JP6668688B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents
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Description
(1)少なくとも、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B1)タルクおよび(B2)ワラステナイトの合計量が80重量部以上150重量部以下、かつ(B1)タルクと(B2)ワラステナイトの重量比(B1)/(B2)が70/30〜30/70であり、(C)ガラス繊維を40重量部以上80重量部以下、(D)オレフィン系エラストマーを5重量部以上40重量部以下配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であり、前記(D)オレフィン系エラストマーが(D1)α−オレフィンとα,β−不飽和グリシジルエステルとを共重合成分とするグリシジル基含有共重合体(以下、(D1)グリシジル基含有共重合体と称する)と、(D2)エチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンを共重合成分とするエチレン・α−オレフィン共重合体(以下、(D2)エチレン・α−オレフィン共重合体と称する)とを含む混合物であって、(D2)エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が870kg/m 3 以下である、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
(2)前記(B1)タルクのメディアン粒子径が15〜50μmである、(1)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
(3)前記(D1)グリシジル基含有共重合体と前記(D2)エチレン・α−オレフィン共重合体との重量比(D1)/(D2)が60/40〜10/90である、(1)または(2)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
(4)前記(D2)エチレン・α−オレフィン共重合体の190℃、2160gで測定されるメルトフローレートが0.05g/10分以上1.0g/10分以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
(6)成形品のISO22007−2に準拠して測定した熱伝導率が0.9W/m・K以上である(5)記載の成形品。
(7)(5)または(6)記載の成形品に金属がインサートされたインサート成形品。
本発明におけるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を成形品とした際の熱伝導率は、ISO22007−2に準拠して測定した熱伝導率が0.9w/m・K以上のものであり、さらに好ましくは、1.1w/m・K以上のものである。
また、溶融混練機に各成分を投入する方法としては、例えば、単軸あるいは2軸の押出機を用い、スクリュー根元側に設置した主投入口から前記(A)、(B)、及び(D)成分を供給し、主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から(C)ガラス繊維を供給し溶融混合する方法が挙げられる。
参考例 ポリフェニレンスルフィド樹脂の調整(PPS−1)
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.94kg(70.63モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム0.513kg(6.25モル)、及びイオン交換水3.82kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水8.09kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
B1−1:GH50(林化成株式会社製、メディアン粒子径20μm)
B1−2:タルカンパウダー(登録商標)PK−S (林化成株式会社製 メディアン粒子径9μm)。
B2:ウィックロール10(Partek社製)。
C1:チョップドストランド(日本電気硝子(株)社製 T−760H(商品名) 3mm長、平均繊維径10.5μm)。
D1−1:エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学工業(株)製ボンドファーストE(商品名))
D1−2:エチレン/メタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学工業(株)製 ボンドファースト7M(商品名))
D2−1:エチレン/1−ブテン共重合体(三井化学(株)製“タフマー”(登録商標)A0550S(商品名) 密度:861kg/m3 MFR:0.5g/10分(190℃、2160g))
D2−2:エチレン/1−オクテン共重合体(ダウケミカル社製“エンゲージ”(登録商標)HM7487(商品名) 密度:860kg/m3 MFR:0.5g/10分(190℃、2160g))
D2−3:エチレン/1−ブテン共重合体(三井化学(株)製“タフマー”(登録商標)A35050(商品名) 密度:864kg/m3 MFR:35g/10分(190℃、2160g))
D2−4:エチレン/1−ブテン共重合体(三井化学(株)製“タフマー”(登録商標)A4085S(商品名) 密度:885kg/m3 MFR:3.6g/10分(190℃、2160g))
D2−5:エチレン/ブチルアクリレート共重合体(Arkema製“ロトリル”(登録商標)35BA40(商品名) 密度:930kg/m3 MFR:40g/10分(190℃、2160g))。
縦47mm、横47mm、高さ27mmの、材質がS35C製の鉄芯をインサート成形用の金型に設置した。次に、上記金型に実施例1〜29および比較例1〜8の組成のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を日精樹脂工業(株)社製NEX1000型射出機にて射出成形し、樹脂厚み0.6mmで被覆したインサート成形品を得た。射出条件は、シリンダー温度320℃、金型温度130℃、射出圧100MPa、射出時間10秒、冷却時間10秒にて実施した。上記インサート成形品について、(株)TABAI ESPEC製THERMAL SHOCK CHAMBER TSA−100S冷熱試験機を用いて、−40℃×1時間〜130℃×1時間を1サイクルとする条件で、上記インサート成形品にクラックが発生するサイクル回数を測定した。クラックの発生の有無については10サイクルに1回、確認をおこなった。クラックが発生するサイクル回数が、280サイクル以上であればインサート成形品の耐冷熱衝撃性は良好と判断できる。前記クラックが発生するサイクル回数は、350サイクル以上が好ましく、450サイクル以上がより好ましい。
射出成形機(住友重機械工業社製SE100DU)を用い、シリンダー温度320℃、金型温度150℃の温度条件で、角形成形品(80mm×80mm×3mm厚み、フィルムゲート)を作製し、ホットディスク法熱伝導率測定装置(京都電子工業製TPS−2000)により、ISO22007−2(SLABモード)に準拠し、熱伝導率を測定した。この値が高いほど、熱伝導性に優れる。
ISO1183:2012に従い測定した。
ASTM−D1238−13に従い、190℃、2160g荷重で測定した。
表1に示したように樹脂組成物の組成を変更し、(A)、(B)、(D)成分を2軸押出機の主投入口から供給し、(C)成分を、主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から供給してシリンダー温度320℃に設定したスクリュー径44mmφの2軸押出機で溶融混練を行った。
表2に示したように樹脂組成物の組成を変更し、(A)、(B)、(D)成分を2軸押出機の主投入口から供給し、(C)成分を、主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から供給してシリンダー温度320℃に設定したスクリュー径44mmφの2軸押出機で溶融混練を行った。
Claims (7)
- 少なくとも、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B1)タルクおよび(B2)ワラステナイトの合計量が80重量部以上150重量部以下、かつ(B1)タルクと(B2)ワラステナイトの重量比(B1)/(B2)が70/30〜30/70であり、(C)ガラス繊維を40重量部以上80重量部以下、(D)オレフィン系エラストマーを5重量部以上40重量部以下配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であり、前記(D)オレフィン系エラストマーが(D1)α−オレフィンとα,β−不飽和グリシジルエステルとを共重合成分とするグリシジル基含有共重合体(以下、(D1)グリシジル基含有共重合体と称する)と、(D2)エチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンを共重合成分とするエチレン・α−オレフィン共重合体(以下、(D2)エチレン・α−オレフィン共重合体と称する)とを含む混合物であって、(D2)エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が870kg/m 3 以下である、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(B1)タルクのメディアン粒子径が15〜50μmである、請求項1記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(D1)グリシジル基含有共重合体と前記(D2)エチレン・α−オレフィン共重合体との重量比(D1)/(D2)が60/40〜10/90である、請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記(D2)エチレン・α−オレフィン共重合体の190℃、2160gで測定されるメルトフローレートが0.05g/10分以上1.0g/10分以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
- 成形品のISO22007−2に準拠して測定した熱伝導率が0.9W/m・K以上である請求項5記載の成形品。
- 請求項5または6記載の成形品に金属がインサートされたインサート成形品。
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