JP6663707B2 - フィルム切断装置、及びフィルム切断方法 - Google Patents

フィルム切断装置、及びフィルム切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、安全性の要求される製品の材料とされる樹脂フィルムを切断するためのフィルム切断装置、及びフィルム切断方法に関する。
従来から、樹脂フィルムを切断するためのフィルム切断装置には、種々タイプのものがあり、例えば、図8及び図9に示す如く、直線状又はノコ刃状の刃先部50aを有する刃物50であって、刃先部50aの延びる方向と直交する方向に移動可能に設けられる刃物(所謂可動刃)50を備えたもの(例えば、特許文献1参照)や、図10に示す如く、外周全周に刃先部60aを有する円板状の刃物60であって、自身の中心を回転中心にして回転可能に設けられた刃物(所謂回転刃)60を備えたもの(例えば、特許文献2参照)等がある。
これらのフィルム切断装置5,6の何れにおいても、刃物50,60の刃先部50a,60aが鋭利に形成されており、該刃物50,60の刃先部50a,60aを樹脂フィルムFに押し付けることで、樹脂フィルムFを切断するようになっている。
特開2006−142424号公報 特開2014−226729号公報
ところで、従来のフィルム切断装置5,6の何れにおいても、刃物50,60の刃先部50a,60aが鋭利に形成されているため、樹脂フィルムFを切断する際の抵抗や、刃先部50a,60aと別金型との接触等の影響により、刃物50,60の刃先部50a,60aが欠損することがある。
そのため、従来のフィルム切断装置5,6で樹脂フィルムFを切断すると、刃先部50a,60aの欠損で発生した刃先部50a,60aの欠片が切断前又は切断後の樹脂フィルムFに付着する虞がある。
このように、樹脂フィルムFに刃先部50a,60aの欠片が付着すると、樹脂フィルムFを材料にして製造される製品の安全性が確保できないとして、一般的に、フィルム切断装置5,6を含む加工ラインや、切断された樹脂フィルムFを製品に加工する製造ラインには、刃先部50a,60aの欠片等の異物の有無を検知する検知センサが設置され、該検知センサの検知に基づいて異物の付着或いは混入した製品が検出乃至排除される。
従って、従来のフィルム切断装置5,6では、刃物50,60の欠損が製品の安全性に影響を及ぼす結果、製品の製造ロスを出してしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、製品の安全性や生産性に影響を与えることのないように、該製品の材料とされる樹脂フィルムを切断することのできるフィルム切断装置、及びフィルム切断方法を提供することを課題とする。
本発明に係るフィルム切断装置は、切断の対象となる樹脂フィルムの少なくとも切断予定部を加熱する加熱装置であって、前記切断予定部の温度を前記樹脂フィルムの溶融温度よりも低く且つ前記樹脂フィルムの軟化温度以上にする加熱装置と、少なくとも前記樹脂フィルムの切断予定部を支える平面状の支持領域を含む支持部材と、前記支持領域と対向する凸条部を有する切断部材と、前記支持部材及び前記切断部材を第一方向に相対移動させ、前記切断予定部を介在させた状態で前記支持領域と凸条部とを押し付け合わせる加圧装置とを備え、前記凸条部は、第一方向に基端部と該基端部の反対側の先端部とを有し、該凸条部の先端部は、第一方向と直交する方向から見て非鋭利な断面形状に形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、樹脂フィルムの少なくとも切断予定部が加熱装置によって該樹脂フィルムの溶融温度よりも低く且つ該樹脂フィルムの軟化温度以上に加熱されるため、切断予定部は、溶融状態(流動性を発揮する状態)になることなく軟化する。そして、支持部材の支持領域と切断部材の凸条部との間に切断予定部が配置された状態で、加圧装置が支持部材及び切断部材を相対移動させて支持領域と凸条部とを押し付け合わせる。これにより、軟化した樹脂フィルムの切断予定部は、支持領域と凸条部とによって押し潰される。すなわち、樹脂フィルムの切断予定部は、支持領域と凸条部との相対移動量に従って薄肉になり、最終的に切断される。
そして、上記構成のフィルム切断装置において、凸条部は、第一方向に基端部と該基端の反対側の先端部とを有し、該凸条部の先端部は、第一方向と直交する方向から見て非鋭利な断面形状に形成されているため、鋭利な部分(欠損しやすい部分)がなく、樹脂フィルムの切断抵抗等が作用しても、凸条部(先端部)が欠損することもない。
従って、上記構成のフィルム切断装置は、製品の安全性や生産性に影響を与えることのないように、該製品の材料とされる樹脂フィルムを切断することができる。
本発明に係るフィルム切断装置の一態様として、前記凸条部の先端は、第一方向と直交又は略直交する平面状に形成されていることが好ましい。このように凸条部の先端が平面状に形成されると、凸条部の先端の外形(外周形状)を画定するエッジ(外縁)が形成されるため、凸条部の先端が樹脂フィルムの切断予定部を押し潰すのに併せ、前記凸条部の先端のエッジ(外縁)が樹脂フィルムの切断予定部に剪断力を加えることになり、樹脂フィルムが体裁良く且つより確実に切断される。
本発明に係るフィルム切断装置の他態様として、前記凸条部は、第一方向と直交する方向から見て、基端部から先端部に向けて先細りした断面形状に形成されてもよい。このようにすれば、支持領域と凸条部とが押し付け合わされるに際し、凸条部は、押し潰す樹脂フィルム(軟化した樹脂)を自身の両側に押し退けることになり、樹脂フィルムがよりスムーズに切断される。
本発明に係るフィルム切断装置の別の態様として、前記支持部材と前記切断部材との間を通る搬送経路上で、前記樹脂フィルムを搬送する搬送装置を更に備え、前記加熱装置は、前記樹脂フィルムの搬送方向で前記支持部材及び前記切断部材よりも上流側にある前記樹脂フィルムの切断予定部を加熱するように構成されてもよい。
このようにすれば、搬送装置による樹脂フィルムの搬送に伴って搬送方向の上流側から下流側に移動する切断予定部が支持部材と切断部材との間に到達する前に、該切断予定部を加熱装置が加熱するため、切断予定部が支持部材と切断部材との間に到達した後に、切断予定部を加熱する時間(軟化させる時間)が不要になる或いは短くなる。これにより、上記構成のフィルム切断装置は、切断予定部が支持部材と切断部材との間に到達した後に、短時間で加圧手段を作動させて樹脂フィルムを切断することができ、樹脂フィルムを効率的に繰り返し切断することができる。
本発明に係るフィルム切断方法は、切断の対象となる樹脂フィルムの少なくとも切断予定部を加熱し、前記切断予定部の温度を前記樹脂フィルムの溶融温度よりも低く且つ前記樹脂フィルムの軟化温度以上にする加熱工程と、支持部材の平面状の支持領域と、第一方向で支持部材と対向する切断部材の凸条部であって、第一方向に基端部及び該基端部の反対側の先端部を有し、且つ第一方向と直交する方向から見て非鋭利な断面形状に形成されている凸条部との間に、溶融温度よりも低く且つ軟化温度以上になった前記樹脂フィルムの切断予定部を配置する樹脂フィルム配置工程と、前記支持部材及び前記切断部材を第一方向に相対移動させ、前記切断予定部を介在させた状態で前記支持領域と凸条部とを押し付け合わせる切断工程とを含むことを特徴とする。
上記フィルム切断方法によれば、加熱工程において、樹脂フィルムの少なくとも切断予定部が該樹脂フィルムの溶融温度よりも低く且つ該樹脂フィルムの軟化温度以上に加熱されるため、切断予定部は、溶融状態(流動性を発揮する状態)になることなく軟化する。そして、樹脂フィルム配置工程において、支持部材の支持領域と切断部材の凸条部との間に切断予定部が配置された状態にされ、切断工程において、支持部材及び切断部材を相対移動させて支持領域と凸条部とを押し付け合わせると、軟化した樹脂フィルムの切断予定部が支持領域と凸条部とによって押し潰され、支持領域と凸条部との相対移動量に従って薄肉になり、最終的に切断される。
そして、上記フィルム切断方法において、切断部材の凸条部は、第一方向に基端部及び該基端部の反対側の先端部を有し、且つ第一方向と直交する方向から見て非鋭利な断面形状に形成されているため、鋭利な部分(欠損しやすい部分)がなく、樹脂フィルムの切断抵抗等が作用しても、凸条部(先端部)も欠損することもない。
従って、上記フィルム切断方法は、製品の安全性や生産性に影響を与えることのないように、該製品の材料とされる樹脂フィルムを切断することができる。
本発明に係るフィルム切断方法の一態様として、前記凸条部の先端は、第一方向と直交又は略直交する平面状に形成されていることが好ましい。このように凸条部の先端が平面状に形成されると、凸条部の先端の外形(外周形状)を画定するエッジ(外縁)が形成されるため、凸条部の先端が樹脂フィルムの切断予定部を押し潰すのに併せ、前記凸条部の先端のエッジ(外縁)が樹脂フィルムの切断予定部に剪断力を加えることになり、樹脂フィルムが体裁良く且つより確実に切断される。
本発明に係るフィルム切断方法の他態様として、前記凸条部は、第一方向と直交する方向から見て、基端部から先端部に向けて先細りした断面形状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、支持領域と凸条部とが押し付け合わされるに際し、凸条部は、押し潰す樹脂フィルム(軟化した樹脂)を自身の両側に押し退けることになり、樹脂フィルムがよりスムーズに切断される。
本発明に係るフィルム切断方法の別の態様として、前記支持部材と前記切断部材との間を通る搬送経路上で前記樹脂フィルムを搬送する搬送工程を更に含み、前記加熱工程は、前記樹脂フィルムの搬送経路を挟んで配置された前記支持部材及び前記切断部材よりも上流側にある前記樹脂フィルムの切断予定部を加熱するようにしてもよい。
このようにすれば、搬送工程による樹脂フィルムの搬送に伴って搬送方向の上流側から下流側に移動する切断予定部が支持部材と切断部材との間に到達する前に、加熱工程で該切断予定部を加熱するため、切断予定部が支持部材と切断部材との間に到達した後に、切断予定部を加熱する時間(軟化させる時間)が不要になる或いは短くなる。これにより、上記構成のフィルム切断方法は、切断予定部が支持部材と切断部材との間に到達した後に、短時間で切断工程に移る(樹脂フィルムを切断する)ことができるため、樹脂フィルムを効率的に繰り返し切断することができる。
以上のように、本発明によれば、製品の安全性や生産性に影響を与えることのないように、該製品の材料とされる樹脂フィルムを切断することができるという優れた効果を奏し得る。
図1は、本発明の一実施形態に係るフィルム切断装置を備えた薬液バッグ製造装置の概略斜視図である。 図2は、同実施形態に係るフィルム切断装置の概略側面図である。 図3は、同実施形態に係るフィルム切断装置の切断部材を凸条部側から見た概略平面図である。 図4は、図3のA部拡大図である。 図5は、同実施形態に係るフィルム切断装置の切断部材の部分拡大断面図であって、凸条部を含む部分拡大断面図である。 図6は、本発明の他実施形態に係るフィルム切断装置の概略斜視図である。 図7は、本発明の別の実施形態に係るフィルム切断装置の概略斜視図である。 図8は、従来のフィルム切断装置の概略斜視図である。 図9は、従来の別のフィルム切断装置の概略斜視図である。 図10は、従来のさらに別のフィルム切断装置の概略斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、高い安全性の要求される製品の一例として、液状の医薬品(以下、薬液という)を収容する薬液バッグを挙げ、フィルム切断装置が薬液バッグを製造するための装置(以下、薬液バッグ製造装置という)の一構成として採用された場合を一例に説明する。
本実施形態に係る薬液バッグ製造装置は、図1に示す如く、薬液を充填する前の未封状態の薬液バッグPを製造するものであり、重ね合わされた二枚の樹脂フィルム(熱可塑性樹脂フィルム)F,Fを液密に接続するシール装置2と、該シール装置2によって接続された二枚の樹脂フィルム(熱可塑性樹脂フィルム)F,Fを切断するフィルム切断装置3とを備える。また、本実施形態に係る薬液バッグ製造装置1は、シール装置2を通過する搬送経路R上で、重なり合った二枚の樹脂フィルムF,Fを搬送するフィルム搬送装置4を更に備える。
シール装置2は、第一方向で相対移動可能に設けられた一対のヒートシールバー20,20と、一対のヒートシールバー20,20を第一方向で相対移動させるシール用加圧装置21とを備える。
一対のヒートシールバー20,20のそれぞれは、第一方向で互いに対向する対向部200であって、二枚の樹脂フィルムF,Fの接続部位の形態に即して形成される対向部200を有する。一対のヒートシールバー20,20の少なくとも何れか一方の対向部200は、樹脂フィルムF,Fの溶融温度まで加熱されるヒータで構成される。本実施形態において、一対のヒートシールバー20,20のそれぞれの対向部200は、ヒータで構成されている。
本実施形態において、一対のヒートシールバー20,20は、樹脂フィルムF,Fの搬送経路Rを挟んで配置される。すなわち、フィルム搬送装置4が搬送する樹脂フィルムFの搬送経路Rは、第一方向に並ぶ一対のヒートシールバー20,20の間を通過し、第一方向と直交する第二方向に延びている。
一対のヒートシールバー20,20のそれぞれの対向部200は、第一方向及び第二方向と直交する第三方向(樹脂フィルムF,Fの搬送方向と直交する方向)に延びる第一対向部200aを備える。第一対向部200aは、搬送経路R上にある樹脂フィルムF,Fに対して第三方向の全長に亘って対向する。
本実施形態に係る薬液バッグ製造装置1は、二種類の薬液を別個独立に収容する二室タイプの薬液バッグを製造するもので、一対のヒートシールバー20,20のそれぞれの対向部200は、第一対向部200aに加え、第三方向における第一対向部200aの途中位置に接続され、且つ第二方向に延びる第二対向部200bを備える。すなわち、一対のヒートシールバー20,20のそれぞれは、重ね合わされた二枚の樹脂フィルムF,F間を第三方向で二つの空間に仕切る仕切部を形成するための第二対向部200bを備える。
本実施形態において、一対のヒートシールバー20,20のうちの一方のヒートシールバー20は、第一方向に移動可能に設けられ、一対のヒートシールバー20,20のうちの他方のヒートシールバー20は、対向部200を樹脂フィルムFの搬送経路Rに沿わせた状態で固定されている。すなわち、一方のヒートシールバー20は、他方のヒートシールバー20に対して接離可能に設けられている。
シール用加圧装置21は、一対のヒートシールバー20,20の対向部200同士を接近させる方向に、該一対のヒートシールバー20,20を相対移動させるとき、一対のヒートシールバー20,20の対向部200同士を押し付け合わせるように構成される。
本実施形態において、シール用加圧装置21は、エアーシリンダにより構成される。上述の如く、一方のヒートシールバー20のみが第一方向に移動可能に設けられているため、シール用加圧装置(エアーシリンダ)21は、一方のヒートシールバー20に連結されている。これにより、シール用加圧装置(エアーシリンダ)21は、一方のヒートシールバー20を第一方向に移動させ、一方のヒートシールバー20の対向部200と他方のヒートシールの対向部200とを接近させるときに、一方のヒートシールバー20の対向部200を他方のヒートシールバー20の対向部200に押し付ける(加圧する)ようになっている。
フィルム切断装置3は、図1及び図2に示す如く、切断の対象となる樹脂フィルムF,Fの少なくとも切断予定部CPを加熱する加熱装置30であって、切断予定部CPの温度を樹脂フィルムF,Fの溶融温度(融点)よりも低く且つ樹脂フィルムF,Fの軟化温度(軟化点)以上にする加熱装置30と、少なくとも樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPを支える平面状の支持領域Sを含む支持部材31と、支持領域Sと対向する凸条部321を有する切断部材32と、切断部材32及び支持部材31を第一方向に相対移動させ、切断予定部CPを介在させた状態で支持領域Sと凸条部321とを押し付け合わせる加圧装置33とを備える。本実施形態において、フィルム切断装置3は、支持部材31と切断部材32との間を通る搬送経路R上で、樹脂フィルムF,Fを搬送する搬送装置34を備える(図1参照)。
加熱装置30は、樹脂フィルムF,Fの少なくとも何れか一方の面側を加熱する。本実施形態において、加熱装置30は、重ね合わされた二枚の樹脂フィルムF,Fのうちの一方の樹脂フィルムFの一方の面を加熱する。
具体的に説明すると、加熱装置30は、平板状のフィルム加熱部300と、該フィルム加熱部300を加熱するヒータ301…とを備える。
フィルム加熱部300は、熱伝導性の優れた金属により構成される。フィルム加熱部300は、第一方向に第一面と該第一面の反対側にある第二面とを有し、第一面で樹脂フィルムF,Fを支持するように配置される。
本実施形態において、樹脂フィルムF,Fが搬送経路R上で搬送されるため、該樹脂フィルムF,Fを支持すべく、フィルム加熱部300の第一面は、樹脂フィルムF,Fの搬送経路Rに沿っている。加熱装置30は、搬送中の樹脂フィルムF,Fの移動を円滑にすべく、樹脂フィルムF,Fの搬送方向におけるフィルム加熱部300の両端に連設された一対のフィルム案内部302,303を有する。樹脂フィルムF,Fの搬送方向の上流側にある一方のフィルム案内部302は、フィルム加熱部300から先端に向かうにつれて、フィルム加熱部300の第二面側に傾斜し、樹脂フィルムF,Fの搬送方向の下流側にある他方のフィルム案内部303は、フィルム加熱部300から下流側に向かうにつれて、フィルム加熱部300の第二面側に傾斜している。
フィルム加熱部300は、平面視四角形状に形成される。本実施形態において、フィルム加熱部300は、平面視長方形状に形成されており、長手方向の長さが、搬送経路R上にある樹脂フィルムF,Fにおける第三方向の長さ以上に設定されている。
上記構成のフィルム加熱部300は、長手方向と直交する短手方向を樹脂フィルムF,Fの搬送方向(第二方向)に一致させて配置されている。すなわち、フィルム加熱部300は、短手方向の一端を樹脂フィルムF,Fの搬送方向の上流側に位置させ、且つ短手方向の他端を樹脂フィルムF,Fの搬送方向の下流側に位置させている。
ヒータ301…は、フィルム加熱部300の第二面に取り付けられている。本実施形態において、ヒータ301…は、フィルム加熱部300の第二面全面を加熱し、フィルム加熱部300全体(第一面全域)を切断対象となる樹脂フィルムF,Fの溶融温度よりも低く且つ軟化温度以上に加熱する。より具体的に説明すると、本実施形態に係る加熱装置30は、ヒータ301…を複数備える。複数のヒータ301…は、フィルム加熱部300の第二面に対して、該フィルム加熱部300の短手方向に間隔をあけて配置されている。これにより、加熱装置30は、搬送装置34によって搬送される樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPがフィルム加熱部300の第一面上を通過する間に、該切断予定部CPを溶融温度よりも低く且つ軟化温度以上の温度に加熱する。
支持部材31は、切断部材32の凸条部321の先端と対向する平面状の支持領域Sを有する。支持領域Sは、切断部材32の凸条部321の先端(後述する先端面Sb:図4及び図5参照)以上の広さの領域であって、第一方向から見た切断部材32の凸条部321の先端(先端面Sb)と一致又は相似する形状の領域を含む。本実施形態において、支持領域Sは、切断部材32の凸条部321の先端面Sbと対応した領域を含む四角形状の領域とされている。すなわち、支持領域Sは、凸条部321の先端よりも広い四角形状の領域である。本実施形態において、加熱装置30のフィルム加熱部300が平板状に形成されることに着目し、該フィルム加熱部300の一部が支持部材31(支持領域S)として兼用されている。すなわち、本実施形態の支持部材31は、加熱装置30としての機能を有する。
本実施形態において、樹脂フィルムF,Fの搬送方向の下流側にあるフィルム加熱部300の短手方向の他端部を支持部材31(支持領域S)としている。
切断部材32は、図2に示す如く、加圧装置33が連結される連結部320と、連結部320に直接的又は間接的に接続された凸条部321であって、第一方向に基端部と先端部とを有する凸条部321とを備える。本実施形態に係る切断部材32は、凸条部321と連結部320との間に設けられた台座部322であって、凸条部321を連結部320に対して間接的に接続した台座部322とを備える(図4及び図5参照)。
連結部320は、加圧装置33を連結するための連結部位を有する。本実施形態において、連結部320は、角柱状に形成され、その周囲にある四つの平面のうちの一つの平面上に加圧装置33との連結部位が設定されている。また、連結部320は、加圧装置33との連結部位の設定された平面に対して真反対側を向く平面に対して凸条部321が直接的又は間接的に接続される。
図3に示す如く、第一方向から見た凸条部321の形態は、樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPの形態に即して決定される。本実施形態に係るフィルム切断装置3は、薬液バッグ製造装置1の一構成とされ、樹脂フィルムF,Fを薬液バッグの外形に即して切断する。これに伴い、凸条部321は、真っ直ぐに延びる直線凸条部321aと、直線凸条部321aの端部から二股に分岐した分岐凸条部321bであって、直線凸条部321aの両端のそれぞれに接続された分岐凸条部321bとを含む。
直線凸条部321aは、第一方向から見て、第三方向に真っ直ぐに延びている。第三方向における直線凸条部321aの長さは、第三方向における樹脂フィルムF,Fの長さよりも僅かに短く設定される。より具体的には、第三方向における直線凸条部321aの長さは、第三方向における樹脂フィルムF,Fの長さから、当該直線凸条部321aの両端に接続される分岐凸条部321bの第三方向における外寸を差し引いた長さに設定される。
図4に示す如く、分岐凸条部321bは、直線凸条部321aの端部に接続された一対の分岐部321c,321cを含む。一対の分岐部321c,321cのそれぞれは、凸条である。より具体的には、一対の分岐部321c,321cのそれぞれは、直線凸条部321aを基準とした対称形状であり、直線凸条部321aの端部を始点とし、搬送経路R上で搬送される樹脂フィルムF,Fにおける第三方向の端縁FEの通過位置と対応する位置を終点としている。一対の分岐部321c,321cのそれぞれは、第一方向から見て湾曲した態様に形成される。
直線凸条部321a及び分岐凸条部321bの分岐部321c,321cは、自身の延びる方向(第一方向と直交する方向)から見て同一の断面形状を有する。直線凸条部321a及び分岐凸条部321bの分岐部321c,321cの先端部は、自身の延びる方向(第一方向と直交する方向)から見て、図5に示す如く、非鋭利な断面形状に形成されている。
本実施形態において、凸条部321(直線凸条部321a、及び分岐凸条部321bの分岐部321c,321c)の先端は、第一方向と直交又は略直交する平面状に形成されている。また、本実施形態において、凸条部321(直線凸条部321a、及び分岐凸条部321bの分岐部321c,321c)は、第一方向と直交する方向(自身の延びる方向)から見て、基端部から先端部に向けて先細りした断面形状に形成されている。
より具体的に説明すると、凸条部321(直線凸条部321a、及び分岐凸条部321bの分岐部321c,321c)は、第一方向の延びる仮想線(或いは仮想面)VLを基準に対称配置される一対の側面Sa,Saと、一対の側面Sa,Saの端縁同士を接続した先端面Sbとを有する。
本実施形態において、一対の側面Sa,Saのそれぞれは、基端部から先端部に向けて互いに近づくように第一方向に延びる仮想線(或いは仮想面)VLに対して傾斜したテーパ面とされている。これに対し、先端面Sbは、第一方向と直交する平面とされている。すなわち、凸条部321(直線凸条部321a、及び分岐凸条部321bの分岐部321c,321c)は、断面台形状(図においては、逆台形状)に形成されている。一対の側面(テーパ面)Sa,Saのそれぞれは、第一方向に延びる仮想線(或いは仮想面)VLに対して所定角度θで傾斜している。ここで、仮想線(或いは仮想面)VLに対するテーパ面の角度θは、0°〜60°、好ましくは、20°〜60°であり、さらに好ましくは40°である。そして、凸条部321の基端部が連結部320に対して直接的又は間接的に接続される。
凸条部321の第一方向の高さ(基端から先端までの高さ)Hは、切断対象となる樹脂フィルムFの厚み(本実施形態においては、重ね合わされた二枚の樹脂フィルムF,Fの合計厚さ)に設定されている。
本実施形態に係る切断部材32は、上述の如く、台座部322を有し、該台座部322を介して凸条部321が連結部320に接続されている。台座部322は、第一方向と直交する方向に延び、自身の延びる方向から見た断面形状が四角形状をなす。本実施形態において、台座部322は、第一方向に基端と該基端の反対側の先端を有し、且つ基端が先端よりも幅広になっている。これにより、台座部322は、断面台形状(図においては、逆台形状)に形成されている。そして、台座部322の基端には、連結部320が接続され、台座部322の先端には、凸条部321が接続されている。本実施形態において、台座部322の先端は、凸条部321の基端部よりも幅広に形成されており、凸条部321と台座部322との境界に段差333が形成されている。この段差333は、切断対象となる樹脂フィルムF,Fを押さえる規制部として機能する。
図1及び図2に戻り、フィルム切断装置3の加圧装置33には、エアーシリンダが採用されている。エアーシリンダ33は、第一方向に伸縮可能となるように配置され、ロッドエンド又はシリンダエンドが切断部材32の連結部320(連結部位)に連結されている。加圧装置(エアーシリンダ)33は、伸長時に発生する推進力で切断部材32を支持部材31に押し付ける。ここでは、凸条部321の先端面Sbとの関係において、先端面Sbに作用する面圧が400N/mm以上となるように、加圧装置33の出力が設定される。
搬送装置34は、図1に示す如く、樹脂フィルムF,Fを挟み込む一対のローラ340,340であって、何れか一方が駆動される一対のローラ340,340を備える。本実施形態において、搬送装置34は、長尺な樹脂フィルムF,Fを長手方向に間欠搬送するように構成される。すなわち、搬送装置34は、樹脂フィルムF,Fを長手方向に搬送し、該樹脂フィルムF,Fの長手方向に間隔をあけて設定される切断予定部CPが支持部材31の支持領域Sと切断部材32の凸条部321との間に位置する度に、長尺樹脂フィルムF,Fの搬送を停止するように構成される。
本実施形態において、樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPは、シール装置2のヒートシールバー20,20における第一対向部200aによって形成される帯状の第一シールライン(樹脂フィルムF,Fが溶け合って形成される接続部位)S1の中間位置(第一シールラインS1の長手方向と直交する方向の中間位置)に設定される。従って、本実施形態に係る搬送装置34は、樹脂フィルムF,Fを長手方向に搬送し、重ね合わされた二枚の樹脂フィルムF,F同士が接続された第一シールラインS1が支持部材31の支持領域Sと切断部材32の凸条部321との間に位置する度に、樹脂フィルムF,Fの搬送を停止することで、該二枚の樹脂フィルムF,Fの切断の機会を与えるようになっている。
フィルム搬送装置4は、当該薬液バッグ製造装置1の一構成であり、樹脂フィルムF,Fを挟み込む一対のローラ40,40であって、何れか一方が駆動される一対のローラ40,40を備える。本実施形態において、フィルム搬送装置4は、長尺な樹脂フィルムF,Fを長手方向に間欠搬送するように構成される。すなわち、フィルム搬送装置4は、樹脂フィルムF,Fを長手方向に搬送し、樹脂フィルムF,Fの長手方向に間隔をあけて設定される接続予定部(シール位置)JPがシール装置2のヒートシールバー20,20間に位置する度に、樹脂フィルムF,Fの搬送を停止するように構成される。これにより、フィルム搬送装置4は、二枚の樹脂フィルムF,F同士を接合する機会を与えるようになっている。
本実施形態において、樹脂フィルムF,Fの接続予定部(シール位置)JPがシール装置2のヒートシールバー20,20間に位置するタイミングと、樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPが支持部材31と切断部材32との間に位置するタイミングとが一致することから、フィルム搬送装置4は、フィルム切断装置3の搬送装置34と兼用されている。従って、本実施形態においては、フィルム搬送装置4の一対のローラ40,40と、フィルム切断装置3の搬送装置34の一対のローラ340,340とは、同じものである。
本実施形態に係る薬液バッグ製造装置1は、以上の通りであり、長尺樹脂フィルムF,Fを間欠搬送しつつ該長尺樹脂フィルムF,Fから未封状態の薬液バッグ(製品)Pを製造する。
具体的に説明すると、フィルム搬送装置4は、重ね合わされた二枚の樹脂フィルムF,Fを第二方向に搬送し、その接続予定部JPが一対のヒートシールバー20,20間に到達すると搬送を停止する。
長尺樹脂フィルムF,Fの搬送が停止すると、シール用加圧装置21が駆動し、一対のヒートシールバー20,20の対向部200が二枚の長尺樹脂フィルムF,Fを挟み込む。そうすると、ヒートシールバー20,20の対向部200(ヒータ301…)は、樹脂フィルムF,Fを溶融温度以上に加熱し、重ね合わされた二枚の樹脂フィルムF,F同士を溶融(溶着)させる。
この樹脂フィルムF,Fの接続部位は、ヒートシールバー20,20の対向部200の形態に即して形成されるため、本実施形態においては、第一対向部200aによる加熱で接続された第一シールラインS1と、第二対向部200bによる加熱で接続された第二シールラインS2とが形成される。
このように、二枚の樹脂フィルムF,Fが接続されると、フィルム搬送装置4が駆動し、該二枚の樹脂フィルムF,Fを第二方向に搬送する。そして、第二シールラインS2の端部(第一シールラインS1に接続された端部とは反対側の端部)が、ヒートシールバー20,20の第一対向部200aと対応する位置に到達すると、フィルム搬送装置4は、長尺樹脂フィルムF,Fの搬送を停止する。
樹脂フィルムF,Fの搬送が停止すると、シール用加圧装置21が駆動し、一対のヒートシールバー20,20の対向部200が二枚の樹脂フィルムF,Fを挟み込む。そうすると、ヒートシールバー20,20の対向部200(ヒータ301…)は、樹脂フィルムF,Fを溶融温度以上に加熱し、重ね合わされた二枚の樹脂フィルムF,F同士を溶融(溶着)させる。
このとき、この工程で形成された第一シールラインS1と、先の工程で形成された第二シールラインS2とが繋がった状態になる。すなわち、樹脂フィルムF,Fの長手方向で間隔をあけて形成された一対の第一シールラインS1,S1の途中位置同士が第二シールラインS2で接続された状態となる。
これにより、一対の第一シールラインS1,S1と二枚の樹脂フィルムF,Fとによって画定される空間であって、長手方向と直交する両端が開放した空間が第二シールラインS2を境にして二つに区画された状態になる。
そして、上述の如く、二枚の樹脂フィルムF,Fが接続されると、フィルム搬送装置4(搬送装置34)が駆動し、樹脂フィルムF,Fを第二方向に搬送する。そして、第二シールラインS2の端部(第一シールラインS1に接続された端部とは反対側の端部)が、ヒートシールバー20,20の第一対向部200aと対応する位置に到達すると、フィルム搬送装置4(搬送装置34)は、樹脂フィルムF,Fの搬送を停止する。
本実施形態においては、上述の如く、フィルム搬送装置4は、フィルム切断装置3の搬送装置34と兼用しているため、上述の如く、樹脂フィルムF,Fを搬送し(搬送工程)、該樹脂フィルムF,Fの搬送が停止すると樹脂フィルムF,Fの切断予定部CP(第一シールラインS1)が支持部材31と切断部材32との間に位置する(樹脂フィルム配置工程)。
本実施形態において、切断予定部CP(第一シールラインS1)が支持部材31と切断部材32との間に到達するまでに、加熱装置30(フィルム加熱部300)によって、切断予定部CP(第一シールラインS1)が加熱され(加熱工程)、支持部材31と切断部材32との間に位置した切断予定部CP(第一シールラインS1)は、樹脂フィルムF,Fの溶融温度よりも低く且つ樹脂フィルムF,Fの軟化温度以上になる。
そして、シール装置2が、上述の如く、二枚の樹脂フィルムF,Fを接続するのに併せて、フィルム切断装置3が切断予定部CPを切断する。すなわち、加圧装置33が支持部材31及び切断部材32を相対移動させて支持領域Sと凸条部321とを押し付け合わせる(切断工程)。
そうすると、軟化した樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPが支持領域Sと凸条部321とによって押し潰され、支持領域Sと凸条部321との相対移動量に従って薄肉になり、最終的に切断される(切断工程)。
これにより、一対の第一シールラインS1,S1間の空間が第二シールラインS2によって区画され、その区画された空間が第一シールラインS1,S1の延びる方向の端部で開放した未封状態の薬液バッグ(製品)Pが完成する。この未封状態の薬液バッグPは、各空間に種類の異なる薬液が充填された上で開放した端部が封止されることで、完成品たる薬液バッグになる。
以上のように、フィルム切断装置3は、切断の対象となる樹脂フィルムF,Fの少なくとも切断予定部CPを加熱する加熱装置30であって、切断予定部CPの温度を樹脂フィルムF,Fの溶融温度よりも低く且つ樹脂フィルムF,Fの軟化温度以上にする加熱装置30と、少なくとも樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPを支える平面状の支持領域Sを含む支持部材31と、支持領域Sと対向する凸条部321を有する切断部材32と、支持部材31及び切断部材32を第一方向に相対移動させ、切断予定部CPを介在させた状態で支持領域Sと凸条部321とを押し付け合わせる加圧装置33とを備え、凸条部321は、第一方向に基端部と該基端部の反対側の先端部とを有し、該凸条部321の先端部は、第一方向と直交する方向から見て非鋭利な断面形状に形成されている。
かかる構成によれば、樹脂フィルムF,Fの少なくとも切断予定部CPが加熱装置30によって溶融温度よりも低く且つ軟化温度以上に加熱されるため、切断予定部CPは、溶融状態(流動性を発揮する状態)になることなく軟化する。そして、支持部材31の支持領域Sと切断部材32の凸条部321との間に切断予定部CPが配置された状態で、加圧装置33が支持部材31及び切断部材32を相対移動させて支持領域Sと凸条部321とを押し付け合わせると、軟化した樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPが支持領域Sと凸条部321とによって押し潰され、支持領域Sと凸条部321との相対移動量に従って薄肉になり、最終的に切断される。
そして、上記構成のフィルム切断装置3において、凸条部321は、第一方向に基端部と該基端の反対側の先端部とを有し、該凸条部321の先端部は、第一方向と直交する方向から見て非鋭利な断面形状に形成されているため、鋭利な部分(割れやすい部分)がなく、樹脂フィルムF,Fの切断抵抗等が作用しても、凸条部321(先端部)が欠損することもない。
従って、上記構成のフィルム切断装置3は、切断した樹脂フィルムF,Fを使用する製品Pの安全性を確保することができるとともに、該製品Pの生産性の低下を防止することができる。
また、凸条部321の先端は、第一方向と直交又は略直交する平面状に形成されているため、凸条部321の先端の外形(外周形状)を画定するエッジ(外縁)が形成される。これにより、凸条部321の先端が樹脂フィルムFの切断予定部CPを押し潰すのに併せ、前記凸条部321の先端のエッジ(外縁)が樹脂フィルムFの切断予定部CPに剪断力を加えることになり、樹脂フィルムFが体裁良く且つより確実に切断される。
さらに、凸条部321は、第一方向と直交する方向から見て、基端部から先端部に向けて先細りした断面形状に形成されているため、支持領域Sと凸条部321とが押し付け合わされるに際し、凸条部321は、押し潰す樹脂フィルムF,F(軟化した樹脂)を自身の両側に押し退けることになり、樹脂フィルムF,Fがよりスムーズに切断される。
また、本実施形態に係るフィルム切断装置3は、支持部材31と切断部材32との間を通る搬送経路R上で、樹脂フィルムF,Fを搬送する搬送装置34を更に備え、加熱装置30は、樹脂フィルムF,Fの搬送方向で支持部材31及び切断部材32よりも上流側にある樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPを加熱するように構成されているため、搬送装置34による樹脂フィルムFの搬送に伴って搬送方向の上流側から下流側に移動する切断予定部CPが支持部材31と切断部材32との間に到達する前に、該切断予定部CPを加熱装置30が加熱する。これにより、切断予定部CPが支持部材31と切断部材32との間に到達した後に、切断予定部CPを加熱する時間(軟化させる時間)が不要になる或いは短くなる。従って、本実施形態に係るフィルム切断装置3は、切断予定部CPが支持部材31と切断部材32との間に到達した後に、短時間で加圧手段33を作動させて樹脂フィルムFを切断することができ、樹脂フィルムFを効率的に繰り返し切断することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、フィルム切断装置3が薬液バッグ製造装置1の一構成とされ、樹脂フィルムF,F(切断予定部CP)を加熱する手段として、シール装置2(ヒートシールバー20,20)と加熱装置20(フィルム加熱部300)とが並列に配置されたが、これ限定されない。例えば、上記実施形態と同様に、フィルム切断装置3が薬液バッグ製造装置1の一構成とされる場合、シール装置2(ヒートシールバー20,20)よる樹脂フィルムF,Fに対する加熱により、切断予定部CPが支持部材31と切断部材32との間に到達した時点で該切断予定部CPの温度が樹脂フィルムF,Fの溶融温度よりも低く且つ樹脂フィルムF,Fの軟化温度以上で維持できれば、シール装置2(ヒートシールバー20,20)をフィルム切断装置3の加熱装置30(フィルム加熱部300)として兼用させてもよい。
上記実施形態において、フィルム切断装置3は、薬液バッグ製造装置1の一構成として、該薬液バッグ製造装置1に組み込まれたが、これに限定されない。例えば、フィルム切断装置3は、図6に示す如く、単独の装置として構成し得る。従って、フィルム切断装置3は、医薬品を収容する包装材(薬液バッグ)に用いられる樹脂フィルムFを切断する他、食品を包装する包装材等の製品Pに用いられる樹脂フィルムFを切断するために用いられてもよい。すなわち、フィルム切断装置3は、高い安全性が要求される製品Pに用いられる樹脂フィルムFを切断するために用いられればよい。
また、上述の如く、食品等を収容する包装材等の製品Pに用いられる樹脂フィルムFを切断する場合、フィルム切断装置3は、薬液バッグ製造装置1と同様に、その製品Pを製造する装置に組み込まれても勿論よい。
上記実施形態において、フィルム切断装置3が薬液バッグ製造装置1の一構成とされたことに伴い、重ね合わされた二枚の樹脂フィルムF,Fを一緒に切断するようにしたが、これに限定されない。例えば、フィルム切断装置3は、一枚の樹脂フィルムFを切断するようにしても勿論よい。また、重ね合わされた三枚以上の樹脂フィルムF…で製品が製造される場合、フィルム切断装置3は、重ね合わされた三枚以上の樹脂フィルムF…を一緒に切断するようにしてもよい。
上記実施形態において、加圧装置33にエアーシリンダが採用されたが、これに限定されない。例えば、加圧装置33は、電気モータの回転力を直線運動に変換し、その直線運動から第一方向に向けての力を発揮させるものを採用してもよい。
上記実施形態において、フィルム切断装置3が長尺な樹脂フィルムFを長手方向に搬送する搬送装置34を備えたが、これに限定されない。例えば、フィルム切断装置3は、樹脂フィルムFを搬送する搬送装置34を備えることなく、作業者が手作業で支持領域Sと凸条部321との間に樹脂フィルムFを配置するようにしたものであってもよい。
上記実施形態において、凸条部321の先端面Sbが平面状に形成されたが、これに限定されない。例えば、凸条部321の先端面Sbは、外側に向けて突出した円弧面であってもよい。但し、樹脂フィルムF,Fの切断予定部CPをスムーズに切断できるようにするには、上記実施形態のように、凸条部321の先端面Sbを平面状にして該先端面Sbの外周にエッジを形成することが好ましい。
上記実施形態において、凸条部321が一対の側面Sa,Saを有し、その側面Sa,Saがテーパ面とされたが、これに限定されない。例えば、凸条部321の一対の側面Sa,Saは、第一方向の延びる仮想線VL(仮想面)と平行な平面で構成されてもよい。但し、樹脂フィルムF,Fに凸条部321を食い込ませ易くするには、上記実施形態と同様に、凸条部321が基端から先端に向けて先細りした断面形状に形成されることは言うまでもない。
上記実施形態において、切断部材32が台座部322を備えたが、これに限定されない。例えば、切断部材32は、連結部320に対して凸条部321が直接接続されたものであってもよい。
上記実施形態において、薬液バッグ製造装置1にフィルム切断装置3が組み込まれたため、切断部材32の凸条部321が、直線凸条部321aと分岐凸条部321b(分岐部321c,321c)とを備えたが、これに限定されるものではなく、切断部材32の凸条部321の第一方向から見た形態は、樹脂フィルムFの切断形態(切断予定部CPの形態)に即して決定されればよい。すなわち、切断部材32の凸条部321は、切断予定部CPの形態に対応して、第一方向から見て、直線状に形成されたり、円環状に形成されたりしてもよいし、屈曲形状に形成されてもよい。
なお、上記実施形態において、特に言及しなかったが、凸条部321の先端面Sbが平面状に形成されると、樹脂フィルムFの切断予定部CP(切断線)が屈曲した態様や分岐した態様でも良好に切断することができる。
具体的に説明すると、従来のフィルム切断装置3の刃物のように刃先部が鋭利な場合、切断予定部CPが屈曲した態様とされた場合に存在する頂点部分や切断予定部CPが分岐した態様とされた場合に存在する交点部分に対応する部位の刃先部の刃厚が他の部分よりも厚くなり、切断箇所によって切断状態にバラツキが生じる。
しかし、上記実施形態のように、凸条部321の先端面Sbが平面状に形成されると、切断予定部CPが屈曲した態様とされた場合に存在する頂点部分や切断予定部CPが分岐した態様とされた場合に存在する交点部分も他の部分と同様に平面状となり、その平面の両側にエッジが形成される。従って、樹脂フィルムFの切断予定部CPにおける何れの箇所においても、エッジによる剪断力が付与される結果、樹脂フィルムFを屈曲した態様や分岐した態様でも、切断状態を均一化させた状態で良好に切断することができる。
上記実施形態において、加熱装置30のフィルム加熱部300の一部を支持部材31に兼用させたが、これに限定されない。例えば、図7に示す如く、フィルム加熱部300と、支持部材31とを別個独立させてもよい。但し、この場合においても、支持部材31の支持領域Sと切断部材32の凸条部321との間に樹脂フィルムFの切断予定部CPが位置した状態で、該切断予定部CPの温度が樹脂フィルムFの溶融温度よりも低く、且つ樹脂フィルムF,Fの軟化温度以上になっていることは勿論である。
上記実施形態において、加熱装置30が支持部材31及び切断部材32の上流側で樹脂フィルムFの切断予定部CPを加熱したが、これに限定されない。例えば、加熱装置30は、支持部材31と切断部材32との間に位置する切断予定部CPを加熱し、切断予定部CPを軟化させるようにしてもよい。この場合、支持部材31及び切断部材32の少なくとも何れか一方と加熱装置30とを一体化させてもよい。
上記実施形態において、加熱装置30(フィルム加熱部300)が樹脂フィルムFの切断予定部CPに接触することで、切断予定部CPを直接加熱したが、これに限定されない。例えば、加熱装置30は、樹脂フィルムFに向けて熱風を吹き付けるようにしたものであってもよい。
上記実施形態において、加圧装置33が切断部材32を第一方向に移動させるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、加圧装置33は、支持部材31を第一方向に移動させるようにしたものや、支持部材31及び切断部材32の両方を第一方向に移動させるようにしたものであってもよい。また、加圧装置33は、エアーシリンダに限定されるものではなく、例えば、電気モータの回転運動を直線運動に変換し、その直線運動により、切断部材32及び支持部材31の少なくとも何れか一方を第一方向に移動させるようにしたものであってもよい。
上記実施形態において、加熱装置30は樹脂フィルムFの一方の面側を加熱し、該樹脂フィルムF,Fの切断予定部CP全体を該樹脂フィルムF,Fの溶融温度よりも低く且つ軟化温度以上に加熱したが、これに限定されない。例えば、加熱装置30は、樹脂フィルムFの切断部材32と対向する他方の面側を加熱するものであってもよいし、樹脂フィルムF,Fの両面を加熱するものであってもよい。
上記実施形態において、支持部材31の支持領域Sが切断部材32の凸条部321(先端面Sb)よりも広い大きさに設定されたが、これに限定されない。例えば、支持部材31の支持領域Sは、平面視において(第一方向から見て)、凸条部321の先端面Sbと同形且つ同サイズに設定されてもよい。
1…薬液バッグ(製品)製造装置、2…シール装置、3…フィルム切断装置、4…フィルム搬送装置、20…ヒートシールバー、21…シール用加圧装置、30…加熱装置、31…支持部材、32…切断部材、33…加圧装置、34…搬送装置、40…ローラ、200…対向部、200a…第一対向部、200b…第二対向部、300…フィルム加熱部、301…ヒータ、302,303…フィルム案内部、320…連結部、321…凸条部、321a…直線凸条部、321b…分岐凸条部、321c…分岐部、322…台座部、333…段差、340…ローラ、CP…切断予定部、F…樹脂フィルム(長尺樹脂フィルム)、JP…接続予定部、R…搬送経路、S…支持領域、S1…第一シールライン、S2…第二シールライン、Sa…側面、Sb…先端面、VL…仮想線

Claims (8)

  1. 切断の対象となる樹脂フィルムの少なくとも切断予定部を加熱する加熱装置であって、前記切断予定部の温度を前記樹脂フィルムの溶融温度よりも低く且つ前記樹脂フィルムの軟化温度以上にする加熱装置と、少なくとも前記樹脂フィルムの切断予定部を支える平面状の支持領域を含む支持部材と、前記支持領域と対向する凸条部を有する切断部材と、前記支持部材及び前記切断部材を第一方向に相対移動させ、前記切断予定部を介在させた状態で前記支持領域と凸条部とを押し付け合わせる加圧装置とを備え、前記凸条部は、第一方向に基端部と該基端部の反対側の先端部とを有し、該凸条部の基端部から先端部までの第一方向の高さが前記樹脂フィルムの厚みに設定され、該凸条部の先端部は、第一方向と直交する方向から見て非鋭利な断面形状に形成されており、該凸条部が加熱により軟化した前記樹脂フィルムを押し潰すことで切断することを特徴とするフィルム切断装置。
  2. 前記凸条部の先端は、第一方向と直交又は略直交する平面状に形成されている請求項1に記載のフィルム切断装置。
  3. 前記凸条部は、第一方向と直交する方向から見て、基端部から先端部に向けて先細りした断面形状に形成されている請求項1又は2に記載のフィルム切断装置。
  4. 前記支持部材と前記切断部材との間を通る搬送経路上で、前記樹脂フィルムを搬送する搬送装置を更に備え、前記加熱装置は、前記樹脂フィルムの搬送方向で前記支持部材及び前記切断部材よりも上流側にある前記樹脂フィルムの切断予定部を加熱するように構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のフィルム切断装置。
  5. 切断の対象となる樹脂フィルムの少なくとも切断予定部を加熱し、前記切断予定部の温度を前記樹脂フィルムの溶融温度よりも低く且つ前記樹脂フィルムの軟化温度以上にする加熱工程と、支持部材の平面状の支持領域と、第一方向で前記支持領域と対向する切断部材の凸条部であって、第一方向に基端部及び該基端部の反対側の先端部を有し、且つ第一方向と直交する方向から見て非鋭利な断面形状に形成され、基端部から先端部までの第一方向の高さが前記樹脂フィルムの厚みに設定されている凸条部との間に、溶融温度よりも低く且つ軟化温度以上になった前記樹脂フィルムの切断予定部を配置する樹脂フィルム配置工程と、前記支持部材及び前記切断部材を第一方向に相対移動させ、前記切断予定部を介在させた状態で前記支持領域と前記凸条部とを押し付け合わせ、前記樹脂フィルムを押し潰すことで切断する切断工程とを含むことを特徴とするフィルム切断方法。
  6. 前記凸条部の先端は、第一方向と直交又は略直交する平面状に形成されている請求項5に記載のフィルム切断方法。
  7. 前記凸条部は、第一方向と直交する方向から見て、基端部から先端部に向けて先細りした断面形状に形成されている請求項5又は6に記載のフィルム切断方法。
  8. 前記支持部材と前記切断部材との間を通る搬送経路上で前記樹脂フィルムを搬送する搬送工程を更に含み、前記加熱工程は、前記樹脂フィルムの搬送経路を挟んで配置された前記支持部材及び前記切断部材よりも上流側にある前記樹脂フィルムの切断予定部を加熱する請求項5乃至7の何れか1項に記載のフィルム切断方法。
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