JP6669432B2 - 位置合わせ方法、インプリント方法、及びインプリント装置 - Google Patents

位置合わせ方法、インプリント方法、及びインプリント装置 Download PDF

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本発明は、基板上に形成された硬化型樹脂にモールドに形成された微細な凹凸パターンを転写してなる積層体をインプリント法で製造する工程における、基板とモールドとの位置合わせ方法、インプリント方法およびインプリント装置に関する。
近年、モールド上の微細な凹凸パターンを半導体、ガラス、樹脂、金属等からなる基板に転写する微細加工技術の開発がより一層進展している。
特にナノインプリントは、ナノサイズの微細な凹凸パターンが形成されたモールドを基板に押し当てることで凹凸パターン幅が数ナノメートル級(2nm〜1000nm)の極微細加工を実現できる技術である。このため、ナノインプリントは、高解像度、優れた寸法制御性および低コストの3つの利点から半導体デバイス、光学素子、バイオチップなどの幅広い分野への応用が期待されている。
各種ナノインプリント法の中で、光ナノインプリント法を半導体デバイス製造に利用する場合について以下に説明する。
まず、基板(例えばシリコンウエハ等の半導体ウエハ)上に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、光硬化性樹脂層を形成する。次に、転写領域に所望の凹凸構造が形成され、且つ離型処理のされた層を表面に有する透明なモールドを該光硬化性樹脂層に押し当てる。さらに紫外線を照射することで該光硬化性樹脂層を硬化させて硬化樹脂からなる硬化樹脂層を形成する。これにより該モールドが転写領域に有する凹凸構造が該硬化樹脂層に転写される。該モールドを離型した後に、この硬化樹脂層をマスクとしてエッチング等を行うことで該基板に該凹凸構造が転写される。
このようなインプリント法においては、複数のモールドを用いて基板上に微細な凹凸パターンを有する層を複数作り込む必要があるので、基板上の光硬化性樹脂層にモールドの凹凸構造を転写する時にはモールドと基板との位置合わせを高精度に行う必要がある。このため、一般的には、モールドと基板とで光硬化性樹脂層を挟んだ状態で、モールド側に設けられているモールド側アライメントマークと、基板側に設けられている基板側アライメントマークとをモールド側から光学的に検出することによって両アライメントマーク間の位置ずれ(ミスアライメント)を求め、相対的な両者の位置を修正することにより位置合わせを行う。
モールドと基板が離れた状態で位置合わせを行った後に、基板上に塗布した光硬化性樹脂層にモールドを接触させる方法では、基板上の光硬化性樹脂層にモールドを接触させる過程で位置ずれが生じやすい。このため、上述の位置合わせ方法では、基板上の光硬化性樹脂層にモールドを接触させた状態で位置合わせを行うことが提案されている。
しかしながら、モールド側アライメントマークに紫外線硬化型樹脂組成物が充填された状態では、モールド材料の屈折率と該紫外線硬化型樹脂組成物の屈折率とに大きな差がない場合はモールド側アライメントマークを光学的に識別することが困難になるという問題点がある。
この課題に対して、モールド側アライメントマークと基板側アライメントマークを識別するための方法が提案されている。
例えば、硬化型樹脂の硬化前の屈折率を1.7以上とすることで、モールド材料の屈折率(ガラス製のモールドでは1.45程度)と大きく異なる屈折率とし、モールド側アライメントマークを識別する方法が提案されている(特許文献1)。
特許文献1記載の発明においては、モールド側アライメントマークの凹部と凸部の段差を150nmとしたときに、当該構成により75nm以上の往復光路長差を得ることができる。この往復光路長差は、波長633nmの約1/8に該当するため、モールド側アラインメントマークを波長633nmの光源を用いた光学顕微鏡観察により識別することが十分に可能になるとされている。具体的に屈折率が1.7以上の光硬化性樹脂を得る手法として、従来の光硬化性樹脂に屈折率2.4のチタン酸化物を微細な粒状にして分散混入させる方法が記載されている。
また、テンプレート位置合わせマーク(アライメントマーク)が高吸収剤を含む複数のフィーチャを有したテンプレート(モールド)を用いることでアライメントマークを識別する方法が提案されている(特許文献2)。
特許文献2記載の発明においては、高吸収剤は600nmにおいて2.8よりも大きいk値(消衰係数)を有するものが好ましいとされ、具体的にはアルミニウム、アルミニウム合金等が開示されている。
また、光学顕微鏡により区別できる凹凸パターンの分解能は300nm程度が限度であるが、本発明の一部の発明者らにより、蛍光色素を含む樹脂を用いることによって、蛍光顕微鏡により区別できる凹凸パターンの分解能を100nm程度まで向上させることができることが提案されている(非特許文献1)。
特開2012−28536号公報 特表2014−522100号公報
S.Kubo,T.Tomioka,M.Nakagawa:Jpn.J.Appl.Phys.52,06GJ01,2013
しかしながら、特許文献1記載の発明においては、光硬化性樹脂にチタン酸化物を混入させるため解像力が低下する(引用文献1[0045]参照)。解像力の低下を避けるために、被転写領域には通常の光硬化性樹脂を使用し、アライメントマークを有する領域のみ上記チタン酸化物を混入した光硬化樹脂を使用する方法が提案されている。しかし、特許文献1記載の発明における方法では、工程が煩雑になる点、チタン酸化物の混入によるアラインメントマーク自体の解像度が低下する点は解決されない。
一方、特許文献2記載の発明のようにモールドに高吸収剤を有するためには、モールド製造工程に余分な工程を必要とする。
また、アライメント精度はナノメートル級が要求されている中、アライメントマーク自体の寸法(線幅)もナノメートル級である方が検出精度向上において非常に有利である。しかしながら、特許文献1及び2に記載されたモールドのアライメントマークを識別する方法として光学顕微鏡を用いた暗視野反射観察では300nmの分解能が理論限界であり、実用的に識別するためには1ミクロンメートル以上の線幅のアライメントマークが必要である。
そこで、本願発明は、インプリント法におけるモールドと基板との位置合わせの精度を向上させることが可能になる位置合わせ方法、及びその位置合わせ方法を含むインプリント方法並びにインプリント装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による位置合わせ方法は、凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマークを有するモールドと、蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物からなる樹脂組成物層と、凸部または凹部よりなる基板側アライメントマークを有するパターン付基板とをこの順に積層する積層工程と、前記樹脂組成物層の局所的な厚みの差異に基づく蛍光強度の局所的な差異によりモールド側アライメントマークと基板側アライメントマークのミスアライメントを検出する検出工程と、検出されたミスアライメントを小さくする方向に前記モールドに対して前記パターン付基板を相対的に移動させるアライメント工程とを含むことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様によるインプリント方法は、モールドが有する凹凸パターンが転写された硬化樹脂からなる層、およびパターン付基板が積層された積層体を製造するインプリント方法であって、凹凸パターンを有する転写領域と凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマークを有するモールド、蛍光色素を含み流動性を有する硬化性樹脂組成物からなる硬化性樹脂組成物層、および被転写領域と凸部または凹部よりなる基板側アライメントマークを有するパターン付基板をこの順に積層する積層工程と、前記硬化性樹脂組成物層の局所的な厚みの差異に基づく蛍光強度の局所的な差異によりモールド側アライメントマークと基板側アライメントマークのミスアライメントを検出する検出工程と、検出されたミスアライメントを小さくする方向に前記モールドに対して前記パターン付基板を相対的に移動させるアライメント工程と、前記硬化性樹脂組成物層を硬化させて硬化樹脂からなる硬化樹脂層にする硬化工程と、前記モールドを前記硬化樹脂層から剥離する剥離工程とを含むことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様によるインプリント装置は、凹凸パターンを有する転写領域と凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマークを有するモールドを転写した硬化樹脂層、および被転写領域と凸部または凹部よりなる基板側アライメントマークを有するパターン付基板が積層された積層体を製造するためのインプリント装置であって、前記モールドが固定される固定ステージ、前記パターン付基板が固定されるXYZθ軸可動ステージ、蛍光顕微鏡装置、制御装置および紫外線照射装置を具備し、前記固定ステージと前記XYZθ軸可動ステージとの間隔が、より広い第一の位置とより狭い第二の位置の少なくとも2つの位置に移動可能であって、前記蛍光顕微鏡装置は、前記第二の位置においてモールド側アライメントマークおよび前記基板側アライメントマークを含む蛍光視野画像を取得し、前記紫外線照射装置は、前記第二の位置において紫外線を照射して蛍光色素を含む紫外線硬化型樹脂組成物からなる層を硬化させて硬化樹脂層を形成し、前記制御装置は、前記第一の位置から前記第二の位置に前記XYZθ軸可動ステージを移動させることにより、前記モールドと前記パターン付基板との間で、前記パターン付基板に塗布された前記紫外線硬化型樹脂組成物を延展させて前記紫外線硬化型樹脂組成物からなる紫外線硬化型樹脂組成物層を形成し、蛍光色素を含む前記紫外線硬化型樹脂組成物層の厚みの差異によって生じる前記蛍光視野画像の蛍光強度分布を取得し、取得した蛍光強度分布から前記モールド側アライメントマークと前記基板側アライメントマークのX方向、Y方向、θ方向のミスアライメントを取得して前記XYZθ軸可動ステージをミスアライメントが少なくなるX方向、Y方向、θ方向に移動させ、前記紫外線硬化型樹脂組成物層を硬化させて硬化樹脂層とした後に前記XYZθ軸可動ステージをZ方向に移動させて前記固定ステージとの間隔を広げることにより前記モールドを前記硬化樹脂層から剥離することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、インプリント法におけるモールドと基板の位置合わせの精度を向上させることが可能となる。
モールド、蛍光色素を含む樹脂組成物からなる樹脂組成物層、パターン付基板を積層した状態を示す断面模式図である。 モールドの転写領域とモールド側アライメントマークの配置を示す平面模式図、及び断面模式図である。 パターン付基板の被転写領域と基板側アライメントマークの配置を示す平面模式図、及び断面模式図である。 アライメントマーク部の蛍光視野画像を取得する方法を示す模式図である。 本発明の位置合わせ方法を示すフローチャートである。 アライメントマーク部の蛍光視野画像の平面模式図である。 アライメントマーク部の断面模式図と対応する蛍光強度を示す図である。 本発明のインプリント方法を示す工程フロー図である。 本発明のインプリント装置の構成を示す模式図である。 暗視野反射顕微鏡と蛍光顕微鏡を兼ねる光学系を示す模式図である。 実施例で得られた蛍光視野画像と暗視野画像の一例である。 蛍光強度によるミスアライメント測定結果の一例である。
本願発明者らは、上述の課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、蛍光色素を含む樹脂組成物を用いることで、モールド、基板、樹脂の屈折率およびアライメントマークの溝深さに制限がなく、100nm〜1000nmの線幅のアライメントマークを蛍光顕微境観察で検出し、モールドと基板の位置合わせを行うことにより、上述の課題が解決され得ることを見出した。
以下、本実施形態による位置合わせ方法、インプリント方法及びインプリント装置について図1から図12を用いて説明する。まず、本実施形態による位置合わせ方法について図1から図7を用いて説明する。
(積層体)
まず、本発明の位置合わせ方法を実施する対象である積層体について図1から図3を用いて説明する。図1は、本実施形態による位置合わせ方法において用いられる積層体1の概略構成を示す断面模式図である。図2は、本実施形態による位置合わせ方法において用いられるモールド3の概略構成を示す図である。図2中の上段には、モールド3の断面模式図が図示され、図2中の下段には、モールド3の平面模式図が図示されている。図3は、パターン付基板7の概略構成を示す図である。図3中の上段には、パターン付基板7の断面模式図が図示され、図3中の下段には、パターン付基板7の平面模式図が図示されている。
積層体1は、図1に示すように、凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマーク(以下、単に「アライメントマーク」と称する場合がある)31を有する透明なモールド3、蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物からなる樹脂組成物層5、および凸部または凹部よりなる基板側アライメントマーク71を有するパターン付基板7をこの順に積層した構成を有している。
(モールド)
モールド3は、図2に示すように、硬化樹脂層に転写する所望の凹凸パターンを有する転写領域32と、モールドの位置情報の基準となる凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマーク31とを有している。転写領域32は、平面視において、モールド3のほぼ中央に設けられており、モールド側アライメントマーク31は、転写領域32を囲みモールド3の4隅にそれぞれ設けられている。
モールド3の形成材料は、ガラス、SiO、または透明な硬化樹脂が用いられる。モールド3は、これらの材料で形成された透明板である。具体的には、モールド3の形成材料として、石英ガラス、石英、シロキサン重合体、ホウケイ酸ガラス、フルオロカーボン重合体、有機ポリマー、硬化サファイアが例示される。また、蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物と接触する転写領域を有する側のモールド3の表面は、離型処理されているか、または離型性を有する層を有することが好ましい。
モールド3の厚みは、取扱うための強度と光透過性が両立する範囲であれば限定されない。モールド3の厚みは、例えば0.1〜6.0 mmが好ましく、0.3〜1.0mmがより好ましい。
アライメントマーク31は、モールド凹部または凸部として形成することが好ましく、本実施形態では凹部として形成することがより好ましい。アライメントマーク31の幅は、例えば100〜1000nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。アライメントマーク31の幅が100nm以上であると後述する蛍光観察により検出可能となるので好ましい。また、アライメントマーク31の幅が1000nm以下であるとより精密な位置合わせが可能となるので好ましい。アライメントマーク31の深さは、例えば検出波長の1/2〜1/50が好ましく、検出波長の1/8〜1/40がより好ましい。アライメントマーク31の深さが10nm以上であると後述する蛍光強度が高くなるので好ましい。また、アライメントマーク31の深さが300nm以下であると樹脂充填時に気泡が残りにくいので好ましい。また、これらの寸法であると、未修飾のモールドでも離型剤で修飾したモールドでも用いることができる。
アライメントマーク31の形状は、図2に示す十字形状、図3に示すL字形状が例示できるが、これらに限定されずに公知のアライメントマークの形状が使用できる。また、特許文献2に記載のモアレパターンも本発明のアライメントマークとして使用可能である。
モールド3は公知の方法で作製することができる。例えば、石英ガラス基板の一主面に電子線レジストを塗布して転写領域32の凹凸パターンとモールド側アライメントマーク31とを電子線描画して現像した後、硬化した電子線レジストをマスクとしてテトラフルオロカーボンと酸素の混合ガスで基板をドライエッチングする方法が挙げられる。モールド3の離型処理としては、任意の離型処理が使用可能であるが、例えば、ディップコーターで離型剤を塗布して乾燥させる処理が挙げられる。離型剤としては、パーフルオロ基を有するシラン化合物が挙げられる。
(樹脂組成物からなる層)
蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物は、インプリント法に使用する観点から硬化性を有する樹脂組成物であることが好ましく、例えばラジカル重合モノマーもしくはカチオン重合モノマーを含み、該モノマーに応じてラジカル系光重合開始剤もしくはカチオン系光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物であることがより好ましい。蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物は、特に好ましくは紫外線硬化性樹脂組成物である。蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分、例えば重合禁止剤を含んでいてもよい。
蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物は、流動性を有し、粘度0.005〜20Pa・sが好ましい。この樹脂組成物は、所定の波長の励起光を照射されるとエネルギーを吸収し電子が励起して発光する蛍光性を有しており、励起光の波長とは異なる紫外線を照射されることで硬化する特性を有する。
ラジカル重合モノマーとしては、(メタ)アクリレートモノマーが好適に使用でき、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート等の化合物が例示される。
光重合開始剤としては、紫外線、特にg線、h線、i線の照射によりラジカル重合を開始する重合開始剤が好適に使用でき、例えばα―ヒドロキシアルキルフェノン、アシルフォスフィンオキサイド、オキシムエステル等の化合物が例示される。
蛍光色素としては、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化反応が起こらない可視領域の光の照射により蛍光を発する化合物が好適に使用できる。
まず、パターン形成用光硬化性樹脂組成物からなる層を露光して得られる硬化樹脂層の蛍光色素以外の吸収が、該蛍光色素が有する蛍光を発光する吸収波長領域の少なくとも一部に実質的に無いものであることが必要である。すなわち、少なくともパターン形成用光硬化性樹脂組成物からなる層を露光して得られる硬化樹脂層の蛍光色素以外の吸収が実質的に無い領域に、蛍光を発光する吸収がある該蛍光色素を用いる。換言すると、蛍光色素の吸収スペクトルのうち蛍光を発光する吸収波長領域は、パターン形成用光硬化性樹脂組成物からなる層を露光して得られる硬化樹脂層の蛍光色素以外の吸収スペクトルと実質的に重ならない領域を有することが必要である。蛍光色素の吸収スペクトルのうち蛍光を発光する吸収波長領域が、該蛍光色素以外の吸収スペクトルと実質的に重ならない領域を有しない場合、蛍光色素の励起が阻害されるためである。
上記蛍光色素としては、例えば蛍光染料や蛍光顔料などの蛍光発光性色素が挙げられるが、有機または無機蛍光体を使用してもよい。特に、光硬化性樹脂組成物に溶解しやすく蛍光量子収率が高い点から、有機蛍光発光性色素が好ましい。本実施形態の光硬化性樹脂組成物は光ナノインプリントリソグラフィに用いられるため、リアクティブイオンエッチング等で最終的に除去できる、金属イオンを含まない有機蛍光発光性色素がより好ましい。有機蛍光発光性色素としては、例えば、ローダミン(ローダミン6G(対アニオンが、Cl−やBF4−)、ローダミンBなど)等のキサンテン系色素や、クマリン色素、オキサジン系色素、スチルベン系色素、アリールジメチリデン系色素、シアニン系色素、ピリジン系色素、及びキナクリドン誘導体等がある。
樹脂組成物層5の厚み(アライメントマーク等の凹部以外)は,モールド3の凹部の深さに対して0.1〜10倍の高さが好ましい。樹脂組成物層5の厚みがモールド3の凹部に対して10倍以下で薄くなるほどSN比が上がり検出が容易となる。
(パターン付基板の説明)
パターン付基板7は、図3に示すように、所望の凹凸構造を有する硬化樹脂層が積層される被転写領域72と、パターン付基板の位置情報の基準となる凸部または凹部よりなる基板側アライメントマーク71とを有している。被転写領域72は、平面視において、パターン付基板7のほぼ中央に設けられており、基板側アライメントマーク71は、被転写領域72を囲みパターン付基板7の4隅にそれぞれ設けられている。
パターン付基板7は、Siウエハ(以下、「Siウエハ」はGaAs等の「化合物半導体ウエハ」と読み替えてもよい。)上に上述のアライメントマーク71の凹凸構造を有する硬化樹脂層が形成された積層体、上述のアライメントマーク71がエッチングにて形成されたSiウエハ、及びこれらのSiウエハにn層またはp層からなるパターン、配線層及び絶縁層のいずれか1層または複数層形成された基板である。
次に、本実施形態に関わる位置合わせ方法について図4から図6を用いて説明する。図4は、本実施形態による位置合わせ方法におけるアライメントマーク部の蛍光視野画像を取得する方法を示す模式図である。図5は、本実施形態による位置合わせ方法の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、アライメントマーク部の蛍光視野画像の平面模式図である。
本実施形態による位置合わせ方法は、前述した蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物層の局所的な厚みの差異に基づく蛍光強度の局所的な差異によりモールド側アライメントマークと基板側アライメントマークのミスアライメントを検出する検出工程と、検出されたミスアライメントを小さくする方向にモールド側アライメントマークが設けられたモールドに対して基板側アライメントマークが設けられたパターン付基板を相対的に移動させるアライメント工程と、を含む。
本実施態様においては、図4に示すように、前述のモールド3、樹脂組成物層5及びパターン付基板7を積層した積層体1を、モールド側アライメントマーク31および基板側アライメントマーク71とを概ね重ね合わせたアライメントマーク部の蛍光視野画像が蛍光顕微鏡103を用いてモールド3側から取得できる位置にセットする。
この状態で、図5に示すフローチャートに示すように、まずステップS1において、モールド側アライメントマーク31と基板側アライメントマーク71とを透明なモールド3越しに蛍光視野観察する。ステップS1の次のステップS3において、観察した画像を取得する。ステップS3の次のステップS5において、ステップS3において取得した画像のアライメントマーク部の蛍光強度をスキャンして、スキャンライン上の蛍光強度信号プロファイルを得る。ステップS5の次のステップS7では、ステップS5におけるスキャンラインの方向からθ方向のミスアライメント(dθ)を検出し、ステップS5において得たプロファイルからX方向のミスアライメント(dX)およびY方向のミスアライメント(dY)を検出する。ステップS7の次のステップS9において、ミスアライメント量を少なくする方向でパターン付基板7を載置した実際に可動ステージを動かす量であるXYθ軸移動量を決定する。ステップS9の次のステップS11において、可動ステージを動かして位置合わせを完了する。
一般に、紫外線硬化型樹脂とモールドの屈折率は1.45〜1.50程度でほぼ同等であり、紫外線硬化型樹脂がモールド側アライメントマークの凹部に充填されると、モールド側アライメントマークを光学的に識別することは困難になる。
しかし、蛍光色素を含む樹脂組成物からなる樹脂組成物層は、この樹脂組成物層の厚みに相関のある蛍光強度が得られる。このため、例えば図6に示すように、アライメントマーク31の凹部に光硬化性蛍光組成物が充填された状態での蛍光視野画像が取得される。以下では、図6に示すように、十字型のモールド側アライメントマーク31と、4つのL字型を一組にした形状の基板側アライメントマーク71とを使用した場合を例として説明する。
第一の方法においては、まず、取得した蛍光視野画像における十字型のアライメントマーク31とL字型のアライメントマーク71の平行度のずれ角度がdθに相当する。θ方向(パターン付基板7の主面に平行な面内で回転する方向)のずれがある場合は、パターン付基板7を載置したXYZθ軸可動ステージをdθ回転させてミスアライメントdθを解消させる。
次に、モールド側アライメントマークと基板側アライメントマークを包含する領域の蛍光強度分布をX方向及びY方向にスキャンし、モールド側アライメントマーク31と基板側アライメントマーク71との相対的なミスアライメントdX,dYを検出する。図7に示すように、モールド側アライメントマーク31と2本の基板側アライメントマーク71のそれぞれを間隔がd1及びd2とすると、d1=d2のとき、ミスアライメントがゼロとなり理想のアライメントが達成できたこととなる。すなわち、ミスアライメントd=d1−d2を検出する。したがって、XYZθ軸可動ステージをdX、dY移動させることでミスアライメントdX,dYを解消させる。なお、図7において、スキャンされた蛍光強度信号の3つのピークは、基板側アライメントマーク71の間隔が一定値であることを利用して、基板側であるかモールド側であるかを同定することができる。
非特許文献1に記載されているように、蛍光視野の場合、可視光を用いた暗視野の検出限界300nmより短い100nmの線幅まで識別することが可能であり、よりアライメントマークを微細にすることが可能であるため検出精度向上の効果もある。
第二の方法においては、図6中に破線の矢印で示すように、X方向2か所以上、および/またはY方向2か所以上の異なる箇所でスキャンする。例えば、X方向に2カ所スキャンしたときのミスアライメントdX1,dX2が異なる場合はθ方向のミスアライメントがあることを意味し、計算によりθ方向のミスアライメントを求めることが可能である。従って、ミスアライメントdθ、dX、dY検出、可動ステージθXY移動を一度で行うことができる。
(インプリント方法)
次に、本発明に関わるインプリント方法について図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態に関わるインプリント方法の一例を示す工程図である。なお積層する際の光硬化性組成物の塗布方法に制限はなく、スピン塗布法、インクジェット法、マイクログラビア法またはスクリーン印刷法等の公知の塗布方法を利用できる。
図8(a)に示す積層工程を説明する。本実施形態においては、図8(a)中の上段に示すように、まずパターン付基板7上に蛍光色素を含み流動性を有する硬化性樹脂組成物を塗布装置109のノズルから滴下して硬化性樹脂組成物からなる樹脂だまり50を形成する。次に、図8(a)中の下段に示すように、モールド3を樹脂だまり50に接触させ、凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマーク31、基板側アライメントマーク71、および転写領域72に光硬化性蛍光組成物50aを充填させる。例えば、粘度が低い樹脂組成物を用い、モールド3を、中央部が先に樹脂だまり50に接し樹脂組成物を外側に延展させながら徐々に周囲部が樹脂だまり50に接するように積層することで、硬化性樹脂組成物からなる層に気泡が入るのを防ぐことができる。
図8(b)に示す検出工程とそれに続くアライメント工程は、上述の位置合わせ方法を用いた工程であるため、説明は省略する。図8(a)に示す積層工程と図8(b)に示す検出工程との間に、暗視野の光学顕微鏡で硬化性樹脂のアライメントマーク部近傍への充填状態を観察する検査工程を入れてもよい。気泡が存在すると気泡と樹脂層との屈折率差が大きいため、気泡の存在を検出することができる。この検査工程では、モールド3及びパターン付基板7の凸部または凹部への硬化性樹脂組成物50aの充填状態が不十分で気泡が残っているかどうかの検査を行う。
ここで、従来のアライメントマークを識別する方法に上述の暗視野観察を用いる場合、チタン酸化物や高吸収剤が気泡の検出の障害となるため、充填が完了したことを可視光を用いて光学的に判別することは困難である。これに対して、本実施形態においては、蛍光視野観察でアライメントマークを識別できるため、事前に充填状態を判断できる検査工程を導入することが可能となる。
図8(c)に示す硬化工程を説明する。上述したアライメント工程でモールドとパターン付基板を位置合わせした状態で、硬化性樹脂組成物50aに透明なモールド3越しにエネルギー線Eを照射して硬化させることで、モールドの微細な凹凸パターンが反転した凹凸構造75をパターン付基板7の転写領域72に設けることができる。硬化処理時間が短いという観点から、硬化性樹脂組成物として紫外線硬化型や樹脂組成物を用いて、紫外線照射により硬化させることが好ましいが、電子線や熱線による硬化であってもよい。
図8(d)に示す剥離工程を説明する。XYZθ可動ステージ(不図示)をZ方向(モールド3とパターン付基板7とを重ね合わせる方向)に下降させることで、モールド3と硬化樹脂層5との間で離型することができる。
(インプリント装置)
次に、本実施形態に関わるインプリント装置について図9及び図10を用いて説明する。図9は、本実施形態によるインプリント装置100の概略構成を示す図である。
本実施形態に関わるインプリント装置は、上述のような、硬化性樹脂組成物を樹脂層に用いることにより、蛍光視野観察でより微細な線幅のアライメントマークを識別できることに特徴がある。
その他の構成、例えば、モールドと硬化性樹脂組成物層とを接触、モールドと硬化樹脂層とを離型させるステージの可動機構、紫外線照射部については、従来公知のインプリント装置の構成を適用できる。
図9に示すように、本実施形態に関わるインプリント装置100は、モールド3を保持する固定ステージ107、パターン付基板7上に硬化前の樹脂を形成する塗布装置109を有している。また、インプリント装置100は、パターン付基板7を保持し、モールド3とパターン付基板7の上に形成された硬化前の樹脂層とを接触させ、または、離型させ、さらにモールド3とパターン付基板7との位置合わせを行うために、パターン付基板7を移動させるXYZθ軸可動ステージ111を有している。また、インプリント装置100は、紫外線硬化型樹脂組成物を硬化させる紫外線照射装置105、モールド3のモールド側アライメントマーク31と、基板側アライメントマーク71の蛍光視野画像を取得する蛍光顕微鏡装置103を有している。さらに、インプリント装置100は、塗布装置109、XYZθ軸可動ステージ111、紫外線照射装置105および蛍光顕微鏡装置103を制御し、且つ画像からミスアライメントを演算処理する制御装置101を有している。インプリント装置100は、これらの装置101〜111を具備し、モールド3とパターン付基板7との位置合わせおよびインプリントを行う装置である。
さらに、インプリント装置100は、暗視野反射型光学顕微鏡装置(不図示)を有していてもよい。この場合、インプリント装置100は、蛍光顕微鏡103、暗視野反射型光学顕微鏡および紫外線照射装置105を入れ替えてモールド3上に配置できる装置となるように構成される。
また、インプリント装置100は、暗視野反射型光学顕微鏡装置と蛍光顕微鏡装置とを兼ねた光学系を有する蛍光顕微鏡装置とすることもできる。図10は、そのような2つの顕微鏡装置を兼ねる光学系を有する蛍光顕微鏡装置に具備する観察システムの模式図である。
2つの顕微鏡装置を兼ねる光学系を有する蛍光顕微鏡装置は、図10(a)に示すような蛍光観察システム200と、図10(b)に示すような暗視野観察システム300とに切り替えが可能なシステムとなっている。図10(a)に示すように蛍光観測システム200は、光源201と、蛍光物質の励起に必要な波長の光を光源201から抽出する励起フィルタ203と、励起フィルタ203を透過した光が入射するダイクロイックミラー205と、ダイクロイックミラー205で反射した光を積層体1に集束する対物レンズ211とを有している。また、蛍光観測システム200は、積層体1から発光し対物レンズ211およびダイクロイックミラー205を透過した光からノイズを除去する蛍光フィルタ207と、蛍光フィルタ207を透過した光を検出する検出器209とを有している。ダイクロイックミラー205は、蛍光色素の励起に使用する波長の光を反射し、蛍光の波長の光を透過するように多層光学薄膜で作ることができる。
また、暗視野観測システム300は、光源201と、光源201からの光を輪帯状の光に変換するリング絞り301と、リング絞り301を通過した光を積層体1側に反射する穴あきミラー303と、穴あきミラー303で反射した光を積層体1に集光する集光レンズ305と、積層体1で反射した光を検出する検出器209とを有している。光源201及び検出器209は、蛍光観測システム200および暗視野観測システム300で共用されている。
本実施形態に関わるインプリント装置によれば、モールド、基板、樹脂の屈折率、アライメントマークの溝深さに制限がなく、また、100nm〜1000nmの線幅のアライメントマークを識別し、高いアライメント精度でモールドとパターン付基板とを位置合わせし、インプリントすることが可能となる。また、本実施形態に関わるインプリント装置は、温湿度の制御をしなくても高いアライメント精度でモールドとパターン付基板とを位置合わせし、インプリントすることが可能となる。
(実施例)
以下、実施例を用いて、本実施形態をさらに具体的に説明する。
モールドとして、縦25mm、横25mm、厚さ1mmのシリカ基板上に、線幅500nm、深さ100nmの十字状の凹部をモールド側アライメントマークとして有する透明な硬化樹脂層が形成された透明な積層体を用意した。ここで、透明な硬化樹脂層は、ラジカル重合型モノマーglycerol 1,3−diglycerolate diacrylateと光重合開始剤Irgacure907が質量比95:5となる紫外線硬化型樹脂組成物を光硬化させて作製した層である。モールドは(tridecafluoro−1,1,2,2−tetrahydrooctyl)trimethoxysilaneで離型処理した。モールド側アライメントマークは、図2に示すのと同様に仮想正方形の角に相当する位置に4つ形成されている。隣り合うモールド側アライメントマークの中心(十字状の交差部)間距離は、140μmである。なお、本実施例では、モールドの転写領域に転写パターンは形成されていない。
次に、パターン付基板として、縦7mm、横7mm、厚さ0.525mmのシリコン基板上に、線幅500nm、深さ100nmの4つのL字(平行な2つのL字型の間隔は10μm)の凹部を基板側アライメントマークとして有する硬化樹脂層が形成された積層体を用意した。基板側アライメントマークは、パターン付基板にモールドを重ね合わせたときに、モールド側アライメントマークと重なり合うように、150μm角の4隅に対応する位置に形成されている。ここで、硬化樹脂層は、ラジカル重合型モノマーbisphenol A glycerolate dimethacrylateと光重合開始剤Irgacure907が質量比95:5となる紫外線硬化型組成物を光硬化させて作製した層である。
次に、蛍光色素を含む紫外線硬化型樹脂組成物として、ラジカル重合モノマーglycerol 1,3−diglycerolate diacrylate、光重合開始剤Irgacure907、蛍光色素rhodamine 6G−BF4を質量比95:5:0.05で混合し、溶剤1−methoxy−2−propanolで希釈した組成物を用意した。溶剤除去後のこの紫外線硬化型樹脂組成物の粘度は、12950mPa・sであった。
まず、パターン付基板上に蛍光色素を含む紫外線硬化型樹脂組成物をスピンコートで塗布し、インプリント装置のXYZθ軸可動ステージ上に固定した。パターン付基板は、位置合わせ時にXYZθ軸可動ステージを移動させる際にXYZθ軸可動ステージに対してずれない程度に固定されている。なお、本実施例では、図9に示す塗布装置109ではなく、スピンコート装置を用いて紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した。次に、モールドを固定ステージに固定した。モールドは、パターン付基板に対面させたときに固定ステージから落下しない程度の強さで固定ステージに固定されている。なお、パターン付基板をXYZθ軸可動ステージに固定する方法と、モールドを固定ステージに固定する方法は、インプリントが終了した後に、パターン付基板及びモールドを各ステージから容易に取り外せる方法であれば、特に制限されない。
バブル欠陥の発生防止を目的とした凝縮性ガスであるPFP(ペンタフルオロプロパン)雰囲気下でXYZθ軸可動ステージを用いて紫外線硬化型樹脂組成物を塗布したパターン付き基板をZ軸方向(パターン付基板を基準にモールドが配置されている方向)に上昇させ、パターン付基板上の紫外線硬化型樹脂組成物をモールドと接触させ、蛍光顕微鏡装置を暗視野反射観察システム用の光学系に設定して暗視野観察を行いながら、アライメントマークが識別できなくなるまでZ軸を調整し、アライメントマークに光硬化性蛍光組成物が気泡なしに充填されたことを確認した。充填完了時の紫外線硬化型蛍光組成物からなる層の厚みは約300nmである。
次に、蛍光顕微鏡装置を蛍光視野観察システム用の光学系に切り替えて、モールド側アライメントマーク、基板側アライメントマークを包含する蛍光視野画像を取得した。図11は、取得された蛍光視野画像及び暗視野画像を示す図である。暗視野観察及び蛍光観察のいずれも、レンズ倍率は20倍である。観察視野は、アライメントマークを4隅に包含する縦150μm、横150μmの領域に対して、およそ250μm×200μmの観察視野となる。画素分解能は約200nmである。マーク一つを観察する場合には、レンズ倍率を×50倍に替えて画素分解能をあげて観察する。
図11(b)に示すように、暗視野視野画像では識別できていないアライメントマークMは、図11(a)に示すように、蛍光視野画像では容易に識別できた。
図12は、蛍光強度を取得するために用いた蛍光視野画像と、取得された蛍光強度を示す図である。図12中の上段には蛍光視野画像が図示され、図12中の下段には、蛍光強度の特性が図示されている。
図12中の上段右側の図面に矢印で示すように、蛍光視野画像をスキャンすることにより、図12中の下段に示す蛍光強度の特性が取得できた。取得した蛍光強度を用いて、モールド側アライメントマークと基板側アライメントマークの相対的な位置情報を取得した。
最後に、流動性をもった状態で位置合わせした後、波長365nmの紫外線照射にて紫外線硬化型樹脂組成物層を硬化させて硬化樹脂層とし、モールドと該硬化樹脂層との間で離型させた。
以上、上述の実施例では、線幅500nm、深さ100nmのアライメントマークであり、モールド側アライメントマークと基板側アライメントマークのX方向及びY方向の間隔は5μmで設計されたものを用いた例である。
ここで、アライメントマークのサイズについては、線幅は非特許文献1に記載されている通り、100nmでも良好な識別が可能であり、さらに微細にしてもよい。また、アライメントマークの深さは、100nm未満でも蛍光強度と厚みに相関があるため、さらに深さを浅くしてもよい。モールド側アライメントマークと基板側アライメントマークの間隔は、線幅100nmの場合、1000nmまで間隔を狭めることは可能である。
また、ラジカル重合モノマーは、glycerol 1,6−diglycerolate diacrylate(粘度6mPa・s)、またはglycerol 1,10−diglycerolate diacrylate(粘度10mPa・s)であっても、上述と同等の結果が得られた。
上記の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明の方法及び装置は、半導体装置製造、プリント配線板製造に使用できる。
1 積層体
3 モールド
5 樹脂組成物層
7 パターン付基板
31 モールド側アライメントマーク
32 転写領域
71 基板側アライメントマーク
72 被転写領域
100 インプリント装置
103 蛍光顕微鏡装置
105 紫外線照射装置
107 固定ステージ
109 塗布装置
111 XYZθ軸可動ステージ

Claims (9)

  1. 凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマークを有するモールドと、蛍光色素を含み流動性を有する樹脂組成物からなる樹脂組成物層と、凸部または凹部よりなる基板側アライメントマークを有するパターン付基板とをこの順に積層する積層工程と、
    前記樹脂組成物層の局所的な厚みの差異に基づく蛍光強度の局所的な差異によりモールド側アライメントマークと基板側アライメントマークのミスアライメントを検出する検出工程と、
    検出されたミスアライメントを小さくする方向に前記モールドに対して前記パターン付基板を相対的に移動させるアライメント工程と
    を含む位置合わせ方法。
  2. モールド側アライメントマーク、または基板側アライメントマークの線幅が100nm〜1000nmの範囲内である請求項1記載の位置合わせ方法。
  3. モールドが有する凹凸パターンが転写された硬化樹脂からなる層、およびパターン付基板が積層された積層体を製造するインプリント方法であって、
    凹凸パターンを有する転写領域と凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマークを有するモールド、蛍光色素を含み流動性を有する硬化性樹脂組成物からなる硬化性樹脂組成物層、および被転写領域と凸部または凹部よりなる基板側アライメントマークを有するパターン付基板をこの順に積層する積層工程と、
    前記硬化性樹脂組成物層の局所的な厚みの差異に基づく蛍光強度の局所的な差異によりモールド側アライメントマークと基板側アライメントマークのミスアライメントを検出する検出工程と、
    検出されたミスアライメントを小さくする方向に前記モールドに対して前記パターン付基板を相対的に移動させるアライメント工程と、
    前記硬化性樹脂組成物層を硬化させて硬化樹脂からなる硬化樹脂層にする硬化工程と、
    前記モールドを前記硬化樹脂層から剥離する剥離工程と
    を含むインプリント方法。
  4. 前記積層工程と前記検出工程との間に、硬化性樹脂のアライメントマーク部近傍への充填状態を暗視野の光学顕微鏡で観察する検査工程を含む請求項3記載のインプリント方法。
  5. モールド側アライメントマーク、または基板側アライメントマークの線幅が100nm〜1000nmの範囲内である請求項3または4に記載のインプリント方法。
  6. 凹凸パターンを有する転写領域と凸部または凹部よりなるモールド側アライメントマークを有するモールドを転写した硬化樹脂層、および被転写領域と凸部または凹部よりなる基板側アライメントマークを有するパターン付基板が積層された積層体を製造するためのインプリント装置であって、
    前記モールドが固定される固定ステージ、前記パターン付基板が固定されるXYZθ軸可動ステージ、蛍光顕微鏡装置、制御装置および紫外線照射装置を具備し、
    前記固定ステージと前記XYZθ軸可動ステージとの間隔が、より広い第一の位置とより狭い第二の位置の少なくとも2つの位置に移動可能であって、
    前記蛍光顕微鏡装置は、前記第二の位置においてモールド側アライメントマークおよび前記基板側アライメントマークを含む蛍光視野画像を取得し、
    前記紫外線照射装置は、前記第二の位置において紫外線を照射して蛍光色素を含む紫外線硬化型樹脂組成物からなる層を硬化させて硬化樹脂層を形成し
    前記制御装置は、前記第一の位置から前記第二の位置に前記XYZθ軸可動ステージを移動させることにより、前記モールドと前記パターン付基板との間で、前記パターン付基板に塗布された前記紫外線硬化型樹脂組成物を延展させて前記紫外線硬化型樹脂組成物からなる紫外線硬化型樹脂組成物層を形成し、
    蛍光色素を含む前記紫外線硬化型樹脂組成物層の厚みの差異によって生じる前記蛍光視野画像の蛍光強度分布を取得し、取得した蛍光強度分布から前記モールド側アライメントマークと前記基板側アライメントマークのX方向、Y方向、θ方向のミスアライメントを取得して前記XYZθ軸可動ステージをミスアライメントが少なくなるX方向、Y方向、θ方向に移動させ、前記紫外線硬化型樹脂組成物層を硬化させて硬化樹脂層とした後に前記XYZθ軸可動ステージをZ方向に移動させて前記固定ステージとの間隔を広げることにより前記モールドを前記硬化樹脂層から剥離する
    インプリント装置。
  7. 前記第一の位置にて前記パターン付基板上に蛍光塗料を含み流動性を有する紫外線硬化型樹脂組成物を塗布する塗布装置をさらに具備する
    前記請求項6記載のインプリント装置。
  8. 前記蛍光顕微鏡装置は、蛍光観察システム用の光学系と暗視野反射観察システム用の光学系とを切り替え可能である請求項6または7記載のインプリント装置。
  9. 暗視野反射型光学顕微鏡装置をさらに具備し、
    該光学顕微鏡装置は、第二の位置において前記紫外線硬化型樹脂組成物層を観察する請求項6または7記載のインプリント装置。
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