JP6668623B2 - スプリングベントユニット及びそれを用いたタイヤ加硫成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、スプリングベントユニット及びそれを用いたタイヤ加硫成形用金型に関する。
タイヤの加硫成形用金型には多数の排気孔が設けられており、加硫後のタイヤには排気孔から流れ出た髭状のベントが残るため、最後にベントカットの工程を経て出荷される。この髭状ベントを残らなくするために、排気孔に装着されるスプリングベント(ベントプラグ)が知られている(例えば、特許文献1)。
直径3[mm]程度のスプリングベント(以下、「SV」と適宜略称する)ユニットは、ハウジングとバネとバルブから構成される。加硫時において、通常はエアを逃がすが、エアが抜け切りグリーンタイヤが当るとバルブが閉じるので、ゴムが流れて行かず、髭状のゴムがタイヤ表面に残ることもない。
特開2015−24501号公報
通常、排気孔の孔径は、SVユニットの外径よりも僅かに小さく作られており、その排気孔にスプリングベントを圧入することで金型に装着される。このような圧入(しまり嵌め)による装着は比較的容易ではあるものの、その金型で加硫を繰り返し行っているうちに熱収縮などによりSVユニットが脱落したり、タイヤに押される力でSVユニットが金型表面から奥に向かって陥没してしまったりすることがある。また、圧入で固定するために、孔径に精度が要求され、SVユニットの脱着は容易とは言えない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、比較的容易な方法で金型に固定でき、かつ、脱着性を向上させたSVユニット及びそれを用いたタイヤ加硫成形用金型を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様によるスプリングベントユニットは、バルブと、前記バルブが内部に設けられ前記バルブの移動を案内する第1ハウジングと、金型のベントに挿入され、前記第1ハウジングが挿入される第2ハウジングと、前記バルブと前記第1ハウジングとの間に配置され、前記バルブを閉じる方向に付勢するスプリングとを含み、前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングと係合する係合部を含み、前記第2ハウジングは、該第2ハウジングの長手方向に沿って設けられた複数の切れ込みと、前記複数の切れ込みによって挟まれた部分として形成される複数のアームと、前記アームに設けられた凸部とを有し、前記複数のアームは、前記第1ハウジングが挿入されていない場合に互いに近づいており、前記第1ハウジングが挿入されることによって互いに離れる方向に弾性変形して、前記凸部の部分の径が前記第2ハウジングのその他の部分の径よりも大きくなり、前記第1ハウジングが挿入されることによって弾性変形した前記複数のアームが前記ベントの内壁面側に押し広げられて、前記凸部が前記内壁面に接し、かつ、前記複数のアームの側面が前記ベントの内壁面の段差部に接することにより、前記第2ハウジングが前記内壁面に固定され、前記バルブは、タイヤ加硫成形の際に、前記第1ハウジングに沿って移動することによって開閉し、開いた状態の場合、前記金型の内部から外部へ空気を排出する。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の他の態様によるスプリングベントユニットは、バルブと、前記バルブが内部に設けられ前記バルブの移動を案内する第1ハウジングと、金型のベントに挿入され、前記第1ハウジングが挿入される第2ハウジングと、前記バルブと前記第1ハウジングとの間に配置され、前記バルブを閉じる方向に付勢するスプリングとを含み、前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングと係合する係合部を含み、前記第2ハウジングは、互いに離れる方向に弾性変形しうる複数のアームと、前記アームに設けられた凸部とを有し、前記第1ハウジングが挿入されることによって前記アームが前記ベントの内壁面側に押し広げられて、前記凸部が前記内壁面に設けられた凹部に接した状態になって、前記第2ハウジングが前記内壁面に固定され、前記バルブは、タイヤ加硫成形の際に、前記第1ハウジングに沿って移動することによって開閉し、開いた状態の場合、前記金型の内部から外部へ空気を排出する。このようなスプリングベントユニットを用いれば、金型にSVユニットを容易に固定でき、かつ、SVユニットの脱着性が向上する。
また、前記第2ハウジングは、前記金型に設けられたフランジ孔に嵌合するフランジを備えることが好ましい。フランジを設けることにより、第2ハウジングが押し込まれてベントの奥に陥没することがない。また、第2ハウジングと金型との隙間からゴムが進入してくることを防止できる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の他の態様によるスプリングベントユニットは、バルブと、前記バルブが内部に設けられ前記バルブの移動を案内する第1ハウジングと、金型のベントに挿入され、前記第1ハウジングが挿入される第2ハウジングと、前記バルブと前記第1ハウジングとの間に配置され、前記バルブを閉じる方向に付勢するスプリングとを含み、前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングと係合する係合部を含み、前記第2ハウジングは、前記係合部で前記第1ハウジングによって前記ベントの内壁面側に押し広げられて前記内壁面に接し、前記バルブは、タイヤ加硫成形の際に、前記第1ハウジングに沿って移動することによって開閉し、開いた状態の場合、前記金型の内部から外部へ空気を排出し、前記第2ハウジングは、前記金型に設けられたフランジ孔に嵌合するフランジを備える。フランジを設けることにより、第2ハウジングが押し込まれてベントの奥に陥没することがない。また、第2ハウジングと金型との隙間からゴムが進入してくることを防止できる。
前記係合部は、前記第1ハウジングに設けられたくびれ部と、前記第2ハウジングに設けられて前記くびれ部に係合する爪部とを含むことが好ましい。爪部とくびれ部との係合によってSVユニットを固定することにより、金型にSVユニットを容易に固定でき、かつ、SVユニットの脱着性が向上する。
前記爪部は、前記第1ハウジングの前記第2ハウジングへの挿入方向に対して直交する方向の径の大きさが緩やかに変化することが好ましい。第1ハウジングの第2ハウジングへの挿入方向に対して直交する方向の径の大きさが緩やかに変化するため、くびれ部との嵌合状態を容易に形成しかつ容易に解除することができる。また、前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングに設けられたフランジ孔に嵌合するフランジを備えることが好ましい。これにより、第1ハウジングが押し込まれてベントの奥に陥没することがない。さらに、第1ハウジングと第2ハウジングとの隙間からゴムが進入してくることを防止できる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様によるタイヤ加硫成形用金型は、上記のいずれか1つに記載のスプリングベントユニットと、ベントとを含み、前記スプリングベントユニットは、前記ベントに挿入される。このような構造であれば、金型にSVユニットを容易に固定でき、かつ、SVユニットの脱着性が向上する。
本発明の一態様によれば、金型にSVユニットを容易に固定でき、かつ、SVユニットの脱着性が向上するという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。 図2は、第1実施形態に係るタイヤ加硫成形用金型の側面図である。 図3は、第1実施形態に係るタイヤ加硫成形用金型の子午断面図である。 図4は、第1実施形態に係るSVユニットの概略構成を示す断面図である。 図5は、第1実施形態に係るバルブ及び第1ハウジングの例を示す斜視図である。 図6は、第1実施形態に係る第2ハウジングの例を示す斜視図である。 図7は、ベントに、第2ハウジングを挿入した状態を示す断面図である。 図8は、第2ハウジング内に、第1ハウジング及びバルブを途中まで挿入した状態を示す断面図である。 図9は、バルブが閉じた状態を示す断面図である。 図10は、ベントに、第2ハウジングを挿入した状態を示す断面図である。 図11は、第2ハウジング内に、第1ハウジング及びバルブを途中まで挿入した状態を示す断面図である。 図12は、第2ハウジング内に、第1ハウジング及びバルブを最後まで挿入した状態を示す断面図である。 図13は、第2実施形態に係るSVユニットをベントに挿入した状態を示す断面図である。 図14は、第3実施形態に係るSVユニットをベントに挿入した状態を示す断面図である。 図15は、第4実施形態に係るSVユニットをベントに挿入した状態を示す断面図である。 図16は、第5実施形態に係るSVユニットをベントに挿入した状態を示す断面図である。 図17は、第6実施形態に係るSVユニットをベントに挿入した状態を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
(第1実施形態)
本発明の形態に係る空気入りタイヤについて説明する。図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施の形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施の形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すようにトレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延在し、タイヤ幅方向に複数(本実施の形態では4本)並ぶ主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22により、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なリブ状の陸部23が複数形成されている。また、トレッド面21は、各陸部23において、タイヤ周方向(主溝22)に交差して延在する副溝24が設けられている。副溝24は、溝幅が1mm以上のものである。陸部23は、副溝24によってタイヤ周方向で複数に分けられている。副溝24は、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側でタイヤ幅方向外側に開口して形成されている。また、副溝24は、主溝22に連通している形態、または主溝22に連通していない形態がある。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20度〜30度)で複数並設されたコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行(±5度)でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示せず)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、あるいは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。すなわち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、帯状(例えば、幅10[mm])のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
本実施形態に係るタイヤ加硫成形用金型について説明する。図2は、第1実施形態に係るタイヤ加硫成形用金型の側面図である。図3は、第1実施形態に係るタイヤ加硫成形用金型の子午断面図(図2のA−A断面図)である。
以下の説明において、タイヤ径方向、タイヤ周方向、タイヤ幅方向、タイヤ赤道面CLは、上述した空気入りタイヤ1に準ずる。
タイヤ成形金型101は、上述した空気入りタイヤ1を加硫成形するためのものである。図2及び図3に示すように、タイヤ成形金型101は、金型本体として、セクタ101A、サイドプレート101Bと、ビードリング101Cとにより構成されている。
セクタ101Aは、空気入りタイヤ1のトレッド部2を成形するための金型であり、円環がタイヤ周方向に複数(例えば、図2に示す8個以上)で等分割され、合わせ部101Dにおいて相互に突き合わされる分割金型として構成されている。セクタ101Aは、図3に示すように、その内面に、トレッド面21を形成するための基準面121を有する。基準面121は、タイヤ周方向に沿って延在し、タイヤ幅方向に複数(本実施の形態では4本)並ぶ主突出部122が設けられている。主突出部122は、主溝22をトレッド部2に形成するためのものである。そして、基準面121は、これら複数の主突出部122により、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行な凹部123が複数形成されている。また、基準面121は、各凹部123において、タイヤ周方向(主突出部122)に交差して延在する副突出部124が設けられている。副突出部124は、副溝24をトレッド部2に形成するためのものであり、その突出幅が1mm以上のものである。凹部123は、副突出部124によってタイヤ周方向で複数に分けられている。副突出部124は、主突出部122に連通している形態、または主突出部122に連通していない形態がある。
また、セクタ101Aは、空気入りタイヤ1の加硫成形時の空気抜きのための排気孔であるベント110を有する。ベント110は、セクタ101Aをタイヤ径方向で貫通して設けられている。ベント110は、内径が大きくなっている内壁面102を有する。ベント110の内径が変化する部分は段差部102Aとなる。
サイドプレート101Bは、空気入りタイヤ1のショルダー部3およびサイドウォール部4を成形するための金型である。サイドプレート101Bは、各セクタ101Aに対して合わせ部101Eにおいて相互に突き合わされる分割金型として構成されている。また、ビードリング101C(図3では省略)は、空気入りタイヤ1のビード部5を成形するための金型である。
(SVユニット)
ベント110には、SVユニット100が挿入される。図4は、第1実施形態に係るSVユニットの概略構成を示す断面図である。図4は、SVユニットをベント110に挿入した状態を示している。図4は、説明の便宜上、図3とは上下が逆に作図してある。すなわち、図4の上側がタイヤ表面側である。以降の説明において参照する図についても同様である。図5は、第1実施形態に係るバルブ及び第1ハウジングの例を示す斜視図である。図6は、第1実施形態に係る第2ハウジングの例を示す斜視図である。
SVユニット100は、図4に示すように、第1ハウジングH1と、バルブ9と、バネ(スプリング)Sと、第2ハウジングH2とを含む。バルブ9は、軸部91と、バネ止め部92とを有する。バルブ9の軸部91は、第1ハウジングH1に案内されて、第1ハウジングH1の長手方向に沿って矢印Y1の方向に移動することができる。バルブ9は、長手方向のタイヤ成形金型101の外側の端部が先端部90となり、タイヤ表面側の端部が外側面93となる。バネ止め部92は、軸部91の外側面93側に設けられている。
第1ハウジングH1は、中空の略円筒形である。第1ハウジングH1は、バルブ9の軸部91が通る貫通孔11を有する。貫通孔11は、先端部90側に絞りが設けられている。第1ハウジングH1は、くびれ部10を有する。バルブ9及びバネSは、第1ハウジングH1の内部に設けられている。バネSは、例えば、コイルバネである。
バネSは、バルブ9の軸部91の周囲かつ、第1ハウジングH1の内部に設けられる。バネSは、バルブ9と第1ハウジングH1との間に配置される。バネSは、一端がバネ止め部92の先端部90側の面に接し、他端が貫通孔11の内側の絞りが形成されている部分に接する。バネSの外径は、貫通孔11の内径より大きいため、第1ハウジングH1からバネSが脱落することはない。
図4に示す状態は、タイヤ成形金型101にグリーンタイヤが設置されていない状態であり、バルブ9に外力が作用していない。バルブ9に外力が作用していない状態では、バネSはバネ止め部92が貫通孔11から遠ざかる方向、すなわちバルブ9を閉じる方向に付勢する。このため、バルブ9の先端部90が第1ハウジングH1に接して貫通孔11を塞いでいる。
第2ハウジングH2は、中空の略円筒形である。第2ハウジングH2は、一端に開口部Bを有する。第1ハウジングH1と一体になったバルブ9を、開口部Bから第2ハウジングH2の内部に挿入することができる。
第2ハウジングH2は、切れ込みKを有している。切れ込みKは、第2ハウジングH2の長手方向に沿って、例えば4つ設けられている。2つの切れ込みKに挟まれた部分はアームARとなる。第2ハウジングH2は、本例では、4つのアームARを有する。4つのアームARは、アームAR同士が離れる方向、すなわち矢印Y2の方向に弾性変形することができる。矢印Y2の方向に弾性変形してアームAR同士が離れた状態では、アームARの凸部ATの部分の径が、第2ハウジングH2のその他の部分の径よりも大きくなる。
第1ハウジングH1は、例えば、SUS304などのステンレス鋼材を成型することによって得られる。なお、SUS304の熱膨張率は17以上18以下である。第2ハウジングH2は、例えば、鉄を成型することによって得られる。なお、鉄の熱膨張率は12.1である。
第2ハウジングH2は、アームARの先端に設けられた爪部Tを有する。アームARが矢印Y2の方向に変形する前は、爪部T同士が近づいて、爪部Tが閉じた状態である。アームARが矢印Y2の方向に変形すると、爪部T同士の間隔が広がって、爪部Tが開いた状態になる。第2ハウジングH2に第1ハウジングH1が挿入されると、爪部Tは開いた状態になり、爪部Tの先端がくびれ部10に係合する。このように、爪部Tとくびれ部10とは、係合部として機能し、第2ハウジングH2に第1ハウジングH1が固定される。
また、爪部T及びくびれ部10による係合部で爪部Tが第1ハウジングH1によってベント110の内壁面102側に押し広げられて開いた状態では、アームARの凸部ATの部分の径が、第2ハウジングH2のその他の部分の径よりも大きくなる。これにより、アームARの凸部ATが内壁面102に接し、かつ、アームARの側面が段差部102Aに接するため、第2ハウジングH2がベント110の内壁面102に固定される。爪部Tとくびれ部10との係合によってSVユニットを固定するので、タイヤ成形金型101にSVユニットを容易に固定でき、かつ、SVユニットのタイヤ成形金型101からの脱着性が向上する。
(ベントへの設置方法)
SVユニットのベント110への設置方法について説明する。最初に、第2ハウジングH2を、ベント110に挿入する。次に、第2ハウジングH2の開口部Bから、第2ハウジングH2内に、第1ハウジングH1及びバルブ9を挿入する。
図7は、ベント110に、第2ハウジングH2を挿入した状態を示す断面図である。図8は、第2ハウジングH2内に、第1ハウジングH1及びバルブ9を途中まで挿入した状態を示す断面図である。図7に示すように、爪部Tの先端は、開口部Bの方向を向いている。
図7に示すように、ベント110に、第2ハウジングH2を挿入する。図7に示す状態では、第2ハウジングH2の爪部Tが閉じた状態になっている。この状態では、アームARの凸部ATは、ベント110の内壁面102と離れている。
第2ハウジングH2の開口部Bから、第1ハウジングH1と一体になったバルブ9を挿入すると、図8に示すように、第1ハウジングH1が矢印Y3の方向に移動し、第1ハウジングH1の先端部が第2ハウジングH2の内面に接する。これにより、爪部Tは、押し広げられて、矢印Y2の方向に開き始める。爪部Tが押し広げられることにより、アームARの凸部ATがベント110の内壁面102に接する。
さらに、第1ハウジングH1が矢印Y3の方向に移動することにより、図4に示す状態になる。図4に示す状態は、第2ハウジングH2内に、第1ハウジングH1及びバルブ9を最後まで挿入した状態である。図4に示す状態では、爪部Tの先端がくびれ部10に係合する。図4に示す状態では、アームARの凸部ATがベント110の内壁面102に接した状態で、第1ハウジングH1及び第2ハウジングH2がベント110内に固定される。第2ハウジングH2が弾性変形することで爪部Tがくびれ部10に係合し、バルブ9が挿入された第1ハウジングH1が固定され、また第2ハウジングH2がタイヤ成形金型101の内壁面102に固定される。このとき、爪部Tの先端は、開口部Bの方向を向いている。このため、第1ハウジングH1は、矢印Y3の方向に移動せずに固定される。
以上のように、第2ハウジングH2の弾性変形によって、第1ハウジングH1及び第2ハウジングH2を固定するため、タイヤ成形金型101やSVユニット100にネジ溝を刻む等の煩雑な加工は不要である。
SVユニット100は、バルブ9の先端部90が貫通孔11を塞いでいる状態において、タイヤ成形金型101の内側から外側に向かって矢印Y3の方向にバルブ9に力が加えられると、バルブ9の軸部91が矢印Y3の方向に移動する。SVユニット100は、バルブ9の軸部91が矢印Y3の方向に移動すると、バルブ9の先端部90が第1ハウジングH1から離れて、貫通孔11を開放する。この状態ではバネSが圧縮され、バルブ9はバネSの復元力によってバネ止め部92が貫通孔11から遠ざかる方向(矢印Y3の逆の方向)、すなわちバルブ9を閉じる方向に付勢される。
貫通孔11の開放後、バルブ9の軸部91がさらに矢印Y3の方向に移動すると、バルブ9は閉じた状態になる。バルブ9が閉じた状態では、バルブ9の外側面93と第1ハウジングH1の内側面12とが当接する。
(加硫成形)
タイヤ成形金型101は、すべてのベント110について、図4に示すようにバルブ9、第1ハウジングH1及び第2ハウジングH2からなるSVユニット100を挿入した状態となる。グリーンタイヤは、このように、SVユニット100が挿入されたタイヤ成形金型101に設置された状態で加硫成形される。
加硫成形の際、最初はSVユニット100を介して空気がタイヤ成形金型101の外に排出される。この状態は、バルブ9が開いた状態であり、貫通孔11は金型内の空気を排出する排気口となる。タイヤ成形金型101内の空気は第1ハウジングH1の内部を通り、貫通孔11から排出される。その後、空気が抜け切り、バルブ9に図示しないグリーンタイヤが当るとバルブ9が閉じる。図9は、バルブ9が閉じた状態を示す断面図である。図9に示すように、バルブ9が矢印Y3の方向に移動すると、バルブ9が閉じた状態になる。バルブ9が閉じた状態では、タイヤ成形金型101のタイヤ表面側と、第1ハウジングH1、第2ハウジングH2、バルブ9のタイヤ表面側とに段差がなくなり、面一になる。
バルブ9が閉じた状態では、バルブ9の外側面93と第1ハウジングH1の内側面12とが当接する。このため、図9の状態では第1ハウジングH1とバルブ9との隙間にゴムが流れて行くことはなく、髭状のゴムがタイヤ表面に残ることはない。
なお、加硫成形時に熱が加わるため、第1ハウジングH1の受けとして機能する第2ハウジングH2は、タイヤ成形金型101や第1ハウジングH1よりも熱膨張率が低いことが望ましい。
(ベント110の内壁面の変形例)
図10から図12は、ベント110の内壁面が別の形状である場合の例を示す断面図である。図10は、ベント110に、第2ハウジングH2を挿入した状態を示す断面図である。図11は、第2ハウジングH2内に、第1ハウジングH1及びバルブ9を途中まで挿入した状態を示す断面図である。図12は、第2ハウジングH2内に、第1ハウジングH1及びバルブ9を最後まで挿入した状態を示す断面図である。
図10に示すように、本例のベント110は、凹部103を備えている。ベント110の内径が変化する部分は段差部103A及び103Bとなる。図10に示すように、ベント110に、第2ハウジングH2を挿入する。図10に示す状態では、第2ハウジングH2の爪部Tが閉じた状態になっている。この状態では、アームARの凸部ATは、ベント110の凹部103と離れている。
第2ハウジングH2の開口部Bから、第1ハウジングH1と一体になったバルブ9を挿入すると、図11に示すように、第1ハウジングH1が矢印Y3の方向に移動し、第1ハウジングH1の先端部が第2ハウジングH2の内面に接する。これにより、爪部Tが矢印Y2の方向に開き始める。このとき、アームARの凸部ATがベント110の凹部103に接する。
さらに、第1ハウジングH1が矢印Y3の方向に移動することにより、図12に示す状態になる。図12に示す状態では、爪部Tの先端がくびれ部10に係合する。図12に示す状態では、爪部Tが開いており、アームARの凸部ATがベント110の凹部103に接した状態で、第1ハウジングH1及び第2ハウジングH2がベント110内に固定される。爪部Tが開いた状態では、アームARの側面が段差部103A及び103Bに接するため、第2ハウジングH2はベント110内に、より強く固定される。
本例によれば、アームARの凸部ATがベント110の凹部103に接した状態になるため、第1ハウジングH1及び第2ハウジングH2がベント110内に、より強く固定される。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態に係るSVユニット100Aをベント110に挿入した状態を示す断面図である。図13に示すように、SVユニット100Aは、第1ハウジングH1と、バルブ9と、バネSと、第2ハウジングH2とを含む。
本実施形態において、第2ハウジングH2は、フランジF2を有する。フランジF2は、第2ハウジングH2の開口部B側の端部に設けられている。ベント110は、フランジF2と嵌合するフランジ孔Zを有する。なお、第1ハウジングの直径が例えば3.0[mm]である場合、フランジF2の直径は、例えば、5.0[mm]である。
図13に示すその他の構造は、図4を参照して説明した第1実施形態と同様である。つまり、第2ハウジングH2はタイヤ表面側のフランジF2の部分の径が他の部分よりも大きくなっており、タイヤ成形金型101側もフランジF2に合わせてタイヤ表面側がフランジ孔Zによって凹形状になっている。
第2実施形態によれば、フランジF2を設けたため、第2ハウジングH2が押し込まれてベント110の奥に陥没することがない。また、第2ハウジングH2とタイヤ成形金型101との隙間からゴムが進入してくることを防止できる。
(第3実施形態)
図14は、第3実施形態に係るSVユニット100Bをベント110に挿入した状態を示す断面図である。図14に示すように、SVユニット100Bは、第1ハウジングH1と、バルブ9と、バネSと、第2ハウジングH2とを含む。
本実施形態において、第1ハウジングH1は、フランジF1を有する。第2ハウジングH1は、フランジF1と嵌合するフランジ孔Z1を有する。なお、第1ハウジングの直径が例えば3.0[mm]である場合、フランジF1の直径は、例えば、4.0[mm]である。
図14に示すその他の構造は、図13を参照して説明した第2実施形態と同様である。つまり、第2ハウジングH2はタイヤ表面側がフランジF2の部分の径が他の部分よりも大きくなっており、タイヤ成形金型101側もフランジF2に合わせてタイヤ表面側がフランジ孔Zによって凹形状になっている。さらに、第1ハウジングH1はタイヤ表面側のフランジF1の部分の径が他の部分よりも径が大きくなっており、第2ハウジングH2はフランジF1に合わせてタイヤ表面側がフランジ孔Z1によって凹形状になっている。
第3実施形態によれば、フランジF2を設けたため、第2ハウジングH2が押し込まれてベント110の奥に陥没することがない。また、第2ハウジングH2とタイヤ成形金型101との隙間からゴムが進入してくることを防止できる。さらに、フランジF1を設けたため、第1ハウジングH1と第2ハウジングH2との隙間からゴムが進入してくることを防止できる。
(第4実施形態)
図15は、第4実施形態に係るSVユニット100Cをベント110に挿入した状態を示す断面図である。図15に示すように、SVユニット100Cは、第1ハウジングH1と、バルブ9と、バネSと、第2ハウジングH2とを含む。
本実施形態において、第1ハウジングH1は、フランジF3を有する。第2ハウジングH1は、フランジF3と嵌合するフランジ孔Z2を有する。図15に示すその他の構造は、図14を参照して説明した第3実施形態と同様である。つまり、第1ハウジングH1はタイヤ表面側がフランジF3の部分の径が他の部分よりも大きくなっており、第2ハウジングH2はフランジF3に合わせてタイヤ表面側がフランジ孔Z2によって凹形状になっている。
第4実施形態によれば、第1ハウジングH1と第2ハウジングH2との隙間からゴムが進入してくることを防止できる。
(第5実施形態)
図16は、第5実施形態に係るSVユニット100Dをベント110に挿入した状態を示す断面図である。爪部TAによって第1ハウジングH1と第2ハウジングH2とが係合するための構造を工夫することにより、タイヤ成形金型101からSVユニットを抜き取ることができる。
図16は、第5実施形態に係るSVユニット100Dをベント110に挿入した状態を示す断面図である。図16に示すように、第2ハウジングH2は、爪部TAを有する。爪部TAは、断面が半円形であり、第1ハウジングH1の第2ハウジングH2への挿入方向である矢印Y3の方向に対して直交する方向の径の大きさが緩やかに変化する。第1ハウジングH1は、くびれ部10Aを有する。くびれ部10Aは、爪部TAの形状に対応する形状を有する。爪部TAとくびれ部10Aとは、係合部として機能し、第2ハウジングH2に第1ハウジングH1が固定される。このため、SVユニット100Dをベント110に挿入すると、爪部TAとくびれ部10Aとが嵌合した状態になる。
爪部TAの断面が半円形であり、第1ハウジングH1の第2ハウジングH2への挿入方向に対して直交する方向の径の大きさが緩やかに変化するため、くびれ部10Aとの嵌合状態を容易に形成しかつ容易に解除することができる。このため、例えば、治具30により、第1ハウジングH1を、タイヤ成形金型101のタイヤ表面側とは反対側からタイヤ表面側へ向かう方向すなわち矢印Y4の方向に押すことにより、爪部TAとくびれ部10Aとの嵌合状態が解除され、SVユニット100Dを容易に抜き取ることができる。
タイヤの加硫成形においては、SVユニット100Dがタイヤ成形金型101の奥側方向(矢印Y4の逆方向)へ押される力は大きいのに対し、SVユニット100Dがタイヤ表面側に引っ張られる方向の力は基本的には生じない。このため、爪部TAとくびれ部10Aとの嵌合の強さが、冶具30で突いて嵌合状態を解除できる程度であっても実用上問題はない。
なお、治具30は、先端に、凹部31を有する。凹部31は、バルブ9の先端部90より大きい。このため、治具30によって第1ハウジングH1を押す際、第1のハウジングH1に力が加わり、先端部90には力が加わらないため、先端部90の破損を防止できる。
図16に示すその他の構造は、図13を参照して説明した第2実施形態と同様である。つまり、第2ハウジングH2はタイヤ表面側のフランジF2の部分の径が他の部分よりも大きくなっており、タイヤ成形金型101側もフランジF2に合わせてタイヤ表面側がフランジ孔Zによって凹形状になっている。
第5実施形態によれば、フランジF2を設けたため、第2ハウジングH2が押し込まれてベント110の奥に陥没することがない。また、第2ハウジングH2とタイヤ成形金型101との隙間からゴムが進入してくることを防止できる。
(第6実施形態)
図17は、第6実施形態に係るSVユニット100Eをベント110に挿入した状態を示す断面図である。図17に示すように、第2ハウジングH2は、爪部TBを有する。爪部TBは、断面が三角形であり、第1ハウジングH1の第2ハウジングH2への挿入方向である矢印Y3の方向に対して直交する方向の径の大きさが緩やかに変化する。第1ハウジングH1は、くびれ部10Bを有する。くびれ部10Bは、爪部TBの形状に対応する形状を有する。爪部TBとくびれ部10Bとは、係合部として機能し、第2ハウジングH2に第1ハウジングH1が固定される。このため、SVユニット100Eをベント110に挿入すると、爪部TBとくびれ部10Bとが嵌合した状態になる。
爪部TBの断面が三角形であり、第1ハウジングH1の第2ハウジングH2への挿入方向に対して直交する方向の径の大きさが緩やかに変化するため、くびれ部10Bとの嵌合状態を容易に形成しかつ容易に解除することができる。このため、例えば、治具30により、第1ハウジングH1を、タイヤ表面側へ向かう方向すなわち矢印Y4の方向に押すことにより、爪部TBとくびれ部10Bとの嵌合状態が解除され、SVユニット100Eを容易に抜き取ることができる。
図17に示すその他の構造は、図16を参照して説明した第5実施形態と同様である。つまり、第2ハウジングH2はタイヤ表面側のフランジF2の部分の径が他の部分よりも大きくなっており、タイヤ成形金型101側もフランジF2に合わせてタイヤ表面側がフランジ孔Zによって凹形状になっている。
第6実施形態によれば、フランジF2を設けたため、第2ハウジングH2が押し込まれてベント110の奥に陥没することがない。また、第2ハウジングH2とタイヤ成形金型101との隙間からゴムが進入してくることを防止できる。
(実施例)
次の条件にて、10000本のタイヤを、それぞれのSVユニットを用いて生産した。タイヤサイズは、195/65R15のサマータイヤで、トレッド部のSVユニットの個数は、1500個である。
(1)SVユニットの陥没回数及び脱落回数
タイヤの生産中は最終仕上げ工程で検査員の目視にてタイヤを確認した。基準値よりもSVユニットが表面から陥没している場合(すなわち、タイヤが凸になっている場合)、SVユニット自体が脱落してしまった場合(すなわち、タイヤが凸になっている場合)は、すぐにその箇所を修理して生産を再開した。その陥没及び脱落が起きた回数を表1に示す。
(2)オーバーフロー箇所
タイヤを2000本生産するごとに、タイヤを1本抜き取り調査し、基準以上のオーバーフローが出ている箇所を数えた。抜き取り調査した5本のオーバーフロー箇所の合計を表1に示す。
(3)SVユニット交換に要する時間
タイヤの生産終了後に、SVユニット交換を実施した。現在付いているSVユニットを取り外し、新しいSVユニットを取り付ける作業に要する時間を計測した。5人の作業員が10箇所のSVユニットを交換するために要した時間の平均を表1に示す。
表1を参照すると、圧入のみでSVユニットを固定する場合に比べて、第2ハウジングH2を圧入し、第1ハウジングH1及びバルブ9を爪部で固定した場合について良好な結果が得られた。また、第2ハウジングH2にフランジを設け、かつ、第1ハウジングH1及びバルブ9を爪部で固定した場合について、さらに良好な結果が得られた。
Figure 0006668623
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 ショルダー部
4 サイドウォール部
5 ビード部
6 カーカス層
7 ベルト層
8 ベルト補強層
9 バルブ
10、10A、10B くびれ部
11 貫通孔
12 内側面
21 トレッド面
22 主溝
23 陸部
24 副溝
30 治具
31 凹部
51 ビードコア
52 ビードフィラー
71,72 ベルト
90 先端部
91 軸部
92 バネ止め部
93 外側面
100、100A〜100E スプリングベントユニット
101 タイヤ成形金型
101A セクタ
101B サイドプレート
101C ビードリング
101D、101E 合わせ部
102 内壁面
102A、103A,103B 段差部
110 ベント
121 基準面
122 主突出部
123 凹部
124 副突出部
AR アーム
AT 凸部
B 開口部
CL タイヤ赤道面(タイヤ赤道線)
F1、F2、F3 フランジ
H1 第1ハウジング
H2 第2ハウジング
S バネ
T、TA、TB 爪部
Z、Z1、Z2 フランジ孔

Claims (8)

  1. バルブと、
    前記バルブが内部に設けられ前記バルブの移動を案内する第1ハウジングと、
    金型のベントに挿入され、前記第1ハウジングが挿入される第2ハウジングと、前記バルブと前記第1ハウジングとの間に配置され、前記バルブを閉じる方向に付勢するスプリングとを含み、
    前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングと係合する係合部を含み、
    前記第2ハウジングは、該第2ハウジングの長手方向に沿って設けられた複数の切れ込みと、前記複数の切れ込みによって挟まれた部分として形成される複数のアームと、前記アームに設けられた凸部とを有し、前記複数のアームは、前記第1ハウジングが挿入されていない場合に互いに近づいており、前記第1ハウジングが挿入されることによって互いに離れる方向に弾性変形して、前記凸部の部分の径が前記第2ハウジングのその他の部分の径よりも大きくなり、
    記第1ハウジングが挿入されることによって弾性変形した前記複数のアームが前記ベントの内壁面側に押し広げられて、前記凸部が前記内壁面に接し、かつ、前記複数のアームの側面が前記ベントの内壁面の段差部に接することにより、前記第2ハウジングが前記内壁面に固定され、
    前記バルブは、タイヤ加硫成形の際に、前記第1ハウジングに沿って移動することによって開閉し、開いた状態の場合、前記金型の内部から外部へ空気を排出するスプリングベントユニット。
  2. バルブと、
    前記バルブが内部に設けられ前記バルブの移動を案内する第1ハウジングと、
    金型のベントに挿入され、前記第1ハウジングが挿入される第2ハウジングと、前記バルブと前記第1ハウジングとの間に配置され、前記バルブを閉じる方向に付勢するスプリングとを含み、
    前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングと係合する係合部を含み、
    前記第2ハウジングは、互いに離れる方向に弾性変形しうる複数のアームと、前記アームに設けられた凸部とを有し、
    前記第1ハウジングが挿入されることによって前記アームが前記ベントの内壁面側に押し広げられて、前記凸部が前記内壁面に設けられた凹部に接した状態になって、前記第2ハウジングが前記内壁面に固定され、
    前記バルブは、タイヤ加硫成形の際に、前記第1ハウジングに沿って移動することによって開閉し、開いた状態の場合、前記金型の内部から外部へ空気を排出するスプリングベントユニット。
  3. 前記第2ハウジングは、前記金型に設けられたフランジ孔に嵌合するフランジを備える請求項1または2に記載のスプリングベントユニット。
  4. バルブと、
    前記バルブが内部に設けられ前記バルブの移動を案内する第1ハウジングと、
    金型のベントに挿入され、前記第1ハウジングが挿入される第2ハウジングと、前記バルブと前記第1ハウジングとの間に配置され、前記バルブを閉じる方向に付勢するスプリングとを含み、
    前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングと係合する係合部を含み、
    前記第2ハウジングは、前記係合部で前記第1ハウジングによって前記ベントの内壁面側に押し広げられて前記内壁面に接し、
    前記バルブは、タイヤ加硫成形の際に、前記第1ハウジングに沿って移動することによって開閉し、開いた状態の場合、前記金型の内部から外部へ空気を排出し、
    前記第2ハウジングは、前記金型に設けられたフランジ孔に嵌合するフランジを備えるスプリングベントユニット。
  5. 前記係合部は、前記第1ハウジングに設けられたくびれ部と、前記第2ハウジングに設けられて前記くびれ部に係合する爪部とを含む請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のスプリングベントユニット。
  6. 前記爪部は、前記第1ハウジングの前記第2ハウジングへの挿入方向に対して直交する方向の径の大きさが緩やかに変化する請求項に記載のスプリングベントユニット。
  7. 前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングに設けられたフランジ孔に嵌合するフランジを備える請求項1から請求項のいずれか1つに記載のスプリングベントユニット。
  8. 請求項1から請求項のいずれか1つに記載のスプリングベントユニットと、ベントとを含み、前記スプリングベントユニットは、前記ベントに挿入されるタイヤ加硫成形用金型。
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