JP6663396B2 - Pmlの危険性を査定する方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年5月31日に出願された米国仮出願第61/491,810号、2011年7月15日に出願された米国仮出願第61/508,584号、2011年10月21日に出願された米国仮出願第61/550,257号、および2012年4月20日に出願された米国仮出願第61/636,588号の利益を主張する。先行出願は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、進行性多巣性白質脳症(PML)を発症する患者の危険性を査定する方法に関する。
抗VLA−4(最晩期抗原4)抗体治療薬であるナタリズマブは、多発性硬化症(MS)および中程度から重度のクローン病の再発型を治療するために適応される。ナタリズマブ治療はしかしながら、JCウイルス(JCV)によって引き起こされる脳の日和見感染症である、進行性多巣性白質脳症(PML)の増加した危険性を伴う。PMLは、主に、免疫不全の個人において、およびナタリズマブを含む、ある特定の免疫調節療法を受容している患者において生じる。PMLは、中枢神経系におけるオリゴデンドロサイトを感染させ得る、潜在性原型JCVの神経栄養型への再活性化および突然変異をもたらす、宿主因子とウイルス因子との間の複合の相互作用の結果であると仮定される。
本発明は、とりわけ、生体液、例えば、血清または血漿中のJCV抗体の存在を検出するための、最適化され分析的に検証された高感度アッセイ、ならびに患者を評価するおよび/または治療する方法を含む、種々の他の方法に関する。
したがって、一態様では、本発明は、試料中の抗JCV抗体のレベルを評価する方法を特長とする、本方法は、次のステップのうちの1つ以上または全てを含む:
(a)試料の第1のアリコートおよびHPVLP(高度精製ウイルス様粒子、例えば、高度精製VP1粒子)が上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質を含む、第1の反応混合物を形成するステップ、
(b)HPVLPが上に配置される該基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質に結合した抗JCV抗体のレベルを、該基質に結合した抗JCV抗体に結合した、例えば、標識された検出試薬、例えば、酵素で標識された抗IgG抗体を検出することによって、検出し、それによって試料中の抗JCV抗体のレベルを評価するステップ(本明細書に考察されるように、本方法は、試料に、抗JCV抗体のレベルを示す値を分類すること、または割り当てることを含むことができ、その値は、本明細書で時に指標値と称される。その値を使用して、試料または患者を評価することができ、実施形態において、本方法の更なるステップ、例えば、下のステップ(c)に進むかどうかを決定することができる)、ならびに
(c)試料の第2のアリコートおよび溶液相HPVLPを含有する、第2の反応混合物を形成し、該第2の反応混合物中の結合していない抗JCV抗体のレベルを、HPVLPが上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質と結合できる抗JCV抗体を検出すること等によって、検出し(本明細書に考察されるように、本方法は、試料に、可溶相HPVLPでのインキュベーションが第2の反応混合物の結合していない抗JCV抗体のレベルを低減する度合いを示す値を分類すること、または割り当てることを含むことができ、その値は、本明細書で時に阻害、阻害%等と称される。この値を使用して、試料または患者を評価することができる)、
それによって試料中の抗JCV抗体のレベルを評価するステップ。
ある実施形態では、本方法は、次のことを更に含む:
(d)試料中の抗JCV抗体がHPVLPまたは他の抗原によって結合していない条件下で、第3のアリコートを含有する第3の反応混合物を形成し、第3の反応混合物中の抗JCV抗体のレベルを、HPVLPが上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質と結合できる抗JCV抗体を検出すること等によって、検出すること。阻害または阻害%は、可溶相HPVLPでのインキュベーション(ステップ(c))が、ステップ(d)における結果と比較して、結合していない抗JCV抗体の量を低減する度合いの関数として算出することができる。
ある実施形態では、本方法は、ステップ(a)および(b)と、任意に結果を、別の実体、例えば、医療提供者に提供することとを含む。
ある実施形態では、本方法は、ステップ(a)、(b)、および(c)と、任意に結果を、別の実体、例えば、医療提供者に提供することとを含む。
ある実施形態では、本方法は、ステップ(a)、(b)、(c)、および(d)と、任意に結果を、別の実体、例えば、医療提供者に提供することとを含む。
ある実施形態では、本方法は、ステップ(c)と、任意に結果を、別の実体、例えば、医療提供者に提供することとを含む。
ある実施形態では、本方法は、ステップ(c)および(d)と、任意に結果を、別の実体、例えば、医療提供者に提供することとを含む。
本明細書に記載される方法は、試薬の最適化されたレベルおよび量を使用して、改善された性能を可能にする。故に、ある実施形態では、第1の反応混合物について、20ngs〜60ngs、30ngs〜50ngs、20ngs〜40ngs、35ngs〜45ngsのHPVLPが、該基質上に配置される。ある実施形態では、約20ngs、30ngs、40ngs、50ngs、または60ngsのHPVLPが、該基質上に配置される。典型的に、マルチ基質デバイス、例えば、マルチウェルプレート、例えば、ポリスチレンマルチウェルプレートは、複数の基質の各々の上に本明細書に指定されるHPVLPの量を有するであろう。典型的な基質は、マルチウェルプレート上のウェルの内部である。
本明細書に記載される方法は、試薬および試料の最適化された比率を使用して、改善された性能を可能にする。ある実施形態では、第1の反応物中のμLの試料(これは、希釈されていない試料、または希釈物中の試料の量を指し、したがって100μLの1μL:100μL希釈は、1μLの試料であろう)、例えば、血清または血漿と、基質上に配置されるngsのHPVLPとの比率は、1:100〜1:20、1:80〜1:30、1:60〜1:20、1:20〜1:60、1:30〜1:50である。ある実施形態では、μLの試料、例えば、血清または血漿と、基質上に配置されるngsのHPVLPとの比率は、約:1:30、1:40、または1:50である。ある実施形態では、μLの試料、例えば、血清または血漿と、基質上に配置されるngsのHPVLPとの比率は、約(0.08〜1.2):30、(0.08〜1.2):40、または(0.08〜1.2):50である。
一実施形態では、第1の反応物のための試料、例えば、血清は、約100倍等、緩衝液中で、例えば、HPVLPが上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質との接触前に、希釈される。一実施形態では、検出は、酵素で標識された抗体、例えば、HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)で標識されたIgG等の、酵素で標識されたIgG、を用いる。別の実施形態では、検出試薬、例えば、HRPで標識されたIgGは、少なくとも0.01μg/mL、0.02μg/mL、0.03μg/mL、0.04μg/mL、0.05μg/mL、0.06μg/mL、または0.08μg/mLの濃度で添加される。一実施形態では、検出試薬は、基質に結合した抗体に対して10倍〜100倍過剰で提供される。ある実施形態では、検出試薬は、基質に結合した抗体と比較して10倍、20倍、50倍、75倍、または100倍以上)過剰をもたらす量で提供される。
ある実施形態では、(c)における溶液相HPVLPは、第2の反応混合物または試料中の抗JCV抗体に対して2倍〜100倍過剰粒子で存在する。ある実施形態では、第2の反応混合物または試料中の抗JCV抗体に対して過剰の粒子は、2倍以上、4倍以上、5倍以上、10倍以上、15倍以上、20倍以上、40倍以上、50倍以上、70倍以上、80倍以上、100倍以上、または110倍以上である。
ある実施形態では、第2の反応混合物について、20ngs〜60ngs、30ngs〜50ngs、20ngs〜40ngs、35ngs〜45ngsのHPVLPが、該基質上に配置される。ある実施形態では、約20ngs、30ngs、40ngs、50ngs、または60ngsのHPVLPが、該基質上に配置される。典型的に、マルチ基質デバイス、例えば、マルチウェルプレート、例えば、ポリスチレンマルチウェルプレートは、複数の基質の各々の上に本明細書に指定されるHPVLPの量を有するであろう。典型的な基質は、マルチウェルプレート上のウェルの内部である。
ある実施形態では、第2の反応混合物について、試料は、可溶相HPVLPと接触させられ、次いで結合していない抗JVC抗体は、基質上に配置されるHPVLPに結合することを可能にされる。ある実施形態では、第2の反応混合物について、試料は、基質上に配置される可溶相HPVLPおよびHPVLPと同時に接触している。
ある実施形態では、μL試料(これは、希釈されていない試料、または希釈物中の試料の量を指し、したがって100μLの1μL:100μL希釈は、1μLの試料であろう)、例えば、血清または血漿と、基質上に配置されるngsのHPVLPとの比率は、1:100〜1:20、1:80〜1:30、1:60〜1:20、1:20〜1:60、1:30〜1:50である。ある実施形態では、μLの試料、例えば、血清または血漿と、基質上に配置されるngsのHPVLPとの比率は、約:1:30、1:40、または1:50である。ある実施形態では、μLの試料、例えば、血清または血漿と、基質上に配置されるngsのHPVLPとの比率は、約:(0.08〜1.2):30、(0.08〜1.2):40、または(0.08〜1.2):50である。
一実施形態では、試料、例えば、血清は、約100倍等、例えば、緩衝液中で、HPVLPが上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質との接触前に、希釈される。一実施形態では、検出は、酵素で標識された抗体、例えば、HRPで標識されたIgG等の、酵素で標識されたIgGを用いる。別の実施形態では、検出試薬、例えば、HRPで標識されたIgGは、少なくとも0.01μg/mL、0.02μg/mL、0.03μg/mL、0.04μg/mL、0.05μg/mL、0.06μg/mL、または0.08μg/mLの濃度で添加される。一実施形態では、検出試薬は、基質に結合した抗体に対して10倍〜100倍過剰で提供される。ある実施形態では、検出試薬は、基質に結合した抗体と比較して10倍以上、20倍以上、50倍以上、75倍以上、または100倍以上)過剰をもたらす量で提供される。
一実施形態では、ステップ(b)において検出される抗JCV抗体のレベルに応答して、ステップ(c)および/または(d)が行われる。
一実施形態では、ステップ(b)において検出される抗JCV抗体のレベル、例えば、指標レベル(nOD)が0.2超であり、かつ0.4未満であることに応答して、次いでステップ(c)および(d)が行われる。
一実施形態では、試料、例えば、血清または血漿は、約50倍以上、約100倍以上、または約150倍以上の量等、例えば、緩衝液中で、該第2の反応混合物を形成する前に希釈される。別の実施形態では、試料、例えば、血清または血漿は、約50倍以上、約100倍以上、または約150倍以上の量等、例えば、緩衝液中で、該第3の反応混合物を形成する前に希釈される。別の実施形態では、第2および第3の反応混合物のうちの一方または両方の検出は、酵素で標識された抗体、例えば、酵素で標識されたIgG、例えば、HRPで標識されたIgGを用いる。
第2および第3の反応混合物のうちの一方または両方の検出は、少なくとも0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、または0.08μg/mLの濃度で添加される、HRPで標識されたIgGを用いることができる。一実施形態では、検出試薬は、基質に結合した抗体と比較して10倍〜100倍(例えば、10倍、20倍、50倍、75倍、または100倍)過剰で提供される。
一実施形態では、試料中の抗JCV抗体のレベルを評価することは、ステップbにおいて、例えば、約1の指標(例えば、陽性対照が1.3の光学密度を有し、陰性対照が0.1の光学密度を有する場合の、1の光学密度)および15倍〜20倍以上(例えば、16倍以上、17倍以上、18倍以上、または19倍以上)のシグナル対ノイズ比を有する、カットオフ検量用試料等の、標準物質を評価することを更に含む。別の実施形態は、ステップbにおいて、例えば、約1.3のスコアを有する標準物質、例えば、陽性対照を評価することを含む。他の実施形態では、本方法は、ステップbにおいて、例えば、約0.1のスコアを有する陰性対照等の、標準物質を評価することを更に含む。
ある実施形態では、本方法は、該可溶相HPVLP粒子への結合が、該第1のアリコートにおけるHPVLP粒子配置基質への結合と比較して、HPVLP粒子配置基質への結合を阻害または低減する量を決定することを含む。2ステップアッセイの第1のステップ(上のステップ(a)および(b))の結果は典型的に、正規化OD(nOD、または「指標」)値として表される。ツーステップアッセイの第2のステップ(上のステップ(c)および任意に(d))の結果は典型的に、「阻害パーセント」として表される。ある実施形態では、nODは、OD450である。ある実施形態では、該阻害は、既定値、例えば、45%以下であり、該試料は、陰性として分類される。
ある実施形態では、該阻害は、既定値、例えば、45%超であり、該試料は、陽性として分類される。
一実施形態では、カットオフ検量用試料(CO)は、約1.0の反応性指標(nOD)を有するように調整され、陽性対照(PC)は、約1.3の反応性指標を有するように調整される。COおよびPC溶液は、JCV抗体に対して陽性の血清を、JCV抗体に対して陰性である血清と混合することによって作製される。例えば、抗JCV抗体陰性血清の瓶であり得る、陰性対照(NC)について、指標(nOD)標的は、約0.1である。
一実施形態ではJCV抗原は、本発明で特長とされるアッセイに使用する前にクロマトグラフィーにより精製される、HPVLP等のVLP粒子である。
ある特定の実施形態では、試料は、血清試料、尿試料、血漿試料、血液試料、または脳脊髄液(CSF)試料である。一実施形態では試料は、試料の第1のアリコートおよびHPVLPが上に配置される基質を含む、第1の反応混合物を形成する前に1:101希釈される、血清試料である。
別の実施形態では、二次検出試薬(例えば、抗ヒトIgG)は、HRP等のペルオキシダーゼ等の、検出可能な薬剤に複合体化させられる。一実施形態では、二次検出試薬は、抗ヒトIgGであり得、その抗ヒトIgGは、HRPに複合体化させられる。別の実施形態では、IgG−HRPを含有する検出試薬溶液は、0.04μg/mLで使用される。例えば、IgG−HRPの0.8mg/mL保存液は、HPVLPに結合した抗JCV抗体のレベルを検出するためのアッセイに使用する前に、1:15,000、1:20,000、1:30000以上希釈される。別の実施形態では、二次検出試薬の濃度は、シグナルを以前のロットに合致させるために、新たなロットに対して調整され、複合体とのインキュベーション時間は、わずか30分である。一実施形態では、緩衝液中のTMB(テトラメチルベンジジン)および過酸化水素は、抗JCV抗体に結合したHRP IgG混合物を含有する反応混合物と共に、20分間(±2分間)インキュベートされる。
ある実施形態では、プレインキュベートされなかった試料と比較した、二次アッセイ試料中における検出されたレベルの減少は、試料が、抗JCV抗体に対して陽性であることを示し、指定される百分率を下回る検出されたレベルにおける変化は、JCV特異的抗体が試料中に何ら存在しないことを示す。
一実施形態では、試料の第1のアリコートおよびHPVLPが上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質を含む、第1の反応混合物の形成、ならびにHPVLPが上に配置される該基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質に結合した抗JCV抗体のレベルを検出することである、アッセイの第1のステップ後に、試料は、指標値(すなわち、nOD値)0.2超かつ0.4未満(「不確定ゾーン」)を有することが決定される。試料の第2のアリコートを次いで、第2のアリコートと溶液相HPVLPとの間の第2の混合物の形成の後に、第2の混合物を、HPVLPが上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質と接触させることによって、第2の混合物中の結合していない抗JCV抗体を検出することを含む、アッセイの第2のステップにおいて試験することができる。
別の実施形態では、試料が、アッセイの第1のステップ後に、指標値0.2未満を有することが決定される場合、試料は、抗JCV抗体陰性であることが決定される。一実施形態では、抗JCV抗体陰性であることが決定される試料は、アッセイの第2のステップを使用しては評価されない。
別の実施形態では、試料が、アッセイの第1のステップ後に、指標値0.4超を有することが決定される場合、試料は、抗JCV抗体陽性であることが決定される。一実施形態では、抗JCV抗体陽性であることが決定される試料は、アッセイの第2のステップを使用しては評価されない。
一実施形態では、本発明は、対象からの生体試料(例えば、血漿、血清、血液、尿、または脳脊髄液(CSF))を得ることと、参照物質が、3%以下の偽陰性率および他のポリオーマウイルス、例えば、BKウイルス(BKV)への極小の交差反応性を示すように選択されるように、検出されたレベルを参照物質と相関させることとを含む。幾つかの実施形態では、対照試料または対照試料の一組に由来する参照物質は、対象からの試料でプロセスされる。幾つかの実施形態では、参照物質は、アッセイの偽陰性率が1%以下であるように選択される。アッセイは、HPVLPがマイクロタイタープレートまたはスライド等の固体基質上に配置されるように行うことができる。幾つかの実施形態では、HPVLPは、VP1ウイルスタンパク質から本質的になる。HPVLPは、他のウイルスタンパク質、例えば、VP2またはVP3のうちの少なくとも1つを更に含み得る。HPVLP中のウイルスタンパク質(複数可)は、組換え由来(例えば、MAD1 VP1)であり得るか、または天然に生じるウイルスタンパク質(例えば、天然に生じる源に由来する)であり得る。本方法は、例えば、現在、免疫調節薬で治療されている対象、免疫調節薬での治療を開始することを検討している対象、または進行性多巣性白質脳症(PML)を有することが疑われる対象から得られる生体試料を使用して行うことができる。
別の態様では、本発明は、HPVLPが上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質を含有するキットを特長とする。基質には、96ウェルプレート等のマルチウォール(multiwall)プレートが含まれ得る。一実施形態では、キットは、次のうちの1つ以上または全てを含む:ウェルがJCV抗原基質、例えば、HPVLPでコーティングされた、プレート等の基質;凍結乾燥させられたまたは溶液中のJCV抗原、例えば、HPVLP;ヒト血清等の血清の試料である、JCVカットオフ検量用試料、抗JCV抗体陽性対照、およびJCV陰性対照。一実施形態では、キットは、抗原に結合した抗JCV抗体を含有する複合体を検出するための1つ以上の試薬を含むか、または1つ以上の試薬を更に含み、試薬は、例えば、JCV複合体、カゼイン試料、TMB(テトラメチルベンジジン)等の検出可能な試薬、洗浄緩衝液、および停止試薬を含む。
別の態様では、本発明は、HPVLPが上に配置される基質、例えば、高シグナル対ノイズのHPVLP基質を特長とする。
別の態様では、本発明は、HPVLP、および生体試料等の試料中の抗JCV抗体レベルを特定するアッセイを行うための、少なくとも1つの試薬を含むキットを特長とする。
他の態様では、本発明は、VP1五量体(カプソメア)よりもサイズが大きい、例えば、約5、10、20、30、40、50、60、70、または72の五量体を含有する、または約360のVP1分子を含有する、VP1含有粒子から本質的になる、HPVLP粒子を含む溶液に関する。
本発明の別の態様は、HPVLPの溶液を調製する方法であり、本方法は、VP1五量体以下のサイズであるVP1含有粒子を溶液から除去することを含む。
本明細書に開示される方法は、少なくとも一部には、抗JCV抗体価および親和性/結合活性等の他の特性が、進行性多巣性白質脳症(PML)を発症する患者の危険性を示し得るという発見に基づく。
したがって、別の態様では、本発明は、PMLを発症する患者の危険性を評価する方法を特長とし、患者の試料中のJCウイルス(JCV)抗体価(例えば、本明細書に記載されるように決定され、正規化光学密度(nOD)または指標として表される)または親和性/結合活性(例えば、本明細書に記載されるように決定され、アッセイの確認ステップにおいて阻害パーセントで表される)の知識を獲得することと、任意に、獲得された値(単数または複数)を本明細書に開示される参照物質と比較して、それによって危険性を評価することとを含む。
一実施形態では、抗JCV抗体価または阻害パーセントは、血液(血清または血漿)、またはCSF試料等の、患者からの生体試料中において決定される。力価もしくは/および阻害パーセント、または両方の値の関数が、既定のレベルを下回ることが決定される場合、患者は、PMLを発症する危険性がより低いことが決定され、力価および/もしくは阻害パーセント、または両方の値の関数が、既定のレベルであるかまたはそれを上回ることが決定される場合、患者は、PMLを発症する危険性がより高いことが決定される。
本方法は更に、患者の試料中の抗JCV抗体価または阻害パーセントを決定することが、生体試料を患者の身体から除去することまたは患者からの試料を分析することを必要とすること、あるいは患者が、PMLを発症する危険性がより低いことが決定される場合、免疫抑制療法等の療法が患者に施与されることを定めることができる。
一実施形態では、抗JCV抗体価または阻害パーセントは、血液(血清または血漿)、またはCSF試料のうちの1つ以上等の、患者からの1つを超える生体試料中において決定される。
一実施形態では、対象は、多発性硬化症を有し、例えば、抗VLA−4抗体、例えば、ナタリズマブでの治療法を既に受容している多発性硬化症患者である。
一実施形態では、患者は、PMLを発症する危険性がより低いことが決定され、患者は更に、ナタリズマブ等の抗VLA−4抗体、またはその断片(その抗原結合断片等)等の、抗VLA−4療法を施与される。
一実施形態では、患者は、PMLを発症する危険性がより高いことが決定され、患者は、代替療法を受容すべき者として特定され、例えば、患者は、抗VLA−4抗体療法、例えば、ナタリズマブを受容することを停止し、例えば、代替療法、例えば、Avonex(登録商標)等の代替的な認可された多発性硬化症(MS)療法を受容すべきである。別の実施形態では、患者は、PMLを発症する危険性がより高いことが決定され、患者は、抗VLA−4抗体療法、例えば、ナタリズマブを施与される。
一実施形態では、患者は、抗JCV抗体価または阻害パーセントに基づいて、PMLを発症する危険性がより高いことが決定され、患者は、PMLを発症する危険性を決定するための更なる試験を受けるべき者として特定される。
一実施形態では、患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5未満であることが決定されるか、あるいは(ii)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5超かつ3.0未満であることが決定され、阻害パーセントが、70%または60%以下であることが決定される場合、PMLのより低い危険性を有することが決定される。患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5超かつ1.5未満であることが決定され、阻害パーセント値が、70%未満であることが決定される場合、PMLの中程度の危険性を有することが決定される。患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5超であることが決定され、阻害パーセント値が、70%超であることが決定されるか、あるいは(ii)患者が、指標、nOD、または力価において、前回の試験から2倍の増加を示した場合、PMLのより高い危険性を有することが決定される。抗JCV抗体の阻害パーセントは、例えば、(i)対象からの生体試料を、溶液中のHPVLPと、HPVLPへの試料中における抗JCV抗体の結合に好適な条件下で接触させることと、(ii)HPVLPに結合したJCV抗体を溶液から分離して、二次試料を作り出すことと、(iii)二次試料を、HPVLPと、(i)と同じ条件下で接触させることと、(iv)二次試料中におけるHPVLPへの抗JCV抗体結合のレベルを検出することとによって、測定することができる。
一実施形態では、抗JCV抗体価は、例えば、(i)生体試料を、HPVLPと、HPVLPへの試料中における抗JCV抗体の結合に好適な条件下で接触させることと、(ii)HPVLPへの試料中における抗JCV抗体結合のレベルを検出することと、(iii)検出されたレベルを参照集合と相関させることとによって、測定される。参照集合は、3%等の既定量を超えないの偽陰性率を示すように選択することができる。別の実施形態では、抗JCV抗体価は、VIDAS(登録商標)アッセイ(bioMerieux)等の商用のプラットフォーム、または溶液相法もしくは側方流動法等の別の代替的なプラットフォームによって測定される。
一実施形態では、アッセイは、生体試料がJCV抗体を含有しないことを示し、アッセイは次いで、(iv)対象からの生体試料の一部分を、溶液中のHPVLPと、ステップ(i)の前に接触させることと(ステップ(i)のHPVLPは、二次試料を提供するために、固体基質に結合される)、(v)二次試料を、HPVLPと、(i)と同じ条件下で接触させることと、(vi)二次試料中におけるHPVLPへの抗JCV抗体結合のレベルを検出することと、(vii)二次試料中における抗JCV抗体の検出されたレベルを、HPVLPを含まない溶液でインキュベートされたときの生体試料中における結合のレベルと比較することとを更に含む。溶液でインキュベートされた試料と比較した、HPVLPでプレインキュベートされた試料中における検出されたレベルの減少は、試料が、抗JCV抗体に対して陽性であることを示し、検出されたレベルにおける変化のなさは、抗JCV抗体が試料中のバックグラウンドレベルを上回っては存在しないことを示す。
一実施形態では、アッセイは、生体試料がJCV抗体を含有することを示し、患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定される。
なおも別の実施形態では、患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5未満であることが決定されるか、あるいは(ii)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5超かつ3.0未満であることが決定され、阻害パーセントが、70%以下であることが決定される場合、PMLのより低い危険性を有することが決定される。患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、3超であることが決定され、阻害パーセント値が、70%超であることが決定されるか、あるいは(ii)患者が、指標、nOD、または力価において、前回の試験から2倍の増加を示した場合、PMLのより高い危険性を有することが決定される。
一実施形態では、指標値(nOD)のみまたは阻害パーセントのみを使用して、PMLの危険性を決定する。例えば、一実施形態では、患者は、指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5未満であることが決定される場合、PMLのより低い危険性を有することが決定され、患者は、指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5超かつ1.5未満であることが決定される場合、より高い危険性を有することが決定され、あるいは患者は、指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、1.5超であることが決定される場合、更により高い危険性を有することが決定される。
一実施形態では、アッセイは、生体試料が、バックグラウンドレベルを上回るJCV抗体を含有しないことを示し、患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定される。
別の態様では、本発明は、アッセイ手順を評価または試験するための方法を特長とする。抗JCV抗体アッセイは、6ヶ月毎または毎年等の既定間隔で、有効性について再評価することができる。1つの例となる技能アッセイにおいて、試料の集団、例えば、30、40、または50の血清試料、および30、40、または50の血漿試料は、現在最適化された方法および先行する前世代方法による評価等のために提供される。結果の間の一致が査定され、一致が、例えば、90%または95%を超えることが見出される場合、アッセイの性能は、許容されることが決定され得る。一実施形態では、既知の抗JCV抗体状態を有する、例えば、90、100、150以上の試料を含有する、試料のパネルを利用して、経時的なアッセイ性能の一貫性を査定する。結果の間の一致が査定され、一致が、例えば、90%または95%を超えることが見出される場合、アッセイの性能は、許容されることが決定され得る。試料のパネルは、試料バンクを作り出すのに十分な量で入手可能な、患者血清である。
一態様では、実体、例えば、医療提供者は、本明細書に記載される抗JCV抗体アッセイからもたらされる情報を獲得し、その情報に応答して、本明細書に記載される治療を、患者、例えば、MS患者に施与する。
別の態様では、本明細書に記載されるJCVアッセイが患者に対して行われ、次いで患者がアッセイの結果に基づいて治療され、例えば、MS患者が治療される。
患者における抗JCV抗体価または阻害パーセントは、3ヶ月毎、6ヶ月毎、もしくは12ヶ月毎等の一定間隔で、またはそれよりも長い間隔で、またはより頻繁に、再評価することができる。抗体価または阻害パーセントにおいて観察される増加は、PMLを発症する患者の危険性における増加を示すことができる。例えば、抗体価(nODまたは指標)における2倍、または3倍の増加は、PMLの増加した危険性を示すことができる。ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を受容する患者は、抗VLA−4療法での治療法を停止する場合があり、任意に、代替的な薬剤、例えば、抗VLA−4療法以外、またはナタリズマブ以外の免疫抑制薬での治療法を開始する場合がある。力価における増加は、高いベースライン力価を有する患者において、低いベースライン力価を有する患者とは異なって(例えば、力価の範囲におけるより狭い範囲で)現れる場合がある。
一実施形態では、抗VLA−4抗体、例えば、ナタリズマブを受容する患者は、例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、30、40ヶ月毎に、抗JCV抗体価および/または阻害パーセントについて、モニタリングすることができる。
一実施形態では、患者は、血漿分離交換法を受容した後の1または2または3週間以内に、JCV抗体の存在について、または抗JCV抗体価もしくは阻害パーセントについて再評価されない。別の実施形態では、患者は、免疫グロブリン静注(IVIG)治療を受容した後の1または2または3週間以内に、JCV抗体の存在について、または抗JCV抗体価もしくは阻害パーセントについて再評価されない。
抗JCV抗体価の測定は、nODまたは指標値によるものであり得る。
本明細書に記載される患者の評価は、抗VLA−4療法の施与前に、または患者が抗VLA−4療法を開始した後に、行うことができる。
一実施形態では、患者は、本明細書に記載されるアッセイ等によって、PMLの危険性がより低いことが決定され、患者は、抗VLA−4療法を施与される。別の実施形態では、患者は、PMLの危険性がより高いことが決定され、患者は、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブ等の抗VLA−4抗体を施与される。なおも別の実施形態では、患者は、PMLの危険性がより高いことが決定され、患者は、インターフェロン、酢酸グラチラマー、またはコルチコステロイド等の、抗VLA−4療法以外の治療法を施与される。
一実施形態では、患者は、PMLに対する増加した危険性を有することが決定され、患者はしたがって、抗VLA−4療法を受容することを停止する。
患者は、一定間隔で、例えば、3ヶ月毎、6ヶ月毎、毎年、またはより多いもしくは少ない頻度で、抗JCV抗体価における減少またはJCV抗体の阻害パーセントにおける減少についてモニタリングすることができる。抗JCV抗体価における減少またはJCV抗体の阻害パーセントにおける減少は、患者がPMLを発症する低下した危険性を有することを示すことができる。
一実施形態では、抗JCV抗体価またはJCV抗体の阻害パーセントは、亢進された後であっても、既定のレベルを下回るまで減少したことが決定され、次いで患者は、抗VLA−4療法での治療を施与されるか、または抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定される。患者が以前に抗VLA−4を受容した場合、患者の抗VLA−4療法は、復帰させられ得る。抗VLA−4療法を復帰させた後、患者は、6ヶ月毎または毎年、JCV抗体の抗体価における減少または阻害パーセントにおける減少について評価される。
一実施形態では、患者が、PMLの危険性がより高いことが決定されると、例えば、患者が、0.5超、例えば、1.0超または1.5未満のnODによって測定される、抗JCV抗体価を有することが決定されると、患者は、再びJCV状態について試験されない。例えば、患者は、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法での治療法を停止する可能性があり、抗JCV抗体状態について再び試験されない。
一実施形態では、抗JCV抗体価または阻害パーセントを決定するため等の、本明細書に記載される患者を評価する方法は、危険性予測因子の他の測定を査定することを更に含むことができる。例えば、患者を評価する方法は、(a)患者が、抗VLA−4療法での長期治療を(例えば、24ヶ月よりも長く)受容したことがあるかどうかを決定すること、あるいは(b)患者が、指定される非抗VLA−4免疫抑制療法を(例えば、ここ2、3、5年間でまたは患者の生涯でこれまでに、ミトキサントロンまたは他の治療法を)受容したことがあるかどうかを決定することを更に含むことができる。既定のレベルを上回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有するが、指定される先の免疫抑制薬の使用がなく、かつ抗VLA−4療法での長期治療を有したことがない患者についての、PMLの相対的危険性は、既定のレベルを上回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有し、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用および抗VLA−4療法での長期治療を有する患者の相対的未満の危険性である、既定のレベルを下回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有し、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用または抗VLA−4療法での長期治療を有する患者の相対的未満の危険性である。
一実施形態では、患者は、以前に抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブを受容し、別の実施形態では、患者は、評価、例えば、抗JCV抗体価または阻害パーセントの評価に基づいて、抗VLA−4療法を施与される。例えば、評価の結果として、患者は、抗VLA−4療法に対する候補として分類され得る。一実施形態では、抗VLA−4療法に対する候補として分類される患者は更に、その治療法を施与される。
幾つかの実施形態では、階層化モデルに含まれるべき因子は、患者の年齢または性別である。
本明細書に記載される方法は、1つ以上の要因を患者の評価に組み込むことができる。したがって、別の態様では、本発明は、患者を、例えば、抗VLA−4療法での治療を受容する候補として評価する方法を特長とする。
本方法は、例えば、本明細書に記載される方法によって、例えば、患者からの生体試料中のJCウイルス(JCV)抗体価および阻害パーセントを獲得することまたは決定することを含む。抗体価または阻害パーセントが、既定のレベルを下回ることが決定される場合、患者は、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブ等の、第1の療法カテゴリーでの治療に好適であるとして分類され得る。抗体価または阻害パーセントが、既定のレベルであるかまたはそれを上回ることが決定される場合、患者は、第2の療法カテゴリー、例えば、インターフェロン、酢酸グラチラマー、またはコルチコステロイドに好適であるとして分類される。患者の試料中の抗JCV抗体価および阻害パーセントを獲得することは、生体試料を患者の身体から取り出すこと、または患者からの試料を分析することを含んでもよい。評価方法はまた、第1のカテゴリー(例えば、ナタリズマブ)または第2のカテゴリー(例えば、インターフェロン、酢酸グラチラマー、またはコルチコステロイド)等からの療法を、患者に施与することを含んでもよい。
なおも別の実施形態では、患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5未満であることが決定されるか、あるいは(ii)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5超かつ3.0未満であることが決定され、阻害パーセントが、70%以下であることが決定される場合、PMLのより低い危険性を有することが決定される。患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、1.5超であることが決定され、阻害パーセント値が、70%超であることが決定されるか、あるいは(ii)患者が、指標、nOD、または力価において、前回の試験から2倍の増加を示した場合、PMLのより高い危険性を有することが決定される。患者は、指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5超かつ1.5未満であることが決定され、阻害パーセント値が、70%超であることが決定される場合、PMLの中程度の危険性を有することが決定される。
上に論じられたように、患者を評価する方法は、1つを超える考慮事項または要因を組み込むことができる。故に、患者を評価する方法は、
(aa)患者が、抗VLA−4療法での長期治療を(例えば、24ヶ月よりも長く)受容したことがあるかどうかを決定し、実施形態において、先の抗VLA−4療法曝露分類を提供すること、または
(bb)患者が、指定される非抗VLA−4免疫抑制療法を(例えば、ここ2、3、5年間でまたは患者の生涯でこれまでに)受容したことがあるかどうかを決定し、実施形態において、先の免疫抑制薬曝露分類を提供することを更に含むことができる。
典型的に、既定のレベルを上回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有するが、指定される先の免疫抑制薬の使用がなく、かつ抗VLA−4療法での長期治療を有したことがない患者は、既定のレベルを上回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有し、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用および抗VLA−4療法での長期治療を有する患者の相対的未満の危険性である、既定のレベルを下回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有し、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用または抗VLA−4療法での長期治療を有する患者の相対的危険性よりも、PMLを発症するより少ない危険性を有するとして分類される。
一実施形態では、患者は、以前に抗VLA−4療法を受容したことがある。別の実施形態では、本方法は、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブを、患者に施与することを含む。
一実施形態では、患者は、抗VLA−4療法に対する候補として分類され、患者は更に、抗VLA−4療法を施与される。
ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月以下にわたって受容したことがあり、以前に免疫抑制療法(抗VLA−4療法以外)を受容したことがなく、かつJCVへの曝露に対して陰性(例えば、JCV抗体に対して陰性)の試験結果である患者は典型的に、PMLを発症することに対して最も低い危険性を有する。逆に、抗VLA−4療法を24ヶ月よりも長く受容し、以前に免疫抑制療法(抗VLA−4療法以外)を受容したことがあり、かつJCVへの曝露に対して陽性(例えば、JCV抗体に対して陽性)の試験結果である患者は典型的に、PMLを発症することに対して最も高い危険性を有する。
PMLに対する患者の危険性レベルは、特定される危険因子のうちの1つまたはいずれか2つまたは3つ全てを評価することによって査定することができる。例えば、抗JCV抗体価に対して陰性の試験結果である患者、例えば、多発性硬化症(MS)を有する患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定され得る。PMLに対する危険性がより低い患者は、約0.2/1000患者未満、例えば、0.11/1000以下の危険性を有する可能性がある。
ある実施形態では、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月以下(例えば、23ヶ月、22ヶ月、20ヶ月、15ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、1ヶ月以下)受容したことがあり、かつ以前に免疫抑制療法を受容したことがない患者、例えば、MSを有する患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定され得る。例えば、患者は、約0.54/1000患者というPMLの危険性を有することが決定され得る。患者は、したがって、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を約25〜48ヶ月以上(例えば、26、28、30、36、40、または48ヶ月以上)等、24ヶ月よりも長く受容したことがあり、かつ以前に免疫抑制療法を受容したことがない患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され得るか、またはPMLに対するより高い危険性を有するとして分類され得る。PMLの危険性がより高い患者は、約3.7/1000患者以上、例えば、約1.37/1000患者の危険性を有する可能性がある。患者は、したがって、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月以下にわたって(例えば、24ヶ月、22ヶ月、20ヶ月、15ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、1ヶ月以下にわたって)受容したことがあり、かつ抗JCV抗体、またはJCV核酸に対して陰性であることが決定される患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定され得るか、またはPMLに対するより低い危険性を有するとして分類され得る。例えば、患者は、0.2/1000患者以下の危険性があることが決定され得る。患者は、したがって、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、免疫抑制薬(抗VLA−4療法以外)での先の治療を受容したことがなく、かつJCVに対して陰性であることが決定される患者は、PMLに対する危険性がより低い、例えば、0.2/1000患者以下であることが決定される。患者は、したがって、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、患者ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月よりも長く(例えば、25ヶ月、26ヶ月、28ヶ月、30ヶ月、35ヶ月、38ヶ月、40ヶ月、48ヶ月、またはより長く)受容したことがあり、かつ以前に抗VLA−4療法以外の免疫抑制療法を受容したことがある患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され得る。PMLに対する危険性がより高い患者は、約0.37/1000以上、例えば、約4.3/1000患者の危険性を有する可能性がある。患者はしがたって、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補でないことが決定され得るか、またはより頻繁なモニタリングを伴う抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定され得る。例えば、抗VLA−4療法での治療法を受容する、PMLに対する危険性がより高い患者は、PMLの発症について、PMLの危険性がより低い患者よりも頻繁なモニタリングを受容する可能性がある。
ある実施形態では、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月以下にわたって(例えば、24ヶ月、22ヶ月、20ヶ月、15ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、1ヶ月以下にわたって)受容したことがあり、かつ以前に抗VLA−4療法以外の免疫抑制療法を受容したことがある患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され得る。例えば、患者は、0.66/1000患者というPMLの危険性を有することが決定され得る。患者はしがたって、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補でないことが決定され得るか、またはより頻繁なモニタリングを伴う抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定され得る。例えば、抗VLA−4療法での治療法を受容する、PMLに対する危険性がより高い患者は、PMLの発症について、PMLの危険性がより低い患者よりも頻繁なモニタリングを受容する可能性がある。
ある実施形態では、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月よりも長く(例えば、26、30、36、42、もしくは48ヶ月等の25〜48ヶ月、またはより長く)受容したことがあり、かつJCVに対して陽性であることが決定される患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定される。患者はしがたって、抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補でないことが決定され得るか、またはより頻繁なモニタリングを伴う抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月よりも長く(例えば、26、30、36、42、もしくは48ヶ月等の25〜48ヶ月、またはより長く)受容したことがあり、免疫抑制薬(抗VLA−4療法以外)での先の治療を受容したことがなく、かつJCVに対して陽性であることが決定され、PMLに対する危険性がより高いことが決定される患者。例えば、患者は、4/1000患者というPMLの危険性を有することが決定され得る。患者はしがたって、抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補でないことが決定され得るか、またはより頻繁なモニタリングを伴う抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、抗VLA−4療法以外の免疫抑制薬での先の治療を受容したことがあり、かつ抗JCV抗体またはJCV核酸に対して陽性であることが決定される患者、例えば、MS患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され得る。患者はしがたって、抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補でないことが決定され得るか、またはより頻繁なモニタリングを伴う抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、抗VLA−4療法以外の免疫抑制薬での先の治療を受容したことがあり、抗JCV抗体またはJCV核酸に対して陽性であることが決定され、かつナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月よりも長く(例えば、26、30、36、42、もしくは48ヶ月等の25〜48ヶ月、またはより長く)受容したことがある患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され得る。例えば、患者は、9.8/1000患者の危険性を有することが決定され得る。患者はしがたって、抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補でないことが決定され得るか、またはより頻繁なモニタリングを伴う抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月以下にわたって(例えば、24ヶ月、22ヶ月、20ヶ月、15ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、1ヶ月以下にわたって)受容したことがあり、抗VLA−4療法以外の免疫抑制薬での先の治療を受容したことがあり、かつJCVに対して陽性であることが決定される患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され得る。例えば、患者は、4.5/1000患者というPMLの危険性を有することが決定され得る。患者はしがたって、抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補でないことが決定され得るか、またはより頻繁なモニタリングを伴う抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定され得る。
ある実施形態では、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月以下にわたって(例えば、24ヶ月、22ヶ月、20ヶ月、15ヶ月、12ヶ月、6ヶ月、1ヶ月以下にわたって)受容したことがあり、免疫抑制薬(抗VLA−4療法以外)での先の治療を受容したことがなく、かつJCVに対して陽性であることが決定される患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され得る。例えば、患者は、0.35/1000患者というPMLの危険性を有することが決定され得る。患者はしがたって、抗VLA−4療法での更なる治療を受容する候補でないことが決定され得るか、またはより頻繁なモニタリングを伴う抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることが決定され得る。
PMLを発症するより低い危険性を有することが決定される患者は、約0.54/1000患者以下、例えば、0.25/1000以下、0.2/1000以下、0.19/1000、0.15/1000以下、0.11/1000以下、0.1/1000以下、例えば、0.3/1000、0.25/1000、0.2/1000、0.19/1000、0.15/1000、0.11/1000、もしくは0.1/1000の、またはより低い危険性を有することが決定され得る。PMLのより高い危険性を有することが決定される患者は、約0.54/1000以上、例えば、約0.55/1000、約0.60/1000、約0.66/1000、約1.2/1000、約1.37/1000、約2.0/1000、約2.5/1000、約3.0/1000、約4.3/1000、約5.0/1000、約7.8/1000、約8.0/1000の、またはより高い危険性を有することが決定され得る。例えば、PMLのより高い危険性を有することが決定される患者は、0.3/1000、0.35/1000、0.5/1000、0.66/1000、1.2/1000、1.37/1000、2.0/1000、2.5/1000、3.0/1000、4.3/1000、5.0/1000、7.8/1000、8.0/1000の、またはより高い危険性を有することが決定され得る。
一実施形態では、抗VLA−4療法での先の治療を24ヶ月よりも長く受容したことがあり、抗VLA−4療法以外の免疫抑制薬での先の治療法を受容したことがなく、かつJCV陰性であることが決定される患者は、PMLを発症する危険性がより低いことが決定され、したがってナタリズマブ等の抗VLA−4療法での更なる治療を受容する好適な候補である。しかしながら、抗VLA−4療法を24ヶ月よりも長く受容したことがあることに起因して、危険性査定は、PMLの発症を示し得る症状等の有害症状の発症について、患者をより頻繁にモニタリングすることの推奨を含む可能性がある。
PMLの発症についての患者の強化されたモニタリングは、JCVの存在を特定するための増加した頻度の試験実施、例えば、抗JCV抗体アッセイまたは核酸ベースのアッセイによる増加した試験実施を含む可能性がある。強化されたモニタリングはまた、PMLに起因する脳の病変を特定するためのMRI走査も含む可能性がある。
一実施形態では、あらかじめ選択されている基準未満の抗JCV抗体を有する患者は、抗JCV抗体の検出不可能なレベルを有する。
一実施形態では、患者は、以前に抗VLA−4療法を受容したことがあり、別の実施形態では、患者は、以前に抗VLA−4療法を受容したことがない。
なおも別の実施形態では、患者は、抗VLA−4療法に対する候補として分類され、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブが、患者に施与される。
一実施形態では、決定を下すこと、例えば、患者がJCVに対して陰性であるかどうかを決定することは、患者からの生体試料を提供すること(例えば、それを得るまたは受容すること)、および試料中のJCV抗体を検出するためのELISAアッセイ等の免疫測定法を行うことを必要とする。別の実施形態では、決定、例えば、患者がJCVに対して陰性であるかどうかを決定することは、患者からの生体試料を提供すること、および試料中のJCV核酸を検出するためのPCRベースのアッセイ等のアッセイを行うことを必要とする。
患者が、抗VLA−4療法に対する候補として分類される場合、患者は更に、抗VLA−4療法を施与され得る。抗VLA−4療法に対する候補として分類される患者は、PMLを発症することに対してより低い危険性、例えば、約0.2/1000患者未満、例えば、0.3/1000患者、または0.2/1000患者、または0.19/1000患者、または0.11/1000患者の危険性を有することが決定される。例えば、PMLのより低い危険性を有する患者は、0.2/1000以下の危険性を有する可能性がある。
抗VLA−4療法に対する候補として分類されないか、またはPMLの発症についての強化されたモニタリングによる抗VLA−4療法に対する候補であることが決定される患者は、PMLを発症することに対してより高い危険性、例えば、約0.3.7/1000患者以上の危険性を有することが決定される。例えば、PMLのより高い危険性を有することが決定される患者は、0.37/1000、0.35/1000、0.66/1000、1.2/1000、1.37/1000、2.5/1000、4.3/1000、または7.8/1000患者の危険性を有する可能性がある。
ある実施形態では、先の免疫抑制薬曝露分類は、選択される場合、次のうちの1つである:
非抗VLA−4免疫抑制薬での療法を、あらかじめ選択されている時間枠内で、例えば、1、3、もしくは5年以内、または患者の一生涯で受容したことがあることに対応する、陽性の先の免疫抑制薬曝露分類、および
非抗VLA−4免疫抑制療法を、あらかじめ選択されている時間枠にわたって、例えば、1、3、もしくは5年以内、または患者の一生涯で受けていないことに対応する、陰性の先の免疫抑制薬曝露分類。
ある実施形態では、先のVLA−4療法曝露分類は、選択される場合、次のうちの1つである:
抗VLA−4療法を、あらかじめ選択されている一定期間を超えて、例えば、1、2、3、または5年以上受容したことがあることに対応する、陽性の先のVLA−4療法曝露分類、および
抗VLA−4療法を、あらかじめ選択されている一定期間未満、例えば、6ヶ月、1、2、3、または5年未満にわたって受容したことがあることに対応する、陰性の先のVLA−4療法曝露分類。
ある実施形態では、本方法は、例えば、次のうちの1つから選択され得る、治療適合性分類を提供することを含む:
抗VLA−4治療に対する患者の適合性と相関する、正の治療適合性分類(正の治療適合性分類は、PMLの発症についての増加したモニタリング等の、モニタリングに対する種々の警告または必要性を伴う、正の治療適合性分類へと更に細分することができる)、および
抗VLA−4治療に対する患者の不適合性、またはPMLの発症について等の増加したモニタリングに対する種々の警告または必要性を伴う抗VLA−4治療に対する患者の適合性と相関する、負の治療適合性分類。
正の治療適合性分類は、PMLを発症するより低い危険性と相関し、負の治療適合性分類は、PMLを発症するより高い危険性と相関する。PMLを発症するより低い危険性は典型的に、0.2/1000患者未満の危険性に対応し、PMLを発症するより高い危険性は、0.37/1000以上の危険性に対応する。
患者が、低い曝露分類、および陰性のJCV状態分類を割り当てられる場合、患者は、正の治療適合性分類、例えば、PMLの発症についてのモニタリングを忠告または必要とする、修正された正の治療適合性分類を割り当てられる。
患者が、陰性の先の免疫抑制薬曝露分類、および陰性の抗JCV抗体状態分類を割り当てられる場合、患者は、正の治療適合性分類、例えば、PMLの発症についてのモニタリングを忠告または必要とする、修正された正の治療適合性分類を割り当てられ得る。
患者が、低い曝露分類、陰性の先の免疫抑制薬曝露分類、および陰性のJCV抗体分類を割り当てられる場合、患者は、正の治療適合性分類を割り当てられる。
一実施形態では、患者は、正の治療適合性分類を割り当てられ、患者は更に、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブを施与される。
一態様では、患者を評価する、例えば、PMLを発症する患者の危険性を評価する方法もまた、提供される。本方法は、
(aaa)抗JCV抗体のレベルが、例えば、本明細書に開示される方法によって決定される、あらかじめ選択されている基準未満であるかそれともあらかじめ選択されている基準超であるかを決定すること等によって、患者がJCVに対して陰性であるかそれとも陽性であるかを決定することと、
(bbb)患者が抗VLA−4療法を、あらかじめ選択されている一定期間を超えて(例えば、24ヶ月よりも長く)、もしくはあらかじめ選択されている一定期間未満、例えば、24ヶ月以下にわたって受容したことがあるかどうか、または抗VLA−4療法を、あらかじめ選択されている期間中、例えば、ここ2、3、5年間、もしくは患者の生涯でこれまでに受容したことがないかどうかを決定することと、
(ccc)患者が非抗VLA−4免疫抑制療法を、あらかじめ選択されている一定期間にわたって受けなかったかどうか、または非抗VLA−4免疫抑制療法を、あらかじめ選択されている一定期間(指定される時間)にわたって(例えば、ここ1、2、3、4、5、もしくは10年間、または患者の生涯でこれまでに)受容したことがあるかどうかを決定し、その決定に応答して、患者を評価することとを含む。
ある実施形態では、患者がJCVに対して陰性であるという決定に応答して、患者がPMLを発症する危険性がより低いことを決定すること。
ある実施形態では、患者がJCVに対して陽性であるという決定に応答して、患者がPMLのより高い危険性を有することを決定すること。
ある実施形態では、決定、例えば、患者がJCVに対して陰性であることを決定することは、試料を患者の身体から取り出すこと、または患者からの試料を分析することを含むか、またはそれらを必要とし、あるいは本方法は、治療法を患者に施与することを更に必要とする。治療法は、例えば、危険性のより低い患者の場合、抗VLA−4療法(例えば、抗VLA−4抗体)、または例えば、危険性のより低い患者の場合、代替(非抗VLA−4)療法、例えば、インターフェロン、酢酸グラチラマー、またはコルチコステロイドであり得る。
一態様では、指示を順守する方法が提供される。指示は、例えば、政府により要求されるパッケージ挿入物、例えば、FDA(食品医薬品局)またはEMA(欧州医薬品庁)により義務付けられるパッケージ上に現れ、抗VLA−4療法の使用についてのガイダンスを提供してもよい。指示を順守する方法は、任意に指示書を受容することと、本明細書に記載される評価法の結果を獲得し、獲得された結果に応答して、患者への療法に対する推奨を提供することと、任意に、更に、治療法を患者に施与することとを含む。指示書は、治療法を安全に施与するために必須である、本明細書に記載される評価法を指定することができる。治療法は、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブであってもよい。
患者を評価する方法が提供され、本方法は、医療提供者への患者試料の収集または輸送のためのキットを提供することと、医療提供者から患者試料を受容することと、本明細書に特許請求される方法を行うこととを必要とする。
患者を治療する方法もまた、提供される。本方法は、本明細書に記載される患者または試料評価法の結果を獲得し、獲得された結果に応答して、治療法を患者に施与することを必要とする。治療法は、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法であり得る。例として、例えば、ステップ(a)および(b)、ステップ(a)、(b)、および(c)、ステップ(a)、(b)、(c)、および(d)、ステップ(c)、またはステップ(c)および(d)の結果に応答して、治療法、例えば、本明細書に記載される治療法を、患者に施与すること。
抗VLA−4療法の費用等に対する還付を許可する、コンピュータ処理による方法もまた、提供される。還付対象の当事者は、保険会社または政府機関等の、第三者支払人であってもよい。本方法は、(a)本明細書に記載される患者評価法の結果を獲得し、結果をコンピュータ可読媒体上に記録することと、(b)患者への抗VLA−4療法の施与の証拠を獲得し、証拠をコンピュータ可読媒体上に記録することと、(c)結果が抗VLA−4療法の施与と一貫する場合、当事者への還付を許可すること、または当事者に還付することとを含むことができる。
一態様では、患者を、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブでの治療を受容する候補として、選択または分類するための方法が提供される。例えば、本方法は、患者が以前に抗VLA−4療法を、24ヶ月以下にわたって、例えば、1〜24ヶ月、2〜20ヶ月、5〜15ヶ月、もしくは10〜12ヶ月にわたって受容したことがあること、または患者が以前に免疫抑制薬での治療を受容したことがないことを決定し、抗JCV抗体価または阻害パーセントを査定することを含むことができる。一実施形態では、査定することは、患者からの試料を分析することを伴う。試料は、例えば、血液、血漿、血清、尿、または脳脊髄液の試料であることができる。査定が、患者がJCVに対して陽性、例えば、抗JCV抗体またはJCV核酸に対して陽性であることを示す場合、患者は、抗VLA−4療法での治療に対する候補として選択または分類されない。査定が、患者がJCVに対して陰性、例えば、抗JCV抗体またはJCV核酸に対して陰性であることを示す場合、患者は、抗VLA−4療法での治療を受容する候補として選択しているかまたはそのように分類される。
抗JCV抗体の存在についてのアッセイは、ELISAアッセイ等の免疫測定法であり得る。JCV核酸についてのアッセイは、例えば、PCRアッセイまたは次世代シークエンシング(NGS)法であり得る。
PMLに対する危険性がより低いことが決定される患者は更に、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を施与され得る。PMLに対する危険性がより高いことが決定される患者は更に、インターフェロン、酢酸グラチラマー、コルチコステロイド、またはTNFアゴニスト等の、抗VLA−4療法の代替手段を施与され得る。一実施形態では、PMLに対する危険性がより高いことが決定される患者は更に、抗VLA−4療法を施与され得、PMLについての増加した頻度の試験実施を受容することを必要とされ得、その患者が最初にJCV陰性であることが決定される場合、JCVについての増加した頻度の試験実施を受容することもまた必要とされ得る。
一態様では、PMLに対する患者の危険性を決定する方法が提供される。本方法は、(a)患者が以前に抗VLA−4療法(例えば、ナタリズマブ)を24ヶ月以下にわたって受容したことがあること、または患者が以前に免疫抑制薬での治療を受容したことがないことを決定することと、(b)患者の抗JCV抗体状態を査定することと(査定するステップは、患者からの試料を分析することを含む)を含む。査定が、患者がJCV陰性であることを示す場合、患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定される。査定が、患者がJCV陽性であることを示す場合、患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定される。
別の態様では、患者を治療する方法が提供される。治療方法は、例えば、患者の抗VLA−4療法への先の曝露量を決定すること、および患者が以前に免疫抑制薬での治療を受容したかどうかを決定することを含む。任意に、JCVに対する患者の状態もまた、決定することができる。
患者が抗VLA−4療法を、24ヶ月以下にわたって受容したことがあること、および以前に免疫抑制薬での治療を受容したことがないことが決定される場合、患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定され、患者は、抗VLA−4療法を施与される。患者がナタリズマブを、24ヶ月よりも長く(例えば、25ヶ月またはより長く)受容したことがあること、および以前に免疫抑制薬での治療を受容したことがないことが決定される場合、患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され、患者は、抗VLA−4療法の代替手段、例えば、インターフェロン、コルチコステロイド、スタチン、またはTNFアンタゴニストを施与される。
患者の抗VLA−4療法または免疫抑制薬への先の曝露量を決定することは、患者またはケアをする者、例えば、医師、看護師、親、または他のケアをする者に尋ねることを含む可能性がある。場合によっては、患者の先の曝露量を決定することは、データベース、例えば、医療記録のデータベース内の情報にアクセスすることを含むことができる。
また、PMLに対する患者の危険性を決定する方法も提供される。本方法は、患者の抗VLA−4療法への以前の曝露量を決定すること、および患者が以前に免疫抑制薬での治療を受容したかどうかを決定することを含む。任意に、患者の抗JCV抗体状態がまた、決定されてもよい。患者が抗VLA−4療法を、24ヶ月以下にわたって受容したことがあること、および以前に免疫抑制薬での治療を受容したことがないことが決定される場合、患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定される。患者が抗VLA−4療法を、24ヶ月よりも長く受容したことがあること、および以前に免疫抑制薬での治療を受容したことがないことが決定される場合、患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定される。PMLに対する危険性がより低いことが決定される患者は更に、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブを施与されてもよい。逆に、PMLに対する危険性がより高いことが決定される患者は更に、抗VLA−4療法の代替手段、例えば、インターフェロン、コルチコステロイド、スタチン、またはTNFアンタゴニストを施与されてもよい。
一実施形態では、患者のJCV状態がまた決定され、患者がJCV陰性であることが決定される場合、患者がJCV陽性であることが決定された場合よりも、患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定される。
別途既定されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の専門家によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および物質と同様または同等の方法および物質は、本発明の実施または試験で使用することができるが、好適な方法および物質が下に記載される。本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。対立する場合には、定義を含む、本明細書が支配力を有するものとする。加えて、物質、方法、および例は、例証的なものにすぎず、限定するようには意図されない。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
試料中の抗JCV抗体のレベルを評価する方法であって、
(a)試料の第1のアリコートおよびHPVLPが上に配置される基質を含む、第1の反応混合物を形成することと、
(b)HPVLPが上に配置される前記基質に結合した抗JCV抗体のレベルを、前記基質に結合した抗JCV抗体に結合している、標識された検出試薬を検出することによって、検出することと、を含み、
(i)20ngs〜60ngsのHPVPが前記基質上に配置されること、および(ii)試料対基質の比率が1:50〜1:30であることのうちの一方または両方が満たされ、
それによって試料中の抗JCV抗体のレベルを評価する、方法。
(項目2)
前記試料、例えば、血清が、例えば、緩衝液中で、例えば、約100倍、前記基質との接触前に希釈される、項目1に記載の方法。
(項目3)
検出は、酵素で標識された抗体、例えば、酵素で標識されたIgG、例えば、HRPで標識されたIgGを用いる、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記検出試薬、例えば、HRPで標識されたIgGは、少なくとも0.01μg/mL、0.02μg/mL、0.03μg/mL、0.04μg/mL、0.05μg/mL、0.06μg/mL、または0.08μg/mLの濃度で添加される、項目3に記載の方法。
(項目5)
(c)試料の第2のアリコートおよび溶液相HPVLPを含有する、第2の反応混合物を形成し、前記第2の反応混合物中の結合していない抗JCV抗体のレベルを、HPVLPが上に配置される基質と結合できる抗JCV抗体を検出すること等によって、検出することと、
任意に(d)前記試料中の抗JCV抗体がHPVLPまたは他の抗原によって結合しない条件下で、第3のアリコートを含有する第3の反応混合物を形成し、前記第3の反応混合物中の結合していない抗JCV抗体のレベルを、HPVLPが上に配置される基質と結合できる抗JCV抗体を検出すること等によって、検出することと、を更に含み、
干渉についての値を提供する、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第2の反応混合物中の前記検出されたレベルを、前記第3の反応混合物中の前記検出されたレベルと比較することを含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記比較することは、前記第2の反応混合物中のHPVLPの存在が、前記第3の反応混合物中の結合していない抗体のレベルと比較して、前記第2の反応混合物中の結合していない抗JCV抗体のレベルを阻害するレベルを決定することを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記阻害は、45%未満であり、任意に、前記試料は、陰性として分類される、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記阻害は、45%以上であり、前記試料は、陽性として分類される、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記方法は、項目1のステップbにおいて検出される抗JCV抗体のレベル、例えば、nOD値が0.2未満かつ0.4未満であることに応答して行われ、ステップcおよびdに進む、項目5に記載の方法。
(項目11)
前記試料、例えば、血清が、例えば、緩衝液中で、例えば、約100倍、前記第2の反応混合物を形成する前に希釈される、項目5に記載の方法。
(項目12)
前記試料、例えば、血清が、例えば、緩衝液中で、例えば、約100倍、前記第3の反応混合物を形成する前に希釈される、項目5に記載の方法。
(項目13)
前記第2および第3の反応混合物のうちの一方または両方についての検出は、酵素で標識された抗体、例えば、酵素で標識されたIgG、例えば、HRPで標識されたIgGを用いる、項目5に記載の方法。
(項目14)
前記第2および第3の反応混合物のうちの一方または両方についての検出は、少なくとも0.01μg/mL、0.02μg/mL、0.03μg/mL、0.04μg/mL、0.05μg/mL、0.06μg/mL、または0.08μg/mLの濃度で添加される、HRPで標識されたIgGを用いる、項目3に記載の方法。
(項目15)
ステップbにおいて、例えば、約1のスコアを有する標準物質、例えば、カットオフ検量用試料を評価することを更に含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
ステップbにおいて、例えば、約1.3のスコアを有する標準物質、例えば、陽性対照を評価することを更に含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
ステップbにおいて、例えば、約0.1のスコアを有する標準物質、例えば、陰性対照を評価することを更に含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
項目1に記載の基質を含む、キット。
(項目19)
前記基質は、マルチウォール(multiwall)プレート、例えば、96ウェルプレート上に提供される、項目18に記載のキット。
(項目20)
溶液中のHPVLP;ヒト血清の試料である、JCVカットオフ検量用試料、抗JCV抗体陽性対照、およびJCV陰性対照;ならびにJCV抗原に結合した抗JCV抗体を含有する複合体を検出するための試薬のうちの1つ以上または全てを更に含む、項目18に記載のキット。
(項目21)
前記検出試薬は、TMB(テトラメチルベンジジン)、洗浄緩衝液、および停止試薬のうちの1つ以上である、項目20に記載のキット。
(項目22)
進行性多巣性白質脳症(PML)を発症する患者の危険性を評価する方法であって、前記方法は、
前記患者からの生体試料中の抗JCV抗体確認アッセイにおいて、nOD、指標、もしくは他の単位として表されるJCウイルス(JCV)抗体価、または阻害パーセントとして表される親和性もしくは結合活性等の他の特性を決定することを含み、
前記力価もしくは/および阻害パーセント、または両方の値の関数が、既定のレベルを上回るかまたは下回ることが決定される場合、前記患者は、PMLを発症する危険性がより低いことが決定され、
前記力価もしくは/および阻害パーセント、または両方の値の関数が、既定のレベルを上回るかまたは下回ることが決定される場合、前記患者は、PMLを発症する危険性が中程度であることが決定され、
前記力価もしくは/および阻害パーセント、または両方の値の関数が、既定のレベルであるかまたはそれを上回ることが決定される場合、前記患者は、PMLを発症する危険性がより高いことが決定され、更に、
(i)前記患者の試料中の前記抗JCV抗体価または阻害パーセントを決定することが、生体試料を前記患者の身体から取り出すこと、または前記患者からの試料を分析することを含むか、あるいは
(ii)前記患者が、PMLを発症する危険性がより低いことが決定される場合、治療法を前記患者に施与すること、のいずれかを条件とする、方法。
(項目23)
前記患者は、PMLを発症する危険性がより低いことが決定され、前記患者は、抗VLA−4療法を施与される、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記患者は、
(i)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、0.5未満であることが決定されるか、あるいは
(ii)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、0.5超かつ3.0未満であることが決定され、前記阻害パーセントが、70%以下であることが決定される場合、PMLのより低い危険性を有することが決定される、項目22に記載の方法。
(項目25)
前記患者は、
(i)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、0.5超かつ1.5未満であることが決定され、かつ
(ii)前記阻害パーセント値が、70%超であることが決定される場合、PMLの中程度の危険性を有することが決定される、項目22に記載の方法。
(項目26)
前記患者は、
(i)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、3超であることが決定され、前記阻害パーセント値が、70%超であることが決定されるか、あるいは
(ii)前記患者が、指標、nOD、または力価において、前回の試験から2倍の増加を示した場合、PMLのより高い危険性を有することが決定される、項目22に記載の方法。
(項目27)
抗JCV抗体の阻害パーセントは、
(i)前記対象からの生体試料を、溶液中の高度に精製されたVP1粒子(HPVLP)と、HPVLPへの前記試料中における抗JCV抗体の結合に好適な条件下で接触させることと、
(ii)HPVLPに結合した前記JCV抗体を前記溶液から分離して、二次試料を作り出すことと、
(iii)前記二次試料を、HPVLPと、(i)と同じ条件下で接触させることと、
(iv)前記二次試料中におけるHPVLPへの抗JCV抗体結合のレベルを検出することと、によって測定される、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記抗JCV抗体価は、
(i)前記生体試料を、HPVLPと、HPVLPへの前記試料中における抗JCV抗体の結合に好適な条件下で接触させることと、
(ii)HPVLPへの前記試料中における抗JCV抗体結合のレベルを検出することと、
(iii)前記検出されたレベルを参照集合と相関させることと、を含むアッセイによって測定され、前記参照集合は、3%を超えない偽陰性率を示すように選択される、項目22に記載の方法。
(項目29)
前記抗JCV抗体価は、VIDAS(登録商標)アッセイ(bioMerieux)を使用することによって測定される、項目22に記載の方法。
(項目30)
前記アッセイは、前記生体試料がJCV抗体を含有しないことを示し、
(iv)前記対象からの前記生体試料の一部分を、溶液中のHPVLPと、ステップ(i)の前に接触させることであって、ステップ(i)の前記HPVLPは、固体基質に結合され、それによって二次試料を提供する、接触させることと、
(v)前記二次試料を、HPVLPと、(i)と同じ条件下で接触させることと、
(vi)前記二次試料中におけるHPVLPへの抗JCV抗体結合のレベルを検出することと、
(vii)前記二次試料中における抗JCV抗体の前記検出されたレベルを、HPVLPを含まない前記溶液でインキュベートされたときの前記生体試料中における結合のレベルと比較することと、を更に含み、前記溶液でインキュベートされた試料と比較した、HPVLPでプレインキュベートされた前記試料中の前記検出されたレベルにおける減少は、前記試料が、抗JCV抗体に対して陽性であることを示し、前記検出されたレベルにおける変化のなさは、抗JCV抗体が前記試料中に何ら存在しないことを示す、項目28に記載の方法。
(項目31)
前記アッセイは、前記生体試料がJCV抗体を含有することを示し、前記患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定される、項目28に記載の方法。
(項目32)
前記アッセイは、前記生体試料がJCV抗体を含有することを示し、前記患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定される、項目30に記載の方法。
(項目33)
前記患者は、
(i)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、0.5未満であることが決定されるか、あるいは
(ii)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、0.5超かつ3.0未満であることが決定され、前記阻害パーセントが、70%以下であることが決定される場合、PMLのより低い危険性を有することが決定される、項目30に記載の方法。
(項目34)
前記患者は、
(i)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、3超であることが決定され、前記阻害パーセント値が、70%超であることが決定されるか、あるいは
(ii)前記患者が、指標、nOD、または力価において、前回の試験から2倍の増加を示した場合、PMLのより高い危険性を有することが決定される、項目30に記載の方法。
(項目35)
前記アッセイは、前記生体試料がJCV抗体を含有しないことを示し、前記患者は、PMLに対する危険性がより低いことが決定される、項目30に記載の方法。
(項目36)
前記抗JCV抗体価または阻害パーセントは、6ヶ月または12ヶ月間隔で再試験される、項目22に記載の方法。
(項目37)
抗体価または阻害パーセントにおける増加は、PMLを発症する前記患者の危険性における増加を示す、項目36に記載の方法。
(項目38)
抗JCV抗体価における2倍以上の増加は、PMLを発症する増加した危険性を示す、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記評価は、抗VLA−4療法の施与前に生じる、項目22に記載の方法。
(項目40)
前記評価は、前記患者が抗VLA−4療法を開始した後に生じる、項目22に記載の方法。
(項目41)
前記患者は、PMLの危険性がより低いことが決定され、前記患者は、抗VLA−4療法を施与される、項目22に記載の方法。
(項目42)
前記患者は、PMLの危険性がより高いことが決定され、前記患者は、抗VLA−4療法を施与される、項目22に記載の方法。
(項目43)
前記抗VLA−4療法は、ナタリズマブである、項目22に記載の方法。
(項目44)
前記患者は、PMLに対する増加した危険性を有することが決定され、前記患者は更に、前記抗VLA−4療法を受容することを停止する、項目37に記載の方法。
(項目45)
前記患者は、PMLに対する危険性がより高いことが決定され、前記患者は、抗VLA−4療法の代替手段、例えば、インターフェロン、酢酸グラチラマー、またはコルチコステロイドを施与される、項目22に記載の方法。
(項目46)
前記患者は、一定間隔で、抗JCV抗体価における減少またはJCV抗体の阻害パーセントにおける減少についてモニタリングされ、抗JCV抗体価における減少またはJCV抗体の阻害パーセントにおける減少は、前記患者がPMLを発症する低下した危険性を有することを示す、項目44に記載の方法。
(項目47)
前記JCV力価またはJCV抗体の阻害パーセントは、既定のレベルを下回るまで減少したことが決定され、前記患者の抗VLA−4療法は、復帰させられる、項目44に記載の方法。
(項目48)
前記患者は、6ヶ月毎または毎年、JCV抗体の抗体価における減少または阻害パーセントにおける減少について評価される、項目46に記載の方法。
(項目49)

(a)前記患者が、抗VLA−4療法での長期治療を(例えば、24ヶ月よりも長く)受容したことがあるかどうかを決定すること、または
(b)前記患者が、指定される非抗VLA−4免疫抑制療法を(例えば、ここ2、3、5年間でまたは前記患者の生涯でこれまでに)受容したことがあるかどうかを決定すること、を更に含み、
既定のレベルを上回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有するが、指定される先の免疫抑制薬の使用がなく、かつ抗VLA−4療法での長期治療を有したことがない患者についてのPMLの前記相対的危険性は、既定のレベルを上回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有し、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用および抗VLA−4療法での長期治療を有する患者の前記相対的未満の危険性である、既定のレベルを下回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有し、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用または抗VLA−4療法での長期治療を有する患者の前記相対的未満の危険性である、項目22に記載の方法。
(項目50)
前記患者は、以前に抗VLA−4療法を受容したことがある、項目49に記載の方法。
(項目51)
抗VLA−4療法を前記患者に施与することを更に含む、項目49に記載の方法。
(項目52)
前記抗VLA−4療法は、ナタリズマブ療法である、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記患者は、抗VLA−4療法に対する候補として分類され、前記患者は更に、前記抗VLA−4療法を施与される、項目49に記載の方法。
(項目54)
患者を、例えば、抗VLA−4療法での治療を受容する候補として、評価する方法であって、前記方法は、
前記患者からの生体試料中のJCウイルス(JCV)抗体価および阻害パーセントを獲得することを含み、
前記抗体価または阻害パーセントが、既定のレベルを下回ることが決定される場合、前記患者は、第1の療法カテゴリーでの治療に好適であるとして分類され、
前記抗体価または阻害パーセントが、既定のレベルであるかまたはそれを上回ることが決定される場合、前記患者は、第2の療法カテゴリーに好適であるとして分類され、
更に、
(i)前記患者の試料中の前記抗JCV抗体価および阻害パーセントを獲得することが、生体試料を前記患者の身体から取り出すこと、または前記患者からの試料を分析することを含むか、あるいは
(ii)前記方法が、前記第1のカテゴリーまたは前記第2のカテゴリーからの治療法を前記患者に施与することを更に含むこと、のいずれかを条件とし、
それによって前記患者を評価する、方法。
(項目55)
前記第1の療法カテゴリーは、抗VLA−4療法、例えば、抗VLA−4抗体療法、例えば、ナタリズマブである、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記第2の療法カテゴリーは、インターフェロン、酢酸グラチラマー、またはコルチコステロイドである、項目54に記載の方法。
(項目57)
前記患者は、第1の療法カテゴリーでの治療に好適であるとして分類され、前記患者は更に、ナタリズマブを施与される、項目54に記載の方法。
(項目58)
前記患者は、第2の療法カテゴリーでの治療に好適であるとして分類され、前記患者は更に、インターフェロン、酢酸グラチラマー、またはコルチコステロイドを施与される、項目54に記載の方法。
(項目59)
前記患者は、
(i)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、0.5未満であることが決定されるか、あるいは
(ii)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、0.5超かつ3.0未満であることが決定され、前記阻害パーセントが、70%以下であることが決定される場合、PMLのより低い危険性を有することが決定される、項目54に記載の方法。
(項目60)
前記患者は、
(i)指標値またはnODによって示される前記抗JCV抗体価が、3超であることが決定され、前記阻害パーセント値が、70%超であることが決定されるか、あるいは
(ii)前記患者が、指標、nOD、または力価において、前回の試験から2倍の増加を示した場合、PMLのより高い危険性を有することが決定される、項目54に記載の方法。
(項目61)
(a)前記患者が、抗VLA−4療法での長期治療を(例えば、24ヶ月よりも長く)受容したことがあるかどうかを決定すること、または
(b)前記患者が、指定される非抗VLA−4免疫抑制療法を(例えば、ここ2、3、5年間でまたは前記患者の生涯でこれまでに)受容したことがあるかどうかを決定すること、を更に含み、
既定のレベルを上回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有するが、指定される先の免疫抑制薬の使用がなく、かつ抗VLA−4療法での長期治療を有したことがない患者は、既定のレベルを上回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有し、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用および抗VLA−4療法での長期治療を有する患者の前記相対的未満の危険性である、既定のレベルを下回る抗JCV抗体価または阻害パーセントを有し、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用または抗VLA−4療法での長期治療を有する患者の前記相対的危険性よりも、PMLを発症するより少ない危険性を有するとして分類される、項目33に記載の方法。
(項目62)
前記患者は、以前に抗VLA−4療法を受容したことがある、項目61に記載の方法。
(項目63)
抗VLA−4療法を前記患者に施与することを更に含む、項目61に記載の方法。
(項目64)
前記抗VLA−4療法は、ナタリズマブ療法である、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記患者は、抗VLA−4療法に対する候補として分類され、前記患者は更に、前記抗VLA−4療法を施与される、項目61に記載の方法。
(項目66)
進行性多巣性白質脳症(PML)を発症する患者の危険性を評価する方法であって、前記方法は、
(a)前記患者がJCウイルス(JCV)への曝露に対して陰性であるかそれとも陽性であるかを決定すること、
(b)前記患者が、抗VLA−4療法での長期治療を(例えば、24ヶ月よりも長く)受容したことがあるかどうかを決定すること、または
(c)前記患者が、指定される非抗VLA−4免疫抑制療法を(例えば、ここ2、3、5年間でまたは前記患者の生涯でこれまでに)受容したことがあるかどうかを決定することと、
前記患者がJCVへの曝露に対して陰性であるという決定に応答して、患者がPMLを発症する危険性が比較的低いこと、または前記患者がJCVに対して陽性であるという決定に応答して、前記患者がPMLを発症する比較的より高い危険性を有することを決定することと、を含み
JCVに曝露されたことがあるが、指定される先の免疫抑制薬の使用がなく、かつ抗VLA−4での長期治療を有したことがない患者についてのPMLの前記相対的危険性は、JCVに曝露されたことがあり、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用および抗VLA−4での長期治療を有する患者の前記相対的未満の危険性である、JCVに曝露されたことがあり、かつ指定される先の免疫抑制薬の使用または抗VLA−4での長期治療を有する患者の前記相対的未満の危険性である、方法。
(項目67)
更に、(i)前記患者がJCVに対して陰性であることを決定することが、試料を前記患者の身体から取り出すこと、または前記患者からの試料を分析することを含むか、あるいは(ii)前記方法が、治療法を前記患者に施与すること、例えば、抗VLA−4療法、例えば、抗VLA−4抗体、または代替治療、例えば、インターフェロン、酢酸グラチラマー、もしくはコルチコステロイドを、前記患者に施与することを更に含むこと、のいずれかを条件とする、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記患者は、以前に抗VLA−4療法を受容したことがある、項目66に記載の方法。
(項目69)
抗VLA−4療法を前記患者に施与することを更に含む、項目66に記載の方法。
(項目70)
前記抗VLA−4療法は、ナタリズマブ療法である、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記患者がJCVに対して陰性であるかどうかを決定することは、前記患者からの生体試料を提供することと、免疫測定法を行って、前記試料中のJCV抗体を検出することと、を含む、項目66に記載の方法。
(項目72)
前記免疫測定法は、ELISAアッセイである、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記免疫測定法は、IgGアイソタイプ、IgMアイソタイプ、IgAアイソタイプ、またはIgEアイソタイプであるJCV抗体を検出する、項目71に記載の方法。
(項目74)
前記試料は、前記免疫測定法の実施前に1〜14日間、2〜8℃で保管される、項目71に記載の方法。
(項目75)
前記患者がJCVに対して陰性であるかどうかを決定することは、前記患者からの生体試料を提供することと、アッセイを行って、前記試料中のJCV核酸を検出することと、を含む、項目66に記載の方法。
(項目76)
前記患者は、抗VLA−4療法に対する候補として分類され、前記患者は更に、前記抗VLA−4療法を施与される、項目66に記載の方法。
(項目77)
PMLを発症する危険性がより低い患者は、約0.3/1000未満の危険性、例えば、0.11/1000以下を有する、項目66に記載の方法。
(項目78)
PMLを発症することに対する危険性がより高い患者は、PMLを発症することに対して約0.3/1000以上の危険性、例えば、0.35/1000、1.2/1000、2.5/1000、または7.8/1000を有する、項目66に記載の方法。
(項目79)
前記患者は、JCVに対して陽性であり、前記患者は、あらかじめ選択されている一定期間未満にわたって抗VLA−4療法を受容したことがあり、前記患者は、非抗VLA−4免疫抑制療法を、あらかじめ選択されている一定期間にわたって受けたことがなく、その決定に応答して、前記患者は、約0.35/1000というPMLを発症する危険性を有することが決定される、項目66に記載の方法。
(項目80)
前記患者は、JCVに対して陽性であり、前記患者は、あらかじめ選択されている一定期間未満にわたって抗VLA−4療法を受容したことがあり、前記患者は、非抗VLA−4免疫抑制療法を、あらかじめ選択されている一定期間にわたって受容したことがあり、その決定に応答して、前記患者は、約1.2/1000というPMLを発症する危険性を有することが決定される、項目66に記載の方法。
(項目81)
前記患者は、JCVに対して陽性であり、前記患者は、あらかじめ選択されている一定期間を超えて抗VLA−4療法を受容したことがあり、前記患者は、非抗VLA−4免疫抑制療法を、あらかじめ選択されている一定期間にわたって受容したことがあり、その決定に応答して、前記患者は、約7.8/1000というPMLを発症する危険性を有することが決定される、項目66に記載の方法。
(項目82)
前記患者は、JCVに対して陽性であり、前記患者は、あらかじめ選択されている一定期間を超えて抗VLA−4療法を受容したことがあり、前記患者は、非抗VLA−4免疫抑制療法を、あらかじめ選択されている一定期間にわたって受けたことがなく、その決定に応答して、前記患者は、約2.5/1000というPMLを発症する危険性を有することが決定される、項目66に記載の方法。
(項目83)
前記患者は、JCV抗体陽性であること、ならびに指標値またはnODによって示される0.5か超つ1.5未満のJCV抗体価、および70%超の阻害パーセント値を有することが決定され、前記患者は、PMLの中程度の危険性を有することが更に決定される、項目66に記載の方法。
(項目84)
前記患者は、JCV抗体陽性であること、ならびに指標値またはnODによって示される1.5超のJCV抗体価、および70%超の阻害パーセント値を有することが決定され、前記患者は、PMLのより高い危険性を有することが更に決定される、項目66に記載の方法。
(項目85)
前記患者は、JCV抗体陽性であること、ならびに指標値によって示される3未満の抗体価、および70%以下の阻害パーセント値を有することが決定され、前記患者は、PMLのより低い危険性を有することが更に決定される、項目66に記載の方法。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および下の説明において述べられる。本発明の他の特長、対象物、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
累積治療継続期間による(図1A)、および12ヶ月の治療間隔継続期間による(図1B)、ナタリズマブ関連PML発生を図示するグラフ。 先の免疫抑制薬の使用およびナタリズマブ治療継続期間によって階層化された、PMLのおよその発生を図示する略図。 抗JCV抗体血清状態、先の免疫抑制薬の使用、およびナタリズマブ治療継続期間によって階層化された、PMLのおよその発生を図示する略図。 先の免疫抑制薬の使用(ありまたはなし)、およびナタリズマブ治療継続期間(1〜24ヶ月(図4A)または25〜48ヶ月(図4B))によって階層化された、抗JCV抗体陽性患者におけるPML発生の感受性分析推定を図示するグラフ。基線=基線症例シナリオ。 患者1の、それぞれ、nODおよび力価を図示するグラフ。 患者2の、それぞれ、nODおよび力価を図示するグラフ。 患者3の、それぞれ、nODおよび力価を図示するグラフ。 患者4の、それぞれ、nODおよび力価を図示するグラフ。 患者5の、それぞれ、nODおよび力価を図示するグラフ。 患者6の、それぞれ、nODおよび力価を図示するグラフ。 患者7の、それぞれ、nODおよび力価を図示するグラフ。 MS患者の群について収集された指標(x軸)および阻害パーセント(y軸)データを図示する散布図。 MS患者の群について収集された指標(x軸)および阻害パーセント(y軸)データを図示する散布図。 MS患者の群について決定された指標値を図示する散布図。
本発明は、少なくとも一部には、抗JCV抗体価または阻害パーセントを査定することを含む、PMLに対する患者の危険性を査定する新たなおよび改善された方法の発見に基づく。本発明は、少なくとも一部には、抗JCV抗体価および抗体阻害パーセントが、進行性多巣性白質脳症(PML)を発症する患者の危険性を示し得るという発見に基づく。
出願人はまた、生体試料中の抗JCV抗体価レベルを決定するための最適化されたアッセイ、および阻害パーセント値を決定することによって抗体を定性的にアッセイし、この情報を使用して、PMLを発症することに対する患者の危険性を決定するための方法を開発した。アッセイは、(a)試料の第1のアリコートおよびHPVLPが上に配置される(VLP粒子が0.04μgの量、および0.4μg/mLの濃度で存在する)基質を含む、第1の反応混合物を形成することと、b)基質上に配置されるHPVLPに結合した抗JCV抗体のレベルを、該基質に結合した抗JCV抗体に結合している、標識された二次検出試薬、例えば、酵素で標識された抗IgG抗体を検出すること等によって、検出することと、(c)例えば、0.4μg/mLの濃度で提供される溶液相HPVLPを有する、試料の第2のアリコート、および例えば、1:100または1:101希釈で提供される試料の第2のアリコートを含む、第2の反応混合物を形成することと、(d)HPVLPを含有しない陰性対照溶液、および陰性対照溶液中で例えば、1:100もしくは1:101、または1:110希釈された試料の第3のアリコートを含む、第3の反応混合物を形成することと、(e)第2および第3の反応混合物中の結合していない抗JCV抗体のレベルを、HPVLPが上に配置される(該HPVLPが存在する)基質に結合できるJCVを検出すること等によって、検出することと、(f)試料の第1のアリコート中での基質上に配置されるHPVLPへの抗JCV抗体結合のレベルに対応する、第1の値、および第2の反応混合物の結合していない抗JCV抗体のレベル、例えば、該第2の反応混合物からの基質上に配置されるHPVLPに結合する抗JCV抗体レベルに対応する、第2の値を提供することと、(g)任意に、第1および第2の抗体レベルを比較することとを含む。
出願人はまた、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5未満であることが決定されるか、あるいは(ii)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、0.5超かつ3.0未満であることが決定され、阻害パーセントが、70%以下であることが決定される場合、患者が、PMLを発症するより低い危険性を有することも発見した。患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、3超であることが決定され、阻害パーセント値が、70%超であることが決定されるか、あるいは(ii)患者が、指標、nOD、または力価において、前回の試験から2倍の増加を示した場合、PMLのより高い危険性を有する。
患者を、6ヶ月毎または12ヶ月毎等の一定間隔で、抗JCV抗体価または阻害パーセントにおける変化についてモニタリングすることができる。この後のアッセイの結果が、患者が依然として、0.5未満のnODの抗JCV抗体価および70%未満の阻害パーセントを有することを示す場合、患者は、依然としてPMLを発症する危険性がより低いと決定され得る。後のアッセイが、患者の抗体価が最初のアッセイから2〜3倍増加したことを示す場合、患者は、PMLを発症することに対する危険性が増加したまたは危険性がより高いことが決定され得る。出願人は、PMLであると診断される患者が、診断前の6ヶ月で、抗体価およびnODにおける2〜3倍の増加を実証する傾向があることを観察した。
患者は、(i)指標値またはnODによって示される抗JCV抗体価が、3超であることが決定され、阻害パーセント値が、70%超であることが決定されるか、あるいは(ii)患者が、指標、nOD、または力価において、前回の試験から2倍の増加を示した場合、PMLのより高い危険性を有する。
これらの基準を満たす患者は、任意に、抗VLA−4抗体、例えば、ナタリズマブ等の、抗VLA−4療法での治療法を受容する候補でないと決定され得るか、または患者は、PMLを発症する他の危険因子について更に査定され得る。これらの危険因子には、患者が以前にナタリズマブ等の抗VLA−4療法を受容したことがあるか否か、および患者がどれほど長くその治療法を受容したことがあるか、ならびに患者が以前に抗VLA−4療法以外の免疫抑制療法を受容したことがあるかどうか、および患者が以前にどれほど長くその治療法を受容したことがあるかが含まれる。患者のPMLの危険性は、これらの因子の各々の組み合わせである。
抗体価は、「nOD」または「指標」によって測定することができる。「nOD」は、ELISA試験等の試験における、抗JCV抗体検出についての正規化光学密度値である。「指標」値は、ELISAアッセイ等の免疫測定法において、試料についての光学密度値を、陽性対照の光学密度で除したものである。
出願人は以前に、ナタリズマブ等の抗VLA−4療法を24ヶ月以下にわたって受容し、かつ免疫抑制療法以前にを受容したことがない患者が、これらの2つの基準を満たさない患者よりも、PMLを発症することに対して危険性がより低いことを発見した。更に、最も低い危険性を有する患者は、これらの2つの基準を満たし、かつJCV陰性でもある患者、例えば、抗JCV抗体またはJCV核酸、例えば、JCV DNAに対して陽性の試験結果とならない患者である。これらの3つの危険因子((i)患者が以前に抗VLA−4療法を受容したことがある時間の量、(ii)患者が以前に抗VLA−4療法での治療以外の免疫抑制薬を受容したことがあるか否か、および(iii)JCV状態)の各々が独立して、患者のPMLの危険性に寄与することは、以前に未知であった。本明細書に記載される本発明は、一般に、VLA−4阻害剤で治療される患者に対して使用することができる。明らかに異なるPML危険性のある患者の亜集団を特定する能力は、以前の方法(すなわち、全体的なPML危険性)よりも危険性のよりよい特徴づけを可能にし、より情報に基づいた便益−危険性治療決定を下すことにおいて、医療専門家および患者を補助するはずである。これらの危険性査定基準は、譲受人共通の、2011年5月31日に出願された米国仮出願第61/491,810号、および2011年7月15日に出願された同第61/508584号に記載される。これらの仮出願の各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。抗JCV抗体価(例えば、nODまたは指標レベルによって測定される)および阻害パーセントに向けられる、本明細書に記載される危険性基準は、先の譲受人共通の仮出願に記載される危険因子と組み合わせて考慮することができる。
PML危険性を決定するための方法は、患者についてのJCV分類(例えば、nODまたは指標レベル等によって測定される抗JCV抗体価、および阻害パーセント)、患者についての先の抗VLA−4療法歴、および患者についての先の免疫抑制療法歴(抗VLA−4療法以外)のうちの1つ、2つ、または3つ全てを獲得することを必要とし得る。これらの分類に応答して、患者は、治療適合性分類を割り当てられ得る。PMLを発症する低い危険性を有することが決定される患者は、正の治療分類を割り当てられ得、PMLを発症するより高い相対的危険性を有することが決定される患者は、負の治療分類を割り当てられ得る。正の治療分類を受ける患者は、更なる治療に対する、または抗VLA−4療法での治療を開始することに対する推奨を受容し得る。負の治療分類を受ける患者は、抗VLA−4での治療を終結する推奨、非抗VLA−4療法での治療を開始する推奨、PMLの徴候および症状についての増加した監視により抗VLA4での療法を継続または開始することに対する推奨を受容してもよい。
例えば、抗VLA−4療法での、24ヶ月よりも長い、例えば、25ヶ月もしくはより長い、先の治療、または抗VLA−4療法以外の免疫抑制薬での先の治療等、1つ以上の要因が、患者にPMLの増加した危険性があり得ることを示す場合等には、抗VLA−4療法での更なる治療に対する推奨は、患者が更なるまたは強化されたモニタリングを受けることの更なる指示または必要性を伴ってもよい。
患者は、患者による自己報告を通じて、または親、医師、医師助手、看護師、もしくは他の医療提供者によって提供される情報(口頭または書面)を通じて、以前に抗VLA−4療法または抗VLA−4療法以外の免疫抑制療法を受容したことがあることが決定され得る。情報はまた、医療データベースまたは臨床治験データベース等のデータベースを通じて得ることもできる。
PMLの増加した危険性を示すであろう、抗VLA−4療法以外の先の免疫抑制療法には、1つ以上のベータ−インターフェロンまたは酢酸グラチラマー等の、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、または免疫調節物質での先の治療が含まれ得る。例となる免疫抑制薬には、例えば、ミトキサントロン、メトトレキサート、アザチオプリン、シクロホスファミド、およびミコフェノール酸塩、抗CD20療法(例えば、リツキシマブ)、抗CD11a療法(例えば、エファリズマブ)、またはミコフェノール酸モフェチルが含まれる。下に記載される他の免疫抑制療法での先の治療もまた、抗VLA−4療法の更なる施与後の患者のPMLの危険性を増加させることが予測されるであろう。一般に、先の免疫抑制薬の使用の決定は、VLA−4阻害剤(例えば、抗VLA−4抗体)でない免疫抑制薬の任意の先の使用、または指定される一定期間以内、例えば、PML危険性の評価前の過去1、2、3、5、もしくは10年以内での先の使用であり得る、指定される使用である。
JCV状態を決定することは、患者JCVに曝露されたことがあるかどうかを決定することを指し、したがって、曝露を決定する直接的方法(例えば、JCVタンパク質またはJCV DNAを検出すること)および間接的方法(例えば、患者試料中のJCVに対する抗体を検出すること)を含む。JCV状態を決定するためのアッセイは、血漿、血清、血液、もしくは尿試料中、または末梢血単核細胞(PBMC)、もしくは脳脊髄液の試料中等の、生体試料中のJCV核酸(例えば、DNAまたはRNA)、JCV血清有病率、または抗JCV抗体を検出するためのアッセイを含み得る。JCV核酸は、当該技術分野で既知の方法を使用して、例えば、増幅法、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、または次世代シークエンシング(NGS)方法によって、検出することができる。JCV血清有病率は、血液凝集阻害(HI)アッセイ等の当該技術分野で既知の方法を使用してアッセイすることができる。JCV抗体は、ELISAアッセイ等の免疫測定法によって検出することができる。一実施形態では、JCV抗体は、国際出願第PCT/US2011/20832号に記載される方法によって検出することができ、それは、生体試料中の抗JCV抗体結合のレベルを検出するための、抗JCV抗体の結合に好適な条件下でHPVLPを利用する。JCV状態を決定する方法はまた、抗JCV抗体価および阻害パーセントを決定する方法も含む。抗JCV抗体価および阻害パーセントの検出は典型的に、国際出願第PCT/US2011/20832号に記載されるツーステップ抗体検出アッセイを含む。
患者からの生体試料中でJCVの存在、例えば、JCV抗体、タンパク質、ペプチド、または核酸が特定される場合、患者は、「JCV陽性」であることが決定される。陽性のJCV分類は、生体試料中のJCV抗体の存在、例えば、あらかじめ選択されている基準以上であるJCV抗体に対応する。あらかじめ選択されている基準は典型的に、特定のアッセイ、例えば、免疫測定法に従った、定性的値、例えば、抗体の「検出可能な」量である。
PML危険性を決定するための本明細書に記載される方法は、免疫調節物質、例えば抗VLA−4療法(例えば、ナタリズマブ)、抗CD20療法(例えば、リツキシマブ)、抗CD11a療法(例えば、エファリズマブ)、もしくはミコフェノール酸モフェチルでの治療を検討する対象、現在免疫調節物質で治療されている対象において、または免疫調節物質での治療を中止した対象を含む、任意のヒト対象に有用であり得る。本方法は、多発性骨髄腫もしくはリンパ腫等のリンパ増殖性障害を有する個人;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した個人、または後天性免疫不全症候群(AIDS)、血液系腫瘍、または全身性エリテマトーデス(SLE)等の自己免疫疾患、クローン病(CD)もしくは潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、多発性硬化症(MS)、または関節炎、例えば、関節リウマチ(RA)を有する個人等の、PMLの影響を受けやすい場合があるその他の者に有用であり得る。危険性査定方法はまた、移植患者等の、免疫抑制薬または免疫調節療法を受容する対象に有用であり得る。例となる免疫抑制薬または免疫調節療法には、ナタリズマブ、リツキシマブ、エファリズマブ、およびミコフェノール酸モフェチルが含まれる。本方法は、Piccinni et al.“Stronger association of drug−induced progressive multifocal
leukoencephalopathy (PML)with biological immunomodulating agents”Eur.J.Clin.Pharmacol.66:199−206,2010に開示される、障害を有するか、または薬物で治療されている対象における危険性を査定するために有用であり得、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
定義
本明細書に使用されるとき、「HPVLP」は、大部分がVP1タンパク質からなる、高度に精製されたVLP(「ウイルス様粒子」)である。本発明で特長とされる「HPVLP」は、主に、主カプシドタンパク質「VP1」からなり、それはポリオーマウイルスであるJCウイルス(JCV)からの、天然に生じるVP1または組換えVP1であり得る。HPVLPは、例えば、VP1の少なくとも1つの五量体サブユニット、1つを超える五量体サブユニット、最大72の五量体サブユニット、またはそれを超える五量体サブユニットからなることができる。本発明のHPVLPは、天然に生じる、無傷のJCウイルスに対抗して、抗体に結合することができる。幾つかの実施形態では、HPVLPは、JCウイルスのマイナーカプシドタンパク質である、第2および任意に第3のポリペプチド、例えば、少なくとも1つのVP2またはVP3ポリペプチドを含む。VP2またはVP3は、組換えまたは天然に生じるもしくは天然由来のポリペプチドであり得る。
かかる「高度に精製された」粒子は、1つを超えるVP1五量体、例えば、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、72のVP1五量体、または100未満のVP1五量体を含有する。かかる高度に精製された粒子は、例えば、二重濾過を伴う方法によって得ることができる。例えば、一実施形態では、高度に精製されたVLPの調製は、粒子を少なくとも2回、遠心分離によって、例えば、ショ糖クッションを通じて精製することによって得られる。他の実施形態では、HPVLPは、クロマト法を使用して調製される。一般に、HPVLP調製物は、既定の対照試料を使用するELISAアッセイにおけるその活性によって特定することができる。場合によっては、かかる対照試料は、低レベルのJCV抗体を含有する陰性対照および/または対照試料である。
本明細書に使用されるとき、「高シグナル対ノイズのHPVLP基質」は、HPVLPが上に配置される基質である。それを使用して、試料中の遊離(つまり、抗原または他の標的に結合していない、例えば、HPVLPのレベルを評価することができる。基質上のHPVLPの濃度は、存在する抗JCV抗体の量を測定するとき、それが10〜30、15〜30、15〜25、18〜22のシグナル対ノイズ比を提供するようなものである。実施形態ではシグナル対ノイズ比は、少なくとも10、15、18、または20である。実施形態では、シグナル対ノイズ比は、約10、15、18、または20である。シグナル対ノイズ比は、1.0の光学密度を与える試料、例えば、検量対照により決定され得る。ある実施形態では、HPVLPは、該基質上に、96ウェルプレートのウェル中、0.4μg/mLのHPVLPの0.5mL、0.8mL、1.0mL、1.2mL、または1.5mLを凍結乾燥させることからもたらされる濃度で提供される。ある実施形態では、HPVLPは、該基質上に、96ウェルプレートのウェル中、0.4μg/mLのHPVLPの1.0mLを凍結乾燥させることからもたらされる濃度で提供され、それはウェル当たり30ng〜50ng(例えば、40ng)のHPVLPに相当する。ある実施形態では、HPVLPは、該基質上に、96ウェルプレートのウェル中、0.4μg/mLのHPVLPの0.05mL〜0.35mLまたは0.1mL〜0.2mLを凍結乾燥させることからもたらされる濃度で提供される。基質上に配置されるHPVLPの量、または配置が達成される条件は、所望のシグナル対ノイズ比が得られる限り、変化させることができる。
シグナル対ノイズ比は、アッセイにおいてシグナル強度のダイナミックレンジを決定するために、陰性対照の光学密度値を検量用試料対照と比較することによって計算される。
ある実施形態では、試料は、約100倍希釈され、陰性スコアに対するカットオフは、45%以下である低減であり、陽性スコアに対するカットオフは、45%超である。実施形態では希釈は、100倍以外であるが、200倍未満である。例えば、希釈は、50倍〜150倍、75倍〜125倍、85倍〜115倍である。実施形態では、希釈は、150倍、125倍、100倍、または75倍未満である。実施形態では、希釈が100倍以外(例えば、200倍、400倍、500倍、800倍、最大1,000,000倍超である場合、カットオフ、または他のパラメータは、希釈が100倍であった場合、および陰性に対するカットオフが45%未満であり、陽性に対するカットオフが45%以上である場合に試料が受容するであろうスコアと同じスコア(陽性または陰性)を、試料が得るように調整される。
抗JCV抗体検出アッセイ。アッセイは、生体試料を、HPVLPでコーティングされた基質に添加することによって行われ、当該技術分野で既知の方法を使用して検出される。一般に、マイクロタイタープレート(例えば、96ウェルプレート)等の固体ベースプラットフォームが使用されるが、当該技術分野で既知の他の形式を使用することもできる。幾つかの実施形態では、生体試料は、アッセイに使用する前に希釈される。
ある特定の実施形態では、アッセイ形式は、酵素結合免疫測定法(ELISA)である。広くは、本方法は典型的に、基質を、HPVLP等の捕捉抗原でコーティングし、試薬を捕捉するように導かれる結合抗体を含有する試料をインキュベートし、洗浄して非特異的に結合した種を除去し、結合された免疫複合体を、例えば、発色または化学発光アッセイによって検出すること含む。発色基質は、着色された最終産物を産生し、それは視覚的に、または分光光度計の使用により検出および測定することができる。化学発光基質は、光を生成し、それを輝度計を使用して測定することができる。
プレートをHPVLPでコーティングすることは一般に、固体基質(マイクロタイタープレートのウェル等)を、好適な濃度(例えば、0.4μg/mL)のHPVLPの溶液で、一晩または指定される時間数のいずれかにわたってインキュベートすることを含む。HPVLPは、唯一のJCVウイルス構成成分としてVP1を含むことができるか、あるいはHPVLPは、粒子当たりVP2またはVP3のうちの少なくとも1つ、または粒子当たりVP2およびVP3の各々少なくとも1つを含有する、異種性粒子であり得る。HPVLPでのコーティング後、プレートのウェルは、洗浄される。基質は次いで、試験対象の試料に関して抗原的に中性である、非特異的タンパク質で「コーティングされ」る。好適なコーティング材は、当該技術分野で既知であり、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、糖類、または粉乳の溶液を含む。プレートは次いで、乾燥させられ、アッセイの次のステップに進む前に、1日、1ヶ月間、または1年間等のより長い一定期間にわたって保管されてもよい。
試料または参照物は、調製された基質上で、複合体形成(HPVLP/JCV抗体)を可能にするのに有効な条件下でインキュベートされ、このようにして結合された複合体を形成する。結合された複合体の検出は、ヒト抗体に結合することができる、標識された抗体を使用して行われる。一般に、標識された抗体は、ヒトIgGまたはヒトIgGおよびIgMを検出することができる。場合によっては、アッセイは、二次または三次検出法を使用して行うことができる。
参照試料は、個人の尿中のJCV DNAの存在に基づいてJCウイルスに感染したことが知られる(尿陽性(uro陽性))個人から単離される、同じ生物学的物質(例えば、血漿、血清、尿、またはCSF)の試料であり得る。参照試料を使用して、アッセイの偽陰性率が1%〜3%を超えないにアッセイカットポイントが確立される。
「複合体形成を可能にするのに有効な条件下」は、一般に、試薬が、バックグラウンドを低減し、指定される範囲内にある結果の読み出しを提供するように希釈された条件を意味する。希釈液は、非限定的例において、BSAを含む溶液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、またはTweenを含有するPBSが含むことができる。
「好適な」条件はまた、有効な結合を可能にするのに十分な温度であるかつ/または一定期間にわたる条件を含む。インキュベーションは典型的に、約1〜2時間または1〜4時間、およそ25℃〜27℃の温度であるか、または一晩、約4℃であってもよい。しかしながら、当業者であれば、他の条件が好適な場合があることを理解するであろう。
一般に、アッセイのインキュベーションの間に1回以上の洗浄が行われる。適切な洗浄溶液には、希釈液緩衝液(例えば、PBSまたはPBS/Tween)またはホウ酸塩緩衝液が含まれる。
一般に、HPVLPに結合した抗体の検出は、当該技術分野で周知の方法を使用して行われる。一般に、かかる方法は、放射性タグ、蛍光タグ、生物学的タグ、または酵素タグ等の、標識またはマーカーの検出に基づく。かかる標識の使用に関する米国特許には、例えば、米国特許第3,817,837号、第3,850,752号、第3,939,350号、第3,996,345号、第4,277,437号、第4,275,149号、および第4,366,241号が含まれる。一般に、抗JCV抗体結合の検出は、標識されている二次抗体を使用して検出される。一般に、二次抗体は、ヒトIgGを検出することに対して特異的である。定量化は、例えば、可視スペクトル分光光度計を使用して、生成される色素の度合いを測定することによって達成される。
一実施形態では、アッセイは、診療所において、生体試料が患者から得られる施設に勤務する医療提供者等、例えば、医師、看護師、または技師によって行われる。別の実施形態では、患者から得られる生体試料は、アッセイが行われる別の施設、例えば、第三者施設に輸送される。後者の場合において、アッセイの結果は、医療提供者に、郵送によってもしくは電子的に(例えば、ファクシミリまたは電子メールを通じて)、またはオンラインデータベースを通じて提出され得る、記入用紙等を通じて折り返し報告され得る。一実施形態では、アッセイの結果(スクリーニングアッセイ、および任意に、確認アッセイを含む)は、データベース内に保管され得、医療提供者によって、ワールドワイドウェブを通じて等でアクセスされ得る。
二次試験。場合によっては、例えば、試料中の抗JCV抗体のレベルが指定される「曖昧区間」または「不確定区間」に該当するとき、例えば、抗JCV抗体の存在または不在に関して確実性が限定されることが決定される場合(nOD値が0.2超かつ0.4未満であることが決定されるとき等)、試料の二次試験(本明細書で「確認アッセイ」とも称される)が用いられる。二次試験のために、生体試料の2つのアリコートが使用される。第1のアリコートは、アッセイに使用する前に、試料を、溶液中のアッセイ緩衝液の存在下で、一定期間(例えば、30分間、1時間、または一晩等のより長くにわたって4℃で)プレキュベートすることによって調製される。第2のアリコートは、アッセイに使用する前に、試料を、溶液中のHPVLPの存在下で、一定期間(例えば、30分間、または1時間もしくはより長くにわたって)プレキュベートすることによって調製される。2つのアリコートは次いで、本明細書に記載されるHPVLPアッセイにおいて使用され、抗JCV抗体陽性または抗体陰性への試料の割り当てが行われる。HPVLPでインキュベートされたアリコートについてのアッセイ結果が、45阻害%(すなわち、「カットポイント」)未満の値を示す場合、試料は、JCV特異的抗体の存在に対して陰性と解釈される。アッセイ結果が45%阻害以上の値を示す場合、試料は、JCV特異的抗体を有し、したがって抗体陽性として解釈される。
二次試験を利用する本発明で特長とされるアッセイはまた、本明細書で「ツーステップ試験」または「ツーステップアッセイ」と称される。2つのステップアッセイの旧バージョンは、譲受人共通の国際出願第PCT/US2011/020832号に記載され、それは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
基質および溶液ベースの方法。任意の好適な固体基質をHPVLPアッセイ形式のために使用することができる。幾つかの実施形態では、基質は、マイクロタイタープレート(例えば、96ウェルプレート)スライド、ビーズ、またはカラムである。基質は、発色もしくは化学発光検出法、または近位ライゲーション(proximal ligation)等の溶液ベースの方法に好適であり得る。
カットポイント。本発明は、偽陰性および偽陽性率を低減するために「カットポイント」を用いる、分析法を提供する。カットポイントは、HPVLPアッセイ(例えば、生体試料中のJCV抗体を検出するための)からのデータに基づいて確立され、例えば、二重試験試料と多重反復試料(例えば、対照試料の少なくとも2つ、少なくとも4つ、または少なくとも8つの反復試料)との間で平均化される。カットポイントはまた、非PMLおよびPML試料の大きいパネルを使用して、統計的に決定することもできる。
本発明によるアッセイの1つのバージョンでは、最初のHPVLPスクリーニングアッセイ、例えば、ELISAアッセイからの結果は、試験試料がJCV特異的抗体を有するまたは有さないものとして分類されるようにし、さもなければ、試料がこれらの2つの分類のうちの1つに該当しない場合、試料は、補足的確認アッセイに供されることになる。例えば、本発明で特長とされるHPVLP ELISAアッセイにおいて、確立されたレベル未満(例えば、nOD450<0.2)の結果をもたらす試料は、JCV特異的抗体を欠いているとして分類されることになり、ELISAにおいて、確立されたレベルを超える(例えば、nOD450>0.4)結果を提供する試料は、JCV特異的抗体に対して陽性として分類されることになる。これらの分類のうちの1つに明確に該当しない(例えば、0.2<OD450<0.4)試料は、確認アッセイにおいて試験することができる。
一実施形態では、確認アッセイは、プレインキュベーションステップを必要とし、ここで試験試料は、下に更に詳述されるように、HPVLP ELISAにおける分析前に、緩衝液(または他の好適な溶液)対照でまたはHPVLP(緩衝液または他の好適な溶液中)でプレインキュベートして、JCV特異的抗体を吸着処理する。HPVLPでのプレインキュベーション後、一次アッセイにおける反応が、緩衝液対照と比較して45%未満減少する場合、試料は、JCV特異的抗体の存在に対して陰性と解釈される。結果が、HPVLPでのプレインキュベーション後、一次アッセイにける緩衝液対照と比較して反応の45%以上の低減を示す場合、試料は、JCV特異的抗体を含有すると解釈される。幾つかの実施形態では、確認アッセイのみが行われる。
VP1。JCV抗体についてのアッセイにおけるHPVLPの使用は、アッセイの正確性を改善し得、分析および診断目的に好適なアッセイにおいて有用である。HPVLPを産生する際に使用するためのVP1は、当該技術分野で既知の方法を使用して生成することができ、天然に生じるVP1または組換えにより産生されるVP1のいずれか、例えば、JCウイルスからのVP1であり得る。一般に、使用されるVP1は、JCVのMAD1株からのVP1である。幾つかの実施形態では、アッセイに使用されるVP1は、1つを超えるJCV株からの、例えば、株1A、1B、2A、2B、3、4、および7のうちの1つ以上からのVP1を含む。VP1、例えば、組換えにより合成されるVP1の調製後、本明細書に記載されるアッセイにおいて使用するためのVP1は次いで、密度勾配/超遠心分離法を含む、標準の生化学的方法、または一連の化学沈殿ステップである濃縮/透析およびイオン交換クロマトグラフィーを通じて、更に精製される。精製方法は典型的に、単量体VP1ポリペプチド、または五量体VP1を含む、より小さいタンパク質を除去するステップを含む。これらのより小さい粒子の除去は、例えば、1ステップまたは2ステップ(例えば、VP1単量体を除去するための第1の濾過ステップ、次いで五量体VP1粒子を除去するための第2の濾過ステップ)で行うことができる。かかる生化学的精製方法は、当業者に既知である。実施例1および7は、JCV VP1−VLP精製の2つの異なる方法を提供する。
本発明の一態様によるHPVLP調製物(HPVLP)は、有意な量のVP1単量体を含有しない(例えば、単量体を除去するために精製されている)。本発明の別の態様によるHPVLP調製物は、VP1五量体、またはより小さいサイズ(単量体を含む)の構成で、有意な量のVP1分子を含有しない。HPVLPは、組換えVP1または天然に生じるVP1(例えば、ウイルスまたはウイルスカプシドから単離される)から調製することができる。幾つかの実施形態では、JCウイルスからの主要ではないコートタンパク質、例えば、VP2またはVP3のうちの一方または両方等の、更なるJCV構成成分が、HPVLP粒子に含まれるか、または基質に関連付けられる。
場合によっては、組換えにより発現されるVP1は、天然に生じるウイルスカプシドに似ている五量体またはHPVLPへと組み立てられない場合があり、例えば、組換えにより発現されるVP1は、管または他の非球形の形状へと組み立てられる場合がある。したがって、本発明は、形状が実質的に球形であるHPVLPを産生する方法に関する。本発明は、調製物中のHPVLPの少なくとも約10%、約15%、約20%、約25%、約50%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約99%が、天然に生じるJCVカプシドに似ている(例えば、正20面体または実質的に球形の構成である)、HPVLP調製物を含む。幾つかの実施形態では、HPVLP調製物は、調製物中のHPVLPの少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が天然に生じるJCVカプシドに似ていることを含有する。かかる方法は、かかる調製をもたらす条件下でウイルスタンパク質を発現させること、ならびに/またはかかる調製物を産生するために、本明細書に記載される発現されたウイルスタンパク質を単離および精製することを含むことができる。
HPVLPを作製する方法。HPVLPは、例えば、バキュロウイルスを、JCウイルスからのVP1遺伝子等のVP1遺伝子を発現するベクターで形質転換することによって、作製することができる。バキュロウイルスを使用して、昆虫細胞培養物(例えば、SF9細胞)または哺乳類細胞培養物等の細胞培養物を感染させ、その細胞がVP1タンパク質を発現する。HPVLPは、細胞を溶解させ、一連の遠心分離および限外濾過ステップ通じて粒子を精製することによって単離される。一般に、精製は、ショ糖クッション沈降、等密度超遠心分離、および広範な限外濾過等の方法、または当業者に既知の他の方法を使用して行われる。ある特定の実施形態では、精製は、粒子を2回、ショ糖クッションを通じて遠心分離することを含むであろう。代替的な精製方法では、細胞が溶解され、粒子は、最終イオン交換ステップと共に、一連の沈殿および濃縮/透析ステップによって単離される。なおも別の代替的な方法では、HPVLPは、遠心分離ステップを用いずに、クロマト法によって精製される。
純度は、当該技術分野で既知の任意の好適な技法、例えば、分析超遠心分離、電子顕微鏡法、PAGE分析、質量分析、タンパク質濃度、または対照血清を用いるELISAにおける活性を使用して、査定することができる。不十分に精製されたVLPは、偽性に高い抗JCV抗体レベルまたは曝露率の算出を生み出す、高バックグラウンドをもたらす。
幾つかの実施形態では、HPVLPは、唯一のJCウイルスタンパク質としてVP1を含有する。
幾つかの実施形態では、HPVLPは、不均質粒子であり、したがって、VP1タンパク質、およびJCウイルスのマイナーコートタンパク質、例えば、VP2またはVP3のうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、HPVLPは、VP1、VP2、およびVP3タンパク質を含む。VP1およびVP2を含むHPVLPは、当該技術分野で既知の方法を使用して、例えば、バキュロウイルスを、同じまたは異なるプロモータの制御下等で、VP1およびVP2遺伝子を含む核酸で形質転換することによって、産生することができる。細胞培養物を、バキュロウイルスに感染させ、それらの細胞は、VP1およびVP2を発現し、両方のタイプのタンパク質を含むHPVLPが形成される。一実施形態では、VP1およびVP2遺伝子は、異なるDNA分子上にあり、それらのDNA分子は、異なるバキュロウイルスへと形質転換され、それらのバキュロウイルスを使用して、同じ培養物中で細胞をトランスフェクトする。細胞は、VP1およびVP2タンパク質を発現し、両方のタイプのタンパク質を含むHPVLPが形成される。場合によっては、不均質HPVLPは、例えば、5つのVP1ポリペプチド毎に1つまたは2つのVP2ポリペプチドを含むであろう。一般に、HPVLPは、天然に生じるJCウイルスの場合と同様に、VP2ポリペプチドよりもVP1ポリペプチドを多く含有するであろう。
VP1およびVP3の両方またはVP1およびVP2分子の両方を含むHPVLPは、例えば、バキュロウイルスを、同じまたは異なるプロモータの制御下で、それぞれVP1およびVP3遺伝子またはVP1およびVP2遺伝子を含む核酸で形質転換することによって、産生することができる。細胞培養物を、バキュロウイルスに感染させ、それらの細胞は、VP1およびVP3またはVP1およびVP2を発現し、両方のタイプのタンパク質を含むHPVLPが形成される。幾つかの実施形態では、VP1およびVP3またはVP1およびVP2遺伝子遺伝子は、異なるDNA分子上にあり、それらのDNA分子は、異なるバキュロウイルスへと形質転換され、それらのバキュロウイルスを使用して、同じ培養物中で細胞をトランスフェクトする。細胞は、それぞれ、VP1およびVP3タンパク質またはVP1およびVP2遺伝子を発現し、両方のタイプのタンパク質を含むHPVLPが形成される。HPVLP粒子は、JCVカプシドを単離するために使用される方法等の、当該技術分野で既知の方法を使用して、かかる調製物から単離することができる。
典型的に、不均質HPVLP中にあるVP1五量体は、例えば、5つのVP1ポリペプチド、ならびに構築物を作製するためにVP3遺伝子それともVP2遺伝子のどちらかが使用されたかに応じて、1つのVP3ポリペプチドおよび/または1つのVP2ポリペプチドを含むであろう。典型的に、HPVLP中にはVP3またはVP2ポリペプチドよりもVP1ポリペプチドが多く存在するであろう。幾つかの実施形態では、VP2またはVP3は、JCウイルスでないポリオーマウイルスからのもの、例えば、BKウイルスポリペプチドである。
VP1およびVP2およびVP3分子の3つ全てを含むHPVLPは、バキュロウイルスを、同じまたは異なるプロモータの制御下等で、VP1、VP2、およびVP3遺伝子を含む核酸(例えば、環状DNA、例えば、5.5kb未満)で形質転換することによって、産生することができる。哺乳類細胞培養物等の細胞培養物を、バキュロウイルスに感染させ、それらの細胞は、VP1、VP2、およびVP3タンパク質を発現する。3つ全てのタイプのタンパク質を含むHPVLPが結果として形成される。一実施形態では、VP1、ならびにVP2およびVP3遺伝子のいずれかまたは両方は、異なるDNA分子上にあり、それらのDNA分子は、同じまたは異なるバキュロウイルスへと形質転換され、それらのバキュロウイルスを使用して、同じまたは別個の培養物中で細胞をトランスフェクトする。細胞は、VP1、VP2、およびVP3タンパク質を発現し、両方のタイプのタンパク質を含むHPVLPが形成される。不均質HPVLPは、例えば、5つのVP1ポリペプチド、ならびにVP2およびVP3ポリペプチドの各々1つを含むことができるが、その比率は調製物内で変動してもよい。典型的に、HPVLP中にはVP2およびVP3ポリペプチドよりもVP1ポリペプチドが多く存在するであろう。
幾つかの実施形態では、HPVLPは、VP1五量体よりもサイズが大きい。サイズが大きいとは、HPVLP粒子に含有されるタンパク質の質量が、VP1を唯一含有する五量体よりも大きいことを意味する。
他の実施形態では、HPVLPの溶液を調製する方法は、溶液から、VP1五量体またはより小さいサイズである粒子(例えば、VP1単量体または小さいVP1含有粒子)を除去することを含む可能性がある。遠心分離およびサイズ排除クロマトグラフィー等の方法を使用して、この精製ステップを行うことができる。幾つかの実施形態では、当該技術分野で既知の他の方法、例えば、イオン交換クロマトグラフィーを、VP1五量体よりも大きいHPVLPの調製において使用することができる。一般に、アッセイにおいて使用するのに好適なHPVLP調製物は、非HLVLP粒子と比較して少なくとも20%HPVLP、少なくとも25%HPVLP、少なくとも40%HPVLP、少なくとも60%HPVLP、少なくとも65%HPVLP、少なくとも70%HPVLP、少なくとも80%HPVLP、少なくとも85%HPVLP、少なくとも90%HPVLP、少なくとも95%HPVLP、または少なくとも99%HPVPLを含有するであろう(例えば、VP1単量体および5つよりも少ないVP1分子を含有する凝集体と比較した五量体のパーセント分だけ)。
試料および/または対象を評価する方法。本明細書に使用されるとき、対象または対象からの生体試料を評価または分析する方法は、試料の分析を行うこと、試料の分析を請求すること、試料の分析からの結果を請求すること、または試料の分析からの結果を受け取ることのうちの1つ以上を含む。(本明細書で一般に、決定(または決定すること)、分析、または評価(または評価すること)は、基礎的な方法を行うこと、または基礎的な方法を行った別の者からデータを受容することのうちの一方または両方を含むことができる。)
分析または評価は、物質、例えば、生物学的物質またはアッセイ構成成分のある種の変換を必要とする。例えば、生体試料を、抗JCV抗体の存在、抗JCV抗体価、およびJCV抗体の阻害パーセントについて評価することができる。評価は、患者がMS等に対する治療を受容している前もしくは後、またはそれと同時に行うことができる。評価は、少なくとも一部には、対象からの試料、例えば、血液、血漿、血清、尿、またはCSF試料の分析に基づく。抗JCV抗体の存在は、特異的な結合剤、例えば、VP1等のJCVタンパク質との接触によって決定され得る。結合剤は、JCVタンパク質、例えば、粒子の形態のVP1、例えば、HPVLPであり得る。
一実施形態では、抗JCV抗体の存在を検出するためのアッセイは、本明細書に記載されるような、ツーステップアッセイである。アッセイは、抗JCV抗体に結合するのに好適な条件下でHPVLPを利用する。アッセイは、抗JCV抗体の任意のアイソタイプ(IgG、IgM、IgA、およびIgEを含む)を検出することができる。アッセイはまた、高感度であり、例えば、2.0μg/mL以下、例えば、1.5μg/mL以下、1.25μg/mL以下、1.0μg/mL以下、0.5μg/mL以下、50ng/mL以下、10ng/mL以下、5ng/mL以下、1.7ng/mL以下、または1ng/mL以下の濃度の抗JCV抗体を検出することができる。
一実施形態では、試料は、試料中に存在するJCV核酸のレベルについて分析される。例えば、核酸は、試料から単離し、PCR増幅または次世代(Nex−Gen)シークエンシング技法に使用することができる。一実施形態では、生体試料の粗溶解物は、PCR等の増幅法の対象となり、増幅された産物は、JCV DNAまたはRNAが試料中に存在するかどうか、およびどれほどが試料中に存在するかを特定するために、電気泳動、制限断片マッピング、ハイブリダイゼーション、または配列決定のうちの1つ以上によって分析される。
生体試料は、患者から取り出し、分析することができる。
幾つかの実施形態では、患者試料、例えば、血清または血漿または全血試料またはCSF、は、JCVについての、例えば、JCV抗体についてのまたはJCV核酸についての試験実施前に、保管することができる。患者試料、例えば、JCV抗体またはJCV核酸を含有する患者試料は、1〜21日間、例えば、1〜14日間もしくは1〜7日間、またはより長く(例えば、1日、2日間、3日間、5日間、7日間、10日間、14日間、21日間、またはより長く)にわたって;1〜6週間、例えば、1〜3週間もしくは1〜2週間、またはより長く(例えば、最大1週間、最大2週間、最大3週間、最大6週間、またはより長く)にわたって;あるいは1〜6ヶ月、例えば、1〜3ヶ月もしくは1〜2ヶ月、またはより長く(例えば、最大1ヶ月、最大2ヶ月、最大3ヶ月、最大6ヶ月、またはより長く)にわたって保管することができる。試料は、例えば、凍結(例えば、−80℃〜−20℃で)されるか、2〜8℃で、周囲温度(18℃〜25℃)、またはより温暖で、例えば、37℃で、保管することができる。
本明細書に使用されるとき、「獲得する」または「獲得すること」という用語は、物理的実体または値、例えば、抗VLA−4療法もしくは他の免疫抑制薬への先の曝露等の患者の状態、またはJCV状態を「直接的に獲得すること」または「間接的に獲得すること」によって、物理的実体または値、例えば、数値の所有を得ることを指す。「直接的に獲得すること」は、物理的実体または値を得るためにプロセスを行うこと(例えば、合成または分析法を行うこと)を意味する。「間接的に獲得すること」は、物理的実体または値を、別の当事者または源(例えば、物理的実体または値を直接的に獲得した第三者研究室)から受けることを指す。物理的実体を直接的に獲得することは、物理的物質、例えば、出発物質における物理的変化を含むプロセスを行うことを含む。例となる変化には、2つ以上の出発物質から物理的実体を作製すること、物質をせん断または断片化すること、物質を分離または精製すること、2つ以上の別個の実体を混合物中に組み合わせること、共有結合または非共有結合を切断または形成することを含む化学反応を行うことが含まれる。値を直接的に獲得することは、試料または別の材料における物理的変化を含むプロセスを行うこと、例えば、物質、例えば、試料、分析物、または試薬における物理的変化を含む分析プロセスを行うことと(本明細書で時に「物理的分析」と称される)、分析法、例えば、次のうちの1つ以上を含む方法を行うこととを含む:物質、例えば、分析物、またはその断片もしくは他の誘導体を、別の材料から分離または精製すること;分析物、またはその断片もしくは他の誘導体を、別の材料、例えば、緩衝液、溶媒、または反応物質と組み合わせること;あるいは分析物、またはその断片もしくは他の誘導体の構造を、例えば、分析物の第1の原子と第2の原子との間の共有結合または非共有結合を切断または形成することによって、変化させること;あるいは試薬、またはその断片もしくは他の誘導体の構造を、例えば、試薬の第1の原子と第2の原子との間の共有結合または非共有結合を切断または形成することによって、変化させること。
患者の状態(例えば、JCV状態)、または活性レベルを決定すること、およびその状態が参照基準とのあらかじめ選択されている関係を有するかどうかを決定することのうちの少なくとも一方または両方は、試料を分析すること、試料の分析を請求すること、試料の分析からの結果を請求すること、または試料の分析からの結果を受けることのうちの1つ以上を含む。(一般に、分析は、基礎的な方法を行うこと(例えば、免疫測定法)、または基礎的な方法を行った別の者からデータを受けることのうちの一方または両方を含むことができる)。
抗VLA−4療法。抗VLA−4療法は、VLA−4活性を遮断する分子、例えば、小分子化合物またはタンパク質生物製剤(例えば、抗体、またはその抗原結合断片等のその断片)である。抗VLA−4療法である分子は、VLA−4アンタゴニストである。VLA−4アンタゴニストは、VLA−4インテグリンがリガンドおよび/または受容体に結合することを阻害する、任意の化合物を含む。抗VLA−4療法は、抗体(例えば、ナタリズマブ(TYSABRI(登録商標)))またはその断片、またはリガンドの可溶型であり得る。α4インテグリンに対するリガンドタンパク質の可溶型は、可溶性VCAM−Iもしくはフィブロネクチンペプチド、VCAM−I融合タンパク質、または二機能性VCAM−I/Ig融合タンパク質を含む。例えば、VLA−4リガンドの可溶型またはその断片は、VLA−4に結合するように施与されてもよく、幾つかの事例では、細胞上のVLA−4結合部位に対して競合し、それによって抗VLA−4抗体等のアンタゴニストの施与と同様の効果をもたらす。例えば、VLA−4リガンドに結合するが、インテグリン依存性シグナル伝達を引き出さない、可溶性VLA−4インテグリン突然変異体は、記載される方法において使用するのに好適である。かかる突然変異体は、野生型インテグリンタンパク質の競合阻害剤として作用することができ、「アンタゴニスト」と見なされる。他の好適なアンタゴニストは、「小分子」である。
「小分子」は、例えば、VLA−4に結合し、VLA−4リガンド(例えば、VCAM−Iまたはフィブロネクチン)との相互作用を遮断することによって、またはVLA−4リガンドに結合し、リガンドがVLA−4と相互作用することを防止することによって、VLA−4/リガンド相互作用を妨害するペプチドの作用を模倣する薬剤である。1つの例となる小分子は、VLA−4リガンド(例えば、フィブロネクチンまたはVCAM−I)のの結合ドメインを模倣し、VLA−4のリガンド結合ドメインに結合する、オリゴ糖類である。(全て参照により本明細書に組み込まれる、Devlin et al.,Science 249:400−406 (1990)、Scott and Smith,Science 249:386−390 (1990)、および米国特許第4,833,092号(Geysen)を参照されたい。)
「小分子」は、化学化合物、例えば、有機化合物、もしくは小ペプチド、またはより大きいペプチド含有有機化合物もしくは非ペプチド性有機化合物である。「小分子」は、抗体または抗体断片を包含することは意図されない。小分子の分子量は、一般に2000ダルトン未満であるが、この数字は、分子量に対する絶対的上限としては意図されない。
併用療法または抗VLA−4療法の代替手段。幾つかの実施形態では、患者が、PMLに対する危険性がより高いことが決定されるとき等には、抗VLA−4療法、例えば、ナタリズマブが、第2の薬剤と共に施与されるか、または代替療法が、抗VLA−4療法の代わりに施与される。
抗VLA−4療法と組み合わせた、多発性硬化症を治療するための第2の薬剤、または抗VLA−4療法の代わりに使用するための代替的な薬剤の非限定的例としては、フマル酸ジメチル等のフマル酸塩;S1B遮断抗体スフィンゴマブ等のスフィンゴシン1−リン酸(S1P)−アンタゴニスト;ヒトインターフェロンベータ−1a(例えば、AVONEX(登録商標)またはRebif(登録商標)))およびインターフェロンβ−1b(BETASERON(登録商標)17位で置換されたヒトインターフェロンβ;Berlex/Chiron)等のインターフェロン;酢酸グラチラマー(コポリマー1、Cop−1とも称される;COPAXONE(登録商標)Teva Pharmaceutical Industries,Inc.);抗CD20抗体、例えば、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ)等の抗体もしくはその断片(その抗原結合断片等)、またはリツキシマブにより重複エピトープと競合もしくはそれを結合する抗体もしくはその断片;ミトキサントロン(mixtoxantrone)(NOVANTRONE(登録商標)、Lederle);クラドリビン(clabribine)(LEUSTATIN(登録商標))、アザチオプリン(IMURAN(登録商標))、シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))、シクロスポリン−A、メトトレキサート、4−アミノピリジン、およびチザニジン(tizanidine)等の化学療法剤;メチルプレドニゾロン(MEDRONE(登録商標)、Pfizer)またはプレドニゾン等のコルチコステロイド;CTLA4 Ig;アレムツズマブ(MabCAMPATH(登録商標))またはダクリズマブ(CD25に結合する抗体);スタチン;およびTNFアンタゴニストが挙げられる。
酢酸グラチラマーは、アミノ酸(グルタミン酸、リジン、アラニン、およびチロシン(したがって、GLATiramer))のランダム鎖から形成されるタンパク質である。酢酸グラチラマーは、これらのアミノ酸からの溶液中で、およそ5部のアラニン対3部のリジン、1.5部のグルタミン酸および1部のチロシンの比率で、N−カルボキシアミノ酸無水物を使用して合成することができる。
更なる第2の薬剤、または抗VLA−4療法の代わりに使用するための薬剤には、他のヒトサイトカインまたは成長因子、例えば、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−12 IL−15、IL−16、IL−18、EMAP−11、GM−CSF、FGF、およびPDGFの抗体またはアンタゴニストが含まれる。依然として他の例示的な第2の薬剤には、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80、CD86、CD90等の細胞表面分子またはそれらのリガンドに対する抗体が含まれる。例えば、ダクリズマブ(daclizubmab)は、多発性硬化症を寛解させ得る抗CD25抗体である。
依然として他の例示的な抗体には、インターフェロン受容体、例えば、インターフェロンベータ受容体に係合する抗体等の、本明細書に記載される薬剤の活性を提供する抗体が含まれる。典型的に、第2の薬剤が抗体を含む実現例において、それは、VLA−4以外もしくはα4インテグリン以外の標的タンパク質、または少なくともナタリズマブによって認識されるもの以外のVLA−4上のエピトープに結合する。
依然として他の更なる例示的な第2の薬剤には、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、アドレナリン作動薬、本明細書に記載される炎症誘発性サイトカインによってシグナル伝達を干渉する薬剤、IL−1β変換酵素阻害剤(例えば、Vx740)、抗P7s、PSGL、TACE阻害剤、キナーゼ阻害剤等のT−細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテアーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、明細書に記載される可溶性サイトカイン受容体およびその誘導体、抗炎症サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−13、およびTGF)が含まれる。
幾つかの実施形態では、第2の薬剤をまた使用して、MSの1つ以上の症状または副作用を治療してもよい。かかる薬剤には、例えば、アマンタジン、バクロフェン、パパベリン、メクリジン、ヒドロキシジン、スルファメトキサゾール、シプロフロキサシン、ドキュセート、ペモリン、ダントロレン、デスモプレッシン、デキサメタゾン、トルテロジン、フェニトイン、オキシブチニン、ビサコジル、ベンラファキシン、アミトリプチリン、メテナミン、クロナゼパム、イソナイアジド、バルデナフィル、ニトロフラントイン、車前子親水性粘漿薬、アルプロスタジル、ガバペンチン、ノルトリプチリン、パロキセチン、臭化プロパンテリン、モダフィニル、フルオキセチン、フェナゾピリジン、メチルプレドニゾロン、カルバマゼピン、イミプラミン、ジアゼパム、シルデナフィル、ブプロピオン、およびセルトラリンが含まれる。小分子である多くの第2の薬剤は、150〜5000ダルトンの分子量を有する。
TNFアンタゴニストの例としては、D2E7(ヒトTNFα抗体、米国特許第6,258,562号;BASF)、CDP−571/CDP−870/BAY−10−3356(ヒト化抗TNFα 抗体;Celltech/Pharmacia)、cA2(キメラ抗TNFα抗体;REMICADE(商標)、Centocor)等の、TNF(例えば、ヒトTNFα)に対するキメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、または体外で生成された抗体(またはその抗原結合断片);抗TNF抗体断片(例えば、CPD870);TNF受容体の可溶性断片、例えば、p55またはp75ヒトTNF受容体またはその誘導体、例えば、75kdTNFR−IgG(75kDのTNF受容体−IgG融合タンパク質、ENBREL(商標));Immunex;例えば、Arthritis & Rheumatism 37:S295,1994、J.Invest.Med.44:235A,1996を参照されたい)、p55 kdTNFR−IgG(55kDのTNF受容体−IgG融合タンパク質(LENERCEPT(商標));酵素アンタゴニスト、例えば、TNFα転換酵素(TACE)阻害剤(例えば、アルファ−スルホニルヒドロキサム酸誘導体、WO01/55112、およびN−ヒドロキシホルムアミドTACE阻害剤GW3333、−005、または−022);ならびに、TNF−bp/s−TNFR(可溶性TNF結合タンパク質、例えば、Arthritis & Rheumatism 39:S284,1996、Amer.J.Physiol.− Heart and Circulatory Physiology 268:37−42,1995を参照されたい)が挙げられる。
一つの実現例では、抗VLA−4療法および第2の薬剤は、共製剤(co−formulation)として提供され、その共製剤が対象に施与される。例えば、共製剤の施与の少なくとも24時間前または後に、抗VLA−4療法製剤の1回用量、次いで第2の薬剤を含有する製剤の1回用量を別個に施与することも更に可能である。別の実現例では、抗VLA−4療法および第2の薬剤は、別個の製剤として提供され、施与するステップは、抗VLA−4療法および第2の薬剤を順次施与することを含む。順次の施与は、同じ日(例えば、互いの1時間以内、または少なくとも3、6、もしくは12時間空けて)または異なる日に提供することができる。
抗VLA−4療法および第2の薬剤の各々は、複数回の用量として別個の時間に施与することができる。抗VLA−4療法および第2の薬剤は典型的に各々、レジメンに従って施与される。一方または両方についてのレジメンは、一定周期性を有してもよい。抗VLA−4療法についてのレジメンは、第2の薬剤についてのレジメンから異なる周期性を有することができ、例えば、一方を他方よりも頻繁に施与することができる。一つの実現例では、抗VLA−4療法および第2の薬剤のうちの一方は、週1回施与され、他方は、月1回施与される。別の実現例では、抗VLA−4療法および第2の薬剤のうちの一方は、継続的に、例えば、30分を超えるが、1、2、4、または12時間未満の期間にわたって施与され、他方は、ボーラスとして施与される。抗VLA−4療法および第2の薬剤は、任意の適切な方法によって、例えば、皮下に、筋肉内に、または静脈内に、施与することができる。
幾つかの実施形態では、抗VLA−4療法および第2の薬剤の各々は、各々が単剤療法として処方されるため、同じ用量で施与される。他の実施形態では、抗VLA−4療法は、単独で施与される場合に有効性のために必要とされる量、あるいはそれより低い量である投薬量で、施与される。同様に、第2の薬剤は、単独で施与される場合に有効性のために必要とされる量あるいはそれより低い量である投薬量で、施与することができる。
キット.抗JCV抗体アッセイを行うための試薬は、キットの形態で提供することができる。患者試料を除いて、アッセイのために必要とされる幾つかまたは全ての物質は、キット中で提供することができる。キットは、例えば、JCV抗原基質、例えば、HPVLPでコーティングされたウェルを有するプレート等の、基質を含むことができる。プレートは、例えば6ウェルプレート、12ウェルプレート、24ウェルプレート、48ウェルプレート、96ウェルプレート、または384ウェルプレートであり得る。キット中で提供されるプレートは、0.4μg/mL等のJCV VLP抗原でプレコーティングされ得る。一実施形態では、キットは、Merieux系と共に使用するためのSPR(固相レセプタクル)チップ等の、高処理系と共に使用するための物質および試薬を含む。
キットはまた、アッセイの確認ステップと共に使用するため等のJCV抗原、例えば、凍結乾燥させられたまたは溶液中のHPVLPも含む可能性がある。一実施形態では、キットは、ヒト血清等の血清の試料である、JCVカットオフ検量用試料、抗JCV抗体陽性対照、およびJCV陰性対照を含む。JCV抗原および血清を含有する溶液は、アジ化ナトリウム、例えば、0.05%、0.1%、1.5%、および2%アジ化ナトリウム等の、防腐剤を含むことができる。一実施形態では、本発明で特長とされるキットは、HPVLP等の抗原に結合した抗JCV抗体を含有する複合体を検出するための1つ以上の試薬を含むことができる。試薬を検出するための複合体は、例えば、JCV複合体、カゼイン試料、TMB(テトラメチルベンジジン)等の検出可能な試薬、洗浄緩衝液、および停止試薬を含む。
JCV基質は、例えば、酵素標識された抗ヒト抗体等の抗ヒト抗体であり得る。一実施形態では、JCV複合体は、親和性精製され、ペルオキシダーゼ標識された、ロバ抗ヒト抗体である。別の実施形態では、カゼイン溶液は、緩衝液中、カゼイン、界面活性剤、および非アジド防腐剤(例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS))を含有する。別の実施形態では、TMB基質溶液は、緩衝液中、TMBおよび過酸化水素を含む。別の実施形態では、キットは、洗浄緩衝液を含み、洗浄緩衝液は、例えば、非アジド防腐剤を有するPBS中、界面活性剤を含有することができる。停止試薬は、例えば、硫酸(例えば、1M硫酸)等の、酸であり得る。
キット中に提供される溶液は、使用前に希釈が必要とされるような濃縮レベルで提供することができる。ツーステップアッセイの確認ステップにおける等、生体試料中の抗JCV抗体に結合する溶液中で使用するためのHPVLPは、例えば、10μg/mL、5μg/mL、1μg/mL、0.8μg/mL、0.4μg/mL、0.2μg/mLで使用するために、2mg/mL、1.5mg/mL、1mg/mL、0.5mg/mLの濃度で提供することができる。洗浄緩衝液は、例えば、10倍濃縮で提供することができる。JCV基質(親和性精製され、ペルオキシダーゼ標識されたロバ抗ヒト抗体等)は、抗JCV抗体検出アッセイに使用する前に、例えば、1:40,000、1:30,000、1:20,000、または1:20,000希釈のために、例えば、1mg/mL、0.8mg/mL、または0.6mg/mLで提供することができる。
密封テープ等の、反応混合物を密封するための物質もまた、キット中に含めることができる。
結果の報告。の結果危険性−査定分析は、治療院、または医療提供者、または保険提供業者等に報告することができる。一実施形態では、危険性査定の結果は、データベース内に保管される。
一実施形態では、情報資料が、危険性査定を行い、それを解釈するために提供される。情報資料は、査定の結果を、治療院または医療提供者またはデータベース提供者等のどこに報告すべきかについての手引きを提供することができる。情報資料は、キットまたはパケット中に提供することができ、査定の各分岐(抗VLA−4治療法での先の治療、免疫抑制薬での先の治療、およびJCV状態に関する情報)、ならびにかかる記入用紙もしくは他の関連情報をどこに送付すべきかに関する住所および連絡先情報を含む、査定の結果を報告するための記入用紙;または結果をオンラインデータベウースもしくはオンラインアプリケーション(例えば、「app」)で報告するためのURL(ユニフォーム・リソース・ロケータ)アドレスを含む可能性がある。別の実施形態では、情報資料は、危険性査定の結果に従った患者のPMLの危険性に応じて、患者が抗VLA−4療法での治療を受容すべきかどうかに関する手引きを含む可能性がある。
キットまたはパケットはまた、医療提供者への患者試料の収集もしくは輸送のための、または医療提供者から試料を受け取るための、または本明細書に記載される評価法を行うための、指示書および項目を含んでもよい。例えば、指示情報の他に、本発明で特長とされるキットまたはパケットは、生体試料を収集する、ならびに保管および輸送するための、スワブまたはスクレーパー、または入れ物(例えば、カップ、試験管、アンプル、またはバッグ)のうちの1つ以上を含むことができる。キットまたはパケットはまた、それぞれ、JCV抗体または核酸の検出のために、免疫測定法または配列決定アッセイを行うための補給品を含有してもよい。
キットは、アッセイ、例えば、JCV検出アッセイのために必要とされる試薬のための1つ以上の容器を含むことができる。試薬は、アッセイにおいて使用するのに好適な濃度で、またはアッセイにおいて使用するための希釈についての指示書と共に、提供することができる。幾つかの実施形態では、キットは、各アッセイ構成成分のための、別個の容器、仕切り、または区画、および情報資料を含む。例えば、アッセイ構成成分は、瓶またはバイアル中に含有され得、情報資料が、プラスチックスリーブまたはパケット中に含められ得る。他の実施形態では、キットの別個の要素が、単一の分割されていない容器内に含有される。例えば、アッセイ試薬が、ラベルのの形態で情報資料が添付された、瓶またはバイアル中に含有される。幾つかの実施形態では、キットは、複数(例えば、パック)の個々の容器を含み、各々が、アッセイ構成成分の(例えば、1つのアッセイ共に使用するための)1つ以上の単位形態を含有する。例えば、キットは、複数のアンプル、ホイルパケット、またはブリスターパックを含み、各々が、スクリーニングまたは確認アッセイにおいて使用するためのアッセイ試薬の単一の単位を含有する。キットの容器は、気密および/または防水とすることができる。容器は、使用のためにラベル付けすることができる。
キットまたはパケットの情報資料は、その形態において限定されない。多くの場合、情報資料、例えば、指示書は、印刷物、例えば、印刷文字、図面、および/または写真、例えば、ラベルまたは印刷シートとして提供される。しかしながら、情報資料はまた、コンピュータ可読資料、ビデオ記録、またはオーディオ記録等の他の形式で提供することもできる。別の実施形態では、キットの情報資料は、連絡先情報、例えば、物理的住所、電子メールアドレス、ウェブサイト、または電話番号であり、ここでキットまたはパケットのユーザは、危険性査定分析に必要とされる情報をどのように見出すか、例えば、対象に施与された先の治療をどこでどのように特定するか、および患者のJCV状態を決定するためのアッセイをどのように行うかについての、実質的な情報を得ることができる。情報資料もまた、任意の組み合わせの形式で提供することができる。
幾つかの実施形態では、生体試料は、アッセイにおける試料を評価し、読み出しを提供するアッセイ提供者、例えば、サービス提供者(第三者施設等)または医療提供者に提供される。例えば、一実施形態では、アッセイ提供者は、血漿、血液、または血清試料等の対象からの生体試料を受容し、本明細書に記載されるアッセイを使用して試料を評価し、試料がJCV抗体または核酸含有することを決定する。幾つかの実施形態では、アッセイ提供者、例えば、サービス提供者または医療提供者は更に、例えば、医療提供者またはデータベースサービス提供者に連絡することによって、患者が受容したことがある先の抗VLA−4療法の量、または患者が以前に免疫調節物質での治療を受容したことがあるかどうかを決定することができる。アッセイ提供者は更に、対象がナタリズマブ等の抗VLA−4療法での治療を受容する候補でないこと、または対象が免疫調節物質での治療を受容する候補であること、または対象が、陰性のJCV状態を有することが決定される(例えば、JCV核酸または抗JCV抗体に対して陰性の試験結果である)対象と比較して、強化されたモニタリングを有するべき候補であり得ることを決定することができる。例えば、抗VLA−4療法での先の治療を24ヶ月以下にわたって受容したことがあり、免疫抑制薬での先の治療法を受容したことがなく、JCV陽性であることが決定される候補は、更なる抗VLA−4療法を受容する候補として選択され得るが、PMLの発症を示し得る症状等の有害症状の発症について、患者をより頻繁にモニタリングすることの推奨を伴う。
一実施形態では、アッセイ提供者は、本明細書に記載されるPML危険性についての査定を行い、対象がナタリズマブ等の抗VLA−4療法での治療を受容する候補であることを決定する。一実施形態では、アッセイ提供者は、医療提供者に、対象が抗VLA−4療法での治療に対する候補であることを通知し、その候補は、抗VLA−4療法を施与される。例えば、アッセイ提供者は、患者がPMLに対する危険性がより低いことを決定し、その後、医療提供者に、より低い危険性の決定、および対象が抗VLA−4療法での治療に対する候補であることを通知してもよい。
別の例では、アッセイ提供者は、患者がPMLに対する危険性がより高いことを決定し、その後、医療提供者に、より高い危険性の決定を通知し、患者が抗VLA−4療法での治療に対する候補であるが、患者がPMLおよび任意にJCV状態についての増加した試験実施を受けるべきであることを推奨する。一実施形態では、アッセイ提供者は、医療提供者に、患者がPMLのより高い危険性があり、したがって患者が抗VLA−4療法の代替手段を受容すべきであること、または患者がPMLおよび任意にJCV状態についての増加した試験実施による抗VLA−4療法を受容する候補であることを通知する。
アッセイ提供者は、危険性査定の結果、および任意に、診断、予後、または適切な治療法選択肢のうちの1つ以上に関する結論を、例えば、医療提供者、または患者、または保険会社に、任意の好適な形式で、郵便物によってもしくは電子的に、またはオンラインデータベースを通じて等で提供することができる。アッセイ提供者によって収集され、提供される情報は、データベース内に保管することができる。
一実施形態では、医療提供者または保険提供業者または別の事業体は、例えば、患者または第2の医療提供者に、患者が本明細書に記載されるPMLについての危険性査定を受けることを推奨する。
PML危険性階層化ツールは、VLA4阻害剤またはPMLを発症する危険性を増加させることが知られる他の治療薬を摂取するまたは摂取することを検討する患者のための、個々の便益−危険性治療決定を下す際の1つの構成要素として有用である。患者のPML危険性の定量化を、例えば、便益−危険性分析において使用することができる。
見出し、例えば、(a)、(b)、(i)等は、本明細書および特許請求の範囲を読むことを容易にするために提示されるにすぎない。本明細書および特許請求の範囲における見出しの使用は、ステップまたは要素がアルファベット順もしくは番号順で、またはそれらが提示される順序で行われることを必要としない。
本発明は、次の実施例によって更に例証されるが、それは更に限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1.MS患者におけるPML危険性を、2つの確立された危険因子、および独自のツーステップVP1 VLPベースのELISAによって決定される抗JCV抗体状態を使用して、初めて定量化した。
方法
患者、試料、およびデータ収集
PMLの低頻度の出現に起因して、ナタリズマブ治療PML患者に関するデータを、Biogen Idecのグローバルナタリズマブ安全性データベースからの市販後データおよび2011年3月4日現在の臨床治験を含む、複数の源から収集した。先の免疫抑制薬の使用データは、ナタリズマブに曝露された全ての患者については入手可能でなかったため、TYSABRI(登録商標)Global Observational Program in Safety(TYGRIS;NCT00477113、NCT00483847)における、先の免疫抑制薬の使用のあるまたはない患者の割合を、全体的なナタリズマブ治療集団に対する推定として使用した。TYGRISは、臨床実施設定でのナタリズマブ治療MS患者における長期的安全性データを得るように設計された、観察的コホート研究である。一般のMS集団における抗JCV抗体罹患率の査定は、進行中または完了したナタリズマブ臨床研究(AFFIRM (Polman et al.,N.Engl.J.Med.354:899−910,2006、STRATIFY−1 (NCT01070823)、TYGRIS−米国、およびスウェーデンにおける独立したMSレジストリ(インターネット上で、msreg.net/cms/sv/home(2011年2月3日にアクセス)にて入手可能))を含む、4つの源からの患者から収集された単一ベースライン血漿または血清試料に基づいていた。臨床治験および市販後の両方の症例を含む、PML診断前に得られた血清および血漿試料の大規模な収集について、臨床計画を開発した。
PMLに対する危険因子としてのナタリズマブ治療継続期間の特定
ナタリズマブの市場再導入以来のPML発生率の推定値を、2011年2月28日までのナタリズマブ市販後曝露、および2011年3月現在で確認されるPML症例の数に基づいて算出した。各時間枠(累積継続期間または12ヶ月の治療間隔)にわたるPML発生率を、その時間枠中にPMLを発症した患者の数を使用して、これまでにナタリズマブにその時間の量にわたって曝露された患者の数で割って算出した。
PMLに対する危険因子としての先の免疫抑制薬の使用の特定
市販後設定および臨床治験における、PMLを発症したナタリズマブ治療MS患者の免疫抑制治療歴を、2010年11月2日現在のBiogen Idecのグローバルナタリズマブ安全性データベースから得、TYGRISから得たデータと比較した。先の免疫抑制薬の使用歴についてのこのカットオフ日付を選択したのは(全ての他のデータについての2011年3月4日に対して)、これを危険因子としてラベリング(欧州、2010年12月)(パッケージ挿入物、TYSABRI(登録商標)(ナタリズマブ)、Biogen Idec.Weston,MA、2010年7月、製品概要、TYSABRI(登録商標)(ナタリズマブ)、Biogen Idec.Weston,MA、2010年12月13日)に組み込むことが交絡因子となろうことが予想されたためである。
PMLに対する危険因子としての抗JCV抗体状態の特定
一般のMS集団における抗JCV抗体の全体的な罹患率を、独自のツーステップVP1
VLPベースのELISAを使用して、以前に記載されたように(Gorelik et al.,Ann.Neurology,2010)決定した。診断前にPML前の血清または血漿試料が入手可能であった場合の、PMLを有するMS患者における抗JCV抗体の罹患率もまた、このアッセイを使用して決定し、一般のMS集団における全体的な罹患率と比較した。
抗JCV抗体血清状態によるPML発生率の推定
抗JCV抗体陽性および陰性患者におけるPMLの発生率を、PMLの全体的な世界的発生率、および25〜48回の注入後(この分析においてPML発生率における増加が最も顕著であった後の時点)の発生率、一般のMS集団における抗JCV抗体罹患率、および診断前に抗JCV抗体陽性の試験結果であったPML前の試料が入手可能であった、PMLを有するMS患者の数を使用して推定した。Fisherの正確確率検定の片側検定を使用して、抗JCV抗体陽性患者および抗JCV抗体陰性患者におけるPMLの推定発生率を比較した。抗JCV抗体陰性患者におけるPML発生率の保守的な推定を提供するために、感受性分析を行って、この推定に対する仮想的抗JCV抗体陰性PML症例の影響を査定した。更に、感受性分析を行って、抗JCV抗体陽性PML症例の数を変動させることによってこの推定の統計的確実性を査定した。
PML危険性の定量化:先の免疫抑制薬の使用、ナタリズマブ治療継続期間、および抗JCV抗体陽性状態
危険因子アルゴリズムを開発して、ナタリズマブ随伴PMLおよび抗JCV抗体血清状態に対するある特定の危険因子のあるまたはない患者におけるPML発生率を推定した。これらのアルゴリズムは、先の免疫抑制薬の使用(ありまたはなし)、ナタリズマブ治療継続期間(1〜24ヶ月および25〜48ヶ月)、および抗JCV抗体状態によるPML危険性を推定した。これらの危険性アルゴリズムは、ナタリズマブ治療継続期間(1〜24または25〜48ヶ月)、ならびにTYGRISからのナタリズマブ治療患者における、およびPMLを有する患者における先の免疫抑制薬の使用の推定による、PML発生率データに基づいていた。加えて、一般のMS集団における抗JCV抗体の推定される全体的な罹患率を使用して、ナタリズマブ随伴PMLの全ての確認された症例が診断前に抗JCV抗体陽性であったと想定して、血清状態に関連付けられるPMLの発生率を3因子危険性アルゴリズムに帰属させた。感受性分析を行って、観察された最も高い値および最も低い値に基づいて、この3因子アルゴリズムを開発するために使用された推定値を変動させる効果を定量化した。
結果
PMLに対する危険因子としてのナタリズマブ治療継続期間の特定
世界的な規模で、2011年3月4日現在のPMLの102件の確認された症例を特定した。全体的に、PML危険性は、治療継続期間が増加すると共に増加し(図1A)、2年間の療法後に危険性における最大の増加が生じ、3年目で患者1000人当たり1.68症例のピークに達した(図1B)。4年目を超えるデータは限定された。
PMLに対する危険因子としての先の免疫抑制薬の使用の特定
先の免疫抑制薬の使用は、ナタリズマブを受容する全体的な患者集団を代表したTYGRISに登録した患者と比較して、PMLを発症したナタリズマブ治療患者においてよりよく見られた。TYGRISからのナタリズマブ治療患者における20.3%(米国において13.9%、および欧州において23.6%)と比較して、ナタリズマブ治療PML患者の45パーセントが、ナタリズマブでの治療を開始する前に1つ以上の免疫抑制療法を受容したことがあった。ナタリズマブ治療PML集団およびTYGRISの両方において使用された、最も一般的な先の免疫抑制薬には、ミトキサントロン、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、およびミコフェノール酸塩が含まれ、免疫抑制薬のタイプ、使用継続期間、または免疫抑制薬の中止とナタリズマブの開始との間の休薬期間において特定のパターンは何ら観察されなかった(表1)。
PML危険性の定量化:ナタリズマブ治療継続期間および先の免疫抑制薬の使用
患者を、ナタリズマブ治療継続期間(1〜24または25〜48ヶ月)および先の免疫抑制薬の使用(ありまたはなし)によって階層化したとき、PMLの発生率に関して、患者の4つの明確に異なる下位群が特定された(図2)。これらの下位群のうちの3つは、1000分の1未満またはそれにおよそ等しい推定PML発生率を有した。PML危険性は、ナタリズマブで1〜24ヶ月にわたって治療され、かつ先の免疫抑制療法を受容したことがなかった患者において、1000分の0.19(95%信頼区間:0.10〜0.33)で最も低かった。PMLに対するこれらの危険因子の両方を有した患者を含む、第4の下位群は、1000分の4.3の推定PML発生率(95%信頼区間:2.9〜6.2)で最も高い危険性を有した。
PMLに対する危険因子としての抗JCV抗体状態の特定
AFFIRM、TYGRIS−US、STRATIFY−1、およびスウェーデンMS
レジストリからの5,896人の患者が、抗JCV抗体試験実施のためのベースライン試料を入手可能であった。ナタリズマブ治療継続期間および先の免疫抑制薬の使用歴を含む人口統計は、入手可能であった場合、これらのデータ源の間で同様であった(表2)。本研究において査定された、一般のMS集団における全体的な抗JCV抗体罹患率は、55%(95%信頼区間:54〜56%)であった。
TYGRIS−米国データセットにおいて、1480人の患者のうちの1451人が、年齢、性別、および先の免疫抑制薬情報を得ることができた。STRATIFY−1データセットにおいて、1096人の患者のうちの988人が、先の免疫抑制薬情報を得ることができた。スウェーデンMSデータセットにおいて、2497人の患者のうちの2464人が、年齢情報を得ることができ、2497人の患者のうちの2494人が、性別情報を得ることができた。先の免疫抑制薬の使用は、スウェーデンMS患者において得ることができなかった(該当なし)。
1つ以上のPML前の試料を、25人のナタリズマブ治療MS患者から、PML診断の6.5〜187ヶ月前に得た。補足表1に示されるように、これらの25人の患者は、世界中の102件の確認されたPML症例と同様であった臨床特性を有したが、それは明白な選択バイアスはないことを示している。複数のPML前の試料が得ることができた全ての患者は、ナタリズマブ治療の開始前に収集された試料を含む、全ての時点で、抗JCV抗体陽性の試験結果であった。PML診断前のMSナタリズマブ治療PML患者における100%(25人中25人)の抗JCV抗体陽性罹患率は、一般のMS集団において観察された、予想された55%の罹患率から有意に異なっていたが(p<0.0001)、それは更なるPML危険性階層化ツールとしての役目を果たす抗JCV抗体状態の能力を実証している。
MS発症日は、抗JCV抗体陽性群における5人の患者、および全PML群における38人の患者について未知であった。先の免疫抑制薬の使用状態は、抗JCV抗体陽性群における1人の患者、および全体的なPML群における9人の患者について未知であった。
抗JCV抗体血清状態によるPML発生率の推定
抗JCV抗体陽性であった患者におけるPMLの発生率を、全体的なナタリズマブ治療集団のほぼ2倍と推定した(表4)。抗JCV抗体状態による全体的なPMLの発生率を推定するために、次の方法を使用した:PML前の試料が入手可能であった25人のナタリズマブ治療を有するMS患者に基づいて、PMLを有する25人のMS患者が、PMLの全体的率である1000分の1.23人の患者に基づいて、ナタリズマブ治療を受容しているおよそ20276人の患者に由来していたことを推定した(図1)。これらの20276人の患者の55%が抗JCV抗体陽性であり(すなわち、11152人の患者)、45%が抗JCV抗体陰性であった(すなわち、9124人の患者)ことを想定して、抗JCV抗体陽性患者におけるPMLの発生率を、文献において推定された率と同様の(Tyler,Ann.Neurol.68:271−274,2010)、治療された患者1000人当たり2.24症例と推定した(=1000×25/11152)、95%信頼区間:1.45〜3.31。逆に、抗JCV抗体陰性患者におけるPMLの推定発生率は、患者1000人当たり0症例であり(95%信頼区間:0〜0.40)、抗JCV抗体陽性患者における推定発生率から有意に異なった。p<0.0001。
この推定に対するナタリズマブ治療継続期間の効果を、分析において、ナタリズマブの25〜48ヶ月後(その療法継続期間後、発生率の増加が最も顕著であった療法継続期間)のPML発生率を使用して査定した。抗JCV抗体陽性患者において、25〜48ヶ月の療法後のPMLの危険性は、1000あたり3.97であり(95%信頼区間:2.36〜6.27)、抗JCV抗体陰性患者においては、1,000あたり0であった(95%信頼区間:0〜0.99)、表3。
この文書の時点で、抗JCV抗体陰性患者におけるPMLの発生率は、何のPML症例も診断前に抗JCV抗体陰性の試験結果でなかったため、完全に確認することができなかった。したがって、抗JCV抗体陰性患者におけるPMLの発生率を推定するために、PMLの仮想的症例が抗JCV抗体陰性患者において生じたことを想定し、故に、その比率がより低い可能性が高い保守的な推定の決定を可能にして、感受性分析を行った。この分析は、抗JCV抗体陽性患者におけるよりも少なくとも20倍低い、抗JCV抗体陰性患者におけるPMLの推定発生率を実証した、p<0.0001(表3)。
抗JCV抗体陽性の試験結果であった、PML前の試料が入手可能であった抗JCV抗体陽性PML患者の数を増加させる効果の感受性分析は、抗JCV抗体陽性患者におけるPMLの増加した危険性に関する統計的確実性が、25の入手可能なPML前の試料を上回っては改善されなかったことを実証した(表5)。
PML危険性の定量化:ナタリズマブ治療継続期間、先の免疫抑制薬の使用、および抗JCV抗体状態
ナタリズマブ治療継続期間、先の免疫抑制薬の使用、および抗JCV抗体状態に基づいて、組み合わされた定量的PML危険性アルゴリズムを、ナタリズマブ治療MS患者について開発した(図3)。JCV曝露がPMLの要件であるため、抗JCV抗体陰性である患者がPML危険性階層化アルゴリズムにおいて最も低い危険性の下位群を代表し、推定危険性は、感受性分析において決定される保守的な推定に基づいて、1000につき0.11以下であった(95%信頼区間:0〜0.59)。逆に、最も高い危険性群は、抗JCV抗体陽性であり、先の免疫抑制薬の使用があり、かつナタリズマブで25〜28ヶ月にわたって治療されたことがある患者からなる。このアルゴリズムは、PMLの全ての102件の確認された症例が、PML診断前に抗JCV抗体陽性であったことを想定した。より高い危険性の下位群について(3つ全ての危険因子を有した患者)、推定PML危険性は、およそ1000につき7.8であった(95%信頼区間:5.2〜11.3)。抗JCV抗体陽性であり、先の免疫抑制薬の使用がなかった患者について、PML危険性は、同様の時点での全体的なナタリズマブ治療集団における危険性と一致した(図1Aおよび1B)。このアルゴリズムを開発するために使用された推定値を変動させる効果の感受性分析は、一般に基線症例シナリオにおいて見られる元の推定と一貫していた、最小および最大値をもたらした(図4Aおよび4Bを参照されたい)。抗JCV抗体陰性患者における危険性を、PMLの仮想的症例が抗JCV抗体陰性患者において生じたことを想定することによって決定した。
この分析は、一般のMS集団における抗JCV抗体罹患率を、48%〜(TYGRIS−米国において見られる)59%(独立したスウェーデンレジストリにおいて見られる)、ナタリズマブ治療MS集団における先の免疫抑制薬の使用を、14〜24%(それぞれ、TYGRISにおける米国および欧州推定値に基づく)、およびナタリズマブ25〜48ヶ月曝露推定値を35〜45%(40%の現在の推定値およそ過去1年間における10%の増加に基づく)に変動させた。プロットは、各々シナリオ(基線症例、最小、および最大)についての点推定および95%信頼区間を表す。一般に、基線症例シナリオは、最小および最大推定値と比較的一貫していた。
PML発症にはJCV感染が必要とされるため、最も低いPMLの危険性は、他の危険因子に関わらず、抗JCV抗体陽性患者におけるよりも少なくとも20倍低い、ナタリズマブ治療患者1000人当たり0.11症例以下の抗JCV抗体陰性であった(95%信頼区間 0〜0.59)患者におけることを決定した。p<0.0001。現在までに抗JCV抗体陰性患者におけるPMLの症例は何ら存在しないが、抗JCV抗体アッセイが2.5〜3.2%の推定分析偽陰性率を有するため、PMLを発症する真の危険性は、ゼロではあり得ない.1、19。逆に、PML危険性は、3つ全ての危険因子(25〜48ヶ月にわたるナタリズマブ治療、先の免疫抑制薬の使用、および抗JCV抗体陽性状態)を有した患者において最も高く、その推定発生率は、患者1000人当たり7.8症例であった(95%信頼区間:5.2〜11.3)。
実施例2.本方法の堅牢性を実証するために、抗JCV抗体ELISAを臨床研究所で検証した。
ヒト血清または血漿における抗JCV抗体を検出する、新規の2ステップ酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)が、最近記載された(第PCT/US2011/020832号を参照されたい)。アッセイの主要な特質には、直接結合および溶液中の競合構成成分の両方;特徴がはっきりしているJCウイルス様粒子(VLP)の調整物の使用;適切な品質管理(QC)試料の組み込み;多数の縦断的に収集された臨床試料を使用したアッセイカットポイントの統計的決定;アッセイのシグナルの正規化;ならびに抗JCV抗体の複数のアイソタイプ(IgG、IgM、IgA、およびIgEを含む)の検出が含まれる。
本方法の堅牢性を実証するために、抗JCV抗体ELISAを3つの臨床研究所で検証した。分析検証を、アッセイ内およびアッセイ間精度、分析特異性および感受性、マトリックス干渉、堅牢性、ならびに試薬能力の評価によって行った。
血清および血漿試料中の抗JCV抗体の安定性を、プールされたヒト血清から調製されたアッセイQC試料ならびに個々のドナーからの血清および血漿試料を使用して実証した。抗JCV抗体を、血清または血漿中で、6回の凍結/融解サイクルを通じて、かつ周囲(18〜25℃)温度および2〜8℃の両方で保管されたとき14日間にわたって、安定であることが示された。更に、処理する前に、2〜8℃で、周囲温度(18〜25℃)で、または37℃で、それぞれ、7日間、7日間、および3日間保管された全血中の抗JCV抗体の安定性もまた、血清および血漿収集管の両方を使用して示された。JC VLPの安定性は、4回の凍結/融解サイクルを通じて、かつ2〜8℃で18ヶ月にわたって示された。
分析検証は、アッセイが、感受性があり、特異的、かつ精密であることを実証した。アッセイ感受性を、ヒト化抗JCVモノクローナル抗体対照を使用して1.7ng/mLであると推定し、抗JCV抗体陽性血清からの精製されたポリクローナル抗体を使用して1.25μg/mLであると推定した。JCV感染を検出するための感受性は、97.5%であると推定した。JCV特異的抗体を、関連するポリオーマウイルスであるBKウイルスに向けられる抗体から識別するアッセイの特異性もまた、実証された。平均アッセイ内およびアッセイ間精度は、スクリーニングステップについておよそ6.4%および12.2%、ならびに確認ステップについて2.6%および5.3%であった。血漿および血清について得られた結果は、高度に調和しており、100の盲検化試料のパネルを試験した3つの研究所によってもたらされた高度に一致した結果によって、アッセイ堅牢性が実証された。
実施例3.改良されたツーステップJCVアッセイ(第2世代アッセイ)は、元のアッセイ(第1世代アッセイ)よりも正確な結果を提供する。
ツーステップ抗JCV抗体アッセイを、最適化ラウンドに従って修正した。新たなアッセイは、第1のアッセイとは、少なくとも次のように異なる:
・第1世代アッセイにおいて使用した1μg/mLとは異なり、HPVLPを、第1のステップにおいてプレート上で、および確認アッセイにおいて溶液中で、0.4μg/mLの基質濃度で使用する。
・第1世代アッセイにおける1:200とは異なり、患者血清を、アッセイの第1のステップにおいてプレート上のHPVLPに、または確認アッセイにおいて溶液中のHPVLPに適用する前に、1:101希釈する。
・HRPに複合体化される二次試薬(抗ヒトIgG)を、典型的に1:20,000希釈し(しかし、シグナルを以前のロットに合致させるために新たなロットに対して再調整する必要があり得る)、複合体とのインキュベーション時間は、わずか30分である。第1世代アッセイにおいては、同じ試薬を1:80,000希釈し、インキュベーション時間は60分間であった。
・結合反応を、HRP基質TMBを20分間±2分間インキュベートすることによってアッセイするが、第1世代においては、TMBインキュベーションは、20分間±5分間であった。
・確認アッセイにおいて、10μLの試料を1mLの確認緩衝液に添加し(1:101希釈)、反応は10〜20分間進行する。第1世代アッセイにおいては、2倍濃度の試料(1:100希釈)およびHPVLP(2μg/mL)を等割合で混合し、次いで60分間インキュベートした。
・カットオフ検量用試料(CO)を、約1.0のnOD反応性指標を有するように調整し、陽性対照(PC)を、約1.3のnOD反応性指標を有するように調整する。COおよびPCを、抗JCV抗体陽性血清および抗JCV抗体陰性血清を混合することによって作製する。典型的に瓶内陰性血清である、陰性対照(NC)について、反応性指標標的は、約0.1である。定性的に、対照は、ヒト血清の異なるプールに由来するが、アッセイ標的濃度に由来し、それらは、第1世代対照レベルと同様である。
JCV第2世代臨床一致研究結果が、下の表6に要約される。全ての第1世代試験をFocus Diagnostics参照研究所(Cypress、CA)にて行い、第2世代アッセイのための試験会場には、Denver(数:全体=275;TYSABRI(登録商標)に基づく=149;ナイーブ=126)、New York(数:全体=275;TYSABRI(登録商標)に基づく=136;ナイーブ=139)、およびFocus Diagnostics(数=全体262;TYSABRI(登録商標)に基づく=95;ナイーブ=167)が含まれた。一致パーセントは、(第2世代/第1世代)、96%信頼区間の下限値および上限値(95%Cl:LB対UB)として表される。
実施例4.抗JCV抗体状態を使用して、PMLに対する患者の危険性を分類することができる。
我々は、抗JCV抗体陽性患者を、抗JCV抗体価(nODまたは指標)および抗JCV抗体結合活性/親和性(阻害%)に基づいて、PMLを発症する危険性に対して更に階層化することができるという仮説を立てた。この仮説は、既定レベル(「臨床カットポイント」)を下回る抗JCV抗体価および阻害%を有する患者が、全体的な抗JCV抗体陽性集団と比較して、PMLを発症することに対して危険性がより低いという観察に由来した。抗体価および阻害パーセントの状態によって示唆されるPMLの相対的危険性を決定するために、抗JCV抗体価および阻害パーセントは、TYSABRI(登録商標)(ナタリズマブ)の開始前に、または患者が既にTYSABRI(登録商標)中であるときに、行うことができた。
他の危険因子と組み合わせた抗体価および阻害パーセントの状態によって示唆されるPMLの相対的危険性を決定するために、2つの異なる抗JCV抗体アッセイ(「第I世代」および「第II世代」)からの既存のデータを収集し、分析した。既存のデータには、「nOD」または「指標」として表される抗JCV抗体価情報が含まれた。
第I世代アッセイにおいて、抗JCV抗体陽性患者の22%(77/356)がnOD1.0(C−1801)超を有し、抗JCV抗体陽性PML患者の34%(13/38)がnOD1.0(C−1801)超を有した。故に、非PML患者と比較して、約1.5倍多いPML患者が、nOD1.0超を有した。これは、nOD1.0超に関連付けられる2〜3倍の危険比率に相当する。
TYSABRI(登録商標)非PML患者の6%のもまた、2年間超にわたって収集された縦断的試料について、抗JCV抗体価(nOD)における2倍超の変化を有することが観察された(C−1801)。しかしながら、情報伝達的時点(PML診断前の1年間超、PML診断の6ヶ月以内、およびPML診断時)で収集された縦断的試料を有するPML患者の大部分は、抗JCV抗体価(nOD)における2倍超の増加を示した。これは、経時的なJCV力価における有意な変化を示さない患者は、PMLを発症する危険性がより低いことを示唆する。
例示的なnODおよび抗体価が、図5A〜10Bに提供される。患者データは、表7に要約される。
統計的分析のグラフは、図11に示される。
統計的分析は、阻害パーセントについて、抗体陽性試料の約17%が0.502未満であり、PML試料の約0%が0.502未満であることを示した。抗体陽性試料の約30%が70%阻害未満であり、PML試料(指標3.0未満を有する)の約0%が70%阻害未満である。
実施例5.分析的に検証された抗JCV抗体アッセイを臨床実施に導入して、MS患者をPMLのより高い危険性またはより低い危険性について階層化した。
下の研究の目的は、ナタリズマブでの治療の開始の前および後の抗JCV抗体価変化を査定することであった。
抗JCV抗体アッセイ(Gorelik et al.,Ann.Neurol.2010)を、5人のPML陽性患者を含む、ナタリズマブで治療されるスウェーデンMS患者の試料に適用した。抗JCV抗体アッセイの正規化OD(nOD)値を、ナタリズマブでの治療前および後に試験した。陽性試料を、希釈ステップにおいて1:3希釈して、力価レベルを決定した。同じ割合の患者をまた、核ヒトサイトメガロウイルス(CMV)抗原(Schmitz et al.,J.Clin.Microbiol.1977)に対する抗体、および組換え水痘帯状疱疹(VZV)糖タンパク質E抗原(Thomsson,J.Virol.Methods 2011)に対する抗体について試験した。
ナタリズマブ治療の開始後、抗JCV抗体レベルは、比較的安定に留まり、nODレベルの緩やかな下落が、抗JCV陽性患者において観察された。抗JCV抗体レベル(nOD)における明らかな下落は、患者がナタリズマブ治療を受けたときに観察されたが(n=471)、先行するインターフェロンベータ療法中には観察されなかった(n=210)。これは、血清学的状態および血清陽性率に有意に影響を及ぼすことのない(前:56%、後55%)、抗JCV抗体レベルに対するナタリズマブ療法の可能性のある効果を示す。
ナタリズマブ治療の開始後、抗VZV(OD)(n=715)は、若干下落したが、抗CMV(n=502)抗体レベルは下落しなかった。
PMLを発症した5人の患者について、血清中の抗JCV抗体(nOD)のレベルにおける観察された変化が、下の表9に要約される。血清中の抗JCV抗体(nOD)のレベルは、ベースライン値と比較して、PML診断時に増加した。
本研究から、我々は、ナタリズマブでの療法が、JCV血清陽性率に影響を及ぼすことなく、抗JCV抗体レベル(nOD)における緩やかな減少をもたらし得ると結論付けた。注目すべきは、ベースライン値と比較して、抗JCV陽性参照集団のわずか5%が、0.151(95%百分位数)を上回るnOD値(ΔnOD)における変化を示したことであるが、これは、PMLの5つのスウェーデン症例全てにおいて診断時に観察された。故に、PML危険性階層化の文脈における、PML診断前の、ナタリズマブ療法中の抗JCV抗体レベルにおける増加の調査が、正当化される。
実施例6.抗JCV抗体陽性患者の間の高危険性および低危険性群を描出するための、分析カットオフとは明確に異なる臨床カットオフの使用。
階層化第I研究からの結果を使用して、抗JCV抗体陽性患者の間の高危険性および低危険性群を描出するための、分析カットオフとは異なる臨床カットオフを決定した。故に、患者のPMLの危険性は、最初にベースライン抗JCV抗体価レベルに基づくであろう。第II世代抗JCV抗体アッセイを、本研究において使用した。
TYSABRI(登録商標)非PML患者(階層化第I、n=1044)およびPML患者(PML診断の6ヶ月超以前(n=38)を評価した(図12)。第II世代アッセイにおいて、抗JCV抗体陽性患者の17%は、PML診断の6ヶ月超以前に収集されたPML患者からの試料について観察された最も低い力価(指標)を下回る力価(指標)を有したが、それはこれらの患者が、PMLを発症することに対してより低い危険性を有し得る(抗JCV抗体陰性患者と同様に)ことを示唆する。更に、PML診断の6ヶ月超以前に試料が収集されたわずか13%のPML患者が指標1.5未満を有したことと比較して、抗JCV抗体陽性患者の50%が、指標1.5を下回る力価(指標)を有した。また、以前に免疫抑制薬剤を受容したことが知られていないPML患者のわずか4.4%が、指標1.5未満の試料を有したが、それはそれらの患者が、高い抗JCV抗体価(nODまたは指標)を有する患者5と比較して、PMLを発症することに対してより低い危険性を有し得たことを示唆する。
どのPML患者も指標0.5未満を有する者はなかったので、0.5未満のnODを有する患者(109/1044(総計試料の10.4%)または109/549(抗JCV抗体陽性患者の20%))は、最も低いPML危険性群(可能性として抗JCV抗体陰性患者と同程度に低い)にあると決定した。指標が0.5超であるが、1.5未満を有する患者は、非PML抗JCV抗体陽性患者の50%およびPML患者のわずか13%が、それぞれ、この区間内の試料を有したため、より低い危険性区間にあると決定した。更に、先の免疫抑制療法を受容したことが知られなかったPML患者のわずか4%が、指標1.5超の試料を有した(図13)。抗JCV抗体陽性集団の指標1.5超を有する患者(271/549(50%))を、PMLに対する危険性がより高いと決定した。47パーセントの患者は、抗JCV抗体陰性であった。
PML診断後、患者を免疫吸着(IA)または血漿交換(PLEX)に供して、循環しているナタリズマブを除去し、免疫機能を回復させる。抗JCV抗体レベルを、これらの患者において処置前レベルまで迅速に回復させる。
実施例7.本明細書に記載される改良されたツーステップ抗JCVアッセイにおける、階層化された危険性を、抗JCV抗体に対して既に陽性の試験結果であったTYSABRI(登録商標)治療を受ける多発性硬化症(MS)患者に割り当てるために提案される統計的手法。
PML危険性を抗JCV血清陽性に割り当てるための2つの代替的な戦略(戦略1および2として表される)である、STRATIFY−II(American Academy of Neurology(AAN)Meeting、2012年4月21〜28日、要約S041.002)研究を評価する。2つの方法のうちより保守的な戦略1は、添付の報告書に提供されるノンパラメトリックな二変量許容域のうちの1つを改良する。統計的手法が下に概説される戦略2は、戦略1と比較してより高い割合の将来的抗JCV血清陽性を、PMLを発症する低い危険性に割り当てるはずである。
戦略2は、PML患者試料についての阻害%対指標を測定する、適合方程式の周囲のより低い同時許容域を考案する。戦略1は、STRATA(Ann.Neurol.,68:295−303,2010)およびSTRATIFY−I (Ann.Neurol.,70:742−750,2011)患者(彼らのほぼ全ては、PMLを発症する非常に低い危険性を有することが想定される)におけるツーステップ抗JCVアッセイからの阻害%/指標測定値に基づいて低危険域を構築するが、戦略2は、それらのPML診断の日付前のMS患者から収集された測定値に基づいて高危険域を構築する。我々の限定されたPML試料の集団は、PMLに感染したタイサブリ治療MS患者のユニバース全体を代表しない可能性があるが、戦略2は、これらの試料における阻害%対指標関係が、診断前のPML全体を代表することを想定する。この想定は、阻害%対指標関係を、STRATIFY−1+STRATAのそれと並列して示す、抗JCV PMLデータによって統計的に支持された。PML阻害%対指標関係をモデル化するために戦略2によって活用されるのは、この並列性である。
阻害%と指標との間の関係を、STRATIFY−1/STRATA/PML試料の組み合わされた一組について、最初に統計的にモデル化する。阻害%対指標に対する当てはめ方程式は、PMLとSTRATIFY−1/STRATA試料との間を識別するであろう。より低い同時95%または99%許容域を次いで、PML試料について制約された当てはめ方程式の周囲に構築する。阻害%/指標測定値がこの許容域内に入る将来の抗JCV血清陽性症例には、PMLを発症するより高い危険性が割り当てられるであろうが、この許容域は、それらの診断前のPML患者からの試料の少なくとも95%(または99%)がより高い危険性に割り当てられることを保証するはずである。指標測定値2.5超を有する将来的試料は、PMLを発症するより高い危険性に自動的に割り当てられることに留意されたい。
統計的詳細。次の混合モデル(または何らかの改良)を、SAS MIXED手順を使用して、第2世代抗JCV STRATIFY−1+STRATA+PML試料阻害%/指標測定値の組み合わされた一組に最初に当てはめる。
εijの値は、平均ゼロおよび分散σで正規で、独立して分布されると想定され、πの値は、平均ゼロおよび分散
で正規で、独立して分布されると想定され、εijの値およびπの値は、独立していると想定される。故に、方程式(1)における混合モデルについて、XおよびWは、固定効果である一方で、πおよびεijは、変量効果である。xの予備推定値は、1.77であったが、それは改良されるであろう。適合方程式周囲のより低い95または99%同時許容域を構築する(参照1〜5)。指標レベルの関数としての許容域の下限を次いで、阻害%へと逆変換する。阻害%/指標測定値が許容域に該当するか、または指標測定値2.5超を有するかのいずれかである将来的試料は、PMLを発症する危険性がより高いと判断する。
下の表10は、異なるnODに基づいてより低い危険性として分類されるであろう、抗JCV抗体陽性の推定百分率を提供する。
*患者ドナー内の多数かつ不均等な数の測定値に起因する、PML前の集団の偏った推定値。
**PML前の患者1人当たり1時点を無作為に選択した、1000のシミュレーションの平均に基づく推定当てはめる。
他の実施形態は、特許請求の範囲内にある。

Claims (1)

  1. 試料中の抗JCV抗体のレベルを評価する方法であって、
    (a)試料の第1のアリコートと第1の基質を含む、第1の反応混合物を形成することであって、HPVLPが前記第1の基質上に配置されていることと、
    (b)記基質上に配置されたHPVLPに結合した抗JCV抗体のレベルを、前記第1の基質上に配置されたHPVLPに結合した抗JCV抗体に結合している、標識された検出試薬を検出することによって、検出することと、を含み、
    (i)20ngs〜60ngsのHPVPが前記第1の基質上に配置されること、および(ii)試料対前記第1の基質上に配置されたngsのHPVLPの比率が1:50〜1:30であることのうちの一方または両方が満たされ、
    それによって試料中の抗JCV抗体のレベルを評価する、方法。
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