を、下側境界情報302という。また、左側境界線c上に位置する境界画素の位置情報を登録した境界情報を、左側境界情報303といい、右側境界線c上に位置する境界画素の位置情報を登録した境界情報を、右側境界情報304という。
また、図4には、1画素が1座標点に対応する場合を示し、画像データの左上に位置する画素の中央を原点(0,0)とし、水平方向をX軸方向、垂直方向をY軸方向とする。また、境界画素の位置を示す座標も、該当する画素の中央の位置を示す座標であるとする。例えば、図4に示す画素Hの座標である(1,3)は、画素Hの中央の位置を示す座標であるとする。
上側境界情報301には、補正領域Eを規定する上側境界線a上に位置する境界画素(図4に示す境界画素H,J,K,L,M)の座標が記録される。また、下側境界情報302には、補正領域Eを規定する下側境界線b上に位置する境界画素(図4に示す境界画素P,Q,R,S,T)の座標が記録される。また、左側境界情報303には、補正領域Eを規定する左側境界線c上に位置する境界画素(図4に示す境界画素J,I,H,T)の座標が記録される。また、右側境界情報304には、補正領域Eを規定する右側境界線d上に位置する境界画素(図4に示す境界画素M,N,O,P)の座標が記録される。
補正領域判定部1561は、上側境界情報301及び下側境界情報302を参照して、補正領域Eの上側及び下側の境界線の位置を特定する。
例えば、X座標の値が「3」の場合に上側及び下側の境界線の位置を特定するときには、補正領域判定部1561は、上側境界情報301及び下側境界情報302を参照して、X座標の値が「3」のときのY座標の値を取得する。上側境界情報301には、座標情報として(3,1)が記録され、下側境界情報302には、座標情報として(3,4)が記録される。このため、補正領域判定部1561は、X座標の座標値が「3」のときの上側境界線aの位置は「1」、下側境界線bの位置は「4」であると判定する。補正領域判定部1561は、対象とするX座標の座標値を変更しながら、同様の方法により上側境界線a及び下側境界線bの位置を特定する。
補正領域判定部1561は、左側境界情報303及び右側境界情報304を参照して、補正領域Eの左側及び右側の境界線の位置を特定する。
例えば、Y座標の値が「3」の場合の左側及び右側の境界線の位置を特定する場合、補正領域判定部1561は、左側境界情報303及び右側境界情報304を参照して、Y座標の値が「3」のときのX座標の値を取得する。左側境界情報303には、座標情報として(1,3)が記録され、右側境界情報304には、座標情報として(5,3)が記録される。このため、補正領域判定部1561は、Y座標の座標値が「3」のときの左側境界線cの位置は「1」、右側境界線dの位置は「5」であると判定する。補正領域判定部1561は、対象とするY座標の座標値を変更しながら、同様の方法により左側境界線c及び右側境界線dの位置を特定する。
図5には、上側境界情報301として、境界画素f,h,iの位置情報が記録される。位置情報は、図5の左上に位置する画素の中央を基準位置(0,0)とし、水平方向であるX軸方向、垂直方向であるY軸方向での座標値で示される。また、1画素が1座標点に対応するとする。境界画素fの位置情報は(0,4)であり、境界画素hの位置情報は(4,0)であり、境界画素iの位置情報は(8,0)である。また、図5には、下側境界情報302として、境界画素n,m,lの位置情報が記録される。境界画素nの位置情報は(0,5)であり、境界画素mの位置情報は(4,5)であり、境界画素lの位置情報は(8,5)である。また、図5には、左側境界情報303として、境界画素f,g,hの位置情報が記録される。境界画素fの位置情報は(0,4)であり、境界画素gの位置情報は(2,2)であり、境界画素hの位置情報は(4,0)である。また、図5には、右側境界情報304として、境界画素i,j,kの位置情報が記録される。境界画素iの位置情報は(8,0)であり、境界画素jの位置情報は(8,2)であり、境界画素kの位置情報は(8,4)である。
補正領域判定部1561は、上側境界情報301を参照して、図5に示す境界画素f,h及びiの位置情報を取得する。補正領域判定部1561は、境界画素fの座標情報と、境界画素hの座標情報とに基づいて直線補間を行い、境界画素fと、境界画素hとの間の上側境界線aの位置を特定する。また、補正領域判定部1561は、境界画素hの座標情報と、境界画素iの座標情報とに基づいて直線補間を行い、境界画素hと、境界画素iとの間の上側境界線aの位置を特定する。
補正領域判定部1561は、下側境界情報302を参照して、図5に示す境界画素n,m及びlの位置情報を取得する。補正領域判定部1561は、境界画素nの座標情報と、境界画素mの座標情報とに基づいて直線補間を行い、境界画素nと、境界画素mとの間の下側境界線bの位置を特定する。また、補正領域判定部1561は、境界画素mの座標情報と、境界画素lの座標情報とに基づいて直線補間を行い、境界画素mと、境界画素lとの間の下側境界線bの位置を特定する。補正領域判定部1561は、左側境界情報303を参照して、図5に示す境界画素f,g及びhの位置情報を取得する。補正領域判定部1561は、境界画素fの座標情報と、境界画素gの座標情報とに基づいて直線補間を行い、境界画素fと、境界画素gとの間の左側境界線cの位置を特定する。また、補正領域判定部1561は、境界画素gの座標情報と、境界画素hの座標情報とに基づいて直線補間を行い、境界画素gと、境界画素hとの間の左側境界線cの位置を特定する。補正領域判定部1561は、右側境界情報304を参照して、図5に示す境界画素i,j及びkの位置情報を取得する。補正領域判定部1561は、境界画素iの座標情報と、境界画素jの座標情報とに基づいて直線補間を行い、境界画素iと、境界画素jとの間の右側境界線dの位置を特定する。また、補正領域判定部1561は、境界画素jの座標情報と、境界画素kの座標情報とに基づいて直線補間を行い、境界画素jと、境界画素kとの間の右側境界線dの位置を特定する。
第1色空間変換部1563は、画像データを入力する入力部として動作する。第1色空間変換部1563は、画像処理部152から入力される画像データの色空間を変換する。第1色空間変換部1563は、例えば、画像データがRGBデータである場合、画像データの色空間を、例えば、YUV等に変換し、変換後の画像データから輝度データを取得する。第1色空間変換部1563は、得られた輝度データをデガンマ処理部1564に出力する。
加算部1565は、まず、識別情報に基づいて、補正領域Eを示す情報と、この補正領域Eの補正値とを対応付ける。次に、加算部1565は、補正領域Eを示す情報に基づいて、デガンマ処理部1564から入力される輝度データの補正領域Eの位置を特定する。さらに、加算部1565は、特定した補正領域Eの輝度データに、補正領域Eの補正値を加算して、輝度データを補正する。加算部1565は、補正した輝度データを、ガンマ処理部1566に出力する。
第2色空間変換部1567は、ガンマ処理部1566から入力される輝度データの色空間を変換して、RGBの画像データに変換する。第2色空間変換部1567は、変換したRGBの画像データを光変調装置駆動部122に出力する。
操作パネル131又はリモコン5が操作され、黒浮き補正の実行を指示する入力を受け付けると、補正領域設定部172は、黒浮き補正用画像のデータを記憶部160から読み出し、フレームメモリー153に展開する。画像処理部152は、フレームメモリー153から黒浮き補正用画像のデータを読み出し、表示部110の光変調装置駆動部122に出力する。光変調装置駆動部122は、画像処理部152から入力される黒浮き補正用画像のデータに従って、表示液晶パネル1121の各画素に駆動電圧を印可し、各画素の光透過率を制御して画像光を生成する。生成された画像光は、投射光学系113によりスクリーンSCに投射される(ステップS1)。
黒浮き補正用画像とは、例えば、黒色のラスター画像に、黒浮き補正を行う補正領域Eを設定するためのガイド画像を重畳した画像である。
このフローでは、プロジェクター100が1台である場合について説明するが、マルチプロジェクションにより画像を投射する場合には、画像を投射する他のプロジェクター100も黒浮き補正用画像をスクリーンSCに投射させるのが好ましい。マルチプロジェクションとは、画像供給装置200から供給される画像を複数に分割した分割画像のそれぞれを複数台のプロジェクター100に投射させ、スクリーンSCに1つの画像として表示させるシステムである。
補正領域設定部172は、黒レベル調整用画像をスクリーンSCに投射させると、操作パネル131又はリモコン5の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2)。否定判定の場合(ステップS2/NO)、補正領域設定部172は、操作を受け付けるまで待機する。また、肯定判定の場合(ステップS2/YES)、補正領域設定部172は、受け付けた操作が、ガイド画像の変更を指示する操作であるか否かを判定する(ステップS3)。肯定判定の場合(ステップS3/YES)、補正領域設定部172は、受け付けた操作に対応したガイド画像の変更指示を画像処理部152に出力する。画像処理部152は、補正領域設定部172から入力される指示に従って、フレームメモリー153に展開された黒浮き補正用画像のデータ上でのガイド画像の位置、大きさ、形状の少なくとも1つを変更する。これにより、黒浮き補正用画像のデータ上でのガイド画像の位置、大きさ、形状の少なくとも1つが、ステップS2で受け付けた操作に対応した位置、大きさ、形状に変更される(ステップS4)。補正領域設定部172は、画像処理部152にガイド画像の変更指示を出力すると、ステップS2の判定に戻る。
補正領域設定部172は、枠体の画像であるガイド画像が展開されたフレームメモリー153の画素、及びこの画素よりも内側の画素を補正領域Eの画素と判定する。また、補正領域設定部172は、ガイド画像が展開されたフレームメモリー153の画素を境界画素と判定し、この境界画素の画素位置を境界情報として登録する。また、枠体であるガイド画像の線幅により、ガイド画像がフレームメモリー153の複数の画素に展開される場合、補正領域設定部172は、ガイド画像の線幅部分のうち最も外側に位置する画素を境界画素と判定してもよい。
また、補正領域設定部172は、境界画素であると判定したすべての画素の位置情報を境界情報として登録してもよいし、境界画素であると判定した画素から、画素を所定間隔ごとに選択し、選択した画素の位置情報を境界情報として登録してもよい。
さらに、補正領域設定部172は、黒浮き補正用画像上に複数のガイド画像が設定されている場合、設定されたガイド画像ごとに補正領域Eを特定し、特定した補正領域Eに基づいて境界情報を生成する。
また、黒浮き補正処理部156は、補正用メモリー155から境界情報を取得し、取得した境界情報に基づき補正領域Eを判定する(ステップS9)。また、黒浮き補正処理部156は、補正領域Eを判定すると、判定した補正領域Eに対応付けて記憶された補正値を補正用メモリー155から取得する(ステップS10)。そして、黒浮き補正処理部156は、輝度データに変換された画像データの特定した補正領域Eを、取得した補正値を用いて補正する(ステップS11)。また、黒浮き補正処理部156は、ステップS9で判定した補正領域Eが複数存在する場合、各補正領域Eに対応付けられた補正値を補正用メモリー155から取得し、取得した補正値を用いて画像データの対応する補正領域Eを補正する。
黒浮き補正処理部156は、補正が終了した画像データに対し、ガンマ処理、RGBの画像データへの変換等を行い、表示部110の光変調装置駆動部122に出力する。この後、表示部110は、光変調装置駆動部122が、入力された画像データに基づいて光変調装置112の液晶パネルを駆動して画像光を生成し、生成した画像光を投射光学系113によりスクリーンSCに投射する(ステップS12)。
図7に示す補正領域Eは、上側境界線a、左側境界線c、右側境界線dの3本の境界線により領域が規定される。
図8には、左側境界線cにより補正領域Eを特定した場合を示すが、境界線は、上側境界線aや下側境界線b、右側境界線dであってもよい。この場合、補正領域設定部172は、左側境界線cと、画像データの上辺、下辺及び右辺により規定される領域が補正領域Eであることを示す情報を補正用メモリー155に記憶させてもよい。
この場合、補正領域判定部1561は、境界画素Uの座標に基づいて、補正領域Eの境界線を判定する。補正領域判定部1561は、境界画素Uを起点として、Y軸に平行な線分(図8に破線で示す)を引く。この線分の境界画素Uとは反対側の端部は、画像データの上辺に接する点である。補正領域判定部1561は、このY軸に平行な線分を、補正領域Eを規定する境界線として判定する。
また、補正領域設定部172は、上側境界線aと左側境界線cとにより補正領域Eを特定する場合、上側境界線aと、左側境界線cと、画像データの下辺及び右辺により規定される領域が補正領域Eであることを示す情報を補正用メモリー155に記憶させてもよい。
この場合、補正領域判定部1561は、境界画素Vの座標に基づいて、補正領域Eの境界線を判定する。補正領域判定部1561は、境界画素Vを起点として、X軸に平行な線分(図9に破線で示す)を引く。この線分の境界画素Vとは反対側の端部は、画像データの右辺に接する点である。補正領域判定部1561は、このX軸に平行な線分を、補正領域Eを規定する境界線として規定する。
図10には、プロジェクター100A、100B、100C、100Dの4台のプロジェクター100により画像をスクリーンSCに投射する場合を示す。
図10において、プロジェクター100Aは、スクリーンSCの投射領域o,s,t及びwに画像を投射し、プロジェクター100Bは、スクリーンSCの投射領域p,t,u及びwに画像を投射する。また、プロジェクター100Cは、スクリーンSCの投射領域q,s,v及びwに画像を投射し、プロジェクター100Dは、スクリーンSCの投射領域r,u,v及びwに画像を投射する。また、プロジェクター100A〜100Dにより画像が投射されるスクリーンSCの領域を投射領域という。
また、投射領域uは、プロジェクター100B及び100Dが投射する画像が重畳され、投射領域vは、プロジェクター100C及び100Dが投射する画像が重畳される。
また、投射領域wは、プロジェクター100A、100B、100C及び100Dが投射する画像が重畳される。
このような輝度の差ができる理由は、黒画像を表示していても漏れ光により黒浮きが発生するため、重畳領域の黒浮き量は、重畳領域に重畳される投射画像の数分(プロジェクター100の台数分)の黒浮き量の総和となるためである。このため、重畳領域の黒が非重畳領域の黒よりも明るく表示されてしまう。
例えば、上述したフローチャートにて説明した手順に従って画像データの一部を選択する境界情報を生成し、生成した境界情報に基づいて画像データの一部の領域を選択し、選択した領域に対してシャープネス調整や、色調整を行ってもよい。シャープネスの調整とは、画像のコントラストを上げて、輪郭がはっきりと見えるようにする処理である。色調整とは、画像の色相(色あい)、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)の少なくとも1つを調整する処理である。
第1色空間変換部1563は、画像処理部152から画像データを入力する。
補正用メモリー155は、補正する領域の境界を示す境界情報と、領域ごとの補正値を示す情報とを記憶する。
補正領域判定部1561、補正値取得部1562及び加算部1565は、補正用メモリー155が記憶する情報を参照して、入力された画像データの領域を特定し、特定した領域に対して補正値に基づく補正を行う。
従って、補正する領域の境界を示す情報に基づいて、画像データの領域を特定し、特定した領域に対して補正値に基づく補正が行われる。このため、補正を行う領域を特定することにより、補正に用いるデータ量を抑え、精度よく画像データを補正できる。
従って、境界に位置する画素の位置情報により、画像データの補正を行う領域が特定される。このため、補正に用いるデータ量を抑え、精度よく画像データを補正できる。
従って、境界に位置するすべての画素の位置情報を記憶する場合と比較して、補正用メモリー155の記憶する情報量が削減される。
従って、特定した領域に対応した補正値により補正を行うことができる。
従って、スクリーンSCにガイド画像を表示させて、境界情報を生成することができる。
従って、操作パネル131又はリモコン5を操作して、スクリーンSCでのガイド画像の位置を補正する領域の境界に対応する位置に変更し、変更後のガイド画像の位置に基づいて境界情報を生成することができる。
例えば、上述した実施形態では、黒浮き補正用画像をスクリーンSCに投射し、黒浮き補正用画像に含まれるガイド画像の位置を操作パネル131又はリモコン5により操作して、補正領域Eを指定する例を説明した。他の方法として、表示部110により黒色のラスター画像をスクリーンSCに投射し、カメラを有する撮影部によりスクリーンSCを撮影して、撮影されたラスター画像にガイド画像を重畳して操作パネル131に表示させてもよい。ユーザーは、操作パネル131に表示されたラスター画像の撮影画像を目視しながら操作パネル131を操作して、ガイド画像の位置、大きさ、形状等を修正する操作を行う。
また、上記実施形態では、画像を表示するプロジェクター100が備える黒浮き補正処理部156及び補正用メモリー155が、本発明の画像処理装置として機能する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。プロジェクター100を含む表示装置とは別体で構成された画像処理装置が、黒浮き補正処理部156及び補正用メモリー155に対応する動作を実行してもよい。
Claims (10)
- 画像データを入力する入力部と、
前記画像データを補正する補正領域の境界を示す情報と、前記補正領域ごとの補正量を示す情報とを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する情報を参照して、前記入力部に入力された前記画像データの前記補正領域を特定し、特定した前記補正領域に対して補正量に基づく補正を行う補正部と、を備え、
前記記憶部は、前記補正領域の境界を示す情報として、前記補正領域の境界に位置する画素の位置情報を、第1の方向と、前記第1の方向に直交する第2の方向とに分割して記憶し、
前記第1の方向においては、第1の画素間隔ごとに画素の位置情報を記憶し、前記第2の方向においては、前記第1の画素間隔よりも間隔が広い第2の画素間隔ごとに画素の位置情報を記憶する、ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記記憶部は、前記境界を示す情報として、前記補正領域の境界に位置する所定間隔ごとの画素の位置情報を記憶し、
前記補正部は、前記境界を示す情報により特定される画素間を補間演算して、領域を特定する、ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記記憶部は、第1の領域及び第2の領域の補正量を示す情報を記憶し、
前記補正部は、前記記憶部が記憶する情報を参照して、前記入力部に入力された前記画像データにおける前記第1の領域及び前記第2の領域を特定し、特定した前記第1の領域及び前記第2の領域のそれぞれに対応する補正量に基づいて補正を行う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。 - 前記補正部は、前記入力部に入力された前記画像データの前記補正領域に対して、黒レベルの補正を行う、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記補正部は、前記入力部に入力された前記画像データの前記補正領域に対して、シャープネス、色あい及び明るさの少なくとも1つを補正する補正処理を行う、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記記憶部は、情報を記憶する半導体記憶素子としてSRAM(Static Random Access Memory)を備える、ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像処理装置。
- 画像データを入力する入力部と、
前記画像データを補正する補正領域の境界を示す情報と、前記補正領域ごとの補正量を示す情報とを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する情報を参照して、前記入力部に入力された前記画像データの前記補正領域を特定し、特定した前記補正領域に対して補正量に基づく補正を行う補正部と、
前記補正部により補正された前記画像データに基づく画像を表示させる表示部と、を備え、
前記記憶部は、前記補正領域の境界に位置する画素の位置情報を、第1の方向と、前記第1の方向に直交する第2の方向とに分割して記憶し、
前記第1の方向においては、第1の画素間隔ごとに画素の位置情報を記憶し、前記第2の方向においては、前記第1の画素間隔よりも間隔が広い第2の画素間隔ごとに画素の位置情報を記憶する、ことを特徴とする表示装置。 - 前記表示部は、枠を示す画像を、画像を表示させる表示面の前記補正領域の境界に対応する位置に表示させ、
前記表示面に表示された前記枠を示す画像の位置に基づいて、境界を示す情報を生成する領域設定部を備える、ことを特徴とする請求項7記載の表示装置。 - 操作を受け付ける操作部を備え、
前記表示部は、前記操作部で受け付けた操作に基づいて、前記枠を示す画像の前記表示面での位置を変更し、
前記領域設定部は、変更された前記枠を示す画像の前記表示面での位置に基づいて、境界を示す情報を生成する、ことを特徴とする請求項8記載の表示装置。 - 画像データを補正する補正領域の境界を示す情報と、前記補正領域ごとの補正量を示す情報とを記憶する記憶部を備える画像処理装置の制御方法であって、
前記画像データを入力するステップと、
前記記憶部を参照して、入力された前記画像データの前記補正領域を特定するステップと、
特定した前記補正領域に対して補正量に基づく補正を行うステップと、を有し、
前記記憶部は、前記補正領域の境界に位置する画素の位置情報を、第1の方向と、前記第1の方向に直交する第2の方向とに分割して記憶し、
前記第1の方向においては、第1の画素間隔ごとに画素の位置情報を記憶し、前記第2の方向においては、前記第1の画素間隔よりも間隔が広い第2の画素間隔ごとに画素の位置情報を記憶する、ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
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