JP2003276711A - 横形製袋充填機のシール装置 - Google Patents

横形製袋充填機のシール装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装フィルムの搬送軌道からのずれを防止し
て、安定したシール動作の継続を実現し歩留りの向上を
図る。 【解決手段】 搬送されてきた包装フィルムFを回転す
る一対のシールブロック11により挟持して熱シール
し、かつ該熱シール部の中間部分をカッター12により
切断する。シールブロック11の回転方向上流側には挟
持部材20を設け、この挟持部材20によって該包装フ
ィルムFの切断端より上流側を一定期間挟持する。この
とき、挟持部材20は、包装フィルムFの搬送速度より
も速い周速度をもって搬送方向に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、搬送されてきた
包装フィルムを回転する一対のシール手段により挟持し
て熱シールし、かつ該熱シール部の中間部分をカッター
により切断する構成を備えた横形製袋充填機のシール装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、キャンディ等の製品を図9に示
すごとき形態に包装する包装装置として、横形製袋充填
機がある。図10および図11は、横形製袋充填機の概
要を示す斜視図である。図10に示すように、ホッパー
100からシュート101を経由して回転テーブル10
2の上に搬送された製品Aは、回転テーブル102の外
縁部に設けられた投入孔102aからベルトコンベア1
03へと一定間隔ごとに供給される。次いで、ベルトコ
ンベア103にて搬送される製品Aを、帯状の包装フィ
ルムFで包むとともに、図11に拡大して示すように、
包装フィルムFの合掌部分Faを縦シーラ104により
熱シールして筒状に形成する。その後、回転するロータ
リーシーラ105によって、各製品Aの間を横方向に熱
シールして密封するとともに、熱シール部Fbの中間部
分を切断して排出する。図11において、包装フィルム
の両端部がロータリーシーラ105による熱シール部F
bであり、ジグザグ状に示された両端縁が切断部Fcで
ある。包装フィルムFの内部には、キャンディ等の製品
Aが密封されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、近年は生産効率
の向上を目的として、横形製袋充填機の高速化が重要な
開発テーマとなっており、例えば、毎分1500粒の製
品を包装可能な横形製袋充填機も開発されている。この
種の高速機では、特に始動直後から規定の回転数に至る
までの間に、ロータリーシーラによる包装フィルムの過
溶着が発生するおそれがあった。
【0004】図12は、ロータリーシーラを駆動する駆
動モータの回転速度(機械回転速度)と、熱シール時の
フィルム表面温度との関係を示す図である。例えば、駆
動モータが始動してから規定の回転速度に上昇するま
で、曲線aに示すように加速していくものとした場合、
回転速度が規定値まで達しない間は、ロータリーシーラ
の包装フィルムへの接触時間が長くなる。一方、ロータ
リーシーラのシールブロックは、始動時から一定の温度
(図では250°)に温度管理されている。このため、
ロータリーシーラが接触する包装フィルムの表面温度b
は、適正なシール温度(図では140°)よりも接触時
間が長い分だけ上昇し、その結果、過溶着が発生すると
考えられる。
【0005】シール時に過溶着が発生すると、特に次サ
イクルで密封される上流側の包装フィルムがロータリー
シーラに溶着したまま、同シーラの回転軌道に巻き込ま
れてしまう。その後、包装フィルムは反作用により上流
側に引っ張られてロータリーシーラから離脱するもの
の、いったんロータリーシーラの回転軌道に巻き込まれ
た包装フィルムの先端部は、振れを生じて搬送軌道から
ずれてしまい、次サイクルにおいてシール不良を引き起
こすおそれがあった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、包装フィルムの搬送軌道からのずれを防止し
て、安定したシール動作の継続を実現し歩留りの向上を
図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、搬送されてきた包装フィルムを
回転する一対のシール手段により挟持して熱シールし、
かつ該熱シール部の中間部分をカッターにより切断する
構成を備えた横形製袋充填機において、少なくとも包装
フィルムを切断した後、該包装フィルムの切断端より上
流側を一定期間挟持して搬送方向に引っ張る挟持手段を
備えたことを特徴とする。
【0008】これにより、たとえ包装フィルムの熱シー
ル部がシール手段に過溶着していても、挟持部材が上流
側にある包装フィルムを挟持することから、シール手段
の回転軌道へ該包装フィルムが巻き込まれるおそれがな
くなる。さらに、挟持手段は、包装フィルムの切断端を
搬送方向に引っ張るので、その後、挟持状態が解除され
た包装フィルムは、反作用によって搬送軌道の上流側に
戻される。この戻り動作に伴い、シール手段から包装フ
ィルムの熱シール部を確実に離間させることができる。
【0009】ここで、シール手段は、回転式のロータリ
ーシーラに形成されたシールブロックであり、挟持手段
は、シールブロックの回転方向上流側に一体に設けられ
た挟持部材であって、ロータリーシーラは、少なくとも
包装フィルムを切断した後、該包装フィルムの搬送速度
よりも速い周速度をもって挟持部材を移動させる構成と
することができる(請求項2)。
【0010】包装フィルムの搬送速度よりも速い周速度
をもって挟持部材を移動させることにより、包装フィル
ムに引張力が作用し、挟持状態を解除した後にその反作
用で包装フィルムを搬送軌道の上流側に戻すことが可能
となる。
【0011】挟持部材は、ロータリーシーラの径方向と
ほぼ平行な方向に移動自在であり、かつ弾性部材により
外方へ付勢された構成としてもよい(請求項3)。ま
た、挟持部材は、伸縮自在な弾性材料により形成するこ
ともできる(請求項4)。
【0012】このように構成することで、回転する挟持
部材のフィルム挟持部分を、フィルム搬送軌道に沿って
移動させることが可能となる。
【0013】また、挟持部材には、シールブロックから
伝わる熱を放熱する複数のクーリング溝を形成すること
が好ましく(請求項5)、さらに、シールブロックと挟
持部材との間に、シールブロックからの熱を遮断する断
熱材を設けてもよい(請求項6)。これらの構成によ
り、挟持部材の温度上昇を回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図1〜図3は、本
発明の一実施形態に係るシール装置の正面図である。
【0015】これらの図に示すシール装置は、既述した
ような横形製袋充填機に組み込まれるもので、一対のロ
ータリーシーラ10を備えた構成となっている。ロータ
リーシーラ10は、包装フィルムFの搬送軌道を挟んで
上下に対向配置され、それぞれ図示矢印方向に高速回転
する。なお、包装フィルムFは、搬送軌道に沿って一定
速度で搬送されてくる。
【0016】各ロータリーシーラ10は、それぞれ外周
部に一定間隔をおいて複数のシールブロック11(シー
ル手段)を有している。各シールブロック11は、図示
しないヒータによって包装フィルムFやシール条件に応
じた一定温度に加熱されている。そして、一対のロータ
リーシーラ10にそれぞれ形成されたシールブロック1
1は、ロータリーシーラ10の回転に伴い協働して搬送
軌道上の包装フィルムFを押圧して熱シールする(図1
参照)。
【0017】また、シールブロック11の中央には、カ
ッター溝が形成してあり、その内部にカッター12が設
けてある。このカッター12は、包装フィルムFに形成
された熱シール部の中間部分を切断し、連続供給される
上流側の包装フィルムFから包装済みの包装フィルムF
を分離する。
【0018】各シールブロック11の回転方向上流側の
側面には、挟持部材20(挟持手段)が装着されてい
る。挟持部材20は、例えば、図4に示すような板状で
あって、長手方向の一端部が湾曲形成されている。この
挟持部材20は、ロータリーシーラ10の回転に伴い、
上記一端部が搬送軌道上の包装フィルムFに当接して挟
持するように、各シールブロック11に装着されてい
る。
【0019】ここで、挟持部材20は、図1に示すよう
に、シールブロック11に固定した支持部材21に支持
され、ロータリーシーラ10の径方向とほぼ平行に摺動
自在となっている。さらに、挟持部材20の基端は、支
持部材21との間に挿入されたコイルばね等の弾性部材
22によって、外方に付勢されている。
【0020】また、挟持部材20の表面には、図4に示
すように、複数条のクーリング溝20aが形成してあ
る。このクーリング溝20aは、シールブロック11か
ら伝わる熱を効率的に放熱する。さらに、シールブロッ
ク11と挟持部材20との間には、熱伝導率の小さな耐
熱材料からなる断熱材23が設けてあり、この断熱材2
3によってシールブロック11の熱を遮断して、挟持部
材20の温度上昇を回避している。シールブロック11
は、例えば、250゜C近くまで加熱されるため、その
熱が挟持部材20に伝えられると、包装フィルムFと接
触したとき該包装フィルムFを溶融してしまうおそれが
ある。しかし、断熱材23により断熱することで、挟持
部材20による包装フィルムFの溶融を防止でき、しか
もクーリング溝20aによる放熱によってこの種の弊害
を除去することができる。
【0021】図5は、ロータリーシーラの回転に伴うシ
ールブロックの周速度と、包装フィルムの搬送速度との
関係を示す図である。同図において、横軸はロータリー
シーラ10を駆動する駆動モータの回転角度(機械角
度)であり、駆動モータの一回転(機械角度=360
°)でシールブロック11による包装フィルムFの熱シ
ール動作が一サイクル終了する。ロータリーシーラ10
は、一サイクルのシール動作の間に回転速度が加減速す
るように制御されており、その回転に伴い、シールブロ
ック11の先端周速度xは、図5に示すようにサインカ
ーブを描いて加減速する。一方、包装フィルムFの搬送
速度yは、一定速度に保たれている。
【0022】さて、一サイクルの熱シール動作におい
て、シールブロック11が包装フィルムFに当接して熱
シールするタイミング区間は、シールブロック11の先
端周速度bが包装フィルムFの搬送速度yとほぼ等しく
なるタイミングTを中心とするTの区間に設定して
ある。そして、タイミングTは切断タイミングに設定
されている。
【0023】図1はこの切断タイミングTの状態を示
しており、シールブロック11の先端面が包装フィルム
Fに当接して該包装フィルムFを熱シールするととも
に、熱シール部の中間部をカッター12が切断する。
【0024】一方、挟持部材20による包装フィルムF
の挟持動作は、切断タイミングTから一定のタイミン
グ区間T(挟持区間)の間だけ実行されるように設定
されている。
【0025】図1から図3までがこの挟持区間Tを示
している。すなわち、包装フィルムFの切断時から(図
1)、シールブロック11の一部下流側が包装フィルム
Fの搬送軌道を離れ(図2)、続いてシールブロック1
1の全体が包装フィルムFの搬送軌道を離れるまで(図
3)、好ましくはシールブロック11が包装フィルムF
の搬送軌道を離れてしばらくの間、挟持部材20の先端
部は、包装フィルムFの切断端より上流側を挟持したま
ま搬送軌道に沿って移動する。
【0026】ここで、挟持部材20はロータリーシーラ
10と一体に回転するが、包装フィルムFを挟持する先
端部は、ロータリーシーラ10に対して挟持部材20が
摺動することにより、包装フィルムFの搬送軌道に沿っ
て直線的に移動することが可能となる。
【0027】このように、挟持部材20が上流側にある
包装フィルムFを挟持することから、たとえ包装フィル
ムFの熱シール部がシールブロック11に過溶着してい
ても、シールブロック11の回転軌道へ該包装フィルム
Fが巻き込まれるおそれがなくなる。
【0028】また、図5に示すように、切断タイミング
で包装フィルムFを切断した後は、ロータリーシー
ラ10が加速していき、これに伴い挟持部材20も加速
して包装フィルムFの搬送速度よりも速く移動する。し
たがって、挟持部材20に挟持された上流側の包装フィ
ルムFは、搬送方向へ引っ張られる。そして、その後に
挟持状態が解除されると、包装フィルムFは、反作用に
よって搬送軌道の上流側に戻される。この戻り動作に伴
い、シールブロック11から包装フィルムFの熱シール
部を確実に離間させることができる。
【0029】図6〜図8は、本発明の他の実施形態に係
るシール装置の正面図である。なお、図6は図1と、図
7は図2と、図8は図3とそれぞれ同じ動作状態を示し
ている。これらの図に示すシール装置は、挟持部材20
を伸縮自在なゴム等の弾性材料で形成することで、弾性
材料の変形をもって包装フィルムFを挟持部分を、該包
装フィルムFの搬送軌道に沿って移動させる構成として
ある。これにより、挟持部材20を摺動自在に支持する
必要がなくなり、取付け構造を簡略化することが可能と
なる。
【0030】また、この挟持部材20を形成する弾性材
料として、熱伝伝導率が小さくかつ耐熱性を有するもの
を選択すれば、クーリング溝の形成や断熱材の設置も必
要なくなり、さらにいっそう取付け構造が簡略化する。
【0031】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、図6〜図8に示した弾性材
料からなる挟持部材であっても、クーリング溝や断熱材
を備える構成としてもよく、また、図4に示した構成の
挟持部材であっても、熱伝伝導率が小さくかつ耐熱性を
有する材料で形成すれば、クーリング溝断熱材を省略す
ることが可能である。
【0032】また、挟持部材は、包装フィルムを切断す
る以前から包装フィルムを挟持するように動作タイミン
グを設定することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
包装フィルムの搬送軌道からのずれを防止して、安定し
たシール動作の継続を実現し歩留りの向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシール装置の正面図
で、包装フィルム切断時の動作状態を示している。
【図2】本発明の一実施形態に係るシール装置の正面図
で、図1に続く動作状態を示している。
【図3】本発明の一実施形態に係るシール装置の正面図
で、図2に続く動作状態を示している。
【図4】図1に示すシール装置に装着された挟持部材を
示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は
底面図である。
【図5】ロータリーシーラの回転に伴うシールブロック
の周速度と、包装フィルムの搬送速度との関係を示す図
である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るシール装置の正面
図で、包装フィルム切断時の動作状態を示している。
【図7】本発明の他の実施形態に係るシール装置の正面
図で、図1に続く動作状態を示している。
【図8】本発明の他の実施形態に係るシール装置の正面
図で、図2に続く動作状態を示している。
【図9】横形製袋充填機による包装形態の一例を示す正
面図である。
【図10】横形製袋充填機の概要を示す斜視図である。
【図11】ロータリーシーラによる熱シールまでの工程
を示す斜視図である。
【図12】ロータリーシーラを駆動する駆動モータの回
転速度と、熱シール時のフィルム表面温度との関係を示
す図である。
【符号の説明】
10:ロータリーシーラ 11:シールブロック 12:カッター 20:挟持部材 20a:クーリング溝 21:支持部材 22:弾性部材 23:断熱材 F:包装フィルム 100:ホッパー 101:シュート 102:回転テーブル 103:ベルトコンベア 104:縦シーラ 105:ロータリーシーラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 崇史 千葉県流山市駒木台149番地 株式会社東 京自働機械製作所研究所内 Fターム(参考) 3E050 AA02 AB02 BA08 BA11 DC08 DF02 FA01 FB02 FB07 GB06 3E094 AA13 BA12 CA08 DA08 EA04 FA02 FA14 GA05 GA11 HA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送されてきた包装フィルムを回転する
    一対のシール手段により挟持して熱シールし、かつ該熱
    シール部の中間部分をカッターにより切断する構成を備
    えた横形製袋充填機において、 少なくとも前記包装フィルムを切断した後、該包装フィ
    ルムの切断端より上流側を一定期間挟持して搬送方向に
    引っ張る挟持手段を備えたことを特徴とする横形製袋充
    填機のシール装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した横形製袋充填機のシ
    ール装置において、前記シール手段は、回転式のロータ
    リーシーラに形成されたシールブロックであり、 前記挟持手段は、前記シールブロックの回転方向上流側
    に一体に設けられた挟持部材であって、 前記ロータリーシーラは、少なくとも前記包装フィルム
    を切断した後、該包装フィルムの搬送速度よりも速い周
    速度をもって前記挟持部材を移動させる構成であること
    を特徴とする横形製袋充填機のシール装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した横形製袋充填機のシ
    ール装置において、 前記挟持部材は、前記ロータリーシーラの径方向とほぼ
    平行な方向に移動自在であり、かつ弾性部材により外方
    へ付勢されていることを特徴とする横形製袋充填機のシ
    ール装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載した横形製袋充填機のシ
    ール装置において、 前記挟持部材は、伸縮自在な弾性材料により形成されて
    いることを特徴とする横形製袋充填機のシール装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれか一項に記載し
    た横形製袋充填機のシール装置において、 前記挟持部材には、前記シールブロックから伝わる熱を
    放熱する複数のクーリング溝が形成されていることを特
    徴とする横形製袋充填機のシール装置。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至5のいずれか一項に記載し
    た横形製袋充填機のシール装置において、 前記シールブロックと挟持部材との間に、シールブロッ
    クからの熱を遮断する断熱材を設けたことを特徴とする
    横形製袋充填機のシール装置。
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