JP6668031B2 - 摺動部材用鉄基焼結合金材 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関バルブシート等の摺動部材用として好適な鉄基焼結合金材およびその製造方法に係り、とくに耐摩耗性および圧環強さの更なる向上に関する。
バルブシートは、内燃機関のシリンダヘッドに圧入あるいは接合されて、燃焼ガスのシールとバルブを冷却する役割を担っている。バルブシートは、バルブによる叩かれ、すべりによる摩耗や、燃焼ガスによる加熱、燃焼生成物による腐食等に晒されるため、従来から、耐熱性、耐摩耗性に優れることが要求されている。近年、このような耐熱性、耐摩耗性に優れることが要求されるバルブシートには、焼結合金材が適用されている。焼結合金材は、通常の溶製方法では得難い金属や合金が容易に製造でき、また機能の複合化が容易なため独特な機能を付与した部品の製造が可能であり、さらに多孔質材や難加工性材の製造や、複雑な形状の部品の製造に適している。
最近、地球環境の保全という観点から、自動車用内燃機関に対して、高性能化に加えて、燃費向上、排出ガスの浄化等の要求が高まっている。このような要求に対処するため、自動車用内燃機関の運転条件が厳しい条件に設定され、燃焼条件も苛酷となり、使用されるバルブシートの使用環境も一段と厳しいものとなる。そのため、従来のバルブシートでは、耐熱性、耐摩耗性等の特性が不足するという問題がある。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、内燃機関用バルブシート材の製造方法が記載されている。特許文献1に記載された技術は、基地金属粉末に、ビッカース硬さ1500kg/mm2以上の硬質粒子を2〜20重量%を添加し、メカニカルアロイニングにより合金粉末化し、得られた合金粉末を静水圧成形してビレットを形成し、ビレットを熱間押出する内燃機関用バルブシート材の製造方法である。特許文献1に記載された技術によれば、アルミナ等の硬質粒子をFe等の基地金属中に均一に分散させてなる内燃機関用バルブシート材を製品に近い寸法形状で製造できるとしている。
また、特許文献2には、耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法が記載されている。特許文献2に記載された技術では、鉄粉または鉄合金粉末の主として表面に銅が複合された原料粉末を用い、圧粉し、焼結し、焼結体にCu相の析出処理を施し、C:0.3〜2.5%と、Cu:1〜8%と、Mo、W、V、Nb、Taのいずれか1種以上の合金元素:3〜14%とを、含み、鉄基地にCu相が均一に分散する組織を有する耐摩耗性鉄基焼結合金とするとしている。特許文献2に記載された技術では、メカニカルアロイング法、めっき法、部分合金化法や、原料アトマイズ時にCuを固溶させ、その後の熱処理でCuを析出させる方法等を用いるとしている。とくに、Cu粉を鉄粉等とともに、メカニカルアロイングすることにより、CuがFe粒子の主として表面に微細に付着した原料粉末が得られるとしている。
特開昭62−270736号公報 特開平04−259351号公報
特許文献1に記載された技術では、基地金属粉末と硬質粒子粉末とをメカニカルアロイニングにより合金粉末化している。しかし、特許文献1に記載された技術では、静水圧成形を施し、さらには熱間押出を施すことを必要とし、工程が複雑で、生産性の低下を招くなどの問題がある。さらに、特許文献1に記載された技術で製造されたバルブシート材では、近年の苛酷な使用条件下では、耐摩耗性の十分な向上と相手攻撃性の十分な低減を得ることは難しいという問題がある。
また、特許文献2に記載された技術では、軟質のCu相を分散させているため、バルブへのアタック性は改善されるが、近年の苛酷な使用条件下では、十分な耐摩耗性の向上は期待できにくいという問題がある。
そこで、本発明者らは、上記した従来技術の問題を解決し、更なる耐摩耗性の向上を、圧環強さの低下を伴うことなく達成できる、内燃機関用バルブシート等の摺動部材用鉄基焼結合金材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、鉄基焼結合金材の耐摩耗性に及ぼす各種要因について鋭意研究した。その結果、摺動特性に優れた固体潤滑剤粒子に着目し、固体潤滑剤粒子を多量含有させることに思い至った。鉄基焼結合金材の基地相中に、摺動特性を向上させる固体潤滑剤を多量に分散できれば、内燃機関のバルブシートのような苛酷な使用条件下でも、必ずしも硬質粒子を多量に含有させる必要もなく、耐摩耗性を顕著に向上させることができることに想到した。
そこで、基地中に固体潤滑剤粒子を質量%で10%までの多量添加を試みた。しかし、添加した固体潤滑剤粒子は、金属粉末(鉄基粉末)境界に介在し、さらに固体潤滑剤粒子の多量添加は、焼結処理における元素の拡散を阻害し、焼結処理後の組織がフェライトを含む組織となりやすく、密度の低下や硬さの低下を招くことを知見した。そのため、単なる固体潤滑剤粒子の多量含有は、強度(圧環強さ)の低下を招き、問題があることを見出した。
そこで、本発明者らは、メカニカルアロイングの一種であるボールミル処理に着目した。基地形成用の鉄基粉末(鉄粉)に摺動特性に優れた固体潤滑剤粒子粉末を配合し、ボールミル処理を適用することにより、基地中に固体潤滑剤粒子が多量にしかも均一に分散した鉄基粉末とすることができることを新たに見出した。
そして、このボールミル処理を適用して得た固体潤滑剤粒子を多量に分散させた鉄基粉末を、基地形成用の鉄基粉末の一部または全量として用いることにより強度(圧環強さ)の低下を招くことなく、耐摩耗性が顕著に向上した鉄基焼結合金材を製造できることを見出した。
なお、ここでいう「ボールミル処理」には、例えば、振動ボールミル、遊星ボールミル等を用いる処理を意味し、ミルの処理容器に、例えば、金属製ボールと2種以上の金属粉末を配合し、容器を連続的に自転、公転させて、粉末に金属ボールからの繰り返し衝撃を与える処理であり、平衡状態では固溶しない元素同士でも強制固溶し、溶解することなく合金を形成することができるとされている。
まず、本発明の基礎となった実験結果について説明する。
基地形成用鉄基粉末としてアトマイズ純鉄粉またはカルボニル鉄粉を、固体潤滑剤粒子粉末としてMnS粉末を、それぞれ用意し、ボールミルを利用して混練処理(ボールミル処理)を行った。なお、アトマイズ鉄粉またはカルボニル鉄粉とMnS粉末とは、表1に示すような配合比とした。なお、このボールミル処理では、粉砕媒体ボールは鋼製ボールを用い、処理時間は2hとした。アトマイズまま鉄粉の粒径は91μm、カルボニル鉄粉の粒径は5μm、MnS粉末の粒径は7μmであった。ここでいう「粒径」は、レーザ回折散乱法を用いて測定した、メディアン径d50である。
なお、使用したミルは、特許第3486682号公報等に示されるように、処理容器の内壁面に、該内壁面との間に調整可能な所定間隔を有するガイドベーンを配設し、処理容器が、粉砕媒体ボールと粉体とを収納でき、回転可能に構成され、粉砕媒体ボールが、処理容器の内壁面上の粉体に衝突して、その衝突エネルギーを粉体に与えることができる装置である。
ボールミル処理された粉末を用いて得た焼結体について、研磨のままで、光学顕微鏡(倍率:500倍)を用いて観察した。その結果、ボールミル処理された粉末を用いた焼結体はいずれも、固体潤滑剤粒子(灰色部分)が基地相(白色部分)中に分散した組織(分散領域)を、適正量分散させた組織となっていることを知見した。
なお、この分散領域では、固体潤滑剤粒子量が少なくなる(鉄基粉末b0、図1(b))と、基地相中に分散する固体潤滑剤粒子(灰色部分)の厚さが薄くなり、また、粒径がより小さい鉄基粉末を用いた場合(鉄基粉末No.d0、図1(c))には、基地相中に分散する固体潤滑剤粒子(灰色部分)がより緻密に分散することも知見した。
なお、表1に示すように、鉄基粉末と固体潤滑剤粒子粉末とをボールミル処理して得られた鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)について、レーザ回折散乱法を用いて粒径(メディアン径)d50を測定すると、ボールミル処理により、アトマイズまま鉄粉(粒径:91μm)に比べて、粉末の微細化が促進されていることがわかる。
ついで、ボールミル処理された粉末(鉄基粉末No.a0、No.b0、No.d0)を原料粉用鉄基粉末として、該原料粉用鉄基粉末に、合金用粉末、硬質粒子粉末を表2に示す比率で配合し、V型混合機で混合して混合粉とした。なお、一部では、上記したボールミル処理された鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)に、さらにアトマイズ鉄粉(鉄基粉末)、合金用粉末、硬質粒子粉末を配合し、混合して混合粉とした。また、比較として、アトマイズ鉄粉に、固体潤滑剤粉末、合金用粉末、さらに硬質粒子粉末を配合し、混合して混合粉とした。なお、固体潤滑剤粒子はMnS粒子とし、混合粉全量に対する質量%で10%となるように配合した。また、硬質粒子粉末および合金用粉末の配合量はいずれも合計で、混合粉全量に対する質量%で35.2%とした。なお、一部では、硬質粒子を配合しない混合粉とした。
配合した硬質粒子粉末は、質量%で、15〜35%Mo−5〜20%Ni−0.5〜4%Si−15〜35%Cr−残部Coからなる組成のCo基金属間化合物(硬さ:950〜1150HV)とした。
ついで、得られた混合粉を、金型に装入し、圧粉体密度:7.0g/cm3となる圧力でプレス成形し、圧粉体とした。得られた圧粉体に、還元性雰囲気中で温度:1150℃で焼結処理を施し、鉄基焼結体(外径30mmφ×内径18mmφ×高さ8mm)を得た。
得られた鉄基焼結体から、切削、研削加工によりバルブシート(寸法形状:外径φ30mm×内径φ18mm×高さ4mm)に加工し、JIS Z 2507の規定に準拠して圧環強さを求めた。
また、得られた鉄基焼結体から、切削、研削加工によりバルブシート(寸法形状:外径φ27.1mm×内径φ22.0mm×高さ6.5mm)に加工し、図2に示す単体リグ摩耗試験機を用いて単体リグ摩耗試験を実施した。バルブシート1をシリンダヘッド相当品の治具2に圧入したのち、試験機に装着した熱源3によりバルブ4およびバルブシート1を加熱しながらクランク機構によりバルブ4を上下させて、試験した。なお、摩耗量はバルブ沈み量で測定した。試験条件はつぎの通りとした。
試験温度:300℃(シート面)
試験時間:4.5h
カム回転数:3000rpm
バルブ回転数:20rpm
スプリング荷重:35kgf(345 N)(セット時)
バルブ材:T400盛金
リフト量:7mm
また、得られた焼結体について、組織観察用試験片を採取し、研磨したのち、光学顕微鏡(倍率:100〜500倍)を用いて組織を観察し、撮像し、画像解析して、固体潤滑剤粒子が基地相中に分散した領域(分散領域)の全組織に対する面積率を算出し、分散領域の分率とした。
得られた結果を表3に示す。
アトマイズ純鉄粉またはカルボニル鉄粉と固体潤滑剤粉末(MnS粉末)とを配合し、ボールミル処理を施された鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)を用いて、得られた鉄基焼結体(焼結体No.1、No.2、No.5)は、同一固体潤滑剤量であるがボールミル処理を行わない比較材(焼結体No.3、MnS量:10%)に比べて、耐摩耗性および圧環強さがともに向上している。なお、ボールミル処理を施さず、固体潤滑剤粒子粉末を増量した比較例(焼結体No.3、MnS量:10%)は、従来の固体潤滑剤量(MnS量:2%)の少ない従来例(従来例:焼結体No.4)に比べて、耐摩耗性は向上するが、圧環強さが低下している。
また、鉄基粉末と固体潤滑剤粒子粉末を配合しボールミル処理を施された鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)を配合して得られた焼結体(本発明例)は、固体潤滑剤粒子が基地相中に微細に分散した分散領域を有する組織となっている。これに対し、ボールミル処理を施すことのない鉄基粉末を使用した焼結体(比較例、焼結体No.3)では、固体潤滑剤粒子が、基地相(基地粒)の境界に凝集した組織を呈している。
このように、基地相と固体潤滑剤粒子とが分散領域を呈する焼結体は、圧環強さの著しい低下を示すことなく、耐摩耗性が顕著に向上した焼結体となることを知見した。
さらに、鉄基粉末として配合する全量を、鉄基粉末と固体潤滑剤粒子粉末とをボールミル処理して得られた鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)とすること(混合粉No.B)により、ボールミル処理を施さない鉄基粉末を一部、配合した場合に比べて、固体潤滑剤量が同じでも、焼結体の耐摩耗性および圧環強さがともに高くなることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎの通りである。
(1)基地相と、固体潤滑剤粒子と、さらに硬質粒子と、を含む組織を有する摺動部材用鉄基焼結合金材であって、前記固体潤滑剤粒子をMnS粒子とし、質量%で、4.0〜20.0%含有し、前記硬質粒子は、ビッカース硬さで500〜1400HVの範囲の硬さを有する粒子で、Co基金属間化合物粒子、炭化物系硬質粒子、Fe−Mo系金属間化合物粒子のうちの1種または2種以上とし、質量%で、5〜65%含有し、前記基地相と、前記固体潤滑剤粒子とからなる基地部の組成が、質量%で、C:0.2〜2.0%を含み、S、Mn、Ni、Cu、Co のうちから選ばれた1種または2種以上を合計で6.0〜18.0%含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、前記組織が、前記固体潤滑剤粒子が前記基地相中に、分散度:0〜20%でかつその標準偏差:3.5以下で、分散してなる分散領域を、硬質粒子を除く組織全体に対する面積率で25%以上含む組織であることを特徴とする優れた耐摩耗性と優れた圧環強さとを兼備する摺動部材用鉄基焼結合金材。
)(1)において、前記摺動部材が、バルブシートである摺動部材用鉄基焼結合金材。
本発明によれば、圧環強さの低下を伴うことなく、耐摩耗性に優れた内燃機関用バルブシート等の摺動部材用鉄基焼結合金材を容易にしかも安価に、製造でき、産業上格段の効果を奏する。
純鉄粉と固体潤滑剤粒子粉末とを、ボールミル処理を施し得られた原料粉用鉄基粉末を使用して得られた焼結体における分散領域の一例を示す顕微鏡組織写真である。(a)鉄基粉末No.a0、(b)鉄基粉末No.b0、(c)鉄基粉末No.d0、である。 実施例における耐摩耗性の評価に使用する摩耗試験機の概要を模式的に示す説明図である。 固体潤滑剤粒子の分散状態(分散領域)に及ぼす鉄基粉末の粒径および固体潤滑剤粒子量の影響を模式的に示す説明図である。 実施例で得られた鉄基焼結合金材の組織の一例を示す金属組織写真である。
本発明摺動部材用鉄基焼結合金材(焼結体)は、基地相と、固体潤滑剤粒子あるいはさらに硬質粒子とを含む組織を有し、固体潤滑剤粒子を質量%で、4.0〜20.0%含有する。なお、硬質粒子を含有する場合には、焼結体での質量%で、5〜65%含有することが好ましい。そして、基地相と、固体潤滑剤粒子とからなる基地部は、質量%で、C:0.2〜2.0%を含み、S、Mn、Ni、Cr、Mo、Cu、Co、W、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で40%以下含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地部組成を有することが望ましい。
C:0.2〜2.0質量%
Cは、焼結体の強度、硬さを増加させ、焼結時に金属元素の拡散を容易にする作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.2質量%以上の含有を必要とする。一方、2.0質量%を超える多量の含有は、基地中にセメンタイトが生成しやすくなるとともに、焼結時に液相が発生しやすく、寸法精度が低下する。このため、Cは0.2〜2.0質量%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.8〜1.4質量%である。
S、Mn、Ni、Cr、Mo、Cu、Co、W、Vのうちから選ばれた1種または2種以上:合計で40質量%以下
S、Mn、Ni、Cr、Mo、Cu、Co、W、Vはいずれも、焼結体の強度、硬さを増加させ、さらに耐摩耗性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、鉄基粉末起因、固体潤滑剤起因を含め、少なくとも1種を選択して合計で、0.5質量%以上含有することが望ましい。一方、40質量%を超えて含有すると、成形性が低下し、機械的強度も低下する。このため、S、Mn、Ni、Cr、Mo、Cu、Co、W、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で40質量%以下の範囲に限定した。なお、好ましくは2〜10質量%である。
焼結体の、基地相と、固体潤滑剤粒子とからなる基地部においては、上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
本発明摺動部材用焼結体(鉄基焼結合金材)は、上記した基地部組成を有し、固体潤滑剤粒子が基地相中に分散した分散領域(組織)を、硬質粒子を除く組織全体に対する面積率で25%以上含む組織を有し、密度:6.3g/cm3以上、圧環強さ:45MPa以上を有する。
なお、分散領域の合計量が、硬質粒子を除く組織全体に対する面積率で25%未満では、固体潤滑剤粒子が偏在して、所望の圧環強さを確保できない。なお、分散領域の面積率は、ボールミル処理を施された原料粉用鉄基粉末の配合量で決定される。このようなことから、分散領域は、硬質粒子を除く組織全体に対する面積率で25%以上に限定した。
また、本発明摺動部材用鉄基焼結合金材では、上記した範囲の面積率を有する分散領域では、分散領域中に存在する固体潤滑剤粒子が、0〜20%の分散度を有し、かつその標準偏差が3.5以下なるように分散する。分散領域中に存在する固体潤滑剤粒子の分散度が20%を超えて多くなると、密度および圧環強さが低下する。さらに分散度の標準偏差が3.5を超えて大きくなると、固体潤滑剤粒子の分散が均一でなく、偏在して、従来に比べて優れた耐摩耗性、さらには優れた圧環強さを確保できない。
なお、ここでいう「固体潤滑剤粒子の分散度」とは、分散領域内の任意の100×100μmの範囲を指定し、該範囲を縦、横でそれぞれ等分に5分割し、分割された計25区画で、各区画に存在する固体潤滑剤粒子の面積率を測定し、得られた各区画での面積率を全区画の面積率(各区画での面積率の和)で除した値(%)をいう。したがって、当該区画に固体潤滑剤粒子が存在しない場合には0%となる。そして、得られた各区画(計25区画)での分散度の標準偏差を求める。分散度の標準偏差が3.5を超えて大きくなると、固体潤滑剤粒子の分散が、バラツキ、偏在して均一でなくなる。
このような組織を有する焼結体は、摺動特性に優れた固体潤滑剤粒子を、多量に、しかも焼結体の基地中に微細に、分散させることができ、圧環強さの低下を招くことなく耐摩耗性が顕著に向上する。
ついで、本発明摺動部材用鉄基焼結合金材の好ましい製造方法について説明する。
本発明摺動部材用鉄基焼結合金材の好ましい製造方法では、予めまず、原料粉として使用する基地形成用の鉄基粉末に、摺動特性に優れた固体潤滑剤粉末を配合して、ボールミル処理を施し、原料粉用鉄基粉末としておく。ここで、基地形成用の鉄基粉末としては、純鉄粉、合金元素量が5質量%以下の合金鋼粉、Cr鋼粉等が例示でき、本発明では所望の基地部組成に応じて、選択して適用することができる。とくに圧環強さの向上、製造コストの観点からアトマイズ純鉄粉とすることが好ましい。
本発明では、固体潤滑剤粒子粉末は所定量全量を、鉄基粉末と混合され、予め、上記したボールミル処理を施されて、原料粉用鉄基粉末に含ませておく。ボールミル処理を経ない固体潤滑剤粒子粉末を配合すると、凝集が著しく、また、焼結処理における元素の拡散を阻害し、フェライトの生成が促進されて、含有量に見合う特性向上が望めない。
このような処理を施されて得られた原料粉用鉄基粉末を、基地形成用の鉄基粉末の一部または全部として配合する。ボールミル処理を施されて得られた原料粉用鉄基粉末を基地形成用の鉄基粉末の一部として配合する場合には、さらに上記した処理を施さない、例えばアトマイズまま鉄粉等の基地形成用の鉄基粉末を配合することは云うまでもない。
なお、使用する基地形成用の鉄基粉末の平均粒径は、とくに限定する必要はないが、得られる原料粉用鉄基粉末の組織形態に影響する。鉄基粉末の粒径が小さいほど、固体潤滑剤粒子が基地相中に細かく分散するようになる。しかし、鉄基粉末の粒径が小さいほど混合粉の流動性が低下し、生産性の低下を招く。このようなことから、固体潤滑剤粒子を基地相中に細かく分散させるためには、固体潤滑剤粒子の粒径に対応して、鉄基粉末の平均粒径は、30〜150μmの範囲とすることが好ましい。
ボールミル処理後の、固体潤滑剤粒子の分散状態に及ぼす鉄基粉末の粒径、固体潤滑剤粒子量の影響を模式的に図3に示す。鉄基粉末の粒径が固体潤滑剤粒子粉末に比べて大で、固体潤滑剤粒子量が多い場合には、従来の混練では、鉄基粉末粒子の間に固体潤滑剤粒子が多量に存在した分散状態を呈するのに対し、本発明におけるようなボールミル処理を行うと、固体潤滑剤粒子が鉄基粉末起因の基地相中に分散した分散領域(組織)を示す。なお固体潤滑剤粒子量が少ない場合には、分散する固体潤滑剤粒子の厚さが薄くなる。一方、鉄基粉末の粒径が小さくなり、固体潤滑剤粒子と同程度の粒径となると、基地相中に固体潤滑剤粒子が緻密に分散した分散領域(組織)を呈するようになる。なお、図3には、ボールミル処理を行ったのちの粉末断面の光学顕微鏡組織写真の一例を併記する。
本発明では、基地形成用鉄基粉末の一部あるいは全量として、上記したようなボールミル処理を施された鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)を使用する。これにより、得られた焼結体の圧環強さおよび耐摩耗性がともに顕著に向上する。
本発明で、ボールミル処理を施す際に使用する装置については、とくに限定する必要はなく、公知の、振動ボールミル、遊星ボールミル等のボールミル処理用装置がいずれも適用できる。
ボールミル処理を行えば、8h以内の処理で十分に所望の組織を有する粉末(原料粉用鉄基粉末)とすることができる。ここでいう「所望の組織」とは、固体潤滑剤粒子が鉄基粉末起因の基地相中に分散した分散領域(組織)が、全域を占めてなる組織をいうものとする。なお、処理時間が長くなるほど、固体潤滑剤粒子が基地相中に微細に分散した分散領域の割合が多くなる。また、8hを超える長時間処理では、粉末が微細になり、活性化しやすくなり、好ましくない。このため、ボールミル処理の処理時間は8h以下に限定することが好ましい。
なお、ボールミル処理を施す際に、配合する固体潤滑剤粒子粉末の量は、とくに限定する必要はないが、焼結体となったときに必要な固体潤滑剤粒子量を容易に供給できる、所定量とすることが好ましい。
本発明では、上記したようなボールミル処理を施された鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)を、基地形成用鉄基粉末の一部あるいは全量として、使用して、混合粉とする。このような混合粉を使用することにより、得られた焼結体の圧環強さおよび耐摩耗性がともに顕著に向上する。
本発明では、ボールミル処理を施された鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)を、基地相形成用の鉄基粉末の全量に対する質量%で、25%以上となるように、かつ焼結体で固体潤滑剤粒子を質量%で4.0〜20.0%含むように、配合して混合粉とする。ボールミル処理を施された鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)の配合量が、基地相形成用の鉄基粉末の全量に対する質量%で、25%未満では、ボールミル処理を施された鉄基粉末(原料粉用鉄基粉末)の配合量が少なく、所望の分散領域を有する組織を形成することが難しく、焼結体としての所望の圧環強さ、耐摩耗性を確保できなくなる。
また、固体潤滑剤粒子が、焼結体中で質量%で、4.0%未満では、固体潤滑剤粒子量が不足し、所望の焼結体の耐摩耗性を確保できなくなる。一方、20.0%を超えると、焼結体中の固体潤滑剤粒子量が多くなりすぎて、圧環強さが低下する。このため、固体潤滑剤粒子粉末の配合量は、焼結体の全量に対する質量%で4.0〜20.0%となるように配合することが好ましい。
なお、固体潤滑剤粒子粉末としては、MnS粉末、CaF2粉末、タルク等が例示でき、所望の特性に応じていずれも適用できるが、とくに耐摩耗性、製造コストの観点からMnS粉末とすることが好ましい。
混合粉には、これら基地形成用の鉄基粉末に加えてさらに、合金用粉末、あるいはさらに硬質粒子粉末を、所望の焼結体組成となるように配合することはいうまでもない。原料粉末の一つとして混合粉に配合される合金用粉末として、黒鉛粉、Ni粉、Co粉、Cu粉が例示されるが、合金用粉末の配合量は、所望の焼結体における基地部組成となるように、適宜決定される。
本発明で、原料粉末の一つとして混合粉に配合する硬質粒子粉末は、Co基金属間化合物粒子粉末、炭化物系硬質粒子粉末、Fe−Mo系金属間化合物粒子粉末、の何れかとすることが好ましい。
Co基金属間化合物粒子としては、硬さがビッカース硬さで950〜1150HVである、質量%で、0.5〜4.0%Si−15〜35%Cr−15〜35%Mo−5〜20%Ni−残部Coからなる組成を有するCo基金属間化合物粒子が、硬さがビッカース硬さで650〜850HVである0.5〜4.0%Si−5.0〜20%Cr−20〜40%Mo−残部Coの組成を有するCo基金属間化合物粒子が、硬さがビッカース硬さで950〜1150HVである質量%で、2.0〜5.0%Si−3.0〜10.0%Cr−3.0〜15.0%Fe−35.0〜47.0%Mo−残部Coの組成を有するCo基金属間化合物粒子が例示できる。
また、炭化物系硬質粒子としては、硬さがビッカース硬さで500〜700HVである、質量%で、0.2〜2.0%C−2〜10%Cr−2〜10%Mo−2〜10%W−0.2〜5.0%V−残部Feからなる組成を有する炭化物系硬質粒子が例示できる。また、Fe−Mo系金属間化合物粒子としては、硬さがビッカース硬さで1000〜1400HVである40〜70%Mo−残部Feからなる組成を有するFe−Mo系金属間化合物粒子が例示できる。これらのなかでは、硬さがビッカース硬さで950〜1150HVであるCo基金属間化合物粒子粉末とすることが耐摩耗性の観点からより好ましい。
なお、硬質粒子粉末の配合量は、焼結体での質量%で5〜65%となるように、混合粉に配合することが好ましい。硬質粒子粉末の配合量が、焼結体での質量%で、5%未満では、所望の耐摩耗性を確保することが困難となる。一方、焼結体での質量%で、65%を超えて配合すると、焼結合金材の機械的強度が低下する。このため、硬質粒子の配合量は、焼結体での質量%で5〜65%となるようにすることが好ましい。
ついで、上記したように配合した混合粉を、金型に充填したのち、成形プレス等により圧縮・成形し所定密度の圧粉体とする。圧粉体の密度は、とくに限定する必要はないが、所望の焼結体密度を確保する観点からは、6.3g/m3以上とすることが好ましい。ついで、得られた圧粉体を、アンモニア分解ガス、真空等の保護雰囲気中で、好ましくは1100〜1200℃の温度範囲に加熱して焼結し、鉄基焼結合金材とする。
なお、成形Pと焼結Sとを、1回ずつ行う1P1S工程でもよいが、成形P、焼結Sを2回繰り返す、2P2S工程とすることがより好ましい。また、成形をプレス成形に代えて鍛造Fとする1F1S工程としてもよい。
上記した好ましい製造方法で得られた鉄基焼結合金材(焼結体)は、上記した組成と、上記した組織とを有し、密度:6.3g/cm3以上、圧環強さ:45MPa以上で、圧環強さの低下を招くことなく耐摩耗性が顕著に向上した焼結体となる。
本発明では、上記した鉄基焼結合金材を、切削、研削等の加工により所定寸法形状の内燃機関用バルブシート等の摺動部材とすることができる。
以下、さらに実施例に基づき、本発明について説明する。
基地形成用鉄基粉末としての、アトマイズ純鉄粉またはカルボニル純鉄粉に、固体潤滑剤粒子粉末としてMnS粒子粉末を、表4に示す量、配合して、ミルの処理容器に装入し、ボールミル処理を施して、原料粉用鉄基粉末(MA粉)を得た。ボールミル処理は、特許第3486682号公報に記載の装置と同じ原理のミルを用いて行った。なお、処理容器の回転数は800rpmとし、ボールミル処理の処理時間は2hとした。なお、ボールミル処理を行わない純鉄粉(アトマイズ純鉄粉)、合金鋼粉も、基地形成用鉄基粉末として用意した。なお、各粉末の平均粒径は、レーザ回折法で測定した。
ついで、用意した原料粉用鉄基粉末に、さらに合金用粉末、硬質粒子粉末、あるいはさらに基地形成用鉄基粉末を、表5に示す種類、量だけ配合し、V型混合機で混合し、混練して混合粉とした。配合量は、混合粉全量に対する質量%で示した。なお、一部では、固体潤滑剤粉末をそのまま、混合粉に配合した。
なお、硬質粒子粉末の硬さは、JIS Z 2244の規定に準拠し、5個以上の粒子について荷重:100gfで測定し、その平均した値をその硬質粒子粉末の硬さHVとして示す。
ついで、これらの混合粉を金型に充填し、成形プレスにより圧縮・成形し、表6に示す密度の圧粉体とした。ついで、これら圧粉体に、保護雰囲気中で、表6に示す条件で焼結処理を施し、鉄基焼結合金材とした。なお、成形・焼結工程は、1P1S工程とした。
得られた鉄基焼結合金材(焼結体)から分析用試料を採取し、基地部に対しX線による定量分析により各元素の含有量を求め、基地部組成とした。なお、基地部組織は、基地相と固体潤滑剤粒子とからなる組成をいう。また、得られた焼結体から組織観察用試験片を採取し、研磨して、光学顕微鏡(倍率:100〜500倍)を用いて、組織を観察し、視野数:5箇所以上で、撮像した。得られた組織写真から、画像処理により、基地相と固体潤滑剤粒子との分散状況、各組織の分率を算出した。
すなわち、得られた焼結体についてまず、硬質粒子を除く組織全体に対する面積率で、固体潤滑剤粒子が基地相中に分散した分散領域の組織分率を求めた。なお、ここでいう「硬質粒子を除く組織全体」とは、鉄基粉末起因の基地相全体を意味する。ついで、これら分散領域について、100×100μmの範囲を縦横で等分に各5分割し、各分割された各区画(計25区画)において、固体潤滑剤粒子の面積率を求め、該各区画における面積率を全区画の面積率(各区画での面積率の和)で除し、当該区画の固体潤滑剤粒子の分散度(%)とした。そして、得られた全区画における分散度の標準偏差値を求めた。なお、分散領域が観察されない焼結体についても同様に分散度、分散度の標準偏差値を求め参考値とした。
得られた鉄基焼結合金材(焼結体)の組織の一例(焼結体No.11,No.12,No.13,No,21)を図4に示す。
また、得られた焼結体から試験片を採取し、アルキメデス法により密度を測定した。
また、得られた焼結体から、JIS Z 2507の規定に準拠して試験片を採取し、圧環強さを測定した。
さらに、得られた焼結体から、切削、研削加工によりバルブシート(寸法形状:外径27.1mmφ×内径22.0mmφ×高さ6.5mm)に加工し、図2に示す単体リグ試験機を用いて単体リグ摩耗試験を実施し、耐摩耗性を評価した。試験方法はつぎの通りである。
バルブシート1をシリンダヘッド相当品の治具2に圧入したのち、試験機に装着した熱源3によりバルブ4およびバルブシート1を加熱しながらクランク機構によりバルブ4を上下させて、試験した。なお、試験後、バルブシートの摩耗量を測定した。試験条件はつぎの通りとした。
試験温度:300℃(シート面)
試験時間:4.5h
カム回転数:3000rpm
バルブ回転数:20rpm
スプリング荷重:35kgf(345N)(セット時)
リフト量:7mm
得られた結果を表6に示す。
本発明例はいずれも、所望の組織が形成され、45MPa以上の圧環強さを有し、摩耗量が少なく、同一固体潤滑剤粒子量で比較して、圧環強さの顕著な低下を伴うことなく耐摩耗性が向上している。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、所望の分散領域(組織)が形成されておらず、圧環強さが低下しているか、あるいは耐摩耗性が低下している。
1 バルブシート
2 治具
3 熱源
4 バルブ

Claims (2)

  1. 基地相と、固体潤滑剤粒子と、さらに硬質粒子と、を含む組織を有する摺動部材用鉄基焼結合金材であって、
    前記固体潤滑剤粒子をMnS粒子とし、質量%で、4.0〜20.0%含有し、
    前記硬質粒子は、ビッカース硬さで500〜1400HVの範囲の硬さを有する粒子で、Co基金属間化合物粒子、炭化物系硬質粒子、Fe−Mo系金属間化合物粒子のうちの1種または2種以上とし、質量%で、5〜65%含有し、
    前記基地相と、前記固体潤滑剤粒子とからなる基地部の組成が、質量%で、C:0.2〜2.0%を含み、S、Mn、Ni、Cu、Coのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で6.0〜18.0%含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、
    前記組織が、前記固体潤滑剤粒子が前記基地相中に、分散度:0〜20%でかつその標準偏差:3.5以下で、分散してなる分散領域を、硬質粒子を除く組織全体に対する面積率で25%以上含む組織である
    ことを特徴とする優れた耐摩耗性と優れた圧環強さとを兼備する摺動部材用鉄基焼結合金材。
  2. 前記摺動部材が、バルブシートである請求項1に記載の摺動部材用鉄基焼結合金材。
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