JP6664289B2 - 弾性クローラ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の走行に用いられる弾性クローラの技術に関する。
従来、車両の走行に用いられる弾性クローラの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、外周面に複数のラグが形成された弾性クローラ(ゴムクローラ)が記載されている。当該弾性クローラは、幅方向中央部にスプロケットの歯部が係合され、当該スプロケットから伝達される駆動力により回転駆動される。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、弾性クローラの曲げ剛性が高いため、耐久性は高いと考えられるものの、車両が走行する際の振動や駆動ロスが大きくなるおそれがある点で不利であった。
特開2009−78796号公報
以上の如き状況に鑑み、高い耐久性を有しつつ、効果的に車両が走行する際の振動や駆動ロスの低減を図ることが可能な弾性クローラが要望されている。
本発明の弾性クローラは、弾性体により無端体状に形成されたクローラ本体と、前記クローラ本体の周方向に並んで設けられた複数の補強部材と、を備え、
前記クローラ本体は、前記クローラ本体の内周面において、周方向に延び、且つ、転輪が通過する転輪通過部と、前記クローラ本体の内周面において、当該クローラ本体の幅方向における前記転輪通過部の外側に形成された凹部とを有し、
前記補強部材は、前記クローラ本体の幅方向に並んだ一対の突起部と、前記クローラ本体の幅方向に延び、且つ、一対の前記突起部同士を連結する連結部とを有し、
前記クローラ本体の幅方向の断面視において、前記連結部が前記突起部よりも前記クローラ本体の幅方向における外側まで延び、前記連結部における前記クローラ本体の幅方向の端部が、前記凹部に向けて前記クローラ本体の内周面の側に曲げられており、
前記断面視で、前記連結部における前記クローラ本体の幅方向の端部の延長線が前記凹部の底部と略同一面上にある。
クローラ本体に凹部を形成することによって、弾性クローラの曲げ剛性の低減を図ることができる。ところで、クローラ本体に凹部を形成する場合、特に、クローラ本体のうち凹部が形成された部分の剛性が低くなる。クローラ本体が凹部の部分で変形しやすくなる。その一方で、補強部材は剛性の高い部材であり変形しがたい。このため、クローラ本体と補強部材との間で応力が発生して、弾性クローラの耐久性が低下する原因となる虞がある。そこで、クローラ本体の幅方向の端部を、凹部に向けてクローラ本体の内周面の側に曲げられることにより、クローラ本体と補強部材との間で発生する応力を低減することができる。これによって、弾性クローラの耐久性を高めつつ、車両が走行する際の振動や駆動ロスの低減を図ることができる。
また、本構成により、クローラ本体の変形に伴う応力をより効果的に低減することができる。また、変形の起点となるポイントを同一面上に形成させることで、必要となる曲げ部分に無駄な応力の発生を抑制することができる。
上記構成において、隣接する前記補強部材同士の間に前記凹部が設けられていると好適である。
本構成により、補強部材から離れた位置に剛性の低い凹部を形成することができる。つまり、クローラ本体のうち変形しやすい部位である凹部が補強部材から離れることにより、クローラ本体のうち補強部材の近傍の部位が過度に変形することを抑制できる。この結果、クローラ本体の変形に伴う応力をより効果的に低減することができる。
上記構成において、前記凹部の底部が、前記クローラ本体の幅方向の外側ほど当該クローラ本体における内周側に位置するように傾斜していると好適である。
本構成により、クローラ本体の内側での変形が容易となり、駆動ロスの低減を図ることができる。
上記構成において、前記クローラ本体が、前記クローラベルト本体における内周側の部分のうち当該クローラベルト本体の幅方向における中央部に位置する第1部分と、当該前記クローラ本体における内周側の部分のうち前記第1部分の外側に位置する第2部分と、前記クローラベルト本体における外周側の部分である第3部分とを有し、
前記第1部分を構成する弾性体における下記の式(1)で定義されるRの値が2.0〜2.6であり、前記第2部分を構成する弾性体における下記の式(1)で定義されるRの値が0.7〜1.3であり、前記第3部分を構成する弾性体における下記の式(1)で定義されるRの値が0.9〜1.3であると好適である。

R=Nk/Ns 式(1)(ここで、NkはJIS K 6329(2007年版)に基づいて測定される動的剛性(N/mm)であり、NsはJIS K 6329(2007年版)に基づいて測定される静的剛性(N/mm)である。)
また、上記構成において、前記第1部分を構成する弾性体のNsが75〜95であり、前記第2部分を構成する弾性体のNsが55〜80であり、前記第3部分を構成する弾性体のNsが55〜70であると好適である。
つまり、本発明の発明者らは、弾性クローラの耐久性には、特にクローラ本体を構成する弾性体の静的剛性が影響すること、及び、車両が走行する際の振動や駆動ロスには、特にクローラ本体を構成する弾性体の動的剛性が影響することを見出した。そこで、クローラ本体の各部位を構成する弾性体の静的剛性を従来と同等に保ちつつ、第2部分及び第3部分を構成する弾性体の動的剛性を従来に比べて低減させることとした。この構成により、弾性クローラの静的剛性を維持しつつ動的剛性を低減させることとなり、弾性クローラの耐久性を高めつつ、車両が走行する際の振動や駆動ロスを低減することができる。なお第1部分は、クローラ本体の幅方向の中央部に位置することから駆動スプロケットが噛み合う部分である。したがって、第1部分を構成する弾性体については、静的剛性及び動的剛性の何れについても高く設定することとした。この結果、弾性クローラに駆動スプロケットが噛み合った際の弾性クローラの変形を抑制して、駆動スプロケットの駆動力を弾性クローラに確実に伝達することができる。この点においても、車両が走行する際の駆動ロスを低減することができる。
上記構成において、前記第2部分を構成する弾性体と前記第3部分を構成する弾性体とが同一であると好適である。
つまり、第2部分を構成する弾性体の静的剛性及び動的剛性と第3部分を構成する弾性体の静的剛性及び動的剛性を同じ値に設定することにより、特に、車両が走行する際の振動や駆動ロスの低減を図ることができる。
第一実施形態に係る弾性クローラを内周側から見た平面図。 第一実施形態に係る弾性クローラを外周側から見た底面図。 図1におけるIII−III断面図。 図1におけるIV−IV断面図。 第二実施形態に係る弾性クローラを内周側から見た平面図。 図5におけるVI−VI断面図。
[第一実施形態]
以下では、矢印Lを当該弾性クローラの幅方向における左方向、矢印Rを当該弾性クローラの幅方向における右方向、矢印Uを当該弾性クローラの内周側、矢印Dを当該弾性クローラの外周側とそれぞれ定義して説明を行う。
まず、図1から図4までを用いて、第一実施形態に係る弾性クローラの構成について説明する。
弾性クローラは、当該弾性クローラに駆動力を伝達するためのスプロケット(不図示)や、当該弾性クローラが回転起動から外れないように案内するための転輪H(図3参照)等に巻回され、車両の走行に用いられるものである。弾性クローラは、無端体状(環状)に形成される。弾性クローラは、主としてクローラ本体10、芯金30(補強部材に相当)及び補強コード40を具備する。
クローラ本体10は、弾性体であるゴムにより形成される無端体状の部材である。クローラ本体10は、主として、第1部分12と第2部分13と第3部分11とを有する。第1部分12は、クローラ本体10の内周側の部分のうち中央部に位置する部分である。第2部分13は、クローラ本体10の内周側の部分のうち第1部分12の両外側に位置する部分である。第3部分11は、クローラ本体10の外周側の部分である。
第1部分12(図3参照)は、クローラ本体10のうち、内周側の幅方向中央部分を形成するものである。第1部分12は、後述する第2部分13及び第3部分11に比べて硬度が高い弾性体(ゴム)によって形成される。
第2部分13(図3参照)は、クローラ本体10のうち、内周側の幅方向両端部分を形成するものである。第2部分13は、第1部分12に比べて硬度が低い弾性体(ゴム)によって形成される。
第3部分11(図3参照)は、クローラ本体10のうち、外周側の部分を形成するものである。第3部分11は、第1部分12に比べて硬度が低い弾性体(ゴム)によって形成される。
なお、第1部分12、第2部分13、第3部分11に好ましいゴムの物性等については、後に詳述する。
また、クローラ本体10には、主としてラグ14、転輪通過部15、突起部16、凹部17及び凸部18が形成される。
ラグ14は、クローラ本体10の外周面から突出するように形成される部分である。ラグ14は、主として第一ラグ14a及び第二ラグ14bを具備する。
第一ラグ14aは、幅方向に沿う略直線状に形成される。第一ラグ14aは、クローラ本体10の幅方向中央部分で左右に分離されることで、左右で対になるように形成される。すなわち、一対の第一ラグ14aは、クローラ本体10の周方向において同一の位置に形成される。一対の第一ラグ14aは、クローラ本体10の幅方向中央部近傍から、左右両端部までそれぞれ延びるように形成される。一対の第一ラグ14aは、クローラ本体10の周方向に沿って並ぶように複数(複数対)形成される。
第二ラグ14bは、幅方向に沿う略直線状に形成される。第二ラグ14bは、クローラ本体10の幅方向中央部分で左右に分離されることで、左右で対になるように形成される。すなわち、一対の第二ラグ14bは、クローラ本体10の周方向において同一の位置に形成される。一対の第二ラグ14bは、クローラ本体10の幅方向中央部近傍から、左右両端部近傍までそれぞれ延びるように形成される。第二ラグ14bの長手方向長さ(幅方向長さ)は、第一ラグ14aの長手方向長さよりも短くなるように形成される。一対の第二ラグ14bは、クローラ本体10の周方向に沿って並ぶように複数(複数対)形成される。
一対の第一ラグ14a及び一対の第二ラグ14bは、クローラ本体10の周方向に沿って一定の間隔で交互に並ぶように配置される。
転輪通過部15は、弾性クローラが巻回される転輪Hが通過する部分である。転輪通過部15は、クローラ本体10の内周面の他の部分(当該転輪通過部15の左右両側)に比べて内周側に向かって隆起するように形成される。転輪通過部15は、クローラ本体10の内周面の幅方向中央部に、左右で対になるように形成される。一対の転輪通過部15は、それぞれ第1部分12から第2部分13に亘るように形成される。転輪通過部15の内周面は、概ね平坦になるように形成される。転輪通過部15は、周方向に沿って直線状に延びるように形成される。
突起部16は、クローラ本体10の内周面から突出するように形成される部分である。
突起部16は、クローラ本体10のうち第1部分に形成される。突起部16は、一対の転輪通過部15の間に形成される。突起部16は左右で対になるように形成される。一対の突起部16は、クローラ本体10の周方向に沿って並ぶように複数(複数対)形成される。一対の突起部16は、クローラ本体10の周方向において一対のラグ14(第一ラグ14a又は第二ラグ14b)と交互に配置される。より詳細には、一対の突起部16は、クローラ本体10の周方向において隣り合う一対のラグ14の中間位置にそれぞれ配置される。
凹部17は、クローラ本体10の内周面を窪ませるように形成される部分である。凹部17は、クローラ本体10のうち第2部分13に形成される。凹部17は、クローラ本体10の幅方向に沿って形成される。凹部17は、クローラ本体10の幅方向両端部にそれぞれ形成されることで、左右で対になるように形成される。一対の凹部17は、クローラ本体10の幅方向において、一対の転輪通過部15のすぐ外側から、当該クローラ本体10の左右中途部までそれぞれ延びるように形成される。一対の凹部17は、クローラ本体10の幅方向において、外側に向かうほど、当該凹部17の幅(クローラ本体10の周方向における長さ)が、大きくなるように当該凹部におけるクローラ本体10の周方向の端部が傾斜している。凹部17の底部17aは、クローラ本体10の幅方向において、外側に向かうほど凹部17が浅くなるように傾斜している。凹部17は、クローラ本体10の幅方向における中途部で後述する外縁面19に移行する。
一対の凹部17は、クローラ本体10の周方向に沿って並ぶように複数(複数対)形成される。一対の凹部17は、クローラ本体10の周方向において隣り合う一対の芯金30(突起部16)の間に配置される。つまり、凹部17は、クローラ本体10の周方向において、ラグ14(第一ラグ14a又は第二ラグ14b)と同じ位置に設けられている。なお、当該凹部17の配置については、後に詳述する。
凸部18は、クローラ本体10の内周面に形成され、凹部17に比べて内周側に向かって突出するように形成される部分である。凸部18は、クローラ本体10のうち左右の第2部分13にそれぞれ形成される。これによって、凸部18は左右で対になるように形成されることになる。一対の凸部18は、クローラ本体10の周方向において隣り合う2つの凹部17の間に形成される。また、一対の凸部18は、周方向において、隣り合うラグ14同士の間に位置することになる。また一対の凸部18は、クローラ本体10の周方向に沿って並ぶように複数(複数対)形成されることになる。
外縁面19は、クローラ本体10の内周面に形成される略平坦状の面である。外縁面19は、クローラ本体10ののうち第2部分13に形成される。外縁面19は、クローラ10の幅方向における左右の外縁部、つまり、クローラ本体10の幅方向における左右の凹部17及び左右の凸部18の外側に形成される。外縁面19は、クローラ本体の全周に亘って形成される。本実施形態では、外縁面19は凹部17の底面17aと同一の平面である。
芯金30は、クローラ本体10を補強するためのものである。芯金30は、適宜の金属材料によって形成される。芯金30は、主として連結部31及び突起部32を具備する。
連結部31は、クローラ本体10と略平行に配置される板状の部分である。連結部31は、長手方向をクローラ本体10の幅方向に向けた状態で配置される。連結部31の長手方向長さは、クローラ本体10の一対の転輪通過部15の幅と略同一となるように形成される。連結部31は突起部32よりもクローラ本体10の幅方向における外側まで延びている。つまり、連結部31の左右の端部31aが、突起部32よりもクローラ本体10の幅方における外側に位置する。連結部31の左右の端部31aが、クローラ本体の内周面の側に曲げられている。つまり、連結部31の左の端部31aが左の凹部17に向くように曲げられ、連結部31の右の端部31aが右の凹部17に向くように曲げられている。
本実施形態では、クローラ本体の幅方向における断面視で、連結部31の端部31aの延長線Lが、凹部17の底部17aと交差している(図3を参照)。なお、連結部31の端部31aの延長線Lが、凹部17の底部17aと交差することなく、底部17aに沿う構成とすることもできる。
突起部32は、連結部31に対して略垂直に形成される板状の部分である。突起部32は、長手方向をクローラ本体10の内周側に向けて形成される。突起部32は、連結部31の左右中央部に、左右で対になるように形成される。
このように構成された芯金30は、クローラ本体10の突起部16に対応する位置において、当該クローラ本体10(より詳細には、第1部分12及び第3部分13)に埋め込まれるように配置される。この際、芯金30の突起部32は、クローラ本体10の突起部16内に埋め込まれる。つまり、芯金30の突起部32は第1部分12に埋め込まれている。また、芯金30の連結部31は、第1部分12及び13に亘って埋め込まれている。
このようにして、芯金30によってクローラ本体10(特に、転輪通過部15及び突起部16)が補強される。また芯金30は、突起部16と同様に、クローラ本体10の周方向において隣り合う一対のラグ14の中間位置にそれぞれ配置されることになる。
補強コード40は、クローラ本体10を補強するためのものである。補強コード40は、適宜の金属材料によって形成される。補強コード40は、クローラ本体10に埋め込まれ、芯金30のすぐ外周側に配置される。補強コード40は、クローラ本体10の周方向に沿って延びるように形成される。
以下では、クローラ本体10に形成された凹部17の配置について詳細に説明する。
前述の如く、凹部17は、クローラ本体10の周方向において、隣り合う一対の芯金30(突起部16)の間に配置されている。ここで、「隣り合う一対の芯金30(突起部16)の間」とは、図4に示すように、隣り合う一対の芯金30(突起部16)の中心C1同士の間を意味する。中心位置C1とは、周方向における芯金30の中心位置を意味する。
本実施形態においては、凹部17は、クローラ本体10の周方向において、隣接する中心位置C1同士の間の所定領域に亘るように形成される。また、凹部17は、クローラ本体10の周方向において、ラグ14(ラグ14a及びラグ14b)と同じ位置に配置される。具体的には、凹部17は、クローラ本体10の周方向において、ラグ14(ラグ14a及びラグ14b)が形成されている範囲に亘って形成されている。
ここで、クローラ本体10のうち、ラグ14が形成される部分(中心位置C2近傍)は、当該ラグ14の分だけクローラ本体10の厚みが増している。このため、当該部分におけるクローラ本体10の曲げ剛性(クローラ本体10が内周側又は外周側に屈曲することに対する剛性)は他の部分に比べて高くなっている。そこで、周方向におけるラグ14が形成される部分に凹部17を形成することにより、周方向におけるラグ14が形成される部分の曲げ剛性が局所的に大きくなることを抑制して、周方向における剛性を均一にすることができる。
以下では、クローラ本体10に形成された凸部の配置について詳細に説明する。
前述の如く、凸部18は、クローラ本体10の周方向において、隣り合う一対の凹部17の間に配置されている。ここで、「隣り合う一対の凹部17の間」とは、図4に示すように、隣り合う一対の凹部17の中心C2同士の間を意味する。中心位置C2とは、周方向における凹部17の中心位置を意味する。
本実施形態において、凸部18は、クローラ本体10の周方向において、芯金30の連結部31と同じ箇所に位置する。具体的には、少なくとも凸部18のクローラ本体10の幅方向内側端部が、クローラ本体10の周方向において、連結部31が設けられている範囲に亘る周方向長さを有する。
ここで、クローラ本体10のうち、凸部18が形成される部分(中心位置C1近傍)は、当該凸部18の分だけクローラ本体10の厚みが増している。このため、当該部分におけるクローラ本体10の曲げ剛性は比較的高くなっている。この凸部18を芯金30の連結部31と同じ周方向位置に配置することにより、連結部31近傍におけるクローラ本体10の変形を抑制することができる。このため、クローラ本体10と芯金3の連結部との間に発生する応力を低減することができる。
また、本実施形態においては、凹部17及び凸部18は、クローラ本体10の第2部分13に形成されている。このように、凹部17及び凸部18が硬度の異なる材料に亘らないように形成されているため、弾性クローラを製造する際に、当該凹部17及び凸部18を容易に形成することができる。
以下、第1部分12、第2部分13、及び、第3部分11を構成するゴムの好ましい物性について説明する。
好ましくは、第1部分12を構成するゴムにおける下記の式(1)で定義されるRの値が2.0〜2.6であり、第2部分13を構成するゴムにおける下記の式(1)で定義されるRの値が0.7〜1.3であり、第3部分11を構成するゴムにおける下記の式(1)で定義されるRの値が0.9〜1.3である。また、特に好ましくは、第1部分12を構成するゴムにおけるRの値が2.1〜2.5であり、第2部分13を構成するゴムにおけるRの値が0.8〜1.2であり、第3部分11を構成するゴムにおけるRの値が0.
9〜1.2である。

R=Nk/Ns 式(1)
また、好ましくは、第1部分12を構成するゴムのNs値が75〜95であり、第2部分13を構成するゴムのNs値が55〜80であり、第3部分を構成するゴムのNs値が55〜70である。
また、好ましくは、第2部分を構成するゴムと第3部分を構成するゴムとは同一のゴム、若しくは、同一のNs値及びNk値を有するゴムである。
ここで、Nkはゴムの動的剛性(N/mm)を示す値であり、JIS K 6329(2007年版)に基づいて求めることができる。また、Nsはゴムの静的剛性(N/mm)を示す値であり、JIS K 6329(2007年版)に基づいて求めることができる。
つまり、本発明の発明者らは、弾性クローラの耐久性には、特にクローラ本体10を構成するゴムの静的剛性Nsが影響すること、及び、車両が走行する際の振動や駆動ロスには、特にクローラ本体10を構成するゴムの動的Nsが影響することを見出した。そこで、クローラ本体の各部位を構成するゴムの静的剛性Nsを従来と同等に保ちつつ、第2部分12及び第3部分11を構成するゴムの動的剛性Nkを従来に比べて低減させることが好ましい。弾性クローラの静的剛性Nsを維持しつつ動的剛性Nkを低減させることとなり、弾性クローラの耐久性を高めつつ、車両が走行する際の振動や駆動ロスを低減することができる。なお第1部分12は、弾性クローラの幅方向の中央部に位置することから駆動スプロケットが噛み合う部分である。したがって、第1部分12を構成するゴムについては、上記の如く、静的剛性Ns及び動的剛性Nkの何れについても高く設定することが好ましい。この結果、弾性クローラに駆動スプロケットが噛み合った際の弾性クローラの変形を抑制して、駆動スプロケットの駆動力を弾性クローラに確実に伝達することができる。この点においても、車両が走行する際の駆動ロスを低減することができる。
[実施例]
以下の実施例1〜3の各弾性クローラについて、振動低減効果及び駆動ロス低減効果の検証を行った。各実施例の弾性クローラの形状は、上記の説明のとおりである(図1〜4を参照)。また、実施例1〜3の弾性クローラを構成するゴムの物性は以下のとおりである。
(実施例1)
第1部分を構成するゴムのNs値は83N/mであり、Nk値は189N/mであり、R値は2.3である。
第2部分を構成するゴムのNs値は67N/mであり、Nk値は105N/mであり、R値は1.6である。
第3部分を構成するゴムのNs値は63N/mであり、Nk値は80N/mであり、R値は1.3である。
(実施例2)
第1部分を構成するゴムのNs値は83N/mであり、Nk値は189N/mであり、R値は2.3である。
第2部分を構成するゴムのNs値は73N/mであり、Nk値は67N/mであり、R値は0.9である。
第3部分を構成するゴムのNs値は60N/mであり、Nk値は68N/mであり、R値は1.1である。
(実施例3)
第1部分を構成するゴムのNs値は83N/mであり、Nk値は189N/mであり、R値は2.3である。
第2部分を構成するゴムのNs値は60N/mであり、Nk値は68N/mであり、R値は1.1である。
第3部分を構成するゴムのNs値は60N/mであり、Nk値は68N/mであり、R値は1.1である。
ここで、実施例2及び3は、第1部分12、第2部分13、及び、第3部分11を構成するそれぞれのゴムのR値及びNs値が、上記のR値及びNs値の範囲内にある。つまり、Ns値については、従来の弾性クローラと同等の値を有しつつ、Nk値については従来のクローラよりも低い値を有する。特に、実施例3は、第2部分13と第3部分11とが同じゴムにより構成されている。
上記の三つの実施例の弾性クローラの性能を確認したところ、実施例3の弾性クローラが特に優れた振動低減効果及び駆動ロス低減効果を発揮した。また、実施例2の弾性クローラについても、実施例3の弾性クローラに次いで優れた振動低減効果及び駆動ロス低減効果を発揮した。実施例1の弾性クローラについては実施例3及び2の弾性クローラには及ばないものの、振動低減効果及び駆動ロス低減効果を発揮した。なお、R値が実施例1におけるR値よりも高い(Nk値が実施例1におけるNk値よりも高い)弾性クローラ居ついては、若干の振動及び駆動ロスの増加がみられた。
[第二実施形態]
以下、第二実施形態に係る弾性クローラについて、図5及び6に基づいて説明する。なお、上記第一実施形態と同一の構成については、図5及び6において、図1〜4と同一の符号を付し、明細書中における説明は省略する。
この弾性クローラにおいて、クローラ本体10の内周面に、凹部117が形成されている。つまり、クローラ本体10の内周面に、凹部17に加えて凹部117が形成されている。
凹部117は、クローラ本体10の内周面を窪ませるように形成される部分である。凹部117は、クローラ本体10の内周面のうち、第2部分13における第1部分12との境界部分に形成されている。凹部117は、クローラ本体10の左右の第2部分13にそれぞれ形成されることで、左右で対になるように形成される。一対の凹部117は、クローラ本体10の幅方向において、一対の転輪通過部15の中間部に形成される。
クローラ本体10の幅方向クローラ本体10の幅方向一対の凹部117は、クローラ本体10の周方向に沿って並ぶように複数(複数対)形成される。一対の凹部117は、クローラ本体10の周方向において隣り合う一対の芯金30(突起部16)の間に配置される。
上記構成のように、凹部17に加えて凹部117を設けることにより、弾性クローラの剛性をより効果的に低減することができる。
[別実施形態]
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、クローラ本体10は、第1部分12、第2部分13、及び、第3部分11を構成するゴムの物性は上記に限られるものではない。例えば、全て同じ物性のゴムで形成すること等も可能であり、ゴムの物性や当該ゴムで形成する部分は任意に変更することが可能である。
また、上記説明における凹部17(及び凹部27)並びに凸部18(及び凸部28)の形状は限定するものではない。例えば、凹部17は、クローラ本体10の左右両端部において外側に向かって開口されていなくてもよい。また、凹部17及び凸部18は、クローラ本体10の内周側から見て矩形状ではなく、任意の形状に形成することが可能である。
また、上記説明では、クローラ本体10の周方向において、ラグと芯金が交互に配置される例を説明した。例えば第一実施形態(図2等参照)においては、一対のラグ14と芯金30が交互に配置されている。しかし、ラグと芯金は交互に配置されるものに限らず、それぞれ任意に配置することが可能である。
また、上記説明では、芯金30は金属材料によって形成されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、芯金30に代えて、金属材料以外の材料(例えば、合成樹脂等)により形成された補強部材を用いることも可能である。
また、上記説明では、クローラ本体10は、転輪通過部15が幅方向中央部に形成されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、転輪通過部15をクローラ本体10の幅方向の左右いずれか一方に偏った位置に配置することも可能である。
また、本発明に係る弾性クローラは、種々の車両(農業車両、建設車両、産業車両等)に適用することが可能である。
10 クローラ本体
11 第3部分
12 第1部分
13 第2部分
14 ラグ
15 転輪通過部
17 凹部
17a 底部
30 芯金(補強部材)
31 連結部
31a 端部

Claims (6)

  1. 弾性体により無端体状に形成されたクローラ本体と、
    前記クローラ本体の周方向に並んで設けられた複数の補強部材と、を備え、
    前記クローラ本体は、
    前記クローラ本体の内周面において、周方向に延び、且つ、転輪が通過する転輪通過部と、
    前記クローラ本体の内周面において、当該クローラ本体の幅方向における前記転輪通過部の外側に形成された凹部とを有し、
    前記補強部材は、
    前記クローラ本体の幅方向に並んだ一対の突起部と、
    前記クローラ本体の幅方向に延び、且つ、一対の前記突起部同士を連結する連結部とを有し、
    前記クローラ本体の幅方向の断面視において、
    前記連結部が前記突起部よりも前記クローラ本体の幅方向における外側まで延び、前記連結部における前記クローラ本体の幅方向の端部が、前記凹部に向けて前記クローラ本体の内周面の側に曲げられており、
    前記断面視で、前記連結部における前記クローラ本体の幅方向の端部の延長線が前記凹部の底部と略同一面上にある弾性クローラ。
  2. 隣接する前記補強部材同士の間に前記凹部が設けられている請求項に記載の弾性クローラ。
  3. 前記凹部の底部が、前記クローラ本体の幅方向の外側ほど当該クローラ本体における内周側に位置するように傾斜している請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
  4. 前記クローラ本体が、前記クローラベルト本体における内周側の部分のうち当該クローラベルト本体の幅方向における中央部に位置する第1部分と、当該前記クローラ本体における内周側の部分のうち前記第1部分の外側に位置する第2部分と、前記クローラベルト本体における外周側の部分である第3部分とを有し、
    前記第1部分を構成する弾性体における下記の式(1)で定義されるRの値が2.0〜2.6であり、
    前記第2部分を構成する弾性体における下記の式(1)で定義されるRの値が0.7〜1.3であり、
    前記第3部分を構成する弾性体における下記の式(1)で定義されるRの値が0.9〜1.3である請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性クローラ。

    R=Nk/Ns 式(1)
    (ここで、NkはJIS K 6329(2007年版)に基づいて測定される動的剛性(N/mm)であり、NsはJIS K 6329(2007年版)に基づいて測定される静的剛性(N/mm)である。)
  5. 前記第1部分を構成する弾性体のNsが75〜95であり、前記第2部分を構成する弾性体のNsが55〜80であり、前記第3部分を構成する弾性体のNsが55〜70である請求項に記載の弾性クローラ。
  6. 前記第2部分を構成する弾性体と前記第3部分を構成する弾性体とが同一である請求項又はに記載の弾性クローラ。
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